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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/22 20060101AFI20240521BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240521BHJP
   H01Q 1/42 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H01Q1/22 A
B60R11/02 A
H01Q1/42
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020160422
(22)【出願日】2020-09-25
(65)【公開番号】P2022053667
(43)【公開日】2022-04-06
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】林田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】薬師寺 賢志郎
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-133096(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/22
B60R 11/02
H01Q 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部に基板が収容され、前記基部から上方に突出する突出部にアンテナが収容されるケース体を備え、前記ケース体の底部に沿う被取付部材に取付けられるアンテナ装置であって、
前記ケース体は、
前記基部及び前記突出部を有し、かつ底部に開口部を有するカバー部材と、
前記開口部を覆う底板部材と、を備え、
前記カバー部材は、取付ボルトが上下方向に貫通可能な取付ボルト貫通部をさらに備え、
前記取付ボルト貫通部は、
貫通部本体と、
前記貫通部本体から下方に延出し、前記底板部材を貫通して前記被取付部材に当接する底板貫通部と、
前記貫通部本体と前記底板貫通部との間に形成される段部と、を備え、
前記段部と前記底板部材との間には、環状防水部材が配置されることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記カバー部材は、
前記取付ボルトのボルト頭を収容するボルト頭収容凹部と、
前記ボルト頭収容凹部内の水を排水する排水溝と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記カバー部材の下端は、前記底板部材の下端よりも下方に位置し、
前記基板は、前記アンテナを介して所定の無線信号を受信する受信基板であって、受信チャンネルを設定するチャンネル設定ダイヤルが実装され、
前記底板部材は、
外部から前記チャンネル設定ダイヤルを操作可能なダイヤル操作窓と、
前記底板部材の下面に貼り付けられ、前記ダイヤル操作窓を覆う防水フィルムと、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両などに取付けられるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基部に基板が収容され、基部から上方に突出する突出部にアンテナが収容されるケース体を備え、ケース体の底部に沿う被取付部材に取付けられるアンテナ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のアンテナ装置のケース体は、通常、基部及び突出部を有し、かつ底部に開口部を有するカバー部材と、開口部を覆う底板部材と、を備えて構成されており、被取付部材に対する取付構造としては、底板部材を被取付部材に固定する取付構造や、カバー部材及び底板部材を貫通する取付ボルトを用いて被取付部材に固定する取付構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-46142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、底板部材を被取付部材に固定する取付構造では、カバー部材に外力が作用したとき、カバー部材と底板部材との接合部分に負荷が作用するため、破損や防水性の低下が生じる可能性がある。また、カバー部材及び底板部材を貫通する取付ボルトを用いて被取付部材に固定する取付構造では、取付ボルトの締め付け力が底板部材に作用するため、ボルト貫通部近傍の防水性が低下する虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、基部に基板が収容され、前記基部から上方に突出する突出部にアンテナが収容されるケース体を備え、前記ケース体の底部に沿う被取付部材に取付けられるアンテナ装置であって、前記ケース体は、前記基部及び前記突出部を有し、かつ底部に開口部を有するカバー部材と、前記開口部を覆う底板部材と、を備え、前記カバー部材は、取付ボルトが上下方向に貫通可能な取付ボルト貫通部をさらに備え、前記取付ボルト貫通部は、貫通部本体と、前記貫通部本体から下方に延出し、前記底板部材を貫通して前記被取付部材に当接する底板貫通部と、前記貫通部本体と前記底板貫通部との間に形成される段部と、を備え、前記段部と前記底板部材との間には、環状防水部材が配置されることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