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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】マルチポート弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 11/072 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
F16K11/072 Z
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2020542655
(86)(22)【出願日】2019-01-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019015085
(87)【国際公開番号】W WO2019156830
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-01-24
(31)【優先権主張番号】15/892,655
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391019120
【氏名又は名称】ノードソン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【弁理士】
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ウィタカー,カール,ティー.
【審査官】篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-007328(JP,A)
【文献】特開2015-140810(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0026998(US,A1)
【文献】米国特許第03773076(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0319796(US,A1)
【文献】米国特許第09494249(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00 - 11/24
F16K 35/00 - 35/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面と、前記外面とは反対側にあって内部キャビティを画定する内面と、前記外面から延在し液体をそれぞれの出力部に移送する複数の出力ポートと、前記外面から延在し入力部から前記液体を受け取る入力ポートとを有する弁部材と、
前記内部キャビティ内に位置する方向指示部品であって、前記方向指示部品は前記方向指示部品の周囲に部分的に延在するチャネルと、前記チャネルを介して延在し前記チャネルが前記周囲に完全に延在する状態にならないようにする阻止延長部とを有する外面を画定する方向指示部品と、
前記方向指示部品を前記弁部材に対して回転させるように、前記方向指示部品に回転するように連結されるカバーであって、前記カバーは第1鉛直位置と第2鉛直位置との間で前記弁部材に対して軸方向に移動するようになっているカバーと、
前記カバーおよび前記方向指示部品を互いに対して回転するように連結するカプラーと、
前記カプラーと前記カバーとの間に配置され、前記カバーを前記カプラーに対して前記第1鉛直位置に付勢するようになっている付勢部材と、を備え、
前記方向指示部品は前記液体を前記入力ポートから前記複数の出力ポートのうちの1つに向け、
前記方向指示部品は、前記カバーが前記第1鉛直位置にあるときには前記弁部材に対しては回転せず、前記カバーが前記第2鉛直位置にあるときには前記弁部材に対しては回転するマルチポート弁。
【請求項2】
前記複数の出力ポートは第1平面に沿って延在し、前記入力ポートは前記第1平面から離間し前記第1平面に対して平行な第2平面に沿って延在する請求項1に記載のマルチポート弁。
【請求項3】
前記方向指示部品の前記チャネルは前記入力ポートと鉛直方向に位置合わせされる水平部分と前記水平部分から延在する鉛直部分とを有し、前記鉛直部分の一部は前記複数の出力ポートと鉛直方向に位置合わせされる請求項2に記載のマルチポート弁。
【請求項4】
前記方向指示部品は第1回転位置から第2回転位置まで回転することが可能であり、前記第2回転位置では前記阻止延長部が前記入力ポートと位置合わせされて液体が前記チャネルに流れない請求項1に記載のマルチポート弁。
【請求項5】
前記方向指示部品は前記外面とは反対側の内面と前記内面によって画定されるキャビティとを有し、
前記カプラーは前記方向指示部品の前記キャビティ内に配置される請求項1に記載のマルチポート弁。
【請求項6】
前記付勢部材は前記カバーを前記第1鉛直位置に上方に付勢するばねである請求項1に記載のマルチポート弁。
【請求項7】
前記カバーに接続された位置合わせ部材を更に備え、前記位置合わせ部材は前記弁部材のボアによって受容される突起を有する請求項6に記載のマルチポート弁。
【請求項8】
前記カバーが、1)前記第1鉛直位置にあるときに前記弁部材の前記ボアは前記位置合わせ部材の前記突起を収納し、前記方向指示部品は前記弁部材に対する回転を固定され、2)前記第2鉛直位置にあるときに前記位置合わせ部材の前記突起は前記弁部材の前記ボアから離間し前記方向指示部品は前記弁部材に対して回転することが可能である請求項7に記載のマルチポート弁。
【請求項9】
前記カバーは、上面と、前記上面とは反対側の下面と、前記下面から延在するシャフトとを備え、前記シャフトは上端部から前記上端部とは反対側の下端部まで延在し、前記下端部は前記位置合わせ部材に係合する請求項7に記載のマルチポート弁。
【請求項10】
前記複数の出力ポート及び前記入力ポートのそれぞれは、対応する可撓性チューブと相互接続するそれぞれのバーブを有する、請求項1に記載のマルチポート弁。
【請求項11】
外面と、前記外面とは反対側にあって内部キャビティを画定する内面と、上端部と、前記上端部とは反対側の下端部と、前記上端部から延在する停止部材と、前記外面から延在し液体をそれぞれの出力部に移送する複数の出力ポートと、前記外面から延在し入力部から前記液体を受け取る入力ポートとを有する弁部材と、
前記内部キャビティ内に位置し、前記弁部材に対して回転するようになっている方向指示部品であって、前記方向指示部品は前記方向指示部品が第1回転位置にあるときに前記液体を前記入力ポートから前記複数の出力ポートのうちの1つに向けるチャネルを有する外面を画定する方向指示部品と、
前記方向指示部品を前記弁部材に対して回転させるように、前記方向指示部品に回転可能に連結されるカバーであって、前記カバーは、上面および前記上面と対向する下面を有する本体と、前記下面から下側に向かって延在するリムと、前記リムの内面の内側に延在する停止部材と、を備えるカバーと、
を備え、
前記カバーの前記停止部材と前記弁部材の前記停止部材との間の接触は前記弁部材に対する前記カバー及び前記方向指示部品の回転を制限するマルチポート弁。
【請求項12】
前記弁部材の前記停止部材は前記弁部材の前記上端部から鉛直方向上方に延在し、前記弁部材の前記上端部の一部分の周りに周方向に延在するタブである請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項13】
前記方向指示部品は前記外面とは反対側の内面と前記内面によって画定されるキャビティとを有し、前記マルチポート弁は前記方向指示部品の前記キャビティ内に配置されるカプラーを更に備え、前記カプラーは前記方向指示部品を前記カバーに回転するように連結する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項14】
前記カバーの前記停止部材は、
前記リムの前記内面から延在する第1停止部と、
前記リムの前記内面から延在し前記第1停止部から離間する第2停止部と、
