(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報共有システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/163 20240101AFI20240521BHJP
【FI】
G06Q50/163
(21)【出願番号】P 2023138614
(22)【出願日】2023-08-29
【審査請求日】2023-08-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523207375
【氏名又は名称】合同会社COREHITS
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】新井 一成
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056960(JP,A)
【文献】特開2002-157188(JP,A)
【文献】特開2001-186190(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2023-0061814(KR,A)
【文献】特開2018-055508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅内の各住人に共有したい情報を登録するための情報処理部と、
前記情報処理部により登録された前記情報に対してネットワークにログインしてアクセスするために必要なアカウントであって前記各住人の部屋番号のみを用いて前記各住人のアカウントを登録するアカウント処理部と、
前記アカウントに基づいて前記情報を閲覧したか否かを記録する閲覧処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、前記アカウントによって前記各住人を区別しつつ個別にメッセージを送信
し、
前記情報は、前記集合住宅の周辺の店舗の商品又はサービスに関する広告を含み、
前記広告に関し前記店舗から支払われる広告料を前記集合住宅に関連する費用に割り当てるための広告費分配処理部を備えることを特徴とする情報共有システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報共有システムにおいて、
所定の言語で記載された前記情報を前記所定の言語以外の別の言語に翻訳する翻訳処理部を備えることを特徴とする情報共有システム。
【請求項3】
請求項1に記載の情報共有システムにおいて、
前記情報は、前記集合住宅でゴミを出すためのスケジュールを含むことを特徴とする情報共有システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報共有システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、マンションやアパート等の集合住宅において、各住人に情報を共有したいときには、紙の回覧板が用いられている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、両開き回覧板の左端中央と右端上部に書類を綴じ込む金具クリップを取り付け、左綴じ、右綴じの書類・パンフレット等をそのまま回覧できるようにした回覧板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような紙の回覧板では、各住宅に順番に回覧していく必要があり、旅行や外出が続いている家庭があれば回覧してもらえないため、全ての住宅の回覧を終えるのに時間がかかることがある。
【0005】
本発明の目的は、集合住宅の各住人に迅速に情報共有することを可能とする情報共有システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報共有システムは、集合住宅内の各住人に共有したい情報を登録するための情報処理部と、
前記情報処理部により登録された前記情報に対してネットワークにログインしてアクセスするために必要なアカウントであって前記各住人の部屋番号のみを用いて前記各住人のアカウントを登録するアカウント処理部と、
前記アカウントに基づいて前記情報を閲覧したか否かを記録する閲覧処理部と、
を備え、
前記情報処理部は、前記アカウントによって前記各住人を区別しつつ個別にメッセージを送信し、
前記情報は、前記集合住宅の周辺の店舗の商品又はサービスに関する広告を含み、
前記広告に関し前記店舗から支払われる広告料を前記集合住宅に関連する費用に割り当てるための広告費分配処理部を備えることを特徴とする情報共有システム。
【0007】
