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  • 特許-ソーラーシミュレーター 図1
  • 特許-ソーラーシミュレーター 図2
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  • 特許-ソーラーシミュレーター 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ソーラーシミュレーター
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240521BHJP
   H02S 50/10 20140101ALI20240521BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21S2/00 481
F21S2/00 484
H02S50/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023180540
(22)【出願日】2023-10-19
【審査請求日】2023-10-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591107230
【氏名又は名称】株式会社デンケン
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】若林 俊勝
(72)【発明者】
【氏名】古屋 剛
(72)【発明者】
【氏名】平田 勇紀
(72)【発明者】
【氏名】小路 勝樹
(72)【発明者】
【氏名】朴 輝根
(72)【発明者】
【氏名】島田 将大
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-038792(JP,A)
【文献】登録実用新案第3193972(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H02S 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から照射された光を反射するリフレクターと、
前記光源から照射された光及び前記リフレクターにより反射された光を所定のスペクト
ル特性にするためのエアマスフィルターと、
前記エアマスフィルターを透過した光を反射する複数のミラーと、
前記複数のミラーが反射した光の放射照度を調整するための第1の調整部と、
前記第1の調整部を透過した光の放射照度を調整するための第2の調整部と、を備え
前記第2の調整部が、複数の孔が形成された拡散板と、
前記孔に嵌る遮光部材と、を有するソーラーシミュレーター。
【請求項2】
光源と、
前記光源から照射された光を反射するリフレクターと、
前記光源から照射された光及び前記リフレクターにより反射された光を所定のスペクト
ル特性にするためのエアマスフィルターと、
前記エアマスフィルターを透過した光を反射する複数のミラーと、
前記複数のミラーが反射した光の放射照度を調整するための第1の調整部と、
前記第1の調整部を透過した光の放射照度を調整するための第2の調整部と、を備え
前記第2の調整部が、複数の孔が形成された拡散板と、
前記孔に嵌る複数の遮光部材と、を有し、
前記複数の遮光部材のうち、一部の遮光率が、残りとは異なっているソーラーシミュレーター。
【請求項3】
請求項又は記載のソーラーシミュレーターにおいて、
前記拡散板が、半透明であるソーラーシミュレーター。
【請求項4】
請求項記載のソーラーシミュレーターにおいて、
前記第1の調整部が、透明な中間パネルと、
前記中間パネルに貼付され光の放射照度を調整するための調整用シートと、を有し、
前記中間パネルが、外側に引き出し可能に設けられているソーラーシミュレーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーシミュレーターに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽電池を検査するためのソーラーシミュレーターが記載されている。このソーラーシミュレーターは、ある範囲に平面状に並ぶ複数の点状光源を有する光源の配列と、光源の配列において点状光源が並ぶ面から離間して配置され、光源の配列からの光を受け、少なくとも一部に検査対象の太陽電池の受光面が配置される有効照射域と、光源の配列における上記範囲を取り囲むように配置される反射ミラーとを備える。点状光源は、上記範囲において一定のピッチにて並んでおり、点状光源のうち上記範囲の最外部に位置する点状光源の中心位置と反射ミラーの光反射面との間の距離が点状光源の上記ピッチの半分にされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2011/152081号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、ソーラーシミュレーターにおいては、放射照度の場所によるむらが存在するため、この場所によるむらの度合いを抑えることが要求される。
