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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】硬化物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 97/00 20060101AFI20240521BHJP
   C08L 5/08 20060101ALI20240521BHJP
   C08K 3/26 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C08L97/00
C08L5/08 ZBP
C08K3/26
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018186077
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020055928
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518125697
【氏名又は名称】株式会社トレスバイオ研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】517450703
【氏名又は名称】株式会社バイオアパタイト
(74)【代理人】
【識別番号】100096714
【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124121
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 由美子
(74)【代理人】
【識別番号】100176566
【弁理士】
【氏名又は名称】渡耒 巧
(74)【代理人】
【識別番号】100180253
【弁理士】
【氏名又は名称】大田黒 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100169236
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 貴史
(72)【発明者】
【氏名】中村 弘一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 有紀
(72)【発明者】
【氏名】川本 忠
【審査官】武貞 亜弓
(56)【参考文献】
【文献】特公昭47-016060(JP,B1)
【文献】特開2008-088029(JP,A)
【文献】特開2002-265944(JP,A)
【文献】特開2003-125731(JP,A)
【文献】特開平03-232473(JP,A)
【文献】特開2002-281839(JP,A)
【文献】特開2018-103588(JP,A)
【文献】特開2009-263414(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0245269(US,A1)
【文献】国際公開第2010/009938(WO,A1)
【文献】Hybrid adsorbent prepared from renewable lignin and waste egg shell for SO2 removal:Characterization and process optimization,ECOLOGICAL ENGINEERING,2018年05月,115,p.139-148
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグニンが熱硬化し、キチンがバインダーとして作用した、キチンと、リグニンとを含む熱硬化物
【請求項2】
さらに、強化材の微粉を含む請求項1記載の熱硬化物。
【請求項3】
強化材として炭酸カルシウムを含む請求項2記載の熱硬化物。
【請求項4】
前記リグニンが、植物由来である請求項1~3のいずれか一項に記載の熱硬化物。
【請求項5】
前記炭酸カルシウム及び前記キチンが、卵殻由来である請求項3記載の熱硬化物。
【請求項6】
キチンを含む、リグニンの熱硬化物であって、
キチンを含む卵殻の微粉が島部、前記リグニンが海部となる海島構造を備える、熱硬化物。
【請求項7】
リグニンが熱硬化し、キチンがバインダーとして作用した熱硬化物の製造方法であって、キチンを含む材料の微粉と、リグニンを含む材料の微粉との混合物を加熱しながら加圧する熱硬化物の製造方法
【請求項8】
前記混合物が、さらに強化材の微粉を含む請求項7記載の熱硬化物の製造方法。
【請求項9】
前記キチンを含む材料の微粉及び前記強化材の微粉が、卵殻の微粉である請求項8記載の熱硬化物の製造方法。
【請求項10】
キチンを含む、リグニンの熱硬化物の製造方法であって、
リグニンを含有する植物由来の廃棄物又は残渣と、卵殻の微粉とを含む混合物を加熱しながら加圧する熱硬化物の製造方法。
【請求項11】
