(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 326Z
A63F7/02 332B
A63F7/02 333A
(21)【出願番号】P 2022123536
(22)【出願日】2022-08-02
【審査請求日】2022-08-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】筒井 隆介
【合議体】
【審判長】小林 俊久
【審判官】阿部 知
【審判官】北川 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-140645(JP,A)
【文献】特開2020-92870(JP,A)
【文献】特開2019-115414(JP,A)
【文献】特開2017-213160(JP,A)
【文献】特開2014-83183(JP,A)
【文献】特開2004-24731(JP,A)
【文献】特開2008-93273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、を備え、識別情報の可変表示の表示結果を示唆することが可能な遊技機において、
遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、
前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、
遊技媒体の貸出を受けるための操作が行われる貸出操作手段と、
少なくとも前記貸出操作手段を振動させることが可能な振動手段と、を備え、
前記識別情報の可変表示の表示結果を示唆するときに前記振動手段による振動により前記貸出操作手段を振動させることが可能であり、
前記振動手段による振動により前記貸出操作手段が振動しているときに、前記貸出操作手段の操作が行われた場合には、前記貸出操作手段の振動が増幅し、
前記識別情報の可変表示の表示結果を示唆しているときに、前記貸出操作手段の操作により遊技媒体の貸与を受けることが可能であり、
前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、
前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、を備え、演出を実行可能な遊技機において、
遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、
前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、を備え、
前記演出は、第1演出と、第2演出と、を含み、
前記第1演出と前記第2演出とは数値情報の更新表示を行う演出であるとともに更新表示を行った前記数値情報が所定値になった場合に特典が付与されることを示唆する演出であり、
前記第1演出と前記第2演出とを同時期に実行可能であり、
前記第1演出と前記第2演出とを同時期に実行するときの前記数値情報の更新表示の開始タイミングは同一または略同一のタイミングであり、
前記第2演出において前記数値情報が所定値になるまでの時間よりも、前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまでの時間のほうが長く、
前記第2演出における前記数値情報の更新周期よりも、前記第1演出における前記数値情報の更新周期のほうが短く、
前記第2演出において前記数値情報が所定値になった後、前記第2演出での前記数値情報が所定値になった状態を前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまで継続して表示し、
前記第2演出での前記状態を継続して表示している間に、前記第1演出において前記数値情報が所定値になったときに、特典の付与を示唆し、
前記第2演出において前記数値情報が所定値になるまでの第1時間よりも、前記第2演出において前記数値情報が所定値になってから前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまでの第2時間のほうが短く、
前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、
前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、遊技価値である遊技球を遊技領域に発射し、入賞口などの入賞領域に遊技球が入賞すると賞球が遊技者に払い出され、さらに、識別情報の可変表示の結果に応じて遊技状態を変更可能な遊技機(例えば、パチンコ機)が知られている。
【0003】
また、遊技価値を用いて1ゲームに対して賭数を設定した後に遊技開始操作を行うと識別情報の変動表示が開始され、変動表示の開始後に停止操作を行うと識別情報の変動表示が停止し、このときに導出された表示結果にもとづいて入賞が発生可能であり、入賞の種類に応じて遊技状態を変更可能な遊技機(例えば、スロットマシン)が知られている。
【0004】
そのような遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-81288号公報
【文献】特開2017-164390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、遊技停止状態に移行したことを遊技者が認識することができないと、遊技を継続するか否かを判断できないので利便性に欠ける。
【0007】
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性を向上させることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(手段1)上記の課題を解決するため、本発明は、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、を備え、識別情報の可変表示の表示結果を示唆することが可能な遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、遊技媒体の貸出を受けるための操作が行われる貸出操作手段と、少なくとも前記貸出操作手段を振動させることが可能な振動手段と、を備え、前記識別情報の可変表示の表示結果を示唆するときに前記振動手段による振動により前記貸出操作手段を振動させることが可能であり、前記振動手段による振動により前記貸出操作手段が振動しているときに、前記貸出操作手段の操作が行われた場合には、前記貸出操作手段の振動が増幅し、前記識別情報の可変表示の表示結果を示唆しているときに、前記貸出操作手段の操作により遊技媒体の貸与を受けることが可能であり、前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する。
よって、第一表示手段および第二表示手段の表示状態から遊技停止状態に移行したこと
を認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0009】
(手段2)上記の課題を解決するため、本発明は、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、透明性を有する遊技盤と、識別情報に対応する演出用識別情報を表示可能な画像表示装置と、を備えた遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、前記識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、を備え、前記遊技盤は前記画像表示装置の前側に配置されており、前記遊技盤に形成された開口を介して前記画像表示装置の画像表示領域を視認可能であり、前記遊技盤を正面視すると前記遊技盤の一部が前記画像表示領域の端部領域に重畳しており、前記画像表示装置は、前記保留記憶に対応する保留表示を表示可能であり、前記保留表示は、第1保留表示と、第2保留表示と、で構成されており、前記第1保留表示は、前記第2保留表示よりも大きくなるように構成され、前記第2保留表示と表示態様が異なっており、前記第1保留表示と前記第2保留表示は、同一の保留数を示唆し、前記第1保留表示と前記第2保留表示が同時に表示されている所定のタイミグにおいて、前記第1保留表示は前記端部領域に表示されない一方、前記第2保留表示は前記端部領域に表示され、前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する。
また、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、透明性を有する遊技盤と、識別情報に対応する演出用識別情報を表示可能な画像表示装置と、を備えた遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、を備え、前記遊技盤は前記画像表示装置の前側に配置されており、前記遊技盤に形成された開口を介して前記画像表示装置の画像表示領域を視認可能であり、前記遊技盤を正面視すると前記遊技盤の一部が前記画像表示領域の端部領域に重畳しており、前記画像表示装置は、所定の契機で表示態様が変化する第1画像と、所定の契機で表示態様が変化しない第2画像と、を表示可能であり、前記第1画像と前記第2画像は、所定の状況を示唆するための1組の表示画像であり、前記第1画像は、前記遊技盤と重畳しないように表示可能であり、前記第2画像は、前記遊技盤と重畳するように前記端部領域に表示可能であり、前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する。
よって、第一表示手段および第二表示手段の表示状態から遊技停止状態に移行したこと
を認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0010】
(手段3)上記の課題を解決するため、本発明は、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、を備え、演出を実行可能な遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、を備え、前記演出は、第1演出と、第2演出と、を含み、前記第1演出と前記第2演出とは数値情報の更新表示を行う演出であるとともに更新表示を行った前記数値情報が所定値になった場合に特典が付与されることを示唆する演出であり、前記第1演出と前記第2演出とを同時期に実行可能であり、前記第1演出と前記第2演出とを同時期に実行するときの前記数値情報の更新表示の開始タイミングは同一または略同一のタイミングであり、前記第2演出において前記数値情報が所定値になるまでの時間よりも、前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまでの時間のほうが長く、前記第2演出における前記数値情報の更新周期よりも、前記第1演出における前記数値情報の更新周期のほうが短く、前記第2演出において前記数値情報が所定値になった後、前記第2演出での前記数値情報が所定値になった状態を前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまで継続して表示し、前記第2演出での前記状態を継続して表示している間に、前記第1演出において前記数値情報が所定値になったときに、特典の付与を示唆し、前記第2演出において前記数値情報が所定値になるまでの第1時間よりも、前記第2演出において前記数値情報が所定値になってから前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまでの第2時間のほうが短く、前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する。
よって、第一表示手段および第二表示手段の表示状態から遊技停止状態に移行したこと
を認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0011】
(手段4)上記の課題を解決するため、本発明は、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、を備え、可変表示を行った識別情報を所定の停止位置で停止させることが可能な遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、前記識別情報が停止するときの停止音を出力可能な停止音出力手段と、を備え、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後に該識別情報を前記停止位置に停止させることが可能であり、前記停止音出力手段は、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎる場合に、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後かつ前記識別情報が前記停止位置に停止する前に前記停止音を出力することが可能であり、前記識別情報が前記停止位置に停止する場合には、前記識別情報は、前記停止音の出力が終了する前に停止し、前記停止音の出力タイミングを変化させることが可能であり、前記停止音の出力タイミングに応じて同一の前記停止音を出力しないことがあり、前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する。
よって、第一表示手段および第二表示手段の表示状態から遊技停止状態に移行したこと
を認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0012】
(手段5)上記の課題を解決するため、本発明は、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段と、を備え、複数の識別情報を表示可能な遊技機において、遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段と、前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段と、を備え、前記複数の識別情報は、第1識別情報と、該第1識別情報と異なる位置に表示される第2識別情報とを含み、前記第1識別情報の表示方向が変化するとともに前記第2識別情報の表示方向が変化しないように前記第1識別情報と前記第2識別情報とを表示可能であり、前記第1識別情報が非周期的な動作を行い、前記第2識別情報が周期的な動作を行うように前記第1識別情報と前記第2識別情報とを表示可能であり、前記第1識別情報より表示優先度が高く、かつ前記第2識別情報より表示優先度の低い特定演出画像を表示可能であり、前記第1識別情報と前記第2識別情報は、前記複数の識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となるか否かを示唆した後は、共通の軌道で動作を行い、前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ、前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する。
よって、第一表示手段および第二表示手段の表示状態から遊技停止状態に移行したこと
を認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0013】
(手段6)手段1~手段5のいずれかにおいて、前記遊技制御手段から送信される制御情報にもとづいて演出を制御可能な演出制御手段を備え、前記演出制御手段は前記遊技停止状態に移行することを予告する予告演出を実行可能である。
よって、予告演出によって遊技停止状態に移行することを事前に察知できるので、利便性を向上させることができる。
【0014】
(手段7)手段1~手段5のいずれかにおいて、前記遊技制御手段から送信される制御情報にもとづいて演出を制御可能な演出制御手段を備え、前記演出制御手段は前記遊技停止状態に移行したことを特定可能な遊技停止演出を実行可能である。
よって、遊技停止演出によって遊技停止状態に移行したことを認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0015】
(手段8)手段1~手段5のいずれかにおいて、遊技停止状態に移行した場合にエラー表示を行うエラー表示手段を備えた。
よって、エラー表示により遊技場の店員が遊技停止状態に移行したことを認識できるので、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】パチンコ機に設けられた遊技盤ユニットを示す正面図である。
【
図4】遊技盤ユニットの一部を拡大して示す正面図である。
【
図5】遊技盤と画像の位置関係を示す説明図である。
【
図6】遊技を行っている遊技者の視線を示す説明図である。
【
図7】遊技機に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図8】遊技機に表示される表示画像の一例を示す図である。
【
図9】パチンコ機に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。
【
図10】リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(1/2)である。
【
図11】リセットスタート処理の手順例を示すフローチャート(2/2)である。
【
図12】電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
【
図13】割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図14】差球管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図15】差球算出処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図16】「実際の差球」、「演算用差球」及び「送信用差球」の関係を示す図である。
【
図17】差球制限装置管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図18】差玉関連演出コマンド管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図19】演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図20】差球制限装置関連演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図21】第1演出単独実行、第2演出単独実行、第3演出単独実行、第3演出と二次元コード表示の同時実行の演出例を示す図である。
【
図22】差玉の算出に伴う各表示の内容を示す説明図である。
【
図23】作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図24】演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図25】演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図26】操作検出有効処理の手順例を示すフローチャートである。
【
図27】予告演出の一種の演出画像の遷移を示す説明図である(1/4)。
【
図28】予告演出の一種の演出画像の遷移を示す説明図である(2/4)。
【
図29】予告演出の一種の演出画像の遷移を示す説明図である(3/4)。
【
図30】予告演出の一種の演出画像の遷移を示す説明図である(4/4)。
【
図31】振動モータの作動タイミングの一例を示す説明図である。
【
図32】停止音の出力タイミングの一例を示す説明図である。
【
図33】停止音の出力タイミングの一例を示す説明図である。
【
図34】停止音の出力タイミングの一例を示す説明図である。
【
図35】停止音の出力タイミングの一例を示す説明図である。
【
図36】タイマ演出の演出画像の遷移を示す説明図である(1/3)。
【
図37】タイマ演出の演出画像の遷移を示す説明図である(2/3)。
【
図38】タイマ演出の演出画像の遷移を示す説明図である(3/3)。
【
図39】タイマ演出で表示されるタイマ表示の更新タイミングを示す説明図ある。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、パチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する。)1の正面図である。また、
図2は、パチンコ機1の背面図である。パチンコ機1は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機1による遊技を行う。なお、パチンコ機1における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。以下、
図1および
図2を参照しつつパチンコ機1の全体構成について説明する。
【0019】
本実施形態のパチンコ機1は、賞球(入賞口などへの入賞により払い出された遊技球)及びファール球(発射装置により遊技球を発射したものの遊技領域に到達せずに戻ってきた遊技球)の個数から発射球(発射装置により発射された遊技球)の個数を差し引いた差球が所定の上限個数(本実施形態では、95000個)以上になった場合に遊技停止状態(打ち止めとも称する)に移行する。なお、賞球とは、入賞口などへの入賞により払い出された遊技球である。ファール球とは、発射装置により遊技球を発射したものの遊技領域に到達せずに戻ってきた遊技球である。発射球とは、ハンドル操作に応答して発射装置により発射された遊技球である。
【0020】
[全体構成]
パチンコ機1は、その本体として主に外枠ユニット2、一体扉ユニット4(ガラス枠、窓枠)および内枠アセンブリ7(プラ枠、遊技機枠)を備えている。遊技者に相対する正面からみて、その最も前面側には一体扉ユニット4が位置している。一体扉ユニット4の背面側(奥側)には内枠アセンブリ7が位置しており、内枠アセンブリ7の外側を囲むようにして外枠ユニット2が配置されている。
【0021】
外枠ユニット2は、木材および金属材を縦長の矩形状に組み合わせた構造体であり、この外枠ユニット2は、遊技場内の島設備(図示されていない)に対してねじ等の締結具を用いて固定されるものである。なお、縦長矩形状の外枠ユニット2において、上下の短辺に相当する部位には木材が用いられており、左右の長辺に相当する部位には金属材が用いられている。
【0022】
一体扉ユニット4は、その下部位置に受皿ユニット6が一体化された構造である。一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7は、外枠ユニット2を介して島設備に取り付けられ、これらはそれぞれ図示しないヒンジ機構を介して開閉式に動作する。図示しないヒンジ機構の開閉軸線は、パチンコ機1の正面からみて左側端部に沿って垂直方向に延びている。
【0023】
図1中の正面からみて内枠アセンブリ7の右側縁部(
図2では左側縁部)には、その内側に統一錠ユニット7aが設けられている。また、これに対応して一体扉ユニット4および外枠ユニット2の右側縁部(裏側)にも、それぞれ図示しない施錠具が設けられている。
図1に示されるように、外枠ユニット2に対して一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7が閉じた状態で、その裏側にある統一錠ユニット7aは施錠具とともに一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の開放を不能にしている。
【0024】
また、受皿ユニット6の右側縁部には鍵穴付きのシリンダ錠6aが設けられている。例えば、遊技場の管理者が専用キーを鍵穴に差し込んでシリンダ錠6aを時計回りに捻ると、統一錠ユニット7aが作動して内枠アセンブリ7とともに一体扉ユニット4の開放が可能な状態となる。これら全体を外枠ユニット2から前面側へ開放する(扉のように動かす)と、前面側にてパチンコ機1の裏側が露出することになる。
【0025】
一方、シリンダ錠6aを反時計回りに捻ると、内枠アセンブリ7は施錠されたままで一体扉ユニット4の施錠だけが解除され、一体扉ユニット4が開放可能となる。一体扉ユニット4を前面側へ開放すると遊技盤ユニット8が直に露出し、この状態で遊技場の管理者が盤面内での球詰まり等の障害を取り除くことができる。また、一体扉ユニット4を開放すると、受皿ユニット6も一緒に前面側へ開放される。
【0026】
また、パチンコ機1は、遊技用ユニットとして上記の遊技盤ユニット8を備えている。遊技盤ユニット8は、一体扉ユニット4の背後(内側)で上記の内枠アセンブリ7に支持されている。遊技盤ユニット8は、例えば一体扉ユニット4を前面側へ開放した状態で内枠アセンブリ7に対して着脱可能である。一体扉ユニット4には、その中央部に縦長円形状の窓4aが形成されており、この窓4a内にガラスユニット(参照符号なし)が取り付けられている。ガラスユニットは、例えば窓4aの形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。ガラスユニットは、一体扉ユニット4の裏側に図示しない取り付け具を介して取り付けられる。遊技盤ユニット8の前面には遊技領域9a(盤面、遊技盤)が形成されており、この遊技領域9aは窓4aを通じて前面側から遊技者に視認可能である。一体扉ユニット4が閉じられると、ガラスユニットの内面と盤面との間に遊技球が流下できる空間が形成される。
【0027】
受皿ユニット6は、全体的に一体扉ユニット4から前面側へ突出した形状をなしており、その上面に上皿6bが形成されている。この上皿6bには、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留することができる。また、受皿ユニット6には、上皿6bの下段位置に下皿6cが形成されている。この下皿6cには、上皿6bが満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機1はカードユニットに接続する機種であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に裏側の払出装置ユニット172から受皿ユニット6(上皿6b又は下皿6c)に払い出される。
【0028】
受皿ユニット6の上面には遊技操作部6dが設けられており、この遊技操作部6dには、遊技球の貸出を受けるために操作される球貸ボタン10およびカードユニットに投入された有価媒体(例えば磁気記録媒体、記憶IC内蔵媒体等)を返却させるために操作される返却ボタン12が配置されている。図示しないカードユニットに有価媒体を投入した状態で球貸ボタン10を遊技者が操作すると、予め決められた度数単位(例えば5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出される。このため遊技操作部6dの上面には度数表示部(図示されていない)が配置されており、この度数表示部には、カードユニットに投入されている有価媒体の残存度数が表示される。なお、遊技者は、返却ボタン12を操作することで、度数が残存している有価媒体の返却を受けることができる。本実施形態ではカードユニットに接続する遊技機を例に挙げているが、パチンコ機1は現金機(カードユニットに接続しない遊技機)であってもよい。
【0029】
また、遊技操作部6dの側方には、音量調節ボタン13aおよび光量調節ボタン13bが設けられている。音量調節ボタン13aおよび光量調節ボタン13bはともに、縦長矩形状に形成されており、その上端部および下端部を押下可能に構成されている。音量調節ボタン13aの上端部を押下した場合には、スピーカ54a~54cから出力される音声の音量を大きくすることができ、音量調節ボタン13aの下端部を押下した場合には、スピーカ54a~54cから出力される音声の音量を小さくすることができるようになっている。また、同様に、光量調節ボタン13bの上端部を押下した場合には、枠ランプ46,50の光量を大きくすることができ、光量調節ボタン13bの下端部を押下した場合には、枠ランプ46,50の光量を小さくすることができるようになっている。
【0030】
受皿ユニット6の右下部には、ハンドルユニット16が設置されている。遊技者はこのハンドルユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域9a(
図3参照)に向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。発射された遊技球は、遊技盤ユニット8の下縁部から左側縁部に沿って上昇し、図示しない外バンドに案内されて遊技領域9a内に放り込まれる。遊技領域9a内には多数の障害釘や風車(図中参照符号なし)等が配置されており、放り込まれた遊技球は障害釘や風車により誘導・案内されながら遊技領域9a内を流下する。なお、遊技領域9a内(盤面、遊技盤)の構成については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0031】
[枠前面の構成]
一体扉ユニット4には、演出用の構成要素としてレンズユニット47および右上電飾ユニット49が設置されている。このうちレンズユニット47には枠ランプ46が組み込まれており、右上電飾ユニット49には右側の枠ランプ50が組み込まれている。
【0032】
上述した各種枠ランプ46,50は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。また、一体扉ユニット4にはそれぞれスピーカ54a~54dが組み込まれている。これらスピーカ54a~54dは、効果音やBGM、音声等(音響全般)を出力して演出を実行するものである。
【0033】
また、受皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出ボタン45を押し込み操作することで演出内容(例えば液晶表示器42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出、大役中の昇格演出等)を発生させたりすることができる。
【0034】
さらに、演出ボタン45の周囲には、演出ボタン45を取り囲むようにジョグダイアル45aが設置されている(操作入力受付手段、回転型セレクター)。遊技者は、このジョグダイアル45aを回転させることで、例えば液晶表示器42に表示される演出内容を変化させることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、遊技を行っているときに特別図柄の変動表示の過程で、特別図柄の変動表示の表示結果を示唆するときに、演出ボタン45、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13bが振動させることが可能である。
【0036】
[裏側の構成]
図2に示されているように、パチンコ機1の裏側には、電源制御ユニット162や主制御基板ユニット170、払出装置ユニット172、流路ユニット173、発射制御基板セット174、払出制御基板ユニット176、裏カバーユニット178等が設置されている。この他にパチンコ機1の裏側には、パチンコ機1の電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示しない制御コンピュータを含む)や外部端子板160、電源コード(電源プラグ)164、アース線(アース端子)166、図示しない接続配線等が設置されている。
【0037】
上記の払出装置ユニット172は、例えば賞球タンク172aおよび賞球ケース(参照符号なし)を有しており、このうち賞球タンク172aは内枠アセンブリ7の上縁部(裏側)に設置された状態で、図示しない補給経路から補給された遊技球を蓄えることができる。賞球タンク172aに蓄えられた遊技球は、図示しない上側賞球樋を通じて賞球ケースに導かれる。流路ユニット173は、払出装置ユニット172から送り出された遊技球を前面側の受皿ユニット6に向けて案内する。
【0038】
また、上記の外部端子板160は、パチンコ機1を外部の電子機器(例えばデータ表示装置、ホールコンピュータ等)に接続するためのものであり、この外部端子板160からは、パチンコ機1の遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)が外部の電子機器に向けて出力されるものとなっている。
【0039】
