(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/909 20190101AFI20240521BHJP
G06F 16/9535 20190101ALI20240521BHJP
G06Q 30/0201 20230101ALI20240521BHJP
【FI】
G06F16/909
G06F16/9535
G06Q30/0201
(21)【出願番号】P 2021134619
(22)【出願日】2021-08-20
【審査請求日】2022-10-20
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
(72)【発明者】
【氏名】中村 征良
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-323225(JP,A)
【文献】特開2012-221354(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索履歴、閲覧履歴、および購入履歴のうち少なくとも1つを含む、ユーザの情報を取得する第1取得部と、
前記ユーザの位置情報を取得する第2取得部と、
前記ユーザの情報および前記位置情報を用いて、訪問場所における前記ユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する第1生成部と、
前記訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを示すユーザベクトルを生成する第2生成部と、
前記興味ベクトルおよび前記ユーザベクトルに基づいて、前記新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する推定部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第2取得部は、前記ユーザの移動履歴から前記位置情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1生成部は、複数の前記ユーザの前記興味ベクトルを集計し、前記訪問場所における前記興味ベクトルを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第1生成部は、前記興味ベクトルを所定の曜日または時間帯ごとに集計し、前記訪問場所における前記興味ベクトルを生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第2生成部は、前記新規ユーザが所定の時間以上滞在した前記訪問場所における前記ユーザベクトルを生成する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2生成部は、前記訪問場所のうち所定の訪問場所における前記ユーザベクトルを生成する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2生成部は、所定の曜日または時間帯における前記ユーザベクトルを生成する、
ことを特徴とする請求項
1または
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第2生成部は、複数の前記訪問場所における前記ユーザベクトルを集計し、前記ユーザベクトルを生成する、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
検索履歴、閲覧履歴、および購入履歴のうち少なくとも1つを含む、ユーザの情報を取得する第1取得工程と、
前記ユーザの位置情報を取得する第2取得工程と、
前記ユーザの情報および前記位置情報を用いて、訪問場所における前記ユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する第1生成工程と、
前記訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを示すユーザベクトルを生成する第2生成工程と、
前記興味ベクトルおよび前記ユーザベクトルに基づいて、前記新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する推定工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
検索履歴、閲覧履歴、および購入履歴のうち少なくとも1つを含む、ユーザの情報を取得する第1取得ステップと、
前記ユーザの位置情報を取得する第2取得ステップと、
前記ユーザの情報および前記位置情報を用いて、訪問場所における前記ユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する第1生成ステップと、
前記訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを示すユーザベクトルを生成する第2生成ステップと、
前記興味ベクトルおよび前記ユーザベクトルに基づいて、前記新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する推定ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビジネスシーン等に活用することを目的として、インターネットを介してやり取りされる膨大なデータを様々な側面から分析するための様々な技術が提案されている。