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特許7491495SIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質及びその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】SIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07K 19/00 20060101AFI20240521BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240521BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240521BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240521BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20240521BHJP
【FI】
C07K19/00 ZNA
C07K14/705
C12N15/62 Z
C12N15/12
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
A61P43/00 107
A61P35/00
A61P31/00
A61P37/02
A61K38/17
A61K31/7088
A61K35/12
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021500829
(86)(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 IL2019050783
(87)【国際公開番号】W WO2020012486
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】62/696,362
(32)【優先日】2018-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517307924
【氏名又は名称】カール メディカル リミテッド
【住所又は居所原語表記】28 Dam HaMacbim Street, PO Box 9, ModiIn Makabim-ReUt, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ペッカー、アイリス
(72)【発明者】
【氏名】ブロッホ、アイタイ
【審査官】市島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-060462(JP,A)
【文献】国際公開第2018/114754(WO,A1)
【文献】PEREG Y.,"KAHR MEDICAL DUAL SIGNALING PROTEINS (DSP) PLATFORM - THE NEXT GENERATION OF CANCER IMMUNOTHERAPY",[online], 2018.5.11, インターネット<URL: https://kenes-exhibitions.com/old/biomed2018/wp-content/uploads/2018/05/161_KahrMedical_Abstract.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIRPαポリペプチド及び4-1BBLポリペプチドを含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質であって、
前記4-1BBLポリペプチドは、4-1BBに結合可能である4-1BBLの細胞外ドメインの機能的断片を含み、ここで前記機能的断片は配列番号7に記載のアミノ酸セグメントを含まず、また前記4-1BBLポリペプチドは配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~199アミノ酸長であり、
前記融合タンパク質は、
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)前記4-1BBを発現する細胞において4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)前記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及
(iv)前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による前記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること、
可能である、
SIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項2】
前記SIRPαポリペプチドはCD47に結合可能であるSIRPαの細胞外ドメインの機能的断片を含み、ここで前記機能的断片は配列番号32に記載のアミノ酸セグメントを含まない、請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項3】
前記SIRPαポリペプチドは、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する116アミノ酸長である、請求項1又は請求項2に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項4】
前記SIRPαポリペプチドは、配列番号2L4、A27、E47、及びV92からなる群から選択されるアミノ酸残基での変異を含む、請求項1~請求項3に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項5】
前記変異は、配列番号2L4I、A27I、E47V、及びV92Iからなる群から選択される、請求項4に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項6】
前記SIRPαポリペプチドは、配列番号24若しくは26を含む、又は配列番号24若しくは26からなる、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項7】
前記SIRPαポリペプチドは、配列番号2を含む、請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項8】
前記4-1BBLポリペプチドは、配列番号22、23、27、若しくは28を含む、又は配列番号22、23、27、若しくは28からなる、請求項1~請求項7のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項9】
(i)前記SIRPαポリペプチドは、配列番号2又は25に記載の通りであり、前記4-1BBLポリペプチドは、配列番号22、23、27、又は28に記載の通りであるか、又は
(ii)前記SIRPαポリペプチドは、配列番号24又は26に記載の通りであり、前記4-1BBLポリペプチドは、配列番号22、23、27、又は28に記載の通りである、
請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項10】
(i)前記SIRPαポリペプチドは、配列番号2に記載の通りであり、前記4-1BBLポリペプチドは、配列番号23に記載の通りであるか、
(ii)前記SIRPαポリペプチドは、配列番号24に記載の通りであり、前記4-1BBLポリペプチドは、配列番号22に記載の通りであるか、又は
(iii)前記SIRPαポリペプチドは、配列番号2に記載の通りであり、前記4-1BBLポリペプチドは、配列番号22に記載の通りである、
請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項11】
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、16、18、19、21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む又は該アミノ酸配列からなる、請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項12】
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む又は該アミノ酸配列からなる、請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項13】
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号13からなる、請求項1に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項15】
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は請求項14に記載のポリヌクレオチドを含む宿主細胞。
【請求項16】
請求項14に記載のポリヌクレオチドをインビトロで宿主細胞において発現させることを含む、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質を製造する方法。
【請求項17】
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、請求項14に記載のポリヌクレオチド、又は請求項15に記載の宿主細胞を含む、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置するための治療薬。
【請求項18】
請求項1~請求項13のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、請求項14に記載のポリヌクレオチド、又は請求項15に記載の宿主細胞の存在下において、インビトロで免疫細胞を活性化することを含む、免疫細胞を活性化する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は2018年7月11日に出願された米国仮特許出願第62/696,362号の米国特許法第119条(e)に基づく優先権の利益を主張し、その内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
配列表の記載
本出願の提出と同時に提出された、2019年7月11日に作成された192,512バイトを含む「77794 SequenceListing.txt」というタイトルのASCIIファイルは、参照により本明細書に援用される。
【0003】
本発明は、いくつかの実施形態において、SIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0004】
シグナル変換タンパク質(Signal-Converting-Protein、SCP)としても知られるデュアルシグナル伝達タンパク質(Dual Signaling Protein、DSP)は、I型膜タンパク質の細胞外部分(細胞外アミノ末端)をII型膜タンパク質の細胞外部分(細胞外カルボキシル末端)に連結し、2つの活性端を有する融合タンパク質を形成する二機能性融合タンパク質として現在当技術分野で公知である(例えば、米国特許番号第7,569,663号及び第8,039,437号を参照)。
【0005】
SIRPα(シグナル調節タンパク質α)は、免疫グロブリンスーパーファミリーの細胞表面受容体である。SIRPαは主に、マクロファージや樹状細胞(DC)などの食細胞系の免疫細胞の表面に発現される。CD47はSIRPαのリガンドである。CD47は免疫グロブリンスーパーファミリーの細胞表面分子である。CD47は、食細胞に発現するSIRPαのライゲーションを通じて食作用の阻害剤として機能する。CD47は、正常組織の大部分で広く発現される。このように、CD47の喪失は、老化又は損傷した細胞の恒常性食作用につながるため、CD47は貪食を回避するシグナル(don’t eat me signal)及び自己のマーカーとして機能する。CD47は複数のヒト腫瘍タイプで発現されることが判明している。腫瘍は、CD47を含む抗食作用シグナルの発現を通じてマクロファージの食作用を回避する。CD47は正常細胞では低レベルで遍在的に発現されるが、複数の腫瘍では正常細胞の対応物と比較して高レベルのCD47が発現され、CD47の過剰発現により、腫瘍は食作用の回避を通じて自然免疫系の監視から逃れることが可能となっている。
【0006】
4-1BBLは、TNF受容体スーパーファミリーのメンバーであり、強力な活性化誘導T細胞共刺激分子である4-1BB受容体(CD137)の活性化リガンドである。4-1BBLは自然にホモ三量体を形成するが、4-1BBを介したシグナル伝達には、4-1BBLの有意なオリゴマー化(多量体化)が必要である。4-1BBLは、樹状細胞(DC)、B細胞、マクロファージなど、様々な抗原提示細胞(APC)に存在する。4-1BB受容体は休止T細胞又はT細胞株では検出されない(<3%)が、T細胞が活性化されると4-1BBは安定してアップレギュレートされる。4-1BBの活性化は、生存遺伝子をアップレギュレートし、細胞分裂を促進し、サイトカイン産生を誘導し、T細胞の活性化誘導細胞死を防ぐ。
【0007】
さらなる背景技術には以下が含まれる。
【0008】
Weiskopf K et al. Science.(2013); 341(6141):88-91
国際特許出願公開番号WO2017027422号
国際特許出願公開番号WO2001086003号
国際特許出願公開番号WO2001075067号
国際特許出願公開番号WO2017194641号
国際特許出願公開番号WO2014180288号
国際特許出願公開番号WO2017059168号
国際特許出願公開番号WO2001/049318号
国際特許出願公開番号WO2016/139668号
国際特許出願公開番号WO2014/106839号
国際特許出願公開番号WO2012/042480号
米国特許出願第20150183881号
米国特許出願第US20070110746号
米国特許出願第US20070036783号
米国特許第US9562087号
【発明の概要】
【0009】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が提供され、
ここで、上記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、及び/又は
上記4-1BBLアミノ酸配列は:
(a)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まないか;又は配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する184アミノ酸長であり、及び/又は
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、
上記融合タンパク質は、
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及び/又は
(iv)上記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による上記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること、
の少なくとも1つが可能である。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が提供され、
ここで、上記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、及び/又は
上記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、
上記融合タンパク質は、
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及び/又は
(iv)上記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による上記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること、
の少なくとも1つが可能である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドが提供され、
ここで、上記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、上記ポリペプチドはCD47に結合可能である。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドが提供され、
ここで、上記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、
上記ポリペプチドは、
(i)4-1BBを結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、及び/又は
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、
の少なくとも1つが可能である。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は少なくとも115アミノ酸長である。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は116アミノ酸長である。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に対応するL4、A27、E47、及びV92からなる群から選択されるアミノ酸残基での変異を含む。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、変異は、配列番号2に対応するL4I、A27I、E47V、及びV92Iからなる群から選択される。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に対応するアミノ酸残基K117~Y343のいずれも含まない。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26を含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26からなる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22及び23からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸残基A1~V6及びA1~G14のいずれも含まない。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28を含む。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28からなる。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態によれば、
【0025】
(i)SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2又は25に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28に記載の通りであるか、又は
【0026】
(ii)SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、又は28に記載の通りである。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態によれば、
【0028】
(i)SIRPαアミノ酸配列は配列番号2に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は配列番号22又は23に記載の通りであるか、又は
【0029】
(ii)SIRPαアミノ酸配列は配列番号24に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は配列番号22に記載の通りである。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72、74、又は76を含む。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72、74、又は76からなる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70を含む。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70からなる。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、SIRPαと4-1BBLとの間にリンカーを含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復のそれぞれの間にリンカーを含む。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンカーは1~6アミノ酸長を有する。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンカーは単一アミノ酸リンカーである。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンカーはグリシンである。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンカーは、抗体のFcドメイン又はその断片でない。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態によれば、リンカーは、抗体のFcドメイン又はその断片である。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、少なくともホモ三量体の形態である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態によれば、少なくともホモ三量体は、SEC-MALSによって測定される分子量で100kD以上である。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチドは可溶性である。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態によれば、融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での配列番号5の産生収量よりも1.5倍以上多く、
上記産生条件は、哺乳動物細胞での発現、並びに32~37℃及び5~10%COで5~13日間の培養を含む。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、上記ポリヌクレオチドと、宿主細胞における上記ポリヌクレオチドの発現を指示するための調節エレメントと、を含む核酸構築物が提供される。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記ポリヌクレオチドは、配列番号55~66及び68からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記ポリヌクレオチドは、配列番号55、56、及び58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、上記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくはポリペプチド又は上記ポリヌクレオチド若しくは核酸構築物を含む宿主細胞が提供される。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、上記ポリヌクレオチド又は上記核酸構築物を宿主細胞において発現させることを含む、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はポリペプチドを製造する方法が提供される。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法は、上記融合タンパク質又は上記ポリペプチドを単離することを含む。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置する方法が提供され、上記方法は、上記のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、ポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は宿主細胞を、処置を必要とする対象に投与することを含む。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法は、上記対象に、上記疾患を処置するための治療薬を投与することをさらに含む。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患の処置に使用するための、上記のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、ポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は宿主細胞が提供される。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記組成物は、上記疾患を処置するための治療薬をさらに含む。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置するための治療薬、及び上記のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、ポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は宿主細胞を包装する包装材料を含む製品が提供される。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記疾患の細胞がCD47を発現する。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記疾患は過剰増殖性疾患を含む。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記過剰増殖性疾患は、硬化症、線維症、特発性肺線維症、乾癬、全身性硬化症/強皮症、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、肝線維症、放射線誘発性肺線維症の予防、骨髄線維症、又は後腹膜線維症を含む。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記過剰増殖性疾患はがんを含む。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記がんは、リンパ腫、白血病、及び癌腫からなる群から選択される。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記疾患は、免疫抑制又は薬物誘発性免疫抑制に関連する疾患を含む。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記疾患には、HIV、はしか、インフルエンザ、LCCM、RSV、ヒトライノウイルス、EBV、CMV、又はパルボウイルスが含まれる。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記疾患は感染症を含む。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、免疫細胞を活性化する方法が提供され、上記方法は、上記のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、ポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は宿主細胞の存在下において、インビトロで免疫細胞を活性化することを含む。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記活性化は、CD47又は外因性CD47を発現する細胞の存在下である。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記CD47を発現する細胞は病的細胞を含む。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記病的細胞はがん細胞を含む。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記活性化は抗がん剤の存在下である。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記疾患を処置するための上記治療薬又は上記抗がん剤が抗体を含む。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は、リツキシマブ(Rituximab)、セツキシマブ(Cetuximab)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、エドレコロマブ(Edrecolomab)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、イブリツモマブ(Ibritumomab)、パニツムマブ(Panitumumab)、ベリムマブ(Belimumab)、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ビバツズマブメルタンシン(Bivatuzumab mertansine)、ブリナツモマブ(Blinatumomab)、ブロンツベトマブ(Blontuvetmab)、ブレンツキシマブベドチン(Brentuximab vedotin)、カツマキソマブ(Catumaxomab)、シクスツムマブ(Cixutumumab)、ダクリズマブ(Daclizumab)、アダリムマブ(Adalimumab)、ベズロトクスマブ(Bezlotoxumab)、セルトリズマブペゴル(Certolizumab pegol)、シタツズマブボガトックス(Citatuzumab bogatox)、ダラツムマブ(Daratumumab)、ジヌツキシマブ(Dinutuximab)、エロツズマブ(Elotuzumab)、エルツマクソマブ(Ertumaxomab)、エタラシズマブ(Etaracizumab)、ゲムツズマブオゾガマイシン(Gemtuzumab ozogamicin)、ジレンツキシマブ(Girentuximab)、ネシツムマブ(Necitumumab)、オビヌツズマブ(Obinutuzumab)、オファツムマブ(Ofatumumab)、ペルツズマブ(Pertuzumab)、ラムシルマブ(Ramucirumab)、シルツキシマブ(Siltuximab)、トシツモマブ(Tositumomab)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、ニボルマブ(Nivolumab)、ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)、デュルバルマブ(Durvalumab)、アテゾリズマブ(Atezolizumab)、アベルマブ(Avelumab)、及びイピリムマブ(Ipilimumab)からなる群から選択される。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記抗体は、リツキシマブ、セツキシマブ、及びアレムツズマブからなる群から選択される。
【0079】
本発明のいくつかの実施形態によれば、疾患を処置するための上記治療薬又は上記抗がん剤は、IMiD(例えば、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド)を含む。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記方法は、活性化の後に、処置を必要とする対象に免疫細胞を養子移入することを含む。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記免疫細胞はT細胞を含む。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態によれば、上記免疫細胞は食細胞を含む。
【0083】
特段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似又は同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実施又は試験に使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に説明する。矛盾する場合は、定義を含む本特許明細書が優先される。また、材料、方法、及び例は例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例としてのみ本明細書に記載されている。詳細に図面を具体的に参照すると、示されている詳細は、例として、本発明の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。これに関して、図面を伴う説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1図1は、N末端シグナルペプチド及びC末端Hisタグ(配列番号43)を含む、本明細書で「DSP107」(配列番号5)と称されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の概略図を示した図である。シグナルペプチド(下線付き、配列番号4)、SIRPαドメイン(赤、配列番号2)、グリシンリンカー(黒)、4-1BBLドメイン(青、配列番号3)、及びC末端Hisタグ(黒太字)を示す。
【0086】
図2A図2A図2Cは、DSP107(配列番号5)の予測された3D構造を示した図である。図2Aは概略3Dモデルを示した図である。SIRPαは灰色のリボンで示され、CD47(SIRPα受容体)は緑色のリボンで示され、4-1BBLは青色のリボンで示され、4-1BBLの2つの追加コピー(三量体を形成)は水色で示されている。
図2B図2A図2Cは、DSP107(配列番号5)の予測された3D構造を示した図である。図2Bは、概略的な完全な原子3Dモデルを示した図である。
図2C図2A図2Cは、DSP107(配列番号5)の予測された3D構造を示した図である。図2Cは概略3Dモデルを示した図である。X線解像ドメインはその表面で表され、疎水性スケール(青(最も親水性)~茶色(疎水性))で色付けされている。4-1BBLは、より高いレベルの露出した疎水性領域を示している。
【0087】
図3図3は、DSP107で識別されたドメイン及びセグメント(配列番号5)の概略図を示した図である。Ig様V型ドメインは水色で強調表示され、Ig様C1タイプ1ドメインは黄色で強調表示され、Ig様C1タイプ2ドメインは緑色で強調表示され、X線で解像された部分は灰色で強調表示され、隣接/非構造化領域は赤いボックスで印されている。
【0088】
図4図4は、本明細書で「DSP107_var1」(配列番号11)と称されるSIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質の予測される3D構造を示した図である。上のパネルは、表面表現で3D構造を示し、疎水性スケールで色分けされている。親水性は青色及び疎水性表面は茶色。下のパネルは、N末端(青)からC末端(赤)までの配列位置によって色分けされたリボン表現で3D構造を示している。
【0089】
図5図5は、本明細書で「DSP107_var2」(配列番号13)と称されるSIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質の予測される3D構造を示した図である。上のパネルは、表面表現で3D構造を示し、疎水性スケールで色分けされている:親水性は青色、疎水性表面は茶色。下のパネルは、N末端(青)からC末端(赤)までの配列位置によって色分けされたリボン表現で3D構造を示している。
【0090】
図6図6は、本明細書で「DSP107_var3.1」(配列番号15)と称されるSIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質の予測される3D構造を示した図である。上のパネルは、表面表現で3D構造を示し、疎水性スケールで色分けされている:親水性は青色、疎水性表面は茶色。下のパネルは、N末端(青)からC末端(赤)までの配列位置によって色分けされたリボン表現で3D構造を示している。
【0091】
図7A図7Aは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のSDS-PAGE分析を示した図である。N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、及びC末端Hisタグ付きDSP107バリアント[(CH)-V1、(CH)-V2、及び(CH)-V3.1として示した(それぞれ配列番号12、14、及び17)](2μg/ウェル)を、還元(図7A)及び非還元(図7B)条件下で4~20%SDS-PAGEで分離した。ゲル上でのタンパク質の移動は、e-Stain pedを使用した染色によって可視化した。分子サイズのタンパク質マーカーも同じゲルで分離し、サイズを示している。
図7B図7Bは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のSDS-PAGE分析を示した図である。N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、及びC末端Hisタグ付きDSP107バリアント[(CH)-V1、(CH)-V2、及び(CH)-V3.1として印した(それぞれ配列番号12、14、及び17)](2μg/ウェル)を、還元(図7A)及び非還元(図7B)条件下で4~20%SDS-PAGEで分離した。ゲル上でのタンパク質の移動は、e-Stain pedを使用した染色によって可視化した。分子サイズのタンパク質マーカーも同じゲルで分離し、サイズを示している。
【0092】
図8A図8Aは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のウエスタンブロット分析を示した図である。N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44]、C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2)として示した;配列番号14]、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17](500ng/ウェル)を、非還元(図8A)及び還元(図8B)条件下でSDS-PAGEで分離した後、抗4-1BBL抗体を用いた免疫ブロットを行った。C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2)として示した;配列番号14](50ng/ウェル)もまた、還元条件下でSDS-PAGEで分離した後、抗SIRPα抗体を用いた免疫ブロットを行った(図8C)。
図8B図8Bは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のウエスタンブロット分析を示した図である。N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44]、C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2)として示した;配列番号14]、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17](500ng/ウェル)を、非還元(図8A)及び還元(図8B)条件下でSDS-PAGEで分離した後、抗4-1BBL抗体を用いた免疫ブロットを行った。C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2)として印した、配列番号14](50ng/ウェル)もまた、還元条件下でSDS-PAGEで分離した後、抗SIRPα抗体を用いた免疫ブロットを行った(図8C)。
図8C図8Cは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のウエスタンブロット分析を示した図である。N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44]、C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2)として示した;配列番号14]、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17](500ng/ウェル)を、非還元(図8A)及び還元(図8B)条件下でSDS-PAGEで分離した後、抗4-1BBL抗体を用いた免疫ブロットを行った。C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2)として印した、配列番号14](50ng/ウェル)もまた、還元条件下でSDS-PAGEで分離した後、抗SIRPα抗体を用いた免疫ブロットを行った(図8C)。
【0093】
図9図9は、サンドイッチELISAによって決定されたのと同様の用量反応様式での、N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]のSIRPα及び4-1BBLへの結合(結合のための抗4-1BBL抗体及び検出のためのSIRPα-ビオチン化抗体を使用)を示すグラフを示した図である。
【0094】
図10図10は、フローサイトメトリー分析によって決定されたC末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[marked as(CH)-V1)として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17]のSIRPα部分の結合を示す棒グラフを示した図である。GMFI値を示す。
【0095】
図11図11は、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質がT細胞増殖を促進することを実証するグラフを示した図である。示されているように、PBMCを、IL-2有り又はIL-2無しで、抗CD3の存在下で0.01μg/mLのN末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、又はC末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号17]と共にインキュベートした。増殖は、コンフルエンシー測定によって示された時点で測定した。
【0096】
図12図12は、示された時点での非刺激細胞(na)と比較して、準最適濃度の抗CD3及び/又はIL-2の存在下での刺激後のヒトPBMCにおける4-1BB発現を示す棒グラフを示した図である。GMFI値を示す。
【0097】
図13A図13A図13Cは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質が、SIRPαと4-1BBLとのブロック相互作用を生じたことを示した図である。図13Aはアッセイデザインを示した図である:組換えヒトCD47をELISAプレートに結合させた。SIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は陽性対照抗CD47抗体をプレートに加えた。洗浄後、ビオチン化組換えヒトSIRPαを添加し、続いてストレプトアビジンHRP及びTMB基質を添加した。SIRPαとCD47との相互作用は、450nmでの吸光度によって測定した。
図13B図13A図13Cは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質が、SIRPαと4-1BBLとのブロック相互作用を生じたことを示した図である。図13Bは、ブロッキング抗体陽性対照と比較した、N末端Hisタグ付きDSP107[(NH)として示した;配列番号44]、C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17]によるSIRPα相互作用の阻害を示すグラフを示した図である。
図13C図13A図13Cは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質が、SIRPαと4-1BBLとのブロック相互作用を生じたことを示した図である。図13Cは、限られた範囲内の濃度で計算したEC50値を示すグラフを示した図である。
【0098】
図14A図14Aは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が、ヒトがん細胞の多形核(PMN)媒介性食作用を増強することを示す棒グラフを示した図である。C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]、又はC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17]を、示されているように、単独で又はリツキシマブ(RTX)若しくはセツキシマブ(CTX)と組み合わせて、PMN及びRamos又はDLD1がん細胞と2時間(図14A)又は18時間(図14B)インキュベートした後の食作用(%)を示す。
図14B図14Bは、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が、ヒトがん細胞の多形核(PMN)媒介性食作用を増強することを示す棒グラフを示した図である。C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]、又はC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17]を、示されているように、単独で又はリツキシマブ(RTX)若しくはセツキシマブ(CTX)と組み合わせて、PMN及びRamos又はDLD1がん細胞と2時間(図14A)又は18時間(図14B)インキュベートした後の食作用(%)を示す。
【0099】
図15図15は、産生したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が、ヒトリンパ腫細胞のマクロファージ媒介性食作用を増強することを実証する棒グラフを示した図である。C末端Hisタグ付きDSP107[(CH)として示した;配列番号1]、C末端Hisタグ付きDSP107_V1[(CH)-V1として示した;配列番号12]、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]、又はC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1[(CH)-V3.1として示した;配列番号17]を、示されているように、単独で又はリツキシマブ(RTX)と組み合わせて、マクロファージ並びにSUDHL5、SUDHL4、及びOCI-LY3がん細胞と2時間インキュベートした後の食作用(%)を示す。
【0100】
図16図16は、C末端Hisタグ付きDSP107_V2[(CH)-V2として示した;配列番号14]が、用量依存的に、2時間のインキュベート後のSUDHL4がん細胞のマクロファージ媒介食作用を増強することを示すグラフを示した図である。
【0101】
図17図17は、両面ELISAによって測定した、流加培養から11日目に採取されたミニプールの試料中のDSP107_V2(配列番号13)濃度を示す棒グラフを示した図である。
【0102】
図18図18は、DSP107_V2(配列番号13)のSDS-PAGE分析を示した図である。流加培養から11日目に採取したミニプールの試料(5μL)及び精製DSP107_V2(5mg)を、還元条件で4~20%SDS-PAGEで分離した後、クマシー(Coomassie)染色を行った。
【0103】
図19A図19Aは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、CHO-K1過剰発現(OX)ヒトCD47細胞(図19A)及びSUDHL4細胞(図19B)でのCD47の膜発現、並びにCHO-K1細胞での発現なし(図19A)を示すヒストグラムを示した図である。
図19B図19Bは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、CHO-K1過剰発現(OX)ヒトCD47細胞(図19A)及びSUDHL4細胞(図19B)でのCD47の膜発現、並びにCHO-K1細胞での発現なし(図19A)を示すヒストグラムを示した図である。
【0104】
図20図20は、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、HT1080細胞OX 4-1BBでの4-1BB及びCD47の膜発現、並びにHT1080親(WT)細胞での4-1BBの発現なしを示すヒストグラムを示した図である。
【0105】
図21A図21Aは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)のSIRPα部分の、CHO-K1-CD47細胞(図21A)及びSUDHL4細胞(図21B)への結合、並びにCHO-K1親細胞への結合なしを示すグラフを示した図である。陽性に染色された細胞の割合(%)又はGMFI値を示す。
図21B図21Bは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)のSIRPα部分の、CHO-K1-CD47細胞(図21A)及びSUDHL4細胞(図21B)への結合、並びにCHO-K1親細胞への結合なしを示すグラフを示した図である。陽性に染色された細胞の割合(%)又はGMFI値を示す。
【0106】
図22図22Aは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)の両アームの4-1BB過剰発現HT1080細胞への結合(図22A図22B図22E図22F)、又はHT1080WT細胞上のCD47へのSIRPαアームの結合(図22C及び図22D)を示した図である。示されている場合、抗CD47抗体及び/又は抗4-1BB抗体の添加を使用して、特異的結合を測定した。陽性に染色された細胞の割合(%)及びGMFI値を示す。図22Bは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)の両アームの4-1BBを過剰発現するHT1080細胞への結合(図22A図22B図22E図22F)、又はHT1080WT細胞上のCD47へのSIRPαアームの結合(図22C及び図22D)を示した図である。示されている場合、抗CD47抗体及び/又は抗4-1BB抗体の添加を使用して、特異的結合を測定した。陽性に染色された細胞の割合(%)及びGMFI値を示す。図22Cは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)の両アームの4-1BBを過剰発現するHT1080細胞への結合(図22A図22B図22E図22F)、又はHT1080WT細胞上のCD47へのSIRPαアームの結合(図22C及び図22D)を示した図である。示されている場合、抗CD47抗体及び/又は抗4-1BB抗体の添加を使用して、特異的結合を測定した。陽性に染色された細胞の割合(%)及びGMFI値を示す。図22Dは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)の両アームの4-1BBを過剰発現するHT1080細胞への結合(図22A図22B図22E図22F)、又はHT1080WT細胞上のCD47へのSIRPαアームの結合(図22C及び図22D)を示した図である。示されている場合、抗CD47抗体及び/又は抗4-1BB抗体の添加を使用して、特異的結合を測定した。陽性に染色された細胞の割合(%)及びGMFI値を示す。図22Eは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)の両アームの4-1BBを過剰発現するHT1080細胞への結合(図22A図22B図22E図22F)、又はHT1080WT細胞上のCD47へのSIRPαアームの結合(図22C及び図22D)を示した図である。示されている場合、抗CD47抗体及び/又は抗4-1BB抗体の添加を使用して、特異的結合を測定した。陽性に染色された細胞の割合(%)及びGMFI値を示す。図22Fは、フローサイトメトリー分析によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)の両アームの4-1BBを過剰発現するHT1080細胞への結合(図22A図22B図22E図22F)、又はHT1080WT細胞上のCD47へのSIRPαアームの結合(図22C及び図22D)を示した図である。示されている場合、抗CD47抗体及び/又は抗4-1BB抗体の添加を使用して、特異的結合を測定した。陽性に染色された細胞の割合(%)及びGMFI値を示す。
