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特許7491923シールドされた一体型デバイスパッケージ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】シールドされた一体型デバイスパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/00 20060101AFI20240521BHJP
   H01L 25/00 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
H01L23/00 C
H01L25/00 B
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2021532070
(86)(22)【出願日】2019-12-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2019064770
(87)【国際公開番号】W WO2020118102
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】62/776,340
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520490417
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム・ヴェンカタドリ
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ダウニー
(72)【発明者】
【氏名】サントシュ・アニル・クダルカル
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-536313(JP,A)
【文献】特表2009-532676(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0307766(US,A1)
【文献】特開2012-124466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0112150(US,A1)
【文献】特開2002-116261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/00
H01L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体型デバイスパッケージを含むセンサアセンブリであって、
前記一体型デバイスパッケージは、
パッケージ基板であって、複数の接触パッドを前記パッケージ基板の第1の側に有し、前記複数の接触パッドは、前記センサアセンブリに電気的に接続するように構成されている、パッケージ基板と、
前記パッケージ基板の第2の側に第1の接着剤によって装着された放射線シールドであって、前記第1の側は前記第2の側とは反対側である、放射線シールドと、
前記放射線シールドに第2の接着剤によって装着された一体型デバイスダイであって、前記一体型デバイスダイの高感度能動領域内に高感度能動電子回路を備え、センサ基板から前記一体型デバイスダイに前記接触パッドを介して送信された信号を処理するように構成され、前記処理された信号を外部デバイスに前記接触パッドを介して送信するように構成された、一体型デバイスダイと、
前記一体型デバイスダイおよび前記放射線シールドの上の成形コンパウンドと、を備え
前記センサアセンブリはさらに、
前記一体型デバイスパッケージの上に配置され、前記センサアセンブリの構成要素から熱を運ぶように構成された、熱拡散体と、
前記センサ基板に取り付けられたコネクタであって、前記コネクタは、前記一体型デバイスパッケージから前記センサ基板に沿って横方向にオフセットされ、前記センサ基板から前記熱拡散体に向かう方向に外側に延在する、コネクタと、を備え、
前記センサアセンブリの動作時に、処理された前記信号が前記一体型デバイスダイと前記外部デバイスとの間で、前記一体型デバイスダイから前記複数の接触パッドを介して、前記センサ基板へ、及び前記センサ基板から前記外部デバイスへ、前記センサ基板に取り付けられた前記コネクタを介して延在する電気経路に沿って、貫通成型ビア(Through-mold via,TMV)に沿って伝送されることなく伝送され、
前記熱拡散体は、前記熱拡散体の側面部分に沿って凹部を備え、前記コネクタは前記熱拡散体の凹部に沿って延在する、センサアセンブリ
【請求項2】
前記パッケージ基板から前記成形コンパウンドを通って前記成形コンパウンドの外側表面まで、電気コネクタが延在しない、請求項1に記載のセンサアセンブリ
【請求項3】
前記放射線シールドの横方向専有領域が、前記一体型デバイスダイの前記高感度能動領域の横方向専有領域よりも大きい、請求項1に記載のセンサアセンブリ
【請求項4】
前記放射線シールドの横方向専有領域は、前記一体型デバイスダイの横方向専有領域よりも大きい、請求項1に記載のセンサアセンブリ
【請求項5】
前記放射線シールドの横方向専有領域は、前記一体型デバイスダイの横方向専有領域よりも小さい、請求項1に記載のセンサアセンブリ
【請求項6】
前記放射線シールドは、タングステンを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項7】
前記放射線シールドは、9g/cm~22g/cmの範囲内の密度を有する金属を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項8】
前記放射線シールドは、0.4mm~1.2mmの範囲内の厚さを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項9】
前記一体型デバイスダイは、前記パッケージ基板に1つ以上のボンディングワイヤによって接続されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項10】
前記一体型デバイスダイに第3の接着剤によって取り付けられたスペーサをさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項11】
前記スペーサに第4の接着剤によって取り付けられた要素をさらに備える、請求項10に記載のセンサアセンブリ
【請求項12】
前記要素は、前記スペーサよりも幅が狭い、請求項11に記載のセンサアセンブリ
