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特許7491550ユーザデータ処理装置、ネットワークインタフェース、及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ユーザデータ処理装置、ネットワークインタフェース、及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/30 20220101AFI20240521BHJP
   H04L 47/2408 20220101ALI20240521BHJP
   H04L 47/2441 20220101ALI20240521BHJP
   H04L 47/2483 20220101ALI20240521BHJP
【FI】
H04L45/30
H04L47/2408
H04L47/2441
H04L47/2483
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020073275
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021170729
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】石倉 諭
(72)【発明者】
【氏名】白山 篤志
(72)【発明者】
【氏名】野地 脩宏
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-095043(JP,A)
【文献】特表2016-504810(JP,A)
【文献】国際公開第2015/141337(WO,A1)
【文献】特開2011-182209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークスライスに対応し、それぞれが対応するネットワークスライスにおいてQoS(Quality of Service)に応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送手段と、
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及び前記QoSにおけるクラスを識別する識別手段と、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、前記複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける振分手段とを備え、
前記複数のデータ転送手段のそれぞれは、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから前記受信パケットを取得し、該取得した受信パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を実施し、
前記識別手段は、前記受信パケットのうちの特定範囲を参照し、前記ネットワークスライスを識別し、前記受信パケットがGTP-U(GPRS (General Packet Radio Service) Tunneling Protocol for User Plane)パケットの場合、L2(Layer 2) EthernetフレームからGTP-U Extensionまでの範囲を前記特定範囲として参照する、ユーザデータ処理装置。
【請求項2】
前記識別手段は、前記受信パケットがIP(Internet Protocol)パケットの場合、L2 EthernetフレームからL3(Layer 3) IPヘッダまでの範囲を前記特定範囲として参照する請求項に記載のユーザデータ処理装置。
【請求項3】
前記識別手段は、前記ネットワークスライスと、振分キーとを対応付けて記憶するテーブルを参照し、前記受信パケットが前記振分キーとして指定された値又は種別を含む場合、該振分キーに対応するネットワークスライスを、前記受信パケットが属するネットワークスライスとして識別する請求項1又は2に記載のユーザデータ処理装置。
【請求項4】
前記識別手段及び前記振分手段は、物理サーバに搭載されるネットワークインタフェースに配置され、
前記複数のデータ転送手段の一部は前記ネットワークインタフェースに配置され、前記複数のデータ転送手段の残りは前記物理サーバに配置される請求項1から何れか1項に記載のユーザデータ処理装置。
【請求項5】
前記識別手段は、前記受信パケットに含まれるCoS(Class of Service)値に基づいて、前記クラスを識別する請求項1から何れか1項に記載のユーザデータ処理装置。
【請求項6】
前記振分手段は、前記識別されたネットワークスライスに対応するキューグループに含まれる、前記識別されたクラスに対応するキューに、前記受信パケットを振り分ける請求項1から何れか1項に記載のユーザデータ処理装置。
【請求項7】
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoS(Quality of Service)におけるクラスを識別する識別手段と、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける振分手段とを備え
前記識別手段は、前記受信パケットのうちの特定範囲を参照し、前記ネットワークスライスを識別し、前記受信パケットがGTP-U(GPRS (General Packet Radio Service) Tunneling Protocol for User Plane)パケットの場合、L2(Layer 2) EthernetフレームからGTP-U Extensionまでの範囲を前記特定範囲として参照するネットワークインタフェース。