【0107】
図23A図23A及び図23Bは、DSP107_V2(配列番号13)のCHO K1-CD47及びHT1080-4-1BB細胞への同時結合を示した図である。DSP107_V2(配列番号13)をCFSE標識HT1080 4-1BBOX細胞及びCytoLight Red標識CHO-K1CD47 OX細胞とインキュベートし、ダブレット形成をフローサイトメトリーで測定した。図23Aは、培地対照と比較した、DSP107_V2(配列番号13)との標識細胞のインキュベーション後のCFSE対CytoLight Redの代表的なフローサイトメトリープロットを示した図である。
図23B図23A及び図23Bは、DSP107_V2(配列番号13)のCHO K1-CD47及びHT1080-4-1BB細胞への同時結合を示した図である。DSP107_V2(配列番号13)をCFSE標識HT1080 4-1BBOX細胞及びCytoLight Red標識CHO-K1CD47 OX細胞とインキュベートし、ダブレット形成をフローサイトメトリーで測定した。図23Bは、3つの独立した実験からのダブレット形成の平均結果を示すグラフを示した図である。
【0108】
図24図24は、DSP107_V2(配列番号13)のCHO K1-CD47及びHT1080-4-1BB細胞への同時結合を示した図である。DSP107_V2(配列番号13)を、抗4-1BB抗体又は抗CD47抗体の有り又は無しでCFSE標識HT1080 4-1BBOX細胞及びCytoLight Red標識CHO-K1CD47 OX細胞とインキュベートし、ダブレット形成をフローサイトメトリーで測定した。中程度の効果を差し引いた後の2つの独立した実験からのダブレット形成の平均結果を示す。
【0109】
図25A図25Aは、単一培養アッセイにおいてHT1018-4-1BB細胞からのIL8分泌によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)による4-1BBの活性化が実証されることを示した図である。
図25B図25Bは、単一培養アッセイにおいてHT1018-4-1BB細胞からのIL8分泌によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)による4-1BBの活性化が実証されることを示した図である。
【0110】
図26図26は、共培養アッセイにおいてHT1018-4-1BB細胞からのIL8分泌によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)による4-1BBの活性化を示した図である。
【0111】
図27図27は、活性化マーカーCD25及び4-1BBの発現によって決定されるように、DSP107_V2(配列番号13)が、用量依存的にT細胞活性化を誘導することを示す棒グラフを示した図である。3人のドナーからのPBMCを、プレート結合抗CD3の存在下で、示された濃度のDSP107_V2(配列番号13)と共にインキュベートした。CD25又は4-1BBの発現は、フローサイトメトリーによる48時間のインキュベート後に測定した。
【0112】
図28図28は、IncuCyte(登録商標)によって測定した、PBMC増殖に対するDSP107-V2(配列番号13)の効果を実証する代表的な画像を示した図である。
【0113】
図29図29は、フローサイトメトリーによって測定されるように、3人のヒトドナーから得られたCPD染色されたT細胞の増殖に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示す棒グラフを示した図である。
【0114】
図30AncuCyte(登録商標)によって測定され、SNU387(図30A)がん細胞のT細胞媒介性死滅に対するDSP107-V2(配列番号13)の効果が実証されることを示した図である。
図30BncuCyte(登録商標)によって測定された、SNU423(図30B)がん細胞のT細胞媒介性死滅に対するDSP107-V2(配列番号13)の効果が実証されることを示した図である。
図30CncuCyte(登録商標)によって測定された、Ovcar8(図30C)がん細胞のT細胞媒介性死滅に対するDSP107-V2(配列番号13)の効果が実証されることを示した図である。
【0115】
図31A図31Aは、フローサイトメトリーによって測定されるように、MSTO(図31A)及びH2052(図31B)中皮腫細胞のT細胞媒介性死滅に対するDSP107-V2(配列番号13)の効果が実証されることを示した図である。
図31B図31Bは、フローサイトメトリーによって測定されるように、MSTO(図31A)及びH2052(図31B)中皮腫細胞のT細胞媒介性死滅に対するDSP107-V2(配列番号13)の効果が実証されることを示した図である。
【0116】
図32A図32Aは、DSP107_V2(配列番号13)が、異なるリンパ腫細胞株(図32B図32D)及びDLD-1結腸がん細胞株(図32E)のM1-マクロファージ媒介性食作用を増強することを示す代表的な画像(図32A)及びグラフ(図32B~E)を示した図である。
図32B図32Bは、DSP107_V2(配列番号13)が、異なるリンパ腫細胞株(図32B図32D)及びDLD-1結腸がん細胞株(図32E)のM1-マクロファージ媒介性食作用を増強することを示す代表的な画像(図32A)及びグラフ(図32B~E)を示した図である。
図32C図32Cは、DSP107_V2(配列番号13)が、異なるリンパ腫細胞株(図32B図32D)及びDLD-1結腸がん細胞株(図32E)のM1-マクロファージ媒介性食作用を増強することを示す代表的な画像(図32A)及びグラフ(図32B~E)を示した図である。
図32D図32Dは、DSP107_V2(配列番号13)が、異なるリンパ腫細胞株(図32B図32D)及びDLD-1結腸がん細胞株(図32E)のM1-マクロファージ媒介性食作用を増強することを示す代表的な画像(図32A)及びグラフ(図32B~E)を示した図である。
図32E図32Eは、DSP107_V2(配列番号13)が、異なるリンパ腫細胞株(図32B図32D)及びDLD-1結腸がん細胞株(図32E)のM1-マクロファージ媒介性食作用を増強することを示す代表的な画像(図32A)及びグラフ(図32B~E)を示した図である。
【0117】
図33A図33Aは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33B図33Bは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33C図33Cは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33D図33Dは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33E図33Eは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33F図33Fは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33G図33Gは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
図33H図33Hは、可溶性SIRPa、可溶性4-1BBL、又はその両方の組み合わせ(図33D図33F)と比較した、単剤療法及びリツキシマブとの併用療法(図33A図33D)としての異なるリンパ腫細胞株の顆粒球媒介性食作用に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を示した図である。単剤療法及びトラスツズマブとの併用療法におけるDSP107_V2による顆粒球によるDLD1結腸がん細胞株の食作用(図33G図33H)。
【0118】
図34図34は、MC38(マウス)及びDLD1(ヒト)結腸がん細胞株へのDSP107_V2(配列番号13)の結合を表した図である。
【0119】
図35A4-1BBノックインマウスにおけるhCD47 MC38腫瘍の増殖(図35A)に対するDSP107_V2(配列番号13)及び抗マウスPD-L1抗体のインビボ効果を示した図である。
図35B4-1BBノックインマウスにおけるhCD47 MC38腫瘍の生存(図35B)に対するDSP107_V2(配列番号13)及び抗マウスPD-L1抗体のインビボ効果を示した図である。
【0120】
図36A図36A及び図36Bは、ヒト化NSGマウスにおけるSUDHL6 DLBCL腫瘍に対するDSP107_V2(配列番号13)のインビボ効果を示した図である。図36Aは、22日目にマウスを犠牲にした後に測定した平均腫瘍重量を示した図である。
図36B図36A及び図36Bは、ヒト化NSGマウスにおけるSUDHL6 DLBCL腫瘍に対するDSP107_V2(配列番号13)のインビボ効果を示した図である。図36Bは、20日目にマウスを犠牲にする前に測定した平均腫瘍体積を示した図である。
【0121】
図37A図37Aは、結合カウンターパート(CD47及び4-1BB)の存在下での、SIRPα(配列番号2)及び4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復(配列番号78)を含むSIRPα-4-1BBLバリアント融合物の予測される3D構造を示した図である。図37Aは概略3Dモデルであり、図37Bは完全な原子3Dモデルである。SIRPαは、濃い灰色のリボン表示(右上)で表される。4-1BBLは、濃い灰色のリボン(左側)で表される。スペーサー/リンカーセグメントは、SIRPαと4-1BBLの構造要素との間の灰色及び白のリボンで表される。CD47は灰色のリボン(右上)で表され、3つの4-1BB受容体は4-1BBL(左側)と複合体を形成した灰色のリボンで表される。
図37B図37Bは、結合カウンターパート(CD47及び4-1BB)の存在下での、SIRPα(配列番号2)及び4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復(配列番号78)を含むSIRPα-4-1BBLバリアント融合物の予測される3D構造を示した図である。図37Aは概略3Dモデルであり、図37Bは完全な原子3Dモデルである。SIRPαは、濃い灰色のリボン表示(右上)で表される。4-1BBLは、濃い灰色のリボン(左側)で表される。スペーサー/リンカーセグメントは、SIRPαと4-1BBLの構造要素との間の灰色及び白のリボンで表される。CD47は灰色のリボン(右上)で表され、3つの4-1BB受容体は4-1BBL(左側)と複合体を形成した灰色のリボンで表される。
【0122】
図38図38は、DSP107-V2(配列番号13)のSEC-MALS分析を示した図である。タンパク質(150μg)をSuperdex 200 Increaseカラム(GE Healthcare社)にロードし、移動相として10mMリン酸カリウム(KPO4)(pH8.0)+150mM塩化ナトリウム(NaCl)を使用して0.8mL/分の流速で実施した。検出は、AKTA Explorer(GE社)+MiniDawn TREOS+OPTILAB T-reX(WYATT社)を使用して、UV、MALS、及びRIによって実施した。
【発明を実施するための形態】
【0123】
本発明は、そのいくつかの実施形態において、SIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質及びその使用方法に関する。
【0124】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか、又は実施例によって例示される詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であるか、又は様々な方法で実施又は実行され得る。
【0125】
シグナル変換タンパク質(SCP)としても知られるデュアルシグナル伝達タンパク質(DSP)は、I型膜タンパク質の細胞外部分(細胞外アミノ末端)をII型膜タンパク質の細胞外部分(細胞外カルボキシル末端)に連結し、2つの活性端を有する融合タンパク質を形成する二機能性融合タンパク質として現在当技術分野で公知である。
【0126】
構造機能ツールを使用して、本発明者らは、改善された産生特性(例えば、より高い収率)を有するSIRPαバリアント及び/又は4-1BBLバリアントを含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質を生成することに成功した。これらは、概して、(共刺激を介して)免疫細胞を活性化するために、そして特に免疫細胞を活性化することから恩恵を受け得る疾患(例えば、がん)を処置するために有利に使用され得る。
【0127】
理論に拘束されることなく、以下は、例としてのがんの処置における本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の作用様式として本発明者らによって示唆される。
【0128】
腫瘍細胞の表面及び腫瘍の微小環境におけるCD47の発現が比較的高いため、SIRPα-4-1BBL融合体のSIRPα部分は、分子を腫瘍及び転移部位に標的化し、腫瘍の微小環境内でCD47への融合タンパク質の結合を起こす。
【0129】
融合タンパク質を腫瘍細胞又は/及び腫瘍微小環境に標的化すると、腫瘍微小環境におけるSIRPα-4-1BBL濃度の増加及びそれに続く腫瘍部位での融合タンパク質の4-1BBL部分のオリゴマー化が促進され、それにより腫瘍部位のT細胞、B細胞、NK細胞、特に腫瘍浸潤リンパ球(Tumor-Infiltrating Lymphocyte、TIL)、並びに他の免疫細胞の活性化を促進する4-1BB共刺激シグナルを伝達し、がん細胞を死滅させる。
【0130】
4-1BBL-4-1BB共刺激シグナルに加えて、腫瘍部位のCD47への融合タンパク質のSIRPα部分の結合は、マクロファージ及び樹状細胞で発現する内因性SIRPαと競合し、それによりこれらの細胞の阻害を取り除き、腫瘍細胞の食作用と腫瘍微小環境における樹状細胞及びT細胞の活性化にさらに貢献する。
【0131】
SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の上記の活性は、腫瘍微小環境内のTIL、樹状細胞、及びマクロファージの活性化に相乗効果をもたらすと予想され、その2つの異なる部分を組み合わせて使用する場合と同様に、各部分の個別の効果と比較して、より特異的で強力な効果であると予想される。
【0132】
よって、本発明の一態様によれば、SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が提供され、
ここで、上記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、及び/又は
上記4-1BBLアミノ酸配列は:
(a)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まないか;又は配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する184アミノ酸長であり、及び/又は
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、
上記融合タンパク質は、以下の少なくとも1つが可能である:
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及び/又は
(iv)上記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による上記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること。
【0133】
本発明の代替的又は更なる態様によれば、SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が提供され、
ここで、上記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、及び/又は
上記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、並びに
上記融合タンパク質は、以下の少なくとも1つが可能である:
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及び/又は
(iv)上記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による上記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること。
【0134】
本発明の代替的又は更なる態様によれば、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドが提供され、
ここで、上記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、上記ポリペプチドはCD47に結合可能である。
【0135】
本発明の代替又は更なる態様によれば、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドが提供され、
ここで、上記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;又は配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まず、
所望により上記4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、
上記ポリペプチドは、
(i)4-1BBを結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、及び/又は
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、
の少なくとも1つが可能である。
【0136】
本発明の代替又は更なる態様によれば、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドが提供され、
ここで、上記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、
上記ポリペプチドは、
(i)4-1BBを結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、及び/又は
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、
の少なくとも1つが可能である。
【0137】
本明細書で使用される場合、「SIRPα(Signal Regulatory Protein Alpha、CD172aとしても知られる)」という用語は、SIRPA遺伝子(遺伝子ID:140885)のポリペプチド又は機能的ホモログ、例えば、その機能的断片を指す。ある具体的な実施形態によれば、「SIRPα」という用語は、SIRPαポリペプチドの機能的ホモログを指す。ある具体的な実施形態によれば、SIRPαはヒトSIRPαである。特定の一実施形態によれば、SIRPαタンパク質は、以下のGenBank番号NP_001035111、NP_001035112、NP_001317657、又はNP_542970に提示されるようなヒトタンパク質を指す。
【0138】
本明細書で使用する場合、SIRPαに関連する場合の「機能的ホモログ」又は「機能的断片」という句は、完全長SIRPαの活性、例えばCD47結合を維持するポリペプチドの一部を指す。
【0139】
特定の一実施形態によれば、CD47タンパク質は、以下のGenBank番号NP_001768又はNP_942088に提示されるようなヒトタンパク質を指す。
【0140】
結合を試験するためのアッセイは当技術分野で周知であり、フローサイトメトリー、BiaCore(ビアコア)、生体層干渉法(Bio-Layer Interferometry、BLI)Blitz(登録商標)アッセイ、HPLCが含まれるが、これらに限定されない。
【0141】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαは、SPRによって測定した場合、0.1~100μM、0.1~10μM、1~10μM、0.1~5μM、又は1~2μMのKdでCD47に結合し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0142】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαは、上記SIRPαの細胞外ドメイン又はその機能的断片を含む。
【0143】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号29を含む。
【0144】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号29からなる。
【0145】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号30を含む。
【0146】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号30からなる。
【0147】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2を含む。
【0148】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2からなる。
【0149】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号31又は67を含む。
【0150】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号31又は67からなる。
【0151】
また、「SIRPα」という用語は、所望の活性(すなわち、CD47の結合)を示す機能的ホモログ(天然に存在するか、又は合成/組換えにより産生される)を包含する。そのようなホモログは、例えば、ポリペプチド配列番号2又は29と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一又は相同であり得るか;又は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(以下でさらに説明する)と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であり得る。
【0152】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα機能的ホモログは、ポリペプチド配列番号2又は29と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一又は相同であるか;又は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(以下でさらに説明する)と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一である。
【0153】
本明細書で使用される場合、「同一性」又は「配列同一性」とは、全体的な同一性、すなわち、本明細書に開示されるアミノ酸又は核酸配列の一部ではなく、本明細書に開示されるアミノ酸又は核酸配列全体にわたる同一性を指す。
【0154】
配列の同一性又は相同性は、Blast、ClustalW、及びMUSCLEなどの任意のタンパク質又は核酸配列アラインメントアルゴリズムを使用して決定することが可能である。ホモログはまた、以下でさらに説明されるように、アミノ酸置換を含む、オルソログ、欠失、挿入、又は置換バリアントを指す場合もある。
【0155】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαポリペプチドは、保存的及び非保存的アミノ酸置換(本明細書では突然変異とも称される)を含み得る。そのような置換は当技術分野で公知であり、例えば、その内容が全体として参照により本明細書に援用されるWeiskopf K et al. Science.(2013); 341(6141):88-91に開示されている。
【0156】
タンパク質について配列同一性の割合(%)を使用する場合、同一ではない残基の位置は、保存的なアミノ酸置換によって異なることが多く、アミノ酸残基は、類似の化学的特性(例えば、電荷又は疎水性)を有する他のアミノ酸残基で置換され、したがって、分子の機能特性を変化させないと認識される。配列が保存的置換で異なる場合、パーセント配列同一性(%)は、置換の保存的性質を補正するために上方に調整され得る。このような保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」又は「類似性」を有すると見なされる。この調整を行うための手段は、当業者に周知である。通常、これには、完全なミスマッチではなく部分的なミスマッチとして保存的置換をスコアリングすることが含まれ、それによってパーセント配列同一性(%)が増加する。したがって、たとえば、同一のアミノ酸に1のスコアが与えられ、非保存的置換に0のスコアが与えられる場合、保存的置換には0から1の間のスコアが与えられる。保存的置換のスコアは、例えば、ヘニコフS(Henikoff S)及びヘニコフJG(Henikoff JG)のアルゴリズムに従って計算される[Amino acid substitution matrices from protein blocks. Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 1992, 89(22): 10915-9]。
【0157】
ある具体的な実施形態によれば、1又は複数のアミノ酸変異は、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列に対応するL4、V6、A21、A27、I31、E47、K53、E54、H56、V63、L66、K68、V92、及びF96から選択されるアミノ酸残基に位置する。
【0158】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列に対応するL4、A27、E47、及びV92からなる群から選択されるアミノ酸残基に変異を含む。
【0159】
ある具体的な実施形態によれば、1又は複数のアミノ酸変異は、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列に対応するL4V又はL4I、V6I又はV6L、A21V、A27I又はA27L、I31F又はI31T、E47V又はE47L、K53R、E54Q、H56P又はH56R、V63I、L66T又はL66G、K68R、V92I、及びF94L又はF94Vからなる群から選択される。
【0160】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列に対応するL4I、A27I、E47V、及びV92Iからなる群から選択される変異を含む。
【0161】
本明細書で使用される場合、「配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列に対応する」又は「配列番号2に対応する」という句は、対応するアミノ酸残基を、任意の他のSIRPαアミノ酸配列に対して含ませることを意図している。
【0162】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号25を含む。
【0163】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号25からなる。
【0164】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号35を含む。
【0165】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号35からなる。
【0166】
保存的アミノ酸置換及び非保存的アミノ酸置換についての更なる説明を以下にさらに記載する。
【0167】
本発明のいくつかの実施形態のSIRPαは、ポリペプチド配列番号24又は26と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一又は相同であるか;又は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(以下でさらに説明する)と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一である。
【0168】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26と少なくとも95%の同一性を有する。
【0169】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0170】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0171】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号26と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0172】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に対応するアミノ酸セグメントK117-Y343を含まない。
【0173】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に対応するアミノ酸セグメントK117-Y343のいずれも含まない。
【0174】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号32又はその任意の断片を含まない。
【0175】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号32を含まない。
【0176】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列のC末端は、配列番号8で終わる。
【0177】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26を含む。
【0178】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24を含む。
【0179】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号26を含む。
【0180】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26からなる。
【0181】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24からなる。
【0182】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号26からなる。
【0183】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33及び/又は34に対して、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0184】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33及び/又は34と少なくとも95%の同一性を有する。
【0185】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33及び/又は34と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0186】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0187】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号34と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0188】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33又は34を含む。
【0189】
ある具体的な実施形態によれば、上記核酸配列は、配列番号33を含む。
【0190】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号34を含む。
【0191】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33又は34からなる。
【0192】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号33からなる。
【0193】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα核酸配列は、配列番号34からなる。
【0194】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、100~500アミノ酸、150~450アミノ酸、200~400アミノ酸、250~400アミノ酸、300~400アミノ酸、320~420アミノ酸、340~350アミノ酸を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0195】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、300~400アミノ酸長である。
【0196】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、340~450アミノ酸長である。
【0197】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、343アミノ酸長である。
【0198】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、100~200アミノ酸、100~150アミノ酸、100~125アミノ酸、100~120アミノ酸、100~119アミノ酸を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0199】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、100~119アミノ酸長である。
【0200】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、105~119アミノ酸、110~119アミノ酸、115~119アミノ酸、105~118アミノ酸、110~118アミノ酸、115~118アミノ酸、105~117アミノ酸、110~117アミノ酸、115~117アミノ酸であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0201】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、少なくとも115アミノ酸長である。
【0202】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαのアミノ酸配列は、115~119アミノ酸長である。
【0203】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαのアミノ酸配列は、116アミノ酸長である。
【0204】
本明細書で使用される場合、「4-1BBL(CD137L及びTNFSF9としても知られる)」という用語は、TNFSF9遺伝子(遺伝子ID:8744)のポリペプチド又は機能的ホモログ、例えばその機能的断片を指す。ある具体的な実施形態によれば、「4-1BBL」という用語は、4-1BBLポリペプチドの機能的ホモログを指す。ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLはヒト4-1BBLである。特定の一実施形態によれば、4-1BBLタンパク質は、下記のGenBank番号NP_003802に提示されるようなヒトタンパク質を指す。
【0205】
本明細書で使用する場合、4-1BBLに関連する場合の「機能的ホモログ」又は「機能的断片」という句は、完全長4-1BBLの活性、例えば(i)4-1BBを結合すること、(ii)4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、(iii)4-1BBを発現する免疫細胞を活性化すること、(iv)ホモ三量体を形成すること、を維持するポリペプチドの一部を指す。
【0206】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLに関連する場合の機能的ホモログは、(i)、(ii)、(iii)、(i)+(ii)、(i)+(iii)、(ii)+(iii)が可能である。
【0207】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLに関連する場合の機能的ホモログは、(i)+(ii)+(iii)が可能である。
【0208】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLに関連する場合の機能的ホモログは、(iv)、(i)+(iv)、(ii)+(iv)、(iii)+(iv)、(i)+(ii)+(iv)、(i)+(iii)+(iv)、(ii)+(iii)+(iv)が可能である。
【0209】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLに関連する場合の機能的同族体は、(i)+(ii)+(iii)+(iv)が可能である。
【0210】
特定の一実施形態によれば、4-1BBタンパク質は、下記のGenBank番号NP_001552に提示されるようなヒトタンパク質を指す。
【0211】
結合を試験するためのアッセイは当技術分野で公知であり、本明細書の上記でさらに説明されている。
【0212】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLは、SPRによって決定されるように、約0.1~1000nM、0.1~100nM、1~100nM、又は55.2nMのKdで4-1BBに結合し、ここで、それぞれの選択肢は特許請求される発明の別個の実施形態を表す。
【0213】
三量体化を試験するためのアッセイは当技術分野で周知であり、NATIVE-PAGE、SEC-HPLC 2Dゲル、ゲル濾過、SEC-MALS、分析用超遠心分離(AUC)質量分析(MS)、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)が含まれるが、これらに限定されない。
【0214】
本明細書で使用される場合、「活性化する(こと)」又は「活性化」という用語は、免疫細胞(例えば、T細胞、B細胞、NK細胞、食細胞)を刺激することによって、細胞増殖、成熟、サイトカイン産生、食作用及び/又は調節機能若しくはエフェクター機能の誘導細胞増殖を起こすプロセスを指す。
【0215】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、共刺激を含む。
【0216】
本明細書で使用される場合、「共刺激する(こと)」又は「共刺激」という用語は、二次抗原非依存性刺激シグナル(例えば、4-1BBシグナル)を伝達して、免疫細胞の活性化を起こすことを指す。
【0217】
ある具体的な実施形態によれば、活性化することは、阻害性シグナル(例えば、CD47シグナル)を抑制することによって、免疫細胞の活性化を起こすことを含む。
【0218】
刺激性又は抑制性シグナルのシグナル伝達を決定する方法は当技術分野で周知であり、下記の実施例セクションにも開示されており、例えば、BiaCore、HPLC、又はフローサイトメトリーを用いる結合アッセイ、キナーゼ活性アッセイなどの酵素活性アッセイ、並びに、例えば、PCR、ウエスタンブロット、免疫沈降、及び免疫組織化学を用いるシグナル伝達カスケードに関与する分子の発現が挙げられるが、これらに限定されない。追加的又は代替的に、シグナルの伝達(共刺激性又は抑制性)の測定は、免疫細胞の活性化又は機能を評価することによって実施することが可能である。免疫細胞の活性化又は機能を評価する方法は、当技術分野で周知であり、CFSE染色、MTS、アラマーブルー(Alamar Blue)、BRDU、チミジン取り込みなどの増殖アッセイ、CFSE染色などの細胞毒性アッセイ、クロム放出、Calcein-AM、細胞内サイトカイン染色、ELISPOT、及びELISAなどのサイトカイン分泌アッセイ、フローサイトメトリーを用いるCD25、CD69、CD137、CD107a、PD1、及びCD62Lなどの活性化マーカーの発現が挙げられるが、これらに限定されない。
【0219】
ある具体的な実施形態によれば、シグナル伝達活性又は活性化の測定は、下記でさらに説明するように、インビトロ又はエクスビボで、例えば、混合リンパ球反応(MLR)において行われる。
【0220】
同じ培養条件の場合、シグナル伝達活性又は免疫細胞の活性化若しくは機能は、通常、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、それをコードするポリヌクレオチド、又はそれをコードする宿主細胞と接触していないが、溶媒対照(対照とも称される)と接触している同じ種の細胞におけるシグナル伝達、活性化又は機能と比較して表される。
【0221】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLは、上記4-1BBLの細胞外ドメイン又はその機能的断片を含む。
【0222】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号36を含む。
【0223】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号36からなる。
【0224】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号37を含む。
【0225】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号37からなる。
【0226】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3を含む。
【0227】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3からなる。
【0228】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号38を含む。
【0229】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号38からなる。
【0230】
また、「4-1BBL」という用語は、所望の活性(上記で定義されるように)を示す機能的ホモログ(天然に存在するか、又は合成/組換えにより産生される)を包含する。そのようなホモログは、例えば、ポリペプチド配列番号3又は36と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一又は相同であり得るか;又は、上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(以下でさらに説明する)と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一であり得る。
【0231】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL機能的ホモログは、ポリペプチド配列番号3又は36と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一又は相同であるか;又は上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(以下でさらに説明する)と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一である。
【0232】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLポリペプチドは、本明細書の上記及び下記にさらに記載されるように、保存的アミノ酸置換を含み得る。
【0233】
本発明のいくつかの実施形態の4-1BBLは、ポリペプチド配列番号22、23、27、又は28と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一又は相同であるか;又は上記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(以下でさらに説明する)と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%同一である。
【0234】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0235】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27及び/又は28と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0236】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22及び/又は23と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0237】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0238】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号23と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0239】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号27と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0240】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号28と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0241】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-V6を含まない。
【0242】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-G14を含まない。
【0243】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-V6及びA1-G14のいずれも含まない。
【0244】
本明細書で使用される場合、「配列番号3に対応する」という句は、対応するアミノ酸残基を、任意の他の4-1BBLアミノ酸配列に対して含ませることを意図する。
【0245】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号6若しくは7又はその任意の断片を含まない。
【0246】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号6又は7を含まない。
【0247】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28を含む。
【0248】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22又は23を含む。
【0249】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22を含む。
【0250】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号23を含む。
【0251】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLαアミノ酸配列は、配列番号27を含む。
【0252】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号28を含む。
【0253】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28からなる。
【0254】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22又は23からなる。
【0255】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22からなる。
【0256】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号23からなる。
【0257】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLαアミノ酸配列は、配列番号27からなる。
【0258】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号28からなる。
【0259】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも80%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0260】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも85%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0261】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0262】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74及び/又は76と、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0263】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも95%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0264】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74及び/又は76からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0265】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まない。
【0266】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸残基G198-E205のいずれも含まない。
【0267】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号97又はその任意の断片を含まない。
【0268】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号97を含まない。
【0269】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74又は76を含む。
【0270】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号74又は76からなる。
【0271】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する。
【0272】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72と少なくとも85%の同一性を有する。
【0273】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72と少なくとも90%の同一性を有する。
