(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 76/11 20180101AFI20240521BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20240521BHJP
H04W 12/06 20210101ALI20240521BHJP
H04W 4/021 20180101ALI20240521BHJP
【FI】
H04W76/11
H04W84/12
H04W12/06
H04W4/021
(21)【出願番号】P 2023035416
(22)【出願日】2023-03-08
(62)【分割の表示】P 2019091242の分割
【原出願日】2019-05-14
【審査請求日】2023-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】不野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】津藤 智
(72)【発明者】
【氏名】山添 信行
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0345208(US,A1)
【文献】特開2003-304518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約することで利用が可能な場所の無線通信の
SSID又はパスワードを、前記場所を予約したユーザ
に応じて、ユーザに固定されたSSID又はパスワード
に変更する変更手段、
を備え、
前記ユーザに固定されたSSID又はパスワードは、ユーザ毎に自動的に決定されたものである、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
コンピュータを、
予約することで利用が可能な場所の無線通信の
SSID又はパスワードを、前記場所を予約したユーザ
に応じて、ユーザに固定されたSSID又はパスワード
に変更する変更手段、
として機能させ
、
前記ユーザに固定されたSSID又はパスワードは、ユーザ毎に自動的に決定されたものである、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公衆の無線通信は、一般的に、予め用意されたパスワード等の設定を利用することで、ユーザによって利用される。
【0003】
特許文献1には、ショートメッセージ中の無線LANアクセスポイントデータに基づき、対応する無線LANアクセスポイントとの接続を確立する方法が記載されている。
【0004】
特許文献2には、スイッチングハブのポートにおける信号により、無線端末機器の認証と無線LANアクセスポイントへのアクセス状況を監視する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-42005号公報
【文献】特開2010-63000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パスワード等の設定を固定した場合、無線通信を利用するときのセキュリティが低下することがある。
【0007】
本発明の目的は、予約することで利用が可能な場所の無線通信の設定において、予約毎に異なる無線通信の設定を入力するユーザの手間を削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、予約することで利用が可能な場所の無線通信のSSID又はパスワードを、前記場所を予約したユーザに応じて、ユーザに固定されたSSID又はパスワードに変更する変更手段、を備え、前記ユーザに固定されたSSID又はパスワードは、ユーザ毎に自動的に決定されたものである、ことを特徴とする情報処理装置である。
【0009】
請求項2に係る発明は、コンピュータを、予約することで利用が可能な場所の無線通信のSSID又はパスワードを、前記場所を予約したユーザに応じて、ユーザに固定されたSSID又はパスワードに変更する変更手段、として機能させ、前記ユーザに固定されたSSID又はパスワードは、ユーザ毎に自動的に決定されたものである、ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1,2に係る発明によれば、予約することで利用が可能な場所の無線通信の設定において、予約毎に異なる無線通信の設定を入力するユーザの手間を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る予約管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】アクセスポイントの構成を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る情報処理システムによる処理の流れを示すシーケンス図である。
【
図9】変形例に係る予約管理テーブルを示す図である。
【
図11】変形例に係る処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。
【0013】
本実施形態に係る情報処理システムは、予約管理装置10と、1又は複数の情報処理装置12と、1又は複数のアクセスポイント14と、1又は複数の端末装置16とを含む。情報処理システムは、これら以外の装置を含んでもよい。
【0014】
予約管理装置10、情報処理装置12、アクセスポイント14及び端末装置16は、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよい。通信経路Nは、例えば、LAN(Local Area Network)等のネットワークやインターネット等である。通信経路Nは、有線通信によって構築されてもよいし、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信によって構築されてもよい。予約管理装置10、情報処理装置12、アクセスポイント14及び端末装置16は、例えば、無線通信又は有線通信を利用して通信経路Nに接続し、通信経路Nを介して他の装置と通信する。予約管理装置10、情報処理装置12、アクセスポイント14及び端末装置16は、通信経路Nを介さずに近距離無線通信等を利用して他の装置と通信してもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identifier)やNFC等である。
【0015】
予約管理装置10は、利用場所18の利用の予約を管理するように構成されている装置である。例えば、利用場所18の利用が可能となる利用時間が予約された場合、当該予約を行ったユーザは、当該利用時間の間、当該利用場所18を利用することが許可され、当該予約を行っていないユーザは、当該利用時間の間、当該利用場所18を利用することが許可されない。利用時間は、例えば、日付と時間帯とによって定められる。
【0016】