電源コード164は、例えば遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されることで、パチンコ機1の動作に必要な電源(電力)を確保するものである。また、アース線166は、同じく島設備に設置されたアース端子に接続されることで、パチンコ機1のアース(接地)を確保するものである。
【0040】
[遊技盤ユニットの構成]
図3は、遊技盤ユニット8を単独で示す正面図である。遊技盤ユニット8は、ベースとなる遊技盤9を備えており、この遊技盤9の前面側に遊技領域9aが形成されている。遊技盤9は、例えば透明樹脂板で構成されており、その一部に意匠が付されている。具体的には、意匠として着色や絵柄が付されている。そして、遊技盤9の意匠が付された部分以外の部分は透明性を有する。したがって、遊技盤9を正面視すると遊技盤9の透明部分を介して遊技盤9の背後を視認することができる。なお、本実施形態では遊技盤9に意匠を付すことにより意匠部以外の部分が透明な構成としているが、遊技盤9全体が透明性を有する構成としてもよい。
【0041】
また、遊技盤ユニット8が内枠アセンブリ7に固定された状態では、遊技盤9の前面はガラスユニットに平行となる。遊技盤9の前面には、略円形状に設置された発射レール(参照符号なし)の内側に上記の遊技領域9aが形成されている。
【0042】
遊技領域9aの左側部分は、通常遊技状態(非時短状態)で使用される第1遊技領域(以下、左打ち領域とも称する)であり、遊技領域9aの右側部分は、有利遊技状態(大当り遊技状態、小当り遊技状態、時短状態)で使用される第2遊技領域(以下、右打ち領域とも称する)である。なお、本実施形態では、非時短状態を非時間短縮状態と称することがあり、時短状態を時間短縮状態と称することがある。
【0043】
遊技領域の最上部には、遊技領域9aの上部に向かって発射された遊技球を右打ち領域に導くための案内通路18が形成されている。
【0044】
また、遊技領域9a内には、始動ゲート20、普通入賞口22、第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30等が分布して設置されている。
【0045】
このうち、普通入賞口22は遊技領域9aの左側部分に配置されている。第1始動入賞口26は、遊技領域9aの下部分の中央に配置されている。始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30は、遊技領域9aの右側部分に配置されている。
【0046】
そして、遊技領域9a内に発射された遊技球は、その流下の過程で第1始動入賞口26、普通入賞口22に入球したり、始動ゲート20を通過したり、作動時の可変始動入賞装置28や開放動作時の可変入賞装置30に入球したりする。
【0047】
そして、始動ゲート20を通過した遊技球、普通入賞口22、第1始動入賞口26、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入球した遊技球は遊技板(遊技盤ユニット8を構成する合板材、透明板等)に形成された貫通孔を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。
【0048】
ここで、本実施形態では、遊技領域9a(盤面)の構成上、第1始動入賞口26や普通入賞口22に遊技球を入球させる場合は、遊技領域9a内の左打ち領域に遊技球を打ち込む(いわゆる「左打ち」を実行する)必要がある。
【0049】
一方、始動ゲート20、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に遊技球を入球させる場合は、遊技領域9a内の右打ち領域に遊技球を打ち込む(いわゆる「右打ち」を実行する)必要がある。
【0050】
始動ゲート20を遊技球が通過すると作動抽選(普通図柄抽選)が行われる。そして、可変始動入賞装置28は、所定の作動条件が満たされた場合(普通図柄抽選で当選し、普通図柄が当りの態様で所定の停止表示時間にわたり停止表示された場合)に作動する。
【0051】
可変始動入賞装置28は板状の開閉部材28aを備えている。開閉部材28aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復移動可能である。常態では、開閉部材28aは、遊技盤9の盤面の内部に収納された状態になっている。このとき、可変始動入賞装置28の第2始動入賞口28bに遊技球が進入する難易度が高く、遊技球は開閉部材28aの上面を転動することなく下流側に流下してしまう。そして、可変始動入賞装置28が作動すると、開閉部材28aが盤面の前方(すなわち、遊技者側)に突出した状態になる。開閉部材28aは図中に向かって右側から左向かって傾斜している。また、開閉部材28aの左側方には第2始動入賞口28bが設けられている。そして、開閉部材28aが突出したときは遊技球が開閉部材28aの上面を転動し、第2始動入賞口28bに導かれる。これにより、開閉部材28aが突出したときに可変始動入賞装置28の第2始動入賞口28bに遊技球が進入する難易度が低くなり、開閉部材28a上の遊技球を第2始動入賞口28bに入球させることが可能になる。
【0052】
可変入賞装置30は、規定の条件が満たされた場合(特別図柄が大当りの態様で停止表示された場合または特別図柄が小当りの態様で停止表示された場合)に作動する。
【0053】
可変入賞装置30は、板状の開閉部材30aを備えている。開閉部材30aは、例えば図示しないソレノイドを用いたリンク機構の働きにより、盤面に対して前後方向に往復移動可能である。常態では、開閉部材30aは、遊技盤9の盤面から遊技者側に突出している。このとき遊技球は開閉部材30aの上面を転動するため、可変入賞装置30内に遊技球を流入させることができない。そして、可変入賞装置30が作動すると、開閉部材30aが盤面の内部に引き込まれ、可変入賞装置30内への遊技球の流入が可能になる。可変入賞装置30内に遊技球が流入すると、可変入賞装置30内に設けられた大入賞口30bへ遊技球を入球させることが可能になる。なお、以下、大入賞口30bを単に大入賞口と称することがある。
【0054】
ここで、可変入賞装置30内には、可変入賞装置30内(すなわち、大入賞口30b)に進入した遊技球を検出するカウントスイッチ84が設けられ、カウントスイッチ84の下流側に、特定領域(V入賞口)スイッチ85aと、非特定領域(非V入賞口)スイッチ85bとが横並びに設けられている。特定領域スイッチ85aと非特定領域スイッチ85bは遊技球が通過可能なセンサで構成されている。そして、特定領域スイッチ85aにおける遊技球の通過領域が特定領域30c、非特定領域スイッチ85bにおける遊技球の通過領域が非特定領域30dとなっている。
【0055】
そして、可変入賞装置30内に入球(入賞)した遊技球は特定領域30cまたは非特定領域30dのいずれかに振り分けられる。特定領域30cまたは非特定領域30dを通過した遊技球は、さらに下流側の貫通穴を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収されることとなる。
【0056】
なお、各入賞口や入賞装置に遊技球が入球(進入)することを「入賞」ともいう。特に、始動入賞口(第1始動入賞口、第2始動入賞口)への入賞を始動入賞ともいう。
【0057】
そして、本実施形態では、普通入賞口22に遊技球が入賞すると「6個」の賞球が払い出される。また、第1始動入賞口26や第2始動入賞口28bに遊技球が入賞すると「1個」の賞球が払い出される。また、大入賞口30bに遊技球が入賞すると「15個」の賞球が払い出される。
【0058】
遊技盤ユニット8には、液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応する演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。具体的には、液晶表示器42の画像表示領域の中央部では、例えば、第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示と同期して、特別図柄とは異なる複数種類の演出図柄(数字などを示す図柄など)の変動表示が行われる。ここでは、第1特別図柄の変動表示、第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示に同期して(換言すると並行して)、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおいて演出図柄が変動表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)される。換言すると、「左」、「中」、「右」の演出図柄列の各々で演出図柄の変動表示が行われる。なお、本実施形態では、演出図柄表示エリア42Lで変動表示が行われる演出図柄を左図柄、演出図柄表示エリア42Cで変動表示が行われる演出図柄を中図柄、演出図柄表示エリア42Rで変動表示が行われる演出図柄を右図柄と称することがある。
【0059】
また、例えば、液晶表示器42の画像表示領域の下端部には、実行が保留されている変動表示に対応する保留表示を表示するための表示エリアが設けられている。本例では、第1特別図柄の変動表示に対応する保留表示を表示するための第1保留表示領域42aと、第2特別図柄の可変表示に対応する保留表示を表示するための第2保留表示領域42bとが設けられている。
【0060】
なお、保留されている変動表示の数は保留記憶数または作動記憶数ともいう。第1特別図柄に対応する保留記憶数を第1保留記憶数または第1作動記憶数、第2特別図柄に対応する保留記憶数を第2保留記憶数または第2作動記憶数ともいう。また、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を合計保留記憶数または合計作動記憶数ともいう。
【0061】
さらには、液晶表示器42の画像表示領域の右側の端部には、特別図柄に対応するとともに演出図柄よりも縮小された態様によるミニ図柄を表示するためのミニ図柄表示領域42cが設けられている。
【0062】
また、液晶表示器42の画像表示領域の右側の端部には、第1特別図柄に対応する保留記憶数を表示するための第1保留記憶数表示領域42dが設けられているとともに、第2特別図柄に対応する保留記憶数を表示するための第2保留記憶数表示領域42eが設けられている。
【0063】
また、液晶表示器42の画像表示領域の左側の端部には、後述する時短状態での残り変動回数を表示するための変動回数表示領域42fが設けられている。
【0064】
また、液晶表示器42と遊技盤9の間には装飾用の役物40a,40bが設けられている。そして、上側の役物40aは液晶表示器42の画像表示領域の上端部を覆うように配置されている。したがって、液晶表示器42の画像表示領域の上端部には画像を表示しても視認できない。このため、この部分には画像が表示されることがない。また、役物40bは液晶表示器42の画像表示領域の下端部の一部分を覆うが、下端部の画像表示領域の全てを覆っていない。よって、下端部の画像表示領域には保留表示を表示することができる。
【0065】
その他、遊技領域9a内にはアウト口32が形成されており、各種入賞口に入球(入賞)しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。また、普通入賞口22や第1始動入賞口26、第2始動入賞口28b、可変入賞装置30に入球した遊技球も含めて、遊技領域9a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤ユニット8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、図示しないアウト通路アセンブリを通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。
【0066】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(普通図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄または普通図柄が更新表示される。後述の演出図柄の変動では、複数種類の演出図柄がスクロール表示または更新表示されたり、1以上の演出図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出または導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0067】
図4は、遊技盤ユニット8の一部(窓4a内の右下位置)を拡大して示す正面図である。
【0068】
遊技盤ユニット8には、例えば窓4a内の右下位置に普通図柄表示装置33および普通図柄作動記憶ランプ33aが設けられている他、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38が設けられている。
【0069】
このうち普通図柄表示装置33は、例えば2つのランプ(LED)を交互に点灯させて普通図柄を変動表示し、そして、ランプの点灯又は消灯により普通図柄を停止表示する。なお、本実施形態では1分の1の確率で当りとなるので必ず当り図柄が停止する。普通図柄作動記憶ランプ33aは、例えば2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせによって0~4個の記憶数を表示する。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプを点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。なお、ここでは2つのランプ(LED)を使用することとしているが、4つのランプ(LED)を使用して普通図柄作動記憶ランプ33aを構成してもよい。この場合、点灯するランプの個数で作動記憶数を表示することができる。
【0070】
普通図柄作動記憶ランプ33aは、上記の始動ゲート20を遊技球が通過すると、その都度、作動抽選の契機となる通過が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その通過を契機として普通図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。なお、本実施形態では、普通図柄作動記憶ランプ33aが未点灯(記憶数が0個)の場合、普通図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で始動ゲート20を遊技球が通過しても表示態様は変化しない。すなわち、普通図柄作動記憶ランプ33aの表示態様によって表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ普通図柄の変動が開始されていない通過の回数を表している。
【0071】
また、第1特別図柄表示装置34および第2特別図柄表示装置35は、例えば7セグメントLED(ドット付き)により特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる(図柄表示手段、第1図柄表示手段、第2図柄表示手段)。その他、特別図柄表示装置34,35は複数のドットLEDを幾何学的(例えば円形状)に配列した形態であってもよい。なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄の同時変動が行われないので、特別図柄の変動表示には第1特別図柄表示装置34が用いられる。そして、第2特別図柄表示装置35は普通図柄の変動表示に用いられる。そして、抽選により決定された種類の普通図柄が第2特別図柄表示装置35により停止表示される。第2特別図柄表示装置35による変動表示は普通図柄表示装置33での変動表示に同期して行われる。
【0072】
また、第1特別図柄作動記憶ランプ34aおよび第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、例えばそれぞれ2つのランプ(LED)の消灯又は点灯、点滅の組み合わせで構成される表示態様により、それぞれ0~4個の記憶数を表示する(記憶数表示手段)。例えば、2つのランプをともに消灯させた表示態様では記憶数0個を表示し、1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数1個を表示し、同じ1つのランプが点滅させた表示態様では記憶数2個を表示し、1つのランプの点滅に加えてもう1つのランプを点灯させた表示態様では記憶数3個を表示し、そして、2つのランプをともに点滅させた表示態様では記憶数4個を表示する、といった具合である。
【0073】
第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の第1始動入賞口26に遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化していき(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化していく。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の第2始動入賞口28bに遊技球が入球するごとに、入球が発生したことを記憶する意味で1個ずつ増加後の表示態様へと変化し(最大4個まで)、その入球を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ減少後の表示態様へと変化する。なお、本実施形態では、第1特別図柄作動記憶ランプ34aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第1特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で第1始動入賞口26に遊技球が入球しても表示態様は変化しない。また、第2特別図柄作動記憶ランプ35aが未点灯(記憶数が0個)の場合、第2特別図柄が既に変動開始可能な状態(停止表示時)で第2始動入賞口28bに遊技球が入球しても表示態様は変化しない。すなわち、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示態様により表される記憶数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入球の回数を表している。
【0074】
また、遊技状態表示装置38には、例えば、大当り種別表示ランプ38a,38b、小当り表示ランプ38c、時短状態表示ランプ38e、発射位置指定ランプ38fにそれぞれ対応する5つのLEDが含まれている。なお、本実施形態では、上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38が1枚の統合表示基板90に実装された状態で遊技盤ユニット8に取り付けられている。
【0075】
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである(普通図柄についても同じ)。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、1以上の図柄の拡大/縮小などがある。特別図柄や後述の普通図柄の変動では、複数種類の特別図柄又は普通図柄が更新表示される。後述の演出図柄の変動では、複数種類の演出図柄がスクロール表示又は更新表示されたり、1以上の演出図柄が変形や拡大/縮小されたりする。なお、変動には、ある図柄を点滅表示する態様も含まれる。可変表示の最後には、表示結果として所定の特別図柄が停止表示(導出又は導出表示などともいう)される(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。なお、可変表示を変動表示、変動と表現する場合がある。
【0076】
[遊技の進行の概略]
パチンコ機1の遊技状態には、通常状態(非時短状態)と、通常状態と大当りの確率は同一であるが通常状態よりも特別図柄の変動効率が向上する時短状態とがある。なお、本実施形態において、特別図柄を特図と省略し、普通図柄を普図と省略することがある。また、第1特別図柄を特
図1、第2特別図柄を特
図2と省略することがある。
【0077】
パチンコ機1では、遊技状態が通常状態である場合には、遊技者は遊技領域9aの左方を狙って発射操作(いわゆる左打ち操作)を行うのが有利である。通常状態は、パチンコ機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。通常状態において、パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、左打ち操作を行い、第1始動入賞口26に遊技球が進入すると、第1特別図柄表示装置34による第1特別図柄の変動表示が開始される。
【0078】
なお、特別図柄の変動表示の実行中の期間、大当り遊技状態、小当り遊技状態に制御されている期間に、遊技球が始動入賞口へ入賞した場合(始動入賞が発生したが当該始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該入賞に基づく特別図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)までその実行が保留される。
【0079】
内部抽選の結果に基づいて、第1特別図柄の変動表示において大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる小当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となる。また、はずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。なお、第1特別図柄の変動表示において、大当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となることはない。
【0080】
第1特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態ではパチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作が行われる。
【0081】
大当り遊技状態では、可変入賞装置30により形成される大入賞口30bが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口30bに進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。前記所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口30bを開放することができる上限期間であり、以下、開放上限期間ともいう。このように大入賞口30bが開放状態となる1のサイクルをラウンド(ラウンド遊技)という。大当り遊技状態では、当該ラウンドが所定の上限回数に達するまで繰り返し実行可能となっている。
【0082】
大当り遊技状態においては、遊技者は、遊技球を大入賞口30bに進入させることで、賞球(例えば、15個)を得ることができる。従って、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な状態である。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程遊技者にとって有利となる。
【0083】
なお、「大当り」には、大当り種別が設定されている。例えば、大入賞口の開放態様(ラウンド数や開放上限期間)や、大当り遊技状態後の遊技状態(通常状態、時短状態など)を複数種類用意し、これらに応じて大当り種別が設定されている。大当り種別として、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ないまたはほとんど賞球を得ることができない大当り種別が設けられていてもよい。
【0084】
大当り遊技状態が終了した後は、上記大当り種別に応じて、時短状態に制御されることがある。本実施形態では、全ての大当りで時短状態に制御される。大当り遊技を終了し、遊技状態が時短状態に制御されると、遊技者は遊技領域の右方を狙って発射操作(右打ち操作)を行うのが有利である。パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、遊技球が始動ゲート20を通過すると、普通図柄表示装置33による普通図柄の変動表示が開始される。なお、前回の普通図柄の変動表示の実行中の期間等に遊技球が始動ゲート20を通過した場合(遊技球が始動ゲート20を通過したが当該通過に基づく普通図柄の変動表示を直ちに実行できない場合)には、当該通過に基づく普通図柄の変動表示は所定の上限数(例えば4)まで保留される。
【0085】
この普通図柄の変動表示では、普図当り図柄が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。その一方、普図当り図柄以外の普通図柄(普図はずれ図柄)が停止表示されれば、普通図柄の表示結果が「普図はずれ」となる。「普図当り」となると、可変始動入賞装置28を所定期間作動させる制御が行われる。
【0086】
時短状態では、普図図柄の変動表示で「普図当り」となる確率は、通常状態(非時短状態)と同一確率であるが、普通図柄の変動表示で「普図当り」となったときの第2始動入賞口28bの開放期間が非時短状態よりも長くなることがある。具体的には、本実施形態では、第2始動入賞口28bの突出態様として、遊技球の入賞が不可能なように第2始動入賞口28bに極めて短い時間遊技球が案内可能となるショート開放と、ショート開放よりも長時間の突出であり、複数の遊技球の入賞が可能なように第2始動入賞口28bに長時間遊技球が案内可能となるロング開放とがある。そして、非時短状態ではショート開放のみであるが、時短状態ではロング開放となる。これにより、通常状態で可変始動入賞装置28に遊技球を進入させることは不可能であるが、時短状態では可変始動入賞装置28に遊技球を進入させることが可能になる。さらに、時短状態では、普通図柄の変動表示の時間も非時短状態より短くなる。
【0087】
そして、ロング開放が行われたときには、第2始動入賞口28bに複数の遊技球を入賞させることができるため、第2特別図柄の保留記憶が発生しやすくなる。また、時短状態では、特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなる。よって、時短状態では、ロング開放によって通常状態よりも第2始動入賞口28bに遊技球が入賞しやすくなり、また、特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなるので、通常状態よりも特別図柄が変動表示されやすくなる。
【0088】
時短状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるといった、所定の終了条件が成立するまで継続する。そして、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されたこと、が終了条件となるものを、回数切り(回数切り確変等)ともいう。
【0089】
また、パチンコ機1が備えるハンドルユニット16への遊技者による回転操作により、右打ち操作を行い、第2始動入賞口28bに遊技球が進入すると、第2特別図柄表示装置35による第2特別図柄の変動表示が開始される。
【0090】
内部抽選の結果に基づいて、第2特別図柄の変動表示において、大当り図柄が停止表示されれば、「大当り」となり、大当り図柄とは異なる小当り図柄が停止表示されれば、「小当り」となる。また、大当り図柄や小当り図柄とは異なるはずれ図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
【0091】
第2特別図柄の変動表示での表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では上記と同様の遊技が行われる。
【0092】
また、第2特別図柄の変動表示での表示結果が「小当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として小当り遊技状態に制御される。
【0093】
小当り遊技状態では、可変入賞装置30により形成される大入賞口30bが所定の態様で開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口30bに進入した遊技球の数が所定個数(例えば10個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。小当り遊技状態では、1ラウンドのみ実行可能となっている。
【0094】
そして、小当り遊技状態において、大入賞口30bに進入した遊技球が特定領域を通過すると、小当り遊技状態の終了後に大当り遊技状態に制御される。このとき、小当り遊技状態が1ラウンド目とされ、2ラウンド目から大当り遊技状態が開始される。
【0095】
一方で、大入賞口30bに進入した遊技球が非特定領域を通過すると、大当り遊技状態に発展することなく小当り遊技状態は終了する。
【0096】
大当り遊技状態に制御されることなく小当り遊技状態が終了した後は、遊技状態の変更が行われず、特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御される。
【0097】
なお、本実施形態では、第1特別図柄の大当りとして、ラウンド数が「2」の2ラウンド大当りがある。また、第1特別図柄で小当りから大当りに発展するとラウンド数が「10」の10ラウンド大当りに発展する(以下、小当りを10ラウンド小当りと称することがある)。また、第2特別図柄の大当りはラウンド数が「2」の2ラウンド大当り、および、ラウンド数が「6」の6ラウンド大当りがある。また、第2特別図柄で小当りから大当りに発展するとラウンド数が「10」の10ラウンド大当りに発展する。なお、第2特別図柄の2ラウンド大当りでは大入賞口30bに遊技球を入賞させることが困難でとなるように大入賞口30bの開放時間が設定されている。
【0098】
そして、第1特別図柄の2ラウンド大当りまたは10ラウンド小当りの終了後に時短状態に制御されると、特
図1の変動回数と特
図2の変動回数の合計が108回、特
図2の変動回数が100回のいずれかに達すると時短状態が終了する。
【0099】
また、第2特別図柄の2ラウンド大当りの終了後に時短状態に制御されると、特
図1の変動回数と特
図2の変動回数の合計が10008回、特
図2の変動回数が10000回のいずれかに達すると時短状態が終了する。
【0100】
また、第2特別図柄の6ラウンド大当りまたは10ラウンド小当りの終了後に時短状態に制御されると、特
図1の変動回数と特
図2の変動回数の合計が108回、特
図2の変動回数が100回のいずれかに達すると時短状態が終了する。
【0101】
[演出の進行など]
パチンコ機1では、遊技の進行に応じて種々の演出が実行される。当該演出は、液晶表示器42に各種の演出画像を表示することによって行われる。
【0102】
遊技の進行に応じて実行される演出として、液晶表示器42に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示が開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄の変動表示において表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。同様に、普通図柄の変動表示において表示結果(確定普通図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、演出図柄の変動表示の表示結果となる確定演出図柄(3つの演出図柄の組合せ)も停止表示される。
【0103】
演出図柄の変動表示が開始されてから終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示の態様が所定のリーチ態様となることがある。ここで、リーチ態様とは、液晶表示器42の画面上にて停止表示された演出図柄が後述の大当り組合せや小当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動表示が継続している態様などのことである。
【0104】