【0274】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72と、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0275】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72と少なくとも95%の同一性を有する。
【0276】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0277】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まない。
【0278】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸残基A1-E23のいずれも含まない。
【0279】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号98又はその任意の断片を含まない。
【0280】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号98を含まない。
【0281】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72を含む。
【0282】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号72からなる。
【0283】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する。
【0284】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70と少なくとも85%の同一性を有する。
【0285】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70と少なくとも90%の同一性を有する。
【0286】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70と、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0287】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70と少なくとも95%の同一性を有する。
【0288】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0289】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70を含む。
【0290】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号70からなる。
【0291】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39、40、41、及び/又は42と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0292】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39、40、41、及び/又は42と少なくとも95%の同一性を有する。
【0293】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39、40、41、及び/又は42と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0294】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39及び/又は40と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0295】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39、40、41、又は42を含む。
【0296】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39又は40を含む。
【0297】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39を含む。
【0298】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号40を含む。
【0299】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号41を含む。
【0300】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号42を含む。
【0301】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39、40、41、又は42からなる。
【0302】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39又は40からなる。
【0303】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号39からなる。
【0304】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号40からなる。
【0305】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLα核酸配列は、配列番号41からなる。
【0306】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号42からなる。
【0307】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号75及び/又は77と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0308】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号75及び/又は77と少なくとも95%の同一性を有する。
【0309】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号75及び/又は77と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0310】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号75又は77を含む。
【0311】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号75又は77からなる。
【0312】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号73と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0313】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号73と少なくとも95%の同一性を有する。
【0314】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号73と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0315】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号73を含む。
【0316】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号73からなる。
【0317】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号71と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0318】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号71と少なくとも95%の同一性を有する。
【0319】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号71と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0320】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号71を含む。
【0321】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号71からなる。
【0322】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、100~300アミノ酸、150~250アミノ酸、100~250アミノ酸、150~220アミノ酸、180~220アミノ酸、180~210アミノ酸、185~205アミノ酸、190~210アミノ酸を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0323】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLのアミノ酸配列は、190~210アミノ酸長である。
【0324】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、204アミノ酸長である。
【0325】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLのアミノ酸配列は、185~202アミノ酸長である。
【0326】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLのアミノ酸配列は、185~200アミノ酸長である。
【0327】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLのアミノ酸配列は、185~199アミノ酸長である。
【0328】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLのアミノ酸配列は、170~197アミノ酸長である。
【0329】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLのアミノ酸配列は、170~182アミノ酸長である。
【0330】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、184アミノ酸長である。
【0331】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、185、191、197、又は199アミノ酸長であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0332】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、184アミノ酸長である。
【0333】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、183アミノ酸長である。
【0334】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、182アミノ酸長である。
【0335】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、176アミノ酸長である。
【0336】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示されるSIRPα-1BBL融合タンパク質又は4-1BBLポリペプチドに含まれる4-1BBLアミノ酸配列は、4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含む。
【0337】
ある具体的な実施形態によれば、3回の反復のそれぞれは、(i)4-1BBを結合すること、(ii)4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、(iii)4-1BBを発現する免疫細胞を活性化すること、(iv)ホモ三量体を形成すること、の少なくとも1つが可能である。
【0338】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、上記4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復のそれぞれの間にリンカーを含まない。
【0339】
別のある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復のそれぞれの間にリンカーを含む。当技術分野で公知の任意のリンカーを、本発明のある具体的な実施形態とともに使用してもよい。使用され得るリンカーの非限定的な例は、以下に詳細に記載されている。
【0340】
特定の一実施形態によれば、リンカーは、(GGGGS)×2+GGGG(配列番号82)リンカーである。
【0341】
ある具体的な実施形態によれば、反復される配列は、本明細書で定義される4-1BBLのいずれかであり得る。
【0342】
ある具体的な実施形態によれば、3回の反復は同一の4-1BBLアミノ酸配列を有する。
【0343】
別のある具体的な実施形態によれば、3回の反復は別個である、すなわち、異なる4-1BBLアミノ酸配列を有する。
【0344】
別のある具体的な実施形態によれば、3回の反復のうちの2つは、同一の4-1BBLアミノ酸配列を有する。
【0345】
ある具体的な実施形態によれば、反復の少なくとも1つは、本明細書に開示される4-1BBLアミノ酸配列を含む。
【0346】
ある具体的な実施形態によれば、反復の少なくとも1つは、本明細書に開示される4-1BBLアミノ酸配列からなる。
【0347】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号23を含むアミノ酸配列の3回の反復を含む。
【0348】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号23からなるアミノ酸配列の3回の反復を含む。
【0349】
こうして、ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0350】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0351】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78と少なくとも85%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0352】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0353】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0354】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78を含む。
【0355】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号78からなる。
【0356】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号79と、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0357】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号79と少なくとも95%の同一性を有する。
【0358】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号79と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0359】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号79を含む。
【0360】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBL核酸配列は、配列番号79からなる。
【0361】
「DSP」及び「融合タンパク質」、「キメラタンパク質」又は「キメラ」という用語は、本明細書では互換的に使用され、自然界での単一のアミノ酸配列においては一緒に見出されない2以上の部分を有するアミノ酸配列を指す。
【0362】
本発明のいくつかの実施形態の融合タンパク質は、SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含む(本明細書では「SIRPα-4-1BBL融合タンパク質」と称される)。
【0363】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαは4-1BBLのN末端にある。
【0364】
別のある具体的な実施形態によれば、SIRPαは4-1BBLのC末端にある。
【0365】
本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-1BBL融合タンパク質は、本明細書で定義される任意のSIRPα、及び、(例えば、本願明細書で開示されているような)以下の任意の4-1BBLアミノ酸配列を含み得る:
【0366】
(a)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まないか;又は配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する184アミノ酸長であり、及び/又は
【0367】
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含む(ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す)。本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、本明細書で定義される任意のSIRPα;及び(例えば、本明細書に開示されるような)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長である任意の4-1BBLアミノ酸配列を含み得、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0368】
本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、(例えば、本明細書で開示されるような)100~119アミノ酸長であり、配列番号24及び/又は26と少なくとも95%の同一性を有する任意のSIRPα;及び本明細書で定義されるような任意の4-1BBLを含み得る、(ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0369】
本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-1BBL融合タンパク質は、(例えば、本明細書で開示されるような)100~119アミノ酸長であり、配列番号24及び/又は26と少なくとも95%の同一性を有する任意のSIRPα;及び(例えば、本明細書に開示されるような)以下の任意の4-1BBLアミノ酸配列を含み得る:
(a)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まないか;又は配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する184アミノ酸長であり、及び/又は
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0370】
本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、(例えば、本明細書で開示されるような)100~119アミノ酸長であり、ただし配列番号24及び/又は26と少なくとも95%の同一性を有する任意のSIRPα;及び(例えば、本明細書に開示されるような)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長である任意の4-1BBLアミノ酸配列を含み得、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0371】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2、24~26、及び/又は29と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、
4-1BBLアミノ酸配列は:
(a)配列番号22、23、27、及び/又は28と少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;配列番号72と少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まないか;又は配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する184アミノ酸長であり、及び/又は
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0372】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2、24~26、又は29を含み、4-1BBLアミノ酸配列は:
(a)配列番号22、23、27、及び28を含む185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76を含む170~197アミノ酸長であるか;配列番号72を含む170~182アミノ酸長であるか;又は配列番号70を含む184アミノ酸長であり、及び/又は
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0373】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2、24~26、又は29に記載の通りであり;4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、28、74、76、72、又は70に記載の通りであり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0374】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2、24~26、及び/又は29と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し;4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び/又は28と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0375】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2、24~26、又は29を含み;4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28を含む185~202アミノ酸長であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0376】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2、24~26、又は29に記載の通りであり;4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28に記載の通りであり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0377】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2又は25と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し;4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び/又は28と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する185~202アミノ酸長である。
【0378】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2又は25を含み、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28を含む185~202アミノ酸長である。
【0379】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2又は25に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28に記載の通りである。
【0380】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22又は23と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する185~202アミノ酸長である。
【0381】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は配列番号2を含み、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22又は23を含む185~202アミノ酸長である。
【0382】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22又は23に記載の通りである。
【0383】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり;4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、28、及び/又は36と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有し、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0384】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26を含む100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、28、及び/又は36を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0385】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、28、及び/又は36に記載の通りである。
【0386】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、28、又は28と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する。
【0387】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26を含む100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、又は28を含む。
【0388】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、又は28に記載の通りである。
【0389】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び/又は28と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0390】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26を含む100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び/又は28を含む185~202アミノ酸長であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0391】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び/又は26に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び/又は28に記載の通りである。
【0392】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24と、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の同一性を有する185~202アミノ酸長である。
【0393】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は配列番号24を含む100~119アミノ酸長であり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22を含む185~202アミノ酸長である。
【0394】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24に記載の通りであり、4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22に記載の通りである。
【0395】
本発明のある具体的な実施形態で使用可能なSIRPαアミノ酸配列と4-1BBLアミノ酸配列との特定の組み合わせの非限定的な例は、本明細書の不可欠な部分として機能する、下記の実施例セクションの表4に示されている。
【0396】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、可溶性である(すなわち、合成又は天然に存在する表面に固定化されていない)。
【0397】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、合成又は天然に存在する表面に固定化されている。
【0398】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、可溶性である(すなわち、合成又は天然に存在する表面に固定化されていない)。
【0399】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、合成又は天然に存在する表面に固定化されている。
【0400】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、少なくともホモ三量体の形態である。
【0401】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、以上50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上は、少なくともホモ三量体の形態であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0402】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体はホモ三量体を含む。
【0403】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体はホモ四量体を含む。
【0404】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体はホモ五量体を含む。
【0405】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体はホモ六量体を含む。
【0406】
三量体化を測定する方法は当技術分野で周知であり、NATIVE-PAGE、SEC-HPLC 、2Dゲル、ゲル濾過、SEC-MALS、分析用超遠心分離(AUC)質量分析(MS)、キャピラリーゲル電気泳動(CGE)が含まれるが、これらに限定されない。
【0407】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体は、SEC-MALSによって測定される分子量が、100kD以上、140kD以上、160kD以上、180kD以上、200kD以上、220kD以上、240kD以上、250kD以上である。
【0408】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体は、SEC-MALSによって測定される分子量が100kD以上である。
【0409】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体は、SEC-MALSによって測定される分子量が240kD以上である。
【0410】
ある具体的な実施形態によれば、上記少なくともホモ三量体は、SEC-MALSによって測定される分子量が約250~270kDである。
【0411】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBLは、SIRPαと4-1BBLとの間にリンカーを含まない。
【0412】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、上記SIRPαと上記4-1BBLとの間にリンカーを含む。
【0413】
当技術分野で公知の任意のリンカーを、本発明のある具体的な実施形態で使用してもよい。
【0414】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、天然に存在するマルチドメインタンパク質に由来する場合もあれば、例えば、その全内容が参照により本明細書に援用されるChichili et al.,(2013), Protein Sci. 22(2): 153-167及びChen et al,(2013), Adv Drug Deliv Rev. 65(10): 1357-1369に説明されているように経験的リンカーである場合もある。いくつかの実施形態では、リンカーは、リンカー設計データベースや、その全内容が参照により本明細書に援用されるChen et al.,(2013), Adv Drug Deliv Rev. 65(10): 1357-1369及びCrasto et al.,(2000), Protein Eng. 13(5):309-312に記載されているようなコンピュータープログラムを使用して設計されてもよい。
【0415】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、PEGなどの合成リンカーである。
【0416】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、抗体(例えば、IgG、IgA、IgD、又はIgE)のFcドメイン若しくはヒンジ領域又はその断片である。
【0417】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、抗体のFcドメイン若しくはヒンジ領域又はその断片ではない。
【0418】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、ヒトIgG4のFcドメイン又はヒンジ領域である。
【0419】
ある具体的な実施形態によれば、Fcドメインリンカーは、配列番号95を含む。
【0420】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、ヒトIgG1のFcドメイン又はヒンジ領域である。
【0421】
ある具体的な実施形態によれば、Fcドメインリンカーは、配列番号96を含む。
【0422】
ある具体的な実施形態によれば、Fcドメイン又はヒンジ領域リンカーは、保存的及び非保存的アミノ酸置換(本明細書では突然変異とも称される)を含んでもよい。そのような置換は当技術分野で公知である。ある具体的な実施形態によれば、リンカーは機能的であってもよい。例えば、限定されるものではないが、リンカーは、フォールディング及び/又は安定性の改善、発現の向上、薬物動態の改善、及び/又はSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の生物活性の改善を行うように機能し得る。別の例では、リンカーは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質を特定の細胞型又は位置に標的化するように機能し得る。
【0423】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーはポリペプチドである。
【0424】
ポリペプチドリンカーの非限定的な例としては、LE、GGGGS(配列番号85)の配列を有するリンカー、(GGGGS)(n=1~4)(配列番号84)の配列を有するリンカー、GGGGSGGGG(配列番号83)の配列を有するリンカー、(GGGGS)×2(配列番号86)の配列を有するリンカー、(GGGGS)×2+GGGG(配列番号82)の配列を有するリンカー、(Gly)、(Gly)、(EAAAK)(n=1~3)(配列番号87)の配列を有するリンカー、A(EAAAK)A(n=2~5)(配列番号88)の配列を有するリンカー、AEAAAKEAAAKA(配列番号89)の配列を有するリンカー、A(EAAAK)ALEA(EAAAK)4A(配列番号90)の配列を有するリンカー、PAPAP(配列番号91)の配列を有するリンカー、K ESGSVSS EQ LAQ FRS LD(配列番号92)の配列を有するリンカー、EGKSSGSGSESKST(配列番号93)の配列を有するリンカー、GSAGSAAGSGEF(配列番号94)の配列を有するリンカー、及び(XP)(ここでXは、Ala、Lys、又はGluなどの任意のアミノ酸を指定する)の配列を有するリンカーが挙げられる。
【0425】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、GGGGS(配列番号85)、(GGGGS)(n=1~4)(配列番号84)、GGGGSGGGG(配列番号83)、(GGGGS)×2(配列番号86)、及び(GGGGS)×2+GGGG(配列番号82)からなる群から選択される。
【0426】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、(GGGGS)(n=1~4)(配列番号84)リンカーである。
【0427】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、GGGGS×2(配列番号86)リンカーである。
【0428】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、GGGGSGGGG(配列番号83)リンカーである。
【0429】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、(GGGGS)×2+GGGG(配列番号82)リンカーである。
【0430】
いくつかの実施形態において、SIRPα-4-1BBLは、1~6アミノ酸長のリンカーを含む。
【0431】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、実質的にグリシン及び/又はセリン残基(例えば、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約97%、又は100%のグリシン及びセリン)を含む。
【0432】
ある具体的な実施形態によれば、リンカーは、単一アミノ酸リンカーである。
【0433】
本発明のいくつかの実施形態では、SIRPαと4-1BBLとを連結するアミノ酸はグリシンであり、本明細書ではSIRPα-G-4-1BBL融合タンパク質とも称される。
【0434】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0435】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0436】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、及び18~21からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0437】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、及び18~21からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0438】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0439】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11と少なくとも95%の同一性を有する。
【0440】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号13と少なくとも95%の同一性を有する。
【0441】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号16と少なくとも95%の同一性を有する。
【0442】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0443】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0444】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、及び18~21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0445】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0446】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11を含む。
【0447】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号13を含む。
【0448】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号16を含む。
【0449】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列からなり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0450】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、及び18~21からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0451】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0452】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11からなる。
【0453】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号13からなる。
【0454】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号16からなる。
【0455】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、200~900アミノ酸長、200~800アミノ酸長、200~700アミノ酸長、250~650アミノ酸長、250~600アミノ酸長、又は250~550アミノ酸長であり、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0456】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、270~750アミノ酸長である。
【0457】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、290~750アミノ酸長である。
【0458】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、290~550アミノ酸長である。
【0459】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、297~543アミノ酸長である。
【0460】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、296~542アミノ酸長である。
【0461】
本発明のある具体的な実施形態で使用可能な具体的なSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非限定的な例は、本明細書の不可欠な部分として機能する、以下の実施例セクションの表4に示される。
【0462】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0463】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量よりも、1.5倍以上高い。
【0464】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量よりも、2倍以上高い。
【0465】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号5の産生収量よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0466】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号5の産生収量よりも1.5倍以上高い。
【0467】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号5の産生収量よりも2倍以上高い。
【0468】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号2の産生収量よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0469】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの産生収量は、同じ産生条件下での、配列番号3の産生収量よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0470】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の凝集体の量は、同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の凝集体の量よりも、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は95%以上少なく、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0471】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の凝集体の量は、同じ産生条件下での、配列番号5の凝集体の量よりも、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、又は95%以上少なく、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0472】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の凝集体の量は、同じ産生条件下での、配列番号5の凝集体の量よりも20%以上少なく、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0473】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の凝集体の量は、同じ産生条件下での、配列番号5の凝集体の量よりも50%以上少なく、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0474】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の活性は、例えば同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の活性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0475】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の活性は、例えば同じ産生条件下での、配列番号5の活性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0476】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの活性は、例えば同じ産生条件下での、配列番号2の活性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0477】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの活性は、例えば同じ産生条件下での、配列番号3の活性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0478】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の安定性は、同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の安定性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0479】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の安定性は、同じ産生条件下での、配列番号5の安定性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0480】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの安定性は、同じ産生条件下での、配列番号2の安定性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0481】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの安定性は、同じ産生条件下での、配列番号3の安定性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0482】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の安全性は、同じ産生条件下での、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列及び配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の安全性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0483】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の安全性は、同じ産生条件下での、配列番号5の安全性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0484】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの安全性は、同じ産生条件下での、配列番号2の安全性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0485】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの安全性は、同じ産生条件下での、配列番号3の安全性よりも、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、5倍以上高く、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
