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特許7491615積載容積率計測装置、システム、方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】積載容積率計測装置、システム、方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20240521BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240521BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20240521BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240521BHJP
【FI】
G01B11/24 A
G01B11/00 B
G06T7/62
G06T7/00 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022571549
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(86)【国際出願番号】 JP2021047556
(87)【国際公開番号】W WO2022138715
(87)【国際公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】P 2020216527
(32)【優先日】2020-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】上野 悟己
(72)【発明者】
【氏名】青木 教之
(72)【発明者】
【氏名】高岡 真則
(72)【発明者】
【氏名】河野 研二
(72)【発明者】
【氏名】安達 ゆり
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-60451(JP,A)
【文献】特開2020-64588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するように構成された監視領域指定部と、
前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成するように構成されたボクセル化部と、
前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算するように構成された画角オクルージョンボクセル計算部と、
予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成された配列処理部と、
前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するように構成された積載容積率算出部と、
を備える積載容積率計測装置。
【請求項2】
前記配列処理部は、複数の前記配列データにおいて前記監視領域内に有効ボクセルが存在するときに、前記推定配列データを作成するように構成されている、
請求項1記載の積載容積率計測装置。
【請求項3】
前記配列処理部は、前記推定配列データにおける前記有効ボクセルを2次元平面に射影し、前記所定の条件として、前記2次元平面の一部に前記有効ボクセルが存在しないときに、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化するように構成されている、
請求項1又は2記載の積載容積率計測装置。
【請求項4】
前記配列処理部は、前記積載配列データを作成する際、前記所定の条件として、過去データの最前の有効ボクセルの位置から所定距離以内に死角無効ボクセルが存在するときに、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、有効化後の最前の前記有効ボクセルの下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化するように構成されている、
請求項1乃至3のいずれか一に記載の積載容積率計測装置。
【請求項5】
前記配列処理部は、下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した後に、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化するように構成されている、
請求項4記載の積載容積率計測装置。
【請求項6】
前記配列処理部は、前記積載配列データを作成する際、前記所定の条件として、過去データの最前の有効ボクセルの位置から所定距離以内に死角無効ボクセルが存在しないときに、全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成されている、
請求項1乃至5のいずれか一に記載の積載容積率計測装置。
【請求項7】
前記配列処理部は、前記所定の条件として、前記2次元平面の全領域に前記有効ボクセルが存在するときに、全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成されている、
請求項3記載の積載容積率計測装置。
【請求項8】
所定空間を撮影した撮影データを出力するように構成された撮影部と、
請求項1乃至7のいずれか一に記載の積載容積率計測装置と、
を備える積載容積率計測システム。
【請求項9】
ハードウェア資源を用いて積載容積率を計測する積載容積率計測方法であって、
所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するステップと、
前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成するステップと、
前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算するステップと、
予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するステップと、
前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するステップと、
を含む積載容積率計測方法。
【請求項10】
積載容積率を計測する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得する処理と、
前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成する処理と、
前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算する処理と、
予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成する処理と、
前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての記載]
本発明は、日本国特許出願:特願2020-216527号(2020年12月25日出願)の優先権主張に基づくものであり、同出願の全記載内容は引用をもって本書に組み込み記載されているものとする。
本発明は、積載容積率計測装置、システム、方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の運輸会社では、輸送効率を向上させるために、トラックバースにてコンテナ(バンボディ、ウィングボディ等の箱型荷台を含む)に奥側から手前側に順次荷積みを行って積載容積率100%に近い状態で輸送を行うようにしている。また、荷降ろしのときは、トラックバースにてコンテナから内倉庫に全ての荷物を移動させ、積載容積率0%の状態にするようにしている。さらに、積載容積率は運転手の目視によって計測され、計測された積載容量率を運転手から管理者に報告するようにしている。
【0003】
しかしながら、積載容積率の目視による計測では、個人差が生じやすく、正確な値を把握することは難しい。また、先行車両で荷物の積み込みが行われているときに、トラックバースには別の待機車両が存在する場合があり、先行車両の積載容積率の報告は当該先行車両の荷物の積み込みが完了した後の出発直前であるため、待機車両の移動開始は先行車両の出発後となり、広大なトラックバースにおいては積載容積率の報告がタイムロスの原因となる。
【0004】
これらの事象から、積載容積率を自動的に監視することによって、積載容積率の計測による個人差や、計測された積載容積率の報告の手間をなくし、待機車両に対し積載容積率100%に近くになった先行車両の位置を事前に案内できるようにすることが望まれる。
【0005】
積載容積率を自動的に監視する技術として、特許文献1~4のように複数の地点の撮影部(カメラ、センサ)で撮影又は走査された点群データ(3次元データ)を用いて荷物の容積を認識する技術を応用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第6577687号公報
