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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】録画予約装置及び録画予約方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/472 20110101AFI20240521BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20240521BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20240521BHJP
   H04N 5/761 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H04N21/472
H04N21/442
H04N21/433
H04N5/761
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021044096
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143541
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000214984
【氏名又は名称】TVS REGZA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】服部 聡志
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-274493(JP,A)
【文献】特開2008-258984(JP,A)
【文献】特開2010-011403(JP,A)
【文献】特開2010-088021(JP,A)
【文献】特開2010-178191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
H04N 5/76 - 5/775
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送信号から映像及び音声データを取得する受信部の出力が与えられて、前記放送信号から番組に関する情報である番組情報を含む番組表情報を取得する番組表管理部と、
前記受信部の出力に基づいて、番組の将来の放送予定を予告する放送予告番組から、放送が予告された放送予定番組の録画予約に必要な録画予約関連情報を取得して記録する録画予約関連情報取得部と、
録画予約操作に基づいて、前記記録された前記録画予約関連情報のうち前記録画予約操作の操作タイミング前の直近に記録された前記録画予約関連情報を録画予約予定情報に設定し、前記録画予約関連情報に基づいて、前記放送予定番組の番組情報が現在取得されている前記番組表情報中に含まれているか否かを判定し、含まれている場合には前記録画予約予定情報が設定された前記録画予約関連情報に基づいて録画予約情報を生成し、含まれていない場合には前記放送予定番組の番組情報が前記番組表情報中に含まれるようになった後に前記録画予約予定情報が設定された前記録画予約関連情報に基づいて前記録画予約情報を生成する制御回路と、を具備する録画予約装置。
【請求項2】
前記制御回路は、前記録画予約関連情報の最後の記録から所定期間経過した以降に前記録画予約操作が行われた場合には、前記直近に記録された録画予約関連情報を録画予約予定情報に設定しない、請求項1に記載の録画予約装置。
【請求項3】
前記録画予約関連情報取得部は、前記受信部からの音声データの解析によって、前記録画予約関連情報を取得する請求項1に記載の録画予約装置。
【請求項4】
前記録画予約関連情報取得部は、前記受信部からの映像データの解析によって、前記録画予約関連情報を取得する請求項1に記載の録画予約装置。
【請求項5】
放送信号から映像及び音声データの少なくとも一方を取得し、
前記放送信号から番組に関する情報である番組情報を含む番組表情報を取得し、
前記映像及び音声データの少なくとも一方に基づいて、番組の将来の放送予定を予告する放送予告番組から、放送が予告された放送予定番組の録画予約に必要な録画予約関連情報を取得して記録し、
録画予約操作に基づいて、前記記録された前記録画予約関連情報のうち前記録画予約操作の操作タイミング前の直近に記録された前記録画予約関連情報を録画予約予定情報に設定し、前記録画予約関連情報に基づいて、前記放送予定番組の番組情報が現在取得されている前記番組表情報中に含まれているか否かを判定し、含まれている場合には前記録画予約予定情報が設定された前記録画予約関連情報に基づいて録画予約情報を生成し、含まれていない場合には前記放送予定番組の番組情報が前記番組表情報中に含まれるようになった後に前記録画予約予定情報が設定された前記録画予約関連情報に基づいて前記録画予約情報を生成する、録画予約方法。
【請求項6】