また、演出図柄の変動表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。パチンコ機1では、演出態様に応じて表示結果(特別図柄の変動表示の表示結果や演出図柄の変動表示の表示結果)が「大当り」となる割合(大当り信頼度、大当り期待度とも呼ばれる。)や「小当り」となる割合(小当り信頼度、小当り期待度とも呼ばれる。)が異なる複数種類のリーチ演出が実行される。リーチ演出には、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度の高いスーパーリーチと、がある。
【0105】
なお、本実施形態では、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを同時に並行して実行することが可能であるが、通常状態では第1特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われ、時短状態では第2特別図柄に対応する演出図柄の変動表示が行われる。また、ミニ図柄や第4図柄は遊技状態に関わらず変動表示が行われる。
【0106】
特別図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「大当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける所定の有効ライン上に同一の演出図柄(例えば、「7」等)が揃って停止表示される。
【0107】
特別図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となるときには、液晶表示器42の画面上において、演出図柄の変動表示の表示結果として、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄(例えば、「1 3 5」等)が導出される(演出図柄の変動表示の表示結果が「小当り」となる)。例えば、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア42L、42C、42Rにおける所定の有効ライン上にチャンス目を構成する演出図柄が停止表示される。
【0108】
特別図柄の変動表示の表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様とならずに、演出図柄の変動表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄(「非リーチはずれ」ともいう。)が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「非リーチはずれ」となる)ことがある。また、表示結果が「はずれ」となる場合には、演出図柄の変動表示の態様がリーチ態様となった後に、演出図柄の変動表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチはずれ」ともいう)の確定演出図柄が停止表示される(演出図柄の変動表示の表示結果が「リーチはずれ」となる)こともある。
【0109】
パチンコ機1が実行可能な演出には、保留表示や変動表示中表示を表示することも含まれる。また、他の演出として、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出等が演出図柄の変動表示中に実行される。予告演出には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出がある。先読み予告演出(以下、先読み演出と称することもある)として、変動表示対応表示(保留表示やアクティブ表示)の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる演出が実行されるようにしてもよい。
【0110】
また、液晶表示器42において、演出図柄の変動表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に変動表示を再開させることで、1回の変動表示を擬似的に複数回の変動表示のように見せる擬似連演出を実行するようにしてもよい。
【0111】
大当り遊技状態中にも、大当り遊技状態を報知する大当り中演出が実行される。大当り中演出としては、ラウンド数を報知する演出や、大当り遊技状態の価値が向上することを示す昇格演出が実行されてもよい。また、小当り遊技状態中にも、小当り遊技状態を報知する小当り中演出が実行される。なお、小当り遊技状態中と、一部の大当り種別(小当り遊技状態と同様の態様の大当り遊技状態の大当り種別で、例えばその後の遊技状態を高確状態とする大当り種別)での大当り遊技状態とで、共通の演出を実行することで、現在が小当り遊技状態中であるか、大当り遊技状態中であるかを遊技者に分からないようにしてもよい。そのような場合であれば、小当り遊技状態の終了後と大当り遊技状態の終了後とで共通の演出を実行することで、高確状態であるか低確状態であるかを識別できないようにしてもよい。
【0112】
また、例えば特別図柄の変動表示等が実行されていないときには、液晶表示器42にデモ(デモンストレーション)画像が表示される。
【0113】
[画像と遊技盤の位置関係について]
次に、液晶表示器42で表示される画像と遊技盤9との位置関係について
図4を用いて説明する。
【0114】
図5に示すように、液晶表示器42から表示される画像には演出図柄43が含まれている。演出図柄43は、液晶表示器42の画像表示領域の中央部領域に表示される。演出図柄43には、例えば、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rの3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」を表したものとなっている。ここで、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rは、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
【0115】
そして、液晶表示器42の画像表示領域の下側の端部領域の第1保留表示領域42aおよび第2保留表示領域42bには、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれの保留記憶数を表す保留表示(図中に参照符号M1,M2を付す)が表示されるものとなっている。これら保留表示M1,M2は、演出図柄が変動対象となっているときに表示可能となり、それぞれの表示個数が対応する第1特別図柄、第2特別図柄の保留記憶数を表しており、遊技中の保留記憶数の変化に連動して表示個数も増減する。
【0116】
また、保留表示M1,M2は、視覚的な判別を容易にするため第1特別図柄に対応する保留表示M1が例えば円(○)の図形で表示され、第2特別図柄に対応する保留表示M2が例えば星(☆)の図形で表示されている。
【0117】
なお、
図5の例では、保留表示M1が4つとも点灯表示されることで第1特別図柄の保留記憶数が4個であることを表し、保留表示M2が全て点灯表示されることで第2特別図柄の保留記憶数が4個であることを表している。
【0118】
また、液晶表示器42の画像表示領域の右側の端部領域の第1保留記憶数表示領域42dおよび第2保留記憶数表示領域42eには、第1特別図柄の保留記憶数が第1保留記憶数表示44aとして数字で表示されるとともに、第2特別図柄の保留記憶数が第2保留記憶数表示44bとして数字で表示される。さらに、液晶表示器42の画像表示領域の右側の端部領域のミニ図柄表示領域42cにはミニ図柄44cが表示される。このミニ図柄44cは、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、特別図柄の変動表示に同期して変動表示される。
【0119】
また、液晶表示器42の画像表示領域の左側の端部領域の変動回数表示領域42fには、時短状態での図柄の残り変動回数を示す変動回数表示51が表示される。本実施形態の変動回数表示51は「時短 残り○○○回」と表示される。すなわち、変動回数表示51は、遊技の進行に伴って特別図柄の変動表示が行われたときに表示態様が変化する変化表示51a(残り○○○回)と、遊技の進行に伴って特別図柄の変動表示が行われたときに表示態様が変化しない非変化表示51b(時短)とで構成されている。
【0120】
また、液晶表示器42の画像表示領域の略中央部(演出図柄43の表示領域やその周囲の領域など)では演出画像48が表示される。例えば、大当り信頼度を予告する予告演出が実行されたときに予告演出画像が表示される。予告演出画像には、実行中の変動表示における大当り信頼度を予告する予告演出画像や、実行前の変動表示(実行が保留されている変動表示)における大当り信頼度を予告する先読み予告演出画像がある。先読み予告演出画像としては、保留表示M1,M2の表示態様を通常とは異なる態様に変化させる画像や、保留表示M1,M2とは別個に表示する演出画像が含まれる。
【0121】
そして、本実施形態では、遊技者が通常の遊技姿勢で遊技盤9の透明部分(意匠が付された部分以外の部分)を正面視すると、遊技盤9の透明部分が液晶表示器42の画像表示領域の端部領域に重畳する部分がある。具体的には、遊技盤9の透明部分は、第1保留表示領域42a、第2保留表示領域42b、ミニ図柄表示領域42c、第2保留記憶数表示領域42e、変動回数表示領域42fに重畳する。
【0122】
そして、前述したように、第1保留表示領域42aには保留表示M1の一部及び保留表示M2、第2保留表示領域42bには第2保留記憶数表示44b、ミニ図柄表示領域42cにはミニ図柄44c、第2保留記憶数表示領域42eには第2保留記憶数表示44b、変動回数表示領域42fには変動回数表示51が表示される。
【0123】
これにより、遊技盤9の透明部分は、保留表示M1の一部、保留表示M2の一部、第2保留記憶数表示44bの一部、ミニ図柄44cの一部、変動回数表示51の一部に重畳する。変動回数表示51では、遊技の進行に伴って表示態様が変化しない「時短」の部分に遊技盤9が重畳する。
【0124】
そして、遊技盤9の透明部分は透明性を有するが、隣席で遊技を行う遊技者からは、遊技盤9に重畳する保留表示M1、保留表示M2、第2保留記憶数表示44b、ミニ図柄44c、変動回数表示51を視認することが困難になる。これにより、遊技を行う遊技者は他の遊技者から液晶表示器42の画像を見られて遊技に集中できない弊害を感じることなく遊技を行うことができる。
【0125】
一方、遊技盤9の透明部分は演出図柄43や液晶表示器42の画像表示領域の略中央部で表示される演出画像には重畳しない。このように、遊技盤9は、内部抽選の結果に係る重要な画像には重畳しないので、遊技の進行が阻害されることはない。
【0126】
また、遊技盤9の透明部分と重畳する端部領域に保留表示M1の一部および保留表示M2)を表示可能である。これにより、注目度が低い保留表示以外の画像の視認性を向上でき、遊技性を向上させることができる。
【0127】
また、遊技盤9の透明部分と重畳する端部領域に、演出図柄43よりも縮小された態様によるミニ図柄44cを表示することが可能である。これにより、ミニ図柄44cは演出図柄43に付随する表示なので、ミニ図柄44cを端部領域に表示しても遊技の進行が阻害されることを防止できる。よって、演出図柄43の表示領域を広くして演出図柄43の視認性を確保すること可能になり、遊技性を向上させることができる。
【0128】
また、遊技の進行に伴って特別図柄の変動表示が行われたときに表示態様が変化する変化表示51a(残り○○○回)と、遊技の進行に伴って特別図柄の変動表示が行われたときに表示態様が変化しない非変化表示51b(時短)とを表示可能である。そして、遊技盤9の透明部分と重畳する端部領域に遊技の進行に伴って特別図柄の変動表示が行われたときに表示態様が変化しない非変化表示51b(時短)を表示可能である。これにより、非変化表示51bは遊技が進行しても確認することができるが、変化表示51aは遊技の進行に伴って変化してしまうので、変化表示51aの表示領域を広くして変化表示51aの視認性を確保することにより、遊技性を向上させることができる。
【0129】
[遊技者の視線について]
図6は遊技者が遊技を行うときの視線の一例を示す。
【0130】
図6に示すように、本実施形態では遊技盤9は液晶表示器42の前側に配置されており、液晶表示器42と遊技盤9の間には役物40a,40bが設けられているので、液晶表示器42と遊技盤9は前後方向で所定の間隔を空けて配置される。
【0131】
そして、遊技者Nが遊技姿勢をとって遊技を行った場合、奥側に配置された液晶表示器42を視認するので、遊技盤9の透明部分が重畳している端部領域を視認することが容易になる。よって、液晶表示器42の画像表示領域のうち、遊技盤9と重畳する端部領域に特定画像(保留表示M1、保留表示M、第2保留記憶数表示44b、ミニ図柄44c、変動回数表示51)を表示しても特定画像を直接視認できる。よって、遊技を行うときの利便性が低下することはない。
【0132】
以上のように、液晶表示器42の画像表示領域のうち、遊技盤9の透明部分と重畳する端部領域よりも面積の広い中央部の領域で演出図柄43や演出画像48を表示することにより、遊技を行う遊技者のみならず、周囲で遊技を行う遊技者に対してパチンコ機Pをアピールすることができる。
【0133】
また、周囲の遊技者にアピールする必要のない特定画像は遊技を行う遊技者のみが確認可能な遊技盤9と重畳する端部領域に表示することにより、演出図柄43や演出画像48の表示領域を十分に確保しつつ、遊技盤9の透明性により遊技盤9と重畳する特定画像の視認性が阻害されることを防止できる。
【0134】
また、変動回数表示51のうち、遊技の進行に伴って表示態様が変化する変化表示51aは、遊技盤9と重畳しない領域に表示することにより、遊技を行う遊技者のみならず周囲の遊技者に遊技の展開をアピールすることができる。一方、遊技の進行に伴って表示態様が変化しない非変化表示51bは、周囲の遊技者からの注目度が低いことから、遊技盤9と重畳する端部領域に表示することにより、演出図柄43や演出画像48を表示する中央領域を十分に確保できる。
【0135】
なお、特定画像を演出ボタン45の操作により表示態様が変化する変化表示と演出ボタン45を操作しても表示態様が変化しない非変化表示とで構成してもよい。この場合にも、より、変化表示について周囲の遊技者により遊技の展開をアピールすることができる。
【0136】
[打-WIN機能]
本実施形態のパチンコ機1では、遊技者が所有する情報端末(携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等、Webブラウザを利用可能な電子機器等であり、サーバとの通信を確立することが可能な端末)によって、パチンコ機1から遊技履歴情報を取得することが可能である。
【0137】
ここで、「遊技履歴情報」は、機種固有の情報と、全機種共通の情報とに分類される。機種固有の情報とは、リーチ演出、予告演出、大当たりの演出、図柄の変動回数、大当たりの種別、達成したミッション、大役抽選回数、大当たり回数、獲得賞球数、連荘回数(所定期間内に連続して大当たりに当選した回数)、遊技者が設定したキャラクタの種類、レベル値、経験値等に係る情報である。また、全機種共通の情報とは、上記の各遊技履歴情報に応じて付与されるものであり、景品や、情報端末上で利用したり遊技中に利用したりすることができる特典等と交換可能なポイント値に係る情報である。
【0138】
そして、遊技者は、例えば、任意のパチンコ機1における遊技開始から遊技終了までの遊技履歴情報等を、遊技者自身の情報端末に取り込み、サーバに送信して蓄積させる。また、遊技者は、このようにサーバに蓄積された遊技履歴情報を、情報端末において確認することができる。このような遊技システムで実行される一連の機能を本実施形態では「打-WIN機能」と称する。
【0139】
本実施形態では、液晶表示器42は、遊技の進行に合わせた演出画像を表示するだけではなく、遊技者の操作に応じて、所定の情報が含まれた二次元コードも表示する。
【0140】
ここで、「二次元コード」とは、例えば、QRコード(登録商標)や、文字や数字データからなるパスワードを意味するものである。本実施形態では、後述するように、二次元コードとして、QRコードについて説明しているが、QRコードに置き換え、バーコード、文字や数字列等の一次元コードを用いてもよい。
【0141】
パチンコ機1では、遊技処理に応じた遊技履歴情報が加算、蓄積(累積)されていく。例えば、経験値は、内部抽選が行われたときの遊技状態(後述する高確率遊技状態、低確率遊技状態、時短遊技状態、非時短遊技状態)、変動パターン番号(リーチ態様等)、特別図柄の種別、実行された変動演出の具体的な内容等に応じて、獲得される値が予め設定されており、遊技処理に応じた経験値が加算、蓄積される。レベル値は、経験値が一定数積算されると、「1」上昇するように設定されており、加算、蓄積された経験値に応じてレベル値が加算、蓄積される。こうした経験値やレベル値は、例えば、遊技者が設定したキャラクタの成長を示す各種のパラメータとして用いることが可能である。
【0142】
また、遊技者は、情報端末によりサーバにアクセスして、様々な特典を得ることができる。例えば、サーバから、パチンコ機1の攻略情報、未公開情報、パチンコ機1の基本仕様、パチンコ機1に関するメロディーや音声等の着信音、着信画像、楽曲、待ち受け画面、アイコン等の情報といった特典を得ることができる。
【0143】
[打-WIN機能によりパチンコ機1に表示される表示画像]
次に、
図7、
図8を用いて、パチンコ機1の液晶表示器42に表示される表示画像の一例について説明する。なお、
図7及び
図8における表示制御は後述する演出制御CPU126によって行われる。
【0144】
遊技者が、パチンコ機1においてデモ表示が行われているときに、演出ボタン45の操作を行うと、
図7(a)に示すように、液晶表示器42に「打-WINメニュー」の画面が表示される。この「打-WINメニュー」には、少なくとも「新規登録」、「パスワード入力」、「クイックスタート」、「お試し遊技」、「遊技終了」、「戻る」のメニュー項目が表示されている。
【0145】
「打-WINメニュー」において、演出ボタン45及びジョグダイアル45aの操作によって「新規登録」を選択すると、パチンコ機1では、サーバのURLを含む第1二次元コードが生成される。そして、
図7(b)に示すように、パチンコ機1では、生成された第1二次元コードが液晶表示器42に表示される。
【0146】
この第1二次元コードを情報端末で読み取ってサーバにアクセスすることで、打-WIN機能の事前登録(新規登録)を行うことができる。
【0147】
また、「打-WINメニュー」において、演出ボタン45及びジョグダイアル45aの操作によって「パスワード入力」を選択すると、
図8(a)に示すように、パスワードを入力する入力画面が表示される。
【0148】
この入力画面で、演出ボタン45及びジョグダイアル45aを操作することにより、サーバから発行されたパスワードを入力することができ、パスワードが入力されると、パスワード入力による打-WIN機能を利用した遊技が開始される。
【0149】
パスワード入力による打-WIN機能を利用した遊技では、遊技者を特定する遊技者固有情報を事前にサーバに登録させておき、サーバで発行されるパスワードをパチンコ機1で取得して打-WIN機能を利用した遊技を遊技者に行わせる。パスワード入力による打-WIN機能を利用した遊技では、遊技者がサーバ上で設定したキャラクタ情報や演出のカスタム設定情報が記憶され、キャラクタ情報やカスタム設定情報に基づいて、演出態様が変更される。
【0150】
また、「打-WINメニュー」において、演出ボタン45及びジョグダイアル45aの操作によって「クイックスタート」を選択すると、クイックスタートによる打-WIN機能を利用した遊技が開始される。
【0151】
クイックスタートによる打-WIN機能を利用した遊技では、遊技者を特定する遊技者固有情報が事前にサーバに登録されていることを前提とし、サーバからパスワードを発行させることなく、打-WIN機能を利用した遊技を遊技者に行わせる。
【0152】
また、「打-WINメニュー」において、演出ボタン45及びジョグダイアル45aの操作によって「お試し遊技」を選択すると、お試し遊技による打-WIN機能を利用した遊技が開始される。
【0153】
お試し遊技による打-WIN機能では、遊技者を特定する遊技者固有情報を事前にサーバに登録することなく、打-WIN機能を利用した遊技を遊技者に行わせることができる。そして、打-WIN機能を利用した遊技の終了後に、遊技者を特定する遊技者固有情報をサーバに登録するとともに、打-WIN機能を利用した遊技で蓄積された遊技履歴情報を、登録された遊技者固有情報に関連付けて記憶する。
【0154】
また、「打-WINメニュー」において、演出ボタン45及びジョグダイアル45aの操作によって「遊技終了」を選択すると、パチンコ機1では、パチンコ機1に蓄積された遊技履歴情報と、サーバのURLと、を含む第2二次元コードが生成される。そして、
図8(b)に示すように、パチンコ機1では、生成された第2二次元コードが液晶表示器42に表示される。
【0155】
この第2二次元コードを情報端末で読み取り、その第2二次元コードに含まれた遊技履歴情報をサーバに送信することで、パチンコ機1の演出に関する遊技履歴情報をサーバに蓄積させることができる。
【0156】
そして、サーバに蓄積された遊技履歴情報に応じて、景品や、情報端末上で利用したり遊技中に利用したりすることができる特典等と交換可能なポイント値を蓄積できる。すなわち、サーバに蓄積された遊技履歴情報に応じて、景品や、情報端末上で利用したり遊技中に利用したりすることができる特典等を得ることができる。
【0157】
なお、「打-WINメニュー」において、演出ボタン45及びジョグダイアル45aの操作によって「戻る」を選択すると、液晶表示器42から「打-WINメニュー」の画面が消去される。
【0158】
[制御上の構成]
次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。
図9は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70(主制御用コンピュータ)を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお、主制御装置70は、主制御基板ユニット170に内蔵されている。
【0159】
また、主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、主制御装置70には、乱数発生器75やサンプリング回路77が装備されている。このうち乱数発生器75は、特別図柄抽選の大当り判定用や普通図柄抽選の当り判定用にハードウェア乱数(例えば10進数表記で0~65535)を発生させるものであり、ここで発生された乱数は、サンプリング回路77を通じて主制御CPU72に入力される。その他にも主制御装置70には、入出力(I/O)ポート79や図示しないクロック発生回路、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU72とともに回路基板上に実装されている。なお、回路基板上(又は内層部分)には、信号伝送経路や電源供給経路、制御用バス等が配線パターンとして形成されている。
【0160】
上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また、遊技盤ユニット8には、第1始動入賞口26に対応する第1始動入賞口スイッチ80、第2始動入賞口28bに対応する第2始動入賞口スイッチ82、可変入賞装置30に対応する大入賞口スイッチ83、可変入賞装置30の特定領域に対応する特定領域スイッチ85a、可変入賞装置30の非特定領域に対応する非特定領域スイッチ85bが設けられている。
【0161】
第1始動入賞口スイッチ80は第1始動入賞口26への遊技球の入球を検出し、第2始動入賞口スイッチ82は第2始動入賞口28bへの遊技球の入球を検出するためのものである。第1始動入賞口スイッチ80や第2始動入賞口スイッチ82によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0162】
なお、特別図柄の可変表示に関する情報として第1始動入賞口26や第2始動入賞口28bで発生した保留記憶(作動記憶)は4つを上限にRAM76で保存される。主制御CPU72は、RAM76を参照して保留記憶がある場合は、保留記憶を読みだして特別図柄の変動表示を実行したり、対応するコマンドを演出制御CPU126に送信する処理を実行する。
【0163】
また、大入賞口スイッチ83は、可変入賞装置30(大入賞口30b)へ入球した数をカウントするためのものである。大入賞口スイッチ83によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0164】
特定領域スイッチ85aは、可変入賞装置30の特定領域30cに遊技球が入球したことを検出するためのものである。また、非特定領域スイッチ85bは、可変入賞装置30の非特定領域30dに遊技球が入球したことを検出するためのものである。
【0165】
同様に遊技盤ユニット8には、普通入賞口22への遊技球の入球を検出する普通入賞口スイッチ81が設けられている。普通入賞口スイッチ81によって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(6個)の遊技球が賞球として払い出される。
【0166】
主制御CPU72は、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、大入賞口スイッチ83からの検出信号が入力された場合に、各種入賞口に対応する賞球をRAM76に設定(記憶)する。信号が複数入力された場合は、賞球数に合算値を設定する。
【0167】
また、主制御CPU72には性能表示モニタ95が接続されている。性能表示モニタ95は遊技盤9の背面に設けられている。主制御CPU72により、性能表示モニタ95では登録設定値やベース比率、エラーの種類に応じたエラー番号が表示される。
【0168】
これらスイッチ類の入賞検出信号は、図示しない入出力ドライバを介して主制御CPU72に入力される。なお、遊技盤ユニット8の構成上、本実施形態ではゲートスイッチ78、普通入賞口スイッチ81、大入賞口スイッチ83、特定領域スイッチ85a、非特定領域スイッチ85bからの検出信号は、パネル中継端子板87を経由して送信され、パネル中継端子板87には、それぞれの入賞検出信号を中継するための配線パターンや接続端子等が設けられている。
【0169】
上述した普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて表示動作を制御されている。主制御CPU72は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aに対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御している。また、これら表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aは、上述したように1枚の統合表示基板90に実装された状態で遊技盤ユニット8に設置されており、この統合表示基板90にはパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0170】
また、遊技盤ユニット8には、可変始動入賞装置28に対応する普通電動役物ソレノイド88、可変入賞装置30に対応する大入賞口ソレノイド89が設けられている。これらソレノイド88,89は、主制御CPU72からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、それぞれ、可変始動入賞装置28、可変入賞装置30を開閉動作(作動)させる。なお、これらソレノイド88,89についてもパネル中継端子板87を中継して主制御CPU72から制御信号が送信される。
【0171】
その他に一体扉ユニット4にはガラス枠開放スイッチ91が設置されており、また、内枠アセンブリ7にはプラ枠開放スイッチ93が設置されている。一体扉ユニット4が単独で閉鎖されると、ガラス枠開放スイッチ91からの接点信号(閉鎖信号)が主制御装置70(主制御CPU72)に入力され、また、外枠ユニット2から内枠アセンブリ7が閉鎖されると、プラ枠開放スイッチ93からの接点信号(閉鎖信号)が主制御装置70(主制御CPU72)に入力される。主制御CPU72は、これら接点信号(閉鎖信号)から一体扉ユニット4や内枠アセンブリ7の閉鎖状態を検出することができる。
【0172】
なお、主制御CPU72は、閉鎖信号が入力されず、一体扉ユニット4又は内枠アセンブリ7のいずれかの開放状態を検出すると、外部情報信号として扉開放情報信号を生成するとともに、演出制御CPU126に送信する開放コマンドを生成する。また、主制御CPU72は、閉鎖信号の入力により、一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の両方の閉鎖状態を検出すると、外部情報信号として扉閉鎖情報信号を生成するとともに演出制御CPU126に送信する閉鎖コマンドを生成する。
【0173】
また、主制御CPU72には磁気センサ86が接続されている。本実施形態の磁気センサ86はパチンコ機1の周囲の磁場の強さを検出し、検出した磁場の強さが初期設定された閾値を超えた場合に、主制御CPU72は、いわゆる磁石ゴト(磁石を用いて遊技球を操作する不正行為)が行われたことを検出する。
【0174】
本実施形態において、磁気センサ86は、遊技盤9の裏側に設けられている。また、磁気センサ86を遊技盤9の裏側に設ける場合、遊技盤9を構成する板材(例えば、ベニヤ板やアクリル板)の近傍に配設することで、遊技盤9に近づけられた磁石等の磁気を検知し易くできる。例えば、遊技盤9の裏側に磁気センサ86を設ける場合、遊技盤9を構成する板材に直接磁気センサ86を設けることにより、遊技盤9を構成する板材から所定距離離れた場所に磁気センサ86を設ける場合と比べて遊技盤9の表側の磁気を検知し易くなる。
【0175】
本実施形態の磁気センサ86は、主制御CPU72が電源投入時に初期設定を実行して周囲の磁場を加味した基準値(例えば「0」)を設定する。そして、この基準値から変化した値が一定値(閾値)を超えた場合にエラーとする。よって、電源投入時の周囲の磁場環境が初期設定で設定される基準値の設定に影響を及ぼす。このため、後述するように、周囲の磁場環境(例えば、地磁気、モータ、ソレノイド)を一定の状態で初期設定を行うようにしている。具体的には、一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の両方が閉鎖された状態が所定時間(本例では、2.5s)継続した場合に初期設定を行って基準値を設定している。また、磁気センサ86の初期設定が終了した後にさらに0.5s経過した場合、すなわち一体扉ユニット4および内枠アセンブリ7の両方が閉鎖された状態が特定時間(本例では、3.0s)継続した場合に演出制御CPU126が可動体40の初期動作を行う。
【0176】
また、主制御CPU72にはリセットスイッチ73が接続されている。そして、主制御CPU72は、リセットスイッチ73を押下した状態で電源が投入された場合にRAMクリアを行い、リセットスイッチ73を押下しない状態で電源が投入された場合はRAMクリアを行わない。
【0177】
また、主制御CPU72には、ファール球センサ71a、アウトスイッチ71b、発射球センサ71cが接続されている。
【0178】
ファール球センサ71aは、発射装置により遊技球を発射したものの遊技領域に到達せずに戻ってきた遊技球を検出する。この戻ってきた遊技球をファール球(戻り球)と称する。
【0179】
アウトスイッチ71bは、遊技盤9の裏面側のアウト通路に配置されており、各種入賞口やアウト口32に入球した遊技球がアウト通路に導かれ、アウトスイッチ71bにより検出される。
【0180】
発射球センサ71cは、発射装置により発射された遊技球を検出する。
【0181】
パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。この払出制御装置92(払出制御コンピュータ)は、上述した払出装置ユニット172の動作を制御する。払出制御装置92には、払出制御CPU94を実装した回路基板(払出制御基板)が装備されており、この払出制御CPU94もまた、図示しないCPUコアとともにROM96、RAM98等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU72は賞球指示コマンドとともに、外部情報信号として賞球情報信号を生成する。
【0182】
