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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/19 20180101AFI20240521BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240521BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240521BHJP
   F21S 45/10 20180101ALI20240521BHJP
   F21S 41/19 20180101ALI20240521BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 102/19 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20240521BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20240521BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240521BHJP
【FI】
F21S43/19
F21V19/00 170
F21V19/00 150
F21S43/14
F21S45/10
F21S41/19
F21V19/00 450
F21W103:00
F21W102:00
F21W103:20
F21W103:10
F21W103:35
F21W103:55
F21W102:19
F21W103:45
F21W102:30
F21W105:00
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020116345
(22)【出願日】2020-07-06
(65)【公開番号】P2022014153
(43)【公開日】2022-01-19
【審査請求日】2023-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003410
【氏名又は名称】弁理士法人テクノピア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(72)【発明者】
【氏名】木原 勇也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 荘夫
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-193504(JP,U)
【文献】特開2007-265646(JP,A)
【文献】特開2019-153460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/19
F21V 19/00
F21S 43/14
F21S 45/10
F21S 41/19
F21W 103/00
F21W 102/00
F21W 103/20
F21W 103/10
F21W 103/35
F21W 103/55
F21W 102/19
F21W 103/45
F21W 102/30
F21W 105/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の方向に突出された複数の取付部を有するランプハウジングと、
光を出射する光源と前記光源が搭載される光源搭載部とを有する光源基板と、
前記光源搭載部が取り付けられるベース部と前記ベース部に対して屈曲可能にされ前記取付部に取り付けられる被取付部とを有する取付ベースとを備え、
前記光源基板と前記取付ベースによって基板モジュールが構成され、
前記基板モジュールが複数設けられ、
少なくとも二つの前記基板モジュールが異なる方向を向いた状態にされ、
複数の前記被取付部の前記取付部に対する取付方向が同じにされ
前記被取付部が前記取付ベースの外周より内側に設けられた
車輌用灯具。
【請求項2】
前記ベース部の外周部に切欠部が形成された
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記ランプハウジングに位置決め突部が設けられ、
前記基板モジュールに位置決め孔が形成され、
前記位置決め突部が前記位置決め孔に挿入された状態で前記被取付部が前記取付部に取り付けられる
請求項1又は請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
前記取付部は先端に近づくに従って径が小さくなる形状に形成され、
前記取付部の先端面が前記取付方向に直交する方向を向く面に形成された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の基板モジュールを有する車輌用灯具についての技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用灯具には、例えば、光源が搭載された光源基板を有する基板モジュールが複数設けられ、複数の基板モジュールがそれぞれ異なる方向を向いて配置されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1においては、基板モジュールがプリント基板として示されている。特許文献1に記載の車輌用灯具においては、三つの基板モジュールがそれぞれ下方と側方と上方を向いた状態でベースを介してランプハウジングに取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-207367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような複数の基板モジュールが異なる向きでランプハウジングに取り付けられる車輌用灯具にあっては、作業性の向上を図り、容易かつ迅速な取付作業を確保ることが望まれる。
【0006】
そこで、本発明車輌用灯具は、ランプハウジングに対する基板モジュールの取付作業における作業性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、所定の方向に突出された複数の取付部を有するランプハウジングと、光を出射する光源と前記光源が搭載される光源搭載部とを有する光源基板と、前記光源搭載部が取り付けられるベース部と前記ベース部に対して屈曲可能にされ前記取付部に取り付けられる被取付部とを有する取付ベースとを備え、前記光源基板と前記取付ベースによって基板モジュールが構成され、前記基板モジュールが複数設けられ、少なくとも二つの前記基板モジュールが異なる方向を向いた状態にされ、複数の前記被取付部の前記取付部に対する取付方向が同じにされ、前記被取付部が前記取付ベースの外周より内側に設けられたものである。
