(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】コネクタ嵌合構造
(51)【国際特許分類】
H01R 13/52 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
H01R13/52 B
(21)【出願番号】P 2022029802
(22)【出願日】2022-02-28
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】小園 誠二
(72)【発明者】
【氏名】津島 義高
(72)【発明者】
【氏名】岡本 征也
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-185292(JP,A)
【文献】特開2014-52713(JP,A)
【文献】特開2002-346065(JP,A)
【文献】特開2016-24952(JP,A)
【文献】米国特許第5603623(US,A)
【文献】特開2005-80490(JP,A)
【文献】中国特許第107302155(CN,B)
【文献】中国実用新案第210430273(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に嵌合して電気的に接続される第1コネクタと第2コネクタとのコネクタ嵌合構造であって、
前記第1コネクタは、
第1接続端子を収容する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに設けられたガイド溝と、を有し、
前記第2コネクタは、
第2接続端子を収容する第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに設けられ、前記ガイド溝に挿入されるガイド突部と、
前記ガイド突部を覆う被覆位置と、前記ガイド突部を覆わない露出位置との間で変位可能に設けられたガイド保護部と、
前記第2ハウジングの前記第2接続端子の収容空間への開口を覆う閉位置と、前記開口を覆わない開位置との間で回動可能に設けられたコネクタカバーと、を有し、
前記ガイド保護部は、前記コネクタカバーとは別体のガイドカバーに設けられており、
前記コネクタカバーの前記閉位置から前記開位置への回動に伴って、前記コネクタカバーに付勢された前記ガイドカバーが回動し、前記ガイド保護部が、前記被覆位置から前記露出位置へ変位する、
コネクタ嵌合構造。
【請求項2】
前記コネクタカバーは、前記第2ハウジングの前記開口を覆うカバー部と、前記カバー部の縁部に設けられたコネクタカバー回動軸と、を有し、
前記ガイドカバーは、
前記コネクタカバーの前記カバー部が当接する被当接部と、
前記被当接部の縁部に設けられ、前記コネクタカバー回動軸と略平行に延びるガイドカバー回動軸と、を有し、
前記ガイド保護部が前記被当接部と一体に設けられ、
前記ガイド保護部が前記被覆位置から前記露出位置へ回動する方向が、前記コネクタカバーが前記閉位置から前記開位置へ回動する方向と略同一方向である、
請求項
1に記載のコネクタ嵌合構造。
【請求項3】
前記コネクタカバーは、前記カバー部の前記縁部と逆側の縁部が、前記ガイドカバーの前記被当接部を摺動することで付勢し、
前記ガイドカバーは、前記被当接部が、第1摺動面と、前記第1摺動面に連続する第2摺動面とを有し、前記第1摺動面は、前記ガイドカバー回動軸に向かって一方向に延び、前記第2摺動面は、前記一方向に対して傾斜して延び、前記ガイド保護部が前記被覆位置にある状態において、前記第2摺動面における前記第1摺動面に接続する第1端部と前記コネクタカバー回動軸との距離は、前記第2摺動面における前記第1端部と逆側の第2端部と前記コネクタカバー回動軸との距離よりも短いか又は同等である、
請求項
2に記載のコネクタ嵌合構造。
【請求項4】
前記第2ハウジングは、互いに対向する第1面及び第2面を有し、
前記ガイド突部は、前記第2ハウジングの前記第1面側において、前記第2面に向けて突出し、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの嵌合方向に沿って延在し、
前記ガイドカバーは、前記第2ハウジングの前記第2面側において、前記ガイドカバー回動軸が支持されている、
請求項
2又は請求項
3に記載のコネクタ嵌合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ嵌合構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に搭載される各種電装品間を電気的に接続するワイヤハーネス(電線)は、コネクタによって接続されている。このようなコネクタを良好に嵌合するため、例えば特許文献1に記載のコネクタガイド機構を適用することが考えられる。
【0003】
このコネクタガイド機構は、プラグ、ソケット、プラグ側ガイド、及びソケット側ガイドを有し、プラグ側ガイド及びソケット側ガイドには、プラグのソケットへの差込時にプラグ及びプラグ側ガイドの先端部を軸周り方向の所定位置に合わせる位置決め部を備える。位置決め部は、プラグ側ガイドの先端部に形成された突起部と、ソケット側ガイドの開口部に、突起部が内部に入り込むように形成された溝とを含む。この構成により、位置決め部によって、プラグ及びプラグ側ガイドの先端部が正規方向に規制されるので、プラグの中心軸方向とソケットの中心軸方向とが傾いた関係にある場合であっても、プラグを良好に挿抜できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたコネクタガイド機構では、プラグ側ガイドの突起部が常時むき出しになっているため、突起部に傷や異物が付き、嵌合に支障が出たり、突起部に付着した異物がソケット内に進入したりする可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、嵌合ガイド用の突部を保護可能なコネクタ嵌合構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明に係るコネクタ嵌合構造は、下記を特徴としている。
