(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】移動デバイス向けの充電システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240521BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20240521BHJP
H01R 13/64 20060101ALI20240521BHJP
H01R 13/74 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H01R13/631
H01R13/64
H01R13/74 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020095983
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-03-15
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】デイリー,クリストファー ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】モウストラー,マシュー エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ハワード,エドワード ジョン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-017905(JP,A)
【文献】特開2007-245332(JP,A)
【文献】特開2008-043035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01R 13/56 -13/72
H01R 13/73 -13/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動デバイス(102)向けの供給充電デバイス(200)であって、
前面(240)と後面(242)との間に延びるハウジング(212)を有し、前記前面に嵌合端(202)を有する供給電力コネクタ(210)であって、前記ハウジングは、パネル(106)に取り付けられるように構成されたフランジ(214)を有し、前記ハウジングは、前記パネル内のパネル切抜き部(120)を通って前記フランジから後方へ延びるベース(216)を有し、前記ハウジングは、前記ベースを通って延びる電力コンタクトチャネル(218)を含み、前記ハウジングは、前記フランジから前方へ延びる案内部材(230)を含み、前記案内部材は、前記移動デバイスの案内機構(330)に係合して、前記移動デバイスの受電側電力コネクタ(310)を前記移動デバイスの前記供給電力コネクタに対して位置付けるように構成され、前記供給電力コネクタは、前記電力コンタクトチャネル内に受け取られた電力コンタクト(220)を含む、供給電力コネクタ(210)と、
前記ハウジングの前記後面に結合された保持板(270)であって、前記フランジと前記保持板との間に前記パネルが受け取られている状態で、前記保持板と前記ハウジングの前記後面との間にパネル間隙(280)が画定される、保持板(270)と、
前記ハウジングに結合された取付けばね(250、252、254)であって、前記フランジの後方へ延び、前記パネル切抜き部内に受け取られ、前記供給電力コネクタの前記嵌合端を前記受電側電力コネクタと位置合わせするように、前記パネルに係合して、前記供給電力コネクタが前記パネル切抜き部内で前記パネルに対して浮動することを可能にするように構成された、取付けばね(250、252、254)とを備えている、供給充電デバイス(200)。
【請求項2】
前記取付けばね(250、252、254)は、前記ハウジング(212)に結合された固定端(260)と、前記パネル(106)に結合するように構成された自由端(262)とを含み、前記取付けばねは、前記ハウジングが前記パネルに対して動いて、前記パネルに対する前記供給電力コネクタ(210)の前記嵌合端(202)の位置を変化させ、前記受電側電力コネクタ(310)に嵌合することを可能にするように圧縮可能である、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項3】
前記ハウジング(212)は、前
記パネル切抜き部(120)内に受け取られた位置付け機構(266)を含み、前記位置付け機構は、前記パネル(106)に係合して、前記パネルに対する前記供給電力コネクタ(210)の浮動運動量を制御するように構成されている、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項4】
前記取付けばね(250、252、254)は、前記供給電力コネクタ(210)を前記パネル(106)に対して静止位置へ付勢し、前記供給電力コネクタは、前記静止位置からオフセット位置へ可動であり、前記取付けばねは、前記供給電力コネクタが解放されると、前記供給電力コネクタを前記オフセット位置から前記静止位置へ戻す、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項5】
前記供給電力コネクタ(210)は、前記受電側電力コネクタが前記供給電力コネクタに係合したとき、前記受電側電力コネクタ(310)によって可動である、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項6】
前記取付けばね(250、252、254)は第1の取付けばね(250)であり、前記供給充電デバイスは、第2の取付けばねをさらに備え、前記第1の取付けばねは、前記供給電力コネクタ(210)を前記パネル(106)に対して第1の方向(251)に付勢し、前記第2の取付けばね(252)は、前記供給電力コネクタを前記パネルに対して第2の方向(253)に付勢し、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して平行かつ反対である、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項7】
第3の取付けばね(254)をさらに備え、前記第3の取付けばねは、前記供給電力コネクタ(210)を前記パネル(106)に対して第3の方向(255)に付勢し、前記第3の方向は、前記第1の方向(251)および前記第2の方向(253)に直交している、請求項6に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項8】
前記取付けばね(250、252、254)は、前記パネル(106)に対して少なくとも10mmの前記供給電力コネクタ(210)の浮動運動を可能にする、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項9】
前記案内部材(230)は、幅および高さを有し、前記取付けばね(250、252、254)は、前記幅の少なくとも10%または前記高さの少なくとも10%の浮動オフセット距離だけ、前記供給電力コネクタ(210)の浮動運動を可能にする、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項10】
前記案内部材(230)は、先端部(232)および錐台(234)を含み、前記錐台は、前記先端部と前記フランジ(214)との間に位置し、前記先端部は、前記移動デバイス(
102)の前記案内機構(330)に係合して、前記供給電力コネクタ(210)を前記受電側電力コネクタ(310)に対して位置付ける、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項11】
前記案内機構(330)は、レセプタクルへ延びる漏斗を含み、前記先端部(232)は、前記漏斗内に受け取られて、前記先端部を前記レセプタクルと位置合わせし、前記供給電力コネクタ(210)は、前記先端部が前記レセプタクルと位置合わせされるとき、前記パネルに対してオフセット位置へ浮動する、請求項10に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項12】
前記供給電力コネクタ(210)は、信号コンタクトチャネルと、前記信号コンタクトチャネル内に受け取られた信号コンタクトとを含む、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項13】
前記ベース(216)は、後部空洞を含み、前記供給電力コネクタ(210)は、前記電力コンタクトを保持する電力コンタクトホルダを含み、前記電力コンタクトホルダは、前記後部空洞内に受け取られている、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項14】