払出装置ユニット172の図示しない賞球ケース内には、払出モータ102(例えばステッピングモータ、払出手段)とともに払出装置基板100が設置されており、この払出装置基板100には払出モータ102の駆動回路が設けられている。払出装置基板100は、払出制御装置92(払出制御CPU94)からの払出数指示信号に基づいて払出モータ102の回転角度を具体的に制御し、指示された数の遊技球を賞球ケースから払い出させる。払い出された遊技球は、流路ユニット173内の払出流路を通って受皿ユニット6に送られる。
【0183】
また、例えば賞球ケースの上流位置には払出路球切れスイッチ104が設置されている他、払出モータ102の下流位置には払出計数スイッチ106が設置されている。払出モータ102の駆動により実際に賞球が払い出されると、その都度、払出計数スイッチ106からの計数信号が払出装置基板100に入力される。また、賞球ケースの上流位置で球切れが発生すると、払出路球切れスイッチ104からの接点信号が払出装置基板100に入力される。払出装置基板100は、入力された計数信号や接点信号を払出制御装置92(払出制御CPU94)に送信する。払出制御CPU94は、払出装置基板100から受信した信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知することができる。
【0184】
また、パチンコ機1には、例えば下皿6cの内部(パチンコ機1の正面からみて奧の位置)に満タンスイッチ161が設置されている。実際に払い出された賞球(遊技球)は流路ユニット173を通じて上皿6bに放出されるが、上皿6bが遊技球で満杯になると、それ以上に払い出された遊技球は上述したように下皿6cへ流れ込む。さらに、下皿6cが遊技球で満杯になると、それによって満タンスイッチ161がONになり、満タン検出信号が払出制御CPU94に入力される。これを受けて払出制御CPU94は、主制御CPU72から賞球指示コマンドを受信してもそれ以上の賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM98に記憶させておく。なお、RAM98の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0185】
また、パチンコ機1の裏側には、発射制御基板108とともに発射ソレノイド110が設置されている。また、受皿ユニット6内には球送りソレノイド111が設けられている。これら発射制御基板108、発射ソレノイド110および球送りソレノイド111は上述した発射制御基板セット174を構成しており、このうち発射制御基板108には発射ソレノイド110および球送りソレノイド111の駆動回路が設けられている。このうち球送りソレノイド111は、受皿ユニット6内に蓄えられた遊技球を1個ずつ、発射機ケース内で所定の発射位置に送り出す動作を行う。また、発射ソレノイド110は、発射位置に送り出された遊技球を打撃し、上述したように遊技領域9aに向けて遊技球を1個ずつ連続的(間欠的)に打ち出す動作を行う。なお、遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度の間隔(1分間で100個以内)である。
【0186】
一方、パチンコ機1の表側に位置するハンドルユニット16には、発射レバーボリューム112、タッチセンサ114および発射停止スイッチ116が設けられている。このうち発射レバーボリューム112は、遊技者による発射ハンドルの操作量(いわゆるストローク)に比例したアナログ信号を生成する。また、タッチセンサ114は、静電容量の変化から遊技者の身体がハンドルユニット16(発射ハンドル)に触れていることを検出し、その検出信号を出力する。そして、発射停止スイッチ116は、遊技者の操作に応じて発射停止信号(接点信号)を生成する。
【0187】
受皿ユニット6には発射中継端子板118が設置されており、発射レバーボリューム112やタッチセンサ114、発射停止スイッチ116からの各信号は、発射中継端子板118を経由して発射制御基板108に送信される。また、発射制御基板108からの駆動信号は、発射中継端子板118を経由して球送りソレノイド111に印加される。遊技者が発射ハンドルを操作すると、その操作量に応じて発射レバーボリューム112でアナログ信号(エンコードされたデジタル信号でもよい)が生成され、このときの信号に基づいて発射ソレノイド110が駆動される。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球を打ち出す強さが調整されるものとなっている。なお、発射制御基板108の駆動回路は、タッチセンサ114からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合か、もしくは発射停止スイッチ116から発射停止信号が入力された場合は発射ソレノイド110の駆動を停止する。この他に、発射中継端子板118には遊技球等貸出装置接続端子板120が接続されており、この遊技球等貸出装置接続端子板120にカードユニットが接続されていない場合、同じく発射制御基板108の駆動回路は発射ソレノイド110の駆動を停止する。
【0188】
また、受皿ユニット6には度数表示基板122および貸出および返却スイッチ基板123が内蔵されている。このうち度数表示基板122には、度数表示部の表示器(3桁分の7セグメントLED)が設けられている。また、貸出および返却スイッチ基板123には球貸ボタン10や返却ボタン12にそれぞれ接続されるスイッチモジュールが実装されており、球貸ボタン10又は返却ボタン12が操作されると、その操作信号が貸出および返却スイッチ基板123から遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに送信される。また、カードユニットからは、有価媒体の残り度数を表す度数信号が遊技球等貸出装置接続端子板120を経由して度数表示基板122に送信される。度数表示基板122上の図示しない表示回路は、度数信号に基づいて表示器を駆動し、有価媒体の残り度数を数値表示する。また、カードユニットに有価媒体が投入されていなかったり、あるいは投入された有価媒体の残り度数が0になったりした場合、度数表示基板122の表示回路は表示器を駆動してデモ表示(有価媒体の投入を促す表示)を行うこともできる。
【0189】
また、パチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124(演出制御用コンピュータ)を備えている。この演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行う。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。演出制御CPU126には、図示しないCPUコアとともにメインメモリとしてROM128やRAM130等の半導体メモリが内蔵されている。なお、演出制御装置124は、パチンコ機1の裏側で裏カバーユニット178に覆われる位置に設けられている。
【0190】
また、演出制御装置124には、図示しない入出力ドライバや各種の周辺ICが装備されている他、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134が装備されている。演出制御CPU126は、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドに基づいて演出の制御を行い、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134に指令を与えて枠ランプ46,50や遊技盤9の盤面に設けられた装飾・演出用の盤面ランプ53(
図3では省略)を発光させたり、スピーカ54a~54dから実際に効果音や音声等を出力させたりする処理を行う。
【0191】
演出制御装置124と主制御装置70とは、例えば図示しない通信用ハーネスを介して相互に接続されている。ただし、これらの間の通信は、主制御装置70から演出制御装置124への一方向のみで行われ、逆方向への通信は行われない。なお、通信用ハーネスには、主制御装置70から演出制御装置124に対して送信される各種コマンドのバス幅に応じてパラレル形式を採用してもよいし、それぞれのドライバIC(I/O)のハード構成に合わせてシリアル形式を採用してもよい。
【0192】
ランプ駆動回路132は、例えば図示しないPWM(パルス幅変調)ICやMOSFET等のスイッチング素子を備えており、このランプ駆動回路132は、LEDを含む各種ランプに印加する駆動電圧をスイッチング(又はデューティ切替)して、その発光・点滅等の動作を管理する。なお、各種ランプには、枠ランプ46,50の他に、盤面ランプ53が含まれる。
【0193】
また、音響駆動回路134は、例えば図示しないサウンドROMや音響制御IC、アンプ等を内蔵したサウンドジェネレータであり、この音響駆動回路134は、スピーカ54a~54dを駆動して音響出力を行う。
【0194】
本実施形態では一体扉ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種枠ランプ46,50やスピーカ54a~54dに印加されている。
【0195】
また、ガラス枠電飾基板136には、演出ボタン45が接続されており、遊技者が演出ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。さらに、ガラス枠電飾基板136には、ジョグダイアル45aが接続されており、遊技者がジョグダイアル45aを回転させると、その回転信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。なお、ここではガラス枠電飾基板136に演出ボタン45およびジョグダイアル45aを接続した例を挙げているが、受皿電飾基板を設置する場合、演出ボタン45およびジョグダイアル45aは受皿電飾基板に接続されていてもよい。
【0196】
さらに、ガラス枠電飾基板136には、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13bが接続されている。遊技者がこれらのボタンを操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。
【0197】
また、本実施形態では、上皿6b内に振動モータ14aが設けられている。振動モータ14aはモータ制御基板14bに接続されている。そして、演出制御装置124からのモータ制御信号がモータ制御基板14bに入力される。モータ制御基板14bは、モータ制御信号に基づいて振動モータ14aの駆動を制御する。振動モータ14aは、例えば、特別図柄の変動表示の表示結果を示唆するときに振動させることが可能である。そして、振動モータ14aが駆動すると、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45が振動する。
【0198】
なお、演出制御CPU126は、演出ボタン45やジョグダイアル45aの操作に基づいて、
図7や
図8に示す画面の表示制御を行う。そして、打WIN機能が有効な状態にされた場合(パスワード入力、クイックスタート、お試し遊技のいずれかによる遊技)は、RAM130に遊技履歴情報を蓄積する。そして、第2二次元コードが表示されたときや電源が遮断されたときに遊技履歴情報をクリアする。
【0199】
その他、遊技盤ユニット8にはパネル電飾基板138が設置されており、このパネル電飾基板138には可動体モータ57が接続されている。可動体モータ57は、例えば図示しないリンク機構を介して可動体40を駆動する。演出制御CPU126からの駆動信号は、パネル電飾基板138を経由して可動体モータ57に印加される。なお、本実施形態では、可動体40は可動しないので可動体モータ57は使用されない。
【0200】
液晶表示器42は遊技盤9の裏側に設置されており、遊技盤9に形成された略矩形の開口を通じてその表示画面が視認可能となっている。また、遊技盤ユニット8の裏側にはインバータ基板158が設置されており、このインバータ基板158は液晶表示器42のバックライト(例えば冷陰極管)に印加される交流電源を生成している。さらに、遊技盤ユニット8の裏側には演出表示制御装置144が設置されており、液晶表示器42による表示動作は、演出表示制御装置144により制御されている。演出表示制御装置144には、汎用の中央演算処理装置である表示制御CPU146とともに、表示プロセッサであるVDP152を実装した回路基板(演出表示制御基板)が装備されている。このうち表示制御CPU146は、図示しないCPUコアとともにROM148、RAM150等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。また、VDP152は、図示しないプロセッサコアとともに画像ROM154やVRAM156等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。なお、VRAM156は、その記憶領域の一部をフレームバッファとして利用することができる。
【0201】
演出制御CPU126のROM128には、演出の制御に関する基本的なプログラムが格納されており、演出制御CPU126は、このプログラムに沿って演出の制御を実行する。演出の制御には、上述したように枠ランプ46,50やスピーカ54a~54dを用いた演出の制御が含まれる他、液晶表示器42を用いた画像表示による演出の制御が含まれる。演出制御CPU126は、表示制御CPU146に対して演出に関する基本的な情報(例えば演出番号)を送信し、これを受け取った表示制御CPU146は、基本的な情報に基づいて具体的に演出用の画像を表示する制御を行う。
【0202】
表示制御CPU146は、VDP152に対してさらに詳細な制御信号を出力する。これを受け取ったVDP152は、制御信号に基づいて画像ROM154にアクセスし、そこから必要な画像データを読み出してVRAM156に転送する。さらに、VDP152は、VRAM156上で画像データを1フレーム(単位時間あたりの静止画像)ごとにフレームバッファに展開し、ここでバッファされた画像データに基づき液晶表示器42の各画素(フルカラー画素)を個別に駆動する。
【0203】
その他、内枠アセンブリ7の裏側には電源制御ユニット162(電源制御手段)が装備されている。この電源制御ユニット162はスイッチング電源回路を内蔵し、電源コード164を通じて島設備から外部電力(例えばAC24V等)を取り込むと、そこから必要な電力(例えばDC+34V、+12V等)を生成することができる。電源制御ユニット162で生成された電力は、主制御装置70や払出制御装置92、演出制御装置124、インバータ基板158に分配されている。さらに、払出制御装置92を経由して発射制御基板108に電力が供給されている他、遊技球等貸出装置接続端子板120を経由してカードユニットに電力が供給されている。なお、ロジック用の低電圧電力(例えばDC+5V)は、各装置に内蔵された電源用IC(3端子レギュレータ等)で生成される。また、上述したように電源制御ユニット162は、アース線166を通じて島設備にアース(接地)されている。
【0204】
外部端子板160は払出制御装置92に接続されており、主制御装置70(主制御CPU72)にて生成された各種の外部情報信号は、払出制御装置92を経由して外部端子板160から外部に出力されるものとなっている。主制御装置70(主制御CPU72)および払出制御装置92(払出制御CPU94)は、外部端子板160を通じてパチンコ機1の外部に向けて外部情報信号を出力することができる。外部端子板160から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ(図示していない)で集計される。なお、ここでは払出制御装置92を経由する構成を例に挙げているが、主制御装置70からそのまま外部情報信号が外部端子板160に出力される構成であってもよい。
【0205】
以上がパチンコ機1の制御に関する構成例である。続いて、主制御装置70の主制御CPU72により実行される制御上の処理について説明する。
【0206】
[リセットスタート処理]
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御CPU72はリセットスタート処理を開始する。リセットスタート処理は、前回の電源遮断時に保存されたバックアップ情報を元に遊技状態を復旧(いわゆる復電)したり、逆にバックアップ情報をクリアしたりすることで、パチンコ機1の初期状態を整えるための処理である。また、リセットスタート処理は、初期状態の調整後にパチンコ機1の安定した遊技動作を保証するためのメイン処理(メイン制御プログラム)として位置付けられる。
【0207】
図10および
図11は、リセットスタート処理の手順例を示すフローチャートである。以下、主制御CPU72が行う処理について、各手順を追って説明する。
【0208】
ステップS101:主制御CPU72は、先ずスタックポインタにスタック領域の先頭アドレスをセットする。
【0209】
ステップS102:続いて主制御CPU72は、ベクタ方式の割込モード(モード2)を設定し、デフォルトであるRST方式の割込モード(モード0)を修正する。これにより、以後、主制御CPU72は任意のアドレス(ただし最下位ビットは0)を割込ベクタとして参照し、指定の割込ハンドラを実行することができる。
【0210】
ステップS103:主制御CPU72は、ここでリセット時待機処理を実行する。この処理は、リセットスタート(例えば電源投入)時にある程度の待機時間(例えば数千ms程度)を確保しておき、その間に主電源断検出信号のチェックを行うためのものである。具体的には、主制御CPU72は待機時間分のループカウンタをセットすると、ループカウンタの値をデクリメントしながら主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックする。主電源断検出信号は、例えば周辺デバイスである電源監視ICから入力される。そして、ループカウンタが0になる前に主電源断検出信号の入力を確認すると、主制御CPU72は先頭から処理を再開する。これにより、例えば図示しない主電源スイッチの投入と切断の操作が短時間(1~2秒程度)内に繰り返し行われた場合のシステム保護を図ることができる。
【0211】
ステップS104:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域に対するアクセスを許可する。具体的には、ワーク領域のRAMプロテクト設定値をリセット(00H)する。これにより、以後はRAM76のワーク領域に対するアクセスが許可された状態となる。
【0212】
ステップS105:また、主制御CPU72、割り込みマスクを設定するためにマスクレジスタの初期設定を行う。具体的には、CTC割り込みを有効にする値をマスクレジスタに格納する。
【0213】
ステップS106:主制御CPU72は、先に退避しておいたRAMクリアスイッチからの入力信号を参照し、RAMクリアスイッチが操作(スイッチON)されたか否かを確認する。RAMクリアスイッチが操作されていなければ(No)、次にステップS107を実行する。
【0214】
ステップS107:次に主制御CPU72は、RAM76にバックアップ情報が保存されているか否か、つまり、バックアップ有効判定フラグがセットされているか否かを確認する。前回の電源遮断処理でバックアップが正常に終了し、バックアップ有効判定フラグ(例えば「A55AH」)がセットされていれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS108を実行する。
【0215】
ステップS108:主制御CPU72は、RAM76のバックアップ情報についてサムチェックを実行する。具体的には、主制御CPU72はRAM76のワーク領域(使用禁止領域およびスタック領域を含むユーザワーク領域)のうち、バックアップ有効判定フラグおよびサムチェックバッファを除く全ての領域をサムチェックする。サムチェックの結果が正常であれば(Yes)、次に主制御CPU72はステップS109を実行する。
【0216】
ステップS109:主制御CPU72は、バックアップ有効判定フラグをリセット(例えば「0000H」)する。
【0217】
ステップS110:また、主制御CPU72は、前回の電源断発生直前に送信待ちであったコマンドをクリアする。
【0218】
ステップS111:次に主制御CPU72は、演出制御復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は演出制御装置124に対し、復帰用のコマンド(例えば機種指定コマンド、特別図柄確率状態指定コマンド、作動記憶数増加時演出コマンド、作動記憶数減少時演出コマンド、回数切りカウンタ残数コマンド、特別遊技状態指定コマンド等)を送信する。これを受けて演出制御装置124は、前回の電源遮断時に実行中であった演出状態(例えば、内部確率状態、演出図柄の表示態様、作動記憶数の演出表示態様、音響出力内容、各種ランプの発光状態等)を復帰させることができる。
【0219】
ステップS112:主制御CPU72は、状態復帰処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はバックアップ情報を元にRAM76のワーク領域に各種の値をセットし、前回の電源遮断時に実行中であった遊技状態(例えば、特別図柄の表示態様、内部確率状態、作動記憶内容、各種フラグ状態、乱数更新状態等)を復帰させる。また、主制御CPU72は、バックアップされていたPCレジスタの値を復旧する。
【0220】
なお、統合表示基板90での表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aの表示状態は、電断前に遊技停止状態に移行していなかった場合は、電断前の状態に復帰する。また、本実施形態では、遊技停止状態に移行した場合は、統合表示基板90での表示装置33,34,35,38およびランプ33a,34a,35aの表示が表示休止状態に移行し、これらは全て消灯する。また、特別図柄や普通図柄の変動表示時間の計測が中止され、特別図柄や普通図柄の変動表示が中止される。そして、電断前に遊技停止状態に移行していた場合は、表示内容をリセットして本処理で表示休止状態を解除し、これら全てを点灯させる。よって、例えば、電断前に図柄の変動表示が行われている途中で遊技停止状態に移行した場合は図柄の変動表示が中止され、電断復帰後に変動表示の続きが行われることはない。
【0221】
一方、電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていた場合(ステップS106:Yes)や、バックアップ有効判定フラグがセットされていなかった場合(ステップS107:No)、あるいは、バックアップ情報が正常でなかった場合(ステップS108:No)、主制御CPU72はステップS113に移行する。
【0222】
ステップS113:主制御CPU72は、RAM76の使用禁止領域以外の記憶内容をクリアする。これにより、RAM76のワーク領域およびスタックエリアは全て初期化され、有効なバックアップ情報が保存されていても、その内容は消去される。
ステップS114:また、主制御CPU72は、RAM76の初期設定を行う。
【0223】
ステップS115:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が初期設定後に演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)を出力する。
【0224】
ステップS116:主制御CPU72は、払出制御出力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は払出制御装置92に対して、賞球の払い出しを開始するための指示コマンドを出力する。
【0225】
ステップS117:主制御CPU72は、CTC初期設定処理を実行し、周辺デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ回路)の初期設定を行う。この処理では、主制御CPU72は割込ベクタレジスタを設定し、また、CTCに割り込みカウント値(例えば4ms)を設定する。これにより、次にCTC割り込みが発生すると、主制御CPU72はバックアップされていたPCレジスタのプログラムアドレスから処理を続行することができる。
【0226】
リセットスタート処理において以上の手順を実行すると、主制御CPU72は
図9に示されるメインループに移行する(接続記号A→A)。
【0227】
ステップS118,ステップS119:主制御CPU72は割込を禁止した上で、電源断発生チェック処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は主電源断検出信号の入力ポートをビットチェックし、電源遮断の発生(駆動電圧の低下)を監視する。電源遮断が発生すると、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド89等に対応する出力ポートバッファをクリアすると、RAM76のワーク領域のうちバックアップ有効判定フラグおよびサムチェックバッファを除く全体の内容をバックアップし、サムチェックバッファにサム結果値を保存する。そして、主制御CPU72はバックアップ有効判定フラグ領域に上記の有効値(例えば「A55AH」)を格納し、RAM76のアクセスを禁止して処理を停止(NOP)する。一方、電源遮断が発生しなければ、主制御CPU72は次にステップS120を実行する。なお、このような電源断発生時の処理をマスク不能割込(NMI)処理としてCPUに実行させている公知のプログラミング例もある。
【0228】
ステップS120:主制御CPU72は、初期値更新乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、各種のソフトウェア乱数の初期値を更新(変更)するための乱数をインクリメントする。本実施形態では、大当り決定乱数(ハードウェア乱数)、および普通図柄に対応する当り決定乱数(ハードウェア乱数)を除く各種の乱数(例えば、大当り図柄乱数、リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)をプログラム上で発生させている。これらソフトウェア乱数は、別の割込処理(
図10中のステップS201)で所定範囲内のループカウンタにより更新されているが、この処理において乱数値が1巡するごとにループカウンタの初期値(全ての乱数が対象でなくてもよい)を変更している。初期値更新用乱数は、この初期値をランダムに変更するために用いられており、ステップS120では、その初期値更新用乱数の更新を行っている。なお、ステップS118で割込を禁止した後にステップS120を実行しているのは、別の割込管理処理(
図10中のステップS202)でも同様の処理を実行するため、これとの重複(競合)を防止するためである。なお、上記のように、本実施形態において大当り決定乱数および当り決定乱数は乱数発生器75により発生されるハードウェア乱数であり、その更新周期はタイマ割込周期(例えば数ms)よりもさらに高速(例えば数μs)であるため、大当り決定乱数および当り決定乱数の初期値を更新する必要はない。
【0229】
ステップS121,ステップS122:主制御CPU72は割込を許可し、その他乱数更新処理を実行する。この処理で更新される乱数は、ソフトウェア乱数のうち当選種類(当り種別)の判定に関わらない乱数(リーチ判定乱数、変動パターン決定乱数等)である。この処理は、メインループの実行中にタイマ割込が発生し、主制御CPU72が別の割込管理処理(
図10)を実行した場合の残り時間で行われる。なお、割込管理処理の内容については後述する。
【0230】
[電源断発生チェック処理]
図12は、上記の電源断発生チェック処理の手順例を具体的に示すフローチャートである。
ステップS130:ここでは先ず、主制御CPU72は、電源断発生チェックのための条件を設定する。このチェック条件は、例えば主電源断検出信号が継続して出力されていることを確認するためのオンカウンタ値として設定することができる。
【0231】
ステップS132:次に主制御CPU72は、主電源断検出スイッチ入力用ポートをリードし、主電源断検出信号が出力されているか否かを確認(特定のビットをチェック)する。特に図示していないが、主電源断検出スイッチは例えば主制御装置70に実装されており、この主電源断検出スイッチは、電源制御ユニット162から供給される駆動電圧を監視し、その電圧レベルが基準電圧を下回った場合に主電源断検出信号を出力する。なお、主電源断検出スイッチは電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。主制御CPU72は、現時点で主電源断検出信号が出力されていないことを確認すると(No)、この処理を抜けてリセットスタート処理(メイン)に復帰する。一方、主電源断検出信号が出力されていることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS134に進む。
【0232】
ステップS134:主制御CPU72は、上記のチェック条件を満たすか否かを確認する。具体的には、先のステップS130で設定したオンカウンタ値を例えば1減算し、その結果が0になったか否かを確認する。現時点で未だオンカウンタ値が0でなければ(No)、主制御CPU72はステップS132に戻って主電源断検出スイッチ入力用ポートを改めて確認する。そして、ステップS134からステップS132へのループを繰り返してチェック条件が満たされると(ステップS134:Yes)、主制御CPU72は次にステップS135に進む。
【0233】
ステップS135:主制御CPU72は、差球を記憶する差球保存用カウンタのカウント値をクリアする。これにより、電断が行われると差球がクリアされる。
【0234】
ステップS136:主制御CPU72は、上記のように普通電動役物ソレノイド88や大入賞口ソレノイド89に対応する出力ポートに加え、試験信号端子やコマンド制御信号に対応する出力ポートバッファをクリアする。
【0235】
ステップS138,ステップS140:次に主制御CPU72は、RAM76のワーク領域のうち、バックアップ有効判定フラグおよびサムチェックバッファを除く全体の内容を1バイト単位で加算し、全領域について加算を完了するまで繰り返す。
【0236】
ステップS142:全領域についてサムの算出が完了すると(ステップS140:Yes)、主制御CPU72はサムチェックバッファにサム結果値を保存する。
【0237】
ステップS144:次に主制御CPU72は、上記のようにバックアップ有効判定フラグ領域に有効値を格納する。
【0238】
ステップS146:また、主制御CPU72は、RAM76のプロテクト値にアクセス禁止を表す「01H」を格納し、RAM76のワーク領域(使用禁止領域およびスタック領域を含む)に対するアクセスを禁止する。
【0239】
ステップS148:そして、主制御CPU72は待機ループに入り、主電源断の遮断に備えて他の処理を全て停止する。主電源断の発生後は、図示しないバックアップ電源回路(例えば主制御装置70に実装された容量素子を含む回路)からバックアップ用電力が供給されるため、RAM76の記憶内容は主電源断後も消失することなく保持される。なお、バックアップ用電源回路は、例えば電源制御ユニット162に内蔵されていてもよい。
【0240】
以上の処理を通じて、バックアップ対象(サム加算対象)となるRAM76のワーク領域に記憶されていた情報は、全て主電源断の後もRAM76に記憶として保持されることになる。また、保持されていた記憶は、先のリセットスタート処理(メイン)(
図10及び
図11)でチェックサムの正常を確認した上で、電源断時のバックアップ情報として復元される。
【0241】
[割込管理処理(タイマ割込処理)]
次に、割込管理処理(タイマ割込処理)について説明する。
図13は、割込管理処理の手順例を示すフローチャートである。主制御CPU72は、カウンタ/タイマ回路からの割込要求信号に基づき、所定時間(例えば数ms)ごとに割込管理処理を実行する。以下、各手順を追って説明する。
【0242】
ステップS200:先ず主制御CPU72は、メインループの実行中に使用していたレジスタ(アキュムレータAとフラグレジスタF、汎用レジスタB~Lの各ペア)の値をR
AM76の退避領域に退避させる。値を退避させた後のレジスタ(A~L)には、割込管理処理の中で別の値を書き込むことができる。
【0243】
