(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B66B 23/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
B66B23/00 B
(21)【出願番号】P 2023175702
(22)【出願日】2023-10-11
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 剛
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/037070(WO,A1)
【文献】特開平10-081477(JP,A)
【文献】実開昭58-191174(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2022/0089413(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステップと、
前記複数のステップを走行可能に支持する内構造体と、
前記内構造体が内部に収容され、第1横方向に離れる第1躯体及び第2躯体に設置される外構造体と、
前記外構造体の前記第1横方向の第1端部を、前記第1躯体に固定する第1外固定機構と、
前記外構造体の前記第1横方向の第2端部を、前記第2躯体に固定する第2外固定機構と、
前記内構造体の前記第1横方向の第1端部を、前記第1躯体に固定する第1内固定機構と、を備え、
前記第1内固定機構による固定を解除するために必要な力は、前記第1外固定機構及び前記第2外固定機構による固定を解除するために必要な力よりも、小さい、マンコンベヤ。
【請求項2】
複数のステップと、
前記複数のステップを走行可能に支持する内構造体と、
前記内構造体が内部に収容され、第1横方向に離れる第1躯体及び第2躯体に設置される外構造体と、を備え、
前記外構造体の前記第1横方向の第1端部は、前記第1躯体に固定され、
前記外構造体の前記第1横方向の第2端部は、前記第2躯体に固定され、
前記内構造体の前記第1横方向の第1端部は、前記第1躯体に対して可動である、マンコンベヤ。
【請求項3】
前記外構造体は、長尺な複数の枠部を備え、
前記枠部は、伸縮するように変形可能な変形部を備える、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記外構造体は、
前記第1横方向と直交す
る第2横方向視にて互いに平行に延びる上枠部及び下枠部と、
前記第2横方向視にて前記上枠部及び前記下枠部に対して直交するように延び、前記上枠部と前記下枠部とを接続する縦枠部と、
前記第2横方向視にて前記上枠部及び前記下枠部に対して傾斜して交差するように延び、前記上枠部と前記下枠部とを接続する斜枠部と、を備え、
前記斜枠部は、伸縮するように変形可能な変形部を備える、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記内構造体の前記第1横方向の第1端部は、前記第1躯体に下方から支持され、
前記内構造体の前記第1横方向の第2端部は、前記第2躯体に下方から支持される、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【請求項6】
前記外構造体の前記第1横方向の第1端部は、
前記第1躯体の上面に固定される第1上面固定部と、
前記第1躯体の側面に固定される第1側面固定部と、を備え、
前記外構造体の前記第1横方向の第2端部は、
前記第2躯体の上面に固定される第2上面固定部と、
前記第2躯体の側面に固定される第2側面固定部と、を備える、請求項1又は2に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、複数のステップと、複数のステップを走行可能に支持し、第1横方向に離れる第1躯体及び第2躯体に設置される構造体とを備えている(例えば、特許文献1~4)。そして、構造体の第1横方向の第1端部は、固定機構によって、第1躯体に固定されている。
【0003】
特許文献1~4に係るマンコンベヤにおいては、例えば、地震が発生することによって、大きな力が固定機構に加えられることによって、当該固定機構による固定が解除される。これにより、第1躯体及び第2躯体が相対変位した場合でも、構造体が破損することを抑制することができる。ところで、マンコンベヤによって、第1躯体及び第2躯体間の相対変位を抑制したいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-78021号公報
【文献】特開2018-39594号公報
【文献】特開2018-39616号公報
【文献】特開2014-136609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、第1躯体及び第2躯体間の相対変位を抑制することができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]
マンコンベヤは、
複数のステップと、
前記複数のステップを走行可能に支持する内構造体と、
前記内構造体が内部に収容され、第1横方向に離れる第1躯体及び第2躯体に設置される外構造体と、
前記外構造体の前記第1横方向の第1端部を、前記第1躯体に固定する第1外固定機構と、
前記外構造体の前記第1横方向の第2端部を、前記第2躯体に固定する第2外固定機構と、
前記内構造体の前記第1横方向の第1端部を、前記第1躯体に固定する第1内固定機構と、を備え、
前記第1内固定機構による固定を解除するために必要な力は、前記第1外固定機構及び前記第2外固定機構による固定を解除するために必要な力よりも、小さい。
【0007】
[2]
マンコンベヤは、
複数のステップと、
前記複数のステップを走行可能に支持する内構造体と、
前記内構造体が内部に収容され、第1横方向に離れる第1躯体及び第2躯体に設置される外構造体と、を備え、
前記外構造体の前記第1横方向の第1端部は、前記第1躯体に固定され、
前記外構造体の前記第1横方向の第2端部は、前記第2躯体に固定され、
