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特許7491613ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20240521BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240521BHJP
   A61K 8/9794 20170101ALI20240521BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61Q19/10
A61K8/44
A61K8/46
A61K8/9794
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022549369
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2020075824
(87)【国際公開番号】W WO2021163915
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】522325126
【氏名又は名称】黄 堯焜
【氏名又は名称原語表記】HUANG, Yaokun
【住所又は居所原語表記】5F, No.29 Longchuan Street, Zhongli District Taoyuan City 32090, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【弁理士】
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】黄 堯焜
【審査官】阪▲崎▼ 裕美
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102198078(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103655448(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102895316(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104546607(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104523541(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108186440(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102198067(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
面活性剤と、
濃度が過飽和且つ皮膚の質感を改善可能な活性成分と、を含む温和な清浄化組成物であって、
前記界面活性剤は、長鎖ベタイン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及びココイルグリシンKのうちの少なくとも2つを含んで構成され、且つ前記界面活性剤は前記温和な清浄化組成物の5wt%乃至70wt%を占め、
前記活性成分は、0.10~1.80wt%のビャクシの抽出物、0.10~1.80wt%のカガミグサの抽出物、0.10~1.80wt%オオオバナオケラの抽出物、0.05~0.80wt%シランの抽出物、0.05~0.80wt%ブクリョウの抽出物、0.05~0.80wt%ハナトリカブトの抽出物、及び0.05~0.20wt%ムラサキの抽出物を含んで構成される、
ことを特徴とする温和な清浄化組成物。
【請求項2】
前記界面活性剤は、長鎖ベタイン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及びココイルグリシンKのうちの少なくとも2つを含んで構成され、且つ前記界面活性剤は前記温和な清浄化組成物の10wt%乃至65wt%を占める、
ことを特徴とする請求項1に記載の温和な清浄化組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤は、5.0~20.0wt%の長鎖ベタイン、5.0~20.0wt%のラウロイルサルコシンナトリウム、5.0~20.0wt%のラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及び5.0~20.0wt%のココイルグリシンKのうちの少なくとも2つを含んで構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の温和な清浄化組成物。
【請求項4】
前記活性成分は、0.60~1.80wt%のビャクシの抽出物0.60~1.80wt%のカガミグサの抽出物0.60~1.80wt%のオオオバナオケラの抽出物0.40~0.80wt%のシランの抽出物0.20~0.80wt%のブクリョウの抽出物0.20~0.80wt%のハナトリカブトの抽出物、及び0.10~0.20wt%のムラサキの抽出物を含んで構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の温和な清浄化組成物。
【請求項5】
前記温和な清浄化組成物の0.1~2.0wt%を占める塩化ナトリウムを含む粘度調整剤と、