前記録画予約関連情報の最後の記録から所定期間経過した以降に前記録画予約操作が行われた場合には、前記直近に記録された録画予約関連情報を録画予約予定情報に設定しない、請求項5に記載の録画予約方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、録画予約装置及び録画予約方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル放送は、電子番組表(EPG(Electronic Program Guide))の仕組みが備えられており、受信機のリモコンのボタンを押すだけで、当日あるいは1週間先までの番組表が表示され、放送時間や出演者など、番組内容の表示や知りたい情報の検索、番組の視聴予約や録画予約を行うことができる。
【0003】
ところで、放送中において、番組の紹介、宣伝を行うと共に将来の放送日時を告知する放送予告が行われることがある。ところが、放送受信機において受信されるEPG情報(以下、番組表情報という)に含まれる番組情報は、番組表情報の取得時から所定の期間内に放送される番組の情報に限られる。この期間より後に放送される番組の情報は番組表情報中に含まれておらず、録画予約をすることができない。
【0004】
このため、例えば、受信された番組表情報中にはその番組情報が含まれていない未来の番組については、放送予告があったとしても、その時点ではその放送予告に応じた録画予約をすることはできない。その未来番組を録画するには、後日、その未来番組の情報が番組表情報として取得済となった後に、ユーザが改めて録画予約操作をする必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-117402号公報
【文献】特開2007-201893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、未来番組に関する放送予告番組に基づいて録画予約を行うことができる録画予約装置及び録画予約方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の録画予約装置は、放送信号から映像及び音声データを取得する受信部の出力が与えられて、前記放送信号から番組に関する情報である番組情報を含む番組表情報を取得する番組表管理部と、前記受信部の出力に基づいて、番組の将来の放送予定を予告する放送予告番組から、放送が予告された放送予定番組の録画予約に必要な録画予約関連情報を取得して記録する録画予約関連情報取得部と、録画予約操作に基づいて、前記記録された前記録画予約関連情報のうち前記録画予約操作の操作タイミング前の直近に記録された前記録画予約関連情報を録画予約予定情報に設定し、前記録画予約関連情報に基づいて、前記放送予定番組の番組情報が現在取得されている前記番組表情報中に含まれているか否かを判定し、含まれている場合には前記録画予約予定情報が設定された前記録画予約関連情報に基づいて録画予約情報を生成し、含まれていない場合には前記放送予定番組の番組情報が前記番組表情報中に含まれるようになった後に前記録画予約予定情報が設定された前記録画予約関連情報に基づいて前記録画予約情報を生成する制御回路と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施形態に係る録画予約装置を含むテレビジョン受信機等の受信装置を示すブロック図。
図2】第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
図3】第2の実施形態を示すブロック図。
図4】第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る録画予約装置を含むテレビジョン受信機等の受信装置を示すブロック図である。
【0011】
本実施形態は、放送予告番組の内容を自動的に取得して記録し、ユーザの録画予約操作に従って、記録した情報に基づく録画予約を自動実行するものである。これにより、放送予告された未来番組の情報が番組表情報として取得される前に録画予約操作を受け付けることが可能となり、利便性を著しく向上させることができる。
【0012】
図1において、図示しないアンテナで受信したテレビジョン放送信号(RF入力)は、放送データ受信部10に入力される。放送データ受信部10は、チューナ11及びデコーダ12により構成されている。RF入力はチューナ11に供給される。チューナ11は、制御回路21に制御されて(図示省略)、所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をデコーダ12に出力する。
【0013】
デコーダ12は、制御回路21に制御されて(図示省略)、デコード処理を行う。即ち、デコーダ12は、チューナ11で選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得る。デコーダ12は、トランスポートストリーム(TS)が多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像データ及び音声データを得る。これらの映像データ及び音声データは、信号処理部20に供給される。
【0014】