前記内構造体の前記第1横方向の第1端部は、前記第1躯体に対して可動である。
【0008】
[3]
上記[1]又は[2]のマンコンベヤにおいては、
前記外構造体は、長尺な複数の枠部を備え、
前記枠部は、伸縮するように変形可能な変形部を備える、
という構成でもよい。
【0009】
[4]
上記[1]~[3]の何れか1つのマンコンベヤにおいては、
前記外構造体は、
前記第1横方向と直交する前記第2横方向視にて、互いに平行に延びる上枠部及び下枠部と、
前記第2横方向視にて前記上枠部及び前記下枠部に対して直交するように延び、前記上枠部と前記下枠部とを接続する縦枠部と、
前記第2横方向視にて前記上枠部及び前記下枠部に対して傾斜して交差するように延び、前記上枠部と前記下枠部とを接続する斜枠部と、を備え、
前記斜枠部は、伸縮するように変形可能な変形部を備える、
という構成でもよい。
【0010】
[5]
上記[1]~[4]の何れか1つのマンコンベヤにおいては、
前記内構造体の前記第1横方向の第1端部は、前記第1躯体に下方から支持され、
前記内構造体の前記第1横方向の第2端部は、前記第2躯体に下方から支持される、
という構成でもよい。
【0011】
[6]
上記[1]~[5]の何れか1つのマンコンベヤにおいては、
前記外構造体の前記第1横方向の第1端部は、
前記第1躯体の上面に固定される第1上面固定部と、
前記第1躯体の側面に固定される第1側面固定部と、を備え、
前記外構造体の前記第1横方向の第2端部は、
前記第1躯体の上面に固定される第1上面固定部と、
前記第1躯体の側面に固定される第1側面固定部と、を備える、
という構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【発明を実施するための形態】
【0013】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0014】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0015】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、
図1~
図6を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0016】
図1及び
図2に示すように、マンコンベヤ10は、例えば、第1方向D1に離れる第1躯体X1及び第2躯体X2に跨って設置される外構造体1と、外構造体1の内部に収容される内構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第2方向D2で挟むように配置される一対(
図1及び
図2においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5とを備えていてもよい。
【0017】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「前後方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「幅方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0018】
本実施形態に係るマンコンベヤ10は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ10は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0019】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0020】
また、例えば、走行部3aは、第2横方向D2に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第2横方向D2を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0021】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、走行部3aの第1横方向D1の第1端部が巻き掛けられて且つ第2横方向D2を軸にして回転する回転部5aと、走行部3aの第1横方向D1の第2端部を支持する走行支持部5bと、回転部5aを回転させる駆動源5cとを備えていてもよい。これにより、ステップ3bは、回転部5aによって反転し、また、支持部5bによって反転する。
【0022】
特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよい。また、特に限定されないが、走行支持部5bは、例えば、走行部3aを反転するようにガイドするガイド材であってもよく、また、例えば、走行部3aが巻き掛けられて且つ第2横方向D2を軸にして回転する回転材(例えば、スプロケット)であってもよい。また、特に限定されないが、駆動源5cは、例えば、モータとしてもよい。
【0023】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0024】
なお、内構造体2は、例えば、走行部3a及びステップ3bを下方からガイドするガイドレール(図示していない)を備えていてもよい。これにより、内構造体2は、複数のステップ3bを走行可能に支持している。また、回転部5a、走行支持部5b及び駆動源5cは、例えば、内構造体2に取り付けられ、内構造体2に支持されていてもよい。
【0025】
内構造体2は、例えば、本実施形態のように、内本体部21と、内本体部21の第1横方向D1の端部に固定され、躯体X1,X2に固定される第1及び第2内固定部22,23とを備えていてもよい。外構造体1は、例えば、本実施形態のように、外本体部11と、外本体部11の第1横方向D1の端部に固定され、躯体X1,X2に固定される第1及び第2外固定部12,13とを備えていてもよい。
【0026】
