IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レメディウス リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-電極 図1
  • 特許-電極 図2
  • 特許-電極 図3
  • 特許-電極 図4
  • 特許-電極 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】電極
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20240521BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20240521BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022504126
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2020070025
(87)【国際公開番号】W WO2021013654
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】1910452.0
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】522028283
【氏名又は名称】レメディウス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REMEDIUS LIMITED
【住所又は居所原語表記】18 Wimpole Street, London, Greater London W1G 8GD United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴロゼニウク テオドール
(72)【発明者】
【氏名】チャン クリストファー
【審査官】段 吉享
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09308363(US,B2)
【文献】特表2007-530124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
A61N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経調節療法電極デバイスであって、
皮膚対向面を有する基板と、
電気刺激信号を印加するために基板の前記皮膚対向面から突出する少なくとも1つの凸型活性表面を有する電極と、
前記電極の前記凸型活性表面の上に重なる電極部分を有する導電性ゲル層と、
を備え、
前記基板が、導電性ゲルから形成されるか、または前記導電性ゲル層が、前記基板の前記皮膚対向面上に重なり、該皮膚対向面と接触し且つ前記電極を取り囲む基板部分を更に備え、
前記デバイスは、前記電極の外周の周りに延びる絶縁フレームを更に備え、前記電極と前記導電性ゲルで形成された導電性ゲル基板との間、または前記電極と前記導電性ゲル層の前記基板部分との間に電気的絶縁を提供する、神経調節療法電極デバイス。
【請求項2】
前記基板は、導電性ゲルから形成され、
前記皮膚対向面の反対側の前記導電性ゲル基板の表面上に形成されたバッキング層を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記基板は、非ゲル材料から形成され、
前記導電性ゲル層は、前記基板の上に重なる基板部分を更に備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記導電性ゲル層の前記電極部分および前記基板部分は均一の厚みを有する、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記バッキング層または前記非ゲル材料から形成された基板は、頑丈であり、かつしなやかな材料から形成される、請求項2~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記バッキング層または前記非ゲル材料から形成された基板は、熱成形可能なまたは硬化可能な材料から形成される、請求項2~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記基板または前記導電性ゲル層の前記基板部分の前記皮膚対向面は接着性を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記絶縁フレームは、2mm~20mmの幅を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記絶縁フレームは絶縁円環であり、該絶縁円環は非導電性材料または絶縁ギャップから