(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】ライナを用いてパイプラインを修復する方法
(51)【国際特許分類】
F16L 55/165 20060101AFI20240521BHJP
F16L 1/10 20060101ALI20240521BHJP
F16L 1/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
F16L55/165
F16L1/10
F16L1/00 J
(21)【出願番号】P 2021525142
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(86)【国際出願番号】 NL2019050732
(87)【国際公開番号】W WO2020096457
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-08-29
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】521317472
【氏名又は名称】パイプ-アクア-テック・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アナンデ・ベルフマン
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・マドレネル
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/139923(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0348812(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0058614(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0174706(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 55/165
F16L 1/10
F16L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強化繊維および硬化性樹脂組成物のライナを用いてパイプラインを修復するための方法であって、
- ライナ
(2)を他のパイプライン要素に接続するように構成されており、かつ強化繊維、および連結部材
(1)の第1の部分内で実質的に完全に硬化される樹脂組成物を含む連結部材
(1)を設けるステップと、
- 第1のアラインメント要素
(6)および第2のアラインメント要素
(7)を含むアラインメントデバイスを設けるステップと、
- 前記第1のアラインメント要素
(6)をホストパイプ
(3)の端部に接続しかつ前記第2のアラインメント要素
(7)を前記連結部材
(1)に接続するステッ
プと、
- 前記連結部材
(1)上に設けられている前記第2のアラインメント要素
(7)の合わせ面が、前記ホストパイプ
(3)上に設けられている前記第1のアラインメント要素
(6)の合わせ面に当接して設けられ
て、前記ホストパイプ(3)と前記連結部材(1)とが軸方向にアラインされるように、前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の方へもたらすステッ
プ、および前記第1のアラインメント要素
(6)および前記第2のアラインメント要素
(7)を使用することにより、前記連結部材
(1)を
前記ホストパイプ
(3)の端部に取り付けるステップ
であって、
前記第1のアラインメント要素(6)が、アラインされた位置において前記第2のアラインメント要素(7)に当接して固定される、ステップと、
- 前記ホストパイプ
(3)を通して、所定の長さの前記ライナ
(2)を設けるステップと、
- 前記連結部材
(1)を通して、所定の長さの前記ライナ
(2)を設けるステップと、
- 前記ライナの前記硬化性樹脂組成物を前記ライナ
(2)の接合部分において露出するステップと、
- 前記連結部材
(1)の第2の部分の内面に当接させるように、前記ライナ
(2)のうち前記連結部材
(1)内に受容されている前記接合部分を加圧するステップと、
- 前記連結部材の第2の部分と前記ライナの接合部分との間に機能性接合を形成するように、前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を硬化させるステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のアラインメント要素
(6)のプレート
(60)またはプレート部分
(60-1~60-4)の前記合わせ面は、それに接続されると
、前記ホストパイプの中心軸と非ゼロ鋭角の平面内において、好ましくは前記ホストパイプ
(3)の前記中心軸に対して略垂直な平面内において、前記ホストパイプ
(3)の端部の外面から延在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のアラインメント要素
(6)は前記ホストパイプ
(3)の端部に取外し可能に取り付けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のアラインメント要素
(6)を前記ホストパイプ
(3)の前記端部に接続する前記ステップは、アライニングツール補助具を用いて、前記第1のアラインメント要素
(6)と前記ホストパイプ
(3)の端部とを軸方向にアラインするステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のアラインメント要素
(7)のプレートまたはプレート部分
(70)の前記合わせ面は、それに接続されると
、前記連結部材の中心軸と非ゼロ鋭角の平面内に、好ましくは前記連結部材
(1)の前記中心軸に対して実質的に垂直な平面内に、前記連結部材
(1)の外面から延在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のアラインメント要素
(7)は前記連結部材
(1)に取外し可能に取り付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記連結部材
(1)の前記第2の部分はドライ強化繊維を含み、前記ライナの前記硬化性樹脂組成物は、前記ライナ
(2)の前記接合部分を加圧する前記ステップおよび/または前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を硬化させる前記ステップにおいて、前記第2の部分の前記ドライ強化繊維により受け入れられる、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記連結部材
(1)の前記第2の部分は、前記ライナの前記硬化性樹脂組成物を硬化させて、前記連結部材
(1)の前記第2の部分と前記ライナの前記接合部分との間に前記機能性接合を形成する前記ステップの前に、前記硬化性樹脂組成物を与えられる、請求項1から
6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記連結部材
(1)の前記第2の部分は紫外線抵抗性のホイルにより覆われ、前記ホイルは、前記ライナ
(2)の前記接合部分を加圧する前記ステップの前に、除去される、請求項1から
8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記硬化性樹脂組成物は前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物の組成物と実質的に同様の組成物を含むか、または前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を含む、請求項
8または
9に記載の方法。
【請求項11】
前記ライナ
(2)は紫外線硬化性樹脂組成物と紫外線抵抗性の被覆層とを含み、前記被覆層は前記ライナ
(2)の前記接合部分において除去される、請求項1から
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記被覆層は、前記ライナ
(2)の前記樹脂組成物を硬化させる前記ステップの前に、好ましくは前記ライナ
(2)の前記接合部分を加圧する前記ステップの前に、除去される、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記ホストパイプ
(3)を通してかつ前記連結部材
(1)を通して所定の長さの前記ライナ
(2)を設ける前記ステップは、前記ライナ
