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  • 特許-印刷方法、及び、印刷装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】印刷方法、及び、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41M 1/12 20060101AFI20240521BHJP
   B41F 15/08 20060101ALI20240521BHJP
   B41F 15/40 20060101ALI20240521BHJP
   B41M 3/00 20060101ALI20240521BHJP
   A23G 3/28 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B41M1/12
B41F15/08 303F
B41F15/40 B
B41M3/00 Z
A23G3/28
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020101663
(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公開番号】P2021194826
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】503410627
【氏名又は名称】株式会社コーセン社
(74)【代理人】
【識別番号】100176256
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 隆敬
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 耕作
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-131630(JP,A)
【文献】特開2007-295923(JP,A)
【文献】特開2003-025706(JP,A)
【文献】特開2006-142646(JP,A)
【文献】特表2004-518431(JP,A)
【文献】特開昭60-126057(JP,A)
【文献】特開平01-269454(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1657111(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 15/00-15/46
B41M 1/12
B41M 3/00
A23G 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体と、前記容器体に形成された開口部と、前記容器体内に気体を送入するために前記容器体に形成された送入孔と、を有し、前記開口部を閉塞させるようにスクリーンを取り付けることで、前記容器体の内部が前記送入孔を除いて略密閉空間となる印刷装置を用いた印刷方法であって、
前記開口部を閉塞させるように前記スクリーンを前記容器体に取り付ける工程と、
前記開口部の下方に角砂糖を配置する工程と、
前記スクリーンに形成されたインク通過孔上に可食インクを塗布する工程と、
前記可食インクを前記インク通過孔から前記角砂糖の印刷面上に押し出すために、前記送入孔から前記略密閉空間内に気体を送入する工程と、
を備え、
前記気体を送入する工程の前に、
ショ糖及び水を主成分とする可食材料から構成され流動性を有する粘性体を、前記角砂糖の少なくとも一の面上に塗布する工程と、
前記塗布された粘性体が略平坦に広がった状態で乾燥させて前記一の面上に前記印刷面を形成する工程と、
を更に備えたことを特徴とする印刷方法。
【請求項2】
前記気体の送入を開始してから設定された送入時間の経過後に前記気体の送入を停止する工程を更に備え、
前記気体を送入する工程において、前記可食インクは、前記気体に直接的に押されることで前記インク通過孔から前記印刷面上に押し出され、