信号処理部20には映像及び音声処理部22が設けられている。映像及び音声処理部22は、デコーダ12から供給されたデジタルの映像データに対して所定のデジタル信号処理を施した後、出力制御部31に出力する。出力制御部31は、入力された映像データを表示部32において表示可能なフォーマットのアナログ映像信号に変換した後、表示部32に出力する。表示部32は、例えば平面表示パネル等の所定の表示装置により構成され、入力された映像信号に基づく映像を表示する。
【0015】
また、映像及び音声処理部22は、デコーダ12から供給されたデジタルの音声データに対して所定のデジタル信号処理を施した後、出力制御部31に出力する。出力制御部31は、入力された音声データを音声出力するためのアナログ音声信号に変換した後、音声出力部33に出力する。音声出力部33は、スピーカにより構成され、入力された音声信号に基づく音声を出力する。
【0016】
映像及び音声処理部22は、デジタル信号処理後の映像及び音声を番組録画部35に出力することもできるようになっている。番組録画部35は、HDD(Hard Disk Drive)あるいはSSD(Solid State Drive)等を含む記録装置である。番組録画部35は、所定のインタフェースを介して映像及び音声処理部22から映像及び音声データが入力され、入力された映像及び音声データに基づく放送番組をHDDやSSD等に録画し、また再生する。
【0017】
番組録画部35による録画は、録画処理部24によって制御されるようになっている。録画処理部24は、制御回路21から録画指示命令が与えられると、当該録画指示命令に従って、番組録画部35の録画を制御するようになっている。
【0018】
信号処理部20には、制御回路21が設けられている。制御回路21は、図1のデジタルテレビジョン放送受信装置における各種の受信動作を含むその全ての動作を統括的に制御する。制御回路21は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたプロセッサによって構成されていてもよく、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
【0019】
制御回路21は、図示しないテレビジョン受信機本体に設けられたスイッチ等の操作部やリモートコントローラ(図示せず)から送出された操作情報に基づいて、その操作内容が反映されるように各部をそれぞれ制御している。図1では図示しないリモートコントローラからのリモコン信号がリモコン受信部41に与えられる例を示している。リモコン受信部41は、リモコン信号を受信し、リモートコントローラの操作に基づく操作情報を発生して制御回路21に出力する。制御回路21はこの操作情報に基づいて、各部を制御する。また、図1では、マイクロホン等により構成される音声受信部42によりユーザの音声が受信されることを示している。音声受信部42は、ユーザの音声に基づく音声信号を制御回路21に出力する。制御回路21は、公知の音声認識処理によって、ユーザが発したコマンドの音声等を解析し、ユーザの音声に基づいて各部を制御する。
【0020】
また、デコーダ12は、デジタル放送により送られている付加情報(例えばセクション情報)を取得する。この付加情報には、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報,番組属性情報(番組ジャンル等),字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が含まれる。デコーダ12は、取得した付加情報を信号処理部20に出力する。
【0021】
信号処理部20には、番組表管理部23が設けられている。番組表管理部23は、制御回路21に制御されて、デコーダ12からの付加情報のうち番組表情報を取得する。番組表管理部23は、取得した番組表情報を記録部26に与えて記録すると共に、番組表情報に基づく番組表の画像情報を生成するための画像生成処理を行い、この生成した画像情報を出力制御部31に出力する(図示省略)。これにより、出力制御部31は、表示部32に番組表を表示することができるようになっている。
【0022】
本実施形態においては、信号処理部20には、音声検出部25が設けられている。デコーダ12からの音声データは音声検出部25にも供給される。録画予約関連情報取得部としての音声検出部25は、公知の音声認識処理及び自然言語解析処理等によって、放送番組中の音声の内容を解析する。音声検出部25は、解析結果によって、現在放送中の番組が、将来放送を予定されている番組(以下、放送予定番組という)の放送を予告する放送予告番組であるか否かを判定する。音声検出部25は、現在放送中の番組が放送予告番組であるものと判定した場合には、当該放送予告番組の内容のうち放送予定番組の録画予約に必要な情報(以下、録画予約関連情報という)を収集し、収集した録画予約関連情報を記録部26に与えて、現在時刻の情報と共に記録するようになっている。記録部26は、ハードディスクやメモリ媒体等の所定の記録媒体により構成されている。
【0023】