PEG-40水添ヒマシ油、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、及び水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリルのうちから選ばれる1つ又は2つの組み合わせを含む増粘剤と、を更に含有し、
前記増粘剤は、前記温和な清浄化組成物の0.50~4.0wt%を占める、
ことを特徴とする請求項1に記載の温和な清浄化組成物。
【請求項6】
前記増粘剤は、0.50~4.0wt%のPEG-40水添ヒマシ油、0.05~1.00wt%のヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、及び0.05~1.00wt%の水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリルのうちから選ばれる1つ又は2つの組み合わせである、
ことを特徴とする請求項5に記載の温和な清浄化組成物。
【請求項7】
水を更に含み、
前記水は前記温和な清浄化組成物の20wt%~80wt%を占める、
ことを特徴とする請求項に記載の温和な清浄化組成物。
【請求項8】
化粧品の賦形剤を更に含み、
前記化粧品の賦形剤は前記温和な清浄化組成物の0.50wt%~10.00wt%を占める、
ことを特徴とする請求項1に記載の温和な清浄化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物及びその製造方法に関し、特には、少なくとも一つの界面活性剤及びほぼ飽和、飽和、または過飽和且つ皮膚の質感を改善可能な少なくとも一つの活性成分を含む洗浄保養組成物及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は人体と外界との間の面積が最大である天然のバリアであり、皮膚を良好な衛生状態に保ち(即ち、清潔で健康的な状態)、皮膚を洗浄する目標のために人体がある環境の異物及び人体自身が発生させる皮脂や汗を除去し、皮膚を洗浄することは、皮膚の健康を維持するための最も基本的なステップである。顔の洗浄を例にすると、一般的な洗浄用品では洗顔後に容易に洗い落とせず、毛穴に詰まったり、過度に洗浄し過ぎて皮膚の天然のバリアが損傷する等の現象が発生した(Indian J Dermatol. 2011 Jan-Feb; 56(1): 2-6)。洗顔の水温、時間、洗浄用品の選択、洗浄方式も洗浄の効果及び皮膚の機能の維持に影響する。如何に完全に洗浄すると共に皮膚の機能を正常に発揮するように保持するか、さらにはどのように皮膚の美観を高めるかは、関連する研究者にとって突破が難しい課題であった。
【0003】
洗浄剤の洗浄原理は溶解及び汗の乳化等の2種類に大きく分かれている(Physicochemical and Engineering Aspects, 74, 169-215 (1993))。溶解原理を利用して汗を除去するために使用する洗浄剤は、皮膚の表面を過度に洗浄するのを避けるのが難しく、皮膚のバリアを損傷し、洗浄後に皮膚が荒れ、乾燥し(Clinics in Dermatology, Volume 14, Issue 1, January-February 1996, Pages 29-33)、さらには皮脂が過度に分泌することにもなった。乳化原理を利用して汗を除去するのに使用する洗浄剤は、乳化剤が汗を完全に除去するのが難しく、乳化後に洗い落とせなかった少量の微小の乳液が皮膚の表面、毛孔、及び汗腺に残り、洗浄感が得られず、毛孔が塞がれ、にきびが増えることにもなった。
【0004】
また、皮膚の洗浄後の保養の時期及び方式も一般大衆の生活の中では一つの難題であった。個人の皮膚の保養時期は人によって異なるが、保養品の評価は二つの方面から解析される。先ず、保養品の処方の組み合わせは主に水、油脂、乳化剤、安定剤、各種基剤、溶剤等を含み、基本的な組成が非混和性の二つの油水二相であり、且つ最大の組成比率であるため、乳化剤、安定剤等が必要となる。もし他の活性成分を組み合わせる必要があるならば、物理化学的安定性のため、常に様々な困難に直面する。また、活性成分が占める比率は通常非常に低く、美観や臨床効果を改善するのが難しかった。なお、外用の皮膚製剤の吸収に対する影響は主に角質層が形成するバリアのために効果が制限された。薬物か化粧品かによらず、経皮吸収型ドラッグデリバリーシステム(transdermal delivery system, TDDS)の経路は大きく以下の2種類の方式がある。一つは、角質層に直接浸透するか、或いは角質細胞の隙間の脂質二重層に浸透し、これは皮膚に浸透する主要な経路である。二つ目は、毛包、皮脂腺、または汗腺等の皮膚付属器を通過するものであるが、これは皮膚に占める割合が0.1%乃至1.0%しかなく、よって、極少量の活性成分がこの経路を通って吸収されるのみである。第一の吸収方式の克服が待たれる問題は、主に皮膚のアシッドマントル(acid mantle)(Current Pharmaceutical Design, 2015, Vol. 21, No. 00)及び吸収の障害となる角質層が、薬品及び化粧品の活性成分の吸収を阻害する主な障害となっており、これが消費者が各種保養品を使用しても予期する保養効果を得られない主な要因となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の洗浄及び保養技術の欠点を鑑み、本発明は先行技術では温和な処方で皮膚を洗浄し、適合する方式で皮膚を保養するのが難しいため改良を加え、皮膚の洗浄と過度な洗浄の予防を達成し、同時に初歩的な保養効果により皮膚の機能を高める温和な清浄化組成物とする。本発明は活性成分をほぼ飽和、飽和、または過飽和方式により温和な界面活性剤に処方し、簡易なプロセスで洗浄しつつ過度な洗浄を避け、皮膚の保養を同時に達成する組成物を製作する。