【請求項13】
前記要素は、第2の一体型デバイスダイを含む、請求項11および12のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項14】
前記要素は、前記一体型デバイスダイの反対側の前記スペーサに取り付けられた第2の放射線シールドを含み、前記放射線シールドは、前記一体型デバイスダイの第1の側を電磁放射線からシールドするように位置付けられ、前記第2の放射線シールドは、前記一体型デバイスダイの第2の側を電磁放射線からシールドするように位置付けられ、前記第1の側は前記第2の側とは反対側である、請求項11および12のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項15】
前記一体型デバイスダイの上に取り付け構造をさらに備え、前記取り付け構造は、フィルムを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項16】
前記取り付け構造に取り付けられた要素をさらに備える、請求項15に記載のセンサアセンブリ
【請求項17】
前記フィルムは、流動可能状態と硬化状態とを有する、請求項15および16のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項18】
前記フィルムは、ポリマーを含む、請求項15~17のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項19】
前記パッケージ基板は、導電性ルーティングトレースを有する絶縁基板を備え、前記導電性ルーティングトレースは、前記複数の接触パッドを前記パッケージ基板の前記第2の側の対応するボンドパッドと電気的に接続する、請求項1~18のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項20】
一体型デバイスパッケージを備えるセンサアセンブリであって、
前記一体型デバイスパッケージは、
導電性ルーティングトレースを有する絶縁基板を備えるパッケージ基板であって、複数の接触パッドを前記パッケージ基板の第1の側に有し、前記複数の接触パッドは、前記センサアセンブリに電気的に接続するように構成された、パッケージ基板と、
前記パッケージ基板の第2の側に第1の接着剤によって装着された放射線シールドであって、前記第1の側は前記第2の側とは反対側である、放射線シールドと、
前記放射線シールドに第2の接着剤によって装着された一体型デバイスダイであって、前記一体型デバイスダイの高感度能動領域内に高感度能動電子回路を備え、センサ基板から前記一体型デバイスダイに前記接触パッドを介して送信された信号を処理するように構成され、前記処理された信号を外部デバイスに前記接触パッドを介して送信するように構成された、一体型デバイスダイと、を備え
前記センサアセンブリはさらに、
前記一体型デバイスパッケージの上に配置され、前記センサアセンブリの構成要素から熱を運ぶように構成された、熱拡散体と、
前記センサ基板に取り付けられたコネクタであって、前記コネクタは、前記一体型デバイスパッケージから前記センサ基板に沿って横方向にオフセットされ、前記センサ基板から前記熱拡散体に向かう方向に外側に延在する、コネクタと、を備え、
前記センサアセンブリは、前記一体型デバイスダイと前記外部デバイスとの間で伝送される全ての処理された信号が、前記一体型デバイスダイから前記複数の接触パッドを介して、前記センサ基板へ、及び前記センサ基板から前記外部デバイスへ、前記センサ基板に取り付けられた前記コネクタを介して延在する電気経路に沿って伝送されるように構成され、
前記熱拡散体は、前記熱拡散体の側面部分に沿って凹部を備え、前記コネクタは前記熱拡散体の凹部に沿って延在する、センサアセンブリ
【請求項21】
前記一体型デバイスダイおよび前記放射線シールドの上に成形コンパウンドをさらに備える、請求項20に記載のセンサアセンブリ
【請求項22】
前記パッケージ基板に取り付けられて、前記一体型デバイスダイおよび前記放射線シールドがその中に配置される空洞を画定するパッケージ蓋をさらに備える、請求項20に記載のセンサアセンブリ
【請求項23】
前記一体型デバイスダイに取り付けられた要素をさらに備える、請求項20~22のいずれか1項に記載のセンサアセンブリ
【請求項24】
前記要素は、第2の放射線シールドを含む、請求項23に記載のセンサアセンブリ
【請求項25】
前記要素は、第2の一体型デバイスダイを含む、請求項23に記載のセンサアセンブリ
【請求項26】
前記要素は、スペーサを含み、前記一体型デバイスパッケージは、前記スペーサに取り付けられた第2の一体型デバイスダイをさらに備える、請求項23に記載のセンサアセンブリ
【請求項27】
センサモジュールであって、
一体型デバイスダイおよび放射線シールドを備える一体型デバイスパッケージと、
センサ基板、および前記センサ基板の前側に取り付けられたセンサダイを備えるセンサアセンブリと、
前記センサ基板の裏側にある電気コネクタであって、外部デバイスに電気的に接続するように構成され、前記一体型デバイスパッケージは、前記センサ基板を通して前記電気コネクタに電気的に接続されている、電気コネクタと、を備えるセンサモジュール。
【請求項28】
前記一体型デバイスパッケージは、第1の側と、前記第1の側とは反対側の第2の側とを有するパッケージ基板を備え、前記一体型デバイスダイおよび放射線シールドは、前記パッケージ基板の前記第2の側に配置され、前記パッケージ基板の前記第1の側にある接触パッドが、前記センサ基板の裏側にある接触パッドに物理的かつ電気的に接続されている、請求項27に記載のセンサモジュール。
【請求項29】
前記放射線シールドは、前記パッケージ基板の前記第2の側に第1の接着剤によって装着され、前記一体型デバイスダイは、前記放射線シールドに第2の接着剤によって装着されている、請求項28に記載のセンサモジュール。
【請求項30】
前記一体型デバイスダイは、前記パッケージ基板にボンディングワイヤによってワイヤボンディングされている、請求項28に記載のセンサモジュール。
【請求項31】
前記一体型デバイスダイは、前記パッケージ基板の前記第1の側にフリップチップ接続によって取り付けられ、前記放射線シールドは、前記一体型デバイスダイに接着剤によって装着されている、請求項28に記載のセンサモジュール。
【請求項32】
前記一体型デバイスダイおよび前記放射線シールドの上に成形コンパウンドをさらに備える、請求項27~31のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項33】