形成された絶縁リングを含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記電極は、円形の断面を有する単一の半球状刺激面を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電極の直径は2mm~12mmである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記電極の凸型刺激面は、前記基板の前記皮膚対向面を超えて3mm~6mm突出する、請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスは、前記基板上のアレイまたはマトリックスに装着された複数の電極を備え、
前記複数の電極の各々が異なる絶縁フレームを有する、請求項1~12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記導電性ゲル層または前記導電性ゲル基板は導電性ヒドロゲルから形成されている、請求項1~13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記電極および前記導電性ゲル基板/前記導電性ゲル層の基板部分の各々が、前記電極に第1の極性を与え、前記導電性ゲル基板/前記導電性ゲル層の基板部分に第2の反対の極性を与えるように、電源に接続するためのそれぞれ導電性リードを備える、請求項1~14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか1項に記載の1つまたは複数の神経調節療法電極デバイスと、外部電源とを備える、神経調節療法システム。
【請求項17】
前記電源は、1Hz~10kHzの周波数および最大40mAの電流を有する刺激信号を生成するように適合される、請求項16に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急性疼痛若しくは慢性疼痛を治療し、かつ/または身体機能を改善するための電気刺激の送達のためのデバイス、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の皮膚を通り抜けた弱い電流の印加により、疼痛を低減し、身体機能を改善する、例えば消化機能を改善することができることがわかっている。そのような神経刺激、すなわち神経調節療法は、偏頭痛、関節痛、筋肉痛および神経障害痛を含む、多岐にわたる病気の緩和に役立つように用いられてきた。
【0003】
そのような電気刺激を印加するのに用いられるデバイスは、患者による自宅での使用のためのハンドヘルドデバイスを含む。知られているデバイスは、疼痛の概ね近傍において皮膚に付けられ、電源に接続された粘着性の電極パッチを備える。これらの知られているデバイスに伴う1つの問題は、これらが集束されず、皮膚の上層に刺激を与えるのみであることである。このため、より深い神経を標的とするための、集束し、適切に貫入する刺激深度を提供することが不可能である。
【0004】
電流のより標的を絞ったより深い貫入を試行し提供するために、皮膚内に押し込むことができるドーム状またはボール状の表面を有する電極を組み込むデバイスが開発された。そのようなドーム状/ボール電極は、通常、ハンドヘルドプローブ上にのみ設けられる。
【0005】
患者は、ハンドヘルドプローブのドーム状/ボール電極の硬い丸みを持った端部の圧力によって生じる不快感を報告した。使用が長引いた後は、皮膚への刺激も生じ得る。これらの問題を改善するために、より柔らかいコーティングを有する、例えばヒドロゲルから形成されたプローブが開発された。そのようなハンドヘルドプローブは、特に、より長い適用時間が必要とされる場合、および/または治療を必要とする身体エリアに容易にアクセス可能でない場合に、適所に維持することが不快である場合がある。
【0006】
ユーザの快適性および利便性の増大をもたらし、電気刺激の標的を絞った貫入を最大限にする、急性疼痛若しくは慢性疼痛の治療および/または身体機能の改善のための、改善された神経調節療法デバイス/システムを提供することが所望されている。
【発明の概要】
【0007】
したがって、第1の態様において、神経調節療法電極デバイスであって、
皮膚対向面を有する基板と、
電気刺激信号を印加するために基板の皮膚対向面から突出する少なくとも1つの凸型活性表面を有する電極と、
前記電極の凸型活性表面の上に重なる電極部分を有する導電性ゲル層と、
を備え、
前記基板が導電性ゲルから形成されるか、または前記導電性ゲル層が前記基板の皮膚対向面の上に重なる基板部分を更に備え、
前記デバイスは、前記電極の外周の周りに延びる絶縁フレームを更に備え、前記電極と前記導電性ゲル基板との間、または前記導電性ゲル層の基板部分からの電気的絶縁を提供する、デバイスが提供される。