(2)を引き込むことにより実施される、請求項1から
12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ホストパイプ
(3)を通してかつ前記連結部材
(1)を通して所定の長さの前記ライナ
(2)を設ける前記ステップは、前記ライナ
(2)を反転させることにより実施される、請求項1から
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記硬化されたライナ
(2)の一部が前記ホストパイプ
(3)の外に露出され、関連する前記連結部材
(1)が除去される、請求項1から
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記連結部材
(1)を別のパイプライン構成要素に連結するステップをさらに含む、請求項1から
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
連結する前記ステップは、前記連結部材
(1)のフランジ部分を前記別のパイプライン構成要素のフランジ部分にボルトで留めるステップを含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
- 前記アラインメントデバイスを設けるステップ、および前記第1のアラインメント要素
(6)を前記ホストパイプ
(3)の前記端部に接続しかつ前記第2のアラインメント要素
(7)を前記連結部材
(1)に接続するステッ
プと、
- 前記連結部材
(1)上に設けられている前記第2のアラインメント要素
(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面が、前記ホストパイプ
(3)上に設けられている前記第1のアラインメント要素
(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面に当接して設けられ
て、前記ホストパイプ(3)と前記連結部材(1)とが軸方向にアラインされるように、前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の方へもたらすステッ
プ、および前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の端部に取り付けるステップ
であって、前記第1のアラインメント要素(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面が、アラインされた位置において前記第2のアラインメント要素(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面に当接して固定される、ステップと、
- 前記ホストパイプ
(3)を通してかつ前記ホストパイプ
(3)に取り付けられている前記連結部材
(1)を通して、所定の長さの前記ライナ
(2)を設けるステップと、
- 前記ライナ
(2)の前記接合部分へアクセスできるように、
前記第1のアラインメント要素および前記第2のアラインメント要素を使用することによって、前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)から取り外すステップと、
- 前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を前記接合部分において露出するステップと、
- 前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の端部に再度取り付けるステップ
であって、前記第1のアラインメント要素(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面が、アラインされた位置において前記第2のアラインメント要素(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面に当接して固定される、ステップと、
- 前記連結部材
(1)の前記第2の部分の前記内面に当接させるように、前記ライナ
(2)のうち前記連結部材
(1)内に受容されている前記接合部分を加圧するステップと、
- 前記連結部材
(1)の第2の部分と前記ライナ
(2)の前記接合部分との間に前記機能性接合を形成するように、前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を硬化させるステップと
の連続ステップを含む、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
- 前記アラインメントデバイスを設けるステップ、および前記第1のアラインメント要素
(6)を前記ホストパイプ
(3)の前記端部に接続しかつ前記第2のアラインメント要素
(7)を前記連結部材
(1)に接続するステッ
プと、
- 前記ホストパイプ
(3)を通してかつ前記ホストパイプ
(3)にまだ取り付けられていない前記連結部材
(1)を通して、所定の長さの前記ライナ
(2)を設けるステップと、
- 前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を前記接合部分において露出するステップと、
- 前記連結部材
(1)上に設けられている前記第2のアラインメント要素
(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面が、前記ホストパイプ
(3)上に設けられている前記第1のアラインメント要素
(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面に当接して設けられ
て、前記ホストパイプ(3)と前記連結部材(1)とが軸方向にアラインされるように、前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の方へもたらすステッ
プ、および前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の端部に取り付けるステップ
であって、前記第1のアラインメント要素(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面が、アラインされた位置において前記第2のアラインメント要素(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面に当接して固定される、ステップと、
- 前記連結部材
(1)の前記第2の部分の前記内面に当接させるように、前記ライナ
(2)のうち前記連結部材
(1)内に受容されている前記接合部分を加圧するステップと、
- 前記連結部材
(1)の第2の部分と前記ライナ
(2)の前記接合部分との間に前記機能性接合を形成するように、前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を硬化させるステップと
の連続ステップを含む、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
- 前記アラインメントデバイスを設けるステップ
と、
-
前記第1のアラインメント要素
(6)を前記ホストパイプ
(3)の前記端部に接続しかつ前記第2のアラインメント要素
(7)を前記連結部材
(1)に接続するステッ
プと、
- 前記ホストパイプ
(3)のみを通して、所定の長さの前記ライナ
(2)を設けるステップと、
- 前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を前記接合部分において露出するステップと、
- 前記連結部材
(1)の内部に前記ライナ
(2)の端部を設けるステップと、前記連結部材
(1)上に設けられている前記第2のアラインメント要素
(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面が、前記ホストパイプ
(3)上に設けられている前記第1のアラインメント要素
(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面に当接して設けられるように、前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の方へもたらすステッ
プ、および前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の端部に取り付けるステップ
であって、前記第1のアラインメント要素(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面が、アラインされた位置において前記第2のアラインメント要素(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面に当接して固定される、ステップと、