ステップS201:次に主制御CPU72は、抽選乱数更新処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は抽選用の各種乱数を発生させるためのカウンタの値を更新する。各カウンタの値は、RAM76のカウンタ領域にてインクリメントされ、それぞれ規定の範囲内でループする。各種乱数には、例えば大当り図柄乱数等が含まれる。
【0244】
ステップS202:主制御CPU72は、ここでも初期値更新乱数更新処理を実行する。処理の内容は、先に述べたものと同じである。
【0245】
ステップS203:主制御CPU72は、入力処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は入出力(I/O)ポート79から各種スイッチ信号を入力する。具体的には、ゲートスイッチ78からの通過検出信号や、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、大入賞口スイッチ83、特定領域スイッチ85a、非特定領域スイッチ85bからの入賞検出信号の入力状態(ON/OFF)をリードする。
【0246】
ステップS204a:次に主制御CPU72は、スイッチ入力イベント処理を実行する。この処理では、先の入力処理で入力したスイッチ信号のうち、ゲートスイッチ78、第1始動入賞口スイッチ80、普通入賞口スイッチ81、第2始動入賞口スイッチ82、大入賞口スイッチ83、特定領域スイッチ85a、非特定領域スイッチ85bからの入賞検出信号又は通過検出信号に基づいて遊技中に発生した事象の判定を行い、それぞれ発生した事象に応じて、さらに別の処理を実行する。
【0247】
本実施形態では、第1始動入賞口スイッチ80又は第2始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機(抽選契機)となる事象が発生したと判定する。また、ゲートスイッチ78から通過検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72は普通図柄に対応した抽選契機となる事象が発生したと判定する。いずれかの事象が発生したと判定すると、主制御CPU72は、それぞれの発生事象に応じた処理を実行する。
【0248】
ステップS204b:次に主制御CPU72は、差球管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、遊技者に付与された遊技球の球数から遊技に使用された遊技球の球数を差し引いた差球(差分)が95000個以上になった場合に遊技停止状態に移行させるための処理を実行する。本実施形態では、遊技者に付与された遊技球として、賞球及びファール球を例に挙げ、遊技に使用された遊技球として、発射された遊技球(以下、発射球とも称する)を例に挙げている。
【0249】
ステップS204c:次に主制御CPU72は、差球関連演出コマンド管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、差球の個数に応じた演出を実行させるためのコマンドを送信する処理を実行する。
【0250】
ステップS205,ステップS206:主制御CPU72は、割込管理処理中において特別図柄遊技処理および普通図柄遊技処理を実行する。これら処理は、パチンコ機1における遊技を具体的に進行させるためのものである。このうち特別図柄遊技処理(ステップS205)では、主制御CPU72は先に述べた第1特別図柄又は第2特別図柄に対応する内部抽選の実行を制御したり、第1特別図柄表示装置34および第2特別図柄表示装置35による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変入賞装置30の作動を制御したりする。なお、特別図柄遊技処理の詳細については、さらに別のフローチャートを用いて後述する。
【0251】
また、普通図柄遊技処理(ステップS206)では、主制御CPU72は先に述べた普通図柄表示装置33による変動表示や停止表示を制御したり、その表示結果に応じて可変始動入賞装置28の作動を制御したりする。例えば、主制御CPU72は先のスイッチ入力イベント処理(ステップS204)の中で始動ゲート20の通過を契機として取得した乱数(普通図柄当り決定乱数)を記憶しておき、この普通図柄遊技処理の中で記憶から乱数値を読み出し、所定の当り範囲内に該当するか否かの判定を行う(作動抽選実行手段)。乱数値が当り範囲内に該当する場合、普通図柄表示装置33により普通図柄を変動表示させて所定の当り態様で普通図柄の停止表示を行った後、主制御CPU72は普通電動役物ソレノイド88を励磁して可変始動入賞装置28を作動させる(可動片作動手段)。一方、乱数値が当り範囲外であれば、主制御CPU72は、変動表示の後にはずれの態様で普通図柄の停止表示を行う。
【0252】
すなわち、主制御CPU72は、特別図柄遊技処理および普通図柄遊技処理において、遊技の状況に応じて、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38の表示制御を行う。
【0253】
ステップS207:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、先の入力処理(ステップS203)において各種スイッチ81~83から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。
【0254】
ステップS208:次に主制御CPU72は、外部情報処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は外部端子板160を通じて遊技場のホールコンピュータに対して上記の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当り情報、始動口情報等)をポート出力要求バッファに格納する。
【0255】
なお、本実施形態では、各種の外部情報信号のうち、例えば大当り情報として「大当り1」~「大当り5」を外部に出力することで、パチンコ機1に接続された外部の電子機器(データ表示器やホールコンピュータ)に対して多様な大当り情報を提供することができる(外部情報信号出力手段)。すなわち、大当り情報を複数の「大当り1」~「大当り5」に分けて出力することで、これらの組み合わせから大当りの種別(当選種類)を図示しないホールコンピュータで集計・管理したり、内部的な確率状態(低確率状態又は高確率状態)や図柄変動時間の短縮状態の変化を認識したり、非当選以外であっても「大当り」に分類されない小当り(条件装置が作動しない当り)の発生を集計・管理したりすることが可能となる。また、大当り情報に基づき、例えば図示しないデータ表示装置によりパチンコ機1の台ごとに過去数営業日以内の大当り発生回数を計数および表示したり、台ごとに現在大当り中であるか否かを認識したり、あるいは台ごとに現在図柄変動時間の短縮状態であるか否かを認識したりすることができる。この外部情報処理において、主制御CPU72は「大当り1」~「大当り5」のそれぞれの出力状態(ON又はOFFのセット)を詳細に制御する。
【0256】
ステップS209:また、主制御CPU72は、試験信号処理を実行する。この処理では、主制御CPU72が自己の内部状態(例えば、普通図柄遊技管理状態、特別図柄遊技管理状態、大当り中、確率変動機能作動中、時間短縮機能作動中)を表す各種の試験信号を生成し、これらをポート出力要求バッファに格納する。この試験信号により、例えば主制御装置70の外部で主制御CPU72の内部状態を試験することができる。
【0257】
ステップS210:次に主制御CPU72は、表示出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は普通図柄表示装置33、普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35a、遊技状態表示装置38等の点灯状態を制御する。具体的には、先の特別図柄遊技処理(ステップS205)や普通図柄遊技処理(ステップS206)においてポート出力要求バッファに格納されている駆動信号をポート出力する。なお、駆動信号は、各LEDに対して印加するバイトデータとしてポート出力要求バッファに格納されている。これにより、各LEDが所定の表示態様(図柄の変動表示や停止表示、作動記憶数表示、遊技状態表示等を行う態様)で駆動されることになる。
【0258】
ステップS211:また、主制御CPU72は、出力管理処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は先の外部情報処理(ステップS208)でポート出力要求バッファに格納された外部情報信号(バイトデータ)をポート出力する。また、主制御CPU72は、ポート出力要求バッファに格納されている普通電動役物ソレノイド88、大入賞口ソレノイド89の各駆動信号、試験信号等を合わせてポート出力する。
【0259】
ステップS212:主制御CPU72は、演出制御出力処理を実行する。この処理では、コマンドバッファ内に主制御CPU72が演出制御装置124に送信するべきコマンド(演出制御に必要なコマンド)があるか否かを確認し、未送信コマンドがある場合は出力対象のコマンドをポート出力する。
【0260】
ステップS213:そして、主制御CPU72は、今回のCTC割込で格納したポート出力要求バッファをクリアする。
【0261】
なお、本実施形態では、ステップS205~ステップS212の処理(遊技制御プログラムモジュール)をタイマ割込処理として実行する例を挙げているが、これら処理をCPUのメインループ中に組み込んで実行している公知のプログラミング例もある。
【0262】
ステップS214:以上の処理を終えると、主制御CPU72は割込終了を指定する値(01H)を割込プログラムカウンタ内に格納し、CTC割込を終了する。
【0263】
ステップS215,ステップS216:そして、主制御CPU72は、退避しておいたレジスタ(A~L)の値を復帰し、次回のCTC割込を許可する。この後、主制御CPU72は、メインループ(スタックポインタで指示されるプログラムアドレス)に復帰する。
【0264】
[差球管理処理]
図14は、
図13のステップS204bで実行される差球管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【0265】
ステップS300:主制御CPU72は、各入賞口スイッチ80~83の検出信号に基づいて、賞球の払い出しが発生したか否かを確認する。
【0266】
その結果、賞球の払い出しが発生したことを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS302を実行する。一方、賞球の払い出しが発生したことを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS304を実行する。
【0267】
ステップS302:主制御CPU72は、各入賞口スイッチ80~83の検出信号に基づいて判別した賞球数を賞球数カウンタに格納する処理を実行する。
【0268】
ステップS304:主制御CPU72は、発射球センサ71cの検出信号に基づいて、発射球数が有るか否かを確認する処理を実行する。
【0269】
その結果、発射球数が有ることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS306を実行する。一方、発射球数が有ることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS308を実行する。
【0270】
ステップS306:主制御CPU72は、発射球数カウンタに発射球数を格納する処理を実行する。例えば、発射を1回検出している場合、発射球数カウンタには「1」が格納され、発射を2回検出している場合、発射球数カウンタには「2」が格納される。
【0271】
ステップS308:主制御CPU72は、ファール球センサ71aの検出信号に基づいて、ファール球数が有るか否かを確認する処理を実行する。
【0272】
その結果、ファール球数が有ることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS310を実行する。一方、ファール球数が有ることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS312を実行する。
【0273】
ステップS310:主制御CPU72は、ファール球数カウンタにファール球数を格納する処理を実行する。例えば、ファール球を1回検出している場合、ファール球数カウンタには「1」が格納され、ファール球を2回検出している場合、ファール球数カウンタには「2」が格納される。
【0274】
ステップS312:主制御CPU72は、差球算出処理を実行する。差球算出処理は、賞球数、発射球数、ファール球数等に基づいて差球を算出する処理である。なお、差球算出処理の詳細は後述する。
【0275】
ステップS314:主制御CPU72は、差球制限管理処理を実行する。差球制限管理処理は、差球算出処理で算出された差球に基づいて遊技停止状態に移行させる処理である。なお、差球算出処理の詳細は後述する。
以上の処理を終えると、呼び出し元に戻る。
【0276】
[差球算出処理]
図15は、
図14のステップS312で実行する差球算出処理の手順例を示すフローチャートである。
【0277】
ステップS320:主制御CPU72は、電源投入後1回目の処理であるか否かを確認する処理を実行する。電源投入後1回目の処理であるか否かは、電源投入時フラグにより確認することができる。電源投入時フラグは、電源投入時はオフとなり、本処理を1回実行するとオンとなる。
【0278】
その結果、電源投入後1回目の処理であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS326及びステップS328を実行する。一方、電源投入後1回目の処理であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS322を実行する。
【0279】
ステップS322:主制御CPU72は、演算用差球に「100000(10万発)」を格納する処理を実行する。なお、演算用差球に「0」ではなく「100000(10万発)」を設定している理由は、遊技は発射から始まるため、「0」を設定してしまうとマイナスの数値になってしまいプログラム上の処理が複雑になるからである。
【0280】
ステップS324:主制御CPU72は、以下の第1演算式により、演算用差球を算出する処理を実行する。
(第1演算式)演算用差球=演算用差球+賞球数カウンタ-発射球数カウンタ+ファール球数カウンタ
例えば、「演算用差球」が「100000」であり、「賞球数カウンタ」が「10」であり、「発射球数カウンタ」が「1」であり、「ファール球数カウンタ」が「2」である場合、算出される「演算用差球」は、「100011(=100000+10-1+2)」となる。
【0281】
ステップS326:主制御CPU72は、算出される「演算用差球」の値を差球保存用カウンタに格納する処理を実行する。
以上の処理を終えると、呼び出し元に戻る。
【0282】
このような処理を実行することにより、主制御CPU72は、賞球数(第1情報)と、差球の算出に必要な情報であって賞球数(第1情報)とは異なる発射球数(第2情報)及びファール球数(第2情報)とに基づいて差球を算出することができる。
【0283】
[「実際の差球」及び「演算用差球」の関係]
図16は、「実際の差球」及び「演算用差球」の関係を示す図である。
【0284】
「実際の差球」が「0球」である場合、「演算用差球」は「100000球」となる。
【0285】
「実際の差球」が「1000球」である場合、「演算用差球」は「101000球」となる。
【0286】
「実際の差球」が「2000球」である場合、「演算用差球」は「102000球」となる。
【0287】
「実際の差球」が「3000球」である場合、「演算用差球」は「103000球」となる。
【0288】
「実際の差球」が「10000球」である場合、「演算用差球」は「110000球」となる。
【0289】
「実際の差球」が「90000球」である場合、「演算用差球」は「190000球」となる。
【0290】
「実際の差球」が「95000球」である場合、「演算用差球」は「195000球」となる。
【0291】
「実際の差球」が「100000球」である場合、「演算用差球」は「200000球
」となる。
【0292】
ここで、「差球」とは、「セーフ球(賞球等により獲得した球数)」から「アウト球(発射等により消費した球数)」を減算した値である。なお、「差球」は、「アウト球」から「セーフ球」を減算した値とすることもできるが、プラスとマイナスが逆になるだけであり差球の値自体は変化しない。
【0293】
このように、差球は、「セーフ球」と「アウト球」との関係で算出されるため、95000発を獲得しても打ち止めにならない場合もある。例えば、遊技の最初の時点で既に5000発を打ち込んでいる場合は、100000発(差球95000=-5000+100000)を獲得した時点で打ち止めとなる。
【0294】
[差球制限装置管理処理]
図17は、
図14のステップS314で実行する差球制限装置管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【0295】
ステップS340:主制御CPU72は、差球保存用カウンタの値が195000以上であるか否かを確認する処理を実行する。なお、差球保存用カウンタの値が195000である場合は差球が95000発に達したことを意味している。
【0296】
その結果、差球保存用カウンタの値が195000以上であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS342を実行する。一方、差球保存用カウンタの値が195000以上であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS346を実行する。
【0297】
ステップS342:主制御CPU72は、遊技状態が大当り中又は小当り中であるか否かを確認する処理を実行する。遊技状態は、遊技状態フラグ(0:通常状態、1:大当り中、2:小当り中)により確認することができる。主制御CPU72は、遊技状態に応じて遊技状態フラグの値を設定する。
【0298】
その結果、遊技状態が大当り中又は小当り中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS344を実行する。一方、遊技状態が大当り中又は小当り中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS346を実行する。
【0299】
ステップS344:主制御CPU72は、差球制限装置を作動させる処理を実行する。差球制限装置は、物理的な装置ではなく、制御上のフラグである。具体的には、主制御CPU72は、差球制限装置フラグをオンにする処理を実行する。
【0300】
ここで、遊技状態が大当り中又は小当り中である場合(ステップS342:Yesの場合)、差球制限装置は作動しないが、いずれは大当り又は小当りが終了するため、その時点で差球制限装置が作動する。すなわち、ステップS342及びステップS344の処理を実行することにより、遊技状態が大当り中又は小当り中である場合には、大当りや小当りが終了した後に差球制限装置を作動させることができる。なお、小当りから大当りに繋がる遊技性(小当り中の特定領域通過で大当りとなる遊技性)の場合には、小当り終了後ではなく大当り終了後に差球制限装置を作動させることができる。
【0301】
差球制限装置フラグは、電源断後の電源再投入だけではオフにならず、RAMクリアでオフとすることができる。
【0302】
ステップS346:主制御CPU72は、差球制限装置が作動中であるか否かを確認する処理を実行する。差球制限装置フラグがオンである場合、差球制限装置が作動中であると判断することができ、差球制限装置フラグがオフである場合、差球制限装置が作動中でないと判断することができる。
【0303】
その結果、差球制限装置が作動中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS348を実行する。一方、差球制限装置が作動中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、呼び出し元に戻って処理を継続する。
【0304】
ステップS348:主制御CPU72は、遊技停止状態へ移行させる処理を実行する。遊技停止状態へ移行することにより、打ち止めとなる。遊技停止状態では、遊技停止(図柄の変動もせず、保留消化もせず、賞球も行われない状態)及び発射停止(遊技球の発射ができない状態)、主制御CPU72が制御している可動装置(ソレノイドやモータ)の作動も中断する。また、主制御CPU72は、特別図柄や普通図柄の変動表示を行っている場合は、特別図柄や普通図柄の変動表示時間の計測を中止し、特別図柄や普通図柄の変動表示を中止する。そして、主制御CPU72は、ステップS349を実行する。
【0305】
ステップS349:また、主制御CPU72は、遊技停止状態においては、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38を全消灯する。そして、主制御CPU72は、ステップS350を実行する。
【0306】
ステップS350:主制御CPU72は、性能表示モニタ95に、遊技停止状態に移行したことを示す「ER5」を表示する。そして、主制御CPU72は、呼び出し元に戻る。しかし、遊技停止状態に移行しているので主制御CPU72は遊技を実行することはない。
【0307】
[差球関連演出コマンド管理処理]
図18は、
図13のステップS204cで実行される差球関連演出コマンド管理処理の手順例を示すフローチャートである。
【0308】
ステップS380:主制御CPU72は、差球保存用カウンタの値が190000であるか否かを確認する処理を実行する。なお、差球保存用カウンタの値が190000である場合は差球が90000発に達したことを意味している。
【0309】
その結果、差球保存用カウンタの値が190000であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS382を実行する。一方、差球保存用カウンタの値が190000であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS384を実行する。
【0310】
ステップS382:主制御CPU72は、第1演出コマンド生成処理を実行する。生成されたコマンドは、図示しないコマンド送信処理において、演出制御装置124に送信される。
【0311】
ステップS384:主制御CPU72は、差球保存用カウンタの値が195000以上であり、かつ、遊技状態が大当り中又は小当り中であるか否かを確認する処理を実行する。
【0312】
その結果、差球保存用カウンタの値が195000以上であり、かつ、遊技状態が大当り中又は小当り中であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS386を実行する。一方、差球保存用カウンタの値が195000以上であり、かつ、遊技状態が大当り中又は小当り中であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、ステップS388を実行する。
【0313】
ステップS386:主制御CPU72は、第2演出コマンド生成処理を実行する。生成されたコマンドは、図示しないコマンド送信処理において、演出制御装置124に送信される。
【0314】
ステップS388:主制御CPU72は、差球保存用カウンタの値が195000以上であり、かつ、遊技状態が通常状態であるか否かを確認する処理を実行する。なお、通常状態とは、大当り中又は小当り中以外の状態である。
【0315】
その結果、差球保存用カウンタの値が195000以上であり、かつ、遊技状態が通常状態であることを確認した場合(Yes)、主制御CPU72は、ステップS390を実行する。一方、差球保存用カウンタの値が195000以上であり、かつ、遊技状態が通常状態であることを確認できない場合(No)、主制御CPU72は、主制御CPU72は、呼び出し元に戻って処理を継続する。
【0316】
ステップS390:主制御CPU72は、第3演出コマンド生成処理を実行する。生成されたコマンドは、図示しないコマンド送信処理において、演出制御装置124に送信される。
以上の処理を終えると、呼び出し元に戻る。
【0317】
[演出制御処理]
図7は、演出制御CPU126により実行される演出制御処理の手順例を示すフローチャートである。この演出制御処理は、リセットスタート処理(サブ)の演出制御メイン処理の実行中に発生するタイマ割込処理(割込管理処理)の中で実行される。なお、演出制御CPU126は、リセットスタート処理の実行中に所定の割込周期(例えば数十μs~数ms周期)でタイマ割込を発生させ、タイマ割込処理を実行する。
【0318】
演出制御処理は、コマンド受信処理(ステップS400)、作動記憶演出管理処理(ステップS401)、演出図柄管理処理(ステップS402)、表示出力処理(ステップS404)、ランプ駆動処理(ステップS406)、音出力処理(ステップS408)、演出乱数更新処理(ステップS410)およびその他の処理(ステップS412)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出制御処理の基本的な流れを説明する。
【0319】
ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。
【0320】
なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば、(特別図柄、普通図柄)作動記憶数増加時演出コマンド、(特別図柄、普通図柄)作動記憶数減少時演出コマンド、始動入賞口に入賞したことを示す始動口入賞音制御コマンド、デモ状態に移行したことを示すデモ演出用コマンド、内部抽選や普図抽選の結果を示す抽選結果コマンド、変動パターンを示す変動パターンコマンド、特別図柄や普通図柄が変動開始したことを示す変動開始コマンド、特別図柄や普通図柄が変動表示中であることを示す変動表示中指定コマンド、特別図柄や普通図柄の停止図柄を示す停止図柄コマンド、特別図柄や普通図柄が変動後の停止することを示す図柄停止時コマンド、特別図柄や普通図柄が停止表示中であることを示す図柄停止表示中指定コマンド、遊技状態を示す状態指定コマンド、大当りのラウンド数を示すラウンド数コマンド、発射位置指定コマンド、エラーの発生およびエラーの種類を示すエラー通知コマンド、小当りのオープニング期間であることを示す小当りオープニング指定コマンド、小当りで大入賞口30bが開放中であることを示す小当り大入賞口開放指定コマンド、大当りのオープニング期間であることを示す大当りオープニング指定コマンド、大当りで大入賞口30bが開放中であることを示す大当り大入賞口開放指定コマンド、大当りの終了時のエンディング期間の演出を行うことを示す大当り終了演出コマンド、残りの時短回数を示す回数切りカウンタ値コマンド、保留された変動表示の変動パターンの判定結果を示す変動パターン先判定コマンド、図柄の変動終了時の停止表示時間が終了したことを示す停止表示時間終了コマンド等がある。
【0321】
ステップS401a:差玉制限装置関連演出処理では、演出制御CPU126は、
図18の差球関連演出コマンド管理処理によって送信されたコマンドに応じた演出を実行するための制御を行う。
【0322】
ステップS401b:作動記憶演出管理処理では、演出制御CPU126は上述した記憶数表示演出や、保留表示M1、M2を用いた先読み予告演出の実行を制御する。なお、作動記憶演出管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0323】
ステップS402:演出図柄管理処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出や停止表示演出の内容を制御したり、可変入賞装置30の開閉動作時の演出内容を制御したりする。また、この処理において、演出制御CPU126は演出図柄の表示態様を初期設定したり(素材設定手段)、初期の設定を変化させたりする(素材設定変化手段)。また、この処理において演出制御CPU126は、各種予告演出(リーチ発生前予告演出、リーチ発生後予告演出等)の演出パターンを選択する。なお、演出図柄管理処理の内容については、別の図面を参照しながらさらに後述する。
【0324】
ステップS404:表示出力処理では、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して演出内容の基本的な制御情報(例えば、第1特別図柄および第2特別図柄それぞれの作動記憶数、作動記憶演出パターン番号、先読み予告演出パターン番号、変動演出パターン番号、変動時予告演出番号、背景パターン番号等)を指示する。これにより、演出表示制御装置144(表示制御CPU146およびVDP152)は指示された演出内容に基づいて液晶表示器42による表示動作を制御する(演出実行手段)。
【0325】
ステップS406:ランプ駆動処理では、演出制御CPU126はランプ駆動回路132に対して制御信号を出力する。これを受けてランプ駆動回路132は、制御信号に基づいて各種枠ランプ46,50や盤面ランプ53等を駆動(点灯または消灯、点滅、輝度階調変化等)する。
【0326】
ステップS408:次の音出力処理では、演出制御CPU126は音響駆動回路134に対して演出内容(例えば変動表示演出中やリーチ演出中、モード移行演出中、大当り演出中のBGM、音声データ等)を指示する。これにより、スピーカ54a~54dから演出内容に応じた音が出力される。なお、演出制御CPU126は、ステップS405で音声データをセットした場合は、本処理において、音声データに応じた音声の出力制御を行う。
【0327】
ステップS409:次の振動モータ駆動処理では、演出制御CPU126は、特別図柄の変動表示の表示結果を示唆するときに、モータ制御基板14bに対して演出内容(例えば、振動モータ14aの振動パターン等)を指示する。これにより、振動モータ14aが演出内容に応じて振動する。そして、振動モータ14aを駆動させることにより、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45を振動させることが可能である。
【0328】
ステップS410:演出乱数更新処理では、演出制御CPU126はRAM130のカウンタ領域において各種の演出乱数を更新する。演出乱数には、例えば予告選択に用いられる乱数や通常の背景チェンジ抽選(演出抽選)に用いられる乱数等がある。
【0329】
ステップS412:その他の処理では、例えば演出制御CPU126は演出用の可動体の駆動用ICに対して制御信号を出力する。演出用の可動体は対応するソレノイドを駆動源として動作し、液晶表示器42による画像の表示と同期して、または単独で演出を行う。
【0330】
以上の演出制御処理を通じて、演出制御CPU126はパチンコ機1における演出内容を統括的に制御することができる。次に、演出制御処理の中で実行される演出図柄管理処理の内容について説明する。
【0331】
[差球制限装置関連演出管理処理]
図20は、演出制御CPU126によって実行される差球制限装置関連演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。本処理は、演出制御CPU126が実行する割り込み処理内で実行される。
【0332】
ステップS364:演出制御CPU126は、第1演出コマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
【0333】
その結果、第1演出コマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は、ステップS366を実行する。一方、第1演出コマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS368を実行する。
【0334】
ステップS366:演出制御CPU126は、第1演出を実行する第1演出実行処理を実行する。第1演出による演出画像の表示は、例えば、
図21(a)に示す表示である。
【0335】
ステップS368:演出制御CPU126は、第2演出コマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
【0336】