【文献】特許第6511681号公報
【文献】特開2020-60451号公報
【文献】特開2017-175483号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0008】
しかしながら、特許文献1~4に記載の技術では、荷物の容積を認識するのに複数台の撮影部が必要なため、複数台の撮影部を使用すると撮影部を設置するためのスペースが増加し、コンテナ内の荷物が置けないスペースが増加し、経済性が悪くなる可能性がある。また、複数台の撮影部を使用しても、撮影部のスペックや設置位置によっては、互いの撮影部の死角を補えない可能性がある。
【0009】
また、特許文献1~4に記載の技術では、撮影可能な最前列の荷物の形状、エッジ、寸法を認識するに留まり、コンテナ内の荷物全体の状況(特に、撮影できない箇所の荷物の状況)を正確に認識することができない可能性がある。
【0010】
また、特許文献1~4に記載の技術では、最低でも点群データが画角内で多少なりとも取得できることが前提であるため、撮影部の至近距離まで荷物が迫ると撮影できなくなり、撮影部の至近距離での荷物の状況を正確に認識することができない可能性がある。つまり、点群データを撮影する3Dセンサのような撮影部は、非点群データを撮影するアナログカメラやデジタルカメラ等とは異なり、ToF(Time of Flight)やステレオといった測距のための仕組みの制約により、数十cm~1mの近距離は仕様上、撮影できない。特に、複数台の撮影部があると、撮影部の至近距離まで荷物が迫ることが起こりやすくなり、1つの撮影部の死角部分を他の撮影部で補えなくなり、撮影部の至近距離での荷物の状況を正確に認識することができない可能性が高まる。
【0011】
さらに、特許文献3に記載の技術では、センサの至近距離に荷物がある場合、センサの死角部分にある荷物を一律補間しているので、センサから最も至近距離にある荷物及びその周辺の荷物が同じ面になり、ありえない荷物を補間して荷物の積載量を計測してしまい、計測積載量と実積載量との乖離が大きくなる可能性がある。
【0012】
本発明の主な課題は、撮影部の至近距離に荷物があっても、撮影部を複数台用いないで容積ベースでの荷物の計測積載量と実積載量との乖離を抑えることに貢献することができる積載容積率計測装置、システム、方法、及び、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の視点に係る積載容積率計測装置は、所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するように構成された監視領域指定部と、前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成するように構成されたボクセル化部と、前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算するように構成された画角オクルージョンボクセル計算部と、予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成された配列処理部と、前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するように構成された積載容積率算出部と、を備える。
【0014】
第2の視点に係る積載容積率計測システムは、所定空間を撮影した撮影データを出力するように構成された撮影部と、前記第1の視点に係る積載容積率計測装置と、を備える。
【0015】
第3の視点に係る積載容積率計測方法は、ハードウェア資源を用いて積載容積率を計測する積載容積率計測方法であって、所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するステップと、前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成するステップと、前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算するステップと、予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するステップと、前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するステップと、を含む。
【0016】
第4の視点に係るプログラムは、積載容積率を計測する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得する処理と、前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成する処理と、前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算する処理と、予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成する処理と、前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出する処理と、を前記ハードウェア資源に実行させる。
【0017】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0018】
前記第1~4の視点によれば、撮影部の至近距離に荷物があっても、撮影部を複数台用いないで容積ベースでの荷物の計測積載量と実積載量との乖離を抑えることに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態1に係る積載容積率計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図2】実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図3】撮影部の撮影可能範囲を模式的に示したイメージ図であり、(A)は斜視図、(B)は図3(A)の矢視D1から見た図、(C)は図3(A)の矢視D2から見た図である。
図4】コンテナ内の荷物を撮影部で撮影する状況の一例を模式的に示したイメージ図であり、(A)は図3(A)の矢視D1から見た図、(B)は図3(A)の矢視D2から見た図である。
図5】コンテナ内の荷物を撮影部で撮影したときの点群の一例のイメージ図であり、(A)は図3(A)の矢視D1から見た図、(B)は図3(A)の矢視D2から見た図、(C)は図3(A)の矢視D3から見た図である。
図6】撮影部で撮影された画像データから可視化することが可能な範囲を模式的に示した図3(A)の矢視D2から見たイメージ図である。
図7】コンテナ内の荷物を積載する過程での撮影部の可視化可能な荷物の可視化情報の変化を模式的に示したイメージ図である。
図8】実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の撮影からボクセル補間までの流れを模式的に示した第1例のイメージ図である。
図9】実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の撮影からボクセル補間までの流れを模式的に示した第2例のイメージ図である。
図10】実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の撮影からボクセル補間までの流れを模式的に示した第3例のイメージ図である。
図11】実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。
図12】実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の図11のステップA7の詳細な動作を模式的に示したフローチャート図である。
図13】実施形態2に係る積載容積率計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図14】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0021】
[実施形態1]
実施形態1に係る積載容積率計測システムについて図面を用いて説明する。図1は、実施形態1に係る積載容積率計測システムの構成を模式的に示したブロック図である。図2は、実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0022】