相互に嵌合して電気的に接続される第1コネクタと第2コネクタとのコネクタ嵌合構造であって、
前記第1コネクタは、
第1接続端子を収容する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに設けられたガイド溝と、を有し、
前記第2コネクタは、
第2接続端子を収容する第2ハウジングと、
前記第2ハウジングに設けられ、前記ガイド溝に挿入されるガイド突部と、
前記ガイド突部を覆う被覆位置と、前記ガイド突部を覆わない露出位置との間で変位可能に設けられたガイド保護部と、
前記第2ハウジングの前記第2接続端子の収容空間への開口を覆う閉位置と、前記開口を覆わない開位置との間で回動可能に設けられたコネクタカバーと、を有し、
前記ガイド保護部は、前記コネクタカバーとは別体のガイドカバーに設けられており、
前記コネクタカバーの前記閉位置から前記開位置への回動に伴って、前記コネクタカバーに付勢された前記ガイドカバーが回動し、前記ガイド保護部が、前記被覆位置から前記露出位置へ変位する、
コネクタ嵌合構造。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコネクタ嵌合構造によれば、嵌合ガイド用の突部を保護できる。
【0009】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るコネクタ嵌合構造を構成する第2コネクタの一例としてのインレットと、このインレットに嵌合される第1コネクタの一例としてのインレットプラグとを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示したインレットのコネクタカバーを開いた状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示したインレットの分解斜視図である。
【
図4】
図1に示したインレットのコネクタカバーを閉じた状態を示す断面図である。
【
図5】第1実施形態におけるコネクタカバーの変形例を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係るコネクタ嵌合構造を構成する第2コネクタの一例としてのインレットを示す斜視図である。
【
図7】
図6に示したインレットのコネクタカバー及び拾いリブカバーを開いた状態を示す斜視図である。
【
図8】
図6に示したインレットの分解斜視図である。
【
図9】
図6に示したインレットのコネクタカバー及び拾いリブカバーが閉じた状態を示す断面図である。
【
図10】
図6に示したインレットのコネクタカバーが回動して拾いリブカバーに接触した状態を示す断面図である。
【
図11】
図6に示したインレットのコネクタカバーの回動に伴って拾いリブカバーが回動した状態を示す断面図である。
【
図12】
図6に示したインレットのコネクタカバー及び拾いリブカバーが開いた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るコネクタ嵌合構造を構成する第2コネクタの一例としてのインレット1と、このインレット1に嵌合される第1コネクタの一例としてのインレットプラグ5とを示す斜視図である。
図2は、
図1に示したインレット1のコネクタカバー41を開いた状態を示す斜視図である。
図3は、
図1に示したインレット1の分解斜視図である。
【0013】
図1から
図3に示すように、インレット1は、接続端子(第2接続端子)を収容するハウジング20と、ハウジング20を収容保持するアウターケース51と、拾いリブ19と、拾いリブカバー部45aと一体に設けられたコネクタカバー41と、を備える。アウターケース51は第2ハウジングの一例である。拾いリブ19はガイド突部の一例である。拾いリブカバー部45aはガイド保護部の一例である。拾いリブ19は、アウターケース51に設けられ、ガイド溝の一例としての嵌合ガイド溝85に挿入される。拾いリブ19は、嵌合ガイド溝85の溝側面に対向する両側面の先端側に複数の凹部が形成される。嵌合ガイド溝85は、インレットプラグ5のプラグハウジング80に設けられる。拾いリブカバー部45aは、コネクタカバー41と一体に設けられており、コネクタカバー41が閉位置にあるとき拾いリブ19を覆い、コネクタカバー41が開位置にあるとき拾いリブ19を覆わない。
【0014】
なお、本明細書中において、前後方向とはハウジング20のコネクタ嵌合方向(
図4中、左右方向)に沿う方向であり、インレットプラグ5のプラグハウジング80が嵌合される側を前方とし、上下方向とはハウジング20のコネクタ嵌合方向と直交する方向(
図4中、上下方向)であり、アウターケース51の天板50側を上方とする。
【0015】
インレット1のハウジング20は、電気絶縁性の合成樹脂から成形されたものである。ハウジング20は、インレットプラグ5側へ突出する一対の端子収容筒部23,23と、一対の端子収容筒部23,23を覆う中空筒状のフード部21と、一対の端子収容筒部23,23が設けられ、フード部21の後方を塞ぐ後壁26と、を有する。