本発明は、放射照度の場所によるむらの度合いを効率的に調整できるソーラーシミュレーターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、光源と、前記光源から照射された光を反射するリフレクターと、前記光源から照射された光及び前記リフレクターにより反射された光を所定のスペクトル特性にするためのエアマスフィルターと、前記エアマスフィルターを透過した光を反射する複数のミラーと、前記複数のミラーが反射した光の放射照度を調整するための第1の調整部と、前記第1の調整部を透過した光の放射照度を調整するための第2の調整部と、を備え、前記第2の調整部が、複数の孔が形成された拡散板と、前記孔に嵌る遮光部材と、を有するソーラーシミュレーターである。
【0006】
【0007】
請求項に記載の発明は、光源と、前記光源から照射された光を反射するリフレクターと、前記光源から照射された光及び前記リフレクターにより反射された光を所定のスペクトル特性にするためのエアマスフィルターと、前記エアマスフィルターを透過した光を反射する複数のミラーと、前記複数のミラーが反射した光の放射照度を調整するための第1の調整部と、前記第1の調整部を透過した光の放射照度を調整するための第2の調整部と、を備え、前記第2の調整部が、複数の孔が形成された拡散板と、前記孔に嵌る複数の遮光部材と、を有し、前記複数の遮光部材のうち、一部の遮光率が、残りとは異なっているソーラーシミュレーターである
【0008】
請求項に記載の発明は、請求項又は記載のソーラーシミュレーターにおいて、前記拡散板が、半透明である。
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項記載のソーラーシミュレーターにおいて、前記第1の調整部が、透明な中間パネルと、前記中間パネルに貼付され光の放射照度を調整するための調整用シートと、を有し、前記中間パネルが、外側に引き出し可能に設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、放射照度の場所によるむらの度合いを効率的に調整できるソーラーシミュレーターを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一の実施の形態に係るソーラーシミュレーターを平面視した説明図である。
図2】同ソーラーシミュレーターの側断面を示す説明図である。
図3】同ソーラーシミュレーターが備える拡散板の部分拡大図である。
図4】同ソーラーシミュレーターが備える遮光部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
【0013】
本発明の一実施の形態に係るソーラーシミュレーター10(図1参照)は、基準太陽光の分光放射照度に近似した光を照射し、太陽電池モジュールの試験を行うために使用される。
ソーラーシミュレーター10は、図2に示すように、光源11、リフレクター12、エアマスフィルター13、ミラー14、ミラー支持部16、第1の調整部17、支持板20、第2の調整部21を備えている。
【0014】
光源11は、ソーラーシミュレーター10の中央部に配置され、基準太陽光を模擬した光を照射できる。光源11は、例えば、一方向に延びるキセノンランプである。
【0015】
リフレクター12は、光源11の上側に設けられ、光源11から照射された光を反射できる。
【0016】
エアマスフィルター13は、光源の下側に設けられ、光源11から照射された光及びリフレクター12により反射された光を所定のスペクトル特性にできるフィルターである。
【0017】
ミラー14は、ソーラーシミュレーター10の下部に複数設けられ、エアマスフィルター13を透過した光を反射できる。
【0018】
ミラー支持部16は、ミラー14を支持する部材であり、ミラー14の角度を調整できる。
【0019】
第1の調整部17は、中間パネル18及び調整用シート(不図示)を有し、複数のミラー14が反射した光の放射照度を調整できる。
中間パネル18は、透過する光の放射照度を調整するための部材である。中間パネル18は、ミラー14よりも高く、光源11よりも低い高さ位置に配置された板状の部材であり、ミラー14が反射した光が透過する。中間パネル18の材質は、例えば透明な樹脂又は透明なガラスであり、厚さが10~30mmのアクリルであることが好ましい。
【0020】
中間パネル18の必要な箇所には、透過する光の放射照度を調整するための調整用シート(不図示)が貼付される。この調整用シートは、例えば、遮光するための遮光用シート及び光を拡散させるための拡散用シートのうち少なくとも一方である。
中間パネル18には、側方に突出するように取手が設けられ、外側(図1に示す矢印Xの方向)に引き出し可能となっている。
【0021】
支持板20は、中間パネル18を透過した光が透過する板状の部材である。支持板20は、例えば、透明なガラスである。
【0022】
第2の調整部21は、図3に示す拡散板22及び複数の遮光部材24を有し、第1の調整部17を透過した光の放射照度を調整できる。
拡散板22は、支持板20によって支持されることで、光源11よりも高い高さ位置(中間パネル18を挟んでミラー14とは反対の側の位置)に配置される。拡散板22は、中間パネル18を透過した光を拡散させ、拡散板22の上面は太陽電池モジュールに対する光の照射面を構成する。
拡散板22は、後述する遮光部材24が嵌められることにより、中間パネル18と同様
に、透過する光の放射照度を調整するために使用される。
【0023】
拡散板22には、照射面の全面に亘って、予め決められた間隔を空けて、複数の孔H2
2が形成されている。孔H22の直径は、例えば5~15mmである。
拡散板22の材質は、例えば半透明の樹脂であり、具体的には、厚さが2~10mmのアクリルである。拡散板22の色は乳白色であることが好ましい。
