(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】勤怠管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1091 20230101AFI20240521BHJP
G07C 9/25 20200101ALI20240521BHJP
【FI】
G06Q10/1091
G07C9/25
(21)【出願番号】P 2020087199
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩村 光貴
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107730645(CN,A)
【文献】韓国公開特許第2019-0028987(KR,A)
【文献】特開2008-158702(JP,A)
【文献】特開2016-143320(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110728765(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0110610(US,A1)
【文献】米国特許第09111402(US,B1)
【文献】特開2004-252744(JP,A)
【文献】特開2016-105261(JP,A)
【文献】特開2017-167891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07C 9/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
社員が携帯する携帯端末と、
勤務場所の出入口に配置されて前記携帯端末からのプッシュ通知信号を受信する受信装置と、
前記受信装置が受信した前記プッシュ通知信号に基づいて前記社員の個人認証を行い、個人認証に成功した場合に個人認証情報を出力する個人認証サーバと、
前記勤務場所に配置されて前記社員の画像を撮影するカメラと、
前記個人認証サーバから前記社員の前記個人認証情報が入力され、前記カメラが撮影した画像と前記個人認証情報とに基づいて前記社員が前記携帯端末を所持している本人かどうか判別し、前記社員が前記携帯端末を所持している本人と判断した場合に、前記社員が前記出入口を通行した通行時刻を出力する画像解析サーバと、
前記画像解析サーバから入力された通行時刻に基づいて、前記社員の勤怠管理を行う勤怠管理サーバと、を備え
、
前記社員は、個人認証情報を格納したメディアを用いてパソコンにログオンして業務を実行し、
前記社員の前記パソコンへのログオン状態を管理すると共に、ログオン状態情報を前記勤怠管理サーバに出力するパソコン管理サーバを含み、
前記勤怠管理サーバは、前記画像解析サーバから入力された通行時刻に基づいて前記社員の勤務時間を画定し、画定した勤務時間と前記パソコン管理サーバから入力された前記ログオン状態情報とに基づいて、前記社員の業務分析を行うこと、
を特徴とする勤怠管理システム。
【請求項2】
請求項
1に記載の勤怠管理システムであって、
前記勤怠管理サーバは、画定した前記勤務時間以外の時間に前記社員の前記パソコンへの前記ログオン状態情報が入力された場合に、賃金不払い残業が発生したと判断すること、
を特徴とする勤怠管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員の勤怠管理を行うシステムの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯端末を用いた勤怠管理システムが用いられている。例えば、社員が所持しているスマートフォンが出退勤用アクセスポイントの通信範囲内に進入するとアクセスポイントから送信されるビーコン信号によってスマートフォンのメモリに出勤退勤時刻が記録され、この出退勤時間に社員のIDを付加した勤怠情報をスマートフォンから勤怠管理サーバに送信して勤怠管理を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術の勤怠管理システムでは、社員になりすましての出退勤や、勤怠データの改ざんが可能な場合があり、勤怠管理システムの信頼性の向上が求められていた。
【0005】