前記パッケージ基板に取り付けられて、前記一体型デバイスダイおよび前記放射線シールドがその中に配置される空洞を画定するパッケージ蓋をさらに備える、請求項28に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年12月6日に出願された米国仮特許出願第62/776,340号の優先権を主張し、その全内容が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野は、シールドされた一体型デバイスパッケージに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
さまざまなタイプの一体型デバイスパッケージにおいて、一体型デバイスダイに衝突する電磁放射線(例えば、X線)が、一体型デバイスダイの回路を損傷し得る。例えば、X線撮像またはコンピュータ断層撮影(CT)撮像などのいくつかの医療撮像用途では、放射線がダイに衝突することがあり、ダイの性能を損なったり、または別様に低下させたりし得る。したがって、衝突した電磁放射線による一体型デバイスダイへの損傷を低減または防止する必要性が引き続き存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態では、一体型デバイスパッケージが開示される。一体型デバイスパッケージは、パッケージ基板であって、複数の接触パッドをパッケージ基板の第1の側に有し、複数の接触パッドは、センサアセンブリに電気的に接続するように構成されている、パッケージ基板を含むことができる。一体型デバイスパッケージは、パッケージ基板の第2の側に第1の接着剤によって装着された放射線シールドであって、第1の側は第2の側とは反対側である、放射線シールドを含むことができる。一体型デバイスパッケージは、放射線シールドに第2の接着剤によって装着された一体型デバイスダイを含むことができる。一体型デバイスダイは、一体型デバイスダイの高感度能動領域内に高感度能動電子回路を含むことができ、一体型デバイスダイは、センサアセンブリから一体型デバイスダイに接触パッドを介して送信された信号を処理するように構成され、一体型デバイスダイは、処理された信号を外部デバイスに接触パッドを介して送信するように構成されている。成形コンパウンドを、一体型デバイスダイおよび放射線シールドの上に設けることができる。
【0005】
別の実施形態では、一体型デバイスパッケージが開示される。一体型デバイスパッケージは、導電性ルーティングトレースを有する絶縁基板を備えるパッケージ基板であって、複数の接触パッドをパッケージ基板の第1の側に有し、複数の接触パッドは、センサアセンブリに電気的に接続するように構成されている、パッケージ基板を含むことができる。一体型デバイスパッケージは、パッケージ基板の第2の側に第1の接着剤によって装着された放射線シールドであって、第1の側は第2の側とは反対側である、放射線シールドを含むことができる。一体型デバイスパッケージは、放射線シールドに第2の接着剤によって装着された一体型デバイスダイであって、一体型デバイスダイの高感度能動領域内に高感度能動電子回路を備え、センサアセンブリから一体型デバイスダイに接触パッドを介して送信された信号を処理するように構成され、処理された信号を外部デバイスに接触パッドを介して送信するように構成された、一体型デバイスダイを含むことができる。
【0006】
別の実施形態では、センサモジュールが開示される。センサモジュールは、一体型デバイスダイと放射線シールドとを備える一体型デバイスパッケージを含むことができる。センサモジュールは、センサ基板と、センサ基板の前側に取り付けられたセンサダイとを備えるセンサアセンブリを含むことができる。センサモジュールは、センサ基板の裏側にある電気コネクタであって、外部デバイスに電気的に接続するように構成され、一体型デバイスパッケージは、センサ基板を通して電気コネクタに電気的に接続されている、電気コネクタを含むことができる。
【0007】
別の実施形態では、一体型デバイスパッケージが開示される。一体型デバイスパッケージは、パッケージ基板と、一体型デバイスダイであって、パッケージ基板と一体型デバイスダイとの間に複数のはんだボールを備えるフリップチップ接続によってパッケージ基板に取り付けられた一体型デバイスダイとを含むことができる。一体型デバイスパッケージは、一体型デバイスダイに接着剤によって装着された放射線シールドを含むことができる。
【0008】
ここで、本開示の実施形態を、非限定的な例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】1つの実施形態によるセンサモジュールの概略側断面図である。
図1B】さまざまな実施形態によるセンサモジュールの概略斜視図である。
図2】さまざまな実施形態による一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
図3】さまざまな実施形態によるセンサモジュールの概略側断面図である。
図4】さまざまな実施形態による一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
図5図1Aに示されたパッケージに類似の、例示的な一体型デバイスパッケージを示す顕微鏡写真である。
図6】別の実施形態による一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
図7】パッケージ基板に取り付けられて空洞パッケージを画定するパッケージ蓋を備える一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
図8】別の実施形態による、空洞パッケージを備える一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
図9】一体型デバイスダイの上に放射線シールドを有する空洞パッケージを備える一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
