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特許7491454活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及び積層物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及び積層物
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/12 20060101AFI20240521BHJP
   B32B 27/16 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C08F290/12
B32B27/16 101
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023170241
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2023-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000168414
【氏名又は名称】荒川化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村田 実
(72)【発明者】
【氏名】田中 諒
(72)【発明者】
【氏名】宮尾 佳明
(72)【発明者】
【氏名】大井 秀隆
(72)【発明者】
【氏名】水口 真司
(72)【発明者】
【氏名】木村 和毅
【審査官】久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-137947(JP,A)
【文献】特開2014-091776(JP,A)
【文献】国際公開第2006/112234(WO,A1)
【文献】特開2004-359843(JP,A)
【文献】特開2018-141104(JP,A)
【文献】特開2017-057297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/12
B32B 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性組成物は、化合物A及び化合物Bを含み、
前記化合物Aの二重結合当量は、280g/eq~860g/eqであり、
前記化合物Aは、(メタ)アクリル酸ジメチルポリシロキサン単位含有ポリマー(メタ)アクリレート又は二重結合含有ジメチルポリシロキサンであり、
前記化合物Bの二重結合当量は、28g/eq以上200g/eq未満であり、
前記化合物Bは、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレート又はエチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートであり、
前記活性エネルギー線硬化性組成物全体の二重結合当量は、365g/eq未満であり、
溶存気体100体積%に対する溶存酸素量が10体積%超であり、
前記溶存酸素量の測定温度は、20℃~25℃であり、
前記活性エネルギー線硬化性組成物全体に対し、
鉄原子含有量が400ppb以下であり、
銅原子含有量が300ppb以下である、
活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
【請求項3】
請求項2に記載の硬化物を含む、積層物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及び積層物に関する。
【背景技術】
【0002】
コーティング剤等の様々な分野で、活性エネルギー線硬化性組成物は使用されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特公昭62-021815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、硬化性、耐汚染性が良好な硬化物を製造でき、安定性が良好な活性エネルギー線硬化性組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
活性エネルギー線硬化性組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性組成物は、化合物A及び化合物Bを含み、
前記化合物Aの二重結合当量は、200g/eq以上であり、
前記化合物Bの二重結合当量は、28g/eq以上200g/eq未満であり、
前記活性エネルギー線硬化性組成物全体の二重結合当量は、365g/eq未満であり、
溶存気体100体積%に対する溶存酸素量が10体積%超であり、
前記活性エネルギー線硬化性組成物全体に対し、
鉄原子含有量が400ppb以下であり、
銅原子含有量が300ppb以下である、
活性エネルギー線硬化性組成物。
(項目2)
上記項目のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
(項目3)
上記項目に記載の硬化物を含む、積層物。
【0006】
本開示において、上述した1又は複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、良好な安定性を有し、硬化性、耐汚染性が良好な硬化物を製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の全体にわたり、各物性値、含有量等の数値の範囲は、適宜(例えば下記の各項目に記載の値から選択して)設定され得る。具体的には、数値αについて、A3、A2、A1(A3>A2>A1とする)等が挙げられる場合、数値αの範囲は、A3以下、A2以下、A3未満、A2未満、A1以上、A2以上、A1より大きい、A2より大きい、A1~A2(A1以上A2以下)、A1~A3、A2~A3、A1以上A3未満、A1以上A2未満、A2以上A3未満、A1より大きくA3未満、A1より大きくA2未満、A2より大きくA3未満、A1より大きくA3以下、A1より大きくA2以下、A2より大きくA3以下等が挙げられる。
【0009】
本発明が解決しようとする課題が解決される限り、各成分、条件、数値等は、特に限定されない。
【0010】
「αβ量(A/B)」は、B100αに対するAのβ量(α)を意味する。αは、例えば、質量%、モル%、質量部等が挙げられる。β量は、例えば、含有量、使用量等が挙げられる。「質量%含有量(A/B)」は、B100質量%に対するAの含有量(質量%)を意味する。
【0011】
「γ比(A/B)」は、式「A÷B」により算出されるγ比を意味する。γ比は、例えば、質量比、モル比等が挙げられる。
【0012】
「不揮発分」は、有機溶剤及び水以外の成分の合計質量を意味する。1つの実施形態において、「Aの不揮発分」は、A 1gを105℃で加熱して恒量に達した時点で残存した成分の合計質量を意味する。
【0013】
「(メタ)アクリル」は、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート及び/又はメタクリレート」を意味する。「(メタ)アクリロイル」は、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」を意味する。
【0014】
アルキル基は、例えば、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基等が挙げられる。
【0015】
直鎖アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。
【0016】
分岐アルキル基は、例えば、i-プロピル基、ジエチルペンチル基、トリメチルブチル基、トリメチルペンチル基、トリメチルヘキシル基等が挙げられる。
【0017】
シクロアルキル基は、例えば、単環シクロアルキル基、架橋環シクロアルキル基、縮合環シクロアルキル基等が挙げられる。なお、シクロアルキル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基によって置換された基もシクロアルキル基とする。
【0018】
「単環」は、炭素の共有結合により形成された内部に橋かけ構造を有しない環状構造を意味する。「縮合環」は、2つ以上の単環が2つの原子を共有している(すなわち、それぞれの環の辺を互いに1つだけ共有(縮合)している)環状構造を意味する。「架橋環」は、2つ以上の単環が3つ以上の原子を共有している環状構造を意味する。
【0019】
単環シクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0020】
架橋環シクロアルキル基は、例えば、トリシクロデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基等が挙げられる。
【0021】
なお、アルキル基には、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル基を組み合わせた基も含まれる。上記組み合わせた基は、例えば、シクロアルキルアルキル基等が挙げられる。
【0022】
シクロアルキルアルキル基は、下記式で表される。
calkyl-Ralkyl
(式中、Rcalkylは、シクロアルキル基を表す。Ralkylは、アルキル基を表す。)
【0023】
アルキレン基は、例えば、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基等が挙げられる。
【0024】
直鎖アルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-ヘキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デカメチレン基等が挙げられる。
【0025】
分岐アルキレン基は、例えば、ジエチルペンチレン基、トリメチルブチレン基、トリメチルペンチレン基、トリメチルヘキシレン基等が挙げられる。
【0026】
シクロアルキレン基は、例えば、単環シクロアルキレン基、架橋環シクロアルキレン基、縮合環シクロアルキレン基等が挙げられる。またシクロアルキレン基は、1つ以上の水素原子が直鎖又は分岐アルキル基によって置換されていてもよい。
【0027】