【0008】
導電性ゲル層を電極の活性表面に設け、導電性ゲル基板または導電性ゲル層基板部分のいずれかを基板の皮膚対向面の上に設けることによって、装着者の皮膚に対するデバイスの快適性が大幅に増大する。更に、導電性ゲル層は、患者に対する熱傷のリスクも低減することができる。ゲルまたはゲルコーティングされた基板を用いて、ユーザがデバイスを適所に保持することなくデバイスの位置を快適に固定し、維持することができる。これにより適用時間が長くなり、アクセス不能な治療エリアをユーザが管理しやすくなる。絶縁フレームは、導電性ゲル層の電極部分を通り抜けて、電気刺激を集中/集束させ、そして絶縁する。本発明者らは、絶縁フレームがない場合、導電性ゲル基板または導電性ゲル層の全範囲にわたって電気刺激が印加されたことを見出した。電気刺激のこの減衰は、疼痛の治療および身体機能の改善における有効性を大幅に低下させることがわかった。このため、絶縁フレームの提供は、身体に対する電気刺激のより良好な貫入をもたらすことがこのように示された。
【0009】
いくつかの実施形態では、基板は導電性ゲルから形成される。導電性ゲルは、導電性ゲル層の導電性ゲルと同じであっても異なっていてもよい。
【0010】
基板が導電性ゲルから形成される場合、皮膚対向面の反対側の(導電性ゲル)基板の表面上に形成されたバッキング層が存在する場合がある。バッキング層は、好ましくは非導電性(電気絶縁体)である。
【0011】
バッキング層は、繊維製バッキング層(例えば、織られたまたは編まれた繊維製織布層)とすることができる。他の実施形態では、バッキング層はプラスチック材料から形成することができる。バッキング層は、シリコーンゴムとすることができる。
【0012】
他の実施形態において、基板は、非ゲル材料、例えば、非導電性プラスチック(例えば、シリコーンゴム)または繊維材料から形成することができる。これらの実施形態において、導電性ゲル層は、基板の上に重なる基板部分を更に備える。
【0013】
基板または導電性ゲル層の基板部分の皮膚対向面は、接着性とすることができる。これにより、患者の皮膚上のデバイスの取り付けおよび位置の維持が容易になる。これにより、患者の皮膚への電極の活性表面の強い圧力も確保される。基板を形成するまたは導電性ゲル層の基板部分を形成するのに用いられる導電性ゲルの接着特性を利用して、患者への取り付けを提供することができる。
【0014】
理想的には、再使用可能な接着特性を有する導電性ゲルは、基板若しくは導電性ゲル層の基板部分を形成するのに使用されることで、デバイスの再使用を可能にする。
【0015】
バッキング層または非ゲル基板は、頑丈なかつ/または自立型の層/基板であるが、デバイスが付けられる身体部分に合うようにしなやかであり得る。バッキング層または非ゲル基板は、特定の身体部分に付けるために湾曲した輪郭に予備成形することができる。
【0016】
他の実施形態において、バッキング層または非ゲル基板は、使用時に保持される形状を想定するために、熱成形可能なまたは硬化可能な(例えば、空気硬化可能または化学硬化可能な)材料を含むことができる。このため、バッキング層または非ゲル基板は、治療される部位に対し予備成形することができ、次に、所望の形状または形態を達成するように加熱または他の形で処置することができる。
【0017】
バッキング層/非ゲル基板は、これを患者の所望の位置にしっかりと取り付けるのを支援するように、ストラップまたはバンド等の取り付け要素と共に用いるかまたはこれを設けることもできる。ストラップ/バンドは、好都合には、フックおよびループ接続(例えば、Veclo(登録商標))によって固定することができ、それによって、使用時に、デバイスを患者の皮膚に対ししっかりと保持することができる。
【0018】
絶縁フレームは、導電性ゲル基板からまたは導電性ゲル層の電極部分から、電極(および導電性ゲル層の電極部分)を電気的に絶縁する。
【0019】
非ゲル基板が導電性である場合、絶縁フレームは、電極(および導電性ゲル層の電極部分)を非ゲル基板からも電気的に絶縁する。
【0020】
絶縁フレームは、2mm~20mmの幅を有することができ、すなわち、電極から2mm~20mmの非導電性間隔を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、絶縁フレームは絶縁円環である。絶縁円環は、内半径(電極に隣接)および外半径(基板に隣接)を有する。内半径と外半径との間の径方向の間隔は、2mm~20mmとすることができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、絶縁円環は、非導電性材料、例えば、非導電性プラスチック材料から形成された絶縁リングである。
【0023】
他の実施形態において、絶縁フレーム/円環は、絶縁ギャップ、例えば、導電性ゲル層の電極部分および基板部分間の絶縁ギャップである。