【0016】
端子収容筒部23内には、高圧ケーブル71の端末部に接続された接続端子が収容されている。接続端子に接続された高圧ケーブルは、端子収容筒部23の後端開口から引き出される。
【0017】
端子収容筒部23の前端には、インレットプラグ5の接続端子(第1接続端子)が挿入される前面開口25が形成されている。前面開口25は、ハウジング20の接続端子の収容空間への開口の一例である。
【0018】
アウターケース51は、底部55と、側壁部材62,64と、天板50とで構成された扁平な筐体である。
【0019】
底部55は、底板部57と一対の支持部58,58とが一体に形成されている。底板部57は、天板50よりも一回り小さいサイズの平板である。底板部57は、前側の中央部に矩形状の開口57aを有し、平面視U字状を呈する。一対の支持部58は、底板部57の上面における左右両端部に設けられ、上面に設けられた略半円筒状の凹部58aに載置されたコネクタカバー41の回動軸46を支持する。
【0020】
側壁部材62,64は、ハウジング20の左右両側に配置され、アウターケース51の両側壁となる。側壁部材62は、下面に略円筒状の凹部62aを有し、側壁部材64は、下面に凹部62aと同様の凹部(図示せず)を有する。凹部58aと側壁部材62の下面に設けられた略半円筒状の凹部62aとの間に、コネクタカバー41の回動軸46の一端部(左側端部)が支持される。回動軸46の他端部(右側端部)は、同様に、凹部58aと側壁部材64の下面に設けられた凹部との間に支持される。側壁部材64の右側面には、回動軸46を回転駆動するためのアクチュエータ79がねじ固定される。
【0021】
天板50は、底板部57及び側壁部材62,64と共にハウジング収容空間を画成する上壁部13の前方に、庇部15が延設されている。
【0022】
庇部15の中央部における下面には、アウターケース51に収容されたハウジング20にインレットプラグ5のプラグハウジング80を嵌合案内するための拾いリブ19が、コネクタ嵌合方向に沿って延設されている。
【0023】
拾いリブ19は、先端が丸められ、左右方向の長さよりもコネクタ嵌合方向の長さが長い略直方体形状を有し、前方側において、左右両側面に、複数の凹部が所定間隔毎に形成されている。この所定間隔は、拾いリブ19のサイズや、嵌合ガイド溝85のサイズ等を考慮して適宜決定される。
【0024】
コネクタカバー41は、端子収容筒部23の前面開口25を覆う略矩形板状のカバー部43と、カバー部43の長辺側端部に設けられた回動軸46と、カバー部43の回動軸46に対向する長辺側端部に設けられた拾いリブカバー45と、を有する。コネクタカバー41は、カバー部43が端子収容筒部23の前面開口25を覆う閉位置と、カバー部43が前面開口25を覆わない開位置との間で回動可能に設けられる。
【0025】
カバー部43は、後面43a側に、
図4に示すように、フード部21の開口縁の形状に沿う筒状リブ43bが設けられ、筒状リブ43bの外周面に弾性パッキン49が取り付けられる。弾性パッキン49は、スポンジやゴム等の弾性部材により成形される。コネクタカバー41を閉じた状態、すなわちコネクタカバー41が閉位置にある状態(
図4参照)において、弾性パッキン49がハウジング20のフード部21に弾性接触することができる。よって、ハウジング20の前面開口25への塵埃や水等の浸入を更に確実に防止することができる。
【0026】
拾いリブカバー45は、カバー部43の前面側に設けられた、拾いリブカバー部45aを有する板状部材であり、拾いリブ19を覆う被覆位置と、拾いリブ19を覆わない露出位置との間で変位可能に設けられる。拾いリブカバー部45aは、板状部材の左右方向の中央部に設けられた、コネクタ嵌合方向に沿って延びる直方体状の凹部に、拾いリブ19を収容可能である。すなわち、拾いリブカバー部45aは、この凹部を形成する、一対の側壁部45a1,45a1、前壁部45a2、後壁部45a3、及び底壁部45a4によって構成される。
【0027】
回動軸46は、一例として、金属製であり、合成樹脂製のカバー部43及び拾いリブカバー45と一体に成形される。
【0028】
インレット1は、以下のように組み立てられる。コネクタカバー41が、支持部58の凹部58aに回動軸46が収容されるように、底板部57に載置され、回動軸46が凹部62aに収容されるように側壁部材62,64が底板部57の上面に載置される。また、側壁部材62,64の上面に天板50が載置される。この状態で、側壁部材62,64が一対の支持部58に側方からそれぞれねじ固定され、天板50が側壁部材62,64に上方からねじ固定されることにより、アウターケース51が形成される。このアウターケース51内に、接続端子を収容したハウジング20が後方から挿入されて、ハウジング20の後壁26が側壁部材62,64に後方からねじ固定される。組み立てられたインレット1は、天板50を介して例えば電気自動車の車体等に取り付けられる。
【0029】
インレットプラグ5は、インレット1の接続端子に嵌合されるプラグ側接続端子と、プラグ側接続端子を収容する一対の端子収容室83,83を有する第1ハウジングの一例としてのプラグハウジング80と、ブラケット86と、を備えている(
図1参照)。
【0030】
プラグハウジング80は、電気絶縁性の合成樹脂から成形されたものである。プラグハウジング80には、ブラケット86が装着されている。
【0031】