例えば、録画予約関連情報としては、放送予定番組の放送チャンネル、放送開始日時、放送終了日時の情報等が考えられる。例えば、音声検出部25は、放送中の番組の音声に、「〇月〇日〇時放送」や「今夜〇時放送」等の語句が含まれていることを検出すると、これらの語句に基づく放送開始日時と、現在の受信チャンネルの情報とを放送予定番組についての録画予約関連情報として、記録部26に記録する。なお、録画予約は、番組表情報を利用して行われることから、録画予約関連情報としては、番組表情報によって録画予約する番組を特定できる情報であればよく、放送開始日時の情報だけでなく、例えば、放送予定番組の番組名の情報であってもよい。
【0024】
また、音声検出部25は、現在放送中の番組が放送予告番組であるか否かの判定を行うことなく、放送中の番組に含まれる「〇月〇日〇時放送」や「今夜〇時放送」等の語句を検出すると、これらの語句を録画予約関連情報として記録部26に記録するようになっていてもよい。なお、音声検出部25は、最新の録画予約関連情報のみを記録部26に格納するようになっていてもよく、また、所定期間の録画予約関連情報を記録部26に格納するようになっていてもよく、また、所定個数の録画予約関連情報を記録部26に格納するようになっていてもよい。
【0025】
制御回路21は、記録部26に記録されている番組表情報中に番組情報が含まれている未来番組についてのユーザの通常の録画予約操作に基づいて録画予約情報を生成する。なお、この場合の録画予約情報は、例えば、番組表に対するユーザの録画予約操作に基づいて制御回路21が生成するものであり、制御回路21は、番組表情報中の予約録画に必要な情報を用いて録画予約情報を生成する。制御回路21は、生成した録画予約情報を記録部26に記録する。制御回路21には、タイマ回路27から時刻情報が与えられる。制御回路21は、タイマ回路27からの時刻情報を用いて、記録された録画予約情報に基づく録画指示命令を発生して録画処理部24に出力する。
【0026】
本実施形態においては、制御回路21は、記録部26に記録されている番組表情報中に番組情報が含まれていない放送予定番組についてのユーザの録画予約操作(以下、放送予告に基づく録画予約操作という)に基づいて録画予約情報を生成することができるようになっている。なお、放送予告に基づく録画予約操作を、予めリモートコントローラの所定のキーに割り当てておくことで、ユーザはワンタッチ操作で放送予告に基づく録画予約操作を行うことも可能である。
【0027】
即ち、制御回路21は、放送予告に基づく録画予約操作に応じた操作情報が与えられると、当該操作情報の入力をトリガとして、当該操作情報の入力タイミング前の直近に記録された録画予約関連情報を録画予約の対象である録画予約予定情報に設定する。例えば、制御回路21は、記録部26に記録された録画予約関連情報に、録画予約予定情報であることを示すフラグを追加することで、録画予約予定情報に設定してもよい。
【0028】
なお、誤操作を考慮して、録画予約関連情報の最後の記録から所定期間経過した以降に放送予告に基づく録画予約操作が行われた場合には、当該操作は誤操作であるものとして、最後に記録された録画予約関連情報を録画予約予定情報に設定しないようになっていてもよい。また、放送予告に基づく録画予約操作の直前に記録された録画予約関連情報だけでなく、ユーザは録画予約予定情報に設定する録画予約関連情報を任意に指定できるようになっていてもよい。
【0029】
制御回路21は、録画予約予定情報に設定された録画予約関連情報中の録画開始日時の情報とタイマ回路27からの時刻情報との比較によって、放送予定番組の番組情報が記録部26に記録された番組表情報に含まれるようになっているか否かを判定し、番組表情報に含まれるようになった場合には、録画予約関連情報に基づいて、放送予定番組の番組情報を番組表情報から取得し、取得した情報に基づいて、録画予約情報を生成して記録部26に記録する。制御回路21は、録画予約情報を参照し、予約録画開始時刻に到達したことをタイマ回路27からの時刻情報により検出すると、録画予約情報に基づく録画指示命令を発生して、発生した録画指示命令を録画処理部24に出力する。
【0030】
なお、制御回路21は、記録部26に記録される番組表情報が更新される毎に、録画予約関連情報に対応する番組の番組情報を番組表情報から検索し、当該番組情報が検索された場合に、録画予約情報を生成するようになっていてもよい。
この場合には、録画予約予定情報に設定された録画予約関連情報中に録画開始日時の情報が含まれておらず、放送番組名の情報のみが含まれている場合であっても、放送予定番組について録画予約情報の生成が可能である。
【0031】
なお、ユーザは、図示しないリモートコントローラによって、放送予告に基づく録画予約操作を行ってもよく、また、音声操作によって、放送予告に基づく録画予約操作を行ってもよい。
【0032】
また、信号処理部20中の制御回路21だけでなく、放送データ受信部10中の各部、信号処理部20中の各部、出力制御部31は、CPUやFPGA等を用いたプロセッサによって構成されていてもよく、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。
