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特許7491892制御システム、および、人力駆動車用制御装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】制御システム、および、人力駆動車用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/17 20060101AFI20240521BHJP
   B62K 23/06 20060101ALI20240521BHJP
   B62J 45/41 20200101ALI20240521BHJP
   B62L 3/02 20060101ALI20240521BHJP
   B62L 3/08 20060101ALI20240521BHJP
   B60T 7/02 20060101ALI20240521BHJP
   B60T 8/26 20060101ALI20240521BHJP
   B60T 8/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
B60T8/17 Z
B62K23/06
B62J45/41
B62L3/02 Z
B62L3/08
B60T7/02 D
B60T8/26 K
B60T8/00 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021207410
(22)【出願日】2021-12-21
(65)【公開番号】P2023092271
(43)【公開日】2023-07-03
【審査請求日】2023-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 浩司
(72)【発明者】
【氏名】井土垣 慧
(72)【発明者】
【氏名】黒飛 忠治
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-207410(JP,A)
【文献】特開2020-082870(JP,A)
【文献】特開2016-203932(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0318575(US,A1)
【文献】特開2000-238686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 8/17
B62K 23/06
B62J 45/41
B62L 3/02
B62L 3/08
B60T 7/02
B60T 8/26
B60T 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御システムであって、
前記人力駆動車のブレーキ操作装置の操作状態を検出する操作状態検出部と、
前記操作状態検出部によって検出される前記操作状態に応じて、前記人力駆動車のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定し、前記操作状態終了後、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方のモードを維持する制御部と、を備える、制御システム。
【請求項2】
前記操作状態検出部は、前記操作状態として所定時間以内における前記ブレーキ操作装置の操作回数を検出し、
前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記操作回数に応じて、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記操作回数が所定回数以上である場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、前記所定時間以内における前記ブレーキ操作装置の前記所定回数以上の操作回数を検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する、請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記操作状態検出部は、前記操作状態として前記ブレーキ操作装置の所定操作の連続操作時間を検出し、
前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記所定操作の前記連続操作時間に応じて、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記所定操作の前記連続操作時間が所定操作時間以上である場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、前記ブレーキ操作装置の前記所定操作の前記連続操作時間を検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記操作状態検出部は、前記操作状態として前記ブレーキ操作装置の第1のレバー部材、および、第2のレバー部材の操作を検出し、
前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の第1のレバー部材、および、第2のレバー部材の操作に応じて、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記操作状態検出部が、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材が同時に操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項8に記載の制御システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材が同時に操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する、請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記操作状態検出部が、所定時間内に、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の一方が操作された後、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の他方が操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する、請求項8に記載の制御システム。
【請求項12】
前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、所定時間内に、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の一方が操作された後、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の他方が操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する、請求項11に記載の制御システム。
【請求項13】
前記人力駆動車のブレーキモードが、前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードのどちらに設定されているかを報知する報知機構、をさらに備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項14】
人力駆動車のブレーキ操作装置の操作状態を検出する操作状態検出部によって検出される前記操作状態に応じて、前記人力駆動車のブレーキモードを前後独立ブレーキモードと前後連動ブレーキモードの一方に設定し、前記操作状態終了後、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方のモードを維持する制御部を備える、人力駆動車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、および、人力駆動車用制御装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人力駆動車のブレーキ装置を制御する制御システムが知られている。例えば、特許文献1には、前後一方のブレーキレバー、前後一方のブレーキ装置、および、前後一方のブレーキレバーと前後一方のブレーキ装置とを繋ぐホースの少なくともいずれかに関する状態を検知するセンサの検知結果に基づいて、前後他方のブレーキ装置を動作させる制御システムの技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-82870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる技術が望まれている。
【0005】
本開示の目的は、搭乗者が任意にブレーキモードを設定できる制御システム、および、人力駆動車用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1側面に従う制御システムは、人力駆動車用の制御システムであって、前記人力駆動車のブレーキ操作装置の操作状態を検出する操作状態検出部と、前記操作状態検出部によって検出される前記操作状態に応じて、前記人力駆動車のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定し、前記操作状態終了後、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方のモードを維持する制御部と、を備える。
第1側面の制御システムによれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【0007】
第1側面に従う第2側面の制御システムにおいて、前記操作状態検出部は、前記操作状態として所定時間以内における前記ブレーキ操作装置の操作回数を検出し、前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記操作回数に応じて、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第2側面の制御システムによれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【0008】
第2側面に従う第3側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記操作回数が所定回数以上である場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第3側面の制御システムによれば、実際のブレーキ操作と混同することなくブレーキモードを設定できる。
【0009】
第3側面に従う第4側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、前記所定時間以内における前記ブレーキ操作装置の前記所定回数以上の操作回数を検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する。
第4側面の制御システムによれば、同じ操作によって、容易にブレーキモードを設定できる。
【0010】
第1側面に従う第5側面の制御システムにおいて、前記操作状態検出部は、前記操作状態として前記ブレーキ操作装置の所定操作の連続操作時間を検出し、前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記所定操作の前記連続操作時間に応じて、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第5側面の制御システムによれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【0011】
第5側面に従う第6側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の前記所定操作の前記連続操作時間が所定操作時間以上である場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第6側面の制御システムによれば、実際のブレーキ操作と混同することなくブレーキモードを設定できる。
【0012】
第6側面に従う第7側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、前記ブレーキ操作装置の前記所定操作の前記連続操作時間を検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する。
第7側面の制御システムによれば、同じ操作によって、容易にブレーキモードを設定できる。
【0013】
第1側面に従う第8側面の制御システムにおいて、前記操作状態検出部は、前記操作状態として前記ブレーキ操作装置の第1のレバー部材、および、第2のレバー部材の操作を検出し、前記制御部は、前記操作状態検出部によって検出される前記ブレーキ操作装置の第1のレバー部材、および、第2のレバー部材の操作に応じて、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第8側面の制御システムによれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【0014】
第8側面に従う第9側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記操作状態検出部が、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材が同時に操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第9側面の制御システムによれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【0015】
第9側面に従う第10側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材が同時に操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する。
第10側面の制御システムによれば、同じ操作によって、容易にブレーキモードを設定できる。
【0016】
第8側面に従う第11側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記操作状態検出部が、所定時間内に、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の一方が操作された後、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の他方が操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定する。
第11側面の制御システムによれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【0017】
第11側面に従う第12側面の制御システムにおいて、前記制御部は、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方に設定した後、前記操作状態検出部が、所定時間内に、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の一方が操作された後、前記第1のレバー部材、および、前記第2のレバー部材の他方が操作されたと検知する場合、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの他方に設定する。
第12側面の制御システムによれば、同じ操作によって、容易にブレーキモードを設定できる。
【0018】
第1から第12側面のいずれか1つに従う第13側面の制御システムにおいて、前記人力駆動車のブレーキモードが、前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードのどちらに設定されているかを報知する報知機構、をさらに備える。
第13側面の制御システムによれば、搭乗者が現在のブレーキモードを把握できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う人力駆動車用制御装置は、人力駆動車のブレーキ操作装置の操作状態を検出する操作状態検出部によって検出される前記操作状態に応じて、前記人力駆動車のブレーキモードを前後独立ブレーキモードと前後連動ブレーキモードの一方に設定し、前記操作状態終了後、前記人力駆動車の前記ブレーキモードを前記前後独立ブレーキモード、および、前記前後連動ブレーキモードの前記一方のモードを維持する制御部を備える。
第14側面の人力駆動車用制御装置によれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の制御システム、および、人力駆動車用制御装置によれば、搭乗者が任意に、かつ、人力駆動車のハンドルバーから手を放すことなく、ブレーキモードを設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る制御システムを含む人力駆動車を示す側面図。
図2】制御システムの一例を示すブロック図。
図3】制御システムによるブレーキ装置の制御の一例を示す模式図。
図4】第1実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図5】人力駆動力の入力状態に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図6】非駆動方向回転量に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図7】非駆動方向回転量に応じてブレーキモードを設定する処理の別例を示すフローチャート。
図8】クランクの停止状態に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図9】クランクの停止状態に応じてブレーキモードを設定する処理の別例を示すフローチャート。
図10】第2実施形態に係る制御システムの一例を示すブロック図。
図11】第2実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図12】アシストモード、および、人力駆動車の走行速度に応じて人力駆動車のブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図13】アシストモード、および、バッテリ状態に応じて人力駆動車のブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図14】アシストモード、および、バッテリの電圧値に応じて人力駆動車のブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図15】アシストモード、および、バッテリの電圧値と温度との間の相関関係に応じて人力駆動車のブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図16】アシストモード、および、切換モードに応じて人力駆動車のブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図17】第3実施形態に係る制御システムの一例を示すブロック図。