図10】2つの一体型デバイスダイ間に配置された放射線シールドを有する空洞パッケージを備える一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に開示されるさまざまな実施形態は、デジタルX線撮像システム、コンピュータ断層撮影(CT)撮像システム、超音波撮像システム、または任意の他の好適な撮像システムなどの撮像システムで使用するように構成されたセンサモジュールに関する。例えば、本明細書に開示されるシールドデバイスおよび技術は、有害な電磁放射線が、放射線感受性能動処理回路を有する集積回路ダイなどの一体型デバイスダイに到達して損傷させることを防止またはブロックするように構成することができる。本明細書に開示されるシールドのためのさまざまな実施形態は、大気放射線および双方向シールドのための航空宇宙用途など、放射線損傷を受けやすい他の用途でも使用することができる。
【0011】
図1Aは、1つの実施形態によるセンサモジュール1の概略側断面図である。センサモジュール1は、センサアセンブリ3と、センサアセンブリ3に取り付けられた一体型デバイスパッケージ2とを備えることができる。X線源または任意の他の好適な電磁放射線源などの照明源6を設けることができ、電磁放射線をセンサアセンブリ3の前側15に向けることができる。さまざまな実施形態において、本明細書には示されていないが、(ヒト患者、または任意の他の好適な対象物体などの)物体を、照明源6とセンサアセンブリ3との間に提供することができる。センサアセンブリおよびそのために設けられる構成部品に関する追加の詳細は、米国特許第8,829,454号、第9,116,022号、および第10,340,302号の全体を通して見出すことができ、それらの各々の全内容が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
センサアセンブリ3は、センサ基板4と、センサ基板4の前側に取り付けられた1つ以上のセンサダイ5とを含むことができる。センサ基板4は、積層基板、プリント回路ボード(PCB)基板、半導体インターポーザ、埋め込みトレースを有するポリマーを含む可撓性基板、または任意の他の好適な基板など、導電性ルーティングトレース(例えば、少なくとも部分的に埋め込まれたトレース)を有する非導電性または絶縁性のベース基板を有する任意の好適なタイプの基板を含むことができる。導電性ルーティングトレースは、さまざまな実施形態において、信号を基板4を通して横方向および垂直方向に伝送することができる。センサダイ5は、電磁放射線を電流に変換する複数の感光素子を有するフォトダイオードアレイ(PDA)を備えることができる。図示されていないが、フィルタまたはシンチレータなどの放射線変更体を、センサアセンブリ3の前側15の上に設けることができる。したがって、センサダイ5は、PDAに衝突した光を電気信号に変換することができ、電気信号は、センサ基板4内の導電性トレースに伝達され得る。いくつかの実施形態では、センサダイ5は、ハンダバンプ、異方性導電性フィルム(ACF)、導電性エポキシなどの導電性接着剤によって、センサ基板4に電気的に接続することができる。
【0013】
一体型デバイスパッケージ2を、センサアセンブリ3の裏側16に、例えば、センサ基板4の裏側または裏面に取り付けることができる。図示の実施形態では、パッケージ2は、導電性接着剤によって、例えば、センサ基板4の接触パッド(図示せず)とパッケージ基板7の接触パッド31との間に電気通信を提供するための複数のはんだボール14を介して、センサ基板4に電気的かつ機械的に接続された第1の側または下面を有するパッケージ基板7を含むことができる。さらに、パッケージ2は、センサダイ5の対応する横方向専有領域よりも小さい横方向専有領域を有することができる。有利には、パッケージ2の比較的小さな横方向専有領域により、複数のダイパッケージをセンサモジュール1の裏側に設けることが可能になり得る。
【0014】
電磁放射線(例えば、X線)の少なくとも一部分は、センサアセンブリ3およびパッケージ基板7を通過することができ、放射線が電子部品の能動回路または高感度回路に衝突すると、パッケージ2の電子部品を損傷させ得る。したがって、本明細書に開示されるさまざまな実施形態は、電磁放射線(例えば、X線)がパッケージ2のさまざまな電子部品に衝突するのを防ぐために選択される電磁シールド8を提供する。パッケージ基板7は、積層基板、プリント回路ボード(PCB)基板、半導体インターポーザ、埋め込みトレースを有するポリマーを含む可撓性基板、または任意の他の好適な基板などの、導電性ルーティングトレース36(例えば、少なくとも部分的に埋め込まれたトレース)を有する非導電性または絶縁性のベース基板を有する基板を含むことができる。導電性ルーティングトレース36は、さまざまな実施形態において、信号をパッケージ基板7を通して横方向および垂直方向に伝送することができる。例えば、パッケージ基板7のトレース36は、パッケージ基板7の第1の側にある接触パッド31を、パッケージ基板7の第2の側にある対応するボンドパッド35と電気的に接続することができる。
【0015】
シールド8は、パッケージ基板7の第2の側または上面に接着剤9によって取り付けることができる。接着剤9は、任意の好適なタイプの接着剤、例えば、非導電性(例えば、非熱伝導性かつ/または非導電性)または導電性の接着剤またはエポキシを含むことができる。一体型デバイスダイ10を、接着剤9と同じあっても異なってもよい接着剤11によって、シールド8の上面に取り付けることができる。一体型デバイスダイ10のボンドパッドは、1つ以上のボンディングワイヤ12によって、パッケージ基板7の上面の対応する接触パッドに電気的に接続することができる。成形コンパウンド13を、一体型デバイスダイ10、ボンディングワイヤ12、シールド8、およびパッケージ基板7の露出部分の上に設けて、これらの構成部品をパッケージ2内に封入することができる。
【0016】
一体型デバイスダイ10は、センサダイ5によって変換され、センサ基板4、はんだボール14、パッケージ基板7内の導電性トレース、およびボンディングワイヤ12によってダイ10に伝送された電気信号(例えば、アナログ信号)を処理するように構成された能動処理回路を備えることができる。一体型デバイスダイ10は、これらの信号を、例えば、信号フィルタリング、アナログ-デジタル変換などを含む、任意の好適な方法で処理することができる。一体型デバイスダイ10によって処理された信号は、パッケージ10からより大きな電子システムに伝送されて、ディスプレイ上にレンダリングされるか、または撮像された物体を分析するために別様にさらに処理され得る。
【0017】