ある具体的な実施形態によれば、産生条件は、哺乳動物細胞での発現、及び32~37℃、5~10%COで5~13日間の培養を含む。
【0486】
本発明のある具体的な実施形態で使用可能な産生条件の非限定的な例は、下記の実施例のセクションに開示されている。
【0487】
こうして、例えば、N末端に人工シグナルペプチド(例えば、配列番号4)及びC末端にHisタグと終止コドンとを含む、融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドをコードする発現ベクターは、Expi293F細胞又はExpiCHO細胞などの哺乳動物細胞で発現される。次に、形質導入細胞を、Expi293F細胞又はExpiCHO細胞の製造業者(Thermo社)の指示に従って、細胞特異的培地で32~37℃、5~10%COで培養し、少なくとも培養5日後に、タンパク質を上清から収集して精製する。
【0488】
ある具体的な実施形態によれば、培養は、バッチ、分割バッチ(split-batch)、流加培養(fed-batch)、又は灌流様式で行われる。
【0489】
ある具体的な実施形態によれば、培養は流加培養条件下で行われる。
【0490】
ある具体的な実施形態によれば、培養は37℃で行われる。
【0491】
ある具体的な実施形態によれば、培養を37℃で行い32℃へ移行する。この温度移行により、定常期に達する前に細胞の代謝を遅くすることができる。
【0492】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、CD47に結合することが可能である。
【0493】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドの非存在下での場合と比較して、食細胞によるCD47を発現する病的細胞の食作用を増強することが可能である。
【0494】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、配列番号2と比較して、本明細書に開示されるように増強された活性を有する。
【0495】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、以下の少なくとも1つが可能である:
(i)4-1BBを結合すること、
(ii)上記4-1BBを発現する細胞において上記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、及び/又は
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること。
【0496】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、配列番号3と比較して、本明細書に開示されるように増強された活性を有する。
【0497】
ある具体的な実施形態によれば、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、(i)、(ii)、(iii)、(i)+(ii)、(i)+(iii)、(ii)+(iii)、及び(i)+(ii)+(iii)が可能である。
【0498】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、以下の少なくとも1つが可能である:
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)4-1BBを発現する免疫細胞(例えばT細胞)において4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)上記4-1BBを発現する免疫細胞(例えばT細胞)を活性化すること、及び/又は
(iv)SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞によるCD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること。
【0499】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、配列番号2に記載のSIRPαアミノ酸配列と配列番号3に記載の4-1BBLアミノ酸配列とを含む融合タンパク質と比較して、本明細書に開示されるように増強された活性を有する。
【0500】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、配列番号5と比較して、本明細書に開示されるように増強された活性を有する。
【0501】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(i)+(ii)、(i)+(iii)、(i)+(iv)、(ii)+(iii)、(ii)+(iv)、(i)+(ii)+(iii)、(i)+(ii)+(iv)、(ii)+(iii)+(iv)が可能である。
【0502】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、(i)+(ii)+(iii)+(iv)が可能である。
【0503】
結合、4-1BBシグナル伝達経路の活性化、免疫細胞の活性化を測定する方法は、当技術分野で周知であり、本明細書の上記及び下記並びに以下の実施例のセクションでさらに説明する。
【0504】
ある具体的な実施形態によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、食細胞によるCD47を発現する病的細胞の食作用を増強する。
【0505】
食作用を分析する方法は当技術分野で周知であり、以下の実施例セクションの実験4にも開示されている。例えば、死滅アッセイ、フローサイトメトリー、及び/又は顕微鏡評価(生細胞イメージング、蛍光顕微鏡共焦点顕微鏡、電子顕微鏡)が挙げられる。
【0506】
ある具体的な実施形態によれば、例えばフローサイトメトリー又は顕微鏡評価によって決定される、食作用の増強は、本発明のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞が存在しない場合と比較して、1.5倍以上、2倍以上、3倍以上、5倍以上、10倍以上、又は20倍以上である。
【0507】
ある具体的な実施形態によれば、例えばフローサイトメトリー又は顕微鏡評価によって決定される、生存率の増加は、本発明のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞が存在しない場合と比較して、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%、又は100%以上である。
【0508】
本発明のいくつかの実施形態の組成物(例えば、融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド若しくは核酸、又はそれを発現する宿主細胞)は免疫細胞を活性化することが可能であるため、それらは、インビトロ、エクスビボ、及び/又はインビボで免疫細胞を活性化する方法で使用され得る。
【0509】
よって、本発明の一態様によれば、免疫細胞を活性化する方法が提供され、上記方法は、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞の存在下において、インビトロ又はエクスビボで免疫細胞を活性化することを含む。
【0510】
本発明の別の態様によれば、T細胞を活性化する方法が提供され、上記方法は、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質及びCD47を発現する細胞の存在下において、インビトロ又はエクスビボでT細胞を活性化することを含む。
【0511】
本発明の別の態様によれば、食細胞を活性化する方法が提供され、上記方法は、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質及び/又はSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、並びにCD47を発現する細胞の存在下において、インビトロ又はエクスビボで食細胞を活性化することを含む。
【0512】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞の存在下で行われる。
【0513】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞の存在下で行われる。
【0514】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞の存在下で行われる。
【0515】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞;及び、4-1BBLアミノ酸配列、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞の存在下で行われる。
【0516】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は4-1BBを発現する。
【0517】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は末梢血単核細胞(PBMC)を含む。
【0518】
本明細書で使用される場合、「末梢単核血球(peripheral mononuclear blood cell、PBMC)」という用語は、単一の核を有する血球を指し、リンパ球、単球、及び樹状細胞(dendritic cell、DC)を含む。
【0519】
ある具体的な実施形態によれば、PBMCは、樹状細胞(DC)、T細胞、B細胞、NK細胞、及びNKT細胞からなる群から選択される。
【0520】
ある具体的な実施形態によれば、PBMCは、T細胞、B細胞、NK細胞、及びNKT細胞を含む。
【0521】
PBMCを取得する方法(対象から全血を採取し、抗凝固剤(例えば、ヘパリン又はクエン酸塩)を含む容器に収集するなど)、並びにアフェレーシス(apheresis)は当技術分野で周知である。続いて、ある具体的な実施形態によれば、少なくとも1つのタイプのPBMCが末梢血から精製される。全血からPBMCを精製するための当業者に公知のいくつかの方法及び試薬が存在し、白血球アフェレーシス、沈降、密度勾配遠心分離(例えば、Ficoll(登録商標))、遠心水簸、分画、例えば赤血球などの化学溶解(例えば、ACKによる)、細胞表面マーカーを使用した特定の細胞型の選択(例えば、FACSソーター、又はInvitrogen社、Stemcell Technologies社、CellPro社、Advanced Magnetics社、若しくはMiltenyi Biotec社から市販されている磁気細胞分離技術を使用)、及び特定の抗体による根絶(例えば、死滅)などの方法による又は陰性選択に基づくアフィニティーベースの精製(例えば、磁気細胞分離技術、FACSソーター及び/又はキャプチャELISA標識を使用)による、特定の細胞型の枯渇などが挙げられる。そのような方法は、例えば、THE HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY, Volumes 1 to 4,(D.N. Weir編)及びFLOW CYTOMETRY AND CELL SORTING(A. Radbruch, editor, Springer Verlag, 2000)に記載されている。
【0522】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は腫瘍浸潤リンパ球を含む。
【0523】
本明細書で使用される場合、「腫瘍浸潤リンパ球(tumor infiltrating lymphocyte、TIL)」という用語は、血流から外れて腫瘍に移動した単核白血球を指す。
【0524】
ある具体的な実施形態によれば、TILは、T細胞、B細胞、NK細胞、単球からなる群から選択される。
【0525】
TILを取得する方法は、例えば、生検又は剖検により対象から腫瘍試料を取得し、その単一細胞懸濁液を調製するなど、当技術分野で周知である。単一細胞懸濁液は、任意の適切な方法で得ることができ、例えば、機械的に(例えば、gentleMACS(商標)Dissociator(Miltenyi Biotec社、カリフォルニア州オーバーン)を使用して腫瘍を分解する)又は酵素的に(例えば、コラゲナーゼ又はDNase)得ることができる。続いて、少なくとも1つのタイプのTILを細胞懸濁液から精製することができる。所望のタイプのTILを精製するための当業者に公知のいくつかの方法及び試薬が存在し、細胞表面マーカーを使用した特定の細胞型の選択(例えば、FACSソーター、又はInvitrogen社、Stemcell Technologies社、CellPro社、Advanced Magnetics社、若しくはMiltenyi Biotec社から市販されている磁気細胞分離技術を使用)、及び特定の抗体による根絶(例えば、死滅)などの方法による又は陰性選択に基づくアフィニティーベースの精製(例えば、磁気細胞分離技術、FACSソーター及び/又はキャプチャELISA標識を使用)による、特定の細胞型の枯渇などが挙げられる。そのような方法は、例えば、THE HANDBOOK OF EXPERIMENTAL IMMUNOLOGY, Volumes 1 to 4,(D.N. Weir編)及びFLOW CYTOMETRY AND CELL SORTING(A. Radbruch, editor, Springer Verlag, 2000)に記載されている。
【0526】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は食細胞を含む。
【0527】
本明細書で使用される場合、「食細胞」という用語は、食作用が可能な細胞であり、プロフェッショナル食細胞及びノンプロフェッショナル食細胞の両方を含む。食作用を分析する方法は当技術分野で周知であり、本明細書の上記及び下記にさらに開示されている。ある具体的な実施形態によれば、食細胞は、単球、樹状細胞(DC)、及び顆粒球からなる群から選択される。
【0528】
ある具体的な実施形態によれば、食細胞は顆粒球を含む。
【0529】
ある具体的な実施形態によれば、食細胞は単球を含む。
【0530】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は単球を含む。
【0531】
ある具体的な実施形態によれば、「単球」という用語は、循環血液中の単球(circulating monocytes)及び組織に存在するマクロファージ(単核食細胞とも称される)の両方を指す。
【0532】
ある具体的な実施形態によれば、単球はマクロファージを含む。通常、マクロファージの細胞表面表現型としては、CD14、CD40、CD11b、CD64、F4/80(マウス)/EMR1(ヒト)、リゾチームM、MAC-1/MAC-3、及びCD68が含まれる。
【0533】
ある具体的な実施形態によれば、単球は循環血液中の単球を含む。通常、循環血液中の単球の細胞表面表現型としては、CD14及びCD16(例えば、CD14++ CD16-、CD14+ CD16++、CD14++ CD16+)が含まれる。
【0534】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞はDCを含む。
【0535】
本明細書で使用される場合、「樹状細胞(DC)」という用語は、リンパ組織又は非リンパ組織に見られる形態学的に類似した細胞型の多様な集団の任意のメンバーを指す。DCはプロフェッショナル抗原提示細胞のクラスであり、HLA拘束性T細胞を感作する高い能力を有する。DCとしては、例えば、形質細胞様樹状細胞、骨髄性樹状細胞(未成熟及び成熟樹状細胞を含む)、ランゲルハンス細胞、指状嵌入細胞、濾胞樹状細胞が含まれる。樹状細胞は、機能によって、又は表現型によって、特に細胞表面の表現型によって認識され得る。これらの細胞は、細胞表面にベール様の突起を有する独特の形態、中~高レベルの表面HLAクラスII発現、及びT細胞、特にナイーブT細胞に抗原を提示する能力を特徴とする(Steinman R, et al., Ann. Rev. Immunol. 1991; 9:271-196を参照)。通常、DCの細胞表面表現型としては、CDla+、CD4+、CD86+、又はHLA-DRが含まれる。DCという用語には、未成熟DC及び成熟DCの両方が包含される。
【0536】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は顆粒球を含む。
【0537】
本明細書で使用される場合、「顆粒球」という用語は、細胞質に顆粒が存在することを特徴とする多形核白血球を指す。
【0538】
ある具体的な実施形態によれば、顆粒球は好中球を含む。
【0539】
ある具体的な実施形態によれば、顆粒球は肥満細胞を含む。
【0540】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞はT細胞を含む。
【0541】
本明細書で使用される場合、「T細胞」という用語は、CD3+、かつCD4+又はCD8+表現型のいずれかを有するT細胞受容体(TCR)+の分化したリンパ球を指す。T細胞はエフェクターT細胞又は制御性T細胞のいずれかである。
【0542】
本明細書で使用される場合、「エフェクターT細胞」という用語は、例えばサイトカインを産生することにより他の免疫細胞を活性化若しくは指示する、又は細胞傷害活性を有するT細胞を指し、例えば、CD4+、Th1/Th2、CD8+細胞傷害性Tリンパ球である。
【0543】
本明細書で使用される場合、「制御性T細胞」又は「Treg」という用語は、エフェクターT細胞を含む他のT細胞、及び自然免疫系細胞の活性化を負に調節するT細胞を指す。Treg細胞は、エフェクターT細胞応答の持続的な抑制を特徴とする。特定の一実施形態によれば、TregはCD4+CD25+Foxp3+T細胞である。
【0544】
ある具体的な実施形態によれば、T細胞はCD4+T細胞である。
【0545】
別のある具体的な実施形態によれば、T細胞はCD8+T細胞である。
【0546】
ある具体的な実施形態によれば、T細胞はメモリーT細胞である。メモリーT細胞の非限定的な例としては、CD3+/CD4+/CD45RA-/CCR7-表現型を有するエフェクターメモリーCD4+T細胞、CD3+/CD4+/CD45RA-/CCR7+表現型を有するセントラルメモリーCD4+T細胞、CD3+/CD8+CD45RA-/CCR7-表現型を有するエフェクターメモリーCD8+T細胞、及びCD3+/CD8+CD45RA-/CCR7+表現型を有するセントラルメモリーCD8+T細胞が挙げられる。
【0547】
ある具体的な実施形態によれば、T細胞は、目的の発現産物をコードする核酸配列で形質導入された改変T細胞を含む。
【0548】
ある具体的な実施形態によれば、目的の発現産物は、T細胞受容体(T cell receptor、TCR)又はキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)である。
【0549】
本明細書で使用される場合、「TCRをコードする核酸配列で形質導入される」又は「TCRをコードする核酸配列で形質導入する」という句は、MHCの観点においての提示された目的の抗原に対しての特異性(specificity against a desired antigen presented in the context of MHC)を有するT細胞からの可変α鎖及びβ鎖のクローニングを指す。TCRで形質導入する方法は当技術分野で公知であり、例えば、Nicholson et al. Adv Hematol. 2012; 2012:404081; Wang and Riviere Cancer Gene Ther. 2015 Mar;22(2):85-94)及びLamers et al, Cancer Gene Therapy(2002) 9, 613-623に開示されている。
【0550】
本明細書で使用される場合、「CARをコードする核酸配列で形質導入される」又は「CARをコードする核酸配列で形質導入する」という句は、キメラ抗原受容体(CAR)をコードする核酸配列のクローニングを指し、CARは、抗原認識部分及びT細胞活性化部分を含む。キメラ抗原受容体(CAR)は、T細胞シグナル伝達又はT細胞活性化ドメインに連結された抗体の抗原結合ドメイン(例えば、一本鎖可変断片(scFv))を含む人工的に構築されたハイブリッドタンパク質又はハイブリッドポリペプチドである。CARで形質導入する方法は当技術分野で公知であり、Davila et al. Oncoimmunology. 2012 Dec 1;1(9):1577-1583、Wang and Riviere Cancer Gene Ther. 2015 Mar;22(2):85-94)、Maus et al. Blood. 2014 Apr 24;123(17):2625-35、Porter DL The New England journal of medicine. 2011, 365(8):725-733、Jackson HJ, Nat Rev Clin Oncol. 2016;13(6):370-383、及びGloberson-Levin et al. Mol Ther. 2014;22(5):1029-1038に開示されている。
【0551】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞はB細胞を含む。
【0552】
本明細書で使用される場合、「B細胞」という用語は、B細胞受容体(BCR)+、CD19+、及び/又はB220+表現型を有するリンパ球を指す。B細胞は、特定の抗原に結合し、体液性応答を誘発する能力を特徴とする。
【0553】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞はNK細胞を含む。
【0554】
本明細書で使用される場合、「NK細胞」という用語は、CD16+CD56+及び/又はCD57+TCR-表現型を有する分化したリンパ球を指す。NKは、特定の細胞溶解酵素の活性化によって「自己」MHC / HLA抗原を発現できない細胞に結合して殺傷する能力、NK活性化受容体のリガンドを発現する腫瘍細胞又は他の疾患細胞を殺傷する能力、及び免疫応答を刺激又は阻害するサイトカインと称されるタンパク質分子を放出する能力を特徴とする。
【0555】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞はNKT細胞を含む。
【0556】
本明細書で使用される「NKT細胞」という用語は、半不変のαβT細胞受容体を発現するが、NK1.1などのNK細胞に典型的に関連する様々な分子マーカーも発現するT細胞の特殊な集団を指す。NKT細胞としては、NK1.1+及びNK1.1-、並びにCD4+、CD4-、CD8+、及びCD8-細胞が挙げられる。NKT細胞のTCRは、MHCI様分子CD1dによって提示される糖脂質抗原を認識するという点で固有である。NKT細胞は、炎症又は免疫寛容のいずれかを促進するサイトカインを産生する能力があるため、保護効果又は有害効果のいずれかを持つ可能性がある。
【0557】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は健康な対象から得られる。
【0558】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は、病状(例えば、がん)を有している対象から得る。
【0559】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、CD47を発現する細胞又は外因性CD47の存在下で行われる。
【0560】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は外因性CD47の存在下で行われる。
【0561】
ある具体的な実施形態によれば、外因性CD47は可溶性である。
【0562】
別のある具体的な実施形態によれば、外因性CD47は固体支持体に固定化される。
【0563】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、CD47を発現する細胞の存在下で行われる。
【0564】
ある具体的な実施形態によれば、CD47を発現する細胞は、病的(疾患)細胞を含む。
【0565】
ある具体的な実施形態によれば、CD47を発現する細胞は、がん細胞を含む。
【0566】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は、細胞増殖、成熟、サイトカイン産生、食作用、及び/又は免疫細胞の制御機能又はエフェクター機能の誘導を起こす一次活性化シグナル[例えば、抗原提示細胞(APC)上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)/ペプチド複合体とT細胞受容体(TCR)のライゲーション]を少なくとも伝達可能な刺激剤の存在下で行われる。ある具体的な実施形態によれば、刺激因子は、二次共刺激シグナルを伝達することも可能である。
【0567】
刺激剤の量及び刺激剤と免疫細胞との比率を決定する方法は、充分に当業者の能力の範囲内であり、したがって、本明細書では特定しない。
【0568】
刺激剤は、抗原依存性又は非依存性(すなわち、ポリクローナル)の方法で免疫細胞を活性化し得る。
【0569】
ある具体的な実施形態によれば、刺激剤は、抗原非特異的刺激因子を含む。
【0570】
非特異的刺激因子は当業者に公知である。よって、非限定的な例として、免疫細胞がT細胞を含む場合、抗原非特異的刺激因子は、T細胞表面構造に結合して、T細胞のポリクローナル刺激を誘導可能な薬剤であり得、非限定的な例として、抗CD28抗体などの共刺激タンパク質と組み合わせた抗CD3抗体などが挙げられる。他の非限定的な例としては、抗CD2、抗CD137、抗CD134、ノッチリガンド(例えばDelta-like 1/4(DLL1/4)やJaggedl/2)が挙げられ、これらは単独で又は抗CD3と様々に組み合わせられる。T細胞のポリクローナル刺激を誘発し得る他の薬剤には、マイトジェン、PHA、PMA-イオノマイシン、CEB、及びCytoStim(商標)(Miltenyi Biotech社)が含まれるが、これらに限定されない。ある具体的な実施形態によれば、抗原非特異的刺激因子は、抗CD3及び抗CD28抗体を含む。ある具体的な実施形態によれば、T細胞刺激因子は、Miltenyi Biotec社から入手したCD3CD28 MACSiBeadsなどの抗CD3及び抗CD28コーティングビーズを含む。
【0571】
ある具体的な実施形態によれば、刺激剤は、抗原特異的刺激因子を含む。
【0572】
抗原特異的T細胞刺激因子の非限定的な例としては、抗原負荷抗原提示細胞[APC、例えば、樹状細胞]及びペプチド負荷組換えMHCが挙げられる。したがって、例えば、T細胞刺激因子は、所望の抗原(例えば、腫瘍抗原)が事前に負荷された、又は所望の抗原をコードするmRNAでトランスフェクトされた樹状細胞であり得る。
【0573】
ある具体的な実施形態によれば、抗原はがん抗原である。
【0574】
本明細書で使用される場合、「がん抗原」という用語は、非がん性細胞と比較して、がん性細胞で過剰発現されるか又はがん細胞のみで発現される抗原を指す。がん抗原は、公知のがん抗原、又はがん細胞で発生する新しい特異的抗原(すなわち、新抗原)であり得る。
【0575】
公知のがん抗原の非限定的な例としては、MAGE-A1、MAGE-A2、MAGE-A3、MAGE-A4、MAGE-AS、MAGE-A6、MAGE-A7、MAGE-AS、MAGE-A9、MAGE-A10、MAGE-All、MAGE-A12、GAGE-1、GAGE-2、GAGE-3、GAGE-4、GAGE-5、GAGE-6、GAGE-7、GAGE-8、BAGE-1、RAGE-1、LB33/MUM-1、PRAME、NAG、MAGE-Xp2(MAGE-B2)、MAGE-Xp3(MAGE-B3)、MAGE-Xp4(MAGE-B4)、MAGE-Cl/CT7、MAGE-C2、NY-ES0-1、LAGE-1、SSX-1、SSX-2(HOM-MEL-40)、SSX-3、SSX-4、SSX-5、SCP-1、及びXAGE、メラノサイト分化抗原、p53、ras、CEA、MUCI、PMSA、PSA、チロシナーゼ、Melan-A、MART-I、gplOO、gp75、αアクチニン-4、Bcr-Abl融合タンパク質、Casp-8、βカテニン、cdc27、cdk4、cdkn2a、coa-l、dek-can融合タンパク質、EF2、ETV6-AML1融合タンパク質、LDLR-フコシルトランスフェラーゼAS融合タンパク質、HLA-A2、HLA-All、hsp70-2、KIAA0205、Mart2、Mum-2及び3、neo-PAP、ミオシンクラスI、OS-9、pml-RARα融合タンパク質、PTPRK、K-ras、N-ras、トリオースリン酸イソメラーゼ、GnTV、Herv-K-mel、NA-88、SP17、及びTRP2-Int2(MART-I)、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR、エプスタイン・バール・ウイルス抗原、EBNA、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、p185erbB2、plSOerbB-3、c-met、nm-23Hl、PSA、TAG-72-4、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、α-フェトプロテイン、13HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3(CA 27.29\BCAA)、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68\KP1、C0-029、FGF-5、0250、Ga733(EpCAM)、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB\170K、NYCO-I、RCASI、SDCCAG16、TA-90(Mac-2結合タンパク質\シクロフィリンC関連タンパク質)、TAAL6、TAG72、TLP、TPS、チロシナーゼ関連タンパク質、TRP-1、又はTRP-2が挙げられる。
【0576】
発現され得る他の腫瘍抗原は当技術分野で周知である(例えば、WO00/20581;Cancer Vaccines and Immunotherapy(2000) Eds Stern, Beverley and Carroll, Cambridge University Press, Cambridgeを参照)。これらの腫瘍抗原の配列は、公開データベースから容易に入手できるが、WO1992/020356(A1)、WO1994/005304(A1)、WO1994/023031(A1)、WO1995/020974(A1)、WO1995/023874(A1)、及びWO1996/026214(A1)にも記載されている。
【0577】
代替的に又は追加的に、腫瘍抗原は、例えば生検によって、対象から得られたがん細胞を使用して同定されてもよい。
【0578】
したがって、ある具体的な実施形態によれば、刺激剤はがん細胞を含む。
【0579】
ある具体的な実施形態によれば、活性化は抗がん剤の存在下で行われる。
【0580】
ある具体的な実施形態によれば、免疫細胞は活性化後に精製される。
【0581】
したがって、本発明はまた、本発明の方法によって取得可能な単離された免疫細胞も意図している。
【0582】
ある具体的な実施形態によれば、本発明によって使用及び/又は得られる免疫細胞は、任意の段階で、新たに単離され、将来使用ための長期間(例えば、数ヶ月、数年)、例えば液体窒素温度で、凍結保存(すなわち、凍結)されて保存され得、細胞株であり得る。
【0583】
凍結保存の方法は、当業者に公知であり、例えば、国際特許出願公開番号WO2007054160号及びWO2001039594号並びに米国特許出願第US20120149108に開示されている。
【0584】
ある具体的な実施形態によれば、本発明によって得られた細胞は、細胞バンク又は保管庫若しくは貯蔵施設に貯蔵されていてもよい。
【0585】
結果として、本教示はさらに、本発明の単離免疫細胞の使用及び方法を、免疫細胞を活性化することから恩恵を受け得る疾患(例えば、過剰増殖性疾患や免疫抑制と感染症に関連する病気)に対する養子免疫細胞療法の供給源として使用することを提案するが、これらに限定されない。
【0586】
したがって、ある具体的な実施形態によれば、本発明の方法は、活性化に続いて、必要とする対象に免疫細胞を養子移入することを含む。
【0587】
ある具体的な実施形態によれば、本発明の方法によって得られる、養子細胞療法で使用するための免疫細胞が提供される。
【0588】
本発明のある具体的な実施形態に従って使用される細胞は、自家又は非自家であり得、それらは同系又は非同系であり得、対象に対して同種又は異種であり得、ここで、それぞれの選択肢は本発明の別個の実施形態を表す。
【0589】
本教示はまた、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置する方法において、本発明の組成物(例えば、融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞)を使用することを意図している。
【0590】
よって、本発明の別の態様によれば、処置を必要とする対象に、本明細書に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、及び/又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又はそれをコードする宿主細胞を投与することを含む、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置するための方法が提供される。
【0591】
本発明の別の態様によれば、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患の処置に使用するための、本明細書に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、及び/又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又はそれをコードする宿主細胞が提供される。
【0592】
ある具体的な実施形態によれば、処置すること又は処置は、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を用いて行われる。
【0593】
ある具体的な実施形態によれば、処置すること又は処置は、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を用いて行われる。
【0594】
ある具体的な実施形態によれば、処置すること又は処置は、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を用いて行われる。
【0595】
ある具体的な実施形態によれば、処置すること又は処置は、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞、及び4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を用いて行われる。
【0596】
本明細書において「処置する(treating)」又は「処置(treatment)」という用語は、病状(疾患、障害又は医学的状態)の発症を阻害、予防又は停止し、且つ/又は病状又は病状の兆候を減退、寛解、又は後戻りさせることを意味する。当業者は、種々の方法及びアッセイを使用して病状の発現を評価することができ、同様に、種々の方法及びアッセイを使用して、病状の減退、寛解又は後戻りを評価しうることを理解するであろう。
【0597】
本明細書において「対象」という用語は、哺乳動物、例えば、任意の年齢及び任意の性別のヒトを含む。ある具体的な実施形態によれば、「対象」という用語は、病状(疾患、障害又は医学的状態)に罹患している対象をいう。ある具体的な実施形態によれば、この用語は、病状を発症するおそれのある個体(individuals)を包含する。
【0598】
ある具体的な実施形態によれば、対象は、CD47を発現している細胞に関連する疾患に罹患している。
【0599】
ある具体的な実施形態によれば、対象の罹患細胞はCD47を発現する。
【0600】
本明細書において「免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患」とのフレーズは、対象の免疫応答活性が、少なくとも疾患の症状を改善する又は症状の発症を遅延させるのには十分であり得るが、何らかの理由で、その際の対象の免疫応答の活性が最適には及ばない疾患をいう。
【0601】
免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患の非限定的な例には、過剰増殖性疾患、免疫抑制に関連する疾患、薬物療法(例えば、mTOR阻害剤、カルシニューリン阻害剤、ステロイド)によって引き起こされる免疫抑制、及び感染症が含まれる。
【0602】
ある具体的な実施形態によれば、前記疾患は、過剰増殖性疾患を含む。
【0603】
ある具体的な実施形態によれば、前記過剰増殖性疾患は、硬化症、線維症、特発性肺線維症、乾癬、全身性硬化症/強皮症、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、肝線維症、放射線誘発性肺線維症の予防、骨髄線維症、又は後腹膜線維症を含む。
【0604】
別のある具体的な実施形態によれば、前記過剰増殖性疾患はがんを含む。
【0605】
よって、本発明の別の態様によれば、本明細書に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/又は4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドを、それを必要とする対象に投与することを含む、がんを処置する方法が提供される。
【0606】
本明細書で使用される場合、がんという用語は、悪性がん及び前悪性がんの両方を包含する。
【0607】
前がん性又は良性の形態のがんに関して、任意で前悪性のがんの悪性形態への進行を停止させるために、前記組成物及び方法を適用してもよい。
【0608】
本発明のいくつかの実施形態の方法によって処置することができるがんは、任意の固形又は非固形のがん及び/又はがん転移であり得る。
【0609】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは悪性がんを含む。
【0610】
がんの例には、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が含まれるが、これらに限定されない。かかるがんのより具体的な例には:扁平上皮がん、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、肺扁平上皮がんを含む)、腹膜がん、肝細胞がん、胃がん(消化器がんを含む)、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝細胞がん(ヘパトーマ)、乳がん、結腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がん又は子宮がん、唾液腺がん、腎臓がん又は腎臓がん、肝臓がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝がん、様々な種類の頭頸部がん、並びにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);バーキット(Burkitt)リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffused large B cell lymphoma、DLBCL)、小リンパ球性(SL)非ホジキンリンパ腫(NHL);中等度濾胞性NHL;中等度びまん性NHL;高度免疫芽球性NHL;高度リンパ芽球性NHL;高度小型非切れ込み核細胞性NHL;巨大腫瘤性NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む); T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);急性骨髄性白血病(AML)、急性前骨髄球性白血病(APL)、有毛細胞白血病;慢性骨髄芽球性白血病(CML);及び移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)、並びに母斑症に関連する異常な血管増殖、浮腫(脳腫瘍に関連するものなど)、及びMeigs症候群が含まれる。好ましくは、前記がんは、乳がん、結腸直腸がん、直腸がん、非小細胞肺がん、非ホジキンリンパ腫(NHL)、腎細胞がん、前立腺がん、肝臓がん、膵臓がん、軟部肉腫、カポジ肉腫、カルチノイドがん、頭頸部がん、黒色腫、卵巣がん、中皮腫、及び多発性骨髄腫からなる群より選択される。本発明の処置に適したがん性状態には、転移性がんが含まれる。
【0611】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは前悪性がんを含む。
【0612】
前悪性がん(又は前がん)は充分に特徴付けられており、当技術分野で公知である(例えば、Berman JJ. and Henson DE., 2003. Classifying the precancers: a metadata approach. BMC Med Inform Decis Mak. 3:8を参照)。本発明の方法による処置に適した前悪性がんのクラスには、後天性の小さな又は顕微鏡的な前悪性がん、核異型を伴う後天性の大きな病変、がんに進行する遺伝性過形成症候群で発生する前駆病変、及び後天性びまん性過形成及びびまん性化生が含まれる。小さな又は顕微鏡的な前悪性がんの例には、HGSIL(子宮頸部の高度扁平上皮内病変)、AIN(肛門上皮内新生物)、声帯の異形成、(結腸の)異常な陰窩、PIN(前立腺上皮内新生物)が含まれる。核異型を伴う後天性の大きな病変の例には、尿細管腺腫、AILD(異常蛋白血症を伴う血管免疫芽球性リンパ節症)、非定型髄膜腫、胃ポリープ、大局面型類乾癬、骨髄異形成、乳頭状移行上皮内がん、過剰な芽球を伴う難治性貧血、及びシュナイダー乳頭腫が含まれる。がんに進行する遺伝性過形成症候群で発生する前駆病変の例には、非定型ほくろ症候群、C細胞腺腫症、及びMEAが含まれる。後天性びまん性過形成及びびまん性化生の例には、AIDS、非定型リンパ過形成、骨パジェット病、移植後リンパ増殖性疾患、及び潰瘍性大腸炎が含まれる。
【0613】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは、白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性骨髄性白血病(AML)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞慢性リンパ性白血病(B-CLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、pre-B急性リンパ芽球性白血病(pre-B ALL)、平滑筋肉腫、卵巣がん、乳がん、結腸がん、膀胱がん、膠芽腫、肝細胞がん、前立腺がん、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、多発性骨髄腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、結腸直腸がん、黒色腫、頭頸部がん、辺縁帯B細胞リンパ腫、膵臓管腺がん、又は脳腫瘍である。
【0614】
いくつかの実施形態によれば、前記がんは、急性骨髄性白血病、膀胱がん、乳がん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、結腸直腸がん、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、上皮性卵巣がん、上皮性腫瘍、卵管がん、濾胞性リンパ腫、多形性膠芽腫、肝細胞がん、頭頸部がん、白血病、リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、鼻咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、卵巣がん、前立腺がん、又は腎細胞がんである。
【0615】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんはリンパ腫、白血病及び癌腫からなる群より選択される。
【0616】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんはリンパ腫、白血病、大腸がん、膵臓がん、卵巣がん、肺がん及び扁平上皮がんからなる群より選択される。
【0617】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは大腸がんである。
【0618】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは卵巣がんである。
【0619】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは肺がんである。
【0620】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは頭部がんである。
【0621】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは白血病である。
【0622】
ある具体的な実施形態によれば、前記白血病は、急性非リンパ球性白血病、慢性リンパ性白血病、急性顆粒球性白血病、慢性顆粒球性白血病、急性前骨髄球性白血病、成人T細胞白血病、非白血性白血病、白血球血症性白血病(leukocythemic leukemia)、好塩基球性白血病、芽球性白血病、ウシ白血病、慢性骨髄性白血病、皮膚白血病、胚性細胞性白血病、好酸球性白血病、()ross’白血病、有毛細胞白血病、血芽球性白血病(hemoblastic Leukemia)、血球芽細胞性白血病(hemocyteblastic leukemia)、組織球性白血病、幹細胞白血病、急性単球性白血病、白血球減少性白血病、リンパ性白血病、リンパ芽球性白血病、リンパ球性白血病、リンパ性(リンパ行性)白血病、リンパ性白血病、リンパ肉腫細胞白血病、マスト細胞白血病、巨核球性白血病、微小骨髄芽球性白血病(micromyeloblastic leukemia)、単球性白血病、骨髄芽球性白血病、骨髄球性白血病、骨髄性顆粒球性白血病、骨髄単球性白血病、ネーゲリ型白血病、形質細胞白血病(plasma cell leukemia)、形質細胞性白血病(plasmacytic leukemia)、前骨髄球性白血病、ーRieder細胞白血病、シリング型白血病、幹細胞白血病、亜白血性白血病、及び未分化細胞白血病からなる群より選択される。
【0623】
ある具体的な実施形態によれば、前記白血病は、前骨髄性白血病、急性骨髄性白血病又は慢性骨髄性白血病である。
【0624】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんはリンパ腫である。
【0625】
ある具体的な実施形態によれば、前記リンパ腫はB細胞リンパ腫である。
【0626】
ある具体的な実施形態によれば、前記リンパ腫はT細胞リンパ腫である
【0627】
別のある具体的な実施形態によれば、前記リンパ腫はホジキンリンパ腫である。
【0628】
ある具体的な実施形態によれば、前記リンパ腫は非ホジキンリンパ腫である。
【0629】
ある具体的な実施形態によれば、前記非ホジキンリンパ腫は、アグレッシブNHL、形質転換NHL、低悪性度(インドレント)NHL、再発性NHL、難治性NHL、低悪性度NHL、濾胞性リンパ腫、大細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、NK細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性リンパ腫、及び菌状息肉腫/セザリー症候群を含む皮膚T細胞がんからなる群より選択される。
【0630】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは、多発性骨髄腫である。
【0631】
少なくともいくつかの実施形態によれば、前記多発性骨髄腫は:κ型の軽鎖及び/又はλ型の軽鎖を産生する多発性骨髄腫がん;原発性形質細胞白血病(PCL)などのアグレッシブ多発性骨髄腫;MGUS(意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症)、多発性骨髄腫に進行する可能性があるワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM、リンパ形質細胞性リンパ腫としても知られる)などの良性形質細胞障害;くすぶり型多発性骨髄腫(SMM)、インドレント多発性骨髄腫、多発性骨髄腫に進行する可能性のある前悪性の多発性骨髄腫;原発性アミロイドーシスからなる群より選択される。
【0632】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんは、腫瘍微小環境に腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を有する腫瘍、及び/又は腫瘍微小環境にCD47が比較的高発現している腫瘍の存在によって定義される。
【0633】
ある具体的な実施形態によれば、前記がんの細胞は、CD47を発現する。
【0634】
ある具体的な実施形態によれば、前記疾患は、免疫抑制に関連する疾患、又は薬物療法(mTOR阻害剤、カルシニューリン阻害剤、ステロイドなど)によって引き起こされる又は免疫抑制を含む。
【0635】
本発明のある具体的な実施形態によれば、前記疾患には、HIV、はしか、インフルエンザ、LCCM、RSV、ヒトライノウイルス、EBV、CMV、及びパルボウイルスが含まれる。
【0636】
ある具体的な実施形態によれば、前記疾患は感染を含む。
【0637】
本明細書で使用される場合、「感染」又は「感染症」という用語は、病原体によって誘発される疾患を指す。病原体の具体例には、ウイルス性病原体、細菌性病原体、例えば、細胞内マイコバクテリア病原体(例えば、Mycobacterium tuberculosisなど)、細胞内細菌性病原体(例えば、Listeria monocytogenesなど)、又は細胞内原生動物病原体(例えば、Leishmania及びTrypanosomaなど)などが含まれる。
【0638】
本発明の教示に従って処置可能な感染症を引き起こすウイルス性病原体の具体的な種類には、レトロウイルス、サーコウイルス、パルボウイルス、パポーバウイルス、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、イリドウイルス、ポックスウイルス、ヘパドナウイルス、ピコルナウイルス、カリシウイルス、トガウイルス、フラビウイルス、レオウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウイルス、ラブドウイルス、ブニヤウイルス、コロナウイルス、アレナウイルス、及びフィロウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0639】
本発明の教示に従って処置され得るウイルス感染の具体的な例には、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に誘発される後天性免疫不全症候群(AIDS)、インフルエンザ、ライノウイルス感染症、ウイルス性髄膜炎、エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)感染症、A型、B型又はC型肝炎ウイルス感染症、はしか、パピローマウイルス感染/疣贅、サイトメガロウイルス(CMV)感染、単純ヘルペスウイルス感染症、黄熱病、エボラウイルス感染症、狂犬病などが含まれるが、これらに限定されない。
【0640】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示される組成物(例えば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド、4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド又は核酸構築物、及び/又はそれを発現する宿主細胞)を、当技術分野で周知の鎮痛薬、化学療法剤、放射線療法剤、細胞毒性療法(コンディショニング)、ホルモン療法、抗体、及び他の処置レジメン(例えば、外科手術)を含むがこれらに限定されない他の確立された又は実験的な処置レジメンと組み合わせて対象に投与して、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患(例えば、がん)を処置することができる。