図18】第3実施形態における制御フローを示すフローチャート。
図19】ブレーキ操作装置の操作回数に応じてブレーキモードを設定する処理の別例を示すフローチャート。
図20】ブレーキ操作装置の連続操作時間に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図21】ブレーキ操作装置の連続操作時間に応じてブレーキモードを設定する処理の別例を示すフローチャート。
図22】ブレーキ操作装置の同時操作に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図23】ブレーキ操作装置の同時操作に応じてブレーキモードを設定する処理の別例を示すフローチャート。
図24】ブレーキ操作装置の交互操作に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示すフローチャート。
図25】ブレーキ操作装置の交互操作に応じてブレーキモードを設定する処理の別例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1から図3を用いて第1実施形態に係る制御システム110を含む人力駆動車1が説明される。人力駆動車1は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車1は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車1が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車1は、例えば1輪車、および、2輪以上の車輪を有する乗り物を含む。人力駆動車1は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車1は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車1は自転車として説明される。
【0023】
人力駆動車1は、クランク10、フレーム20、サドル30、ハンドルバー40、フォーク50、フロントホイール60、リアホイール70、バッテリ80、ブレーキ操作装置90、ブレーキ装置100、および、制御システム110を備える。本明細書において、前後、左右、および、上下の各方向を表す用語は、搭乗者が人力駆動車1のサドル30に着座した状態における方向を基準として用いられる。
【0024】
図1に示されるクランク10は、フレーム20に対して回転可能なクランク軸11、クランク軸11の軸方向の両端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12を含む。一対のクランクアーム12には夫々ペダル13が連結される。
【0025】
フレーム20は、ヘッドチューブ21、トップチューブ22、ダウンチューブ23、シートチューブ24、一対のシートステー25、および、一対のチェーンステー26を備える。ヘッドチューブ21は、ハンドルバー40、および、フォーク50を回転可能に支持する。トップチューブ22の一端は、ヘッドチューブ21に接続される。ダウンチューブ23の一端は、ヘッドチューブ21に接続される。トップチューブ22の他端、および、ダウンチューブ23の他端は、シートチューブ24に接続される。シートチューブ24には、サドル30が設けられる。一対のシートステー25の一端は、それぞれシートチューブ24に接続される。一対のチェーンステー26の一端は、それぞれシートチューブ24に接続される。一対のシートステー25の他端、および、一対のチェーンステー26の他端は、互いに接続される。図1には、右側のシートステー25、および、チェーンステー26が示される。
【0026】
ハンドルバー40は、搭乗者が把持できるように構成される。ハンドルバー40がヘッドチューブ21に対して回転することによってフォーク50が回転し、人力駆動車1の進行方向が変化する。
【0027】
フロントホイール60は、フォーク50に回転可能に取り付けられる。フロントホイール60は、タイヤが取り付けられるリム61、複数のスポーク62、および、ディスクロータ63を含む。リアホイール70は、シートステー25とチェーンステー26との接続箇所であるリアエンドに取り付けられる。リアホイール70は、フレーム20に対して回転するように構成される。リアホイール70は、タイヤが取り付けられるリム71、複数のスポーク72、および、ディスクロータ73を含む。
【0028】
バッテリ80は、人力駆動車1の電気部品に電力を供給する。バッテリ80は、例えば二次電池を含む。バッテリ80は、フレーム20に設けられる。本実施形態では、バッテリ80は、フレーム20のダウンチューブ23に設けられる。バッテリ80は、外部電源からの電力によって充電される。本実施形態では、バッテリ80は、制御装置113に電力を供給するように構成される。
【0029】
ブレーキ操作装置90は、搭乗者からの入力を受け付けるように構成される。ブレーキ操作装置90は、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92を含む。第1のレバー部材91は、ハンドルバー40の右側端部に設けられる。第1のレバー部材91は、第1支持体91a、および、第1操作部91bを含む。
【0030】
第1支持体91aは、ハンドルバー40に設けられる。第1支持体91aの内部には、動力伝達媒体が貯留される。本実施形態における動力伝達媒体は、作動油である。第1操作部91bは、第1支持体91aに設けられる。第1操作部91bは、第1支持体91aに対して揺動できるように構成される。第1操作部91bは、揺動することによって、待機位置、および、操作位置に移動できる。例えば、第1操作部91bは、弾性部材によって支持される。待機位置にある第1操作部91bに力が加えられると、第1操作部91bは、弾性部材の弾性力に抗しながら操作位置に移動する。第1操作部91bが解放されると、第1操作部91bは、弾性部材の弾性力によって待機位置に戻る。
【0031】
第2のレバー部材92は、ハンドルバー40の左側端部に設けられる。第2のレバー部材92は、第2支持体92a、および、第2操作部92bを含む。第2支持体92aは、第1支持体91aと同様に構成される。第2操作部92bは、第1操作部91bと同様に構成される。
【0032】
図1、および、図2に示されるブレーキ装置100は、第1ブレーキ101、第1アクチュエータ102、第2ブレーキ103、および、第2アクチュエータ104を含む。第1ブレーキ101は、人力駆動車1のリアホイール70を制動するようにリアホイール70に対応して設けられる。第1ブレーキ101は、ディスクブレーキキャリパを含む。第1ブレーキ101は、ブレーキパッドを含む。第1ブレーキ101は、ホースを介して第1のレバー部材91と接続される。第1支持体91aの内部、第1ブレーキ101の内部、および、ホースの内部は、作動油によって満たされる。第1ブレーキ101は、第1アクチュエータ102に供給される電力、および、第1のレバー部材91の操作による作動油の圧力変化を駆動源として駆動される。第1ブレーキ101が駆動されることによって、ブレーキパッドは、リアホイール70のディスクロータ73を押圧する。ブレーキパッドがディスクロータ73を押圧することによって、第1ブレーキ101は、リアホイール70を制動する。
【0033】
第1ブレーキ101は、リアホイール70のリム71を押圧するように構成されてもよい。第1ブレーキ101は、ホースではなく、ケーブルを介して第1のレバー部材91と接続されてもよい。第1ブレーキ101は、ケーブルを介して第1のレバー部材91と接続される場合、第1のレバー部材91の操作に応じて機械的に駆動されてもよい。
【0034】
第1アクチュエータ102は、第1ブレーキ101に設けられる。第1アクチュエータ102は、モータを含む。モータは、制御装置113からの電力によって駆動される。モータを駆動するための電力は、バッテリ80から制御装置113に供給される。モータが駆動することによって第1ブレーキ101が駆動される。
【0035】
第2ブレーキ103は、人力駆動車1のフロントホイール60を制動するようにフロントホイール60に対応して設けられる。第2ブレーキ103は、ディスクブレーキキャリパを含む。第2ブレーキ103は、ブレーキパッドを含む。第2ブレーキ103は、ホースを介して第2のレバー部材92と接続される。第2支持体92aの内部、第2ブレーキ103の内部、および、ホースの内部は、作動油によって満たされる。第2ブレーキ103は、第2アクチュエータ104に供給される電力、および、第2のレバー部材92の操作による作動油の圧力変化を駆動源として駆動される。第2ブレーキ103が駆動されることによって、ブレーキパッドは、フロントホイール60のディスクロータ63を押圧する。ブレーキパッドがディスクロータ63を押圧することによって、第2ブレーキ103は、フロントホイール60を制動する。
【0036】
第2ブレーキ103は、フロントホイール60のリム61を押圧するように構成されてもよい。第2ブレーキ103は、ホースではなく、ケーブルを介して第2のレバー部材92と接続されてもよい。第2ブレーキ103は、ケーブルを介して第2のレバー部材92と接続される場合、第2のレバー部材92の操作に応じて機械的に駆動されてもよい。
【0037】
第2アクチュエータ104は、第2ブレーキ103に設けられる。第2アクチュエータ104は、モータを含む。モータは、制御装置113からの電力によって駆動される。モータを駆動するための電力は、バッテリ80から制御装置113に供給される。モータが駆動することによって第2ブレーキ103が駆動される。
【0038】
制御システム110は、人力駆動車用の制御システム110であって、人力駆動車1のペダリング状態に対応する信号を検出するように構成されるペダリング状態検出部114と、ペダリング状態検出部114によって検出されるペダリング状態に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定するように構成される制御部113aと、を備える。図2には、制御システム110の一例が示される。図2に示される制御システム110は、第1検出装置111、第2検出装置112、制御装置113、および、ペダリング状態検出部114を含む。
【0039】
第1検出装置111は、第1のレバー部材91への入力に関する情報を検出するように構成される。第1検出装置111は、第1のレバー部材91への入力に関する情報に応じた信号を制御装置113に出力する。
【0040】
第1のレバー部材91への入力に関する情報は、第1のレバー部材91の作動油の圧力に関する情報、および、第1操作部91bに関する情報の少なくとも1つを含む。第1のレバー部材91の作動油の圧力に関する情報は、第1支持体91aの内部の圧力に関する情報、第1支持体91aと第1ブレーキ101とを接続するホースの内部の圧力に関する情報、および、第1ブレーキ101の内部の圧力に関する情報の少なくとも1つを含む。第1操作部91bに関する情報は、第1操作部91bの移動量、第1操作部91bの移動速度、第1操作部91bの移動加速度、および、搭乗者が第1操作部91bを押圧する圧力の少なくとも1つを含む。
【0041】
第2検出装置112は、第2のレバー部材92への入力に関する情報を検出するように構成される。第2検出装置112は、第2のレバー部材92への入力に関する情報に応じた信号を制御装置113に出力する。
【0042】
第2のレバー部材92への入力に関する情報は、第2のレバー部材92の作動油の圧力に関する情報、および、第2操作部92bに関する情報の少なくとも1つを含む。第2のレバー部材92の作動油の圧力に関する情報は、第2支持体92aの内部の圧力に関する情報、第2支持体92aと第2ブレーキ103とを接続するホースの内部の圧力に関する情報、および、第2ブレーキ103の内部の圧力に関する情報の少なくとも1つを含む。第2操作部92bに関する情報は、第2操作部92bの移動量、第2操作部92bの移動速度、第2操作部92bの移動加速度、および、搭乗者が第2操作部92bを押圧する圧力の少なくとも1つを含む。
【0043】
制御部113aは、人力駆動車1に関する制御を実行するように構成される。制御部113aは、予め定められた制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)、または、MPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部113aは、1、または、複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0044】
記憶部113bは、各種の制御プログラム、および、各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部113bは、例えば不揮発性メモリ、および、揮発性メモリを含む。
【0045】
制御部113aは、ユーザからの入力を受け付けるように構成され、かつ、複数の操作部を含むブレーキ操作装置90への入力に応じて、人力駆動力に制動力を付与するように構成される第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を含むブレーキ装置100を制御するように構成される。本実施形態において、複数の操作部は、第1操作部91b、および、第2操作部92bを含む。制御部113aは、第1検出装置111からの信号に基づいて、第1のレバー部材91への入力を検出する。制御部113aは、第2検出装置112からの信号に基づいて、第2のレバー部材92への入力を検出する。制御部113aは、検出された第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92への入力に応じてブレーキ装置100を制御するためのブレーキモードを有する。ブレーキモードは、前後連動ブレーキモード、および、前後独立ブレーキモードを含む。
【0046】
前後連動ブレーキモードは、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を互いに連動して動作させるモードである。制御部113aは、前後連動ブレーキモードにおいて、複数の操作部のうち少なくとも1つの操作部が操作されると、人力駆動車1に取り付けられたブレーキ装置100の第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103の両方を動作させる。本実施形態において、複数の操作部は、第1操作部91b、および、第2操作部92bを含む。図3は、制御システム110によるブレーキ装置100の制御の一例を示す模式図である。図3を用いて前後連動ブレーキモードが説明される。
【0047】
搭乗者によって第1のレバー部材91が操作されると、第1ブレーキ101に向かう矢印Mに示されるように、第1のレバー部材91からの作動油の圧力変化が動力として第1ブレーキ101に伝達され、第1ブレーキ101が駆動される。第1ブレーキ101が駆動されると、リアホイール70の制動力が変化する。
【0048】
第1検出装置111は、第1支持体91aの内部の作動油の圧力等を検出し、矢印Sに示されるように、検出値を含む信号を制御装置113に出力する。制御装置113には、矢印Eに示されるように、バッテリ80から電力が供給される。制御装置113は、バッテリ80からの電力を第2アクチュエータ104に供給する。制御装置113の制御部113aは、第1検出装置111の検出値に基づいて制御信号を生成して、第2アクチュエータ104に出力する。第2アクチュエータ104は、矢印Mに示されるように、制御信号に基づいて第2ブレーキ103を駆動することによって、フロントホイール60の制動力を変化させる。制御部113aは、第1ブレーキ101の制動力に対して第2ブレーキ103の制動力が所定の割合となるように、第1アクチュエータ102、および、第2アクチュエータ104を制御する。制御部113aは、第2ブレーキ103の制動力が第1ブレーキ101と同じ制動力となるように、第1アクチュエータ102、および、第2アクチュエータ104を制御してもよい。
【0049】
搭乗者によって第2のレバー部材92が操作されると、第2ブレーキ103に向かう矢印Mに示されるように、第2のレバー部材92からの作動油の圧力変化が動力として第2ブレーキ103に伝達され、第2ブレーキ103が駆動される。第2ブレーキ103が駆動されると、フロントホイール60の制動力が変化する。
【0050】
第2検出装置112は、第2支持体92aの内部の作動油の圧力等を検出し、矢印Sに示されるように、検出値を含む信号を制御装置113に出力する。制御部113aは、第1のレバー部材91が操作された場合と同様に、第2検出装置112の検出値に基づいて第1アクチュエータ102を制御する。
【0051】
前後独立ブレーキモードは、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を互いに独立して動作させるモードである。第1ブレーキ101は、前後独立ブレーキモードにおいて、第1のレバー部材91の操作に応じて動作する。前後独立ブレーキモードにおいて、搭乗者によって第1のレバー部材91が操作されると、第1のレバー部材91からの作動油の圧力変化が動力として第1ブレーキ101に伝達され、第1ブレーキ101が駆動される。制御部113aは、搭乗者によって第1のレバー部材91が操作されても、第2ブレーキ103を駆動させない。
【0052】
第2ブレーキ103は、前後独立ブレーキモードにおいて、第2のレバー部材92の操作に応じて動作する。前後独立ブレーキモードにおいて、搭乗者によって第2のレバー部材92が操作されると、第2のレバー部材92からの作動油の圧力変化が動力として第2ブレーキ103に伝達され、第2ブレーキ103が駆動される。制御部113aは、搭乗者によって第2のレバー部材92が操作されても、第1ブレーキ101を駆動させない。
【0053】
第1ブレーキ101は、第1アクチュエータ102に供給される電力だけではなく、第1のレバー部材91の操作による作動油の圧力変化を駆動源として駆動されることによって、第1アクチュエータ102、および、制御部113aが故障したり、バッテリ80の残量が最低レベルになった場合でも人力駆動車1に制動力を付与できる。第2ブレーキ103は、第2アクチュエータ104に供給される電力だけではなく、第2のレバー部材92の操作による作動油の圧力変化を駆動源として駆動されることによって、第2アクチュエータ104、および、制御部113aが故障したり、バッテリ80の残量が最低レベルになった場合でも人力駆動車1に制動力を付与できる。
【0054】