前記送入時間は、前記インク通過孔が前記可食インクに塞がれている状態が維持されるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷方式を用いた印刷方法、及び、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、角砂糖上にシルク印刷方式により写真を印刷する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平1-269454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通常、シルク印刷方式では、所望の画像等に対応するインク通過孔が形成されたスクリーン上にインクを塗布し、スキージによりインクを押し出すことでスクリーンの下方に配置された被印刷媒体に印刷を行うところ、角砂糖のように印刷面がもろく狭い被印刷媒体の場合、通常のシルク印刷方式で所望の画像を形成することは困難である。
【0005】
また、角砂糖の結晶間には空隙が空いているため、上記方法で印刷した場合、インクが当該空隙に流れ込んでしまうので、この点においても、所望した画像を印刷することは困難である。
【0006】
そこで、本発明は、スクリーン印刷方式により被印刷媒体上に所望の画像等を良好に印刷することの可能な印刷方法、及び、印刷装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、容器体と、前記容器体に形成された開口部と、前記容器体内に気体を送入するために前記容器体に形成された送入孔と、を有し、前記開口部を閉塞させるようにスクリーンを取り付けることで、前記容器体の内部が前記送入孔を除いて略密閉空間となる印刷装置を用いた印刷方法であって、前記開口部を閉塞させるように前記スクリーンを前記容器体に取り付ける工程と、前記開口部の下方に被印刷媒体を配置する工程と、前記スクリーンに形成されたインク通過孔上にインクを塗布する工程と、前記インクを前記インク通過孔から前記被印刷媒体上に押し出すために、前記送入孔から前記略密閉空間内に気体を送入する工程と、を備えたことを特徴とする印刷方法を提供している。
【0008】
このような構成によれば、印刷面のもろさや狭さの影響を受けることなく、所望の画像等を良好に印刷することが可能となる。また、一度の送入作業で複数の印刷面に対して印刷を行うことができるので、印刷時間が短縮される。更に、印刷時間が短縮されることで、インク粘度の調整の労力も大幅に軽減される。また、気体によりインクを押し出す構成なので、スクリーンと印刷面との間の間隔を調整することで、インクを厚く盛ることが可能である。更に、気体によりインクを押し出す構成なので、スキージやメッシュ部がすり減ることがなく、食品に印刷を行う場合に特に適している。
【0009】
また、前記気体の送入を開始してから設定された送入時間の経過後に前記気体の送入を停止することが好ましい。
【0010】
このような構成によれば、毎回所望量のインクで印刷を行うことができるので、印刷作業ごとに印刷状態にムラができることが防止される。また、略密閉空間内が減圧されるので、印刷後に余分なインクがインク通過孔から垂れてしまうことが防止される。
【0011】
また、前記気体を送入する工程の前に、加食材料から構成され流動性を有する粘性体を、固形食品の少なくとも一の面上に塗布する工程と、前記塗布された粘性体が略平坦に広がった状態で乾燥させて前記一の面上に印刷面を形成する工程と、を更に備え、前記インクは加食インクであることが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、固形食品の一の面上には、乾燥させて硬化した印刷面が形成されているため、インクが固形食品の空隙に入りこむことがなく、印刷面上に所望の画像等を印刷することが可能となる。
【0013】
また、前記粘性体は、ショ糖及び水を主成分としており、前記固形食品は角砂糖であることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、角砂糖の風味が損なわれることを抑制しながら、印刷面がもろく狭い角砂糖に対しても所望の画像等をきれいに印刷することが可能となる。
【0015】
また、本発明の別の観点によれば、容器体と、前記容器体に形成された開口部と、前記開口部を閉塞させるようにスクリーンを前記容器体に取り付けるための取付部と、前記容器体内に気体を送入するために前記容器体に形成された送入孔と、を備え、前記スクリーンを前記取付部に取り付けることで、前記容器体の内部が前記送入孔を除いて略密閉空間となり、前記送入孔から前記略密閉空間内に気体を送入された際に、前記スクリーンに形成されたインク通過孔上に塗布されたインクを前記インク通過孔から押し出すことが可能な状態になることを特徴とする印刷装置を提供している。
【0016】