のアンテナ装置であって、前記カバー部材は、前記取付ボルトのボルト頭を収容するボルト頭収容凹部と、前記ボルト頭収容凹部内の水を排水する排水溝と、を備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載のアンテナ装置であって、前記カバー部材の下端は、前記底板部材の下端よりも下方に位置し、前記基板は、前記アンテナを介して所定の無線信号を受信する受信基板であって、受信チャンネルを設定するチャンネル設定ダイヤルが実装され、前記底板部材は、外部から前記チャンネル設定ダイヤルを操作可能なダイヤル操作窓と、前記底板部材の下面に貼り付けられ、前記ダイヤル操作窓を覆う防水フィルムと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、カバー部材の取付ボルト貫通部は、貫通部本体と、貫通部本体から下方に延出し、底板部材を貫通して被取付部材に当接する底板貫通部と、を備えるので、取付ボルトの締め付け力が底板部材に作用することを回避できる。また、取付ボルト貫通部は、貫通部本体と底板貫通部との間に形成される段部を備え、段部と底板部材との間には、環状防水部材が配置されるので、取付ボルトの締め付け力の影響を受けることなく、良好な防水性を維持できる。
また、請求項2の発明によれば、カバー部材は、取付ボルトのボルト頭を収容するボルト頭収容凹部を備えるので、取付ボルトの高さ位置を可及的に低くし、アンテナへの影響を抑制できる。また、カバー部材は、ボルト頭収容凹部内の水を排水する排水溝を備えるので、ボルト頭収容凹部内に溜まった水による取付ボルトの腐食を防止できる。
また、請求項3の発明によれば、底板部材は、外部からチャンネル設定ダイヤルを操作可能なダイヤル操作窓と、底板部材の下面に貼り付けられ、ダイヤル操作窓を覆う防水フィルムと、を備えるので、ケース体を開けることなく、防水フィルムを剥がすだけでチャンネル変更が可能になるだけでなく、防水フィルムの貼り換えによって防水性を復元できる。また、カバー部材の下端は、底板部材の下端よりも下方に位置するので、被取付部材との接触による防水フィルムの剥がれを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置が取付けられた乗用田植機の斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の取付状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の取付状態を示す側面図である。
図4】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の取付状態を示す側面断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の下面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置のカバー部材を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の下面図である。
図8】本発明の一実施形態に係るアンテナ装置の内部を示す下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[作業車両]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1において、1は作業車両である乗用田植機Pの走行機体であって、該走行機体1の後部には、昇降リンク機構2を介して植付作業機3が昇降可能に連結されている。
【0009】
走行機体1には、正面視冂字状の測位用フレーム4が立設されている。測位用フレーム4は、上方に延在する左右一対の縦フレーム部4aと、左右の縦フレーム部4aの上端部同士を連結する横フレーム部4bとを有する。横フレーム部4bには、後述する測位システム5の構成要素である2つのGNSSアンテナ6、7と、本発明の実施形態に係るアンテナ装置8と、が取付けられ、左右いずれか一方の縦フレーム4aには、ナビゲーション表示などを行うタブレット9が取付けられている。
【0010】
走行機体1は、自動操舵制御を行うための制御構成として、測位システム5及び制御部(図示せず)を備える。測位システム5としては、例えば、数cmの誤差で高精度な測位が可能なRTK-GNSS測位システムが採用される。RTK-GNSS測位システムは、固定設置された基地局と、移動する移動局とのそれぞれで、GPSなどのGNSS測位を行い、基地局から移動局に送信される補正信号でリアルタイムに測位データを補正することで、誤差数cmの高精度な測位を実現するものである。また、移動局に所定の間隔をあけて2つのGNSSアンテナ6、7を設置すれば、移動局の絶対位置だけでなく、2つの測位結果に基づいて、移動局の進行方向(方位)も高精度に検出することが可能になる。
【0011】
具体的に説明すると、本実施形態の測位システム5は、RTK-GNSS測位を実行する制御ユニットであるGNSSユニット(図示せず)と、測位用フレーム4の横フレーム部4bに車幅方向に所定の間隔をあけて取付けられる基準用GNSSアンテナ6及び方位用GNSSアンテナ7と、固定設置されるRTK基地局から補正信号を受信する補正信号受信装置として機能するアンテナ装置8と、を備える。GNSSユニットは、RTK-GNSS測位による測位データ(絶対位置データ及び進行方向データ)を、CANなどの有線通信手段を介して制御部に送信するとともに、Bluetooth(登録商標)などの無線通信手段を介してタブレット9に送信する。