プラグハウジング80の上面には、嵌合ガイド溝85が形成されている。嵌合ガイド溝85は、インレット1に向かうにつれて幅が拡大するテーパ部を有する。この嵌合ガイド溝85は、インレットプラグ5がインレット1に嵌合される際、拾いリブ19と係合することにより、プラグハウジング80をハウジング20に嵌合案内することができる。
【0032】
端子収容室83内には、図示しないプラグ側高圧ケーブルの端末部に接続された接続端子が収容されている。この接続端子に接続されたプラグ側高圧ケーブルは、端子収容室83の後端開口から引き出される。
【0033】
次に、
図4を参照しながら上述したインレット1とインレットプラグ5の嵌合動作を説明する。
図4は、インレット1の左右方向中央における、嵌合方向に沿う切断面を示す。
【0034】
図4に示すように、インレット1とインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、コネクタカバー41は、カバー部43がハウジング20の前面開口25(
図3参照)を覆う閉位置にある。したがって、インレット1は、防塵、端子保護及び感電防止がされている。また、
図4に示すように、インレット1とインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、拾いリブカバー部45aが拾いリブ19を覆う被覆位置にある。したがって、インレット1は、拾いリブ19が傷つきや異物付着から保護されている。よって、インレット1は、インレットプラグ5との嵌合に支障が出ることが防止される。また、拾いリブ19への異物付着が防止されることにより、拾いリブ19に付着した異物のインレットプラグ5内へ進入することが防止される。
【0035】
図4に示す状態から、インレットプラグ5のインレット1への挿入嵌合を開始するにあたり、インレット1は、アクチュエータ79が回動軸46を回転させることによって、コネクタカバー41のカバー部43が、前面開口25を覆わない開位置まで回動する。この時、カバー部43に一体に設けられた拾いリブカバー部45aは、カバー部43の回動と同時に、拾いリブ19を覆わない露出位置まで回動する。このようにコネクタカバー41が開放されると、インレット1は、
図2に示すように、カバー部43が開位置にあり、拾いリブカバー部45aが露出位置にある状態となる。コネクタカバー41が開放された状態では、カバー部43の左右両側が底板部57の開口57aの左右側に当接し、拾いリブカバー45が開口57aを通って下方に延びている。コネクタカバー41の開放は、拾いリブ19の保護、防塵、端子保護及び感電防止の観点から、インレットプラグ5のインレット1への挿入嵌合直前になされることが好ましい。
【0036】
図2に示すようにコネクタカバー41が開放された状態のインレット1側へ、インレットプラグ5を移動させ、プラグハウジング80のアウターケース51内への挿入嵌合を開始する。嵌合開始直後の状態においては、プラグハウジング80の上面が、インレット1の天板50の下面に当接し、拾いリブ19の先端が嵌合ガイド溝85に挿入されている。
【0037】
この状態から、さらにインレットプラグ5をインレット1の後方へ前進させるように深く挿入すると、拾いリブ19の先端が、嵌合ガイド溝85内に案内されて、プラグハウジング80の前端がハウジング20の後壁26に突き当たる。この状態において、インレットプラグ5の接続端子がインレット1の接続端子に嵌合されて接続され、これによりインレット1側の高圧ケーブルとプラグ側高圧ケーブルとが電気的に接続されて使用される。使用後は、インレットプラグ5がインレット1から離脱し、アクチュエータ79が回動軸46を逆方向に回転させることによって、コネクタカバー41が
図1及び
図4に示した閉じた状態となる。この状態において、カバー部43が閉位置にあるので、ハウジング20内部が保護される。
【0038】
また、インレット1によれば、コネクタカバー41が拾いリブカバー部45aを有することにより、インレット1にインレットプラグ5を挿入嵌合しない状態では、拾いリブ19が、拾いリブカバー部45aに覆われて露出しないため、傷付きや異物付着から保護される。よって、インレット1とインレットプラグ5との嵌合に支障が出たり、インレットプラグ5内に、拾いリブ19に付着した異物が進入したりすることが防止される。
【0039】
(変形例)
第1実施形態のインレット1は、コネクタカバー41に代えて、
図5に示すコネクタカバー41-1を有してもよい。
図5に示すコネクタカバー41-1は、
図1に示した板状の拾いリブカバー45に代えて、直方体形状の拾いリブカバー45-1を有する。拾いリブカバー45-1は、拾いリブカバー部45aよりも左右方向の幅が狭い拾いリブカバー部45-1aを有する。
図5に示すコネクタカバー41-1は、拾いリブカバー45-1が拾いリブカバー45よりもコンパクトに形成されるため、回動軸46を回転駆動するためのアクチュエータ79の負荷を低減できる。
【0040】
(第2実施形態)
図6は、本発明の第2実施形態に係るコネクタ嵌合構造を構成する第2コネクタの一例としてのインレット1Aを示す斜視図であり、インレット1Aのコネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aが閉じた状態を示す。
図7は、
図6に示したインレット1Aのコネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aを開いた状態を示す斜視図である。
図8は、
図6に示したインレット1Aの分解斜視図である。第2実施形態のインレット1Aには、
図1に示したインレットプラグ5が挿入嵌合される。本実施形態において、第1実施形態に示した部材と同一又は同等の部材については、同一又は同等の符号を付す。