【請求項8】
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoS(Quality of Service)におけるクラスを識別し、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分け、
各ネットワークスライスにおいて、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから前記受信パケットを取得し、該取得した受信パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を実施することを有し、
前記ネットワークスライスを識別することは、記受信パケットのうちの特定範囲を参照し、前記ネットワークスライスを識別することを含み、前記受信パケットがGTP-U(GPRS (General Packet Radio Service) Tunneling Protocol for User Plane)パケットの場合、L2(Layer 2) EthernetフレームからGTP-U Extensionまでの範囲を前記特定範囲として参照する、ユーザデータ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザデータ処理装置、ネットワークインタフェース、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)は、5G(5th generation)の標準化を行っている。5Gシステムは、非特許文献1にも記載されるように、5Gアクセスネットワーク(AN:Access Network)、5Gコアネットワーク(CN:Core Network)、及びユーザ端末(UE:User Equipment)を含む。
【0003】
5Gでは、代表的な利用シナリオとして、mIOT(massive Internet of things)、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、及びURLLC(Ultra Reliable Low Latency Communications)などの通信が議論されている。これらの通信は、トラヒック特性が相互に異なっており、全ての通信においてトラヒック要件を同時に満たすことは困難である。例えば、大容量が求められるeMBBでは、バルク処理によるパケット転送が最適である。しかしながら、バルク処理は、ジッタに揺らぎが発生しやすい。このため、バルク処理によるパケット転送は、URLLCに求められる低遅延かつ高品質を満たすことが難しい。このように異なるトラヒック要求に対して、5Gでは、ネットワークスライスという形で通信を分けて実施することが議論されている。
【0004】
5Gシステムにおいて、異なるトラヒック要件を持つネットワークスライスはネットワークスライスインスタンス(NSI:Network Slice Instance)として分けられる。更に、NSIの特定部分(例えばアクセスネットワークやコアネットワークなど)は、ネットワークスライスサブネットインスタンス(NSSI:Network Slice Sub- nets Instance)と定義されている。特に、コアネットワークのNSSIについては、異なるNSIと共有されず、個別に配備される。
【0005】
コアネットワークのネットワークスライスは、UE、AN、及びCN間でやり取りされるS-NSSAI(S-NSSAI:Single-Network Slice Selection Assistance Information)をもとにコアネットワークのNF(Network Function)を構成する。NFの構成は、事業者やベンダに依存する。しかしながら、どの構成においても、SMF(Session Management Function)及びUPF(User Plane Function)はネットワークスライスごとに配備されるNFとされている。
【0006】
上記UPFは、U-Plane(User-Plane)制御(ユーザパケット制御)を担う。UPFは、S-NSSAIを受け取ったAMF(Access and Mobility Management Function)やNSSF(Network Slice Selection Function)などのC-Plane(Control-Plane)によって個別に配備され、アクセスネットワークと接続する。UPFが個別に配備されることで、それぞれのネットワークスライスにおいて、ユーザパケットのQoS(Quality of Service)が実現される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】3GPP TS 23.501 V16.3.0, “System architecture for the 5G System (5GS)”, 2019/12
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記したように、UPFは、ネットワークスライスごとに配備される。この場合、CPU(Central Processing Unit)、電源容量、及び物理空間などのハードウェア/ソフトウェアリソースの分割損が発生し、管理運用コストが増加する。そのようなコストを抑えるために、1つのUPFに、複数のネットワークスライスのU-Plane通信を収容することが考えられる。その場合、各ネットワークスライスにおけるQoSをどのように実現するかという課題がある。
【0009】