例えば、購買履歴データ等を用いて時期のトレンドを考慮して顧客(適宜、「ユーザ」)を分析する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供する上で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、ユーザの情報を取得する第1取得部と、前記ユーザの位置情報を取得する第2取得部と、前記ユーザの情報および前記位置情報を用いて、訪問場所における前記ユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する第1生成部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る情報処理方法は、情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、ユーザの情報を取得する第1取得工程と、前記ユーザの位置情報を取得する第2取得工程と、前記ユーザの情報および前記位置情報を用いて、訪問場所における前記ユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する第1生成工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る情報処理プログラムは、ユーザの情報を取得する第1取得ステップと、前記ユーザの位置情報を取得する第2取得ステップと、前記ユーザの情報および前記位置情報を用いて、訪問場所における前記ユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する第1生成ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る第1生成処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る第2生成処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る処理全体の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、実施形態)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る情報処理システム100の処理、情報処理装置10の構成、処理の具体例、処理の流れを順に説明し、最後に本実施形態の効果を説明する。
【0012】
[1.情報処理システム100の処理]
図1を用いて、本実施形態に係る情報処理システム(適宜、本システム)100の処理を説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理システムの処理の一例を示す図である。以下では、本システム100の構成例、本システム100の処理、本システム100の効果の順に説明する。
【0013】
(1-1.システム100の構成例)
図1に示した本システム100は、情報処理装置10、ユーザ情報データベース(DB)20、位置情報DB30およびユーザ端末(適宜、新規ユーザ)40を有する。ここで、情報処理装置10と、ユーザ情報DB20と、位置情報DB30と、ユーザ端末40とは、図示しない所定の通信網を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、本システム100には、複数台の情報処理装置10、複数のユーザ情報DB20、複数の位置情報DB30、および複数台のユーザ端末40が含まれてもよい。
【0014】
(1-1-1.情報処理装置10)
情報処理装置10は、ユーザ情報DB20との間、位置情報DB30との間、ユーザ端末40との間でデータの送受信を行う装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
図1の例では、情報処理装置10がサーバ装置により実現される場合を示す。
【0015】
(1-1-2.ユーザ端末40)
ユーザ端末40は、Webページを閲覧したり、Web上でインターネットショッピング等を行ったりするユーザによって使用されるデバイス(コンピュータ)である。ユーザ端末40は、ユーザによる操作を受け付ける。なお、ユーザ端末40は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
図1の例では、ユーザ端末40がスマートフォンにより実現される場合を示す。
【0016】
(1-2.システム100の処理)
(1-2-1.ステップS1の処理)
本システム100において、第1に、情報処理装置10は、ユーザ情報DB20を参照し、ユーザ情報を取得する(ステップS1)。ここで、ユーザ情報とは、ユーザに関する情報であって、ユーザのWebサイト上での検索履歴、閲覧履歴、購入履歴等のユーザの行動履歴の他、ユーザの性別、年齢、職業、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無等のユーザの属性を含む情報である。さらに、ユーザ情報は、図示しないユーザの端末を介して収集したユーザの画面情報、生体情報等であってもよく、特に限定されない。また、
図1の例では、情報処理装置10は、ユーザ情報をユーザ情報DB20から取得しているが、図示しないユーザの端末やその他の端末から取得してもよい。
【0017】
上述したステップS1の説明のように、情報処理装置10は、ユーザの情報を取得する装置である。
【0018】
(1-2-2.ステップS2の処理)
本システム100において、第2に、情報処理装置10は、位置情報DB30を参照し、ユーザの位置情報を取得する(ステップS2)。ここで、位置情報とは、ユーザが訪問した場所に関する情報であって、訪問場所の住所や施設名の他、施設の種類や用途、ユーザの滞在時間や訪問回数等を含む情報である。さらに、位置情報は、ユーザ情報である検索履歴、閲覧履歴、購入履歴等のユーザの行動履歴と関連付けされた情報であってもよい。また、
図1の例では、情報処理装置10は、位置情報を位置情報DB30から取得しているが、図示しないユーザの端末やその他の端末から収集してもよい。さらに、情報処理装置10は、位置情報を自動車の走行ログ等の移動情報から取得してもよい。
【0019】
上述したステップS2の説明のように、情報処理装置10は、ユーザの位置情報を取得する装置である。例えば、情報処理装置10は、ユーザの移動履歴からユーザの位置情報を取得する装置である。
【0020】
(1-2-3.ステップS3の処理)