単環シクロアルキレン基は、例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロデシレン基、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレン基等が挙げられる。
【0028】
架橋環シクロアルキレン基は、例えば、トリシクロデシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基等が挙げられる。
【0029】
縮合環シクロアルキレン基は、例えば、ビシクロデシレン基等が挙げられる。
【0030】
なお、アルキレン基には、直鎖アルキレン基、分岐アルキレン基、シクロアルキレン基を組み合わせた基も含まれる。上記組み合わせた基は、例えば、シクロアルキレンアルキレン基、アルキレンシクロアルキレンアルキレン基等が挙げられる。
【0031】
シクロアルキレンアルキレン基は、下記式で表される。
-Rcalkylene-Ralkylene
(式中、Rcalkyleneは、シクロアルキレン基を表す。Ralkyleneは、アルキレン基を表す。)
【0032】
アルキレンシクロアルキレンアルキレン基は、下記式で表される。
-Ralkylene-Rcalkylene-Ralkylene
(式中、Rcalkyleneは、シクロアルキレン基を表す。Ralkyleneは、アルキレン基を表す。)
【0033】
芳香族基(アリール基、アリーレン基)は、置換されていてもよいし、置換されていなくてもよい。芳香族基の置換基は、例えば、アルキル基、チオアルキル基、チオアリール基、カルボニルアリール基等が挙げられる。
【0034】
アリール基は、例えば、単環アリール基、縮合環アリール基等が挙げられる。
【0035】
単環アリール基は、例えば、フェニル基、トリル基、メシチル基等が挙げられる。
【0036】
縮合環アリール基は、例えば、ナフチル基等が挙げられる。
【0037】
アリーレン基は、例えば、単環アリーレン基、縮合環アリーレン基等が挙げられる。
【0038】
単環アリーレン基は、例えば、フェニレン基、トリレン基等が挙げられる。
【0039】
縮合環アリーレン基は、例えば、ナフチレン基等が挙げられる。
【0040】
[活性エネルギー線硬化性組成物:組成物]
本開示は、活性エネルギー線硬化性組成物であって、
前記活性エネルギー線硬化性組成物は、化合物A及び化合物Bを含み、
前記化合物Aの二重結合当量は、200g/eq以上であり、
前記化合物Bの二重結合当量は、28g/eq以上200g/eq未満であり、
前記活性エネルギー線硬化性組成物全体の二重結合当量は、365g/eq未満であり、
溶存気体100体積%に対する溶存酸素量が10体積%超であり、
前記活性エネルギー線硬化性組成物全体に対し、
鉄原子含有量が400ppb以下であり、
銅原子含有量が300ppb以下である、
活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【0041】
<化合物A:二重結合当量=200g/eq以上>
化合物Aの二重結合当量は、200g/eq以上である。化合物Aは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0042】
「二重結合当量」は、重合性二重結合1モルあたりの質量の計算値(g/eq)を意味する。
【0043】
モノマー組成が分かっている場合、二重結合当量(ポリマー)は、下記式により算出される。
二重結合当量=全モノマーの質量/ポリマーに含まれる重合性二重結合の物質量
【0044】
モノマー組成が分からない場合であっても、二重結合当量(ポリマー)は、赤外分光法やラマン分光法により、二重結合当量が分かっている物質の検量線との比較から求められ得る。
【0045】
二重結合当量(化合物A)は、例えば、1200g/eq、1100g/eq、1033g/eq、1000g/eq、900g/eq、860g/eq、800g/eq、700g/eq、600g/eq、582g/eq、550g/eq、500g/eq、497g/eq、450g/eq、400g/eq、360g/eq、300g/eq、280g/eq、216g/eq、200g/eq等が挙げられる。1つの実施形態において、上記二重結合当量は、好ましくは、200g/eq以上が挙げられ、より好ましくは、200g/eq~1200g/eqが挙げられ、さらに好ましくは、450g/eq~900g/eqが挙げられる。
【0046】
化合物Aは、例えば、ポリマーポリ(メタ)アクリレート、二重結合含有シリコーン等が挙げられる。
【0047】
(ポリマーポリ(メタ)アクリレート)
「ポリマーポリ(メタ)アクリレート」は、(メタ)アクリロイル基を2個以上有するポリマーを意味する。
【0048】
<二重結合含有部位>
モル%含有量(二重結合含有部位/ポリマー(メタ)アクリレート)は、例えば、50モル%、45モル%、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%、15モル%、10モル%、5モル%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、5モル%~50モル%が挙げられる。
【0049】
質量%含有量(二重結合含有部位/ポリマー(メタ)アクリレート)は、例えば、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、5質量%~50質量%が挙げられる。
【0050】
<(メタ)アクリル酸アルキル単位>
1つの実施形態において、ポリマーポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸アルキル単位を含み得る。(メタ)アクリル酸アルキル単位は、単独又は2種以上で含まれ得る。
【0051】
(メタ)アクリル酸アルキルは、例えば、(メタ)アクリル酸直鎖アルキル、(メタ)アクリル酸分岐アルキル、(メタ)アクリル酸シクロアルキル等が挙げられる。
【0052】
(メタ)アクリル酸直鎖アルキルは、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ヘプチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸n-ドデシル、(メタ)アクリル酸n-オクタデシル、(メタ)アクリル酸n-イコシル、(メタ)アクリル酸n-ドコシル等が挙げられる。
【0053】
(メタ)アクリル酸分岐アルキルは、例えば、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。
【0054】
(メタ)アクリル酸シクロアルキルは、例えば、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンタニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられる。
【0055】
モル%含有量((メタ)アクリル酸アルキル単位/ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、例えば、95モル%、90モル%、85モル%、80モル%、75モル%、70モル%、65モル%、60モル%、55モル%、50モル%、45モル%、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%、15モル%、10モル%、5モル%、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0モル%~95モル%が挙げられる。
【0056】
質量%含有量((メタ)アクリル酸アルキル単位/ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、38質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~95質量%が挙げられる。
【0057】
<(メタ)アクリル酸シリコーン単位>
1つの実施形態において、ポリマーポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸シリコーン単位を含み得る。(メタ)アクリル酸シリコーン単位は、単独又は2種以上で含まれ得る。
【0058】
1つの実施形態において、(メタ)アクリル酸シリコーンは、下記式で表される。
【化AS1】
(式中、RAS1、RAS2はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。AS1は0~6の整数を表す。AS2は1~270の整数を表す。)
【0059】
市販品((メタ)アクリル酸シリコーン)は、例えば、X-22-2426(信越シリコーン社製)、X-22-174D(信越化学工業(株)製)、サイラプレーンFM-0711、FM-0721、FM-0725(JNC(株)製)等が挙げられる。
【0060】
モル%含有量((メタ)アクリル酸シリコーン単位/ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、例えば、50モル%、45モル%、40モル%、35モル%、30モル%、25モル%、20モル%、15モル%、10モル%、5モル%、0モル%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0モル%~50モル%が挙げられる。
【0061】
質量%含有量((メタ)アクリル酸アルキル単位/ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、例えば、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が例示される。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~50質量%が挙げられる。
【0062】
<製造方法(ポリマーポリ(メタ)アクリレート)>
製造方法(ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、例えば、α官能基含有ポリマーとβ官能基含有重合性不飽和化合物とを反応させる方法等が挙げられる。
【0063】
組み合わせ(α官能基及びβ官能基)は、例えば、下記等が挙げられる。