【0012】
[アンテナ装置]
つぎに、本発明の実施形態に係るアンテナ装置8について、図2図8を参照して説明する。
【0013】
アンテナ装置8は、アンテナ11と、内部配線12を介してアンテナ11に接続される受信基板13(基板)と、受信基板13から装置外部に引き出される外部配線14と、基部に受信基板13が収容され、基部から上方に突出する突出部にアンテナ11が収容されるケース体15と、を備えており、ケース体15の底部に沿う被取付部材16に対し、ケース体15を上下方向に貫通する一対の取付ボルト17を用いて取付けられる。なお、本実施形態の被取付部材16は、測位用フレーム4の横フレーム部4bに水平方向に沿って固定された平板部材である。
【0014】
(アンテナ)
アンテナ11は、長方形の平板形状を有し、下端部に内部配線12の一端部が接続されている。内部配線12の他端部には、受信基板13に接続するためのコネクタ18が設けられている。
【0015】
(受信基板)
受信基板13には、RTK基地局から送信される補正信号をアンテナ11を介して受信する受信回路が実装される。また、受信基板13の下面には、コネクタ18を下方から接続可能なコネクタ接続部19と、受信チャンネルを設定するチャンネル設定ダイヤル20が実装されている。チャンネル設定ダイヤル20は、下面部にダイヤル操作部20aを有し、該ダイヤル操作部20aの回し操作に応じて受信チャンネルが変更される。
【0016】
(ケース体)
ケース体15は、上記の基部及び突出部を有し、かつ底部に開口部21aを有するカバー部材21と、開口部21aを覆う底板部材22と、を備える。カバー部材21及び底板部材22は、樹脂成型品であり、カバー部材21には、アンテナ11が下方から差し込まれるアンテナ差込部21bと、受信基板13が固定される基板固定部21cと、底板部材22が固定される底板固定部21dと、一対の取付ボルト17が上下方向に貫通可能な一対の取付ボルト貫通部21eと、取付ボルト17のボルト頭17aを収容するボルト頭収容凹部21fと、開口部21aの周縁部であるカバー下端部21gと、外部配線14を装置外部に引き出すための外部配線引出し部21hと、が一体成型されている。
【0017】
アンテナ差込部21bは、アンテナ11の左右側辺部と係合する左右一対の側部係合溝21iと、アンテナ11の上辺部と係合する上部係合溝21jと、を備える。アンテナ差込部21bの左右側方位置には、内部配線12を通すための切欠き部21kが形成されている。
【0018】
基板固定部21c及び底板固定部21dは、いずれもビス孔を有し、図示しないビスを介して受信基板13や底板部材22が固定される。基板固定部21cは、カバー部材21の4箇所に設けられ、底板固定部21dは、カバー部材21の3箇所に設けられている。
【0019】
取付ボルト貫通部21eは、貫通部本体21mと、貫通部本体21mから下方に延出し、底板部材22を貫通して被取付部材16に当接する底板貫通部21nと、を備える。このような取付ボルト貫通部21eによれば、取付ボルト17の締め付け力が底板部材22に作用することを回避できる。
【0020】
また、取付ボルト貫通部21eは、貫通部本体21mと底板貫通部21nとの間に形成される段部21pを備えており、段部21pと底板部材22との間には、Oリング23(環状防水部材)が配置される。このような構成によれば、取付ボルト17の締め付け力の影響を受けることなく、良好な防水性を維持できる。
【0021】
ボルト頭収容凹部21fは、取付ボルト17の高さ位置を可及的に低くするために、取付ボルト17のボルト頭17aを収容する。これにより、取付ボルト17とアンテナ11の水平方向のオーバーラップを回避、又は可及的に小さくすることで、アンテナ11への影響を抑制することができる。また、ボルト頭収容凹部21fには、ボルト頭収容凹部21f内の水を排水する排水溝21qが連通状に形成されている。これにより、ボルト頭収容凹部21f内に溜まった水による取付ボルト17の腐食を防止できる。
【0022】
カバー下端部21gの下端は、底板部材22の下端よりも下方に位置するとともに、被取付部材16と当接するように、取付ボルト貫通部21eの下端と同等の高さに位置している。また、カバー下端部21gには、底板部材22の下方空間に連通する通気用の切欠き部21rが形成されている。切欠き部21rは、少なくともカバー下端部21gの2箇所に形成されており、底板部材22の下方空間の通気性が高められる。
【0023】
外部配線引出し部21hは、外部配線14を装置外部に引き出す引出し孔21sの他に、シーリング材を封入して引出し孔21sの防水性を確保する封入空間21tと、外部配線14に装着されるワイヤバンド14aを収容し、ワイヤバンド14aとの係合により外部配線14の抜け方向の動きを規制するバンド収容部21uと、外部配線14に装着される図示しないOリングと嵌合して防水性を高めるOリング嵌合溝21vと、を備える。
【0024】
底板部材22には、アンテナ11を下方から支持するアンテナ支持部22aと、受信基板13に接続されるコネクタ18を下方から支持するコネクタ支持部22bと、カバー部材21の取付ボルト貫通部21eが貫通する貫通孔22cと、カバー部材21の底板固定部21dに固定されるビス孔部22dと、外部からチャンネル設定ダイヤル20を操作可能にするダイヤル操作窓22eと、ケース体15の内外を連通させる通気孔22fと、が一体成型されている。
【0025】