本システム100において、第3に、情報処理装置10は、取得したユーザ情報および位置情報から、訪問場所におけるユーザの興味関心を有するカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する(ステップS3)。ここで、興味ベクトルとは、ユーザの興味関心を有するカテゴリーを示す情報をベクトル化した情報であり、ユーザが入力した検索ワード(検索クエリ)の傾向や、各種サービスにおける行動履歴や、行動履歴から推定されるユーザ属性等をベクトル化することにより得られる情報である。このとき、情報処理装置10は、訪問場所における興味ベクトルとして、特定の訪問場所ごとに複数のユーザ情報を集計してベクトルを生成してもよいし、曜日や時間帯ごとのベクトルを生成してもよいし、ラプラススムージングを用いてベクトルを生成してもよい。
【0021】
上述したステップS3の説明のように、情報処理装置10は、ユーザの情報およびユーザの位置情報を用いて、訪問場所におけるユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する装置である。例えば、情報処理装置10は、複数のユーザの興味ベクトルを集計し、訪問場所における興味ベクトルを生成する装置である。また、情報処理装置10は、興味ベクトルを所定の曜日または時間帯ごとに集計し、訪問場所における興味ベクトルを生成する装置である。
【0022】
(1-2-4.ステップS4の処理)
本システム100において、第4に、情報処理装置10は、ユーザ端末40から、新規ユーザのユーザ情報を取得する(ステップS4)。ここで、新規ユーザとは、興味関心を有するカテゴリー(ユーザの志向)の推定対象となるユーザである。例えば、新規ユーザは、特定の場所を初めて訪問するユーザであるが、過去に当該場所を訪問したことのあるユーザであってもよい。また、
図1の例では、情報処理装置10は、新規ユーザのユーザ情報をユーザ端末40から取得しているが、ユーザ情報DB20や図示しないその他の端末から取得してもよい。
【0023】
上述したステップS4の説明のように、情報処理装置10は、新規ユーザの情報を取得する装置である。
【0024】
(1-2-5.ステップS5の処理)
本システム100において、第5に、情報処理装置10は、ユーザ端末40から、新規ユーザの位置情報を取得する(ステップS5)。また、
図1の例では、情報処理装置10は、新規ユーザの位置情報をユーザ端末40から取得しているが、位置情報DB30や図示しないその他の端末から取得してもよい。さらに、情報処理装置10は、位置情報を新規ユーザの自動車の走行ログ等の移動情報から取得してもよい。
【0025】
上述したステップS5の説明のように、情報処理装置10は、新規ユーザの位置情報を取得する装置である。例えば、情報処理装置10は、新規ユーザの移動履歴から新規ユーザの位置情報を取得する装置である。
【0026】
(1-2-6.ステップS6の処理)
本システム100において、第6に、情報処理装置10は、取得した新規ユーザのユーザ情報および位置情報から、訪問場所における新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを示す興味ベクトル(ユーザベクトル)を生成する(ステップS6)。ここで、情報処理装置10は、新規ユーザの興味ベクトルであるユーザベクトルとして、自宅や特定の訪問場所ごとにベクトルを生成してもよいし、複数の訪問場所のベクトルを統合(マージ)したベクトルを生成してもよいし、曜日や時間帯ごとのベクトルを生成してもよい。
【0027】
また、情報処理装置10は、訪問場所における新規ユーザのユーザベクトルから、新規ユーザのデモグラフィック属性(人口統計学的属性)と位置情報とを組み合わせた共通属性を示す志向スコアを算出してもよい。例えば、情報処理装置10は、「アウトドア志向スコア」として、[男性、40代、<住所/緯度経度>]=0.64となる志向スコアを算出する。このとき、情報処理装置10は、訪問場所における志向スコアとして、曜日や時間帯ごとの平均スコアを算出してもよい。
【0028】
上述したステップS6の説明のように、情報処理装置10は、訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを示すユーザベクトルを生成する装置である。例えば、情報処理装置10は、新規ユーザが所定の時間以上滞在した訪問場所におけるユーザベクトルを生成する装置であり、訪問場所のうち所定の訪問場所におけるユーザベクトルを生成する装置である。また、情報処理装置10は、所定の曜日または時間帯におけるユーザベクトルを生成する装置である。さらに、情報処理装置10は、複数の訪問場所におけるユーザベクトルを集計する装置である。
【0029】
(1-2-7.ステップS7の処理)
本システム100において、第7に、情報処理装置10は、生成した興味ベクトルと新規ユーザのユーザベクトルとに基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する(ステップS7)。このとき、情報処理装置10は、訪問場所における興味ベクトルと新規ユーザのユーザベクトルとの類似性に基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する。また、情報処理装置10は、志向スコアに基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する。
【0030】
ここで、類似性を判定する場合、情報処理装置10は、ルールベースで類似性を示す類似度を算出し、算出した類似度が所定の閾値を超えるカテゴリーを興味関心があると推定してもよい。また、情報処理装置10は、モデルを用いてもよい。例えば、情報処理装置10は、特定の訪問場所において検索ワード等を入力した際に、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーに関する情報を出力するように、DNN(Deep Neural Network)等のモデルを学習する。そして、情報処理装置10は、判定対象となる新規ユーザの行動を示す情報を学習済みのモデルに入力し、モデルの出力に基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定すればよい。
【0031】
上述したステップS7の説明のように、情報処理装置10は、興味ベクトルおよびユーザベクトルに基づいて、新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する装置である。