そこで、本発明は、勤怠管理システムの信頼性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の勤怠管理システムは、社員が携帯する携帯端末と、勤務場所の出入口に配置されて前記携帯端末からのプッシュ通知信号を受信する受信装置と、前記受信装置が受信した前記プッシュ通知信号に基づいて前記社員の個人認証を行い、個人認証に成功した場合に個人認証情報を出力する個人認証サーバと、前記勤務場所に配置されて前記社員の画像を撮影するカメラと、前記個人認証サーバから前記社員の前記個人認証情報が入力され、前記カメラが撮影した画像と前記個人認証情報とに基づいて前記社員が前記携帯端末を所持している本人かどうか判別し、前記社員が前記携帯端末を所持している本人と判断した場合に、前記社員が前記出入口を通行した通行時刻を出力する画像解析サーバと、前記画像解析サーバから入力された通行時刻に基づいて、前記社員の勤怠管理を行う勤怠管理サーバと、を備え、前記社員は、個人認証情報を格納したメディアを用いてパソコンにログオンして業務を実行し、前記社員の前記パソコンへのログオン状態を管理すると共に、ログオン状態情報を前記勤怠管理サーバに出力するパソコン管理サーバを含み、前記勤怠管理サーバは、前記画像解析サーバから入力された通行時刻に基づいて前記社員の勤務時間を画定し、画定した勤務時間と前記パソコン管理サーバから入力された前記ログオン状態情報とに基づいて、前記社員の業務分析を行うこと、を特徴とする。
【0007】
このように、個人認証に成功し、且つ、画像解析により本人確認ができた際の通行時刻に基づいて勤怠管理を行うので、社員になりすましての出退勤や、勤怠データの改ざんを抑制し、勤怠管理システムの信頼性を向上させることができる。また、社員の勤務時間情報とパソコンのログオン状態情報とに基づいて業務分析を実施するので、社員の業務分析を適切に行うことができる。
【0010】
本発明の勤怠管理システムにおいて、前記勤怠管理サーバは、画定した前記勤務時間以外の時間に前記社員の前記パソコンへの前記ログオン状態情報が入力された場合に、賃金不払い残業が発生したと判断してもよい。
【0011】
このように、勤怠管理サーバとパソコン管理サーバとを連携させることにより、賃金不払い残業を確実に検知することができ、賃金不払い残業の発生を抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、勤怠管理システムの信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態の勤怠管理システムの構成を示す系統図である。
【
図2】汎用コンピュータの構成を示す系統図である。
【
図3】
図1に示す個人認証サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図1に示す画像解析サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図5】
図1に示すパソコン管理サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図6】
図1に示す勤怠管理サーバの業務分析動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図1に示す勤怠管理サーバの賃金不払い残業検出動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示す勤怠管理システムにおいて検出される出退勤時刻、パソコンのログオン時刻、ログオフ時刻の例を示す図である。
【
図9】
図1に示す勤怠管理システムにおいて検出される出退勤時刻、パソコンのログオン時刻、ログオフ時刻の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら実施形態の勤怠管理システム100について説明する。
図1に示すように、勤怠管理システム100は、社員10が携帯する携帯端末11と、入室用受信装置14と、退出用受信装置15と、入室用カメラ16と、退出用カメラ17と、個人認証サーバ20と、画像解析サーバ25と、パソコン管理サーバ30と、勤怠管理サーバ40と、で構成されている。
【0015】
携帯端末11は、会社が社員10に支給するスマートフォンや携帯電話である。携帯端末11は、個人認証用の信号、例えば、その社員10のID番号等の認証コードを含むプッシュ通知信号を発信する機能を有している。
【0016】
入室用受信装置14は、社員10の勤務場所であるビル12の出入口13の外側に配置されている。また、ビル12の出入口13の内側には退出用受信装置15が配置されている。入室用受信装置14は、社員10が外部からビル12に入る際に、出入口13の外側にいる社員10の携帯端末11からのプッシュ通知信号を受信する。また、退出用受信装置15は、社員10がビル12から出る際に、出入口13の内側にいる社員10の携帯端末11からのプッシュ通知信号を受信する。入室用受信装置14と退出用受信装置15とは携帯端末11からのプッシュ通知信号を受信したら、プッシュ通知信号を個人認証サーバ20に出力する。
【0017】