利用場所18は、ブース、シェアオフィス等のオフィス、ホテルの部屋、乗り物(例えば車や電車や飛行機やバス等)の席、建物の一部や全部、又は、公衆の場所等である。もちろん、これら以外の場所が、利用場所18であってもよい。
【0017】
予約管理装置10は、1又は複数の利用場所18の利用の予約を管理する。各利用場所18は、例えば異なる場所である。例えば、各ブースが異なる場所に設置され、各ブースを対象として利用の予約が行われる。他の利用場所18についても同様である。
【0018】
情報処理装置12は、利用場所18にて利用が可能な通信を制御するように構成されている装置である。当該通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。以下では、一例として、当該通信は無線通信であるものとする。例えば、情報処理装置12は、利用場所18にてアクセスポイント14を介して利用が可能な無線通信を制御するように構成されている。
【0019】
アクセスポイント14は、無線通信装置であって、アクセスポイント14を利用する装置(例えば端末装置16等)と無線通信し、当該装置を通信経路N等の通信経路に接続するように構成されている装置である。例えば、利用場所18毎に、1又は複数のアクセスポイント14の利用が可能となっている。アクセスポイント14は、利用場所18内に設置されていてもよいし、利用場所18の周囲に設置されていてもよい。例えば、アクセスポイント14の通信可能範囲(つまり、アクセスポイント14との間で電波の送受信が可能な範囲)内に、利用場所18の全部又は一部が含まれる。これにより、利用場所18の全部又は一部にて、アクセスポイント14を利用した無線通信が可能となる。
【0020】
情報処理装置12は、例えば、利用場所18内、又は、当該利用場所18の周囲に設置されて、当該利用場所18にて利用が可能なアクセスポイント14を制御することで、当該アクセスポイント14によって利用が可能な無線通信を制御する。例えば、情報処理装置12とアクセスポイント14とは、有線通信経路又は無線通信経路によって接続されており、情報処理装置12は、有線通信経路又は無線通信経路を介してアクセスポイント14を制御する。予約管理装置10が複数の利用場所18の予約を管理する場合、利用場所18毎に情報処理装置12が設置され、利用場所18毎に、利用場所18のアクセスポイント14が、当該利用場所18の情報処理装置12によって制御される。もちろん、1つの情報処理装置12が、複数のアクセスポイント14(例えば複数の利用場所18のそれぞれに設けられたアクセスポイント14)を制御してもよい。
【0021】
端末装置16は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン又は携帯電話等の装置である。一例として、端末装置16は、タブレットPCやスマートフォンや携帯電話等の携帯可能な端末装置である。
【0022】
以下、
図2を参照して、予約管理装置10の構成について詳しく説明する。
図2には、予約管理装置10の構成の一例が示されている。
【0023】
通信部20は通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信部20は、無線通信機能を有していてもよいし、有線通信機能を有していてもよい。通信部20は、無線通信又は有線通信を利用して通信経路Nに接続し、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよいし、近距離無線通信等を利用することで通信経路Nを介さずに他の装置と通信してもよい。
【0024】
記憶部22は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域である。各記憶領域は、例えば、予約管理装置10に設けられている1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。
【0025】
記憶部22には、予約管理情報が記憶されている。予約管理情報は、各利用場所18の利用の予約を管理するための情報である。予約管理情報は、例えば、利用場所18を識別するための利用場所識別情報、利用時間を示す利用時間情報、当該利用場所18を予約したユーザに関するユーザ情報、当該利用場所18にて利用される無線通信の設定に関する無線設定情報、及び、予約日時に当該利用場所18を利用するために必要な情報である利用情報、等を含む。
【0026】
予約管理部24は、利用場所18の利用の予約を管理するように構成されている。予約管理部24は、例えば、利用場所18の利用の予約の要求を端末装置16から受けて、当該利用場所18の利用の予約を予約管理情報に登録する。予約管理部24は、利用場所18を予約したユーザによる当該利用場所18の利用を許可する。利用時間が予約された場合、予約管理部24は、当該利用時間における利用を許可する。
【0027】
無線設定決定部26は、利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定を決定するように構成されている。無線設定決定部26は、例えば、利用場所18を予約したユーザに応じた無線通信の設定を、当該利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定として決定する。また、無線設定決定部26は、予約毎に無線通信の設定を変えてもよい。利用場所18の予約時にユーザが無線通信の設定を指定した場合、無線設定決定部26は、当該ユーザによって指定された無線通信の設定を、利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定として決定してもよい。なお、予め定められた設定が、無線通信の設定として用いられてもよい。
【0028】
本実施形態では一例として、無線設定決定部26は、アクセスポイント14の無線通信の設定を決定する。無線通信の設定は、例えば、アクセスポイント14の識別情報、及び、アクセスポイント14を介した無線通信を利用するためのパスワードの中の少なくとも1つを含む。アクセスポイント14の識別情報は、例えば、SSID(Service Set Identifier)等である。
【0029】
無線通信の設定は、更に、同一のアクセスポイント14による無線通信を介した他の装置との通信の可否、及び、通信速度の中の少なくとも1つを含んでもよい。同一のアクセスポイント14による無線通信を介した他の装置との通信を禁止する機能は、一般的に、SSIDクライアント分離機能や、SSID内分離機能や、プライバシーセパレータや、ネットワーク分離機能等と称されることがある。SSIDクライアント分離機能は、同一のSSIDを有するアクセスポイント14に接続している装置同士の通信を禁止する機能である。
【0030】
無線設定決定部26によって決定された無線通信の設定を示す無線設定情報は、予約管理装置10から情報処理装置12と、利用場所18を予約したユーザが利用する端末装置16とに送信される。
【0031】
制御部28は、予約管理装置10の各部の動作を制御するように構成されている。
【0032】
以下、
図3を参照して、情報処理装置12の構成について詳しく説明する。