第1外固定部12は、例えば、本実施形態のように、第1躯体X1の上面X1aに固定される第1上面固定部121と、第1躯体X1の側面X1bに固定される第1側面固定部122とを備えていてもよい。また、第2外固定部13は、例えば、本実施形態のように、第2躯体X2の上面X2aに固定される第2上面固定部131と、第2躯体X2の側面X2bに固定される第2側面固定部132とを備えていてもよい。
【0027】
図2及び
図3に示すように、外本体部11は、例えば、長尺な複数の枠部14a~14d,15で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。例えば、外本体部11は、本実施形態のように、第2横方向D2に離れる一対(
図2及び
図3においては、一方のみ図示している)の側枠部14と、第2横方向D2に沿って延び、一対の側枠部14を接続する接続枠部(「横枠部」ともいう)15とを備えていてもよい。
【0028】
側枠部14は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2視にて互いに平行に延びる上枠部14a及び下枠部14bと、第2横方向D2視にて上枠部14a及び下枠部14bに対して直交するように延び、上枠部14aと下枠部14bとを接続する縦枠部14cと、第2横方向D2視にて上枠部14a及び下枠部14bに対して傾斜して交差するように延び、上枠部14aと下枠部14bとを接続する斜枠部14dとを備えていてもよい。
【0029】
図3に示すように、斜枠部14dは、例えば、伸縮するように変形可能な変形部14eと、変形部14eと上枠部14a(又は下枠部14b)とを接続する枠材14fとを備えていてもよい。これにより、斜枠部14dは、他の枠部14a~14c,15よりも、変形し易くなっている。なお、変形部14eは、例えば、復元可能であることが好ましい。
【0030】
特に限定されないが、変形部14eは、例えば、本実施形態のように、振動を減衰させる制振体(例えば、ショックアブソーバ、ダンパ)としてもよく、また、例えば、弾性変形する弾性体(例えば、バネスプリング、ゴム)としてもよい。また、複数の斜枠部14dのうち、変形部14eを有する斜枠部14dの個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよく、また、例えば、斜枠部14dの全数でもよい。
【0031】
なお、例えは、本実施形態のように、上枠部14a、下枠部14b、縦枠部14c、斜枠部14dの枠材14f、及び接続枠部15は、長尺な金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)製の枠材(例えば、山形鋼、溝形鋼)で構成されていてもよい。これにより、上枠部14a、下枠部14b、縦枠部14c、及び接続枠部15は、大きな力が加えられることによって、撓むことはあるが、伸縮することはない。
【0032】
また、外本体部11は、例えば、本実施形態のように、補強部16を備えていてもよい。特に限定されないが、補強部16は、例えば、本実施形態のように、上枠部14aと縦枠部14cとに跨って固定されていてもよく、また、例えば、下枠部14bと縦枠部14cとに跨って固定されていてもよい。
【0033】
図4に示すように、内本体部21は、例えば、長尺な複数の枠部24a~24d,25で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。例えば、内本体部21は、本実施形態のように、第2横方向D2に離れる一対(
図4においては、一方のみ図示している)の側枠部24と、第2横方向D2に沿って延び、一対の側枠部24を接続する接続枠部(「横枠部」ともいう)25とを備えていてもよい。
【0034】
側枠部24は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2視にて互いに平行に延びる上枠部24a及び下枠部24bと、第2横方向D2視にて上枠部24a及び下枠部24bに対して直交するように延び、上枠部24aと下枠部24bとを接続する縦枠部24cと、第2横方向D2視にて上枠部24a及び下枠部24bに対して傾斜して交差するように延び、上枠部24aと下枠部24bとを接続する斜枠部24dとを備えていてもよい。
【0035】
なお、例えば、本実施形態のように、上枠部24a、下枠部24b、縦枠部24c、斜枠部24d、及び接続枠部25は、長尺な金属(例えば、鉄鋼、ステンレス鋼)製の枠材(例えば、山形鋼、溝形鋼)で構成されていてもよい。これにより、上枠部24a、下枠部24b、縦枠部24c、斜枠部24d、及び接続枠部25は、大きな力が加えられることによって、撓むことはあるが、伸縮することはない。
【0036】
図5に示すように、マンコンベヤ10は、例えば、第1側面固定部122を第1躯体X1の側面X1bに固定させる第1側面固定機構61を備えていてもよい。なお、第1側面固定機構61及び第1側面固定部122の構成は、特に限定されない。また、第1側面固定機構61及び第1側面固定部122は、例えば、金属(鉄鋼、ステンレス鋼)によって形成され、剛性を有していてもよい。
【0037】
第1側面固定部122は、例えば、本実施形態のように、外本体部11の第1横方向D1の第1端部の、下端部に固定されていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、第1側面固定部122は、上下方向D3へ延びる板状の側板部122aを備え、側板部122aは、第1横方向D1へ貫通する側孔122bを備えていてもよい。
【0038】
第1側面固定機構61は、例えば、本実施形態のように、第1躯体X1の側面X1bに固定される板状の側ベース部61aと、側ベース部61aから第1横方向D1へ突出し、側板部122aの側孔122bに挿入される雄ネジ部61bと、雄ネジ部61bと螺合し、側ベース部61aとで側板部122aを挟む雌ネジ部61cとを備えていてもよい。これにより、第1側面固定部122は、第1側面固定機構61によって、第1躯体X1の側面X1bに固定される。
【0039】