【表A】
【0064】
カルボキシル基含有重合性不飽和化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
【0065】
エポキシ基重合性不飽和化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β-メチルグリシジル等が挙げられる。
【0066】
ヒドロキシル基含有重合性不飽和化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等が挙げられる。
【0067】
イソシアネート基含有重合性不飽和化合物は、例えば、(メタ)アクリル酸2-イソシアナトエチル等が挙げられる。
【0068】
1つの実施形態において、製造温度(α官能基含有ポリマー)は、好ましくは、80℃~140℃が挙げられる。
【0069】
重合溶媒(α官能基含有ポリマー)は、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、二塩化エチレン、四塩化炭素等が挙げられる。
【0070】
1つの実施形態において、製造温度(ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、好ましくは、80℃~120℃が挙げられる。
【0071】
反応溶媒(ポリマーポリ(メタ)アクリレート)は、例えば、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル等が挙げられる。
【0072】
(二重結合含有シリコーン)
二重結合含有シリコーンは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0073】
1つの実施形態において、二重結合含有シリコーンは、下記式で表される。
【化S1】
(式中、RS1~RS7はそれぞれ独立にメチル基又は重合性二重結合含有基を表す。RS8~RS11はそれぞれ独立にメチル基又はフェニル基を表す。RS12は置換メチル基又は置換フェニル基を表す。S1は0以上の整数を表す。S2は1以上の整数を表す。S3は0以上の整数を表す。但し、上記式で表される化合物は、2個以上の重合性二重結合を有する。)
【0074】
1つの実施形態において、二重結合含有シリコーンは、下記式で表される。
【化S2】
(式中、RSa1~RSa3はそれぞれ独立にメチル基又は重合性二重結合含有基を表す。RSa4は置換メチル基又は置換フェニル基を表す。S1は0以上の整数を表す。S2は1以上の整数を表す。S3は0以上の整数を表す。但し、上記式で表される化合物は、2個以上の重合性二重結合を有する。)
【0075】
重合性二重結合含有基は、例えば、ビニル基含有基、(メタ)アクリロイル基含有基等が挙げられる。重合性二重結合含有基は、例えば、下記置換基とビニル基、(メタ)アクリロイル基とを組み合わせた基等が挙げられる。
【0076】
置換基は、例えば、アルキル基、アルキレン基、アリール基、アリーレン基、エーテル基、エステル基、ヒドロキシル基、ケト基及びこれらを組み合わせた基等が挙げられる。
【0077】
1つの実施形態において、S1は、好ましくは、0以上の整数が挙げられ、より好ましくは、0~10の整数が挙げられる。
【0078】
1つの実施形態において、S2は、好ましくは、1以上の整数が挙げられ、より好ましくは、0~270の整数が挙げられる。
【0079】
1つの実施形態において、S3は、好ましくは、0以上の整数が挙げられ、より好ましくは、0~5の整数が挙げられる。
【0080】
1つの実施形態において、化合物Aは、好ましくは、シリコーン鎖含有化合物が挙げられ、より好ましくは、(メタ)アクリル酸シリコーン単位含有ポリマー(メタ)アクリレート、二重結合含有シリコーンが挙げられ、さらに好ましくは、(メタ)アクリル酸ジメチルポリシロキサン単位含有ポリマー(メタ)アクリレート、二重結合含有ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0081】
質量%含有量(化合物A/活性エネルギー線硬化性組成物不揮発分)は、例えば、99質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、4質量%、2質量%、1質量%、0.75質量%、0.5質量%、0.1質量%、0.05質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0.05質量%~100質量%が挙げられ、より好ましくは、0.1質量%~2質量%が挙げられる。
【0082】
質量%含有量(化合物A/活性エネルギー線硬化性化合物)は、例えば、99質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、4質量%、2質量%、1質量%、0.75質量%、0.5質量%、0.1質量%、0.05質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0.05質量%~100質量%が挙げられ、より好ましくは、0.1質量%~2質量%が挙げられる。
【0083】
<化合物B:二重結合当量=28g/eq以上200g/eq未満>
化合物Bの二重結合当量は、28g/eq以上200g/eq未満である。化合物Bは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0084】
化合物Bは、例えば、ウレタン結合非含有(ポリ)(メタ)アクリレート、ウレタン(ポリ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0085】
重合性二重結合数(化合物B)は、例えば、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1等が挙げられる。1つの実施形態において、上記数は、好ましくは、1~20が挙げられる。
【0086】
<ウレタン結合非含有(ポリ)(メタ)アクリレート>
ウレタン結合非含有ポリ(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0087】
ウレタン結合非含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、(ポリ)ペンタエリスリトール(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、(ポリ)トリメチロールプロパン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、(ポリ)グリセリン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、イソシアヌレート構造含有(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、(ポリ)アルキレン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート、ビスフェノールA(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0088】
「(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート」は、「アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート及び/又はエポキシ変性(メタ)アクリレート」を意味する。
【0089】
<(ポリ)ペンタエリスリトール(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート>
(ポリ)ペンタエリスリトール(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは、式(A’)等で表される化合物である。
【化A1】
[式中、nは0~2の整数であり、Rb1’~Rb6 ’は、それぞれ独立に水素原子、
【化A2】
{式中、qはそれぞれ独立に0~16の整数であり、R1’~R3’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
であり、
b4’及びRb5’は各構成単位ごとに基が異なっていてもよく、
式(A)中において
【化A3】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
が1個以上含まれる。]
【0090】
なお、「各構成単位ごとに基が異なっていてもよい」は、式(A’)において、例えば、nが2であるとき、
【化A4】
b4AとRb4Bとは異なる基であってよく、Rb5AとRb5Bとは異なる基であってよいことを意味する。
【0091】
ペンタエリスリトール(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0092】
ペンタエリスリトール(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、ペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0093】
ペンタエリスリトール(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、ペンタエリスリトールエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリエポキシ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0094】
ポリペンタエリスリトール(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0095】