図3には、情報処理装置12の構成の一例が示されている。
【0033】
通信部30は通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信部30は、無線通信機能を有していてもよいし、有線通信機能を有していてもよい。通信部30は、無線通信又は有線通信を利用して通信経路Nに接続し、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよいし、近距離無線通信等を利用することで通信経路Nを介さずに他の装置と通信してもよい。通信部30は、有線通信経路又は無線通信経路を介してアクセスポイント14と通信する。通信部30は、アクセスポイント14を介して、当該アクセスポイント14を利用している他の装置と通信してもよい。つまり、通信部30は、同一のアクセスポイント14に接続している他の装置と通信してもよい。通信部30は、アクセスポイント14を介さずに他の装置と通信してもよい。また、通信部30は、アクセスポイント14を介して通信経路Nや他の通信経路に接続してもよいし、アクセスポイント14を介さずに通信経路Nや他の通信経路に接続してもよい。
【0034】
UI部32はユーザインターフェースであり、表示部と操作部とを含む。表示部は、液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、キーボードや入力キーや操作パネル等の入力装置である。UI部32は、表示部と操作部とを兼ね備えたタッチパネル等のUI部であってもよい。なお、UI部32は、情報処理装置12に設けられていなくてもよい。
【0035】
記憶部34は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域である。各記憶領域は、例えば、情報処理装置12に設けられている1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。
【0036】
設定部36は、利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定を行うように構成されている。設定部36は、例えば、利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定を、当該利用場所18を予約したユーザに応じて変更する。本実施形態では一例として、設定部36は、アクセスポイント14の無線通信の設定を行う。利用場所18が予約されると、当該利用場所18にて利用が可能なアクセスポイント14の無線通信の設定を示す無線設定情報が、予約管理装置10から情報処理装置12に送信される。設定部36は、当該無線設定情報に従って、アクセスポイント14の無線通信の設定を行う。設定部36は、変更手段の一例に相当する。
【0037】
利用場所18の利用が可能となる利用時間が予約されている場合、設定部36は、当該利用時間の開始時間が経過した後、当該利用場所18を予約したユーザに応じて無線通信の設定を変更してもよい。
【0038】
利用時間の開始時間が経過した後、利用場所18を予約したユーザが当該利用場所18を利用するための操作を行った場合、設定部36は、予約したユーザに応じて無線通信の設定を変更してもよい。例えば、利用場所18であるブースが施錠されている場合において、利用時間の開始時間が経過した後に、ユーザによってブースが開錠された場合、設定部36は、無線通信の設定を変更する。
【0039】
無線通信の設定は、利用場所18の利用が可能となる利用時間中、ユーザによって変更されてもよい。例えば、SSIDや、パスワードや、SSIDクライアント分離機能の設定や、通信速度等が変更されてもよい。
【0040】
なお、無線通信の設定は、設定部36によって決定されてもよい。例えば、利用場所18が予約された場合、当該利用場所18が予約されたことを示す情報が、予約管理装置10から当該利用場所18の情報処理装置12に送信される。情報処理装置12においては、設定部36が、上記の無線設定決定部26と同様に、アクセスポイント14の無線通信の設定を決定する。その無線通信の設定を示す無線設定情報は、情報処理装置12から予約管理装置10に送信される。そして、当該無線設定情報は、予約管理装置10から、利用場所18を予約したユーザが利用する端末装置16に送信される。
【0041】
禁止部38は、利用場所18にてアクセスポイント14による無線通信を利用する装置の移動が、予め定められた時間以上にわたって検知されない場合、当該装置による当該アクセスポイント14を介した無線通信の利用を禁止するように構成されている。装置の移動は、例えば、アクセスポイント14と当該装置との間で送受信される電波の強度に基づいて検知される。強度に変化があれば、装置が移動していると判断される。装置の移動の検知は、例えば、制御部40によって行われる。例えば、無線通信機能を有するカメラが、アクセスポイント14による無線通信を利用している場合において、当該カメラが、予め定められた時間以上にわたって検知されない場合、当該カメラは、盗撮用に設置されている可能性がある。禁止部38が、当該カメラによる無線通信の利用を禁止することで、当該カメラによって撮影されたデータの転送を防止することができる。なお、禁止部38は、情報処理装置12に設けられていなくてもよい。
【0042】
制御部40は、情報処理装置12の各部の動作を制御するように構成されている。
【0043】
以下、
図4を参照して、アクセスポイント14の構成について詳しく説明する。
図4には、アクセスポイント14の構成の一例が示されている。
【0044】
通信部42は通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信部42は、無線通信機能を有する。通信部42は、更に、有線通信機能を有していてもよい。通信部42は、無線通信又は有線通信を利用して通信経路Nに接続し、通信経路Nを介して他の装置と通信する。通信部42は、近距離無線通信等を利用することで通信経路Nを介さずに他の装置と通信してもよい。通信部42は、Wi-Fi等を利用することで、アクセスポイント14を利用する装置(例えば端末装置16等)と無線通信し、当該装置を通信経路N等の通信経路に接続する。また、通信部42は、有線通信経路又は無線通信経路を介して情報処理装置12と通信する。
【0045】
記憶部44は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域である。各記憶領域は、例えば、アクセスポイント14に設けられている1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。
【0046】
記憶部44には、無線設定情報が記憶されている。無線設定情報は、アクセスポイント14の無線通信の設定に関する情報であり、少なくとも、アクセスポイント14の識別情報(例えばSSID)と、アクセスポイント14を介した無線通信を利用するためのパスワードとを含む。また、無線設定情報は、SSIDクライアント分離機能の設定を示す情報や、アクセスポイント14を利用した無線通信の通信速度の設定を示す情報等を含んでもよい。