積載容積率計測システム1は、トラック10のコンテナ11内(監視領域内に相当)の荷物20(計測対象物)の積載容積率(積載容積でも可)を計測(測定)するシステムである(図1参照)。積載容積率計測システム1は、トラック、航空機、船舶等による運輸分野や、ファクトリ分野での輸送を管理するのに用いることができる。積載容積率計測システム1では、撮影部300と積載容積率計測装置200とがネットワーク400を介して通信可能に接続された構成となっている。積載容積率計測システム1では、積載容積率計測装置200が撮影部300で撮影された撮影データ(図2の100)に基づいてトラック10のコンテナ11内の荷物20の積載容積率を計測する。積載容積率計測システム1は、コンテナ11の荷物20の積み込み状況、或いは、降ろし状況に応じて積載容積率を数値化する。積載容積率計測システム1は、計測された積載容積率の数値を、撮影データ100を可視化した可視化情報(図7参照)とともに表示する。
【0023】
撮影部300は、トラック10のコンテナ11内の荷物20の表面をセンシングして撮影する機能部である(図1参照)。撮影部300は、ネットワーク400を介して積載容積率計測装置200と無線通信可能(有線通信でも可)に接続されている。撮影部300は、荷物20を撮影した撮影データ(図2の100)を積載容積率計測装置200に向けて出力する。なお、撮影データ100は、点群(多数の点の3次元座標)で描画された点群データ(3次元データ)である。撮影部300は、積載容積率の計測に必要な撮影距離、画角、屋内外、日照の有無などの環境条件や顧客要望に応じて選択することができる。また、撮影部300には、各種メーカーから販売されている製品を用いることができる。撮影部300として、例えば、ステレオカメラ、ToF(Time of Flight)カメラ、3D-LIDAR(Three Dimensions - Laser Imaging Detection and Ranging)等を用いることができる。撮影部300は、トラック10のコンテナ11内の荷物20を撮影できる位置に取り付けられ(設置でも可)、例えば、コンテナ11に取り付けたり、トラック10と倉庫との間で荷物の積み下ろしをするためにトラック10と接車するトラックバースの天井や壁面に取り付けたりすることができる。撮影部300は、1台で監視領域をカバーできれば1台あればよく、監視領域が複数箇所又は複数方向である場合は複数台あってもよい。
【0024】
ネットワーク400は、撮影部300と積載容積率計測装置200との間を通信可能に接続する有線又は無線の通信網である。ネットワーク400には、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等の通信網を用いることができる。
【0025】
積載容積率計測装置200は、撮影部300で撮影された所定空間の撮影データ100に基づいてトラック10のコンテナ11内の荷物20の積載容積率を計測する装置である(図1図2参照)。ここで、積載容積率とは、コンテナ11内の全容積に対する積載された荷物20の容積の割合(百分率)をいう。積載容積率計測装置200は、コンテナ11内の荷物20を可視化する機能を有する。積載容積率計測装置200は、監視者によって使用される。積載容積率計測装置200は、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができる。積載容積率計測装置200として、例えば、計算機、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット端末等のハードウェア資源を用いることができる。積載容積率計測装置200は、所定のプログラム(ソフトウェア)を実行することによって、前処理部210と、積載容積管理部220と、結果生成部230と、インタフェイス部240と、を実現する。
【0026】
前処理部210は、撮影部(図1の300)からの撮影データ100に対して所定の前処理(ここでは、フォーマット変換、ノイズ除去)を行う機能部である(図2参照)。前処理部210は、撮影部(図1の300)からの撮影データ100を前処理し、前処理された撮影データ100を積載容積管理部220の監視領域指定部221、及び、インタフェイス部240の表示部242に向けて出力する。前処理部210は、フォーマット変換部211と、ノイズ除去部212と、を有する。
【0027】
フォーマット変換部211は、撮影部(図1の300)の種類によって異なる撮影データ100のフォーマットを、積載容積率計測装置200において共通に使える共通フォーマットに変換する機能部である(図2参照)。フォーマット変換部211は、変換された共通フォーマットの撮影データ100を、ノイズ除去部212に向けて出力する。
【0028】
ノイズ除去部212は、フォーマット変換部211からの撮影データ100における点群の中からノイズ(計測に不要な点群)を除去する機能部である(図2参照)。ノイズ除去部212は、ノイズが除去された撮影データ100を積載容積管理部220の監視領域指定部221、及び、インタフェイス部240の表示部242に向けて出力する。ノイズ除去方法として、例えば、平滑化処理、フィルタリング(例えば、移動平均フィルタ処理、メディアンフィルタ処理など)、外れ値除去処理(例えば、カイの二乗検定による外れ値除去処理)などが挙げられる。
【0029】
積載容積管理部220は、コンテナ(図1の11)内の荷物(図1の20)の積載容積を管理する機能部である(図2参照)。積載容積管理部220は、前処理部210のノイズ除去部212からの撮影データ100、及び、インタフェイス部240の操作部241からの操作情報に基づいて積載配列データ112を作成し、作成された積載配列データ112を結果生成部230の積載容積率算出部232及びボクセル可視化部233に向けて出力する。積載容積管理部220は、監視領域指定部221と、ボクセル化部222と、配列処理部223と、配列データ群格納部224と、画角オクルージョンボクセル計算部225と、撮影部諸元データ格納部226と、を備える。
【0030】
監視領域指定部221は、前処理部210のノイズ除去部212からの撮影データ100のうち、インタフェイス部240の操作部241を用いてユーザによって指定された監視領域(例えば、コンテナ11内の空間)に存在する点群を取得する機能部である(図2参照)。ここで、監視領域とは、荷物20(計測対象物)の積載容積の変化を監視する領域をいい、撮影部300で所定空間を撮影した撮影データのうち当該所定空間において荷物20(計測対象物)が積載される領域である。監視領域指定部221は、取得された撮影データ100の監視領域内の点群をボクセル化部222に向けて出力する。
【0031】
ボクセル化部222は、監視領域指定部221で取得された撮影データ100の監視領域内の点群をボクセル化(立方体で構成されるボクセルに加工)した配列データ111を作成する機能部である(図2参照)。ボクセル化部222は、監視領域指定部221で取得された撮影データ100の監視領域を、インタフェイス部240の操作部241を用いてユーザによって指定されたボクセル辺長(立方体に係るボクセルの一辺の長さ)のボクセルで分割された仮想的なボクセルグリッド(ボクセルが3次元配列したもの)を作成する。なお、ボクセル辺長は、荷物20の最小の寸法よりも十分小さい長さを適宜採用することで誤差を抑えることができる。ここで、監視領域指定部221で取得された撮影データ100の監視領域内の点群は、解像度の問題から、主に荷物20の撮影部300側(手前側)部分のみ(点群が密になった部分)が取得され、奥方向にある部分は空白(点群が疎又は無になった部分)となる。そのため、ボクセル化部222は、作成されたボクセルグリッドのうち、撮影データ100の監視領域内の点群の点数が所定数(例えば3つ)以上存在するボクセルを有効ボクセル(図8(C)、図9(C)、図10(C)の有効ボクセル参照)とし、点群の点数が所定数未満のボクセルを無効ボクセル(図8(C)、図9(C)、図10(C)の無効ボクセル参照)とした配列データ111を作成する。有効ボクセルは、図7の「可視化情報」の塗りつぶし部分のボクセルに相当する。なお、配列データ111は、ボクセルグリッドにおける各ボクセルが有効か無効かの2値情報だけでなく、各ボクセルに存在する点群の点数に係る情報を各ボクセルに関連付けてもよく、各ボクセルに存在する点群の点数に応じた容積に係る情報を各ボクセルに関連付けてもよい。ボクセル化部222は、作成された配列データ111を配列処理部223に向けて出力する。
【0032】
配列処理部223は、配列データ111に基づいてボクセルの配列処理を行う機能部である(図2参照)。配列処理部223は、ボクセル化部222から配列データ111を取得し、画角オクルージョンボクセル計算部225から死角無効ボクセル位置情報を取得する。配列処理部223は、取得した配列データ111及び死角無効ボクセル位置情報に基づいて、インタフェイス部240の操作部241を用いてユーザによって指定されたインターバル時間の間隔ごとに、当該インターバル時間分の配列データ111を時系列に配列して関連付けた配列データ群110を作成する。配列処理部223は、作成された配列データ群110を配列データ群格納部224に格納する。
