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  • 特許-電子デバイスで使用するためのポリマー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電子デバイスで使用するためのポリマー
(51)【国際特許分類】
   C07D 209/58 20060101AFI20240521BHJP
   C08G 73/10 20060101ALI20240521BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20240521BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
C07D209/58 CSP
C08G73/10
H05B33/14 A
H05B33/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021506711
(86)(22)【出願日】2019-08-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019045403
(87)【国際公開番号】W WO2020033475
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】62/715,889
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519372065
【氏名又は名称】デュポン エレクトロニクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴァチェスラフ ブイ.ディエフ
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特表平07-500625(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0036851(KR,A)
【文献】Macroheterocycles,2011年,Vol. 4,pp. 324-330
【文献】Angewandte Chemie International Edition,2016年,Vol.55,pp. 15604-15608
【文献】Polymer,1997年,Vol. 38,pp. 3395-3407
【文献】RSC Advances,2012年,Vol. 2,pp. 6274-6289
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
C08G
H10K
H05B
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式ID
【化1】
を有するポリアミン。
【請求項2】
式II
【化2】
(式中:
aは、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸ポリ無水物(6FDA)、及び3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)からなる群から選択されるテトラカルボン酸二無水物由来の残基を表し;
bは、請求項1に記載のポリアミン由来のジアミン残基を表す)
の繰り返し単位を有するポリアミド酸。
【請求項3】
(a)請求項2に記載のポリアミド酸と、(b)高沸点の、非プロトン性溶媒とを含む液体組成物。
【請求項4】
式III
【化3】
(式中:
aは、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸ポリ無水物(6FDA)、及び3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)からなる群から選択されるテトラカルボン酸二無水物由来の残基を表し;
bは、請求項1に記載のポリアミン由来の芳香族ジアミン残基を表す)
の繰り返し単位構造を有するポリイミド。
【請求項5】
請求項4に記載の、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドのフィルムを含む少なくとも1つの層を有する有機電子デバイス。
【請求項6】
前記層が、デバイス基板、カラーフィルターシート用の基板、カバーフィルム、及びタッチスクリーンパネルからなる群から選択されるデバイス構成部品に使用される、請求項5に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体を参照により本明細書に援用される、2018年8月8日出願の、米国仮特許出願第62/715,889号明細書の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、新規なポリマー化合物に関する。本開示は、そのようなポリマー化合物及びこれらの材料を含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスの調製方法に更に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロニクス用途で使用するための材料は、多くの場合、それらの構造的、光学的、熱的、電子的、及び他の特性に関して厳しい要件を有する。商業的エレクトロニクス用途の数が増え続けるにつれて、必須の特性の幅及び特異性は、新しい及び/又は改善された特性を持った材料の革新を強く求めている。ポリイミドは、様々なエレクトロニクス用途で広範に使用されてきた部類のポリマー化合物を表す。それらは、それらが好適な特性を有するという条件で、電子ディスプレイデバイスのガラスの柔軟な代替物としての機能を果たすことができる。これらの材料は、それらの電力の穏当な消費量、軽量、及び層の平坦性が効果的な実用性にとって決定的に重要な特性である、液晶ディスプレイ(「LCD」)の構成要素として役立つことができる。そのようなパラメータを重視する電子ディスプレイデバイスでの他の使用には、デバイス基板、カラーフィルターシート用の基板、カバーフィルム、タッチスクリーンパネル等が含まれる。
【0004】
多数のこれらの構成要素は、有機発光ダイオード(「OLED」)を有する有機電子デバイスの構築及び作動においても重要である。OLEDは、それらの高い電力変換効率及び広範囲の最終用途への適用可能性のために、多くのディスプレイ用途向けに前途有望である。それらは、携帯電話、タブレット型デバイス、ハンドヘルド型/ラップトップ型コンピューター、及び他の市販製品でますます使用されつつある。これらの用途は、低い電力消費量に加えて、大量の情報量、フルカラー、及び速いビデオ速度応答時間のディスプレイを求めている。
【0005】
ポリイミドフィルムは、一般に、十分な熱安定性、高いガラス転移温度、及びそのような使用についての検討に値する機械的靭性を有する。また、ポリイミドは、一般に、繰り返し曲げを受ける場合にヘイズを発現せず、だからそれらは、柔軟なディスプレイ用途においてポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)のような他の透明な基板よりも多くの場合に好ましい。
【0006】
ポリイミドは、一般に剛性であり、高芳香族性材料であり;そのポリマー鎖は、フィルム/コーティングが形成されつつあるときにフィルム/コーティングの面内で配向する傾向がある。これは、ディスプレイ性能に悪影響を及ぼし得る光学的遅れを生み出すフィルムの平行方向対垂直方向の屈折率の差(複屈折)をもたらす。新規な構造特徴を持った新モノマーは、具体的な用途向けの改善された特性を持ったポリイミドを潜在的にもたらすことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電子デバイスで使用するのに好適であるポリマー材料が引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
式I
【0009】
【化1】
【0010】
(式中:
1は、H、R1、及びR9からなる群から選択され;
2は、H、R2、及びR9からなる群から選択され;
3は、R3及びR9からなる群から選択され;
4は、R4及びR9からなる群から選択され;
5は、R7及びR9からなる群から選択され;
1及びR2は、出現ごとに同じ又は異なるものであり、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、シロキシ、非置換若しくは置換炭化水素アリール、非置換若しくは置換ヘテロアリール、及び非置換若しくは置換アリールオキシからなる群から選択され;
3、R4、R5、R6、及びR7は、同じ又は異なるものであり、H、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、シロキシ、非置換若しくは置換炭化水素アリール、非置換若しくは置換ヘテロアリール、及び非置換若しくは置換アリールオキシからなる群から選択され;
8は、アルキル、シリル、非置換若しくは置換炭化水素アリール、及び非置換若しくは置換ヘテロアリールからなる群から選択され;
9は、出現ごとに同じ又は異なるものであり、NH2及びArNH2からなる群から選択され;
Arは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールであり;
a及びbは、同じ又は異なるものであり、0~3の整数であり;
但し、Q1~Q5の少なくとも2つはR9である)
を有するポリアミンが提供される。
【0011】
式II
【0012】
【化2】
【0013】
(式中:
aは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、1つ以上のテトラカルボン酸成分残基を表し;
bは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、1つ以上の芳香族ジアミン残基を表し;
ここで、Rbの10~100モル%は、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基である)
の繰り返し単位を有するポリアミド酸が更に提供される。
【0014】
(a)式IIの繰り返し単位を有するポリアミド酸と(b)高沸点の、非プロトン性溶媒とを含む組成物が更に提供される。
【0015】
その繰り返し単位が式III
【0016】
【化3】
【0017】
(式中、Ra及びRbは、式IIにおいて定義された通りである)
の構造を有するポリイミドが更に提供される。
【0018】
式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムが更に提供される。
【0019】
ポリイミドが式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムの1つ以上の調製方法が更に提供される。
【0020】
ガラスの柔軟な代替物が式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムである電子デバイスにおけるガラスの柔軟な代替物が更に提供される。
【0021】
式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスが更に提供される。
【0022】
有機電子デバイスが本明細書に開示されるようなガラスの柔軟な代替物を含有する、OLEDなどの、有機電子デバイスが更に提供される。
【0023】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的且つ説明的であるにすぎず、添付の特許請求の範囲において規定されるような、本発明を限定しない。
【0024】
実施形態は、本明細書に示されるような概念の理解を増進するための添付の図において例示される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ガラスの柔軟な代替物としての役割を果たすことができるポリイミドフィルムの1つの例の例示を含む。
図2】ガラスの柔軟な代替物を含む電子デバイスの1つの例の例示を含む。
【0026】
当業者は、図中の対象物が、簡潔且つ明確にするために例示されており、一定の縮尺で必ずしも描かれていないことを十分理解する。例えば、図中の対象物のいくつかの寸法は、実施形態の理解を増進するのに役立つために、他の対象物に対して誇張されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に詳細に記載されるように、式Iを有するポリアミンが提供される。
【0028】
以下に詳細に記載されるように、式IIの繰り返し単位を有するポリアミド酸が更に提供される。
【0029】
(a)式IIの繰り返し単位を有するポリアミド酸と(b)高沸点の、非プロトン性溶媒とを含む組成物が更に提供される。
【0030】
以下に詳細に記載されるように、その繰り返し単位が式IIIの構造を有するポリイミドが更に提供される。
【0031】
ポリイミドが式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムの1つ以上の調製方法が更に提供される。
【0032】
ガラスの柔軟な代替物が式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムである電子デバイスにおけるガラスの柔軟な代替物が更に提供される。
【0033】
式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスが更に提供される。
【0034】
有機電子デバイスが本明細書に開示されるようなガラスの柔軟な代替物を含有する、OLEDなどの、有機電子デバイスが更に提供される。
【0035】
多くの態様及び実施形態が上に記載されてきたが、それらは、例示的であるにすぎず、限定的ではない。本明細書を読んだ後に、当業者は、他の態様及び実施形態が本発明の範囲から逸脱することなく可能であることを十分理解する。
【0036】
実施形態の任意の1つ以上の他の特徴及び利益は、以下の詳細な説明から、及び特許請求の範囲から明らかであろう。詳細な説明は、先ず、用語の定義及び明確化に取り組み、これに、式Iを有するポリアミン、ポリアミド酸、ポリイミド、ポリイミドフィルムの調製方法、電子デバイス、及び最後に実施例が続く。
【0037】
1.用語の定義及び明確化
下記の実施形態の詳細に取り組む前に、いくつかの用語が定義される又は明確化される。
【0038】
「用語の定義及び明確化」において用いるところでは、R、Ra、Rb、R’、R’’及び任意の他の変量は、総称であり、式中で定義される変量と同じものであっても、異なるものであってもよい。
【0039】
用語「整列層」は、液晶デバイス(LCD)製造プロセス中に1つの優先方向においてLCDガラス上にそれが擦りつけられる結果として分子を各プレートの最も近くに整列させるLCD中の有機ポリマーの層を意味することを意図する。
【0040】
本明細書で用いるところでは、用語「アルキル」には、分岐状及び直鎖状の飽和脂肪族炭化水素基が含まれる。特に明記しない限り、この用語はまた、環状基を含むことを意図する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、secブチル、tertブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、イソヘキシル等が挙げられる。用語「アルキル」には、置換及び非置換の両方の炭化水素基が更に含まれる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、一置換、二置換及び三置換され得る。置換アルキル基の一例は、トリフルオロメチルである。他の置換アルキル基は、本明細書に記載される置換基の1つ以上から形成される。特定の実施形態では、アルキル基は、1~20個の炭素原子を有する。他の実施形態では、この基は、1~6個の炭素原子を有する。この用語は、ヘテロアルキル基を含むことを意図する。ヘテロアルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る。
【0041】
用語「非プロトン性」は、酸性水素原子を欠き、それ故、水素供与体として作用することができない部類の溶媒を指す。一般的な非プロトン性溶媒には、アルカン、四塩化炭素(CCl4)、ベンゼン、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、及び多くのその他の溶媒が含まれる。
【0042】
用語「芳香族化合物」は、4n+2の非局在化π電子を有する少なくとも1つの不飽和環状基を含む有機化合物を意味することを意図する。この用語は、炭素及び水素原子のみを有する芳香族化合物、並びに環状基内の炭素原子の1個以上が窒素、酸素、硫黄等などの、別の原子によって置換されているヘテロ芳香族化合物の両方を包含することを意図する。
【0043】
用語「アリール」又は「アリール基」は、芳香族化合物からの1個以上の水素(「H」)又は重水素(「D」)の除去によって形成される部分。アリール基は、単環(単環式)であり得るか、又は一緒に縮合した若しくは共有結合によって結合した複数環(二環式以上)であり得る。「炭化水素アリール」は、芳香環中に炭素原子のみを有する。「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの芳香環中に1つ以上のヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、炭化水素アリール基は、6~60個の環炭素原子;いくつかの実施形態では、6~30個の環炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、4~50個の環炭素原子;いくつかの実施形態では、4~30個の環炭素原子を有する。
【0044】
用語「アルコキシ」は、基-OR(式中、Rはアルキルである)を意味することを意図する。
【0045】
用語「アリールオキシ」は、基-OR(式中、Rはアリールである)を意味することを意図する。
【0046】
特に明記しない限り、全ての基は、置換又は非置換であり得る。アルキル又はアリールなどの、しかしそれらに限定されない、任意選択的に置換された基は、同じ又は異なるものであり得る1つ以上の置換基で置換され得る。好適な置換基には、アルキル、アリール、ニトロ、シアノ、-N(R’)(R’’)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキル、シリル、シロキシ、シロキサン、チオアルコキシ、-S(O)2-、-C(=O)-N(R’)(R’’)、(R’)(R’’)N-アルキル、(R’)(R’’)N-アルコキシアルキル、(R’)(R’’)N-アルキルアリールオキシアルキル、-S(O)s-アリール(式中、s=0~2である)又は-S(O)s-ヘテロアリール(式中、s=0~2である)が含まれる。各R’及びR’’は、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル、又はアリール基である。R’及びR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒に、特定の実施形態では環系を形成することができる。置換基は、架橋基でもあり得る。
【0047】
用語「アミン」は、孤立電子対を持った塩基性窒素原子を含有する化合物を意味することを意図し、ここで孤立電子対は、別の原子と共有されていない1組の2つの価電子を指す。用語「アミノ」は、官能基-NH2、-NHR、又は-NR2(式中、Rは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、アルキル基又はアリール基であり得る)を指す。用語「ジアミン」は、関連孤立電子対を持った2個の塩基性窒素原子を含有する化合物を意味することを意図する。用語「ポリアミン」は、関連孤立電子対を持った2個以上の塩基性窒素原子を含有する化合物を意味することを意図する。用語「芳香族ジアミン」は、2個のアミノ基を有する芳香族化合物を意味することを意図する。用語「芳香族ポリアミン」は、2個以上のアミノ基を有する芳香族化合物を意味することを意図する。用語「屈曲ジアミン」は、2個の塩基性窒素原子及び関連孤立電子対が、対応する化合物又は官能基の対称の中心の周りに非対称に配置されているジアミン、例えばm-フェニレンジアミン:
【0048】
【化4】
【0049】
を意味することを意図する。
【0050】
用語「芳香族ジアミン残基」は、芳香族ジアミンにおける2個のアミノ基に結合した部分を意味することを意図する。用語「芳香族ポリアミン残基」は、芳香族ポリアミンにおける2個以上のアミノ基に結合した部分を意味することを意図する。用語「芳香族ジイソシアネート残基」は、芳香族ジイソシアネート化合物における2個のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図する。用語「芳香族ポリイソシアネート残基」は、芳香族ポリイソシアネート化合物における2個以上のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図する。これは、以下に更に例示される。
【0051】
【化5】
【0052】
用語「ジアミン残基」及び「ジイソシアネート残基」は、それぞれ、2個のアミノ基又は2個のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図し、ここで、この部分は、脂肪族又は芳香族である。用語「ポリアミン残基」及び「ポリイソシアネート残基」は、それぞれ、2個以上のアミノ基又は2個以上のイソシアネート基に結合した部分を意味することを意図し、ここで、この部分は、脂肪族又は芳香族である。