また、本発明に係る情報共有システムにおいて、所定の言語で記載された前記情報を前記所定の言語以外の別の言語に翻訳する翻訳処理部を備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る情報共有システムにおいて、前記情報は、前記集合住宅でゴミを出すためのスケジュールを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、集合住宅の各住人に迅速に情報共有することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態の情報共有システムを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の情報共有システムのホーム画面を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の情報共有システムにおいて、アカウント情報を表示した画面を示す図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の情報共有システムにおいて、集合住宅の住人に共有するお知らせのリストが表示される画面を示す図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の情報共有システムにおいて、集合住宅においてゴミ出しのスケジュールが表示される画面を示す図である。
【
図6】本発明に係る実施形態の情報共有システムにおいて、集合住宅の住人の家族の連絡先を登録する画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0013】
図1は、本発明に係る実施形態の情報共有システム10を示す図である。
図2は、本発明に係る実施形態の情報共有システム10のホーム画面を示す図である。
【0014】
図3は、本発明に係る実施形態の情報共有システム10において、アカウント情報を表示した画面を示す図である。
図4は、本発明に係る実施形態の情報共有システム10において、集合住宅の住人に共有するお知らせのリストが表示される画面を示す図である。
【0015】
図5は、本発明に係る実施形態の情報共有システム10において、集合住宅においてゴミ出しのスケジュールが表示される画面を示す図である。
図6は、本発明に係る実施形態の情報共有システム10において、集合住宅の住人の家族の連絡先を登録する画面を示す図である。
【0016】
情報共有システム10は、集合住宅の各住人4に迅速に情報共有するためのシステムである。情報共有システム10は、情報処理部12と、アカウント処理部14と、閲覧処理部16と、翻訳処理部18と、広告費分配処理部20と、記憶部22とを備えている。
【0017】
情報共有システム10は、ネットワーク2を介して集合住宅の住人4、集合住宅の自治会6及び集合住宅の管理会社8に接続されている。
【0018】
情報処理部12は、集合住宅内の各住人4に共有したい情報を登録する機能を有する。情報処理部12によって登録された情報は、記憶部22に記憶される。ここで、集合住宅とは、1棟の建物に壁や床で区切られて独立した複数の住宅が区画されて存在している住宅のことを言い、例えば、アパートやマンションなどが含まれている。
【0019】
集合住宅が1棟の場合は、各住人4が居住する部屋番号で夫々区別することが出来る。また、集合住宅が複数の棟である場合、例えば、「A棟 101号室」などのように棟の名前を含めた部屋番号で区別することが可能である。
【0020】
情報は、集合住宅の住人4に共有したい知らせのことであり、例えば、自治会が開催される日程や自治会で決定した内容などである。また、情報は、集合住宅でゴミを出すためのスケジュールを含んでいる。そして、情報は、集合住宅の周辺の店舗の商品又はサービスに関する広告を含んでいる。
【0021】
情報処理部12は、自治会6又は管理会社8から各住人4に対して、上述したように、自治会の議事録、ゴミ出しのスケジュールなどのように一括して伝えているメッセージ(情報)を送信する機能の他、戸別に伝えたい内容を送信することも出来る。
【0022】
また、近年の独居老人の見守り機能の代替機能として、例えば、独居老人の家族のメールアドレスなどを事前登録し、独居老人がアクセスして「見たよ」のボタンなどを操作することで、安否確認をすることも出来る。
【0023】
アカウント処理部14は、情報処理部12により登録された情報にアクセスするために必要なアカウントであって各住人4の部屋番号のみを用いて各住人4のアカウントを登録する機能を有する。なお、アカウントを登録するために必要な情報は、記憶部22に記録される。
【0024】
ここで、アカウントとは、ユーザ(住人4)がネットワークやコンピュータやサイトなどにログインするための権利のことであり、住人4ごとに識別可能な情報の登録が必要である。一般的には、名前、生年月日、メールアドレス、電話番号などの個人情報が必要とされているが、これらの個人情報を登録することに抵抗がある人もいるため、各住人4の部屋番号のみによって識別することを特徴としている。
【0025】
閲覧処理部16は、アカウントに基づいて情報を閲覧したか否かを記録する機能を有する。閲覧処理部16は、住人4がアカウントを用いて情報共有システム10内にログインし、記憶部22に記録された情報を閲覧すると、どのアカウントがどの情報にアクセスしたかが識別可能であるため、この情報を記憶部22に記憶することが出来る。なお、この閲覧記録の情報を上記独居老人の安否確認の情報を家族のメールアドレスに送信してもよい。
【0026】
翻訳処理部18は、所定の言語で記載された情報を所定の言語以外の別の言語に翻訳する機能を有する。日本国内の集合住宅では日本人など日本語を理解できる人が住んでいることが多いが、日本語が出来ない外国籍の方が居住していることもあるため、日本語で書かれた情報をその他の言語(英語、韓国語、中国語、タイ語、ベトナム語等)に自動翻訳する機能を有している。