【0641】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示される組成物(例えば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド、4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド又は核酸構築物、及び/又はそれを発現する宿主細胞)を、骨髄細胞、造血幹細胞、PBMC、臍帯血幹細胞、及び/又は人工多能性幹細胞の移植などが挙げられるがこれに限定されない養子細胞移植と組み合わせて対象に投与することができる。
【0642】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の組成物と組み合わせて投与される治療剤は、抗がん剤を含む。
【0643】
よって、本発明の別の態様によれば、抗がん剤と、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/若しくは4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞と、を必要とする対象に投与することを含む、がんを処置する方法が提供される。
【0644】
本発明のある具体的な実施形態で使用することができる抗がん剤には、以下の抗がん剤が含まれるが、これらに限定されない:アシビシン(Acivicin);アクラルビシン(Aclarubicin);アコダゾール塩酸塩(Acodazole Hydrochloride);アクロニン(Acronine);アドリアマイシン(Adriamycin);アドゼレシン(Adozelesin);アルデスロイキン(Aldesleukin);アルトレタミン(Altretamine);アムボマイシン(Ambomycin);アメタントロン酢酸塩(Ametantrone Acetate);アミノグルテチミド(Aminoglutethimide);アムサクリン(Amsacrine);アナストロゾール(Anastrozole);アントラマイシン(Anthramycin);アスパラギナーゼ(Asparaginase);アスペルリン(Asperlin);アザシチジン(Azacitidine);アゼテパ(Azetepa);アゾトマイシン(Azotomycin);バチマスタット(Batimastat);ベンゾデパ(Benzodepa);ビカルタミド(Bicalutamide);ビサントレン塩酸塩(Bisantrene Hydrochloride);ビスナフィドジメシル酸塩(Bisnafide Dimesylate);ビゼレシン(Bizelesin);ブレオマイシン硫酸塩(Bleomycin Sulfate);ブレキナルナトリウム塩(Brequinar Sodium);ブロピリミン(Bropirimine);ブサルファン(Busulfan);カクチノマイシン(Cactinomycin);カルステロン(Calusterone);カラセミド(Caracemide);カルベチマー(Carbetimer);カルボプラチン(Carboplatin);カルムスチン(Carmustine);カルビシン塩酸塩(Carubicin Hydrochloride);カルゼレシン(Carzelesin);セデフィンゴル(Cedefingol);クロラムブシル(Chlorambucil);シロレマイシン(Cirolemycin);シスプラチン(Cisplatin);クラドリビン(Cladribine);クリスナトールメシル酸塩(Crisnatol Mesylate);シクロホスファミド(Cyclophosphamide);シタラビン(Cytarabine);ダカルバジン(Dacarbazine);ダクチノマイシン(Dactinomycin);ダウノルビシン塩酸塩(Daunorubicin Hydrochloride);デシタビン(Decitabine);デキソルマプラチン(Dexormaplatin);デザグアニン(Dezaguanine);デザグアニンメシル酸塩(Dezaguanine Mesylate);ジアジクオン(Diaziquone);ドセタキセル(Docetaxel);ドキソルビシン(Doxorubicin);ドキソルビシン塩酸塩(Doxorubicin Hydrochloride);ドロロキシフェン(Droloxifene);ドロロキシフェンクエン酸塩(Droloxifene Citrate);ドロモスタノロンプロピオン酸塩(Dromostanolone Propionate);ズアゾマイシン(Duazomycin);エダトレキセート(Edatrexate);エフロニチン塩酸塩(Eflornithine Hydrochloride);エラサミトルチン(Elsamitrucin);エンロプラチン(Enloplatin);エンプロメート(Enpromate);エピプロピジン(Epipropidine);エピルビシン塩酸塩(Epirubicin Hydrochloride);エルブロゾール(Erbulozole);エソルビシン塩酸塩(Esorubicin Hydrochloride);エストラムスチン(Estramustine);エストラムスチンリン酸ナトリウム(Estramustine Phosphate Sodium);エタニダゾール(Etanidazole);エトポシド(Etoposide);エトポシドリン酸塩(Etoposide Phosphate);エトプリン(Etoprine);ファドロゾール塩酸塩(Fadrozole Hydrochloride);ファザラビン(Fazarabine);フェンレチニド(Fenretinide);フロクスウリジン(Floxuridine);フルダラビンリン酸塩(Fludarabine Phosphate);フルオロウラシル(Fluorouracil);フルロシタビン(Flurocitabine);フォスキドン(Fosquidone);フォストリエシンナトリウム塩(Fostriecin Sodium);ゲムシタビン(Gemcitabine);ゲムシタビン塩酸塩(Gemcitabine Hydrochloride);ヒドロキシ尿素(Hydroxyurea);イダルビシン塩酸塩(Idarubicin Hydrochloride);イホスファミド(Ifosfamide);イルモフォシン(Ilmofosine);インターフェロンα-2a(Interferon Alfa-2a);インターフェロンα-2b(Interferon Alfa-2b);インターフェロンα-n1(Interferon Alfa-n1;インターフェロンα-n3(Interferon Alfa-n3);インターフェロンβ-Ia(Interferon Beta-Ia);インターフェロンγ-Ib(Interferon Gamma-Ib);イプロプラチン(Iproplatin);イリノテカン塩酸塩(Irinotecan Hydrochloride);ランレオチド酢酸塩(Lanreotide Acetate);レトロゾール(Letrozole);ロイプロリド酢酸塩(Leuprolide Acetate);リアロゾール塩酸塩(Liarozole Hydrochloride);ロメトレキソールナトリウム塩(Lometrexol Sodium);ロムスチン(Lomustine);ロソキサントロン塩酸塩(Losoxantrone Hydrochloride);マソプロコル(Masoprocol);メイタンシン(Maytansine);メクロレタミン塩酸塩(Mechlorethamine Hydrochloride);メゲストロール酢酸塩(Megestrol Acetate);メレンゲストロール酢酸塩(Melengestrol Acetate);メルファラン(Melphalan);メノガリル(Menogaril);メルカプトプリン(Mercaptopurine);メトトレキセート(Methotrexate);メトトレキセートナトリウム塩(Methotrexate Sodium);メトプリン(Metoprine);メツレデパ(Meturedepa);ミチンドミド(Mitindomide);ミトカルシン(Mitocarcin);ミトクロミン(Mitocromin);ミトギリン(Mitogillin);ミトマルシン(Mitomalcin);ミトマイシン(Mitomycin);ミトスペル(Mitosper);ミトタン(Mitotane);ミトキサントロン塩酸塩(Mitoxantrone Hydrochloride);マイコフェノール酸(Mycophenolic Acid);ノコダゾール(Nocodazole);ノガラマイシン(Nogalamycin);オルマプラチン(Ormaplatin);オキシスラン(Oxisuran);パクリタキセル(Paclitaxel);ペグアスパラガーゼ(Pegaspargase);ペリオマイシン(Peliomycin);ペンタムスチン(Pentamustine);ペプロマイシン硫酸塩(Peplomycin Sulfate);ペルホスファミド(Perfosfamide);ピポブロマン(Pipobroman);ピポスルファン(Piposulfan);ピロキサントロン塩酸塩(Piroxantrone Hydrochloride);プリカマイシン(Plicamycin);プロメスタン(Plomestane);ポリフィマーナトリウム塩(Porfimer Sodium);ポルフィロマイシン(Porfiromycin);プレドニムスチン(Prednimustine);プロカルバジン塩酸塩(Procarbazine Hydrochloride);ピューロマイシン(Puromycin);ピューロマイシン塩酸塩(Puromycin Hydrochloride);ピラゾフリン(Pyrazofurin);リボプリン(Riboprine);ログレチミド(Rogletimide);サフィンゴール(Safingol);サフィンゴール塩酸塩(Safingol Hydrochloride);セムスチン(Semustine);シムトラゼン(Simtrazene);スパルフォセートナトリウム塩(Sparfosate Sodium);スパルソマイシン(Sparsomycin);スピロゲルマニウム塩酸塩(Spirogermanium Hydrochloride);スピロムスチン(Spiromustine);スピロプラチン(Spiroplatin);ストレプトニグリン(Streptonigrin);ストレプトゾシン(Streptozocin);スロフェヌル(Sulofenur);タリソマイシン(Talisomycin);タキソール(Taxol);テコガランナトリウム塩(Tecogalan Sodium);テガフール(Tegafur);テロキサントロン塩酸塩(Teloxantrone Hydrochloride);テモポルフィン(Temoporfin);テニポシド(Teniposide);テロキシロン(Teroxirone);テストラクトン(Testolactone);チアミプリン(Thiamiprine);チオグアニン(Thioguanine);チオテパ(Thiotepa);チアゾフリン(Tiazofurin);チラパザミン(Tirapazamine);トポテカン塩酸塩(Topotecan Hydrochloride);トレミフェンクエン酸塩(Toremifene Citrate);トレストロン酢酸塩(Trestolone Acetate);トリシリビンリン酸塩(Triciribine Phosphate);トリメトレキセート(Trimetrexate);トリメトレキセートグルクロン酸塩(Trimetrexate Glucuronate);トリプトレリン(Triptorelin);ツブロゾール塩酸塩(Tubulozole Hydrochloride);ウラシルマスタード(Uracil Mustard);ウレデパ(Uredepa);バプレオチド(Vapreotide);ベルテポルフィン(Verteporfin);ビンブラスチン硫酸塩(Vinblastine Sulfate);ビンクリスチン硫酸塩(Vincristine Sulfate);ビンデシン(Vindesine);ビンデシン硫酸塩(Vindesine Sulfate);ビネピジン硫酸塩(Vinepidine Sulfate);ビングリシネート硫酸塩(Vinglycinate Sulfate);ビンロイロシン硫酸塩(Vinleurosine Sulfate);ビノレルビン酒石酸塩(Vinorelbine Tartrate);ビンロシジン硫酸塩(Vinrosidine Sulfate);ビンゾリジン硫酸塩(Vinzolidine Sulfate);ボロゾール(Vorozole);ゼニプラチン(Zeniplatin);ジノスタチン(Zinostatin);ゾルビシン塩酸塩(Zorubicin Hydrochloride)。追加の抗新生物薬には、Goodman及びGilmanの“The Pharmacol
ogical Basis of Therapeutics“, Eighth Edition, 1990, McGraw-Hill, Inc.(Health Professions Division)の第52章「Antineoplastic Agents」(Paul Calabresi and Bruce A. Chabner)及びその序文(1202-1263)に開示されるものが含まれる。
【0645】
ある具体的な実施形態によれば、前記抗がん剤は、抗体を含む。
【0646】
ある具体的な実施形態によれば、前記抗体は、リツキシマブ(Rituximab)、セツキシマブ(Cetuximab)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、エドレコロマブ(Edrecolomab)、アレムツズマブ(Alemtuzumab)、ゲムツズマブ(Gemtuzumab)、イブリツモマブ(Ibritumomab)、パニツムマブ(Panitumumab)、ベリムマブ(Belimumab)、ベバシズマブ(Bevacizumab)、ビバツズマブメルタンシン(Bivatuzumab mertansine)、ブリナツモマブ(Blinatumomab)、ブブロンツベトマブ(Blontuvetmab)、ブレンツキシマブベドチン(Brentuximab vedotin)、カツマキソマブ(Catumaxomab)、シクスツムマブ(Cixutumumab)、ダクリズマブ(Daclizumab)、アダリムマブ(Adalimumab)、ベズロトクスマブ(Bezlotoxumab)、セルトリズマブペゴル(Certolizumab pegol)、シタツズマブボガトックス(Citatuzumab bogatox)、ダラツムマブ(Daratumumab)、ジヌツキシマブ(Dinutuximab)、エロツズマブ(Elotuzumab)、エルツマクソマブ(Ertumaxomab)、エタラシズマブ(Etaracizumab)、ゲムツズマブオゾガマイシン(Gemtuzumab ozogamicin)、ジレンツキシマブ(Girentuximab)、ネシツムマブ(Necitumumab)、オビヌツズマブ(Obinutuzumab)、オファツムマブ(Ofatumumab)、ペルツズマブ(Pertuzumab)、ラムシルマブ(Ramucirumab)、シルツキシマブ(Siltuximab)、トシツモマブ(Tositumomab)、トラスツズマブ(Trastuzumab)、ニボルマブ(Nivolumab)、ペムブロリズマブ(Pembrolizumab)、デュルバルマブ(Durvalumab)、アテゾリズマブ(Atezolizumab)、アベルマブ(Avelumab)、及びイピリムマブ(Ipilimumab)からなる群より選択される。
【0647】
ある具体的な実施形態によれば、抗体は、リツキシマブ及びセツキシマブからなる群より選択される。
【0648】
ある具体的な実施形態によれば、前記治療剤又は前記抗がん剤は、免疫調節薬(IMiD;例えば、サリドマイド、レナリドミド、及びポマリドミド)を含む。
【0649】
ある具体的な実施形態によれば、IMiDは、サリドマイド、レナリドミド、及びポマリドミドからなる群より選択される。
【0650】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の組成物と組み合わせて投与される治療剤は、抗感染剤(例えば、抗生物質及び抗ウイルス剤)を含む。
【0651】
ある具体的な実施形態によれば、本発明のいくつかの実施形態の組成物と組み合わせて投与される治療剤は、免疫抑制剤(例えば、GCSF及び他の骨髄刺激剤、ステロイド)を含む。
【0652】
ある具体的な実施形態によれば、併用療法には相加効果がある。
【0653】
ある具体的な実施形態によれば、併用療法には相乗効果がある。
【0654】
本発明の別の態様によれば、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置するための治療剤と、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/若しくは4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞と、を包装する包装材料を含む製品が提供される。ある具体的な実施形態によれば、前記製品は、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患の処置のために特定される。
【0655】
ある具体的な実施形態によれば、前記疾患を処置するための治療剤と、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/若しくは4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞と、は別々の容器に包装される。
【0656】
ある具体的な実施形態によれば、前記疾患を処置するための治療剤、並びに本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/若しくは4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞は、合剤として包装される。
【0657】
ある具体的な実施形態によれば、前記製品は、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を含む。
【0658】
ある具体的な実施形態によれば、前記製品は、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を含む。
【0659】
ある具体的な実施形態によれば、前記製品は、4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を含む。
【0660】
ある具体的な実施形態によれば、前記製品は、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞、及び4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞を含む。
【0661】
よって、本発明の別の態様によれば、本明細書に開示されるSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞と、本明細書に開示される4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞と、を包装する包装材料を含む製品が提供される。
【0662】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示されるSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞;及び本明細書に開示される4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞は、別々の容器に包装される。
【0663】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示されるSIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞;及び本明細書に開示される4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、又はそれを発現する宿主細胞は、合剤として包装される。
【0664】
ある具体的な実施形態によれば、前記SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド及び/又は前記4-1BBLアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドは、異種の治療部分(heterologous therapeutic moiety)に付着しているか、又は異種の治療部分を含む。前記治療部分(therapeutic moiety)は、小分子化学化合物及びポリペプチドなどの任意の分子であり得る。
【0665】
本発明のある具体的な実施形態で使用され得る治療部分の非限定的な例には、細胞毒性部分、毒性部分、サイトカイン部分、免疫調節部分、ポリペプチド、抗体、薬物、化学物質、及び/又は放射性同位体が含まれる。
【0666】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記治療部分は、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、前記治療部分をコードする核酸配列と翻訳的に融合すること(translationally fusing)によって結合される。
【0667】
追加的又は代替的に、前記治療部分は、当業者に公知の任意の結合方法を使用して、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドに化学的に結合(カップリング)され得る。例えば、ペプチドは、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(N-スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオナートとも称される)(SDPD)(Sigma社、カタログ番号P-3415;例えば、Cumber et al. 1985, Methods of Enzymology 112: 207-224を参照)、グルタルアルデヒド結合手順(例えば、G.T. Hermanson 1996, “Antibody Modification and Conjugation, in Bioconjugate Techniques, Academic Press, San Diegoを参照)、又はカルボジイミド結合手順[例えば、J. March, Advanced Organic Chemistry: Reaction’s, Mechanism, and Structure, pp. 349-50 & 372-74(3d ed.), 1985、B. Neises et al. 1978, Angew Chem., Int. Ed. Engl. 17:522、A. Hassner et al. 1978, Tetrahedron Lett. 4475、E.P. Boden et al. 1986, J. Org. Chem. 50:2394及びL.J. Mathias 1979, Synthesis 561を参照]を使用して、目的の薬剤に結合させてもよい。
【0668】
治療部分は、例えば、ペプチド結合(機能部分がポリペプチドである場合)を介する、又はリンカーペプチド若しくは有機ポリマーなどの他の化学部分などの、介在するリンカー要素への共有結合を介するなど、直接的又は間接的な任意の適切な化学結合を使用するなどの、当技術分野で広く実施されている標準的な化学合成技術[例えば、hypertexttransferprotocol://worldwideweb(dot) chemistry(dot) org/portal/Chemistry)を参照]を使用して本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドに付着させることができる。キメラペプチドは、ペプチドのカルボキシ(C)又はアミノ(N)末端における結合を介して、又は直鎖、分岐状、若しくは環状の側鎖、内部炭素若しくは窒素原子などの内部化学基への結合を介して、連結され得る。
【0669】
本明細書で使用される場合、本明細書で互換的に使用される「タンパク質」、「ペプチド」及び「ポリペプチド」という用語は、天然ペプチド(分解産物、合成的に合成されたペプチド、又は組換えペプチドのいずれか)及びペプチド模倣物(通常、合成的に合成されたペプチド)、並びに例えば、ペプチドを体内でより安定させる、又は細胞により浸透可能にする修飾(modifications)を有し得るペプチド類似体であるペプトイド及びセミペプトイドを包含する。かかる修飾には、N末端修飾、C末端修飾、ペプチド結合修飾、骨格修飾、及び残基修飾が含まれるが、これらに限定されない。ペプチド模倣化合物を調製するための方法は、当技術分野で周知であり、例えば、本明細書に完全に記載されているかのように参照により援用される、Quantitative Drug Design, C.A. Ramsden Gd., Chapter 17.2, F. Choplin Pergamon Press(1992)に明記されている。この点に関するさらなる詳細は、以下に提供される。
【0670】
ペプチド内のペプチド結合(-CO-NH-)は、例えば、N-メチル化アミド結合(-N(CH3)-CO-)、エステル結合(-C(=O)-O-)、ケトメチレン結合(-CO-CH2-)、スルフィニルメチレン結合(-S(=O)-CH2-)、α-アザ結合(-NH-N(R)-CO-)(式中、Rは、任意のアルキル(例えば、メチル)、アミン結合(-CH2-NH-)、スルフィド結合(-CH2-S-)、エチレン結合(-CH2-CH2-)、ヒドロキシエチレン結合(-CH(OH)-CH2-)、チオアミド結合(-CS-NH-)、オレフィン二重結合(-CH=CH-)、フッ素化オレフィン二重結合(-CF=CH-)、レトロアミド結合(-NH-CO-)、ペプチド誘導体(-N(R)-CH2-CO-)であり、Rは「通常の」側鎖であって、炭素原子上に天然に存在する)によって置換され得る。
【0671】
これらの修飾は、ペプチド鎖に沿ったいずれの結合でも生じる場合があり、いくつかの(2~3)結合で同時に生じる場合もある。
【0672】
天然芳香族アミノ酸であるトリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)、及びフェニルアラニン(Phe)は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸(Tic)、ナフチルアラニン、フェニルアラニン(Phe)の環メチル化誘導体、フェニルアラニン(Phe)又はO-メチル-チロシン(Tyr)のハロゲン化誘導体などの非天然芳香族アミノ酸で置換され得る。
【0673】
本発明のいくつかの実施形態のペプチドはまた、1又は複数の修飾アミノ酸又は1又は複数の非アミノ酸モノマー(例えば、脂肪酸、複合炭水化物など)を含み得る。
【0674】
「アミノ酸(単数)」又は「アミノ酸(複数)」という用語は、20の天然アミノ酸;インビボにおいてしばしば翻訳後修飾されるアミノ酸(例えば、ヒドロキシプロリン、ホスホセリン、及びホスホスレオニンなど);並びに他の異常アミノ酸(例えば2-アミノアジピン酸、ヒドロキシリジン、イソデスモシン、ノルバリン、ノルロイシン、及びオルニチンなどを含むがこれらに限定されない)が含まれるを含むと理解される。さらに、「アミノ酸」という用語は、D-アミノ酸及びL-アミノ酸の両方を含む。
【0675】
以下の表1及び表2は、本発明のいくつかの実施形態で使用され得る天然アミノ酸(表1)、及び非従来型又は修飾アミノ酸(例えば、合成アミノ酸、表2)を列挙している。
【0676】
【表1】
【0677】
【表2-1】
【0678】
【表2-2】
【0679】
【表2-3】
【0680】
【表2-4】
【0681】
本発明のいくつかの実施形態のペプチドは、好ましくは直鎖状形態で利用されるが、環状化がペプチド特性を著しく妨害しない場合、ペプチドの環状形態も利用できることが理解されるであろう。
【0682】
本発明のペプチドは、ペプチドが可溶性形態であることを必要とする治療において好適に利用されるため、本発明のいくつかの実施形態のペプチドは、ヒドロキシル含有側鎖によりペプチド溶解度を増加可能なセリン及びスレオニンを含むがこれらに限定されない、1又は複数の非天然又は天然の極性アミノ酸を含むことが好ましい。
【0683】
本発明のペプチドのアミノ酸は、保存的又は非保存的に置換され得る。
【0684】
本明細書で使用される「保存的置換」という用語は、ペプチドの天然配列に存在するアミノ酸を、同様の立体特性を有する天然又は非天然アミノ又はペプチド模倣物で置換することを指す。置換される天然アミノ酸の側鎖が極性又は疎水性のいずれかである場合、保存的置換は、(置換されたアミノ酸の側鎖と同じ立体特性を有することに加えて)極性若しくは疎水性である、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、又はペプチド模倣部分で行う必要がある。
【0685】
天然アミノ酸は通常、その特性に従ってグループ化されるので、天然アミノ酸による保存的置換は、本発明によれば、立体的に類似した非荷電アミノ酸による荷電アミノ酸の置換も保存的置換と見なされるという事実を念頭に置きつつ、容易に決定することができる。
【0686】
非天然アミノ酸による保存的置換を生成するために、当技術分野で周知のアミノ酸類似体(合成アミノ酸)を使用することも可能である。天然アミノ酸のペプチド模倣物は、当業者に公知の文献に充分に文書化されている。
【0687】
保存的置換に影響を与える場合、置換アミノ酸は、元のアミノ酸と同じ又は類似の官能基を側鎖に持つ必要がある。
【0688】
機能的に類似したアミノ酸を提供する保存的置換表は、当技術分野で周知である。どのアミノ酸の変化が表現型的にサイレントである可能性が高いかに関するガイダンスは、Bowie et al., 1990, Science 247: 1306 1310にも記載されている。かかる保存的に改変されたバリアントは、多型バリアント、種間ホモログ、及び対立遺伝子に追加されるものであり、これらを除外するものではない。典型的な保存的置換には、以下が含まれるが、これらに限定されない:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、スレオニン(T);及び8)システイン(C)、メチオニン(M)(例えば、Creighton, Proteins(1984)を参照)。アミノ酸は、側鎖に関連する特性に基づいて置換することができる。例えば、セリン(S)やスレオニン(T)など、極性側鎖を有するアミノ酸は置換可能であり;アルギニン(R)やヒスチジン(H)など、側鎖の電荷に基づいてアミノ酸を置換可能であり;バリン(V)やロイシン(L)など、疎水性側鎖を持つアミノ酸は置換可能である。示されているように、変化は通常、タンパク質の折り畳み又は活性に有意な影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換などのマイナーな性質のものである。
【0689】
本明細書で使用される「非保存的置換」という句は、親配列に存在するアミノ酸を、異なる電気化学的及び/又は立体的特性を有する別の天然又は非天然アミノ酸で置換することを指す。したがって、置換アミノ酸の側鎖は、置換される天然アミノ酸の側鎖よりも著しく大きく(又は小さく)、かつ/又は置換されるアミノ酸とは著しく異なる電子特性を有する官能基を有していてもよい。このタイプの非保存的置換の例には、アラニンをフェニルアラニン又はシコヘキシルメチルグリシンに置換すること、グリシンをイソロイシンに置換すること、又はアスパラギン酸を-NH-CH[(-CH-COOH]-CO-に置換することを含む。本発明の範囲に含まれるこれらの非保存的置換は、依然として抗菌特性を有するペプチドを構成するものである。
【0690】
本発明のペプチドのN末端及びC末端は、官能基によって保護され得る。適切な官能基は、その教示が参照により本明細書に援用されるGreen and Wuts, “Protecting Groups in Organic Synthesis“, John Wiley and Sons, Chapters 5 and 7, 1991に記載されている。好ましい保護基は、例えば、化合物の親水性を低下させ、親油性を増加させることによって、保護基に付着した化合物の細胞への輸送を促進するものである。
【0691】
ある具体的な実施形態によれば、1又は複数のアミノ酸は、例えば、官能基の付加によって修飾され得る(概念的には「化学的に修飾された」と見なされる)。例えば、天然配列に現れる側鎖アミノ酸残基が所望により修飾され得、あるいは以下に記載されるように、タンパク質の他の部分が、側鎖アミノ酸残基に加えて、又は、側鎖アミノ酸残基の代わりに、所望により修飾され得る。かかる修飾は所望により、化学合成プロセスの後に、例えば化学的に修飾されたアミノ酸を加えることによって、分子の合成中に実施することができる。ただし、アミノ酸が分子内にすでに存在する場合の化学修飾(「in situ」修飾)も可能である。ペプチド又はタンパク質への修飾は、例えば、遺伝子合成によって、(例えば、PCRに基づく)部位特異的突然変異誘発若しくは(例えば、EMSによる)ランダム突然変異誘発によって、エキソヌクレアーゼデリーションによって、化学修飾によって、又は異種ドメイン若しくは結合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列の融合によって、導入することができる。
【0692】
本明細書で使用される場合、「化学修飾」という用語は、ペプチドに言及する場合、そのアミノ酸残基の少なくとも1つが、プロセシング若しくは他の翻訳後修飾などの自然のプロセスによって、又は当技術分野で周知の化学修飾手法によって修飾されているペプチドを指す。修飾の非限定的な例示的タイプには、カルボキシメチル化;アセチル化;アシル化;リン酸化;グリコシル化;アミド化;ADP-リボシル化;脂肪アシル化;ファルネシル基、イソファルネシル基、炭水化物基、脂肪酸基、及び結合のためのリンカーの添加;官能基付与(functionalization);GPIアンカー形成;脂質又は脂質誘導体の共有結合;メチル化;ミリストイル化;ペグ化(pegylation);プレニル化;リン酸化;ユビキチン化;並びに同様のプロセス及び公知の保護基/ブロッキング基が含まれる。所望により、エーテル結合を使用して、セリン又はスレオニンのヒドロキシルを糖のヒドロキシルに結合してもよい。所望により、アミド結合を使用して、グルタミン酸又はアスパラギン酸のカルボキシル基を糖のアミノ基に結合してもよい(Garg and Jeanloz, Advances in Carbohydrate Chemistry and Biochemistry, Vol. 43, Academic Press(1985)、Kunz, Ang. Chem. Int. Ed. English 26:294-308(1987))。また所望により、アセタール及びケタール結合がアミノ酸と炭水化物との間に形成されてもよい。所望により、脂肪酸アシル誘導体を、例えば、遊離アミノ基(例えば、リジン)のアシル化によって作製してもよい(Toth et al., Peptides: Chemistry, Structure and Biology, Rivier and Marshal, eds., ESCOM Publ., Leiden, 1078-1079(1990))。
【0693】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に援用されるPCT出願であるWO2006/050262号に記載されるように、修飾には、ペプチドへのシクロアルカン部分の付加が含まれる。これらの部分は、生体分子で使用するために設計されており、タンパク質に様々な特性を付与するために所望により使用され得る。
【0694】
さらに、所望により、ペプチド上の任意の部位を修飾してもよい。例えば、タンパク質上のグリコシル化部分のペグ化は、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に援用されるPCT出願であるWO2006/050247号に記載されているように、所望により実施することができる。所望により、1又は複数のポリエチレングリコール(PEG)基をO結合型及び/又はN結合型グリコシル化に付加してもよい。PEG基は、所望により分岐状又は直鎖状であり得る。所望により、任意の種類の水溶性ポリマーを、グリコシルリンカーを介してタンパク質のグリコシル化部位に結合させてもよい。
【0695】
「ペグ化タンパク質(PEGylated protein)」とは、タンパク質のアミノ酸残基に共有結合したポリエチレングリコール(PEG)部分を有する、生物学的活性を有するタンパク質又はその断片を意味する。
【0696】
「ポリエチレングリコール」又は「PEG」とは、カップリング剤と、又はカップリング部分若しくは活性化部分(例えば、チオール、トリフレート、トレシレート、アジルジン、オキシラン、又は好ましくはマレイミド部分)による誘導体化と併用した又は併用しない、ポリアルキレングリコール化合物又はその誘導体を意味する。マレイミドモノメトキシPEGなどの化合物は、本発明の例示的な又は活性化されたPEG化合物である。ポリプロピレングリコールなどの他のポリアルキレングリコール化合物を本発明で使用してもよい。他の適切なポリアルキレングリコール化合物には、以下の種類の荷電性又は中性ポリマーが含まれるが、これらに限定されない:デキストラン、コロミン酸又は他の炭水化物ベースのポリマー、アミノ酸のポリマー、及びビオチン誘導体。
【0697】
ある具体的な実施形態によれば、ペプチドは、変更されたグリコシル化パターンを持つように修飾される(すなわち、元の又は天然のグリコシル化パターンから変更される)。本明細書で使用される場合、「変更された(altered)」とは、1又は複数の炭水化物部分が欠失されていること、及び/又は元のタンパク質に少なくとも1つのグリコシル化部位が付加されていることを意味する。
【0698】
タンパク質のグリコシル化は、典型的には、N結合型又はO結合型のいずれかである。N結合型とは、アスパラギン残基の側鎖への炭水化物部分の結合を指す。トリペプチド配列であるアスパラギン-X-セリン及びアスパラギン-X-スレオニン(Xはプロリン以外の任意のアミノ酸)は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素的結合の認識配列である。したがって、ポリペプチドにおけるこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的なグリコシル化部位を作り出す。O結合型グリコシル化とは、N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、又はキシロースの糖の1つがヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリン又はスレオニンに結合することを指しているが、5-ヒドロキシプロリン又は5-ヒドロキシリジンも使用され得る。
【0699】
ペプチドへのグリコシル化部位の付加は、ペプチドのアミノ酸配列を変更して、上記のトリペプチド配列の1又は複数を含むようにすることによって、簡便に達成される(N結合型グリコシル化部位の場合)。変更は、元のペプチドの配列内の1又は複数のセリン又はスレオニン残基の追加又は置換によって行ってもよい(O結合型グリコシル化部位の場合)。ペプチドのアミノ酸配列は、DNAレベルで変化を導入することによっても変更され得る。
【0700】
ペプチド上の炭水化物部分の数を増やす別の手段は、ペプチドのアミノ酸残基へのグリコシドの化学的又は酵素的カップリングによるものである。使用するカップリング様式によっては、糖が(a)アルギニン及びヒスチジン、(b)遊離カルボキシル基、(c)システインなどの遊離スルフヒドリル基、(d)セリン、スレオニン、又はヒドロキシプロリンなどの遊離ヒドロキシル基、(e)フェニルアラニン、チロシン、又はトリプトファンの芳香族残基、又は(f)グルタミンのアミド基に結合する場合がある。これらの方法は、例えば、WO87/05330及びAplin and Wriston, CRC Crit. Rev. Biochem., 22: 259-306(1981)に記載されている。
【0701】
ペプチド上に存在する炭水化物部分の除去は、化学的に、酵素的に、又はDNAレベルでの変化の導入によって、達成され得る。化学的脱グリコシル化には、ペプチドをトリフルオロメタンスルホン酸又は同等の化合物に曝露する必要がある。この処理により、結合糖(N-アセチルグルコサミン又はN-アセチルガラクトサミン)を除くほとんど又は全ての糖が切断され、アミノ酸配列は未変化のまま残る。
【0702】
化学的脱グリコシル化は、Hakimuddin et al., Arch. Biochem. Biophys., 259: 52 (1987)及びEdge et al., Anal. Biochem., 118: 131 (1981)に記載されている。ペプチド上の炭水化物部分の酵素的切断は、Thotakura et al., Meth. Enzymol., 138: 350(1987)に記載されているように、様々なエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼを使用することによって達成され得る。
【0703】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは検出可能なタグを含む。本明細書で使用される場合、一実施形態では、「検出可能なタグ」という用語は、当技術分野で公知の技術を使用して当業者が検出できる任意の部分を指す。検出可能なタグはペプチド配列であり得る。所望により、検出可能なタグは、化学薬品によって、又はタンパク質分解などの酵素的手段によって、除去され得る。本発明のいくつかの実施形態の検出可能なタグは、ペプチドの精製に使用され得る。例えば、「検出可能なタグ」という用語には、キチン結合タンパク質(CBP)タグ;マルトース結合タンパク質(MBP)タグ;グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)タグ;ポリ(His)タグ;FLAGタグ;V5タグ、c-mycタグ、HAタグなどのエピトープタグ;緑色蛍光タンパク質(GFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、及びシアン蛍光タンパク質(CFP)などの蛍光タグ;並びにこれらのタグの派生物、又は当技術分野で公知の任意のタグが含まれる。「検出可能なタグ」という用語には「検出可能なマーカー」という用語も含まれる。
【0704】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは、そのN末端に付着した検出可能なタグ(例えば、ポリ(His)タグ)を含む。
【0705】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは、そのC末端に付着した検出可能なタグ(例えば、ポリ(His)タグ)を含む。
【0706】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドのN末端は検出可能なタグ(例えば、ポリ(His)タグ)を含まない。
【0707】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドのC末端は検出可能なタグ(例えば、ポリ(His)タグ)を含まない。
【0708】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは切断可能部分(cleavable moiety)に融合している。したがって、例えば、回収を容易にするために、発現されるコード配列は、本発明のいくつかの実施形態のペプチド及び融合した切断可能部分をコードするように設計されてもよい。一実施形態では、前記ペプチドは、例えば、切断可能部分に特異的なカラムへの固定化によるアフィニティークロマトグラフィーによって容易に単離されるように設計されている。一実施形態では、切断部位は、前記ペプチドと切断可能部分との間に設計され、ペプチドは、この部位で融合タンパク質を特異的に切断する適切な酵素又は薬剤で処理することにより、クロマトグラフィーカラムから放出され得る[例えば、Booth et al., Immunol. Lett. 19:65-70(1988);及びGardella et al., J. Biol. Chem. 265:15854-15859(1990)を参照]。ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは単離ペプチドである。
【0709】
本発明のいくつかの実施形態のペプチドは、固相及び組換え技術などであるがこれらに限定されない、ペプチド合成の当業者に公知の任意の技術によって、合成及び精製され得る。
【0710】
固相ペプチド合成については、多くの技術の要約が、J. M. Stewart and J. D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, W. H. Freeman Co.(San Francisco), 1963、及びJ. Meienhofer, Hormonal Proteins and Peptides, vol. 2, p. 46, Academic Press(New York), 1973に記載されている。従来の溶液合成については、G. Schroder and K. Lupke, The Peptides, vol. 1, Academic Press(New York), 1965を参照のこと。
【0711】
概して、これらの方法は、成長するペプチド鎖に1又は複数のアミノ酸又は適切に保護されたアミノ酸を連続的に付加することを含む。通常、最初のアミノ酸のアミノ基又はカルボキシル基のいずれかが、適切な保護基によって保護されている。次に、この保護又は誘導体化されたアミノ酸は、不活性固体支持体に結合するか、アミド結合を形成するのに適した条件下で、適切に保護された相補的(アミノ又はカルボキシル)基を有する配列中の次のアミノ酸を加えることによって、溶液中で利用されうる。この新しく追加されたアミノ酸残基から保護基が除去された後、次のアミノ酸(適切に保護されている)が追加され、以下同様に続く。全ての所望のアミノ酸が適切な配列で連結された後、残りの保護基(及び任意の固体支持体)が順次又は同時に除去されて、最終的なペプチド化合物が得られる。この一般的な手順を簡単に変更することにより、例えば、保護されたトリペプチドを適切に保護されたジペプチドと(キラル中心をラセミ化しない条件下で)カップリングすることにより、脱保護後、ペンタペプチドなどを形成するなど、成長する鎖に一度に複数のアミノ酸を加えることが可能である。ペプチド合成のさらなる説明は米国特許第6,472,505号に開示されている。
【0712】
本発明のいくつかの実施形態のペプチド化合物を調製する好ましい方法は、固相ペプチド合成を含む。
【0713】
大規模ペプチド合成についてはAndersson Biopolymers 2000;55(3):227-50に記載されている。
【0714】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは、インビトロ発現系を使用して合成される。かかるインビトロ合成法は当技術分野で周知であり、前記発現系の構成要素は市販されている。
【0715】
ある具体的な実施形態によれば、前記ペプチドは組換えDNA技術によって生成される。「組換え」ペプチド又はタンパク質は、組換えDNA技術によって産生されたペプチド又はタンパク質を指す。すなわち、望ましいペプチド又はタンパク質をコードする外因性DNA構築物によって形質転換された細胞から産生される。
【0716】
したがって、本発明の別の態様によれば、上記の融合タンパク質のいずれかをコードする核酸配列を含む単離ポリヌクレオチドが提供される。
【0717】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55~66又は68に記載される核酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%相同であり、ここで各ポシビリティー(possibility)は本発明の別個の実施形態を表す。
【0718】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55~66又は68に記載される核酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%相同である。
【0719】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55~66及び68からなる群より選択される核酸配列を含み、ここで各ポシビリティーは本発明の別個の実施形態を表す。
【0720】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55~66及び68からなる群より選択される核酸配列からなり、ここで各ポシビリティーは本発明の別個の実施形態を表す。
【0721】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55~61及び68からなる群より選択される核酸配列を含む。
【0722】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55~61及び68からなる群より選択される核酸配列からなる。
【0723】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55、56及び58からなる群より選択される核酸配列を含む。
【0724】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号55、56及び58からなる群より選択される核酸配列からなる。
【0725】
本発明の別の態様によれば、配列番号24及び/又は配列番号26と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長の上記のSIRPαアミノ酸配列のいずれか、又は配列番号22、配列番号23、配列番号27及び配列番号28からなる群より選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長である前記4-1BBLアミノ酸配列のいずれか、をコードする核酸配列を含む単離ポリヌクレオチドが提供される。
【0726】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号33又は34に記載される核酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%相同であり、ここで各ポシビリティー(possibility)は本発明の別個の実施形態を表す。
【0727】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号33又は34に記載される核酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%相同である。
【0728】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号33又は34の核酸配列を含む。
【0729】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号33又は34の核酸配列からなる。
【0730】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41、42、73、75、77又は79に記載される核酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%相同であり、各ここで各ポシビリティーは本発明の別個の実施形態を表す。
【0731】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41又は42に記載される核酸配列に対して少なくとも70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、88%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%相同であり、各ここで各ポシビリティーは本発明の別個の実施形態を表す。
【0732】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41、42、73、75、77又は79に記載される核酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%相同である。