【0033】
次に、このように構成された実施形態の動作について図2を参照して説明する。図2は第1の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。
【0034】
アンテナで受信したテレビジョン放送信号(RF入力)は、放送データ受信部10のチューナ11に入力される。チューナ11は、制御回路21に制御されて、所望のチャンネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号をデコーダ12に出力する。デコーダ12は、制御回路21に制御されて、選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得る。デコーダ12は、トランスポートストリーム(TS)が多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のデジタルの映像データ及び音声データを得る。これらの映像データ及び音声データは、信号処理部20に供給される。
【0035】
信号処理部20の映像及び音声処理部22は、デコーダ12から供給されたデジタルの映像データに対して所定のデジタル信号処理を施した後、出力制御部31に出力する。出力制御部31は、映像信号を表示部32に出力し、音声信号を音声出力部33に出力する。こうして、放送番組の映像が表示部32において表示され、音声が音声出力部33から音声出力される。
【0036】
また、デコーダ12はデジタル放送に含まれる付加情報を取得して、信号処理部20に出力する。信号処理部20の番組表管理部23は、付加情報のうち番組表情報を取得し、取得した番組表情報を記録部26に与えて記録する。
【0037】
本実施形態においては、デコーダ12からの音声データは、音声検出部25にも供給される。音声検出部25は、図2のステップS1において、放送番組中の音声の内容を解析し、放送予告番組(CM)の内容のうち放送予定番組の録画に必要な録画予約関連情報を収集する。例えば、音声検出部25は、放送中の番組から「〇チャンネルにて〇月〇日〇時より放送」等の語句を検出すると、〇チャンネル、〇月〇日〇時等の録画予約関連情報を取得する。音声検出部25は、取得した録画予約関連情報を記録部26に与えて記録する。本実施形態においては、音声検出部25は、放送信号の受信中において逐次録画予約関連情報を収集して、記録部26に記録する。
【0038】
制御回路21は、ユーザからの割り込みを確認する(S2)。即ち、制御回路21は、ユーザによる放送予告に基づく録画予約操作が発生したか否かをリモコン受信部41や音声受信部42からの操作情報によって確認する。割り込みが生じていない場合には、処理をステップS1に戻して、ステップS1,S2を繰り返す。
【0039】
ここで、ユーザが放送中の放送予告番組を視聴して、当該放送予告番組において紹介されている放送予定番組の録画予約を希望するものとする。この場合には、ユーザはリモートコントローラ等を操作して、放送予告に基づく録画予約操作を行う。制御回路21は、この操作に基づく操作情報を受信すると、処理をステップS3に移行して、記録部26に記録されている録画予約関連情報のうち最新のものを読み出して、放送開始日時等の情報を取得する。制御回路21は、取得した放送開始日時までの番組の情報を含む番組表情報が取得されているか否か、即ち、取得した放送開始日時の番組(放送予定番組)の番組情報(対象の番組情報)が既に番組表情報に含まれるか否かを判定する(S4)。
【0040】
既に、録画予約関連情報によって特定される放送予定番組の番組情報が番組表情報中に含まれる場合には、制御回路21はステップS5において、録画予約を実施する。即ち、放送予定番組についての番組情報を番組表情報から取得して録画予約情報を生成する。
【0041】
従って、ユーザは、番組表を表示させて放送予定番組を選択する操作を行う必要は無く、簡単な操作で、放送予定番組の録画予約を行うことができる。
【0042】
一方、放送予告番組の放送時点では放送予定番組の番組情報を含む番組表情報が受信されていない場合には、制御回路21はステップS6に移行して、ステップS3において読み出した録画予約関連情報を録画予約予定情報として設定し、放送予定番組の放送開始日時までの番組情報(対象の番組情報)を含む番組表情報が取得されるまで記録部26に保持する。制御回路21は、この期間を待機する(S7)。なお、制御回路21は、タイマ回路27からの時刻情報によって待機する期間を判定してもよく、また、番組表情報の取得毎に検索処理を行って待機する期間を判定してもよい。
【0043】
制御回路21は、放送予定番組の番組情報を含む番組表情報が取得されると、録画予約予定情報に設定された録画予約関連情報を読み出して、録画予約を実施する(S8)。即ち、放送予定番組についての番組情報を番組表情報から取得して録画予約情報を生成する。制御回路21は、録画予約情報を参照し、予約録画開始時刻に到達したことをタイマ回路27からの時刻情報により検出すると、録画予約情報に基づく録画指示命令を発生して、発生した録画指示命令を録画処理部24に出力する。録画処理部24は、制御回路21から録画指示命令が与えられると、当該録画指示命令に従って、番組録画部35の録画を制御する。こうして、放送予定番組の予約録画が行われる。