このように、拡散板22は、孔以外の部分が光を透過できるように半透明となっているため、太陽電池モジュールに照射すべき光の放射照度の低下が抑えられる。
なお、図1において、拡散板22の孔H22は省略して描かれている。
【0024】
複数の遮光部材24は、それぞれ孔H22に嵌る樹脂製の部材であり、孔H22を通過する光を遮ることができる。
遮光部材24は、拡散板22を透過する光の放射照度を調整するために、その色や材質が異なる複数の種類のものが使用される。
例えば、同じ材質であれば、黒色の遮光部材24は白色の遮光部材24よりも高い遮光率を有している。従って、より放射照度を抑えたい場所に対応する孔H22には、黒色の遮光部材24が嵌め込まれる。
すなわち、拡散板22に嵌められている複数の遮光部材24のうち、一部の遮光率が、残りとは異なっている。
【0025】
詳細には、遮光部材24は、図4に示すように、小径部242及び大径部244を有している。
小径部242は、円筒状又は円柱状であり、孔H22に嵌る部分である。小径部242の外周面には、全周に亘って突起246が形成されており、この突起246の直径(小径部242の最大直径)D1は、孔H22の直径よりも僅かに小さくなるように設定されている。小径部242の高さTは、孔H22の深さ(拡散板22の厚さ)となるように設定されている。
大径部244は、円板状であり、拡散板22の上に載る部分である。大径部244の直径D2は、孔H22の直径よりも大きくなるように設定されている。
【0026】
なお、平面視して拡散板22の外側には、支持部材(不図示)が設けられ、支持部材によって、太陽電池モジュールは拡散板22の上面から30~50mm離れた状態で支持される。
【0027】
次に、ソーラーシミュレーター10における放射照度の場所によるむらの度合いの調整方法について、説明する。
【0028】
(手順1)
ソーラーシミュレーター10が準備される。ただし、このソーラーシミュレーター10は、中間パネル18に前述の調整用シート(遮光用シートや拡散用シート)が貼付されておらず、拡散板22の孔H22が塞がれていない状態である。
その後、光源11から光が照射される。
【0029】
(手順2)
照射面となる拡散板22の上面における放射照度が複数の箇所にて測定される。測定により、放射照度が高い場所Aが求められる。
【0030】
(手順3)
中間パネル18が外側に引き出され、中間パネル18の場所Aに対応する位置に、調整用シート(遮光用シートや拡散用シート)が貼付される。
その後、中間パネル18が戻される。
このように、本手順における放射照度の調整は、中間パネル18を引き出して調整用シートを貼付するだけであるから、効率的に行われる。
【0031】
(手順4)
前述の手順2及び手順3が繰り返され、放射照度の場所によるむらの度合いが、予め決められた大きさ以下となるように放射照度が調整される。この予め決められた大きさは、例えば、2~5%である。
【0032】
(手順5)
再び、手順2が実行される。すなわち、照射面における複数箇所の放射照度が測定される。測定により、放射照度が高い場所Bが求められる。
【0033】
(手順6)
拡散板22の場所Bの放射照度の大きさに応じて、遮光率が異なる遮光部材24の中から適切な遮光部材24が選択され、場所Bに対応する孔H22に対し、選択された遮光部材24が上から押し込まれる。孔H22が塞がれることにより、場所Bにおける放射照度が低減する。
本手順における放射照度の調整は、遮光部材24を押し込むだけであるため、効率的に行われる。
【0034】
(手順7)
前述の手順5及び手順6が繰り返され、放射照度の場所によるむらの度合いが、中間パネル18によって調整された後の大きさ以下となるように放射照度が調整される。最終的に、むらの度合いの大きさは、例えば1%以下に調整される。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態に係るソーラーシミュレーター10によれば、中間パネル18に調整用シートが貼付されることによって、放射照度のむらの度合いがおおまかに調整された後、拡散板22に形成された複数の孔H22に遮光部材24が嵌め込まれることによって、放射照度のむらの度合いが微調整されるので、効率的に調整作業が行われ、放射照度の場所によるむらの度合いが高い精度で低減される。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
【符号の説明】
【0037】
10 ソーラーシミュレーター
11 光源
12 リフレクター
13 エアマスフィルター
14 ミラー
16 ミラー支持部
17 第1の調整部
18 中間パネル
20 支持板
21 第2の調整部
22 拡散板
24 遮光部材
242 小径部
244 大径部
246 突起
H22 孔
【要約】
【課題】放射照度の場所によるむらの度合いを効率的に調整できるソーラーシミュレーターを提供する。
【解決手段】ソーラーシミュレーター10は、光源11と、光源12から照射された光を反射するリフレクター12と、リフレクター12が反射した光を反射する複数のミラー14と、複数のミラー14が反射した光の放射照度を調整するための第1の調整部17と、第1の調整部17を透過した光の放射照度を調整するための第2の調整部21と、を備えている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4