活性成分としてビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、及びムラサキのうちの1種類または複数種類以上の抽出物を含んで構成される。界面活性剤として長鎖ベタイン、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、及びココイルグリシンKのうちの1種類または複数種類以上の組成物を含んで構成される。本発明の活性成分を含む温和な清浄化組成物は人体の任意の皮膚部位に使用可能であり、皮膚を直接洗浄すると同時に保養効果を達成する。皮膚に対する効果は、美白、コラーゲンの合成の促進、抗炎症、肌荒れの回避、痒み止め、抗アレルギー、アンチエイジング、抗酸化、免疫の調節、抗線維化等のうちの一つまたはそれらの組み合わせの効果でもよい。
【0006】
本発明のほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物により、その個別の活性成分は本発明の組成物に引用する象徴的な代表的成分(特に脂溶性を指し、高い生理活性を有する物質)であり、その水溶液飽和度はビャクシ≦0.01%、カガミグサ≦0.003%、オオオバナオケラ≦0.004%、シラン≦0.006%、ブクリョウ≦0.05%、ハナトリカブト≦0.0002%、ムラサキ≦0.01%となっている。よって、その総飽和濃度は0.1%より高くならない。
【0007】
前記ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物の活性成分の抽出及び製造方法は、一般的な高温水性溶液抽出法、有機溶媒抽出法、超音波抽出法、或いは超臨界流体抽出法のうちの1種類または複数種類以上の抽出法の組み合わせである。
【0008】
前記ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物の活性成分は、アメリカ食品医薬品局の化粧品法及び規制の説明によると、化粧品及び薬品の定義に同時に適合する。即ち、本発明はサイエンス誌及び所定の使用目的に基づくと、人や他の動物のあらゆる機能に影響を与えるあらゆる成分を有し、人体の洗浄、美容等に使用する。
【0009】
好ましくは、前記ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物の活性成分は、人体に揉み込む、灌注する、噴霧または噴射する、入れ込むまたは刷り込むことで洗浄、美容、肌のキメを整える、或いは外観を変える物質である。
【0010】
好ましくは、前記ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物の活性成分は、皮膚に対する効果は、美白、コラーゲンの合成の促進、抗炎症、肌荒れの回避、痒み止め、抗アレルギー、アンチエイジング、抗酸化、免疫の調節、抗線維化等のうちの一つまたはそれらの組み合わせの効果でもよい。
【0011】
前記ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物は、異なる処方の組み合わせに基づいてO/Wを有しているマイクロエマルション(American Journal of Pharmtech Research, 2012)、乳剤、またはミセル剤(Cancers, July 2018)等の異なる剤形を呈する。
【0012】
薬理学分野においては、剤形の設計上往々にして有効成分を極大化する必要があり、特にタキサン系のパクリタキセル、ドセタキセル等の薬品のような脂溶性、高生理活性を含む液体の剤形では、有効量に達しつつ、総投与量を最小限に抑えた活性成分により、剤形の設計が活性成分の溶解飽和度の限界に迫っている。相対的に、活性成分がほぼ飽和、飽和、または過飽和であるという特性は、水と混合した後に容易に沈殿してしまうという欠点をもたらしている。本発明は活性成分がほぼ飽和、飽和、または過飽和であるという特性を利用し、欠点を外用製剤の利点に変え、水と混合した後に有効成分の析出及び吸収を達成し、洗浄剤が溶解し、洗浄し尽くすのを避け、洗浄剤と更に組み合わせて皮膚に対する水和作用により活性成分の吸収及び作用を強化する。
【0013】
皮膚の汗及び酸性バリアは洗浄剤により洗浄して除去し、活性成分の吸収を増加させるが、但し、角質層の浸透には薬用化粧品デリバリーシステム(cosmeceutical delivery system)の設計がなければ、障害を克服して角質細胞の間及び角質細胞に直接浸透させることができない(Skin Pharmacol Physiol 2006: 19: 106-21)。本発明は温和な界面活性剤の組み合わせにより、この界面活性の組み合わせは主に乳化洗浄法(emulsification method)の原理により皮膚に対し洗浄を行うと共に角質層の水和(Hydration)現象を発生させ、この状態で角質層の浸透度が増加するのみならず、角質層の間の容量(Capacitance)も増加する。本発明はこの水和現象を利用し、活性成分の付着及び角質層への浸透を適時増加させる(The Journal of Investigative Dermatology, Vol. 101, No. 3, September 1993)。また、活性成分の濃度がほぼ飽和、飽和、または過飽和である(Pharmaceutical Research, July 2001, Volume 18, Issue 7, pp 1006-1011)現象が活性成分の沈殿付着及び濃度差による吸収を促し、皮膚に対する保護及び保養効果を発生させ、且つこの新規の設計原理により皮膚を過度に洗浄することを無くすことが可能である。