前記リグニンを含む材料の微粉の粒径が0.1μm~1mmである請求項7~のいずれか一項に記載の熱硬化物の製造方法。
【請求項12】
加熱温度が140~240℃である請求項7~11のいずれか一項に記載の熱硬化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量、高強度、耐熱性を有する硬化物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
野菜を使用した食品工場や加工場や野菜生産者、更には木工場からは、植物由来の廃棄物が大量に発生している。植物由来の廃棄物の一部は堆肥として利用されているが、産業廃棄物として廃棄されていることが多いのが現状であり、植物由来の廃棄物のリサイクルのために植物バイオマスの用途拡大が目指されている。
【0003】
植物バイオマスの利用例として、リサイクルされたセルロース繊維と、充填剤又は顔料とを混合してフィブリル化してナノフィブリルセルロースゲルを含む複合材料を製造する方法がある(特許文献1)。しかし、特許文献1に記載の複合材料の原材料は、木材、または麻、亜麻およびマニラ麻などの植物の茎から加工されたセルロースパルプであり、野菜を使用した食品工場や加工場や野菜生産者から排出される残渣ではない。更に、製造された複合材料はゲル状であり、この複合材料を所定形状に成形するには別途の工程が必要であり、製造コストが高かった。
【0004】
植物バイオマスの一つであるリグニンは、高等植物の木化に関与する高分子のフェノール化合物である。リグニンは、例えば木材中にはおよそ20~30%含まれており、地球上に大量に存在しており、上記のような植物由来の廃棄物中にも多く含まれている。このリグニンを有効利用することができれば、環境問題、資源問題の解決策になりうることが期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特表2013-525621号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、植物バイオマスのひとつであるリグニンの新たな利用形態として、リグニンを含む新規の材料を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、リグニンとキチンとを含む硬化物が、軽量、高強度、かつ耐熱性であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
[1]キチンと、リグニンとを含む硬化物、
[2]さらに、強化材の微粉を含む[1]の硬化物、
[3]強化材として炭酸カルシウムを含む[2]の硬化物、
[4]リグニンが、植物由来である、[1]~[3]のいずれかの硬化物、
[5]炭酸カルシウム及びキチンが、卵殻由来である、[3]又は[4]の硬化物、
[6]卵殻の微粉と、リグニンとの海島構造を備える、[5]の硬化物、
[7]熱硬化物である、[1]~[6]のいずれかの硬化物、
[8]キチンを含む材料の微粉と、リグニンを含む材料の微粉との混合物を加熱しながら加圧する硬化物の製造方法、
[9]混合物が、さらに強化材の微粉を含む[8]の硬化物の製造方法、
[10]キチンを含む材料の微粉及び強化物の微粉が、卵殻の微粉である[9]の硬化物の製造方法。
[11]卵殻の微粉の粒径が0.1~100μmである、[10]の硬化物の製造方法、
[12]リグニンを含む材料の微粉の粒径が0.1μm~1mmである、[8]~[11]の硬化物の製造方法、
[13]加熱温度が140~240℃である、[8]~[12]のいずれかの硬化物の製造方法、
である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の硬化物は、キチンと、リグニンとを含む構造体である。これらの成分は、例えば、食品工場等から排出される植物由来の廃棄物又は残渣から得ることができ、食品のリサイクルに資することができる。硬化物は、軽量、高強度、耐熱性を有し、柱、壁材、床材、芯材、タイル、舗装材、ブロック、塀、屋根材などの建材等に使用することができる。
本発明の硬化物の製造方法は、上記硬化物を容易に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の硬化物及びその製造方法を、より具体的に説明する。
本発明の硬化物は、キチンと、リグニンとを含み、好ましくは、さらに強化材の微粉を含む。強化材は、例えば炭酸カルシウムである。
【0011】
本発明者らは、リグニンの硬化について研究開発を進めた結果、リグニンを含有する植物の茎や葉やおがくず等の植物由来の廃棄物又は残渣と、キチンとを混合して硬化させると、予想外にも軽量、高強度、耐熱性を有する硬化物が得られることが分かった。キチンを含む物質として、例えば、卵殻が挙げられるが、卵殻は、動物由来の廃棄物又は残渣であり、一方、植物の茎や葉やおがくず等は植物由来の廃棄物又は残渣であり、これらをミックスして特有の硬化物が得られることなど思いもよらなかったことである。
【0012】