を有する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項15】
前記複数の出力ポートは第1平面に沿って延在し、前記入力ポートは前記第1平面から離間し前記第1平面に対して平行な第2平面に沿って延在する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項16】
前記カバーは、第1鉛直位置と第2鉛直位置との間を前記弁部材に対して軸方向に移動可能であり前記マルチポート弁は前記カバーを前記第1鉛直位置に上方に付勢するように構成されたばねを更に備える、請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項17】
前記方向指示部品は前記カバーが前記第1鉛直位置にあるときに前記弁部材に対する回転を固定され、前記方向指示部品は前記カバーが前記第2鉛直位置にあるときに前記弁部材に対して回転可能である請求項16に記載のマルチポート弁。
【請求項18】
前記カバーに接続される位置合わせ部材を更に備え、前記位置合わせ部材は前記弁部材のボアによって受容される突起を有する請求項16に記載のマルチポート弁。
【請求項19】
前記カバーが、1)前記第1鉛直位置にあるときに前記弁部材の前記ボアは前記位置合わせ部材の前記突起を収納し、前記方向指示部品は前記弁部材に対する回転を固定され、2)前記第2鉛直位置にある場合、前記位置合わせ部材の前記突起は前記弁部材の前記ボアから離間し、前記方向指示部品は前記弁部材に対して回転することが可能である請求項18に記載のマルチポート弁。
【請求項20】
前記カバーは、前記下面から延在するシャフトを備え、前記シャフトは上端部から前記上端部とは反対側の下端部まで延在し、前記下端部は前記位置合わせ部材に係合する請求項18に記載のマルチポート弁。
【請求項21】
さらに、前記カバーに接続される位置合わせ部材を有する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項22】
さらに、前記カバーを鉛直方向に付勢するばねを有し、前記下端部は前記上端部と鉛直方向反対側に位置する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項23】
前記カバーは第1鉛直位置と第2鉛直位置との間で前記弁部材に対して軸方向に移動することが可能であって、
さらに、前記カバーを前記第1鉛直位置または前記第2鉛直位置に付勢するばねを有する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項24】
前記カバーに接続される位置合わせ部材であって、前記位置合わせ部材は前記弁部材のボアによって受容される突起を有する位置合わせ部材をさらに備え、
前記カバーが、1)前記第1鉛直位置と前記第2鉛直位置とのうちの一方にあるときに前記弁部材の前記ボアは前記位置合わせ部材の前記突起を収納し、前記方向指示部品は前記弁部材に対する回転を固定され、2)前記第1鉛直位置と前記第2鉛直位置とのうちの他方にある場合、前記位置合わせ部材の前記突起は前記弁部材の前記ボアから離間し、前記方向指示部品は前記弁部材に対して回転することが可能である請求項23に記載のマルチポート弁。
【請求項25】
前記弁部材の前記上端部は、前記弁部材が延在する長手方向周りの周方向に延在する鉛直方向上向き面を画定し、
前記弁部材の前記停止部材は、前記鉛直方向上向き面を超えて鉛直方向上向きに突出しているタブを画定する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項26】
前記カバーは、長手軸周りの周方向に沿って延在する半径方向内向き面を有する内側面を画定するリムを備え、
前記カバーの前記停止部材は、前記停止部材が前記半径方向内向き面を超え半径方向内側に突出するように、前記リムの前記内側面から半径方向内側に延在する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項27】
前記弁部材は、上端部と、前記上端部とは反対側の下端部と、前記上端部から延在する停止部材と、を備え、
前記カバーは停止部材を備えて、前記カバーの前記停止部材と前記弁部材の前記停止部材との接触により、前記カバーと前記方向指示部品との前記弁部材に対する回転を制限する請求項11に記載のマルチポート弁。
【請求項28】
前記弁部材の前記停止部材は、前記弁部材の前記上端部から鉛直方向上向きに、かつ前記弁部材の前記上端部の周りの周方向に、延在するタブである請求項27に記載のマルチポート弁。
【請求項29】
前記カバーの前記停止部材は、
前記リムの前記内面から延在する第1停止部と、
前記第1停止部と離間して前記リムの前記内面から延在する第2停止部と、を備える請求項27に記載のマルチポート弁。
【請求項30】
外面と、前記外面とは反対側にあって内部キャビティを画定する内面と、前記外面から延在し液体をそれぞれの出力部に移送する複数の出力ポートと、前記外面から延在し入力部から前記液体を受け取る入力ポートとを有する弁部材と、
前記内部キャビティ内に位置し、前記弁部材に対して回転するようになっている方向指示部品であって、前記方向指示部品は前記方向指示部品の周囲に部分的に延在するチャネルと、前記チャネルを介して延在し前記チャネルが前記周囲に完全に延在する状態にならないようにする阻止延長部とを有する外面を画定する方向指示部品と、
前記方向指示部品を前記弁部材に対して回転させるように、前記方向指示部品に回転するように連結されるカバーであって、前記カバーは第1鉛直位置と第2鉛直位置との間で前記弁部材に対して軸方向に移動するようになっているカバーと、
前記カバーを前記第1鉛直位置に向けて上方に付勢するばねと、
前記カバーに接続された位置合わせ部材であって、前記位置合わせ部材は前記弁部材のボアによって受容される突起を有する位置合わせ部材と、
前記方向指示部品は、第1回転位置にあるときに、前記液体を前記入力ポートから前記複数の出力ポートのうちの1つに向けるマルチポート弁。
【請求項31】
前記カバーが、1)前記第1鉛直位置にあるときに前記弁部材の前記ボアは前記位置合わせ部材の前記突起を収納し、前記方向指示部品は前記弁部材に対する回転を固定され、2)前記第2鉛直位置にあるときに前記位置合わせ部材の前記突起は前記弁部材の前記ボアから離間し前記方向指示部品は前記弁部材に対して回転することが可能である請求項30に記載のマルチポート弁。
【請求項32】
前記カバーは、上面と、前記上面とは反対側の下面と、前記下面から延在するシャフトとを備え、前記シャフトは上端部から前記上端部とは反対側の下端部まで延在し、前記下端部は前記位置合わせ部材に係合する請求項30に記載のマルチポート弁。
【請求項33】
前記複数の出力ポートは第1面に沿って延在し、前記入力ポートは前記第1面に平行で前記第1面から離間している第2面に沿って延在する請求項30に記載のマルチポート弁。
【請求項34】
前記方向指示部品の前記チャネルは前記入力ポートと鉛直方向に位置合わせされる水平部分と前記水平部分から延在する鉛直部分とを有し、前記鉛直部分の一部は前記複数の出力ポートと鉛直方向に位置合わせされる請求項33に記載のマルチポート弁。
【請求項35】
前記方向指示部品は前記第1回転位置から第2回転位置まで回転することが可能であり、前記第2回転位置では前記阻止延長部が前記入力ポートと位置合わせされて液体が前記チャネルに流れない請求項30に記載のマルチポート弁。
【請求項36】
前記方向指示部品は前記外面とは反対側の内面と前記内面によって画定されるキャビティとを有し、
前記マルチポート弁は、さらに前記方向指示部品の前記キャビティ内に配置されて前記方向指示部品を前記カバーに回転するように取り付けるカプラーを有する請求項30に記載のマルチポート弁。
【請求項37】
前記弁部材は、上端部と、前記上端部とは反対側の下端部と、前記上端部から延在する停止部材と、を備え、
前記カバーは停止部材を備えて、前記カバーの前記停止部材と前記弁部材の前記停止部材との接触により、前記カバーと前記方向指示部品との前記弁部材に対する回転を制限する請求項30に記載のマルチポート弁。