前記パネル間隙(280)は、パネル間隙幅を有し、前記パネル間隙幅は、前記供給電力コネクタが前記パネルに対して角度オフセットを生じることを可能にするために、前記パネルより広い、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【請求項15】
前記供給電力コネクタ(210)は、前記受電側電力コネクタに嵌合するように構成された静電放電コンタクトを含む、請求項1に記載の供給充電デバイス(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、移動デバイス向けの充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自律型移動ロボットなどの移動デバイスは、タスクを実行するために環境内を移動することができる。しかし、移動デバイスは、時々再充電する必要がある。移動デバイスに電力を供給し、移動デバイスの電池を再充電するために、移動デバイスは充電デバイスへ戻される。移動デバイスが充電ステーションへ戻ると、移動デバイスの充電コネクタを充電ステーションの充電コネクタと位置合わせする必要がある。しかし、移動デバイスと充電ステーションとの間に位置合わせ不良が生じると、移動デバイスを再充電することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
移動デバイスの充電コネクタを充電ステーションの充電コネクタと位置合わせすることが可能な充電システムが依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
解決策は、移動デバイス向けの供給充電デバイスによって提供される。供給充電デバイスは、前面と後面との間に延びるハウジングを有する供給電力コネクタを含む。供給電力コネクタは、前面に嵌合端を有する。ハウジングは、パネルに取り付けられるように構成されたフランジを有する。ハウジングは、パネル内のパネル切抜き部を通ってフランジから後方へ延びるベースを有する。ハウジングは、ベースを通って延びる電力コンタクトチャネルを含む。ハウジングは、フランジから前方へ延びる案内部材を含む。案内部材は、移動デバイスの案内機構に係合して、移動デバイスの受電側電力コネクタを移動デバイスの供給電力コネクタに対して位置付ける。供給電力コネクタは、電力コンタクトチャネル内に受け取られた電力コンタクトを含む。
供給充電デバイスは、ハウジングの後面に結合された保持板を含む。フランジと保持板との間にパネルが受け取られている状態で、保持板とハウジングの後面との間にパネル間隙が画定される。供給充電デバイスは、ハウジングに結合された取付けばねを含む。取付けばねは、フランジの後方へ延びる。取付けばねは、パネル切抜き部内に受け取られる。取付けばねは、供給電力コネクタの嵌合端を受電側電力コネクタと位置合わせするように、パネルに係合して、供給電力コネクタがパネル切抜き部内でパネルに対して浮動することを可能にする。
【0005】
本発明について、添付の図面を参照して例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的な実施形態による移動デバイスを充電するための充電システムを示す図である。
【
図2】例示的な実施形態による移動デバイスを充電するための充電システムを示す図である。
【
図3】例示的な実施形態によるパネルに嵌合するように構成された供給充電デバイスの一部分を示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図4】例示的な実施形態によるパネルに嵌合する供給充電デバイスの一部分を示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図5】例示的な実施形態によるパネルに嵌合する供給充電デバイスの一部分を示す充電構成要素の背面図である。
【
図6】例示的な実施形態によるパネルに対してオフセット位置にある供給充電デバイスを示す充電構成要素の背面図である。
【
図7】例示的な実施形態によるパネルに取り付けられた供給充電デバイスの一部分を示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図8】例示的な実施形態によるパネルに取り付けられた供給充電デバイスを示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図9】例示的な実施形態によるパネルに取り付けられた供給充電デバイスを示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図10】例示的な実施形態によるパネルに取り付けられた供給充電デバイスを示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図11】例示的な実施形態による本体に取り付けられるように位置決めされた移動充電デバイスを示す移動デバイスの一部分の正面斜視図である。
【
図12】例示的な実施形態による移動充電デバイスの背面斜視図である。
【
図13】例示的な実施形態による本体に取り付けられた受電側充電デバイスを示す移動デバイスの背面斜視図である。
【
図14】移動充電デバイスが嵌合方向において供給充電デバイスに嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システムの断面図である。
【
図15】例示的な実施形態による供給充電デバイスと位置合わせされた移動充電デバイスを示す図である。
【
図16】例示的な実施形態による供給充電デバイスに対して左上オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイスを示す図である。
【
図17】例示的な実施形態による供給充電デバイスに対して右上オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイスを示す図である。
【
図18】例示的な実施形態による供給充電デバイスに対して左下オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイスを示す図である。
【
図19】例示的な実施形態による供給充電デバイスに対して右下オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイスを示す図である。
【
図20】例示的な実施形態による供給充電デバイスおよび移動充電デバイスを含む例示的な実施形態による充電システムを示す図である。
【
図21】例示的な実施形態による移動充電デバイスの正面斜視図である。
【
図22】例示的な実施形態による供給充電デバイスの正面斜視図である。
【
図23】例示的な実施形態による供給充電デバイスの背面斜視図である。
【
図24】例示的な実施形態によるパネルに嵌合する供給充電デバイスの背面斜視図である。
【
図25】例示的な実施形態によるパネルに取り付けられた供給充電デバイスの一部分を示す充電構成要素の背面斜視図である。
【
図26】例示的な実施形態による移動充電デバイスの背面斜視図である。
【
図27】例示的な実施形態による移動充電デバイスの背面斜視分解図である。
【
図28】例示的な実施形態による供給充電デバイスの背面斜視分解図である。
【
図29】例示的な実施形態によるパネルに取り付けられた供給充電デバイスを示す充電構成要素の斜視図である。
【
図30】移動充電デバイスが嵌合方向において供給充電デバイスに嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システムの断面図である。
【
図31】移動充電デバイスが嵌合方向において供給充電デバイスに部分的に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システムの断面図である。
【
図32】移動充電デバイスが供給充電デバイスに完全に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システムの断面図である。
【
図33】例示的な実施形態による充電システムを示す図である。
【
図34】供給充電デバイスおよび移動充電デバイスを含む例示的な実施形態による充電システムを示す図である。
【
図35】供給充電デバイスおよび移動充電デバイスを含む例示的な実施形態による充電システムを示す図である。
【
図36】移動充電デバイスが供給充電デバイスに部分的に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システムの断面図である。
【
図37】例示的な実施形態による供給充電デバイスがパネルに嵌合しており、移動充電デバイスが移動デバイスの本体に嵌合していることを示す充電システムの斜視図である。
【
図38】例示的な実施形態による移動デバイスが充電構成要素に嵌合していることを示す充電システムの断面図である。
【
図39】例示的な実施形態による移動デバイスが充電構成要素に嵌合していることを示す充電システムの断面図である。
【