入室用カメラ16と退出用カメラ17とは、それぞれビル12の出入口13の上部の壁18の内側と外側とに配置されている。入室用カメラ16は、出入口13の外からビル12の中に入る社員10の顔を含む画像を撮影可能なようにレンズが出入口13の外側に向かうように壁18に取り付けられている。また、退出用カメラ17は、出入口13の中からビル12の外に出る社員10の顔を含む画像を撮影可能なようにレンズが出入口13の内側に向かうように壁18に取付けられている。入室用カメラ16、退出用カメラ17は、撮影した画像データを画像解析サーバ25に出力する。
【0018】
個人認証サーバ20と、画像解析サーバ25と、パソコン管理サーバ30と、勤怠管理サーバ40は、それぞれ
図2に示すような汎用コンピュータ150で構成されている。
図2に示すように汎用コンピュータ150は、情報処理を行うプロセッサであるCPU151と、情報処理の際にデータを一時的に記憶するROM152、RAM153と、プログラムやユーザのデータ等を格納する記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)154と、入力手段として設けられたマウス155と、キーボード156、及び表示装置として設けられたディスプレイ157とを含んでいる。CPU151とROM152とRAM153とHDD154とはデータバス160によって接続されている。また、マウス155とキーボード156とディスプレイ157とは入出力コントローラ158を介してデータバス160に接続されている。また、データバス160には通信手段として設けられたネットワークコントローラ159が接続されている。
【0019】
個人認証サーバ20は、内部の記憶装置の中に格納した個人認証データベース21を参照しながら、入室用受信装置14又は退出用受信装置15から入力されるプッシュ通知信号に基づいて社員10の個人認証を行う。個人認証サーバ20は、個人認証に成功した場合に個人認証情報を画像解析サーバ25に出力する。また、個人認証サーバ20は、個人認証に成功した場合に出入口13のドアを開とするドア開指令を出力して出入口13のドアを開く。ここで、個人認証データベース21は、入室用受信装置14、退出用受信装置15から入力されるプッシュ通知信号に含まれる社員10のID番号等の認証コードと、社員10の氏名、所属等の社員10の属性情報とを関連付けて格納したデータベースである。また、画像解析サーバ25に出力する個人認証情報は、社員10の属性情報である。
【0020】
画像解析サーバ25は、内部の記憶装置の中に格納した画像解析データベース26を参照しながら、個人認証サーバ20から入力された社員10の属性情報と、入室用カメラ16又は退出用カメラ17が撮影した社員10の画像とに基づいて社員10が携帯端末11を所持している本人かどうか判別する。そして、画像解析サーバ25は、社員10が携帯端末11を所持している本人と判断した場合に、社員10が出入口13を通ってビル中に入った時刻を入室通行時刻、出入口13を通ってビル12の外に出た時刻を退出通行時刻として勤怠管理サーバ40に出力する。ここで、画像解析データベース26は、社員10の属性情報と、社員10の顔画像とを関連付けて格納したデータベースである。
【0021】
パソコン管理サーバ30は、内部の記憶装置にパソコン管理データベース31を備え、社員10が個人認証情報を格納したメディアを用いてログオンして業務を実行する社内パソコン32に接続されて社員10の社内パソコン32へのログオン状態を管理する。またパソコン管理サーバ30は、ログオン状態情報を勤怠管理サーバ40に出力する。ここで、ログオン状態情報は、ログオン時刻とログオフ時刻とを含み、社内パソコン32がログオン状態にあるのかログオフ状態にあるのかを示す情報である。また、パソコン管理サーバ30は、社員10が社外パソコン33を用いてインターネット35を介して社内パソコン32にリモートアクセスして社内パソコン32にログオンした場合も社内パソコン32のログオン状態を管理することができる。ここで、パソコン管理データベース31は、社員10のID番号と、社内パソコン32のID番号と、社員10が社内パソコン32にログオンしたログオン時刻と、社内パソコン32からログオフしたログオフ時刻と、を関連付けて格納したデータベースである。
【0022】
勤怠管理サーバ40は、内部の勤怠管理データベース41に画像解析サーバ25から入力された入室通行時刻、退出通行時刻をそれぞれ出勤時刻、退勤時刻として登録し、社員10の勤怠管理を行う。
【0023】
以上のように構成された勤怠管理システム100の動作について説明する。最初に
図3を参照しながら個人認証サーバ20の動作について説明する。
図3のステップS101に示すように個人認証サーバ20は、入室用受信装置14又は退出用受信装置15からプッシュ通知信号が入力されるまで待機し、プッシュ通知信号が入力されたら