【0044】
このように本実施形態においては、放送予告番組から放送予定番組の録画予約に必要な録画予約関連情報を自動的に取得して記録し、ユーザの放送予告に基づく録画予約操作に従って、記録した録画予約関連情報を用いて録画予約を自動実行する。これにより、放送予告された未来番組の情報が番組表情報として取得される前に録画予約操作を受け付けることが可能となり、利便性を著しく向上させることができる。即ち、ユーザは、放送予告番組によって紹介された放送予定番組を視聴したいと思ったとき、直ぐに、番組表の検索操作を必要とすることなく簡単な録画予約操作により録画予約が可能である。しかも、放送予定番組が番組表に存在しておらず、本来なら録画予約を行うことができない未来番組についても事前に録画予約を行うことができる。
【0045】
(第2の実施形態)
図3は第2の実施形態を示すブロック図である。図3において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
本実施形態は録画予約関連情報を映像のキャプチャにより実施する点が第1の実施形態と異なる。
【0047】
図3において信号処理部50は、音声検出部25に代えて映像解析部51を採用した点が図1の信号処理部20と異なる。信号処理部50の映像解析部51には、デコーダ12から映像データが供給されるようになっている。録画予約関連情報取得部としての映像解析部51は、CPUやFPGA等を用いたプロセッサによって構成されていてもよく、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って動作して各部を制御するものであってもよいし、ハードウェアの電子回路で機能の一部又は全部を実現するものであってもよい。なお、映像解析部51は、解析処理のため、デコーダ12からの映像データを所定期間保持する図示しないバッファ回路を有している。
【0048】
本実施形態においては、制御回路21は、ユーザによる放送予告に基づく録画予約操作による割り込みが発生すると、映像解析部51に解析処理を依頼するようになっている。例えば、ユーザは、放送予約番組で紹介されている放送予定番組の録画予約を希望する場合には、放送予告番組の放送中に、リモートコントローラ等により放送予告に基づく録画予約操作を行う。
【0049】
映像解析部51は、制御回路21から解析処理の依頼を受けると、デコーダ12からの映像データに基づく画像をキャプチャしてバッファ回路に保持する。映像解析部51は、キャプチャした画像に対する公知の画像解析処理や映像データに含まれるテキスト情報によって、放送番組中の映像の内容を解析する。映像解析部51は、キャプチャした放送予告番組内の映像から放送予定番組の録画予約に必要な録画予約関連情報を収集し、収集した録画予約関連情報を記録部26に与えて、現在時刻の情報と共に記録するようになっている。
【0050】
なお、録画予約関連情報としては、放送予定番組の放送チャンネル、放送開始日時、放送終了日時の情報等を採用することは第1の実施形態と同様である。
【0051】
また、映像解析部51は、録画予約関連情報の収集をクラウド60上のコンピュータ(図示せず)に依頼するようになっていてもよい。この場合には、映像解析部51は、クラウド60との間で通信を行う図示しないインタフェース回路を経由してデコーダ12から与えられた映像データやキャプチャした画像をクラウド60に送信する。クラウド60上のコンピュータは、画像や映像データを解析して録画予約関連情報を収集し、収集した録画予約関連情報を映像解析部51に送信する。映像解析部51は、クラウド60から提供された録画予約関連情報を記録部26に与えて記録する。
【0052】
本実施形態においては、制御回路21は、記録部26に録画予約関連情報が記録される毎に、第1実施形態と同様の録画予約処理を実行する。
【0053】
次に、このように構成された実施形態の動作について図4を参照して説明する。図4は第2の実施形態の動作を説明するためのフローチャートである。図4において図2と同一の手順には同一符号を付して説明を省略する。
【0054】
制御回路21は、ユーザからの割り込みを確認する(S10)。即ち、制御回路21は、ユーザによる放送予告に基づく録画予約操作が発生したか否かを、リモコン受信部41や音声受信部42等からの操作情報によって確認する。制御回路21は、割り込みが発生するまで、ステップS10を繰り返す。
【0055】
いま、ユーザが、現在放送中の放送予告番組によって紹介されている放送予定番組の録画予約を希望するものとする。この場合には、ユーザは、放送予告番組の放送中において、放送予告に基づく録画予約操作を行う。この割り込みが発生すると、制御回路21は、映像解析部51に録画予約関連情報の収集を依頼する。
【0056】