- 前記連結部材
(1)の前記第2の部分の前記内面に当接させるように、前記ライナ
(2)のうち前記連結部材
(1)内に受容されている前記接合部分を加圧するステップと、
- 前記連結部材
(1)の第2の部分と前記ライナ
(2)の前記接合部分との間に前記機能性接合を形成するように、前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を硬化させるステップと
の連続ステップを含む、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
- 前記アラインメントデバイスを設けるステップ、および前記第1のアラインメント要素
(6)を前記ホストパイプ
(3)の前記端部に接続しかつ前記第2のアラインメント要素
(7)を前記連結部材
(1)に接
続する、ステップと、
- 少なくとも前記ホストパイプ
(3)のみを通して、所定の長さの前記ライナ
(2)を設けるステップと、
- 前記連結部材
(1)の内部に前記ライナ
(2)の端部を設けるステップと、
- 前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を前記接合部分において露出するステップと、
- 前記連結部材
(1)上に設けられている前記第2のアラインメント要素
(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面が、前記ホストパイプ
(3)上に設けられている前記第1のアラインメント要素
(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面に当接して設けられ
て、前記ホストパイプ(3)と前記連結部材(1)とが軸方向にアラインされるように、前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の方へもたらすステッ
プ、および前記連結部材
(1)を前記ホストパイプ
(3)の端部に取り付けるステップ
であって、前記第1のアラインメント要素(6)のプレート(60)またはプレート部分(60-1~60-4)の前記合わせ面が、アラインされた位置において前記第2のアラインメント要素(7)のプレートまたはプレート部分(70)の前記合わせ面に当接して固定される、ステップと、
- 前記連結部材
(1)の前記第2の部分の前記内面に当接させるように、前記ライナ
(2)のうち前記連結部材
(1)内に受容されている前記接合部分を加圧するステップと、
- 前記連結部材
(1)の第2の部分と前記ライナ
(2)の前記接合部分との間に前記機能性接合を形成するように、前記ライナ
(2)の前記硬化性樹脂組成物を硬化するステップと
の連続ステップを含む、請求項1から
17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強化繊維および硬化性樹脂組成物のライナを用いてパイプラインを修復する方法に関する。本発明は、ライナをパイプライン要素に接続するように構成されている連結部材用のアラインメントデバイスを使用する。
【背景技術】
【0002】
強化繊維および硬化性樹脂組成物を含むライナを用いたパイプラインの内面の現場被覆が、損傷したパイプラインの修復において益々用いられている。通常の方法が、樹脂含浸に適したポリエステル、ガラス繊維布、またはいくつかの他の材料で作製されている樹脂含浸複合パイプの形のライナを用意するステップ、管状ライナを反転させるステップ、および/または損傷したホストパイプ内へライナを引き込むステップとを含む。該ライナは、例えば、水圧または空気圧を使用して反転されてもよい。現場硬化パイプ(CIPP: cured in place pipe)とも呼ばれる、比較的ぴったりした、好ましくは継ぎ目のない耐食の交換用パイプを形成することを期待して、例えば温水、紫外線光、常温硬化、または蒸気が、樹脂を硬化させかつライナを凝固させる媒体として、続いて使用されてもよい。
【0003】
CIPPライナが、例えばマンホールまたは掘削により設けられる他の上流アクセス地点から、損傷したホストパイプ内へ設置され得る。そのようなアクセス地点において、ライナを設けられたホストパイプは、ライナを設けられた別のホストパイプに、または最終的に既存のパイプ(区分)に、または例えば弁もしくはポンプなどの他のパイプライン要素に接続される必要がある。
【0004】
ライニングされたホストパイプを別のライニングされたホストパイプに接続するために、ライナは連結部材を設けられる必要がある。これは、通常、鋼フランジをホストパイプの端部に溶接すること、および例えば内側ゴムパッキンを用いて前記鋼フランジとライナとの間に流体密接続を実現することにより実施される。しかし、この手順は時間がかかり、ライナとフランジとホストパイプとの間の接続を確実にするために、熟練作業員により実行される必要がある。さらに、該工程は、該接続が損傷したホストパイプの残存強度に依拠するので理想的でなく、したがって、その長期間の性能は保証され得ない。多くの場合、そのような接続は、実質的に流体密でありかつ機械的強度を有する接続を実現することを含む。
【0005】
米国特許出願公開第2014/333067(A1)号が2つのパイプ端部用の接続部品を開示している。該接続部品は、受容パイプの一方の端部に接続される第1のアラインメント要素と、接続部品に接続されるようになされている第2のアラインメント要素とを含み、第1の要素と第2の要素とは、接続部品が該受容パイプ端部に当接して取り付けられると、当接面をもたらし、受容パイプと接続部品とを軸方向にアラインする。
【0006】
米国特許出願公開第2018/058614(A1)号、米国特許出願公開第2015/174706(A1)号、および米国特許第2452985号が同様のデバイスを開示している。
【0007】
国際公開第2018/139923(A1)号が、連結部品が設けられているライナを用いてパイプラインを修理する方法を開示している。該連結部品はライナを他のパイプライン要素に接続するようになされており、強化繊維、および連結部品の第1の部分内で実質的に完全に硬化させられる樹脂組成物を含む。連結部品は軸方向にアラインされるが、詳細が開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2014/333067(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2018/058614(A1)号
【文献】米国特許出願公開第2015/174706(A1)号
【文献】米国特許第2452985号
【文献】国際公開第2018/139923(A1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
強化繊維および硬化性樹脂組成物のライナを用いてパイプラインを修復するより効果的な確実な方法を提供することが望ましいと考えられる。別の目的が、修復されたパイプラインの長期の可使時間に亘って、ライナとそれに接続されるパイプライン要素との間に確実な実質的に流体密の接続を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によれば、請求項1による方法が提供されている。強化繊維および硬化性樹脂組成物のライナを用いてパイプラインを修復する本方法は、
- ライナをパイプライン要素に接続するように構成されており、かつ強化繊維、および連結部材の第1の部分内で実質的に完全に硬化される樹脂組成物を含む、連結部材を設けるステップと、
- 第1のアラインメント要素および第2のアラインメント要素を含むアラインメントデバイスを設けるステップと、
- 第1のアラインメント要素をホストパイプの端部にかつ第2のアラインメント要素を連結部材に接続して、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられた時に合わせ面をもたらすことにより、ホストパイプと連結部材とを軸方向にアラインすることができるステップと、
- ホストパイプを通して、所定の長さのライナ(a length of liner)を設けるステップと、
- 連結部材を通して、所定の長さのライナを設けるステップと、
- 連結部材上に設けられている第2のアラインメント要素が、ホストパイプ上に設けられている第1のアラインメント要素に当接して設けられるように、連結部材をホストパイプの方へもたらすステップと、