【0032】
(1-3.システム100の効果)
本システム100では、情報処理装置10は、ユーザ情報DB20を参照しユーザ情報を取得し、位置情報DB30を参照してユーザの位置情報を取得し、取得したユーザ情報および位置情報から、訪問場所におけるユーザの興味関心を示す興味ベクトルを生成する。また、情報処理装置10は、ユーザ端末40から、新規ユーザのユーザ情報および位置情報を取得し、取得した新規ユーザのユーザ情報および位置情報から、訪問場所における新規ユーザの興味関心を示すユーザベクトルを生成する。さらに、情報処理装置10は、生成した興味ベクトルと新規ユーザのユーザベクトルとに基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する。このため、本システム100では、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供することができる。
【0033】
すなわち、本システム100は、ユーザの自宅等で収集された興味関心だけではなく、ショッピングモールや病院等のユーザの立ち寄る場所における特徴が明確化された興味関心の志向を収集することができる。また、本システム100は、立ち寄る場所や曜日・時間帯も考慮することにより、結婚や出産等のユーザのライフイベントに関する情報を反映した志向を収集することができる。
【0034】
さらに、本システム100は、ユーザ情報と位置情報とをベクトル化して扱うことによって、特定の場所における複数のユーザの志向を容易に顕在化することができる。例えば、本システム100は、病院のあるスポットにおいて、健康に関するユーザの志向を顕在化することができる。また、本システム100は、ユーザの目的とは別に、場所による集客等の影響を顕在化することもできる。例えば、本システム100は、駅付近の飲食店や、都心と観光地との中間地点にあるコンビニエンスストアの集客等の、ユーザによるSNS(Social Networking Service)の評価等からでは分析しにくい情報であっても、マーケティングに利用可能な情報として収集できる。
【0035】
[2.情報処理装置10の構成]
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、情報処理装置10は、情報処理装置10の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0036】
(2-1.通信部11)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部11は、所定の通信網(ネットワーク)と有線または無線で接続され、ユーザ情報DB20、位置情報DB30、およびユーザ端末40との間で情報の送受信を行う。
【0037】
(2-2.記憶部12)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部12は、
図2に示すように、ユーザ情報記憶部12a、位置情報記憶部12b、興味ベクトル記憶部12cおよびユーザベクトル記憶部12dを有する。そして、記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。
【0038】
(2-2-1.ユーザ情報記憶部12a)
ユーザ情報記憶部12aは、過去のユーザや新規ユーザ40から取得されたユーザに関する各種情報を記憶する。例えば、ユーザ情報記憶部12aは、ユーザのWebサイト上での検索履歴、閲覧履歴、購入履歴等の行動履歴の他、ユーザの性別、年齢、職業、居住地、既婚・未婚の別、子供の有無等のユーザの属性、ユーザの端末の画面情報、生体情報等を含む情報を記憶する。
【0039】
(2-2-2.位置情報記憶部12b)
位置情報記憶部12bは、過去のユーザや新規ユーザ40から取得されたユーザの位置情報を記憶する。例えば、位置情報記憶部12bは、ユーザが訪問した場所に関する情報として、訪問場所の住所や施設名の他、施設の種類や用途、滞在時間、訪問回数等を記憶する。
【0040】
(2-2-3.興味ベクトル記憶部12c)
興味ベクトル記憶部12cは、訪問場所におけるユーザの興味関心を有するカテゴリーを示す興味ベクトルを記憶する。例えば、興味ベクトル記憶部12cは、第1生成部13cによって生成された訪問場所ごとの興味ベクトルを記憶する。また、興味ベクトル記憶部12cは、特定の訪問場所ごとに複数のユーザ情報が集計された興味ベクトルや、曜日や時間帯ごとに分類された興味ベクトルを記憶してもよい。さらに、興味ベクトル記憶部12cは、集計された興味ベクトルとともに、集計された興味ベクトルの件数を記憶してもよい。
【0041】
(2-2-4.ユーザベクトル記憶部12d)
ユーザベクトル記憶部12dは、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを示すユーザベクトルを記憶する。例えば、ユーザベクトル記憶部12dは、第2生成部13dによって生成された訪問場所ごとのユーザベクトルや志向スコアを記憶する。また、ユーザベクトル記憶部12dは、自宅や特定の訪問場所ごとに生成されたユーザベクトルや、複数の訪問場所のベクトルを統合したユーザベクトルや、曜日や時間帯ごとに分類されたユーザベクトルを記憶してもよい。
【0042】
(2-3.制御部13)
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0043】
図2に示すように、制御部13は、第1取得部13a、第2取得部13b、第1生成部13c、第2生成部13dおよび推定部13eを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部13の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0044】
(2-3-1.第1取得部13a)
第1取得部13aは、ユーザの情報を取得する。情報の収集元について説明すると、例えば、第1取得部13aは、ユーザ情報DB20からユーザの情報を取得する。また、第1取得部13aは、新規ユーザ40からユーザの情報を取得する。
【0045】