そこから更に硬化物を分析し、硬化作用の解明を図った。硬化作用は、必ずしも明確ではないが、リグニンの材料として植物由来の廃棄物又は残渣を用いた加熱加圧反応による硬化を例に説明すると、キチンが熱分解し接着効果を発現させ、また、植物由来の廃棄物又は残渣から発生する過熱水蒸気によりリグニンがその骨格を維持したまま低温で反応し、圧密効果と相乗的に作用することによって、硬化物が製造できるものと考えられる。熱硬化反応は、リグニン等に含まれるフェノール性の高分子間で反応活性点が誘発することにより進行する。つまり、硬化物としてみるとリグニンが熱硬化し、キチンがバインダーとして作用して、硬度の高い硬化物が得られたものと考えられる。
【0013】
本発明の硬化物が含むリグニンは、特に限定されるものではなく、例えば、イネ科植物由来、針葉樹由来、広葉樹由来のものが挙げられる。また、H型モノマー、G型モノマー、S型モノマーといったモノマーの種類も限定されず、これらの1種あるいは2種以上を含むモノマーが重合した構造を有する。また、これらのモノマー以外のモノマーを重合単位として含んでいてもよい。一般には、H型モノマー、G型モノマー及びS型モノマーの1種以上が重合した重合単位が検出されれば、リグニンが含有されていることが推定される。原材料として、純度の高いリグニンを用いてもよく、リグニンを含む植物体、植物の廃棄物や残渣を用いてもよい。
【0014】
本発明の硬化物が含むキチンは、生体のクチクラ層などに含まれる含窒素多糖高分子であり、その由来は特に限定されない。例えば、鳥類又は爬虫類の卵殻、節足動物や甲殻類の外骨格、軟体動物の殻皮などの無脊椎動物のクチクラ層や、菌類の細胞壁由来のキチンが挙げられ、これらのいずれかを材料として用いることができる。原材料として、純度の高いキチンを用いても良く、キチンを含む生体材料を用いてもよい。特に、キチンを含む材料として、入手の容易性や炭酸カルシウムも含むことから卵殻が好ましい。卵殻を用いる場合には、卵殻の微粉を用いることが好ましく、この場合、本発明の硬化物は、卵殻の微粉或いは卵殻の微粉由来の成分とリグニンとを含有することになる。
また、キチンと似たような物質として、キトサンがある。本発明の硬化物は、キチンと併用して、又はキチンの代わりに、キトサンを含むこともできる。
【0015】
本発明の硬化物は、卵殻の微粉と、植物由来の原材料とから製造される場合には、卵殻を強化材成分とする複合材料と考えることができる。この場合、卵殻の微粉が島部、植物由来の原材料が海部となる海島構造を有していると考えられる。
【0016】
本発明の硬化物は、好ましくは、強化材を含む。強化材として、例えば軽量な炭酸カルシウムが挙げられる。強化材を含むことにより、強度が高く、比強度が大きい材料とすることができる。また、炭酸カルシウムを用いると、高い耐熱性が得られる。したがって、建材等の用途にも好適である。
【0017】
本発明の硬化物は、さらに、セルロースやヘミセルロースを含んでいてもよい。セルロースやヘミセルロースは、様々な植物体中に含まれる多糖類であり、接着作用を呈することから、本発明の硬化物に含有させることで、バインダーとして機能し、硬化物の硬度、強度を高めることが期待できる。
【0018】
本発明の硬化物は、炭酸カルシウムやキチンの粒径が、0.1~100μmであることが好ましい。0.1μm程度よりも小さいと、微粉末にする製造コストが高くなる。100μm程度よりも大きいと、硬化物中の強化材の分散度が低くなり好ましくない。
【0019】
本発明の硬化物は、リグニンを10質量%程度以上含むことが好ましい。10質量%程度以上を含むことにより硬度の高い硬化物とすることができる。リグニン含有量の上限は、特に限定されないが、リグニンはバインダー又は複合材料のマトリックスとして考えられるために、適切な量で含むことが好ましい。本発明者らの実験により50質量%程度を含有させていても十分な特性を有する硬化物が得られることが確認されている。
【0020】
本発明の硬化物は、キチン、リグニン、炭酸カルシウムなどの強化材、セルロース、ヘミセルロース以外の成分を含むことができる。例えば植物の廃棄物又は残渣に含まれる成分を含むことができ、これによりリサイクル率が向上する。他の強化材や接着剤、接着助剤、着色剤などを含むこともできる。また、原材料に含まれるか又は硬化物の製造時に添加されることがある水分を含む場合がある。
【0021】
本発明の硬化物は、軽量、高強度、耐熱性を有し、建材等に有用である。また、比熱が低いので断熱効率が高い点でも建材等の用途に有利である。更に、後述するように加熱しながら加圧するという工程により製造することができるので、大量生産に向いており、プレス型により種々の形状の製品を製造することができ、また、プレス機の大きさにもよるが、大型の製品も製造することができる。
また、キチン、リグニンを含み、さらには炭酸カルシウムを含むことができる本発明の硬化物は、生分解性を有しているので、地球環境に優しい材料としての用途に有利である。
【0022】