図40】例示的な実施形態による移動充電デバイスの一部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態では、移動デバイス向けの供給充電デバイスが提供される。供給充電デバイスは、前面と後面との間に延びるハウジングを有する供給電力コネクタを含む。供給電力コネクタは、前面に嵌合端を有する。ハウジングは、パネルに取り付けられるように構成されたフランジを有する。ハウジングは、パネル内のパネル切抜き部を通ってフランジから後方へ延びるベースを有する。ハウジングは、ベースを通って延びる電力コンタクトチャネルを含む。ハウジングは、フランジから前方へ延びる案内部材を含む。案内部材は、移動デバイスの案内機構に係合して、移動デバイスの受電側電力コネクタを移動デバイスの供給電力コネクタに対して位置付ける。供給電力コネクタは、電力コンタクトチャネル内に受け取られた電力コンタクトを含む。
供給充電デバイスは、ハウジングの後面に結合された保持板を含む。フランジと保持板との間にパネルが受け取られている状態で、保持板とハウジングの後面との間にパネル間隙が画定される。供給充電デバイスは、ハウジングに結合された取付けばねを含む。取付けばねは、フランジの後方へ延びる。取付けばねは、パネル切抜き部内に受け取られる。取付けばねは、供給電力コネクタの嵌合端を受電側電力コネクタと位置合わせするように、パネルに係合して、供給電力コネクタがパネル切抜き部内でパネルに対して浮動することを可能にする。
【0008】
別の実施形態では、充電システムが提供される。充電システムは、前面と後面との間に延びる受電側ハウジングを有する受電側電力コネクタを含む移動充電デバイスを含む。受電側電力コネクタは、前面に嵌合端を有する。受電側ハウジングは、移動デバイスの本体に取り付けられるように構成された受電側フランジを有する。受電側ハウジングは、移動デバイスの本体内の本体切抜き部を通って受電側フランジから後方へ延びる受電側ベースを有する。受電側ハウジングは、受電側ベースを通って延びる受電側電力コンタクトチャネルを含む。受電側ハウジングは、開口を有する漏斗を含む。漏斗は、開口と受電側ベースのレセプタクルとの間に傾斜案内壁を有する。受電側電力コネクタは、受電側電力コンタクトチャネル内に受け取られた受電側電力コンタクトを含む。
受電側電力コンタクトは、レセプタクル内へ延びる。充電システムは、前面と後面との間に延びる供給ハウジングを有する供給電力コネクタを含む供給充電デバイスを含む。供給電力コネクタは、前面に嵌合端を有する。供給ハウジングは、パネルに取り付けられるように構成された供給フランジを有する。供給ハウジングは、パネル内のパネル切抜き部を通って供給フランジから後方へ延びる供給ベースを有する。供給ハウジングは、供給ベースを通って延びる供給電力コンタクトチャネルを含む。供給ハウジングは、フランジから前方へ延びる案内部材を含む。案内部材は、開口を通って受電側ハウジングの漏斗内に受け取られて、供給充電デバイスを受電側充電デバイスに対して位置付ける。供給電力コネクタは、供給電力コンタクトチャネル内に受け取られた供給電力コンタクトを含む。
供給電力コネクタの嵌合端は、供給電力コンタクトが受電側電力コンタクトに嵌合するように、レセプタクル内に受け取られる。供給充電デバイスは、供給電力コネクタをパネルに取り付けるために使用される供給ハウジングの後面に結合された保持板を含む。供給充電デバイスは、供給ハウジングに結合された取付けばねを含む。取付けばねは、供給フランジの後方へ延びる。取付けばねは、供給電力コネクタの嵌合端を受電側電力コネクタと位置合わせするように、パネルに係合して、供給電力コネクタがパネルに対して浮動することを可能にする。
【0009】
さらなる実施形態では、自律型移動デバイスが提供される。移動デバイスは、タスクを実行し、自律型移動デバイスを再充電するために供給充電デバイスへ戻るように供給充電デバイスに対して可動の移動本体を含む。移動デバイスは、移動本体に取り付けられた移動充電デバイスを含む。移動充電デバイスは、供給充電デバイスに嵌合して、自律型移動デバイスを再充電する。移動充電デバイスは、前面と後面との間に延びる受電側ハウジングを有する受電側電力コネクタを含む。受電側電力コネクタは、前面に嵌合端を有する。受電側ハウジングは、移動本体に取り付けられた受電側フランジを有する。受電側ハウジングは、移動本体内の本体切抜き部を通って受電側フランジから後方へ延びる受電側ベースを有する。受電側ハウジングは、受電側ベースを通って延びる受電側電力コンタクトチャネルを含む。
受電側ハウジングは、開口を有する漏斗を含む。漏斗は、開口と受電側ベースのレセプタクルとの間に傾斜案内壁を有する。受電側電力コネクタは、受電側電力コンタクトチャネル内に受け取られた受電側電力コンタクトを含む。受電側電力コンタクトは、レセプタクル内へ延びる。移動デバイスは、前面と後面との間に延びる供給ハウジングを有する供給電力コネクタを含む供給充電デバイスを含む。供給電力コネクタは、前面に嵌合端を有する。供給ハウジングは、パネルに取り付けられるように構成された供給フランジを有する。供給ハウジングは、パネル内のパネル切抜き部を通って供給フランジから後方へ延びる供給ベースを有する。供給ハウジングは、供給ベースを通って延びる供給電力コンタクトチャネルを含む。
供給ハウジングは、フランジから前方へ延びる案内部材を含む。案内部材は、開口を通って受電側ハウジングの漏斗内に受け取られて、供給充電デバイスを受電側充電デバイスに対して位置付ける。供給電力コネクタは、供給電力コンタクトチャネル内に受け取られた供給電力コンタクトを含む。供給電力コネクタの嵌合端は、供給電力コンタクトが受電側電力コンタクトに嵌合するように、レセプタクル内に受け取られる。供給充電デバイスは、供給電力コネクタをパネルに取り付けるために使用される供給ハウジングの後面に結合された保持板を含む。供給充電デバイスは、供給ハウジングに結合された取付けばねを含む。取付けばねは、供給フランジの後方へ延びる。取付けばねは、供給電力コネクタの嵌合端を受電側電力コネクタと位置合わせするように、パネルに係合して、供給電力コネクタがパネルに対して浮動することを可能にする。
【0010】
図1は、例示的な実施形態による移動デバイス12を充電するための充電システム10を示す。充電システム10は、供給充電デバイス20および移動充電デバイス30を含む。移動充電デバイス30は、移動デバイス12に設けられる。供給充電デバイス20は、充電構成要素14に設けられる。充電構成要素14は、壁またはパネル16などに固定することができる。他の様々な実施形態では、充電構成要素14は、充電ステーションなどの可動の充電構成要素とすることができる。充電構成要素14は、室内または建物内の固定の位置に設けることができ、移動デバイス12は、充電構成要素14から分離することができ、移動デバイス12を再充電するために充電構成要素14へ戻ることができる。供給充電デバイス20は、電源40と供給充電デバイス20との間に経路指定された電力ワイヤ42などを介して、電源40から電力を受け取る。
【0011】
例示的な実施形態では、移動デバイス12は、タスクを実行し、自律型移動デバイス12を充電するために供給充電デバイス20へ戻るように環境内で可動の自律型移動デバイスである。たとえば、移動充電デバイス30を供給充電デバイス20に嵌合して、移動デバイス12を再充電することができる。様々な実施形態では、移動デバイス12は、工場、ホテル、商店、または別の環境内でタスクを実行するために使用されるものなどの移動ロボットとすることができる。たとえば、移動ロボットを使用して、棚の品目の走査、1つの位置から別の位置への物品の送達、または他のタスクの実行を実施することができる。
移動充電デバイス30は、移動デバイス12の本体18に取り付けられる。様々な実施形態では、移動充電デバイス30は、嵌合中に移動充電デバイス30を供給充電デバイス20に対して位置合わせするように、本体18に対して制限された浮動運動量を有することができる。
【0012】
例示的な実施形態では、供給充電デバイス20は、移動デバイス12が充電構成要素14へ戻ったとき、供給充電デバイス20を移動充電デバイス30と位置合わせするように、パネル16に対して動きまたは浮動することによって、移動充電デバイス30の位置合わせ不良に対応することが可能である。供給充電デバイス20は、パネル16に対して約10mm以上の浮動運動を可能にすることができる。
【0013】
図2は、例示的な実施形態による移動デバイス102を充電するための充電システム100を示す。充電システム100は、供給充電デバイス200および移動充電デバイス300を含む。移動充電デバイス300は、移動デバイス102に設けられており、供給充電デバイス200に嵌合するように構成された嵌合端302を含む。供給充電デバイス200は、充電構成要素104に設けられており、移動充電デバイス300に嵌合するように構成された嵌合端202を含む。供給充電デバイス200は、充電構成要素104のパネル106に結合される。移動充電デバイス300は、移動デバイス102の本体108に結合される。移動デバイス102は、充電構成要素104から分離され、移動デバイス102を再充電するために充電構成要素104へ戻るように構成される。