一方、情報の内容について説明すると、例えば、第1取得部13aは、ユーザの情報として、ユーザの検索履歴、閲覧履歴、購入履歴、ユーザの属性等を取得する。さらに、ユーザの情報として、ユーザの端末を介してユーザの画面情報、生体情報等を取得してもよい。
【0046】
なお、第1取得部13aは、ベクトル化されたユーザの情報を取得してもよい。また、第1取得部13aは、取得したユーザの情報をユーザ情報記憶部12aに格納する。
【0047】
(2-3-2.第2取得部13b)
第2取得部13bは、ユーザの位置情報を取得する。情報の収集元について説明すると、例えば、第2取得部13bは、位置情報DB30からユーザの情報を取得する。また、第2取得部13bは、新規ユーザ40からユーザの情報を取得する。
【0048】
一方、情報の内容について説明すると、例えば、第2取得部13bは、ユーザの移動履歴から位置情報を取得する。すなわち、第2取得部13bは、自動車の走行ログ等の移動情報から、ユーザの訪問場所の住所や施設名、ユーザの滞在時間や訪問回数等を取得する。
【0049】
なお、第2取得部13bは、ベクトル化されたユーザの位置情報を取得してもよい。また、第2取得部13bは、取得したユーザの位置情報を位置情報記憶部12bに格納する。
【0050】
(2-3-3.第1生成部13c)
第1生成部13cは、ユーザの情報および位置情報を用いて、訪問場所におけるユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する。興味ベクトルについて説明すると、例えば、第1生成部13cは、取得したユーザの情報およびユーザの位置情報を、コサイン類似度の空間や、内積空間、ユークリッド距離空間等におけるユーザ情報ベクトルおよび位置情報ベクトルに変換し、さらに上記ベクトルから興味ベクトルを生成する。
【0051】
興味ベクトルの集計方法について説明すると、例えば、第1生成部13cは、複数のユーザの興味ベクトルを集計し、訪問場所における興味ベクトルを生成する。すなわち、第1生成部13cは、例えば、「病院a」、「ショッピングモールb」等の複数のユーザが訪問した場所ごとのユーザの興味ベクトルを集計して、興味ベクトルを生成する。このとき、第1生成部13cは、複数のユーザの興味ベクトルを合計してもよいし、興味ベクトルを平均化してもよい。
【0052】
また、第1生成部13cは、興味ベクトルを所定の曜日または時間帯ごとに集計し、訪問場所における興味ベクトルを生成する。すなわち、第1生成部13cは、例えば、「日曜日」の「病院a」における興味ベクトル、「午前中」の「ショッピングモールb」における興味ベクトルを生成する。さらに、第1生成部13cは、1月~12月の「月」、春夏秋冬の「季節」等の暦ごとの興味ベクトルを生成してもよい。
【0053】
さらに、第1生成部13cは、ラプラススムージングを用いて興味ベクトルを集計してもよい。すなわち、第1生成部13cは、興味ベクトルが訪問場所、曜日、時間帯ごとに集計され、データの総数が減少することによる推定精度の低下を生じることなく、興味ベクトルを集計することができる。
【0054】
なお、第1生成部13cは、生成した興味ベクトルを興味ベクトル記憶部12cに格納する。
【0055】
(2-3-4.第2生成部13d)
第2生成部13dは、訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを示すユーザベクトルを生成する。ユーザベクトルを生成する訪問場所について説明すると、例えば、第2生成部13dは、新規ユーザが所定の時間以上滞在した訪問場所におけるユーザベクトルを生成する。また、第2生成部13dは、訪問場所のうち所定の訪問場所におけるユーザベクトルを生成する。すなわち、第2生成部13dは、例えば、新規ユーザの自宅でのベクトルをユーザベクトルとして生成してもよいし、自宅以外の頻繁に立ち寄る飲食店でのベクトルをユーザベクトルとして生成してもよい。
【0056】
興味ベクトルの集計方法について説明すると、第2生成部13dは、所定の曜日または時間帯におけるユーザベクトルを生成する。すなわち、第1生成部13cは、例えば、「日曜日」の自宅におけるユーザベクトル、「午前中」の「飲食店c」におけるユーザベクトルを生成する。さらに、第1生成部13cは、1月~12月の「月」、春夏秋冬の「季節」等の暦ごとのユーザベクトルを生成してもよい。
【0057】
また、第2生成部13dは、複数の訪問場所におけるユーザベクトルを集計し、ユーザベクトルを生成する。すなわち、第1生成部13cは、例えば、「病院a」、「ショッピングモールb」、「飲食店c」のユーザベクトルを集計して、統合したユーザベクトルを生成する。このとき、第1生成部13cは、複数の訪問場所のユーザベクトルを合計してもよいし、ユーザベクトルを平均化してもよい。
【0058】
さらに、第2生成部13dは、ユーザベクトルから志向スコアを算出してもよい。例えば、第2生成部13dは、新規ユーザの情報および新規ユーザの位置情報として[男性、40代、<住所/緯度経度>]であるユーザベクトルから、当該新規ユーザの「アウトドア志向スコア」を0.64として算出する。このとき、第2生成部13dは、訪問場所における志向スコアとして、複数の志向スコアを集計して平均スコアを算出してもよいし、曜日や時間帯ごとの志向スコアを算出してもよい。
【0059】
なお、第2生成部13dは、生成したユーザベクトルをユーザベクトル記憶部12dに格納する。
【0060】
(2-3-5.推定部13e)
推定部13eは、興味ベクトルおよびユーザベクトルに基づいて、新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する。推定方法について説明すると、例えば、推定部13eは、訪問場所における興味ベクトルと新規ユーザのユーザベクトルとの類似性に基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する。すなわち、推定部13eは、例えば、興味ベクトルとユーザベクトルとの距離(例:コサイン類似度、内積距離、ユークリッド距離)を算出し、算出結果に基づいて新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する。