【請求項38】
前記カバーは内面から延在するリムを有し、
前記カバーの前記停止部材は、
前記リムの内側から延在する第1停止部と、
前記リムの前記内側から延在し前記第1停止部から離間する第2停止部と、
を有する請求項37に記載のマルチポート弁。
【請求項39】
前記カバーの前記停止部材と前記弁部材の前記停止部材とは、前記リムの前記内面の半径方向内側に位置する請求項11に記載のマルチポート弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2018年2月9日に出願された米国特許出願第15/892,655号の利益を主張し、この米国特許出願は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、入力部と出力部との間で液体を輸送する弁に関する。より詳細には、本開示は、入力部と複数の出力部のうちの1つとの間で液体を選択的に輸送するマルチポート弁に関する。
【背景技術】
【0003】
3つ以上のポートを備える典型的な弁は、回転ブッシュを通して形成される少なくとも1つの通路からなる。回転ブッシュは、弁部材内に配置され、回転ブッシュの通路は、弁部材の入力ポートを、弁部材の出力ポートのうちの選択された1つと流体連通させる。通路内に流体を維持するために、弁部材は、回転ブッシュに対するシールとして機能する。通路によって接続されたポートの構成を調整するために、使用者は、所望の出力ポートが通路によって入力ポートに接続されるまで、弁部材に対して回転ブッシュを手動で回転させることができる。しかしながら、入力ポートと所望の出力ポートとの間の流体接続の質は、回転ブッシュが所望の出力ポートと位置合わせされた状態から僅かに外れて回転する場合、最適とは呼べない可能性がある。さらに、回転ブッシュは、動作中に意図せず回転してしまい、それにより、流体の流れも最適とは呼べなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、弁部材と回転ブッシュとの間に許容される回転量に対するより優れた制御、及び回転ブッシュと弁部材との間に許容される個々の回転位置に対する制御を与えるマルチポート弁が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施の形態は、外面と、前記外面とは反対側にあって内部キャビティを画定する内面と、前記外面から延在し液体をそれぞれの出力部に移送する複数の出力ポートと、前記外面から延在し入力部から前記液体を受け取る入力ポートとを有する弁部材を備える、マルチポート弁である。このマルチポート弁は、前記内部キャビティ内に位置し、前記弁部材に対して回転するようになっている方向指示部品であって、前記方向指示部品は前記方向指示部品の周囲に部分的に延在するチャネルと、前記チャネルを介して延在し前記チャネルが前記周囲に完全に延在する状態にならないようにする阻止延長部とを有する外面を画定する方向指示部品も備える。この方向指示部品は前記方向指示部品が第1回転位置にあるときに前記液体を前記入力ポートから前記複数の出力ポートのうちの1つに向けるように構成される。
【0006】
本開示の別の実施の形態は、外面と、前記外面とは反対側にあって内部キャビティを画定する内面と、上端部と、前記上端部とは反対側の下端部と、前記上端部から延在する停止部材と、前記外面から延在し液体をそれぞれの出力部に移送する複数の出力ポートと、前記外面から延在し入力部から前記液体を受け取る入力ポートとを有する弁部材を備えるマルチポート弁である。このマルチポート弁は、前記内部キャビティ内に位置し、前記弁部材に対して回転するようになっている方向指示部品であって、前記方向指示部品は前記方向指示部品が第1回転位置にあるときに前記液体を前記入力ポートから前記複数の出力ポートのうちの1つに向けるチャネルを有する外面を画定する方向指示部品も備える。このマルチポート弁は、前記方向指示部品が前記弁部材に対して回転するように、前記方向指示部品に回転するように連結されるカバーとを備え、前記方向指示部品は停止部材を有する。前記カバーの前記停止部材と前記弁部材の前記停止部材との間の接触は前記弁部材に対する前記カバー及び前記方向指示部品の回転を制限する。
【0007】
上記の概要及び下記の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれる場合によりよく理解される。図面は、本開示の例示的な実施の形態を示している。しかしながら、本願は、図示の正確な構成及び手段に限定されないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本開示の一実施形態に係るマルチポート弁の斜視図である。
図1B図1Aに示されているマルチポート弁の代替的な斜視図である。
図2図1Aに示されているマルチポート弁の分解図である。
図3A図1Aに示されているマルチポート弁の弁部材の斜視図である。
図3B図3Aに示されている弁部材の代替的な斜視図である。
図3C図3Aに示されている弁部材の代替的な斜視図である。
図4A図1Aに示されているマルチポート弁の方向指示部品の斜視図である。
図4B図4Aに示されている方向指示部品の代替的な斜視図である。
図5A図1Aに示されているマルチポート弁のカプラーの側面図である。
図5B図5Aに示されているカプラーの斜視図である。
図5C図5Aで囲んだ領域によって示されている、図5Aに示されているカプラーの一部分の側面図である。
図6A図1Aに示されているマルチポート弁のカバーの斜視図である。
図6B図6Aに示されているカバーの代替的な斜視図である。
図7図1Aに示されているマルチポート弁の位置合わせ部材の斜視図である。
図8図1Aに示されている線8-8に沿う、図1に示されているマルチポート弁の断面図である。
図9A】弁部材が透明の状態にされ、方向指示部品が第1の位置にある、図1Aに示されているマルチポート弁の斜視図である。
図9B】弁部材が透明の状態にされ、方向指示部品が第2の位置にある、図1Aに示されているマルチポート弁の斜視図である。
図9C】弁部材が透明の状態にされ、方向指示部品が第3の位置にある、図1Aに示されているマルチポート弁の斜視図である。
図10A】本開示の別の実施形態に係るマルチポート弁の斜視図である。
図10B図10Aに示されているマルチポート弁の代替的な斜視図である。
図11図10Aに示されているマルチポート弁の側面図である。
図12図10Aに示されているマルチポート弁の方向指示部品の斜視図である。
図13図10Aに示されているマルチポート弁の弁部材の斜視図である。
図14A】弁部材が透明の状態にされ、方向指示部品が第1回転位置にある、図10Aに示されているマルチポート弁の斜視図である。
図14B】弁部材が透明の状態にされ、方向指示部品が第2の回転位置にある、図10Aに示されているマルチポート弁の斜視図である。
図14C】弁部材が透明の状態にされ、方向指示部品が第3の回転位置にある、図10Aに示されているマルチポート弁の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、弁部材14、124と、方向指示部品44、154とを備えるマルチポート弁10、120が記載されている。以下の記載において、マルチポート弁10、120を説明するのに用いられる或る特定の術語は、便宜上のものにすぎず、限定的なものではない。「右」、「左」、「下」、及び「上」という用語は、参照される図面における方向を示している。「内」及び「外」という用語は、それぞれ、マルチポート弁10、120及びその関連する部分を説明する記載の幾何学的中心に向かう方向及び離れる方向を指す。これらの術語は、上記に挙げた用語、その派生語、及び同様の意味の用語を含む。
【0010】