【0014】
移動充電デバイス300は、供給充電デバイス200に結合されたとき、供給充電デバイス200から電力を受け取る。移動充電デバイス300は、受電側ハウジング312を有する受電側電力コネクタ310を含む。受電側ハウジング312は、移動デバイス102の本体108に取り付けられるように構成された受電側フランジ314を有する。受電側ハウジング312は、受電側電力コンタクト320を保持する受電側電力コンタクトチャネル318を含む受電側ベース316を有する。図示の実施形態では、受電側電力コンタクト320がブレードコンタクトとして示されているが、代替実施形態では、ピン、ソケット、ばねビームなどの他のタイプの電力コンタクトを使用することもできる。受電側ハウジング312は、受電側信号コンタクト324を保持する受電側信号コンタクトチャネル322を含む。
【0015】
受電側ハウジング312は、供給充電デバイス200に対する移動充電デバイス300の嵌合を案内するための案内機構330を含む。例示的な実施形態では、案内機構330は、開口334を有する漏斗332を含む。漏斗332は、開口334と受電側ベース316のレセプタクル338との間に傾斜案内壁336を有する。図示の実施形態では、上、下、第1の側面、および第2の側面からの嵌合を案内する(たとえば、XおよびYの案内を提供する)ために、漏斗332の4つすべての面に案内壁336が設けられている。受電側電力コンタクト320は、レセプタクル338内へ延びて供給充電デバイス200に嵌合する。案内壁336は、移動デバイス102が充電構成要素104へ戻るとき、供給充電デバイス200および移動充電デバイス300の位置合わせを案内する。
【0016】
例示的な実施形態では、漏斗332は、嵌合中に供給充電デバイス200を引き寄せるために、レセプタクル338より広くて高い。漏斗332は、嵌合中の供給充電デバイス200に対する移動充電デバイス300の位置合わせ不良に対応する。例示的な実施形態では、漏斗332は、水平方向の位置合わせ不良(たとえば、いずれかの側面からの位置合わせ不良)、および垂直方向の位置合わせ不良(たとえば、上または下からの位置合わせ不良)に対応する。たとえば、漏斗332は、レセプタクル338に対して両側に追加の幅を有し、レセプタクル338に対して上からも下からも追加の高さを有する。
【0017】
供給充電デバイス200は、供給ハウジング212を有する供給電力コネクタ210を含む。供給ハウジング212は、パネル106に取り付けられるように構成された供給フランジ214を有する。供給ハウジング212は、供給電力コンタクト220を受け取る供給電力コンタクトチャネル218を含む。供給ハウジング212は、供給信号コンタクト224を受け取る供給信号コンタクトチャネル222を含む。図示の実施形態では、供給電力コンタクト220が2重のばねビームコンタクトとして示されているが、代替実施形態では、ピン、ソケット、ブレードなどの他のタイプの電力コンタクトを使用することもできる。供給電力コンタクト220および供給信号コンタクト224は、移動充電デバイス300が供給充電デバイス200に嵌合したとき、受電側電力コンタクト320および受電側信号コンタクト324に電気的に接続するように構成される。
【0018】
供給ハウジング212は、フランジ214から前方へ延びる案内部材230を含む。案内部材230は、開口334を通って受電側ハウジング312の漏斗332内に受け取られて、供給充電デバイス200を移動充電デバイス300に対して位置付けるように構成される。例示的な実施形態では、案内部材230は、先端部(nose)232および錐台(cone)234を含み、錐台234は、先端部232とフランジ214との間に延びる。先端部232は、レセプタクル338内に受け取られるように構成される。先端部232は、レセプタクル338に対して相補形の形状を有することができる。錐台234は、漏斗332に係合して、案内部材230を案内機構330内に位置決めするように構成される。錐台234は、漏斗332に対して相補形の形状を有することができる。
【0019】
図3は、パネル106に嵌合するように構成された供給充電デバイス200の一部分を示す充電構成要素104の背面斜視図である。パネル106は、供給充電デバイス200を受け取るように構成されたパネル切抜き部120を含む。パネル切抜き部120は、パネル106の前面124と後面126との間に延びる縁部122によって画定される。前面124は充電構成要素104の外部を向き、後面126は充電構成要素104の内部を向いている。
【0020】
供給ハウジング212は、前面240と後面242との間に延びる。嵌合端202は、供給ハウジング212の前面240に設けられる。供給ハウジング212は、供給フランジ214から供給ハウジング212の後面242まで後方へ延びる供給ベース216を含む。供給電力コンタクトチャネル218および供給信号コンタクトチャネル222は、供給ベース216を通って延びる。供給電力コンタクト220は、供給ベース216内に位置し、かつ/または供給ベース216から後方へ延びて電力ワイヤもしくは電力コネクタに終端する。図示の実施形態では、供給電力コンタクト220は、電力ワイヤを受け取るように構成されたワイヤクランプを含む。代替実施形態では、圧着コンタクト、絶縁変位コンタクト、ピンコンタクト、ソケットコンタクト、はんだコンタクト、表面実装コンタクトなどの他のタイプの終端を設けることもできる。
供給ハウジング212は、アーク放電の防止のためなど、供給電力コンタクト220を電気的に分離するために、供給電力コンタクト220間に分離壁を含む。供給ハウジング212は、供給電力コンタクト220を供給信号コンタクト224から電気的に分離するために、供給電力コンタクト228と供給信号コンタクト224との間に分離壁を含む。供給信号コンタクト224は、供給ベース216内に位置し、かつ/または供給ベース216から後方へ延びて信号ワイヤもしくは信号コネクタに終端する。供給信号コンタクト224は、信号ワイヤの端部に終端するソケットに嵌合するように構成されたピンを含むことができる。供給信号コンタクト224は、信号ワイヤに圧着するように構成された圧着バレルを含むことができる。代替実施形態では、ワイヤクランプ、絶縁変位コンタクト、ピンコンタクト、ソケットコンタクトなどの他のタイプの終端を設けることもできる。
【0021】
例示的な実施形態では、供給充電デバイス200は、供給ハウジング212の後面242で供給ハウジング212に結合された取付けばね250、252、254を含む。取付けばね250、252、254は、受電側電力コネクタ310(
図2に示す)に対する供給電力コネクタ210の嵌合端202の位置合わせのために、パネル106に係合して、供給電力コネクタ210がパネル106に対して浮動することを可能にするように構成される。取付けばね250、252、254は、供給ハウジング212がパネル106に対して動いて、パネル106に対する供給電力コネクタ210の嵌合端202の位置を変化させ、受電側電力コネクタ310に嵌合することを可能にするように圧縮可能である。
図示の実施形態では、取付けばね250は、ベース216の第1の側面244に位置し、取付けばね252は、ベース216の第2の側面246に位置し、取付けばね254は、ベース216の下に位置する。代替実施形態では、他の位置も可能である。たとえば、追加または別法として、代替実施形態では、ベース216の上に取付けばねを設けることもできる。
【0022】
取付けばね250は、供給ハウジング212に結合された固定端260と、パネル106に結合するように構成された自由端262とを含む。取付けばね250は、自由端262が固定端260に向かう方向などに固定端260に対して可動になるように圧縮可能である。例示的な実施形態では、供給ハウジング212は、取付けばね250の自由端262を受け取るスロット264を後面242に含む。自由端262は、スロット264内で摺動可能である。スロット264は、固定端260に対する自由端262の動きを制御する。
【0023】
例示的な実施形態では、供給ハウジング212は、後面242に供給フランジ214から延びる位置付け機構266を含む。図示の実施形態では、位置付け機構266は円柱ポストである。代替実施形態では、他のタイプの位置付け機構を使用することもできる。代替実施形態では、位置付け機構266を供給ベース216に設けることもできる。位置付け機構266は、パネル切抜き部120内に受け取られるように構成され、供給電力コネクタ210をパネル106に対して位置付けるために使用される。たとえば、位置付け機構266は、縁部122に係合して、パネル106に対する供給電力コネクタ210の浮動運動を制御または制限することができる。位置付け機構266は、取付けばね250、252、254の撓みを制限することができる。
【0024】
図4は、パネル106に嵌合する供給充電デバイス200の一部分を示す充電構成要素104の背面斜視図である。