ポリペンタエリスリトール(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジペンタエリスリトール(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールトリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールトリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジペンタエリスリトールヘキサ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールトリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘキサ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘプタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールオクタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールトリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘキサ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールヘプタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリペンタエリスリトールオクタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0096】
ポリペンタエリスリトール(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジペンタエリスリトールエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタエポキシ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールジエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタエポキシ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0097】
<(ポリ)トリメチロールプロパン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート>
(ポリ)トリメチロールプロパン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは式(B’)等で表される化合物である。
【化B1】
[式中、mは0~2の整数であり、Rb7’~Rb10 ’は、それぞれ独立に水素原子、
【化B2】
{式中、qはそれぞれ独立に0~16の整数であり、R1’~R3’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
であり、
b9’は各構成単位ごとに基が異なっていてもよく、
式(B)中において
【化B3】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
が1個以上含まれる。]
【0098】
トリメチロールプロパン(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0099】
トリメチロールプロパン(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリメチロールプロパントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリメチロールプロパントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0100】
トリメチロールプロパン(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、トリメチロールプロパンエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジエポキシ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0101】
ポリトリメチロールプロパン(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、ジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0102】
ポリトリメチロールプロパン(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジトリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジトリメチロールプロパンテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0103】
ポリトリメチロールプロパン(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジトリメチロールプロパンエポキシ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジエポキシ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリエポキシ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0104】
<(ポリ)グリセリン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート>
(ポリ)グリセリン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは、式(C’)等で表される化合物である。
【化C1】
[式中、pは0~7の整数であり、Rb11’~Rb14 ’は、それぞれ独立に水素原子、
【化C2】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
であり、
b13’は各構成単位ごとに基が異なっていてもよく、
式(C)中において
【化C3】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
が1個以上含まれる。]
【0105】
グリセリン(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、グリセリン(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0106】
グリセリン(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、グリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、グリセリンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、グリセリントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、グリセリンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、グリセリントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0107】
グリセリン(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、グリセリンエポキシ(メタ)アクリレート、グリセリンジエポキシ(メタ)アクリレート、グリセリントリエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0108】
ポリグリセリン(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、ジグリセリン(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリグリセリン(メタ)アクリレート、トリグリセリンジ(メタ)アクリレート、トリグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、トリグリセリンペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0109】
ポリグリセリン(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリンテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリグリセリンジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリントリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンテトラ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンペンタ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)ジグリセリンプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジグリセリンテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、トリグリセリンジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリントリ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンテトラ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリグリセリンペンタ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0110】
ポリグリセリン(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジグリセリンエポキシ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジエポキシ(メタ)アクリレート、ジグリセリントリエポキシ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンジエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリントリエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンテトラエポキシ(メタ)アクリレート、トリグリセリンペンタエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0111】