電磁シールド8は、損傷を与える放射線(例えば、X線)が一体型デバイス10の能動回路に衝突するのを効果的に防ぐようにサイズ決定され、かつそのように選択された材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド8は、一体型デバイスダイ10よりも幅広くすることができ、例えば、図1Aの実施形態に示すように、シールド8の横方向専有領域は、ダイ10の対応する横方向専有領域よりも幅広くすることができ、したがって、ダイ10は照明源6に対してシールド8の影の中にある。他の実施形態では、ダイ10の幅は、シールド8の幅と同じであってもよいし、またはそれよりも大きくてもよい(図5を参照)。そのような実施形態では、ダイ10の能動回路は、シールド8の影の中に配置され得、したがって、ダイ10の部分はシールド8の専有領域の外側にあるとしても、高感度回路または能動回路はシールド8の横方向専有領域の内側に配置されている。
【0018】
シールド8は、損傷を与える放射線(例えば、X線)が、ダイ10の能動回路に衝突することから効果的にブロックまたは十分に制限することができる任意の好適なタイプのシールドを含むことができる。シールド8は、センサモジュール1に衝突するX線放射線の少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%をブロックするように構成された材料および形状を含むことができる。シールド8は、センサモジュール1に衝突するX線放射線の75%~100%または90%~100%をブロックするように構成された材料および形状を含むことができる。例えば、シールド8は、9g/cmを超える、10g/cmを超える、または15g/cmを超える密度を有する金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールドは、9g/cm~22g/cmの範囲内の密度を有する金属を含むことができる。さまざまな実施形態において、シールド8は、タングステン、鉛、またはモリブデンを含むことができる。シールド8の厚さは、シールド8の材料組成に基づいて好適に選択することができる。例えば、別のシールドよりも高い割合の高密度金属(例えば、タングステン)を有するシールドは、より低い割合の高密度金属から形成される他のシールドよりも薄く作製され得る。さまざまな実施形態において、シールド8の厚さは、ダイ10に適切なシールドを提供するために、少なくとも0.4mm、または少なくとも0.5mmとすることができる。例えば、シールド8の厚さは、0.4mm~3mmの範囲内、0.4mm~2mmの範囲内、0.4mm~1.2mmの範囲内、0.4mm~1mmの範囲内、0.45mm~1mmの範囲内、0.5mm~1mmの範囲内、0.45mm~0.8mmの範囲内、0.5mm~0.8mmの範囲内、0.45mm~0.65mmの範囲内、または0.7mm~0.9mmの範囲内とすることができる。
【0019】
パッケージ2の他の構成部品の高さまたは厚さは、任意の好適な値とすることができる。さまざまな実施形態において、成形コンパウンドの高さは、1mm~1.25mmの範囲内(例えば、1つの実施形態では、約1.140mm)とすることができる。ボンディングワイヤ12の厚さは、15μm~40μmの範囲内(例えば、さまざまな実施形態において、約25.4μm、または約20μm)とすることができる。一体型デバイスダイ10の厚さは、80μm~120μmの範囲内または90μm~110μmの範囲内(例えば、さまざまな実施形態において、約101.6μm)であり得る。接着剤9、11のそれぞれの厚さは、20μm~30μmの範囲内(例えば、いくつかの実施形態では、約25.4μm)とすることができる。基板7の厚さは、300μm~400μmの範囲内(例えば、いくつかの実施形態では、約360μm)とすることができる。はんだボール14の高さは、200μm~300μmの範囲内(例えば、いくつかの実施形態では、約240μm)とすることができる。上記で提供された高さおよび厚さは、単なる例であり、任意の好適な高さまたは厚さが、特定のパッケージング構成に好適であり得ることを理解されたい。
【0020】
図1Bは、さまざまな実施形態によるセンサモジュール1の概略斜視図である。別段の注記がない限り、図1Bの構成部品は、図1Aの同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。例えば、センサモジュール1は、センサ基板4を備えることができる。図1Bでは、複数の(例えば、2つの)センサダイ5をセンサ基板4に取り付けることができる。任意の好適な数のセンサダイ5をセンサ基板4に取り付けることができる(例えば、1つのセンサダイ5のみがセンサ基板4上にあるか、または2つ以上のセンサダイ5が基板4上に取り付けられる)。図1Bの実施形態では、1つ以上の一体型デバイスパッケージ2を、センサ基板4の裏側に、例えば、はんだボールまたは他の導電性接着剤によって取り付けることができる。2つのパッケージ2は、図1BではBGAパッケージの形態で示されているが、任意の好適な数のパッケージ2をセンサ基板4に取り付けてもよいことを理解されたい。パッケージ(複数可)2は、本明細書に開示されるパッケージ2のいずれかを含むことができる。本明細書に説明されるように、パッケージ(複数可)2は、入射放射線がパッケージ(複数可)2内の一体型デバイスダイ(複数可)を損傷するのを防ぐための放射線シールド(図1Aの放射線シールド8など)を備えることができる。
【0021】
熱拡散体またはヒートシンク40をパッケージ2の上に設けて、パッケージ2およびセンサモジュール1の他の発熱部品から熱を遠くに伝達することができる。ヒートシンク40は、ヒートシンク40の側面部分43に沿って凹部42を含むことができる。図1Bの実施形態では、電気コネクタ44を、センサ基板4の裏側に取り付け、電気的に接続することができる。コネクタ44は、センサ基板4からヒートシンク40の凹部42を通って外側に延在する。図示の実施形態では、コネクタ44は、センサ基板4の裏側に、パッケージ(複数可)2から横方向にオフセットして取り付けられている。コネクタ44は、外部デバイスまたはシステムに電気的に接続するように構成することができる。例えば、コネクタ44は、外部デバイスまたはシステムとの間で信号を送受信するためのケーブルまたは他の電気インターフェースに、例えば、手で、ツールなしに、容易に接続することができる。有利には、コネクタ44は、一体型デバイスパッケージ(複数可)2との間で信号を送信および/または受信することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ44は、追加的または代替的に、センサダイ(複数可)5との間で信号を送信および/または受信することができる。センサ基板4に取り付けられた別個のコネクタ44を利用することで、パッケージ(複数可)2の上またはその内の成形貫通ビア(TMV)または他のコネクタの使用を回避することができる。したがって、コネクタ44は、外部デバイスまたはシステムと一体型デバイスパッケージ(複数可)2(およびセンサダイ5)との間の電気通信のための共通電気入/出力(I/O)インターフェースを提供することができる。有利には、ユーザは、異なる長さおよび/またはタイプのケーブルを差し込んで、外部デバイス、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)システムなどのより大きなシステム内の電子機器に接続することができる。モジュールは、照明(例えば、X線)源の焦点にあるように異なる角度で取り付けることができる。コネクタ44は、システムのアセンブリを改善することができる。