図5は、パネル106に嵌合する供給充電デバイス200の一部分を示す充電構成要素104の背面図である。供給フランジ214は、パネル106の前方へ位置付けられる。供給ベース216は、パネル切抜き部120に入り、パネル切抜き部120を通って充電構成要素104の内部へ延びる。取付けばね250、252、254は、パネル切抜き部120内へ延びてパネル106に係合する。たとえば、取付けばね250は、パネル切抜き部120の右縁部122に係合し、取付けばね252は、パネル切抜き部120の左縁部122に係合し、取付けばね254は、パネル切抜き部120の下縁部122に係合する。
【0025】
取付けばね250、252、254は、供給電力コネクタ210をパネル106に対して静止位置へ付勢する。たとえば、供給ベース216は、静止位置でパネル切抜き部120内のほぼ中心に位置決めすることができる。供給電力コネクタ210は、移動充電デバイス300(
図2に示す)が供給充電デバイス200に係合して供給充電デバイス200を移動充電デバイス300と位置合わせするときなどに、静止位置からオフセット位置へ可動である(たとえば、右側、左側、上方、および/または下方へ可動)。取付けばね250、取付けばね252、および/または取付けばね254は、供給電力コネクタ210がオフセット位置へ動いたときに圧縮することができる。取付けばね250、252、254は、供給電力コネクタ210が解放されると、供給電力コネクタ210をオフセット位置から静止位置へ戻す。
【0026】
取付けばね250が圧縮されたとき、取付けばね250は、供給電力コネクタ210をパネル106に対して第1の方向251に付勢する。同様に、取付けばね252が圧縮されたとき、取付けばね252は、供給電力コネクタ210をパネル106に対して第2の方向253に付勢する。取付けばね254が圧縮されたとき、取付けばね254は、供給電力コネクタ210をパネル106に対して第3の方向255に付勢する。図示の実施形態では、第1の方向251および第2の方向253は、互いに反対の方向に平行である。図示の実施形態では、第3の方向255は、第1の方向251および第2の方向253に直交している。
【0027】
取付けばね250、252は、パネル106に対する供給充電デバイス200の水平方向の位置決め(たとえば、横方向)を制御する。取付けばね250、252の幅が、供給充電デバイス200によってパネル切抜き部120内で可能になる水平方向のオフセットまたは浮動の量を制御する。取付けばね254は、パネル106に対する供給充電デバイス200の垂直方向の位置決め(たとえば、上下方向)を制御する。取付けばね254の高さが、供給充電デバイス200によってパネル切抜き部120内で可能になる垂直方向のオフセットまたは浮動の量を制御する。
【0028】
図6は、パネル106に対してオフセット位置にある供給充電デバイス200を示す充電構成要素104の背面図である。
図6は、パネル106に対して右下へ移動した供給電力コネクタ210を示す。そのような位置では、取付けばね250および取付けばね254が圧縮される。位置付け機構266は、パネル切抜き部120の縁部122に係合して、パネル106に対する供給電力コネクタ210の動きを制限する。供給電力コネクタ210が解放されたとき、取付けばね250、254は、供給電力コネクタ210を静止位置(
図5に示す)へ戻すように構成される。
【0029】
図7は、パネル106に取り付けられた供給充電デバイス200の一部分を示す充電構成要素104の背面斜視図である。供給充電デバイス200は、供給ハウジング212の後面242に結合された保持板270を含む。保持板270は、供給電力コネクタ210をパネル106に取り付けるために使用される。保持板270は、前面272および後面274を含む。前面272は、パネル106に面している。保持板270を供給ハウジング212に固定するために、締結具276が使用される。任意選択で、締結具276を位置付け機構266に固定することもできる。保持板270は、供給ベース216を受け取るように構成された開口278を含む。開口278は、取付けばね250、252のいくつかの部分を受け取ることができる。様々な実施形態では、開口278は、取付けばね254のいくつかの部分を受け取ることができる。
【0030】
図8は、パネル106に取り付けられた供給充電デバイス200を示す充電構成要素104の背面斜視図である。パネル106は、保持板270の前面272と供給フランジ214の後面242との間のパネル間隙280内に捕捉される。保持板270は、保持板270が供給電力コネクタ210とともにパネル106に対して可動になるように、供給電力コネクタ210に結合される。
【0031】
図9は、パネル106に取り付けられた供給充電デバイス200を示す充電構成要素104の背面斜視図である。電力ワイヤ132が、供給電力コンタクト220に終端する。信号ワイヤ134が、供給信号コンタクト224(
図2に示す)に終端する。図示の実施形態では、信号ワイヤ134は、供給ベース216に結合されたコネクタハウジング136から延びる。任意選択で、供給信号コンタクト224をコネクタハウジング136内へ組み込んで、信号ワイヤ134に終端することもできる。コネクタハウジング136が供給ハウジング212に結合されるとき、供給信号コンタクト224は供給ハウジング212内へ装入される。
【0032】
図10は、パネル106に取り付けられた供給充電デバイス200を示す充電構成要素104の背面斜視図である。
図10には、電力ワイヤ132を取り囲むワイヤハウジング138が示されている。ワイヤハウジング138は、電力ワイヤ132の終端へのアクセスを制限することができる。ワイヤハウジング138は、電力ワイヤ132に対する張力緩和を提供することができる。他の様々な実施形態では、ワイヤハウジング138は、差込み可能インターフェースなどで供給電力コンタクト220に嵌合するように構成された電力端子を保持することができる。
【0033】
図11は、本体108に取り付けられるように位置決めされた移動充電デバイス300を示す移動デバイス102の一部分の正面斜視図である。本体108は、移動充電デバイス300を受け取るように構成された本体切抜き部110を含む。本体切抜き部110は、本体108の前面114と後面116との間に延びる縁部112によって画定される。前面114は移動デバイス102の外部を向き、後面116は移動デバイス102の内部を向いている。
【0034】
図12は、例示的な実施形態による移動充電デバイス300の背面斜視図である。受電側ハウジング312は、前面340と後面342との間に延びる。嵌合端302は、受電側ハウジング312の前面340に設けられる。受電側ベース316は、受電側フランジ314から受電側ハウジング312の後面342まで後方へ延びる。受電側電力コンタクトチャネル318および受電側信号コンタクトチャネル322は、受電側ベース316を通って延びる。受電側電力コンタクト320は、受電側ベース316内に位置し、かつ/または受電側ベース316から後方へ延びて電力ワイヤもしくは電力コネクタに終端する。図示の実施形態では、受電側電力コンタクト320は、電力ワイヤを受け取るように構成されたワイヤクランプを含む。
代替実施形態では、圧着コンタクト、絶縁変位コンタクト、ピンコンタクト、ソケットコンタクト、はんだコンタクト、表面実装コンタクトなどの他のタイプの終端を設けることもできる。受電側ハウジング312は、アーク放電の防止のためなど、受電側電力コンタクト320を電気的に分離するために、受電側電力コンタクト320間に分離壁を含む。受電側ハウジング312は、受電側電力コンタクト320を受電側信号コンタクト324から電気的に分離するために、受電側電力コンタクト320と受電側信号コンタクト324との間に分離壁を含む。受電側信号コンタクト324は、受電側ベース316内に位置し、かつ/または受電側ベース316から後方へ延びて信号ワイヤもしくは信号コネクタに終端する。受電側信号コンタクト324は、信号ワイヤに結合するように構成される。
【0035】
図13は、本体108に取り付けられた移動充電デバイス300を示す移動デバイス102の背面斜視図である。電力ワイヤ142が、受電側電力コンタクト320に終端する。信号ワイヤ144が、受電側信号コンタクト324(
図3に示す)に電気的に接続するように構成される。図示の実施形態では、信号ワイヤ144は、受電側ベース316に結合されたコネクタハウジング146から延びる。任意選択で、受電側信号コンタクト324をコネクタハウジング146内へ組み込んで、信号ワイヤ144に終端することもできる。
コネクタハウジング146が受電側ハウジング312に結合されるとき、受電側信号コンタクト324は受電側ハウジング312内へ装入される。例示的な実施形態では、受電側電力コネクタ310は、受電側電力ワイヤ142に対する張力緩和を提供するために、張力緩和構成要素148を含む。図示の実施形態では、張力緩和構成要素148は、支持タブと、電力ワイヤ142を支持タブに固定するワイヤタイとを含む。代替実施形態では、他のタイプの張力緩和構成要素を使用することもできる。