【0053】
用語「b*」は、黄色/青色反対色を表すCIELab色空間におけるb*軸を意味することを意図する。黄色は、プラスのb*値によって表され、青色は、マイナスのb*値によって表される。測定されるb*値は、特に溶媒の選択が高温処理条件に曝露された材料に関して測定される色に影響を及ぼし得るので、溶媒によって影響を受ける可能性がある。これは、溶媒の固有の特性及び/又は様々な溶媒に含有される低レベルの不純物に関連する特性の結果として発生し得る。特定の溶媒が、多くの場合、特定の用途向けに所望のb*値を達成するために事前選択される。
【0054】
用語「複屈折」は、ポリマーフィルム又はコーティングにおける異なる方向での屈折率の差を意味することを意図する。この用語は、通常、x軸又はy軸(面内)及びz軸(面外)屈折率間の差を指す。
【0055】
用語「電荷輸送」は、層、材料、部材、又は構造に言及している場合、そのような層、材料、部材、又は構造が、比較的効率良く且つ小さい電荷損失で、そのような層、材料、部材、又は構造の厚さを通してのそのような電荷の移動を容易にすることを意味することを意図する。正孔輸送材料は、正電荷を容易に運び;電子輸送材料は、負電荷を容易に運ぶ。発光材料はまた、いくつかの電荷輸送特性を有し得るが、用語「電荷輸送層、材料、部材、又は構造」は、その一次機能が発光である層、材料、部材、又は構造を含むことを意図しない。
【0056】
用語「化合物」は、化学結合を破断することなしに物理的手段によって原子をそれらの相当する分子から分離することができない、原子を更に含む分子から構成される電気的に非帯電の物質を意味することを意図する。この用語は、オリゴマー及びポリマーを含むことを意図する。
【0057】
用語「線形熱膨張率(CTE又はα)」は、温度の関数として材料が膨張する又は収縮する量を規定するパラメータを意味することを意図する。線形熱膨張率は、1℃当たりの長さの変化として表され、一般に、μm/m/℃又はppm/℃の単位で表される。
【0058】
α=(ΔL/L0)/ΔT
【0059】
本明細書に開示される測定されたCTE値は、第1又は第2加熱スキャン中に公知の方法により作成される。材料の相対膨張/収縮特性の理解は、電子デバイスの製作及び/又は信頼性における重要な検討事項であり得る。
【0060】
用語「ドーパント」は、そのような材料が存在しない層の電子的特性又は放射線の放出、受容、若しくはフィルタリングの波長と比較して、その層の電子的特性又は放射線の放出、受容、若しくはフィルタリングの目標波長を変化させる、ホスト材料を含む層内の、材料を意味することを意図する。
【0061】
用語「電気活性」は、それが層又は材料に言及する場合、デバイスの動作を電子的に容易にする層又は材料を示すことを意図する。電気活性材料の例としては、電荷(電荷は、電子か正孔かのどちらかであり得る)を導くか、注入するか、輸送するか、若しくはブロックする材料、又は放射線を発する若しくは放射線を受けるときに電子-正孔対の濃度の変化を示す材料が挙げられるが、それらに限定されない。不活性材料の例としては、平坦化材料、絶縁材料、及び環境バリア材料が挙げられるが、それらに限定されない。
【0062】
用語「引張伸び」又は「引張歪み」は、それが、印加引張応力下で破断する前に材料中で発生する長さの百分率増加を意味することを意図する。それは、例えば、ASTM法D882によって測定することができる。
【0063】
接頭辞「フルオロ」は、基中の1個以上の水素原子がフッ素で置換されていることを示すことを意図する。
【0064】
用語「ガラス転移温度(又はTg)」は、材料が硬質状態、ガラス状状態、又は脆性状態から柔軟性又はゴム弾性である状態に突然に変化する非晶質ポリマーに又は半結晶ポリマーの非晶質領域に可逆変化が発生する温度を意味することを意図する。微視的には、ガラス転移は、普通はコイル状の、動きのないポリマー鎖が自由に回転するようになる及び相互に通過できる場合に発生する。Tgは、示差走査熱量測定法(DSC)、熱機械分析法(TMA)、若しくは動的機械分析法(DMA)、又は他の方法を用いて測定され得る。
【0065】
接頭辞「ヘテロ」は、1個以上の炭素原子が異なる原子で置換されていることを示す。いくつかの実施形態では、ヘテロ原子は、O、N、S、又はそれらの組み合わせである。
【0066】
用語「高沸点」は、130℃超の沸点を示すことを意図する。
【0067】
用語「ホスト材料」は、ドーパントが添加される材料を意味することを意図する。ホスト材料は、電子的特性又は放射線を発するか、受容するか、若しくはフィルターする能力を有していても又は有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、ホスト材料は、より高い濃度で存在する。
【0068】
用語「等温重量損失」は、その熱安定性に直接関連する材料の特性を意味することを意図する。等温重量損失は、一般に、熱重量分析(TGA)によって興味のある一定の温度で測定される。高い熱安定性を有する材料は、一般に、所望の期間必要とされる使用温度又は加工温度で非常に低い百分率の等温重量損失を示し、それ故、強度の有意な喪失、ガス放出、及び/又は構造の変化なしにこれらの温度での用途に使用することができる。
【0069】
用語「レーザー粒子カウンターテスト」は、ポリアミド酸及び他のポリマー溶液の粒子含量を評価し、それによって試験溶液の代表的試料が5インチのシリコンウェハー上にスピンコートされ、ソフトベークされる/乾燥されるために用いられる方法を指す。このように調製されたフィルムは、任意の数の標準的測定技術によって粒子含量について評価される。そのような技術には、当技術分野において公知であるレーザー粒子検出及び他のものが含まれる。
【0070】
用語「液体組成物」は、材料が溶解して溶液を形成する液体媒体、材料が分散されて分散系を形成する液体媒体、又は材料が懸濁されて懸濁液若しくは乳化液を形成する液体媒体を意味することを意図する。
【0071】
用語「母材」は、その上に1つ以上の層が、例えば、電子デバイスの形成において堆積される基盤を意味することを意図する。非限定的な例としては、ガラス、シリコン、及び他のものが挙げられる。
【0072】
用語「1%のTGA重量損失」は、元のポリマー重量の1%が(吸収水を排除する)分解に起因して失われる温度を意味することを意図する。
【0073】
用語「光学的遅れ(又はRTH)」は、平均面内屈折率と面外屈折率との間の差(すなわち、複屈折)を意味することを意図し、この差に、次いでフィルム又はコーティングの厚さが掛けられる。光学的遅れは、典型的には、所与の周波数の光に対して測定され、単位は、ナノメートルで報告される。
【0074】
用語「有機電子デバイス」又は場合により「電子デバイス」は、本明細書では、1つ以上の有機半導体層又は材料を含むデバイスを意味することを意図する。
【0075】
用語「粒子含量」は、溶液中に存在する不溶性粒子の数又はカウントを意味することを意図する。粒子含量の測定は、溶液自体に関して又はそれらのフィルムから調製された完成材料(ピース、フィルム等)に関して行うことができる。様々な光学方法を用いて特性を評価することができる。
【0076】
用語「光活性」は、(発光ダイオード又は化学セルにおけるなどの)印加電圧によって活性化されたときに発光する、(ダウンコンバート燐光体デバイスにおけるなどの)光子の吸収後に発光する、又は(光検出器若しくは光起電力セルにおけるなどの)輻射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧ありで若しくはなしで信号を発生させる材料又は層を指す。
【0077】
用語「ポリアミド酸溶液」は、イミド基を形成するための分子内環化の能力を有するアミド酸単位を含有するポリマーの溶液を指す。
【0078】
用語「ポリ酸無水物」は、2つ以上の酸無水物基を有する化合物を指す。用語「ポリ無水物残基」は、2つ以上の酸無水物基に結合して部分を意味することを意図する。これは、下記に更に例示される。
【0079】
【化6】
【0080】
用語「ポリイミド」は、1つ以上の多官能性カルボン酸成分と1つ以上の第一級ポリアミン又はポリイソシアネートとの反応から生じる縮合ポリマーを指す。それらは、ポリマー骨格の主鎖に沿って線状若しくは複素環式単位としてイミド構造-CO-NR-CO-を含有する。
【0081】
用語「満足できる」は、材料の特性又は特徴に関する場合、特性又は特徴が、使用中の材料に対する全ての要件/要求を満たすことを意味することを意図する。例えば、窒素中350℃で3時間の1%未満の等温重量損失は、本明細書に開示されるポリイミドフィルムに関連して、「満足できる」特性の非限定的な例と見なすことができる。
【0082】
用語「ソフトベーキング」は、エレクトロニクス製造において一般に用いられるプロセスであって、コートされた材料が、溶媒を駆逐し、フィルムを固化させるために加熱されるプロセスを意味することを意図する。ソフトベーキングは、コートされた層又はフィルムのその後の熱処理のための準備工程として、90℃~110℃の温度でホットプレート上又は排気付きオーブン中で一般的に行われる。
【0083】
用語「基板」は、硬質か柔軟性かのどちらかであり得、ガラス、ポリマー、金属若しくはセラミック材料又はそれらの組み合わせを含み得るが、それらに限定されない、1つ以上の材料の1つ以上の層を含み得る基礎材料を指す。基板は、電子構成部品、回路、又は導電性部材を含んでいても又は含んでいなくてもよい。
【0084】
用語「シロキサン」は、基R3SiOR2Si-(式中、Rは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、H、C1~20アルキル、フルオロアルキル、又はアリールである)を指す。いくつかの実施形態では、Rアルキル基中の1個以上の炭素は、Siで置換されている。
【0085】
用語「シロキシ」は、基R3SiO-(式中、Rは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、H、C1~20アルキル、フルオロアルキル、又はアリールである)を指す。
【0086】
用語「シリル」は、基R3Si-(式中、Rは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、H、C1~20アルキル、フルオロアルキル、又はアリールである)を指す。 いくつかの実施形態では、Rアルキル基中の1個以上の炭素は、Siで置換されている。
【0087】
用語「スピンコーティング」は、平坦な基板に一様な薄いフィルムを堆積させるために用いられるプロセスを意味することを意図する。一般に、少量のコーティング材料が、低速で回転しているか又はまったく回転していないかのどちらかである、基板の中央に塗布される。基板は、次いで、遠心力によって一様にコーティング材料を広げるために特定の速度で回転させられる。
【0088】
用語「スピロ基」は、2つの環が単一原子を共有する二環式有機部分を有する基を指す。環は、性質が異なる又は同一であり得、他の環系の一部を形成し得る。共通の原子は、各環において2つの結合を有し、スピロ原子と呼ばれる。いくつかの実施形態では、スピロ原子は、C及びSiからなる群から選択される。
【0089】
用語「引張弾性率」は、フィルムのような材料における応力(単位面積当たりの力)と歪み(比例変形)との間の初期関係を規定する固体材料の剛性の尺度を意味することを意図する。一般的に用いられる単位は、ギガパスカル(GPa)である。
【0090】
用語「テトラカルボン酸成分」は、以下:テトラカルボン酸、テトラカルボン酸一無水物、テトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸モノエステル、及びテトラカルボン酸ジエステルのいずれか1つ以上を意味することを意図する。
【0091】
用語「テトラカルボン酸成分残基」は、テトラカルボン酸成分中の4つのカルボキシ基に結合した部分を意味することを意図する。これは、以下に更に例示される。
【0092】
【化7】
【0093】
用語「透過率」は、反対側で検出可能であるようにフィルムを通過するフィルムに衝突する所与の波長の光のパーセントを指す。可視領域(380nm~800nm)における光透過率測定値は、本明細書に開示されるポリイミドフィルムの使用中の特性を理解するために最も重要であるフィルム色特性を特徴付けるために特に有用である。
【0094】
用語「黄色度指数(又はYI)」は、標準と比べて黄色度の大きさを指す。YIのプラスの値は、黄色の存在及び大きさを示す。マイナスのYIを持った材料は、青色がかって見える。特に高温で行われた重合プロセス及び/又は硬化プロセスについて、YIが溶媒依存性であり得ることにまた留意されるべきである。溶媒としてDMACを使用して導入される色の大きさは、例えば、溶媒としてNMPを使用して導入される色の大きさと異なる場合がある。これは、溶媒の固有の特性及び/又は様々な溶媒中に含有される低レベルの不純物に関連する特性の結果として発生し得る。特定の溶媒が、多くの場合、特定の用途向けに所望のYI値を達成するために事前選択される。
【0095】
置換基結合が以下に示されるように1つ以上の環を通過する構造において、
【0096】
【化8】
【0097】
置換基Rは1つ以上の環上の任意の利用可能な位置で結合し得ることが意味される。
【0098】
語句「に隣接した」は、デバイス中の層に言及するために用いられるとき、1つの層が別の層の直接隣にあることを必ずしも意味しない。他方で、語句「隣接R基」は、化学式中で互いに隣りにあるR基(すなわち、結合によって連結された原子上にあるR基)に言及するために用いられる。典型的な隣接R基は、以下に示される:
【0099】
【化9】
【0100】
本明細書では、特に明示的に述べられるか、又は用法の文脈によって反対を示されない限り、本明細書の主題の実施形態が特定の特徴又は要素を含むか、包含するか、含有するか、有するか、それらからなるか、又はそれらによって若しくはそれらから構成されると述べられるか又は記載される場合、明示的に述べられたか又は記載されたものに加えて1つ以上の特徴又は要素が実施形態に存在し得る。本明細書の開示された主題の代わりの実施形態は、特定の特徴又は要素から本質的になると記載され、その実施形態では、操作の原理又は実施形態の際立った特性を実質的に変更するであろう特徴又は要素は、その中に存在しない。本明細書の記載された主題の更なる代わりの実施形態は、特定の特徴又は要素からなると記載され、その実施形態では、又はそれの実態のない変形では、具体的に述べられた又は記載された特徴又は要素のみが存在する。
【0101】
更に、明確にそれとは反対のことが述べられない限り、「又は」は、包括的な又はを意味し、排他的な又はを意味しない。例えば、条件A又はBは、以下:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、並びにA、及びBが両方とも真である(又は存在する)のいずれか1つによって満たされる。
【0102】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載される要素及び成分を記載するために用いられる。これは、便宜上及び本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われるにすぎない。この記載は、1つ又は少なくとも1つを包含すると解釈されるべきであり、単数はまた、それが別の意味を有することが明らかでない限り複数も含む。
【0103】
元素の周期表内の縦列に対応する族番号は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,81st Edition(2000-2001)に見られるような、「新表記法」規約を用いる。
【0104】
特に定義されない限り、本明細書で用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載するものと同様の又は同等の方法及び材料を本発明の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料が、以下に記載される。本明細書に記述された全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参照文献は、特定の節が引用されない限り、それらの全体を参照により援用される。矛盾の場合には、定義を含む、本明細書が優先されるであろう。更に、材料、方法、及び実施例は、例示的であるにすぎず、限定的であることを意図されない。
【0105】
本明細に記載されていない範囲まで、特定の材料、処理活動、及び回路に関する多くの詳細は、従来通りであり、有機発光ダイオードディスプレイ、光検出器、光起電力、及び半導体部材技術内の教科書及び他の情報源に見出され得る。
【0106】
2.式Iを有するポリアミン
本明細書に記載されるポリアミンは、式I
【0107】
【化10】
【0108】
(式中:
1は、H、R1、及びR9からなる群から選択され;
2は、H、R2、及びR9からなる群から選択され;
3は、R3及びR9からなる群から選択され;
4は、R4及びR9からなる群から選択され;
5は、R7及びR9からなる群から選択され;
1及びR2は、出現ごとに同じ又は異なるものであり、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、シロキシ、非置換若しくは置換炭化水素アリール、非置換若しくは置換ヘテロアリール、及び非置換若しくは置換アリールオキシからなる群から選択され;
3、R4、R5、R6、及びR7は、同じ又は異なるものであり、H、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、シロキシ、非置換若しくは置換炭化水素アリール、非置換若しくは置換ヘテロアリール、及び非置換若しくは置換アリールオキシからなる群から選択され;
8は、アルキル、シリル、非置換若しくは置換炭化水素アリール、及び非置換若しくは置換ヘテロアリールからなる群から選択され;
9は、出現ごとに同じ又は異なるものであり、NH2及びArNH2からなる群から選択され;
Arは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールであり;
a及びbは、同じ又は異なるものであり、0~3の整数であり;
但し、Q1~Q5の少なくとも2つはR9である)
を有する。
【0109】
式Iのいくつか実施形態では、Q1~Q5の厳密に2つはR9である。
【0110】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1及びQ2はR9である。
【0111】
式Iのいくつかの実施形態では、Q3及びQ4はR9である。
【0112】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1及びQ5はR9である。
【0113】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1はR9である。
【0114】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1はHである。
【0115】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1はFである。
【0116】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1はCNである。
【0117】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~20アルキル;いくつかの実施形態ではC1~10アルキルである。
【0118】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~20フルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルキルである。
【0119】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~20パーフルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルキルである。
【0120】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~20アルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10アルコキシである。
【0121】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~20フルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルコキシである。
【0122】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~20パーフルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルコキシである。
【0123】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1はSiH3である。
【0124】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~12シリル;いくつかの実施形態ではC3~6シリルである。
【0125】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、C1~12シロキシ;いくつかの実施形態ではC3~6シロキシである。