【0014】
長鎖ベタイン(Long-chain betaines)(Handbook for Cleaning/Decontamination of Surfaces)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)(Cosmetic Ingredient Review, September 2016)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)(Cosmetic Ingredient Review, September 2013)、及びココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)(Cosmetic Ingredient Review, September 2013)は各研究及び科学文献において、皮膚や目に対し温和で、低刺激性の界面活性剤であると述べられており、本発明のほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物はこの温和に洗浄できる界面活性の組み合わせを応用し、皮膚を温和に洗淨し、活性成分をほぼ飽和、飽和、または過飽和濃度まで溶解することで、皮膚の洗浄及び保養効果を同時に達成している。
【0015】
上述の洗浄と同時に、過度な洗浄を避け、皮膚を保養する目的を達成するため、本発明が提供するほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物は、少なくとも一つの界面活性剤及びほぼ飽和、飽和、または過飽和且つ皮膚の質感を改善可能な少なくとも一つの活性成分を含む洗浄保養組成物及びその製造方法である。前記界面活性剤は長鎖ベタイン(long-chain betaines)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、及びココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)のうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせ、且つ前記発明の組成物の5.00wt%乃至70.00wt%を占めている。前記活性成分はビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、及びムラサキのうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせた抽出物であり、前記発明の組成物の0.1wt%乃至10.00wt%を占めている。前記発明の組成物は適量の水を更に含み、前記発明の組成物の15.00wt%乃至85.00wt%を占めている。前記発明の組成物は適量の化粧品の賦形剤を更に含み、例えば、希釈剤、増粘剤、安定剤、香味料、防腐剤、補助界面活性剤(cosurfactant)等であり、前記賦形剤は前記発明の組成物の0wt%乃至15.00wt%を占めている。
【0016】
好ましくは、前記発明の組成物の界面活性剤の長鎖ベタイン(long-chain betaines)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、及びココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)は、前記発明の組成物の0wt%乃至25.00wt%、0wt%乃至20.00wt%、0wt%乃至25.00wt%、及び0wt%乃至20.00wt%をそれぞれ占め、且つその総和は0ではない。
【0017】
より好ましくは、前記発明の組成物の界面活性剤は長鎖ベタイン(long-chain betaines)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、及びココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)のうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせ、且つ前記発明の組成物の10.00wt%乃至65.00wt%を占めている。
【0018】
最も好ましくは、前記発明の組成物の界面活性剤は長鎖ベタイン(long-chain betaines)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、及びココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)のうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせ、且つ前記発明の組成物の20.00wt%乃至60.00wt%を占めている。
【0019】
好ましくは、前記発明の組成物の活性成分のビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、及びムラサキは前記発明の組成物の0wt%乃至8.00wt%、0wt%乃至8.00wt%、0wt%乃至8.00wt%、0wt%乃至4.00wt%、0wt%乃至4.00wt%、0wt%乃至4.00wt%、及び0wt%乃至4.00wt%をそれぞれ占め、且つその総和は0ではない。
【0020】