マンコンベヤ10は、例えば、第2側面固定部132を第2躯体X2の側面X2bに固定させる第2側面固定機構71(図示していない)を備えていてもよい。なお、第2側面固定機構71及び第2側面固定部132の構成は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1側面固定機構61及び第1側面固定部122の構成と、同じでもよい。
【0040】
図6に示すように、マンコンベヤ10は、例えば、第1上面固定部121を第1躯体X1の上面X1aに固定させる第1上面固定機構62を備えていてもよい。なお、第1上面固定機構62及び第1上面固定部121の構成は、特に限定されない。また、第1上面固定機構62及び第1上面固定部121は、例えば、金属(鉄鋼、ステンレス鋼)によって形成され、剛性を有していてもよい。
【0041】
第1上面固定部121は、例えば、本実施形態のように、外本体部11の第1横方向D1の第1端部の、上端部に固定されていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、第1上面固定部121は、第1横方向D1へ延びる板状の上板部121aを備え、上板部121aは、上下方向D3へ貫通する第1及び第2上孔121b,121cを備えていてもよい。
【0042】
第1上面固定機構62は、例えば、本実施形態のように、第1躯体X1の上面X1aに固定される板状の上ベース部62aと、上ベース部62aから上下方向D3へ突出し、上板部121aの第1上孔121bに挿入される雄ネジ部62bと、雄ネジ部62bと螺合し、上ベース部62aとで上板部121aを挟む雌ネジ部62cとを備えていてもよい。これにより、第1上面固定部121は、第1上面固定機構62によって、第1躯体X1の上面X1aに固定される。
【0043】
したがって、第1上面固定部121は、第1上面固定機構62によって、第1躯体X1の上面X1aに固定され、第1側面固定部122は、第1側面固定機構61によって、第1躯体X1の側面X1bに固定される。よって、外構造体1の第1横方向D1の第1端部1aが第1躯体X1の異なる面X1a,X1bに固定されるため、外構造体1の第1端部1aを第1躯体X1に確実に固定することができる。
【0044】
なお、第1側面固定機構61及び第1上面固定機構62は、外構造体1の第1横方向D1の第1端部1a(即ち、第1外固定部12)を第1躯体X1に固定する第1外固定機構6を構成している。また、第1上面固定部121の上板部121aは、上ベース部62aを介して、第1躯体X1の上面X1aに下方から支持されている。
【0045】
マンコンベヤ10は、例えば、第2上面固定部131を第2躯体X2の上面X2aに固定させる第2上面固定機構72(図示していない)を備えていてもよい。なお、第2上面固定機構72及び第2上面固定部131の構成は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1上面固定機構62及び第1上面固定部121の構成と、同じでもよい。
【0046】
これにより、第2上面固定部131は、第2上面固定機構72によって、第2躯体X2の上面X2aに固定され、第2側面固定部132は、第2側面固定機構71によって、第2躯体X2の側面X2bに固定される。したがって、外構造体1の第1横方向D1の第2端部1bが第2躯体X2の異なる面X2a,X2bに固定されるため、外構造体1の第2端部1bを第2躯体X2に確実に固定することができる。
【0047】
なお、第2側面固定機構71及び第2上面固定機構72は、外構造体1の第1横方向D1の第2端部1b(即ち、第2外固定部13)を第2躯体X2に固定する第2外固定機構7(図示していない)を構成している。また、図示していないが、第2上面固定部131は、第2上面固定機構72を介して、第2躯体X2の上面X2aに下方から支持されていてもよい。
【0048】
マンコンベヤ10は、例えば、本実施形態のように、第1内固定部22を第1躯体X1の上面X1aに固定させる第1内固定機構8を備えていてもよい。なお、第1内固定機構8及び第1内固定部22の構成は、特に限定されない。また、第1内固定機構8及び第1内固定部22は、例えば、金属(鉄鋼、ステンレス鋼)によって形成され、剛性を有していてもよい。
【0049】
第1内固定部22は、例えば、本実施形態のように、内本体部21の第1横方向D1の第1端部の、上端部に固定されていてもよい。そして、例えば、本実施形態のように、第1内固定部22は、第1横方向D1へ延びる板状の内板部22aを備え、内板部22aは、上下方向D3へ貫通する内孔22bを備えている、という構成でもよい。
【0050】
第1内固定機構8は、例えば、本実施形態のように、第1躯体X1の上面X1aに固定される板状の上ベース部8aと、上ベース部8aから上下方向D3へ突出し、上板部121aの第2上孔121c及び内板部22aの内孔22bに挿入される雄ネジ部8bと、雄ネジ部8bと螺合し、上ベース部8aとで上板部121a及び内板部22aを挟む雌ネジ部8cとを備えていてもよい。
【0051】
これにより、第1内固定部22は、第1内固定機構8によって、第1躯体X1の上面X1aに固定される。したがって、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aを第1躯体X1に固定することができる。
【0052】
ところで、第1内固定機構8は、例えば、地震等によって設定の力が加えられた場合に、第1内固定部22と第1躯体X1との固定を解除可能であってもよい。具体的には、第1内固定機構8による固定を解除するために必要な力は、第1外固定機構6及び第2外固定機構7による固定を解除するために必要な力よりも、小さくなっていてもよい。
【0053】
特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1内固定機構8の雄ネジ部8bは、第1内固定部22から設定の力が加えられた場合に破断するように、脆弱に(例えば、径が小さく)形成された破断予定部8dを備えていてもよい。これにより、第1内固定機構8に設定の力が加えられた場合に、雄ネジ部8bが破断予定部8dで破断することによって、第1内固定機構8による固定が解除されるため、内構造体2の第1端部2aは、第1躯体X1に対して可動となる。