【0126】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリール;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0127】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、非置換若しくは置換C3~30ヘテロアリール;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C3~18ヘテロアリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0128】
式Iのいくつかの実施形態では、Q1は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリールオキシ;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールオキシであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0129】
いくつかの実施形態では、上記の炭化水素アリール、ヘテロアリール、及びアリールオキシ基のいずれも、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、及びシロキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で更に置換されている。
【0130】
式IにおけるQ1についての上記の実施形態の全てが、式IにおけるQ2、Q3、Q4、及びQ5に等しく当てはまる。
【0131】
式Iのいくつかの実施形態では、a=0である。
【0132】
式Iのいくつかの実施形態では、a=1である。
【0133】
式Iのいくつかの実施形態では、a=2である。
【0134】
式Iのいくつかの実施形態では、a=3である。
【0135】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0である。
【0136】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1はFである。
【0137】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1はCNである。
【0138】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~20アルキル;いくつかの実施形態ではC1~10アルキルである。
【0139】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~20フルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルキルである。
【0140】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~20パーフルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルキルである。
【0141】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~20アルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10アルコキシである。
【0142】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~20フルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルコキシである。
【0143】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~20パーフルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルコキシである。
【0144】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1はSiH3である。
【0145】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~12シリル;いくつかの実施形態ではC3~6シリルである。
【0146】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、C1~12シロキシ;いくつかの実施形態ではC3~6シロキシである。
【0147】
式Iのいくつかの実施形態では、a>であり、少なくとも1つのR1は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリール;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0148】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、非置換若しくは置換C3~30ヘテロアリール;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C3~18ヘテロアリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0149】
式Iのいくつかの実施形態では、a>0であり、少なくとも1つのR1は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリールオキシ;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールオキシであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0150】
いくつかの実施形態では、上記の炭化水素アリール、ヘテロアリール、及びアリールオキシ基のいずれも、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、及びシロキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で更に置換されている。
【0151】
式Iのいくつかの実施形態では、b=0である。
【0152】
式Iのいくつかの実施形態では、b=1である。
【0153】
式Iのいくつかの実施形態では、b=2である。
【0154】
式Iのいくつかの実施形態では、b=3である。
【0155】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0である。
【0156】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2はFである。
【0157】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2はCNである。
【0158】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~20アルキル;いくつかの実施形態ではC1~10アルキルである。
【0159】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~20フルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルキルである。
【0160】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~20パーフルオロフルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルキルである。
【0161】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~20アルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10アルコキシである。
【0162】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~20フルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルコキシである。
【0163】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~20パーフルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルコキシである。
【0164】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2はSiH3である。
【0165】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~12シリル;いくつかの実施形態ではC3~6シリルである。
【0166】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、C1~12シロキシ;いくつかの実施形態ではC3~6シロキシである。
【0167】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリール;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0168】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、非置換若しくは置換C3~30ヘテロアリール;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C3~18ヘテロアリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0169】
式Iのいくつかの実施形態では、b>0であり、少なくとも1つのR2は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリールオキシ;いくつかの実施形態では、非置換若しくは置換C6~18炭化水素アリールオキシであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0170】
いくつかの実施形態では、上記の炭化水素アリール、ヘテロアリール、及びアリールオキシ基のいずれも、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、及びシロキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で更に置換されている。
【0171】
式Iのいくつかの実施形態では、R5=R6である。
【0172】
式Iのいくつかの実施形態では、R5≠R6である。
【0173】
式Iのいくつかの実施形態では、R5=R6=Hである。
【0174】
式Iのいくつかの実施形態では、R5はHである。
【0175】
式Iのいくつかの実施形態では、R5はFである。
【0176】
式Iのいくつかの実施形態では、R5はCNである。
【0177】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~20アルキル;いくつかの実施形態ではC1~10アルキルである。
【0178】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~20フルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルキルである。
【0179】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~20パーフルオロアルキル;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルキルである。
【0180】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~20アルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10アルコキシである。
【0181】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~20フルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10フルオロアルコキシである。
【0182】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~20パーフルオロアルコキシ;いくつかの実施形態ではC1~10パーフルオロアルコキシである。
【0183】
式Iのいくつかの実施形態では、R5はSiH3である。
【0184】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~12シリル;いくつかの実施形態ではC3~6シリルである。
【0185】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、C1~12シロキシ;いくつかの実施形態ではC3~6シロキシである。
【0186】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリール;いくつかの実施形態では、C6~18炭化水素アリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0187】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、非置換若しくは置換C3~30ヘテロアリール;いくつかの実施形態では、C3~18ヘテロアリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0188】
式Iのいくつかの実施形態では、R5は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリールオキシ;いくつかの実施形態では、C6~18炭化水素アリールオキシであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0189】
いくつかの実施形態では、上記の炭化水素アリール、ヘテロアリール、及びアリールオキシ基のいずれも、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、及びシロキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で更に置換されている。
【0190】
式IにおけるR5についての上記の実施形態の全てが、式IにおけるR6に等しく当てはまる。
【0191】
式Iのいくつかの実施形態では、R8は、C1~20アルキル;いくつかの実施形態ではC1~10アルキルである。
【0192】
式Iのいくつかの実施形態では、R8はC1~12シリル;いくつかの実施形態ではC3~6シリルである。
【0193】
式Iのいくつかの実施形態では、R8は、非置換若しくは置換C6~30炭化水素アリール;いくつかの実施形態では、C6~18炭化水素アリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0194】
式Iのいくつかの実施形態では、R8は、非置換若しくは置換C3~30ヘテロアリール;いくつかの実施形態では、C3~18ヘテロアリールであり;いくつかの実施形態では、非置換である。
【0195】
いくつかの実施形態では、上記の炭化水素アリール及びヘテロアリール基のいずれも、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、フルオロアルコキシ、シリル、及びシロキシからなる群から選択される1つ以上の置換基で更に置換されている。
【0196】
式Iのいくつかの実施形態では、2つのR9基が存在し、同じものである。
【0197】
式Iのいくつかの実施形態では、2つのR9基が存在し、異なるものである。
【0198】
式Iのいくつかの実施形態では、3つのR9基が存在し、全て同じものである。いくつかの実施形態では、R9基の2つ又は3つは異なるものである。
【0199】
式Iのいくつかの実施形態では、4つのR9基が存在し、全て同じものである。いくつかの実施形態では、R9基の2つ、3つ、又は4つは異なるものである。
【0200】
式Iのいくつかの実施形態では、5つのR9基が存在し、全て同じものである。いくつかの実施形態では、R9基の2つ、3つ、4つ、又は5つは、異なるものである。
【0201】
式Iのいくつかの実施形態では、少なくとも1つのR9はNH2である。
【0202】
式のいくつかの実施形態では、少なくとも1つのR9はArNH2である。
【0203】
式Iのいくつかの実施形態では、少なくとも1つのR9はArNH2であり、ここで、Arは、式a
【0204】
【化11】
【0205】
(式中:
10及びR11は、出現ごとに同じ又は異なるものであり、F、CN、アルキル、フルオロアルキル、非置換若しくは置換炭化水素アリール、非置換若しくは置換ヘテロアリール、アルコキシ、フルオロアルコキシ、非置換若しくは置換アリールオキシ、シリル、及びシロキシからなる群から選択され、ここで、隣接するR10及び/又はR11基は、一緒に結合して縮合環を形成し得;
p及びqは、同じ又は異なるものであり、0~4の整数であり;
sは0~3の整数であり;
*は結合点を示す)
を有する。
【0206】
式Iのいくつかの実施形態では、Arは、非置換若しくは置換であり得る、フェニル、ビフェニル、及びナフチルからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Arは、F、アルキル、フルオロアルキル、アルコキシ、及びフルオロアルコキシからなる群から選択される少なくとも1つの置換基を有する。
【0207】
式Iのいくつかの実施形態では、ポリアミンは、式IA
【0208】
【化12】
【0209】
(式中、R1~R9、a、及びbは、式Iにおいて定義された通りである)
を有する。式Iにおける、R1~R9、a、及びbについての上記の実施形態の全てが、式IAにおけるR1~R9、a、及びbに等しく当てはまる。
【0210】
式Iのいくつかの実施形態では、ポリアミンは、式IB
【0211】
【化13】
【0212】
(式中、R1、R2、R5~R9、a、及びbは、式Iにおいて定義された通りである)
を有する。式IにおけるR1、R2、R5~R9、a、及びbについての上記の実施形態の全てが、式IBにおけるR1、R2、R5~R9、a、及びbに等しく当てはまる。
【0213】
式Iのいくつかの実施形態では、ポリアミンは、式IC
【0214】
【化14】
【0215】
(式中、R1~R6、R8、R9、a、及びbは、式Iにおいて定義された通りである)
を有する。式IにおけるR1~R6、R8、R9、a、及びbについての上記の実施形態の全てが、式ICにおける、R1~R6、R8、R9、a、及びbに等しく当てはまる。
【0216】
新化合物は、C-C又はC-N結合をもたらすであろう任意の技術を用いて製造することができる。鈴木、山本、スティル(Stille)、根岸、及び金属触媒C-Nカップリング並びに金属触媒及び酸化直接アリール化、及びディールス-アルダー付加環化などの、様々なそのような技術が公知である。例示的な調製は、実施例において示される。
【0217】
1つの合成スキームが以下に示される。
【0218】
【化15】
【0219】
上記のスキームにおいて、「Bpin」は、ボロン酸ピナコールエステル(boron pinacolate)を表す。
【0220】
式Iについての上記の実施形態のいずれも、それらが互いに矛盾しない限り、別の実施形態の1つ以上と組み合わせることができる。例えば、Q1及びQ2がR7である実施形態は、少なくとも1つのR7がNH2である実施形態、a=0である実施形態、及びb=0である実施形態と組み合わせることができる。当業者は、どれの実施形態が互いに矛盾するかを理解するであろうし、その結果、本出願によって考えられる実施形態の組み合わせを容易に決定できるであろう。
【0221】
式Iを有する化合物のいくつかの非限定的な例が以下に示される。
【0222】
【化16】
【0223】
【化17】
【0224】
3.ポリアミド酸
本明細書に記載されるポリアミド酸は、1つ以上のポリ酸無水物と、1つ以上のポリアミンの10~100モル%が式Iを有する、1つ以上のポリアミンとの反応生成物である。
【0225】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、式Iを有する単一のポリアミンが反応させられる。
【0226】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、式Iを有する2つの異なるポリアミンが反応させられる。
【0227】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、式Iを有する3つの異なるポリアミンが反応させられる。
【0228】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、式Iを有する4つの異なるポリアミンが反応させられる。
【0229】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、1つ以上のポリアミンの20~100モル%は;いくつかの実施形態では、30~100モル%;いくつかの実施形態では、40~100モル%;いくつかの実施形態では、50~100モル%;いくつかの実施形態では、60~100モル%;いくつかの実施形態では、70~100モル%;いくつかの実施形態では、80~100モル%;いくつかの実施形態では、90~100モル%;いくつかの実施形態では、100%が式Iを有する。