好ましくは、前記発明の組成物の活性成分はビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、及びムラサキのうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせ、且つ前記発明の組成物の0.10wt%乃至8.00wt%を占めている。
【0021】
より好ましくは、前記発明の組成物の活性成分はビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、及びムラサキのうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせ、且つ前記発明の組成物の0.20wt%乃至6.00wt%を占めている。
【0022】
最も好ましくは、前記発明の組成物の活性成分はビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、及びムラサキのうちの1種類または複数種類を任意で組み合わせ、且つ前記発明の組成物の0.40wt%乃至4.00wt%を占めている。
【0023】
好ましくは、前記発明の組成物は適量の水を更に含み、前記発明の組成物の20.00wt%乃至80.00wt%を占めている。更に好ましくは、前記発明の組成物の25.00wt%乃至75.00wt%を占めている。最も好ましくは、前記発明の組成物の30.00wt%乃至70.00wt%を占めている。
【0024】
好ましくは、前記発明の組成物は適量の化粧品の賦形剤を更に含み、前記賦形剤は希釈剤、増粘剤、安定剤、香味料、防腐剤、或いは補助界面活性剤(cosurfactant)等であり、前記賦形剤は前記発明の組成物の0.50wt%乃至10.00wt%を占めている。好ましくは、前記賦形剤は前記発明の組成物の1.00重量パーセント乃至8.00重量パーセントを占めている。より好ましくは、前記賦形剤は前記発明の組成物の2.00重量パーセント乃至6.00重量パーセントを占めている。最も好ましくは、前記賦形剤は前記発明の組成物の4.00重量パーセント乃至6.00重量パーセントを占めている。
【0025】
本発明のほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物は、少なくとも一つの界面活性剤及びほぼ飽和、飽和、または過飽和且つ皮膚の質感を改善可能な少なくとも一つの活性成分を含む洗浄保養組成物であり、前記温和な清浄化組成物は以下の製造方法により製造する。前記製造方法は以下のステップを含む。(i)前記少なくとも一つの活性成分を混合容器内に添加すると共に適量の水を添加する。(ii)前記少なくとも一つの界面活性剤をステップ(i)の混合容器内に添加して均一に混合し、必要であれば溶解して均一に混合するまで加熱する。(iii)必要であれば適量の賦形剤を添加し、例えば、希釈剤、増粘剤、安定剤、香味料、または防腐剤等を添加し、持続的に均一に混合し、室温に回復させる。
【0026】
本発明によると、好ましくは、前記ほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物及びその製造方法の活性成分は、一般的な高温水性溶液抽出法、有機溶媒抽出法、超音波抽出法、または超臨界流体抽出法のうちの1種類または複数種類の任意の抽出法の組み合わせにより抽出する。
【0027】
本発明の上述の特徴及び利点を更に明らかにするため、以下実施例を挙げ、添付図面を併せて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の界面活性剤及び水を利用して角質層に対し水和作用を発生させ、有効成分をほぼ飽和、飽和、または過飽和形態で実施し、皮膚に吸収させ易くしたものを説明する概略図である。
図2】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物を異なる剤形で示す。
図3】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例12を水と混合する前の沈殿状態を示す。
図4】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例12及び水を重量比1:1の比率で均一に混合した後に10分後の時間点における沈殿状態を示す。
図5】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例12及び水を重量比1:1の比率で均一に混合した後に60分後の時間点における沈殿状態を示す。
図6】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例12及び水を重量比1:1の比率で均一に混合した後に360分後の時間点における沈殿状態を示す。
図7】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例12及び水を重量比1:1の比率で均一に混合した後に720分後の時間点における沈殿状態を示す。
図8】200倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、一般的な洗浄剤で洗浄する前の皮膚の状態を示す。
図9】200倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例10で洗浄する前の皮膚の状態を示す。
図10】30倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、一般的な洗浄剤で20回連続洗浄した皮膚の状態を示す。
図11】30倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例10で20回連続洗浄した皮膚の状態を示す。