<イソシアヌレート構造含有(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート>
イソシアヌレート構造含有(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは、式(D’)等で表される化合物である。
【化D1】
[式中、Rb15’~Rb17 ’は、それぞれ独立に水素原子、
【化D2】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
であり、式(D)中において
【化D3】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
が1個以上含まれる。]
【0112】
イソシアヌレート構造含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアヌル酸(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0113】
イソシアヌレート構造含有(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、イソシアヌル酸トリ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0114】
イソシアヌレート構造含有(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアヌル酸エポキシ変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジエポキシ変性(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリエポキシ変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0115】
<(ポリ)アルキレン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート>
(ポリ)アルキレン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは、式(E’)等で表される化合物である。
【化E1】
[式中、Rb18’~Rb19 ’は、それぞれ独立に水素原子、
【化E2】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
であり、
b20’は、アルキレン基であり、rは1以上の整数であり、
式(E)中において
【化E3】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
が1個以上含まれる。]
【0116】
(ポリ)アルキレン(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは、例えば、アルキレンジ(メタ)アクリレート、アルキレンジアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、アルキレンジエポキシ変性(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールジエポキシ変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0117】
アルキレンジ(メタ)アクリレートは、例えば、1,2-エチレンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0118】
アルキレンジアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、1,2-エチレンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,3-プロパンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,4-ブタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,5-ペンタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,6-ヘキサンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,7-ヘプタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,8-オクタンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,9-ノナンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,10-デカンジオールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ネオペンチルグリコールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,2-エチレンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,3-プロパンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,4-ブタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,5-ペンタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,6-ヘキサンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,7-ヘプタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,8-オクタンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,9-ノナンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、1,10-デカンジオールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ネオペンチルグリコールジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0119】
アルキレンジエポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、1,2-エチレンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,3-プロパンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,7-ヘプタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,8-オクタンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジエポキシ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0120】
ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートは、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0121】
ポリアルキレングリコールジアルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジエチレングリコールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ジプロピレングリコールジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリエチレングリコール(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、トリプロピレングリコール(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0122】
ポリアルキレングリコールジエポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、ジエチレングリコールジエポキシ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジエポキシ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジエポキシ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0123】
<ビスフェノールA(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレート>
ビスフェノールA(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートは、式(F’)等で表される化合物である。
【化F1】
[式中、Rb21’~Rb22 ’は、それぞれ独立に
【化F2】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
であり、式(F)中において
【化F3】
{式中、qは0~16の整数であり、R1’~R3 ’はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基であり、R1’は各単位ごとに基が異なっていてもよい。}
が1個以上含まれる。]
【0124】
