(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】超低温フリーザ及び超低温フリーザシステム
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
(21)【出願番号】P 2022505901
(86)(22)【出願日】2021-02-24
(86)【国際出願番号】 JP2021006924
(87)【国際公開番号】W WO2021182105
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】P 2020043092
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314005768
【氏名又は名称】PHCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊島 渉
(72)【発明者】
【氏名】西田 亨光
(72)【発明者】
【氏名】酒井 雄太
(72)【発明者】
【氏名】藤田 純孝
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0013354(US,A1)
【文献】特開2012-193873(JP,A)
【文献】特開2019-152431(JP,A)
【文献】特開2010-181066(JP,A)
【文献】特開2006-029599(JP,A)
【文献】特開2005-016739(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154735(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0034296(KR,A)
【文献】特開2003-90661(JP,A)
【文献】特開2011-38329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を保管する保管室を有する本体部と、
前記本体部に取り付けられたカメラと、を備えている超低温フリーザであって、
前記試料を保管する者を特定する保管者画像を記憶する記憶部と、
前記保管者画像と、前記カメラによって撮影された前記超低温フリーザの周辺にいる者の画像とを比較して、前記試料を保管する者と前記超低温フリーザの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、前記超低温フリーザの周辺にいる者に、前記超低温フリーザの周辺にいる者が前記保管室にて前記試料を保管している旨を報知する第1報知部と、をさらに備える、
超低温フリーザ。
【請求項2】
前記保管室における前記試料の保管位置を、前記カメラによって撮影された画像から取得される情報と関連付けて記憶する記憶部をさらに備えている、請求項1に記載の超低温フリーザ。
【請求項3】
前記カメラによって撮影された画像から取得される情報は、前記試料を保管する容器の外観である、請求項2に記載の超低温フリーザ。
【請求項4】
前記カメラによって撮影された画像から取得される情報は、前記試料に関する情報である、請求項2に記載の超低温フリーザ。
【請求項5】
前記本体部は、前記保管室を開閉する扉をさらに有し、
前記試料を保管する者を特定する保管者画像を記憶する記憶部と、
前記保管者画像と、前記カメラによって撮影された前記扉を開ける者の画像とを比較して、前記試料を保管する者と前記扉を開ける者とが同一者であるか否かを判定する判定部と、をさらに備えている、請求項1に記載の超低温フリーザ。
【請求項6】
前記本体部は、前記扉を施錠するロック部をさらに有し、
前記判定部によって前記試料を保管する者と前記扉を開ける者とが同一者であると判定された場合、前記ロック部は前記扉を解錠する、請求項5に記載の超低温フリーザ。
【請求項7】
前記本体部は、前記保管室を開閉する扉をさらに有し、
前記カメラは、前記扉が閉位置から開位置に変位する第1変位、および、前記扉が前記開位置から前記閉位置に変位する第2変位の少なくとも一方に応じて、前記扉を開閉する者を撮影し、
前記第1変位および前記第2変位の少なくとも一方に応じて撮影された前記扉を開閉する者の画像を記憶する記憶部をさらに備えている、請求項1に記載の超低温フリーザ。
【請求項8】
前記第1報知部は、発光体が発する光によって前記本体部の外側を照らすことにより報知する、請求項1に記載の超低温フリーザ。
【請求項9】
第1の試料を保管する第1の保管室を有する第1の本体部と、前記第1の本体部に取り付けられたカメラとを備える第1の超低温フリーザと、
第2の試料を保管する第2の保管室を有する第2の本体部と、前記第2の本体部に取り付けられており、発光体が発する光によって、前記第2の本体部の外側を照らす第2の報知部とを備える第2の超低温フリーザと、
前記第2の試料を保管する者を特定する第2の保管者画像を記憶する記憶部と、
前記第2の保管者画像と、前記カメラによって撮影された前記第1の超低温フリーザの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、前記第2の報知部を作動させる制御部と、
を備える、超低温フリーザシステム。
【請求項10】
前記第1の超低温フリーザは、前記第1の本体部に取り付けられており、発光体が発する光によって、前記第1の本体部の外側を照らす第1の報知部をさらに備え、
前記記憶部は、前記第1の試料を保管する者を特定する第1の保管者画像を記憶し、
前記制御部は、前記第1の保管者画像と、前記カメラによって撮影された前記第1の超低温フリーザの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、前記第1の報知部を作動させる、
請求項
9に記載の超低温フリーザシステム。
【請求項11】
前記第2の超低温フリーザは、前記第1の超低温フリーザの周辺にいる者が前記第2の報知部によって照らされる部位を視認できる位置に配置されている、