その結果、第2演出コマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は、ステップS370を実行する。一方、第2演出コマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS372を実行する。
【0337】
ステップS370:演出制御CPU126は、第2演出を実行する第2演出実行処理を実行する。第2演出による演出画像の表示は、例えば、
図21(b)に示す表示である。
【0338】
ステップS372:演出制御CPU126は、第3演出コマンドを受信したか否かを確認する処理を実行する。
【0339】
その結果、第3演出コマンドを受信したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は、ステップS374を実行する。一方、第3演出コマンドを受信したことを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、呼び出し元に戻って処理を継続する。
【0340】
ステップS374:演出制御CPU126は、打WIN機能が有効であるか否かを確認する処理を実行する。
【0341】
その結果、打WIN機能が有効であることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126は、ステップS378を実行する。一方、打WIN機能が有効であることを確認できない場合(No)、演出制御CPU126は、ステップS376を実行する。
【0342】
ステップS376:演出制御CPU126は、第3演出を実行する第3演出実行処理を実行する。第3演出による演出画像の表示は、例えば、
図21(c)に示す表示である。そして、演出制御CPU126は、呼び出し元に戻って処理を継続する。
【0343】
ステップS378:演出制御CPU126は、第3演出を実行する第3演出実行処理を実行するとともに、第2二次元コードを表示する第2二次元コード表示処理を同時に実行する。第3演出による演出画像の表示と第2二次元コードの表示の同時期の表示は、例えば、
図21(d)に示す表示である。そして、演出制御CPU126は、呼び出し元に戻って処理を継続する。
以上の処理を終えると、呼び出し元に戻る。
【0344】
[演出の具体例]
図21は、(a)第1演出による演出画像の表示、(b)第2演出による演出画像の表示、(c)第3演出による演出画像の表示、(d)第3演出による演出画像の表示と第2二次元コード表示の同時表示の具体例を示す図である。
【0345】
図21(a)では、大当り中の1ラウンド目の演出が実行されている。画面にはラウンド数と右打ちを促す右打ちの文字情報及び矢印の画像も表示されている。そして、この時点で差球が90000発に到達したものとする。この場合、第1演出が実行される。
【0346】
図21(a)に示すように、具体的には、第1演出として、液晶表示器42の表示画面の下部に第1演出画像E1を表示する。第1演出画像E1は、「打ち止めまで残り5000発です」という文字情報を含む画像である。
【0347】
図21(b)では、大当り中の5ラウンド目の演出が実行されている。なお、この5ラウンド目は、
図21(a)の続きの5ラウンド目ではなく、別の大当りの5ラウンド目である。画面にはラウンド数と右打ちを促す右打ちの文字情報及び矢印の画像も表示されている。そして、この時点で差球が95000発に到達したものとする。この場合、第2演出が実行される。
【0348】
図21(b)に示すように、具体的には、第2演出として、液晶表示器42の表示画面の下部に第2演出画像E2を表示する。第2演出画像E2は、「当り遊技終了後に打ち止めとなります」という文字情報を含む画像である。
【0349】
図21(c)では、通常状態の演出が表示されている。そして、この時点で差球が95000発に到達した、あるいは、大当り中に差球が95000発に到達して大当り遊技が終了し、通常状態に移行したものとする。この場合、第3演出が実行される。そして、
図21(c)は、打WIN機能が有効でない状態で第3演出が実行される場合を示している。
【0350】
図21(c)に示すように、具体的には、打WIN機能が有効でない場合は、第3演出として、液晶表示器42の表示画面の上部に第3演出画像E3を表示する。第3演出画像E3は、「遊技停止中」及び「差球が上限に達したので打ち止めとなります」という文字情報を含む画像である。このとき、遊技停止により各図柄(特別図柄、普通図柄、演出図柄)が変動しないため、液晶表示器42の表示画面の左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄が非表示となり、また、第4図柄やミニ図柄も停止した状態で表示されている。
【0351】
さらに、変動前表示領域X1に表示されている第1特別図柄及び第2特別図柄それぞれの記憶数(保留)を表すマーカM1、M2が消費されることもない。このため、変動中表示領域X2にマーカM1、M2が移動して表示されることもない。
【0352】
なお、図柄の変動中に、差球が95000発に到達した場合には、その時点で変動を強制的に終了させて遊技停止とすることができる。
【0353】
なお、本例では、遊技停止状態に移行した場合に、液晶表示器42の表示画面の左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄を非表示とする例を挙げているが、液晶表示器42の表示画面の左演出図柄、中演出図柄、右演出図柄が停止表示させた状態にしてもよい。
【0354】
第1演出画像E1及び第2演出画像E2は、遊技中に表示する画像であるため、遊技の邪魔にならないように小さいサイズで表示しているが、第3演出画像E3は、遊技停止で表示する画像であるため、第1演出画像E1及び第2演出画像E2よりも大きいサイズで表示している。
【0355】
図21(d)は、打WIN機能が有効な状態で第3演出が実行される場合を示している。この場合、第3演出を実行しているときに第2二次元コードが表示される。
【0356】
図21(d)に示すように、具体的には、第3演出として、上記と同様に液晶表示器42の表示画面の上部に第3演出画像E3を表示する。そして、第3演出画像E3を表示しているときに第2二次元コードとして、液晶表示器42の表示画面の中央部に第2二次元コードE4を表示する。遊技者は情報端末により第2二次元コードE4を読み取ることにより、遊技履歴を取得することができる。
【0357】
なお、第1演出、第2演出、第3演出は、液晶表示器42に画像を表示するだけでなく、スピーカ54a~54dから警告音を出力したり、枠ランプ46,50を点灯させたりすることもできる。
【0358】
また、本実施形態では、第3演出画像と第2二次元コードを同時に表示する例を挙げているが、第2二次元コードの表示を優先して実行してもよい。この場合、まず、第2二次元コードを表示、所定時間後に第2二次元コードの表示を終了させて第3演出画像を表示開始する構成としてもよい。
【0359】
[差玉の算出に伴う各表示の内容]
図22は、上記の各処理による差玉の算出に伴う各表示の内容を示す説明図である。図中の「遊技制御」は主制御装置70(主制御CPU72)による制御を示し、「演出制御」は演出制御装置124(演出制御CPU126)による制御を示す。
【0360】
図22に示すように、差球が90000発に達すると、演出制御CPU126は液晶表示器42において打ち止めまで残り5000発であることを特定可能な残り5000発表示(上記第1演出)を行う(
図21(a)参照)。
【0361】
差球が95000発に以上になると、主制御CPU72は、遊技停止状態に移行させる。このとき、主制御CPU72は、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38を全消灯し、これらの表示を表示休止状態にする。
【0362】
また、主制御CPU72は、性能表示モニタ95から遊技停止状態に移行したことを示す「ER5」を表示する。
【0363】
また、主制御CPU72は、特別図柄や普通図柄の変動表示を行っているときは、変動時間の計測を中止し、変動表示を中止する。
【0364】
さらに、演出制御CPU126は、打WIN機能が有効でない場合は、液晶表示器42において遊技停止状態に移行したことを特定可能な打ち止め表示のみを行う(
図21(c)参照)。一方、演出制御CPU126は、打WIN機能が有効である場合は、液晶表示器42において遊技停止状態に移行したことを特定可能な打ち止め表示(上記第3演出)を行うとともに、第2二次元コードの表示を行う(
図21(d)参照)。
【0365】
そして、遊技停止状態に移行しているときにRAMクリアを伴う電断復帰が行われると、主制御CPU72は、差玉をクリアするとともに遊技可能な状態に復帰させる。
【0366】
このとき、主制御CPU72は、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38を点灯し、これらの表示の表示休止状態を解除する。なお、このとき、主制御CPU72は、表示内容をリセットするので、電断前の図柄の変動表示や遊技状態の表示が引き継がれない。
【0367】
また、演出制御CPU126は、液晶表示器42を通常の遊技画面に復帰させる。
【0368】
以上のような構成とすることにより、段階的に遊技停止状態に移行することをすることを察知でき、また、遊技停止状態に移行したときに、最終的に統合表示基板90の各表示が休止され、さらに、液晶表示器42でも遊技停止状態に移行したことを表示するので遊技停止状態に移行したことを明確に表示できる。これにより、遊技停止状態に移行しているにも関わらず、遊技者が遊技を開始しようとする不便さを解消できる。さらに、性能表示モニタ95での表示により、遊技場の店員に対しても遊技停止状態に移行したことを明確に表示できる。
【0369】
なお、本実施形態では、遊技停止状態に移行したときに性能表示モニタ95から「ER5」を表示する構成としているが、性能表示モニタ95も消灯してもよい。
【0370】
[作動記憶演出管理処理]
図23は、作動記憶演出管理処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って内容を説明する。
【0371】
ステップS700:先ず演出制御CPU126は、第1始動入賞口26、始動ゲート20、第2始動入賞口28bに遊技球が進入することによって主制御CPU72から送信された作動記憶数増加時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS700:Yes)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行する。なお、作動記憶数増加時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS700:No)、演出制御CPU126はステップS702及びステップS703を実行しない。
【0372】
ステップS702:演出制御CPU126は、作動記憶数増加時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄や普通図柄、第2特別図柄に対応した保留表示M1,M2を表示させる演出を選択する。
【0373】
ステップS703:演出制御CPU126は、保留表示M1,M2を表示させる場合は、先読み演出管理処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、先読み演出を実行するか否かを抽選により決定する処理を実行し、先読み演出を実行すると決定した場合には、どのような内容の先読み演出を実行するかを決定する処理を実行する。
【0374】
先読み演出は、特別図柄の場合は大当りや小当りになる場合、普通図柄の場合はロング開放になる場合に実行される割合が高くなるように、抽選確率が設定されている。そして、先読み演出を実行すると決定した場合には、演出制御CPU126は、
図7のステップS404~S408において先読み演出を実行する。
【0375】
なお、前述したように、普通図柄においてロング開放に対応する停止図柄が選択されると、ロング開放が行われたときに第2始動入賞口28bへの入賞が容易になる。そして、第2始動入賞口28bでは小当りの確率が約1/1であり、小当りになった場合は小当りから大当りに発展する可能性があり、小当りにならなかった場合も大当りになるので、先読み演出によってロング開放となる停止図柄が選択されたことを示唆することにより、大当り期待度を示唆していることになる。
【0376】
先読み演出は、例えば、保留表示の態様を変化させる、演出画像をカットインさせる、液晶表示器42での背景表示の態様を変化させる、先読み演出に対応するキャラクタを登場させるなど、種々の態様が設けられている。保留表示の態様が変化する場合は、先読み対象の保留表示より前に記憶された保留記憶が消化されるたびに保留表示の色が変化していき、大当り期待度を示唆する、あるいは、保留表示の形状が異なる形状に変化することにより大当り期待度を示唆する態様も含まれている。
【0377】
ステップS704:演出制御CPU126は、主制御CPU72から作動記憶数減少時演出コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されているか否かを確認する。作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認した場合(ステップS704:Yes)、演出制御CPU126はステップS706を実行する。なお、作動記憶数減少時演出コマンドが保存されていることを確認できない場合(ステップS704:No)、演出制御CPU126はステップS706を実行しない。
【0378】
ステップS706:演出制御CPU126は、作動記憶数減少時演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は、第1特別図柄及び第2特別図柄に対応した保留表示M1,M2をスライドさせる演出を実行する。また、演出制御CPU126は、内部抽選により消費した抽選要素に対応する保留表示を変動前表示領域X1から変動中表示領域X2に移動させる演出を選択する。変動中表示領域X2に移動させた記憶保留表示は変動終了時に消去される。
【0379】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は、演出制御処理(
図7)に復帰する。
【0380】
[演出図柄管理処理]
図24は、演出図柄管理処理の手順例を示すフローチャートである。演出図柄管理処理は、実行選択処理(ステップS500)、演出図柄変動前処理(ステップS502)、演出図柄変動中処理(ステップS504)、演出図柄停止表示中処理(ステップS506)および可変入賞装置作動時処理(ステップS508)のサブルーチン群を含む構成である。以下、各処理に沿って演出図柄管理処理の基本的な流れを説明する。
【0381】
ステップS500:実行選択処理において、演出制御CPU126は次に実行するべき処理(ステップS502~ステップS508のいずれか)のジャンプ先を選択する。例えば、演出制御CPU126は次に実行するべき処理のプログラムアドレスをジャンプ先のアドレスとし、また、戻り先のアドレスとして演出図柄管理処理の末尾を「ジャンプテーブル」にセットする。いずれの処理を次のジャンプ先として選択するかは、これまでに行われた処理の進行状況によって異なる。例えば、未だ変動表示演出を開始していない状況であれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動前処理(ステップS502)を選択する。一方、既に演出図柄変動前処理が完了していれば、演出制御CPU126は次のジャンプ先として演出図柄変動中処理(ステップS504)を選択し、演出図柄変動中処理まで完了していれば、次のジャンプ先として演出図柄停止表示中処理(ステップS506)を選択する。また、可変入賞装置作動時処理(ステップS508)は、主制御CPU72において可変入賞装置管理処理(
図13中のステップS5000)が選択された場合にジャンプ先として選択される。この場合、ステップS502~ステップS506は実行されない。
【0382】
ステップS502:演出図柄変動前処理では、演出制御CPU126は演出図柄を用いた変動表示演出を開始するための条件を整える作業を行う。また、この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(抽選結果、当選種類、変動パターン等)に応じてリーチ演出の内容を選択したり、予告演出についての演出パターン(先読み予告演出パターン以外のリーチ発生前予告パターン、リーチ発生後予告パターン等)を選択したりする。その他にも演出制御CPU126は、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態である場合のデモ演出の制御も行う。なお、具体的な処理の内容は、別のフローチャートを用いて後述する。
【0383】
ステップS504:演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は必要に応じて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に指示する制御情報を生成する。例えば、演出図柄を用いた変動表示演出を実行中に演出ボタン45を用いた演出を行う場合、遊技者による演出ボタンの操作の有無を演出制御CPU126が監視するとともに、その結果に応じた演出内容(ボタン演出)の制御情報を表示制御CPU146に対して指示する。また、演出図柄変動中処理では、演出制御CPU126は擬似変動(擬似連続予告)を実行する処理も実行する。
【0384】
ステップS506:演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は内部抽選の結果に応じた態様で演出図柄や動画像を用いた停止表示演出の内容を制御する。すなわち、演出制御CPU126は演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して変動表示演出の終了と停止表示演出の実行を指示する。これを受けて演出表示制御装置144(表示制御CPU146)は、実際に液晶表示器42の表示画面内でそれまで実行していた変動表示演出を終了させ、停止表示演出を実行する。これにより、特別図柄の停止表示に略同期して停止表示演出が実行され、遊技者に対して内部抽選の結果を演出的に教示(開示、告知、報知等)することができる(演出実行手段)。なお、小当り時には、はずれと同様か近似した態様で停止表示演出を実行することができる。
【0385】
なお、演出図柄停止表示中処理では、演出制御CPU126は、演出図柄43を所定の停止位置に停止させるが、演出図柄43を停止させるときに、演出図柄43が停止位置を通り過ぎた後に移動方向を反転させて演出図柄43がバウンドするような表示をしてから停止位置に停止させることがある。例えば、通常状態では停止位置を通り過ぎた後に停止させ、時短状態では停止位置を通り過ぎることなくそのまま停止位置に停止させる。
【0386】
そして、演出制御CPU126は、演出図柄43が停止位置を通り過ぎる場合に、演出図柄43が停止位置を通り過ぎた後かつ演出図柄43が停止位置に停止する前に停止音を出力するときと、演出図柄43が停止位置を通り過ぎた後かつ演出図柄43が停止位置に停止するときに停止音を出力するときとがある。演出制御CPU126は、いずれのタイミングで停止音を出力するかを、演出図柄変動前処理で遊技状況に応じて決定する。
【0387】
ステップS508:可変入賞装置作動時処理では、演出制御CPU126は小当り中または大当り中の演出内容を制御する(特別遊技演出実行手段)。この処理において、演出制御CPU126は各種の条件(例えば当選種類)に応じて大役中演出の内容を選択する。例えば10ラウンド大当りの場合、演出制御CPU126は液晶表示器42に表示する演出内容として、10ラウンドの大役中演出パターンを選択し、これを演出表示制御装置144(表示制御CPU146)に対して指示する。これにより、液晶表示器42の表示画面では大役中演出の画像が表示されるとともに、ラウンドの進行に伴って演出内容が変化していくことになる。
【0388】
[演出図柄変動前処理]
図25は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0389】
ステップS600:演出制御CPU126は、主制御CPU72からデモ演出用コマンドを受信したか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、デモ演出用コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、デモ演出用コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS602を実行する。
【0390】
ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。デモ演出パターンは、パチンコ機1がいわゆる客待ち状態であることを表す演出の内容を規定したものである。
【0391】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(
図7中のステップS404)、ランプ駆動処理(
図7中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。
【0392】
一方、ステップS600においてデモ演出用コマンドが保存されていないことを確認すると(No)、演出制御CPU126は次にステップS604を実行する。
【0393】
ステップS604:演出制御CPU126は、今回の変動がはずれ(非当選)であるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、非当選時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS612を実行する。逆に、非当選時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、演出制御CPU126はステップS606を実行する。なお、今回の変動がはずれか否かの確認は、抽選結果コマンドの他に変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドがはずれ通常変動又ははずれリーチ変動に該当していれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。あるいは、今回の停止図柄コマンドが非当選の図柄を指定するものであれば、今回の変動がはずれであると判定することができる。
【0394】
ステップS606:抽選結果コマンドが非当選(はずれ)以外であれば(ステップS604:No)、次に演出制御CPU126は、今回の変動が大当りであるか否かを確認する。具体的には、演出制御CPU126はRAM130のコマンドバッファ領域にアクセスし、大当り時の抽選結果コマンドが保存されているか否かを確認する。その結果、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS610を実行する。逆に、大当り時の抽選結果コマンドが保存されていないことを確認した場合(No)、残るは小当り時の抽選結果コマンドだけであるので、この場合、演出制御CPU126はステップS608を実行する。なお、今回の変動が大当りであるか否かの確認もまた、変動パターンコマンドや停止図柄コマンドに基づいて行うことも可能である。すなわち、今回の変動パターンコマンドが大当り変動に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。また、今回の停止図柄コマンドが大当り図柄に該当していれば、今回の変動が大当りであると判定することができる。
【0395】
ステップS608:演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「C0H00H」~「D0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。演出パターン番号は、変動パターンコマンドに対応して予め用意されており、演出制御CPU126は図示しない演出パターン選択テーブルを参照して、そのときの変動パターンコマンドに対応した演出パターン番号を選択することができる。なお、演出パターン番号は、変動パターンコマンドと対になって用意されていてもよく、1つの変動パターンコマンドに対して複数のものが用意されていてもよい。
【0396】
また、演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチの種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様等を決定する。なお、ここで決定される演出図柄の種類は、全て「小当り時の図柄の組み合わせ」に該当するものとなっている。
【0397】
上述したように、小当り時の演出は、はずれ時の演出と同様の演出としてもよいし、小当り当選を明確に開示する内容の小当り時専用の演出としてもよい。
【0398】
以上の手順は「小当り」に該当した場合であるが、大当りに該当した場合、演出制御CPU126はステップS606で「大当り」であることを確認する(Yes)。この場合、演出制御CPU126はステップS610を実行する。
【0399】
ステップS610:演出制御CPU126は、大当り時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「E0H00H」~「F0H7FH」)に基づいて、そのときの演出パターン番号を決定する。大当り時演出パターン選択処理の中では、さらに大当り時停止図柄別に処理を分岐させてもよい。なお、変動パターンが擬似連続予告演出に対応する変動パターンである場合、演出制御CPU126は、変動表示演出の実行中に、擬似連続予告演出を実行する演出パターンを選択する処理を実行する(はずれ時も同様である)。擬似連続予告演出において、演出図柄を仮停止して再変動させる場合、中演出図柄に擬似連図柄を停止させることができる。
【0400】
また、非当選時の場合は以下の手順が実行される。すなわち、演出制御CPU126はステップS604ではずれであることを確認すると(Yes)、次にステップS612を実行する。
【0401】
ステップS612:演出制御CPU126は、はずれ時変動演出パターン選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は主制御CPU72から受信した変動パターンコマンド(例えば、「A0H00H」~「A6H7FH」)に基づいて、はずれ時の演出パターン番号を決定する。はずれ時の演出パターン番号は、「はずれ通常変動」や「時短はずれ変動」、「はずれリーチ変動」等に分類されており、さらに「はずれリーチ変動」には細かいリーチ変動パターンが規定されている。なお、演出制御CPU126がいずれの演出パターン番号を選択するかは、主制御CPU72から送信された変動パターンコマンドによって決まる。
【0402】
はずれ時の演出パターン番号を選択すると、演出制御CPU126は図示しない演出テーブルを参照し、そのときの変動演出パターン番号に対応する演出図柄の変動スケジュール(変動時間やリーチ発生の有無、リーチ発生の場合はリーチ種類とリーチ発生タイミング)、停止表示の態様(例えば「7」-「2」-「4」等)を決定する。
【0403】
なお、演出制御CPU126は、小当り時変動演出パターン選択処理(ステップS608)、大当り時変動演出パターン選択処理(ステップS610)、はずれ時変動演出パターン選択処理(ステップS612)のいずれかの処理で変動演出パターンを選択するが、変動演出パターンには、演出図柄が停止位置を通り過ぎた後に停止位置に停止する変動演出パターンや、演出図柄が停止位置を通り過ぎることなく停止位置に停止する変動演出パターンが含まれる。
【0404】
そして、本実施形態では、演出図柄が停止位置を通り過ぎた後に停止位置に停止する変動演出パターンは、はずれ時変動演出パターン選択処理(ステップS612)よりも小当り時変動演出パターン選択処理(ステップS608)や大当り時変動演出パターン選択処理(ステップS610)のほうが、演出図柄が停止位置を通り過ぎた後かつ演出図柄が停止位置に停止するまでの移動距離が長い。
【0405】
よって、演出図柄43が停止するときの移動距離に応じて大当りや小当りが発生することへの期待度が高くなる。
【0406】
また、小当り時変動演出パターン選択処理(ステップS608)、大当り時変動演出パターン選択処理(ステップS610)、はずれ時変動演出パターン選択処理(ステップS612)での変動演出パターンはリーチ変動を含むが、リーチ変動において、左中右の複数の演出図柄列のうちの中央の演出図柄列において中演出図柄43Cの表示方向が変化するとともに、左右の演出図柄列において左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rの表示方向が変化しないように複数の演出図柄列の演出図柄を表示することがある。
【0407】
以上のステップS608,ステップS610,ステップS612のいずれかの処理を実行すると、演出制御CPU126は次にステップS614を実行する。
【0408】
ステップS614:演出制御CPU126は、演出選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126は今回の変動表示演出中に予告演出を実行するか否かを決定し、予告演出を決定すると決定した場合は、実行するべき予告演出の内容を抽選によって選択する。予告演出の内容は、例えば内部抽選の結果(当選又は非当選)や現在の内部状態(通常状態、高確率状態、時間短縮状態)に基づいて決定される。上記のように予告演出は、変動表示演出中にリーチ状態が発生する可能性を遊技者に予告したり、最終的に大当りになる可能性があることを予告したりするものである。したがって、非当選時(はずれ時)には予告演出の選択比率は低く設定されているが、大当りや小当りの当選時には遊技者の期待感を高めるため、予告演出の選択比率は比較的高く設定されている。
【0409】
このように、演出制御CPU126は、予告演出を実行するか否かの抽選に当選した場合(規定の演出実行条件が満たされた場合)、変動表示演出(所定の演出)の実行中に当選の態様で演出図柄が停止表示されることを示唆する(所定の演出の成功の可否を示唆する、所定の演出に関する)予告演出を実行する。
【0410】
また、演出制御CPU126は、この予告選択処理において予告演出を実行すると決定した場合には、変動表示中のいずれのタイミングで予告演出を開始するのかを決定する処理を実行する。なお、予告演出には、変動表示中に実行される各種の予告演出(ステップアップ予告演出、会話予告演出、カットイン予告演出、群予告演出、役物落下演出、次回予告演出、タイトル色変更演出)だけでなく、擬似連続予告演出や先読み予告演出、記憶マーカ変化予告演出等も含まれる。
【0411】
本実施形態では、演出選択処理において選択される予告演出には、振動モータ14a(
図9参照)を用いた操作演出が含まれる。操作演出が選択されると、図柄の変動表示中に振動モータ14aが振動して、演出ボタン45の操作を行うことが促されるとともに球貸ボタン10の操作、返却ボタン12の操作、音量調節ボタン13aの操作、光量調節ボタン13bの操作を行わないように遊技者に警告が与えられる。
【0412】
操作演出を実行することを選択した場合には、演出制御CPU126は、演出制御処理の振動モータ駆動処理(
図19中のステップS409)において、演出パターンに基づいて振動モータ14aを制御する。操作演出の演出パターンには、振動モータ14aの振動の強弱が異なるパターンや、操作演出を実行するタイミング(特別図柄の変動表示中のどのタイミングで実行するか)が異なるパターンがある。そして、演出ボタン45が操作されると、演出制御CPU126は、大当りや小当りの期待度に応じた演出画像を表示する。
【0413】
操作演出は内部抽選の結果に応じた確率で選択されるので、操作演出の実行によって特別図柄の変動表示の表示結果が示唆される。操作演出を実行するときは、演出制御CPU126は、液晶表示器42に演出ボタン45の操作を促す演出画像を表示し、演出ボタン45が操作された場合は操作に応答して演出画像を表示する。操作演出は、例えば、ミニ図柄の変動表示中に演出図柄がリーチ状態で停止したとき実行され、大当りや小当りとなることが示唆されたときに実行されることがある。