【0733】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41又は42に記載される核酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%相同である。
【0734】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41、42、73、75、77又は79を含む。
【0735】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41又は42を含む。
【0736】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41、42、73、75、77又は79からなる。
【0737】
ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチドは、配列番号39、40、41又は42からなる。
【0738】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」という用語は、単離され、RNA配列、相補的ポリヌクレオチド配列(cDNA)、ゲノムポリヌクレオチド配列及び/又は複合ポリヌクレオチド配列(例えば、上記のものの組み合わせ)の形態で提供される一本鎖又は二本鎖の核酸配列を指す。
【0739】
哺乳動物細胞において外因性ポリペプチドを発現させるために、該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を、哺乳動物細胞の発現に適した核酸構築物に連結することが好ましい。かかる核酸構築物は、構成的又は誘導的な方法で細胞内の前記ポリヌクレオチド配列の転写を指示するためのプロモーター配列を含む。
【0740】
よって、ある具体的な実施形態によれば、前記ポリヌクレオチド及び宿主細胞における前記ポリヌクレオチドの発現を指示するための調節エレメントを含む核酸構築物が提供される。
【0741】
ある具体的な実施形態によれば、前記調節エレメントは異種の調節エレメントである。
【0742】
本発明のいくつかの実施形態における核酸構築物(本明細書では「発現ベクター」とも称される)は、このベクターを原核生物、真核生物、又は好ましくは両方における複製及び組み込みに適したもの(例えば、シャトルベクター)にする追加の配列を含む。さらに、典型的なクローニングベクターはまた、転写及び翻訳開始配列、転写及び翻訳ターミネーター、並びにポリアデニル化シグナルを含み得る。例として、かかる構築物は、典型的には、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、第2鎖DNA合成の起源、及び3’LTR又はその一部を含むであろう。
【0743】
本発明のいくつかの実施形態の核酸構築物は、典型的には、それが配置される宿主細胞からペプチドを分泌するためのシグナル配列を含む。好ましくは、この目的のためのシグナル配列は、哺乳動物シグナル配列又は本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドバリアントのシグナル配列である。
【0744】
真核生物のプロモーターには通常、TATAボックス及び上流のプロモーター要素の2種類の認識配列が含まれている。転写開始部位の25~30塩基対上流に位置するTATAボックスは、RNAポリメラーゼにRNA合成を開始するように指示することに関与していると考えられている。他の上流プロモーター要素は、転写が開始される速度を決定する。
【0745】
好ましくは、本発明のいくつかの実施形態の核酸構築物によって利用されるプロモーターは、形質転換された特定の細胞集団において活性を有する。細胞型特異的及び/又は組織特異的プロモーターの例には、肝臓特異的なアルブミンなどのプロモーター[Pinkert et al.,(1987) Genes Dev. 1:268-277]やリンパ球特異的プロモーター[Calame et al.,(1988) Adv. Immunol. 43:235-275]などのプロモーター、特にT細胞受容体のプロモーター[Winoto et al.,(1989) EMBO J. 8:729-733]及び免疫グロブリン[Banerji et al.(1983) Cell 33729-740]、ニューロフィラメントプロモーターなどのニューロン特異的プロモーター[Byrne et al.(1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:5473-5477]、膵臓特異的プロモーター[Edlunch et al.(1985) Science 230:912-916]、又はミルクホエイプロモーターなどの乳腺特異的プロモーター(米国特許第4,873,316号及び欧州出願公開第264,166号)が含まれる。
【0746】
エンハンサー要素は、連結された同種又は異種のプロモーターから最大1,000倍の転写を刺激することができる。エンハンサーは、転写開始部位の下流又は上流に配置されると活性を示す。ウイルスに由来する多くのエンハンサー要素は、宿主範囲が広く、様々な組織で活性を示す。例えば、SV40初期遺伝子エンハンサーは多くの細胞型に適している。本発明のいくつかの実施形態に適した他のエンハンサー/プロモーターの組み合わせには、ポリオーマウイルス、ヒト又はマウスのサイトメガロウイルス(CMV)、マウス白血病ウイルス、マウス又はラウスの肉腫ウイルス及びHIVなどの様々なレトロウイルスからの長末端反復に由来するものが含まれる。参照により本明細書に援用されるEnhancers and Eukaryotic Expression, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, N.Y. 1983を参照のこと。
【0747】
発現ベクターの構築において、前記プロモーターは好ましくは、異種転写開始部位からの距離が、前記プロモーターの天然の設定における転写開始部位からの距離とほぼ同じとなる位置に、配される。しかしながら、当技術分野で公知のように、この距離が多少変動しても、プロモーター機能を失うことなく適応できる。
【0748】
SIRPα-4-1BBL、SIRPα、又は4-1BBLのmRNA翻訳の効率を高めるために、ポリアデニル化配列を発現ベクターに加えることもできる。正確で効率的なポリアデニル化には、ポリアデニル化部位の下流に位置するGUリッチ又はUリッチな配列、及び11~30ヌクレオチド上流に位置する6ヌクレオチドの高度に保存された配列AAUAAA、の2つの異なる配列要素が必要である。本発明のいくつかの実施形態に適した終結シグナル及びポリアデニル化シグナルには、SV40に由来するものが含まれる。
【0749】
既述の要素に加えて、本発明のいくつかの実施形態の発現ベクターは、典型的には、クローニングされた核酸の発現レベルを増加させること又は組換えDNAを担持する細胞の同定を容易にすることを目的とする、他の特殊な要素を含み得る。例えば、多くの動物ウイルスには、許容細胞型でウイルスゲノムの染色体外複製を促進するDNA配列が含まれている。これらのウイルスレプリコンを保有するプラスミドは、プラスミド上に保持されている遺伝子又は宿主細胞のゲノムに存在する遺伝子により適切な因子が提供されている限り、エピソーマルに複製される(replicated episomally)。
【0750】
ベクターは真核生物のレプリコンを含む場合と含まない場合がある。真核生物のレプリコンが存在する場合、ベクターは適切な選択マーカーを使用して真核生物の細胞で増幅可能である。ベクターが真核生物のレプリコンを含まない場合、エピソーマル増幅は不可能である。代わりに、組換えDNAは改変細胞のゲノムに組み込まれ、ここでプロモーターが目的の核酸の発現を指示する。
【0751】
本発明のいくつかの実施形態の発現ベクターは、例えば、内部リボソーム侵入部位(internal ribosome entry site、IRES)やプロモーターキメラポリペプチドのゲノム組み込みのための配列など、単一のmRNAからのいくつかのタンパク質の翻訳などを可能にする、追加のポリヌクレオチド配列をさらに含み得る。
【0752】
発現ベクターに含まれる個々の要素は、様々な構成で配置することができることが理解されよう。例えば、エンハンサー要素、プロモーターなど、及びSIRPα-4-1BBLをコードするポリヌクレオチド配列、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチドでさえ、「同方向の連結(head-to-tail)」構成に配置とすることが可能であり、逆相補鎖(inverted complement)として、又は相補的構成で逆平行鎖として存在し得る。このような多様な構成は、発現ベクターの非コード要素で発生する可能性が高いが、発現ベクター内のコード配列の代替構成も想定されている。
【0753】
哺乳類の発現ベクターの例には、pcDNA3、pcDNA3.1(+/-)、pGL3、pZeoSV2(+/-)、pSecTag2、pDisplay、pEF/myc/cyto、pCMV/myc/cyto、pCR3.1、pSinRep5、DH26S、DHBB、pNMT1、pNMT41、及びpNMT81(Invitrogen社から入手可能)、pCI(Promega社から入手可能)、pMbac、pPbac、pBK-RSV、及びpBK-CMV(Strategene社から入手可能)、pTRES(Clontech社から入手可能)、及びそれらの派生物が含まれるが、これらに限定されない。
【0754】
レトロウイルスなどの真核生物ウイルスからの調節エレメントを含む発現ベクターも使用され得る。SV40ベクターにはpSVT7及びpMT2が含まれる。パピローマウイルスに由来するベクターにはpBV-1MTHAが含まれ、エプスタイン・バール・ウイルスに由来するベクターにはpHEBO及びp2O5が含まれる。他の例示的なベクターには、pMSG;pAV009/A+、pMTO10/A+;pMAMneo-5;バキュロウイルスpDSVE;及び、SV40初期プロモーター、SV-40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳がんウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、又は真核細胞での発現に有効であることが示された他のプロモーターの指示の下でタンパク質の発現を可能にする任意の他のベクターが含まれる。
【0755】
上記のように、ウイルスは、多くの場合、宿主の防御機構を回避するために進化してきた、非常に特殊な感染性病原体である。通常、ウイルスは特定の細胞型に感染して増殖する。ウイルスベクターの標的化特異性は、その元来の特異性を利用して、所定の細胞型を特異的に標的化し、それにより感染細胞に組換え遺伝子を導入する。したがって、本発明のいくつかの実施形態によって使用されるベクターの種類は、形質転換される細胞型に依存するであろう。形質転換される細胞型に従って適切なベクターを選択する能力は、当業者の能力の範囲内であり、したがって、選択の考慮事項の一般的な説明は本明細書では提供されない。例えば、Liang CY et al., 2004 (Arch Virol. 149: 51-60)に記載されるように、骨髄細胞はヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)を使用して標的化でき、腎臓細胞はバキュロウイルスであるAutographa californica核多角体病ウイルス(Autographa californica nucleopolyhedrovirus、AcMNPV)に存在する異種プロモーターを使用して標的化できる。
【0756】
組換えウイルスベクターは、水平感染や標的特異性などの利点を提供することから、SIRPα-4-1BBL、SIRPα、又は4-1BBLのインビボ発現に有用である。水平感染は、例えばレトロウイルスのライフサイクルに固有のものであり、単一の感染細胞が発芽して隣接細胞に感染する多くの子孫ビリオンを生成するプロセスである。その結果、そのほとんどが最初は元のウイルス粒子に感染していなかった広い領域が急速に感染する。これは、感染性病原体が娘の子孫を通してのみ広がる垂直型の感染とは対照的である。水平方向に広がることができないウイルスベクターも生成されうる。この特性は、特定の遺伝子を局所的な数の標的細胞にのみ導入することが望ましい目的である場合に有用である。
【0757】
本発明のいくつかの実施形態の発現ベクターを細胞に導入するために、様々な方法を使用することができる。かかる方法は、概してSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory, New York(1989, 1992、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley and Sons, Baltimore, Md.(1989)、Chang et al., Somatic Gene Therapy, CRC Press, Ann Arbor, Mich.(1995)、Vega et al., Gene Targeting, CRC Press, Ann Arbor Mich.(1995), Vectors: A Survey of Molecular Cloning Vectors and Their Uses, Butterworths, Boston Mass.(1988)、及びGilboa et al.[Biotechniques 4(6): 504-512, 1986]に記載されており、例えば、安定的又は一過性のトランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、及び組換えウイルスベクターによる感染が含まれる。また、陽性-陰性選択方法については、米国特許第5,464,764号及び第5,487,992号を参照のこと。
【0758】
ウイルス感染による核酸の導入は、ウイルスの感染性により高いトランスフェクション効率が得られるため、リポフェクションやエレクトロポレーションなどの他の方法に比べていくつかの利点がある。
【0759】
現在好ましいインビボ核酸導入技術には、アデノウイルス、レンチウイルス、単純ヘルペスIウイルス、又はアデノ随伴ウイルス(AAV)などのウイルス又は非ウイルス構築物及び脂質ベースの系によるトランスフェクションが含まれる。脂質を介した遺伝子の伝達に有用な脂質は、例えば、DOTMA、DOPE、及びDC-Cholである[Tonkinson et al., Cancer Investigation, 14(1): 54-65(1996)]。遺伝子治療で使用するための最も好ましい構築物は、ウイルスであり、最も好ましくはアデノウイルス、AAV、レンチウイルス、又はレトロウイルスである。レトロウイルス構築物などのウイルス構築物は、少なくとも1つの転写プロモーター/エンハンサー又は遺伝子座定義要素、又は選択的スプライシング、核RNA輸出、若しくはメッセンジャー翻訳後修飾などの他の手段によって遺伝子発現を制御する他の要素を含む。このようなベクター構築物には、パッケージングシグナル、長末端反復(long terminal repeat、LTR)又はその一部、及びウイルス構築物に既に存在しない限り、使用するウイルスに適したプラス鎖及びマイナス鎖プライマー結合部位も含まれる。さらに、かかる構築物は、典型的には、それが配置されている宿主細胞からのペプチドの分泌のためのシグナル配列を含む。好ましくは、この目的のためのシグナル配列は、哺乳動物シグナル配列又は本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドバリアントのシグナル配列である。所望により、構築物はまた、ポリアデニル化を指示するシグナル、並びに1又は複数の制限部位及び翻訳終結配列を含み得る。例として、かかる構築物は、典型的には、5’LTR、tRNA結合部位、パッケージングシグナル、第2鎖DNA合成の起源、及び3’LTR又はその一部を含むであろう。カチオン性脂質、ポリリジン、デンドリマーなど、他の非ウイルス性であるベクターを使用してもよい。
【0760】
前述のように、挿入されたコード配列の転写及び翻訳に必要な要素を含む以外に、本発明のいくつかの実施形態の発現構築物は、発現ペプチドの安定性、産生、精製、収量、又は毒性を増強するように設計された配列も含み得る。例えば、SIRPα-4-1BBLタンパク質又は本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドと異種タンパク質とを含む、融合タンパク質又は切断可能な融合タンパク質の発現を設計することができる。かかる融合タンパク質は、例えば異種タンパク質に特異的なカラムへの固定化によるアフィニティークロマトグラフィーによって融合タンパク質が容易に単離され得るようにデザインすることができる。SIRPα-4-1BBLタンパク質又は本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドと異種タンパク質との間で切断部位が設計される場合、前記SIRPα-4-1BBLタンパク質又はポリペプチドは、切断部位を破壊する適切な酵素又は薬剤で処理することにより、クロマトグラフィーカラムから放出され得る[例えば、Booth et al.(1988) Immunol. Lett. 19:65-70;及びGardella et al.,(1990) J. Biol. Chem. 265:15854-15859を参照]。
【0761】
本発明はまた、本明細書に記載の組成物を含む細胞を企図する。
【0762】
したがって、ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド及び/又は4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、又はそれをコードする核酸構築物を含む、宿主細胞が提供される。
【0763】
上記のように、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドを発現するための宿主発現系としては、様々な原核生物又は真核生物の細胞を使用しうる。これらには、コード配列を含む、組換えバクテリオファージDNA、プラスミドDNA、又はコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌などの微生物;コード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母;コード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)、タバコモザイクウイルス(TMV))に感染した、又はコード配列を含むTiプラスミドなどの組換えプラスミド発現ベクターで形質転換された植物細胞系が含まれるが、これらに限定されない。哺乳動物発現系を使用して、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドを発現させてもよい。
【0764】
細菌性構築物(bacterial constructs)の例には、大腸菌発現ベクターのpETシリーズが含まれる(Studier et al.(1990) Methods in Enzymol. 185:60-89)。
【0765】
本発明の教示と共に使用され得る真核細胞の例には、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、藻類細胞、又は植物細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0766】
酵母では、米国特許出願第5,932,447号に開示されているように、構成的又は誘導性のプロモーターを含む多くのベクターを使用することができる。あるいは、酵母染色体への外来DNA配列の組み込みを促進するベクターを使用してもよい。
【0767】
植物発現ベクターが使用される場合、コード配列の発現は、いくつかのプロモーターによって駆動され得る。例えば、CaMVの35SRNA及び19SRNAプロモーターなどのウイルスプロモーター[Brisson et al.(1984) Nature 310:511-514]又はTMVへのコートタンパク質プロモーター[Takamatsu et al.(1987) EMBO J. 6:307-311]が使用され得る。あるいは、RUBISCOの小サブユニットなどの植物プロモーター[Coruzzi et al.(1984) EMBO J. 3:1671-1680、及びBrogli et al.,(1984) Science 224:838-843]又はヒートショックプロモーター、例えば、大豆hsp17.5-E又はhsp17.3-B[Gurley et al.(1986) Mol. Cell. Biol. 6:559-565]が使用され得る。これらの構築物は、Tiプラスミド、Riプラスミド、植物ウイルスベクター、直接DNA形質転換、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、及び当業者に周知の他の技術を使用して植物細胞に導入され得る。例えば、Weissbach & Weissbach, 1988, Methods for Plant Molecular Biology, Academic Press, NY, Section VIII, pp 421-463を参照。
【0768】
当技術分野で周知の昆虫及び哺乳動物宿主細胞系などの他の発現系もまた、本発明のいくつかの実施形態によって使用され得る。
【0769】
ある具体的な実施形態によれば、前記細胞は哺乳動物細胞である。
【0770】
ある具体的な実施形態によれば、前記細胞はヒト細胞である。
【0771】
ある具体的な実施形態によれば、前記細胞は細胞株(cell line)である。
【0772】
別のある具体的な実施形態によれば、前記細胞は初代培養細胞(primary cell)である。
【0773】
細胞は、血液、筋肉、神経、脳、心臓、肺、肝臓、膵臓、脾臓、胸腺、食道、胃、腸、腎臓、精巣、卵巣、髪、皮膚、骨、乳房、子宮、膀胱、脊髄、又は様々な種類の体液を含むがこれらに限定されない適切な組織に由来し得る。前記細胞は、胚、胎児、及び成体の段階を含む任意の発達段階、並びに発達起源、すなわち、外胚葉、中胚葉、及び内胚葉起源に由来し得る。
【0774】
哺乳動物細胞の非限定的な例には、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1細胞株(COS、例えば、COS-7、ATCC CRL1651)、ヒト胎児腎臓細胞株(HEK293、又は浮遊培養における増殖のためにサブクローン化されたHEK293細胞、Graham et al., J. Gen Virol., 36:59 1977)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10)、マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, Biol. Reprod., 23:243-251 1980)、サル腎臓細胞(CV1、ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頸がん細胞(HeLa、ATCC CCL 2)、NIH3T3細胞、ジャーカット(Jurkat)細胞、イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳腺腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Mather et al., Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44-68 1982)、MRC 5細胞、FS4細胞、並びにヒト肝細胞がん細胞株(Hep G2)、PER.C6、K562、及びチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)が含まれる。
【0775】
本発明のいくつかの実施形態によれば、哺乳動物細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、HEK293、PER.C6、HT1080、NS0、Sp2/0、BHK、Namalwa、COS、HeLa細胞、及びVero細胞からなる群より選択される。
【0776】
本発明のいくつかの実施形態によれば、宿主細胞は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、PER.C6細胞、及び293(例えば、Expi293F)細胞を含む。
【0777】
本発明の別の態様によれば、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド、又は4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチドを産生する方法であって、本明細書に記載のポリヌクレオチド又は核酸構築物を宿主細胞で発現させることを含む、前記方法が提供される。
【0778】
ある具体的な実施形態によれば、前記方法は、融合タンパク質又はポリペプチドを単離することを含む。
【0779】
ある具体的な実施形態によれば、前記組換えポリペプチドの回収は、適切な培養期間の後に行われる。「組換えポリペプチドを回収する」という句は、ポリペプチドを含む発酵培地全体を回収することを指し、分離又は精製の追加のステップを意味しなくてもよい。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態のポリペプチドは、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、濾過、電気泳動、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、コンカナバリンAクロマトグラフィー、ミックスモードクロマトグラフィー、金属アフィニティークロマトグラフィー、レクチンアフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、及び示差可溶化(differential solubilization)などであるがこれらに限定されない、様々な標準タンパク質精製技術を使用して精製されてもよい。
【0780】
ある具体的な実施形態によれば、合成及び精製に続いて、ペプチドの治療効果をインビボ又はインビトロのいずれかでアッセイすることができる。かかる方法は当技術分野で公知であり、例えば、細胞生存率、トランスジェニックマウスの生存、及び活性化マーカーの発現が含まれる。
【0781】
本発明のいくつかの実施形態の組成物(例えば、本明細書に開示されるSRIPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド、4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチド、それをコードするポリヌクレオチド、それをコードする核酸構築物、及び/又は細胞)は、それ自体で、又は適切な担体若しくは添加剤と混合される医薬組成物で投与され得る。
【0782】
したがって、本発明は、いくつかの実施形態において、治療有効量の本明細書に開示される組成物を含む医薬組成物を特徴とする。
【0783】
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、生理学的に適切な担体及び添加剤などの他の化学成分を用いた、本明細書に記載の1又は複数の活性成分の調製物を指す。医薬組成物の目的は、生物への化合物の投与を容易にすることである。
【0784】
本明細書において、「有効成分」という用語は、生物学的効果の原因となる組成物(例えば、本明細書に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、SIRPαアミノ酸配列を含むポリペプチド、4-1BBLアミノ酸配列を含むポリペプチド、ポリヌクレオチド、核酸構築物、及び/又は細胞)を指す。
【0785】
本明細書において、「添加剤(excipient)」という用語は、有効成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に添加される不活性物質を指す。添加剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及び各種デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、及びポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。
【0786】
以下、互換的に使用され得る「生理学的に許容される担体」及び「医薬的に許容される担体」という句は、生物に重大な刺激を引き起こさず、投与された化合物の生物学的活性及び特性を無効にしない担体又は希釈剤を指す。これらの句にはアジュバントが含まれる。
【0787】
本明細書で使用される場合、「医薬的に許容される担体」には、生理学的に適合性のある全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤などが含まれる。好ましくは、前記担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄、又は表皮投与(例えば、注射又は注入による)に適している。投与経路に応じて、本明細書に記載の活性化合物、すなわち、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、核酸構築物、及び/又は細胞は、1又は複数の医薬的に許容される塩を含み得る。「医薬的に許容される塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、望ましくない毒物学的効果を与えない塩を指す(例えば、Berge, S. M., et al.(1977) J. Pharm. Sci. 66: 1-19を参照のこと)。かかる塩の例には、酸付加塩及び塩基付加塩が含まれる。酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リンなどの非毒性無機酸に由来するもの、並びに脂肪族モノカルボン酸及びジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸に由来するものが含まれる。塩基付加塩には、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、並びにN、N’-ジベンジルエチレンジアミン、N-メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどの非毒性有機アミンに由来するものが含まれる。
【0788】
本発明の少なくともいくつかの実施形態による医薬組成物はまた、医薬的に許容される抗酸化剤を含み得る。医薬的に許容される抗酸化剤の例は、以下を含む:(1)アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤。本発明の少なくともいくつかの実施形態による医薬組成物はまた、界面活性剤(detergent)及び可溶化剤(例えば、TWEEN20(ポリソルベート-20)、TWEEN80(ポリソルベート-80))、防腐剤(例えば、チメルソル、ベンジルアルコール)、及び増量物質(例えば、ラクトース、マンニトール)などの添加剤を含み得る。
【0789】
本発明の少なくともいくつかの実施形態による医薬組成物に使用され得る適切な水性及び非水性の担体の例には、水、様々な緩衝液含有量(例えば、トリス-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH、及びイオン強度の緩衝生理食塩水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが含まれる。
【0790】
適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤(surfactant)の使用によって維持することができる。
【0791】
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントを含み得る。微生物の存在の防止は、上記の滅菌手順によって、並びに様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確実にされ得る。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることも望ましい場合がある。さらに、注射可能な剤形の長期吸収(prolonged absorption)は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤を含めることによってもたらされ得る。
【0792】
医薬的に許容される担体には、無菌の注射可能な溶液又は分散液の即時調製のための、無菌の水溶液又は分散液及び無菌の粉末が含まれる。医薬的に活性な物質のためのかかる媒体及び薬剤の使用は、当技術分野で公知である。従来の媒体又は剤が活性化合物と適合しない場合を除いて、本発明の少なくともいくつかの実施形態による医薬組成物におけるそれらの使用が企図される。補足的な活性化合物もまた、前記組成物に組み込まれうる。
【0793】
治療用組成物は、通常、製造及び保管の条件下で無菌かつ安定でなければならない。前記組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、又は高薬物濃度に適した他の秩序立った構成(ordered structure)として処方されうる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適切な混合物を含む溶媒又は分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合に必要な粒子サイズの維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、又は塩化ナトリウムを前記組成物に含めることが好ましいであろう。注射可能な前記組成物の長期吸収は、吸収を遅らせる薬剤、例えば、モノステアレート塩及びゼラチンを組成物に含めることによってもたらされ得る。無菌の注射可能な溶液は、必要に応じて、上記に列挙された成分の1つ又は組み合わせを含む適切な溶媒に必要な量の活性化合物を組み込み、続いて滅菌精密濾過することによって調製され得る。通常、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒及び上記に列挙されたものから必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)であり、これにより、有効成分に加えて、予め滅菌濾過された溶液から任意の追加の望ましい成分の粉末が得られる。
【0794】
無菌の注射可能な溶液は、必要に応じて、上記に列挙された成分の1つ又は組み合わせを含む適切な溶媒に必要な量の活性化合物を組み込み、続いて滅菌精密濾過することによって調製され得る。通常、分散液は、活性化合物を、基本的な分散媒及び上記に列挙されたものから必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)であり、これにより、有効成分に加えて、予め滅菌濾過された溶液から任意の追加の望ましい成分の粉末が得られる。
【0795】
担体材料と組み合わせて単一の剤形を生成することができる有効成分の量は、処置される対象、及び個別の投与様式に応じて変化するであろう。担体材料と組み合わせて単一の剤形を生成することができる有効成分の量は、通常、治療効果を生成する組成物の量である。概して、100%のうち、この量は、医薬的に許容される担体と組み合わせた、約0.01%~約99%の有効成分、好ましくは約0.1%~約70%の有効成分、最も好ましくは約1%~約30%の有効成分の範囲内である。
【0796】
投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調整される。例えば、単一のボーラスが投与されてよく、いくつかの分割された用量が経時的に投与されてもよく、又は用量が、治療状況の緊急性によって示されるように比例して減少又は増加されてもよい。投与の容易さ及び投与量の均一性のために、投与単位形態で非経口組成物を処方することが特に有利である。本明細書で使用される投与単位形態(dosage unit form)は、処置される対象への単一投与量として適した物理的個別単位(physically discrete units)を指す。各単位は、必要な医薬担体と関連して所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の少なくともいくつかの実施形態による投与単位形態の規格は、(a)活性化合物の固有の特徴及び達成されるべき個別の治療効果、及び(b)個人の感受性の処置のためにかかる活性化合物を配合する当技術分野に固有の制限によって決定され、それらに直接依存する。
【0797】
薬物の製剤及び投与のための技術は、参照により本明細書に援用される「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Mack Publishing Co., Easton, PA)(最新版)に記載されている。
【0798】
本発明のいくつかの実施形態の医薬組成物は、当技術分野で周知のプロセスによって、例えば、従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、磨り潰し(levigate)、乳化、カプセル化、捕捉、又は凍結乾燥プロセスによって製造され得る。
【0799】
本発明の組成物は、当技術分野で公知の様々な方法の1又は複数を使用して、1又は複数の投与経路を介して投与され得る。当業者によって理解されるように、投与の経路及び/又は様式は、所望の結果に応じて変化するであろう。本発明の少なくともいくつかの実施形態による治療剤の好ましい投与経路には、例えば、血管内送達(例えば、注射又は注入)、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄、経口、経腸、直腸、肺(例えば、吸入)、鼻、局所(経皮、頬側、及び舌下を含む)、膀胱内、硝子体内、腹腔内、膣、脳への送達(例えば、脳室内、脳内、及び対流により増強される拡散(convection enhanced diffusion))、中枢神経系(CNS)送達(例えば、くも膜下腔内、脊髄周囲、及び脊髄内)、非経口(皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内(IV)、及び皮内を含む)、経皮(受動的に又はイオントフォレーシス若しくはエレクトロポレーションを使用)、経粘膜(例えば、舌下投与、鼻、膣、直腸、又は舌下)投与、インプラントによる投与、又は他の非経口投与経路(例えば注射又は注入による);又は当技術分野で公知の他の送達経路及び/又は投与形態が含まれる。本明細書で使用される「非経口投与」という句は、通常は注射による、経腸及び局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、被膜内(intracapsular)、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下(subcapsular)、くも膜下、脊髄内、硬膜外、及び胸骨内注射及び注入、又は生体侵食性インサートを使用することを含むがこれらに限定されず、各投与経路に適した剤形で処方することができる。ある具体的な実施形態では、本発明の少なくともいくつかの実施形態によるタンパク質、治療剤、又は医薬組成物は、腹腔内又は静脈内に投与され得る。
【0800】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示される組成物は、非経口注射によって水溶液中で投与される。前記製剤は、懸濁液又は乳濁液の形態であってもよい。通常、非経口注射用の医薬組成物は、有効量の本明細書に記載の組成物を含み、所望により、医薬的に許容される希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント、及び/又は担体を含む。かかる組成物は、所望により、希釈剤;滅菌水;様々な緩衝液含有量(例えば、トリス-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH、及びイオン強度の緩衝生理食塩水;並びに、洗浄剤界面活性剤(detergent)や可溶化剤(例えば、TWEEN20(ポリソルベート-20)、TWEEN80(ポリソルベート-80))、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤;クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤)、防腐剤(例えば、チメルソル、ベンジルアルコール)、及び増量物質(例えば、乳糖、マンニトール)などの添加剤のうち1又は複数を含む。非水性溶媒又はビヒクルの例は、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油、及びコーン油などの植物油、ゼラチン、並びにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。前記製剤はフリーズドライ(凍結乾燥)又は真空乾燥されていてよく、使用直前に及び再溶解/再懸濁され得る。前記製剤は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、滅菌剤を前記組成物に組み込むことによって、前記組成物を照射することによって、又は前記組成物を加熱することによって、滅菌することができる。
【0801】
本明細書に開示される様々な組成物(例えば、ポリペプチド)は、局所的に適用され得る。局所投与は、ほとんどのペプチド製剤ではうまく機能しないが、肺、鼻、経口(舌下、頬側)、膣、又は直腸粘膜に適用した場合に特に効果的でありうる。
【0802】
本発明の組成物は、空気力学的直径が約5ミクロン未満のエアロゾル又は噴霧乾燥粒子のいずれかとして送達される場合、吸入しながら肺に送達され、肺上皮内層を横切って血流に移動することが可能である。ネブライザー、定量吸入器、及び粉末吸入器を含むがこれらに限定されない、治療用製品の肺送達用に設計された広範囲の機械的デバイスを使用可能であり、これらは全て当業者に周知である。市販のデバイスのいくつかの具体例は、UltraVentネブライザー(Mallinckrodt Pharmaceuticals社、ミズーリ州セントルイス)、Acorn IIネブライザー(Marquest Medical Products社、コロラド州イングルウッド)、Ventolin定量吸入器(Glaxo社、ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク)、及びSpinhaler粉末吸入器(Fisons Corp.社、マサチューセッツ州ベッドフォード)である。Nektar Therapeutics社、Alkermes社、及びMannkind社は全て、承認済であるか又は臨床試験の段階にある吸入可能なインスリン粉末製剤を有しており、本明細書に記載の製剤に技術を適用できる可能性がある。
【0803】
粘膜に投与するための製剤は、通常、噴霧乾燥された薬物粒子であり、これは、錠剤、ゲル、カプセル、懸濁液、又は乳濁液に組み込まれ得る。標準的な医薬品添加剤は、任意の製剤業者(formulator)からも入手可能である。経口製剤は、チューインガム、ゲルストリップ、錠剤、又はトローチ(lozenge)の形態であり得る。
【0804】
経皮製剤を調製することもできる。これらは通常、軟膏、ローション、スプレー、又はパッチであり、これらはすべて標準的な技術を使用して調製できる。経皮製剤には、浸透促進剤を含める必要がある。本発明の医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、患者に有毒とならずに、個別の患者、組成物、及び投与様式に対して所望の治療応答を達成するのに有効な有効成分の量を得るように変更可能である。選択される投与量レベルは、様々な薬物動態学的要因に依存し、それらには、採用される本発明の個々の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用されている個別の化合物の排泄速度、処置期間、採用される個々の組成物と組み合わせて使用される他の薬物、化合物、及び/又は材料、処置を受けている患者の年齢、性別、体重、状態、全身の健康状態、既往歴、並びに医療分野で周知の同様の要因が含まれる。
【0805】
ある具体的な実施形態によれば、本明細書に開示される組成物は、治療有効量で対象に投与される。本明細書で使用される場合、「有効量」又は「治療有効量」という用語は、処置される障害の1又は複数の症状を処置、阻害、又は軽減するのに十分な、又はその他の方法で所望の薬理学的及び/又は生理学的効果を提供するのに十分な用量を意味する。正確な投与量は、対象によって決定される変数(例えば、年齢、免疫系の健康など)、疾患、及び実施される処置などの様々な要因によって異なる。本明細書に開示されるポリペプチド組成物、それをコードするポリヌクレオチド及び核酸構築物、並びに本明細書に記載される細胞の場合、さらなる研究が行われるにつれて、様々な患者の様々な状態の処置のための適切な投与量レベルに関する情報が明らかになり、当業者は、被処置者の治療状況、年齢、及び全身の健康状態を考慮して、適切な投与量を確認することができるであろう。選択される投与量は、所望の処置効果、投与経路、及び所望の処置の期間によって決定される。ポリペプチド組成物の場合、一般に、一日0.0001~100mg/kg体重の投与量レベルが哺乳動物に投与され、より普通には0.001~20mg/kgである。例えば、投与量は、0.3mg/kg体重、1mg/kg体重、3mg/kg体重、5mg/kg体重、又は10mg/kg体重、あるいは1~10mg/kgの範囲内であり得る。例示的な処置レジメンは、週5回、週4回、週3回、週2回、週1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、月に1回、3か月に1回、又は3~6か月に1回の投与を伴う。一般的に、静脈内注射又は注入の場合、投与量は少なくなりうる。投与レジメンは、最適な所望の応答(例えば、治療応答)を提供するように調整される。例えば、単一のボーラスが投与されてよく、いくつかの分割された用量が経時的に投与されてもよく、又は用量が、治療状況の緊急性によって示されるように比例して減少又は増加されてもよい。投与の容易さ及び投与量の均一性のために、投与単位形態で非経口組成物を処方することが特に有利である。本明細書で使用される投与単位形態(dosage unit form)は、処置される対象への単一投与量として適した物理的個別単位(physically discrete units)を指す。各単位は、必要な医薬担体と関連して所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の少なくともいくつかの実施形態による投与単位形態の規格は、(a)活性化合物の固有の特徴及び達成されるべき個別の治療効果、及び(b)個人の感受性の処置のためにかかる活性化合物を配合する当技術分野に固有の制限によって決定され、それらに直接依存する。
【0806】
場合により、前記ポリペプチド製剤は、任意の適切な投与タイミングレジメンに従って、0.0001~100mg/患者の体重(kg)/日の間の量、好ましくは0.001~20.0mg/kg/日の間の量で投与され得る。本発明の少なくともいくつかの実施形態による治療組成物は、例えば、1日3回、1日2回、1日1回、週3回、週2回、週1回、又は2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間若しくは8週間ごとに1回、投与され得る。さらに、前記組成物は、短期間又は長期間(例えば、1週間、1ヶ月、1年、5年)にわたって投与され得る。
【0807】
あるいは、本明細書に開示される組成物は、徐放性製剤として投与することができ、その場合、必要とされる投与の頻度はより少ない。投与量と頻度は、患者における治療剤の半減期によって異なる。一般に、ヒト抗体は最も長い半減期を示し、次にヒト化抗体、キメラ抗体、及び非ヒト抗体が続く。融合タンパク質の半減期は大きく異なり得る。投与量及び投与頻度は、処置が予防的であるか治療的であるかによって異なり得る。予防的用途では、比較的低用量が長期間にわたって比較的低頻度の間隔で(relatively infrequent intervals)投与される。一部の患者は生涯処置を受け続ける。治療用途では、疾患の進行が低減又は終了するまで、好ましくは患者が疾患の症状の部分的又は完全な改善を示すまで、比較的短い間隔で比較的高い投与量が必要とされる場合がある。その後、患者に予防的投与レジメンで投与してもよい。
【0808】
ある具体的な実施形態において、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、核酸構築物、又は細胞組成物は、例えば、処置される部位に直接注射することによって、局所的に投与される。典型的には、注射は、全身投与によって達成され得る濃度よりも高い、組成物の局所濃度の増加を引き起こす。処置される部位からのポリペプチドの受動拡散を低減することによって、ポリペプチド組成物の局所濃度の増加を作り出すのを助けるために、前記ポリペプチド組成物は、上記のようにマトリックスと組み合わせることができる。
【0809】
本発明の医薬組成物は、当技術分野で公知の医療デバイスと共に投与してもよい。例えば、所望による実施形態では、本発明のいくつかの実施形態による医薬組成物は、米国特許第5,399,163号、第5,383,851号、第5,312,335号、第5,064,413号、第4,941,880号、第4,790,824号、又は第4,596,556号に開示されるデバイスなどの針皮下注射デバイスを用いて投与され得る。本発明において有用な周知のインプラント及びモジュールの例には、米国特許第4,487,603号に開示される制御された速度で薬剤を分配するための埋め込み型マイクロ注入ポンプ、米国特許第4,486,194号に開示される皮膚を通して薬剤を投与するための治療デバイス、米国特許第4,447,233号に開示される正確な注入速度で薬剤を送達するための薬剤注入ポンプ、米国特許第4,447,224号に開示される連続薬物送達のための可変流量埋め込み型注入装置、米国特許第4,439,196号に開示されるマルチチャンバーコンパートメントを有する浸透圧ドラッグデリバリーシステム、及び米国特許第4,475,196号に開示される浸透圧ドラッグデリバリーシステムが含まれる。これらの特許は、参照により本明細書に援用される。他の多くのこのようなインプラント、送達システム、及びモジュールは、当業者に公知である。
【0810】
前記活性化合物は、インプラント、経皮パッチ、及びマイクロカプセル化送達システムを含む制御放出製剤など、急速放出に抗して化合物を保護する担体を用いて調製してもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸などの生分解性の生体適合性ポリマーを使用しうる。かかる製剤を調製するための多くの方法は、特許とされているか、又は一般に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照のこと。制御放出ポリマーデバイスは、ポリマーデバイス(ロッド、シリンダー、フィルム、ディスク)又は注射(微粒子)を移植し続いて全身に長期放出を行うために作製されうる。マトリックスは、ペプチドが固体ポリマーマトリックス又はマイクロカプセル内に分散され、コアがポリマーシェルとは異なる材料であり、ペプチドが、元来液体でも固体でもよいコアに分散又は懸濁されている、ミクロスフェアなどの微粒子の形態であってもよい。本明細書で特に定義されていない限り、微粒子、ミクロスフェア、及びマイクロカプセルは互換的に使用される。あるいは、ポリマーは、数ナノメートル~4センチメートルの範囲内の薄いスラブ又はフィルムとして成型されてもよく、粉砕又は他の標準的な技術によって生成される粉末であってもよく、あるいはヒドロゲルなどのゲルであってもよい。
【0811】
非生分解性又は生分解性マトリックスのいずれかを、本明細書に開示される活性剤の送達に使用することができるが、生分解性マトリックスが好ましい。これらは天然又は合成ポリマーであり得るが、分解及び放出プロファイルのより良い特徴付けのために合成ポリマーが好ましい。ポリマーは、放出が望まれる期間に基づいて選択される。線形放出が最も有用な場合もあれば、パルス放出又は「バルク放出」がより効果的な結果を提供する場合もある。ポリマーは、ヒドロゲルの形態(典型的には、最大約90重量%の水を吸収している)であってもよく、場合により、多価イオン又は多価ポリマーで架橋されていてもよい。
【0812】