図1Aから図9Cは、入力ポート22と出力ポート20aから20eのうちの1つとの組合せの間で流体の流路を選択的に変更する、又は代替的には、流体が入力ポート22から出力ポート20aから20eのいずれかに流れることを阻止するマルチポート弁10の第1の実施形態を示している。図1Aから図3B及び図8から図9Cを参照すると、マルチポート弁10は、外面18a及び外面18aとは反対側の内面18bを有する弁部材14を備える。また、弁部材14は、上端部19aと、鉛直方向に上端部19aの反対側にある下端部19bと、内面18bによって画定される中央キャビティ32とを有する。弁部材14は、実質的に硬質のポリマー、コポリマー、又は他のプラスチックから形成することができる。入力ポート22及び出力ポート20aから20eは、それぞれ、弁部材14の外面18aから径方向に遠ざかるように延在する。以降の識別の都合上、出力ポート20aから20eは、第1の出力ポート20a、第2の出力ポート20b、第3の出力ポート20c、第4の出力ポート20d、及び第5の出力ポート20eと称することができる。入力ポート22及び出力ポート20aから20eのそれぞれは、外面18aから延在し、外側開口30において終端する実質的に中空の本体を画定することができる。入力ポート22は、従来の可撓性チューブ等の入力部と相互接続し、その入力部から液体を受け取るように機能する。同様に、出力ポート20aから20eのそれぞれは、別の従来の可撓性チューブ等の出力部と相互接続し、その出力部に液体を移送するように機能する。5つの出力ポート20aから20eが示されているが、マルチポート弁10は、所望に応じて、より多数又はより少数の出力ポートを備えることができる。また、出力ポート20aから20e及び入力ポート22は、弁部材14の周りに特定の配置で配置された状態で示されているが、出力ポート20aから20e及び入力ポート22の相対位置は、所望に応じて配置を変えることができる。
【0011】
入力ポート22及び出力ポート20aから20eのそれぞれは、液体流を受け取る内部通路28を有することができ、通路のそれぞれは、弁部材14の内面18bにある内側開口27から、それぞれのポートの端部に位置する外側開口30まで延在する。図8に示されているように、出力ポート20aから20eのそれぞれの中心軸は、第1平面Pに沿って延在し、入力ポート22の中心軸は、第2平面Pに沿って延在する。第2平面Pは、第1平面Pから離間し、第1平面Pに対して実質的に平行に延在することができる。第2平面Pは、第1平面Pの下に位置するものとして示されているが、第1平面P及び第2平面P、したがって入力ポート22及び出力ポート20aから20eは、所望に応じて位置を変えることができる。入力ポート22及び出力ポート20aから20eのそれぞれは、真っ直ぐなシャフト23と、上述したように可撓性チューブとすることができるそれぞれの入力部又は出力部に係合し、それらを保持するために、真っ直ぐなシャフト23の外面から延在するバーブ(barb)24とによって形成することができる。
【0012】
弁部材14は、内面18bから延在するとともに、中央キャビティ32の外周部の周りに部分的に延在するレッジ39も備える。レッジ39は、レッジ39から上方かつ内面18bから外方に延在する流れ停止リブ40によって中央キャビティ32の外周部の周りに完全に延在することを阻止される。マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、レッジ39は、マルチポート弁10を通って流れる流体の流れの下限を画定し、流れ停止リブ40は、以下に更に論じるように、流体が入力ポート22に入った後、流体が反時計方向に流れることを防ぐ。
【0013】
図1Aから図3B及び図9Aから図9Cを続けて参照すると、弁部材14は、上端部19aから延在する停止部材33も備えることができる。停止部材33は、弁部材14の上端部19aから鉛直方向上方に、及び弁部材14の上端部19aの頂部に周方向に延在する中実タブとすることができる。図示のように、停止部材33は、上端部19aの周りの約40度に延在することができる。しかしながら、停止部材33は、所望に応じて、代替的な形状及びサイズとすることができる。停止部材33は、カバー84上に位置する停止部材93と相互作用し、弁部材14に対する方向指示部品44の回転範囲を制限するように構成される。弁部材14の停止部材33とカバー84の停止部材93との間の相互作用は、以下に更に記載する。
【0014】
弁部材14は、下端部19bにおいて内面18bから内方に延在する底部レッジ35を有する。底部レッジ35は、実質的にリング形状とすることができ、頂面35aと、頂面35aとは反対側の底面35bと、底部レッジ35を通して頂面35aから底面35bまで鉛直方向に延在する中央ボア34とを画定することができる。中央ボア34は、中央キャビティ32に開口するが、中央キャビティ32よりも大幅に小さい直径を規定する。底部レッジ35は、頂面35aから底面35bまで延在する少なくとも1つの位置合わせボア38を有する。図示の実施形態では、底部レッジ35は、底部レッジ35の周りで周方向に等距離に離間するとともに、中央ボア34の中心から径方向に等距離に離間する8つの位置合わせボア38を有する。しかしながら、異なる数の位置合わせボア38を有することができ、位置合わせボア38の相対位置は変更することができることが想定される。例えば、底部レッジ35は、1つの位置合わせボア、2つの位置合わせボア、又は8つよりも多くの位置合わせボアを有することができる。底部レッジ35及び特に位置合わせボア38は、以下に記載するように、特定の位置において、方向指示部品44の弁部材14に対する回転を係止するように機能する。
【0015】
ここで図1Aから図2図4Aおよび図4Bとを参照すると、マルチポート弁10は、弁部材14の中央キャビティ32内に受容されるように構成された方向指示部品44を備える。方向指示部品44は、外面44aと、外面44aとは反対側の内面44bと、上端部47aと、上端部47aとは反対側の下端部47bとを有する側壁48を備える。方向指示部品44は、ウレタン又はシリコーン等のエラストマー材料から形成することができる。方向指示部品44は、方向指示部品44を通して上端部47aから下端部47bまで延在する中央キャビティ49も有することができ、中央キャビティ49は、内面44bによって画定される。結果として、方向指示部品44は、中央キャビティ49の直径に対して小さな厚さを有する側壁48を有して、実質的に中空円筒の形状を有することができる。側壁48は、方向指示部品44の内面44bの形状が外面44aの形状を概ね反映するように、全体を通して実質的に一貫した厚さを有することができる。外面44aは、弁部材14の内面18bに接触するように構成されるため、係合シール面とも称することができる。方向指示部品44は、内面44bから径方向内方に延在するとともに、以下に論じるカプラー62によって画定される対応するスロット68に係合するように構成された少なくとも1つのリブ58を有することができる。5つのリブ58が示されているが、方向指示部品は、所望に応じて、より多数又はより少数のリブ58を有することができる。例えば、方向指示部品44は、1つのみのリブ、2つのリブ、又は5つよりも多くのリブを有することができる。
【0016】
方向指示部品44は、外面44aから側壁48に延在するとともに、方向指示部品44の円周に部分的に延在する流体チャネル52を有することができる。方向指示部品44が弁部材14の中央キャビティ32内に配置され、外面44aが弁部材14の内面18bに接触する場合、流体チャネル52は、入力ポート22から液体流を受け取り、その液体流を出力ポート20aから20eのうちの1つに向けるように構成することができる。この実施形態では、流体チャネル52は、方向指示部品44の円周の大部分にわたって形成された単一の連続したチャネルであるが、流体チャネル52は全周にわたって形成されていないことに留意することが重要である。
【0017】