- アラインメント要素を使用して、連結部材をホストパイプの端部に取り付けるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物をライナの接合部分において露出するステップと、
- 連結部材内に受容されている、ライナの接合部分を加圧して、それを連結部材の第2の部分の内面に当接させるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を硬化させて、連結部材の第2の部分とライナ接合部分との間に機能性接合を形成するステップと
を含む。
【0011】
本方法は、ライナを用いてパイプラインを修復する、より効果的な適切な方法を提供する。
【0012】
本発明の方法ステップは、例えば様々な有用な実施形態に従って、任意の異なる順序で実行され得る。
【0013】
一実施形態では、本方法ステップは、
- 連結部材を設けるステップと、
- アラインメントデバイスを設けるステップ、および第1のアラインメント要素をホストパイプの端部にかつ第2のアラインメント要素を連結部材に接続して、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられた時に合わせ面をもたらすことにより、ホストパイプと連結部材とを軸方向にアラインするステップと、
- 連結部材上に設けられている第2のアラインメント要素が、ホストパイプ上に設けられている第1のアラインメント要素に当接して設けられるように、連結部材をホストパイプの方へもたらすステップと、
- アラインメント要素を使用して、連結部材をホストパイプの端部に取り付けるステップと、
- ホストパイプを通してかつ該ホストパイプに取り付けられている連結部材を通して、所定の長さのライナを設けるステップと、
- 連結部材をホストパイプから取り外して、ライナの接合部分へアクセスできるようにするステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を接合部分において露出するステップと、
- アラインメント要素を使用して、連結部材をホストパイプの端部に再度取り付けるステップと、
- 連結部材内に受容されている、ライナの接合部分を加圧して、それを連結部材の第2の部分の内面に当接させるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を硬化させて、連結部材の第2の部分とライナ接合部分との間に機能性接合を形成するステップと
を含む。
【0014】
別の実施形態では、本方法ステップは、
- 連結部材を設けるステップと、
- アラインメントデバイスを設けるステップ、および第1のアラインメント要素をホストパイプの端部にかつ第2のアラインメント要素を連結部材に接続して、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられた時に合わせ面をもたらすことにより、ホストパイプと連結部材とを軸方向にアラインするステップと、
- ホストパイプを通してかつ該ホストパイプにまだ取り付けられていない連結部材を通して、所定の長さのライナを設けるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を接合部分において露出するステップと、
- 連結部材上に設けられている第2のアラインメント要素が、ホストパイプ上に設けられている第1のアラインメント要素に当接して設けられるように、連結部材をホストパイプの方へもたらすステップと、
- アラインメント要素を使用して、連結部材をホストパイプの端部に取り付けるステップと、
- 連結部材内に受容されている、ライナの接合部分を加圧して、それを連結部材の第2の部分の内面に当接させるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を硬化させて、連結部材の第2の部分とライナ接合部分との間に機能性接合を形成するステップと
を含む。
【0015】
さらに別の実施形態では、本方法ステップは、
- 連結部材を設けるステップと、
- アラインメントデバイスを設けるステップ、および第1のアラインメント要素をホストパイプの端部にかつ第2のアラインメント要素を連結部材に接続して、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられた時に合わせ面をもたらすことにより、ホストパイプと連結部材とを軸方向にアラインするステップと、
- ホストパイプのみを通して、所定の長さのライナを設けるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を接合部分において露出するステップと、
- 連結部材の内部にライナの端部を設けるステップ、および連結部材上に設けられている第2のアラインメント要素が、ホストパイプ上に設けられている第1のアラインメント要素に当接して設けられるように、連結部材をホストパイプの方へもたらすステップと、
- アラインメント要素を使用して、連結部材をホストパイプの端部に取り付けるステップと、
- 連結部材内に受容されている、ライナの接合部分を加圧して、それを連結部材の第2の部分の内面に当接させるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を硬化させて、連結部材の第2の部分とライナ接合部分との間に機能性接合を形成するステップと
を含む。
【0016】
さらに別の実施形態では、本方法ステップは、
- 連結部材を設けるステップと、
- アラインメントデバイスを設けるステップ、および第1のアラインメント要素をホストパイプの端部にかつ第2のアラインメント要素を連結部材に接続して、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられた時に合わせ面をもたらすことにより、ホストパイプと連結部材とを軸方向にアラインするステップと、
- ホストパイプのみを通して、所定の長さのライナを設けるステップと、
- 連結部材の内部にライナの端部を設けるステップと、連結部材上に設けられている第2のアラインメント要素が、ホストパイプ上に設けられている第1のアラインメント要素に当接して設けられるように、連結部材をホストパイプの方へもたらすステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を接合部分において露出するステップと、
- アラインメント要素を使用して、連結部材をホストパイプの端部に取り付けるステップと、
- 連結部材内に受容されている、ライナの接合部分を加圧して、それを連結部材の第2の部分の内面に当接させるステップと、
- ライナの硬化性樹脂組成物を硬化させて、連結部材の第2の部分とライナ接合部分との間に機能性接合を形成するステップと
を含む。
【0017】
パイプ修復に使用される通常のライナが、強化繊維および硬化性樹脂組成物と、例えば樹脂組成物が光硬化性(紫外線硬化性)である実施形態において、とりわけ早期硬化を防止し得る保護ホイルとを含む。そのような実施形態において接合部分内でライナの硬化性樹脂組成物を露出するステップが、少なくとも接合部分内でライナから保護ホイルを除去するステップを含む。
【0018】
本発明は、強化繊維および硬化性樹脂組成物のライナを用いてパイプラインを修復する方法に関する。修復されるパイプライン区分は、それを修復するのに使用されるライナを受け入れるので、当業者にホストパイプとして知られている。ホストパイプは、パイプ部分、流体密でないパイプ部分、その残存強度が十分でなくかつしたがって予防的に修復される必要があるパイプ部分、パイプラインシステム内の側枝用のコネクタ、弁、T字形部品等の、しかしそれらに限定されない、任意のタイプのパイプライン構成要素、またはそれらの組合せであってもよい。
【0019】
本発明の方法において使用される連結部材はライナ端部に接続するようになされており、次いで前記ライナを他のパイプライン構成要素に接続する。パイプライン構成要素が、既に修復されたホストパイプのライナ、中間パイプ区分、まだ修復される必要がないパイプ区分、パイプラインシステム内の側枝用のコネクタ、弁、T字形部品、閉止フランジ等の、しかしそれらに限定されない、構成要素であってもよい。中間パイプ区分の場合、この区分の別の側が別のライナ区分に接続し得るが、改修を必要としない、具合が良いパイプ区分にも接続し得る。
【0020】
本発明の実施形態によれば、第1のアラインメント要素がプレートまたはプレート部分を含み、それに接続されると、その合わせ面が、ホストパイプの中心軸と非ゼロ鋭角の平面内に、好ましくはホストパイプの中心軸に対して実質的に垂直な平面内に、ホストパイプの端部の外面から延在する方法が提供される。
【0021】