【0061】
推定するカテゴリーについて説明すると、推定部13eは、例えば、新規ユーザの興味のあるカテゴリーとして、「アウトドア」、「健康」等の志向を推定する。また、推定部13eは、例えば、特定の場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーとして、「ショッピングモールb」において「食事」等の志向を推定する。
【0062】
[3.処理の具体例]
図3および
図4を用いて、実施形態に係る処理の具体例について説明する。
図3は、実施形態に係る第1生成処理の一例を示す図である。
図4は、実施形態に係る第2生成処理の一例を示す図である。以下では、実施形態に係る第1生成処理の具体例、第2生成処理の具体例の順に説明する。
【0063】
(3-1.第1生成処理の具体例)
図3を用いて、実施形態に係る第1生成処理の具体例について説明する。以下では、集計方式1、集計方式2の順に説明する。
【0064】
(3-1-1.集計方式1)
情報処理装置10は、「ユーザA」の自宅である(A-1)における「ユーザA」の興味ベクトルを生成し、「ユーザB」の自宅である(B-1)における「ユーザB」の興味ベクトルを生成する。すなわち、集計方式1では、情報処理装置10は、各ユーザの自宅等の特定の拠点でのみ興味ベクトルを生成し、ユーザの志向を収集することができる。
【0065】
(3-1-2.集計方式2)
情報処理装置10は、「ユーザA」の自宅である(A-1)における「ユーザA」の興味ベクトルだけではなく、「ユーザA」の立ち寄り地点である(A-2)、(A-3)、(A-4)においても「ユーザA」の興味ベクトルを生成する。同様にして、情報処理装置10は、「ユーザB」の自宅である(B-1)における「ユーザB」の興味ベクトルだけではなく、「ユーザB」の立ち寄り地点である(B-2)においても「ユーザB」の興味ベクトルを生成する。
【0066】
ここで、(A-2)および(B-2)が同一の立ち寄り地点であり、例えば「病院a」であったとすると、情報処理装置10は、「病院a」における「ユーザA」および「ユーザB」の興味ベクトルを集計することによって、「病院a」における複数のユーザの志向を顕在化することが可能となる。すなわち、集計方式2では、情報処理装置10は、特定の拠点だけではなく、訪問場所での興味ベクトルを生成し、場所ごとで異なるユーザの志向を収集することができる。
【0067】
さらに、情報処理装置10は、上記のように興味ベクトルを集計する際に、集計する興味ベクトルの件数を用いて、興味ベクトルの「強度」も考慮した興味ベクトルを生成することもできる。すなわち、集計方式2では、情報処理装置10は、ユーザの志向(興味関心の方向性)だけではなく、志向の強度(興味関心の濃度)をも収集することができる。
【0068】
(3-2.第2生成処理の具体例)
図4を用いて、実施形態に係る第2生成処理の具体例について説明する。以下では、参照方式1、参照方式2、参照方式3の順に説明する。
【0069】
(3-2-1.参照方式1)
情報処理装置10は、新規ユーザである「ユーザC」の自宅である(C-1)における「ユーザC」のユーザベクトルを生成し、生成したユーザベクトルをもとに「ユーザC」の志向を参照する。すなわち、参照方式1では、情報処理装置10は、新規ユーザの自宅等の特定の拠点でのユーザベクトルのみをもとに、新規ユーザの志向を推定することができる。
【0070】
(3-2-2.参照方式2)
情報処理装置10は、「ユーザC」の自宅である(C-1)における「ユーザC」の興味ベクトルだけではなく、「ユーザC」の立ち寄り地点である(C-2)、(C-3)においても「ユーザC」のユーザベクトルを生成し、生成したユーザベクトルをもとに「ユーザC」の志向を参照する。
【0071】
ここで、(C-2)が上述した(A-2)および(B-2)と同一の「病院a」であったとすると、情報処理装置10は、「病院a」における「ユーザC」の志向を参照することが可能となる。すなわち、参照方式2では、情報処理装置10は、特定の拠点だけではなく、訪問場所でのユーザベクトルをもとに、場所ごとで異なる新規ユーザの志向を推定することができる。
【0072】
(3-2-3.参照方式3)
情報処理装置10は、「ユーザC」の自宅および立ち寄り地点である(C-1)、(C-2)、(C-3)において生成したユーザベクトルを統合(マージ)し、生成したユーザベクトルをもとに「ユーザC」の志向を参照する。すなわち、参照方式3では、情報処理装置10は、新規ユーザの特定の拠点および訪問場所での複数のユーザベクトルをもとに、新規ユーザの全体的な志向を推定することができる。
【0073】
[4.処理の流れ]
図5を用いて、情報処理全体の流れを説明する。
図5は、実施形態に係る処理全体の流れを示すフローチャートである。以下では、処理全体の流れを説明した上で、各処理の概要を説明する。
【0074】
(4-1.処理全体の流れ)
第1に、情報処理装置10の第1取得部13aは、第1取得処理を実行する(ステップS101)。第2に、情報処理装置10の第2取得部13bは、第2取得処理を実行する(ステップS102)。第3に、情報処理装置10の第1生成部13cは、第1生成処理を実行する(ステップS103)。第4に、情報処理装置10の第2生成部13dは、第2生成処理を実行する(ステップS104)。第5に、情報処理装置10の推定部13eは、推定処理を実行し(ステップS105)、処理を終了する。なお、上記のステップS101~S105は、異なる順序で実行することもできる。また、上記のステップS101~S105のうち、省略される処理があってもよい。
【0075】
(4-2.各処理の流れ)
(4-2-1.第1取得処理の流れ)
第1に、第1取得部13aによる第1取得処理について説明する。第1取得処理では、第1取得部13aは、ユーザ情報DB20または新規ユーザ40から、ユーザ情報(ユーザの行動履歴、ユーザ属性等)を取得する。
【0076】
(4-2-2.第2取得処理の流れ)
第2に、第2取得部13bによる第2取得処理について説明する。第2取得処理では、第2取得部13bは、位置情報DB30または新規ユーザ40から、ユーザの位置情報(住所、施設の名称・種類・用途等)を取得する。