【0041】
第2実施形態のインレット1Aは、第1実施形態のインレット1と比較して、コネクタカバー41に代えて、コネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aを備える点が主に異なる。
【0042】
第2実施形態のインレット1Aは、
図6から
図8に示すように、インレット1Aは、接続端子(第2接続端子)を収容するハウジング20Aと、ハウジング20Aを収容保持するアウターケース51Aと、拾いリブ19と、拾いリブカバー部45Aaと、コネクタカバー41と、を備える。アウターケース51Aは第2ハウジングの一例である。拾いリブ19はガイド突部の一例である。拾いリブカバー部45Aaはガイド保護部の一例である。拾いリブ19は、アウターケース51Aに設けられ、ガイド溝の一例としての嵌合ガイド溝85(
図1参照)に挿入される。拾いリブカバー部45Aaは、コネクタカバー41Aとは別体の拾いリブカバー45Aに設けられる。コネクタカバー41Aが前面開口25を覆う閉位置から、前面開口25を覆わない開位置へ回動するのに伴って、コネクタカバー41Aに付勢された拾いリブカバー45Aが回動する。コネクタカバー41Aに付勢された拾いリブカバー45Aの回動により、拾いリブカバー部45Aaが、拾いリブ19を覆う被覆位置から、拾いリブ19を覆わない露出位置へ変位する。
【0043】
インレット1Aのハウジング20Aは、インレット1のハウジング20と同一の構成を有する。
【0044】
アウターケース51Aは、底部55Aと、側壁部材62A,64Aと、天板50Aとで構成された扁平な筐体である。
【0045】
底部55Aは、底板部57Aと、一対の支持部58A,58Aと、一対の支持部59A,59Aとが一体に形成されている。底板部57Aは、天板50Aよりも一回り小さいサイズの矩形状平板である。一対の支持部58A,58Aは、底板部57Aの上面における左右両端部に設けられ、上面に設けられた略半円筒状の凹部58Aaに載置されたコネクタカバー41Aの回動軸46Aを支持する。一対の支持部59A,59Aは、底板部57Aの左右両側にそれぞれ突設され、略半円筒状の凹部59Aaが上面に設けられる。支持部59Aは、凹部59Aaに載置された、拾いリブカバー45Aの回動軸146を支持する。
【0046】
側壁部材62A,64Aは、ハウジング20Aの左右両側に配置され、アウターケース51Aの両側壁となる。側壁部材62Aは、下面に略円筒状の凹部62Aa,62Abを有する。側壁部材64Aは、下面に凹部62aと同様の図示しない凹部及び凹部62Abと同様の凹部64Abを有する。凹部58Aaと側壁部材62Aの下面に設けられた略半円筒状の凹部62Aaとの間に、コネクタカバー41Aの回動軸46Aの一端部(左側端部)が支持される。回動軸46Aの他端部(右側端部)は、同様に、凹部58Aaと側壁部材64Aの下面に設けられた凹部との間に支持される。一対の凹部59Aa,59Aaと側壁部材62A,64Aの下面に設けられた凹部62Ab,64Abとの間に、拾いリブカバー45Aの回動軸146の両端部がそれぞれ支持される。側壁部材64Aの右側面には、回動軸46Aを回転駆動するためのアクチュエータ79Aがねじ固定される。
【0047】
天板50Aは、天板50と同一の構成を有する。
コネクタカバー41Aは、ハウジング20Aの端子収容筒部23の前面開口25を覆う略矩形板状のカバー部43Aと、カバー部43Aの長辺側端部に設けられた回動軸46Aと、を有する。コネクタカバー41Aは、カバー部43Aが端子収容筒部23の前面開口25を覆う閉位置と、カバー部43Aが前面開口25を覆わない開位置との間で回動可能に設けられる。
【0048】
カバー部43Aは、
図9に示すように、後面43Aa側に、フード部21の開口縁の形状に沿う筒状リブ43Abが設けられ、筒状リブ43Abの外周面に弾性パッキン49Aが取り付けられる。弾性パッキン49Aは、スポンジやゴム等の弾性部材により成形される。コネクタカバー41Aを閉じた状態、すなわちコネクタカバー41Aが閉位置にある状態(
図9参照)において、弾性パッキン49Aがハウジング20Aのフード部21に弾性接触することができる。よって、ハウジング20Aの前面開口25への塵埃や水等の浸入を更に確実に防止することができる。
【0049】
拾いリブカバー45Aは、コネクタカバー41Aの前面側に、コネクタカバー41Aと平行に設けられた、拾いリブカバー部45Aaを有する側面視略L字状の部材である。拾いリブカバー45Aは、拾いリブカバー部45Aaが拾いリブ19を覆う被覆位置と、拾いリブカバー部45Aaが拾いリブ19を覆わない露出位置との間で変位可能に設けられる。拾いリブカバー45Aは、第1板状部材145と、第1板状部材145に接続する第2板状部材143と、一対の支持部142,142と、一対の回動軸146,146と、を備える。
【0050】
第1板状部材145は、