本発明の別の実施形態が、第1のアラインメント要素がホストパイプの端部に取外し可能に取り付けられる方法に関する。
【0022】
本発明のさらに別の実施形態が、第1のアラインメント要素をホストパイプの端部に接続するステップが、アライニングツール補助具(aligning tool aid)を使用して、該第1のアラインメント要素とホストパイプの端部とを軸方向にアラインするステップを含む方法を提供する。
【0023】
さらに別の実施形態による方法では、第2のアラインメント要素はプレートまたはプレート部分を含み、それに接続されると、その合わせ面が、連結部材の中心軸と非ゼロ鋭角の平面内に、好ましくは連結部材の中心軸に対して実質的に垂直な平面内に、連結部材端部の外面から延在する方法が提供される。
【0024】
別の実施形態が、第2のアラインメント要素が連結部材端部に取外し可能に取り付けられる方法を提供する。
【0025】
本発明のさらに別の実施形態が、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられ、かつ第1のアラインメント要素と第2のアラインメント要素とが接続されて、合わせ面をもたらすことにより、ホストパイプの端部と連結部材とを軸方向にアラインする方法により実現される。
【0026】
本方法は、原理上、目的に適した任意の連結部材を使用することにより実施され得る。好適な実施形態による方法が、連結部材の第2の部分はドライ強化繊維を含むこと、連結部材をホストパイプの方へもたらすステップおよび/または連結部材内に受容されている、ライナの接合部分を加圧して、それを連結部材の第2の部分の内面に当接させるステップにおいて、ライナの硬化性樹脂組成物は該第2の部分の該ドライ強化繊維により受け入れられることを特徴とする。
【0027】
別の有用な実施形態が、第1のアラインメント要素と第2のアラインメント要素とを含むアラインメントデバイスを設けるステップの前に、連結部材の第2の部分が硬化性樹脂組成物を与えられる方法を含む。該連結部材は適所で(現場で)硬化させられてもよく、最後の1つが硬化させられると、含浸ライナとの接合をもたらし得る。実際、連結部材は、少なくとも2つの部分:連結部材に形状をもたらす第1の固体(硬化)部分と、例えばライナとの機械的接合を容易にする、連結部材の内面に設けられている第2の部分と、を有する。好ましくは現場で、連結部材と共にライナを硬化した後、両方の間に強い接合が得られる。これにより、統合連結部材を設けられているライナが生み出される。
【0028】
形状が制限されないが、本発明の連結部材の適切な例が、連結器、フランジ、エルボ、T字型部分等を含む。本発明の実施形態が、パイプラインシステムの別の構成要素に連結するためのフランジを含む連結部材を提供する。
【0029】
本発明によれば、第1の熱硬化性樹脂組成物は実質的に完全に硬化させられる。実質的に完全に硬化した第1の熱硬化性樹脂組成物は、第1の熱硬化性樹脂組成物の供給業者により推奨される硬化サイクルに従って、または同様の結果をもたらす硬化サイクルに従って、得られ得る。後硬化が適用可能である可能性がある。
【0030】
「実質的な」または「実質的に」という表現は、本願の文脈において、示されている特性の少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは示されている特性の少なくとも95%を意味する。
【0031】
連結部材の全体積に対する連結部材の第1の部分および第2の部分の体積百分率は広範囲内で選択され得る。例えば、連結部材の第2の部分は連結部材の90体積%程度を含むことが可能である。複合連結部材の好適な実施形態では、連結部材の第2の部分は、連結部材の最大60体積%、より好ましくは連結部材の最大50体積%、さらにより好ましくは連結部材の最大40体積%、さらにより好ましくは連結部材の最大30体積%、さらにより好ましくは連結部材の最大20体積%、最も好ましくは連結部材の最大10体積%を含む。連結部材の第1の部分は残りの体積を占めることが好ましい。他の実施形態では、連結部材の第2の部分は、連結部材の少なくとも5体積%、より好ましくは連結部材の少なくとも10体積%を含む。
【0032】
本発明による複合連結部材の実施形態では、第1の部分は要素に亘って連続的であり、要素に寸法安定性をもたらし、第2の部分(単数または複数)を支持する。連続的な第1の部分が、要素に亘って不断に延在する第1の部分を意味する。しかし、そのような第1の部分は、ラインが第1の部分内で要素の一方の端部から要素の反対側端部まで不断に伸びている限り、穴部等を局所的に含む可能性がある。
【0033】
本実施形態における連結部材の硬化した第1の部分は要素に形状安定性をもたらし、その結果、それは、実質的に未硬化樹脂組成物を与えられているドライ第2の部分(複数または単数)を有していても、輸送され、取り扱われることが可能である。
【0034】
特に有用な実施形態が、周方向本体を含む連結部材により実現され、その外周シェルが第1の部分を形成し、内周シェルが第2の部分を形成し、逆もまた同様である。本発明のそのような実施形態は、厚さを有する複合要素を提供し、第2の部分は前記厚さの部分を覆って延在する。本実施形態は、要素の一方の側面に結合可能な表面を、要素の反対側面に固体の実質的に完全に硬化された表面を提供する。
【0035】
本発明による連結部材の熱硬化性樹脂組成物は、利用可能な熱硬化性樹脂組成物の広範囲内で選択され得る。本発明の実施形態では、熱硬化性樹脂組成物が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、フェノール、ポリウレタン、もしくはビスマレイミド樹脂/硬化剤混合物、または熱硬化性ウレタン系の2成分系などのそれらの組合せを含む連結部材が設けられている。エポキシ樹脂および/または不飽和ポリエステル樹脂/硬化剤混合物が特に好適である。紫外線硬化性樹脂組成物が好適である。この点において、連結部材の第2の部分が紫外線抵抗性ホイルにより覆われ、ホイルが除去される本方法の実施形態が、特に好適である。
【0036】
連結要素の第2の部分の硬化性樹脂組成物がライナの硬化性樹脂組成物の組成物と実質的に同様の組成物を含むか、またはライナの硬化性樹脂組成物を含む本方法の実施形態を実現することが有利である。
【0037】
本発明の方法は、ライナが紫外線硬化性樹脂組成物と紫外線抵抗性被覆層とを含み、該被覆層は、好ましくは樹脂組成物を硬化させるステップの前に、より好ましくは連結部材を通して所定の長さのライナを設ける前に、ライナの接合部分において除去される実施形態に従って、特に有利である。該紫外線抵抗性被覆層は、本実施形態では、例えば周囲光の影響下で紫外線硬化性樹脂組成物を時期尚早に硬化することから保護される必要がある。被覆層は、さらに、ホストパイプおよび連結部材を通してライナを設けながらライナを損傷から保護することにおいて役立ち得る。連結部材をライナに接着によりまたは化学的に接続するために、被覆層は除去される必要がある。
【0038】
本発明は、連結部材をホストパイプから除去する場合、アラインメント損失(alignment loss)を防止する。ライナ接合部分が連結部材の内側にある場合、被覆層の除去が非常に困難である。接合部分が連結部材の内側に配置されるように、被覆を除去した後にライナを移動させることが不可能であることが多い。したがって、連結部材がアラインメントを失うことなく何度も取り付けられ、取り外されることが可能であるアラインメントおよびクランプシステムを有することが望ましい。このようにして、被覆の除去が、ナイフまたは他の切断用具を使用することにより、都合よく実施される可能性があり、連結部材は、その後、接合部分へ移動させられることが可能である。本発明、および樹脂組成物を硬化させるステップの前に、より好ましくは所定の長さのライナを連結部材に設けるステップの前に、被覆層が除去される本実施形態は、本問題に対する解決策を提供する。
【0039】
前段で既に言及されているように、連結部材の紫外線硬化性樹脂含浸第2の部分を保護するために設けられる随意の紫外線抵抗性ホイルが、連結部材をライナに接着によりまたは化学的に接続するために、やはり除去される必要があることが留意されるべきである。
【0040】
本発明による複合連結部材は、本発明よりも他の方法によってそれに結合される、金属インサート、発泡体もしくはハニカムコア、熱可塑性フィルムもしくは熱硬化性フィルムなどの他の構成要素、またはそのような連結部材の一体的部分として組み込まれ得る任意の他の材料を含み得る。
【0041】