マトリックスは、溶媒蒸発、噴霧乾燥、溶媒抽出、及び当業者に公知の他の方法によって形成され得る。生体侵食性ミクロスフェアは、例えば、Mathiowitz and Langer, J. Controlled Release, 5:13-22(1987); Mathiowitz, et al., Reactive Polymers, 6:275-283(1987);及びMathiowitz, et al., J. Appl Polymer ScL, 35:755-774(1988)によって記載されているように、薬物送達のためのミクロスフェアを作製するために開発された方法のいずれかを使用して調製することができる。
【0813】
前記デバイスは、移植又は注射の領域を処置するための局所放出(通常、全身の処置のための投与量よりもはるかに少ない投与量を送達する)又は全身送達用に製剤化され得る。これらは、皮下、筋肉、脂肪に移植又は注射されるか、嚥下されてもよい。ある具体的な実施形態において、本発明の少なくともいくつかの実施形態による治療化合物が(必要に応じて)BBBを通過することを確実にするために、それらは、例えば、リポソーム中に製剤化され得る。リポソームの製造方法については、例えば、米国特許第4,522,811号、第5,374,548号、及び第5,399,331号を参照のこと。リポソームは、特定の細胞又は器官に選択的に輸送されて、標的化された薬物送達を増強する、1又は複数の部分を含み得る(例えば、V. V. Ranade(1989) J. Clin. Pharmacol. 29:685を参照のこと)。例示的な標的化部分として、葉酸又はビオチン(例えば、米国特許第5,416,016号~Low et al.を参照のこと)、マンノシド(Umezawa et al.,(1988) Biochem. Biophys. Res. Commun. 153:1038)、抗体(P. G. Bloeman et al.(1995) FEBS Lett. 357:140; M. Owais et al.(1995) Antimicrob. Agents Chemother. 39:180)、サーファクタントプロテインA受容体(Briscoe et al.(1995) Am. J Physiol. 1233:134)、p120(Schreier et al.(1994) J. Biol. Chem. 269:9090)が挙げられる。K. Keinanen; M. L. Laukkanen(1994) FEBS Lett. 346:123; J. J. Killion; I. J. Fidler(1994) Immunomethods 4:273についても参照のこと。
【0814】
本発明のいくつかの実施形態の組成物は、必要に応じて、有効成分を含む1又は複数の単位剤形を含み得る、アメリカ食品医薬品局(FDA)に承認されたキットなどのパック又はディスペンサーデバイスで提示され得る。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属又はプラスチックの箔を含み得る。パック又はディスペンサーデバイスには、投与のためのインストラクション(instructions for administration)が添付され得る。パック又はディスペンサーは、医薬品の製造、使用、又は販売を規制する政府機関によって規定された形式の容器に関連付けられた通知によって適応される場合もあり、この通知は、人若しくは動物投与用組成物の形態の機関による承認を反映している。このような通知は、例えば、処方薬についてアメリカ食品医薬品局によって承認されたラベル、又は承認された添付文書に関するものである場合がある。適合性のある医薬担体中に製剤化された本発明の調製物を含む組成物もまた、上記でさらに詳述されたように、調製され、適切な容器に入れられ、そして適応とされた状態の処置のためにラベルを付され得る。
【0815】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±10%を指す。
【0816】
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの複合は、「含むがそれに限定されない」ことを意味する。
【0817】
「からなる(consisting of)」という用語は、「含み且つ限定される」ことを意味する。
【0818】
「本質的に~からなる」という用語は、追加の成分、工程、及び/又は部分が請求の範囲の組成物、方法、又は構造の基本的及び新規の特性を実質的に(materially)変更しない場合に限り、組成物、方法、又は構造が追加の成分、工程、及び/又は部分を含み得ることを意味する。
【0819】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び定冠詞「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物(a compound)」又は「少なくとも1つの化合物(at least one compound)」という用語は、複数の化合物(それらの混合物を含む)を含み得る。
【0820】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態は、範囲形式で提示され得る。範囲形式での説明は、単に便宜上及び簡潔にするためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個々の数値だけでなく、全ての可能な部分的範囲を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分的範囲並びにその範囲内の個々の数字(1、2、3、4、5、及び6など)を具体的に開示していると見なす必要がある。これは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0821】
本明細書で数値範囲が示されるときは常に、示された範囲内の引用された数字(分数又は整数)を含むことを意味する。第1の表示番号及び第2の表示番号の「間の範囲(に及んでいる)/範囲(に及ぶ)」という句、及び第1の表示番号「から」第2の表示番号「までの範囲(に及んでいる)/範囲(に及ぶ)」という句は、本明細書では互換的に使用され、1番目に示された数字及び2番目に示された数字並びにそれらの間の全ての分数と整数を含むことを意味する。
【0822】
本明細書で使用される場合、「方法」という用語は、所与の課題(タスク)を達成するための方法、手段、技術、及び手順を指し、化学、薬理学、生物学、生化学、及び医学の専門家に公知であるか、それらの専門家により公知の方法、手段、技術、及び手順から容易に開発される方法、手段、技術、及び手順を含むがこれらに限定されない。
【0823】
特定の配列表を参照する場合、かかる参照は、例えば、配列決定エラー、クローニングエラー、又は塩基置換、塩基欠失、若しくは塩基付加をもたらすその他の変化がもたらすマイナーな配列変異を含むものとして、その相補的配列に実質的に対応する配列も包含すると理解されるべきである。但し、かかる変化の頻度は50ヌクレオチドに1未満、あるいは100ヌクレオチドに1未満、あるいは200ヌクレオチドに1未満、あるいは500ヌクレオチドに1未満、あるいは1000ヌクレオチドに1未満、あるいは5,000ヌクレオチドに1未満、あるいは10,000ヌクレオチドに1未満である。
【実施例
【0824】
ここで、以下の実施例を参照する。これらの実施例は、上記の説明と共に、本発明のいくつかの実施形態を非限定的な方法で示している。
【0825】
一般に、本明細書で使用される命名法及び本発明で利用される実験室手順は、分子、生化学、微生物学的及び組換えDNA技術を含む。このような技術は文献で十分に説明されている。例えば、Sambrook et al.“Molecular Cloning: A laboratory Manual”(1989); Ausubel、R.M.、ed.“Current Protocols in Molecular Biology“ Volumes I-III(1994); Ausubel et al.、“Current Protocols in Molecular Biology“、John Wiley and Sons、Baltimore、Maryland(1989); Perbal、“A Practical Guide to Molecular Cloning“、John Wiley & Sons、New York(1988); Watson et al.、“Recombinant DNA“、Scientific American Books、New York;Birren et al.(eds) “Genome Analysis: A Laboratory Manual Series“、Vols.1-4、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(1998);例えば米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号、及び同第5,272,057号に記載される方法;Cellis、J. E.、ed. “Cell Biology: A Laboratory Handbook“、Volumes I-III(1994);Freshney、Wiley-Liss、N.Y.“Culture of Animal Cells - A Manual of Basic Technique”(1994)、Third Edition; “Current Protocols in Immunology“ Volumes I-III Coligan J. E.、ed.(1994);Stites et al.(eds)、“Basic and Clinical Immunology”(8th Edition)、Appleton & Lange、Norwalk、CT (1994);Mishell and Shiigi (eds)、“Selected Methods in Cellular Immunology“、W.H.Freeman and Co.、New York(1980);利用可能なイムノアッセイは特許及び科学文献に広範囲に記載されており、例えば 米国特許第3,791,932号、同第3,839,153号、同第3,850,752号、同第3,850,578号、同第3,853,987号、同第3,867,517号、同第3,879,262号、同第3,901,654号、同第3,935,074号、同第3,984,533号、同第3,996,345号、同第4,034,074号、同第4,098,876号、同第4,879,219号、同第5,011,771号、及び同第5,281,521号などを参照;Gait、M. J.、ed. “Oligonucleotide Synthesis”(1984);Hames、B. D.、and Higgins S. J.、eds.Nucleic Acid Hybridization”(1985);Hames、B. D.、and Higgins S.J.、eds.“Transcription and Translation”(1984);Freshney、R.I.、ed.“Animal Cell Culture”(1986);“Immobilized Cells and Enzymes“IRL Press、(1986);Perbal、B.、“A Practical Guide to Molecular Cloning”(1984)及び“Methods in Enzymology“ Vol. 1-317、Academic Press;“PCR Protocols:A Guide To Methods And Applications“、Academic Press、San Diego、CA (1990);Marshak et al.、“Strategies for Protein Purification and Characterization - A Laboratory Course Manual“ CSHL Press(1996)を参照のこと。これらは全て、本明細書に完全に記載されているかのように参照として援用される。他の一般的な参考文献は、本明細書全体を通して提供される。その中の手順は、当該技術分野において周知であると考えられ、読者の便宜のために提供される。本明細書に含まれる全ての情報は、本明細書中に参照として援用される。
【0826】
実施例1
SIRPα-4-1BBLバリアントの選択
以下のパラメーターを最適化するために、本明細書で「DSP107」と称される、N末端シグナルペプチド及びC末端Hisタグ(配列番号43、図1)を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の構造分析を行った。
【0827】
・ 折り畳み…標的への結合を可能にする適切な折り畳み。潜在的なジスルフィドスクランブリングを最小限に抑える。
【0828】
・ 完全性…露出したタンパク質分解部位がない。
【0829】
・ 多量体化…2つのドメインの潜在的な多量体化を調査する。具体的には、C末端ドメイン形成の三量体化を最適化する。
【0830】
・ 哺乳類の発現系における高発現。
【0831】
・ 低い免疫原性。
【0832】
具体的には、SIRPαドメイン(UniProt ID P78324 EMドメインの31番目~373番目のアミノ酸に対応、配列番号2)の場合:
【0833】
1. 包括的SIRPαモデル(SIRPα comprehensive model)は、PDB構造(2JJS、2JJT、2UV3、2WNG、4CMM、4KJY、6BIT)に基づいて生成された。SIRPαのC末端部分がこれらのPDB構造(VAL338から開始、すなわちVSAHPKEQGSNTAAENTGSNERNIY、配列番号9)では欠落しているため、モデリング及びホモロジーモデリングの手法を適用して、妥当と思われる予測モデルを作成した。
【0834】
2. 構造解析…構造解析は、目的のプロファイルに影響を与える可能性のある融合タンパク質内の潜在的な要素を強調するために実施した。これらの分析には以下が含まれる。
・Delphi及びCHARMMに基づくアルゴリズムを使用する静電ポテンシャル表面計算を用いての、タンパク質凝集及び非天然オリゴマー化を引き起こす可能性のある疎水性セグメントの識別。
・公開されているX線構造に基づく融合タンパク質のホモロジーモデリング。
・高解像度構造が決定されていない領域の構造予測(構造予測サーバー:Robetta、TASSER、PEP-FOLD3を使用)。
・タンパク質分解部位予測のための、PROSPERサーバーによる融合タンパク質(又は示唆されるバリアント)の配列上の潜在的な切断部位の予測。
【0835】
3. SIRPα発現ドメインと4-1BBLとのDSP107ドッキング(結合)を評価するために、潜在的に生じうる誤った折りたたみ形態(potential misfolded forms)の大まかなモデルを生成した。
【0836】
4-1BBL(UniProt ID P41273 EMドメインの50番目~254番目のアミノ酸に対応、配列番号3)の場合:
【0837】
1. 4-1BB-L細胞外(EC)ドメインモデルは、PDB構造:2X29に基づいて生成された。4-1BBLのN末端部分が欠落しており、X線で解像されなかった(not resolved)ため、このセグメント(ACPWAVSGARASPGSAASPRLREGPELSPD、配列番号10)が、疎水性残基を溶媒に曝露し、その構造を予測しようとする試みでは非構造化領域が示されたものと思われる。これにより、融合DSP107の安定性が低下し、4-1BBLを介した三量体化の適切な配向が妨げられる可能性がある。
【0838】
2. 前記融合タンパク質を、そのタンパク質分解部位について、PROSPERサーバーを使用して分析した。
【0839】
3. 溶媒に向かって外側を向いている4-1BBL分解ドメイン内のループが検出された。これは、プロセシングを受ける領域でありうることを意味する。
【0840】
図2A図3及び表3に、生成された3Dモデル、識別されたドメイン及びセグメント、並びにDSP107融合タンパク質の分析で検出された予測タンパク質分解部位を示す。
【0841】
まとめると、構造分析は次のことを示した。
【0842】
1. 4-1BBLドメインのN末端セグメント(ACPWAVSGARASPG、配列番号6/ACPWAV、配列番号7)を除去すると、DSP107の可動性及び疎水性が低下すると予想される。
【0843】
2. Ig様C1type1及びIg様C1type2を除去すると、CD47相互作用ドメインを活性に保ちながら、タンパク質のサイズが小さくなる。したがって、SIRPαのC末端は、4-1BBLに連結したTELSVRAKPS(配列番号8)で終わる必要がある。
【0844】
3. 4-1BBLドメインのN末端セグメント(ACPWAVSGARASPG、配列番号6/ACPWAV、配列番号7)には遊離Cys残基があり、誤ったジスルフィド結合により適切な折り畳み(folding)/再編成(rearrangement)を妨げる場合がある。
【0845】
4. SIRPαのN末端にある6-Hisタグは、SIRPαの最初の3つのグルタミン酸と相互作用し、この領域のマスキングをもたらすと予測される。
【0846】
5. 隣接/非構造化領域には切断部位がほとんどないようである。
【0847】
【表3】
【0848】
4-1BBL又はその任意のバリアントに融合され得る、配列番号24又は配列番号26のアミノ酸配列を有するSIRPαバリアントをいくつか、構造分析に基づいて設計した。
【0849】
また、SIRPα又はその任意のバリアントに融合され得る、配列番号22、23、27、28、70、72、74、又は76のアミノ酸配列を有する4-1BBLバリアントをいくつか、構造分析に基づいて設計した。
【0850】
さらに、4-1BBL部分の活性を誘導するための融合タンパク質の三量体化の必要性を回避するために、SIRPα又はその任意のバリアントに融合され得る4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含む4-1BBLバリアントを設計した。かかる4-1BBLバリアントの例示的な配列は配列番号78のアミノ酸配列を有し、これは配列番号23の反復を3つ含み、該反復間に(GGGGS)×2+GGGG(配列番号82)リンカーを有する。
【0851】
かかる反復3つを有する4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合体の例として、予測3Dモデルが、ホモロジーモデリング並びにそれに続く側鎖及びループ精製を使用して生成された。これらのモデル分析で、リガンドへの結合の可能性があること及び異なるドメイン間の干渉がないことが予測された(図37A及び図37B)。
【0852】
続いて、いくつかのSIRPα-4-1BBLバリアントを設計した。それらの選択の根拠及びそれらの3Dモデルを含む配列を、以下の表4並びに図4図6図37A及び図37Bに示す。
【0853】
【表4-1】
【0854】
【表4-2】
【0855】
【表4-3】
【0856】
【表4-4】
【0857】
【表4-5】
【0858】
【表4-6】
【0859】
【表4-7】
【0860】
【表4-8】
【0861】
実施例2
SIRPα-4-1BBLバリアントの製造
比較機能分析及び産生評価のために、いくつかのヒスチジン(His)タグ付きSIRPα-4-1BBL融合タンパク質が産生された。
【0862】
C末端Hisタグ(配列番号1)を含み本明細書で「DSP107」と称されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質、並びにそれぞれC末端Hisタグを含み本明細書で「DSP107_V1」、「DSP107_V2」、及び「DSP107_V3.1」と称される3つのSIRPα-4-1BBLバリアント(それぞれ配列番号12、14、及び17)の産生は、ExpiCHO細胞で行った。
【0863】
N末端Hisタグを含む「DSP107」(配列番号44)の産生は、Expi293F細胞で行った。
【0864】
細胞を、完全融合タンパク質及び3つのバリアントのコード配列でクローン化したpcDNA3.4発現ベクターによってトランスフェクトした。前記配列は、コザック(Kozak)配列、N末端に人工シグナルペプチド(MGWSCIILFLVATATGVH、配列番号4)、N末端又はC末端に6×Hisタグ、及びC末端(配列番号51~54及び69)に終止コドンを添加して、EcoRI制限酵素及びHindIII制限酵素を使用してベクターにクローン化した。前記タンパク質を細胞培養物の上清から回収して、HisTrap(商標)FF Crudeカラムによるワンステップ精製により精製した。
【0865】
これらの産生条件下で、C末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)の収量は、培養物1リットルあたり約67mgであった。比較すると、C末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)及びDSP107_V2(配列番号14)の収量は、培養液1リットルあたり約150mgであり、C末端Hisタグ付きDSP107_V3.1(配列番号17)の収量は、培養液1リットルあたり約212mgであった。収量は、最終産物のBCAタンパク質測定によって決定した。
【0866】
続いて、Hisタグ付きタンパク質をサイズ排除クロマトグラフィーで精製し、精製された三量体の画分を回収した。10mgのHisタグ付きDSP107_V1及びDSP107_V2(配列番号12及び14)を、移動相としてPBSを含むSuperde×200カラム(60+100×1.6cm)に1mL/分の流速でロードした。タンパク質三量体に対応する主要なピークを回収した。
【0867】
本明細書で「DSP107_V1」及び「DSP107_V2」と称されるSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の2つのバリアント(それぞれ配列番号11及び13)の産生は、CHO-K1細胞及びCHO-S細胞(DSP107-V2のみ)で行われた。
【0868】
CHO-K1細胞を、DSP107_V1及びDSP107_V2バリアントのコード配列でクローン化されたpGenHT1.0発現ベクターによってトランスフェクトした。コザック配列及びN末端に人工シグナルペプチド(MGWSCIILFLVATATGVH、配列番号4)を添加して、配列をベクターにクローン化した。CHO-S細胞は、DSP107_V2バリアントのコード配列でクローン化されたpMAXX1発現ベクターによってトランスフェクトした。前記配列は、5’非翻訳DNA配列、コザック配列、及びリツキシマブ重鎖のシグナルペプチド(MGWSLILLFLVAVATRVLS、配列番号99)を添加してベクターにクローン化した。トランスフェクトされた細胞をミニプールとして選択し、DSP107バリアントの発現をバッチ培養又は流加培養のいずれかで評価した。タンパク質は細胞培養の上清から回収し、ELISA(図17)及びSDS-PAGE(図18)によって評価した。
【0869】
CHO-K1由来の選択されたミニプールの5日間のバッチ培養の収量は、DSP107_V1で最大75mg/L、DSP107_V2で最大327mg/Lであった。CHO-S由来の選択されたミニプールの11日間流加培養の収量は、最大1200mg/Lであった。
【0870】
実施例3
SIRPα-4-1BBLバリアントのオリゴマー状態の決定
【0871】
材料…実施例2に記載されるように製造した、N末端Hisタグを含むDSP107(配列番号44)、並びにC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、DSP107_V1(配列番号12)、DSP107_V2(配列番号14)及びDSP107_V3.1(配列番号17)。Spectra BRタンパク質分子量マーカー(Thermo Fisher Scientific社、カタログ番号26634)、4~20%ポリアクリルアミドゲル(BioRad社、カタログ番号556-8094)、e-Stain ped(GenScript社、カタログ番号L02011)、Laemmliローディングバッファー(BioRad社、カタログ番号161-0747)。
【0872】
方法…
SDS-PAGE分析…各試料のタンパク質2μgをβ-メルカプトエタノールを含む又は含まないローディングバッファーと混合し(それぞれ還元又は非還元条件)、95℃で5分間加熱し、4~20%勾配ポリアクリルアミドゲル電気泳動SDS-PAGEで分離した。ゲル上でのタンパク質の移動は、e-Stain pedを使用した染色と、製造元の指示に従ってe-Stainシステム(GenScript社)を使用した洗浄とによって視覚化した。
【0873】
質量分析(MS)…各タンパク質試料5μgを、還元せずにヨードアセトアミド(IAA)によりシステイン(Cys)を修飾した後、又は還元的ジメチル化還元及びヨードアセトアミド(IAA)によるシステイン(Cys)修飾の後に、トリプシン処理した。試料を、HFX質量分析計(Thermo社)を使用して分析し、ヒトのUniProtデータベース及びデコイデータベース(誤検出率(FDR)を決定するため)に対してDiscovererソフトウェアバージョン1.4を使用して、また具体的配列に対してSequest検索エンジンを使用して、識別した。さらに、MassMatrixソフトウェア及びStarvoXソフトウェアを使用してS-S結合を検出した。
【0874】
SEC-MALS分析…タンパク質をSuperdex 200 Increaseカラム(GE Healthcare社)にロードし、移動相として10mMリン酸カリウム(KPO4)(pH8.0)+150mM塩化ナトリウム(NaCl)を使用して0.8mL/分の流速でランを実施した。検出は、AKTA Explorer(GE社)+MiniDawn TREOS+OPTILAB T-reX(WYATT社)を使用して、UV、MALS、及びRIによって実施した。
【0875】
結果…産生されたSIRPα-4-1BBLバリアントのSDS-PAGE分析では、N末端Hisタグ付きDSP107及びC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44及び配列番号1)、並びにC末端Hisタグ付きDSP107_V1及びDSP107_V2が、還元条件で70kDaの分子量マーカーよりもわずかに移動が遅いことが示された(図7A)。予想通り、同様の条件で、C末端Hisタグ付きDSP107-V3.1(配列番号17)は、他のバリアントとは移動が異なり、40kDaマーカーと同様の位置に現れた。非還元条件下では、N末端Hisタグ付きDSP107及びC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44及び配列番号1)は、主に高分子量タンパク質(~210kDa)として現れた(図7B)。これらのタンパク質のごく一部、並びにC末端Hisタグ付きDSP107_V1及びDSP107_V2は、還元条件での移動と同様(すなわち、約75kDa)に移動した。これは、DSP107融合タンパク質がS-S結合多量体を含むことを示唆しうる。C末端Hisタグ付きDSP107-V3.1は、C末端Hisタグ付きDSP107-V1及びDSP107-V2のように、還元条件下と非還元条件下とで同様に移動した。これは、DSP107タンパク質中にあると予測されるS-S結合が、3つ全てのバリアントの配列から除去された遊離システイン残基(Cys346)によって媒介されていることを示唆している。
【0876】
N末端Hisタグ付きDSP107及びC末端Hisタグ付きDSP107の還元体対非還元体についての質量分析(MS)分析により、Cys346が部分的にS-S結合していたことが示された。この知見は、N末端Hisタグ付きDSP107及びC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44及び配列番号1)の非還元SDS-PAGE分析における二量体の存在と相関していた。一方、Cys346はC末端Hisタグ付きDSP_V1、DSP107_V2及びDSP107-V3.1から除去されていたため、該3つのバリアントの非還元SDS-PAGE分析では高次のオリゴマーは検出されなかった。
【0877】
産生されたSIRPα-4-1BBLタンパク質のSEC-MALS分析で、3つ全てのHisタグ付きSIRPα-4-1BBLバリアント(配列番号12、14、及び17)及びタグなしDSP107_V2(配列番号13)が三量体を形成することが示された。計算された総タンパク質の質量は、C末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)で約258kDa、Hisタグ付きDSP107_V2(配列番号14)で約269kDa、Hisタグ付きDSP107_V3.1(配列番号:17)で107kDa、DSP107_V2(配列番号13)で約210±20kDa(図38)であった。
【0878】
実施例4
SIRPα-4-1BBLバリアントは両方のドメインを含む
【0879】
材料…実施例2に記載されるように製造したN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、並びにC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、DSP107_V1(配列番号12)、DSP107_V2(配列番号14)、及びDSP107_V3.1(配列番号17)。ウエスタンブロット分析では、Spectra BRタンパク質マーカー(Thermo Fisher Scientific社、カタログ番号26634)、Laemmeliローディングバッファー(BioRad社、カタログ番号161-0747)、4~20%ポリアクリルアミドゲル(BioRad社、カタログ番号556-8094)、抗4-1BBL(BioVision社、5369-100)、抗SIRPαビオチン化(番号LS-C370337、LsBio社)、二次ヤギ抗ウサギIgG(H+L)-HRP複合体(R&D社、カタログ番号170-6515)、ストレプトアビジンタンパク質、HRP(番号21126、Thermo Scientific社)、ECL Plus Western Blotting Substrate(Pierce社、カタログ番号32132)。サンドイッチELISAでは、抗4-1BBL抗体(一致したペアからの捕捉抗体、Abnova社、番号H00008744-AP41)、抗SIRPαビオチン化抗体(LsBio社、番号LS-C370337)、ストレプトアビジンタンパク質、HRP(番号21126、Thermo Scientific社)、TMB基質(1-Step(商標)Ultra TMB-ELISA Substrate Solution、Thermo Scientific社、番号34028)。
【0880】
方法…
ウエスタンブロット分析…タンパク質(レーンあたり500ng又は50ng)を還元条件又は非還元条件(それぞれ、β-メルカプトエタノールを含み、95℃で5分間煮沸したローディングバッファー、又はβ-メルカプトエタノールを含まないサンプルバッファーで加熱なし)で処理し、4~20%勾配のSDS-PAGEゲルで分離した。タンパク質をPVDFメンブレンに転写し、一次抗体である抗4-1BBL(1:10000)又はビオチン化抗SIRPα(1:1000)と共に一晩インキュベートした後、HRP標識二次抗体(1:10000)又はストレプトアビジン-HRP基質(1:20000)のそれぞれと1時間インキュベートした。電気化学発光(ECL development)後にシグナルを検出した。
【0881】
サンドイッチELISA…プレートを抗4-1BBL抗体(PBS中2.5μg/mL)でコーティングし、ブロッキング溶液(PBS、1%BSA、0.005%Tween)でブロックする。産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質をブロッキング溶液で段階希釈し、コーティングしたプレートに加えて2時間インキュベートした後、製造業者の推奨に従って、検出用抗SIRPα-ビオチン化抗体(1:100)と共にインキュベートし、続いてストレプトアビジン-HRP及びTMB基質を用いて検出した。プレートは、プレートリーダー(Thermo Scientific社、Multiskan FC)を使用し、620nmをリファレンス波長として、450nmで分析した。
【0882】
結果…非還元又は還元条件下におけるSDS-PAGEゲル上でのN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、及び3つのC末端Hisタグ付きDSP107バリアント(DSP107_V1、DSP107_V2、DSP107_V3.1)(配列番号12、14、及び17)の分離とそれに続く抗4-1BBL抗体(図8A図8B)又は抗SIRPα抗体(図8C)を用いた免疫ブロットでは、分子のN末端側及び分子のC末端側の両方が存在することが実証された。SDS-PAGE分析(上記実施例3)に従って、ウエスタンブロット分析では、N末端Hisタグ付きDSP107、並びにC末端Hisタグ付きDSP107、DSP107_V1、及びDSP107_V2タンパク質が、還元条件で、予想されるDSP107モノマーサイズに対応する約75kDaのサイズとして移動したことが示された。非還元条件下では、高分子量である追加のバンドも、N末端Hisタグ付きDSP107及びC末端Hisタグ付きDSP107融合タンパク質において抗4-1BBL抗体で検出され、これはS-S結合多量体の形成を示唆する。
【0883】
続いて、サンドイッチELISA法を設計して、4-1BBLドメインに結合する捕捉抗体及びSIRPαドメインに結合する検出抗体を使用して、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質を検出した。図9に示すように、N末端Hisタグ付きDSP107、並びにC末端HIsタグ付きDSP107_V1及びDSP107_V2を、両面ELISAを使用して同様の用量反応様式で検出及び定量化した。試験した融合タンパク質の全てがN末端ドメイン及びC末端ドメインを含むことが示された。
【0884】
実施例5
SIRPα-4-1BBLバリアントはCD47及び4-1BBに結合する
SIRPα-4-1BBLタンパク質のSIRPα部分のCD47への結合分析
【0885】
SIRPα-4-1BBLのSIRPαドメインのヒトCD47への結合を、CD47を過剰発現しているCHO-K1細胞株又はCD47を内生的に発現しているSUDHL4ヒトB細胞リンパ腫細胞株を使用して評価した。CHO-K1 WT(野生型)細胞を陰性対照とした。SIRPα-4-1BBLの4-1BBLドメインのヒト4-1BBへの結合は、4-1BBを過剰発現しているヒト線維肉腫細胞株HT1080を使用して評価した(Wyzgol A. et al.、J Immunol. 2009 183:1851-61)。野生型HT1080細胞株を陰性対照とした。細胞を異なる濃度の産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質と共にインキュベートした後二次抗4-1BBL抗体で免疫染色してCD47への結合を検出した。あるいは、DSP107_V2をビオチン化して、分子の総結合能を測定した。特異的結合は、抗CD47ブロッキング抗体、抗4-1BBブロッキング抗体、又は両抗体の組み合わせを使用して評価した。結合はフローサイトメトリーによって分析した(FACS)。
【0886】
材料…実施例2に記載されるように作製したC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、DSP107_V1(配列番号12)、DSP107_V2(配列番号14)及びDSP107_V3.1(配列番号17)、並びにDSP107_V2(配列番号13)。
【0887】
CHO-K1-WT及びCHO-K1-CD47細胞株(Bommel et al、2017、Oncoimmunology 7(2): e1386361)、SUDHL4細胞(ATCC CRL-2957)、HT1080細胞(ATCC CCL-121)、4-1BB過剰発現HT1080細胞(Wyzgol A. et al.、J Immunol. 2009 183:1851-61)、Fixable Viability Dye(BD Biosciences社、カタログ番号562247)、ヒトFcブロッカーTrue stain FCX(Biolegend社、カタログ番号422302)、EZ-Link NHS-PEG4-Biotinキット(Thermo Scientific社、カタログ番号A39259)、及び以下の抗体:抗4-1BBL(Biolegend社、カタログ番号311506)、抗CD47(KAHR Medicalの指示書によるGenScript社製「Inhibrix-like」;Biolegend社、カタログ番号323124)、抗4-1BB(BD社、カタログ番号552532;Biolegend社、カタログ番号309810)、アイソタイプIgG1、k(Biolegend社、カタログ番号400112)、APCストレプトアビジン(SA)(Biolegend社、カタログ番号405207)、CFSE(Thermo Fisher社、カタログ番号C34554)、CytoLight Red(IncuCyte、カタログ番号4706)。
【0888】
方法…膜におけるCD47又は4-1BBの発現は、アロフィコシアニン(APC)結合抗CD47抗体及び抗4-1BB抗体、並びに対応するアイソタイプ対照をそれぞれ使用したフローサイトメトリーによって評価した。SIRPα-4-1BBLのCD47への結合を測定するために、細胞をヒトFcブロッカーで事前にインキュベートした後、様々な濃度の産生SIRPα-4-1BBLタンパク質(0.01~50μg/mL、0.156~80μg/mL、又は0.05~25μg/mL)と氷上で30分又は1時間インキュベートし、その後抗4-1BBL抗体で免疫染色し、固定し、フローサイトメトリーで分析した。SIRPα-4-1BBLの4-1BBへの結合を測定するために、製造業者のプロトコルに従って、EZ-LinkNHS-PEG4-Biotinキットを使用してSIRPα-4-1BBLをビオチン化した。続いて、細胞を洗浄し、抗CD47ブロッキング抗体と共に37℃で1時間インキュベートして、SIRPαアームのCD47への結合を防止するか、ブロッキングなしで結合を行って、(2つのリガンドによる)分子を細胞に完全に結合させた。インキュベート後、ビオチン化SIRPα-4-1BBLを細胞に添加し(段階希釈:0.05~50μg/mL、0.238~238nM)、4℃で20分間インキュベートした。インキュベート後、細胞を洗浄し、検出抗体APC-ストレプトアビジン(SA)で染色し、4℃で30分間インキュベートし、洗浄してフローサイトメトリーで分析した。CHO-K1-CD47細胞は製造業者の指示に従ってCFSEで染色し、HT1080細胞及び過剰発現細胞はCytoLight Redで染色した。2つの染色された細胞株を1:1の比率で混合した(細胞株あたり30000細胞)。いくつかの実験では、ブロッキング抗体(αCD47、α41BB-10μg/mL)を添加し、4℃で30分間インキュベートした。5μg/mLのDSP107_V2(配列番号13)を添加し、室温(RT)で30分間インキュベートした。2つの色素のフローサイトメトリーを使用して細胞を分析した。
【0889】
結果…膜におけるCD47の高発現は、CHO-K1-CD47過剰発現細胞、SUDHL4細胞、及びHT1018細胞では観察されたが、CHO-K1細胞では観察されなかった(図19A図19B及び図20)。CHO-K1-CD47上及びDSP107_V2(配列番号13)上のCD47に結合した、全ての被験融合タンパク質は、SUDHL4細胞に結合し、用量依存的に4-1BBを過剰発現するHT1080細胞上の4-1BB及びCD47に結合した(図10図21A図21、及び図22のA~F)。前記結果は、ビオチン化DSP107_V2のHT1080 4-1BB OX細胞への総結合が、HT1080親細胞への結合と比べて高かったことを示している(図22のA~F)。さらに、HT1080(WT)細胞への結合は、特異的ブロッキング抗体によるCD47遮断後に完全に無効となり、HT1080 4-1BB OX細胞への結合の減少はごく部分的であった。同様に、抗4-1BB抗体によって誘導されたHT1080 4-1BB OX細胞へのブロッキングもごく部分的であった。両抗体を使用して、CD47と4-1BBの両方の対応物を二重遮断(dual-blocking)すると、DSP107_V2結合の完全な抑止が達成された(図22のA~F)。タンパク質はCHO-K1-WT細胞には結合しなかった(図21A及び図21B)。アイソタイプ対照は最高濃度のタンパク質とインキュベートしてもバックグラウンド染色を示さなかった。
【0890】
続いて、DSP107_V2(配列番号13)のCFSE標識HT1080 4-1BBOX細胞及びCytoLight Red標識CHO-K1CD47OX細胞への同時結合を評価した。インキュベート後、DSP107_V2とCD47及び4-1BB OX細胞の両方との共染色複合体のダブレット(Doublet)形成が観察され(図23A)、免疫原性シナプスを介した隣接細胞の近似が示唆された。DSP107_V2を培地対照と比較した3つの独立した実験の平均結果から、ダブレットが約10%から30%超へと大幅に増加することが示された(図23B及び図24)。重要なことに、DSP107_V2によるダブレットの形成は、抗CD47又は抗4-1BBブロッキング抗体との共培養時に強く阻害された。この知見は、CD47及び4-1BBの両方に同時に結合するSIRPα-4-1BBLの作用機序と一致している。
【0891】
ヒト、マウス、及びカニクイザルのCD47及び4-1BB対応物への、SIRPα-4-1BBLの結合
【0892】
産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のCD47及び4-1BBへの結合を、表面プラズモン共鳴(SPR)アッセイによって測定した。
【0893】
材料…実施例2に記載されるように製造したN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、並びにC末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)、DSP107_V2(配列番号14)、及びDSP107_V2(配列番号13)。
【0894】
Series SセンサーチップCM5(GE社、カタログ番号BR100530)、ヒト抗体捕捉キット(GE社、カタログ番号BR100839)、ヒトPDL1-hFc(R&D社、カタログ番号156-B7-100)、ヒトCD47-hFc(R&D社、カタログ番号4670-CD-050)、マウスCD47-hFc(R&D、カタログ番号1866-CD-050)、カニクイザルCD47-hFc(ACROBiosystems社、カタログ番号CD7-C5252)、ヒト4-1BB-hFc(LsBio社、カタログ番号LS-G4041-100)、マウス4-1BB-hFc(R&D社、カタログ番号937-4B-050)、カニクイザル4-1BB-hFc(R&D社、カタログ番号9324-4B-100)。
【0895】
方法…SPRアッセイは、BiacoreT100バイオセンサー(GE Healthcare社)を使用して実施した。ヒト抗体捕捉キットの25μg/mL抗ヒトIgG(抗Fc)抗体を、製造業者が推奨する標準のアミンカップリングプロトコルを使用して、チップの4つのフローチャネル全て(Fc1~Fc4)にカップリング(coupled to)させた。CD47及び4-1BBのチップへの結合は、HBS-EP+ランニングバッファー(10mM HEPES(pH7.3)、150mM塩化ナトリウム(NaCl)、3mM EDTA、0.05%Tween20)で行った。ヒトPDL1(陰性対照)を参照チャネルFc1にロードし(1回目の実験では10μg/mL、2回目の実験では5μg/mL、20μL/分で10秒間)、チャネルFc2~Fc4には、ヒト、マウス、及びカニクイザルCD47-hFcタンパク質をロードした(1回目の実験では10μg/mL、2回目の実験では5μg/mL、20μL/分で5秒間)。チップの自動再生に続いて、チップはチャネルFc1にヒトPDL1-hFcを、チャネルFc2~Fc4にヒト、マウス、及びカニクイザル4-1BB-hFcタンパク質を再ロードした(1回目の実験でそれぞれ10、5、及び7.5μg/mL、2回目の実験でそれぞれ5、2.5、及び3.75μg/mL、20μL/分で5秒間)。チップは全ての対応物で完全にチャージした(リガンドの平均固定化量は150RUであった)。続いて、N末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)及びDSP107_V2(配列番号14)を4つのチャネル全てを通過させた。このプロセスは、50μL/分の流速で様々な濃度のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質(500~0.1、2nM、連続1:2希釈)を使用して反復して繰り返した(会合時間:120秒、解離時間:CD47タンパク質の場合は300秒、4-1BBタンパク質の場合は600秒)。各サイクルの最後に3M塩化マグネシウム(MgCl)溶液を注入し(20μL/分で45秒)、捕捉された分子を除去して活性表面を再生した。結合パラメーターは、BiaEvaluationソフトウェアv.3.0.2(GE Healthcare社)の動力学的結合(Kinetic Binding)(1:1)モデルを使用して評価した。
【0896】
結果…動態解析では、N末端Hisタグ付きDSP107並びに2つのC末端Hisタグ付きSIRPα-4-1BBLバリアントDSP107_V1及びDSP107_V2が、ヒトCD47及びカニクイザルCD47と同様の高い親和性を持ち、マウスCD47との親和性が低いことが示された(以下の表5A)。DSP107_V2(配列番号13)の動態解析では、ヒトCD47及びカニクイザルCD47に対して類似した高い親和性が示され、マウスCD47に対しては親和性が示されなかった(表5B~表5C)。試験した4つのSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は全て、ヒト4-1BB及びカニクイザル4-1BBと同様の高い親和性を示し、マウス4-1BBには結合しない。被験SIRPα-4-1BBL融合タンパク質はいずれも、ヒトPDL1陰性対照には結合しなかった。
【0897】
【表5A】
【0898】
【表5B】
【0899】
【表5C】
【0900】
実施例6
SIRPα-4-1BBLバリアントによる4-1BBの活性化
【0901】
産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質による4-1BB受容体の活性化効果は、4-1BB受容体を過剰発現しているHT1080細胞を使用して試験する。具体的には、HT1080-4-1BB細胞株は4-1BBを過剰発現しており、4-1BBLの結合時にIL8を分泌することが知られている(Wyzgol et al.、2009、J Immunol. 183(3):1851-61)。したがって、これらの細胞の表面にある4-1BB受容体への4-1BBLの結合は、シグナル伝達経路の活性化とそれに続くIL8の分泌をもたらすと予想される。この目的のために、細胞を異なる濃度のHisタグ付きSIRPα-4-1BBLの存在下でインキュベートし、培地へのIL8分泌をELISAで測定する。
【0902】
材料…上記実施例2に記載されるように製造したN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、並びにC末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、DSP107_V1(配列番号12、DSP107_V2(配列番号14)、及びDSP107_V3.1(配列番号17)、DSP107_V2(配列番号13)。
【0903】
HT1080-4-1BB細胞(Wyzgol、et al、2009、The Journal of Immunology)、組換えヒトHisタグ付きCD47タンパク質(ACRO Biosystem社、カタログ番号CD7-H5227)、組換えヒトHisタグ付き4-1BBLタンパク質(Cell Signaling社、カタログ番号8460LF)、IL8 ELISAキット(カタログ番号D8000C、R&D社)、DMEM(カタログ番号01-055-1A、Biological Industries社)、FBS(カタログ番号10270106、Rhenium社)、AIM V(無血清培地)(ThermoScientific社)、抗CD47抗体(Invitrogen社、カタログ番号16-0479-85、クローンB6H12)。
【0904】
方法…単一培養アッセイ:平底の96ウェルプレートを5μg/mLの組換えヒトHisタグ付きCD47タンパク質でコーティングした。洗浄工程の後、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質を添加し(0~5μg/mL)、37℃で1時間インキュベートした。野生型(WT)HT1080細胞又はHT1018-4-1BB細胞をウェルに添加し(10,000細胞/ウェル)、無血清培地で37℃で24時間インキュベートした。インキュベート後、上清中のIL8濃度を、製造業者のプロトコルに従ってIL8ELISAキットによって測定した。プレートは、プレートリーダー(Thermo Scientific社、Multiskan FC)を使用し、540nmをリファレンス波長として、450nmで分析した。SIRPα-4-1BBLの効果は、その個々の可溶性成分、ヒトSIRPα、ヒト4-1BBL、又は両方の組み合わせの効果とも比較した。結合特異性を測定するために、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質を添加する1時間前に抗CD47ブロッキング抗体競合物質を培養物に添加して、SIRPαアームを介した結合をブロックした。
【0905】
共培養アッセイ:CHO-K1(WT)又はCHO-K1-CD47細胞を平底96ウェルプレート(10,000細胞/ウェル)に播種し、37℃で一晩インキュベートした。翌日、上清を廃棄し、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質を添加し(0~10μg/mL)、37℃で1時間インキュベートした後、洗浄工程を行った。次に、HT1080(WT)又はHT1080-4-1BB細胞を添加し(10,000細胞/ウェル)、37℃で24時間インキュベートした。インキュベート後、上清中のIL8濃度は、製造業者のプロトコルに従ってIL8ELISAキットによって測定した。プレートは、プレートリーダー(Thermo Scientific社、Multiskan FC)を使用し、540nmをリファレンス波長として、450nmで分析した。
【0906】
結果…単一培養アッセイでは、DSP107-V2(配列番号13)はプレート結合CD47の存在下でHT1080-4-1BB細胞からのIL-8分泌を誘導した一方で、CD47の非存在下では、活性化効果が有意に低いことが明らかであった(図25A、p<0.003、約3倍減少)。プレート結合DSP107_V2及び可溶性DSP107_V2の両方とも、活性は、抗CD47抗体によって完全に無効となった。可溶性DSP107_V2のブロックは、HT1080細胞で発現する内因性CD47への低結合の抑制に起因する可能性がある。
【0907】
さらに、DSP107_V2は、可溶性4-1BBL又は可溶性SIRPαと4-1BBLとの組み合わせよりも効果的に4-1BBシグナル伝達を活性化(約3倍増加)した(図25B)。予想通り、可溶性SIRPαは4-1BB受容体との相互作用がないため効果がなかった。
【0908】
さらに、DSP107_V2で処理した後のHT1080-4-1BB細胞からのIL-8分泌は、CHO-K1(WT)細胞と比較して、CHO-K1-CD47細胞の存在下で有意に増強された(p<0.0032)(約3.5倍)。IL-8分泌は抗CD47抗体によって完全にブロックされ、4-1BB受容体を介して4-1BBLアームによる共刺激シグナルを伝達するために交差提示が必要であることをさらに示唆している(図26)。
【0909】
実施例7
SIRPα-4-1BBLバリアントによるT細胞の活性化
【0910】
T細胞の活性化には2つのシグナル:抗原提示細胞(APC)上の主要組織適合遺伝子複合体(MHC)/ペプチド複合体とのT細胞受容体(TCR)のライゲーション、及びT細胞上の共刺激受容体とAPC上の対応するリガンドとの架橋が必要である。4-1BBはT細胞共刺激受容体であり、4-1BBLにライゲーションすると、CD8+T細胞及びCD4+T細胞の両方の増殖、生存、分化、及びサイトカイン発現を促進する。
【0911】
以下を含むがこれらに限定されない、T細胞の活性化を測定するための多くの方法が、当技術分野で公知である。
【0912】
T細胞の表面における活性化マーカーの発現(例えば:CD25、CD69、CD62L、CD137、CD107a、PD1など)。活性化マーカーの発現は、細胞を特異的抗体で染色し、フローサイトメトリー分析(FACS)によって試験する。