図8に示すように、左右方向の中央部に、コネクタ嵌合方向に沿って延びる一対の矩形リブ145a,145aと、前側の長辺端部に左右方向に亘って立設された前側リブ145bとが設けられる。第1板状部材145は、一対の矩形リブ145a,145aと前側リブ145bとによって形成された凹部に、拾いリブ19を収容可能である。すなわち、拾いリブカバー部45Aaは、一対の矩形リブ145a,145a、前側リブ145b、及び、底部145cによって構成される。底部145cは、第1板状部材145における一対の矩形リブ145a,145a間の部分である。第2板状部材143は、第1板状部材145のコネクタカバー41A側の長辺端部から第1板状部材145と直交する方向に延びる。一対の支持部142,142は、第2板状部材143の左右側端部からそれぞれ第2板状部材143に沿って延び、先端部に設けられた回動軸146をそれぞれ支持する。一対の支持部142,142は、拾いリブカバー45Aが開放された状態で底板部57Aの上面に当接する突部142aをそれぞれ有する。一対の回動軸146,146は、支持部142,142からそれぞれ外側に、コネクタカバー41Aの回動軸46Aと略平行に延びる。第2板状部材143は、コネクタカバー41Aのカバー部43Aが当接する被当接部として機能する。
【0051】
第2板状部材143は、
図9に示すように、第1摺動面143aと、第1摺動面143aに連続する第2摺動面143bとを有する。第1摺動面143aは、回動軸146に向かって一方向に延び、第2摺動面143bは、この一方向に対して傾斜して延びる。第2摺動面143bは、第1摺動面143aに接続する第1端部143b1と、第1端部143b1と逆側の第2端部143b2とを有する。
図10に示すように、拾いリブカバー部45Aaが被覆位置にある状態において、第1端部143b1と回動軸46Aとの距離は、第2端部143b2と回動軸46Aとの距離よりも短いか又は同等である。第2板状部材143は、第2摺動面143bが第1摺動面143aに対して、第1端部143b1と回動軸46Aとの距離が、第2端部143b2と回動軸46Aとの距離よりも短いか又は同等となるように傾斜する。この構成により、カバー部43Aが引っ掛かりなく第2板状部材143に当接して、拾いリブカバー45Aをスムーズに回動できる。
【0052】
インレット1Aは、以下のように組み立てられる。コネクタカバー41Aが、支持部58Aの凹部58Aaに回動軸46Aの両端部がそれぞれ収容されるように、底板部57Aに載置される。拾いリブカバー45Aが、支持部59Aの凹部59Aaに回動軸146の外側端部がそれぞれ収容されるように、回動軸146にコイルばね32が外挿されて底板部57Aに載置される。コイルばね32は、一端が支持部142に係止され、他端が底板部57Aに係止されて、拾いリブカバー45Aが閉じ状態となるように拾いリブカバー45Aを付勢している。回動軸46Aの両端部が凹部62Aa、側壁部材64Aの下面に設けられた凹部にそれぞれ収容され、左側の回動軸146が凹部62Abに収容され、右側の回動軸146が凹部64Abに収容されるように、側壁部材62A,64Aが底板部57の上面に載置される。また、側壁部材62A,64Aの上面に天板50Aが載置される。この状態で、側壁部材62A,64Aが一対の支持部58Aに側方からそれぞれねじ固定され、天板50Aが側壁部材62A,64Aに上方からねじ固定されることにより、アウターケース51Aが形成される。このアウターケース51A内に、接続端子を収容したハウジング20Aが後方から挿入されて、ハウジング20Aの後壁26が側壁部材62A,64Aに後方からねじ固定される。組み立てられたインレット1Aは、天板50Aを介して例えば電気自動車の車体等に取り付けられる。
【0053】
次に、
図9から
図12を参照しながら上述したインレット1Aと
図1に示したインレットプラグ5の嵌合動作を説明する。
図9から
図12は、インレット1Aの左右方向中央における、嵌合方向に沿う切断面を示す。
【0054】
図9に示すように、インレット1Aとインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、コネクタカバー41Aは、カバー部43Aがハウジング20Aの前面開口25(
図8参照)を覆う閉位置にある。したがって、インレット1Aは、防塵、端子保護及び感電防止がされている。また、
図9に示すように、インレット1Aとインレットプラグ5とが嵌合されない状態では、拾いリブカバー部45Aaが拾いリブ19を覆う被覆位置にある。したがって、インレット1Aは、拾いリブ19が傷つきや異物付着から保護されている。よって、インレット1Aは、インレットプラグ5との嵌合に支障が出ることが防止される。また、拾いリブ19への異物付着が防止されることにより、拾いリブ19に付着した異物のインレットプラグ5内へ進入することが防止される。
【0055】
図9に示す状態から、インレットプラグ5のインレット1への挿入嵌合を開始するにあたり、以下のように、コネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aを開放する。まず、インレット1Aは、アクチュエータ79Aが回動軸46Aを回転させることによって、コネクタカバー41Aのカバー部43Aが、
図9に示す矢印の方向へ回動する。カバー部43Aが回動すると、
図10に示すように、カバー部43Aの上縁部が拾いリブカバー45Aの第2板状部材143に当接する。コネクタカバー41Aがさらに回動すると、カバー部43Aが第2板状部材143の第1摺動面143aを摺動しながら付勢し、
図11に示すように拾いリブカバー45Aを回動させる。コネクタカバー41Aが一層回動することで、カバー部43Aが第2板状部材143の第2摺動面143bを摺動しながら、
図12に示すように、コネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aを開放する。
【0056】
図12に示す開放状態において、コネクタカバー41Aは前面開口25を覆わない開位置まで回動される。この時、拾いリブカバー部45Aaは、カバー部43の回動に伴って、拾いリブ19を覆わない露出位置まで回動される。このようにコネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aが開放されると、インレット1は、