図12】200倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、一般的な洗浄剤20回連続洗浄した皮膚の状態を示す。
図13】200倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の実施例10で20回連続洗浄した皮膚の状態を示す。
図14】本発明の組成物の実施例11で洗浄直後及び洗浄の10分後の皮膚の保湿度を説明する保湿度測定図である。
図15】本発明の組成物の実施例11で洗浄直後及び洗浄の10分後の皮膚の光沢を説明する光沢測定図である。
図16】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の比較実施例13及び水を重量比1:1の比率で均一に混合した後に10分後の時間点における沈殿状態を示す。
図17】異なる倍率で拡大した一連の顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の比較実施例13及び水を重量比1:1の比率で均一に混合した後に60分後の時間点における沈殿状態を示す。
図18】30倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の比較実施例13で洗浄する前の皮膚の状態を示す。
図19】30倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の比較実施例13で20回連続洗浄した皮膚の状態を示す。
図20】200倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の比較実施例13で洗浄する前の皮膚の状態を示す。
図21】200倍の倍率で拡大した顕微鏡写真図であり、本発明の組成物の比較実施例13で20回連続洗浄した皮膚の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
皮膚の洗浄と過度な洗浄の予防を同時に達成し、初歩的な保養効果も達成して皮膚の機能を増強させるため、本発明はほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物を提供する。前記組成物は1種類または複数種類以上の活性成分、及び1種類または複数種類以上の界面活性剤を含んで構成される。前記発明の組成物は適量の水を更に含む。前記発明の組成物は適量の化粧品の賦形剤を更に含む。
【0030】
図1は本発明が界面活性剤及び水により角質層100に対し水和作用を発生させ、有効成分を本発明に組み合わせてほぼ飽和、飽和、または過飽和形態で実施し、有効成分200を角質層の表面に沈殿し易くし、有効成分の吸収を促すことを説明している。
【0031】
以下の実施例は本発明を説明するために示す。これらの実施例は如何なる方式によっても本発明の範囲を制限しないが、但し本発明の材料及び方法をどのように実施するかを指示する。
【0032】
本発明の実施例において、所謂少なくとも1種類の界面活性剤は、長鎖ベタイン(long-chain betaines)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、及びココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)から選択され、そのうちの1種類または複数種類以上を任意で組み合わせた組成物である。
【0033】
本発明の実施例において、所謂少なくとも1種類の活性成分は、ビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、シラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、またはムラサキの抽出物から選択され、そのうちの1種類または複数種類以上を任意で組み合わせた組成物である。
【0034】
図2に示す如く、本発明の実施例は異なる処方の組み合わせに基づいて、O/Wを有しているマイクロエマルション(American Journal of Pharmtech Research, 2012)、乳剤、またはミセル剤(Cancers, July 2018)等の異なる剤形を呈している。
【0035】
<実施例1>:活性成分を含む温和な清浄化組成物の処方1及びその製造方法
本実施例では、最終製品が1000g当たり5gに相当する活性成分を含み、その製造方法は以下の通りである。アルコール及び水の等比の重量比の混合抽出液により各活性成分をそれぞれ抽出する。混合抽出液及び各活性成分の原料の重量比は10:1乃至50:1とし、抽出温度は50℃乃至100℃とし、抽出時間は1時間乃至10時間とする。抽出後の内容物は各1000mgのビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、及び各500mgのシラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、ムラサキの抽出物を含み、且つ各50gのコカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、ココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)を適量の水と混合し、必要であれば均一になるまで加熱し、各10gのヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル(PEG-7 glyceryl cocoate)及び水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル(PEG-200 hydrogenated glyceryl palmate)を添加して均一に混合し、10gの塩化ナトリウムを添加して攪拌し、均一に混合し、室温まで冷却して取得する。表1は実施例1の組成物を処方する組成表を示す。