ホストパイプを通してかつ連結部材を通して所定の長さのライナを設けることが、いくつかの方法により実施され得る。実施形態による好適な方法が、ライナを引き込むことにより、ホストパイプを通してかつ連結部材を通して、所定の長さのライナを設ける。しかし、また、本発明は、ホストパイプを通してかつ連結部材を通して所定の長さのライナを設けることがライナを反転させることにより実施される方法などの、他の(それほど好適でない)方法も使用し得る。後者の実施形態では、ホストパイプを通してかつ連結部材を通して所定の長さのライナを設けるステップは、連結部材上に設けられている第2のアラインメント要素がホストパイプ上に設けられる第1のアラインメント要素に当接して設けられる(固定される)ように連結部材をホストパイプの方へもたらすステップの後に実施されることが好ましい。
【0042】
連結部材がホストパイプの端部に直接アラインされ、固定される方法が想像され得る。しかし、連結部材が大きく重い可能性がありかつそれらを取り扱うためにリフト機を必要とする可能性があることを考えると、そのような方法はむしろ困難である。第1の要素が最初にホストパイプにアラインされ、固定されるので、本発明はこの問題に対する解決策を提供する。次いで、重い連結部材は、追加のアラインメントを必要とすることなく、ホストパイプに取り付けられることが可能である。
【0043】
その一方の端部にまたは代替案として両端部もしくはさらにより多い端部にライナおよび連結部材を設けられているホストパイプが、別のホストパイプのライナ上に設けられている別の連結部材に接続されることを必要とする状況において、ホストパイプの外側に露出されている硬化したライナの一部および関連する連結部材が除去される実施形態が特に好適である。
【0044】
関連する実施形態が、次いで、連結部材を中間パイプ区分に連結するステップ、および言及されている中間パイプ区分の他方の端部を、別のホストパイプのライナ上に設けられている別の連結部材に連結するステップをさらに含む方法を提供する。接続の任意の適切な手段が使用され得るが、実施形態による好都合な方法が、連結する該ステップが連結部材のフランジ部分をその他の連結部材のフランジ部分にボルトで留めるステップを含むことを特徴とする。
【0045】
また、本発明は、ライナ端部をパイプライン要素に接続するように構成されている、連結部材用のアラインメントデバイスに関する。該デバイスは本発明の方法において使用されることが有利であり、ホストパイプの端部に接続されるように構成されている第1のアラインメント要素と、連結部材に接続されるように構成されている第2のアラインメント要素とを含む。第1の要素と第2の要素とは、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられると、合わせ面をもたらし、ホストパイプと連結部材とを軸方向にアラインする。
【0046】
本発明の好適な実施形態が、第1のアラインメント要素がプレートまたはプレート部分を含み、それに接続されると、合わせ面が、ホストパイプの中心軸と非ゼロ鋭角の平面内に、ホストパイプの端部の外面から延在するデバイスを提供する。
【0047】
実施形態による別の好適なデバイスが、プレートまたはプレート部分の合わせ面がホストパイプの中心軸に対して実質的に垂直に延在することを特徴とする。
【0048】
有用な実施形態が、第1のアラインメント要素がそれをホストパイプの端部に取外し可能に取り付けるための手段を含むデバイスを提供する。
【0049】
本発明の他の有用な実施形態が、第1のアラインメント要素がパイプライン要素端部に取り付けられた後にそのアラインメントを調節するための手段を第1のアラインメント要素が含むデバイスに関し、より好ましくは、第1のアラインメント要素がパイプライン要素端部に取り付けられた後にそのアラインメントを調節するための手段は、そのプレートまたはプレート部分上に作用する、ねじ山の付いたロッドおよびナットを含む。
【0050】
本発明のさらに別の好適な実施形態が、第2のアラインメント要素がプレートまたはプレート部分を含み、それに接続されると、その合わせ面が、連結部材の中心軸と非ゼロ鋭角の平面内に、連結部材の外面から延在するデバイスを提供する。
【0051】
別の実施形態が、プレートまたはプレート部分の合わせ面が連結部材の中心軸に対して実質的に垂直に延在するデバイスに関する。
【0052】
有用な実施形態が、第2のアラインメント要素を連結部材端部に取外し可能に取り付けるための手段を第2のアラインメント要素が含むデバイスを提供する。
【0053】
連結部材に掛けられる力が、連結部材およびホストパイプを通してライナを設ける間、相当である可能性がある。好適な実施形態が、この点において、連結部材がホストパイプの端部に当接して設けられた時にホストパイプの端部と連結部材とを軸方向にアラインするために、それらの合わせ面用の接続手段を第1のアラインメント要素および第2のアラインメント要素が含むデバイスを提供している。
【0054】
本特許出願において説明されている本発明の実施形態は、これらの実施形態の任意の可能な組合せで組み合わせられてもよく、各実施形態は分割特許出願の主題を個々に形成し得る。
【0055】
ここで、本発明は、添付の図を参照して、しかしそれに限定されることなく、例としてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本発明の実施形態による連結部材の概略斜視図である。
【
図2】ライナを有する接合組立体内の
図1の連結部材の概略断面図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態によるいくつかの方法ステップの概略図である。
【
図3A】本発明による本方法において使用される第1のアラインメント要素の実施形態の概略正面図である。
【
図3B】本発明による本方法において使用される第1のアラインメント要素の実施形態の概略正面図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態によるいくつかの方法ステップの概略図である。
【
図4A】本発明による本方法において使用されるアライニングツール補助具の実施形態の概略正面図である。
【
図5】本発明の実施形態によるアラインされた連結部材の概略側面図である。
【
図5A】
図5の実施形態において示されているアラインされた連結部材の詳細側面図を概略的に与える図である。
【
図6】本発明による実施形態によるいくつかの方法ステップの概略図である。
【
図7】本発明による実施形態によるいくつかの方法ステップの概略図である。
【
図8】本発明による実施形態によるいくつかの方法ステップの概略図である。
【
図9】本発明による実施形態によるいくつかの方法ステップの概略図である。
【
図10A】本発明のいくつかの実施形態によるアラインメントデバイスの概略図である。
【
図10B】本発明のいくつかの実施形態によるアラインメントデバイスの概略図である。
【
図11A】本発明の実施形態による、ホストパイプと連結要素と接続パイプとの間に存在し得る構造の概略図である。
【
図11B】本発明の実施形態による、ホストパイプと連結要素と接続パイプとの間に存在し得る構造の概略図である。
【
図11C】本発明の実施形態による、ホストパイプと連結要素と接続パイプとの間に存在し得る構造を概略図である。
【
図12A】本発明によるアラインメントデバイスの実施形態の概略図である。
【
図12B】本発明によるアラインメントデバイスの実施形態の概略図である。
【
図12C】本発明によるアラインメントデバイスの実施形態の概略図である。
【
図12D】本発明によるアラインメントデバイスの実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1を参照すると、本発明の実施形態による連結部材1の斜視図が示されている。該連結部材1は、強化繊維および樹脂組成物、例えばガラス繊維強化不飽和ポリエステル、を含む複合材料で作製されており、強化繊維および実質的に完全に硬化された樹脂組成物の第1の部分11を含む。連結部材1の第2の部分12が、結合可能な表面を形成するドライ強化繊維を含む。この第2の部分12は、それ自体では連結部材1内で樹脂組成物を実質的に含まない、すなわち製造されたままである可能性がある。連結部材1は、外周シェルが第1の部分11を形成しかつ内周シェルが第2の部分12を形成する周方向体を含む。連結部材1の両周方向シェルは、周方向14に、連結部材1の実質的に完全な外周13の全体に亘って延在している。第2の部分12の内面121がライナ2の外面21(
図2)に接触するために利用可能である。第1の部分11および第2の部分12の表面の間の連結部材1の界面層15が第1の部分11と第2の部分12とを構造的に接続している。この界面層15は、例えば、硬化前に第1の部分11に由来する樹脂により形成されることが可能であり、ドライ強化繊維の第2の部分12を部分的に含浸させる。