請求項
9または請求項
10に記載の超低温フリーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、超低温フリーザ、超低温フリーザシステムおよび恒温器に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織等の試料を保管するために、保管室内を例えば-80℃以下の超低温に冷却する超低温フリーザが開発されている(例えば特許文献1参照)。試料は例えば細長い管状の容器に収容されている。この容器は、保管室に収納されるボックスに複数並べて配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した超低温フリーザにおいて、保管室にボックスが複数配置されている。また、上述したようにこれらのボックスには、試料が収容された容器が複数配置されている。さらに、複数人が保管室に試料を保管している。このため、保管室に保管される試料が増加するにしたがって、使用者の試料管理の負担が大きくなる。一方で、使用者のユーザビリティを向上させたいとの要請がある。
【0005】
本開示は、使用者のユーザビリティを向上させることができる超低温フリーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本開示における超低温フリーザは、試料を保管する保管室を有する本体部と、本体部に取り付けられたカメラと、を備えている。
上述のような超低温フリーザを実施する場合に、好ましくは、超低温フリーザは、
試料を保管する者を特定する保管者画像を記憶する記憶部と、
保管者画像と、カメラによって撮影された超低温フリーザの周辺にいる者の画像とを比較して、試料を保管する者と超低温フリーザの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、超低温フリーザの周辺にいる者に、保管室にて試料を保管している旨を報知する第1報知部と、をさらに備えてよい。
【0007】
また、本開示における超低温フリーザシステムは、第1の試料を保管する第1の保管室を有する第1の本体部と、第1の本体部に取り付けられたカメラとを備える第1の超低温フリーザと、第2の試料を保管する第2の保管室を有する第2の本体部と、第2の本体部に取り付けられており、発光体が発する光によって、第2の本体部の外側を照らす第2の報知部とを備える第2の超低温フリーザと、第2の試料を保管する者を特定する第2の保管者画像を記憶する記憶部と、第2の保管者画像と、カメラによって撮影された第1の超低温フリーザの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、第2の報知部を作動させる制御部と、を備える。
【0008】
また、本開示における恒温器は、試料を保管する保管室を有する本体部と、本体部に取り付けられたカメラと、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本開示の超低温フリーザによれば、使用者のユーザビリティを向上させることができる。また、本開示の超低温フリーザシステムおよび恒温器においても、使用者のユーザビリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る超低温フリーザの外観図である。
【
図2】
図1に示す超低温フリーザにおいて、外扉および内扉が開いた状態を示す図である。
【
図5】
図3に示す収納ボックスの上面図であり、容器が収納されている状態を示す。
【
図6】
図1に示す超低温フリーザのブロック図である。
【
図7】
図6に示す表示部に表示される第1の管理画像を示す図である。
【
図8】
図6に示す表示部に表示される第2の管理画像を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る超低温フリーザのブロック図である。
【
図10】
図9に示す制御装置が実行するフローチャートである。
【
図11】第3実施形態に係る超低温フリーザのブロック図である。
【
図12】第4実施形態に係る超低温フリーザのブロック図である。
【
図13】
図12に示す制御装置が実行するフローチャートである。
【
図14】第5実施形態に係る超低温フリーザのブロック図である。
【
図15】本開示の超低温フリーザシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本開示の超低温フリーザ1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下では、
図1の矢印で示すように、
図1における上側および下側をそれぞれ超低温フリーザ1の上方および下方とし、同じく左下側および右上側をそれぞれ超低温フリーザ1の左方および右方とし、同じく左上側および右下側をそれぞれ超低温フリーザ1の後方および前方として説明する。
【0012】
超低温フリーザ1は、
図1および
図2に示すように、本体部10および機械部20を備えている。
【0013】
本体部10は、保管室11、外扉12、コントロールパネル部13、カメラ14、ハンドル部15、内扉16、および、超低温フリーザ1を統括制御する制御装置17(
図6)を有している。外扉12は、「扉」の一例である。
【0014】
保管室11は、試料を保管するものである。試料は、例えば生体組織である。保管室11は、前方を開放する箱状に形成されている。保管室11の側壁内には、断熱材(不図示)が配置されている。保管室11内には、3つの仕切板11a,11b,11cが配置されている。3つの仕切板11a,11b,11cによって保管室11内が上下方向に沿って4つに区画され、上方から下方に向けて順に4つの収納空間K(「A」~「D」)が形成される。
【0015】
各収納空間Kには、