【0036】
図14は、移動充電デバイス300が嵌合方向150において供給充電デバイス200に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システム100の断面図である。移動充電デバイス300は、供給充電デバイス200に対してオフセットまたは位置合わせ不良が生じている。たとえば、図示の実施形態では、移動充電デバイス300は、供給充電デバイス200より下へオフセットが生じている。
図16~
図19は、移動充電デバイス300と供給充電デバイス200との間で位置合わせ不良が生じた嵌合の他の例を示す。供給充電デバイス200は、供給充電デバイス200の嵌合端202を移動充電デバイス300の嵌合端302と位置合わせするために、パネル106に対して可動である。案内部材230は、案内機構330に係合し、嵌合端202、302を位置合わせする。
【0037】
嵌合中、先端部232は、開口334を通って漏斗332内に受け取られる。移動充電デバイス300が嵌合方向150に動くと、案内壁336は案内部材230に係合し、案内部材230をオフセット方向152に押す。図示の実施形態では、オフセット方向152は下方方向であるが、代替実施形態では、オフセット方向152は、上方方向および/または横方向を含む異なる方向とすることもできる。供給電力コネクタ210がオフセット方向152に移動すると、取付けばね254は圧縮される。
供給電力コネクタ210は、先端部232をレセプタクル338と位置合わせするように、パネル106に対して移動する。移動充電デバイス300が嵌合方向150に動くと、先端部232は案内壁336に沿って進み、レセプタクル338内に受け取られる。移動充電デバイス300が嵌合方向150に動くと、供給電力コンタクト220は受電側電力コンタクト320に嵌合する。
【0038】
図15~
図19は、移動充電デバイス300と供給充電デバイス200との間の嵌合シナリオの例を示す。
図15は、供給充電デバイス200と位置合わせされた移動充電デバイス300を示す。位置合わせされたとき、供給充電デバイス200は、受電側電力コネクタ310を供給電力コネクタ210に嵌合するために、いずれの方向にも動く必要はない。
【0039】
図16は、供給充電デバイス200に対して左上オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイス300を示す。供給電力コネクタ210は、供給充電デバイス200に対する適切な嵌合のために、パネル106(
図14に示す)に対して左上へ移動する必要がある。
【0040】
図17は、供給充電デバイス200に対して右上オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイス300を示す。供給電力コネクタ210は、供給充電デバイス200に対する適切な嵌合のために、パネル106(
図14に示す)に対して右上へ移動する必要がある。
【0041】
図18は、供給充電デバイス200に対して左下オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイス300を示す。供給電力コネクタ210は、供給充電デバイス200に対する適切な嵌合のために、パネル106(
図14に示す)に対して左下へ移動する必要がある。
【0042】
図19は、供給充電デバイス200に対して右下オフセット位置で位置合わせ不良が生じた移動充電デバイス300を示す。供給電力コネクタ210は、供給充電デバイス200に対する適切な嵌合のために、パネル106(
図14に示す)に対して右下へ移動する必要がある。
【0043】
図20は、供給充電デバイス500および移動充電デバイス600を含む例示的な実施形態による充電システム400を示す。
図21は、例示的な実施形態による移動充電デバイス600の正面斜視図である。
図22は、例示的な実施形態による供給充電デバイス500の正面斜視図である。充電システム400は、充電システム100(
図2に示す)に類似しているが、充電システム400は、異なるタイプの電力コンタクトおよび信号コンタクトを含む。
【0044】
移動充電デバイス600は、移動デバイス402に設けられており、供給充電デバイス500に嵌合するように構成された嵌合端602を含む。供給充電デバイス500は、充電構成要素404に設けられており、移動充電デバイス600に嵌合するように構成された嵌合端502を含む。供給充電デバイス500は、パネル106(
図2に示す)などのパネルに結合するように構成される。移動充電デバイス600は、本体108などの移動デバイスの本体に結合するように構成される。移動デバイス402は、充電構成要素404から分離され、移動デバイス402を再充電するために充電構成要素404へ戻るように構成される。移動充電デバイス600は、供給充電デバイス500に結合されたとき、供給充電デバイス500から電力を受け取る。
【0045】
図21を参照すると、移動充電デバイス600は、受電側ハウジング612を有する受電側電力コネクタ610を含む。受電側ハウジング612は、移動デバイス402の本体108に取り付けられるように構成された受電側フランジ614を有する。受電側ハウジング612は、受電側電力コンタクト620を保持する受電側電力コンタクトチャネル618を含む受電側ベース616を有する。図示の実施形態では、受電側電力コンタクト620がブレードコンタクトとして示されているが、代替実施形態では、ピン、ソケット、ばねビームなどの他のタイプの電力コンタクトを使用することもできる。受電側ハウジング612は、受電側信号コンタクト624を保持する受電側信号コンタクトチャネル622を含む。
【0046】
受電側ハウジング612は、供給充電デバイス500に対する移動充電デバイス600の嵌合を案内するための案内機構630を含む。例示的な実施形態では、案内機構630は、開口634を有する漏斗632を含む。漏斗632は、開口634と受電側ベース616のレセプタクル638との間に傾斜案内壁636を有する。受電側電力コンタクト620は、レセプタクル638内へ延びて供給充電デバイス500に嵌合する。案内壁636は、移動デバイス402が充電構成要素404へ戻るとき、供給充電デバイス500および移動充電デバイス600の位置合わせを案内する。漏斗632は、水平方向の位置合わせ不良(たとえば、いずれかの側面からの位置合わせ不良)、および垂直方向の位置合わせ不良(たとえば、上または下からの位置合わせ不良)に対応する。
【0047】
図22を参照すると、供給充電デバイス500は、供給ハウジング512を有する供給電力コネクタ510を含む。供給ハウジング512は、前面540と後面542との間に延びる。嵌合端502は、供給ハウジング512の前面540に設けられる。供給ハウジング512は、パネル106に取り付けられるように構成された供給フランジ514を有する。供給ハウジング512は、供給電力コンタクト520を受け取る供給電力コンタクトチャネル518を含む。供給ハウジング512は、供給信号コンタクト524を受け取る供給信号コンタクトチャネル522を含む。
図示の実施形態では、供給電力コンタクト520がばねビームコンタクトとして示されているが、代替実施形態では、ピン、ソケット、ブレード、ばねビームなどの他のタイプの電力コンタクトを使用することもできる。供給電力コンタクト520および供給信号コンタクト524は、移動充電デバイス600が供給充電デバイス500に嵌合したとき、受電側電力コンタクト620および受電側信号コンタクト624に電気的に接続するように構成される。
【0048】
供給ハウジング512は、フランジ514から前方へ延びる案内部材530を含む。案内部材530は、開口634を通って受電側ハウジング612の漏斗632内に受け取られて、供給充電デバイス500を移動充電デバイス600に対して位置付けるように構成される。例示的な実施形態では、案内部材530は、先端部532および錐台534を含み、錐台534は、先端部532とフランジ514との間に延びる。先端部532は、レセプタクル638内に受け取られるように構成される。
【0049】
図23は、例示的な実施形態による供給充電デバイス500の背面斜視図である。供給ハウジング512は、供給フランジ514から供給ハウジング512の後面542まで後方へ延びる供給ベース516を含む。供給ベース516は、供給電力コンタクト520(
図22に示す)を保持するコンタクトホルダ526を受け取る。電力ワイヤ132は、コンタクトホルダ526から延びる。
【0050】
例示的な実施形態では、供給充電デバイス500は、供給ハウジング512の後面542で供給ハウジング512に結合された取付けばね550、552、554を含む。取付けばね550、552、554は、受電側電力コネクタ610(