本開示は、上記事情に鑑み、1つの装置に複数のネットワークスライスの通信を収容することを可能にしつつ、各ネットワークスライスにおけるQoS制御を効率的に実施可能なユーザデータ処理装置、ネットワークインタフェース、及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本開示は、複数のネットワークスライスに対応し、それぞれが対応するネットワークスライスにおいてQoSに応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送手段と、物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及び前記QoSにおけるクラスを識別する識別手段と、前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、前記複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける振分手段とを備え、前記複数のデータ転送手段のそれぞれは、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから前記受信パケットを取得し、該取得した受信パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を実施する、ユーザデータ処理装置を提供する。
【0011】
本開示は、物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoSにおけるクラスを識別する識別手段と、前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける振分手段とを備えるネットワークインタフェースを提供する。
【0012】
本開示は、物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoSにおけるクラスを識別し、前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分け、各ネットワークスライスにおいて、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから前記受信パケットを取得し、該取得した受信パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を実施するユーザデータ処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係るユーザデータ処理装置、ネットワークインタフェース、及び方法は、1つの装置に複数のネットワークスライスの通信を収容することを可能にしつつ、各ネットワークスライスにおけるQoS制御を効率的に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示に係るユーザデータ処理装置の概略的な構成を示すブロック図。
図2】本開示の第1実施形態に係るユーザデータ処理装置を含むネットワークシステムを示すブロック図。
図3】本実施形態におけるUPFの構成例を示すブロック図。
図4】GTP-Uパケットの構成を示す図。
図5】IPパケットの構成を示す図。
図6】ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの一例を示す図。
図7】ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの別の例を示す図。
図8】UPFにおける動作手順を示すフローチャート。
図9】本開示の第2実施形態に係るUPFを示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の説明に先立って、本発明者らが検討した事項を説明する。前述のように、UPFはネットワークスライスごとに個別に配備される場合、それぞれのネットワークスライスに閉じたユーザパケットのQoSが実現できる。関連技術において、1つのUPFにおいて複数のネットワークスライスのQoSを実現することは想定されていない。1つの物理サーバに配備されたUPFが異なるネットワークスライスのユーザパケットを単一のNIC(Network Interface Card)で受信した場合、通常、NICは、ネットワークスライスを識別できない。このため、UPFは、全てのパケットに対して同一のQoS処理を適用する。この場合、ネットワークスライスごとに異なるQoSを実現できないという問題がある。
【0016】
ネットワークスライスのユースケースには、5QI(5G QoS Identifier)が設けられている(非特許文献1を参照)。IETF(Internet Engineering Task Force)では、5QIについて、IP(Internet Protocol)ヘッダが持つDSCP(Differentiated Services Code Point)値とのマッピングが議論されている。例えば、ユーザパケットのL3(Layer 3) IPヘッダに含まれるDSCP値が、QoSを表す値の1つとして使用される。例えば、ネットワークスライスAのパケットのDSCP値が、緊急用の最優先処理パケットを示す「EF」であり、別のネットワークスライスBのパケットのDSCP値も「EF」であったとする。この場合、2つのパケットの優先度は同じであるため、どちらが先にUPFで処理されるかを保証することができない。
【0017】