図1Aから図2図4Aおよび図4Bとを続けて参照すると、図示の実施形態において、流体チャネル52は、2つの部分、すなわち、水平部分52b及び水平部分52bから延在する鉛直部分52aを有するものとして理解することができる。流体チャネル52の幅及び深さは、適切な一定の流体流を提供し、又は他の任意の機能事項を満たすために選択することができる。水平部分52bは、方向指示部品44の円周の実質的に大部分に延在することができ、一方、鉛直部分52aは、水平部分52bから上方に延在し、方向指示部品44の頂部よりも下の位置で終端することができる。水平部分52bは、鉛直部分52aと同様の幅及び深さを規定することができるが、これらの寸法は、所望に応じて変更することができる。方向指示部品44が弁部材14の中央キャビティ32内に配置される場合、第1平面Pは、流体チャネル52の鉛直部分52aを通して延在することができ、それにより、鉛直部分52aの一部は、出力ポート20aから20eと鉛直方向に位置合わせされる。同様に、方向指示部品44が弁部材14の中央キャビティ32内に配置される場合、第2平面Pは、流体チャネル52の水平部分52bを通して延在することができ、それにより、水平部分52bの一部は、入力ポート22と鉛直方向に位置合わせされる。結果として、様々な回転位置において、水平部分52bは、入力ポート22から液体流を受け取り、その液体流を鉛直部分52aに向けることができ、その後、鉛直部分52aは、液体流を出力ポート22aから22eのうちの1つに向ける。
【0018】
流体チャネル52の水平部分52bは、外面18aから下方に延在する阻止延長部56によって、方向指示部品44の円周に完全に延在することを阻止される。したがって、阻止延長部56は、水平部分52bが方向指示部品44の円周に実質的にC字形状を形成するように、水平部分52bを分断する。実際的には、阻止延長部56は、マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、液体が方向指示部品44の全周に完全に流れることを防ぐ。阻止延長部56は、流体チャネル52の水平部分52bの意図される長さに応じて、様々な幅を規定することができる。阻止延長部56の幅にかかわらず、阻止延長部56は、流体チャネル52を画定しない方向指示部品44の外面44aの残りの部分と同様に、弁部材14の内面18bに接触することができる。或る特定の回転位置において、阻止延長部56は、液体が入力ポート22から流体チャネル52に流れることを阻止するように、入力ポート22の内部通路28の内側開口27と位置合わせすることができる。この回転位置は、図9Bに関して以下で更に論じる。
【0019】
ここで図1Aから図2図5Aから図5Cとを参照すると、マルチポート弁10は、カプラー62を備えることができる。カプラー62は、外面64aと、外面64aとは反対側の内面64bと、上端部65aと、上端部65aとは反対側の下端部65bとを画定する側壁64を備えることができる。弁部材14及び方向指示部品44と同様に、カプラー62は、実質的に硬質のポリマー、コポリマー、又は他のプラスチックから形成することができる。カプラー62は、方向指示部品44を通して上端部65aから下端部65bまで延在する、内面64bによって画定される中央キャビティ66も有することができる。側壁64は、カプラー62の外面64aから径方向に側壁64内に延在する少なくとも1つのスロット68を有することができる。図示の実施形態では、カプラー62は、5つのスロット68を有するものとして示されている。しかしながら、カプラー62は、所望に応じて、より多数又はより少数のスロット68を有することができ、スロット68の数は、方向指示部品44が有するリブ58の数に概ね対応する。その理由は、マルチポート弁10が組み立てられると、スロット68は、方向指示部品44の対応するリブ58をそれぞれ受けることができ、方向指示部品44とカプラー62とを互いに位置合わせして固定することができるためである。同様に、カプラー62を方向指示部品44の中央キャビティ49内に配置することができるように、カプラー62の外面64aは、方向指示部品44の内面44bの形状に実質的に合致し、締まり嵌めを確実にすることができる。カプラー62は、上端部65a及び内面64bから側壁64内に延在する複数の凹部70も有することができる。4つの凹部70が示されており、凹部70は、カプラー62の周りに等距離に離間するものとして示されているが、より多数又はより少数の凹部70を有することができるとともに、凹部70は、別様に離間することができる。更に論じるように、凹部70は、カバー84のカプラー62に対する回転の固定を行うように、カバー84の一部分に係合するように構成される。
【0020】
カプラー62は、下端部65bにおいて内面64bから内方に延在する底部レッジ67を更に有することができる。底部レッジ67は、実質的にリング形状とすることができ、頂面67a及び頂面67aとは反対側の底面67bを画定することができる。複数のリブ76が、底部レッジ67の頂面67aから、底部レッジ67の上方に位置する中央支持体75まで上方に延在することができる。4つのリブ76が示されているが、マルチポート弁10は、所望に応じて、4つよりも多数又は少数のリブ76を有することができる。中央支持体75は、実質的にリング形状とすることができ、中央を貫通するボア77を画定することができる。ボア77は、中央キャビティ66に開口することができ、中央キャビティ66よりも大幅に小さい断面を規定することができる。マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、中央支持体75は、以下に更に記載するばね114の底端部を支持することができる。
【0021】
複数の延長部78が、底部レッジ67の底面67bから下方に延在することができる。延長部78のそれぞれは、延長部78の下方端部から径方向外方に延在するリップ80を有することができ、各リップ80は、実質的に平坦な上面80aを画定する。4つの延長部78が示されているが、カプラー62は、所望に応じて、4つよりも多くまたはそれより少い延長部を有することができる。例えば、カプラー62は、1つの延長部、2つの延長部、又は4つよりも多くの延長部を有することができる。さらに、延長部78は、底部レッジ67の周りに実質的に等距離に離間するものとして示されているが、延長部78の間隔は変更することができることが想定される。組立て形態では、カプラー62が方向指示部品44の中央キャビティ49内に配置され、方向指示部品44が弁部材14の中央キャビティ32内に配置される場合、延長部78は、弁部材14の中央ボア34を貫通し、底部レッジ35に係合することができる。具体的には、それぞれのリップ80の上面80aは、弁部材14の底部レッジ35の底面35bに係合することができる。この係合は、カプラー62及び方向指示部品44の双方を弁部材14に対して軸方向に固定する一方で、カプラー62及び方向指示部品44が弁部材14に対して回転することは依然として可能にする。
【0022】
ここで図1Aから図2図6Aおよび図6Bとを参照すると、マルチポート弁10は、カバー84を更に備える。カバー84は、上面87aと、上面87aとは反対側の下面87bと、下面87bから下方に延在するリム88とを有する本体87を備える。カバー84は、実質的に硬質のポリマー、コポリマー、又は他のプラスチックから形成することができる。ノブ90は、上面87aから上方に延在することができ、ノブ90は、カバー84及びともに回転するように接続されている構成要素を手動で回転させるために把持されるように構成される。ノブ90は、手動でより容易に作動させるために本体87を超える直径及び高さを有するものとして示されているが、ノブ90は、所望に応じて異なるサイズ又は形状とすることができる。カバー84は、本体87の下面87bに取り付けられた上端部96aから、本体87に対して軸方向に離間した下端部96bまで下方に延在するシャフト96も備えることができる。シャフト96は、下端部96bから上端部96aまで延在するボア92を画定することができ、シャフト96から径方向外方に延在する複数の縦溝リブ97を有することができる。しかしながら、ボア92は、シャフト96内を任意の範囲で延在することができる。シャフト96に加えて、ノブ90も、実質的に中空であり、ボア92と連通する凹部98を画定することができる。マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、シャフト96は、カプラー62の中央支持体75によって画定されるボア77を通して延在することができ、カバー84の下面87bは、ばね114の上端部に接触するように構成することができる。結果として、ばね114は、その上端部においてカバー84の下面87bに接触し、シャフト96及び縦溝リブ97を覆って延在し、その下端部においてカプラー62の中央支持体75に接触する。