【0058】
図2は、損傷したホストパイプ(部分)を修復するためのライナ2との接続状態にある連結部材1を示す。ライナ2は、通常、強化繊維と樹脂組成物との複合品、例えば不飽和ポリエステル樹脂を含浸させたフェルト、を含む。ライナの外面21が連結部材1の内面121と接触させられている。要素1の第2の部分12は、未硬化のまたは部分的に硬化したライナ2に随意に由来する硬化性樹脂組成物を受け入れて、連結部材1とライナ2の少なくとも一部との間に機能性接合を形成することができる。また、この目的のために、別個の硬化性樹脂組成物を有する第2の部分12を設けることが可能である。代替的実施形態では、連結部材1の第2の部分12は、連結部材1が本発明の方法において実際に使用される前に、例えばホストパイプ3を通してかつ連結部材1を通して所定の長さのライナ2を設け、ライナの接合部分をホストパイプ3の外に露出する前に、硬化性樹脂組成物を与えられる。連結部材1の第2の部分12に実質的に未硬化の樹脂組成物を与えることが、現場で実施されてもよいが、現場から離れて実施されることが好ましい。
【0059】
本発明は、それ自体既知の紫外線硬化性樹脂組成物系のライナ2を用いてパイプラインを修復するために特に有用である。そのような場合、ライナ2は、ライナ2の外面21上へ設けられる追加の紫外線抵抗性被覆層22を設けられる。
図2に示されている通り、該被覆層22は、ライナ2の接合部分23の長さに少なくとも沿って、ライナ2の外面21から除去される必要があり、その接合部分23は連結要素1の第2の部分12に結合されるように構成されている。
【0060】
ライナ2の接合部分23内でのライナ2と連結部材1との間の問題ない結合を実現するために、連結部材1の第2の部分12に、ライナの硬化性樹脂組成物の組成物に適合性のある、より好ましくは実質的に同様の、最も好ましくは同一の、硬化性樹脂組成物を与えることが有利である可能性がある。そのような実施形態では、
図1に概略的に示されているように、連結部材1の第2の部分12の少なくとも外面121が紫外線抵抗性ホイル16で覆われてもよい。便宜上、また、ホイル16は連結部材1の第1の部分11の外面111を少なくとも部分的に覆ってもよい。
図2から明らかであるように、また、ホイル16は、ライナ2に結合することができるように、ライナ2を有する接合部分23の長さに少なくとも沿って、連結部材1の外面121から除去される必要がある。
【0061】
連結部材1は、(損傷した)ホストパイプを修復する方法において使用されることが有利である。ライナ2を用いてホストパイプ3を修復する本発明の方法ステップは、
図3~
図4を参照して、以下に説明される。
【0062】
第1のステップが、通常、ホストパイプ3へのアクセスを可能にする底部に1つまたは複数の穴4を掘削することを含む。修復されるホストパイプ3は、次いで、該ホストパイプ3の1つまたは2つの端部で切り取られる。第1のステップでは、
図4に示されている通り、アライニングツール補助具5がホストパイプ3内へもたらされる。該アライニングツール補助具5は、拡張機構51が接続される中心シャフト50を含む。該機構51がホストパイプ3の内側に固定され得るように、該機構51は、回動ノブ53によりホストパイプの径方向30に移動させられることが可能である剪断部材52を含む。固定状態位置では、
図4に示されている通り、機構51の一部が端面を越えてかつホストパイプ3から外に延在している。
図4Aの前面図に示されている通り、中心シャフト50がホストパイプ3の軸方向31に平行でありかつ実際にホストパイプ3の中心軸と一致するように、ホストパイプ3の内部でアライニングツール補助具5の固定状態位置にある部材52はホストパイプ3の内面を押す。
【0063】
図3に概略的に示されている通り、アライニングツール補助具5は、ここで、第1のアラインメント要素6をホストパイプ3の端部に接続するのに使用される。図示の実施形態における該第1のアラインメント要素6は、ホストパイプ3の中心軸31に対して実質的に垂直な(またはホストパイプ3の径方向30に平行な)平面32内にホストパイプ3端部の外面から延在しているプレート60を含む。
図3Aの前面図に示されている通り、プレート60はホストパイプ3の完全な周囲領域を覆う。プレート60は分割線61により2つの部分において分割可能であってもよい。第1のアラインメント要素6の別の実施形態がいくつかの周方向にアラインされたプレート部分60-1から60-4までを含む。本実施形態は、異なる直径を有するホストパイプ3に合わせることを可能にする。
【0064】
第1のアラインメント要素6は、アライニングツールとしての機能も果たすいくつかのクランプ62により、ホストパイプ3の端部の外面に取外し可能に取り付けられる。第1のアラインメント要素6、および詳細にはプレート60(またはプレート部分60-1、…、60-4)をアライニングツール補助具5にY接続することにより、第1のアラインメント要素6とホストパイプ3とは軸方向にアラインされる。
【0065】
図5Aに最もよく示されている通り、第2のアラインメント要素7が連結部材1の端部に取外し可能に取り付けられている。該第2のアラインメント要素7は、連結部材1の中心軸17に対して実質的に垂直な平面19内に、連結部材1の径方向18に、連結部材1端部の外面111から延在している前方プレート70(またはあるいはいくつかのプレート部分)を含む。該前方プレート70は、ロッド73により、連結部材1の端フランジ10の周りにクランプ締めされ得るクランプフランジ(71、72)の組立体に堅く取り付けられている。連結部材1は紫外線抵抗性ホイル16を設けられて、連結部材1の第2の部分12内に与えられた可能性がある紫外線硬化性樹脂組成物の早期硬化を防止する。
【0066】
図5に示されている実施形態では、連結部材1は、次いで、連結部材1上に設けられている第2のアラインメント要素7が、ホストパイプ3上に設けられている第1のアラインメント要素6に当接して設けられるように、ホストパイプ3の方へもたらされる。連結部材1がホストパイプ3端部に当接して設けられると、プレート60および70の合わせ面が互いに接触しかつ例えばボルト留めにより互いに当接して固定されるので、ホストパイプ3と連結部材1とは、ここで、軸方向にアラインされる。
【0067】
図6に示されている通り、ライナ2が次いで設けられ、連結部材1およびホストパイプ3を通して方向24に引っ張られる。連結部材1は、本工程において、アライニングされかつホストパイプ3の第1のアラインメント要素6に当接して固定される必要がない。
図7に示されている通り、連結部材1がホストパイプ3に固定されずに、連結部材1およびホストパイプ3を通してライナ2を引っ張ることが可能である可能性がある。
【0068】
図8に示されている通り、また、連結部材1を通してかつホストパイプ3を通して、方向24にライナ2を引っ張ることが可能である可能性があり、例えばライナからホイル16および/または紫外線抵抗性被覆層22を除去することができるように、次いで、ホストパイプ3の端部から連結部材1を緩め、格納する。
【0069】
通してライナを引っ張った後、ライナ2の接合部分23が連結部材1内に受容される。
【0070】
ライナ2から被覆層22を除去するために、連結部材1はホストパイプ3端部から一時的に格納されて、ライナ2の接合部分23をホストパイプ3の外に露出する。被覆層22は、次いで、例えば切断用具により、少なくとも接合部分23において除去され得る。本方法ステップは
図8に示されている。
【0071】
図9を参照すると、連結部材1は、次いで、ホストパイプ3端部上へ固定されている第1のアラインメント要素6の方へ再度移動させられ、第1のアラインメント要素6に接続される。本方法ステップでは、随意の紫外線抵抗性ホイル16がやはり除去され得る。
【0072】
図9に示されている通り、ライナ2の外面21と連結部材1の内面121との間の良好な接触が達成されるように、ライナ2は、次いで、内側から適切な加圧手段40を用いて加圧される。ライナ2の樹脂組成物、および随意に連結部材1の第2の部分12の樹脂組成物は、次いで、連結部材1と共に硬化されて、両方の間に強い接合を形成する。湯、紫外線、常温硬化、または蒸気が、ライナ2および連結部材1の樹脂組成物に依存して硬化を実施するのに使用され得る。
【0073】
本発明の場合において、紫外線硬化が特に好適である。
【0074】
硬化されると、連結部材1を、使用している別のホストパイプ3上に設けられている別の連結部材および中間パイプ区分に連結することを可能にするために、ホストパイプ3の外に露出された硬化したライナ2の一部および関連する連結部材1が除去され得る。
【0075】