【0414】
さらに、本実施形態では、演出選択処理において選択される予告演出には、タイマ演出が含まれる。タイマ演出では、液晶表示器42から2つのタイマ表示が表示される。2つのタイマ表示は、一方は初期値が14秒であり、他方は初期値が5秒であり、それぞれの値が同時にカウントダウンされる。そして、両方のタイマ表示のカウントダウンが途中で打ち切られることなく0秒までカウントされると大当りや小当りの期待度が高くなる。2つのタイマ表示は時間の更新速度が異なっており、5秒のタイマ表示のほうが14秒のタイマ表示よりも更新周期が長い。換言すると、5秒のタイマ表示のほうが14秒のタイマ表示よりも更新速度が速い。
【0415】
ステップS616:演出制御CPU126は、モード演出管理処理を実行する。この処理において、演出制御CPU126は、遊技状態に応じた演出を選択する処理を実行する。例えば、通常状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態、時短状態に応じた演出を選択する処理を実行する。
【0416】
よって、演出制御CPU126は、例えば、時短状態のときは演出状態を時短状態に制御する。これにより、液晶表示器42から表示される背景やスピーカ54a~54dから出力される演出音が時短状態に対応したものとなる。また、演出制御CPU126は、液晶表示器42において、時短状態の残り変動回数を示す残り変動回数表示51(
図5参照)を表示し、特別図柄の変動表示が行われるたびに変動回数表示51を更新する。
【0417】
以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理(末尾アドレス)に復帰する。これにより、その後の演出図柄変動中処理(
図24中のステップS504)において、実際に選択された変動演出パターンに基づいて変動表示演出及び停止表示演出が実行されるとともに、各種予告演出パターンに基づいて予告演出が実行される。
【0418】
通常演出画面、大当り準備画面、時短演出画面の演出データを選択するときはそれぞれの画面で表示する演出も選択される。そして、演出制御CPU126は、その後の演出図柄変動中処理(
図24中のステップS504)において、選択した演出画面を表示するとともに、選択した演出を実行する。
【0419】
[操作検出有効処理]
演出制御CPU126は、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みを発生させる。そして、演出制御CPU126は、タイマ割込み内で操作検出有効処理を実行する。操作検出有効処理では、例えば、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45などの各操作を有効として受け付けるか否かを選択する処理である。
【0420】
図26は、演出図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、手順例に沿って説明する。
【0421】
ステップS700:演出制御CPU126は、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45のいずれかが操作された場合に、操作されたボタンの操作が検出されない操作非検出状態が8ms経過しているか否かを確認する。その結果、操作非検出状態が8ms経過していることを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS702を実行する。一方、操作非検出状態が8ms経過していないことを検出した場合(No)、処理を終了する。
【0422】
ステップS702:演出制御CPU126は、操作されたボタンの操作が検出される操作検出状態が8ms経過したか否かを確認する。その結果、操作検出状態が8ms経過したことを確認した場合(Yes)、演出制御CPU126はステップS704を実行する。一方、操作検出状態が8ms経過していないことを検出した場合(No)、処理を終了する。
【0423】
ステップS704:演出制御CPU126は、操作されたボタン操作の操作検出を有効とし、ボタン操作を受け付ける。そして、操作されたボタンの種類に応じた処理や制御を実行する。
【0424】
このように、ボタン操作が行われた場合に、操作非検出状態または操作検出状態が所定時間(本例では、8ms)未満であるときはボタン操作を無効として操作を受け付けない構成としている。これにより、振動モータ14aの振動によるボタン操作の誤検出を防止することができる。
【0425】
なお、本実施形態では、操作非検出状態または操作検出状態を8msのカウントで判定しているが、16ms、4ms、2ms、1msなど、異なる時間のカウントで判定してもよい。また、操作非検出状態を判定する時間と操作検出状態を判定する時間を異なる時間としてもよい。また、演出ボタン45に関しても上記判定を行って操作を有効としてもよい。
【0426】
[予告演出の具体例]
次に、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45が振動モータ14aにより振動する予告演出を実行するときの具体例について
図27~
図30を用いて説明する。
【0427】
図27~
図30は、特別図柄の変動表示および停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。
図31は、振動モータ14aが振動するタイミングを示す説明図である。
【0428】
【0429】
図27に示すように、演出図柄43には、例えば左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rの3つが含まれており、これらは液晶表示器42の画面上で左・中・右に並んで演出図柄列として表示される。各演出図柄は、例えば数字の「1」~「9」を表したものとなっている。ここで、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rは、いずれも数字が「9」~「1」の降順に並んだ図柄列を構成している。このような図柄列は、画面上の左領域・中領域・右領域でそれぞれ縦方向に流れる(スクロールする)ようにして変動表示される。
【0430】
本実施形態では、演出図柄は特別図柄に対応する演出図柄(以下、特図用演出図柄と称することがある)を含んでいる。
【0431】
なお、
図27~
図30では、第1特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動表示が行われる例について説明するが、第2特別図柄に対応する特図用演出図柄の変動表示や普図用演出図柄の変動表示も同様の態様で行われる。また、特図用演出図柄の表示態様及び普図用演出図柄の表示態様は、識別が困難な態様であれば、同一態様でなくてもよい。例えば、形状が多少変形しているものや、色彩が微妙に異なるとうのもの、透明度が微妙に異なるもの、大きさが微妙に異なるものを挙げることができる。
【0432】
なお、ここでは当選(大当り)時の特別図柄の変動について、演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(結果表示演出)の一例を表している。この変動表示演出は、特別図柄(ここでは第1特別図柄とするが、第2特別図柄でもよい。)が変動表示を開始してから、停止表示(確定停止を含む)するまでの間に行われる一連の演出に該当する。また、停止表示演出は、特別図柄が停止表示されたことと、そのときの内部抽選の結果を演出図柄の組み合わせとして表す演出である。なお、
図27~
図30では背景画像を省略している。
【0433】
図27(a)に示すように、例えば、第1特別図柄が変動を開始する前の状態(デモ演出中でない状態)で、液晶表示器42の画面内には3本の演出図柄43L,43C,43Rの列が大きく表示されている。このとき第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示に合わせて、演出図柄も停止表示された状態にある。
【0434】
また、本例では、第1特別図柄の保留記憶が4個である場合を示しており、これにより、第1特別図柄に対応する保留表示M1が例えば円(○)の図形で4つ表示されている。
【0435】
さらに、第1保留記憶数表示44a、第2保留記憶数表示44b、ミニ図柄44cが表示される。ミニ図柄44cは、左・中・右演出図柄に続く「第4の演出図柄」であり、特別図柄の変動表示に同期して変動表示される。
【0436】
図27(b)に示すように、例えば第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。すなわち、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面内で左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rの列が縦方向にスクロールする(流れる)ようにして変動表示演出が開始される。また、保留表示M1は、変動開始前は、液晶表示器42の下方部分における帯状部分の変動前表示領域X1に表示されているが、変動開始後は、液晶表示器42の左下部分に表示されている台座画像による変動中表示領域X2に移動して、特別図柄(演出図柄)の変動が停止表示されるまで表示され続ける。なお、図中、演出図柄の変動表示は単に下向きの矢印で示されている。また、変動表示中、個々の演出図柄が透けた状態で表示(透過表示)されることにより、このとき表示画面内には演出図柄の背景となる画像(背景画像)が視認しやすい状態で表示されている。
【0437】
また、第1特別図柄の変動開始に同期して、第1保留記憶数表示44aの保留記憶数が「1」減算され、ミニ図柄44cの変動表示が開始される。
【0438】
ここで、
図27(b)に示されているように、変動開始に伴って第1特別図柄の保留記憶数が1個分減少するため、それに連動して保留表示M1の表示個数が1個分減少されている。例えば、それまでに保留記憶数が4個あったとすると、保留表示M1において最も以前(古い)の記憶数表示が1個だけ変動中表示領域X2に移動され、内部抽選によって消費される演出が合わせて行われる。これにより、第1特別図柄に関して作動記憶数が消費されたということを演出上でも遊技者に教示することができる。
【0439】
そして、記憶順で先頭にあった保留表示M1が変動中表示領域X2に移動することにより、変動前表示領域X1での表示が残り3個になったため、画面上に残った3つの保留表示M1がそれぞれ1個分ずつ一方向(ここでは左方向)へシフトする演出が行われている。これにより、作動記憶数の変化の前後関係を正確に演出上で表現するとともに、遊技者に対して「作動記憶が消費されて1つ減った」ということや「作動記憶が消費されて特別図柄が変動中である」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
【0440】
図27(c)及び
図28(d)に示すように、例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に第1特別図柄に同期して左演出図柄43Lが仮停止する。このとき、本例では、左演出図柄43Lは停止位置Lを一旦通り過ぎた後(
図27(c))、バウンド表示により移動方向が反転して停止位置に仮停止する(
図28(d))。
【0441】
仮停止とは、仮停止表示ともいい、例えば、演出図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの可変表示中に、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態をいう(つまり、1回の可変表示が終了していない状態)。このような表示状態は、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。一方で、可変表示結果を停止表示(導出表示)するとは、飾り図柄などの識別情報を完全停止又は最終停止させて可変表示を終了させることをいう。
【0442】
そして、この例では、画面の左側位置に数字の「8」を表す演出図柄が仮停止したことを表している。なお、ここでは背景画像の図示を省略している(これ以降も同様)。このとき、ミニ図柄44cは停止することなく変動表示を継続している。
【0443】
図28(e)および
図28(f)に示すように、左演出図柄43Lに続いて、その後に第1特別図柄に同期して右演出図柄43Rが仮停止する。このとき、本例では、左演出図柄43Lは停止位置Lを一旦通り過ぎた後(
図28(e))、バウンド表示により移動方向が反転して停止位置Lに仮停止する(
図28(f))。
【0444】
この例では、画面の中側位置に数字の「8」を表す演出図柄が仮停止したことを表している。そして、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rで同一種類の図柄が仮停止したので、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rが仮停止した時点でリーチ状態が発生する。よって、中演出図柄43Cにおいて同一図柄が仮停止し、そのまま3つの演出図柄が確定演出図柄となると大当りとなる。すなわち、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rが仮停止した時点でリーチ状態が発生することにより、特別図柄の変動表示の表示結果が示唆される。
【0445】
また、
図28(f)および
図31に示すように、
図25の演出選択処理(ステップS614)で操作演出が選択されている場合に、演出制御CPU126はリーチ状態が発生したときに振動モータ14aを振動させる。振動モータ14aが振動すると、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45が振動する。このとき、ミニ図柄44cは停止することなく変動表示を継続している。
【0446】
そして、演出ボタン45を振動させることにより、演出ボタン45の操作が促される。このとき、遊技者が演出ボタン45を操作すると、例えば、大当り期待度など、内部抽選の結果を示唆する演出画像、換言すると特別図柄の変動表示の表示結果を示唆する演出画像が液晶表示器42で表示される。
【0447】
一方、大当りになると賞球が払い出されるので、残りの遊技球数が僅かであっても遊技を行うことができる。このため、大当りになるときに残りの遊技球数が僅かであっても新たに遊技球の貸与を受ける必要がない。そして、リーチ状態が発生すると大当りになる可能性がある。よって、リーチ状態が発生したときに球貸ボタン10を振動させ、球貸ボタン10に触れた遊技者に操作を戸惑わせることにより、追加で無駄な遊技球の貸与を受けてしまうことを防止できる。
【0448】
従来、内部抽選に当選した後に大当り遊技状態に移行するまでに、予め定められた変動時間を要するため、遊技者は誤って追加で遊技球の貸与を受けるための操作を行ってしまい、不要となる遊技球の貸与が行われることにより、遊技者は不利益を被ることがあった。しかし、本実施形態では、球貸ボタン10の振動により、遊技者が球貸ボタン10を操作することを防止することにより、遊技者が不要な遊技球の貸与を受けることを防止して、遊技者が不利益を被ることを防止している。
【0449】
また、リーチ状態が発生したときに返却ボタン12を振動させることにより、返却ボタン12に触れた遊技者に操作を戸惑わせることにより、大当りが発生する可能性のある状態で遊技を中止することを防止でき、遊技の興趣が低下することを防止できる。
【0450】
また、リーチ状態が発生したときに音量調節ボタン13aおよび光量調節ボタン13bを振動させることにより、音量調節ボタン13aまたは光量調節ボタン13bに触れた遊技者に操作を戸惑わせることにより、演出ボタン45を用いた操作演出に集中させることができ、これにより、操作演出を見逃すことを防止でき、遊技の興趣が低下することを防止できる。
【0451】
なお、本実施形態では、球貸ボタン10の操作を行って遊技球の貸出を受けると上皿6bに貸出を受けた遊技球が払い出されるので、球貸ボタン10が振動しているときに操作を行うと、上皿6bを流下する遊技球が振動し、上皿6bに設けられている球貸ボタン10と共振して振動が増幅される。よって、本実施形態では、球貸ボタン10を振動させることにより球貸ボタン10の操作を抑止したうえで、振動している球貸ボタン10が操作された場合は振動を増幅させることにより、遊技者にとって不都合となる遊技球の貸出に対する警告レベルを上げることが可能になり、振動している球貸ボタン10の操作の禁止を確実に報知することができる。これにより、遊技者が無駄な遊技球の貸出を受けることを防止できる。
【0452】
図29(g)に示すように、リーチ状態が発生すると、リーチ状態に対応するリーチ演出が実行される。リーチ演出では、例えば、中演出図柄43Cの表示方向が変化するとともに、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rの表示方向が変化しないように中演出図柄43Cが仮停止した時点でリーチ状態が発生する。すなわち、中演出図柄43Cの視認可能な面が変化するとともに、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rの視認可能な面が変化しないようにリーチ状態が発生する。
【0453】
具体的には、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rが液晶表示器42の画面の左上および右上の隅に移動するとともに縮小表示されて上下方向の揺れを伴う態様で表示方向が変化することなく仮停止表示される。このとき、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rは短尺の周期的な動作を繰り返す。
【0454】
一方、中演出図柄43Cは液晶表示器42の画面の中央で拡大表示されるとともに垂直方向の軸を中心に反時計回りに回転する態様で表示方向が変化するように変動表示される。このとき、中演出図柄43Cは長尺の非周期的に動作をする。
【0455】
換言すると、リーチ状態において、中演出図柄43Cと、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rは異なる軌道(上下方向の移動と垂直軸中心の回転)で変動表示を行い、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rは早い速度で周期的な動作を繰り返し、中演出図柄43Cは、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rよりも遅いゆっくりした速度で非周期的に動作をする。これにより、中演出図柄43Cと、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0456】
このように、中演出図柄43Cの表示方向が変化するとともに、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rの表示方向が変化しないように変動表示が行われることにより、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rは正面のみが視認可能であるが、中演出図柄43Cは側面や上面を視認可能である。なお、
図29(g)では、中演出図柄43Cにおいて数字の「7」を表す演出図柄が回転している様子を示している。
【0457】
図29(h)に示すように、中演出図柄43Cの変動表示が継続するにしたがって演出図柄の種類が変化していく。
図29(h)では、中演出図柄43Cにおいて数字の「7」から数字の「8」を表す演出図柄に変化して数字の「8」を表す演出図柄が回転している様子を示している。
【0458】
図29(i)に示すように、本例では、変動表示の過程で、中演出図柄43Cと、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rとを重畳させて表示することが可能である。例えば、中演出図柄43Cの上層に左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rが重畳するように表示可能である。
【0459】
そして、中演出図柄43Cと、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rとを重畳させて表示した場合に、中演出図柄43Cと左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rが異なる動作を行う。例えば、中演出図柄43Cは回転動作を行うが、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rは上下に揺動する。
【0460】
このとき、中演出図柄43Cの動作量よりも左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rの動作量のほうが小さい。これにより、中演出図柄43Cと左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rとを区別しやすくなり、遊技の展開が理解しやすくなるので、遊技性を向上させることができる。
【0461】
図30(j)に示すように、本例では、数字の「8」を表す演出図柄の変動表示が行われているときに、数字の「8」がそのまま停止して大当りとなるか、または、大当りとならずに数字の「9」に変化してしまうかを遊技者から認識できなくして、遊技者の期待感を煽る演出画像が表示される。
【0462】
具体的には、中演出図柄43Cに重畳するようにエフェクト画像52が表示される。このとき、エフェクト画像52は、中演出図柄43Cよりも表示の優先度が高く、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rより表示の優先度が低い。換言すると、エフェクト画像52は、中演出図柄43Cよりも上位レイヤーで表示され、左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rよりも下位レイヤーで表示される。このため、エフェクト画像52が表示されると、中演出図柄43Cは視認できないが左演出図柄43Lおよび右演出図柄43Rは視認できる。
【0463】
図30(k)に示すように、第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄43Cが仮停止する。このとき、エフェクト画像52が消去される。そして、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rが同一の大きさになって仮停止する。今回の内部抽選の結果が大当りの当選であって、第1特別図柄が当選(大当り)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に当選(大当り)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が仮停止したことを表しており、この場合、演出図柄の組み合わせは「8」-「8」-「8」は大当り目であるため、今回の変動は通常の「大当り」に該当したことが演出上で表現されている。また、このとき、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rはいずれも上下方向の揺れによる共通の動作を行う。
【0464】
図30(l)に示すように、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rが完全停止して確定演出図柄として停止表示される。また、ミニ図柄44cも停止する。これにより、「8」-「8」-「8」の組合せによる大当りが確定する。このとき、再度演出図柄が再回転してから別な演出図柄で確定することがある。これにより、時短付きの大当りやラウンド数が多い大当りにランクアップすることがある。左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rが完全停止すると、ミニ図柄44cも演出図柄43と同じ組み合わせで停止する。
【0465】
また、停止表示演出が行われると、変動中表示領域X2に移動して表示を継続していた保留表示M1が発光する。したがって、遊技者に対して「特別図柄の変動が終了した」ということを直感的に分かりやすく教示することができる。
【0466】
以上は、1回の変動ごとに演出図柄を用いて行われる変動表示演出と停止表示演出(非当選時)の一例である。すなわち、本実施形態では3列の演出図柄が変動表示されるとともに、3列の演出図柄が停止表示されたときに1回の変動表示が終了する。このような演出を通じて、遊技者に当選に対する期待感を抱かせるとともに、最終的に内部抽選の結果を演出上で明確に教示することができる。
【0467】
また、上述した例は当選時についてのものであるが、はずれ(非当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄がはずれの態様(例えば、「8」-「7」-「8」など、異なる数字が揃う態様)で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。また、小当り(当選)時には停止表示演出において演出図柄が小当りの態様(例えば、「1」-「3」-「5」など、一定の法則で小当りを連想させる態様)で停止表示される。
【0468】
なお、本実施形態では、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rが仮停止しリーチ状態が発生した時点(ミニ図柄44cは変動継続している状態)で振動モータ14aの振動を発生させる例を挙げて説明しているが、振動モータ14aを振動させるタイミングは本実施形態と異なるタイミングにすることが可能である。
【0469】
例えば、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rと中演出図柄43Cが大当りとなる同一図柄の組合せ(もしくは大当りとなる特定図柄の組合せ)で仮停止し、かつミニ図柄44cは変動表示を継続している状況(例えば、
図30(k)の状況)で振動モータ14aを振動させることが可能である。
【0470】
この場合は、操作演出が実行されたときに演出ボタン45が操作されて、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rと中演出図柄43Cが同一図柄や特定図柄の組合せで仮停止した場合に、演出ボタン45の振動によって、大当りや小当りなどの特典が付与されることを祝福する演出を実行する。
【0471】
そして、この状況では、仮停止から所定時間後(例えば、数秒後)に左演出図柄43Lと右演出図柄43Rと中演出図柄43Cが完全に停止して確定表示が行われるとともにミニ図柄44cが停止して大当りが確定する(例えば、
図30(l)の状況)。
【0472】
そして、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rと中演出図柄43Cが仮停止した後でミニ図柄44cが停止する前は、大当りが発生することが確定的な状況であり、球貸ボタン10などを操作すると誤操作となることが確定的な状況である。
【0473】
しかし、左演出図柄43Lと右演出図柄43Rと中演出図柄43Cが仮停止したときに振動モータ14aが振動すると球貸ボタン10が振動するので、大当りの発生が確定的な状況に先立って予め球貸ボタン10の誤操作を防止できる。
【0474】
[演出図柄の停止音の出力態様について]
次に、演出図柄43の停止音の出力態様について
図32~
図35を用いて説明する。
図27~
図30で説明したように、本実施形態では、演出制御CPU126は、演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎた後にバウンド表示により移動方向が反転して演出図柄43を停止位置Lに停止させることが可能である。
【0475】
ここで、
図32~
図35の例ではリーチ状態とならず、はずれとなるときに演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎた後にバウンド表示により移動方向が反転して(すなわち、停止位置Lに向けて変動方向が変化して)演出図柄43を停止位置Lに停止する例である。また、
図32および
図33の例、
図34および
図35の例は、左演出図柄Lに「8」が停止し、右演出図柄Rに「5」が停止し、はずれが確定した状態である。
【0476】
そして、本実施形態では、はずれとなるときはリーチ目やチャンス目(小当りの示唆など)となるときよりも停止位置Lを通り過ぎてから停止位置Lに戻るときの移動量が少ない。なお、停止位置Lに戻るときは、移動方向が反転するときの反動で停止位置Lに停止するような挙動である。
【0477】
このように、はずれの場合はリーチ目やチャンス目が表示される場合に比べて移動量を少なくすることで、期待度を有する図柄演出でないことを即座に理解することができる。
【0478】
そして、この場合においても(1)演出図柄43が停止位置Lに戻る前に停止音を出力するパターン、(2)演出図柄43の停止位置Lに停止するときに演出音を出力するパターンのいずれかが遊技状態などに応じて選択される。
【0479】
そして、上記(1)のように停止音を設定する場合、演出図柄43に物理的な質量を感じさせることで没入感を向上させることができる。また、上記(2)のように停止音を設定する場合、演出図柄43のアイコンとしての側面を強調させ、変動表示が終了したことを印象付けることができる。さらに、いずれかのパターンで停止音を出力させることで、遊技者に与える印象を大きく異ならせることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0480】
具体的には、
図32(a)および
図32(b)に示すように、例えば、通常状態で内部抽選ではずれになったときに、演出制御CPU126は、左演出図柄43Lが停止位置Lを通り過ぎる場合に、左演出図柄43Lが停止位置Lを通り過ぎた後かつ左演出図柄43Lが停止位置Lに停止する前に停止音を出力することが可能である。また、左演出図柄43Lは停止音の出力が終了するまでに停止位置Lに停止する。これにより、停止音の出力が終了しても変動表示が行われる不自然さを解消できる。
【0481】
このとき、左演出図柄43Lが停止位置Lを通り過ぎて停止位置Lに戻ってくるとき(具体的には、バウンド表示により演出図柄43の移動方向が反転するとき)に停止音を出力する。また、停止音の出力は停止位置Lに停止する前に終了する。
【0482】
次いで、
図33(c)および
図33(d)に示すように、例えば、演出制御CPU126は、右演出図柄43Rが停止位置Lを通り過ぎる場合に、右演出図柄43Rが停止位置Lを通り過ぎた後かつ右演出図柄43Rが停止位置Lに停止する前に停止音を出力することが可能である。
【0483】
このとき、右演出図柄43Rが停止位置Lを通り過ぎて停止位置Lに戻ってくるとき(具体的には、バウンド表示により演出図柄43の移動方向が反転するとき)に停止音を出力する。また、右演出図柄43Rは停止音の出力が終了するまでに停止位置Lに停止する。これにより、停止音の出力が終了しても変動表示が行われる不自然さを解消できる。
【0484】
また、
図34(a)および
図34(b)に示すように、例えば、時短状態において、演出制御CPU126は、左演出図柄43Lが停止位置Lを通り過ぎる場合に、左演出図柄43Lが停止位置Lを通り過ぎた後かつ左演出図柄43Lが停止位置Lに停止するときに停止音を出力することが可能である。
【0485】
次いで、
図35(c)および
図35(d)に示すように、例えば、演出制御CPU126は、右演出図柄43Rが停止位置Lを通り過ぎる場合に、右演出図柄43Rが停止位置Lを通り過ぎた後かつ右演出図柄43Rが停止位置Lに停止するときに停止音を出力することが可能である。
【0486】
なお、演出制御CPU126は、遊技状態に応じて停止音の出力タイミングを異ならせることが可能である。例えば、演出制御CPU126は、通常状態では演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎた後に停止位置Lに停止するように構成し、停止位置Lを通り過ぎた後かつ停止位置Lに停止する前に停止音を出力する。
【0487】