前後連動ブレーキモード、および、前後独立ブレーキモードにおける制御部113aの制御内容は一例であり、本発明の範囲内において、制御内容を変更できる。例えば、制御部113aは、前後連動ブレーキモード、および、前後独立ブレーキモードにおいて、搭乗者によって第1のレバー部材91が操作されると、第1アクチュエータ102を駆動させ、第1ブレーキ101を動作させてもよい。制御部113aは、前後連動ブレーキモード、および、前後独立ブレーキモードにおいて、搭乗者によって第2のレバー部材92が操作されると、第2アクチュエータ104を駆動させ、第2ブレーキ103を動作させてもよい。
【0055】
図2に示されるペダリング状態検出部114は、人力駆動車1のペダリング状態に対応する信号を検出するセンサを含む。ペダリング状態は、クランク10の回転状態、および、クランク10への人力駆動力の入力状態の少なくとも1つを含む。本実施形態では、ペダリング状態は、クランク10の回転状態、および、クランク10への人力駆動力の入力状態を含む。
【0056】
クランク10の回転状態は、クランク10の回転速度、非駆動方向回転量、および、クランク10の停止状態の少なくとも1つに対応する。非駆動方向回転量は、単位時間当たりのクランク10の非駆動方向への回転量を示す。クランク10への人力駆動力の入力状態は、例えば、クランク10に入力される人力駆動力の大きさに対応する。
【0057】
ペダリング状態検出部114は、クランク回転センサ114a、および、駆動力センサ114bを含む。クランク回転センサ114aは、クランク10の回転状態に対応する信号を検出するように構成される。クランク回転センサ114aは、例えば、ケイデンスセンサ、または、トルクセンサ等を含んで構成される。ケイデンスセンサについては、一般的なケイデンスセンサを用いることができるので、詳細な説明を省略する。トルクセンサについては、一般的なトルクセンサを用いることができるので、詳細な説明を省略する。クランク回転センサ114aは、クランクアーム12、クランク軸11、および、フロントスプロケットのうち、いずれの回転状態に対応する信号を出力してもよい。クランク回転センサ114aは、クランク10の回転状態に応じた信号を制御部113aに出力する。クランク回転センサ114aは、クランク10の回転状態に応じた信号を出力するように構成されればよく、特に限定されない。
【0058】
クランク回転センサ114aから出力される信号には、クランク10の回転状態を示す情報が含まれていてもよく、クランク10の回転状態を制御部113aが検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報が含まれていてもよい。制御部113aは、クランク回転センサ114aからの信号に基づいてクランク10の回転状態を検出できるように構成される。制御部113aは、クランク10の停止状態を検出する場合に、クランクアーム12の停止状態、クランク軸11の停止状態、および、フロントスプロケットの停止状態のうち、どの停止状態を検出してもよい。
【0059】
駆動力センサ114bは、クランク10への人力駆動力の入力状態に対応する信号を検出するように構成される。駆動力センサ114bは、例えばペダル13からフロントスプロケットまでの間の駆動力の伝達経路に設けられる。駆動力センサ114bは、例えば歪センサ、磁歪センサ、光学センサ、および、圧力センサの少なくとも1つを含んで構成される。駆動力センサ114bは、クランク10への人力駆動力の入力状態に応じた信号を制御部113aに出力する。駆動力センサ114bは、クランク10への人力駆動力の入力状態に応じた信号を出力するように構成されればよく、特に限定されない。
【0060】
駆動力センサ114bから出力される信号には、クランク10への人力駆動力の入力状態を示す情報が含まれていてもよく、クランク10への人力駆動力の入力状態を制御部113aが検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報が含まれていてもよい。制御部113aは、駆動力センサ114bからの信号に基づいてクランク10への人力駆動力の入力状態を検出できるように構成される。
【0061】
制御部113aは、ペダリング状態に応じてブレーキモードを切り替える。本実施形態では、制御部113aは、クランク10の回転状態、および、クランク10への人力駆動力の入力状態の少なくとも1つに応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定するように構成される。
【0062】
図4を用いて制御部113aが実行する制御の一例が説明される。制御部113aは、図4に示すフローチャートに従う制御フローを、予め設定される第1条件を満たす場合に開始する。制御部113aは、図4の制御フローが終了すると、予め設定される第2条件を満たすまで、図4の制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第1条件は、例えば、制御部113aに電力が供給される場合に満たされる。第2条件は、例えば、制御部113aへの電力の供給が停止する場合に満たされる。
【0063】
ステップS1において、制御部113aは、クランク回転センサ114aからの信号に基づいて、クランク10の回転速度を検出する。記憶部113bには、所定回転速度に関する情報が記憶されている。所定回転速度に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定回転速度は、例えば、搭乗者が人力駆動車1を停止させると推定される場合におけるクランク10の回転速度を示す。ステップS1において、制御部113aは、クランク10の回転速度が所定回転速度以下である場合、ステップS2に移行する。ステップS1において、制御部113aは、クランク10の回転速度が所定回転速度よりも大きい場合、ステップS3に移行する。所定回転速度は、例えば、2rpmから6rpmの範囲内の回転速度である。
【0064】
ステップS2において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部113aは、ステップS2の処理を実行した後、図4の制御フローを終了する。
【0065】
ステップS3において、制御部113aは、ステップS1で検出したクランク10の回転速度が所定回転速度を超える場合、ステップS4に移行する。ステップS3において、制御部113aは、クランク10の回転速度が所定回転速度を超えない場合、図4の制御フローを終了する。
【0066】
ステップS4において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部113aは、ステップS4の処理を実行した後、図4の制御フローを終了する。図4の制御フローにおいて、クランク10の回転速度が所定回転速度以下ではなく、かつ、所定回転速度を超えない場合とは、例えば、クランク回転センサ114aの故障、および、クランク回転センサ114aの搭載状態に起因して、クランク10の回転速度に対応する信号をクランク回転センサ114aが検出できない場合であると考えられる。制御部113aは、クランク10の回転速度が所定回転速度以下ではなく、かつ、所定回転速度を超えない場合、クランク10の回転速度とは異なる基準に基づいてブレーキモードを設定してもよい。
【0067】
制御部113aは、図4の制御フローを実行してブレーキモードの設定を行うことによって、人力駆動車1のペダリング状態に応じてブレーキモードを切り替えできる。図4の制御フローにおいて、クランク10の回転状態は、クランク10の回転速度に対応し、制御部113aは、クランク10の回転速度が、所定回転速度以下の場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定するように構成される。制御部113aによるブレーキモードの設定によって、クランク10の回転速度が比較的遅い場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させて人力駆動車1に制動力を付与できる。例えば、搭乗者が人力駆動車1を停止させる場合に、クランク10の回転速度に応じて制御部113aがブレーキモードを前後連動ブレーキモードに自動的に切り替えて、フロントホイール60、および、リアホイール70に制動力を付与でき、安定したブレーキ操作を実現できる。
【0068】
図4の制御フローにおいて、制御部113aは、クランク10の回転速度が、所定回転速度を超える場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定するように構成される。制御部113aによるブレーキモードの設定によって、クランク10の回転速度が比較的速い場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させて人力駆動車1に制動力を付与できる。第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させて人力駆動車1に制動力を付与することが望ましい状況において、搭乗者によるブレーキ操作装置90の操作に応じて、フロントホイール60への制動力、および、リアホイール70への制動力を個別に調整できる。
【0069】
図4の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図4の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部113aは、ステップS1、および、ステップS3において、互いに異なる閾値を用いて、クランク10の回転速度との比較を行ってもよい。制御部113aは、ステップS1の処理、および、ステップS3の処理を行う順番を入れ替えてもよい。
【0070】
制御部113aは、図4の制御フローにおいて、ペダリング状態のうち、クランク10の回転速度に応じてブレーキモードを設定したが、ブレーキモードを設定する基準は、クランク10の回転速度に限定されない。本発明は、ペダリング状態のうち、クランク10の回転速度とは異なる状態の情報に応じてブレーキモードを設定可能である。
【0071】
図5から図9を用いて、ペダリング状態のうち、クランク10の回転速度とは異なる状態の情報に応じてブレーキモードを設定する処理が説明される。図5の制御フローが説明される。図5の制御フローは、ペダリング状態のうち、人力駆動力の入力状態に応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0072】
ステップS11において、制御部113aは、駆動力センサ114bからの信号に基づいて、人力駆動力を検出する。記憶部113bには、所定駆動力に関する情報が記憶されている。所定駆動力に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定駆動力は、例えば、搭乗者が人力駆動車1を停止させると推定される場合における駆動力を示す。ステップS11において、制御部113aは、人力駆動力が所定駆動力以下である場合、ステップS12に移行する。ステップS11において、制御部113aは、人力駆動力が所定駆動力よりも大きい場合、ステップS13に移行する。所定駆動力は、例えば、クランク軸11の回転トルクが、3Nmから10Nmの範囲の駆動力である。
【0073】
ステップS12において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部113aは、ステップS12の処理を実行した後、図5の制御フローを終了する。
【0074】
ステップS13において、制御部113aは、ステップS11で検出した人力駆動力が所定駆動力を超える場合、ステップS14に移行する。ステップS13において、制御部113aは、人力駆動力が所定駆動力を超えない場合、図5の制御フローを終了する。
【0075】
ステップS14において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部113aは、ステップS14の処理を実行した後、図5の制御フローを終了する。図5の制御フローにおいて、人力駆動力が所定駆動力以下ではなく、かつ、所定駆動力を超えない場合とは、例えば、駆動力センサ114bの故障、および、駆動力センサ114bの搭載状態に起因して、人力駆動力に対応する信号を駆動力センサ114bが検出できない場合であると考えられる。制御部113aは、人力駆動力が所定駆動力以上ではなく、かつ、所定駆動力を超えない場合、人力駆動力とは異なる基準に基づいてブレーキモードを設定してもよい。
【0076】
制御部113aは、図5の制御フローを実行してブレーキモードの設定を行うことによって、クランク10への人力駆動力の入力状態に応じてブレーキモードを切り替えできる。図5の制御フローにおいて、制御部113aは、クランク10に入力される人力駆動力が、所定駆動力以下の場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定するように構成される。制御部113aによるブレーキモードの設定によって、クランク10に入力される人力駆動力が比較的小さい場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させて人力駆動車1に制動力を付与できる。例えば、搭乗者が人力駆動車1を停止させる場合に、人力駆動力に応じて制御部113aがブレーキモードを前後連動ブレーキモードに自動的に切り替えて、フロントホイール60、および、リアホイール70に制動力を付与でき、安定したブレーキ操作を実現できる。
【0077】
図5の制御フローにおいて、制御部113aは、クランク10に入力される人力駆動力が、所定駆動力を超える場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定するように構成される。制御部113aによるブレーキモードの設定によって、クランク10に入力される人力駆動力が比較的大きい場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させて人力駆動車1に制動力を付与できる。第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させて人力駆動車1に制動力を付与することが望ましい状況において、搭乗者によるブレーキ操作装置90の操作に応じて、フロントホイール60への制動力、および、リアホイール70への制動力を個別に調整できる。
【0078】
図5の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図5の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部113aは、ステップS11、および、ステップS13において、互いに異なる閾値を用いて、人力駆動力との比較を行ってもよい。制御部113aは、ステップS11の処理、および、ステップS13の処理を行う順番を入れ替えてもよい。
【0079】
本発明は、図4の制御フロー、および、図5の制御フローの両方を並行して実行し、クランク10の回転速度、および、クランク10への人力駆動力の入力状態に応じてブレーキモードを設定してもよい。クランク10の回転速度、および、人力駆動力の入力状態に応じてブレーキモードを設定する場合、クランク10の回転速度を人力駆動力の入力状態よりも優先してブレーキモードを設定してもよいし、人力駆動力の入力状態をクランク10の回転速度よりも優先してブレーキモードを設定してもよい。
【0080】
クランク10の回転速度を人力駆動力の入力状態よりも優先する場合、制御部113aは、例えば、図5のステップS11において人力駆動力が所定駆動力以下であっても、図4のステップS1においてクランク10の回転速度が所定回転速度を超えていれば、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定しない。制御部113aは、図5のステップS11において人力駆動力が所定駆動力以下であり、かつ、図4のステップS1においてクランク10の回転速度が所定回転速度以下である場合、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。
【0081】
人力駆動力の入力状態をクランク10の回転速度よりも優先する場合、制御部113aは、例えば、図4のステップS1においてクランク10の回転速度が所定回転速度以下であっても、図5のステップS11において人力駆動力が所定駆動力を超えていれば、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定しない。制御部113aは、図5のステップS11において人力駆動力が所定駆動力以下であり、かつ、図4のステップS1においてクランク10の回転速度が所定回転速度以下である場合、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。
【0082】
図6の制御フローが説明される。図6の制御フローは、ペダリング状態のうち、非駆動方向回転量に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0083】
ステップS21において、制御部113aは、クランク回転センサ114aからの信号に基づいて、非駆動方向回転量を検出する。記憶部113bには、所定回転量に関する情報が記憶されている。所定回転量に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定回転量は、例えば、搭乗者が意図的にクランク10を非駆動方向に回転させると推定される場合における、単位時間当たりのクランク10の回転量を示す。ステップS21において、制御部113aは、非駆動方向回転量が所定回転量以上である場合、ステップS22に移行する。ステップS21において、制御部113aは、非駆動方向回転量が所定回転量未満である場合、図6の制御フローを終了する。所定回転量は、例えば1秒から5秒の範囲内の時間において、10°から20°の範囲内の回転量である。
【0084】
ステップS22において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。例えば、制御部113aは、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部113aは、ブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定してもよい。制御部113aは、ステップS22の処理を実行した後、図6の制御フローを終了する。
【0085】
図6の制御フローにおいて、クランク10の回転状態は、クランク10が非駆動方向に回転する非駆動方向回転量に対応し、制御部113aは、非駆動方向回転量に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定するように構成される。制御部113aは、非駆動方向回転量が所定回転量以上の場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。搭乗者は、非駆動方向にクランク10を意図的に回転させることによって、ブレーキモードを任意のブレーキモードに設定できる。搭乗者は、前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方として、例えば前後連動ブレーキモードにブレーキモードを設定できる。
【0086】