【0023】
カバー84は、本体87の下面87bから下方に延在する複数の位置合わせタブ95を有することができる。位置合わせタブ95のそれぞれは、中空かつ実質的に台形のものとして構成することができ、マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、カプラー62の対応する凹部70に受けることができる。上述したように、位置合わせタブ95と凹部70との間の相互作用は、カプラー62をカバー84とともに回転するように連結する役目を果たすことができる。結果として、方向指示部品44も、カバー84とともに回転するように連結される。図示のように、カバー84は、シャフト96の周りに周方向に等距離に離間した4つの位置合わせタブ95を有することができる。しかしながら、位置合わせタブ95の向き及び数は、所望に応じて変更することができる。例えば、カバー84は、1つ、2つ、又は4つよりも多くの位置合わせタブを有することができ、位置合わせタブ95は、シャフト96の周りに周方向に不均等に離間することができる。ただし、位置合わせタブの間隔及び数は、カプラー62の凹部70の間隔及び数に概ね対応する。一実施形態において、位置合わせタブ95のうちの1つは、凹部70のうちのそれぞれ1つによって受けることができる延長リブ95aを有することができる。位置合わせタブ95のうちの1つにおける延長リブ95aを有することで、カバー84は、1つの向きのみにおいてマルチポート弁10の他の構成要素に取り付けることができることが確実になる。カバー84は、第1の径方向リブ91a及び第2の径方向リブ91bも備えることができ、第1の径方向リブ91a及び第2の径方向リブ91bのそれぞれは、隣り合う位置合わせタブ95の間に延在する。第1の径方向リブ91a及び第2の径方向リブ91bは、マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、ばね114の外側に係合するように構成される。
【0024】
カバー84は、リム88の内面から内方に延在する停止部材93も有することができる。図示のように、停止部材93は、周方向に離間した2つの停止部、すなわち第1停止部94a及び第2停止部94bを含む。第1停止部94a及び第2停止部94bのそれぞれは、リム88の内面から延在するフック状延長部として構成することができるが、他の構成も想定される。代替的に、停止部材93は、リム88の内面から内方に延在する単一の一体型停止部を画定することができる。マルチポート弁10の動作中、停止部材93は、カバー84の、したがって、カプラー62及び方向指示部品44の、弁部材14に対する回転を制限するのに利用することができる。これは、停止部材93と、弁部材14の上端部19aから突出する停止部材33との間の接触に起因して生じる。
【0025】
図7図8とを参照すると、マルチポート弁10は、カバー84のシャフト96の下端部96bに取り付けられる位置合わせ部材100を更に備えることができる。マルチポート弁10の他の構成要素と同様に、位置合わせ部材100は、実質的に硬質のポリマー、コポリマー、又は他のプラスチックから形成することができる。位置合わせ部材100は、実質的に環状の本体103と、本体103の内面から内方に延在する複数の脚部110とを備えることができる。脚部110のそれぞれは、第1の脚部110a及び第1の脚部110aとは別個の第2の脚部110bを含むことができ、本体103から、本体103に対して同心に位置する中央リング105まで延在することができる。脚部110のそれぞれは、第1の脚部110a及び第2の脚部110bを含むものとして示されているが、脚部110のそれぞれは、代替的な構成を有することができる。例えば、他の実施形態において、脚部のそれぞれは、実質的に一体的な本体を画定することができる。本体103、脚部110、及び中央リング105の位置は、位置合わせ部材100に実質的にホイール及びスポーク形状の構成をもたらす。中央リング105は、中央リング105を貫通し、本体103及び中央リング105に対して中心にあることができるボア108を画定する。中央リング105は、カバー84を位置合わせ部材100に軸方向にかつともに回転するように連結するために、カバー84のシャフト96の下端部96bを収納するように構成することができる。例えば、中央リング105は、超音波溶接によってシャフト96の下端部96bに取り付けることができるが、他の取付け手段も想定される。位置合わせ部材100は、本体103の上面から延在する複数の突起106を更に有することができる。突起106は、実質的に円筒形で、本体103の周りに等距離に離間しているものとして示されているが、突起106は、所望に応じて代替的な構成を有することができる。さらに、8つの突起106が示されているが、位置合わせ部材100は、異なる実施形態において、異なる数の突起106を有することができる。例えば、位置合わせ部材100は、1つ、2つ、又は8つよりも多くの突起を有することができ、各突起は、本体103の周りに等距離に離間するか又は不均等に離間する。図8に示されているように、突起106のそれぞれは、以下に記載するように、弁部材14のそれぞれの位置合わせボア38に受容されるようなサイズ及び構成であり、カバー84を弁部材14に対してともに回転するように連結する及びその連結を解くようになっている。
【0026】
ここで図8から図9Cを参照して、マルチポート弁10の構成要素を回転させる方法及び獲得し得る様々な流路を以下に記載する。マルチポート弁10が完全に組み立てられた場合、カバー84及び位置合わせ部材100は、弁部材14に対してともに軸方向に可動である。マルチポート弁10に対して外部力が印加されない状態では、カバー84は、最初、第1鉛直位置にある。この位置は、カバー84の下面87bに付勢力を印加し、したがって、カバー84を上方に押すばね114によって維持される。位置合わせ部材100がカバー84とともに回転するように軸方向に連結される場合、ばね114は、カバー84を上方に付勢し、位置合わせ部材100も上方に付勢し、それにより、第1鉛直位置において、位置合わせ部材100の突起106が、弁部材14のそれぞれの位置合わせボア38内に配置される。第1鉛直位置における突起106と弁部材14との間の相互作用は、カバー84、したがって、カプラー62及び方向指示部品44の、弁部材14に対する回転を固定させる。位置合わせボア38は、カバー84及び位置合わせ部材100が第1鉛直位置にある場合、方向指示部品44が有限数の所定位置のうちの1つをとるように設計することができる。各所定位置は、入力ポート22及び出力ポート20aから20eを通る固有の流路を画定する。
【0027】