ビスフェノールA(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、ビスフェノールA(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0125】
ビスフェノールA(ポリ)アルキレンオキサイド変性(メタ)アクリレートは、例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)、ビスフェノールAプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(プロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレート)等が挙げられる。
【0126】
ビスフェノールA(ポリ)エポキシ変性(メタ)アクリレートは、例えば、ビスフェノールAエポキシ変性(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジエポキシ変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0127】
<ウレタン(ポリ)(メタ)アクリレート>
ウレタン(ポリ)(メタ)アクリレートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0128】
ウレタン(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、水酸基含有(ポリ)(メタ)アクリレート及びポリイソシアネートを含む化合物群の反応物等が挙げられる。
【0129】
<水酸基含有(ポリ)(メタ)アクリレート>
水酸基含有(ポリ)(メタ)アクリレートは、例えば、水酸基含有(ポリ)ペンタエリスリトール(ポリ)(メタ)アクリレート、水酸基含有(ポリ)トリメチロールプロパン(ポリ)(メタ)アクリレート、水酸基含有(ポリ)グリセリン(ポリ)(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0130】
ポリイソシアネートは、単独又は2種以上で使用され得る。
【0131】
<ポリイソシアネート>
「ポリイソシアネート」は、2個以上のイソシアネート基(-N=C=O)を有する化合物を意味する。
【0132】
ポリイソシアネートは、例えば、直鎖脂肪族ポリイソシアネート、分岐脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート並びにこれらのビウレット体、イソシアヌレート体、アロファネート体、アダクト体等が挙げられる。
【0133】
直鎖脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0134】
分岐脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、ジエチルペンチレンジイソシアネート、トリメチルブチレンジイソシアネート、トリメチルペンチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0135】
脂環族ポリイソシアネートは、例えば、単環脂環族ポリイソシアネート、架橋環脂環族ポリイソシアネート、縮合環脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0136】
単環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、水添キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロペンチレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、シクロヘプチレンジイソシアネート、シクロデシレンジイソシアネート、3,5,5-トリメチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0137】
架橋環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、トリシクロデシレンジイソシアネート、アダマンタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等が挙げられる。
【0138】
縮合環脂環族ポリイソシアネートは、例えば、ビシクロデシレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0139】
芳香族ポリイソシアネートは、例えば、単環芳香族ポリイソシアネート、縮合環芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。
【0140】
単環芳香族ポリイソシアネートは、例えば、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルテトラメチルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジベンジルイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0141】
縮合環芳香族ポリイソシアネートは、1,5-ナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0142】
1つの実施形態において、化合物Bは、好ましくは、(ポリ)ペンタエリスリトール(ポリ)(アルキレンオキサイド変性又はエポキシ変性)(メタ)アクリレートが挙げられ、より好ましくは、ポリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが挙げられ、さらに好ましくは、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0143】
質量%含有量(化合物B/活性エネルギー線硬化性組成物不揮発分)は、例えば、90質量%、85質量%、81質量%、80質量%、78質量%、75質量%、70質量%、69質量%、68質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~90質量%が挙げられる。
【0144】
質量%含有量(化合物B/活性エネルギー線硬化性化合物)は、例えば、90質量%、85質量%、81質量%、80質量%、78質量%、75質量%、70質量%、69質量%、68質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~90質量%が挙げられる。
【0145】
<二重結合当量(活性エネルギー線硬化性組成物全体)>
二重結合当量(活性エネルギー線硬化性組成物全体)は、例えば、365g/eq未満、364g/eq、360g/eq、350g/eq、300g/eq、275g/eq、250g/eq、225g/eq、216g/eq、202g/eq、200g/eq、186g/eq、175g/eq、150g/eq、125g/eq、116g/eq、112g/eq、105g/eq、104g/eq、101g/eq、100g/eq、98g/eq、97g/eq、86g/eq、85g/eq、75g/eq、50g/eq、28g/eq等が挙げられる。1つの実施形態において、上記二重結合当量は、好ましくは、365g/eq未満が挙げられ、より好ましくは、28g/eq以上365g/eq未満が挙げられ、さらに好ましくは、85g/eq~360g/eqが挙げられ、特に好ましくは、90g/eq~125g/eqが挙げられる。
【0146】
二重結合当量(活性エネルギー線硬化性組成物全体)は、加重平均値である。具体的には、活性エネルギー線硬化性組成物が、下記組成である場合、二重結合当量(活性エネルギー線硬化性組成物全体)は、下記式により算出される。
化合物α(二重結合当量Ag/eq):α質量%
化合物β(二重結合当量Bg/eq):β質量%
加重平均値=A×(α/100)+B×(β/100)
【0147】
<溶存気体100体積%に対する溶存酸素量:溶存酸素量>
活性エネルギー線硬化性組成物の溶存気体100体積%に対する溶存酸素量は、例えば、20体積%未満、19.9体積%、19体積%、18体積%、17体積%、16体積%、15体積%、14体積%、13体積%、12体積%、11体積%、10.1体積%、10体積%超等が挙げられる。1つの実施形態において、上記溶存酸素量は、好ましくは、10体積%超が挙げられ、より好ましくは、10体積%超20体積%未満が挙げられ、さらに好ましくは、13体積%~19体積%が挙げられる。
【0148】
溶存酸素量は、下記条件により測定され得る。
酸素濃度計:O2センサ InPro6800/12/320(メトラー・トレド(株)製)
変換器:M400(メトラー・トレド(株)製)
測定温度:常温(20℃~25℃)
【0149】
溶存酸素量は、組成物中に空気をバブリングする方法等により調整され得る。
【0150】
<鉄原子>
活性エネルギー線硬化性組成物に対する鉄原子含有量は、例えば、400ppb、399ppb、375ppb、350ppb、325ppb、300ppb、275ppb、250ppb、225ppb、200ppb、175ppb、150ppb、140ppb、130ppb、125ppb、120ppb、115ppb、110ppb、105ppb、100ppb、95ppb、90ppb、85ppb、80ppb、75ppb、70ppb、65ppb、60ppb、55ppb、50ppb、45ppb、40ppb、35ppb、30ppb、25ppb、20ppb、15ppb、10ppb、5ppb、0ppb等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、400ppb以下が挙げられ、より好ましくは、150ppb以下が挙げられる。
【0151】
<銅原子>
活性エネルギー線硬化性組成物に対する銅原子含有量は、例えば、300ppb、275ppb、250ppb、225ppb、200ppb、175ppb、150ppb、140ppb、130ppb、125ppb、120ppb、115ppb、110ppb、105ppb、100ppb、95ppb、90ppb、85ppb、80ppb、75ppb、70ppb、65ppb、60ppb、55ppb、50ppb、45ppb、40ppb、35ppb、30ppb、25ppb、20ppb、15ppb、10ppb、5ppb、0ppb等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、300ppb以下が挙げられ、より好ましくは、125ppb以下が挙げられる。