また、前記送入孔から前記略密閉空間内に気体を送入するための送入部と、前記送入部による前記気体の送入時間を設定するための設定部と、を更に備え、前記送入部は、前記気体の送入を開始してから前記設定部で設定された送入時間の経過後に前記気体の送入を停止することが好ましい。
【0017】
また、前記送入孔は、前記容器体の側部に形成されていることが好ましい。
【0018】
このような構成によれば、押し出されるインクの量が気流の影響を受けて不均一になることが抑制される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の印刷方法、及び、印刷装置によれば、スクリーン印刷方式により被印刷媒体上に所望の画像等を良好に印刷することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施の形態による角砂糖の外観図
図2】本発明の実施の形態による印刷装置の外観図
図3】本発明の実施の形態による印刷装置の説明図
図4】本発明の実施の形態による取付部の説明図
図5】本発明の実施の形態による印刷方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態によるスクリーン印刷方式を用いた印刷方法、及び、印刷装置について、図1図5を参照して説明する。
【0022】
以下では、図1に示すような角砂糖1の一の面11上に、図2に示すような印刷装置2を用いてシルクスクリーン印刷を行う例を用いて説明する。
【0023】
印刷装置2は、図2に示すように、略直方体形状かつ中空の容器体21を備えている。
【0024】
容器体21には、開口部22が形成されている。本実施の形態では、図3に示すように、開口部22は、容器体21の下面に形成されている。
【0025】
また、容器体21には、開口部22を閉塞させるようにスクリーンXを容器体21に取り付けるための取付部23が設けられている。
【0026】
本実施の形態では、図3及び図4に示すように、容器体21の下面に、枠状の取付部23が容器体21の下面と段差を有するように(凹状に)設けられている。枠状の取付部23の外縁は、スクリーンX(枠部X1)の外縁と略同一のサイズを有しているため、この凹状の取付部23上にスクリーンXの枠部X1を載置することで、開口部22は閉塞される。
【0027】
なお、スクリーンXは、取付部23上に載置するだけではなく、ネジ等で取付部23(容器体21)に対して固定することが好ましい。また、図示していないが、容器体21の上部等には、スクリーンXを容器体21の内部に挿入するための開閉部が設けられていることが好ましい。
【0028】
また、容器体21には、容器体21内に気体を送入するための送入孔24が形成されている。本実施の形態では、送入孔24は、容器体21の側部に形成されている。
【0029】
このようにして、容器体21(取付部23)にスクリーンXを取り付けることで、容器体21の内部は、送入孔24を除いて略密閉空間25となり、送入孔24から略密閉空間25内に気体を送入された際に、スクリーンXに形成されたインク通過孔上に塗布されたインクをインク通過孔から押し出すことが可能な状態になる。
【0030】
更に、印刷装置2は、送入孔24から略密閉空間25内に気体を送入するための送入部26と、送入部26による気体の送入時間を設定するための設定部27と、を備えている。
【0031】
送入孔24に接続された送入部26が略密閉空間25内に気体を送入し、略密閉空間25内の圧力が所定以上となった際に、インク通過孔からインクが押し出されることとなる。そして、送入部26は、気体の送入を開始してから設定部27で設定された送入時間の経過後に気体の送入を停止する。
【0032】
なお、本実施の形態では、図3に示すように、容器体21は、脚部28により空中に支持された状態で使用される。
【0033】
続いて、図5のフローチャートを用いて、本実施の形態によるスクリーン印刷方式を用いた印刷方法について詳細に説明する。
【0034】
本実施の形態では、スクリーン印刷方式を用いた印刷方法は、角砂糖1の一の面11上に印刷面12を形成する“印刷面形成工程”と、スクリーン印刷方式を用いて印刷面12上に印刷を行う“印刷工程”の2工程で行われる。
【0035】
1.“印刷面形成工程”
【0036】
“印刷面形成工程”では、まず、加食材料から構成され流動性を有する粘性体を、固形食品の少なくとも一の面上に塗布する(S1)。
【0037】
本実施の形態では、固形食品として角砂糖1を採用し、角砂糖1の一の面11上に粘性体を塗布する。この際、略平坦に広がった際にシート状になる程度の量の粘性体を塗布するものとする。
【0038】