【0022】
したがって、図1Bにおいて、一体型デバイスダイ10は、センサアセンブリ3から一体型デバイスダイ10に、パッケージ基板7の第1の側の接触パッド31を介して送信された信号を処理するように構成することができる。一体型デバイスダイ10は、処理された信号を外部デバイスに、シールド8が取り付けられた第2の側とは反対側にある第1の側の接触パッド31を介して送信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、パッケージ基板7から成形コンパウンド13を通って成形コンパウンド13の外側表面に延在する電気コネクタはなく(例えば、TMVなし)、その代わりに、センサ基板4を通してそのような接続を行うことができる。
【0023】
図2は、別の実施形態による一体型デバイスパッケージ2の概略側断面図である。別段の注記がない限り、図2の構成部品は、図1Aおよび図1Bの同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。例えば、図1Aの実施形態と同様に、図2のパッケージ2は、パッケージ基板7に接着剤9によって取り付けられたシールド8を備えることができる。一体型デバイスダイ10は、シールド8に接着剤11によって取り付けることができる。しかしながら、図1Aの実施形態とは異なり、図2の実施形態では、スペーサ18を含む要素を一体型デバイスダイ10に接着剤17を用いて接着することができる。要素20を、スペーサ18に接着剤19を用いて取り付けることができる。図示の実施形態では、要素20は、センサアセンブリによって変換され、ボンディングワイヤ21を介して要素20に伝送された追加の信号を処理するように構成された第2の一体型デバイスダイを含むことができる。図示の実施形態では、要素20は、一体型デバイスダイ10の幅または横方向専有領域未満の幅または横方向専有領域を有することができる。さらに、要素20は、スペーサ18の幅または横方向専有領域未満の幅または横方向専有領域を有することができる。
【0024】
しかしながら、他の実施形態では、要素20は、シールド8と概ね同様に機能し得る第2の電磁放射線シールドを備えることができる。そのような実施形態では、ボンディングワイヤ21は省略されてもよい。シールド8と同様に、要素20が第2のシールドを含むとき、要素20は、一体型デバイスダイ10内の(またはスペーサ18が集積回路ダイを含む場合には、スペーサ18内の)能動回路よりも幅広くすることができ、したがって、能動回路(ダイ10内またはペーサ18内にかかわらず)は、シールド要素20の影の中にある。有利には、要素20を放射線シールドとして使用することで、一体型デバイスダイ10(またはスペーサ18)を、損傷を与える電磁放射線から保護するように、双方向シールド能力を提供することができる。
【0025】
スペーサ18は、要素20をダイ10の上で垂直方向に離間させ、かつダイ20に接着剤を用いて接着される任意の好適なタイプの構成部品を含むことができる。スペーサ18は、ボンディングワイヤ21の上方ループを、ワイヤ21の下方のボンディングワイヤ12の上方ループの上にあるように垂直方向に離間させて、ワイヤ21がワイヤ12に接触して、短絡させること、またはその逆を防ぐことができる。いくつかの実施形態では、スペーサ18は、パターン化された能動回路がない半導体材料(例えば、シリコン)のダミーブロックなどの、無機基板を含むことができる。他の実施形態では、スペーサ18は、パッケージ2に対して追加の処理能力を提供するための能動回路を含むことができる。スペーサ18は、任意の好適な厚さを有することができる。さまざまな実施形態において、スペーサ18の厚さは、100μm~200μmの範囲内(例えば、いくつかの実施形態では、約152.4μm)とすることができる。
【0026】
図3は、さまざまな実施形態によるセンサモジュール1の概略側断面図である。図1Aと同様に、センサモジュール1は、センサアセンブリ3と、センサモジュール3に取り付けられた一体型デバイスパッケージ2とを含むことができる。別段の注記がない限り、図3の構成部品は、図1A図2の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。例えば、図3のパッケージ2は、図2のパッケージ2と概ね同様であり得る。図2と同様に、図3では、スペーサ18は一体型デバイスダイ10に接着剤17を用いて装着され、要素20はスペーサ18に接着剤19を用いて装着されている。しかしながら、図2の実施形態とは異なり、要素20はスペーサ18よりも幅広い。上で説明したように、要素20の幅は、一体型デバイスダイ10よりも広く、同じ、または狭くすることできる。図示の実施形態では、要素20は、第2の一体型デバイスダイを含む。上で説明したように、他の実施形態では、要素20は、第2の放射線シールドを含むことができる。さらに、図3に示されるように、パッケージ2は、シールド8に隣接するそれぞれの接着剤を用いてパッケージ基板7に取り付けられた受動デバイス22a、22b(例えば、コンデンサ、インダクタ、抵抗器など)を備えることができる。図3では、受動デバイス22a、22bは、例えば、受動デバイス22a、22bが衝突する電磁放射線に対して高感度を示し得ない構成においては、シールドされなくてもよい。
【0027】