【0077】
(4-2-3.第1生成処理の流れ)
第3に、第1生成部13cによる第1生成処理について説明する。第1生成処理では、第1生成部13cは、取得したユーザ情報および位置情報から、訪問場所におけるユーザの興味関心を有するカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する。ここで、第1生成部13cは、特定の訪問場所ごとに複数のユーザ情報を集計した興味ベクトル、曜日や時間帯ごとの興味ベクトルを生成することができる。
【0078】
(4-2-4.第2生成処理の流れ)
第4に、第2生成部13dによる第2生成処理について説明する。第2生成処理では、第2生成部13dは、取得した新規ユーザのユーザ情報および位置情報から、訪問場所における新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを示すユーザベクトルを生成する。ここで、第2生成部13dは、自宅や特定の訪問場所ごとのユーザベクトル、複数の訪問場所のベクトルを統合したユーザベクトル、曜日や時間帯ごとのユーザベクトルを生成することができる。また、第2生成部13dは、ユーザベクトルから、新規ユーザの志向スコアを算出することもできる。
【0079】
(4-2-5.推定処理の流れ)
第5に、推定部13dによる推定処理について説明する。推定処理では、推定部13dは、生成した興味ベクトルと新規ユーザのユーザベクトルとに基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する。
【0080】
[5.実施形態の効果]
第1に、上述した本実施形態に係る処理では、ユーザの情報を取得し、ユーザの位置情報を取得し、ユーザの情報およびユーザの位置情報を用いて、訪問場所におけるユーザの興味のあるカテゴリーを示す興味ベクトルを生成する。このため、本処理では、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0081】
第2に、上述した本実施形態に係る処理では、訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを示すユーザベクトルを生成し、興味ベクトルおよびユーザベクトルに基づいて、新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定する。このため、本処理では、訪問場所における新規ユーザの興味のあるカテゴリーを推定することにより、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0082】
第3に、上述した本実施形態に係る処理では、ユーザの移動履歴から位置情報を取得する。このため、本処理では、効果的に移動情報を収集することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0083】
第4に、上述した本実施形態に係る処理では、複数のユーザの興味ベクトルを集計し、訪問場所における興味ベクトルを生成する。このため、本処理では、複数のユーザから訪問場所における情報を収集することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0084】
第5に、上述した本実施形態に係る処理では、興味ベクトルを所定の曜日または時間帯ごとに集計し、訪問場所における興味ベクトルを生成する。このため、本処理では、効果的に訪問場所における情報を収集することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0085】
第6に、上述した本実施形態に係る処理では、新規ユーザが所定の時間以上滞在した訪問場所におけるユーザベクトルを生成する。このため、本処理では、より重要な訪問場所における情報を参照することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0086】
第7に、上述した本実施形態に係る処理では、訪問場所のうち所定の訪問場所におけるユーザベクトルを生成する。このため、本処理では、柔軟に訪問場所における情報を参照することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0087】
第8に、上述した本実施形態に係る処理では、所定の曜日または時間帯におけるユーザベクトルを生成する。このため、本処理では、効果的に訪問場所における情報を参照することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0088】
第9に、上述した本実施形態に係る処理では、複数の訪問場所におけるユーザベクトルを集計し、ユーザベクトルを生成する。このため、本処理では、効率的に訪問場所における情報を参照することができ、ターゲットとなるユーザに関する有益な情報を提供できる。
【0089】
〔実施形態の変形例〕
以下に、実施形態の変形例に係る情報処理システムの処理、および本変形例の効果を説明する。なお、本変形例に係る情報処理装置10の構成、処理の具体例、処理の流れについては、上述した実施形態と共通するので説明を省略する。
【0090】
[1.情報処理システムの処理]
以下に、上述した実施形態に係る情報処理システム100との差異を説明した上で、本変形例に係る情報処理システムの処理について説明する。
【0091】
(1-1.システム100との差異)
上述した実施形態に係る情報処理システム100では、例えば、購買履歴データ等とともにユーザの位置情報を用いてユーザの志向を分析し、マーケティング上のターゲットとなる新規ユーザに関する有益な情報を提供できる。すなわち、上記の情報処理システム100は、商品やサービスの提供者が、ターゲットとなるユーザに対して、購買意欲を惹起するための広告を配信したり、新商品のダイレクトメールを送付したりするために利用される。
【0092】