【0230】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加のポリアミンが、式Iを有するポリアミンと一緒に反応させられる。
【0231】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、1つの追加のポリアミンが、式Iを有するポリアミンと一緒に反応させられる。
【0232】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、2つの追加のポリアミンが、式Iを有するポリアミンと一緒に反応させられる。
【0233】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、3つの追加のポリアミンが、式Iを有するポリアミンと一緒に反応させられる。
【0234】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、4つの追加のポリアミンが、式Iを有するポリアミンと一緒に反応させられる。
【0235】
ポリアミド酸のいくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、式II
【0236】
【化18】
【0237】
(式中:
aは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、1つ以上のテトラカルボン酸残基を表し;
bは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、1つ以上のジアミン残基を表し;
ここで、Rbの10~100モル%は、式Iを有する1つ以上のジアミンからの残基である)
の繰り返し単位構造を有する。
【0238】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、単一のテトラカルボン酸成分残基を表す。
【0239】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、2つの異なるテトラカルボン酸成分残基を表す。
【0240】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、3つの異なるテトラカルボン酸残基を表す。
【0241】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、4つの異なるテトラカルボン酸残基を表す。
【0242】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、1つ以上のテトラカルボン酸二無水物残基を表す。
【0243】
好適な芳香族テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、4,4’-オキシジフタル酸無水物(ODPA)、4,4’-ヘキサフルオロイソ-プロピリデンビスフタル酸ポリ無水物(6FDA)、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)、4,4’-ビスフェノール-A二無水物(BPADA)、ヒドロキノンジフタル酸無水物(HQDEA)、エチレングリコールビス(トリメリット酸無水物)(TMEG-100)、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物(DTDA)、4,4’-ビスフェノールA二酸無水物(BPADA)等及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。これらの芳香族二酸無水物は、アルキル、アリール、ニトロ、シアノ、-N(R’)(R’’)、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルコキシカルボニル、パーフルオロアルキル、パーフルオロアルコキシ、アリールアルキル、シリル、シロキシ、シロキサン、チオアルコキシ、-S(O)2-、-C(=O)-N(R’)(R’’)、(R’)(R’’)N-アルキル、(R’)(R’’)N-アルコキシアルキル、(R’)(R’’)N-アルキルアリールオキシアルキル、-S(O)s-アリール(式中、s=0~2である)又はS(O)s-ヘテロアリール(式中、s=0~2である)を含む当技術分野において知られている基で任意選択的に置換され得る。各R’及びR’’は、独立して、任意選択的に置換されたアルキル、シクロアルキル、又はアリール基である。R’及びR’’は、それらが結合している窒素原子と一緒に、特定の実施形態では環系を形成することができる。置換基はまた、架橋基であり得る。
【0244】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、PMDA、BPDA、6FDA、及びBTDAからなる群から選択されるテトラカルボン酸二無水物からの1つ以上の残基を表す。
【0245】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、PMDA残基を表す。
【0246】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、BPDA残基を表す。
【0247】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、6FDA残基を表す。
【0248】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、BTDA残基を表す。
【0249】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、PMDA残基及びBPDA残基を表す。
【0250】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、PMDA残基及び6FDA残基を表す。
【0251】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、PMDA残基及びBTDA残基を表す。
【0252】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、BPDA残基及び6FDA残基を表す。
【0253】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、BPDA残基及びBTDA残基を表す。
【0254】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、6FDA残基及びBTDA残基を表す。
【0255】
式IIのいくつかの実施形態では、Raは、PMDA残基、BPDA残基、及び6FDA残基を表す。
【0256】
式IIにおいて、Rbの10~100モル%は、上に示されたような、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基を表す。
【0257】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbの10~100モル%は、上に示されたような、式Iを有する1つのジアミンからのジアミン残基を表す。
【0258】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbの10~100モル%は、上に示されたような、式Iを両方とも有する2つの異なるジアミンからのジアミン残基を表す。
【0259】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbの10~100モル%は、上に示されたような、式Iを全て有する3つの異なるジアミンからのジアミン残基を表す。
【0260】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbの10~100モル%は、上に示されたような、式Iを全て有する4つ以上の異なるジアミンからのジアミン残基を表す。
【0261】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbの20~100モル%は;いくつかの実施形態では、30~100モル%;いくつかの実施形態では、40~100モル%;いくつかの実施形態では、50~100モル%;いくつかの実施形態では、60~100モル%;いくつかの実施形態では、70~100モル%;いくつかの実施形態では、80~100モル%;いくつかの実施形態では、90~100モル%;いくつかの実施形態では、100%が、式Iを有する1つ以上のジアミンからの残基である。
【0262】
式Iについての上記の実施形態のいずれも、式IIにおいて、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態の1つ以上と組み合わせることができる。
【0263】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbは、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基及び少なくとも1つの追加のジアミン残基を表す。
【0264】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbは、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基及び1つの追加のジアミン残基を表す。
【0265】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbは、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基及び2つの追加のジアミン残基を表す。
【0266】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbは、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基及び3つの追加のジアミン残基を表す。
【0267】
式IIのいくつかの実施形態では、1つ以上の追加のジアミン残基は、1つ以上の芳香族ジアミンからの残基である。
【0268】
いくつかの実施形態では、追加の芳香族ジアミンは、p-フェニレンジアミン(PPD)、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(m-トリジン)、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル(o-トリジン)、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル(HAB)、9,9’-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン(FDA)、o-トリジンスルホン(TSN)、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-フェニレンジアミン(TMPD)、2,4-ジアミノ-1,3,5-トリメチルベンゼン(DAM)、3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン(3355TMB)、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン(22TFMB又はTFMB)、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、4,4’-メチレンジアニリン(MDA)、4,4’-[1,3-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(Bis-M)、4,4’-[1,4-フェニレンビス(1-メチル-エチリデン)]ビスアニリン(Bis-P)、4,4’-オキシジアニリン(4,4’-ODA)、m-フェニレンジアミン(MPD)、3,4’-オキシジアニリン(3,4’-ODA)、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン(3,3’-DDS)、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(4,4’-DDS)、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド(ASD)、2,2-ビス[4-(4-アミノ-フェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、2,2-ビス[4-(3-アミノフェノキシ)-フェニル]スルホン(m-BAPS)、1,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-Q)、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,3’-ビス(4-アミノ-フェノキシ)ベンゼン(APB-133)、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル(BAPB)、4,4’-ジアミノベンズアニリド(DABA)、メチレンビス(アントラニル酸)(MBAA)、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン(DANPG)、1,5-ビス(4-アミノフェノキシ)ペンタン(DA5MG)、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン(HFBAPP)、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン(Bis-A-AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(Bis-AP-AF)、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン(Bis-AT-AF)、4,4’-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)ビフェニル(6BFBAPB)、3,3’5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(TMMDA)等及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0269】
式IIのいくつかの実施形態では、Rbは、式Iを有する1つ以上のジアミンからのジアミン残基及び少なくとも1つの追加のジアミンからのジアミン残基を表し、ここで、追加のジアミンは、PPD、4,4’-ODA、3,4’-ODA、TFMB、Bis-A-AF、Bis-AT-AF、及びBis-Pからなる群から選択される。
【0270】
式IIのいくつかの実施形態では、一酸無水物モノマーから生じる部分は、エンドキャッピング基として存在する。
【0271】
いくつかの実施形態では、一酸無水物モノマーは、無水フタル酸等及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0272】
いくつかの実施形態では、一酸無水物は、総テトラカルボン酸組成物の5モル%以下の量で存在する。
【0273】
式IIのいくつかの実施形態では、モノアミンモノマーから生じる部分は、エンドキャッピング基として存在する。
【0274】
いくつかの実施形態では、モノアミンモノマーは、アニリン等及びそれらの誘導体からなる群から選択される。
【0275】
いくつかの実施形態では、モノアミンは、総アミン組成物の5モル%以下の量で存在する。
【0276】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて100,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0277】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて150,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0278】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて200,000超の分子量(MW)を有する。
【0279】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて250,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0280】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて300,000超の重量平均分子量(MW)を有する。
【0281】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて100,000~400,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0282】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて200,000~400,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0283】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて250,000~350,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0284】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸は、ポリスチレン標準を使ったゲル浸透クロマトグラフィーに基づいて200,000~300,000の重量平均分子量(MW)を有する。
【0285】
ポリアミド酸についての上記の実施形態のいずれも、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態の1つ以上と組み合わせることができる。
【0286】
全体的なポリアミド酸組成物は、当技術分野において一般的に使用される表記法によって指定することができる。例えば、100%のODPAであるテトラカルボン酸成分と、90モル%のBis-P及び10モル%のTFMBであるジアミン成分とを有するポリアミド酸は、
ODPA//Bis-P/TFMB 100///90/10
と表されよう。
【0287】
また、(a)式IIの繰り返し単位を有するポリアミド酸と、(b)高沸点非プロトン性溶媒とを含む液体組成物が提供される。液体組成物はまた、「ポリアミド酸溶液」と本明細書では言われる。
【0288】
いくつかの実施形態では、高沸点非プロトン性溶媒は、150℃以上の沸点を有する。
【0289】
いくつかの実施形態では、高沸点非プロトン性溶媒は、175℃以上の沸点を有する。
【0290】
いくつかの実施形態では、高沸点非プロトン性溶媒は、200℃以上の沸点を有する。
【0291】
いくつかの実施形態では、高沸点非プロトン性溶媒は極性溶媒である。いくつかの実施形態では、溶媒は、20超の誘電率を有する。
【0292】
高沸点非プロトン性溶媒のいくつかの例としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、γ-ブチロラクトン、ジブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0293】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒は、NMP、DMAc、及びDMFからなる群から選択される。
【0294】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はNMPである。
【0295】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はDMAcである。
【0296】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はDMFである。
【0297】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はγ-ブチロラクトンである。
【0298】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はジブチルカルビトールである。
【0299】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はブチルカルビトールアセテートである。
【0300】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートである。
【0301】
液体組成物のいくつかの実施形態では、溶媒はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートである。
【0302】
いくつかの実施形態では、上で特定された高沸点非プロトン性溶媒の2つ以上が液体組成物で使用される。
【0303】
いくつかの実施形態では、追加の共溶媒が液体組成物で使用される。
【0304】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、99重量%超の高沸点非プロトン性溶媒中の1重量%未満のポリアミド酸である。