【0047】
制御部46は、アクセスポイント14の各部の動作を制御するように構成されている。
【0048】
以下、
図5を参照して、端末装置16の構成について詳しく説明する。
図5には、端末装置16の構成の一例が示されている。
【0049】
通信部48は通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から情報を受信する機能を有する。通信部48は、無線通信機能を有していてもよいし、有線通信機能を有していてもよい。通信部48は、無線通信又は有線通信を利用して通信経路Nに接続し、通信経路Nを介して他の装置と通信してもよいし、近距離無線通信等を利用することで通信経路Nを介さずに他の装置と通信してもよい。
【0050】
UI部50はユーザインターフェースであり、表示部と操作部とを含む。表示部は、液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、キーボードや入力キーや操作パネル等の入力装置である。UI部50は、表示部と操作部とを兼ね備えたタッチパネル等のUI部であってもよい。
【0051】
記憶部52は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域である。各記憶領域は、例えば、端末装置16に設けられている1又は複数の記憶装置(例えばハードディスクドライブやメモリ等の物理ドライブ)によって構成されている。
【0052】
制御部54は、端末装置16の各部の動作を制御するように構成されている。
【0053】
以下、本実施形態に係る情報処理システムについて更に詳しく説明する。
【0054】
図6を参照して、予約管理情報の一例について説明する。
図6には、予約管理情報の一例である予約管理テーブルの一例が示されている。
【0055】
予約管理テーブルにおいては、利用場所18毎に、場所IDと、装置IDと、利用時間情報と、ユーザ情報と、無線設定情報と、利用情報とが対応付けられている。
【0056】
場所IDは、利用場所18を識別するための利用場所識別情報の一例である。利用場所識別情報は、利用場所18毎に予め定められて利用場所18に予め対応付けられている。利用場所識別情報は、例えば、場所IDや、利用場所18の名称を示す情報等である。場所IDに代えて、名称を示す情報が利用場所識別情報として用いられてもよい。
【0057】
装置IDは、利用場所18のアクセスポイント14を制御する情報処理装置12を識別するための装置識別情報の一例である。装置識別情報は、情報処理装置12毎に予め定められて情報処理装置12に予め対応付けられている。装置識別情報は、例えば、装置IDや、情報処理装置12の名称を示す情報や、情報処理装置12のアドレス情報(例えばIPアドレスやMACアドレス等)等である。装置IDに代えて、名称を示す情報やアドレス情報が、装置識別情報として用いられてもよい。
【0058】
利用時間情報は、利用場所18の利用が可能となる利用時間を示す情報である。利用時間は、例えば、ユーザが利用場所18の利用を予約するときに指定される。例えば、ユーザが利用場所18を利用する日付と時間帯とが指定される。
【0059】
ユーザ情報は、利用場所18を予約したユーザに関する情報であって、例えば、利用場所18を予約したユーザを識別するためのユーザ識別情報や、当該ユーザが利用する端末装置16を識別するための端末識別情報等を含む。ユーザ識別情報は、例えば、ユーザIDや氏名や電子メールアドレスやアカウント等を示す情報である。端末識別情報は、例えば、端末装置16のアドレス情報(例えばIPアドレスやMACアドレス等)やシリアル番号等である。ユーザ情報は、例えば、ユーザが利用場所18の利用を予約するときに、その予約に利用した端末装置16から予約管理装置10に送信される。
【0060】
無線設定情報は、利用場所18にて利用されるアクセスポイント14についての無線通信の設定に関する情報である。無線設定情報に含まれる全部又は一部の情報は、予約管理装置10によって決定されてもよいし、利用場所18を予約するユーザによって決定されてもよいし、予約される利用場所18の情報処理装置12によって決定されてもよい。
【0061】
利用情報は、利用時間に利用場所18を利用するために必要な情報である。利用情報は、例えば、パスワードやキー情報等を含む情報である。利用場所18が予約されると、利用時間に当該利用場所18を利用するために必要な利用情報が、予約管理部24によって生成され、予約管理装置10から、予約に利用された端末装置16に送信される。予約管理部24は、例えば、予約毎に異なる利用情報を生成する。当該端末装置16を利用するユーザは、当該利用情報を用いることで利用場所18を利用することができる。例えば、利用場所18が施錠されている場合、利用情報は、利用場所18を開錠するために用いられる。また、利用場所18が正当に利用されていることを示すために、利用情報が用いられてもよい。例えば、利用場所18が座席や乗り物等である場合、座席や乗り物等が正当に利用されていることを示すために、利用情報が用いられてもよい。なお、利用場所18が開放されたスペース等である場合や、利用場所18を利用するための作業等が不要な場合、利用情報は用いられなくてもよい。
【0062】
予約管理テーブルについて具体例を挙げて説明する。場所ID「A1」を有する利用場所18には、装置ID「B1」を有する情報処理装置12が設置されている。ユーザC1によって、場所ID「A1」を有する利用場所18が予約されている。その利用時間は、4月1日の10:00~12:00である。このときに利用される無線通信の設定として、無線設定D1が設定されている。ユーザC1用の無線設定D1は、ユーザC1によって決定されてもよいし、予約管理装置10や情報処理装置12によって自動的に決定されてもよい。また、場所ID「A1」を有する利用場所18を利用するための情報として、利用情報E1が設定されている。
【0063】
また、ユーザC2によって、場所ID「A1」を有する利用場所18が予約されている。その利用時間は、4月1日の13:00~14:00である。このときに利用される無線通信の設定として、無線設定D2が設定されている。ユーザC2用の無線設定D2は、ユーザC2によって決定されてもよいし、予約管理装置10や情報処理装置12によって自動的に決定されてもよい。また、場所ID「A1」を有する利用場所18を利用するための情報として、利用情報E2が設定されている。
【0064】
以下、
図7を参照して、予約完了画面について説明する。
図7には、その予約完了画面の一例が示されている。
【0065】
予約完了画面56は、例えば、利用場所18の予約が完了したときに表示される画面である。別の例として、予約完了画面56は、予約した利用時間よりも予め定められた時間前に表示されてもよい。
【0066】
ユーザが端末装置16を用いて利用場所18を予約し、予約管理装置10にてその予約が完了すると、予約完了画面56のデータが予約管理装置10から端末装置16に送信され、予約完了画面56が、端末装置16のUI部50の表示部に表示される。