【0152】
鉄原子、銅原子は、0価金属、イオン等様々な形態で活性エネルギー線硬化性組成物に存在し得る。
【0153】
鉄原子、銅原子の量は、精製により調整可能である。
【0154】
精製は、例えば、蒸留、洗浄、金属除去フィルターを用いたろ過等が挙げられる。
【0155】
鉄原子含有量、銅原子含有量は下記手法により測定され得る。
分析種類:ICP-MS
装置メーカー:PerkinElmer
装置名: ELAN DRCII
測定前処理:1%硝酸NMP(N-メチル-2-ピロリドン)で希釈
定量方法:標準試料を用いた検量線法による絶対定量
検量線用標準試料濃度:0ppb、1ppb、2ppb、5ppb、20ppb、50ppb
試料濃度:0.5%(200倍希釈)
【0156】
<光重合開始剤>
1つの実施形態において、活性エネルギー線硬化性組成物は、任意で、光重合開始剤を含み得る。光重合開始剤は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0157】
光重合開始剤は、例えば、α-ヒドロキシジメチルアセトフェノン基含有光重合開始剤、α-ヒドロキシシクロアルキルフェノン、α-アミノアルキルフェノン、ベンジルジメチルケタール、無置換又は置換アルキルフェノン、無置換又は置換ベンジル、無置換又は置換ベンゾフェノン、アシルホスフィンオキシド、置換チオキサントン、オキシムエステル等が挙げられる。
【0158】
α-ヒドロキシジメチルアセトフェノン基含有光重合開始剤は、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチルプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0159】
α-ヒドロキシシクロアルキルフェノンは、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
【0160】
α-アミノアルキルフェノンは、例えば、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン等が挙げられる。
【0161】
ベンジルジメチルケタールは、例えば、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
【0162】
無置換又は置換アルキルフェノンは、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、アセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-フェニル-2-(p-トルエンスルホニルオキシ)アセトフェノン、ベンゾイン、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルホリノブチロフェノン、2-メチル-4’-(メチルチオ)-2-モルホリノプロピオフェノン、2-イソニトロソプロピオフェノン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン等が挙げられる。
【0163】
無置換又は置換ベンジルは、例えば、ベンジル、p-アニシル等が挙げられる。
【0164】
無置換又は置換ベンゾフェノンは、例えば、ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、1,4-ジベンゾイルベンゼン、2-ベンゾイル安息香酸、4-ベンゾイル安息香酸、2-ベンゾイル安息香酸メチル等が挙げられる。
【0165】
アシルホスフィンオキシドは、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
【0166】
置換チオキサントンは、例えば、2-クロロチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0167】
オキシムエステルは、例えば、1.2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)](すなわち2-((ベンゾイルオキシ)イミノ)-1-(4-(フェニルチオ)フェニル)オクタン-1-オン);
エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)(すなわち1-(((1-(9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル)エチリデン)アミノ)オキシ)エタン-1-オン)等が挙げられる。
【0168】
電子線硬化をする場合、光重合開始剤は必要ではない。
【0169】
1つの実施形態において、光重合開始剤は、好ましくは、α-アミノアルキルフェノンが挙げられ、より好ましくは、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オンが挙げられる。
【0170】
質量%含有量(光重合開始剤/活性エネルギー線硬化性組成物不揮発分)は、例えば、10質量%、9質量%、8質量%、7質量%、6質量%、5質量%、4質量%、3質量%、2質量%、1質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~10質量%が挙げられ、より好ましくは、1質量%~6質量%が挙げられる。
【0171】
<有機溶媒>
1つの実施形態において、活性エネルギー線硬化性組成物は、任意で、有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、単独又は2種以上で使用され得る。
【0172】
有機溶媒は、例えば、ケトン溶媒、芳香族溶媒、アルコール溶媒、グリコール溶媒、グリコールエーテル溶媒、エステル溶媒、石油系溶媒、ハロアルカン溶媒、アミド溶媒等が挙げられる。
【0173】
ケトン溶媒は、例えば、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
【0174】
芳香族溶媒は、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0175】
アルコール溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、i-ブタノール、t-ブタノール等が挙げられる。
【0176】
グリコール溶媒は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
【0177】
グリコールエーテル溶媒は、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル等が挙げられる。
【0178】
エステル溶媒は、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0179】
石油系溶媒は、例えば、ソルベッソ#100(エクソン社製)、ソルベッソ#150(エクソン社製)等が挙げられる。
【0180】
ハロアルカン溶媒は、例えば、クロロホルム等が挙げられる。
【0181】
アミド溶媒は、例えば、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
【0182】
1つの実施形態において、有機溶媒は、好ましくは、アルコール溶媒、ケトン溶媒が挙げられ、より好ましくは、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンが挙げられ、さらに好ましくは、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンの併用が挙げられる。
【0183】
質量%含有量(有機溶媒/活性エネルギー線硬化性組成物)は、99質量%、98.5質量%、98質量%、97質量%、95質量%、90質量%、85質量%、80質量%、75質量%、70質量%、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、35質量%、30質量%、25質量%、20質量%、15質量%、10質量%、5質量%、0質量%等が挙げられる。1つの実施形態において、上記含有量は、好ましくは、0質量%~99質量%が挙げられる。
【0184】
<添加剤>
活性エネルギー線硬化性組成物は、任意で、上記のいずれにも該当しない剤(添加剤)を含み得る。
【0185】
添加剤は、例えば、紫外線吸収剤、消泡剤、表面調整剤、防汚染剤、顔料等が挙げられる。
【0186】
1つの実施形態において、質量部含有量(添加剤/活性エネルギー線硬化性組成物)は、好ましくは、5質量部未満、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0187】
1つの実施形態において、質量部含有量(添加剤/化合物A)、質量部含有量(添加剤/化合物B)、質量部含有量(添加剤/光重合開始剤)、質量部含有量(添加剤/有機溶媒)は、好ましくは、5質量部未満、1質量部未満、0.1質量部未満、0.01質量部未満、0質量部等が挙げられる。
【0188】
上記剤を分散・混合することにより、活性エネルギー線硬化性組成物は、製造され得る。
【0189】
分散・混合手段は、例えば、乳化分散機、超音波分散装置等が挙げられる。
【0190】
用途(活性エネルギー線硬化性組成物)は、例えば、コーティング剤、ハードコーティング剤、クリアコーティング剤、クリアハードコーティング剤、アンチグレアコーティング剤、アンチグレアハードコーティング剤、光学フィルム用コーティング剤、光学フィルム用ハードコーティング剤、剥離コーティング剤、剥離フィルムコーティング剤、アンダーコーティング剤等が挙げられる。
【0191】
[硬化物]
本開示は、上記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物に関する。
【0192】
硬化条件は、例えば、下記条件等が挙げられる。
【0193】
[積層物]
本開示は、上記硬化物を含む、積層物に関する。
【0194】