図21に示す)に対する供給電力コネクタ510の嵌合端502の位置合わせのために、パネル106に係合して、供給電力コネクタ510がパネル106に対して浮動することを可能にするように構成される。取付けばね550、552、554は、供給ハウジング512がパネル106に対して動いて、パネル106に対する供給電力コネクタ510の嵌合端502の位置を変化させ、受電側電力コネクタ610に嵌合することを可能にするように圧縮可能である。
【0051】
取付けばね550は、供給ハウジング512に結合された固定端560と、パネル106に結合するように構成された自由端562とを含む。取付けばね550は、自由端562が固定端560に対して可動になるように圧縮可能である。例示的な実施形態では、供給ハウジング512は、取付けばね550の自由端562を受け取るスロット564を後面542に含む。
【0052】
例示的な実施形態では、供給ハウジング512は、後面542に供給フランジ514から延びる位置付け機構566を含む。図示の実施形態では、位置付け機構566は円柱ポストである。代替実施形態では、他のタイプの位置付け機構を使用することもできる。代替実施形態では、位置付け機構566を供給ベース516に設けることもできる。位置付け機構566は、パネル106に係合して、供給電力コネクタ510をパネル106に対して位置付けるように構成される。
【0053】
図24は、パネル106に嵌合する供給充電デバイス500の背面斜視図である。供給フランジ514は、パネル106の前方へ位置付けられる。供給ベース516は、パネル切抜き部120に入り、パネル切抜き部120を通って充電構成要素404の内部へ延びる。取付けばね550、552、554は、パネル切抜き部120内へ延びてパネル106に係合する。取付けばね550、552、554は、供給電力コネクタ510をパネル106に対して静止位置へ付勢する。
【0054】
供給電力コネクタ510は、移動充電デバイス600(
図21に示す)が供給充電デバイス500に係合して供給充電デバイス500を移動充電デバイス600と位置合わせするときなどに、静止位置からオフセット位置へ可動である(たとえば、右側、左側、上方、および/または下方へ可動)。取付けばね550、552、554は、供給電力コネクタ510が解放されると、供給電力コネクタ510をオフセット位置から静止位置へ戻す。取付けばね550、552は、パネル106に対する供給充電デバイス500の水平方向の位置決め(たとえば、横方向)を制御する。取付けばね554は、パネル106に対する供給充電デバイス500の垂直方向の位置決め(たとえば、上下方向)を制御する。
【0055】
図25は、パネル106に取り付けられた供給充電デバイス500の一部分を示す充電構成要素404の背面斜視図である。供給充電デバイス500は、供給ハウジング512の後面542に結合された保持板570を含む。保持板570は、供給電力コネクタ510をパネル106に取り付けるために使用される。保持板570は、前面572および後面574を含む。前面572は、パネル106に面している。保持板570を供給ハウジング512に固定するために、締結具576が使用される。任意選択で、締結具576を位置付け機構566に固定することもできる。保持板570は、供給ベース516を受け取るように構成された開口578を含む。開口578は、取付けばね550、552のいくつかの部分を受け取ることができる。様々な実施形態では、開口578は、取付けばね554のいくつかの部分を受け取ることができる。
【0056】
図26は、例示的な実施形態による移動充電デバイス600の背面斜視図である。
図27は、例示的な実施形態による移動充電デバイス600の背面斜視分解図である。受電側ハウジング612は、前面640と後面642との間に延びる。嵌合端602は、受電側ハウジング612の前面640に設けられる。受電側ベース616は、受電側フランジ614から受電側ハウジング612の後面642まで後方へ延びる。図示の実施形態では、受電側信号コンタクト624はポゴコンタクトであるが、代替実施形態では、他のタイプのコンタクトを使用することもできる。
【0057】
受電側ベース616は、受電側ベース616の空洞628内にコンタクトホルダ626を受け取る。コンタクトホルダ626は、受電側電力コンタクト620(
図27)を保持する。電力ワイヤ142は、コンタクトホルダ626から延びる。図示の実施形態では、受電側電力コンタクト620は、コンタクトホルダ626の頂面および/または底面などを通って、コンタクトホルダ626内の対応するコンタクトチャネル内へ横から装入されるように構成される。代替実施形態では、受電側電力コンタクト620は、コンタクトホルダ626の後端などを通って、コンタクトホルダ626内へ端部から装入することもできる。例示的な実施形態では、受電側電力コンタクト620をコンタクトホルダ626内にロックするために、コンタクトロック629が使用される。
コンタクトホルダ626は、コンタクトホルダ626内に受電側電力コンタクト620が装入され、受電側電力コンタクト620から電力ワイヤ142が延びている状態で、受電側ベース616の空洞628内へ後部から装入されるように構成される。次いでコンタクトロック629は、受電側ベース616に結合されて、コンタクトホルダ626を空洞628内にロックし、受電側電力コンタクト620をコンタクトホルダ626内にロックする。
【0058】
図28は、例示的な実施形態による供給充電デバイス500の背面斜視分解図である。
図28は、供給ハウジング512内へ差し込まれるように構成された取付けばね550、552、554を示す。
図28は、供給ハウジング512内へ装入されるように構成された供給信号コンタクト524を示す。図示の実施形態では、供給信号コンタクト524はポゴコンタクトであるが、代替実施形態では、他のタイプのコンタクトを使用することもできる。
【0059】
図28は、供給電力コンタクト520を保持するために使用されるコンタクトホルダ526を示す。コンタクトホルダ526は、供給ベース516の空洞528内に受け取られるように構成される。コンタクトホルダ526は、供給電力コンタクト520を保持する。電力ワイヤ132は、コンタクトホルダ526から延びる。図示の実施形態では、供給電力コンタクト520は、コンタクトホルダ526の頂面および/または底面などを通って、コンタクトホルダ526内の対応するコンタクトチャネル内へ横から装入されるように構成される。代替実施形態では、供給電力コンタクト520は、コンタクトホルダ526の後端などを通って、コンタクトホルダ526内へ端部から装入することもできる。例示的な実施形態では、供給電力コンタクト520をコンタクトホルダ526内にロックするために、コンタクトロック529が使用される。
コンタクトホルダ526は、コンタクトホルダ526内に供給電力コンタクト520が装入され、供給電力コンタクト520から電力ワイヤ142が延びている状態で、供給ベース516の空洞528内へ後部から装入されるように構成される。次いでコンタクトロック529は、供給ベース516に結合されて、コンタクトホルダ526を空洞528内にロックし、供給電力コンタクト520をコンタクトホルダ526内にロックする。
【0060】
図29は、パネル106に取り付けられた供給充電デバイス500を示す充電構成要素404の斜視図である。パネル106は、保持板570の前面572と供給フランジ514の後面542との間のパネル間隙580内に捕捉される。保持板570は、保持板570が供給電力コネクタ510とともにパネル106に対して可動になるように、供給電力コネクタ510に結合される。例示的な実施形態では、供給電力コネクタ510がパネル106に対して角度オフセットを生じることを可能にするように、パネル間隙580の幅はパネル106の幅より大きい。
たとえば、供給フランジ514がパネル106に対して非平行になるように、供給電力コネクタ510をパネル106に対して回転させることができる。この角度オフセットにより、パネル106に直交しない嵌合方向における移動充電デバイス600との嵌合が可能になる。様々な実施形態では、供給電力コネクタ510は、パネル106に対して約5°の角度オフセットを生じることができる。しかし代替実施形態では、パネル間隙幅を制御することによって、角度オフセット量を5°より大きくしても小さくしてもよい。
【0061】
図30は、移動充電デバイス600が嵌合方向450において供給充電デバイス500に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システム400の断面図である。移動充電デバイス600は、供給充電デバイス500に対してオフセットまたは位置合わせ不良が生じている。たとえば、図示の実施形態では、移動充電デバイス600は、供給充電デバイス500に対して水平方向のオフセット(たとえば、右側)が生じている。供給充電デバイス500は、供給充電デバイス500の嵌合端502を移動充電デバイス600の嵌合端602と位置合わせするように、パネル106に対して可動である。案内部材530は、嵌合端502、602を位置合わせするための案内機構630を係合する。