次に、本発明の硬化物の製造方法の例を説明する。
硬化物は、例えば、キチンの微粉と、リグニンを含む材料の微粉との混合物を加熱しながら加圧する工程により製造することができる。動物由来の廃棄物又は残渣のリサイクルを考えると、強化材としての炭酸カルシウムと、キチンを含む卵殻を原材料として用いることが好ましい。植物由来の廃棄物又は残渣のリサイクルを考えると、リグニンを含む材料として植物由来の廃棄物又は残渣を原材料として用いることが好ましい。また、リグニンを含む材料として工業残渣を用いることもできる。
【0023】
卵殻を原材料として用いる場合には、卵殻膜を予め除去しておくことが好ましい。もっとも、卵殻膜の除去処理を行わないで原材料としても用いることを排除するものではない。卵殻を用いる場合にも、上述した好適な粒径範囲に粉砕して微粉にすることが好ましい。
【0024】
リグニンを含む植物由来の廃棄物又は残渣としては、野菜を使用した食品工場や加工場や野菜生産者、更には木工場から排出される植物由来の廃棄物又は残渣、例えば野菜の茎や葉やおがくず等を用いることができる。原材料に植物由来の廃棄物又は残渣を用いる場合にも粉砕して微粉にすることが好ましい。
【0025】
リグニンを含む材料、例えば植物由来の廃棄物又は残渣の粒径は0.1μm~1mm程度とすることが好ましい。0.1μm程度よりも小さいと、微粉末にする製造コストが高くなる。1mm程度よりも大きいと、硬化物中のリグニンの分散度が低くなり好ましくない。
【0026】
卵殻の微粉と、リグニンを含む材料の微粉とを所定割合で混合する。混合する手段は特に限定されず、各種のミキサーを用いることができる。また、ミキサーは、原材料を所定の粒径まで粉砕する機能を有するものであってもよく、この場合は卵殻の粉砕及び微粉化と、植物由来の廃棄物又は残渣の粉砕及び微粉化と、混合とを一つの装置で行うことができる。
【0027】
卵殻の微粉と、植物由来の廃棄物又は残渣中の微粉との混合比は、質量比で卵殻の最大値で9:1の割合から、卵殻の最小値で0.01:9.99の割合の範囲とすることができる。
【0028】
また混合時に、水分を添加することができる。水分は、次工程の加熱加圧時に、植物由来の廃棄物又は残渣から発生する過熱水蒸気によりリグニンがその骨格を維持したまま低温で反応するのを促進させることができる。つまり、植物由来の廃棄物又は残渣中に含まれる水分が少ない場合には、混合時に水分を添加して補うことができる。混合物に対する水の含有量は、1~10質量%程度(廃棄物又は残渣中の水分を含む)、好ましくは1~5質量%程度である。
【0029】
混合後に原材料を加熱しながら加圧することが好ましい。
加熱温度は140~240℃程度とすることが好ましい。140~240℃の範囲で、卵殻中のキチンや、植物由来の廃棄物又は残渣の繊維成分であるセルロースやヘミセルロースが含まれている場合には、そのセルロースやヘミセルロースも熱分解し接着効果を発現させ、また、植物由来の廃棄物又は残渣から発生する過熱水蒸気によりリグニンが反応し、圧密効果と相乗的に作用することによって、硬化物が製造できる。加熱温度は、160~200℃がより好ましい。
【0030】
加圧力は好ましくは2~8tであり、より好ましくは3~6tである。かかる加圧力によりリグニンがその骨格を維持したまま低温で反応し、圧密効果と相乗的に作用することによって硬化物が製造できる。加熱・加圧時間は1~60分が好ましく、より好ましくは10~20分である。
【0031】
加熱しながら加圧する装置は、所定温度に加圧しながら加熱することができる装置であれば特に限定されず、特に硬化物を所定の形状に成形することができる型を有する装置が好ましい。また、上述した混合するための装置と組み合わせて、硬化物の製造装置として構成することができる。
【0032】
加熱・加圧成型を行った後は、得られた硬化物を40~50℃以下に冷却する。冷却は、送風機等を用いても良いし、硬化物を40~50℃以下に冷却することができる装置であればどのような装置でもよく、水冷ジャケットからの伝熱により冷却してもよい。冷却温度はこの温度よりも冷却温度が高いと接着効果が低下し、硬度の低下の原因となるおそれがある。冷却時間は30~60分程度かけることが好ましい。急速に冷却すると製造された硬化物表面にひび割れ等が生じ、硬度が低下するおそれがある。
【実施例
【0033】
卵殻膜を分離した卵殻を5μmに微粉砕した。また、植物由来の廃棄物としてトマトの茎及び葉を5μmに微粉砕した。これらの卵殻及び植物由来の廃棄物を質量比で8:2の割合で混合するともに、水を加えて全体の含水率を2.6質量%とした。
次いで加熱プレス装置の成形型内に混合物を入れ、160℃に加熱するとともに加圧力4tで加圧する状態を15分保持した。保持後に硬化物を60分かけて50℃以下に冷却した。かくして直径80mm、高さ40mmの円柱状の硬化物が得られた。
【0034】
また、植物由来の廃棄物としてトマトの茎及び葉の代わりに、おがくずを用いて同様の実験を行ったところ、同様に硬化物が得られた。