【0008】
これにより、基板モジュールの向きに拘わらず複数の基板モジュールが取付部に対して同一の方向から取り付けられる。
【0010】
これにより、ベース部が被取付部の外側において被取付部を囲う状態で存在する。
【0011】
記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記ベース部の外周部に切欠部が形成されることが望ましい。
【0012】
これにより、光源基板に接続される配線が切欠部に挿通される。
【0013】
記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記ランプハウジングに位置決め突部が設けられ、前記基板モジュールに位置決め孔が形成され、前記位置決め突部が前記位置決め孔に挿入された状態で前記被取付部が前記取付部に取り付けられることが望ましい。
【0014】
これにより、位置決め突部と位置決め孔によって基板モジュールがランプハウジングに対して位置決めされる。
【0015】
記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記取付部は先端に近づくに従って径が小さくなる形状に形成され、前記取付部の先端面が前記取付方向に直交する方向を向く面に形成されることが望ましい。
【0016】
これにより、先端面が向く方向から被取付部が取付部に取り付けられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板モジュールの向きに拘わらず複数の基板モジュールが取付部に対して同一の方向から取り付けられることにより、ランプハウジングに対して異なる方向を向く複数の基板モジュールが一方向から取り付けられるため、ランプハウジングに対する基板モジュールの取付作業における作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図2乃至図4と共に本発明基板モジュール及び車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、カバーを外した状態で示す車輌用灯具の斜視図である。
図2】車輌用灯具の断面図である。
図3】基板モジュールと取付部を示す斜視図である。
図4】基板モジュールの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0020】
以下に示した実施の形態は、本発明車輌用灯具をテールランプに適用したものである。なお、本発明は、ヘッドランプ、ターンシグナルランプ、クリアランスランプ、ストップランプ、デイタイムランニングランプ、コーナーリングランプ、ハザードランプ、ポジションランプ、バックランプ、フォグランプ又はこれらの組み合わせであるコンビネーションランプ等の各種の車輌用灯具に広く適用することができる。
【0021】
以下の説明にあっては、光源からの光の外部への照射方向を後方として前後上下左右の方向を示すものとする。ただし、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
【0022】
車輌用灯具1、1は、車輌の後端部における両端部にそれぞれ配置されている。
【0023】
車輌用灯具1は、例えば、後方に開口されたランプハウジング2とランプハウジング2を閉塞するカバー3とを備えている(図1及び図2参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。灯具外筐4の内部空間は灯室4aとして形成されている。
【0024】
ランプハウジング2は、所定の形状、例えば、階段状に形成された底面部5と底面部5の外周部から後方に突出された周面部6とを有している。底面部5は、例えば、左右両端部を除く部分が後方に突出された組付部7として設けられている。
【0025】
ランプハウジング2には、組付部7から後方に突出された取付部8、8、8が左右に離隔して設けられている。取付部8は後述する基板モジュールと同数が設けられている。取付部8は先端に近づくに従って径が小さくなる軸状に形成され、取付部8の先端面9には螺穴9aが形成されている(図3参照)。取付部8、8、8は組付部7からの突出方向が全て同じにされ、先端面9、9、9は取付部8、8、8の突出方向に直交する面として形成されている。
【0026】
組付部7における取付部8、8、8と別の部分には位置決め突部10、10、・・・が設けられている。位置決め突部10、10、・・・は組付部7から略後方に突出され、先端に近づくに従って断面積が小さくなる形状にされている。
【0027】
ランプハウジング2は成形用金型を用いて各部が一体に形成される。取付部8、8、8と位置決め突部10、10、・・・は先端に近づくに従って径や断面積が小さくなる形状にされると共に外周面の向きが成形用金型の離型を阻害しない向きにされている。したがって、ランプハウジング2の成形用金型による成形を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0028】
灯室4aには第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13が、例えば、左右に並んで配置されている(図2参照)。
【0029】
なお、第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13は、大きさやランプハウジング2に対する取付角度が相違するが、構造は同じにされている。したがって、以下の第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13の説明においては、第1の基板モジュール11のみを詳細に説明し、第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13については第1の基板モジュール11における同様の部分に付した符号を付して詳細な説明は省略する。
【0030】
第1の基板モジュール11は、それぞれ板状に形成された光源基板14と取付ベース15を有している(図3及び図4参照)。光源基板14は、それぞれ光を出射する光源16、16、・・・と光源16、16、・・・が搭載された光源搭載部17とを有している。光源搭載部17における光源16、16、・・・が搭載された面は光源搭載面17aとして形成されている。光源16としては、例えば、発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)が用いられ、光源搭載部17としては、例えば、フレキシブルプリント配線板が用いられている。光源搭載部17には逃げ孔18が形成されている。なお、光源搭載部17に搭載される光源16の数は任意である。
【0031】