【0913】
炎症性サイトカインの分泌(例えば:IL2、IL6、IL8、INFγなど)。炎症性サイトカインの分泌はELISAによって試験する。
【0914】
増殖。CFSE(カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル)でT細胞を前染色し、FACSによって測定されるCFSE希釈によって細胞のデビエーション(deviation of cells)を測定することによって測定される(増殖)。
【0915】
標的細胞の殺滅。例えば、Calcine(カルセイン)-AM試薬を使用してがん細胞を前標識し、発光プレートリーダーを使用して培地へのカルセイン放出を測定することによって測定されるがん細胞(である標的細胞の殺滅)。
【0916】
この目的のために、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質がヒト末梢血単核細胞(PBMC)の増殖に及ぼす影響を、以下のように評価した。
【0917】
材料…上記実施例2に記載されるように製造したN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)及びDSP107_V2(配列番号14)。
【0918】
Ficoll-Paque(カタログ番号17-1440-03、GE Healthcare社)、RPMI 1640(カタログ番号01-100-1A、Biological Industries社)、FBS(カタログ番号12657-029、Gibco社)、L-グルタミン(カタログ番号25030-024、Gibco社)、ペニシリンストレプトマイシン(Pen Strep)(カタログ番号15140-122、Gibco社)、LEAF 精製抗ヒトCD3(カタログ番号BLG-317315、BioLegend社)、組換えヒトIL-2(カタログ番号589106、Biolegend社)、抗4-1BB抗体(カタログ番号BLG-106109)、抗IgG抗体(カタログ番号BLG-402012)。
【0919】
方法…ヒトPBMCを、Ficoll-Paque法を使用して健康なドナー末梢血から分離した(Grienvic et al. 2016、Biopreserv Biobank. 14(5):410-415)。続いて、最適未満濃度の抗CD3(30ng/mL)、IL-2(1000U/mL)、又は抗CD3+IL-2の存在下で、細胞を、異なる濃度の様々なHisタグ付きSIRPα-4-1BBLタンパク質を添加して7日間培養した。PBMCの増殖を、IncuCyte(登録商標)S3 Live-Cell Analysis Systemによって、製造業者のプロトコルに従って測定した。実験の0日目及び3日目に、細胞の4-1BB表面発現をフローサイトメトリーによって試験した。
【0920】
結果…PBMCを、N末端Hisタグ付きDSP107、C末端Hisタグ付きDSP107_V1、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V2と共にインキュベートすると、IL-2の添加の有無に関わらず、細胞コンフルエンシーが増加した。これは抗CD3抗体で刺激された細胞の増殖率が高いことを示す(図11)。試験したSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の全てについて、0.01μg/mLの濃度で最適な誘導が得られた。こうして、N末端Hisタグ付きC末端Hisタグ付きDSP107、C末端Hisタグ付きDSP107_V1、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V2の結合により4-1BBL/4-1BBを媒介したT細胞増殖を共刺激及び誘導することが可能になった。これらの結果は、IL-2の有無に関わらず抗CD3で刺激した後には4-1BB発現が誘導されたことと相関している(図12)。
【0921】
以下の設定では、ヒトPBMC及びT細胞の増殖に対するDSP107_V2(配列番号13)の効果を以下のように評価した。
【0922】
材料…上記実施例2に記載されるように製造したDSP107_V2(配列番号13)。
【0923】
Ficoll-Paque(カタログ番号17-1440-03、GE Healthcare社)、RPMI 1640(カタログ番号01-100-1A、Biological Industries社)、FBS(カタログ番号12657-029、Gibco社)、L-グルタミン(カタログ番号25030-024、Gibco社)、ペニシリンスレプトマイシン(Pen Strep)(カタログ番号15140-122、Gibco社)、組換えヒトIL-2(カタログ番号589106、Biolegend社)、抗CD3/CD28活性化ダイナビーズ、EasySep Direct Human T-cell Isolation Kit(STEMCELL Technologies社)、細胞増殖色素(CPD、e-Biosciences社、カタログ番号65-0842-85)、Hisタグ付きCD47組換えタンパク質(ACRO Biosystem社、カタログ番号CD7-H5227)。
【0924】
方法…ヒトPBMCを、Ficoll-Paque法を使用して健康なドナー末梢血から分離した(Grienvic et al. 2016、Biopreserv Biobank. 14(5):410-415)。続いて、IncuCyte分析のために、96ウェルの平底プレートをポリ-L-オルニチン(0.01%、50μL、37℃で1時間インキュベート)でコーティングして、PBMC細胞を接着させた。rhIL-2(1000U/mL)及びDSP107_V2(0.33μg/mL)の存在下でPBMCを播種した(50,000個/ウェル)。プレートをIncuCyte機器で37℃で5日間インキュベートした。フェーズスクリーニング画像は3時間ごとに撮影し、細胞密度はIncuCyte Live Cell Analysis System(Sartorius社)を使用して分析した。フローサイトメトリー分析では、陰性選択磁気ビーズ(EasySep Direct Human T-cell Isolation Kit、STEMCELL Technologies社)によってPBMCからT細胞を分離し、製造業者の指示に従って細胞増殖色素(CPD)で染色した。染色されたT細胞は、96ウェルプレートで、又はプレートにHisタグ付きCD47組換えタンパク質(2μg/mL、37℃で3時間)をプレコーティングした後に、最適未満濃度のヒト抗CD3/CD28ダイナビーズT細胞活性化因子(T細胞あたり1:10ビーズ)及びDSP107_V2(0.3~3μg/mL)の存在下で3日間又は5日間培養した。続いて、CD3T細胞をフローサイトメトリーでCPDレベルを分析した。
【0925】
結果…DSP107_V2(配列番号13)は、IncuCyteソフトウェアによって捕捉された位相画像分析によって測定されたように、IL-2によって誘発された新鮮単離ヒトPBMCの増殖を増強した。具体的には、細胞密度は、IL-2のみで処理されたPBMCと比較して、IL-2(1000U/mL)及び1.6nM(0.33μg/mL)DSP107_V2とのPBMCの5日間のインキュベート後に劇的に増加した。代表的な画像を図28に示す。同様に、DSP107_V2(配列番号13)は、フローサイトメトリーで測定されたように、プレートに結合したCD47の存在下で、最適未満濃度の抗CD3/CD28ダイナビーズによって誘導されるCPD染色T細胞の増殖を大幅に(16%~35%、p<0.0025)増強した(図29)。
【0926】
産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質がT細胞活性化マーカーの発現に及ぼす効果を以下のように評価した。
【0927】
材料…上記実施例2に記載されるように製造したDSP107_V2(配列番号13)。
【0928】
Ficoll-Paque(カタログ番号17-1440-03、GE Healthcare社)、RPMI 1640(カタログ番号01-100-1A、Biological Industries社)、FBS(カタログ番号12657-029、Gibco社)、L-グルタミン(カタログ番号25030-024、Gibco社)、ペニシリンストレプトマイシン(Pen Strep)(カタログ番号15140-122、Gibco社)、LEAF 精製抗ヒトCD3(カタログ番号BLG-317315、BioLegend社)、抗4-1BB抗体(カタログ番号BLG-106109)、PE抗CD25抗体(Biolegend社、カタログ番号302606)、FITC抗ヒトCD3抗体(Biolegend社、カタログ番号317310)。
【0929】
方法…製造業者の指示に従って、標準的なフィコール(Ficoll)勾配法を使用して、健康なドナーの末梢血からヒトPBMCを分離した。96ウェルプレートは、抗ヒトCD3抗体(0.5μg/mL)で、37℃で3時間インキュベートすることによりプレコートした。3人のドナーからのPBMCを、異なる濃度のDSP107_V2(配列番号13、0~5μg/mL)を含む抗CD3プレコートプレート(100,000細胞/ウェル)で37℃、5%COで48時間培養した。インキュベート後、ゲーティングされたCD3T細胞をフローサイトメトリーで分析し、活性化マーカーCD25及び4-1BBの発現を調べた。
【0930】
結果…CD25及び4-1BB活性化マーカーのT細胞上における発現が抗CD3により誘導され、DSP107_V2(配列番号13)によって、3人の試験ドナー全てにおいて用量依存的に有意に増強された(図27、4-1BB発現の場合は0.0012<p<0.041、CD25発現の場合は0.0039<p<0.047)。
【0931】
産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質がT細胞を媒介した標的がん細胞の殺滅に及ぼす効果を、以下のように評価した。
【0932】
材料及び方法…IncuCyte分析では、4つのATCCがん細胞株であるSNU423、SNU387、SNU423肝細胞がん(HCC)、及びOvcar8卵巣がん細胞株に、細胞の形質導入に適したIncuCyte NucLight Red Lentivirus Reagent(試薬)(EF1α、ピューロマイシン、3TU/細胞)を、非摂動性核限定赤色蛍光標識を用いて形質導入した。安定した細胞株を確立するために、ピューロマイシン選択(2μg/mL)を適用した。がん細胞株の表面における核赤色蛍光及びCD47発現は、アッセイの前にフローサイトメトリーによって検証した(データは示さず)。T細胞を、陰性選択磁気ビーズを使用して、2人の健康なドナーの末梢血試料から分離した。単離したT細胞を、5:1のエフェクター対腫瘍比(E:T)で異なるがん細胞株と共培養し、最適未満濃度の抗CD3/CD28ダイナビーズ(細胞あたり1:10ビーズ)及び上記実施例2に記載されるように製造したDSP107_V2(配列番号13)(0.11、0.33、及び1μg/mL)で活性化した。IncuCyte緑色蛍光カスパーゼ3/7基質試薬を共培養に添加して、アポトーシス細胞を標識した。細胞をIncuCyte機器で5日間インキュベートした。フェイズ、緑色及び赤色蛍光画像を1.5時間ごとに記録し、重なり合う緑色及び赤色蛍光(「黄色」)シグナルをアポトーシスがん細胞シグナルとして定量化した。
アポトーシスCFSE標識腫瘍細胞のフローサイトメトリー分析のために、PBMCを健康なドナーの末梢血から分離し、抗CD3及びIL-2を使用して11日間増殖させた。中皮腫がん細胞株MSTO及びH2052(ATCC)を、プロトコルに従ってCFSEで染色した。増殖したPBMC及び染色されたがん細胞を、上記実施例2に記載されるように製造した0.1μg/mL又は1μg/mLのDSP107_V2(配列番号13)の存在下で、いくつかのE:T比で共培養した。トリプシンによる剥離後、生存CFSE標識がん細胞をフローサイトメトリーで分析した。
【0933】
結果…DSP107_V2は、T細胞によって媒介される、肝細胞がん、卵巣がん、及び中皮腫のがん細胞株の殺滅を促進した(図30A図30及び図31A図31B)。
【0934】
具体的には、IncuCyte分析では、最適未満濃度の抗CD3/CD28ダイナビーズで活性化された、T細胞の存在下における肝細胞がん細胞株及び卵巣がん細胞株の共培養が、がん細胞の殺滅がもたらされることが示された。DSP107_V2の追加により、T細胞を媒介したSNU387、SNU423、及びOvcar8細胞の殺滅がそれぞれ49%、27%、及び23%増強された(図30A図30C)。これらのがん細胞株をDSP107_V2とのみ(図30A図30C)インキュベートした後では殺滅は観察されず、T細胞の非存在下におけるがん細胞株に対する直接的な細胞毒性効果は裏付けられなかった。
【0935】
フローサイトメトリー分析では、CFSE標識中皮腫がん細胞株をT細胞と様々なE:T比で共培養すると、DSP107_V2の存在下で増強されるがん細胞の殺滅がもたらされることが示された(図31A図31B:DSP107_V2の非存在下での死滅がない場合と比較して、最大52%の細胞死がDSP107_V2によってE:T比1:1~1:5で誘導された)。肝細胞がん細胞株及び卵巣がん細胞株と同様に、T細胞の非存在下においては、DSP107_V2と共にインキュベートした後にCFSE標識中皮腫がん細胞株の殺滅は観察されなかった。
【0936】
実施例8
CD47結合の遮断に対するSIRPα-4-1BBLバリアントの効果
【0937】
SIRPα-4-1BBLのSIRPα部分は、抗原提示細胞(APC)で発現する内因性SIRPαと腫瘍細胞で発現するCD47との相互作用をブロックすることにより、貪食回避シグナル(don’t eat me signal)をブロックするように設計されている。
【0938】
この目的のために、生成されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質の、この相互作用に対するブロッカーとしての効果を評価した。
【0939】
材料…実施例2に記載されるように製造したN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、DSP107_V1(配列番号12、DSP107_V2(配列番号14)、及びDSP107_V3.1(配列番号17)、並びにDSP107_V2(配列番号13)。
【0940】
組換えヒトCD47(Acrobiosystems社、CD7-H5227)、抗hCD47中和抗体(Novus社、AF4670)、ビオチン化SIRPα(Acrobiosystems社、CDA-H82F2)。
【0941】
方法…ELISAプレートを組換えヒトCD47で一晩コーティングした。プレートを洗浄し、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は陽性対照抗CD47抗体を、異なる濃度で1時間インキュベートした。続いて、ビオチン化SIRPαを追加し、1時間インキュベートした後、プレートを洗浄し、標準的なELISAプロトコルに従ってストレプトアビジン-HRP及びTMB基質でブロットした(図13A)。プレートを、プレートリーダー(Thermo Scientific社、Multiskan FC)を使用し、620nmをリファレンス波長として、450nmで分析した。
【0942】
結果…全ての被験SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、陽性対照ブロッキング抗体と同様に、SIRPαとCD47との相互作用を効率的にブロックした(図13B)。EC50値は0.075~0.238μg/mLの範囲内であった(図13C)。
【0943】
実施例9
マクロファージ及び多形核細胞に対するSIRPα-4-1BBLバリアントの効果
【0944】
上述のように、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のSIRPα部分は、腫瘍細胞上のCD47と内因性SIRPαとの相互作用を競合及び遮断することにより、マクロファージ及び顆粒球などのAPCで発現する内因性SIRPαに対してCD47発現腫瘍細胞によって誘導される貪食回避シグナル(「don’t eat me」シグナル)をブロックするように設計されている。この貪食回避シグナル(「don’t eat me」シグナル)のブロックが、腫瘍細胞の食作用を誘発する。
【0945】
この目的のために、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質がヒトマクロファージ又は多形核細胞(PMN)による腫瘍細胞の食作用に及ぼす影響を、フローサイトメトリーに基づくアッセイ又は蛍光顕微鏡を使用して評価した。
【0946】
材料…実施例2に記載されるように製造したN末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、C末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)、DSP107_V2(配列番号14)、及びDSP107_V3.1(配列番号17)、並びにDSP107_V2(配列番号13)。
【0947】
ヒトがん細胞株であるRamos(リンパ腫)、DLD-1(結腸がん)、Daudi、SUDHL5、SUDHL4、U2932、SUDHL2、SUDHL6、SUDHL10、DUDHL4、及びOCI-LY3(リンパ腫)。
【0948】
方法…多形核細胞(PMN)及びPBMCは、健康なボランティアの血液試料から、密度勾配遠心分離とそれに続く赤血球の塩化アンモニウム溶解によって分離された。
【0949】
PMNアッセイでは、Ramos及びDLD-1がん細胞をVybrant DiDで標識し、ターゲットに対するエフェクターの比率(effector-to-target ratio)が1:1になるように単離PMNと混合した。混合培養物を、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のみで、又はさらに治療用抗体リツキシマブ(RTX、抗CD20)若しくはセツキシマブ(CTX、抗EGFR)と組み合わせて、2時間処理するか、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のみで18時間処理した。続いて、PMNによるがん細胞の食作用をフローサイトメトリーによって分析した。
【0950】
マクロファージアッセイでは、CD14磁気マイクロビーズ(Miltenyi Biotec社)を使用したMACSソーティングにより、単離PBMCから単球をさらに濃縮した。単球は、GM-CSF(50ng/mL)及びM-CSF(50ng/mL)を添加したRPMI 1640培地+10%FCS中で7日間でマクロファージ(M0)に分化させた。1型マクロファージ(M1)を生成するために、M0細胞をLPS及びIFN-γでさらに24時間プライミングした。あるいは、2型マクロファージ(M2)を生成するために、M0細胞を100ng/mLのIL-4とともに24時間インキュベートした。SUDHL5、SUDHL4、OCI-LY3、SUDHL2、SUDHL6、SUDHL10、SC-1、Ramos、及びDaudiがん細胞は、V450細胞質色素で標識し、ターゲットに対するエフェクターの比率が1:1又は1:5でインビトロ分化I型マクロファージ(M1)と混合した。混合培養物を、産生されたSIRPα-4-1BBL融合タンパク質のみで、又はさらにRTX、トラスツズマブ若しくはCTXと組み合わせて、2~2.5時間処理した。インキュベート後、貪食されなかった腫瘍細胞を洗い流し、マクロファージを抗CD11b AF594抗体で染色した。マクロファージによるがん細胞の食作用を蛍光顕微鏡で分析した。他の実験では、食作用は次のようにIncuCyteによって評価した。製造業者のプロトコルに従って、様々なリンパ腫細胞株の腫瘍細胞をCFSEで前染色し、マクロファージをIncuCyte CytoLight Red細胞質色素で前染色した。染色された腫瘍細胞及びマクロファージを、腫瘍細胞に対するマクロファージの比率(macrophage to tumor cell ratio)が1:5で共培養し、赤色及び緑色の位相画像をIncucyteによって撮影した。食作用を、全マクロファージ(赤色のシグナル)のうち、腫瘍細胞の貪食に陽性のマクロファージ(「黄色」のシグナル)の割合として定量化した。
【0951】
結果…試験したHisタグ付きSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は全て、治療用抗体であるリツキシマブ(RTX)又はセツキシマブ(CTX)と組み合わせて2時間培養した後、PMNを媒介したRamos及びDLD1がん細胞の食作用を増強した(図14A)。Ramos及びDLD1がん細胞のPMNを媒介した食作用は、18時間のインキュベート後にさらに増強されることが実証された(図14B)。
【0952】
また、試験したHisタグ付きSIRPα-4-1BBL融合タンパク質は全て、2時間のインキュベート後にマクロファージを媒介したSUDHL4、SUDHL5、及びOci-Ly3リンパ腫細胞株の食作用を増強した。これはリツキシマブ(RTX)と組み合わせるとさらに増強された(図15)。また、C末端のHisタグ付きDSP107_V2(配列番号14)は、2時間のインキュベート後、マクロファージを媒介したSUDHL4の食作用を、用量依存的に増強した(図16)。
【0953】
さらに、M1マクロファージによる腫瘍細胞のリツキシマブ誘発性食作用は、2.5μg/mLのDSP107_V2(配列番号13)とのインキュベート後に増強された(図32A)。DSP107_V2は、各マクロファージに貪食されるRamos細胞の数も増加させた(図32B)。
【0954】
次に、リンパ腫細胞株の幅広いパネルを、Incucyteイメージングシステムを使用して試験した。M1マクロファージをがん細胞及び単剤としての2.1μg/mLのDSP107_V2とインキュベートした後、M1マクロファージを介したがん細胞株の食作用が観察された(図32C)。DSP107_V2をリツキシマブと組み合わせて使用した場合、単剤としてのリツキシマブによって誘発された効果と比較して、相加的な食作用効果も観察された(図32D)。
【0955】
興味深いことに、DSP107_V2(配列番号13)がM0及びM2マクロファージによって誘発する食作用は、単剤としてもリツキシマブとの組み合わせとしても両方で増強されたが、M1マクロファージで観察されたものよりも程度は小さかった(データは示さず)。
DLD-1結腸がん細胞を用いた同様の実験では、培地対照と比較して、DSP107_V2単剤処理(2.1μg/mL)でマクロファージによって有意に多くのDLD-1細胞が貪食された(図32E)。さらに、DSP107_V2とトラスツズマブ(抗Her2抗体)の併用療法では、単剤としてのトラスツズマブ処置と比較して、腫瘍細胞の食作用の増大が明確に示された(図32E)。
【0956】
実施例10
顆粒球細胞に対するSIRPα-4-1BBLバリアントの効果
【0957】
材料及び方法…標準的な手順を使用して、健康なドナーの末梢血から白血球を単離した。腫瘍細胞は、製造業者のプロトコルに従って、CFSE(Thermo Fisher社)又はVybrant DiD Cell-Labeling Solution(Thermo Fisher社)で前染色した。単離した白血球及び染色した腫瘍細胞は、1:1の白血球対腫瘍細胞比で混合し、治療用抗体リツキシマブ(1μg/mL)を併用するか又はしないで、DSP107_V2(配列番号13)の存在下でインキュベートした。続いて、顆粒球による腫瘍細胞の取り込みをフローサイトメトリーで評価し、Vybrant DiD陽性の顆粒球集団を定量化した。がん細胞株の貪食を評価するために、DLD-1結腸がん細胞をCFSEで染色し、DSP107_V2(配列番号:13)、トラスツズマブ(抗ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)抗体、0.1μg/mL)、又はDSP107_V2とトラスツズマブとの組み合わせの存在下でマクロファージ:腫瘍細胞比1:5で2時間マクロファージと共培養した。インキュベート後、トリプシン/EDTA溶液を使用して細胞をプレートから剥離し、CD11b-APC抗体を使用してマクロファージを染色し、試料をFACSで分析した。顆粒球による腫瘍細胞の取り込みに対するDSP107_V2(配列番号13)の効果も、Hisタグ付きSIRPα又は可溶性4-1BBL、あるいは両方の組み合わせと比較した。
【0958】
結果…顆粒球を媒介した腫瘍細胞の食作用に対しての、DSP107_V2の効果及び可溶性Hisタグ付きSIRPαと可溶性4-1BBLとの組み合わせの効果を、複数のリンパ腫細胞株でさらに評価した。DSP107_V2又はその可溶性成分の組み合わせとのインキュベート後の食作用を単剤として試験し、培地と比較した。腫瘍細胞の食作用は、リツキシマブを単剤として、又はDSP107_V2又はその可溶性成分の組み合わせとの併用として、試験した。2.1μg/mLのDSP107_V2と2.5時間インキュベートした後、顆粒球を媒介したリンパ腫細胞の食作用は、DSP107_V2によっては刺激されたが、可溶性SIRPαと可溶性4-1BBLとの組み合わせによっては刺激されなかった(図33B)。リツキシマブはまた、顆粒球を媒介した腫瘍細胞の食作用を強力に単剤刺激した。この効果は、DSP107_V2との組み合わせで強化されたが、可溶性SIRPαと可溶性4-1BBLとの混合物との組み合わせでは強化されなかった(図33B図33F)。
【0959】
実施例11
SIRPα-4-1BBLバリアントのインビボ抗腫瘍効果
【0960】
がんの処置における産生されたSIRPα-4-1BBLの有効性を試験するために、4つの異なるインビボマウスモデルを使用する。
【0961】
1. ヒト腫瘍細胞を接種したヌードSCIDマウス。このモデルでは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質はマウス及びヒトの(腫瘍細胞で発現される)CD47と相互作用し、マウスマクロファージ活性に対する融合タンパク質の効果を試験する。
【0962】
2. ヒト幹細胞及びヒト腫瘍細胞を接種したNSGマウス。このモデルでは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質はマウス及びヒトの(腫瘍及び免疫細胞で発現される)CD47並びにヒトT細胞上の4-1BBと相互作用する。マウス及びヒトのマクロファージ並びにヒトのT細胞に対しての融合タンパク質の効果を試験する。
【0963】
3. MC38マウス結腸がん若しくは他のがん細胞株又はヒトCD47を過剰発現するがん細胞株を接種した、C57BL/6-ヒト4-1BBノックインマウス。このモデルでは、マウス4-1BB細胞外ドメインがヒト4-1BBの細胞外ドメインに置き換えられている。よって、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、マウスT細胞に発現するヒト4-1BBと相互作用し得る。前記融合タンパク質は、腫瘍細胞上のマウスCD47及びヒトCD47と相互作用する。マウスのマクロファージ並びにマウスのT細胞に対しての、融合タンパク質の効果を試験する。
【0964】
4. マウスCD47を発現する同系マウス腫瘍モデル。これらのモデルでは、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は腫瘍細胞上のマウスCD47と相互作用する。マウスのマクロファージに対する融合タンパク質の効果を試験する。
【0965】
方法…
4つのモデル全てにおいて、マウスに腫瘍細胞を静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、又は同所的に(orthotopically)接種する。腫瘍が触知可能(~80mm)になったら、マウスをIV、IP、SC、又は同所的に、異なる用量及び異なるレジメンにてSIRPα-4-1BBL融合タンパク質(例えば、上記実施例1に記載されるように製造したN末端Hisタグ付き(配列番号44)、C末端Hisタグ付きDSP107(配列番号1)、C末端Hisタグ付きDSP107_V1(配列番号12)、C末端Hisタグ付きDSP107_V2(配列番号14)、及びC末端Hisタグ付きDSP107_V3.1(配列番号17))で処置する。
【0966】
体重及び臨床徴候についてマウスを追跡する。腫瘍は週に数回ノギスで測定し、腫瘍体積は下記式に従って計算する:V=長さ×幅/2。マウスの体重は定期的に測定する。腫瘍の増殖及び生存を、実験全体を通してモニタリングする。
【0967】
腫瘍内の免疫細胞の浸潤は、腫瘍を切除するかリンパ節を排出させ、消化し、特異的抗体染色とフローサイトメトリー分析を使用して免疫表現型を決定することによって試験する。追加的又は代替的に、免疫細胞の浸潤又は腫瘍の壊死グレードは、腫瘍を切除し、パラフィン包埋し、特異的抗体で免疫組織化学染色するために切片化することによって決定する。
【0968】
犠牲にする際に、マウスの臓器を採取し、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色及び免疫組織化学染色(IHC)染色のためにパラフィンブロックに包埋する。
【0969】
血液試料は、PK分析、血漿中のサイトカイン測定、循環中の血球亜集団のFACSプロファイリング、血液学検査、血清化学検査、抗薬物抗体(ADA)分析、及び中和抗体分析(NAB)の試験のために、一般的な手順に従って、様々な時点でマウスから採取する。
【0970】
実施例12
マウスモデルでヒト4-1BBノックインマウスモデルを使用したSIRPα-4-1BBLバリアントのインビボ抗腫瘍効果
【0971】
マウスにおけるSIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質の効果を試験するために、ヒト4-1BB(h4-1BB)ノックインマウス(C57BL/6バックグラウンド)を利用した。ヒトCD47発現MC38(hCD47 MC38)細胞を腫瘍モデルとして選択した。注目すべきことに、C57BL/6マウスのSIRPαはヒトCD47と相互作用しないことが示されており[Yamauchi、T.、et al.,(2013) Blood、121(8): p. 1316-25]、よってこのモデルでは、天然食細胞によるhCD47MC38細胞の食作用は生じなかった。さらに、フローサイトメトリー分析を使用して、DSP107のマウスWT MC38結腸がん細胞への結合を、DSP107のヒトDLD1結腸がん細胞への結合と比較した(図34)。DSP107のマウスMC38への低結合に基づいて、インビボ有効性研究にhCD47MC38細胞を選択した。その結果、SIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質のSIRPαアームは、ヒトCD47を発現する腫瘍細胞を標的とすることが期待されたが、このモデルでは腫瘍細胞の食作用の促進に影響を与えなかった。
【0972】
材料及び方法…8~9週齢の雌h4-1BBノックインC57BL/6マウス(Crown Bioscience社)に、1×10hCD47 MC38細胞(Crown Bioscience社)を皮下接種した。腫瘍が60~100mmのサイズに達した時点で処置を開始した。ランダムな割り当てに続いて、一群あたり6匹の動物に、DSP107_V2(配列番号13、250μg/注射、12.5mg/kg)(0日目、1日目、2日目、3日目、及び4日目に1日1回投与)、抗マウスPD-L1抗体(クローン10F.9G2、Bioxcell社、60μg/注射)(隔週で3週間腹腔内(IP)投与)、又はDSP107_V2(配列番号13)と抗マウスPD-L1Abとの組み合わせのいずれかを腹腔内(IP)注射した。対照マウスには、200μLのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)を注射した。DSP107_V2は、マウス抗ヒト抗体の発生の可能性を回避するために、実験の最初の週にのみ投与した。ノギスを使用して腫瘍体積を週に3回測定し、個々の体積を下記式で計算した。V=([幅]2×長さ)/2。腫瘍が3000mmの体積に達した時点で、マウスを個別に犠牲にした。
【0973】
結果…抗PD-L1又はDSP107_V2(配列番号13)を単剤として処置すると、腫瘍増殖が抑制された(それぞれ、50.4%及び29.5%、図35A)。PD-L1又はDSP107_V2を組み合わせると、腫瘍増殖阻害(Tumor Growth Inhibition、TGI)の割合がさらに向上した(ビヒクルで処理した対照と比較して83%、p=0.02)。さらに、メンタルコックス(Mental-Cox)分析に基づくと、DSP107_V2と抗PD-L1との併用処置では、ビヒクル処置の対照マウスと比較して統計的に有意な生存率の改善がもたらされた(p=0.01、図35B)。
【0974】
実施例13
NSGマウスモデルを使用した、SIRPα-4-1BBLバリアントのインビボ抗DLBCL効果
【0975】
ヒト免疫系とのコンテクストにおけるインビボでのヒトDLBCL腫瘍の処置におけるSIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質の効果を、SUDHL6ヒトDLBCL細胞及びヒトPBMCを接種したNSGマウスを使用して評価した。これらのマウスは、単剤としてのSIRPα-4-1BBLバリアント融合タンパク質でさらに処置した。腫瘍増殖についてマウスを追跡した。
【0976】
材料及び方法…14週齢の雌のNSGマウスに、0日目に1×10個のSUDHL6細胞を皮下接種した。7日目に、マウスを以下の2群にランダムに分類した。
1. マウス5匹-PBMC
2. マウス6匹-PBMC+DSP107_V2(配列番号13)
【0977】
製造業者の指示に従って、標準的なフィコール(Ficoll)勾配法を使用して、健康なドナーの末梢血からヒトPBMCを分離した。7日目にマウスに、単離PBMCをマウスあたり1×10細胞、静脈内接種した。同じドナーからの凍結PBMCを、13日目にマウスに再注射した(マウスあたり1×10細胞)。7日目から2週間隔日で、DSP107_V2群のマウスを、DSP107_V2(配列番号13)をマウスあたり250μg腹腔内投与する処置に供した。臨床的兆候がないかマウスを追跡した。マイクロノギスで腫瘍を測定した。腫瘍体積は下記式で計算した。長さ×長さ×幅/2。22日目にマウスを犠牲にし、腫瘍を取り出して重量を測定した。
【0978】
結果…PBMC及びDSP107_V2による処置は、20日目までにPBMCのみを注射した対照群と比較して腫瘍増殖を約3.7倍抑制した(図36A)。PBMC+DSP107_V2による処置は、22日目にマウスを犠牲にした後に測定された腫瘍重量を有意に減少させた(図36B)。重要なことに、どの処置もマウスの体重に影響を与えず、マウスの健康に大きな副作用がないことを示唆している(データは示さず)。
【0979】
【表6】
【0980】
本発明は、そのある具体的な実施形態と併せて説明されてきたが、多くの代替、修正、及び変形が当業者には明らかであることは自明である。したがって、添付の特許請求の範囲の精神及び広い範囲に含まれるかかるすべての代替、修正、及び変形を包含することが意図されている。
【0981】
本明細書に記載されている全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個々の刊行物、特許、又は特許出願が、参照により本明細書に援用されることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照によりその全体が本明細書に援用される。さらに、本出願における参考文献の引用又は識別は、かかる参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを認めるものと解釈されるべきではない。セクション見出しが使用されている範囲において、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【0982】
さらに、本出願の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本発明の例示的な態様を以下に記載する。
<1>
SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質であって、
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、及び/又は
前記4-1BBLアミノ酸配列は:
(a)配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であるか;配列番号74及び76からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有する170~197アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントG198-E205を含まないか;配列番号72と少なくとも80%の同一性を有する170~182アミノ酸長であり、ただし配列番号3に対応するアミノ酸セグメントA1-E23を含まないか;又は配列番号70と少なくとも80%の同一性を有する184アミノ酸長であり、及び/又は
(b)4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復を含み、
前記融合タンパク質は、
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)前記4-1BBを発現する細胞において前記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)前記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及び/又は
(iv)前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による前記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること、
の少なくとも1つが可能である、
SIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<2>
SIRPαアミノ酸配列及び4-1BBLアミノ酸配列を含むSIRPα-4-1BBL融合タンパク質であって、
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、及び/又は
前記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、及び28からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する185~202アミノ酸長であり、並びに
前記融合タンパク質は、
(i)CD47及び4-1BBに結合すること、
(ii)前記4-1BBを発現する細胞において前記4-1BBシグナル伝達経路を活性化すること、
(iii)前記4-1BBを発現する免疫細胞を共刺激すること、及び/又は
(iv)前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質の非存在下と比較して、食細胞による前記CD47を発現する病的細胞に対する食作用を増強すること、
の少なくとも1つが可能である、
SIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<3>
SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチドであって、
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24及び26からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有する100~119アミノ酸長であり、前記ポリペプチドはCD47に結合可能である、SIRPαアミノ酸配列を含む単離ポリペプチド。
<4>
前記SIRPαアミノ酸配列は少なくとも115アミノ酸長である、<1>若しくは<2>に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は<3>に記載の単離ポリペプチド。
<5>
前記SIRPαアミノ酸配列は116アミノ酸長である、<1>~<3>及び<4>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<6>
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に対応するL4、A27、E47、及びV92からなる群から選択されるアミノ酸残基での変異を含む、<3>及び<4>~<5>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<7>
前記変異は、配列番号2に対応するL4I、A27I、E47V、及びV92Iからなる群から選択される、<6>に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<8>
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2に対応するアミノ酸残基K117-Y343のいずれも含まない、<1>~<3>及び<4>~<7>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<9>
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26を含む、<1>~<3>、<4>、及び<8>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<10>
前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26からなる、<1>~<3>、<4>、<5>、及び<8>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<11>
前記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3に対応するアミノ酸残基A1-V6及びA1-G14のいずれも含まない、<1>、<2>、及び<4>~<10>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<12>
前記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28を含む、<1>、<2>、<4>~<10>、及び<11>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<13>
前記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28からなる、<1>、<2>、<4>~<10>及び<11>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<14>
(i)前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号2又は25に記載の通りであり、前記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号22、23、27、又は28に記載の通りであるか、又は
(ii)前記SIRPαアミノ酸配列は、配列番号24又は26に記載の通りであり、前記4-1BBLアミノ酸配列は、配列番号3、22、23、27、又は28に記載の通りである、
<1>及び<2>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<15>
(i)前記SIRPαアミノ酸配列は配列番号2に記載の通りであり、前記4-1BBLアミノ酸配列は配列番号22又は23に記載の通りであるか、又は
(ii)前記SIRPαアミノ酸配列は配列番号24に記載の通りであり、前記4-1BBLアミノ酸配列は配列番号22に記載の通りである、
<1>及び<2>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<16>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質は、前記SIRPαと前記4-1BBLとの間にリンカーを含む、<1>、<2>、及び<4>~<15>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<17>
前記4-1BBLアミノ酸配列の3回の反復のそれぞれの間にリンカーを含む、<1>及び<4>~<15>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<18>
前記リンカーは単一アミノ酸リンカーである、<16>及び<17>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<19>
前記リンカーはグリシンである、<18>に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<20>
可溶性である、<1>~<19>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又は単離ポリペプチド。
<21>
前記融合タンパク質の産生収量は、同じ産生条件下での配列番号5の産生収量よりも1.5倍以上多く、
前記産生条件は、哺乳動物細胞での発現、並びに32~37℃及び5~10%CO2で5~13日間の培養を含む、<1>、<2>、及び<4>~<20>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<22>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、<1>、<2>、及び<16>~<21>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<23>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、<1>及び<16>~<21>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<24>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、<1>及び<16>~<21>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<25>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、<1>及び<16>~<21>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<26>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、15、16、18~21、及び45~49からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、<1>及び<16>~<21>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<27>
前記SIRPα-4-1BBL融合タンパク質のアミノ酸配列は、配列番号11、13、及び16からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる、<1>及び<16>~<21>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質。
<28>
<1>~<27>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチド。
<29>
<28>に記載のポリヌクレオチドと、
宿主細胞における前記ポリヌクレオチドの発現を指示するための調節エレメントと、
を含む核酸構築物。
<30>
<1>~<27>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくはポリペプチド又は<28>及び<29>のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド若しくは核酸構築物を含む宿主細胞。
<31>
<28>及び<29>のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド又は核酸構築物を宿主細胞において発現させることを含む、SIRPα-4-1BBL融合タンパク質又はポリペプチドを製造する方法。
<32>
前記融合タンパク質又は前記ポリペプチドを単離することを含む、<31>に記載の方法。
<33>
<1>~<27>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、<28>及び<29>のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は<30>に記載の宿主細胞を、処置を必要とする対象に投与することを含む、免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置する方法。
<34>
前記対象に、前記疾患を処置するための治療薬を投与することをさらに含む、<33>に記載の方法。
<35>
免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患の処置に使用するための、<1>~<27>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、<28>及び<29>のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は<30>に記載の宿主細胞。
<36>
前記疾患を処置するための治療薬をさらに含む、<35>に記載の使用のための組成物。
<37>
免疫細胞の活性化から恩恵を受け得る疾患を処置するための治療薬、及び<1>~<27>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、<28>及び<29>のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は<30>に記載の宿主細胞を包装する包装材料を含む製品。
<38>
前記疾患の細胞がCD47を発現する、<33>及び<34>のいずれか一項に記載の方法、<35>及び<36>のいずれか一項に記載の使用のための組成物、又は<37>に記載の製品。
<39>
前記疾患が過剰増殖性疾患を含む、<33>~<38>のいずれか一項に記載の方法、使用のための組成物、又は製品。
<40>
前記過剰増殖性疾患ががんを含む、<39>に記載の方法、使用のための組成物、又は製品。
<41>
前記疾患が、免疫抑制、薬物誘発性免疫抑制、又は感染症に関連する疾患を含む、<33>~<38>のいずれか一項に記載の方法、使用のための組成物、又は製品。
<42>
<1>~<27>のいずれか一項に記載のSIRPα-4-1BBL融合タンパク質若しくは単離ポリペプチド、<28>及び<29>のいずれか一項に記載のポリヌクレオチド若しくは核酸構築物、又は<30>に記載の宿主細胞の存在下において、インビトロで免疫細胞を活性化することを含む、免疫細胞を活性化する方法。
<43>
前記活性化が、CD47又は外因性CD47を発現する細胞の存在下である、<42>に記載の方法。
<44>
前記活性化が抗がん剤の存在下である、<42>及び<43>のいずれか一項に記載の方法。
<45>
前記疾患を処置するための前記治療薬又は前記抗がん剤が抗体を含む、<34>、<36>、<37>~<41>及び<44>のいずれか一項に記載の方法、使用のための組成物、又は製品。
<46>
前記抗体は、リツキシマブ、セツキシマブ、及びアレムツズマブからなる群から選択される、<45>に記載の方法、使用のための組成物、又は製品。
<47>
前記疾患を処置するための前記治療薬又は前記抗がん剤は、IMiD(例えば、サリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド)を含む、<34>、<36>、<37>~<41>、及び<44>のいずれか一項に記載の方法、使用のための組成物、又は製品。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21A
図21B
図22
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29
図30A
図30B
図30C
図31A
図31B
図32A
図32B
図32C
図32D
図32E
図33A
図33B
図33C
図33D
図33E
図33F
図33G
図33H
図34
図35A
図35B
図36A
図36B
図37A
図37B
図38
【配列表】
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