図7の制御フローが説明される。図7の制御フローは、ペダリング状態のうち、非駆動方向回転量に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。図7の制御フローは、非駆動方向回転量に応じたブレーキモードの設定内容が、図6の制御フローと相違する。
【0087】
ステップS31において、制御部113aは、非駆動方向回転量を検出し、非駆動方向回転量が所定回転量以上である場合、ステップS32に移行する。ステップS31において、制御部113aは、非駆動方向回転量が所定回転量未満である場合、図7の制御フローを終了する。
【0088】
ステップS32において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。ステップS32において、制御部113aは、搭乗者がクランク10を非駆動方向に回転させる操作を終了するまで待機する。制御部113aは、例えば、非駆動方向回転量が所定閾値以下になるまで待機する。ステップS32において、制御部113aは、待機後に、ステップS33に移行する。
【0089】
ステップS33において、制御部113aは、非駆動方向回転量を検出し、非駆動方向回転量が所定回転量以上である場合、ステップS34に移行する。ステップS33において、制御部113aは、非駆動方向回転量が所定回転量未満である場合、ステップS33の処理を繰り返す。
【0090】
ステップS34において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。例えば、制御部113aは、ステップS32においてブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定した場合、ステップS34においてブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部113aは、ステップS34の処理を実行した後、図7の制御フローを終了する。
【0091】
図7の制御フローにおいて、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定した後、非駆動方向回転量が所定回転量以上になる場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、非駆動方向にクランク10を回転させる操作によって、前後連動ブレーキモードから前後独立モードへの切り替え、および、前後独立ブレーキモードから前後連動ブレーキモードへの切り替えをそれぞれ行える。
【0092】
図7の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図7の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部113aは、ステップS31、および、ステップS33において、互いに異なる閾値を用いて、非駆動方向回転量との比較を行ってもよい。
【0093】
図8の制御フローが説明される。図8の制御フローは、ペダリング状態のうち、クランク10の停止状態に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0094】
ステップS41において、制御部113aは、クランク回転センサ114aからの信号に基づいて、クランク10の停止状態の時間を検出する。例えば、制御部113aは、クランク10の回転速度が所定閾値以下の状態が継続している時間を算出することによって、停止状態の時間を検出する。制御部113aは、クランク10の回転速度ではなく、クランク10の回転量が所定閾値以下の状態が継続している時間を算出することによって、停止状態の時間を検出してもよい。記憶部113bには、所定停止時間に関する情報が記憶されている。所定停止時間に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定停止時間は、例えば、人力駆動車1の走行中に搭乗者が意図的にクランク10を停止状態にすると推定される場合におけるクランク10の停止時間を示す。ステップS41において、制御部113aは、停止状態の時間が所定停止時間以上である場合、ステップS42に移行する。ステップS41において、制御部113aは、停止状態の時間が所定停止時間未満である場合、図8の制御フローを終了する。所定停止時間は、例えば、2秒から10秒の範囲内の時間である。
【0095】
ステップS42において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部113aは、ステップS42の処理を実行した後、図8の制御フローを終了する。
【0096】
図8の制御フローにおいて、クランク10の回転状態は、クランク10の停止状態に対応し、制御部113aは、停止状態に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定するように構成される。制御部113aは、クランク10の停止状態の時間に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部113aは、クランク10の停止状態の時間が所定停止時間以上である場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。搭乗者は、クランク10の回転を意図的に停止することによって、ブレーキモードを任意のブレーキモードに設定できる。
【0097】
制御部113aは、好ましくは、人力駆動車1に人力駆動力が入力されると図8の制御フローの実行を開始し、人力駆動車1に人力駆動力が入力されなくなるまで図8の制御フローの実行を繰り返す。人力駆動力に応じて図8の制御フローの実行、および、繰り返しを行うことによって、人力駆動車1の停止中にブレーキモードが切り替わらないようにできる。
【0098】
本発明は、図6の制御フロー、および、図8の制御フローを組み合わせ、非駆動方向回転量、および、クランク10の停止状態に応じてブレーキモードを設定してもよい。本発明において、制御部113aは、例えば、非駆動方向回転量が所定回転量以上である場合に、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定し、クランク10の停止状態の時間が所定停止時間以上である場合に、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、設定したいブレーキモードに応じたペダリング操作を行うことによって、ブレーキモードを任意のモードに設定できる。
【0099】
図9の制御フローが説明される。図9の制御フローは、ペダリング状態のうち、クランク10の停止状態に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。図9の制御フローは、クランク10の停止状態に応じたブレーキモードの設定内容が、図8の制御フローと相違する。
【0100】
ステップS51において、制御部113aは、クランク10の停止状態の時間を検出し、停止状態の時間が所定停止時間以上である場合、ステップS52に移行する。ステップS51において、制御部113aは、停止状態の時間が所定停止時間未満である場合、図9の制御フローを終了する。
【0101】
ステップS52において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。ステップS52において、制御部113aは、搭乗者がクランク10を回転させるまで待機する。制御部113aは、例えば、クランク10の回転速度が所定閾値以上になるまで待機する。制御部113aは、クランク10の回転量が所定閾値以上になるまで待機してもよい。ステップS52において、制御部113aは、待機後に、ステップS53に移行する。
【0102】
ステップS53において、制御部113aは、クランク10の停止状態の時間を検出し、停止状態の時間が所定停止時間以上である場合、ステップS54に移行する。ステップS53において、制御部113aは、停止状態の時間が所定停止時間未満である場合、ステップS53の処理を繰り返す。
【0103】
ステップS54において、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。制御部113aは、ステップS54の処理を実行した後、図9の制御フローを終了する。
【0104】
図9の制御フローにおいて、制御部113aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定した後、クランク10の停止状態の時間が所定停止時間以上になる場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、クランク10を停止させる操作によって、前後連動ブレーキモードから前後独立モードへの切り替え、および、前後独立ブレーキモードから前後連動ブレーキモードへの切り替えをそれぞれ行える。
【0105】
制御部113aは、好ましくは、人力駆動車1に人力駆動力が入力されると図9の制御フローの実行を開始し、人力駆動車1に人力駆動力が入力されなくなるまで図9の制御フローの実行を繰り返す。人力駆動力に応じて図9の制御フローの実行、および、繰り返しを行うことによって、人力駆動車1の停止中にブレーキモードが切り替わらないようにできる。
【0106】
図9の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図9の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部113aは、ステップS51、および、ステップS53において、互いに異なる閾値を用いて、停止状態の時間との比較を行ってもよい。
【0107】
第1実施形態において、制御部113aは、ペダリング状態に応じてブレーキモードを設定したが、ブレーキモードを設定する基準は、ペダリング状態に限定されない。制御部113aは、ペダリング状態とは異なる状態に応じてブレーキモードを設定可能である。第2実施形態の制御システム210、および、第3実施形態の制御システム310は、ペダリング状態とは異なる状態に応じてブレーキモードを設定する制御システムの一例を示す。
【0108】
(第2実施形態)
図10、および、図11を用いて第2実施形態の制御システム210が説明される。第2実施形態において、制御部213aは、ドライブユニット220の制御状態に応じてブレーキモードを設定する。第1実施形態と共通する構成は、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0109】
第2実施形態において、人力駆動車1は、第1実施形態の人力駆動車1のクランク10、および、フレーム20等の構成に加えて、ドライブユニット220、および、モード選択装置230を備える。
【0110】
ドライブユニット220は、人力駆動車1に推進力を付与するように構成される。ドライブユニット220は、人力駆動車1に入力される人力駆動力に応じて、人力駆動車1に推進力を付与するように構成される。ドライブユニット220は人力駆動車1のボトムブラケット付近に配置されてもよい。ドライブユニット220は、モータ221を含む。モータ221bは、ペダル13からリアホイール70までの人力駆動力の動力伝達経路に、または、フロントホイール60に回転を伝達するように設けられる。ドライブユニット220は、モータ221に加えて、モータ221とクランク10とを連結する減速機を備えてもよい。ドライブユニット220は、複数のアシストモードを有する。モータ221は、アシストモードにおいて、制御部213aによって制御される。なお、ドライブユニット220は、人力駆動車1のボトムブラケット付近に配置される構造には限定されない。ドライブユニット220は、例えば、フロントホイール60、および、リアホイール70付近に配置されてもよい。
【0111】
本実施形態では、バッテリ80は、ブレーキ操作装置90、ブレーキ装置100、および、ドライブユニット220に電力を供給するように構成される。バッテリ80は、ブレーキ操作装置90に電力を供給することによって、ブレーキ操作装置90に設けられる第1検出装置111、および、第2検出装置112等を動作できる。ブレーキ装置100とドライブユニット220に電力を供給するバッテリ80は、同一のバッテリ80であってもよく、別体のバッテリ80であってもよい。ブレーキ操作装置90とブレーキ装置100に電力を供給するバッテリ80は、同一のバッテリ80であってもよく、別体のバッテリ80であってもよい。バッテリ80はさらに、人力駆動車1に取り付けられたリアディレイラ、および、フロントディレイラの少なくとも一方に、電力を供給するように構成されていてもよい。
【0112】
モード選択装置230は、搭乗者がアシストモードを選択できるように構成される。モード選択装置230は、例えば、サイクルコンピュータ等を含む。記憶部213bは、現在選択されているアシストモードを記憶する。制御部213aは、記憶部213bに記憶される情報に基づいて、現在選択されているアシストモードを検出できるように構成される。モード選択装置230は、サイクルコンピュータとは別体であってもよい。
【0113】
制御システム210は、人力駆動車用の制御システム210であって、人力駆動車1に推進力を付与するように構成されたドライブユニット220を制御し、ドライブユニット220の制御状態に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する制御部213a、を備える。図10には、制御システム210の一例が示される。図10に示される制御システム210は、第1検出装置111、第2検出装置112、制御装置213、バッテリ状態検出部214、および、車速センサ215を含む。
【0114】
制御装置213は、制御部213a、および、記憶部213bを含む。制御部213aは、複数のアシストモードにおいて、モータ221を制御するように構成される。制御部213aは、ドライブユニット220のモータ221を制御する制御部と、ブレーキ装置100を制御する制御部と、が別体で構成されてもよい。制御部213aは、複数のアシストモードにおいて、所定のパラメータに応じてモータ221の駆動力を制御する。例えば、制御部213aは、人力駆動車1に入力される人力駆動力等に応じてモータ221の駆動力を制御する。
【0115】
複数のアシストモードにおいて、人力駆動力に対するモータ221の駆動力の比率は、所定のパラメータに応じて変動する。本明細書において、人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ221の駆動力の比率を、モータ221の出力比率として記載する場合がある。
【0116】
例えば、複数のアシストモードにおいて、モータ221の出力比率は、人力駆動車1の走行速度に応じて変動する。モータ221は、走行速度が所定の範囲内である場合、予め設定される最大比率での出力が可能となる。本明細書において、モータ221の出力比率の最大値を、最大出力比率として記載する。
【0117】
複数のアシストモードにおいては、人力駆動車1の走行速度上限値が規定されている。走行速度上限値は、モータ221が駆動される際の人力駆動車1の走行速度に関する値を示す。制御部213aは、複数のアシストモードにおいて、人力駆動車1の走行速度が走行速度上限値を超えると、モータ221を駆動させない。
【0118】
複数のアシストモードの夫々は、人力駆動車1に入力される人力駆動力に対するモータ221の駆動力の最大出力比率、および、人力駆動力の入力に応じてモータ221の駆動を継続する人力駆動車1の走行速度上限値の少なくとも一方が異なり、複数のアシストモードは、第1アシストモードと、第1アシストモードよりも最大出力比率、および、走行速度上限値の少なくとも一方が小さい第2アシストモードと、を含む。本実施形態の複数のアシストモードは、第1アシストモード、および、第2アシストモードのみを含む。
【0119】
本実施形態では、複数のアシストモードは、最大出力比率、および、走行速度上限値のうち、最大出力比率のみが互いに異なる。第2アシストモードは、第1アシストモードよりも最大出力比率が小さい。第2アシストモードは、第1アシストモードよりも最大出力比率のみが小さくなるように構成されてもよい。複数のアシストモードは、走行速度上限値が互いに異なってもよい。複数のアシストモードは、走行速度上限値のみが互いに異なるように構成されてもよい。例えば、第2アシストモードは、第1アシストモードよりも走行速度上限値のみ小さくてもよい。複数のアシストモードは、最大出力比率、および、走行速度上限値の両方が互いに異なってもよい。例えば、第2アシストモードは、最大出力比率、および、走行速度上限値の両方が第1アシストモードよりも小さくてもよい。
【0120】
バッテリ状態検出部214は、バッテリ状態に関する情報を検出する。バッテリ状態は、例えば、バッテリ80の残量の状態、および、バッテリ80の出力の状態の少なくとも一方を示す。バッテリ状態に応じて、バッテリ80の電圧値は変動する。バッテリ80の出力には電圧値と温度との間の相関関係が影響する。例えば、バッテリ80の残量が所定電圧値である場合に、バッテリ80、もしくは、バッテリ80の付近の温度が低い場合と高い場合とにおいてバッテリ80の出力は変化する。例えば、温度が低い場合におけるバッテリ80の出力は、温度が高い場合におけるバッテリ80の出力よりも低くなる。バッテリ状態は、例えば、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係によって判断される。
【0121】
バッテリ状態検出部214は、バッテリ状態に関する情報として、バッテリ80の電圧値の状態に関する情報、および、バッテリ80に関連する温度の状態に関する情報を検出する。バッテリ80に関連する温度は、バッテリ80の温度、および、バッテリ80の付近の温度の少なくとも1つを含む。バッテリ状態検出部214は、電圧センサ214a、および、温度センサ214bを含む。
【0122】
電圧センサ214aは、バッテリ80の電圧値の状態に関する情報を検出するように構成される。電圧センサ214aは、バッテリ80の電圧値に応じた信号を制御部213aに出力する。電圧センサ214aから出力される信号には、バッテリ80の電圧値の状態を示す情報が含まれていてもよく、制御部213aがバッテリ80の電圧値の状態を検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報が含まれていてもよい。制御部213aは、電圧センサ214aからの信号に基づいて、バッテリ80の電圧値を検出できるように構成される。
【0123】
温度センサ214bは、バッテリ80に関連する温度の状態に関する情報を検出するように構成される。温度センサ214bは、バッテリ80に関連する温度に応じた信号を制御部213aに出力する。温度センサ214bから出力される信号には、バッテリ80に関連する温度の状態を示す情報が含まれていてもよく、制御部213aがバッテリ80に関連する温度の状態を検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報が含まれていてもよい。制御部213aは、温度センサ214bからの信号に基づいて、バッテリ80に関連する温度を検出できるように構成される。