図3のステップS102に進んで社員10の個人認証を行う。個人認証は、例えば、プッシュ通知信号に含まれる社員10のID番号等の認証コードが個人認証データベース21に格納されているかどうかを検索することでもよい。そして、個人認証サーバ20は、プッシュ通知信号に含まれる社員10の認証コードが個人認証データベース21に格納されている場合に、
図3のステップS103で個人認証に成功したと判断して
図3のステップS104に進んで出入口13にドア開指令を出力する。そして、個人認証サーバ20は、
図3のステップS105に進んで社員10の属性情報を個人認証情報として画像解析サーバ25に出力する。
【0024】
一方、個人認証サーバ20は、プッシュ通知信号に含まれる社員10の認証コードが個人認証データベース21に格納されていない場合には
図3のステップS103でNOと判断して
図3のステップS106に進んで入退出エラー信号を出力して動作を終了する。この場合、個人認証サーバ20は、ドア開指令を出力しないので出入口13のドアは閉まったままで、社員10はビル12の中に入ることができない。
【0025】
次に
図4を参照しながら画像解析サーバ25の動作について説明する。
図4のステップS201に示すように、画像解析サーバ25は、個人認証サーバ20から個人認証情報の入力があるまで待機し、個人認証情報の入力があった場合には、
図4のステップS202に進んで入室用カメラ16又は退出用カメラ17に撮影指令を出力する。入室用カメラ16又は退出用カメラ17は撮影指令が入力されたら社員10の画像を撮影して画像解析サーバ25に出力する。画像解析サーバ25は、
図4のステップS203で入室用カメラ16又は退出用カメラ17から社員10の画像が入力されたら、
図4のステップS204に進んで画像解析を実行する。画像解析は、画像データを解析して画像の中から社員10の顔の画像を抽出する動作である。画像解析により社員10の顔の画像を抽出したら
図4のステップS205に進んで、社員10が携帯端末11を所持している本人であるかどうかを判断する。この判断は、個人認証サーバ20入力された個人認証情報に基づいて画像解析データベース26に格納した顔の画像の中から、社員10の顔の画像を読みだし、この顔の画像と画像解析に入室用カメラ16又は退出用カメラ17の撮影画像から抽出した社員10の顔の画像とを比較し、同一人物かどうかを判断する。そして、同一人物の場合には、
図4のステップS205で社員10は携帯端末11を所持している本人であると判断して
図4のステップS206に進む。画像解析サーバ25は、
図4のステップS206において、社員10が出入口13を通ってビル中に入った時刻を入室通行時刻、出入口13を通ってビル12の外に出た時刻を退出通行時刻として勤怠管理サーバ40に出力する。
【0026】
一方、画像解析サーバ25は、
図4のステップS205でNOと判断した場合には、
図4のステップS207に進んで出退勤エラーを出力する。この場合、画像解析サーバ25は入室通行時刻、退出通行時刻を出力しない。
【0027】
次に
図5を参照しながらパソコン管理サーバ30の動作について説明する。
図5のステップS301に示すように、パソコン管理サーバ30は、社員10が社内パソコン32にログオンするまで待機し、社員10が社内パソコン32にログオンした場合には、
図5のステップS302に進んでログオン時刻をパソコン管理データベース31に登録する。そして、
図5のステップS303に進んでログオン時刻を勤怠管理サーバ40に出力する。そして、
図5のステップS304に示すように、社員10が社内パソコン32からログオフするまで待機し、社員10が社内パソコン32からログオフした場合には、
図5のステップS305でログオフ時刻をパソコン管理データベース31に登録し、
図5のステップS306で勤怠管理サーバ40にログオフ時刻を出力する。なお、社員10が社外パソコン33から社内パソコン32にリモートアクセスして社内パソコン32にログオン、ログオフした場合も上記と同様にログオン時刻、ログオフ時刻の登録と出力とを行う。
【0028】
次に
図6と
図8,9を参照しながら勤怠管理サーバ40の業務分析動作について説明する。
図6のステップS401,S402に示すように、勤怠管理サーバ40は、画像解析サーバ25から入室通行時刻が入力されたら、その時刻を出勤時刻として勤怠管理データベース41に登録する。また、
図6のステップS403,S404に示すように、画像解析サーバ25から退出通行時刻が入力されたらその時刻を退勤時刻として勤怠管理データベース41に登録する。また、勤怠管理サーバ40は、
図6のステップS405において、出勤時刻と退勤時刻との間を勤務時間として画定する。そして、
図6のステップS406に示すように勤怠管理サーバ40は、勤怠管理データベース41から社員10の出勤時刻、退勤時刻を含む勤務時間情報を読み出す。また、勤怠管理サーバ40は、