また、1つのUPFに複数のネットワークスライスの通信を収容する構成として、SR-IOV(Single Root I/O Virtualization)に対応したNICを搭載する物理サーバを用い、その物理サーバにおいて複数のネットワークスライスのQoSを実現する構成が考えられる。その物理サーバには、複数のネットワークスライスのそれぞれに必要な転送機能が実装された複数の仮想サーバが配置される。NICは、SR-IOV技術を用いて、1つの物理ポートの配下に複数の仮想ポートを配置する。各仮想ポートは、各仮想サーバに対応する。NICは、物理ポートにおいて受信したパケットを、仮想サーバが持つインタフェースのVLAN(Virtual LAN (Local Area Network)値とIPアドレス値とに基づいてルーティングし、仮想サーバの仮想ポートにパケットを転送する。このようにすることで、各ネットワークスライスにおけるQoSが実現できる。
【0018】
しかしながら、上記構成では、パケットのQoSに関連する値は、仮想サーバのカーネルまで到達してからでなければ識別することができない。このため、パケット受信から仮想サーバまでの途中の区間において、個々のネットワークスライスに閉じたQoSを実現できない。また、SR-IOV技術を用いたパケット転送は、仮想サーバが持つインタフェースのVLAN値とIPアドレス値に基づいてルーティングされるのみである。このSR-IOV区間では、L3 IPヘッダの特定情報や、GTP-U(GPRS (General Packet Radio Service) Tunneling Protocol for User Plane)extension情報などは参照されない。つまり、SR-IOV区間では、ネットワークスライスの識別や、QoS制御に用いられる値は参照されないという問題がある。
【0019】
本開示は、上記した問題を解消可能なユーザデータ処理装置、ネットワークインタフェース、及び方法を提供することを、目的の一部とする。図1は、本開示に係るユーザデータ処理装置の概略的な構成を示す。ユーザデータ処理装置10は、複数のデータ転送手段11、キュー群12、識別手段15、及び振分手段16を有する。
【0020】
複数のデータ転送手段11は、複数のネットワークスライスに対応する。各データ転送手段11は、対応するネットワークスライスにおいてQoSに応じたパケット転送処理を行う。識別手段15は、物理ポートを介して受信パケットを受信する。識別手段15は、受信パケットを解析し、受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoSにおけるクラスを識別する。
【0021】
キュー群12は、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループ13を有する。各キューグループ13は、QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキュー14を有する。振分手段16は、識別手段15での受信パケットの識別結果に従って、受信パケットをキュー群12内のキューに振り分ける。各データ転送手段11は、対応するキューグループ13の各クラスに対応したキュー14から受信パケットを取得する。各データ転送手段11は、取得した受信パケットに対してQoSに応じたパケット転送処理を実施する。
【0022】
本開示では、識別手段15は、受信パケットの解析結果に基づいて、ネットワークスライス及びQoSにおけるクラスを識別する。振分手段16は、識別したネットワークスライスに応じて、複数のキューグループ13のうち、どのキューグループ13にパケットを振り分けるかを決定する。また、振分手段16は、識別したクラスに応じて、キューグループ13の複数のキュー14に受信パケットを振り分ける。各データ転送手段11は、対応するキューグループ13のキュー14から受信パケットを取得し、QoSに応じたパケット転送処理を実施する。このようにすることで、ユーザデータ処理装置10は、1つの装置に複数のネットワークスライスの通信を収容することを可能にしつつ、各ネットワークスライスにおけるQoS制御を効率的に実施することができる。
【0023】
以下、本開示の実施の形態を詳細に説明する。図2は、本開示の第1実施形態に係るユーザデータ処理装置を含むネットワークシステムを示す。ネットワークシステム100は、ユーザデータ処理装置(UPF)101、UE200、AN201、AMF202、SMF203、及びDN(Data Network)204を有する。UPF101は、図1のユーザデータ処理装置10に対応する。
【0024】
UE200は、携帯電話機、スマートホン、タブレット、PC(Personal Computer)、及びIoTデバイスなどのユーザ機器を含む。UE200上では、DN204と通信する複数のアプリケーションが動作し得る。AN201は、基地局などを含み、UE200と5Gコアネットワークとを接続する。AMF202は、モビリティ管理を行う。AMF202は、端末レベルの処理、例えば加入者認証や端末の位置管理を行う。
【0025】
UPF101は、5Gコアネットワークの一部を構成する。UPF101は、インタネットなどの外部ネットワークであるDN204とUE200との間のユーザデータ通信を行う。SMF203は、セッション管理を行う。SMF203及びUPF101は、ネットワークスライスごとにDN204向けのセッションを確立する。UE200上で動作する複数のアプリケーションは、それぞれのトラヒック要件にあったネットワークスライスに接続する。
【0026】
図3は、本実施形態におけるUPF101の構成例を示す。UPF101は、CPU102、及びネットワークインタフェース(スマートNIC)103を有する。CPU102は、複数のネットワークスライスに対応したUPF機能部を有する。UPF101は、例えばスマートNIC103が搭載された物理サーバとして構成される。UPF101において、複数のUPF機能部の機能は、例えばサーバ仮想技術を用いて実現される。
【0027】