【0124】
バッテリ状態検出部214は、バッテリ80の電圧値の状態に関する情報、および、バッテリ80に関連する温度の状態に関する情報とは異なる情報をさらに検出してもよい。例えば、バッテリ状態検出部214は、バッテリ80の充電回数に関する情報をさらに検出してもよい。
【0125】
制御部213aは、バッテリ状態検出部214からの信号に基づいてバッテリ状態を検出できるように構成される。例えば、制御部213aは、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に基づいてバッテリ状態を検出する。制御部213aは、バッテリ80の電圧値に基づいてバッテリ状態を検出してもよい。制御部213aは、バッテリ80の電圧値、および、充電回数に基づいてバッテリ状態を検出してもよい。
【0126】
車速センサ215は、人力駆動車1の走行速度に関する情報を検出するように構成される。車速センサ215は、例えば、フロントホイール60、および、リアホイール70の少なくとも一方に設けられる磁石の磁気を検出する磁気センサを含む。車速センサ215は、人力駆動車1の走行速度に応じた信号を制御部213aに出力する。車速センサ215から出力される信号には、人力駆動車1の走行速度を示す情報が含まれていてもよく、制御部213aが人力駆動車1の走行速度を検出、および、算出の少なくとも一方を行うために用いる情報が含まれていてもよい。制御部213aは、車速センサ215からの信号に基づいて、人力駆動車1の走行速度を検出できるように構成される。車速センサ215は、GPSを用いた車速センサであってもよい。GPSを用いた車速センサは、GPS受信機を含む。例えば、制御部213aは、GPS受信機が受信する信号から単位時間あたりの移動距離を算出することによって、人力駆動車1の走行速度に関する情報を検出してもよい。車速センサ215は、人力駆動車1の走行速度に応じた信号を出力するように構成されれば、特に限定されない。
【0127】
制御部213aは、ドライブユニット220に含まれるモータ221を複数のアシストモードの中で選択されたアシストモードで制御し、選択されたアシストモードに応じて、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。
【0128】
図11を用いて制御部213aが実行する制御の一例が説明される。制御部213aは、図11に示すフローチャートに従う制御フローを、予め設定される第1条件を満たす場合に開始する。制御部213aは、制御フローが終了すると、予め設定される第2条件を満たすまで、制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第1条件は、例えば、人力駆動車1に人力駆動力が入力されると満たされる。第1条件は、バッテリ80から制御部213aに電力の供給が開始され、かつ、所定の操作装置において所定操作が行われる場合に満たされてもよい。第2条件は、例えば、所定の操作装置において所定操作が行われると満たされる。第2条件は、人力駆動車1に人力駆動力が入力されなくなる場合に満たされてもよい。
【0129】
ステップS101において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されている場合、ステップS102に移行する。ステップS101において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、ステップS103に移行する。
【0130】
ステップS102において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS102の処理を実行した後、図11の制御フローを終了する。
【0131】
ステップS103において、制御部213aは、第2アシストモードが選択されている場合、ステップS104に移行する。ステップS103において、制御部213aは、第2アシストモードが選択されていない場合、図11の制御フローを終了する。
【0132】
ステップS104において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS104の処理を実行した後、図11の制御フローを終了する。複数のアシストモードが第1アシストモード、および、第2アシストモードのみを含む本実施形態において、第1アシストモード、および、第2アシストモードが選択されていない場合は、アシストモードとは異なる基準に基づいてブレーキモードを設定してもよい。
【0133】
制御部213aは、図11の制御フローを実行してブレーキモードの設定を行うことによって、ドライブユニット220の状態に応じてブレーキモードを切り替えでき、走行状態に合わせたブレーキ操作を容易に実行できる。
【0134】
例えば、ステップS102においてブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定することによって、制御部213aは、第1アシストモードの場合に、前後連動ブレーキモードでブレーキ装置100を制御する。第1アシストモードは、最大出力比率が第2アシストモードよりも大きいため、人力駆動力に対するモータ221の出力が第2アシストモードよりも大きくなり易い。第1アシストモードの場合に制御部213aが前後連動ブレーキモードでブレーキ装置100を制御することによって、人力駆動力に対するモータ221の出力が大きい状態において、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させてフロントホイール60、および、リアホイール70に容易に制動力を付与できる。
【0135】
ステップS104においてブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定することによって、制御部213aは、第2アシストモードの場合に、前後独立ブレーキモードでブレーキ装置100を制御する。第2アシストモードは、最大出力比率が第1アシストモードよりも小さいため、人力駆動力に対するモータ221の出力が第1アシストモードよりも小さくなり易い。第2アシストモードの場合に制御部213aが前後独立ブレーキモードでブレーキ装置100を制御することによって、人力駆動力に対するモータ221の出力が小さく、人力駆動車1に付与する制動力が小さくてもよい状況において前後一方だけのブレーキを使用でき、ブレーキ装置100の制御における電力の消費を少なくできる。
【0136】
図11の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図11の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部213aは、ステップS101の処理、および、ステップS103の処理を行う順番を入れ替えてもよい。
【0137】
本実施形態における複数のアシストモードは、第1アシストモード、および、第2アシストモードを含むが、本発明における複数のアシストモードは、第1アシストモード、および、第2アシストモードに加えて、第1アシストモード、および、第2アシストモードとは異なるアシストモードをさらに含んでもよい。例えば、複数のアシストモードは、第1アシストモード、および、第2アシストモードに加えて、第3アシストモードを含んでもよい。例えば、第3アシストモードは、第2アシストモードよりも最大出力比率が小さい。
【0138】
複数のアシストモードが第3アシストモードを含む場合、制御部213aは、第1アシストモード、第2アシストモード、および、第3アシストモードに応じてブレーキモードを設定できる。例えば、制御部213aは、第1アシストモードにおいて前後連動ブレーキモードでブレーキ装置100を制御し、第2アシストモード、および、第3アシストモードにおいて前後独立ブレーキモードでブレーキ装置100を制御する。
【0139】
制御部213aは、図11の制御フローにおいて、アシストモードのみに応じてブレーキモードを設定したが、ブレーキモードを設定する基準は、アシストモードのみに限定されない。例えば、制御部213aは、アシストモード、および、アシストモードとは異なる情報に応じてブレーキモードを設定可能である。
【0140】
図12から図16を用いて、アシストモード、および、アシストモードとは異なる情報に応じてブレーキモードを設定する処理が説明される。図12の制御フローが説明される。図12の制御フローは、アシストモード、および、人力駆動車1の走行速度に応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0141】
ステップS111において、制御部213aは、車速センサ215からの信号に基づいて、人力駆動車1の走行速度を検出する。記憶部213bには、所定走行速度に関する情報が記憶されている。所定走行速度に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定走行速度は、例えば、第1アシストモードにおいて、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103の両方を使って人力駆動車1に制動力を付与することが望ましい走行速度を示す。ステップS111において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上である場合、ステップS112に移行する。ステップS111において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度未満である場合の少なくとも一方を満たす場合、ステップS113に移行する。
【0142】
ステップS112において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS112の処理を実行した後、図12の制御フローを終了する。
【0143】
ステップS113において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、ステップS111で検出した人力駆動車1の走行速度が所定走行速度未満である場合、ステップS114に移行する。ステップS113において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上である場合の少なくとも一方を満たす場合、図12の制御フローを終了する。
【0144】
ステップS114において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS114の処理を実行した後、図12の制御フローを終了する。第1アシストモードが選択されている場合において、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上ではなく、かつ、所定走行速度未満ではない場合とは、例えば、車速センサ215の故障、および、車速センサ215の搭載状態に起因して人力駆動車1の走行速度に関する情報を車速センサ215が検出できない場合であると考えられる。制御部213aは、第1アシストモードが選択されている場合において、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上ではなく、かつ、所定走行速度未満ではない場合、人力駆動車1の走行速度とは異なる基準に基づいてブレーキモードを設定してもよい。
【0145】
制御部213aは、図12の制御フローを実行してブレーキモードの設定を行うことによって、アシストモード、および、人力駆動車1の走行速度に基づいてブレーキモードを切り替えできる。
【0146】
例えば、ステップS112においてブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定することによって、選択されたアシストモードが第1アシストモードであり、かつ、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上の場合に、制御部213aはブレーキ装置100を前後連動ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいて人力駆動車1の走行速度が比較的速く、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103の両方を使って人力駆動車1に制動力を付与することが望ましい状況において、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させてフロントホイール60、および、リアホイール70に容易に制動力を付与できる。
【0147】
ステップS114においてブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定することによって、選択されたアシストモードが第1アシストモードであり、かつ、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度未満の場合に、制御部213aはブレーキ装置100を前後独立ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいて人力駆動車1の走行速度が比較的遅く、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103の一方だけの制動力で十分な状況では、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させてフロントホイール60への制動力、および、リアホイール70への制動力を個別に調整できる。
【0148】
図12の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図12の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部213aは、ステップS111、および、ステップS113において、互いに異なる閾値を用いて、人力駆動車1の走行速度との比較を行ってもよい。制御部213aは、第1アシストモードとは異なるアシストモードが選択されている場合に、人力駆動車1の走行速度に応じてブレーキモードを設定してもよい。制御部213aは、例えば、第2アシストモードが選択されている場合に、人力駆動車1の走行速度に応じてブレーキモードを設定してもよい。制御部213aは、ステップS111の処理、および、ステップS113の処理を行う順番を入れ替えてもよい。
【0149】
図13の制御フローが説明される。図13の制御フローは、アシストモード、および、バッテリ状態に応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0150】
ステップS121において、制御部213aは、バッテリ状態検出部214からの信号に基づいて、バッテリ状態を検出する。記憶部213bには、所定バッテリ状態に関する情報が記憶されている。所定バッテリ状態に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定バッテリ状態は、例えば、バッテリ80の残量が十分であると考えられるようなバッテリ80の残量を基準に設定される。ステップS121において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、バッテリ状態が所定バッテリ状態以上である場合、ステップS122に移行する。ステップS121において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、バッテリ状態が所定バッテリ状態未満である場合の少なくとも一方を満たす場合、ステップS123に移行する。
【0151】
ステップS122において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS122の処理を実行した後、図13の制御フローを終了する。
【0152】
ステップS123において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、ステップS121で検出したバッテリ状態が所定バッテリ状態未満である場合、ステップS124に移行する。ステップS123において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、バッテリ状態が所定バッテリ状態以上である場合の少なくとも一方を満たす場合、図13の制御フローを終了する。
【0153】
ステップS124において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS124の処理を実行した後、図13の制御フローを終了する。第1アシストモードが選択されている場合において、バッテリ80のバッテリ状態が所定バッテリ状態以上ではなく、かつ、所定バッテリ状態未満ではない場合とは、例えば、バッテリ状態検出部214の故障、および、バッテリ状態検出部214の搭載状態に起因してバッテリ状態に関する情報をバッテリ状態検出部214が検出できない場合であると考えられる。制御部213aは、第1アシストモードが選択されている場合において、バッテリ状態が所定バッテリ状態以上ではなく、かつ、所定バッテリ状態未満ではない場合、バッテリ状態とは異なる基準に基づいてブレーキモードを設定してもよい。
【0154】
制御部213aは、図13の制御フローを実行してブレーキモードの設定を行うことによって、アシストモード、および、バッテリ80のバッテリ状態に基づいてブレーキモードを切り替えできる。
【0155】
例えば、ステップS122においてブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定することによって、制御部213aは、選択されたアシストモードが第1アシストモードであり、かつ、ドライブユニット220に電力を供給するバッテリ80のバッテリ状態が所定バッテリ状態以上の場合に、ブレーキ装置100を前後連動ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいてバッテリ80の残量が比較的多い場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させてフロントホイール60、および、リアホイール70に容易に制動力を付与できる。
【0156】
ステップS124においてブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定することによって、制御部213aは、選択されたアシストモードが第1アシストモードであり、かつ、ドライブユニット220に電力を供給するバッテリ80のバッテリ状態が所定バッテリ状態未満の場合に、ブレーキ装置100を前後独立ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいてバッテリ80の残量が比較的少ない場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させてブレーキ装置100の制御における電力の消費を抑制できる。ブレーキ装置100の制御における電力の消費を抑制できることによって、ブレーキ装置100の第1アクチュエータ102、および、第2アクチュエータ104を駆動可能な時間を長くできる。