【0024】
電極は、通常、導電性金属材料等の導電性材料から形成される。電極は、導電性、例えば金属性コーティングを有するプラスチック材料から形成することができる。
【0025】
電極は、少なくとも1つの凸型刺激面を有する。電極は、少なくとも1つのドーム状、半球状または放物線状の刺激面を有することができる。
【0026】
電極は、基板に平行な平面において、円形、三角形、多角形または正方形の断面を有することができる。
【0027】
好ましい実施形態において、電極は、円形の断面を有する単一の半球状刺激面を有し、すなわち、電極はドーム状のスタッド(stud)である。
【0028】
電極が円形の断面を有する(例えば、ドーム状のスタッドである)場合、(例えば、基板の近位の刺激面の基部における)患者の皮膚に接触する刺激面の有効直径は、通常、2mm~12mmであるが、より一般的には、6mm~10mmである。(粘膜内層と対照的に)正常皮膚に対し用いる場合、刺激面の直径が5mm~10mmである電極が最も良好な結果をもたらすことが見出された。
【0029】
電極の凸型刺激面は、通常、基板の皮膚対向面を超えて3mm~6mm突出する。
【0030】
いくつかの実施形態では、デバイスは複数の電極を備える。いくつかの実施形態では、デバイスは、偶数の電極を備え、電極対は、反対の電極極性を受けるように配列される。
【0031】
複数の電極は、基板上のアレイまたはマトリックスに装着することができる。複数の電極の各々がそれぞれの絶縁フレーム/円環を有する。
【0032】
いくつかの実施形態では、導電性ゲル層または導電性ゲル基板は、変形可能で導電性のポリマーゲル材料、例えば導電性シリコーンゲルポリマーから形成される。
【0033】
導電性ゲル層または導電性ゲル基板は、導電性ヒドロゲルから形成することができる。
【0034】
ヒドロゲルは、水中で膨張し、個々のポリマー鎖の化学的または物理的架橋に起因して構造を維持しながら高い水分量を保持することができる親水性ポリマーの3次元(3D)ネットワークである。定義上、材料がヒドロゲルとなるには、水が、総重量(または体積)の少なくとも10%を構成しなくてはならない。導電性ヒドロゲルは、最大90wt%の水を含むことができる。
【0035】
ヒドロゲルは、その高い水含有量に起因して、自然組織と非常に類似した柔軟度を保有する。ヒドロゲル層は、柔らかく可撓性であり(ユーザに改善された快適性をもたらす)、皮膚との接触時に低い電気抵抗をもたらすこともできる良好な導電体である。ヒドロゲルは、皮膚に対する刺激がなく、低刺激性であるため、皮膚との長期にわたる接触に適している。
【0036】
ネットワークの親水性は、-NH、-COOH、-OH、-CONH、-CONH-、および-SOH等の親水性基の存在に起因する。
【0037】
そのようなヒドロゲルは、皮膚に軽く付着することもでき、これにより、容易な除去および再使用(例えば、最大10回)を可能にすることができる。本明細書において、「ヒドロゲル」という用語は、そのような性質を保有することができる任意の類似のゲルまたは物質を指す。
【0038】
導電性ゲル層(例えば、電極部分)は、0.5mm~2.5mmの厚み、例えば、0.75mm~1mmの厚みとすることができる。導電性ゲル層が基板部分を更に備える場合、基板部分の厚みは、電極部分の厚みに合致することができる。
【0039】
導電性ゲル層は、取り外し可能かつ交換可能な層として提供することができ、これによりデバイスが無制限に再使用されることが可能になる。
【0040】
デバイスは、使用および患者の皮膚に付ける前に、および付ける合間に、導電性ゲル層/導電性基板を保護するための保護カバーを更に備えることができる。
【0041】
第2の態様において、第1の態様による1つまたは複数の神経調節療法電極デバイスを備える神経調節療法システムが提供される。
【0042】
各電極は、外部電源への接続のための導電性リードを有するかまたはこれに接続可能である。
【0043】
基板(導電性であるか、または導電性層を更に備える場合)は、所望の場合、(導電性リードによって)更に外部電源に接続可能とすることで、これを接地電極または電極の極性と反対の極性を有する電極として用いることを可能にすることができる。
【0044】
適切な電源は、1Hz~10kHz以上の周波数、および最大40mA若しくはそれ以上の電流を有することができる刺激信号を発生する。ほとんどのそのような発生器は、専門医によって選択される様々な波形またはバースト(bursts)の選択肢を提供する。
【0045】
第3の態様において、第1の態様による1つまたは複数の神経調節療法電極デバイスを、疼痛影響を受けるエリアに付け、1Hz~10,000Hzの範囲の刺激信号を印加することを含む、慢性疼痛または急性疼痛を治療し、かつ/または身体機能を改善するための方法が提供される。