【0062】
嵌合中、先端部532は、開口634を通って漏斗632内に受け取られる。移動充電デバイス600が嵌合方向450に動くと、案内壁636は案内部材530に係合し、案内部材530をオフセット方向452に押す。図示の実施形態では、オフセット方向452は横方向であるが、代替実施形態では、オフセット方向452は、上方方向、下方方向、および/または別の角度方向を含む異なる方向とすることもできる。
【0063】
図31は、移動充電デバイス600が嵌合方向450において供給充電デバイス500に部分的に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システム400の断面図である。嵌合中、供給電力コネクタ510がオフセット方向452に移動すると、取付けばね552は圧縮される。供給電力コネクタ510は、先端部532をレセプタクル638と位置合わせするように、パネル106に対して移動する。移動充電デバイス600が嵌合方向450に動くと、先端部532は案内壁636に沿ってレセプタクル638の方へ進む。
【0064】
図32は、移動充電デバイス600が供給充電デバイス500に完全に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システム400の断面図である。取付けばね552が圧縮される。供給コネクタ510は、パネル106に対してオフセット位置に移動する。供給電力コンタクト520は、嵌合位置で受電側電力コンタクト620に嵌合する。
【0065】
図33は、例示的な実施形態による充電システム400を示す。図示の実施形態では、供給充電デバイス500は静電放電コンタクト504を含み、移動充電デバイス600は静電放電コンタクト604を含む。移動充電デバイス600が供給充電デバイス500に嵌合するとき、静電放電コンタクト504は静電放電コンタクト604に係合する。例示的な実施形態では、静電放電コンタクト504、604は、電力コンタクト520、620が嵌合する前に嵌合する。
【0066】
図34は、供給充電デバイス800および移動充電デバイス900を含む例示的な実施形態による充電システム700を示す。
図35は、供給充電デバイス800および移動充電デバイス900を含む例示的な実施形態による充電システム700を示す。充電システム700は、充電システム100、400に類似しているが、充電デバイスは矩形ではなく円形である。
【0067】
移動充電デバイス900は、移動デバイス702に設けられており、供給充電デバイス800に嵌合するように構成された嵌合端902を含む。供給充電デバイス800は、充電構成要素704に設けられており、移動充電デバイス900に嵌合するように構成された嵌合端802を含む。供給充電デバイス800は、パネル706(
図36に示す)に結合するように構成される。移動充電デバイス900は、移動デバイス702の本体708(
図36に示す)に結合するように構成される。移動デバイス702は、充電構成要素704から分離され、移動デバイス702を再充電するために充電構成要素704へ戻るように構成される。移動充電デバイス900は、供給充電デバイス800に結合されたとき、供給充電デバイス800から電力を受け取る。
【0068】
図35を参照すると、移動充電デバイス900は、受電側ハウジング912を有する受電側電力コネクタ910を含む。受電側ハウジング912は、移動デバイス702の本体708に取り付けられるように構成された受電側フランジ914を有する。受電側ハウジング912は、受電側電力コンタクト920を保持する。受電側ハウジング912は、供給充電デバイス800に対する移動充電デバイス900の嵌合を案内するための案内機構930を含む。例示的な実施形態では、案内機構930は、開口934を有する漏斗932を含む。漏斗932は、開口934とレセプタクル938との間に傾斜案内壁936を有する。案内壁936は、移動デバイス702が充電構成要素704へ戻るとき、供給充電デバイス800および移動充電デバイス900の位置合わせを案内する。
漏斗932は、水平方向の位置合わせ不良(たとえば、いずれかの側面からの位置合わせ不良)、および垂直方向の位置合わせ不良(たとえば、上または下からの位置合わせ不良)に対応する。
【0069】
図34を参照すると、供給充電デバイス800は、供給ハウジング812を有する供給電力コネクタ810を含む。供給ハウジング812は、前面840と後面842との間に延びる。嵌合端802は、供給ハウジング812の前面840に設けられる。供給ハウジング812は、パネル706に取り付けられるように構成された供給フランジ814を有する。供給ハウジング812は、供給電力コンタクト820を保持する。供給ハウジング812は、フランジ814から前方へ延びる案内部材830を含む。案内部材830は、開口934を通って受電側ハウジング912の漏斗932内に受け取られて、供給充電デバイス800を移動充電デバイス900に対して位置付けるように構成される。
例示的な実施形態では、供給充電デバイス800は、供給ハウジング812に結合された取付けばね850を含み、取付けばね850は、受電側電力コネクタ910に対する供給電力コネクタ810の嵌合端802の位置合わせのために、パネル106に係合して、供給電力コネクタ810がパネル106に対して浮動することを可能にするように構成される。
【0070】
図36は、移動充電デバイス900が嵌合方向750において供給充電デバイス800に部分的に嵌合していることを示す例示的な実施形態による充電システム700の断面図である。嵌合中、取付けばね850は、供給充電デバイス800の嵌合端802を移動充電デバイス900の嵌合端902と位置合わせするために、パネル706に対してオフセット位置への供給電力コネクタ810の浮動運動を可能にする。供給電力コネクタ810は、案内部材830をレセプタクル938と位置合わせするように、パネル706に対して移動する。
【0071】
図37は、供給充電デバイス800がパネル706に嵌合しており、移動充電デバイス900が移動デバイス702の本体708に嵌合していることを示す充電システム700の斜視図である。例示的な実施形態では、パネル706は、筐体760を含む。供給充電デバイス800は、筐体760内に取り付けられる。供給充電デバイス800は、筐体760内でパネル706の前面から凹んでいる。移動デバイス702は、本体708から外方へ延びるプラグ762を含む。移動充電デバイス900は、プラグ762に取り付けられる。プラグ762は、筐体760内に受け取られるように構成される。筐体760の壁は、プラグ762を案内するために使用される。
たとえば、筐体760の壁を使用して、供給充電デバイス800に対する移動充電デバイス900の粗い位置合わせを行うことができる。次いで案内機構930および案内部材830を使用して、供給充電デバイス800に対する移動充電デバイス900の微細な位置合わせを行うことができる。
【0072】
図38は、移動デバイス702が充電構成要素704に嵌合していることを示す充電システム700の断面図である。移動充電デバイス900は、供給充電デバイス800に対してオフセットが生じている。筐体760は、プラグ762を案内して概略的に位置合わせするために使用され、したがって供給充電デバイス800に対する移動充電デバイス900の嵌合中に、案内機構930を使用して、案内部材830と連動することができる。筐体壁764は、筐体760内でプラグ762を中心に位置合わせするように、前から後ろへ傾斜している。
【0073】
図39は、移動デバイス702が充電構成要素704に嵌合していることを示す充電システム700の断面図である。筐体壁764は、プラグ762を筐体760の中心の方へ案内する。筐体壁764は、プラグ762および受電側電力コネクタ910を供給電力コネクタ810と概略的に位置合わせする。案内部材830は、筐体壁764によって漏斗932と位置合わせされる。供給充電デバイス800に対する移動充電デバイス900のさらなる嵌合により、案内部材830がレセプタクル938と位置合わせされる。たとえば、筐体壁764および/または漏斗932を使用して、移動充電デバイス900および供給充電デバイス800を方向付けることができる。
【0074】
図40は、例示的な実施形態による移動充電デバイス900の一部分の断面図である。図示の実施形態では、移動充電デバイス900の受電側電力コネクタ910は、移動デバイス702の本体708に対する受電側電力コネクタ910の浮動運動量の制限が可能になるように、浮動結合器950によって移動デバイス702の本体708に結合される。浮動結合器950は、本体708を受け取る溝954を有するフランジ952を含む。溝954は、本体708に対する浮動結合器950の浮動運動量の制限が可能になるように、本体708内の開口に対して特大である。したがって、受電側電力コネクタ910は、嵌合中に受電側電力コネクタ910を供給電力コネクタ810と位置合わせすることなどのために、本体708に対して動くことが可能である。