【0157】
図13の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図13の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部213aは、ステップS121、および、ステップS123において、互いに異なる閾値を用いて、バッテリ状態との比較を行ってもよい。制御部213aは、第1アシストモードとは異なるアシストモードが選択されている場合に、バッテリ状態に応じてブレーキモードを設定してもよい。制御部213aは、ステップS121の処理、および、ステップS123の処理を行う順番を入れ替えてもよい。
【0158】
図14の制御フローが説明される。図14の制御フローは、アシストモード、および、バッテリ80の電圧値に応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0159】
ステップS131において、制御部213aは、電圧センサ214aからの信号に基づいて、バッテリ80の電圧値を検出する。記憶部213bには、所定電圧値に関する情報が記憶されている。所定電圧値に関する情報は、例えば、所定閾値である。所定電圧値は、例えば、バッテリ80の残量が十分であると考えられるようなバッテリ80の電圧値を基準に設定される。ステップS131において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、バッテリ80の電圧値が所定電圧値以上である場合、ステップS132に移行する。ステップS131において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、バッテリ80の電圧値が所定電圧値未満である場合の少なくとも一方を満たす場合、ステップS133に移行する。
【0160】
ステップS132において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS132の処理を実行した後、図14の制御フローを終了する。
【0161】
ステップS133において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、ステップS131で検出したバッテリ80の電圧値が所定電圧値未満である場合、ステップS134に移行する。ステップS133において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、バッテリ80の電圧値が所定電圧値以上である場合の少なくとも一方を満たす場合、図14の制御フローを終了する。
【0162】
ステップS134において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS134の処理を実行した後、図14の制御フローを終了する。第1アシストモードが選択されている場合において、バッテリ80の電圧値が所定電圧値以上ではなく、かつ、所定電圧値未満ではない場合とは、例えば、電圧センサ214aの故障、および、電圧センサ214aの搭載状態に起因してバッテリ80の電圧値に関する情報を電圧センサ214aが検出できない場合であると考えられる。制御部213aは、第1アシストモードが選択されている場合において、バッテリ80の電圧値が所定電圧値以上ではなく、かつ、所定電圧値未満ではない場合、バッテリ80の電圧値とは異なる基準に基づいてブレーキモードを設定してもよい。
【0163】
図14の制御フローにおいて、バッテリ状態はバッテリ80の電圧値の状態を含む。制御部213aは、図14の制御フローを実行してブレーキモードの設定を行うことによって、アシストモード、および、バッテリ80の電圧値に基づいてブレーキモードを切り替えできる。
【0164】
例えば、ステップS132においてブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定することによって、制御部213aは電圧値が所定電圧値以上の場合、ブレーキ装置100を前後連動ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいてバッテリ80の残量が比較的多い場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させてフロントホイール60、および、リアホイール70に容易に制動力を付与できる。
【0165】
ステップS134においてブレーキモードを前後独立ブレーキモードに設定することによって、制御部213aは電圧値が所定電圧値未満の場合、ブレーキ装置100を前後独立ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいてバッテリ80の残量が比較的少ない場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を独立させてブレーキ装置100の制御における電力の消費を抑制できる。ブレーキ装置100の制御における電力の消費を抑制できることによって、ブレーキ装置100の第1アクチュエータ102、および、第2アクチュエータ104を駆動可能な時間を長くできる。
【0166】
図14の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図14の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部213aは、ステップS131、および、ステップS133において、互いに異なる閾値を用いて、バッテリ80の電圧値との比較を行ってもよい。制御部213aは、第1アシストモードとは異なるアシストモードが選択されている場合に、バッテリ80の電圧値に応じてブレーキモードを設定してもよい。制御部213aは、ステップS131の処理、および、ステップS133の処理を行う順番を入れ替えてもよい。
【0167】
本発明は、図12の制御フロー、および、図14の制御フローの両方を並行して実行し、人力駆動車1の走行速度、および、バッテリ80の電圧値に応じてブレーキモードを設定してもよい。走行速度、および、電圧値に応じてブレーキモードを設定する場合、走行速度、および、電圧値の一方を他方よりも優先してブレーキモードを設定してもよい。
【0168】
人力駆動車1の走行速度をバッテリ80の電圧値よりも優先する場合、制御部213aは、例えば、図14のステップS131において第1アシストモードが選択されており、かつ、バッテリ80の電圧値が所定電圧値以上であっても、図12のステップS111において人力駆動車1の走行速度が所定走行速度未満であれば、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定しない。制御部213aは、図12のステップS111、および、図14のステップS131の条件を満たす場合に、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。
【0169】
バッテリ80の電圧値を人力駆動車1の走行速度よりも優先する場合、制御部213aは、例えば、図12のステップS111において第1アシストモードが選択されており、かつ、人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上であっても、図14のステップS131においてバッテリ80の電圧値が所定電圧値未満の場合は、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定しない。制御部213aは、図12のステップS111、および、図14のステップS131の条件を満たす場合に、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。
【0170】
人力駆動車1の走行速度、および、バッテリ80の電圧値に応じてブレーキモードを設定する場合、制御部213aは、例えば、第1アシストモードにおいて人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上、かつ、バッテリ80の電圧値が所定電圧値未満の場合に、ドライブユニット220のモータ221の出力を下げる、もしくは、出力しないようにしてからバッテリ80の電圧値を下げてもよい。
【0171】
図15の制御フローが説明される。図15の制御フローは、アシストモード、および、バッテリ80の電圧値と温度との間の相関関係に応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0172】
バッテリ80の出力は、バッテリ80の電圧値、および、温度の相関関係に基づいて判断される場合がある。図15の制御フローにおいて、制御部213aは、相関関係に基づくバッテリ80の出力に応じて、ブレーキモードを切り替える。
【0173】
ステップS141において、制御部213aは、電圧センサ214a、および、温度センサ214bからの信号に基づいてバッテリ80の電圧値、および、温度を検出する。制御部213aは、バッテリ80の電圧値、および、温度の相関関係に基づいて、バッテリ80の出力を検出する。記憶部213bには、所定閾値に関する情報が記憶されている。所定閾値に関する情報は、バッテリ80の温度に応じて規定される。所定閾値は、例えば、バッテリ80の残量が十分であると考えられるようなバッテリ80の出力を基準に設定される。本明細書において、所定閾値を、所定相関状態として記載する場合がある。ステップS141において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されており、かつ、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じたバッテリ80の出力が所定相関状態以上である場合、ステップS142に移行する。ステップS141において、制御部213aは、第1アシストモードが選択されていない場合、および、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じたバッテリ80の出力が所定相関状態未満である場合の少なくとも一方を満たす場合、図15の制御フローを終了する。
【0174】
ステップS142において、制御部213aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。制御部213aは、ステップS142の処理を実行した後、図15の制御フローを終了する。
【0175】
図15の制御フローにおいて、バッテリ状態はバッテリ80に関連する温度の状態をさらに含み、制御部213aは電圧値と温度との相関関係が所定相関状態以上の場合、ブレーキ装置100を前後連動ブレーキモードで制御する。制御部213aの制御によって、第1アシストモードにおいてバッテリ80の残量が比較的多い場合に、第1ブレーキ101、および、第2ブレーキ103を連動させてフロントホイール60、および、リアホイール70に容易に制動力を付与できる。
【0176】
図15の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図15の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部213aは、第1アシストモードとは異なるアシストモードが選択されている場合に、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じてブレーキモードを設定してもよい。
【0177】
本発明は、図12の制御フロー、および、図15の制御フローの両方を並行して実行し、人力駆動車1の走行速度、および、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じてブレーキモードを設定してもよい。走行速度、および、相関関係に応じてブレーキモードを設定する場合、走行速度、および、相関関係の一方を他方よりも優先してブレーキモードを設定してもよい。
【0178】
人力駆動車1の走行速度をバッテリ80の電圧値と温度との相関関係よりも優先する場合、制御部213aは、例えば、図15のステップS141において第1アシストモードが選択されており、かつ、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じたバッテリ80の出力が所定相関状態以上であっても、図12のステップS111において人力駆動車1の走行速度が所定走行速度未満であれば、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定しない。制御部213aは、図12のステップS111、および、図15のステップS141の条件を満たす場合に、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。
【0179】
バッテリ80の電圧値と温度との相関関係を人力駆動車1の走行速度よりも優先する場合、制御部213aは、例えば、図12のステップS111において第1アシストモードが選択されており、かつ、第1アシストモードにおいて人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上であっても、図15のステップS141においてバッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じたバッテリ80の出力が所定相関状態未満の場合は、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定しない。制御部213aは、図12のステップS111、および、図15のステップS141の条件を満たす場合に、ブレーキモードを前後連動ブレーキモードに設定する。
【0180】
人力駆動車1の走行速度、および、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じてブレーキモードを設定する場合、制御部213aは、例えば、第1アシストモードにおいて人力駆動車1の走行速度が所定走行速度以上、かつ、バッテリ80の電圧値と温度との相関関係に応じたバッテリ80の出力が所定相関状態未満の場合に、ドライブユニット220のモータ221の出力を下げる、もしくは、出力しないようにしてからバッテリ80の電圧値を下げてもよい。
【0181】
図16の制御フローが説明される。図16の制御フローは、アシストモード、自動切換モード、および、手動切換モードに応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0182】
自動切換モードは、制御部213aがブレーキモードの設定を行うモードである。手動切換モードは、制御部213aではなく、モード選択装置230の操作によって搭乗者がブレーキモードの設定を行うモードである。モード選択装置230は、搭乗者が切換モードを選択できるように構成される。モード選択装置230は、搭乗者が手動切換モードを選択した場合に、前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードを搭乗者が選択できるように構成される。記憶部213bは、現在選択されている切換モードを記憶する。制御部213aは、記憶部213bに記憶された情報に基づいて、現在選択されている切換モードを検出できるように構成される。
【0183】
ステップS151において、制御部213aは、自動切換モードが選択されている場合、ステップS152に移行する。ステップS151において、制御部213aは、自動切換モードが選択されていない場合、図16の制御フローを終了する。
【0184】
ステップS152において、制御部213aは、ブレーキモードを設定する処理のサブルーチンを実行する。ステップS152におけるサブルーチンは、例えば、図11から図15の制御フローの少なくとも1つを含む。制御部213aは、ステップS152の処理を実行した後、図16の制御フローを終了する。
【0185】
図16の制御フローにおいて、ブレーキモードは自動切換モード、および、手動切換モードを選択可能であり、制御部213aは、自動切換モードの場合に、前後連動ブレーキモードと前後独立ブレーキモードと、を、ドライブユニット220の状態に応じて設定する。搭乗者は、手動切換モードを選択することによって、アシストモード、および、バッテリ状態等に関わらず、前後連動ブレーキモード、および、前後独立ブレーキモードの中の任意の一方のブレーキモードを選択できる。例えば、第1アシストモード選択時であっても、手動切換モードを選択することによって、搭乗者によるブレーキ操作装置90の操作に応じて、フロントホイール60への制動力、および、リアホイール70への制動力を個別に調整できる。
【0186】
(第3実施形態)
図17、および、図18を用いて第3実施形態の制御システム310が説明される。第3実施形態において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作に応じてブレーキモードを設定する。第1実施形態、および、第2実施形態と共通する構成は、第1実施形態、および、第2実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0187】
制御システム310は、人力駆動車用の制御システム310であって、人力駆動車1のブレーキ操作装置90の操作状態を検出する操作状態検出部311と、操作状態検出部311によって検出される操作状態に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定し、操作状態終了後、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方のモードを維持する制御部312aと、を備える。制御システム310は、人力駆動車1のブレーキモードが、前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードのどちらに設定されているかを報知する報知機構313、をさらに備える。図17には、制御システム310の一例が示される。図17に示される制御システム310は、操作状態検出部311、制御装置312、および、報知機構313を含む。
【0188】
操作状態検出部311は、ブレーキ操作装置90の操作状態を検出するように構成される。操作状態検出部311は、第1検出装置111、第2検出装置112、および、制御部312aを含む。操作状態検出部311は、第1検出装置111からの信号、および、第2検出装置112からの信号の少なくとも一方に基づいて制御部312aが適宜処理を実行することによって、ブレーキ操作装置90の操作状態を検出できるように構成される。
【0189】
ブレーキ操作装置90の操作状態は、ブレーキ操作装置90の操作回数、ブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間、レバー部材91・92の同時操作、および、レバー部材91・92の交互操作の少なくとも1つを含む。本実施形態では、ブレーキ操作装置90の操作状態は、ブレーキ操作装置90の操作回数、ブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間、レバー部材91・92の同時操作、および、レバー部材91・92の交互操作を含む。