【0054】
なお、本明細書において、第1内固定機構8のように、設定の力が加えられた場合に、固定を解除する固定機構8は、「準固定機構」という一方で、第1外固定機構6及び第2外固定機構7のように、当該設定の力が加えられた場合でも、固定を維持する固定機構6,7は、「完全固定機構」という。そして、準固定機構8による固定は、「準固定」といい、完全固定機構6,7による固定は、「完全固定」という。
【0055】
マンコンベヤ10は、例えば、第2内固定部23を第2躯体X2の上面X2aに固定させる第2内固定機構9(図示していない)を備えていてもよい。なお、第2内固定機構9及び第2内固定部23の構成は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1内固定機構8及び第1内固定部22の構成と、同じでもよい。
【0056】
なお、第1内固定部22の内板部22aは、例えば、本実施形態のように、上ベース部8a及び第1上面固定部121を介して、第1躯体X1の上面X1aに下方から支持されていてもよい。具体的には、上下方向D3視において、第1内固定部22の内板部22aは、第1躯体X1の上面X1aと重なっていてもよい。また、図示していないが、第2内固定部23は、第2内固定機構9及び第2上面固定部131を介して、第2躯体X2の上面X2aに下方から支持されていてもよい。
【0057】
これにより、内構造体2の第1端部2a及び第2端部2bが、躯体X1,X2に下方から支持されているため、内構造体2を、外構造体1ではなく、躯体X1,X2に支持させることができる。したがって、例えば、外構造体1の上面固定部121,131の必要強度が大きくなり過ぎることを抑制することができる。
【0058】
本実施形態に係るマンコンベヤ10の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るマンコンベヤ10の動作について説明する。なお、以下の動作は、マンコンベヤ10の動作等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤ10の動作を限定するものではない。
【0059】
例えば、地震等が発生することによって、第1外固定機構6(第1上面固定機構62及び第1側面固定機構61)に設定の力が加えられた場合でも、外構造体1の第1端部1aと第1躯体X1との固定は、維持される。また、例えば、地震等が発生することによって、第2外固定機構7(第2上面固定機構72及び第2側面固定機構71)に設定の力が加えられた場合でも、外構造体1の第2端部1bと第2躯体X2との固定は、維持される。
【0060】
これにより、例えば、地震等が発生した場合でも、外構造体1の第1端部1aは、第1躯体X1に固定されており、外構造体1の第2端部1bは、第2躯体X2に固定されている。したがって、外構造体1によって、第1躯体X1及び第2躯体X2間の相対変位を抑制することができる。
【0061】
また、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合に、変形部14eが変形及び復元することによって、斜枠部14dが伸縮するため、外構造体1を全体として適切に変形させることができる。これにより、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合でも、外構造体1が破損することを抑制することができる。しかも、変形部14eが変形及び復元することによって、例えば、揺れのエネルギーが変形部14eに吸収されるため、制震機能を高める(躯体X1,X2へのダメージを抑制する)ことができる。
【0062】
このとき、縦枠部14cが上枠部14aと下枠部14bとを接続しているため、変形部14eが変形した場合でも、上枠部14a及び下枠部14b間の距離が小さくなり過ぎることを抑制することができる。したがって、例えば、下枠部14bが内構造体2に当たることを抑制することができる。
【0063】
一方で、例えば、地震等が発生することによって、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位し、第1内固定機構8に設定の力が加えられた場合には、第1内固定機構8による内構造体2の第1端部2aと第1躯体X1との固定は、解除される。また、例えば、地震等が発生することによって、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位し、第2内固定機構9に設定の力が加えられた場合には、第2内固定機構9による内構造体2の第2端部2bと第2躯体X2との固定は、解除される。
【0064】
これにより、内構造体2の第1端部2aが、第1躯体X1に対して移動することができ、しかも、内構造体2の第2端部2bが、第2躯体X2に対して移動することができる。したがって、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合でも、内構造体2が破損することを抑制することができる。
【0065】
このように、地震等が発生した場合に、外構造体1によって第1躯体X1及び第2躯体X2間の相対変位を抑制することができつつ、しかも、ステップ3bを走行可能に支持する内構造体2が破損することを抑制することができる。これにより、例えば、地震が終了し、第1躯体X1及び第2躯体X2間の相対変位が終了した後に、搬送部3等の性能を維持することができるため、マンコンベヤ10の復旧を容易に行うことができる。
【0066】
以上より、マンコンベヤ10は、本実施形態のように、
複数のステップ3bと、
前記複数のステップ3bを走行可能に支持する内構造体2と、
前記内構造体2が内部に収容され、第1横方向D1に離れる第1躯体X1及び第2躯体X2に設置される外構造体1と、
前記外構造体1の前記第1横方向D1の第1端部1aを、前記第1躯体X1に固定する第1外固定機構6と、
前記外構造体1の前記第1横方向D1の第2端部1bを、前記第2躯体X2に固定する第2外固定機構7と、