図4は、さまざまな実施形態による一体型デバイスパッケージ2の概略側断面図である。別段の注記がない限り、図4の構成部品は、図1A図3の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。例えば、図1A図3と同様に、シールド8は、パッケージ基板7に接着剤9によって装着することができる。一体型デバイスダイ10は、シールド8に接着剤11によって装着することができる。しかしながら、図1A図3とは異なり、図4では、要素20を、一体型デバイスダイ10の上に、介在取り付け構造23によって取り付けることができる。上で説明したように、要素20は、図示の実施形態では第2の一体型デバイスダイを含むことができる。他の実施形態では、要素20は、第2の放射線シールドを含むことができる。取り付け構造23は、フィルム(例えば、ダイ装着フィルムまたは材料)を(いくつかの実施形態では能動表面を備え得る)ダイ10の上面の上に、ならびにボンディングワイヤ12の部分および/またはワイヤ12が接続するダイ10のボンドパッドの上に、堆積、印刷(例えば、スクリーン印刷)、積層、または塗布することができるフィルムオンワイヤ(FOW)構造を含むことができる。他の実施形態では、フィルムを、ペーストまたはエポキシとして展延させることができる。フィルムは、フィルムがダイ10の上に流された後に硬化または硬質化することができる、流動可能状態と硬化状態とを有する材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、フィルムは、無機誘電体またはポリマーを含むことができる。取り付け構造23は、要素20に対して垂直方向に持ち上げられた機械的装着支持体を提供する役割を果たすことができる。要素20が基板7にボンディングワイヤ21によって接続される実施形態では、取り付け構造23は、ボンディングワイヤ21をワイヤ12の上に垂直方向に持ち上げて、短絡を防止することができる。
【0028】
図5は、図1Aに示されたパッケージ2と同様の、例示的な一体型デバイスパッケージ2を示す顕微鏡写真である。別段の注記がない限り、図5の構成部品は、図1A図4の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。図示の例では、シールド8は、ダイ10よりも実質的に厚いタングステンシールドを含む。しかしながら、上で説明したように、シールド8の厚さは、使用される特定のシールドの材料特性および/または予想放射線量に基づいて選択することができる。示されたように、ボンディングワイヤ12の高さEおよび角度Mは、ボンディングワイヤ12が成形コンパウンド13内に適切に埋め込まれ、成形コンパウンド13を通って露出しないように、成形コンパウンド13の上面24の下に適切に離間されるように選択することができる。いくつかの実施形態では、例えば、高さEは、成形コンパウンド13よりも少なくとも40μm短く、または成形コンパウンド13よりも少なくとも50μm短く、例えば、成形コンパウンド13よりも40μm~80μmの範囲内で短く、または成形コンパウンド13よりも50μm~70μmの範囲内で短くすることができる。
【0029】
図示の実施形態では、シールド8の横方向専有領域は、ダイ10の横方向専有領域よりも小さい。ダイ10内の電子回路をシールドするために、シールド8は、能動回路が位置するダイ10の能動領域よりも大きい横方向専有領域を有することができる。いくつかの実施形態では、いくつかの非高感度回路(例えば、受動電子部品、または入射放射線によって変更されたり、損傷を受けたり、もしくは別様に悪影響を受けない能動回路)は、シールド8の横方向専有領域の外側に配置され得るが、高感度能動回路(例えば、入射電磁放射線に対して物理的もしくは電気的に高感度であるか、または入射電磁放射線によって損傷を受ける危険がある回路)は、シールド8の横方向専有領域内の高感度能動領域内に配置され得る。他の実施形態では、上で説明したように、シールド8の横方向専有領域は、ダイ10の横方向専有領域よりも大きくすることができる。
【0030】
図6は、別の実施形態による一体型デバイスパッケージ2の概略側断面図である。別段の注記がない限り、図6の構成部品は、図1A図5の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。図1A図5に示された実施形態とは異なり、図6では、一体型デバイスダイ10は、接着剤によってパッケージ基板7の前側に物理的かつ電気的に接続することができる。図6の実施形態では、例えば、ダイ10は、複数のはんだボール33によるフリップチップ構成で、導電性接着剤を用いてパッケージ基板7に接続することができる。したがって、図6では、ダイ10の接触パッドを、パッケージ基板7に面して配置することができる。いくつかの実施形態では、ダイ10の能動回路を、パッケージ基板7に面して配置することができる。他の実施形態では、能動回路は、パッケージ基板7とは反対を向いたダイ10の側にあり得、貫通ビアを設けて、ダイ10の接触パッドに接続することができる。
【0031】
図6では、シールド8は、ダイ10に、導電性接着剤または非導電性接着剤を含むことができる接着剤32によって取り付けることができる。図示の実施形態では、ダイ10およびシールド8の上に成形コンパウンドが存在しなくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、図1A図5の成形コンパウンド13と同様の成形コンパウンドを、シールド8、ダイ10、およびパッケージ基板7の前側の露出部分の上に設けることができる。他の実施形態では、パッケージ2は、図7図10に関連して以下に説明するように、基板7に取り付けられて空洞パッケージを画定する(ステンレス鋼などの金属を含むことができる)パッケージ蓋を含むことができる。いくつかの実施形態では、パッケージ2は、図1Aに示されたものと同様の方法でセンサアセンブリの上に構成することができる。図1Aに示したように入射放射線が上向きに衝突するそのような実施形態では、図6のダイ10は、シールドされていなくてもよい。しかしながら、他の実施形態では、パッケージ2は、図6に示されたように入射放射線が下向きに衝突するように、(システムボードまたは他の構造などの)取り付け構造に相対的に構成することができる。そのような実施形態では、シールド8は、フリップチップマウントダイ10と放射線源との間に介入して、フリップチップマウントダイ10を損傷を与える放射線から保護し得る。
【0032】