また、本実施の形態では、加食材料として、ショ糖(又はグラニュー糖)を採用し、ショ糖(又はグラニュー糖)に水を混ぜたものを粘性体として用いる。水は、水道水であってもミネラルウォーターであっても良い。
【0039】
続いて、略平坦に広がった状態で粘性体を乾燥させて一の面11上に印刷面12を形成する(S2)。
【0040】
この際、粘性体の粘度が低過ぎると、角砂糖1の結晶間の空隙に粘性体が流れ込んでしまい、印刷面12を形成することが難しくなるので、高めの粘度を有する粘性体を使用することが好ましい。また、粘性体は、時間の経過と共に少しずつ角砂糖1の空隙に流れ込んでいくので、送風機等を用いて時間をかけずに乾燥させることが好ましい。
【0041】
2.“印刷工程”
【0042】
続いて、“印刷工程”では、まず、開口部22を閉塞させるようにスクリーンXを容器体21(取付部23)に取り付ける(S3)。
【0043】
これにより、容器体21内に略密閉空間25が形成される。なお、スクリーンXのメッシュ部X2には、露光等により、所望の文字、記号又は画像に対応するインク通過孔が形成され、その他の部分は閉塞されている。
【0044】
続いて、スクリーンX(インク通過孔)の下方に被印刷媒体を配置する(S4)。
【0045】
本実施の形態では、S2で形成された印刷面12が、メッシュ部X2のインク通過孔が形成された部分と対向するように角砂糖1を配置する。図3では、複数の角砂糖1を配置した例を示している。
【0046】
続いて、スクリーンX(インク通過孔)上にインクを塗布する(S5)。本実施の形態では、加食インクを塗布するものとする。
【0047】
なお、S3-S5の工程は、どの順番で行っても良い。
【0048】
続いて、インクをインク通過孔から印刷面12上に押し出すために、送入部26により略密閉空間25内に気体を送入する(S6)。
【0049】
これにより、印刷面12上に、インク通過孔に対応する所望の文字、記号又は画像が印刷されることとなる。図3に示すように、複数の角砂糖1を配置した場合には、一度で全ての角砂糖1の印刷面12上に印刷が行われることとなる。
【0050】
この際、送入孔24は、容器体21の側部に形成されており、気体は略水平方向に送入されるため、押し出されるインクの量が気流の影響を受けて不均一になることが抑制される。
【0051】
最後に、気体の送入を開始してから設定部27で設定された送入時間の経過後に(S7:YES)、送入部26からの気体の送入を停止する(S8)。
【0052】
これにより、毎回所望量のインクで印刷を行うことが可能となる。また、略密閉空間25内が減圧されるので、印刷後に余分なインクがインク通過孔から垂れてしまうことが防止される。
【0053】
ここで、通常、シルクスクリーン印刷では、スクリーン上に塗布されたインクをスキージで押し出すことで被印刷媒体上に印刷を行うが、被印刷媒体が角砂糖1のように印刷面がもろく狭いものの場合、印刷面に満遍なくインクを押し出すことが難しい。特に、本実施の形態のように、薄い印刷面12に対して行う場合には、更に難しくなる。また、被印刷媒体を入れ替えて大量に印刷を行う場合、インクをスキージで押し出す作業には時間がかかるため、インクの粘度が変わってしまい、きれいに画像等を印刷することができなくなってしまう。
【0054】
しかしながら、本実施の形態では、容器体21内に気体を送入することでインクをインク通過孔から印刷面12上に押し出して印刷を行うので、印刷面12のもろさや狭さの影響を受けることなく、所望の画像等をきれいに印刷することが可能となる。
【0055】
また、通常のシルクスクリーン印刷の場合、インクをスキージで押し出す際に、スクリーンが被印刷媒体に押し付けられることとなるため、インクを厚く盛ることができない。
【0056】
しかしながら、本実施の形態では、気体によりインクを押し出す構成なので、スクリーンXと印刷面12との間の間隔を調整することで、インクを厚く盛ることが可能である。
【0057】
また、通常のスクリーン印刷の場合、インクをスキージで押し出す作業の中で、スキージやメッシュ部X2がすり減るため、被印刷媒体が食品の場合、衛生面で好ましくない。
【0058】
しかしながら、本実施の形態では、気体によりインクを押し出す構成なので、食品に印刷を行う場合に特に適している。
【0059】
また、角砂糖1の一の面11上には、乾燥させて硬化した印刷面12が形成されているため、インクが角砂糖1の空隙に入りこむことがなく、印刷面12上に所望の画像等を印刷することが可能となる。
【0060】