【0033】
配列処理部223は、配列データ群格納部224に格納された配列データ群110の各配列データ111を比較することで、手前にある障害物(作業者、台車、積み込み途中の荷物など)が背後にある積み込み済みの荷物20を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを配列データ群110ごとに作成する。
【0034】
ここで、推定配列データの作成では、例えば、1つの配列データ群110における配列データ111間で比較して、左右方向(例えば、X軸方向)及び上下方向(例えば、Y軸方向)の位置が同じで、かつ、前後方向(例えば、Z軸方向)の異なる位置又は同じ位置に有効ボクセルがある場合にそれらの有効ボクセルの中の最奥(左右方向及び上下方向の位置が同じで前後方向の最奥)にある有効ボクセルを選択することができる。
【0035】
また、推定配列データの作成では、例えば、1つの配列データ群110における配列データ111間で比較して、特定の位置のボクセルで無効ボクセルの数が有効ボクセルの数より多いときは当該特定の位置のボクセルを無効ボクセルとし、特定の位置のボクセルで有効ボクセルの数が無効ボクセルの数より多いときは当該特定の位置のボクセルを有効ボクセルとすることができる。
【0036】
なお、推定配列データの作成は、配列データ111間の比較だけでなく、ラベリングや機械学習等を用いて行ってもよい。配列処理部223は、作成された推定配列データを保持するようにしてもよい。
【0037】
配列処理部223は、保持された推定配列データに基づいて積載配列データ112を作成する。
【0038】
ここで、積載配列データ112の作成では、従来の配列データ111および過去データを参照するための配列データ群110に加え、画角オクルージョンボクセル計算部225からの死角無効ボクセル位置情報をも参照して死角となるオクルージョン部分の無効ボクセル(死角無効ボクセル)を推定する。死角無効ボクセルの推定は、死角となるオクルージョン部分に接する部分まで過去あるいは現在の配列データにおけるボクセルグリッド中に死角無効ボクセルが存在しているかなどの条件に基づいて行う。推定された死角無効ボクセルは、所定の条件を満たす場合には、有効ボクセルに有効化(補間)する。例えば、過去データで有効ボクセルがある部分が無効ボクセルとなっており、かつ、撮影部300から離れる方向の奥行き側にも有効ボクセルが存在しない場合は、撮影できない手前側の死角無効ボクセルを有効化する。また、空中に浮遊しているように見える有効ボクセルの真下にあるすべての無効ボクセルを有効化する。さらに、荷崩れ防止の観点から、通常、荷物の積み込みは左右壁側から実施されるため、最前の中央部分に有効ボクセルがあり、かつ、その左右方向に死角無効ボクセルがあれば、左右方向のすべての死角無効ボクセルを有効化する。
【0039】
また、積載配列データ112の作成では、監視領域指定部221で取得された撮影データ100の監視領域内の点群は、主に荷物20のセンサ側(手前側)部分のみ(点群が密になった部分)が取得され、奥方向にある部分は空白(点群が疎又は無になった部分)となるため、奥方向にある部分を補間する必要がある。そこで、奥方向にある部分の補間の1つの方法として、配列処理部223は、推定配列データにおける有効ボクセルから奥側(左右方向及び上下方向の位置が同じで前後方向の奥側)にあるすべてのボクセルを一律に有効ボクセルにするように補間することができる。ここでの補間は、荷物20は基本的に隙間をあけて詰められることはないことを前提としている。
【0040】
また、奥方向にある部分の補間の別の方法として、配列処理部223は、特定の位置のボクセルについて最新の推定配列データで無効ボクセルになっているが過去の推定配列データで有効ボクセルになっているときは、当該特定の位置のボクセルについて有効ボクセルとするように補間することができる。なお、配列処理部223は、特定の位置のボクセルについて最新の推定配列データで有効ボクセルになっているが過去の推定配列データで無効ボクセルになっているときは、新たな荷物20が追加されたとして、当該特定の位置のボクセルについて有効ボクセルを選択することができる。また、配列処理部223は、特定の位置のボクセルについて最新の推定配列データと過去の推定配列データとがともに有効ボクセルになっているときは、荷物20が存在したままとして、当該特定の位置のボクセルについて有効ボクセルを選択することができる。さらに、配列処理部223は、特定の位置のボクセルについて最新の推定配列データと過去の推定配列データとがともに無効ボクセルになっているときは、荷物20が元から存在しないとして、当該特定の位置のボクセルについて無効ボクセルを選択することができる。なお、上記の奥方向にある部分の補間の別の方法は、上記の奥方向にある部分の補間の1つの方法と組み合わせて実施してもよい。
【0041】
配列処理部223は、作成された積載配列データ112を結果生成部230の積載容積率算出部232及びボクセル可視化部233に向けて出力する。配列処理部223は、作成された積載配列データ112を保持し、新たな積載配列データ112を作成するときに、保持された積載配列データ112を用いるようにしてもよい。
【0042】
配列データ群格納部224は、配列処理部223で作成された配列データ群110を時系列に格納する機能部である(図2参照)。配列データ群格納部224は、配列処理部223の動作に応じて、配列データ群110の書き込み又は読み出しを行う。
【0043】
画角オクルージョンボクセル計算部225は、撮影部300の画角によって生ずるオクルージョン部分の無効ボクセルの位置を計算する機能部である。画角オクルージョンボクセル計算部225は、撮影部諸元データ格納部226から撮影部諸元データ113(撮影部取付位置情報及び画角情報)を取得する。画角オクルージョンボクセル計算部225は、インタフェイス部240の操作部241を用いてユーザによって指定された監視領域及びボクセル辺長を取得する。画角オクルージョンボクセル計算部225は、取得した撮影部取付位置情報、画角情報、監視領域、及び、ボクセル辺長に基づいて、配列データ111内のボクセルグリッドにおいて、撮影部300の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な無効ボクセル(図6参照)の位置情報(死角無効ボクセル位置情報)を計算する。画角オクルージョンボクセル計算部225は、計算された死角無効ボクセル位置情報を配列データ群格納部224に向けて出力する。
【0044】
撮影部諸元データ格納部226は、撮影部諸元データ113を格納する機能部である(図2参照)。撮影部諸元データ格納部226は、画角オクルージョンボクセル計算部225の動作に応じて撮影部諸元データ113の読み出しを行う。撮影部諸元データ113は、予め設定されたデータであり、撮影部取付位置情報及び画角情報を含む。撮影部取付位置情報は、撮影部300が取り付けられた位置に係る情報である。撮影部取付位置情報として、例えば、コンテナ11内の撮影部300が取り付けられた座標に係る情報とすることができる。画角情報は、撮影部300の水平画角、垂直画角、及び、振り角(光軸の角度)に係る情報である。
【0045】
結果生成部230は、積載容積管理部220の配列処理部223からの積載配列データ112に基づいて積載容積率に関する結果を時系列に生成する機能部である(図2参照)。結果生成部230は、警告値指定部231と、積載容積率算出部232と、ボクセル可視化部233と、を有する。
【0046】
警告値指定部231は、インタフェイス部240の操作部241を用いてユーザによって指定された警告値を、積載容積率算出部232又はボクセル可視化部233に対して指定する機能部である(図2参照)。ここで、警告値は、警告を行う条件の閾値である。例えば、警告値指定部231は、積載容積率が「90%」以上のときに警告(例えば、トラックバースの待機車両への連絡)する場合は「90%」に係る警告値を積載容積率算出部232に対して指定する。また、警告値指定部231は、コンテナ11内の手前の荷物20と奥側の荷物20との高さの変化が「2m」以上のときに警告(例えば、コンテナ11内での荷崩れ防止)する場合は「2m」に係る警告値をボクセル可視化部233に対して指定する。
【0047】