図12に示すように、カバー部43Aが開位置にあり、拾いリブカバー部45Aaが露出位置にある状態となる。コネクタカバー41Aが開放された状態では、カバー部43Aの前側が底板部57Aの上面に当接し、拾いリブカバー45Aの突部142aが底板部57Aの上面に当接している。コネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aの開放は、拾いリブ19の保護、防塵、端子保護及び感電防止の観点から、インレットプラグ5のインレット1Aへの挿入嵌合直前になされることが好ましい。
【0057】
図12において、第1実施形態のコネクタカバー41に一体に設けられた拾いリブカバー45を一点鎖線で示している。第2実施形態のインレット1Aは、コネクタカバー41Aと拾いリブカバー45Aとを別体で構成したことにより、開放状態におけるインレット1A下方への拾いリブカバー45Aの突出量を低減できる。
【0058】
図12に示すようにコネクタカバー41A及び拾いリブカバー45Aが開放された状態のインレット1A側へ、インレットプラグ5を移動させ、プラグハウジング80のアウターケース51内への挿入嵌合を開始する。嵌合開始直後の状態においては、プラグハウジング80の上面が、インレット1Aの天板50Aの下面に当接し、拾いリブ19の先端が嵌合ガイド溝85に挿入されている。
【0059】
この状態から、さらにインレットプラグ5をインレット1Aの後方へ前進させるように深く挿入すると、拾いリブ19の先端が、嵌合ガイド溝85内に案内されて、プラグハウジング80の前端がハウジング20Aの後壁26に突き当たる。この状態において、インレットプラグ5の接続端子がインレット1Aの接続端子に嵌合されて接続され、これによりインレット1側の高圧ケーブルとプラグ側高圧ケーブルとが電気的に接続されて使用される。使用後は、インレットプラグ5がインレット1Aから離脱することで、コイルばね32の付勢力により拾いリブカバー45Aが閉じた状態となる。そして、アクチュエータ79Aが回動軸46を逆方向に回転させることによって、コネクタカバー41Aが閉じた状態となる(
図9参照)。この状態において、カバー部43Aが閉位置にあるので、ハウジング20A内部が保護される。
【0060】
また、インレット1Aによれば、インレット1Aにインレットプラグ5を挿入嵌合しない状態では、拾いリブ19が、拾いリブカバー部45Aaに覆われて露出しないため、傷付きや異物付着から保護される。よって、インレット1Aとインレットプラグ5との嵌合に支障が出たり、インレットプラグ5内に、拾いリブ19に付着した異物が進入したりすることが防止される。
【0061】
さらに、インレット1Aは、コネクタカバー41Aと拾いリブカバー45Aとを別体で構成したことにより、開放状態におけるインレット1A下方への拾いリブカバー45Aの突出量を低減できる。よって、インレット1Aのコンパクト化が可能となる。
【0062】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0063】
例えば、上記実施形態では、コネクタとして電気自動車等に用いられるインレットを例に説明したが、本発明のコネクタはこれに限らず、本発明の趣旨に基づく種々のコネクタに応用することができる。
【0064】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、前述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0065】
ここで、上述した本発明に係るコネクタ嵌合構造の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[7]に簡潔に纏めて列記する。
【0066】
[1] 相互に嵌合して電気的に接続される第1コネクタ(インレットプラグ5)と第2コネクタ(インレット1、1A)とのコネクタ嵌合構造であって、
前記第1コネクタ(インレットプラグ5)は、
第1接続端子を収容する第1ハウジング(プラグハウジング80)と、
前記第1ハウジングに設けられたガイド溝(嵌合ガイド溝85)と、を有し、
前記第2コネクタ(インレット1、1A)は、
第2接続端子を収容する第2ハウジング(アウターケース51、51A)と、
前記第2ハウジングに設けられ、前記ガイド溝に挿入されるガイド突部(拾いリブ19)と、
前記ガイド突部を覆う被覆位置と、前記ガイド突部を覆わない露出位置との間で変位可能に設けられたガイド保護部(拾いリブカバー部45a、45Aa)と、を有する、
コネクタ嵌合構造。
【0067】
上記[1]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、第1コネクタと第2コネクタとを嵌合しない状態では、ガイド突部がガイド保護部に覆われた露出しないため、傷付きや異物付着から保護される。よって、第1コネクタと第2コネクタとの嵌合に支障が出たり、第1コネクタ内に、ガイド突部に付着した異物が進入したりすることが防止される。
【0068】
[2] 前記第2コネクタ(インレット1、1A)は、前記第2ハウジングの前記第2接続端子の収容空間への開口(前面開口25)を覆う閉位置と、前記開口を覆わない開位置との間で回動可能に設けられたコネクタカバー(41、41A)を有する、
上記[1]に記載のコネクタ嵌合構造。
【0069】