製造方法(積層物)は、例えば、下記工程を含む方法等が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性組成物塗工工程:活性エネルギー線硬化性組成物を基材の少なくとも片面に塗工する工程
活性エネルギー線硬化工程:活性エネルギー線を照射して活性エネルギー線硬化性組成物硬化物層を形成する工程
【0195】
基材は、例えば、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム(ポリメチルメタクリレートフィルム等)、ポリスチレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、エポキシ樹脂フィルム、メラミン樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルム、ABSフィルム、ASフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、環状オレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等が挙げられる。
【0196】
1つの実施形態において、厚み(基材)は、好ましくは、10μm~2000μmが挙げられる。
【0197】
1つの実施形態において、厚み(硬化物層)は、好ましくは、0.05μm~20μmが挙げられる。
【0198】
(塗工工程)
塗工方法は、例えば、バーコーター塗工、ワイヤーバー塗工、メイヤーバー塗工、エアナイフ塗工、グラビア塗工、リバースグラビア塗工、フローコート塗工、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷法等が挙げられる。
【0199】
(活性エネルギー線硬化工程)
活性エネルギー線は、例えば、紫外線、電子線等が挙げられる。
【0200】
紫外線光源は、例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられる。
【0201】
高圧水銀灯を使用する場合、硬化条件は、好ましくは、下記条件等が挙げられる。
ランプ出力:25W/cm~160W/cm
UV照度:10mW/cm~800mW/cm
積算光量:5mJ/cm~2000mJ/cm
搬送速度:1m/分~50m/分
【0202】
電子線を使用する場合、硬化条件は、好ましくは、下記条件等が挙げられる。
加速電圧:10kV~300kV
搬送速度:5m/分~50m/分
【実施例
【0203】
以下、実施例及び比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の説明及び以下の実施例は、本発明を限定する目的で記載されていない。本発明は、特許請求の範囲のみにより限定される。以下特に説明がない限り、部、%等の数値は、質量基準である。
【0204】
製造例1 ポリマー(メタ)アクリレート
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口を取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル125部、メタクリル酸グリシジル(GMA)100部、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1部を仕込んで攪拌し、窒素気流下で100℃まで昇温後、10時間反応させた。反応終了後、60℃まで冷却して、アクリル酸(AA)25部、トリフェニルホスフィン 0.1部、メトキノン 0.05部を仕込み、窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気を反応液中にバブリングしながら攪拌して、110℃まで昇温させ9時間保温反応させることで、ポリマー(メタ)アクリレート(不揮発分50%)を得た。撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素流入口を取り付けた四つ口フラスコに、酢酸ブチル48.6部、グリシジルメタクリレート(以下、GMA)32.6部、アゾビスイソブチロ

ニトリル(以下、AIBN)1.6部を仕込んで攪拌し、窒素気流化で100℃まで昇温したのち10時間反応させた。反応終了後、60℃まで冷却して、アクリル酸16.6部、トリフェニルフォスフィン 0.1部、メトキノン 0.5部を仕込み、窒素流入口をエアーバブリング装置に取り換えて空気を反応液中にバブリングしながら攪拌して、110℃まで昇温させ9時間保温反応させることで、樹脂固形分50%の樹脂1を得た(表1)。なお、重量平均分子量(GPCによるポリスチレン換算値)は12,000であり、アクリル基一つあたりの分子量は214と算出された。重量平均分子量は、ゲルパーメーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、商品名「HLC-8220」、カラム:東ソー(株)製、商品名「TSKgel superHZ2000」を3本直列に連結して測定した値を示す。
【0205】
特段言及がない限り、他の例は、下記表のように変更した以外は、上記と同様にして行った。
【0206】
【表1】
FM-0721:メタクリル酸シリコーン、数平均分子量5000、JNS(株)製
【化EX1】
【0207】
実施例1 活性エネルギー線硬化性組成物
不揮発分成分として下記表に記載の物質を混合後、イソプロピルアルコール/メチルエチルケトン=70%/30%の混合溶媒により希釈した(不揮発分40%)。次に、得られた活性エネルギー線硬化性組成物をZeta Plus 活性炭吸着デプスフィルターカートリッジR53S(3M社製)を用いてろ過した。溶存酸素量は、組成物中に空気をバブリングすることにより調整した。鉄原子含有量及び銅原子含有量は、ろ過後、必要に応じて、鉄塩、銅塩を添加することにより調整した。
【0208】
特段言及がない限り、他の例は、下記表のように変更した以外は、上記と同様にして行った。
【0209】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
化合物A、Bの数値は二重結合含有化合物100質量%に対する値(%)である。
開始剤の数値は二重結合含有化合物100質量部に対する値である。
化合物A
【化EX2】

Gly3A:グリセリントリアクリレート:製品名「アロニックス M-930」、東亞合成(株)製
DPPA:ジペンタエリスリトールポリアクリレート、製品名「NKエステル A-9550」、新中村化学工業(株)製
DPEA-12:エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、製品名「KAYARAD DPEA-12」、日本化薬(株)製

Omnirad 907:2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、IGM Resins社製
Omnirad 184:1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、IGM Resins社製
Omnirad TPO H:2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、IGM Resins社製
Omnirad 1173:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン、IGM Resins社製
【0210】
溶存酸素量は、下記条件により測定した。
酸素濃度計:O2センサ InPro6800/12/320(メトラー・トレド(株)製)
変換器:M400(メトラー・トレド(株)製)
測定温度:常温(20℃~25℃)
【0211】
鉄原子、銅原子含有量は、下記手法により測定した。
分析種類:ICP-MS
装置メーカー:PerkinElmer
装置名: ELAN DRCII
測定前処理:1%硝酸NMP(N-メチル-2-ピロリドン)で希釈
定量方法:標準試料を用いた検量線法による絶対定量
検量線用標準試料濃度:0ppb、1ppb、2ppb、5ppb、20ppb、50ppb
試料濃度:0.5%(200倍希釈)
【0212】
(安定性)
活性エネルギー線硬化性組成物を20℃で保管し、ゲル化するまでの日数を測定した。
A:6か月経過後もゲル化しない。
B:5か月経過後6か月経過未満でゲル化する。
C:4か月経過後5か月経過未満でゲル化する。
D:4か月経過未満でゲル化する。
【0213】
製造(積層物)
活性エネルギー線硬化性組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)にバーコーター#12で塗布し(乾燥後膜厚3μm)、80℃で1分間乾燥後、活性エネルギー線を照射し(紫外線照射、照度:520mw/cm、積算光量:500mJ/cm)、積層物を得た。
【0214】
(硬化性)
メチルエチルケトンを浸みこませた綿棒を硬化物表面にこすりつけ往復させ、硬化物を目視観察し、下記基準にて評価した。
A:20往復後も、硬化物の変化が見られない。
B:20往復後に、硬化物に白化が見られる。
C:10往復後に、硬化物に白化が見られる。
D:5往復後に、硬化物に白化が見られる。
【0215】
(耐汚染性)
硬化物表面に対して油性マジックで筆記後、乾燥させたのち拭き取りを行うことを10回行い、跡残りの状況を、下記基準にて評価した。
A:乾拭きにて拭き取り後、跡残りなし。
B:乾拭きにて拭き取り後、書き跡が残らないがまわりが黒く残る
C:乾拭きにて拭き取り後、僅かに跡残りあり
D:乾拭きにて拭き取り後、跡残りあり
【要約】      (修正有)
【課題】活性エネルギー線硬化性組成物、硬化物及び積層物を提供すること。
【解決手段】活性エネルギー線硬化性組成物であって、前記活性エネルギー線硬化性組成物は、化合物A及び化合物Bを含み、前記化合物Aの二重結合当量は、200g/eq以上であり、前記化合物Bの二重結合当量は、28g/eq以上200g/eq未満であり、前記活性エネルギー線硬化性組成物全体の二重結合当量は、365g/eq未満であり、溶存気体100体積%に対する溶存酸素量が10体積%超であり、前記活性エネルギー線硬化性組成物全体に対し、鉄原子含有量が400ppb以下であり、銅原子含有量が300ppb以下である、活性エネルギー線硬化性組成物。
【選択図】なし