【0027】
広告費分配処理部20は、集合住宅の周辺の店舗などから各住人4に対して広告を表示した際に、広告に関し店舗から支払われる広告料を集合住宅に関連する費用に割り当てる機能を有する。
【0028】
集合住宅の各住人4は、エリアが明確であるため、ターゲットを絞って広告を出すことが可能である。例えば、集合住宅の近傍の飲食店の広告を表示することで得られた広告料を集合住宅の自治会費・組合費やシステム利用料に利用することが出来る。
【0029】
記憶部22は、集合住宅内の各住人4に共有したい情報、各住人4のアカウントの個人情報、住人4がアカウントを用いて情報にアクセスした閲覧履歴に関する情報などを記憶する。
【0030】
情報共有システム10において、記憶部22以外の各機能は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、これらの機能は、実際にはCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたサーバ装置上において、RAMやROM、ハードディスク等の記録媒体に記憶されたアプリケーションソフトウェアが動作することによって実現することができる。
【0031】
続いて、上記構成の情報共有システム10の作用について説明する。従来、集合住宅において、住人への共通の連絡事項については紙の回覧板を用いて回覧していた。しかしながら、近年、単身世帯、共働き世帯が増える等のように環境が変わり、旅行や出張で長期間不在にするといったことがあるため、回覧板がなかなか回らないという課題があった。
【0032】
また、掲示板に掲載すると、住人4の目に留まらない可能性があり、各戸に配布するとコスト面が課題となる。そこで、デジタル回覧板のようなものがあればよいが、これを利用するにはアカウントが必要となることがある。一般的にアカウント作成には個人情報が必要となるため、個人情報の提供に抵抗がある人がいるという課題がある。このような課題に対して、本発明の実施形態に係る情報共有システム10は顕著な効果を発揮する。
【0033】
情報共有システム10によれば、
図2に示されるように、例えば、各住人4は、スマートフォン等で各アカウントを用いてアクセスすることが出来る。そして、
図3に示されるように、情報共有システム10によれば、集合住宅の各部屋番号のみによってアカウントが作成されるため、各住人4は、部屋番号以外の個人情報(名前、生年月日、メールアドレス、電話番号など)を登録することなく安心して利用することが出来るという顕著な効果を奏する。
【0034】
各住人4は、
図4に示されるように、アカウントを用いて情報にアクセスすることができるため、各住人4に知らせるべき情報を一括して伝えることができるとともに各住人4が閲覧したか否かを把握することが出来るという利点がある。
【0035】
なお、情報共有システム10によれば、自治会6または管理会社8等から各戸に対して一括で知らせるだけでなく、例えば、自治会6または管理会社8が住人4の個別にメッセージをやり取りすることが出来る。
【0036】
また、
図5に示されるように、集合住宅のゴミ出しのスケジュールを閲覧可能であるため、従来、トラブルになりやすかったゴミの日問題についても、予め決められた日程を住人4に通知することができるため、トラブルを防ぐことが出来る。
【0037】
さらに、
図6に示されるように、集合受託の住人4が高齢者で一人暮らしなどの場合は、家族の連絡先(例えば、メールアドレス)を登録することで、高齢者の住人4が情報共有システム10を用いて、例えば、「見たよ」のボタンを操作することで家族にメールが送信されるため、家族は高齢者の安否確認を行うことができる。
【0038】
また、
図1に示されるように、住人4のスマートフォンの画面に広告、例えば、「エアコンお掃除お試しキャンペーン 最大50%OFF」などを表示することによる広告収入が得られることにより、自治会費に補填したり、情報共有システム10の運営費に補填したりすることができるという利点がある。
【0039】
そして、情報共有システム10によれば、翻訳処理部18の機能によって、自動的に日本語以外の言語に翻訳することもできるため、住人4が日本語の分からない外国籍の人でも理解することが出来る。
【符号の説明】
【0040】
2 ネットワーク、4 住人、6 自治会、8 管理会社、10 情報共有システム、12 情報処理部、14 アカウント処理部、16 閲覧処理部、18 翻訳処理部、20 広告費分配処理部、22 記憶部。
【要約】
【課題】集合住宅の各住人に迅速に情報共有することを可能とする情報共有システムを提供することである。
【解決手段】情報共有システム10は、集合住宅内の各住人に共有したい情報を登録するための情報処理部12と、情報処理部12により登録された情報にアクセスするために必要なアカウントであって各住人の部屋番号のみを用いて各住人のアカウントを登録するアカウント処理部14と、アカウントに基づいて情報を閲覧したか否かを記録する閲覧処理部16と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1