アンテナ支持部22aは、底板部材22の上面から上方に突出する凸部であり、カバー部材21のアンテナ差込部21bに差し込まれたアンテナ11の下辺部に当接することにより、アンテナ11のアンテナ差込部21bからの抜けを規制する。これにより、固定金具などを用いることなくアンテナ11を支持できるので、固定金具によるアンテナ特性の変動を防止できる。
【0026】
コネクタ支持部22bは、底板部材22の上面から上方に突出する筒状の凸部であり、筒状の突部に嵌合状に装着される弾性部材24を介してコネクタ18を下方から支持する。これにより、振動などによるコネクタ18の外れを防止できる。また、コネクタ支持部22bは、弾性部材24を介してコネクタ18を支持するので、コネクタ18に作用する負荷を低減し、コネクタ18の破損も防止できる。
【0027】
貫通孔22cは、カバー部材21の取付ボルト貫通部21eに対応して2箇所に設けられ、ビス孔部22dは、カバー部材21の底板固定部21dに対応して3箇所に設けられている。貫通孔22cは、その上側周縁部に配置される前述のOリング23によって防水性が確保される。
【0028】
ダイヤル操作窓22eは、底板部材22のチャンネル設定ダイヤル20と対向する位置に設けられており、装置外部からチャンネル設定ダイヤル20の操作を許容する。また、ダイヤル操作窓22eの周縁部には、上方に立ち上がる筒状の壁部22gが形成されている。このような壁部22gによれば、装置外部からダイヤル操作窓22eにドライバなどを差し込んでチャンネル設定ダイヤル20を操作する際、ドライバなどが受信基板13に接触することを規制し、受信基板13の破損を防止することができる。
【0029】
ダイヤル操作窓22eは、通常、底板部材22の下面に貼り付けられる防水フィルム25によって覆われている。つまり、ケース体15を開けることなく、防水フィルム25を剥がすだけでチャンネル変更が可能になるだけでなく、防水フィルム25の貼り換えによって防水性を復元できる。また、カバー部材21のカバー下端部21gは、底板部材22の下端よりも下方に位置するので、被取付部材16との接触による防水フィルム25の剥がれも防止できる。
【0030】
通気孔22fは、ケース体15の内外を連通させることにより、ケース体15の内圧を一定に保つ。また、通気孔22fに、ゴアテックス(登録商標)などの防水性を備える通気性フィルム26によって覆われている。このようにすると、防水性を維持しながらケース体15の内圧を一定に保つことが可能になる。また、カバー部材21のカバー下端部21gは、底板部材22の下端よりも下方に位置し、かつ底板部材22の下方空間に連通する通気用の切欠き部21rを有するので、底板部材22の下方空間の通気性が高められるだけでなく、被取付部材16との接触による通気性フィルム26の剥がれも防止できる。
【0031】
[実施形態の効果]
叙述の如く構成された本実施形態によれば、基部に受信基板13が収容され、基部から上方に突出する突出部にアンテナ11が収容されるケース体15を備え、ケース体15の底部に沿う被取付部材16に取付けられるアンテナ装置8であって、ケース体15は、基部及び突出部を有し、かつ底部に開口部21aを有するカバー部材21と、開口部21aを覆う底板部材22と、を備え、カバー部材21は、取付ボルト17が上下方向に貫通可能な取付ボルト貫通部21eをさらに備え、取付ボルト貫通部21eは、貫通部本体21mと、貫通部本体21mから下方に延出し、底板部材22を貫通して被取付部材16に当接する底板貫通部21nと、貫通部本体21mと底板貫通部21nとの間に形成される段部21pと、を備え、段部21pと底板部材22との間には、Oリング23が配置されるので、取付ボルト17の締め付け力が底板部材22に作用することを回避できるだけでなく、良好な防水性を維持できる。
【0032】
また、カバー部材21は、取付ボルト17のボルト頭17aを収容するボルト頭収容凹部21fと、ボルト頭収容凹部21f内の水を排水する排水溝21qと、を備えるので、取付ボルト17の高さ位置を可及的に低くし、アンテナ11への影響を抑制できるだけでなく、ボルト頭収容凹部21f内に溜まった水による取付ボルト17の腐食を防止できる。
【0033】
また、受信基板13は、アンテナ11を介して所定の無線信号を受信するとともに、受信チャンネルを設定するチャンネル設定ダイヤル20が実装され、底板部材22は、外部からチャンネル設定ダイヤル20を操作可能なダイヤル操作窓22eと、底板部材22の下面に貼り付けられ、ダイヤル操作窓22eを覆う防水フィルム25と、を備えるので、ケース体15を開けることなく、防水フィルム25を剥がすだけでチャンネル変更が可能になるだけでなく、防水フィルム25の貼り換えによって防水性を復元できる。また、カバー部材21の下端は、底板部材22の下端よりも下方に位置するので、被取付部材16との接触による防水フィルム25の剥がれも防止できる。
【符号の説明】
【0034】
8 アンテナ装置
11 アンテナ
13 受信基板
15 ケース体
16 被取付部材
17 取付ボルト
17a ボルト頭
18 コネクタ
20 チャンネル設定ダイヤル
21 カバー部材
21a 開口部
21b アンテナ差込部
21c 基板固定部
21e 取付ボルト貫通部
21f ボルト頭収容凹部
21g カバー下端部
21m 貫通部本体
21n 底板貫通部
21p 段部
21q 排水溝
21r 切り欠き部
22 底板部材
22a アンテナ支持部
22b コネクタ支持部
22e ダイヤル操作窓
22f 通気孔
23 Oリング
25 防水フィルム
26 通気性フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8