【0305】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、95~99重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の1~5重量%のポリアミド酸である。
【0306】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、90~95重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の5~10重量%のポリアミド酸である。
【0307】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、85~90重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の10~15重量%のポリアミド酸である。
【0308】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、80~85重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の15~20重量%のポリアミド酸である。
【0309】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、75~80重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の20~25重量%のポリアミド酸である。
【0310】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、70~75重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の25~30重量%のポリアミド酸である。
【0311】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、65~70重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の30~35重量%のポリアミド酸である。
【0312】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、60~65重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の35~40重量%のポリアミド酸である。
【0313】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、55~60重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の40~45重量%のポリアミド酸である。
【0314】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、50~55重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の45~50重量%のポリアミド酸である。
【0315】
いくつかの実施形態では、液体組成物は、50重量%の高沸点非プロトン性溶媒中の50重量%のポリアミド酸である。
【0316】
ポリアミド酸溶液は、多数の添加剤のいずれか1つを任意選択的に更に含有することができる。そのような添加剤は、それらが所望のポリイミド特性に悪影響を及ぼさない限り、酸化防止剤、熱安定剤、接着促進剤、カップリング剤(例えば、シラン)、無機充填材又は様々な強化剤であり得る。
【0317】
ポリアミド酸溶液は、構成要素(すなわち、モノマー及び溶媒)の導入に関して様々な利用可能な方法を用いて調製することができる。ポリアミド酸溶液のいくつかの生成方法には、以下が含まれる:
(a)ポリアミン成分及びポリ酸無水物成分が事前に一緒に混合され、次いで混合物が撹拌しながら溶媒に少しずつ添加される方法。
(b)溶媒がポリアミン成分とポリ酸無水物成分との撹拌混合物に添加される方法。(上記の(a)とは反対に)
(c)ポリアミンが溶媒に独占的に溶解させられ、次いで反応速度を制御することを可能にするような比でポリ酸無水物がそれに添加される方法。
(d)ポリ酸無水物成分が溶媒に独占的に溶解させられ、次いで反応速度を制御することを可能にするような比でアミン成分がそれに添加される方法。
(e)成分及びポリ酸無水物成分が溶媒に別々に溶解させられ、次いでこれらの溶液が反応器中で混合される方法。
(f)過剰なポリアミン成分を持ったポリアミド酸及び過剰なポリ酸無水物成分を持った別のポリアミド酸が事前に形成され、次いで特にノンランダムコポリマー又はブロックコポリマーを生み出すような方法で、反応器中で相互に反応させられる方法。
(g)ポリアミン成分及びポリ酸無水物成分の特定部分が最初に反応させられ、次いで残りのポリアミン成分が反応させられるか、又は逆もまた同様である方法。
(h)成分が部分的に又は全体を任意の順序で溶媒の一部か全部かのいずれかに添加され、また任意の成分の一部又は全部が溶媒の一部又は全部中の溶液として添加され得る方法。
(i)ポリ酸無水物成分の1つをポリアミン成分の1つと最初に反応させて第1ポリアミド酸を与える方法。次いで他のポリ酸無水物成分を他のポリアミン成分と反応させて第2ポリアミド酸を与える方法。次いでフィルム形成の前に、多数の方法のいずれか1つでポリアミド酸を組み合わせる方法。
一般的に言えば、ポリアミド酸溶液は、上に開示されたポリアミド酸溶液調製方法のいずれか1つから得ることができる。
【0318】
ポリアミド酸溶液は、次いで、粒子含量を減らすために、1回以上濾過することができる。そのような濾過溶液から生み出されたポリイミドフィルムは、減少した数の欠陥を示し、それによって、本明細書に開示されるエレクトロニクス用途において優れた性能をもたらすことができる。濾過効率の評価は、ポリアミド酸溶液の代表的試料が5インチのシリコンウェハー上にキャストされるレーザー粒子カウンターテストによって行うことができる。ソフトベーキング/乾燥後に、フィルムは、商業的に利用可能である及び当技術分野において公知である機器での任意の数のレーザー粒子計数技術によって粒子含量について評価される。
【0319】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように40粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0320】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように30粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0321】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように20粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0322】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように10粒子未満の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0323】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように2粒子~8粒子の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0324】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、レーザー粒子カウンターテストによって測定されるように4粒子~6粒子の粒子含量をもたらすように調製及び濾過される。
【0325】
ポリアミド酸溶液の例示的な調製は実施例に示されている。
【0326】
4.ポリイミド
上記のポリアミド酸のイミド化から生じるポリイミドが提供される。「イミド化」とは、イミド基を形成するためのアミド酸基の分子内環化を意味する。いくつかの実施形態では、熱イミド化が用いられる。いくつかの実施形態では、化学イミド化が用いられる。いくつかの実施形態では、熱イミド化と化学イミド化との組み合わせが用いられる。
【0327】
いくつかの実施形態では、ポリイミドは、式III
【0328】
【化19】
【0329】
(式中、
aは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、1つ以上のテトラカルボン酸成分残基を表し;
bは、出現ごとに同じ又は異なるものであり、1つ以上の芳香族ジアミン残基を表し;
ここで、Rbの10~100モル%は、式Iを有する1つ以上のジアミンからの残基である)
の繰り返し単位構造を有する。
【0330】
式IIにおけるRa及びRbについての上記の実施形態の全てが、式IIIにおいてRa及びRbに等しく当てはまる。
【0331】
式Iについての上記の実施形態のいずれも、式IIIにおいて、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態の1つ以上と組み合わせることができる。
【0332】
ポリイミドは、ポリアミド酸、ポリアミド酸エステル、ポリイソイミド、及びポリアミド酸塩などの任意の好適なポリイミド前駆体から製造することができる。
【0333】
上記のように、ポリイミドが式IIIの繰り返し単位構造を有する、ポリイミドフィルムがまた提供される。
【0334】
ポリイミドフィルムは、ポリイミド前駆体を基板上へコートし、続いてイミド化することによって製造することができる。これは、熱変換プロセス又は化学変換プロセスによって成し遂げることができる。
【0335】
更に、ポリイミドが好適なコーティング溶媒に可溶である場合、それは、好適なコーティング溶媒に溶解させられ及びポリイミドとしてコートされる、既にイミド化されたポリマーとして提供することができる。
【0336】
いくつかの実施形態では、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムは、高いガラス転移温度及び低い熱膨張率(CTE)の両方を有する。
【0337】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、ガラス転移温度(Tg)は、325℃よりも上の温度で硬化させられたポリイミドフィルムについては300℃超;いくつかの実施形態では、350℃超;いくつかの実施形態では、375℃超である。
【0338】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、面内熱膨張率(CTE)は、第1測定について、50℃及び200℃の間で50ppm/℃未満;いくつかの実施形態では、35ppm/℃未満;いくつかの実施形態では、20ppm/℃未満;いくつかの実施形態では、15ppm/℃未満である。
【0339】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、面内熱膨張率(CTE)は、第2測定について、50℃及び200℃の間で50ppm/℃未満;いくつかの実施形態では、40ppm/℃未満である。
【0340】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、1%TGA重量損失温度は、350℃超;いくつかの実施形態では、400℃超;いくつかの実施形態では、450℃超である。
【0341】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、引張弾性率は、1.5GPa~15.0GPa;いくつかの実施形態では、1.5GPa~10.0GPa;いくつかの実施形態では、1.5~7.5GPa;いくつかの実施形態では、1.5~5.0GPaである。
【0342】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、破断伸びは10%超である。
【0343】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、複屈折は、1.0未満;いくつかの実施形態では、0.1未満;いくつかの実施形態では、0.05未満である。
【0344】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、光学的遅れは、550nmで500未満;いくつかの実施形態では、400未満;いくつかの実施形態では、350未満である。
【0345】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、ヘイズは、1.0%未満;いくつかの実施形態では0.5%未満である。
【0346】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、b*は、7.5未満;いくつかの実施形態では、5.0未満である。
【0347】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、YIは、12未満;いくつかの実施形態では、10未満である。
【0348】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、450nmでの透過率は、50%超;いくつかの実施形態では、80%超である。
【0349】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、550nmでの透過率は、70%超;いくつかの実施形態では、80%超である。
【0350】
ポリイミドフィルムのいくつかの実施形態では、750nmでの透過率は、70%超;いくつかの実施形態では、80%超である。
【0351】
ポリイミドフィルムについての上記の実施形態のいずれも、それらが互いに矛盾しない限り、他の実施形態の1つ以上と組み合わせることができる。
【0352】
5.ポリイミドフィルムの調製方法
一般に、ポリイミドフィルムは、化学又は熱変換によってポリイミド前駆体から調製することができる。いくつかの実施形態では、フィルムは、化学又は熱変換プロセスによって、対応するポリアミド酸溶液から調製される。本明細書に開示されるポリイミドフィルムは、特に電子デバイスにおけるガラスの柔軟な代替物として使用される場合、熱変換プロセスによって調製される。
【0353】
一般に、ポリイミドフィルムは、化学又は熱変換プロセスによって対応するポリアミド酸溶液から調製することができる。本明細書に開示されるポリイミドフィルムは、特に電子デバイスにおけるガラスのための柔軟な代替物として使用される場合、化学変換プロセスに対して、熱変換又は修飾熱変換プロセスによって調製される。
【0354】
化学変換プロセスは、米国特許第5,166,308号明細書及び同第5,298,331号明細書に記載されており、それらは、それらの全体を参照により援用される。そのようなプロセスでは、変換用化学薬品がポリアミド酸溶液に添加される。本発明において有用であることが分かった変換用化学薬品には、(i)脂肪族酸無水物(無水酢酸等)及び酸無水物などの、1つ以上の脱水剤、並びに(ii)脂肪族第三級アミン(トリエチルアミン等)、第三級アミン(ジメチルアニリン等)及び複素環式第三級アミン(ピリジン、ピコリン、イソキノリン等)などの、1つ以上の触媒が含まれるが、それらに限定されない。材料を脱水する酸無水物は、典型的には、ポリアミド酸溶液中に存在するアミド酸基の量のわずかにモル過剰で使用される。使用される無水酢酸の量は、典型的には、ポリアミド酸の1当量当たり約2.0~3.0モルである。一般に、同等量の第三級アミン触媒が使用される。
【0355】
熱変換プロセスは、ポリアミド酸キャスティング溶液をポリイミドに変換させるために変換用化学薬品(すなわち、触媒)を用いても用いなくてもよい。変換用化学薬品が使用される場合、プロセスは、修飾熱変換プロセスと考えられ得る。両タイプの熱変換プロセスにおいて、フィルムを加熱して溶媒のフィルムを乾燥させるため及びイミド化反応を行うための両方のために熱エネルギーのみが使用される。転換触媒あり又はなしの熱変換プロセスが、一般に、本明細書に開示されるポリイミドフィルムを調製するために用いられる。
【0356】
具体的な方法パラメータは、興味のある特性をもたらすのがフィルム組成だけではないことを考えて事前に選択される。むしろ、硬化温度及び温度傾斜プロファイルがまた、本明細書に開示される意図される使用にとって最も望ましい特性の達成において重要な役割を果たす。ポリアミド酸は、任意のその後の加工工程(例えば、機能的ディスプレイを生成するために必要な無機層又は他の層の堆積)の最高温度での、又はそれより高い温度で、しかしポリイミドの有意の熱分解/変色が発生する温度より低い温度でイミド化されるべきである。特により高い加工温度がイミド化のために用いられる場合に、不活性雰囲気が一般に好ましいことにまた留意されるべきである。
【0357】
本明細書に開示されるポリアミド酸/ポリイミドについては、300℃超のその後の加工温度が必要とされる場合には、300℃~320℃の温度が典型的には用いられる。適切な硬化温度の選択は、熱特性と機械的特性との最良のバランスを達成する十分に硬化したポリイミドを可能にする。この非常に高い温度のために、不活性雰囲気が必要とされる。典型的には、100ppm未満のオーブン中の酸素レベルが用いられるべきである。非常に低い酸素レベルは、ポリマーの有意な分解/変色なしに最高の硬化温度が使用されることを可能にする。イミド化プロセスを加速する触媒は、約200℃~300℃の硬化温度でより高レベルのイミド化を達成するのに効果的である。この手法は、ポリイミドのTgよりも下である上方硬化温度で柔軟なデバイスが調製される場合に、任意選択的に用いられ得る。
【0358】
各潜在的硬化工程における時間の量もまた、重要なプロセス検討事項である。一般に、最高温度硬化のために用いられる時間は、最小限に保たれるべきである。320℃硬化のためには、例えば、硬化時間は、不活性雰囲気下では1時間位までであり得るが、より高い硬化温度では、この時間は、熱分解を回避するために短縮されるべきである。一般的に言えば、より高い温度は、より短い時間を指令する。当業者は、特定の最終使用向けのポリイミドの特性を最適化するために温度と時間とのバランスを認識するであろう。
【0359】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、熱変換プロセスによってポリイミドフィルムに変換させられる。
【0360】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが50μm未満であるように母材上にコートされる。
【0361】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが40μm未満であるように母材上にコートされる。
【0362】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが30μm未満であるように母材上にコートされる。
【0363】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが20μm未満であるように母材上にコートされる。
【0364】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが10μm~20μmであるように母材上にコートされる。
【0365】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが15μm~20μmであるように母材上にコートされる。
【0366】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが18μmであるように母材上にコートされる。
【0367】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが10μm未満であるように母材上にコートされる。
【0368】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、近接モードでホットプレート上においてソフトベークされ、ここで、窒素ガスが、コートされた母材をホットプレートの直上に保持するために使用される。
【0369】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、フルコンタクトモードでホットプレート上においてソフトベークされ、ここで、コートされた母材はホットプレート表面と直接接触している。
【0370】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、近接モードとフルコンタクトモードとの組み合わせを用いてホットプレート上においてソフトベークされる。