CPU102は、図3の例では、3つのネットワークスライスに対応して、3つのUPF機能部121-1~121-3を有する。UPF機能部121-1はネットワークスライス1に対応し、UPF機能部121-2はネットワークスライス2に対応し、UPF機能部121-3はネットワークスライス3に対応する。例えば、UPF機能部121-1はURLLCに対応したUPF機能部であり、UPF機能部121-2はeMBBに対応したUPF機能部であり、UPF機能部121-3はmIoTに対応したUPF機能部であるとする。ネットワークスライス、及びUPF機能部の数は、特に3つには限定されない。
【0028】
UPF機能部121-1は、コントローラ122-1、及び転送機能部123-1を有する。UPF機能部121-2は、コントローラ122-2、及び転送機能部123-2を有する。UPF機能部121-3は、コントローラ122-3、及び転送機能部123-3を有する。なお、UPF機能部121-1~121-3、コントローラ122-1~122-3、及び転送機能部123-1~123-3は、特に区別が必要ない場合は、UPF機能部121、コントローラ122、及び転送機能部123とも呼ばれ得る。
【0029】
コントローラ122は、SMF203(図2を参照)から送信される信号に基づいて転送機能部123を制御する。転送機能部123は、対応するネットワークスライスにおいて、QoSに応じたパケット転送処理を行う。転送機能部123は、スマートNIC103からパケットを取得する受信部(Rx)と、パケット転送先などを決定する機能部と、スマートNIC103を通じてAN201又はDN204にパケットを送信する送信部(Tx)とを有する。各転送機能部123は、対応するネットワークスライスに要求されるトラヒック要件を満たすパケット転送機能を提供する。転送機能部123は、図1のデータ転送手段11に対応する。
【0030】
スマートNIC103は、ポート131、解析部132、振分部133、複数のキューグループ134-1~134-3を有する。スマートNIC103は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)を用いて構成される。スマートNIC103は、他のデバイス、例えばプロセッサとメモリとを含む半導体デバイスを用いて構成されていてもよい。その場合、解析部132及び振分部133の機能は、プロセッサがメモリから読み出したプログラムに従って動作することで実現され得る。
【0031】
ポート131は、AN201及びDN204からパケットを受信する。また、ポート131は、AN201及びDN204にパケットを出力する。ポート131は、受信したパケット(受信パケット)を解析部132に出力する。解析部132は、受信パケットをパースし、受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoSにおけるクラスを識別する。解析部132は、例えば、受信パケットのうちの特定範囲を参照し、ネットワークスライスを識別する。解析部132は、受信パケットのL2 (Layer 2) Ethernet(登録商標)フレームに含まれるCoS(Class of Service)値に基づいて、QoSにおけるクラスを識別する。解析部132は、図1の識別手段15に対応する。
【0032】
図4は、GTP-Uパケットの構成を示す。GTP-Uパケットは、Payload、Inner IP、GTP-U Extension、GTP-U、UDP(User Datagram Protocol)、Outer IP、L2、及びL1(Layer 1)を有する。解析部132は、受信パケットがGTP-Uパケットの場合、L2 EthernetフレームからGTP-U Extensionまでの範囲を特定範囲として参照し、ネットワークスライスを識別することができる。
【0033】
図5は、IPパケットの構成を示す。IPパケットは、Payload、L2、及びL1を有する。解析部132は、受信パケットがIPパケットの場合、L2 EthernetフレームからL3 IPヘッダまでの範囲を特定範囲として参照し、ネットワークスライスを識別することができる。
【0034】
図6は、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの一例を示す。テーブルは、ネットワークスライスに対応したグループの番号と、振分キーとを対応付けて記憶する。解析部132は、テーブルを参照し、受信パケットが振分キーとして指定された値又は種別を含む場合、その振分キーに対応するネットワークスライスを、受信パケットが属するネットワークスライスとして識別する。例えば、解析部132は、受信パケットにおいて、L3 IPヘッダに含まれるDSCP値が「EF」である場合、受信パケットはネットワークスライス1のパケットであると識別する。
【0035】
図7は、ネットワークスライスの識別に用いられるテーブルの別の例を示す。この例では、振分キーとして、L2 Ethernetフレームに含まれるVLAN値(VLAN ID(Identifier))と、L3 IPヘッダに含まれるDSCP値とが指定されている。この場合、解析部132は、VLAN値とDSCP値との組み合わせに基づいて、ネットワークスライスを識別する。例えば、解析部132は、受信パケットにおいて、VLAN ID=5であり、かつDSCP=CS6であった場合、受信パケットはネットワークスライス1のパケットであると識別する。この例のように、振分キーは、受信パケットにおける複数のフィールドの値又は種別を含んでいてもよい。
【0036】