【0067】
利用場所18の予約は、例えば、Webブラウザを用いて行われてもよいし、予約を行うための専用のアプリケーションソフトウェアを用いて行われてもよいし、電子メールやチャット等を用いて行われてもよい。
【0068】
予約完了画面56には、予約した利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定を示す情報が表示されている。ここでは、無線通信としてWi-Fiが利用されるものとする。予約完了画面56には、Wi-Fiの設定情報が表示されている。例えば、アクセスポイント14のSSIDとパスワードとが、当該設定情報として表示されている。ユーザが、自身の端末装置16において、Wi-Fiの設定画面にて当該SSIDと当該パスワードとを入力すると、当該端末装置16は、Wi-Fiによって当該アクセスポイント14と通信することができる、その結果、当該端末装置16は、当該アクセスポイント14を介して通信経路Nや他の通信経路に接続することができる。
【0069】
予約完了画面56には、例えば、利用開始ボタン58が表示されている。利用開始ボタン58は、利用場所18にてWi-Fiを利用するときに操作される画像である。ユーザが利用開始ボタン58を押すと、端末装置16は、アクセスポイント14と通信し、Wi-Fiを利用することができる。
【0070】
以下、
図8を参照して、本実施形態に係る情報処理システムによる処理について詳しく説明する。
図8は、当該処理の流れを示すシーケンス図である。以下では、利用場所18として、個室であるブースが用いられるものとする。ブースは電子錠によって施錠可能なドアを有し、上記の利用情報を用いることで電子錠を開錠することができる。ブースは、建物等の屋内に設置されてもよいし、屋外に設置されてもよい。また、アクセスポイント14によってWi-Fiを利用することができるものとする。また、ユーザC1がブースを予約するものとする。
【0071】
まず、ユーザC1は、端末装置16を用いて、利用場所18であるブースの利用の予約を要求する(S01)。
【0072】
例えば、予約用アプリケーションソフトウェアが端末装置16にインストールされている。ユーザが予約用アプリケーションソフトウェアを起動させると、予約用アプリケーションソフトウェアは、通信経路Nを介して予約管理装置10と通信し、予約管理装置10から送信された予約画面のデータを受信し、当該予約画面を、端末装置16のUI部50の表示部に表示させる。予約画面には、例えば、ブースの一覧や利用時間の一覧等が表示される。ユーザは、予約画面上にて、ブースの一覧から予約対象のブースを選択し、利用時間の一覧から予約対象の利用時間を選択する。ここでは、場所ID「A1」を有するブースA1が選択され、「4月1日の10:00~12:00」が利用時間として選択されたものとする。ブースと利用時間とがユーザによって選択されると、予約用アプリケーションソフトウェアは、予約要求情報を予約管理装置10に送信する。予約要求情報には、選択されたブースを示す情報と、選択された利用時間を示す情報と、ユーザC1のユーザ情報とが含まれる。なお、ユーザC1は、予約画面上にて、アクセスポイント14のWi-Fiの設定(例えば、SSID、パスワード、SSIDクライアント分離機能の実行の有無、通信速度等)を指定してもよい。ユーザC1によってWi-Fiの設定が指定された場合、その設定を示す無線設定情報も予約要求情報に含まれて予約管理装置10に送信される。ここでは、無線設定D1が、Wi-Fiの設定として指定又は決定されたものとする。
【0073】
予約管理装置10の予約管理部24は、端末装置16から送信されてきた予約要求情報を受け、当該予約要求情報が示すブースと利用時間との予約を受け付ける(S02)。
【0074】
予約管理部24は、その予約の内容を、
図6に示されている予約管理テーブルに登録する。ここでは、ブースA1と「4月1日の10:00~12:00」とがユーザC1によって選択されているため、これらの内容が予約管理テーブルに登録される。
【0075】
また、ユーザC1によってWi-Fiの設定が指定されていない場合、予約管理部24は、Wi-Fiの設定を決定する。具体的には、予約管理部24は、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14のSSID、パスワード、SSIDクライアント分離機能の実行の有無、及び、通信速度等を決定する。予約管理部24は、予め定められた設定をWi-Fiの設定として決定してもよいし、ランダムに決定された設定をWi-Fiの設定として決定してもよい。予約管理部24は、予約毎に、Wi-Fiの設定の一部又は全部を変更してもよい。つまり、予約管理部24は、予約毎に異なる設定をWi-Fiの設定として決定してもよい。例えば、予約管理部24は、予約毎にSSIDとパスワードとを変更することで、予約毎に異なるSSIDとパスワードとをWi-Fiの設定として決定してもよい。予約毎にSSIDとパスワードとを変更することで、アクセスポイント14を利用する通信のセキュリティが向上する。なお、予約管理部24は、SSID又はパスワードのいずれか一方を変更してもよい。Wi-Fiの一部の設定は、ユーザC1によって決定され、他の設定は、予約管理部24によって決定されてもよい。例えば、SSIDクライアント分離機能の実行の有無と通信速度は、ユーザC1によって決定され、SSIDとパスワードは、予約管理部24によって決定されてもよい。もちろん、SSIDやパスワードがユーザC1によって決定され、SSIDクライアント分離機能の実行の有無と通信速度が、予約管理部24によって決定されてもよい。ここでは、無線設定D1が、Wi-Fiの設定として指定又は決定されており、無線設定D1に関する無線設定情報が、予約管理テーブルに登録されている。
【0076】
予約が完了した場合、予約管理部24は、予約情報を、ユーザC1が利用する端末装置16に送信する(S03)。
【0077】
予約情報は、例えば、Wi-Fiの設定に関する無線設定情報、ブースA1のドアの電子錠を開錠するために用いられる利用情報、及び、利用時間を示す利用時間情報、等を含む。利用情報は、例えば、ドアの電子錠を開錠するためのキー情報等である。なお、予約管理部24は、予約毎に利用情報を変更してもよい。この利用情報も、予約管理テーブルに登録される。ここでは、利用情報E1が、ブースA1を利用するための利用情報として登録されたものとする。
【0078】
端末装置16においては、予約用アプリケーションソフトウェアが、予約管理部24から送信されてきた予約情報を受け、当該予約情報の全部又は一部を、端末装置16のUI部50の表示部に表示させる。例えば、
図7に示されている予約完了画面56が、UI部50の表示部に表示される。
【0079】
なお、予約用アプリケーションソフトウェアが用いられずに、Webブラウザや電子メールを用いて、ブースの予約、及び、予約情報の送受信が行われてもよい。
【0080】