【0190】
ブレーキ操作装置90の操作回数は、所定時間以内における第1のレバー部材91の操作回数、および、所定時間以内における第2のレバー部材92の操作回数を含む。制御部312aは、第1検出装置111からの信号に基づいて第1のレバー部材91への入力を検出することによって、第1のレバー部材91の操作回数を算出する。例えば、制御部312aは、搭乗者が第1のレバー部材91を待機位置から操作位置に移動する操作の回数を算出する。制御部312aは、第2検出装置112からの信号に基づいて第2のレバー部材92への入力を検出することによって、第2のレバー部材92の操作回数を算出する。例えば、制御部312aは、搭乗者が第2のレバー部材92を待機位置から操作位置に移動する操作の回数を算出する。
【0191】
ブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間は、搭乗者の操作によって、第1のレバー部材91が操作位置に移動している時間、および、第2のレバー部材92が操作位置に移動している時間を含む。制御部312aは、第1検出装置111からの信号に基づいて第1のレバー部材91への入力を検出することによって、第1のレバー部材91が操作位置に移動している時間を算出する。制御部312aは、第2検出装置112からの信号に基づいて第2のレバー部材92への入力を検出することによって、第2のレバー部材92が操作位置に移動している時間を算出する。
【0192】
レバー部材91・92の同時操作は、搭乗者が第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92を同じタイミングにおいて操作位置に移動させる操作と、搭乗者が第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の一方を操作位置に移動させた状態において、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の他方を操作位置に移動させる操作と、の少なくとも一方を含む。制御部312aは、第1検出装置111、および、第2検出装置112からの信号に基づいて第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92への入力を検出することによって、同時操作を検出する。
【0193】
レバー部材91・92の交互操作は、搭乗者が所定時間内に、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92を交互に操作する操作を含む。交互操作は、例えば、搭乗者が、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の一方を操作位置に移動させてから待機位置に戻した後、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の他方を操作位置に移動させてから待機位置に戻す操作を含む。制御部312aは、第1検出装置111、および、第2検出装置112からの信号に基づいて第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92への入力を検出することによって、交互操作を検出する。
【0194】
制御装置312は、人力駆動車1のブレーキ操作装置90の操作状態を検出する操作状態検出部311によって検出される操作状態に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモードと前後連動ブレーキモードの一方に設定し、操作状態終了後、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方のモードを維持する制御部312aを備える。図17には、制御装置312の一例が示される。図17に示される制御装置312は、制御部312a、および、記憶部312bを含む。制御部312aは、報知機構313を制御できるように構成される。
【0195】
報知機構313は、ブレーキモードを報知する装置を含む。報知機構313は、ディスプレイ313a、光発生装置313b、音発生装置313c、および、振動発生装置313dの少なくとも1つを含む。
【0196】
ディスプレイ313aは、各種情報を表示する。ディスプレイ313aは、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。ディスプレイ313aは、例えば、液晶ディスプレイ、および、有機ELディスプレイ等を含む。ディスプレイ313aは、例えば、現在のブレーキモードを示すメッセージを表示することによって、ブレーキモードを報知できるように構成される。
【0197】
光発生装置313bは、光を発生する。光発生装置313bは、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。光発生装置313bは、例えば、ディスプレイ313a、フロントランプ、および、テールランプ等を含む。光発生装置313bは、例えば、現在のブレーキモードを示す光を発生することによって、ブレーキモードを報知できるように構成される。
【0198】
音発生装置313cは、音を発生する。音発生装置313cは、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。音発生装置313cは、例えば、ブザー、および、スピーカ等を含む。音発生装置313cは、例えば、現在のブレーキモードを示す音を発生することによって、ブレーキモードを報知できるように構成される。
【0199】
振動発生装置313dは、振動を発生する。振動発生装置313dは、人力駆動車1に設けられてもよく、人力駆動車1の搭乗者が所持してもよい。振動発生装置313dは、例えば、偏心錘を備える電気モータ等を含む。振動発生装置313dは、例えば、現在のブレーキモードを示す振動を発生することによって、ブレーキモードを報知できるように構成される。
【0200】
制御部312aは、報知機構313に信号を出力することによって、報知機構313を制御する。制御部312aは、所定条件を満たす場合に報知機構313を制御する。例えば、制御部312aは、ブレーキモードを切り替える場合等に、報知機構313を動作させる。報知機構313が動作することによって、搭乗者は、現在のブレーキモードを把握できる。搭乗者が報知機構313を操作することによって、報知機構313は、現在のブレーキモードを報知してもよい。
【0201】
図18を用いて制御部312aが実行する制御の一例が説明される。制御部312aは、図18に示すフローチャートに従う制御フローを、予め設定される第1条件を満たす場合に開始する。制御部312aは、図18の制御フローが終了すると、予め設定される第2条件を満たすまで、図18の制御フローを所定時間ごとに繰り返し実行する。第1条件は、第1実施形態と同様であってもよいし、第2実施形態と同様であってもよい。第2条件は、第1実施形態と同様であってもよいし、第2実施形態と同様であってもよい。
【0202】
ステップS201において、制御部312aは、第1検出装置111、および、第2検出装置112からの信号に基づいて、所定時間以内におけるブレーキ操作装置90の操作回数を検出する。制御部312aは、例えば、第1のレバー部材91の操作回数、および、第2のレバー部材92の操作回数を合算することによって、ブレーキ操作装置90の操作回数を検出する。制御部312aは、第1のレバー部材91の操作回数、および、第2のレバー部材92の操作回数の一方の操作回数をブレーキ操作装置90の操作回数として検出してもよい。例えば、制御部312aは、第1のレバー部材91の操作回数、および、第2のレバー部材92の操作回数のうち、回数が多い一方の操作回数をブレーキ操作装置90の操作回数として検出してもよい。記憶部312bには、所定操作回数に関する情報が記憶されている。所定操作回数に関する情報は、例えば、所定閾値である。ステップS201において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数以上である場合、ステップS202に移行する。ステップS201において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数未満である場合、図18の制御フローを終了する。
【0203】
ステップS202において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、ステップS202の処理を実行した後、図18の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了しても、ステップS202の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0204】
図18の制御フローにおいて、操作状態検出部311は、操作状態として所定時間以内におけるブレーキ操作装置90の操作回数を検出し、制御部312aは、操作状態検出部311によって検出されるブレーキ操作装置90の操作回数に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、操作状態検出部311によって検出されるブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数以上である場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。搭乗者は、ブレーキ操作装置90を操作することによって、任意に、かつ、ハンドルバー40から手を放すことなくブレーキモードを設定できる。搭乗者は、前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方として、例えば前後連動ブレーキモードにブレーキモードを設定できる。
【0205】
所定回数には、好ましくは、実際のブレーキ操作において想定される、所定時間以内のブレーキ操作装置90の操作回数よりも多い回数が設定される。所定回数の設定によって、制御部312aは、実際のブレーキ操作と混同しないように、ブレーキモードを設定できる。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0206】
図18の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作回数に応じてブレーキモードを設定する処理の一例であり、操作回数に応じたブレーキモードの設定内容は、図18の制御フローに限定されない。図19を用いて、操作回数に応じてブレーキモードを設定する処理の変形例が説明される。
【0207】
ステップS211において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数を検出し、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数以上である場合、ステップS212に移行する。ステップS211において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数未満である場合、図19の制御フローを終了する。
【0208】
ステップS212において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。ステップS213において、制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了するまで待機する。制御部312aは、例えば、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定閾値以下になるまで待機する。制御部312aは、例えば、搭乗者が最後にブレーキ操作装置90を操作してから所定時間経過して、ブレーキ操作装置90の操作回数が0になるまで待機してもよい。ステップS213において、制御部312aは、待機後に、ステップS213に移行する。制御部312aは、ステップS213に移行しても、ステップS212の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0209】
ステップS213において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数を検出し、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数以上である場合、ステップS214に移行する。ステップS213において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数未満である場合、ステップS213の処理を繰り返す。
【0210】
ステップS214において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。制御部312aは、ステップS214の処理を実行した後、図19の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了しても、ステップS214の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0211】
図19の制御フローにおいて、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定した後、操作状態検出部311が、所定時間以内におけるブレーキ操作装置90の所定回数以上の操作回数を検知する場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、ブレーキ操作装置90の操作によって、前後連動ブレーキモードから前後独立モードへの切り替え、および、前後独立ブレーキモードから前後連動ブレーキモードへの切り替えをそれぞれ行える。
【0212】
所定回数には、好ましくは、実際のブレーキ操作において想定される、所定時間以内のブレーキ操作装置90の操作回数よりも多い回数が設定される。所定回数の設定によって、制御部312aは、実際のブレーキ操作と混同しないように、ブレーキモードを設定する。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0213】
図19の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図19の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部312aは、ステップS211、および、ステップS213において、互いに異なる閾値を用いて、ブレーキ操作装置90の操作回数との比較を行ってもよい。
【0214】
制御部312aは、図18、および、図19の制御フローにおいて、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、ブレーキ操作装置90の操作回数に応じてブレーキモードを設定したが、ブレーキモードを設定する基準は、ブレーキ操作装置90の操作回数に限定されない。本発明は、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、ブレーキ操作装置90の操作回数とは異なる基準に応じてブレーキモードを設定可能である。
【0215】
図20から図25を用いて、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、ブレーキ操作装置90の操作回数とは異なる基準に応じてブレーキモードを設定する処理が説明される。図20の制御フローが説明される。図20の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、ブレーキ操作装置90の連続操作時間に応じて人力駆動車1のブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0216】
ステップS221において、制御部312aは、第1検出装置111、および、第2検出装置112からの信号に基づいて、ブレーキ操作装置90の連続操作時間を検出する。記憶部312bには、所定操作時間に関する情報が記憶されている。所定操作時間に関する情報は、例えば、所定閾値である。ステップS221において、制御部312aは、連続操作時間が所定操作時間以上である場合、ステップS222に移行する。ステップS221において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の連続操作時間が所定操作時間未満である場合、図20の制御フローを終了する。
【0217】
ステップS222において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、ステップS222の処理を実行した後、図20の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了しても、ステップS222の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0218】
図20の制御フローにおいて、操作状態検出部311は、操作状態としてブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間を検出し、制御部312aは、操作状態検出部311によって検出されるブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、操作状態検出部311によって検出されるブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間が所定操作時間以上である場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。搭乗者は、ブレーキ操作装置90を連続して操作することによって、任意に、かつ、ハンドルバー40から手を放すことなくブレーキモードを設定できる。
【0219】
所定操作時間には、好ましくは、実際のブレーキ操作において想定される連続操作時間よりも長い時間が設定される。所定時間の設定によって、制御部312aは、実際のブレーキ操作と混同しないように、ブレーキモードを設定できる。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0220】
図21の制御フローが説明される。図21の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、ブレーキ操作装置90の連続操作時間に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。図21の制御フローは、連続操作時間に応じたブレーキモードの設定内容が、図20の制御フローと相違する。
【0221】
ステップS231において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の連続操作時間を検出し、連続操作時間が所定操作時間以上である場合、ステップS232に移行する。ステップS231において、制御部312aは、連続操作時間が所定操作時間未満である場合、図21の制御フローを終了する。