図3に戻り、スマートNIC103において、複数のキューグループ134-1~134-3は、複数のネットワークスライスに対応する。キューグループ134-1は、ネットワークスライス1に対応したグループ1のキューグループである。キューグループ134-1は、複数のキュー135-0~135-7を有する。図3に示されるキュー135-0~135-7は、例えば、ネットワークスライス1のQoS制御におけるクラス0~7に対応する。なお、以下の説明において、キューグループ134-1~134-3、及びキュー135-0~135-7は、特に区別が必要ない場合は、キューグループ134、及びキュー135とも呼ばれ得る。
【0037】
キューグループ134-2は、ネットワークスライス2に対応したグループ2のキューグループである。キューグループ134-3は、ネットワークスライス3に対応したグループ3のキューグループである。図3では図示を省略しているが、キューグループ134-2及び134-3も、同様に、対応するネットワークスライスのQoSに制御における複数のクラスに対応したキュー135を有する。各キューグループ134において、各キューの長さは可変であってもよい。キューグループ134は、図1のキューグループ13に対応する。キュー135は、図1のキュー14に対応する。
【0038】
振分部133は、解析部132における受信パケットの解析結果に従って、受信パケットを、複数のキューグループ134内のキュー135に振り分ける。振分部133は、例えば、識別されたネットワークスライスに対応するキューグループ134に含まれる、識別したクラスに対応するキュー135に、受信パケットを格納する。例えば、受信パケットが属するネットワークスライスがネットワークスライス1であると識別され、かつ、L2 Ethernetフレームに含まれるCoSの値が「1」であったとする。その場合、振分部133は、キューグループ134-1において、クラス1に対応するキュー135-1に受信パケットを格納する。振分部133は、図1の振分手段16に対応する。
【0039】
各ネットワークスライスに対応した転送機能部123は、対応するキューグループ134の各クラスに対応するキューから受信パケットを取得する。例えば、ネットワークスライス1に対応した転送機能部123-1は、キューグループ134-1に含まれるキュー135-0~135-7から所定のルールに従って受信パケットを取得する。転送機能部123は、取得した受信パケットに対して、QoSに応じたパケット転送処理を実施する。転送機能部123は、スマートNIC103を通じて、転送先のAN201又はDN204に、パケットを送信する。
【0040】
次いで、動作手順を説明する。図8は、UPF101における動作手順(ユーザデータ処理方法)を示す。ポート131は、AN201又はDN204から受信パケットを受信する(ステップS1)。解析部132は、受信パケットをパースする。解析部132は、受信パケットが属するネットワークスライスを識別する(ステップS2)。解析部132は、ステップS2では、例えば図6に示されるテーブル、又は図7に示されるテーブルを使用して、ネットワークスライスを識別する。また、解析部132は、受信パケットのサービスのクラスを識別する(ステップS3)。
【0041】
振分部133は、識別されたネットワークスライスに対応するキューグループ134の、識別されたクラスに対応するキュー135に受信パケットを格納する(ステップS4)。振分部133は、例えばネットワークスライスが「1」で、かつクラスが「0」の場合、キューグループ134-1のキュー135-0に、受信パケットを格納する。ステップS1からS4までの処理は、スマートNIC103において実施される、ネットワークインタフェースにおける方法に対応する。
【0042】
各ネットワークスライスに対応するUPF機能部121の転送機能部123は、対応するキューグループ134のキュー135から受信パケットを取得する。転送機能部123は、受信パケットに対し、QoSに応じたパケット転送処理を実施する(ステップS5)。ステップS5において、ネットワークスライス1に対応する転送機能部123-1は、キューグループ134-1のキュー135から受信パケットを取得する。ネットワークスライス2に対応する転送機能部123-2は、キューグループ134-2のキュー135から受信パケットを取得する。ネットワークスライス3に対応する転送機能部123-3は、キューグループ134-3のキュー135から受信パケットを取得する。このようにすることで、各ネットワークスライスにおいて、独立にQoS制御が実施できる。
【0043】
本実施形態では、解析部132は、受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoSにおけるクラスを識別する。振分部133は、識別されたネットワークスライスに対応するキューグループ134の、識別されたクラスに対応するキュー135に受信パケットを振り分ける。各ネットワークスライスにおいて、転送機能部123は、対応するキューグループ134のキュー135から受信パケットを取得し、QoSに応じたパケット転送処理を実施する。このようにすることで、1つのUPFに、ネットワークスライスごとのQoSを実現したU-Plane通信を収容することができる。
【0044】
本実施形態では、スマートNIC103を用いて、受信パケットが各ネットワークスライス及びQoSにおけるクラスに対応したキュー135に振り分けられる。仮に、QoSにおけるクラスがNICにおいて識別されず、全てのクラスの受信パケットがネットワークスライスごとに単一のキューに到着順に格納されたとする。その場合、あるネットワークスライスにおいて、低優先のクラスの受信パケットでキューが埋まり、後に受信された優先度が高いクラスの受信パケットが転送機能部123に取得されるまでに時間がかかる可能性がある。本実施形態では、受信パケットが転送機能部123に到達する前に、受信パケットをネットワークスライス及びQoSにおけるクラスごとに分離できる。このため、転送機能部123は、低優先のクラスの受信パケットがキュー135に格納されている場合でも、優先度が高いクラスの受信パケットを取得することができ、優先度が高いクラスの受信パケットに対して優先的にパケット転送処理を実行できる。