情報処理装置12の制御部40は、例えば、予め定められた時間間隔で、自装置である情報処理装置12が制御するアクセスポイント14の利用が可能な利用場所18の予約の有無を、予約管理装置10に問い合わせる(S04)。その問い合わせを示す情報が、情報処理装置12から予約管理装置10に送信される。
【0081】
予約管理装置10の予約管理部24は、予約の問い合わせを示す情報を情報処理装置12から受けると、予約管理テーブルを参照し、当該情報処理装置12に対応付けられている利用場所18の利用の予約の有無を確認する。
【0082】
当該利用場所の利用が予約されている場合、予約管理部24は、その予約に対応する予約情報を、当該利用場所にて利用が可能なアクセスポイント14を制御する情報処理装置12に送信する(S05)。予約情報は、情報処理装置12の記憶部34に記憶される。
【0083】
当該利用場所の利用が予約されていない場合、予約管理部24は、当該利用場所が予約されていないことを示す情報を情報処理装置12に送信する。
【0084】
具体例を挙げて説明すると、ブースA1に対応付けられている情報処理装置12(以下、「情報処理装置12B1」と称する)、つまり、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14を制御する情報処理装置12B1の制御部40は、ブースA1の予約の有無を、予約管理装置10に問い合わせる。ブースA1は、ユーザC1によって予約されており、その利用時間は、4月1日の10:00~12:00である。この場合、予約管理部24は、その予約に対応するWi-Fiの設定に関する無線設定情報と、利用時間を示す利用時間情報とを含む予約情報を、情報処理装置12B1に送信する。予約情報には、利用情報が含まれてもよい。予約情報は、情報処理装置12B1の記憶部34に記憶される。
【0085】
なお、予約管理部24は、情報処理装置12から問い合わせを受けなくても、利用場所18の利用が予約管理装置10にて予約された場合、予約された利用場所18に対応付けられている情報処理装置12に予約情報を送信してもよい。
【0086】
ブースA1の利用時間の開始時間が経過し(S06)、ユーザC1が、ブースA1を利用するための操作を行うと(S07)、予約管理装置10において、ユーザC1によるブースA1の利用が許可されるか否かを確認するための認証処理が実行される(S08)。
【0087】
例えば、ブースA1のドアが、電子錠によって施錠されている。ドアには、近距離無線通信を行う無線通信装置が設けられている。ユーザC1が端末装置16をドアに近づけると、端末装置16は、近距離無線通信を利用して、予約情報に含まれている利用情報を、当該無線通信装置に送信する。なお、予約情報は、ユーザがブースA1を予約したときに予約管理装置10から端末装置16に送信されて、端末装置16の記憶部52に記憶されている。端末装置16から利用情報を受信した当該無線通信装置は、情報処理装置12B1を介して、又は、情報処理装置12B1を介さずに、当該利用情報と当該無線通信装置が設置されているブースA1の利用場所識別情報(例えばID「A1」等)とを予約管理装置10に送信する。予約管理部24は、
図6に示されている予約管理テーブルを参照し、送信されてきた利用場所識別情報が示すブースA1と、今現在の日時を含む利用時間とに、対応付けられている利用情報E1と、送信されてきた利用情報とが一致するか否かを確認する。
【0088】
送信されてきた利用情報が利用情報E1と同じ場合、予約管理部24は、ユーザC1によるブースA1の利用を許可する。この場合、予約管理部24は、情報処理装置12を介して、又は、情報処理装置12を介さずに、ブースA1のドアに設けられている無線通信装置に、開錠指示を示す情報を送信する。当該開錠指示に従って、電子錠が開錠される。電子錠が開錠されると、ユーザC1は、ドアを開けてブースA1内に入ることができる。また、予約管理部24は、ブースA1の利用開始を示す情報を、情報処理装置12B1に送信する(S09)。
【0089】
送信されてきた利用情報が利用情報E1と異なる場合、予約管理部24は、ユーザC1によるブースA1の利用を許可しない。この場合、予約管理部24は、開錠指示を示す情報を送信しない。その結果、ブースA1のドアは開錠されない。
【0090】
例えば、今現在の日時が、4月1日の10:00~12:00の間の時間であり、送信されてきた利用情報が利用情報E1と同じ場合、予約管理部24は、ユーザC1によるブースA1の利用を許可する。今現在の日時が、4月1日の10:00~12:00の間の時間であり、送信されてきた利用情報が利用情報E1と異なる場合、予約管理部24は、ユーザC1によるブースA1の利用を許可しない。また、送信されてきた利用情報が利用情報E1と同じであっても、今現在の日時が、4月1日の10:00~12:00以外の日時である場合、予約管理部24は、ユーザC1によるブースA1の利用を許可しない。
【0091】
以下、ステップS10以降の処理について説明する。
【0092】
ブースA1の利用開始を示す情報を受けた情報処理装置12B1の設定部36は、情報処理装置12B1の記憶部34に記憶されている予約情報に含まれている無線設定情報に従って、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14のWi-Fiの設定を変更する(S10)。無線通信の設定として、無線設定D1が登録されているため、設定部36は、当該アクセスポイント14のWi-Fiの設定を無線設定D1に変更する。無線設定D1を示す無線設定情報は、当該アクセスポイント14の記憶部44に記憶される。
【0093】
次に、情報処理装置12B1の制御部40は、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14のWi-Fiを起動させる(S11)。これにより、ユーザC1は、当該アクセスポイント14によるWi-Fiを利用することができる。
【0094】
ユーザC1が、端末装置16において、Wi-Fiの設定画面にて、予約情報に含まれるSSIDとパスワードとを入力すると、当該端末装置16は、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14に接続し、Wi-Fiを利用することができる(S12)。なお、端末装置16において、SSIDやパスワードは自動的に設定されてもよい。
【0095】
Wi-Fiの設定は、利用期間中、ユーザC1によって変更されてもよい。例えば、ユーザC1が、予約用アプリケーションソフトウェアを利用して、Wi-Fiの設定を変更すると、予約用アプリケーションソフトウェア、予約管理装置10及び情報処理装置12を介して、アクセスポイント14のWi-Fiの設定が変更される。また、通信速度が変更されてもよい。有料オプションとして高速回線の利用が可能となってもよい。
【0096】
利用時間の終了時間(例えば12:00)が経過すると(S13)、情報処理装置12の制御部40は、利用時間が終了したことを示す情報を、ブースA1にてアクセスポイント14を利用している端末装置16に送信する(S14)。利用時間が終了したことを示す情報が、端末装置16のUI部50の表示部に表示されてもよい。