方向指示部品44を回転させ、マルチポート弁10を通る流路を変更するために、ばね114の上方の力に打ち勝つようにカバー84に下方の力を印加して、それにより、カバー84及び取り付けられた位置合わせ部材100を弁部材14に対して下方に動かすことができる。十分な力を用いると、位置合わせ部材100は、突起106が位置合わせボア38に対して下方に離間するように、下方に十分に移動することができる。カバー84及び位置合わせ部材100が第2鉛直位置にある場合、突起106が位置合わせボア38によって制止されなくなることから、カバー84及び位置合わせ部材100は、(方向指示部品44及びカプラー62とともに)弁部材14に対して自由に回転することができる。カバー84及び位置合わせ部材100は、第1の回転方向R及び第1の回転方向Rとは反対の第2の回転方向Rの双方に回転することができる。図示の実施形態では、第1の回転方向Rは、反時計回り方向であり、第2の回転方向Rは、時計回り方向である。したがって、マルチポート弁10の使用者は、カバー84及び位置合わせ部材100が第2鉛直位置にある場合、所望の流体流路を得るために、カバー84を回転させることができる。所望の流路が達成されると、下方の力をカバー84から解放することができ、したがって、ばね114がカバー84及び位置合わせ部材100を再び第1鉛直位置に上方に付勢し、突起106が位置合わせボア38のうちのそれぞれ1つに再び受容されることを可能にする。上述したように、第1鉛直位置では、カバー84、位置合わせ部材100、方向指示部品44、及びカプラー62の、弁部材14に対する回転が再び固定される。さらに、カバー84及びともに回転するように連結された構成要素が第1の回転方向Rに回転することができる範囲は、カバー84の停止部材93と弁部材14の延長部33との間の相互作用によって制限される。
【0028】
図8から図9Cを続けて参照して、マルチポート弁10の様々な回転位置を論じる。図9Aを参照すると、第1回転位置において、第1の流路Fがマルチポート弁10を通して画定される。第1回転位置では、入力ポート22は、入力部から流体流を受け取り、その後、流体流は、入力ポート22を通り、流体チャネル52を通って、第2の出力ポート20bに流れる。入力ポート22と第2の出力ポート20bとの間において、流体流が流体チャネル52、弁部材14の内面18b、及びレッジ39に収容され、そのそれぞれが、流体が流体チャネル52から漏出し、他の出力ポートのいずれかに移動することを阻止する。阻止延長部56の存在により、流体は、第2の回転方向Rにおいて、方向指示部品44の全周を完全に囲む流体チャネル52内に流れることが阻止される。同様に、流れ停止リブ40により、流体が入力ポート22を通してマルチポート弁10に入った後、第1の回転方向Rにおいて、方向指示部品44の円周に流れることを防ぐ。流体の流路を変更するためには、使用者は、上述したように、カバー84に力を印加して、カバー84及び位置合わせ部材100を第1鉛直位置から第2鉛直位置に移動させることができる。
【0029】
カバー84及び位置合わせ部材100が第2鉛直位置にある場合、使用者は、図9Bに示されているように、カバーを第2の回転Rにおいて第2の回転位置に回転させることができる。カバー84は、カバー84の停止部材93と弁部材14の停止部材33との相互作用によって、第2の回転方向Rにおいて、第1回転位置から第2の回転位置に回転することを防ぐことができる。しかしながら、他の実施形態において、第1回転位置から第2の回転位置へのカバー84の回転運動を逆転させることができる。カバー84の停止部材93及び弁部材14の停止部材33は、図9Bに示されている第2の回転位置が最も遠くなるように構成することができ、カバー84及びともに回転するように連結された構成要素を弁部材14に対して第1の回転方向Rに回転させることができる。第2の回転位置では、方向指示部品44の阻止延長部56は、弁部材14の入力ポート22と第1の出力ポート20aとの間に周方向に位置する。結果として、第2の流路Fは、第2の回転位置において画定され、ここでは、阻止延長部56及び流れ停止リブ40により、流体流が出力ポート20aから20eのいずれかを通してマルチポート弁10から出ることを阻止する。したがって、第2の流路Fは、入力部から流体チャネル52の鉛直部分52aの端部までしか延在しない。このため、第2の回転位置は、流体がマルチポート弁10を通して入力部から出力ポート20aから20eに取り付けられた出力部のいずれかに移送されることがないことから、マルチポート弁10のオフ位置と呼ぶことができる。
【0030】
カバー84、したがって方向指示部品44が第2の回転位置をとった後、カバー84及び位置合わせ部材100は、図9Cに示されているように、第1鉛直位置から第2鉛直位置に軸方向に移動し、カバー84を第2の回転方向Rにおいて第3の回転位置に回転させることができる。第3の回転位置では、第3の流路Fは、マルチポート弁10を通して画定される。第3の回転位置では、入力ポート22は、入力部から流体流を受け取り、その後、流体流は、入力ポート22を通り、流体チャネル52を通って、第1の出力ポート20aに流れる。入力ポート22と第1の出力ポート20aとの間において、流体流が流体チャネル52、弁部材14の内面18b、及びレッジ39に収容され、そのそれぞれが、流体が流体チャネル52から漏出し、他の出力ポートのいずれかに移動することを阻止する。カバー84及び方向指示部品44は、第1回転位置から第2の回転位置及び第3の回転位置に回転することのみが記載されているが、所望に応じて、これらの回転位置及び流体を出力ポート20aから20eのいずれかに向ける他の回転位置の任意の組合せの間の回転を行うことができる。また、カバー84及び方向指示部品44等の或る特定の構成要素のみに関する回転が記載されている場合があるが、カバー84の回転は、弁部材14に対する位置合わせ部材100、カプラー62、及び方向指示部品44の回転も引き起こす。
【0031】
ここで図10Aから図14Cを参照すると、マルチポート弁120の第2の実施形態は、入力ポート130と出力ポート128aから128dのうちの1つとの組合せの間で流体の流路を選択的に変更するように、又は代替的には、液体流が入力ポート130から出力ポート128aから128dのいずれかに流れることを阻止するように記載される。図10Aから図11及び図13を参照すると、マルチポート弁120は、外面124aと、外面124aとは反対側の内面124bと、弁部材124の大部分に対して低減した直径を有する弁部材124の底部から延在する底部延長部150とを有する弁部材124を備える。弁部材124は、内面124bによって画定される中央キャビティ146も有する。弁部材124は、実質的に硬質のポリマー、コポリマー、又は他のプラスチックから形成することができる。入力ポート130及び出力ポート128aから128eは、それぞれ、弁部材124の外面124aから径方向に遠ざかるように延在する。以降の識別の都合上、出力ポートは、第1の出力ポート128a、第2の出力ポート128b、第3の出力ポート128c、及び第4の出力ポート128dと称することができる。入力ポート130及び出力ポート128aから128dのそれぞれは、外面124aから延在し、外側開口142において終端する実質的に中空の本体を画定することができる。入力ポート130は、従来の可撓性チューブ等の入力部と相互接続し、入力部から液体を受け取るように機能する。同様に、出力ポート128aから128dのそれぞれは、従来の可撓性チューブ等の出力部と相互接続し、出力部に液体を移送するように機能する。4つの出力ポート128aから128dが示されているが、マルチポート弁120は、所望に応じて、より多いまたはより少い出力ポートを備えることができる。また、出力ポート128aから128d及び入力ポート130は、弁部材124の周りに特定の配置で配置されるように示されているが、出力ポート128aから128d及び入力ポート130の相対位置は、所望に応じて配置を変えることができる。
【0032】
入力ポート130及び出力ポート128aから128dのそれぞれは、液体流を受け取る内部通路140を有することができ、内部通路140のそれぞれは、弁部材124の内面124bにおける内側開口138から、それぞれのポートの端部に位置する外側開口142まで延在する。図11に示されているように、出力ポート128aから128dのそれぞれの中心軸は、第3の平面Pに沿って延在し、入力ポート130の中心軸は、第4の平面Pに沿って延在する。第3の平面Pは、第4の平面Pから離間し、第4の平面Pに対して実質的に平行に延在することができる。特に、入力ポート130は、図示の実施形態における第1の出力ポート128a等の出力ポート128aから128dのうちの1つの真下に位置することができる。第4の平面Pは、第3の平面Pの下に位置するものとして示されているが、第3の平面P及び第4の平面P、したがって入力ポート130及び出力ポート128aから128dは、所望に応じて位置を変えることができる。入力ポート130及び出力ポート128aから128dのそれぞれは、上述したように従来の可撓性チューブとすることができるそれぞれの入力部又は出力部に係合し、それらを保持するために、真っ直ぐなシャフト132及び真っ直ぐなシャフト132の外面から延在するバーブ134を有して形成することができる。