図6のステップS407でパソコン管理サーバ30のパソコン管理データベース31から社員10の社内パソコン32のログオン時刻、ログオフ時刻を含むログイン状態情報を読み出す。そして、勤怠管理サーバ40は、
図6のステップS408に進んで社員10の業務分析を実行する。
【0029】
勤怠管理データベース41、パソコン管理データベース31から読み出した各時刻を時系列の順に並べると
図8に示すようになる。
図8に示す例では、社員10は、出勤時刻から退勤時刻までの勤務時間の大部分の時間は社内パソコン32を用いた業務を行っており、PC使用時間1とPC使用時間2との間のPC不使用時間は、社内パソコン32を使用しない、例えば、会議等を行っていることが分かる。そして、出勤時間からPCログオン時間1までの間の時間はビル12の出入口13から自分のデスクまでの移動時間であり、同様にPCログオフ時刻2から退勤時刻までの間は自分のデスクからビル12の出入口13までの移動時間であることが分かる。また、
図9に示す例では、社員10は、エレベーター等の保守点検を行う直接部門の技術者で、出勤時間からPCログオン時刻4までの間は、オフィスでの準備作業を行っており、PC使用時間4の間は社内パソコン32を使って見積作成、メールチェック、客先への納品書作成等を行っている時間であることが分かる。このように、勤怠管理サーバ40は、出勤時刻、退勤時刻、ログオン時刻、ログオフ時刻を用いて、社員10の業務分析を行うことができる。
【0030】
そして、勤怠管理サーバ40は、社員10の業務分析が終了したら、
図6のステップS409に進んで分析結果を出力して動作を終了する。
【0031】
次に
図7、
図8を参照しながら勤怠管理サーバ40の賃金不払い残業検知動作について説明する。なお、
図7において、
図6の業務分析動作と同様の動作については同様のステップ番号を付して説明は省略する。
【0032】
勤怠管理サーバ40は、先に説明した業務分析動作と同様、
図7のステップS401~S405で出勤時刻、退勤時刻の登録と、勤務時間の画定を行う。そして、勤怠管理サーバ40は、
図7のステップS406に進んで勤務時間以外の時間に社内パソコン32のログオン情報が入力されるまで待機する。そして、
図8に示す例のように、退勤時刻の後のPCログオン時刻3に社内パソコン32へのログオン時刻の入力があった場合には、勤務時間以外の時間にパソコンのログオン情報が入力されたと判断して
図7のステップS501でYESと判断し、
図7のステップS502に進んで賃金不払い残業を検出する。また、社員10が退勤時刻後に社外パソコン33を用いて社内パソコン32にログオンした場合も同様に、
図7のステップS501でYESと判断して
図7のステップS502に進んで賃金不払い残業を検出する。
【0033】
また、勤怠管理サーバ40は、勤務時間中にログイン時刻が入力されたが、退勤時間を過ぎてもログオフ時刻が入力されておらず、退勤時間の後にログオフ時刻の入力があった場合も、勤務時間以外の時間にパソコンのログオン情報が入力されたと判断して
図7のステップS501でYESと判断し、
図7のステップS502に進んで賃金不払い残業を検出する。
【0034】
以上、説明した勤怠管理システム100では、個人認証に成功し、且つ、画像解析により本人確認ができた際の入室通行時刻又は退出通行時刻に基づいて勤怠管理を行うので、社員10になりすましての出退勤や、勤怠データの改ざんを抑制し、勤怠管理システム100の信頼性を向上させることができる。
【0035】
また、勤怠管理システム100は、出勤時刻、退勤時刻と、社内パソコン32へのログオン時刻、ログオフ時刻を用いて業務分析を行ったり、賃金不払い残業の検出を行ったりすることができ、業務の効率化を図ったり、適切な勤怠管理を行うことが可能となる。
【0036】
なお、以上の説明では、パソコン管理サーバ30は、社内パソコン32のログオン時刻、ログオフ時刻を含むログオン状態情報を登録することとして説明したが、これに限らず、例えば、社内パソコン32の電源のオン、オフの状態を登録し、これに基づいて業務分析を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
10 社員、11 携帯端末、12 ビル、13 出入口、14 入室用受信装置、15 退出用受信装置、16 入室用カメラ、17 退出用カメラ、18 壁、20 個人認証サーバ、21 個人認証データベース、25 画像解析サーバ、26 画像解析データベース、30 パソコン管理サーバ、31 パソコン管理データベース、32 社内パソコン、33 社外パソコン、35 インターネット、40 勤怠管理サーバ、41 勤怠管理データベース、100 勤怠管理システム、150 汎用コンピュータ、151 CPU、152 ROM、153 RAM、154 HDD、155 マウス、156 キーボード、157 ディスプレイ、158 入出力コントローラ、159 ネットワークコントローラ、160 データバス。