積載容積率算出部232は、積載容積管理部220の配列処理部223からの積載配列データ112に基づいて積載容積率を算出する機能部である(図2参照)。積載容積率算出部232は、コンテナ11の奥側から順に荷物20が積み込まれていく過程、或いは、手前から順に荷物20が降ろされていく過程の積載容積率を算出する。積載容積率は、例えば、積載配列データ112における全ボクセル数(有効ボクセルか無効ボクセルかは不問)に対する有効ボクセル数の割合(百分率)を算出することにより算出することができる。積載容積率算出部232は、算出された積載容積率に係る情報を表示部242に向けて出力する。積載容積率算出部232は、算出された積載容積率が、警告値指定部231から指定された警告値(例えば、積載容積率90%)以上のときは、警告表示情報を、算出された積載容積率に係る情報とともに表示部242に向けて出力する。なお、荷物20の形状が不定形であるなどのようにコンテナ11内の高さを考慮することが不適切な場合、つまり、荷物20の上方に空間があっても、コンテナ11の床面全面が荷物20で占有された場合は、積載容積率100%とみなしてもよい。
【0048】
ボクセル可視化部233は、積載容積管理部220の配列処理部223からの積載配列データ112に基づいて有効ボクセルを可視化した可視化情報を作成する機能部である(図2参照)。ボクセル可視化部233は、有効ボクセルを可視化するために、積載配列データ112のイメージにグリッド線を描画した可視化情報を作成する。これにより、点群だけでは確認できない積載状況を可視化することができる。ボクセル可視化部233は、作成された可視化情報を表示部242に向けて出力する。ボクセル可視化部233は、作成された可視化情報において、警告値指定部231から指定された警告値(例えば、高さ変化2m)以上の箇所があるときは、警告表示情報を、作成された可視化情報とともに表示部242に向けて出力する。
【0049】
インタフェイス部240は、ユーザと積載容積率計測装置200との間の情報のやりとりを行う機能部である(図2参照)。インタフェイス部240は、操作部241と、表示部242と、を有する。
【0050】
操作部241は、ユーザの操作を受ける機能部である(図2参照)。ユーザは、操作部241を操作(例えば、キーボード操作、マウスのクリック操作、タッチパネルのタップ操作等)することにより入力されたデータ(例えば、文字、数字、位置、領域等)を積載容積管理部220の監視領域指定部221、ボクセル化部222、配列処理部223、又は、画角オクルージョンボクセル計算部225、若しくは、結果生成部230の警告値指定部231に向けて出力する。操作部241は、ユーザの操作により、監視領域指定部221への監視領域の指定を行う。操作部241は、ユーザの操作により、ボクセル化部222へのボクセル辺長の指示を行う。操作部241は、ユーザの操作により、配列処理部223へのインターバル時間の指示を行う。操作部241は、ユーザの操作により、画角オクルージョンボクセル計算部225への監視領域及びボクセル辺長の指定(監視領域指定部221及びボクセル化部222への指定と同じ指定)を行う。操作部241は、ユーザの操作により、警告値指定部231への警告値の指定を行う。操作部241は、ユーザの操作により、本構成機能における全体処理の開始・終了を指示する。
【0051】
表示部242は、各種情報を表示する機能部である(図2参照)。表示部242は、前処理部210のノイズ除去部212からの前処理後の撮影データ100を表示する。表示部242は、結果生成部230の積載容積率算出部232からの積載容積率、警告表示情報を表示する。表示部242は、結果生成部230のボクセル可視化部233からの可視化情報、警告表示情報を表示する。警告表示情報の表示の仕方として、例えば、背景の色を変化又は点滅させることができる。なお、表示部242で表示される情報は、スピーカを用いて音声出力してもよく、プリンタで印刷してもよく、他の端末に送信出力してもよい。
【0052】
次に、撮影部の仕様から生じる死角となるオクルージョン部分の補間について、図面を用いて説明する。図3は、撮影部の撮影可能範囲を模式的に示したイメージ図であり、(A)は斜視図、(B)は図3(A)の矢視D1から見た図、(C)は図3(A)の矢視D2から見た図である。図4は、コンテナ内の荷物を撮影部で撮影する状況の一例を模式的に示したイメージ図であり、(A)は図3(A)の矢視D1から見た図、(B)は図3(A)の矢視D2から見た図である。図5は、コンテナ内の荷物を撮影部で撮影したときの点群の一例のイメージ図であり、(A)は図3(A)の矢視D1から見た図、(B)は図3(A)の矢視D2から見た図、(C)は図3(A)の矢視D3から見た図である。図6は、撮影部で撮影された画像イメージから可視化することが可能な範囲を模式的に示した図3(A)の矢視D2から見たイメージ図である。図7は、コンテナ内の荷物を積載する過程での撮影部の可視化可能な荷物の可視化情報の変化を模式的に示したイメージ図である。図8図10は、実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の撮影からボクセル補間までの流れを模式的に示したイメージ図である。
【0053】
撮影部300は、仕様として水平方向及び垂直方向に画角(水平画角及び垂直画角)を有し、奥行き方向に向かう連続した各平面内で長方形又は楕円形の画角範囲内を撮影する(図3(A)~(C)参照)。画角範囲が楕円形となるのは、一部のLIDARである。撮影部300は、撮影部300と計測対象部(図示せず)との間に遮蔽物(図示せず)があれば撮影部300から遮蔽物までの距離を測定し、遮蔽物より奥にある計測対象物は撮影されない。撮影部300の画角範囲は、撮影部300に近づけば近づくほど狭い範囲になる。撮影部300は、ある至近距離(機種によるが数十cm~1m)になると、撮影不能になる。トラックのコンテナ11内という狭い空間で撮影部300を使用した場合、荷積みの量によって狭い範囲しか撮影できなくなるケースが発生する(図4(A)、(B)参照)。図4(A)では撮影部300の左右側のコンテナ11側面に近い部分がオクルージョン(遮蔽領域)となり、図5(A)、(C)のように左右側のコンテナ11側面に近い部分で点群のないオクルージョンとなる。図4(B)ではコンテナ11底面に近い部分がオクルージョンとなり、図5(B)、(C)のようにコンテナ11底面に近い部分で点群のないオクルージョンとなる。
【0054】
撮影部300で撮影された画像データ(点群)のボクセル化によって可視化可能な可視化可能範囲は図6のようになる。ボクセル化部(図2の222)で有効化されうる有効ボクセルは可視化可能範囲内にあり、有効化されることがない無効ボクセルは可視化可能範囲外にある。図6の例では垂直画角に特化しているが、水平画角も考慮して処理される。図6の可視化可能範囲は、監視領域指定部(図2の221)に指定された監視領域内にある。このような視覚化可能範囲は、撮影部300の取り付け位置及び振り角(監視領域との相対的な位置、及び、光軸の角度)、並びに、使用する撮影部300の特有の撮影可能最低距離及び画角の要素から計算でき、ボクセルグリッドにおける死角や撮影不可能領域も同じ要素から計算することができる。
【0055】
コンテナ内の荷物を積載する過程での撮影部の可視化可能な荷物の可視化情報の変化の一例を図7に示す。撮影部300の画角の影響がないコンテナの奥の荷物は過去データからの推定補間を行うことができるが、荷物が手前にあるほど、撮影できていない部分(図7の視覚化不能な荷物20bに相当)が多くなり、過去データから推定補間ができなくなり、実積載量との乖離が大きくなる。
【0056】
そこで、図8図10のように所定の条件を満たす無効ボクセルを有効化する補間を行う。図8図10では、まず、図8(A)、図9(A)、図10(A)のように撮影部300でコンテナ11内の荷物20を撮影し、撮影された撮影データから図8(B)、図9(B)、図10(B)のような点群を取得する。次に、当該点群がある位置のボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成し、作成された配列データのボクセルを、図8(C)、図9(C)、図10(C)のように正面側から奥方向に投射した投射配列データを作成する。次に、投射配列データにおいて、死角となる無効ボクセルの直上の各★印(図10(C)では各×印を含む)をつけた有効ボクセルと同じ面にある無効ボクセルを、図8(D)、図9(D)、図10(D)のように有効化する。ただし、図9(C)(D)のように奥の有効ボクセルの下であってその手前に有効ボクセルがある場合、奥の有効ボクセルの下の無効ボクセルはこの段階では有効化せず、手前の最前の有効ボクセルの下の無効ボクセルを有効化する。なお、死角にある無効ボクセルの手前方向をどれだけ有効にするかは、荷積み進捗方向の平面で時系列データを確認し、単位時間あたりの手前方向への進捗増分などから判断する。
【0057】
まとめると、撮影部300のスペック上の画角から、撮影できない範囲を把握し、所定の条件を満たす無効ボクセルを有効化(補間)する。過去データで積荷がある部分(点群が取得できている部分)が消失し、撮影部300から離れる方向の奥行き側にも点群が存在しない場合は、撮影できない手前側に荷物が置かれたものと判定する。また、荷物は空中に浮遊しない(上方で点群を取得できた)、あるいは、荷物が置かれていると判定された部分の下方向には荷物が存在すると判定する。なお、撮影部300の上下左右と実世界の上下左右は紐づける必要がある。さらに、荷崩れ防止の観点から、通常、荷物の積み込みは左右壁側から実施されるため、中央部分に荷物があれば、左右方向にも荷物が存在すると判定する。