【0097】
また、情報処理装置12B1の制御部40は、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14によるWi-Fiを終了させる(S15)。例えば、制御部40は、Wi-Fiを停止させる。その結果、ユーザC1が利用する端末装置16は、当該アクセスポイント14によるWi-Fiを利用することができなくなる。
【0098】
なお、制御部40はWi-Fiを停止させず、設定部36が、アクセスポイント14のWi-Fiの設定を、無線設定D1以外の設定に変更してもよい。無線設定D1以外の設定は、例えば、ランダムに選択された値を有するSSIDやパスワード、又は、予め定められたSSIDやパスワード等である。この場合も、Wi-Fiの設定が無線設定D1である端末装置16は、当該アクセスポイント14によるWi-Fiを利用することができなくなる。
【0099】
ユーザC1の利用時間の終了時間が経過し、ユーザがブースA1を退室すると、ドアの電子錠が施錠される。それ以降、電子錠が開錠されない限り、ユーザはブースA1内に入れない。
【0100】
4月1日の13:00~14:00の間に、ユーザC2が利用情報E1を用いてブースA1の電子錠を開錠すると、アクセスポイント14のWi-Fiの設定が、ユーザC2用の無線設定D2に変更される。ユーザC2が利用する端末装置16には、無線設定D2に関する無線設定情報を含む予約情報が送信されており、ユーザC2は、端末装置16のWi-Fiの設定を無線設定D2に変更することで、アクセスポイント14のWi-Fiを利用することができる。
【0101】
利用場所18を予約したユーザに応じて、当該利用場所18にて利用が可能な無線通信の設定が変更されるので、当該無線通信の設定として固定の設定を利用する場合と比べて、当該無線通信を利用するときのセキュリティが向上する。
【0102】
(変形例)
以下、変形例について説明する。変形例では、利用場所18を予約したユーザ以外の他のユーザも、当該利用場所18にて利用が可能なアクセスポイント14を利用することが許可される。例えば、他のユーザが利用する端末装置16に、予約管理装置10から、無線設定情報を含む予約情報にアクセスするためのアドレス情報や予約情報や無線設定情報が送信され、当該他のユーザは、当該無線設定情報が示す無線通信の設定を利用して、アクセスポイント14を利用することができる。アドレス情報は、例えば、予約情報や無線設定情報が記載されたWebページの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)等である。
【0103】
他のユーザは、例えば、利用場所18を予約したユーザが、当該利用場所18を予約するときに予約管理装置10に登録されたユーザである。また、利用場所18を予約したユーザは、予約後、利用時間が終了するまでの間、他のユーザを登録したり、登録済みの他のユーザを登録から除外したりしてもよい。
【0104】
以下、変形例について詳しく説明する。
【0105】
図9を参照して、変形例に係る予約管理情報について説明する。
図9には、変形例に係る予約管理情報の一例である予約管理テーブルの一例が示されている。
【0106】
変形例に係る予約管理テーブルにおいては、
図6に示されている予約管理テーブルに登録されている情報に加えて、更に、他ユーザ情報が、利用場所18毎に、場所ID等に対応付けられている。
【0107】
他ユーザ情報は、利用場所18を予約したユーザ以外の他のユーザに関する情報であって、当該利用場所18にて利用が可能なアクセスポイント14を利用することを許可された他のユーザに関する情報である。例えば、他のユーザの電子メールアドレスやアカウント等の情報が、他ユーザ情報に含まれる。他ユーザ情報は、例えば、利用場所18を予約したユーザによって登録される。
【0108】
図9に示す例では、ユーザF1,F2のそれぞれの他ユーザ情報が、場所ID「A1」、利用時間「4月1日10:00~12:00」、及び、ユーザC1に対応付けられている。つまり、ユーザF1,F2は、場所ID「A1」を有する利用場所18にて利用が可能なアクセスポイント14を、4月1日の10:00~12:00の間、利用することが許可されている。
【0109】
また、ユーザF3,F4のそれぞれの他ユーザ情報が、場所ID「A1」、利用時間「4月1日13:00~14:00」、及び、ユーザC2に対応付けられている。つまり、ユーザF3,F4は、場所ID「A1」を有する利用場所18にて利用が可能なアクセスポイント14を、4月1日の13:00~14:00の間、利用することが許可されている。
【0110】
例えば、ユーザF1の電子メールアドレスが、ユーザF1の他ユーザ情報として登録されており、予約情報にアクセスするためのアドレス情報が、予約管理装置10からその電子メールアドレス宛に送信される。ユーザF1がWebブラウザを用いて当該アドレス情報にアクセスすると、当該アドレス情報を有するWebページがWebブラウザ上に表示される。当該Webページには、予約情報や無線設定情報が記載されており、ユーザF1は、当該予約情報や当該無線設定情報を参照することができる。ユーザF1は、当該無線設定情報が示す無線通信の設定を用いて、アクセスポイント14を利用することができる。ユーザF2,F3,F4についても同様である。もちろん、予約情報や無線設定情報が、他のユーザの電子メールアドレス宛に送信されてもよい。
【0111】
図10には、上記のWebページの一例が示されている。Webページ60には、無線通信設定情報として、Wi-Fiの設定情報(例えばSSIDやパスワード)が記載されている。他のユーザは、Webページ60に記載されているSSIDやパスワードを用いることで、当該SSIDと当該パスワードとが設定されているアクセスポイント14を利用することができる。なお、Webページ60には、利用が可能なアクセスポイント14の所在を示す情報や、利用が可能な日時を示す情報や、利用場所18を予約したユーザに関する情報等が記載されてもよい。
【0112】
以下、
図11を参照して、変形例に係る処理について詳しく説明する。
図11は、当該処理の流れを示すシーケンス図である。以下では、
図8を参照して説明した処理と同様に、ユーザC1がブースA1を予約するものとする。また、アクセスポイント14によってWi-Fiを利用することができるものとする。また、ユーザC1が利用する端末装置16を「端末装置16A」と称することとし、ユーザC1以外の他のユーザが利用する端末装置16を「端末装置16B」と称することとする。
【0113】
ステップS20,S21,S22の処理は、
図8に示されているステップS01,S02,S03の処理と同じである。ここでは、ブースA1の利用が予約され、その利用時間は、4月1日の10:00~12:00であるものとする。
【0114】