【0036】
【0037】
<実施例2乃至12>:活性成分を含む温和な清浄化組成物の処方2乃至12
その製造方法は実施例1と相似し、相違する処方の組成及び抽出方法は表2に表示する。表2は実施例1乃至12で処方する組成物の組成表を示し、表3は実施例1乃至12で処方する組成物の活性成分の抽出方法を示し、表4は各抽出方法の抽出条件を示す。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
本発明のほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物の各試験結果について下述する。
【0042】
〈ほぼ飽和、飽和、または過飽和の実験〉
ミクロな視点で本発明の組成物の実施例12を顕微鏡で観察し、水及び本発明の組成物を重量比1:1の比率で均一に混合し、10、60、360、720分後の時間点に顕微鏡で観察し、飽和沈殿状況を検視したものを図3乃至図7に示す。結果は本発明の組成物に沈殿が発生していないことを示している(図3参照)。水及び本発明の組成物を重量比1:1の比率で均一に混合したものは、10分後の時間点に光学顕微鏡で観察可能な微量の沈殿物が発生し(図4参照)、60分後には少量の沈殿物が発生し(図5参照)、360分後には凝集した沈殿物が発生し(図6参照)、720分後には多量の沈殿物が発生している(図7参照)。反対に、一般的なマクロな角度から臨界飽和実験を観察し、安定性の試験を実行し、エネルギーを低下させて長時間静置し保管した後、緩慢な凝集が発生した。この試験は、本発明の組成物が飽和臨界値付近が優位な設計であることを示している(Journal of Pharmaceutical Sciences, January 2012)。本発明の組成物が「品質は設計により得られる(Quality by Design)」という概念の下、実際に皮膚を洗浄する際に皮膚に対する保護及び保養効果を十分発生させる。
【0043】
〈過度な洗浄を避けて保護する実験〉
市販の洗浄用品(Dermisa Brightening Bar)及び本発明の組成物の実施例10により大腿の内側をそれぞれ洗浄し、拭き取った後に洗浄する工程を連続20回実行し、結果を表5に示す。図8乃至図13は過度な洗浄を避ける実験を示す。
【0044】
実験は光沢及び顕微鏡検査を観察道具とし、一般的な洗浄方式に類似するように洗浄する。結果は一般的な洗浄剤では短時間内に重複して洗浄を行った後に皮膚の表面がすぐに傷付き、顕微鏡検査結果では角質層が損傷し、白色の片状組織が剥離し、さらには巻き上がった状態を呈した。この顕微鏡検査のミクロな結果はマクロな光沢の測定結果が低下したことを示す。反対に、本発明の組成物を使用すると、短時間内に重複して洗浄を行った後にも皮膚の表面に損傷がないばかりではなく、顕微鏡検査の結果でも洗浄前後の差異を識別することができず、その上で、光沢の結果から皮膚の滑らかさが向上していることが観察できた。よって、本発明の組成物を長期間使用すると、皮膚がさらに繊細で滑らかになり、さらには光沢が大幅に高まり、人間の目でも差異を識別できる程になることが予期できる。
【0045】
【0046】
以上を総合すると、従来の技術及び一般的な知識と認識に基づくと、洗浄剤を使用して皮膚を洗浄すると角質層が損傷して皮膚の表面が荒れやすいため、損傷した皮膚にクリーム等の保養品を使用する。相対的に、本発明の組成物はほぼ飽和、飽和、または過飽和の設計により、有効成分を皮膚の洗浄中に析出し、皮膚に吸収させて皮膚を損傷しないように保護している。
【0047】
〈保湿度実験〉
実施例11は洗顔を1回行って汗を洗い落とす毎に、1回洗浄及び保養を行うことを標準ステップとし、毎回洗浄が完了する毎に市販の皮膚測定器により測定し(RUNVE Skin Analyzer)、この測定器は水分量、油分量、キメの3種類の測定数値を含む。油分量及びキメは皮膚の光沢の測定と組み合わせる。水分量は額及び左右の頬骨の三点を測定した平均値を表示する。一般的な洗顔洗浄用品により約3週間洗浄(Dermisa Brightening Bar)を行って測定し、次いで、本発明の組成物により上述の標準使用ステップに基づいて皮膚を4週間以上洗浄する。その保湿度の測定図(図14)からは、洗浄直後であれ洗浄の10分後であれ、保湿度指標は2週間後でも大幅な改善が見られた。
【0048】
一般的な洗顔洗浄用品の洗浄後の保湿度は約40乃至42の間の範囲であり、乾燥後の保湿度は約34乃至38の間の範囲である。表6に示す如く、使用説明書の保湿度の分類を参照すると、洗浄後には正常な皮膚ゾーンにあるが、10分後には乾燥皮膚ゾーンになるまで水分が散失する。相対的に、本発明の組成物を約2週間使用した後には、洗浄後の保湿度が約43乃至48の間の範囲となり、乾燥後の保湿度が約38乃至44の間の範囲となる。皮膚測定器の説明書の保湿度の分類を参照すると、洗浄後に潤いある皮膚ゾーンに適合し、10分後の水分は正常な皮膚ゾーンまで散失する。
【0049】
【0050】
〈光沢実験〉