【0371】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、80℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0372】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、90℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0373】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、100℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0374】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、110℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0375】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、120℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0376】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、130℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0377】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、140℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0378】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、10分超の合計時間の間ソフトベークされる。
【0379】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、10分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0380】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、8分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0381】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、6分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0382】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、4分の合計時間の間ソフトベークされる。
【0383】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、4分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0384】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、2分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0385】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、2つの事前選択された温度で2つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者は、同じ又は異なるものであり得る。
【0386】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、3つの事前選択された温度で3つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0387】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、4つの事前選択された温度で4つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0388】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、5つの事前選択された温度で5つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同一であるか又は異なり得る。
【0389】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、6つの事前選択された温度で6つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0390】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、7つの事前選択された温度で7つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0391】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、8つの事前選択された温度で8つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0392】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、9つの事前選択された温度で9つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0393】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、10の事前選択された温度で10の事前選択された時間間隔の間硬化させられ、それらの後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0394】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、80℃超である。
【0395】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、100℃に等しい。
【0396】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、100℃超である。
【0397】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、150℃に等しい。
【0398】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、150℃超である。
【0399】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、200℃に等しい。
【0400】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、200℃超である。
【0401】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、250℃に等しい。
【0402】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、250℃超である。
【0403】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、300℃に等しい。
【0404】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、300℃超である。
【0405】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、350℃に等しい。
【0406】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、350℃超である。
【0407】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、400℃に等しい。
【0408】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、400℃超である。
【0409】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、450℃に等しい。
【0410】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、450℃超である。
【0411】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分である。
【0412】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、5分である。
【0413】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、10分である。
【0414】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、15分である。
【0415】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、20分である。
【0416】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、25分である。
【0417】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、30分である。
【0418】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、35分である。
【0419】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、40分である。
【0420】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、45分である。
【0421】
熱変換プロセスのいくつかでは、事前選択された時間間隔の1つ以上は、50分である。
【0422】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、55分である。
【0423】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分である。
【0424】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分超である。
【0425】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~60分である。
【0426】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~90分である。
【0427】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~120分である。
【0428】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリイミドフィルムの調製方法は、順番に、以下の工程:上記のポリアミド酸溶液を母材上にコートする工程;コートざれた母材をソフトベークする工程;ソフトベークされたコートされた母材を、複数の事前選択された温度で複数の事前選択された時間間隔の間処理し、それによってポリイミドフィルムが、本明細書に開示されるもののようなエレクトロニクス用途での使用にとって満足できる特性を示す工程を含む。
【0429】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリイミドフィルムの調製方法は、順番に、以下の工程:上記のポリアミド酸溶液を母材上にコートする工程;コートざれた母材をソフトベークする工程;ソフトベークされたコートされた母材を、複数の事前選択された温度で複数の事前選択された時間間隔の間処理し、それによってポリイミドフィルムが、本明細書に開示されるもののようなエレクトロニクス用途での使用にとって満足できる特性を示す工程からなる。
【0430】
熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリイミドフィルムの調製方法は、順番に、以下の工程:上記のポリアミド酸溶液を母材上にコートする工程;コートざれた母材をソフトベークする工程;ソフトベークされたコートされた母材を、複数の事前選択された温度で複数の事前選択された時間間隔の間処理し、それによってポリイミドフィルムが、本明細書に開示されるもののようなエレクトロニクス用途での使用にとって満足できる特性を示す工程から本質的になる。
【0431】
典型的には、本明細書に開示されるポリアミド酸溶液/ポリイミドは、ディスプレイ製造プロセスの残りを通して加工を容易にするために支持ガラス基板上にコートされ/硬化させられる。ディスプレイ製造業者によって決定されるようなプロセス中のある時点で、ポリイミドコーティングは、機械的プロセス又はレーザー剥離プロセスによって支持ガラス基板から取り除かれる。これらのプロセスは、堆積ディスプレイ層を伴うフィルムとしてポリイミドをガラスから分離し、柔軟なフォーマットを可能にする。多くの場合、堆積層を伴うこのポリイミドフィルムは、次いで、ディスプレイのその後の製作のための支持体を提供するために、より厚い、しかし依然として柔軟な、プラスチックフィルムに接合される。
【0432】
転換触媒がそのような転換触媒が存在しない場合に可能であるよりも低い温度でイミド化反応を一般に進ませる、修飾熱変換プロセスがまた提供される。
【0433】
いくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、修飾熱変換プロセスによってポリイミドフィルムに変換される。
【0434】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒を更に含む。
【0435】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、第三級アミンからなる群から選択される転換触媒を更に含む。
【0436】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、イソキノリン、1,2-ジメチルイミダゾール、N-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-エチル-4-イミダゾール、3,5-ジメチルピリジン、3,4-ジメチルピリジン、2,5-ジメチルピリジン、5-メチルベンズイミダゾール等からなる群から選択される転換触媒を更に含む。
【0437】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、転換触媒は、ポリアミド酸溶液の5重量パーセント以下で存在する。
【0438】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、転換触媒は、ポリアミド酸溶液の3重量パーセント以下で存在する。
【0439】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、転換触媒は、ポリアミド酸溶液の1重量パーセント以下で存在する。
【0440】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、転換触媒は、ポリアミド酸溶液の1重量パーセントで存在する。
【0441】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒としてトリブチルアミンを更に含む。
【0442】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒としてジメチルエタノールアミンを更に含む。
【0443】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒としてイソキノリンを更に含む。
【0444】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として1,2-ジメチルイミダゾールを更に含む。
【0445】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として3,5-ジメチルピリジンを更に含む。
【0446】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として5-メチルベンズイミダゾールを更に含む。
【0447】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒としてN-メチルイミダゾールを更に含む。
【0448】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として2-メチルイミダゾールを更に含む。
【0449】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として2-エチル-4-イミダゾールを更に含む。
【0450】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として3,4-ジメチルピリジンを更に含む。
【0451】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、転換触媒として2,5-ジメチルピリジンを更に含む。
【0452】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが50μm未満であるように母材上にコートされる。
【0453】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが40μm未満であるように母材上にコートされる。
【0454】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが30μm未満であるように母材上にコートされる。
【0455】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが20μm未満であるように母材上にコートされる。
【0456】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが10μm~20μmであるように母材上にコートされる。
【0457】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが15μm~20μmであるように母材上にコートされる。
【0458】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが18μmであるように母材上にコートされる。
【0459】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリアミド酸溶液は、結果として生じたフィルムのソフトベークされた厚さが10μm未満であるように母材上にコートされる。
【0460】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、近接モードでホットプレート上においてソフトベークされ、ここで、窒素ガスが、コートされた母材をホットプレートの直上に保持するために使用される。
【0461】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、フルコンタクトモードでホットプレート上においてソフトベークされ、ここで、コートされた母材は、ホットプレート表面と直接接触している。
【0462】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、近接モードとフルコンタクトモードとの組み合わせを用いてホットプレート上においてソフトベークされる。
【0463】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、80℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0464】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、90℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0465】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、100℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0466】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、110℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0467】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、120℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0468】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、130℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0469】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、140℃に設定されたホットプレートを用いてソフトベークされる。
【0470】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、10分超の合計時間の間ソフトベークされる。