前記内構造体2の前記第1横方向D1の第1端部2aを、前記第1躯体X1に固定する第1内固定機構8と、を備え、
前記第1内固定機構8による固定を解除するために必要な力は、前記第1外固定機構6及び前記第2外固定機構7による固定を解除するために必要な力よりも、小さい、
という構成が好ましい。
【0067】
斯かる構成によれば、外構造体1の第1横方向D1の第1端部1aは、第1外固定機構6によって、第1躯体X1に固定され、外構造体1の第1横方向D1の第2端部1bは、第2外固定機構7によって、第2躯体X2に固定されている。これにより、外構造体1によって、第1躯体X1及び第2躯体X2間の相対変位を抑制することができる。
【0068】
また、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、第1内固定機構8によって、第1躯体X1に固定されている。そして、第1内固定機構8による固定を解除するために必要な力は、第1外固定機構6及び第2外固定機構7による固定を解除するために必要な力よりも、小さくなっている。
【0069】
これにより、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位し、第1内固定機構8に設定の力が加えられた場合に、第1内固定機構8による固定が解除される。したがって、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aが、第1躯体X1に対して移動することができるため、ステップ3bを走行可能に支持する内構造体2が破損することを抑制することができる。
【0070】
また、マンコンベヤ10においては、本実施形態のように、
前記外構造体1は、長尺な複数の枠部14a~14d,15を備え、
前記枠部(本実施形態においては、斜枠部)14dは、伸縮するように変形可能な変形部14eを備える、
という構成が好ましい。
【0071】
斯かる構成によれば、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合に、変形部14eが変形するため、枠部(本実施形態においては、斜枠部)14dは、伸縮する。これにより、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合に、外構造体1が破損することを抑制することができる。
【0072】
また、マンコンベヤ10においては、本実施形態のように、
前記外構造体1は、
前記第1横方向D1と直交する前記第2横方向D2視にて、互いに平行に延びる上枠部14a及び下枠部14bと、
前記第2横方向D2視にて前記上枠部14a及び前記下枠部14bに対して直交するように延び、前記上枠部14aと前記下枠部14bとを接続する縦枠部14cと、
前記第2横方向D2視にて前記上枠部14a及び前記下枠部14bに対して傾斜して交差するように延び、前記上枠部14aと前記下枠部14bとを接続する斜枠部14dと、を備え、
前記斜枠部14dは、伸縮するように変形可能な変形部14eを備える、
という構成が好ましい。
【0073】
斯かる構成によれば、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合に、変形部14eが変形するため、斜枠部14dは、伸縮する。これにより、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合に、外構造体1が破損することを抑制することができる。
【0074】
また、縦枠部14cが上枠部14aと下枠部14bとを接続しているため、上枠部14a及び下枠部14b間の距離を維持することができる。これにより、変形部14eが変形した場合に、上枠部14a及び下枠部14b間の距離が小さくなり過ぎることを抑制することができる。
【0075】
また、マンコンベヤ10においては、本実施形態のように、
前記内構造体2の前記第1横方向D1の第1端部2aは、前記第1躯体X1に下方から支持され、
前記内構造体2の前記第1横方向D1の第2端部2bは、前記第2躯体X2に下方から支持される、
という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aが、第1躯体X1に下方から支持されており、内構造体2の第1横方向D1の第2端部2bが、第2躯体X2に下方から支持されているため、外構造体1ではなく躯体X1,X2に、内構造体2を支持させることができる。
【0077】
また、マンコンベヤ10においては、本実施形態のように、
前記外構造体1の前記第1横方向D1の第1端部1aは、
前記第1躯体X1の上面X1aに固定される第1上面固定部121と、
前記第1躯体X1の側面X1bに固定される第1側面固定部122と、を備え、
前記外構造体1の前記第1横方向D1の第2端部1bは、
前記第2躯体X2の上面X2aに固定される第2上面固定部131と、
前記第2躯体X2の側面X2bに固定される第2側面固定部132と、を備える、
という構成が好ましい。
【0078】
斯かる構成によれば、第1上面固定部121が第1躯体X1の上面X1aに固定され、第1側面固定部122が第1躯体X1の側面X1bに固定されるため、外構造体1の第1横方向D1の第1端部1aは、第1躯体X1の異なる面X1a,X1bに固定される。これにより、外構造体1の第1端部1aを第1躯体X1に確実に固定することができる。
【0079】
また、第2上面固定部131が第2躯体X2の上面X2aに固定され、第2側面固定部132が第2躯体X2の側面X2bに固定されるため、外構造体1の第1横方向D1の第2端部1bは、第2躯体X2の異なる面X2a,X2bに固定される。これにより、外構造体1の第2端部1bを第2躯体X2に確実に固定することができる。
【0080】