図7は、パッケージ基板7に取り付けられて空洞パッケージを画定するパッケージ蓋50を備える一体型デバイスパッケージ2の概略側断面図である。別段の注記がない限り、図7の構成部品は、図1A図6の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。図1A図5に示された実施形態とは異なり、図7では、パッケージ蓋50を、パッケージ基板7の上面に取り付けて(例えば、接着して)、放射線シールド8および一体型デバイスダイ10が配置される空洞52を画定することができる。図7の実施形態では、放射線シールド8は、接着剤9を使用してパッケージ基板7の上面に取り付けられている。一体型デバイスダイ10は、接着剤11を使用してシールド8の上面に取り付けることができる。ダイ10は、ボンディングワイヤ12を使用して基板7にワイヤボンディングすることができる。いくつかの実施形態では、パッケージ蓋50は、金属材料または金属でコーティングされたプラスチック材料を含み、一体型デバイスダイ10を入射放射線からさらにシールドすることができる。例えば、パッケージ蓋50の厚さは、さまざまなタイプの入射放射線からダイ10を効果的にシールドするように選択することができる。いくつかの実施形態では、蓋50は、電気的に接地することができる。
【0033】
図8は、別の実施形態による、空洞パッケージを備える一体型デバイスパッケージ2の概略側断面図である。別段の注記がない限り、図8の構成部品は、図7の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。図7とは異なり、図8の実施形態では、要素20が、一体型デバイスダイ10の上に接着剤19によって取り付けられ、したがって、ダイ10は、要素20と放射線シールド8との間に配置されている。図2に関連して上で説明したように、いくつかの実施形態では、要素20は、追加の一体型デバイスダイを含むことができる。しかしながら、図示の実施形態では、要素20は、放射線シールド8と同様であり得る追加放射線シールドを含む。したがって、要素20は、一体型デバイスダイ10の上側をシールドするように位置付けることができる。したがって、図8では、ダイ10の下側および上側の両方が入射放射線からシールドされ得る。図示の実施形態では、要素20は、ダイ10の対応する横方向専有領域よりも小さい横方向専有領域を有し得、したがって、要素20を、ボンディングワイヤ12の間に配置することができる。しかしながら、要素20は、下にあるダイ10の高感度回路をカバーしシールドするように、十分に大きな横方向専有領域を有し得る。図8のパッケージ2は、空洞パッケージとして示されているが、他の実施形態では、シールドおよびダイは、成形コンパウンドでオーバーモールドすることができる。したがって、ダイ10を、両方の主要表面からの放射線損傷から保護することができる。
【0034】
図9は、一体型デバイスダイ10の上に放射線シールド8を有する空洞パッケージを備える一体型デバイスパッケージ2の概略側断面図である。別段の注記がない限り、図9の構成部品は、図1A図8の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。しかしながら、図9では、ダイ10は、パッケージ基板7に接着剤11によって取り付けられ、放射線シールド8は、ダイ10の上面の上に接着剤9によって取り付けられている。いくつかの実施形態では、ダイ10は、ダイ10の上面および下面の両方に能動回路を有することができる。そのような構成では、ダイ10は、パッケージ基板7に、はんだボールによってフリップチップ取り付けされ得、その場合、接着剤11は、アンダーフィル材料を含み得る。したがって、放射線シールド8は、ダイ10の上面に衝突する入射放射線からダイ10をシールドするように位置付けることができる。図示の実施形態では、シールド8は、ダイ10の横方向専有領域よりも小さい横方向専有領域を有することができる。示されたように、シールド8は、ボンディングワイヤ12の間に位置付けることができる。基板貫通ビア54を設けて、ダイ10の下面と上面との間の電気通信を提供することもできる。図9のパッケージ2は、空洞パッケージとして示されているが、他の実施形態では、シールドおよびダイを、成形コンパウンドでオーバーモールドすることができる。
【0035】
図10は、2つの一体型デバイスダイの間に配置された放射線シールドを有する空洞パッケージを備える一体型デバイスパッケージの概略側断面図である。別段の注記がない限り、図10の構成部品は、図9の同様の番号の構成部品と同じまたは概ね同様であり得る。図9の実施形態とは異なり、図10では、(ダイ10と機能性において類似し得る)第2の一体型デバイスダイ56が、放射線シールド8の上に接着剤19によって取り付けられ得る。シールド8は、ボンディングワイヤ21がボンディングワイヤ12に接触しないように、第2のダイ56をダイ10の上に位置付けるためのスペーサとして機能することができる。示されていないが、いくつかの実施形態では、第2のダイ56の両面がシールドされ得るように、第2のダイ56の上面の上に追加の放射線シールドを設けることもできる。図10のパッケージ2は、空洞パッケージとして示されているが、他の実施形態では、シールドおよびダイを、成形コンパウンドでオーバーモールドすることができる。
【0036】
本発明は、特定の実施形態に関して説明されているが、本明細書に記載された特徴および利点のすべてを提供しない実施形態を含む当業者に明らかな他の実施形態も、本発明の範囲内である。さらに、上述のさまざまな実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。さらに、1つの実施形態の文脈で示された特定の特徴を、他の実施形態に組み込むこともできる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【符号の説明】
【0037】
1 センサモジュール
2 一体型デバイスパッケージ
3 センサアセンブリ
4 センサ基板
5 センサダイ
6 照明源
7 パッケージ基板
8 電磁シールド
9 接着剤
10 一体型デバイスダイ
11 接着剤
12 ボンディングワイヤ
13 成形コンパウンド
14 はんだボール
15 センサアセンブリの前側
16 センサアセンブリの裏側
17 接着剤
18 スペーサ
19 接着剤
20 要素
21 ボンディングワイヤ
22a、22b 受動デバイス
23 取り付け構造
31 接触パッド
35 ボンドパッド
36 導電性ルーティングトレース
40 ヒートシンク
42 凹部
43 ヒートシンクの側面部分
44 電気コネクタ
50 パッケージ蓋
54 基板貫通ビア
56 第2の一体型デバイスダイ
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10