【0471】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、10分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0472】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、8分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0473】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、6分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0474】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、4分の合計時間の間ソフトベークされる。
【0475】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、4分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0476】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、コートされた母材は、2分未満の合計時間の間ソフトベークされる。
【0477】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、2つの事前選択された温度で2つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者は、同じ又は異なるものであり得る。
【0478】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、3つの事前選択された温度で3つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0479】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、4つの事前選択された温度で4つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0480】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、5つの事前選択された温度で5つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0481】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、6つの事前選択された温度で6つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0482】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、7つの事前選択された温度で7つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0483】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、8つの事前選択された温度で8つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0484】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、9つの事前選択された温度で9つの事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0485】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ソフトベークされたコートされた母材は、その後、10の事前選択された温度で10の事前選択された時間間隔の間硬化させられ、その後者のそれぞれは、同じ又は異なるものであり得る。
【0486】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、80℃超である。
【0487】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、100℃に等しい。
【0488】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、100℃超である。
【0489】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、150℃に等しい。
【0490】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、150℃超である。
【0491】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、200℃に等しい。
【0492】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、200℃超である。
【0493】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、220℃に等しい。
【0494】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、220℃超である。
【0495】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、230℃に等しい。
【0496】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、230℃超である。
【0497】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、240℃に等しい。
【0498】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、240℃超である。
【0499】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、250℃に等しい。
【0500】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、250℃超である。
【0501】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、260℃に等しい。
【0502】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、260℃超である。
【0503】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、270℃に等しい。
【0504】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、270℃超である。
【0505】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、280℃に等しい。
【0506】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、280℃超である。
【0507】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、290℃に等しい。
【0508】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、290℃超である。
【0509】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、300℃に等しい。
【0510】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、300℃未満である。
【0511】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、290℃未満である。
【0512】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、280℃未満である。
【0513】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、270℃未満である。
【0514】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、260℃未満である。
【0515】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された温度は、250℃未満である。
【0516】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分である。
【0517】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、5分である。
【0518】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、10分である。
【0519】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、15分である。
【0520】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、20分である。
【0521】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、25分である。
【0522】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、30分である。
【0523】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、35分である。
【0524】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、40分である。
【0525】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、45分である。
【0526】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、50分である。
【0527】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、55分である。
【0528】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分である。
【0529】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、60分超である。
【0530】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~60分である。
【0531】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~90分である。
【0532】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、事前選択された時間間隔の1つ以上は、2分~120分である。
【0533】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリイミドフィルムの調製方法は、順番に、以下の工程:変換用化学薬品を含む上記のポリアミド酸溶液を母材上にコートする工程;コートざれた母材をソフトベークする工程;ソフトベークされたコートされた母材を、複数の事前選択された温度で複数の事前選択された時間間隔の間処理し、それによってポリイミドフィルムが、本明細書に開示されるもののようなエレクトロニクス用途での使用にとって満足できる特性を示す工程を含む。
【0534】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリイミドフィルムの調製方法は、順番に、以下の工程:変換用化学薬品を含む上記のポリアミド酸溶液を母材上にコートする工程;コートざれた母材をソフトベークする工程;ソフトベークされたコートされた母材を、複数の事前選択された温度で複数の事前選択された時間間隔の間処理し、それによってポリイミドフィルムが、本明細書に開示されるもののようなエレクトロニクス用途での使用にとって満足できる特性を示す工程からなる。
【0535】
修飾熱変換プロセスのいくつかの実施形態では、ポリイミドフィルムの調製方法は、順番に、以下の工程:変換用化学薬品を含む上記のポリアミド酸溶液を母材上にコートする工程;コートざれた母材をソフトベークする工程;ソフトベークされたコートされた母材を、複数の事前選択された温度で複数の事前選択された時間間隔の間処理し、それによってポリイミドフィルムが、本明細書に開示されるもののようなエレクトロニクス用途での使用にとって満足できる特性を示す工程から本質的になる。
【0536】
6.電子デバイス
本明細書に開示されるポリイミドフィルムは、OLED及びLCDディスプレイなどの電子ディスプレイデバイスにおける多数の層で使用するのに好適であり得る。そのような層の非限定的な例としては、デバイス基板、タッチパネル、カラーフィルターシート用基板、カバーフィルム等が挙げられる。各用途向けの特定の材料の特性要件は、ユニークであり、本明細書に開示されるポリイミドフィルムに対して適切な組成及び加工条件によって対処され得る。
【0537】
いくつかの実施形態では、電子デバイスにおけるガラスの柔軟な代替物は、上で詳細に記載されたように、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドを含むポリイミドフィルムである。
【0538】
いくつかの実施形態では、上で詳細に記載されたように、式IIIの繰り返し単位を有するポリイミドフィルムを含む少なくとも1つの層を有する有機電子デバイスが提供される。
【0539】
本明細書に記載されるような少なくとも1つの化合物を含む1つ以上の層を有することから恩恵を受け得る有機電子デバイスには、(1)電気エネルギーを放射線に変換するデバイス(例えば、発光ダイオード、発光ダイオードディスプレイ、照明デバイス、照明器具、又はダイオードレーザー)、(2)エレクトロニクスプロセスによって信号を検出するデバイス(例えば、光検出器、光伝導セル、フォトレジスター、フォトスイッチ、フォトトランジスター、光電管、IR検出器、バイオセンサー)、(3)放射線を電気エネルギーに変換するデバイス(例えば、光起電力デバイス又は太陽電池)、(4)1つの波長の光をより長い波長の光に変換するデバイス(例えば、ダウンコンバート燐光体デバイス)、及び(5)1つ以上の有機半導体層を含む1つ以上の電子部品を含むデバイス(例えば、トランジスター又はダイオード)が含まれるが、それらに限定されない。本発明による組成物のための他の使用には、メモリ記憶デバイス用のコーティング材料、帯電防止フィルム、バイオセンサー、エレクトロクロミックデバイス、固体電解質キャパシター、再充電可能な電池などのエネルギー貯蔵デバイス、及び電磁遮蔽用途が含まれる。
【0540】
本明細書に記載されるようなガラスの柔軟な代替物としての役割を果たすことができるポリイミドフィルムの1つの例示が図1に示される。柔軟なフィルム100は、本開示の実施形態において記載されたような特性を有することができる。いくつかの実施形態では、ガラスの柔軟な代替物としての役割を果たすことができるポリイミドフィルムが、電子デバイスに含まれる。図2は、電子デバイス200が有機電子デバイスである場合を例示する。デバイス200は、基板100、アノード層110及び第2電気コンタクト層、カソード層130、並びにそれらの間の光活性層120を有する。追加の層が任意選択的に存在し得る。緩衝層と言われることもある、正孔注入層(図示されていない)が、アノード層に隣接し得る。正孔輸送材料を含む、正孔輸送層(図示されていない)が、正孔注入層に隣接し得る。電子輸送材料を含む、電子輸送層(図示されていない)が、カソードに隣接し得る。選択肢として、デバイスは、アノード110の隣に1つ以上の追加の正孔注入層若しくは正孔輸送層(図示されていない)及び/又はカソード130の隣に1つ以上の追加の電子注入層又は電子輸送層(図示されていない)を使用し得る。110と130との間の層は、個別に及びまとめて有機活性層と言われる。存在していてもしていなくてもよい追加の層には、カラーフィルター、タッチパネル、及び/又はカバーシートが含まれる。これらの層の1つ以上は、基板100に加えて、本明細書に開示されるポリイミドフィルムからまた製造され得る。
【0541】
異なる層が、図2に関連して本明細書で更に考察されるであろう。しかしながら、この考察は、他の構成にも同様に当てはまる。
【0542】
いくつかの実施形態では、異なる層は、以下の範囲の厚さ:基板100、5~100ミクロン;アノード110、500~5,000Å、いくつかの実施形態では、1,000~2,000Å;正孔注入層(図示されていない)、50~2,000Å、いくつかの実施形態では、200~1,000Å;正孔輸送層(図示されていない)、50~3,000Å、いくつかの実施形態では200~2,000Å;光活性層120、10~2,000Å、いくつかの実施形態では、100~1,000Å;電子輸送層(図示されていない)、50~2,000Å、いくつかの実施形態では、100~1,000Å;カソード130、200~10,000Å、いくつかの実施形態では300~5,000Åを有する。層厚さの所望の比は、使用される材料の正確な性質に依存するであろう。
【0543】
いくつかの実施形態では、有機電子デバイス(OLED)は、本明細書に開示されるようなガラスの柔軟な代替物を含有する。
【0544】
いくつかの実施形態では、デバイス基板が本明細書に開示されるポリイミドフィルムを含む、有機電子デバイスが提供される。いくつかの実施形態では、デバイスは、有機発光ダイオード(OLED)である。
【0545】
いくつかの実施形態では、有機電子デバイスは、基板、アノード、カソード、及びそれらの間の光活性層を含み、1つ以上の追加の有機活性層を更に含む。いくつかの実施形態では、追加の有機活性層は、正孔輸送層である。いくつかの実施形態では、追加の有機活性層は、電子輸送層である。いくつかの実施形態では、追加の有機層は、正孔輸送層及び電子輸送層の両方である。
【0546】
アノード110は、正電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。アノードは、例えば、金属、混合金属、合金、金属酸化物若しくは混合金属酸化物を含有する材料から製造することができるか、又はそれは、導電性ポリマー、及びそれの混合物であり得る。好適な金属には、第11族金属、第4族、第5族、及び第6族の金属、並びに第8~第10族遷移金属が含まれる。アノードが光透過性である場合、インジウム-スズ酸化物などの、第12族、第13族及び第14族金属の混合金属酸化物が一般に使用される。アノードはまた、“Flexible light-emitting diodes made from soluble conducting polymer,”Nature vol.357,pp477-479(1992年6月11日)に記載されているようにポリアニリンなどの有機材料を含み得る。アノード及びカソードの少なくとも1つは、発生した光を観察できるように少なくとも部分的に透明であるべきである。
【0547】
任意選択の正孔注入層は、正孔注入材料を含むことができる。用語「正孔注入層」又は「正孔注入材料」は、導電性材料又は半導体材料を意味することを意図し、下位層の平坦化、電荷輸送及び/又は電荷注入特性、酸素又は金属イオンなどの不純物の捕捉、並びに有機電子デバイスの性能を促進するための又は改善するための他の態様を含むがそれらに限定されない、有機電子デバイスにおける1つ以上の機能を有し得る。正孔注入材料は、ポリマー、オリゴマー、又は小分子であり得、溶液、分散系、懸濁液、乳化液、コロイド状混合物、又は他の組成物の形態にあり得る。
【0548】
正孔注入層は、プロトン酸で多くの場合ドープされている、ポリアニリン(PANI)又はポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)などの、ポリマー材料で形成することができる。プロトン酸は、例えば、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)等であり得る。正孔注入層120は、銅フタロアシアニン及びテトラチアフルバレン-テトラシアノキノジメタン系(TTF-TCNQ)などの、電荷移動化合物等を含むことができる。いくつかの実施形態では、正孔注入層120は、導電性ポリマー及びコロイド形成ポリマー酸の分散系から製造される。そのような材料は、例えば、公開された米国特許出願公開第2004-0102577号明細書、同第2004-0127637号明細書、及び同第2005-0205860号明細書に記載されている。
【0549】