【0033】
ここで図10Aから図12を参照すると、マルチポート弁120は、弁部材124の中央キャビティ146内に受容されるように構成された方向指示部品154を備える。方向指示部品154は、上面158aと、上面158aとは反対側の下面158bと、下面158bから下方に延在するリム160とを有する本体158を備える。方向指示部品154は、実質的に硬質のポリマー、コポリマー、又は他のプラスチックから形成することができる。ノブ164は、上面158aから上方に延在することができ、ノブ164は、方向指示部品154を手動で回転させるために把持されるように構成される。ノブ164は、手動での作動をより容易にするために、本体158よりも大きい直径及び高さを有するものとして示されているが、ノブ164は、所望に応じて異なるサイズ又は形状にすることができる。方向指示部品154は、本体158の下面158bに取り付けられる上端部172aから、158に対して軸方向に離間した下端部172bまで下方に延在するシャフト172も備えることができる。シャフト172は、シャフト172の下端部172bから上端部172aまで延在するボア168を画定することができる。しかしながら、ボア168は、所望に応じて、シャフト172を通して任意の範囲で延在することができる。方向指示部品154は、方向指示部品154に対して構造的支持及び安定性を与える、リム160の内面からシャフト172の上端部172aまで延在する複数のリブ184も有することができる。
【0034】
シャフト172は、シャフト172の外面からシャフト172内に、シャフト172の円周に部分的に延在する流体チャネル180を有する。方向指示部品154が弁部材124の中央キャビティ146内に配置され、シャフト172が弁部材124の内面124bに接触する場合、流体チャネル180は、入力ポート130から液体流を受け取り、その液体流を出力ポート128aから128dのうちの1つに向けるように構成することができる。この実施形態では、流体チャネル180は、方向指示部品のシャフト172の全周にわたって形成された単一の連続したチャネルである。図示の実施形態では、流体チャネル180は、2つの部分、すなわち水平部分180b及び水平部分180bから延在する鉛直部分180aを有するものとして理解することができる。流体チャネル180の幅及び深さは、適切な一定の液体流を提供する又は他の任意の機能事項を満たすために選択することができる。水平部分180bは、方向指示部品154のシャフト172の全周に延在することができ、一方、鉛直部分180aは、水平部分180bから上方に延在し、シャフト172の上端部172aよりも下の位置で終端することができる。水平部分180bは、鉛直部分180aと同様の幅及び深さを画定することができるが、これらの寸法は、所望に応じて変更することができる。
【0035】
方向指示部品154のシャフト172が弁部材124の中央キャビティ146内に配置される場合、第3の平面Pは、鉛直部分180aの一部が出力ポート128aから128dと鉛直方向に位置合わせされるように、流体チャネル180の鉛直部分180aを通って延在することができる。同様に、方向指示部品154のシャフト172は、弁部材124の中央キャビティ146内に配置され、第4の平面Pは、水平部分180bの一部が入力ポート130と鉛直方向に位置合わせされるように、流体チャネル180の水平部分180bを通って延在することができる。結果として、種々の回転位置において、流体チャネル180は、入力ポート130から液体流を受け取り、液体流を鉛直部分180aに向けることができ、その後、鉛直部分180aは、液体流を出力ポート128aから128dのうちの1つに向ける。シャフト172は、流体チャネル180の下に軸方向に離間した位置において、シャフト172の下端部172bの周りに延在する凹部176も有することができる。マルチポート弁120が完全に組み立てられた場合、凹部176は、シャフト172及び弁部材の内面124bの双方に接触し、流体チャネル180の下端部をシールするように構成されたシール(図示せず)を収納することができる。
【0036】
図14Aから図14Cを続けて参照して、マルチポート弁120の様々な回転位置を論じる。図14Aを参照すると、第1回転位置において、第4の流路Fがマルチポート弁120を通して画定される。第1回転位置では、入力ポート130は、入力部から流体流を受け取り、その後、その流体流は、入力ポート130を通り、流体チャネル180を通って、第1の出力ポート128aに流れる。入力ポート130と第1の出力ポート128aとの間において、流体流は、流体チャネル180及び弁部材124の内面124bによって収容され、それにより、流体が流体チャネル180から漏出し、他の出力ポートのいずれかに移動することを阻止する。マルチポート弁10とは異なり、液体は、流体チャネル180の水平部分180bを介して、シャフト172の全周にわたって流れることができる。流体の流路を変更するためには、使用者は、ノブ164及び/又は本体158を把持することによって、方向指示部品154を手動で回転させ、方向指示部品154を第1回転位置から第2の回転位置に回転させることができる。マルチポート弁10とは異なり、方向指示部品154は、完全に360度自由に回転し、軸方向に移動することなく弁部材124に対して回転することができる。
【0037】
図14Bを参照すると、方向指示部品154は、第1回転位置から第2の回転位置に回転する。方向指示部品は、反時計回り方向として示されている第1の回転方向R、又は第1の回転方向Rとは反対の時計回り方向として示されている第2の回転方向Rにおいて、回転位置間で回転することができる。第2の回転位置では、流体チャネル180の鉛直部分180aは、出力ポート128aから128dのいずれかの内部通路140と連通せず、第5の流路Fを形成するような位置にある。結果として、入力ポート130は、入力部から流体流を受け取り、その流体流は、入力ポート130並びに流体チャネル180の鉛直部分180a及び水平部分180bを通って流れる。しかしながら、流体チャネル180は、出力ポート128aから128dのいずれとも流体連通しないことから、流体がマルチポート弁120を出ることはない。このため、第2の回転位置は、マルチポート弁120のオフ位置と称することができる。図14Cを参照すると、第3の回転位置において、マルチポート弁120を通る第5の流路Fが画定される。第3の回転位置では、入力ポート130は、入力部から流体流を受け取り、その後、流体流は、入力ポート130を通り、流体チャネル180を通って、第4の出力ポート128dに流れる。入力ポート130と第4の出力ポート128dとの間において、流体流は、流体チャネル180及び弁部材124の内面124bによって収容され、それにより、流体が流体チャネル180から漏出し、他の出力ポートのいずれかに移動することを阻止する。
【0038】
本発明は、限定された数の実施形態を用いて本明細書において記載したが、これらの特定の実施形態は、本願において別途記載されるとともに特許請求されるように本発明の範囲を限定することを意図されたものではない。本明細書に記載されている物品及び方法の様々な要素の正確な構成及びステップの順序は、限定的であるとみなされるべきではない。例えば、方法のステップが、図における順番に連続する参照符号及びブロックの進行を参照しながら記載されていても、その方法は、所望のような特定の順序で実施することができる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図14C