なお、マンコンベヤ10は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ10は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0081】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、準固定機構(第1内固定機構8)によって、第1躯体X1に固定されていることに対して、内構造体2の第1横方向D1の第2端部2bは、準固定機構(第2内固定機構9)によって、第2躯体X2に固定されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。
【0082】
例えば、内構造体2の第1端部2aは、準固定機構によって、第1躯体X1に固定されていることに対して、内構造体2の第2端部2bは、完全固定機構によって、第2躯体X2に固定されている、という構成でもよい。また、例えば、内構造体2の第1端部2aは、準固定機構によって、第1躯体X1に固定されていることに対して、内構造体2の第2端部2bは、第2躯体X2に対して自由である、という構成でもよい。
【0083】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、各構造体1,2の第1横方向D1の第1端部1a,2aは、上端部であり、各構造体1,2の第1横方向D1の第2端部1b,2bは、下端部である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。例えば、各構造体1,2の第1横方向D1の第1端部1a,2aは、下端部であり、各構造体1,2の第1横方向D1の第2端部1b,2bは、上端部である、という構成でもよい。
【0084】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、準固定機構(第1内固定機構8)によって、第1躯体X1に固定されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。
【0085】
例えば、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、第1躯体X1に対して自由である、という構成でもよい。斯かる構成においては、内構造体2の第1横方向D1の第2端部2bは、例えば、完全固定機構によって第2躯体X2に固定されている、という構成でもよく、また、例えば、準固定機構によって第2躯体X2に固定されている、という構成でもよく、また、例えば、第2躯体X2に対して自由である、という構成でもよい。
【0086】
このように、マンコンベヤ10は、
複数のステップ3bと、
前記複数のステップ3bを走行可能に支持する内構造体2と、
前記内構造体2が内部に収容され、第1横方向D1に離れる第1躯体X1及び第2躯体X2に設置される外構造体1と、を備え、
前記外構造体1の前記第1横方向D1の第1端部1aは、前記第1躯体X1に固定され、
前記外構造体1の前記第1横方向D1の第2端部1bは、前記第2躯体X2に固定され、
前記内構造体2の前記第1横方向D1の第1端部2aは、前記第1躯体X1に対して可動である、
という構成でもよい。
【0087】
斯かる構成によれば、外構造体1の第1横方向D1の第1端部1aは、第1躯体X1に固定され、外構造体1の第1横方向D1の第2端部1bは、第2躯体X2に固定されている。これにより、外構造体1によって、第1躯体X1及び第2躯体X2間の相対変位を抑制することができる。
【0088】
また、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、第1躯体X1に対して可動である。これにより、第1躯体X1及び第2躯体X2が相対変位した場合に、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、第1躯体X1に対して移動することができる。したがって、ステップ3bを走行可能に支持する内構造体2が破損することを抑制することができる。
【0089】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、枠部(斜枠部)14dは、伸縮するように変形可能な変形部14eを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。例えば、全ての枠部14a~14d,15は、変形部14eを備えておらず、伸縮しない、という構成でもよい。
【0090】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、変形部14eは、斜枠部14dに備えられている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。例えば、変形部14eは、上枠部14a、下枠部14b、縦枠部14c、斜枠部14d、及び接続枠部(横枠部)15の少なくとも一つに備えられている、という構成でもよい。
【0091】
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、内構造体2の第1横方向D1の第1端部2aは、第1躯体X1に下方から支持され、内構造体2の第1横方向D1の第2端部2bは、第2躯体X2に下方から支持される、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。
【0092】
例えば、内構造体2の第1端部2aは、外構造体1の第1端部1aに下方から支持されており、第1躯体X1に下方から支持されていない、という構成でもよい。具体的には、上下方向D3視において、内構造体2の第1端部2aは、第1躯体X1の上面X1aから離れている、という構成でもよい。
【0093】
また、例えば、内構造体2の第2端部2bは、外構造体1の第2端部1bに下方から支持されており、第2躯体X2に下方から支持されていない、という構成でもよい。具体的には、上下方向D3視において、内構造体2の第2端部2bは、第2躯体X2の上面X2aから離れている、という構成でもよい。
【0094】
(G)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、外構造体1の第1横方向D1の第1端部1aは、第1躯体X1の上面X1aに固定される第1上面固定部121と、第1躯体X1の側面X1bに固定される第1側面固定部122とを備えている、という構成である。即ち、第1外固定機構6は、第1上面固定機構62及び第1側面固定機構61を備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。