一般的な皮膚科学の専門家の皮膚の光沢に対する認識では、皮脂腺から分泌される油脂及び環境中の他の物質が付着することで皮膚の光沢が増加し(Biomedical Optics Express)、皮膚に対するこのような環境がにきびや脂漏性湿疹等の皮膚病を発症させ易くしている。相対的に、皮膚の洗浄が完了した後に上述の皮脂等の干渉がなくなると、皮膚の光沢が明らかに表れ、長期的に健康的な皮膚が構成される。例えば、肌荒れが減少し(Skin Research and Technology)、皺が減り、好ましい保湿度のきめ細かで健康的な皮膚となる。このような状態は表皮の成長やコラーゲンの増加によって促進されたものである(WO2005037270A1)。本発明の組成物は豊富な有効成分を含んでいるため、皮膚を更に健康的にし、皺を減らす等することで、洗浄後に皮膚の光沢が増す(International Journal of Research in Pharmacy and Chemistry)。
【0051】
洗顔を1回行って汗を洗い落とす毎に、1回洗浄及び保養を行うことを標準ステップとし、毎日洗浄が完了した後に光沢計(BYK Micro-Gloss)により顔の最も平坦な額部位の皮膚の光沢を測定する。一般的な洗顔洗浄用品により(Dermisa Brightening Bar)約3週間洗浄を行って測定し、次いで、本発明の組成物により上述の標準使用ステップに基づいて皮膚を4週間以上洗浄する。その光沢測定図(図15参照)によると、洗浄により洗浄直後であれ洗浄の10分後であれ、光沢指標が2週間後にも大幅な改善が見られた。
【0052】
一般的な皮脂を含む人の顔の光沢は約2GU(Gloss unit)前後であるが、洗浄または肌荒れの程度に従って1GU前後低下し、皮膚のキメの向上または保養化粧品の使用に従って2.5GU前後上昇する(Optical Review)。本発明の組成物は長時間使用した後且つ各保養品を未使用でも光沢が3GU乃至5GU前後に達し、人の目でも光沢の差異が識別可能になった(人の目で識別可能な差異は3GU前後である)。よって、一般的なユーザーでも皮膚のキメ細かさ及び光沢の増加がはっきり分かるようになる。洗浄後には水和した皮膚が乾燥せず、角質層が原状を回復していないため、光沢が3GU前後となり、10分後に回復した後、光沢が正常に5GU前後になる。
【0053】
<比較実施例13>:不飽和活性成分を含む温和な清浄化組成物の処方13及びその製造方法
本比較実施例では、1000g当たり0.83gに相当する活性成分を含み、その製造方法について下述する。アルコール及び水の等比の抽出液でそれぞれ抽出を行い、各100mgのビャクシ、カガミグサ、オオオバナオケラ、及び各50mgのシラン、ブクリョウ、ハナトリカブト、ムラサキを含む抽出物、及び各50gのコカミドプロピルベタイン(cocamidopropyl betaine)、ラウロイルサルコシンナトリウム(sodium lauroyl sarcosinate)、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム(sodium lauroyl methyl isethionate)、ココイルグリシンK(potassium cocoyl glycinate)を適量の水と混合し、必要であれば均一になるまで加熱し、各10gのヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル(PEG-7 glyceryl cocoate)、及び水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル(PEG-200 hydrogenated glyceryl palmate)を添加して均一に混合し、10gの塩化ナトリウムを添加して攪拌し、均一に混合し、室温まで冷却して取得する。表7は比較実施例13の組成物を処方する組成表を示す。
【0054】
【0055】
本比較実施例は不飽和活性成分を含む温和な清浄化組成物を提供し、その各比較試験結果は以下に示す。
【0056】
〈ほぼ飽和、飽和、または過飽和実験〉
ミクロでは、比較実施例13及び水を等比の重量比で均一に混合し、10分後、60分後の時間点に顕微鏡で観察し、不飽和に沈殿が発生しているかどうか検視し、図16及び図17に示す。結果は本不飽和比較実施例13には沈殿が発生していなかった。
【0057】
〈過度な洗浄を避け、保護する比較実験〉
本比較実施例13では大腿の内側に対し洗浄及び拭き取りを行ってから連続20回洗浄する洗浄プロセスを実施し、結果は表8及び図18乃至図21の過度の洗浄を避ける比較実験に示す。
【0058】
【0059】
実験は光沢及び顕微鏡顕による微鏡検査を観察道具とし、一般的な洗浄方式に類似するように洗浄する。結果は、本比較実施例13は短時間内に重複して洗浄した後に、皮膚の表面に顕著な変化が見られなかった。光沢の結果(洗浄前1.4GU、洗浄後1.4GU)では皮膚の滑らかさに明らかな変化は見られず、且つ顕微鏡検査結果からは洗浄前後の細胞の形態に顕著な差異がなく、但し、顕微鏡で観察すると、洗浄後の光沢が洗浄前よりも低下している。
【0060】
飽和実施例10及び不飽和比較実施例13は過度な洗浄を避けて保護する実験結果において、飽和実施例10が皮膚の過度な洗浄を避けて保護する機能を有している以外、皮膚の滑らかさが向上している。反対に、不飽和実施例13では皮膚の過度を避けて洗浄して保護する機能が明確ではない。この実験は、本発明のほぼ飽和、飽和、または過飽和の活性成分を含む温和な清浄化組成物が特殊な新規性及び進歩性を備えていることを示している。
【0061】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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