ユーザC1は、更に、予約画面上にて、他のユーザの登録操作を行う(S23)。例えば、ユーザC1は、予約画面上にて、他のユーザの電子メールアドレスを入力する。ここでは、ユーザF1,F2のそれぞれの電子メールアドレスが入力されたものとする。ユーザF1,F2のそれぞれの電子メールアドレスは、ユーザC1が利用する端末装置16から予約管理装置10に送信される。予約管理部24は、ユーザF1,F2のそれぞれの電子メールアドレスを、ユーザC1によって登録された予約の内容(つまり、利用場所18であるブースA1と、利用時間である「4月1日の10:00~12:00」)に対応付けて予約管理テーブルに登録する。
【0115】
予約管理部24は、予約情報が記載されたWebページを作成し(S24)、当該WebページのURLを示すアドレス情報を、登録された他のユーザの電子メールアドレス宛に送信する(S25)。ここでは、ユーザF1、F2のそれぞれの電子メールアドレス宛に、当該アドレス情報が送信される。
【0116】
ステップS26,S27の処理は、
図8に示されているステップS04,S05の処理と同じである。
【0117】
ユーザF1,F2は、自身の端末装置16Bを利用して、上記のアドレス情報を有するWebページにアクセスし、当該Webページに記載されている予約情報(例えばSSIDやパスワード等)を閲覧する(S28)。例えば、
図10に示されているWebページ60が、端末装置16BのUI部50の表示部に表示され、ユーザF1,F2は、当該Webページに記載されているSSIDとパスワードとを認識することができる。なお、この閲覧は、ユーザF1,F2のそれぞれの電子メールアドレス宛にアドレス情報が送信された時点以降の任意の時点にて行われてもよい。
【0118】
ステップS29~S35の処理は、
図8に示されているステップS06~S12の処理と同じである。
【0119】
ユーザF1,F2のそれぞれは、自身の端末装置16Bにおいて、Wi-Fiの設定画面にて、Webページに記載されているSSIDとパスワードとを入力すると、当該端末装置16Bは、ブースA1にて利用が可能なアクセスポイント14に接続し、Wi-Fiを利用することができる(S36)。
【0120】
ステップS37,S38の処理は、
図8に示されているステップS13,S14の処理と同じである。
【0121】
利用時間の終了時間(例えば12:00)が経過すると(S37)、予約管理装置10の予約管理部24は、予約情報が記載されているWebページから当該予約情報を削除する(S39)。こうすることで、他のユーザ(例えばユーザF1,F2)は、当該Webページにアクセスしても、過去に記載されていた予約情報を閲覧することができない。予約管理部24は、当該Webページ自体を削除してもよい。こうすることで、他のユーザは、当該Webページにアクセスすることができず、予約情報を閲覧することができない。
【0122】
ステップS40の処理は、
図8に示されているステップS15の処理と同じである。
【0123】
上記の実施形態及び変形例において、設定部36は、利用場所18にて利用が可能な無線通信の機能を、当該利用場所18を予約したユーザが利用することが可能な機能に近づけてもよい。無線通信の機能は、例えば、通信速度や通信の規格等である。例えば、ユーザの通信契約等によって、ユーザが第5世代移動通信システム(つまり5G)を利用することが可能である場合において、利用場所18にて利用が可能な無線通信が、第4世代移動通信システム(つまり4G)まで対応し、5Gに対応していない場合、設定部36は、無線通信の機能を4Gに設定する。つまり、設定部36は、ユーザが利用することが可能な無線通信の機能を上限として、利用場所18にて利用が可能な無線通信の機能をその上限に設定する。ユーザが4Gを利用することが可能であり、5Gを利用することができない場合において、利用場所18にて利用が可能な無線通信の機能が、4G及び5Gに対応している場合、設定部36は、無線通信の機能を4Gに設定する。
【0124】
ブース以外の利用場所18においても、上記の実施形態及び変形例と同様に、当該利用場所18を予約したユーザに応じて無線通信の設定が変更される。例えば、ホテルの部屋を予約した宿泊者が、当該部屋のキーを開錠したときに、当該部屋にて利用が可能な無線通信の設定が、当該宿泊者用の設定に変更される。他の利用場所18においても同様である。
【0125】
ユーザ毎に、固定の設定が無線通信の設定として用いられてもよい。例えば、ユーザ毎に、固定のSSIDとパスワードとが、予約管理装置10に登録されており、利用場所18の情報処理装置12には、予約をしたユーザに固定のSSIDとパスワードとを含む予約情報が送信される。ユーザは、予約日時や利用場所18が変わっても、当該ユーザ自身の同じSSIDとパスワードとを用いて、当該利用場所18にて無線通信を利用することができる。なお、SSIDとパスワードは、当該SSIDと当該パスワードとを利用するユーザ自身によって決定されてもよいし、予約管理装置10によって自動的に決定されてもよい。
【0126】
情報処理装置12の設定部36は、利用場所18に設置されている装置の通信設定も、当該利用場所18を予約したユーザ用の設定に変更してもよい。例えば、設定部36は、無線通信機能を有する装置(例えば空調機や照明やプリンタ等)の通信設定を、当該装置が設置されている利用場所18を予約したユーザ用の設定に変更してもよい。
【0127】
設定部36は、無線通信の設定以外にも、利用場所18の環境を、当該利用場所18を予約したユーザに応じて変更してもよい。例えば、設定部36は、利用場所18に設置されている空調機の設定(例えば温度や風量等)や、利用場所18に設置されている照明の設定(例えば明るさや色等)や、利用場所18内の香り等を、当該利用場所18を予約したユーザに応じて変更してもよい。
【0128】
上記の予約管理装置10、情報処理装置12及び端末装置16の各部の機能は、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、予約管理装置10、情報処理装置12及び端末装置16は、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを有している。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、予約管理装置10、情報処理装置12及び端末装置16の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CD又はDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、予約管理装置10、情報処理装置12及び端末装置16の各部の機能は、例えばプロセッサ、電子回路又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、予約管理装置10、情報処理装置12及び端末装置16の各部の機能は、DSP(Digital Signal Processor)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
10 予約管理装置、12 情報処理装置、14 アクセスポイント、16 端末装置、18 利用場所。