【0095】
例えば、外構造体1の第1端部1aは、第1上面固定部121を備えており、第1側面固定部122を備えていない、という構成でもよい。即ち、第1外固定機構6は、第1上面固定機構62を備えており、第1側面固定機構61を備えていない、という構成でもよい。
【0096】
また、例えば、外構造体1の第1端部1aは、第1側面固定部122を備えており、第1上面固定部121を備えていない、という構成でもよい。即ち、第1外固定機構6は、第1側面固定機構61を備えており、第1上面固定機構62を備えていない、という構成でもよい。
【0097】
(H)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、外構造体1の第1横方向D1の第2端部1bは、第2躯体X2の上面X2aに固定される第2上面固定部131と、第2躯体X2の側面X2bに固定される第2側面固定部132とを備えている、という構成である。即ち、第2外固定機構7は、第2上面固定機構72及び第2側面固定機構71を備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。
【0098】
例えば、外構造体1の第2端部1bは、第2上面固定部131を備えており、第2側面固定部132を備えていない、という構成でもよい。即ち、第2外固定機構7は、第2上面固定機構72を備えており、第2側面固定機構71を備えてない、という構成でもよい。
【0099】
また、例えば、外構造体1の第2端部1bは、第2側面固定部132を備えており、第2上面固定部131を備えていない、という構成でもよい。即ち、第2外固定機構7は、第2側面固定機構71を備えており、第2上面固定機構72を備えてない、という構成でもよい。
【0100】
(I)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ10においては、第1内固定機構8は、設定の力が加えられた場合に破断する破断予定部8dを備えることによって、準固定機構として機能する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ10は、斯かる構成に限られない。
【0101】
例えば、第1内固定機構8の雄ネジ部8bの直径は、第1外固定機構6の雄ネジ部62bの直径よりも、細くてもよい。また、例えば、準固定機構として機能する第1内固定機構8は、例えば、上記特許文献1(特開2015-78021号公報)、上記特許文献2(特開2018-39594号公報)、上記特許文献3(特開2018-39616号公報)、上記特許文献4(特開2014-136609号公報)のような躯体X1,X2に対する固定の構成であってもよい。
【0102】
また、例えば、準固定機構として機能する第1内固定機構8は、設定の力が加えられた場合に変形する免震部(例えば、ゴム)又は弾性部(スプリング)が第1躯体X1と内構造体2の第1端部2aとを接続することによって、準固定機構として機能する、という構成でもよい。
【0103】
要するに、準固定機構として機能する第1内固定機構8は、設定未満の力が加えられた場合に内構造体2の第1端部2aを第1躯体X1に対して固定し、設定以上の力が加えられた場合に内構造体2の第1端部2aが第1躯体X1に対して可動になる、という構成であればよい。
【0104】
(J)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0105】
1…外構造体、1a…第1端部、1b…第2端部、2…内構造体、2a…第1端部、2b…第2端部、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…回転部、5b…走行支持部、5c…駆動源、6…第1外固定機構、7…第2外固定機構、8…第1内固定機構、8a…上ベース部、8b…雄ネジ部、8c…雌ネジ部、8d…破断予定部、9…第2内固定機構、10…マンコンベヤ、11…外本体部、12…第1外固定部、13…第2外固定部、14…側枠部、14a…上枠部、14b…下枠部、14c…縦枠部、14d…斜枠部、14e…変形部、14f…枠材、15…接続枠部、16…補強部、21…内本体部、22…第1内固定部、22a…内板部、22b…内孔、23…第2内固定部、24…側枠部、24a…上枠部、24b…下枠部、24c…縦枠部、24d…斜枠部、25…接続枠部、61…第1側面固定機構、61a…側ベース部、61b…雄ネジ部、61c…雌ネジ部、62…第1上面固定機構、62a…上ベース部、62b…雄ネジ部、62c…雌ネジ部、71…第2側面固定機構、72…第2上面固定機構、121…第1上面固定部、121a…上板部、121b…第1上孔、121c…第2上孔、122…第1側面固定部、122a…側板部、122b…側孔、131…第2上面固定部、132…第2側面固定部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、X1…第1躯体、X1a…上面、X1b…側面、X2…第2躯体、X2a…上面、X2b…側面
【要約】
【課題】 第1躯体及び第2躯体間の相対変位を抑制することができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、複数のステップと、複数のステップを走行可能に支持する内構造体と、内構造体が内部に収容され、第1横方向に離れる第1躯体及び第2躯体に設置される外構造体と、外構造体の第1横方向の第1端部を、第1躯体に固定する第1外固定機構と、外構造体の第1横方向の第2端部を、第2躯体に固定する第2外固定機構と、内構造体の第1横方向の第1端部を、第1躯体に固定する第1内固定機構と、を備え、第1内固定機構による固定を解除するために必要な力は、第1外固定機構及び第2外固定機構による固定を解除するために必要な力よりも、小さい。
【選択図】
図6