一方、本変形例に係る情報処理システムでは、分析された特定の訪問場所における過去のユーザの志向から、新規ユーザの要求に応じて新規ユーザに対して当該訪問場所における有益な情報を提供することができる。すなわち、本変形例に係る情報処理システムは、例えば、新規ユーザがユーザ情報や位置情報を、志向を提示するAPI(Application Programming Interface)(以下、「志向API」)に入力し、志向APIが訪問場所における上記の新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーの情報を出力することにより、新規ユーザが直接利用することができる。
【0093】
(1-2.システムの処理)
以下に、本変形例に係る情報処理システムの処理について、情報入力処理、志向推定処理、情報出力処理の順に説明する。
【0094】
(1-2-1.情報入力処理)
本変形例に係る情報処理システムでは、以下のように、新規ユーザは、ユーザ端末40の操作に基づいて、ユーザ情報やユーザの位置情報を志向APIに入力する(情報入力処理)。すなわち、新規ユーザは、例えば、ユーザの性別、年齢、職業、居住地等のユーザの属性(デモグラフィック属性)を志向APIに入力する。また、新規ユーザは、例えば、自動車の走行ログから取得された新規ユーザの位置情報を志向APIに入力する。なお、新規ユーザは、ユーザ端末40の操作によって、所定のDBに記憶されたユーザ情報やユーザの位置情報を志向APIに入力してもよい。
【0095】
(1-2-2.志向推定処理)
本変形例に係る情報処理システムでは、以下のように、情報処理装置10は、過去のユーザの訪問場所における興味ベクトルをもとに、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する(志向推定処理)。すなわち、情報処理装置10は、例えば、ユーザ情報DB20を参照しユーザ情報を取得し、位置情報DB30を参照してユーザの位置情報を取得し、取得したユーザ情報および位置情報から、訪問場所におけるユーザの興味関心を示す興味ベクトルを生成する。また、情報処理装置10は、志向APIに入力された新規ユーザのユーザ情報およびユーザの位置情報を取得し、取得した新規ユーザのユーザ情報および位置情報から、訪問場所における新規ユーザの興味関心を示すユーザベクトルを生成する。さらに、情報処理装置10は、生成した興味ベクトルと新規ユーザのユーザベクトルとに基づいて、新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーを推定する。
【0096】
なお、上記の情報処理システムの志向推定処理は、実施形態に係る[1.情報処理システム100の処理](1-2.システム100の処理)にて説明した情報処理システム100の処理と共通するので、詳細な説明は省略する。
【0097】
(1-2-3.情報出力処理)
本変形例に係る情報処理システムでは、以下のように、志向APIは、情報処理装置10によって推定されたユーザの志向に基づき、新規ユーザに対して各種の情報を提供する(情報出力処理)。すなわち、志向APIは、例えば、新規ユーザの訪問場所が「ショッピングモールb」であって、推定された新規ユーザの興味関心を有するカテゴリーが「食事」であった場合には、「ショッピングモールb」内に出店している飲食店の情報を、ユーザ端末40を介して新規ユーザに提供する。
【0098】
[2.実施形態の変形例の効果]
上述した本変形例に係る処理では、情報処理装置10は、新規ユーザが能動的に入力したユーザ情報およびユーザの位置情報をもとに、ユーザの訪問場所におけるユーザの志向を推定し、ユーザの志向に合致した情報を提供することができる。このため、情報処理装置10は、ユーザに関する有益な情報を、ユーザが望む情報の範囲や提供するタイミングを反映した上で提供することができる。
【0099】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置10を例に挙げて説明する。
図6は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0100】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0101】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0102】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0103】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0104】
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部13の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0105】
〔その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換または変更を行うことができる。
【0106】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0107】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0108】
例えば、上述した情報処理装置10は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPIやネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0109】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0110】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0111】
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
12a ユーザ情報記憶部
12b 位置情報記憶部
12c 興味ベクトル記憶部
12d ユーザベクトル記憶部
13 制御部
13a 第1取得部
13b 第2取得部
13c 第1生成部
13d 第2生成部
13e 推定部
20 ユーザ情報DB
30 位置情報DB
40 ユーザ端末(新規ユーザ)
100 情報処理システム