【0058】
実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の動作について図面を用いて説明する。図11は、実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の動作を模式的に示したフローチャート図である。なお、積載容積率計測システム及び積載容積率計測装置の構成部については図1及び図2を参照されたい。
【0059】
まず、積載容積率計測装置200のインタフェイス部240の操作部241は、ユーザの操作により、パラメータを設定する(ステップA1)。パラメータの設定では、監視領域指定部221への監視領域の指定、ボクセル化部222へのボクセル辺長の指定、配列処理部223への配列データ111を関連付けるインターバル時間の指定、画角オクルージョンボクセル計算部225への監視領域及びボクセル辺長の指定、警告値指定部231への警告値(積載容積率、荷物の高さ変化)の指定などが行われる。なお、監視領域の指定は、例えばコンテナの内寸に合わせた、計測が必要な領域全体を指定する。また、画角オクルージョンボクセル計算部225への監視領域及びボクセル辺長の指定は、監視領域指定部221及びボクセル化部222への監視領域及びボクセル辺長の指定と同じである。
【0060】
ステップA1の後、又は、積載容積率が変化している場合(ステップA12のYES)、積載容積率計測装置200の前処理部210のフォーマット変換部211は、撮影部300から撮影データ100(3次元点群)を逐次取得する(ステップA2)。ここで、撮影部300は、トラック10のコンテナ11内全域を撮影しているものとする。
【0061】
次に、フォーマット変換部211は、撮影データ100のフォーマットを、積載容積率計測装置200において共通に使える共通フォーマットに変換する(ステップA3)。
【0062】
次に、積載容積率計測装置200の前処理部210のノイズ除去部212は、フォーマット変換部211からの撮影データ100における点群の中からノイズ(計測に不要な点群)を除去する(ステップA4)。
【0063】
次に、積載容積率計測装置200の積載容積管理部220の監視領域指定部221は、ノイズ除去部212からの撮影データ100のうち、操作部241によって指定された監視領域に存在する点群を取得する(ステップA5)。
【0064】
次に、積載容積率計測装置200の積載容積管理部220のボクセル化部222は、監視領域指定部221で取得された撮影データ100の監視領域内の点群をボクセル化した配列データ111を作成する(ステップA6)。ここで、配列データ111の作成では、監視領域を、操作部241によって指定されたボクセル辺長のボクセルで分割された仮想的なボクセルグリッドを作成し、作成されたボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、撮影データ100の監視領域内の点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとし、点群の点数が所定数未満のボクセルを無効ボクセルとした配列データ111を作成することができる。
【0065】
次に、積載容積率計測装置200の画角オクルージョンボクセル計算部225は、死角無効ボクセル位置情報(撮影部300の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な無効ボクセルの位置情報)を計算する(ステップA7)。ここで、死角無効ボクセル位置情報の計算では、操作部241によって指定された監視領域及びボクセル辺長、並びに、撮影部諸元データ格納部226から取得した撮影部諸元データ113(撮影部取付位置情報及び画角情報)に基づいて、管理領域内のボクセル辺長のボクセルで分割されたボクセルグリッドにおける死角無効ボクセルの位置情報を計算する。
【0066】
次に、積載容積率計測装置200の積載容積管理部220の配列処理部223は、ボクセル化部222からの時系列の複数の配列データ111、画角オクルージョンボクセル計算部225からの死角無効ボクセル位置情報に基づいて、所定の条件を満たすオクルージョン部分(死角、物体の影等になる部分を含む)の無効ボクセルを有効ボクセルとするように補間した積載配列データ112を作成する(ステップA8)。ステップA7の詳細については後述する。
【0067】
ここで、積載配列データ112の作成では、ボクセル化部222からの配列データ111を、操作部241によって指定されたインターバル時間の間隔ごとに、当該インターバル時間分の配列データ111を時系列に配列して関連付けた配列データ群110を作成し、作成された配列データ群110を配列データ群格納部224に格納し、格納された配列データ群110の各配列データ111を比較することでオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを配列データ群110ごとに作成し、作成された推定配列データの有効ボクセルに基づいて、その真下方向、左右方向、及び奥方向にある無効ボクセル(死角無効ボクセルを含む)を有効化(補間)した積載配列データ112を作成する。
【0068】
次に、積載容積率計測装置200の結果生成部230の積載容積率算出部232は、積載容積管理部220の配列処理部223からの積載配列データ112に基づいて積載容積率を算出する(ステップA9)。積載容積率の算出の際、算出された積載容積率が、警告値指定部231から指定された警告値以上であるか否かを判定する。
【0069】
次に、積載容積率計測装置200の結果生成部230のボクセル可視化部233は、積載容積管理部220の配列処理部223からの積載配列データ112に基づいて有効ボクセルを可視化した可視化情報を作成する(ステップA10)。可視化情報の作成の際、作成された可視化情報において、警告値指定部231から指定された警告値以上の高さの変化があるか否かを判定する。ここで、可視化情報の作成では、積載配列データ112のイメージにグリッド線を描画することができる。なお、ステップA10は、ステップA9と同時に行ってもよく、ステップA9より先に行ってもよい。
【0070】
次に、積載容積率計測装置200のインタフェイス部240の表示部242は、積載容積率算出部232からの積載容積率(判定結果が警告値以上の積載容積率である場合は警告表示情報)、及び、ボクセル可視化部233からの可視化情報(判定結果が警告値以上の高さの変化がある場合は警告表示情報)を表示する(ステップA11)。表示された積載容積率の値は、積載容積率計測装置200に保存する。
【0071】
次に、積載容積率計測装置200は、今回表示した積載容積率の値が前回表示した積載容積率の値から変化しているか否かを判定する(ステップA12)。積載容積率の値の変化は、所定回数(例えば、3回)変化がなかったときに変化なしとすることができる。積載容積率の値の変化がある場合(ステップA12のYES)、ステップA2に戻る。積載容積率の値の変化がない場合(ステップA12のNO)、終了する。
【0072】
次に、実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置のステップA7の詳細な動作について図面を用いて説明する。図12は、実施形態1に係る積載容積率計測システムにおける積載容積率計測装置の図11のステップA7の詳細な動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0073】
ステップA7で無効ボクセル位置情報を計算した後、積載容積率計測装置200の積載容積管理部220の配列処理部223は、ボクセル化部222からの時系列の複数の配列データ111において監視領域内に有効ボクセルが存在するか否かを判断する(ステップB1)。監視領域内に有効ボクセルが存在しない場合(ステップB1のNO)、ステップB9に進む。
【0074】
監視領域内に有効ボクセルが存在する場合(ステップB1のYES)、配列処理部223は、時系列の複数の配列データ111に基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、作成された推定配列データにおける有効ボクセルを2次元平面に射影(例えば、図8(C)、図9(C)、図10(C)参照)する(ステップB2)。
【0075】
ステップB2の後、配列処理部223は、射影された2次元平面の全領域が有効ボクセルである否かを判断する(ステップB3)。2次元平面の全領域が有効ボクセルである場合(ステップB3のYES)、ステップB8に進む。
【0076】