【0045】
続いて、本開示の第2実施形態を説明する。図9は、本開示の第2実施形態に係るUPFを示す。本実施形態に係るUPF101aは、CPU102aとスマートNIC103aとを有する。本実施形態において、複数の転送機能部の一部はスマートNIC103aに配置され、残りの転送機能部は物理サーバ(CPU102a)に配置される。スマートNIC103aに配置される転送機能部は、トラヒック要件において最も低遅延が要求されるネットワークスライスに対応する転送機能部を含んでいてもよい。他の構成は、第1実施形態における構成と同様でよい。
【0046】
CPU102aにおいて、例えばURLLCに対応したネットワークスライス1のUPF機能部121-1aは、図3に示される第1実施形態におけるUPF機能部121-1の構成から転送機能部123-1が省かれた構成を有する。スマートNIC103aは、図3に示される第1実施形態におけるスマートNIC103の構成に加えて、転送機能部136-1を有する。転送機能部136-1は、キューグループ134-1内のキュー135から受信パケットを取得し、パケット転送処理を実施する。ネットワークスライス1におけるパケット転送処理は、パケット転送処理がスマートNIC103aにおいて実施される点を除けば、第1実施形態において転送機能部123-1が実施するパケット転送処理と同じでよい。
【0047】
本実施形態では、転送機能部の一部がスマートNIC103aに配置される。その場合、特定のネットワークスライスについては、パケットの転送をスマートNIC103a内で行うことができる。このため、CPU102aにおいてパケット転送処理を行う場合に比べて、パケット転送の遅延を低減できる。他の効果は、第1実施形態における効果と同様である。
【0048】
上記各実施形態において、スマートNIC103内の各機能を実現させるためのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、スマートNIC(例えばFPGA)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、又はハードディスクなどの磁気記録媒体、例えば光磁気ディスクなどの光磁気記録媒体、CD(compact disc)、又はDVD(digital versatile disk)などの光ディスク媒体、及び、マスクROM(Read Only Memory)、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable PROM)、フラッシュROM、又はRAM(Random Access Memory)などの半導体メモリを含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体を用いてスマートNICに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバなどの有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをスマートNICに供給できる。
【0049】
以上、本開示の実施形態を詳細に説明したが、本開示は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に対して変更や修正を加えたものも、本開示に含まれる。
【0050】
例えば、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0051】
[付記1]
複数のネットワークスライスに対応し、それぞれが対応するネットワークスライスにおいてQoS(Quality of Service)に応じたパケット転送処理を行う複数のデータ転送手段と、
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及び前記QoSにおけるクラスを識別する識別手段と、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、前記複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける振分手段とを備え、
前記複数のデータ転送手段のそれぞれは、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから前記受信パケットを取得し、該取得した受信パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を実施する、ユーザデータ処理装置。
【0052】
[付記2]
前記識別手段は、前記受信パケットのうちの特定範囲を参照し、前記ネットワークスライスを識別する付記1に記載のユーザデータ処理装置。
【0053】
[付記3]
前記識別手段は、前記受信パケットがGTP-U(GPRS (General Packet Radio Service) Tunneling Protocol for User Plane)パケットの場合、L2(Layer 2) EthernetフレームからGTP-U Extensionまでの範囲を前記特定範囲として参照する付記2に記載のユーザデータ処理装置。
【0054】
[付記4]
前記識別手段は、前記受信パケットがIP(Internet Protocol)パケットの場合、L2 EthernetフレームからL3(Layer 3) IPヘッダまでの範囲を前記特定範囲として参照する付記2又は3に記載のユーザデータ処理装置。