連結部材1の端面フランジ部分10は、別のパイプライン要素、例えば別のホストパイプ3上に設けられている別の連結部材1に接続するのに使用される中間パイプ区分、への接続のために使用され得る。該連結は、連結部材1のフランジ部分10を中間パイプ区分のフランジ部分にボルトで留めることを含む。第1のアラインメント要素6および第2のアラインメント要素7は、次いで、ホストパイプ3端部および連結部材1それぞれから除去されることが好ましい。
【0076】
図10Aおよび
図10Bを参照すると、連結部材1上に設けられている第2のアラインメント要素7に関して、2つの実施形態が示されている。
図10Aに示されている実施形態は、ロッド73により裏当てフランジ71に接続されている端プレート70を含む。クランプフランジ72がねじ山部材74上にねじで留められてもよく、ナット75により、連結部材1の端フランジ10に当接して固定され得る。フランジ(71、72)は、連結部材1の端フランジ10の周りでクランプ締めを実現し、第2のアラインメント要素7を連結部材1にしっかりと固定する。
【0077】
図10Bに示されている実施形態は、ロッド73によりねじ山部材74に接続されている端プレート70を含む。該ねじ山部材74は、連結部材1の端フランジ10の穴部76内に設けられている。ナット75がねじ山部材74上へねじで留められ、間にワッシャ77を用いて、連結部材1の端フランジ10に当接して固定される。また、本構造は連結部材1と第2のアラインメント要素7との確実な接続を実現する。
【0078】
図11Aを参照すると、2つのホストパイプ(3-1および3-2)が実質的に水平に、すなわち地表面100におよそ平行に延在している。連結部材1-1および1-2がホストパイプ3-1および3-2の端部に設けられており、それらの中心軸が前記ホストパイプ3-1および3-2の中心軸と実質的に同軸に伸びるように、前述のアラインメントデバイス(6、7)(明確にするために図に示されていない)によりアラインされている。ライナ(明確にするために図に示されていない)はホストパイプ(3-1および3-2)の内側に設けられており、実質的に硬化されて、連結部材(1-1および1-2)との機能性接合を形成する。中間パイプ区分3-3が、2つのライナをホストパイプ(3-1および3-2)の内側で接続するのに使用される。フランジ部材1-3-1および1-3-2が中間パイプ区分3-3の両端部に設けられており、それらの中心軸が前記中間パイプ区分3-3の中心軸と実質的に同軸に伸びるようにアラインされる。該端フランジ部材1-3-1および1-3-2は、中間パイプ区分3-3と一体的に形成されてもよいか、または別個の部材として適用され得る。パイプ区分3-3は、次いで、下向きに(矢印101)もたらされ、それをホストパイプ3-1と3-2との間にもたらされ、アラインされた端フランジ部材の端フランジと連結部材1とを互いに接続する。
【0079】
図11Cを参照すると、2つのホストパイプ(3-1および3-2)が実質的に水平に延在せず、実際、それらの中心軸は地表面100と非ゼロ鋭角(102、103)で延在している。連結部材1-1および1-2がホストパイプ3-1および3-2の端部に設けられており、それらの中心軸が前記ホストパイプ3-1および3-2の中心軸と実質的に同軸に伸びるように、前述のアラインメントデバイス(6、7)(明確にするために図に示されていない)によりアラインされている。中間パイプ区分3-3の両端部に設けられている端フランジ部材1-3-1および1-3-2は、それらの中心軸が前記中間パイプ区分3-3の中心軸と実質的に同軸に伸びるようにアラインされる。端フランジ部材の端フランジと連結部材1とが互いにアラインされないので、中間パイプ区分3-3をこの構造内に設置することはむしろ困難である。設置しかつ防水接続を得ることが困難であるので、
図11Cに示されている構造はそれほど最適でない。
【0080】
図11Bに示されている本方法はこの問題のための解決策をもたらす。
図11Bを参照すると、2つのホストパイプ(3-1および3-2)が、実質的に水平に延在せず、実際、それらの中心軸は地表面100と非ゼロ鋭角(102、103)で伸びている。第1のアラインメント要素または第2のアラインメント要素の1つが、ホストパイプ3-1および3-2の中心軸と非ゼロ鋭角下の平面内に延在する合わせ面をもたらすように、本実施形態では、連結部材1-1および1-2がホストパイプ3-1および3-2の端部に設けられる。本実施形態におけるアラインメントデバイス(6、7)は、連結要素(1-1および1-2)の中心軸が前記ホストパイプ3-1および3-2の中心軸と実質的に同軸に延在しないことを可能にする。本方法では、連結部材(1-1および1-2)の端フランジ10は地表面100に対して実質的に垂直にアラインされてもよく、その結果、それは、中間パイプ区分3-3上に設けられている端フランジ部材1-3-1および1-3-2の端フランジと接続され得る。これにより、中間パイプ区分3-3が容易に設置されることが可能になる。
【0081】
図12Aでは、第1のアラインメント要素6がどのようにしてホストパイプ上へ固定され得るかが概略的に示されている。アライニングツール補助具5がこれを達成するのに使用されてもよく、それにより、中心シャフト50がホストパイプ3の軸方向31に平行でありかつ実際ホストパイプ3の中心軸と一致するように、アライニングツール補助具5は、ホストパイプ3の内面に当接して、ホストパイプ3の内部に配置される。
図12Dにも示されている通り、本実施形態における第1のアラインメント要素6は、ホストパイプの中心軸31に対して実質的に垂直である可能性がある平面32内にホストパイプ3端部の外面から延在するプレート60を含む。第1のアラインメント要素は、ストラップ64を用いてホストパイプ3にしっかりと取り付けられているブロック63(例えば3つ以上)を含む複数のクランプ62をさらに含んでいてもよい。各ブロック63は、軸方向31におよそ平行に外向きに延在するねじロッド65を設けられている。プレート60(またはプレート60-1、60-2、…、60-4)が、ねじロッド65を用いてプレート60にあるアライニング穴部によりブロック63に固定され、該プレートをナット66を用いてねじロッド65上へ固定する。
【0082】
図12Bの状況を参照すると、ホストパイプ3は水平アラインメントから逸脱するように示されている。したがって、プレート60とそれに取り付けられる連結部品フランジ面とが、ホストパイプ3と同軸の代わりに、垂直面内にアラインされるようにアラインメントを調節することが好ましいくつかの状況が存在する。これは、プレート60をねじロッド65上へクランプ締めするナット66を調節することにより達成され得る。
【0083】
図12Cを参照すると、第2のアラインメント要素7はプレート60上へ固定される。図示の通り、連結部品1は実質的に中心に置かれるが、ここで、そのフランジ面10は実質的に垂直な平面内に延在する。
【0084】
いくつかの実施形態の上記説明は本発明を制限すると見なされるべきでなく、その範囲は添付の特許請求の範囲の表現により定められる。
【符号の説明】
【0085】
1 連結部材、要素、連結要素、連結部品
1-1、1-2 連結部材、連結要素
1-3-1、1-3-2 フランジ部材、端フランジ部材
2 ライナ
3、3-1、3-2 ホストパイプ
3-3 中間パイプ区分
4 穴
5 アライニングツール補助具
6 第1のアラインメント要素、アラインメントデバイス
7 第2のアラインメント要素、アラインメントデバイス
10 (連結部材1の)端部フランジ、端面フランジ部分、端フランジ、フランジ面
11 第1の部分
12 (連結部材1の)第2の部分
13 (実質的に完全な)外周
14 周方向
15 (連結部材1の)界面層
16 紫外線抵抗性ホイル
17 (連結部材1の)中心軸
18 (連結部材1の)径方向
19、32 平面
21 (ライナ2の)外面
22 追加の紫外線抵抗性被覆層
23 (ライナ2の)接合部分
24 方向
30 (ホストパイプ3の)径方向
31 (ホストパイプ3の)軸方向、中心軸
40 加圧手段
50 中心シャフト
51 拡張機構
52 剪断部材
53 回動ノブ
60 プレート
60-1、60-2、60-3、60-4 プレート部分、プレート
61 分割線
62 クランプ
63 ブロック
64 ストラップ
65 ねじロッド
66、75 ナット
70 前方プレート、端プレート
71 クランプフランジ、裏当てフランジ
72 クランプフランジ
73 ロッド
74 ねじ山部材
76 (連結部材1の端フランジ10の)穴部
77 ワッシャ
100 地表面
101 矢印
102、103 非ゼロ鋭角
111 (連結部材1端部の)外面
121 (第2の部分12の)内面