2次元平面の一部が有効ボクセルでない場合(ステップB3のNO)、配列処理部223は、配列データ群格納部224から配列データ群110の過去データを読み出して参照する(ステップB4)。
【0077】
ステップB4の後、配列処理部223は、ステップA7で計算された死角無効ボクセル位置情報を用いて、過去データの最前の有効ボクセルから所定距離以内に、現在の配列データ111における3次元ボクセルの最前の有効ボクセルと同じ面にある死角無効ボクセルが存在するか否かを判断する(ステップB5)。過去データの最前の有効ボクセルから所定距離以内に死角無効ボクセルが存在しない場合(ステップB5のNO)、ステップB8に進む。
【0078】
過去データの最前の有効ボクセルから所定距離以内に死角無効ボクセルが存在する場合(ステップB5のYES)、配列処理部223は、現在の配列データ111における3次元ボクセルの最前の有効ボクセルの左右方向に存在するすべての死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化する(ステップB6)。
【0079】
ステップB6の後、配列処理部223は、現在の配列データ111における3次元ボクセルの最前の有効ボクセル(ステップB6で有効化された有効ボクセルを含む)の下方向にある全ての死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化する(ステップB7)。
【0080】
全領域が有効ボクセルである場合(ステップB3のYES)、過去データの最前の有効ボクセルから所定距離以内に死角無効ボクセルが存在しない場合(ステップB5のNO)、又は、ステップB7の後、配列処理部223は、現在の配列データ111における3次元ボクセルの最前の有効ボクセル(ステップB6、ステップB7で有効化された有効ボクセルを含む)の奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し(ステップB8)、その後、図11のステップA9に進む。
【0081】
監視領域内に有効ボクセルが存在しない場合(ステップB1のNO)、配列処理部223は、ボクセル化部222からの時系列の複数の配列データ111において監視領域外に有効ボクセルが存在するか否かを判断する(ステップB9)。
【0082】
監視領域外に有効ボクセルが存在する場合(ステップB9のYES)、又は、荷物の積載がない場合(ステップB12のNO)、配列処理部223は、監視領域内に荷物の積載がないと判断し(ステップB10)、その後、図11のステップA9に進む。
【0083】
監視領域外に有効ボクセルが存在しない場合(ステップB9のNO)、配列処理部223は、配列データ群格納部224から配列データ群110の過去データを読み出して参照する(ステップB11)。
【0084】
ステップB11の後、配列処理部223は、配列データ群110の過去データにおいて監視領域内に荷物の積載があるか否かを判断する(ステップB12)。荷物の積載がない場合(ステップB12のNO)、ステップB10に進む。
【0085】
荷物の積載がある場合(ステップB12のYES)、配列処理部223は、過去データ分の有効ボクセルに対応する、現在の配列データ111における3次元ボクセルの無効ボクセルを有効化する(ステップB13)。
【0086】
ステップB13の後、配列処理部223は、過去データを参照して有効ボクセルが存在しない状態が所定時間以上継続しているか否かを判断する(ステップB14)。
【0087】
有効ボクセルが存在しない状態が所定時間以上継続している場合(ステップB14のYES)、配列処理部223は、監視領域の全体に積載が済んだと判断し(ステップB15)、その後、図11のステップA9に進む。
【0088】
有効ボクセルが存在しない状態が所定時間以上継続していない場合(ステップB14のNO)、配列処理部223は、監視領域への荷物の積載中の可能性があると判断し(ステップB16)、その後、図11のステップA9に進む。
【0089】
実施形態1によれば、撮影部300で撮影された撮影データ100の監視領域の点群をボクセル化し、監視領域における最前の有効ボクセルの左右方向及び下方にある全ての死角無効ボクセルを有効化し、奥方向にある全ての無効ボクセルを有効化して積載容積率を算出することで、撮影部の至近距離に荷物があっても、撮影部を複数台用いないで容積ベースでの荷物の計測積載量と実積載量との乖離を抑えることに貢献することができる。これにより、積載容積率を自動的に監視しつつ、荷物全体の状況を正確に認識することに貢献することができる。また、撮影部300の仕様から生じるオクルージョンを除去することができるとともに、複数台の撮影部300を設置して死角が生じる場合でも適用可能になり、撮影部300をトラックに近づけて設置したり、撮影部300をコンテナ内へ設置してもより適切な積載の可視化が可能になるので、撮影部300の設置場所のフレキシビリティ(柔軟性、融通性)が高まる。
【0090】
また、実施形態1によれば、コンテナ11の奥から順次手前方向に積み込まれる荷物20、あるいは、逆に手前方向から順次下ろされる荷物20について、積載容積および積載容積率を定量的に可視化することができる。これにより、荷物20の積み込みを実施する人員の個別判断に依存しない、監視者が判断しやすいデータをリアルタイムに提供することができる。
【0091】
また、実施形態1によれば、撮影データ100を時系列に解析することで、撮影部300を1台のみ使用することで発生する作業中の人物などの一時的なオクルージョン要因による結果への影響を低減することができる。
【0092】
また、実施形態1によれば、撮影データ100の監視領域の点群をボクセル化(随時データを単位グリッドで分割したボクセルの配列へと変換)することで、計算量を削減することができ、疎になったデータの補間処理や、オクルージョンで欠落した部分の推定処理を簡略化することができ、高速な演算を行うことができる。
【0093】
[実施形態2]
実施形態2に係る積載容積率計測装置について図面を用いて説明する。図13は、実施形態2に係る積載容積率計測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0094】
積載容積率計測装置200は、監視領域内の計測対象物の積載容積率を計測する装置である。積載容積率計測装置200は、監視領域指定部221と、ボクセル化部222と、画角オクルージョンボクセル計算部225と、配列処理部223と、を備える。
【0095】
監視領域指定部221は、所定空間を撮影部(図示せず)で撮影した撮影データ100のうち当該所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するように構成されている。
【0096】
ボクセル化部222は、監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データ111を作成するように構成されている。
【0097】
画角オクルージョンボクセル計算部225は、撮影部(図示せず)が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、撮影部の画角に係る画角情報、監視領域、及び、ボクセル辺長に基づいて、配列データ111内のボクセルグリッドにおいて、撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報114を計算するように構成されている。
【0098】
配列処理部223は、予め指定されたインターバル時間内にある複数の配列データ111に基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成するように構成されている。配列処理部223は、所定の条件を満たす場合に、推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データ112を作成するように構成されている。
【0099】
積載容積率算出部232は、積載配列データ112に基づいて、監視領域内の全容積に対する監視領域内に積載された計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するように構成されている。
【0100】
実施形態2によれば、撮影部で撮影された撮影データ100の監視領域の点群をボクセル化し、所定の条件を満たす場合に、監視領域における最前の有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての死角無効ボクセルを有効化し、奥方向にある全ての無効ボクセルを有効化して積載容積率を算出することで、撮影部の至近距離に荷物があっても、撮影部を複数台用いないで容積ベースでの荷物の計測積載量と実積載量との乖離を抑えることに貢献することができる。
【0101】