映像解析部51は、ステップS11において、デコーダ12からの映像データに基づく画像をキャプチャし、放送予定番組の内容を解析し、解析結果に基づいて録画予約関連情報を取得する。なお、映像解析部51は、映像データやキャプチャした画像をクラウド60に送信して、録画予約関連情報の収集を依頼してもよい。映像解析部51は、取得した録画予約関連情報を記録部26に記録する。
【0057】
次に、制御回路21は、記録部26に記録された録画予約関連情報を読み出して、放送開始日時等の情報を取得する(S12)。以後の作用は、第1の実施形態と同様である。即ち、制御回路21は、ステップS5において録画予約関連情報に基づいて録画予約情報を生成するか、又は、ステップS6において、録画予約関連情報に録画予約予定情報を設定して保持する。そして、制御回路21は、放送予定番組の番組情報が番組表情報中に含まれるようになると、ステップS8において、録画予約予定情報が設定された録画予約関連情報に基づいて録画予約情報を生成する。
【0058】
このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
なお、第1の実施形態においても本実施形態と同様に、クラウドを利用した音声解析によって、録画予約関連情報を取得するようになっていてもよい。
【0060】
(変形例1)
なお、上記説明では、ユーザの放送予告に基づく録画予約操作による割り込みが発生した場合に、映像解析部51が録画予約関連情報を収集する例を説明したが、第1実施形態と同様に、映像解析部51は、常時、録画予約関連情報の取得のための解析又はクラウド60への依頼を行うようになっていてもよい。
【0061】
例えば、映像解析部51は、解析結果によって、現在放送中の番組が、放送予定番組の放送を予告する放送予告番組であるか否かを判定し、現在放送中の番組が放送予告番組であるものと判定した場合に、当該放送予告番組内の映像から放送予定番組の録画予約に必要な録画予約関連情報を収集し、収集した録画予約関連情報を記録部26に与えて、現在時刻の情報と共に記録するようになっていてもよい。
【0062】
また、映像解析部51は、現在放送中の番組が放送予告番組であるか否かの判定を行うことなく、放送中の番組中の映像に含まれる「〇月〇日〇時放送」や「今夜〇時放送」等の語句を検出すると、これらの語句を録画予約関連情報として記録部26に記録するようになっていてもよい。
【0063】
この場合には、ユーザは放送予告番組の視聴後に放送予告に基づく録画予約操作を行えばよい。制御回路21は、ユーザによる放送予告に基づく録画予約操作による割り込みが発生する毎に、第1実施形態と同様の録画予約処理を実行する。
【0064】
(変形例2)
上記第1の実施形態では、ユーザは放送予告番組の放送中に放送予告に基づく録画予約操作を行う必要がある。一方、変形例1では、放送予告番組の終了後にユーザが放送予告に基づく録画予約操作を行った場合でも録画予約処理が可能であるが、映像解析部51又はクラウド60上のコンピュータによる解析処理を常時行っていることから、処理の負荷が大きい。そこで、第2変形例は、バッファ回路に、放送予告番組の映像データを記録しておくようにするものである。この場合には、ユーザは、放送予告番組を視聴後の所定期間以内に放送予告に基づく録画予約操作を行えばよい。なお、第2変形例では、映像解析部51に含まれるバッファ回路は、デコーダ12から与えられる映像データを放送予告番組の放送時間に対応する所定の期間保持する容量を備えるように構成する。
【0065】
制御回路21は、ユーザによる放送予告に基づく録画予約操作による割り込みが発生すると、映像解析部51に解析処理を依頼する。バッファ回路には、所定期間前から現在時刻までの映像に対応する映像データが逐次記憶されている。映像解析部51は、バッファ回路21から解析処理を依頼されると、バッファ回路に保持されている映像データを用いて解析処理やクラウド60への解析依頼を行う。映像解析部51は、こうして取得した録画予約関連情報を記録部26に与えて記録する。
【0066】
この場合には、制御回路21は、記録部26に録画予約関連情報が記録される毎に、第1実施形態と同様の録画予約処理を実行する。これにより、本変形例では、処理の負荷を軽減しつつ、放送予告番組の終了後にユーザが放送予告に基づく録画予約操作を行った場合でも録画予約処理を可能にする。
【0067】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記第1及び第2の実施形態においては、音声データ又は映像データの一方を用いて録画予約関連情報を収集する例を説明したが、音声データ及び映像データの両方を用いて録画予約関連情報を収集するようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…放送データ受信部、11…チューナ、12…デコーダ、20…信号処理部、21…制御回路、22…映像及び音声処理部、23…番組表管理部、24…録画処理部、25…音声検出部、26…記録部、27…タイマ回路、31…出力制御部、32…表示部、33…音声出力部、35…番組録画部、41…リモコン受信部、42…音声受信部。
図1
図2
図3
図4