また、インクを射出するインクジェット方式では、硬化した印刷面12には液体成分が浸透しにくいため、射出されたインクが所望の位置に定着せずに移動してしまい、所望の印刷を行うことが難しい。
【0061】
しかしながら、本実施の形態では、インクを印刷面12上に載せるようにして印刷が行われるスクリーン印刷方式を用いるので、インクが印刷面12上で移動してしまうことが抑制され、細かい文字や画像等を印刷することが可能となる。また、スクリーン印刷方式を用いることで、インクを厚く盛ることもできるので、画像等をより鮮明に印刷することが可能となる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態による印刷方法及び印刷装置2では、インクをインク通過孔から印刷面12上に押し出すために、容器体21の略密閉空間25内に気体を送入する。
【0063】
このような構成によれば、印刷面のもろさや狭さの影響を受けることなく、所望の画像等を良好に印刷することが可能となる。また、一度の送入作業で複数の印刷面12に対して印刷を行うことができるので、印刷時間が短縮される。更に、印刷時間が短縮されることで、インク粘度の調整の労力も大幅に軽減される。また、気体によりインクを押し出す構成なので、スクリーンXと印刷面12との間の間隔を調整することで、インクを厚く盛ることが可能である。更に、気体によりインクを押し出す構成なので、スキージやメッシュ部X2がすり減ることがなく、食品に印刷を行う場合に特に適している。
【0064】
また、本実施の形態による印刷方法及び印刷装置2では、気体の送入を開始してから設定された送入時間の経過後に気体の送入を停止する。
【0065】
このような構成によれば、毎回所望量のインクで印刷を行うことができるので、印刷作業ごとに印刷状態にムラができることが防止される。また、略密閉空間25内が減圧されるので、印刷後に余分なインクがインク通過孔から垂れてしまうことが防止される。
【0066】
また、本実施の形態による印刷方法及び印刷装置2では、加食材料から構成され流動性を有する粘性体を、角砂糖1の少なくとも一の面11上に塗布し、塗布された粘性体が略平坦に広がった状態で乾燥させて印刷面12を形成する。
【0067】
このような構成によれば、角砂糖1の一の面11上には、乾燥させて硬化した印刷面12が形成されているため、インクが角砂糖1の空隙に入りこむことがなく、印刷面12上に所望の画像等を印刷することが可能となる。
【0068】
また、本実施の形態による印刷方法及び印刷装置では、粘性体は、ショ糖及び水を主成分としており、固形食品は角砂糖1である。
【0069】
このような構成によれば、角砂糖1の風味が損なわれることを抑制しながら、印刷面がもろく狭い角砂糖1に対しても所望の画像等をきれいに印刷することが可能となる。
【0070】
また、本実施の形態による印刷方法及び印刷装置2では、送入孔24は、容器体21の側部に形成されている。
【0071】
このような構成によれば、押し出されるインクの量が気流の影響を受けて不均一になることが抑制される。
【0072】
尚、本発明の印刷方法及び印刷装置は、上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変形や改良が可能である。
【0073】
例えば、上記実施の形態では、シルクスクリーン印刷を行う例を用いて説明を行ったが、本発明は、金属板等を用いた他のスクリーン印刷にも適用可能である。
【0074】
また、上記実施の形態では、角砂糖1の一の面上11に印刷を行う例を用いて説明を行ったが、他の固定食品の面上や、食品以外のものに印刷を行ってもよい。
【0075】
また、印刷装置2は、必ずしも送入部26及び設定部27と一体である必要はなく、後から取り付ける構成であってもよい。
【0076】
また、上記実施の形態では、開口部22は、容器体21の下面に形成されていたが、インクを下方に押し出すことができれば、必ずしも下面に形成されていなくてもよい。
【0077】
また、上記実施の形態では、凹状の取付部23上にスクリーンXを載置することでスクリーンXを容器体21に取り付けたが、開口部22を閉塞することができればよく、ネジで取り付ける等の他の構成を用いてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 角砂糖
2 印刷装置
11 面
12 印刷面
21 容器体
22 開口部
23 取付部
24 送入孔
25 密閉空間
26 送入部
27 設定部
28 脚部
X スクリーン
図1
図2
図3
図4
図5