なお、実施形態1、2に係る積載容積率計測装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図14に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源1000は、内部バス1004により相互に接続される、プロセッサ1001、メモリ1002、ネットワークインタフェイス1003等を備える。
【0102】
なお、図14に示す構成は、ハードウェア資源1000のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源1000は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ1001等のユニットの数も図14の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ1001がハードウェア資源1000に含まれていてもよい。プロセッサ1001には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0103】
メモリ1002には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0104】
ネットワークインタフェイス1003には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0105】
ハードウェア資源1000の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0106】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0107】
[付記1]
所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するように構成された監視領域指定部と、
前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成するように構成されたボクセル化部と、
前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算するように構成された画角オクルージョンボクセル計算部と、
予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成された配列処理部と、
前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するように構成された積載容積率算出部と、
を備える積載容積率計測装置。
[付記2]
前記配列処理部は、複数の前記配列データにおいて前記監視領域内に有効ボクセルが存在するときに、前記推定配列データを作成するように構成されている、
付記1記載の積載容積率計測装置。
[付記3]
前記配列処理部は、前記推定配列データにおける前記有効ボクセルを2次元平面に射影し、前記所定の条件として、前記2次元平面の一部に前記有効ボクセルが存在しないときに、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化するように構成されている、
付記1又は2記載の積載容積率計測装置。
[付記4]
前記配列処理部は、前記積載配列データを作成する際、前記所定の条件として、過去データの最前の有効ボクセルの位置から所定距離以内に死角無効ボクセルが存在するときに、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、有効化後の最前の前記有効ボクセルの下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化するように構成されている、
付記1乃至3のいずれか一に記載の積載容積率計測装置。
[付記5]
前記配列処理部は、下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した後に、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化するように構成されている、
付記4記載の積載容積率計測装置。
[付記6]
前記配列処理部は、前記積載配列データを作成する際、前記所定の条件として、過去データの最前の有効ボクセルの位置から所定距離以内に死角無効ボクセルが存在しないときに、全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成されている、
付記1乃至5のいずれか一に記載の積載容積率計測装置。
[付記7]
前記配列処理部は、前記所定の条件として、前記2次元平面の全領域に前記有効ボクセルが存在するときに、全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するように構成されている、
付記3記載の積載容積率計測装置。
[付記8]
所定空間を撮影した撮影データを出力するように構成された撮影部と、
付記1乃至7のいずれか一に記載の積載容積率計測装置と、
を備える積載容積率計測システム。
[付記9]
ハードウェア資源を用いて積載容積率を計測する積載容積率計測方法であって、
所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得するステップと、
前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成するステップと、
前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算するステップと、
予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成するステップと、
前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出するステップと、
を含む積載容積率計測方法。
[付記10]
積載容積率を計測する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
所定空間を撮影部で撮影した撮影データのうち前記所定空間において計測対象物が積載される領域が指定された監視領域に存在する点群を取得する処理と、
前記監視領域を、予め指定されたボクセル辺長のボクセルで分割したボクセルグリッドにおけるボクセルのうち、前記点群の点数が所定数以上存在するボクセルを有効ボクセルとした配列データを作成する処理と、
前記撮影部が取り付けられた位置に係る撮影部取付位置情報、前記撮影部の画角に係る画角情報、前記監視領域、及び、前記ボクセル辺長に基づいて、前記配列データ内の前記ボクセルグリッドにおいて、前記撮影部の死角となるオクルージョン部分の視覚化不能な死角無効ボクセルの位置に係る死角無効ボクセル位置情報を計算する処理と、
予め指定されたインターバル時間内にある複数の前記配列データに基づいて、手前にある障害物が背後にある計測対象物を隠して見えなくしているオクルージョン部分を除外した状態の有効ボクセルを推定した推定配列データを作成し、所定の条件を満たす場合に、前記推定配列データにおける最前の前記有効ボクセルの左右方向ないし下方向にある全ての前記死角無効ボクセルを有効ボクセルに有効化し、かつ、有効化後の全ての前記有効ボクセルの奥方向にある全ての無効ボクセルを有効ボクセルに有効化した積載配列データを作成する処理と、
前記積載配列データに基づいて、前記監視領域内の全容積に対する前記監視領域内に積載された前記計測対象物の容積の割合である積載容積率を算出する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【0108】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0109】
1 積載容積率計測システム
10 トラック
11 トラックコンテナ
20 荷物
20a 視覚化可能な荷物
20b 視覚化不能な荷物
100 撮影データ
110 配列データ群
111 配列データ
112 積載配列データ
113 撮影部諸元データ
114 死角無効ボクセル位置情報
200 積載容積率計測装置
210 前処理部
211 フォーマット変換部
212 ノイズ除去部
220 積載容積管理部
221 監視領域指定部
222 ボクセル化部
223 配列処理部
224 配列データ群格納部
225 画角オクルージョンボクセル計算部
226 撮影部諸元データ格納部
230 結果生成部
231 警告値指定部
232 積載容積率算出部
233 ボクセル可視化部
240 インタフェイス部
241 操作部
242 表示部
300 撮影部
400 ネットワーク
1000 ハードウェア資源
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ネットワークインタフェイス
1004 内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14