【0055】
[付記5]
前記識別手段は、前記ネットワークスライスと、振分キーとを対応付けて記憶するテーブルを参照し、前記受信パケットが前記振分キーとして指定された値又は種別を含む場合、該振分キーに対応するネットワークスライスを、前記受信パケットが属するネットワークスライスとして識別する付記1から4何れか1つに記載のユーザデータ処理装置。
【0056】
[付記6]
前記振分キーは、前記受信パケットにおける複数のフィールドの値又は種別を含む付記5に記載のユーザデータ処理装置。
【0057】
[付記7]
前記識別手段及び前記振分手段は、物理サーバに搭載されるネットワークインタフェースに配置される付記1から6何れか1つに記載のユーザデータ処理装置。
【0058】
[付記8]
前記複数のデータ転送手段は前記物理サーバに配置される付記7に記載のユーザデータ処理装置。
【0059】
[付記9]
前記複数のデータ転送手段の一部は前記ネットワークインタフェースに配置され、前記複数のデータ転送手段の残りは前記物理サーバに配置される付記7に記載のユーザデータ処理装置。
【0060】
[付記10]
前記ネットワークインタフェースに配置されるデータ転送手段は、トラヒック要件において最も低遅延が要求されるネットワークスライスに対応するデータ転送手段を含む付記9に記載のユーザデータ処理装置。
【0061】
[付記11]
前記識別手段は、前記受信パケットに含まれるCoS(Class of Service)値に基づいて、前記クラスを識別する付記1から10何れか1つに記載のユーザデータ処理装置。
【0062】
[付記12]
前記振分手段は、前記識別されたネットワークスライスに対応するキューグループに含まれる、前記識別されたクラスに対応するキューに、前記受信パケットを振り分ける付記1から11何れか1つに記載のユーザデータ処理装置。
【0063】
[付記13]
前記キューグループにおいて、前記複数のキューの長さは可変である付記1から12何れか1つに記載のユーザデータ処理装置。
【0064】
[付記14]
前記複数のデータ転送手段のそれぞれは、対応するネットワークスライスに要求されるトラヒック要件を満たすパケット転送機能を提供する付記1から13何れか1つに記載のユーザデータ処理装置。
【0065】
[付記15]
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoS(Quality of Service)におけるクラスを識別する識別手段と、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける振分手段とを備えるネットワークインタフェース。
【0066】
[付記16]
前記識別手段は、前記受信パケットのうちの特定範囲を参照し、前記ネットワークスライスを識別する付記15に記載のネットワークインタフェース。
【0067】
[付記17]
前記識別手段は、前記受信パケットに含まれるCoS(Class of Service)値に基づいて、前記クラスを識別する付記15又は16に記載のネットワークインタフェース。
【0068】
[付記18]
前記振分手段は、前記識別されたネットワークスライスに対応するキューグループに含まれる、前記識別されたクラスに対応するキューに、前記受信パケットを振り分ける付記15から17何れか1つに記載のネットワークインタフェース。
【0069】
[付記19]
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoS(Quality of Service)におけるクラスを識別し、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分け、
各ネットワークスライスにおいて、対応するキューグループの各クラスに対応するキューから前記受信パケットを取得し、該取得した受信パケットに対して前記QoSに応じたパケット転送処理を実施するユーザデータ処理方法。
【0070】
[付記20]
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoS(Quality of Service)におけるクラスを識別し、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分けるネットワークインタフェースにおける方法。
【0071】
[付記21]
物理ポートを介して受信された受信パケットを解析し、該受信パケットが属するネットワークスライス、及びQoS(Quality of Service)におけるクラスを識別し、
前記受信パケットの解析結果に従って、該受信パケットを、複数のネットワークスライスに対応する複数のキューグループを有し、かつ各キューグループが前記QoSにおける複数のクラスに対応する複数のキューを含むキュー群に振り分ける処理をネットワークインタフェースに実行させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0072】
10:ユーザデータ処理装置
11:データ転送手段
12:キュー群
13:キューグループ
14:キュー
15:識別手段
16:振分手段
100:ネットワークシステム
101:UPF
102:CPU
103:スマートNIC
121:UPF機能部
122:コントローラ
123:転送機能部
131:ポート
132:解析部
133:振分部
134:キューグループ
135:キュー
136:転送機能部
200:UE
201:AN
202:AMF
203:SMF
204:DN
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9