【0046】
神経調節療法電極デバイスは、皮膚を窪ませるのに十分強い圧力を用いて付けられるべきである。
【0047】
刺激電流は、通常、治療されるエリアの感度に従って、1mA~40mAの範囲内で選択される。いくつかの特定の例において、より高い電流が印加される必要がある場合がある。
【0048】
様々な波形および波パターンを用いて電極を通じて刺激することができる。
【0049】
相互に相容れない場合を除いて、上記の態様のうちの任意の1つに関連して説明した特徴またはパラメータは、任意の他の態様に適用することができることが当業者には理解されよう。更に、相互に相容れない場合を除いて、本明細書に記載の任意の特徴またはパラメータは、本明細書に記載の任意の態様に適用し、かつ/または本明細書に記載の任意の他の特徴またはパラメータと組み合わせることができる。
【0050】
ここで、実施形態が、図面を参照として単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】第1の実施形態によるデバイスの断面図である。
図2図1の実施形態の上面図である。
図3】第2の実施形態によるデバイスの断面図である。
図4】第3の実施形態によるデバイスの断面図を示す。
図5図4の実施形態の上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
ここで、本開示の態様および実施形態が、添付の図面を参照しながら論じる。更なる態様および実施形態は、当業者には明らかであろう。
【0053】
図1および図2は、2mmの厚みを有する導電性ヒドロゲルから形成された皮膚対向面2aを有する基板2を備えるデバイス1を示す。図示していないが、導電性ヒドロゲル基板2は、治療される身体部分の形状に成形し、保持することができる、熱成形可能なまたは硬化可能な材料から形成されたバッキング層を備えることができる。
【0054】
導電性ヒドロゲル基板2の皮膚対向面2aは接着性である。使用前に、接着性表面2aは、保護カバー層10(図2に示す)で保護される。
【0055】
基板2は、17mmの最大直径および6mmの深さを有する円形断面を有する電極3を取り囲む。電極はドーム状/半球状刺激面4を有し、該刺激面は1mmの厚さを有する導電性ヒドロゲル層5の電極部分で被覆される。
【0056】
非導電性材料の絶縁リング6を備える絶縁円環は、電極の基部を包囲し、電極3および導電性ヒドロゲル層5を電気的に絶縁する。
【0057】
電極は、電源9に接続するための導電性リード8を備える。
【0058】
使用時に、デバイス1は、電極3の活性表面4が皮膚を窪ませるように基板2の接着性皮膚対向面2aが皮膚に付着した状態で患者の皮膚に付けられる。ヒドロゲル層5は、皮膚の緩衝の役割を果たし、快適性を増大させる。電源9および導電性リード8を用いて、治療されるエリアの感度に従って、(1mA~40mAの範囲内の刺激電流を用いて)1Hz~10,000Hzの刺激信号を印加する。信号は、電極3および導電性ゲル層5を通り抜けて集束され、一方、ヒドロゲル基板2を通り抜けても減衰されない。これにより、疼痛低減および/または身体機能改善の有効性が増大することが見出された。
【0059】
図3は、基板2’が不織布繊維材料を含み、導電性ヒドロゲル層5’が電極部分5a’(電極3’の活性表面4’を覆う)および基板部分5b’(基板2’の皮膚対向面2a’を覆う)を備えるデバイス1’の代替的な実施形態を示す。
【0060】
絶縁リング6’は、電極部分5a’および基板部分5b’を互いに電気的に絶縁する。導電性ヒドロゲル層5’の電極部分5a’も、基板2’から絶縁される。
【0061】
デバイス1’は、上記で第1の実施形態について説明されたように用いられるが、導電性ヒドロゲル層5’の接着性基板部分5b’が、電極3’の活性表面4’が皮膚を窪ませるように皮膚に付着されている。信号は、電極3’および導電性ヒドロゲル層5’の電極部分5a’を通じて集束され、導電性ヒドロゲル層5’の基板部分5b’を通じて減衰されない。
【0062】
図4および図5は、非導電性基板2’’上に装着され、導電性ヒドロゲル層5’’の基板部分5b’’によって取り囲まれた複数の電極3’’を備えるデバイス1’’の第3の実施形態を示す。各電極3’’の活性表面4’’は、導電性ヒドロゲル層5’’のそれぞれの電極部分5a’’によって覆われる。
【0063】
本発明は、上記で説明した実施形態に限定されず、本明細書に記載の概念から逸脱することなく、様々な変更および改善を行うことができることが理解されよう。相互に相容れない場合を除いて、特徴のうちの任意のものは、別個にまたは任意の他の特徴と組み合わせて用いることができ、本開示は、本明細書に記載の1つまたは複数の特徴の全ての組み合わせおよび部分的組み合わせに拡張され、これを含む。
図1
図2
図3
図4
図5