取付ベース15は枠状に形成されたベース部19とベース部19に対して屈曲可能にされた被取付部20とを有し、例えば、金属板によって形成されている。ベース部19は外形が光源搭載部17の外形と略同じ大きさにされている。ベース部19の外周部には切欠部21が形成されている。ベース部19には光源基板14の基板搭載部17が接着等によって取り付けられる。
【0032】
被取付部20は一端部がベース部19に連続された連続部20aとして形成されベース部19の外周より内側に設けられている。したがって、被取付部20は取付ベース15の内側に位置されている。被取付部20はベース部19に対して連続部20aを基準にして屈曲可能にされている。被取付部20には取付用孔20bが形成されている。
【0033】
取付ベース15は、被取付部20がベース部19に対して屈曲されることにより、被取付部20のベース部19に対する向きを変更にすることが可能にされている。したがって、被取付部20のベース部19に対する屈曲角度を調整することにより、ランプハウジング2に対する光源基板14の取付角度の調整が可能にされている。
【0034】
第1の基板モジュール11はベース部19に光源基板14が取り付けられて構成されている(図3参照)。第1の基板モジュール11においては、逃げ孔18が被取付部20に対応して位置される。第1の基板モジュール11には、ベース部19と基板搭載部17を貫通する位置決め孔22、22が形成されている。
【0035】
第1の基板モジュール11は、被取付部20がベース部19に対して前方に屈曲された状態で取付用孔20bに挿通された取付用ネジ50が取付部8の螺穴9aに螺合されることによってランプハウジング2に取り付けられる(図2及び図3参照)。第1の基板モジュール11はランプハウジング2に取り付けられた状態において、被取付部20が前後方向を向いた状態にされ、ベース部19に取り付けられた光源基板14の光源搭載面17aが斜め後方を向いた状態にされている(図1及び図2参照)。
【0036】
また、第1の基板モジュール11は、位置決め突部10、10が位置決め孔22、22に挿通された状態でランプハウジング2に取り付けられる。したがって、位置決め突部10、10と位置決め孔22、22によって第1の基板モジュール11がランプハウジング2対して位置決めされた状態でランプハウジング2に取り付けられるため、ランプハウジング2に対する第1の基板モジュール11の位置精度の向上を図ることができる。なお、位置決め突部10、10の突出方向を光源基板14と直交する方向にすることにより、光源基板14の面方向における位置ズレが生じ難くされるため、ランプハウジング2に対する第1の基板モジュール11の位置精度の一層の向上を図ることができる。
【0037】
さらに、ベース部19の外周部には切欠部21が形成されている。これにより、第1の基板モジュール11がランプハウジング2に取り付けられた状態において、光源基板14と図示しない制御基板とを接続する図示しない配線が切欠部21に挿通される。したがって、取付ベース15の外部に配線を通すためのスペースを別に形成する必要がないため、配置スペースの効率的な活用を図ることができる。また、切欠部21は、ランプハウジング2や図示しないエクステンション等に設けられた図示しない突部が嵌合されることにより、ランプハウジング2や図示しないエクステンション等に対する第1の基板モジュール11の位置決めに利用されてもよい。
【0038】
第2の基板モジュール12は、被取付部20が屈曲されずベース部19と同一平面上に位置された状態で、取付用ネジ50によって取付部8に取り付けられる(図2及び図3参照)。第2の基板モジュール12はランプハウジング2に取り付けられた状態において被取付部20と光源基板14の光源搭載面17aが共に後方を向く状態にされている。
【0039】
第3の基板モジュール13は、被取付部20がベース部19に対して前方に屈曲された状態で、取付用ネジ50によって取付部8に取り付けられる。第3の基板モジュール13はランプハウジング2に取り付けられた状態において、被取付部20が前後方向を向いた状態にされ、光源基板14の光源搭載面17aが第1の基板モジュール11における光源基板14の光源搭載面17aとは左右方向における反対側の斜め後方を向く状態にされている。
【0040】
上記のように、第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13は、取付部8、8、8に対してそれぞれ取付部8、8、8の突出方向とは反対の方向からランプハウジング2に取り付けられる。
【0041】
取付部8、8、8の突出方向は全て同じにされているため、第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13はそれぞれの向きに拘わらず、取付部8、8、8に対して同一の方向から取り付けられる。
【0042】
したがって、ランプハウジング2に対してそれぞれ異なる方向を向く第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13が一方向から取り付けられるため、ランプハウジング2に対する取付作業における作業性の向上を図ることができる。
【0043】
また、上記のように構成された車輌用灯具1においては、取付部8の先端面9が第1の基板モジュール11と第2の基板モジュール12と第3の基板モジュール13の取付方向に直交する方向を向く面に形成されている。これにより、先端面9の向く方向から被取付部20が取付部8に取り付けられるため、取付部8に対する被取付部20の取付作業を容易に行うことができる。
【0044】
さらに、上記のように構成された車輌用灯具1においては、被取付部20が取付ベース15の外周より内側に設けられている。これにより、ベース部19が被取付部20の外側において被取付部20を囲う状態で存在するため、取付ベース15の高い強度を確保することができる。
【0045】
なお、上記の車輌用灯具1においては、三つの基板モジュールが左右方向に並んで配置される例を示したが、基板モジュールの数は複数であれば任意であり、基板モジュールが上下方向や上下左右方向に並んで配置されていてもよい。また、上記には取付ベース15に被取付部20が一つ設けられた例を示したが、取付ベース15に被取付部20が複数設けられていてもよい。この場合には、被取付部20の数と同数の取付部8がランプハウジング2に設けられる。
【符号の説明】
【0046】
1…車輌用灯具、2…ランプハウジング、3…カバー、8…取付部、9…先端面、10…位置決め突部、11…第1の基板モジュール、12…第2の基板モジュール、13…第3の基板モジュール、14…光源基板、15…取付ベース、16…光源、17…光源搭載部、19…ベース部、20…被取付部、21…切欠部、22…位置決め孔
図1
図2
図3
図4