【0222】
ステップS232において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。ステップS232において、制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了するまで待機する。制御部312aは、例えば、ブレーキ操作装置90の連続操作時間が所定閾値以下になるまで待機する。ステップS232において、制御部312aは、待機後に、ステップS233に移行する。制御部312aは、ステップS233に移行しても、ステップS232の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0223】
ステップS233において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の連続操作時間を検出し、連続操作時間が所定操作時間以上である場合、ステップS234に移行する。ステップS233において、制御部312aは、連続操作時間が所定操作時間未満である場合、ステップS233の処理を繰り返す。
【0224】
ステップS234において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。制御部312aは、ステップS234の処理を実行した後、図21の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了しても、ステップS234の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0225】
図21の制御フローにおいて、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定した後、操作状態検出部311が、ブレーキ操作装置90の所定操作の連続操作時間を検知する場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、ブレーキ操作装置90の連続操作によって、前後連動ブレーキモードから前後独立モードへの切り替え、および、前後独立ブレーキモードから前後連動ブレーキモードへの切り替えをそれぞれ行える。
【0226】
所定操作時間には、好ましくは、実際のブレーキ操作において想定される連続操作時間よりも長い時間が設定される。所定時間の設定によって、制御部312aは、実際のブレーキ操作と混同しないように、ブレーキモードを設定できる。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0227】
図21の制御フローは一例であり、本発明の範囲内において、図21の制御フローの処理内容、および、処理順序を変更できる。例えば、本発明において、制御部312aは、ステップS231、および、ステップS233において、互いに異なる閾値を用いて、連続操作時間との比較を行ってもよい。
【0228】
図22の制御フローが説明される。図22の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、レバー部材91・92の同時操作に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0229】
ステップS241において、制御部312aは、第1検出装置111、および、第2検出装置112からの信号に基づいて、レバー部材91・92の同時操作を検出する場合、ステップS242に移行する。ステップS241において、制御部312aは、同時操作を検出しない場合、図22の制御フローを終了する。
【0230】
ステップS242において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、ステップS242の処理を実行した後、図22の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了しても、ステップS242の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0231】
図22の制御フローにおいて、操作状態検出部311は、操作状態としてブレーキ操作装置90の第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の操作を検出し、制御部312aは、操作状態検出部311によって検出されるブレーキ操作装置90の第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の操作に応じて、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、操作状態検出部311が、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92が同時に操作されたと検知する場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。搭乗者は、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92を同時に操作することによって、任意に、かつ、ハンドルバー40から手を放すことなくブレーキモードを切り替えできる。
【0232】
制御部312aは、好ましくは、実際のブレーキ操作と混同しないように、所定時間以上、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92が同時に操作されたらブレーキモードが切り替わるように、ブレーキモードを設定する。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0233】
図23の制御フローが説明される。図23の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、レバー部材91・92の同時操作に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。図23の制御フローは、レバー部材91・92の同時操作に応じたブレーキモードの設定内容が、図22の制御フローと相違する。
【0234】
ステップS251において、制御部312aは、レバー部材91・92の同時操作を検出する場合、ステップS252に移行する。ステップS251において、制御部312aは、同時操作を検出しない場合、図23の制御フローを終了する。
【0235】
ステップS252において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。ステップS252において、制御部312aは、搭乗者がレバー部材91・92の同時操作を終了するまで待機する。制御部312aは、例えば、レバー部材91・92の同時操作を検出しなくなるまで待機する。ステップS252において、制御部312aは、待機後に、ステップS253に移行する。制御部312aは、ステップS253に移行しても、ステップS252の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0236】
ステップS253において、制御部312aは、レバー部材91・92の同時操作を検出する場合、ステップS254に移行する。ステップS253において、制御部312aは、同時操作を検出しない場合、ステップS253の処理を繰り返す。
【0237】
ステップS254において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。制御部312aは、ステップS254の処理を実行した後、図23の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がレバー部材91・92の同時操作を終了しても、ステップS254の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0238】
図23の制御フローにおいて、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定した後、操作状態検出部311が、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92が同時に操作されたと検知する場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、レバー部材91・92の同時操作によって、前後連動ブレーキモードから前後独立モードへの切り替え、および、前後独立ブレーキモードから前後連動ブレーキモードへの切り替えをそれぞれ行える。
【0239】
制御部312aは、好ましくは、実際のブレーキ操作と混同しないように、所定時間以上、ブレーキ操作装置90が連続して操作されたらブレーキモードが切り替わるように、ブレーキモードを設定する。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0240】
図24の制御フローが説明される。図24の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、レバー部材91・92の交互操作に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。
【0241】
ステップS261において、制御部312aは、第1検出装置111、および、第2検出装置112からの信号に基づいて、レバー部材91・92の交互操作を検出する場合、ステップS262に移行する。ステップS261において、制御部312aは、レバー部材91・92の交互操作を検出しない場合、図24の制御フローを終了する。
【0242】
ステップS262において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。制御部312aは、ステップS262の処理を実行した後、図24の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がブレーキ操作装置90の操作を終了しても、ステップS262の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0243】
図24の制御フローにおいて、制御部312aは、操作状態検出部311が、所定時間内に、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の一方が操作された後、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の他方が操作されたと検知する場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。搭乗者は、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92を交互に操作することによって、任意に、かつ、ハンドルバー40から手を放すことなくブレーキモードを切り替えできる。
【0244】
制御部312aは、好ましくは、実際のブレーキ操作と混同しないように、所定時間以内に、一方のレバー部材が操作された後に他方のレバー部材が操作されたらブレーキモードが切り替わるように、ブレーキモードを設定する。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0245】
図25の制御フローが説明される。図25の制御フローは、ブレーキ操作装置90の操作状態のうち、レバー部材91・92の交互操作に応じてブレーキモードを設定する処理の一例を示す。図25の制御フローは、レバー部材91・92の交互操作に応じたブレーキモードの設定内容が、図24の制御フローと相違する。
【0246】
ステップS271において、制御部312aは、レバー部材91・92の交互操作を検出する場合、ステップS272に移行する。ステップS271において、制御部312aは、交互操作を検出しない場合、図25の制御フローを終了する。
【0247】
ステップS272において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定する。ステップS272において、制御部312aは、搭乗者がレバー部材91・92の交互操作を終了するまで待機する。制御部312aは、例えば、レバー部材91・92の交互操作を検出しなくなるまで待機する。ステップS272において、制御部312aは、待機後に、ステップS273に移行する。制御部312aは、ステップS273に移行しても、ステップS272の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0248】
ステップS273において、制御部312aは、レバー部材91・92の交互操作を検出する場合、ステップS274に移行する。ステップS273において、制御部312aは、交互操作を検出しない場合、ステップS273の処理を繰り返す。
【0249】
ステップS274において、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後連動ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。制御部312aは、ステップS274の処理を実行した後、図25の制御フローを終了する。制御部312aは、搭乗者がレバー部材91・92の交互操作を終了しても、ステップS274の処理において設定したブレーキモードを維持する。
【0250】
図25の制御フローにおいて、制御部312aは、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定した後、操作状態検出部311が、所定時間内に、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の一方が操作された後、第1のレバー部材91、および、第2のレバー部材92の他方が操作されたと検知する場合、人力駆動車1のブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、レバー部材91・92の交互操作によって、前後連動ブレーキモードから前後独立モードへの切り替え、および、前後独立ブレーキモードから前後連動ブレーキモードへの切り替えをそれぞれ行える。
【0251】
制御部312aは、好ましくは、実際のブレーキ操作と混同しないように、所定時間以内に、一方のレバー部材が操作された後に他方のレバー部材が操作されたらブレーキモードが切り替わるように、ブレーキモードを設定する。搭乗者は、意図的にブレーキモードを設定できる。
【0252】
本発明は、ブレーキ操作装置90の操作状態に含まれる、ブレーキ操作装置90の操作回数、連続操作時間、レバー部材91・92の同時操作、および、レバー部材91・92の交互操作の中から、複数の情報を用いてブレーキモードを設定可能である。例えば、本発明において、制御部312aは、ブレーキ操作装置90の操作回数、および、連続操作時間に応じてブレーキモードを設定できる。制御部312aは、例えば、ブレーキ操作装置90の操作回数が所定回数以上である場合、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定し、連続操作時間が所定操作時間以上である場合、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、設定したいブレーキモードに応じたブレーキ操作を行うことによって、ブレーキモードを任意のモードに設定できる。
【0253】
例えば、本発明において、制御部312aは、レバー部材91・92の同時操作、および、交互操作に応じてブレーキモードを設定できる。制御部312aは、例えば、レバー部材91・92の同時操作を検出する場合、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの一方に設定し、レバー部材91・92の交互操作を検出する場合、ブレーキモードを前後独立ブレーキモード、および、前後連動ブレーキモードの他方に設定する。搭乗者は、設定したいブレーキモードに応じてレバー部材91・92の同時操作、および、交互操作を使い分けることによって、ブレーキモードを任意のモードに設定できる。
【0254】
(変形例)
各実施形態に関する説明は、本発明が取り得る形態の例示であり、本発明を制限することを意図していない。本発明は、例えば以下に示す各実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わされた形態を取り得る。
【0255】
例えば、各実施形態における人力駆動車1の構成は一例であり、人力駆動車1は、各実施形態において示されない各種装置を含んでいてもよく、各実施形態において示す各種装置のうち一部を含まない構成としてもよい。例えば、第1実施形態、および、第3実施形態の人力駆動車1は、第2実施形態のドライブユニット220、および、モード選択装置230をさらに含んでもよい。
【0256】
各実施形態において例示される構成は、相互に矛盾しない範囲において互いに組み合わせられてもよい。例えば、第1実施形態の制御システム110、および、第2実施形態の制御システム210は、第3実施形態の報知機構313をさらに含んでもよい。
【0257】
各実施形態において例示されるフローチャートの処理内容、および、処理順序は一例であり、本発明の範囲内において適宜処理内容、および、処理順序を変更できる。本発明は、例えば、第1実施形態、および、第2実施形態のフローチャートの処理内容を組み合わせ、ペダリング状態、および、ドライブユニット220の制御状態に応じて、ブレーキモードを設定してもよい。本発明は、第1実施形態、および、第3実施形態のフローチャートの処理内容を組み合わせ、ペダリング状態、および、ブレーキ操作装置90の操作状態に応じて、ブレーキモードを設定してもよい。本発明は、第2実施形態、および、第3実施形態のフローチャートの処理内容を組み合わせ、ドライブユニット220の制御状態、および、ブレーキ操作装置90の操作状態に応じて、ブレーキモードを設定してもよい。本発明は、第1実施形態から第3実施形態のフローチャートの処理内容を組み合わせ、ペダリング状態、ドライブユニット220の制御状態、および、ブレーキ操作装置90の操作状態に応じて、ブレーキモードを設定してもよい。
【0258】
各実施形態において例示される制御において用いられる各種の閾値は限定されず、任意に設定されてもよい。各種の閾値は、所定の操作装置の操作等によって任意に変更されてもよい。
【0259】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」、または、「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0260】
1…人力駆動車、90…ブレーキ操作装置、91…第1のレバー部材、91…第2のレバー部材、310…制御システム、311…操作状態検出部、312…制御装置、312a…制御部、313…報知機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25