一方で、時短状態では演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎることなく停止位置Lに停止するように構成し、停止位置Lに停止するときに停止音を出力する。これにより、遊技状態が変化したことを理解しやすくなり、遊技性を向上させることができる。
【0488】
また、演出制御CPU126は、演出図柄43の変動時間に応じて停止音の出力タイミングを異ならせる。例えば、長時間の変動では演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎた後に停止位置Lに停止するように構成し、停止位置Lを通り過ぎた後かつ停止位置Lに停止する前に停止音を出力する。短時間の変動では演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎることなく停止位置Lに停止するように構成し、停止位置Lに停止するときに停止音を出力する。これにより、変動時間と停止音の出力タイミングとを整合させることにより、遊技の展開を自然にすることが可能になり、遊技性を向上させることができる。
【0489】
また、演出制御CPU126は、停止音の出力タイミングを異ならせても共通の停止音を出力可能である。例えば、演出制御CPU126は、通常状態と時短状態で停止音の出力タイミングを異ならせるが共通の停止音を出力可能である。これにより、遊技状態が変化したか否かを推測する楽しみを付与することが可能になり、遊技性を向上させることができる。
【0490】
また、演出制御CPU126は、停止音の出力タイミングに応じて異なる前記停止音を出力可能である。例えば、演出制御CPU126は、通常状態と時短状態で停止音の出力タイミングに応じて異ならせ、停止音の出力タイミングに応じて異なる停止音を出力可能である。これにより、遊技状態が変化したことを理解しやすくなり、遊技性を向上させることができる。
【0491】
なお、特定の変動パターン(期待度の高いスペシャルリーチなど)による変動表示中や全画面での演出画像の表示中は、演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎた後に停止位置Lに停止することなく、また、停止音の出力も行わないように構成することも可能である。この場合、演出図柄43が停止位置Lを通り過ぎた後に停止位置Lに停止することのない演出図柄(非バウンド図柄)や停止音が出力されない演出図柄(非停止音図柄)を設け、非バウンド図柄を単独で変動表示に用いたり、非バウンド図柄と非停止音図柄を組み合わせて変動表示に用いてもよい。
【0492】
なお、本実施形態では、中演出図柄43Cが停止位置Lを通り過ぎた後に停止位置Lで停止する例を挙げていないが、中演出図柄43Cについても停止位置Lを通り過ぎた後に停止位置Lで停止させ、上記と同様に停止位置Lに停止する前または停止位置Lに停止するときに停止音を出力してもよい。
【0493】
[タイマ演出の具体例]
次に、タイマ演出を実行するときの具体例について
図36~
図37を用いて説明する。なお、
図27~
図30で説明した部分と同一の部分については詳しい説明を省略する。
【0494】
図36~
図37は、特別図柄の変動表示および停止表示に対応させた演出画像の例を示す連続図である。
【0495】
図36(a)及び
図36(b)に示すように、例えば、第1特別図柄の変動開始に同期して、液晶表示器42の表示画面上で3本の図柄列がスクロール変動することで変動表示演出が開始される。
【0496】
図36(c)に示すように、例えば、タイマ演出が開始されることを遊技者に示すように「タイマ発動!」という文字55が画面中央部表示される。また、第1タイマ表示56aが画面上部に表示されるとともに、第2タイマ表示56bが画面上部に表示される。
【0497】
第1タイマ表示56aによるタイマ演出により更新表示される時間と、第2タイマ表示56bによるタイマ演出により更新表示される時間とは共通の表示態様により表示される。例えば、両方とも数字デザインが共通で、かつ小数点以下の桁数も共通である。よって、第1タイマ表示56aによるタイマ演出と第2タイマ表示56bによるタイマ演出を実行しながらも各演出に共通性を持たせることにより、遊技の内容を理解しやすくなるので、遊技性を向上させることができる。
【0498】
第1タイマ表示56aは初期値として14秒(図中「14:00」)がセットされており、第2タイマ表示56bは初期値として5秒(図中「5:00」)がセットされている。そして、本例ではタイマの減算表示が行われるため、第2タイマ表示56bによるタイマ演出において0秒となるまでの時間よりも、第1タイマ表示56aによるタイマ演出において0秒となるまでの時間のほうが長い。本例では、第1タイマ表示56aの時間と第2タイマ表示56bの時間の両方が0秒まで到達すると、第1タイマ表示56aの時間と第2タイマ表示56bの時間の両方が0秒まで到達しない場合よりも大当りや小当りの期待度が高い。
【0499】
図37(d)に示すように、第1タイマ表示56aの時間と第2タイマ表示56bの時間の更新表示(本例では、減算表示)を開始する。このように、第1タイマ表示56aによるタイマ演出と第2タイマ表示56bによるタイマ演出は同時期に実行可能であり、第1タイマ表示56aによるタイマ演出における時間の更新表示の開始タイミングと第2タイマ表示56bによるタイマ演出における時間の更新表示の開始タイミングは同一のタイミングである。
【0500】
図37(e)に示すように、第2タイマ表示56bのタイマ演出における時間の更新周期よりも、第1タイマ表示56aのタイマ演出における時間の更新周期のほうが短い。
【0501】
具体的には、
図39に示すように、第1タイマ表示56aでは1フレームで1秒更新するのに対し、第2タイマ表示56bでは2フレームで1秒更新する。また、例えば、ある程度の時間(変動時間の半分程度)が経過すると、最初に第1特別図柄に同期して左演出図柄43Lが仮停止する。
【0502】
図38(f)に示すように、左演出図柄43Lに続いて、その後に第1特別図柄に同期して右演出図柄43Rが仮停止する。図示の例では、リーチ状態となったことを示している。
【0503】
図38(g)に示すように、第1特別図柄の停止表示に同期して、最後の中演出図柄43Cが仮停止する。このとき、中演出図柄43Cが停止する前に第1タイマ表示56aの時間の更新表示と第2タイマ表示56bの時間の更新表示が終了する。例えば、第1タイマ表示56aの時間と第2タイマ表示56bの時間が両方0秒となる。
【0504】
なお、第1タイマ表示56aの更新表示が終了するタイミングと、第2タイマ表示56bの更新表示が終了するタイミングは同一としてもよいし、いずれか一方のタイミングが他方のタイミングよりも遅くしてもよい。
【0505】
図38(h)に示すように、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rが同一の大きさになって仮停止する。今回の内部抽選の結果が大当りの当選であって、第1特別図柄が当選(大当り)の態様で停止表示される場合、演出図柄も同様に当選(大当り)の態様で停止表示演出が行われる。すなわち、図示の例では、画面の中段位置に数字の「8」を表す演出図柄が仮停止した後に、左演出図柄43L、中演出図柄43C、右演出図柄43Rが完全停止して確定演出図柄として停止表示される。これにより、「8」-「8」-「8」の組合せによる大当りが確定する。
【0506】
以上は、第1タイマ表示56aの更新表示の速さにより演出の躍動感を楽しませるとともに、第2タイマ表示56bの更新表示の遅さにより演出の内容をじっくりと楽しませることができ、遊技性を向上させることができる。
【0507】
また、上述した例は当選時についてのものであるが、はずれ(非当選)時には変動表示演出中にリーチ演出が実行された後、停止表示演出において演出図柄がはずれの態様(例えば、「8」-「7」-「8」など、異なる数字が揃う態様)で停止表示される。このとき演出図柄の停止表示態様は、基本的には主制御CPU72によって内部的に選択された当選図柄(第1特別図柄表示装置34または第2特別図柄表示装置35の停止表示態様)に対応させて選択される。また、小当り(当選)時には停止表示演出において演出図柄が小当りの態様(例えば、「1」-「3」-「5」など、一定の法則で小当りを連想させる態様)で停止表示される。
【0508】
なお、本実施形態では、14秒と5秒のタイマ表示をカウントダウンする例を挙げて説明したが、初期値は本実施形態と異なる秒数にしてもよい。また、時間をカウントダウンする予告に限らず、カウントアップした時間が所定時間に到達することで特典が付与されることを示唆する予告としてもよい。
【0509】
また、特典は、大当りや小当りに限らず、例えば、時短状態、確変状態、小当りラッシュなど、本実施形態で挙げた特典と異なる態様の特典でもよい。
【0510】
[本実施形態の効果]
(a1)識別情報(本例では、特別図柄)の可変表示の表示結果を示唆することが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
遊技媒体(本例では、遊技球)の貸出を受けるための操作が行われる貸出操作手段(本例では、球貸ボタン10)と、
少なくとも前記貸出操作手段を振動させることが可能な振動手段(本例では、振動モータ14a)と、を備え、
前記識別情報の可変表示の表示結果を示唆するとき(本例では、演出図柄43でリーチ状態が発生したときに)に前記振動手段による振動により前記貸出操作手段が振動する(本例では、
図13(d)、
図14)。
よって、遊技盤と重畳する端部領域に特定画像を表示しても特定画像を視認できるので、当該端部領域以外の領域に特定画像を表示しなくてもよくなり、特定画像以外の画像の表示面積を広くすることができる。よって、特定画像以外の画像の視認性を向上できるので、遊技性を向上させることができる。
【0511】
(a2)前記振動手段による振動により前記貸出操作手段が振動しているときに、前記貸出操作手段の操作が行われた場合は、前記貸出操作手段の振動が増幅する(本例では、
図14)。
よって、可変表示の表示結果が遊技媒体を得ることができる有利な表示結果となる可能性があるときに、遊技者が事前に遊技媒体の貸出を受けてしまうことを防止でき、遊技を行うときの利便性を向上させることができる。
【0512】
(a3)前記識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(本例では、演出図柄43)の可変表示と(本例では、
図4、
図12~
図14)、
前記識別情報の可変表示に対応するとともに前記演出用識別情報よりも縮小された態様による縮小識別情報(本例では、ミニ図柄44c)の可変表示と、を行うことが可能であり(本例では、
図4、
図12~
図14)、
前記縮小識別情報の可変表示中に前記演出用識別情報の可変表示の表示結果により前記識別情報の可変表示を示唆することが可能であり(本例では、
図13(d))、
前記演出用識別情報の可変表示の表示結果により前記識別情報の可変表示を示唆するときに、前記振動手段による振動により前記貸出操作手段が振動する(本例では、
図13(d)、
図14)。
よって、可変表示の表示結果が遊技媒体を得ることができる有利な表示結果となる可能性があるときに、遊技者が事前に遊技媒体の貸出を受けてしまうことを防止でき、遊技を行うときの利便性を向上させることができる。
【0513】
上記実施形態では、振動モータ14aが振動すると、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45が振動する例を挙げて説明したが、例えば、下皿6cの遊技球が満タンになったときに下皿6cの遊技球を排出させる球抜きボタンなど、上記実施形態と異なるボタンを振動させてもよい。
【0514】
上記実施形態では、振動モータ14aが振動すると、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13b、演出ボタン45が振動する例を挙げて説明したが、例えば、球貸ボタン10を振動させるモータと、演出ボタン45を振動させるモータと、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13bを振動させるモータを設ける、あるいは、球貸ボタン10、返却ボタン12、音量調節ボタン13a、光量調節ボタン13bを振動させるモータと、演出ボタン45を振動させるモータを設けるなど、設ける振動モータの数は上記実施形態と異なる数にしてよい。
【0515】
(b1)また、透明性を有する遊技盤(本例では、遊技盤9)と、画像を表示可能な画像表示装置(本例では、液晶表示器42)とを備えた遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記遊技盤は前記画像表示装置の前側に配置されており(本例では、
図5)、
前記遊技盤に形成された開口を介して前記画像表示装置の画像表示領域を視認可能であり(本例では、
図3,
図4)、
前記遊技盤を正面視すると前記遊技盤の一部が前記画像表示領域の端部領域に重畳しており(本例では、
図4)、
前記画像表示装置は前記遊技盤と重畳する前記端部領域に特定画像(本例では、保留表示M1、保留表示M、第2保留記憶数表示44b、ミニ図柄44c、変動回数表示51)を表示可能である(本例では、
図4)。
遊技盤と重畳する端部領域に特定画像を表示しても特定画像を視認できるので、当該端部領域以外の領域に特定画像を表示しなくてもよくなり、特定画像以外の画像の表示面積を広くすることができる。よって、特定画像以外の画像の視認性を向上できるので、遊技を行うときの利便性を向上させることができる。
【0516】
(b2)識別情報の可変表示に関する情報を保留記憶として記憶可能な保留記憶手段(本例では、RAM76)を備え、
前記画像表示手段は、前記特定画像として保留記憶に対応する保留表示(本例では、保留表示M1,M2)を表示可能である(本例では、
図4)。
よって、注目度が低い保留表示以外の画像の視認性を向上でき、遊技性を向上させることができる。
【0517】
(b3)前記画像表示手段は、
識別情報の可変表示に対応する演出用識別情報(本例では、演出図柄43)の可変表示を行うことが可能であり(本例では、
図4)、
前記特定画像として前記演出用識別情報よりも縮小された態様による縮小識別情報(本例では、ミニ図柄44c)を表示することが可能である(本例では、
図4)。
よって、縮小識別情報が演出用識別情報に付随する表示なので、縮小識別情報を端部領域に表示しても遊技の進行が阻害されることを防止できる。よって、演出用識別情報の表示領域を広くして演出用識別情報の視認性を確保すること可能になり、遊技性を向上させることができる。
【0518】
(b4)前記画像表示手段は、
所定の契機(本例では、特別図柄の変動表示が行われたとき)で表示態様が変化する第1画像(本例では、変動回数表示51の変化表示51a)と、
所定の契機(本例では、特別図柄の変動表示が行われたとき)で表示態様が変化しない第2画像(本例では、変動回数表示51の非変化表示51b)と、を表示可能であり、
前記特定画像として前記第2画像を表示可能である。
よって、第2画像は遊技が進行しても確認することができるが、第1画像は遊技の進行に伴って変化してしまうので、第1画像の表示領域を広くして第1画像の視認性を確保することにより、遊技性を向上させることができる。
【0519】
上記実施形態では、特定画像として、保留表示M1、保留表示M、第2保留記憶数表示44b、ミニ図柄44c、変動回数表示51を例に挙げて説明したが、例えば、遊技球の獲得個数、選択している楽曲など、上記実施形態と異なる画像を特定画像としてもよい。
【0520】
そして、遊技球の獲得個数を、遊技の進行に伴って表示態様が変化する現在獲得個数と、遊技の進行に伴って表示態様が変化しない上限獲得個数とで表示した場合(例えば、〇個(現在獲得個数)/○○○○個(上限獲得個数))は、遊技の進行に伴って表示態様が変化しない上限獲得個数を遊技盤と重畳させることが可能である。これにより、上限獲得個数は遊技が進行しても確認することができるが、現在獲得個数は遊技の進行に伴って変化してしまうので、現在獲得個数の視認性を確保することにより、利便性を向上させることができる。
【0521】
また、選択している楽曲を、遊技者の選択によって表示態様が変化する現在選択楽曲名と、表示態様が変化しない楽曲の選択方法とで表示した場合(例えば、上段に「楽曲A」と表示し、下段に「上下キーで選択」と表示)は、遊技の進行に伴って表示態様が変化しない楽曲の選択方法を遊技盤と重畳させることが可能である。これにより、楽曲の選択方法は楽曲を変更しても確認することができるが、現在選択楽曲名は遊技者の選択により変化してしまうので、現在選択楽曲名の視認性を確保することにより、利便性を向上させることができる。
【0522】
上記実施形態では、遊技盤9の盤面が特定画像と重畳する例を挙げて説明したが、例えば、遊技盤が有する透明性を備えた役物、遊技盤が有する透明性を備えた球通路など、遊技盤の盤面以外の部分が特定画像と重畳する構成としてもよい。
【0523】
(c1)また、演出を実行可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記演出は、第1演出(本例では、第1タイマ表示56aによるタイマ演出)と、第2演出(本例では、第2タイマ表示56bによるタイマ演出)と、を含み、
前記第1演出と前記第2演出とは数値情報の更新表示を行う演出であるとともに更新表示を行った前記数値情報が所定値(本例では、0秒)になった場合に特典(本例では、大当り)が付与されることを示唆する演出であり、
前記第1演出と前記第2演出とを同時期に実行可能であり(本例は、
図36~
図38)、
前記第1演出と前記第2演出とを同時期に実行するときの前記数値情報の更新表示の開始タイミングは同一または略同一のタイミングであり(本例は、
図36~
図38)、
前記第1演出において前記数値情報が所定値になるまでの時間よりも、前記第2演出において前記数値情報が所定値になるまでの時間のほうが長く(本例は、
図36~
図38、
図39)、
前記第1演出における前記数値情報の更新周期よりも、前記第2演出における前記数値情報の更新周期のほうが短い(本例は、
図36~
図38、
図39)
よって、第1演出の更新の速さにより演出の躍動感を楽しませるとともに、第2演出の更新の遅さにより演出の内容をじっくりと楽しませることができ、遊技性を向上させることができる。
【0524】
(c2)また、前記第1演出により更新表示される前記数値情報と前記第2演出により更新表示される前記数値情報とを共通の表示態様により表示可能である(本例は、
図36~
図38)。
よって、第1演出と第2演出を実行しながらも各演出に共通性を持たせることにより、遊技の内容を理解しやすくなるので、遊技性を向上させることができる。
【0525】
(d1)また、可変表示を行った識別情報(本例では、演出図柄43)を所定の停止位置で停止させることが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記識別情報が停止するときの停止音を出力可能な停止音出力手段(本例では、演出制御CPU126)を備え、
前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後に該識別情報を前記停止位置に停止させることが可能であり(本例では、
図32~
図35)、
前記停止音出力手段は、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎる場合に、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後かつ前記識別情報が前記停止位置に停止する前に前記停止音を出力することが可能である(本例では、
図32~
図33)。
よって、停止位置を通り過ぎた識別情報が停止することを察知できるため、遊技の展開が理解しやすくなり、遊技性を向上させることができる。
【0526】
(d2)可変表示を行った識別情報(本例では、演出図柄43)を所定の停止位置で停止させることが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記識別情報が停止するときの停止音を出力可能な停止音出力手段(本例では、演出制御CPU126)を備え、
前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後に該識別情報を前記停止位置に停止させることが可能であり(本例では、
図32~
図35)、
前記停止音出力手段は、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎる場合に、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後かつ前記識別情報が前記停止位置に停止するときに前記停止音を出力させることが可能である(本例では、
図34~
図35)。
よって、停止位置を通り過ぎた識別情報が停止することを察知できるため、遊技の展開が理解しやすくなり、遊技性を向上させることができる。
【0527】
(d3)前記停止音出力手段は、遊技状態に応じて前記停止音の出力タイミングを異ならせる(本例では、
図32~
図35)。
よって、遊技状態が変化したことを理解しやすくなり、遊技性を向上させることができる。
【0528】
(d4)前記停止音出力手段は、識別情報の可変表示時間に応じて前記停止音の出力タイミングを異ならせる(本例では、
図32~
図35)。
よって、可変表示時間と停止音の出力タイミングとを整合させることにより、遊技の展開を自然にすることが可能になり、遊技性を向上させることができる。
【0529】
(d5)前記停止音出力手段は、前記停止音の出力タイミングが異なる場合でも共通の前記停止音を出力可能である(本例では、
図32~
図35)。
よって、遊技状態が変化したか否かを推測する楽しみを付与することが可能になり、遊技性を向上させることができる。
【0530】
(d6)前記停止音出力手段は、前記停止音の出力タイミングが異なる場合に異なる前記停止音を出力可能である(本例では、
図32~
図35)。
よって、遊技状態が変化したことを理解しやすくなり、遊技性を向上させることができる。
【0531】
(d7)前記停止音の出力が終了する前に前記識別情報が前記停止位置に停止する(本例では、
図32~
図33)。
よって、停止音の出力が終了しても変動表示が行われる不自然さを解消でき、遊技性を向上させることができる。
【0532】
(d8)特定の可変表示パターンによる可変表示が行われる場合または特定の演出画像が表示される場合は、前記識別情報が前記停止位置を通り過ぎた後に該識別情報を前記停止位置に停止することなく、前記停止音が出力されない。
よって、特定の可変表示パターンによる可変表示が行われることや、特定の演出画像が表示されることに期待感を持たせることができる。
【0533】
(e1)また、複数の識別情報(本例では、演出図柄43L、演出図柄43C、演出図柄43R)を表示可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記複数の識別情報は、第1識別情報(本例では、演出図柄43C)と、該第1識別情報と異なる位置に表示される第2識別情報(本例では、演出図柄43L、演出図柄43R)とを含み、
前記第1識別情報の表示方向が変化するとともに前記第2識別情報の表示方向が変化しないように前記第1識別情報と前記第2識別情報とを表示可能である。
よって、第1識別情報と第2識別情報とを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0534】
上記実施形態では、縮小した演出図柄43Lと演出図柄43Rの間に拡大した演出図柄43Cを表示する例を挙げて説明したが、上記実施形態と異なる態様で第1識別情報と第2識別情報を表示することが可能である。
【0535】
例えば、演出図柄43Cを拡大表示して表示方向を変化させつつ、さらに、演出図柄43L、演出図柄43C、演出図柄43Rを縮小した態様で表示方向を変化させないように表示することが可能である。
【0536】
また、演出図柄43L、演出図柄43C、演出図柄43Rは同一の大きさにしつつ、演出図柄43Cの表示方向を変化させるとともに演出図柄43Lおよび演出図柄43Rの表示方向は変化させないように表示することが可能である。
【0537】
(e2)複数の識別情報列で識別情報の可変表示を行うことが可能な遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
前記複数の識別情報列(本例では、左中右の演出図柄列)のうちの少なくとも一の第1識別情報列において第1識別情報(本例では、演出図柄43C)の表示方向が変化するとともに、前記第1識別情報列と異なる第2識別情報列において第2識別情報(本例では、演出図柄43L、演出図柄43R)の表示方向が変化しないように前記複数の識別情報列の識別情報を表示することが可能である(本例では、
図29)。
よって、第1識別情報と第2識別情報とを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0538】
(e3)前記第1識別情報と前記第2識別情報とを異なる軌道で動作させることが可能であり(本例では、
図29)、
前記第1識別情報は非周期的な動作により表示し(本例では、
図29)、
前記第2識別情報は周期的な動作により表示する(本例では、
図29)。
よって、第1識別情報と第2識別情報とを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0539】
(e4)特定有利状況において、前記第1識別情報より表示優先度が高く、かつ前記第2識別情報より表示優先度の低い特定演出画像(本例では、エフェクト画像)を表示可能である(本例では、
図30(j))。
よって、第1識別情報と第2識別情報とを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0540】
(e5)前記第1識別情報と前記第2識別情報とを重畳させて表示することが可能であり(本例では、
図29(i))、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを重畳させて表示した場合に、前記第1識別情報と前記第2識別情報とが異なる動作を行うとともに、前記第1識別情報の動作量よりも前記第2識別情報の動作量のほうが小さい(本例では、
図29(i))。
よって、第1識別情報と第2識別情報とを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0541】
(e6)前記第1識別情報と前記第2識別情報とが異なる軌道で動作を行い(本例では、
図29(g)~(i))、
複数の識別情報の可変表示の表示結果が特定表示結果となるか否かを示唆した後は、前記第1識別情報と前記第2識別情報とは共通の軌道で動作を行う(本例では、
図30(k))。
よって、第1識別情報と第2識別情報とを混同することを防止でき、遊技性を向上させることができる。
【0542】
(f1)また、上記実施形態では、遊技の制御を行うことが可能な遊技制御手段(本例では、主制御CPU72)と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて演出の制御を行うことが可能な演出制御手段(本例では、演出制御CPU126)と、前記遊技制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第一表示手段(本例では、統合表示基板90での普通図柄表示装置33や普通図柄作動記憶ランプ33a、第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35、第1特別図柄作動記憶ランプ34a、第2特別図柄作動記憶ランプ35aおよび遊技状態表示装置38)と、前記演出制御手段からの情報に基づいて遊技に係る表示を行うことが可能な第二表示手段(本例では、液晶表示器42)と、を備えた遊技機(本例では、パチンコ機1)において、
遊技に使用された遊技媒体の数と、遊技者に付与される遊技媒体の数との差分を算出する算出手段(本例では、
図15のステップS324)と、
前記算出手段の算出結果に基づいて遊技停止状態に移行させることが可能な移行手段(本例では、
図17のステップS348)と、を備え、
前記遊技制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記第一表示手段による表示を休止させ(本例では、
図17のステップS349)、
前記演出制御手段は、前記遊技停止状態に移行した場合に前記遊技停止状態に移行した旨を前記第二表示手段に表示する(本例では、
図20のステップS376、ステップS378、
図21(c)、
図21(d))。
よって、第一表示手段および第二表示手段の表示状態から遊技停止状態に移行したことを認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0543】
(f2)前記遊技制御手段から送信される制御情報にもとづいて演出を制御可能な演出制御手段(本例では、演出制御CPU126)を備え、前記演出制御手段は前記遊技停止状態に移行することを予告する予告演出(本例では、第1演出)を実行可能である(本例では、
図20のステップS366、
図21(a))。
よって、予告演出によって遊技停止状態に移行することを事前に察知できるので、利便性を向上させることができる。
【0544】
(f3)前記遊技制御手段から送信される制御情報にもとづいて演出を制御可能な演出制御手段を備え、前記演出制御手段は前記遊技停止状態に移行したことを特定可能な遊技停止演出を実行可能である(本例では、
図20のステップS376、ステップS378、
図21(c)、
図21(d))。
よって、遊技停止演出によって遊技停止状態に移行したことを認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0545】
(f4)遊技停止状態に移行した場合にエラー表示を行うエラー表示手段(性能表示モニタ95)を備えた。
よって、エラー表示により遊技場の店員が遊技停止状態に移行したことを認識できるので、利便性を向上させることができる。
【0546】
上記実施形態では、演算用差球に「100000(10万発)」をセットし、195000以上になった場合に遊技停止状態に移行させる例を挙げたが、例えば、電源の投入後に差玉数が最も減少したときから増加した差玉数が最大となったときの差玉数(最大差玉数)が95000個以上になった場合に遊技停止状態に移行させるなど、差玉の算出方法は、上記実施形態と異なる算出方法でもよい。
【0547】
本実施形態では、本発明をパチンコ機に適用する例について説明したが、遊技媒体(換言すると、遊技用価値)としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシン本発明を適用してもよい。スロットマシンに適用する場合には、遊技に使用されたメダルの枚数又はクレジット数と払い出されたメダルの枚数又は加算されたクレジット数との差分に応じて遊技に係る表示を休止することが可能である。
【0548】
本実施形態では、貸与を受けた遊技球を上皿6bに貯留させ、上皿6bに貯留された遊技球を発射させて遊技を行うパチンコ機1を例に挙げて説明したが管理遊技機に本発明を適用してもよい。
【0549】
管理遊技機は、例えば、管理遊技機遊技盤と、管理遊技機枠とを備えており、機械単体内で一定数の遊技球を循環させ、遊技に用いる遊技球や遊技者に遊技球を直接払い出すことを不要とした封入式の遊技機である。管理遊技機は、管理遊技機専用の専用ユニット(ICカードユニット)と接続することで遊技が可能になる。そして、例えば、管理遊技機枠で発射球数及びファール球数を管理するとともに主制御CPU72から管理遊技機枠に賞球数の情報を送信し、管理遊技機枠が賞球数、発射球数及びファール球数に基づいて差球を算出する。
【0550】
また、管理遊技機として、遊技を行うに際してメダルを必要としない所謂「メダルレス遊技機」を例に挙げることができる。メダルレス遊技機では、貸出操作等に応じて遊技価値が直接クレジット(ゲームに使用可能な遊技点(遊技メダル))に加算され、加算されたクレジット数(遊技メダル数)が、遊技メダル数表示装置に表示されるようになっている。そして、加算されたクレジット数のうちから賭数を設定して遊技が行われる。そして、例えば、入賞の発生により付与されたクレジット数と、賭数の設定に使用されたクレジット数に基づいてクレジット数の差数を算出する。
【符号の説明】
【0551】
1 パチンコ機
9 遊技盤
42 液晶表示器