上記[2]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、第1コネクタと第2コネクタとを嵌合しない状態では、コネクタカバーが閉位置において開口を覆うため、防塵、端子保護及び感電防止される。
【0070】
[3] 前記ガイド保護部(拾いリブカバー部45a)は、前記コネクタカバーと一体に設けられており、前記コネクタカバー(41)が前記閉位置にあるとき前記ガイド突部を覆い、前記コネクタカバーが前記開位置にあるとき前記ガイド突部を覆わない、
上記[2]に記載のコネクタ嵌合構造。
【0071】
上記[3]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、ガイド保護部がコネクタカバーと一体に設けられるので、簡素な構成で、ガイド保護部によるガイド突部の保護、並びに、コネクタカバーによる防塵、端子保護及び感電防止が実現される。
【0072】
[4] 前記ガイド保護部(拾いリブカバー部45Aa)は、前記コネクタカバー(41A)とは別体のガイドカバー(拾いリブカバー45A)に設けられており、
前記コネクタカバー(41A)の前記閉位置から前記開位置への回動に伴って、前記コネクタカバーに付勢された前記ガイドカバーが回動し、前記ガイド保護部が、前記被覆位置から前記露出位置へ変位する、
上記[2]に記載のコネクタ嵌合構造。
【0073】
上記[4]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、コネクタカバーとガイドカバーとを一体に設けた場合と比較して、コネクタカバー及びガイドカバーを開放した状態における、ガイドカバーの第2コネクタからの突出量を低減できる。
【0074】
[5] 前記コネクタカバー(41A)は、前記第2ハウジングの前記開口を覆うカバー部(43A)と、前記カバー部の縁部に設けられたコネクタカバー回動軸(回動軸46A)と、を有し、
前記ガイドカバー(拾いリブカバー45A)は、
前記コネクタカバーの前記カバー部が当接する被当接部(第2板状部材143)と、
前記被当接部の縁部に設けられ、前記コネクタカバー回動軸と略平行に延びるガイドカバー回動軸(回動軸146)と、を有し、
前記ガイド保護部(拾いリブカバー部45Aa)が前記被当接部と一体に設けられ、
前記ガイド保護部が前記被覆位置から前記露出位置へ回動する方向が、前記コネクタカバーが前記閉位置から前記開位置へ回動する方向と略同一方向である、
上記[4]に記載のコネクタ嵌合構造。
【0075】
上記[5]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、コネクタカバーが閉位置にありガイド保護部が被覆位置にある状態から、コネクタカバー及びガイド保護部を略同一方向へ回動させて開放し、第1コネクタと第2コネクタとを嵌合させることができる。
【0076】
[6] 前記コネクタカバーは、前記カバー部の前記縁部と逆側の縁部が、前記ガイドカバーの前記被当接部を摺動することで付勢し、
前記ガイドカバー(拾いリブカバー45A)は、前記被当接部(第2板状部材143)が、第1摺動面(143a)と、前記第1摺動面に連続する第2摺動面(143b)とを有し、前記第1摺動面(143a)は、前記ガイドカバー回動軸に向かって一方向に延び、前記第2摺動面(143b)は、前記一方向に対して傾斜して延び、前記ガイド保護部(拾いリブカバー部45Aa)が前記被覆位置にある状態において、前記第2摺動面における前記第1摺動面に接続する第1端部(143b1)と前記コネクタカバー回動軸(回動軸46A)との距離は、前記第2摺動面における前記第1端部と逆側の第2端部(143b2)と前記コネクタカバー回動軸との距離よりも短いか又は同等である、
上記[5]に記載のコネクタ嵌合構造。
【0077】
上記[6]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、被当接部は、第2摺動面が、第1端部とコネクタカバー回動軸との距離が、第2端部とコネクタカバー回動軸との距離よりも短いか又は同等となるように、第1摺動面に対して傾斜する。この構成により、コネクタカバーが引っ掛かりなく被当接部に当接して、ガイドカバーをスムーズに回動できる。
【0078】
[7] 前記第2ハウジング(アウターケース51A)は、互いに対向する第1面(庇部15Aの下面)及び第2面(底板部57Aの上面)を有し、
前記ガイド突部(ガイドリブF:拾いリブ19)は、前記第2ハウジングの前記第1面側において、前記第2面に向けて突出し、前記第1コネクタ及び前記第2コネクタの嵌合方向に沿って延在し、
前記ガイドカバーは、前記第2ハウジングの前記第2面側において、前記ガイドカバー回動軸が支持されている、
上記[5]又は[6]に記載のコネクタ嵌合構造。
【0079】
上記[7]の構成のコネクタ嵌合構造によれば、ガイドカバーが第2面側に支持された回動軸周りに回動することで、ガイド突部を保護できる。
【符号の説明】
【0080】
1,1A インレット(第2コネクタ)
5 インレットプラグ(第1コネクタ)
19 拾いリブ
23 端子収容筒部
25 前面開口
41、41-1、41A コネクタカバー
43、43A カバー部
45、45-1 拾いリブカバー
45a、45Aa、45-1a 拾いリブカバー部
46、46A 回動軸(コネクタカバー回動軸)
51、51A アウターケース(第2ハウジング)
80 プラグハウジング(第1ハウジング)
85 嵌合ガイド溝(ガイド溝)
143 第2板状部材
143a 第1摺動面
143b 第2摺動面
143b1 第1端部
143b2 第2端部