他の層は、正孔輸送材料を含むことができる。正孔輸送層用の正孔輸送材料の例は、例えば、Y.Wangによる、Kirk-Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,Vol.18,p.837-860,1996に要約されている。正孔輸送小分子及びポリマーの両方を使用することができる。一般的に使用される正孔輸送分子には、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(TDATA);4,4’,4’’-トリス(N-3-メチルフェニル-N-フェニル-アミノ)-トリフェニルアミン(MTDATA);N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(TPD);4,4’-ビス(カルバゾール-9-イル)ビフェニル(CBP);1,3-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(mCP);1,1-ビス[(ジ-4-トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン(TAPC);N,N’-ビス(4-メチルフェニル)-N,N’-ビス(4-エチルフェニル)-[1,1’-(3,3’-ジメチル)ビフェニル]-4,4’-ジアミン(ETPD);テトラキス-(3-メチルフェニル)-N,N,N’,N’-2,5-フェニレンジアミン(PDA);α-フェニル-4-N,N-ジフェニルアミノスチレン(TPS);p-(ジエチルアミノ)ベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(DEH);トリフェニルアミン(TPA);ビス[4-(N,N-ジエチルアミノ)-2-メチルフェニル](4-メチルフェニル)メタン(MPMP);1-フェニル-3-[p-(ジエチルアミノ)スチリル]-5-[p-(ジエチルアミノ)フェニル]ピラゾリン(PPR又はDEASP);1,2-トランス-ビス(9H-カルバゾール-9-イル)シクロブタン(DCZB);N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(TTB);N,N’-ビス(ナフタレン-1-イル)-N,N’-ビス-(フェニル)ベンジジン(α-NPB);及び銅フタロアシアニンなどの、ポルフィリン化合物が含まれるが、それらに限定されない。一般的に使用される正孔輸送ポリマーには、ポリビニルカルバゾール、(フェニルメチル)ポリシラン、ポリ(ジオキシチオフェン)、ポリアニリン、及びポリピロールが含まれるが、それらに限定されない。上述されたものなどの正孔輸送分子を、ポリスチレン及びポリカーボネートなどのポリマー中にドープすることによって正孔輸送ポリマーを得ることがまた可能である。いくつかの場合に、トリアリールアミンポリマー、とりわけトリアリールアミン-フルオレンコポリマーが使用される。いくつかの場合に、ポリマー及びコポリマーは架橋性である。架橋性正孔輸送ポリマーの例は、例えば、公開された米国特許出願公開第2005-0184287号明細書及び公開されたPCT出願国際公開第2005/052027号パンフレットに見出すことができる。いくつかの実施形態では、正孔輸送層は、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン及びペリレン-3,4,9,10-テトラカルボン酸-3,4,9,10-二無水物などの、p型ドーパントでドープされる。
【0550】
デバイスの用途に応じて、光活性層120は、(発光ダイオード又は発光電気化学セルにおけるなどの)印加電圧によって活性化される発光層、(ダウンコンバート燐光体デバイスにおけるなどの)光を吸収し、より長い波長を有する光を放射する材料の層、又は(光検出器又は光起電力デバイスにおけるなどの)輻射エネルギーに応答し、印加バイアス電圧あり又はなしで信号を発生させる材料の層であり得る。
【0551】
いくつかの実施形態では、光活性層は、光活性材料を有する発光性化合物を含む化合物を含む。いくつかの実施形態では、光活性層は、ホスト材料を更に含む。ホスト材料の例としては、クリセン、フェナントレン、トリフェニレン、フェナントロリン、ナフタレン、アントラセン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、フェニルピリジン、カルバゾール、インドロカルバゾール、フラン、ベンゾフラン、ジベンゾフラン、ベンゾジフラン、及び金属キノリネート錯体が挙げられるが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、ホスト材料は重水素化されている。
【0552】
いくつかの実施形態では、光活性層は、(a)380~750nmに発光極大を有するエレクトロルミネセンスの能力があるドーパント、(b)第1ホスト化合物、及び(c)第2ホスト化合物を含む。好適な第2ホスト化合物は、上で記載されている。
【0553】
いくつかの実施形態では、光活性層は、(a)380~750nmに発光極大を有するエレクトロルミネセンスの能力があるドーパント、(b)第1ホスト化合物、及び(c)第2ホスト化合物だけを含み、ここで、操作の原理又は層の際立った特性を実質的に変化させるであろう追加の材料は存在しない。
【0554】
いくつかの実施形態では、第1ホストは、光活性層中に重量を基準として、第2ホストよりも高い濃度で存在する。
【0555】
いくつかの実施形態では、光活性層中の第1ホスト対第2ホストの重量比は、10:1~1:10の範囲内にある。いくつかの実施形態では、この重量比は、6:1~1:6;いくつかの実施形態では、5:1~1:2;いくつかの実施形態では、3:1~1:1の範囲内にある。
【0556】
いくつかの実施形態では、ドーパント対全ホストの重量比は、1:99~20:80;いくつかの実施形態では5:95~15:85の範囲内にある。
【0557】
いくつかの実施形態では、光活性層は、(a)赤色発光ドーパント、(b)第1ホスト化合物、及び(c)第2ホスト化合物を含む。
【0558】
いくつかの実施形態では、光活性層は、(a)緑色発光ドーパント、(b)第1ホスト化合物、及び(c)第2ホスト化合物を含む。
【0559】
いくつかの実施形態では、光活性層は、(a)黄色発光ドーパント、(b)第1ホスト化合物、及び(c)第2ホスト化合物を含む。
【0560】
任意選択の層は、電子輸送を促進すると共にまた、層界面での励起子のクエンチングを防ぐための閉じ込め層としても役立つように機能することができる。好ましくは、この層は、電子移動度を促進し、励起子クエンチングを低減する。
【0561】
いくつかの実施形態では、そのような層は、他の電子輸送材料を含む。任意選択の電子輸送層で使用することができる電子輸送材料の例としては、トリス(8-ヒドロキシキノラト)アルミニウム(AlQ)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(p-フェニルフェノラト)アルミニウム(BAlq)、テトラキス-(8-ヒドロキシキノラト)ハフニウム(HfQ)及びテトラキス-(8-ヒドロキシキノラト)ジルコニウム(ZrQ)などの金属キノレート誘導体を含む、金属キレート化オキシノイド化合物;並びに2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(PBD)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(TAZ)、及び1,3,5-トリ(フェニル-2-ベンゾイミダゾール)ベンゼン(TPBI)などのアゾール化合物;2,3-ビス(4-フルオロフェニル)キノキサリンなどのキノキサリン誘導体;4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(DPA)及び2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(DDPA)などのフェナントロリン類;トリアジン;フラーレン;並びにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、電子輸送材料は、金属キノレート及びフェナントロリン誘導体からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、電子輸送層は、n型ドーパントを更に含む。n型ドーパント材料は周知である。n型ドーパントには、第1族及び第2族金属;LiF、CsF、及びCs2CO3などの、第1族及び第2族金属塩;Liキノレートなどの、第1族及び第2族金属有機化合物;並びにロイコ染料、金属錯体、例えばW2(hpp)4(式中、hpp=1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-2H-ピリミド-[1,2-a]-ピリミジンである)及びコバルトセンなどの、分子n型ドーパント、テトラチアナフタセン、ビス(エチレンジチオ)テトラチアフルバレン、複素環ラジカル又はジラジカル、並びに複素環式ラジカル又はジラジカルのダイマー、オリゴマー、ポリマー、ジスピロ化合物及び多環が含まれるが、それらに限定されない。
【0562】
任意選択の電子注入層が、電子輸送層一面に堆積され得る。電子注入材料の例としては、Li含有有機金属化合物、LiF、Li2O、Liキノレート、Cs含有有機金属化合物、CsF、Cs2O、及びCs2CO3が挙げられるが、それらに限定されない。この層は、下にある電子輸送層、上にあるカソード、又は両方と反応し得る。電子注入層が存在する場合、堆積された材料の量は、一般に1~100Å、いくつかの実施形態では1~10Åの範囲内にある。
【0563】
カソード130は、電子又は負電荷キャリアを注入するために特に効率的である電極である。カソードは、アノードよりも低い仕事関数を有する任意の金属又は非金属であり得る。カソード用の材料は、第1族のアルカリ金属(例えば、Li、Cs)、第2族(アルカリ土類)金属、稀土類元素及びランタニド、並びにアクチニドを含む、第12族金属から選択することができる。アルミニウム、インジウム、カルシウム、バリウム、サマリウム及びマグネシウムなどの材料、並びに組み合わせを使用することができる。
【0564】
他の層を有機電子デバイスにおいて有することが知られている。例えば、注入される正電荷の量を制御するための及び/若しくは層のバンドギャップ整合を提供するための、又は保護層として機能するための層(図示されていない)が、アノード110と正孔注入層(図示されていない)との間に存在することができる。銅フタロアシアニン、オキシ窒化ケイ素、フルオロカーボン、シランなどの、当技術分野において公知である層、又は例えばPtなどの、金属の極薄層を使用することができる。或いはまた、アノード層110、活性層120、又はカソード層130のいくつか又は全てを表面処理して、電荷キャリア輸送効率を高めることができる。構成要素層のそれぞれ用の材料の選択は、高いエレクトロルミネセンス効率を有するデバイスを提供するために発光体層中の正電荷及び負電荷のバランスを取ることによって好ましくは決定される。
【0565】
それぞれの機能層を2つ以上の層から構成できることは理解される。
【0566】
デバイス層は、一般に、蒸着、液体堆積、及び熱転写を含む、任意の堆積技術、又は技術の組み合わせによって形成することができる。ガラス、プラスチック、及び金属などの基板を使用することができる。熱蒸発、化学蒸着等などの、従来の蒸着技術を用いることができる。有機層は、コーティング、浸漬コーティング、ロール-ツーロール技術、インクジェット印刷、連続ノズル印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等を含むが、それらに限定されない、従来のコーティング又は印刷技術を用いて、好適な溶媒中の溶液又は分散系から塗布することができる。
【0567】
液体堆積方法について、特定の化合物又は関連する部類の化合物のための好適な溶媒は、当業者によって容易に決定することができる。いくつかの用途向けには、化合物は非水性溶媒に溶解させられることが望ましい。そのような非水性溶媒は、C1~C20アルコール、エーテル及び酸エステルなどの、比較的極性であり得るか、又はC1~C12アルカン若しくは芳香族化合物、例えばトルエン、キシレン、トリフルオロトルエン等などの比較的非極性であり得る。新化合物を含む、本明細書に記載されるような溶液又は分散系としてのいずれかで、液体組成物の作製での使用に好適な他の液体には、塩素化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼンなどの)、芳香族炭化水素(トリフルロトルエンを含む、置換及び非置換トルエン及びキシレンなどの)、極性溶媒(テトラヒドロフラン(THP)、N-メチルピロリドンなどの)エステル(酢酸エチルなどの)アルコール(イソプロパノール)、ケトン(シクロペンタトン)並びにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。エレクトロルミネセント材料用の好適な溶媒は、例えば、公開されたPCT出願国際公開第2007/145979号パンフレットに記載されている。
【0568】
いくつかの実施形態では、デバイスは、正孔注入層、正孔輸送層、及び光活性層の液体堆積によって、並びに柔軟な基板へのアノード、電子輸送層、電子注入層及びカソードの蒸着によって製造される。
【0569】
デバイスの効率は、デバイスにおける他の層を最適化することによって改善できることが理解される。例えば、Ca、Ba又はLiFなどのより効率的なカソードを使用することができる。動作電圧の低下をもたらすか又は量子効率を増加させる成形基板及び新規な正孔輸送材料も適用できる。様々な層のエネルギーレベルを調整し、エレクトロルミネセンスを容易にするために追加の層を加えることもできる。
【0570】
いくつかの実施形態では、デバイスは、順に、以下の構造物:基板、アノード、正孔注入層、正孔輸送層、光活性層、電子輸送層、電子注入層、カソードを有する。
【0571】
本明細書に記載されるものと同様の又は同等の方法及び材料が本発明の実施又は試験において使用できるが、好適な方法及び材料が以下に記載される。更に、材料、方法、及び実施例は、例示的であるすぎず、限定的であることを意図されない。本明細書に言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それらの全体を参照により援用される。
【実施例
【0572】
本明細書に記載される概念は、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しない、以下の実施例において更に例示される。
【0573】
実施例1
この実施例は、式Iを有するジアミン、化合物4の調製を例示する。
【0574】
【化20】
【0575】
(a)2,6-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェニル)アントラセン(3)
トルエン(400ml)、エタノール(200ml)及び水(80ml)中の2,6-ビス-Bpinアントラセン1(14.5g、33.71mmole)、4-ブロモ-3-(トリフルオロメチル)アニリン2(24.27g、101.13mmole)、Pd(PPh34(3.9g、3.37mmole)及び炭酸カリウム(23.29g、169mmole)の混合物をガス抜きし、窒素雰囲気下に85℃で3日間加熱しながら撹拌した。反応混合物から沈澱した生成物3(9.7g)を熱時濾過によって集めた。濾液を冷却し、沈殿物を濾過によって集めてより低い純度の3.2gの生成物を得た。1H-NMR(DMSO-d6,500MHz):5.69(s,4H),6.88(dd,2H,J1=2Hz,J2=8Hz),7.03(d,2H,J=2Hz),7.18(d,2H,J=8Hz),7.40(d,2H,J=9Hz),7.92(s,2H),8.05(d,2H,J=9Hz),8.58(s,2H).
【0576】
(b)6,14-ビス(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェニル)-3a,4,9,9a-テトラヒドロ-2-フェニル-4,9[1’,2’]-ベンゾ-1H-ベンゼノ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジオン、化合物4
生成物3(7.637g、15.38mmole)、N-フェニルマレイミド(7.96g、45.97mmole)の混合物を、窒素雰囲気下に150℃で1.5時間、1,2-ジクロロベンゼン(100ml)中で加熱した。その後追加量のマレイミド(4.6g)を添加し、混合物を同じ温度で1時間加熱した。反応混合物を冷却し、ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を蒸発させ、この残渣を、ジクロロメタン及びジクロロメタン-アセトンの混合物を使った勾配溶出を用いるシリカゲルカラムでのクロマトグラフィー精製にかけた。生成物を含有する分画を集め、溶出液を蒸発させて6.41gのジアミン化合物4を得、それは、ジクロロメタンとヘキサンとの混合物からの結晶化によって更に精製することができる。1H-NMR(DMSO-d6,500MHz):3.41(dd,1H,J1=4Hz,J2=9Hz),3.47(dd,1H,J1=4Hz,J2=9Hz),4.91(t,2H,J=4Hz),5.62(s,4H),6.53-6.55(m,2H),6.78(td,2H,J1=2Hz,J2=8Hz),6.89(d,1H,J= 8Hz),6.95(dd,2H,J1=2Hz,J2=8Hz),7.02(d,1H,J=8Hz),7.06(d,1H,J=8Hz),7.10(d,1H,J=8Hz),7.18(s,1H),7.30(d,1H,J=8Hz),7.32-7.33(m,3H),7.41(s,1H),7.49(d,1H,J=8Hz).13C-NMR(DMSO-d6,125MHz,アトロポ異性体):176.35,176.25,148.83,148.78,141.7,140.7,139.4,139.2,138.9,138.3,133.64,133.6,132.3,129.13,128.9,127.9,127.7,127.5,127.4,127.11,127.0,126.0,125.5,124.7,124.2,123.8,123.7,117.0,110.87,110.83,55.4,47.22,47.17,45.0.19F-NMR(DMSO-d6,470 MHz,アトロポ異性体):55.27,55.35.
【0577】
実施例2
この実施例は、式IIを有するポリアミド酸を含む液体組成物の調製を例示する。
【0578】
ジアミン化合物4(4.5g、6.72mmole)、BPDA(2.768g、9.408mmole)、PMDA(0.293g、1.344mmole)、TFMB(2.152g、6.72mmole)及びN-メチルピロリドン(62g)を周囲温度で反応させ、その後PMDA(45mg)を少しずつ添加した。最終21重量%のポリマー含量及び粘度27390cPまでNMPを部分的に留去した。GPC:Mn=96941、Mw=203561、Mp=195824、Mz=324327、PDI=2.10.
【0579】
実施例3
この実施例は、ポリイミドが式IIIを有する、ポリイミドフィルムの調製を例示する。
【0580】
実施例2からのポリアミド酸溶液を、マイクロフィルターを通して濾過し、クリーンなシリコンウェハー上へスピンコートし、ホットプレート上90℃でソフトベークし、炉中へ入れた。炉を窒素でパージし、320℃の最高温度に加熱した。ウェハーを炉から取り出し、水に浸漬し、手動により層間剥離してポリイミドフィルムの試料をもたらした。
【0581】
8.62μmの厚さを有するポリイミドフィルムは、以下の特性:
ヘイズ:0.19%
g:327℃
CTE(第1測定):34.1ppm/℃
複屈折(633nm):0.042
引張弾性率:4.77GPa
引張強度:198.7MPa
破断伸び:24.6%
1%TGA損失:415℃
光学的遅れ:369
を有した。
【0582】
一般的な説明又は実施例において上に記載された活動の全てが必要であるわけではないこと、特定の活動の一部が必要とされない場合があること、及び1つ以上の更なる活動が、記載されているものに加えて行われ得ることに留意されたい。更にまた、活動が列挙される順番は、必ずしも活動が行われる順番ではない。
【0583】
前述の本明細書で、概念は、特定の実施形態に関連して記載されてきた。しかしながら、当業者は、様々な修正及び変更が、以下の特許請求の範囲に示されるような本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることを十分理解する。したがって、本明細書及び図は、限定的な意味よりもむしろ例示的な意味で考えられるべきであり、全てのそのような修正は、本発明の範囲内に包含されることを意図する。
【0584】
利益、他の利点、及び問題の解決策が、特定の実施形態に関して上で記載されてきた。しかしながら、利益、利点、問題の解決策、及び任意の利益、利点、又は解決策を生じさせ得るか又はより顕著にならせ得る任意の特徴は、任意の又は全ての請求項の決定的に重要であるか、必要とされるか、又は不可欠な特徴として解釈されるべきではない。
【0585】
明確にするために、特定の特徴は、別個の実施形態との関連で本明細書に記載され、単一の実施形態で組み合わせてまた提供され得ることが十分理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で記載される様々な特徴はまた、個別に又は任意の部分的な組み合わせで提供され得る。本明細書で明記される様々な範囲の数値の使用は、記述範囲内の最小値及び最大値が両方とも語「約」によって先行されるかのように近似値として記述されている。このように、記述範囲の上下のわずかな変動は、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成するために用いることができる。また、これらの範囲の開示は、1つの値の構成要素のいくつかが、異なる値の構成要素と混合されるときに生じることができる小数値を含む、最小平均値と最大平均値との間のあらゆる値を含む連続した範囲であることを意図する。更に、より広い及びより狭い範囲が開示されるとき、1つの範囲からの最小値を別の範囲からの最大値と一致させることは、本発明の予想内にあり、その逆も同様である。
図1
図2