図3に示すように収納ボックスBxが複数並べて配置されている。収納ボックスBxは、試料が入れられる容器Cnを収納する箱である。本実施形態では、各収納空間Kに収納ボックスBxが最大6個収納できる。本実施形態では、各収納空間Kには、左方から右方に向けて順に収納ボックスBxが並べられている。符号「A」の収納空間Kに収納された収納ボックスBxには、左から右に順に符号「A1」~「A6」が付けられている。
【0016】
容器Cnは、
図4に示すように、細長い管状に形成されている。容器Cnの外表面にはラベルLが貼られている。ラベルLには、試料に関する情報が記載されている。ラベルLに記載された試料に関する情報は、例えば試料の名称である。
【0017】
収納ボックスBxは、
図5に示すように、上方を開放され、容器Cnを立てた状態にて複数収納できるように、仕切られている。本実施形態では、収納ボックスBxは、10個の列および30個の行が形成されるように仕切られ、1つの収納ボックスBxに容器Cnを最大300個収納できる。
図1、2に戻って説明を続ける。
【0018】
外扉12は、保管室11を開閉するものである。外扉12は、保管室11を閉じる閉位置P1(
図1参照)と保管室11を開ける開位置P2(
図2参照)との間を変位する。外扉12が閉位置P1に位置する場合、保管室11が密閉状態となる。
【0019】
コントロールパネル部13は、外扉12の外表面に配置されている。コントロールパネル部13は、表示部13aおよび入力部13bを備えている。表示部13aおよび入力部13bは、制御装置17と電気的に接続されている(
図6参照)。
【0020】
表示部13aは、保管室11内の温度や、制御装置17から出力される後述する画像を表示するものである。表示部13aは例えばディスプレイである。
【0021】
入力部13bは、タッチパネルであり、表示部13aと一体的に設けられている。表示部13aに表示される画像に使用者がタッチすることにより、制御装置17に対して情報が入力される。
【0022】
カメラ14は、本体部10に取り付けられている。カメラ14は、超低温フリーザ1の前方周辺を撮影可能に配置されている。また、カメラ14は、外扉12を開閉する者を撮影可能に配置されている。カメラ14は、具体的には、コントロールパネル部13に配置されている。カメラ14は、制御装置17によって制御される。カメラ14によって撮影された画像は、制御装置17に出力される。本実施形態においてカメラ14によって撮影された画像は静止画像である。
【0023】
ハンドル部15は、使用者が外扉12を開閉する際に把持されるものである。ハンドル部15は、外扉12を閉位置P1に固定する第1位置(
図1参照)と、外扉12を閉位置P1と開位置P2との間を変位可能にする第2位置(
図2参照)との間を変位する。
【0024】
内扉16は、外扉12より本体部10の内側に配置され、保管室11を開閉可能に配置されている。制御装置17は、コントロールパネル部13内に配置されている。制御装置17の詳細は後述する。
【0025】
機械部20は、本体部10の直下に配置されている。機械部20には、冷凍サイクルを用いた冷却装置(不図示)を構成する圧縮機(不図示)、凝縮器(不図示)およびキャピラリーチューブ(不図示)が収納されている。冷却装置を構成する蒸発器(不図示)は、本体部10の側壁内に配置されている。冷却装置の運転によって、保管室11内が冷却される。冷却装置は、制御装置17によって制御される。
【0026】
制御装置17は、
図6に示すように、取得部17a、記憶部17b、画像生成部17cおよび出力部17dを備えている。
【0027】
取得部17aは、カメラ14によって撮影された画像や、試料に関する情報を取得するものである。試料に関する情報は、使用者によって入力部13bから入力される。試料に関する情報は、保管室11における試料の保管位置、試料の名称、保管日および確認日である。試料の保管位置は、試料が入れられる容器Cnの位置である。保管日は、試料の保管を開始した日である。確認日は、使用者が試料の状態を確認した日、または、使用者が試料に対して所定の操作をした日である。
【0028】
また、試料に関する情報として容器Cnの外観が、カメラ14によって撮影された画像から取得される。具体的には、使用者が容器Cnの外観をカメラ14によって撮影した場合、取得部17aは、そのカメラ14によって撮影された画像から、容器Cnの外観を認識して外観画像Pとして取得する。さらに、試料の名称が記載されたラベルLが容器Cnの外側に貼られている場合において、使用者がそのラベルLをカメラ14によって撮影したとき、取得部17aは、そのカメラ14によって撮影された画像から、試料の名称を認識して文字データとして取得する。この場合、使用者による試料の名称の入力が不要となる。なお、取得部17aが、カメラ14から出力された映像に基づいて、容器Cnの外観および試料の名称を自動で認識して、外観画像Pおよび試料の名称の文字データを取得してもよい。
【0029】
記憶部17bは、カメラ14によって撮影された画像から取得される情報および試料に関する情報を記憶するものである。記憶部17bは、保管室11における試料の保管位置と、カメラ14によって撮影された画像から取得される情報とを関連付けて記憶する。カメラ14によって撮影された画像から取得される情報は、例えば上述した容器Cnの外観、および、試料の名称などの試料に関する情報である。
【0030】
また、記憶部17bには、試料の保管位置と、入力部13bから入力された試料に関する情報とが関連付けられて記憶される。入力部13bから入力された試料に関する情報は、例えば上述した保管日および確認日である。
【0031】
このように、記憶部17bには、保管室11における試料の保管位置、カメラ14によって撮影された画像から取得される情報(容器Cnの外観や試料の名称)、保管日および確認日が、互いに関連付けて記憶される。また、記憶部17bには、表示部13aに表示させる画像データがさらに記憶されている。画像データは、例えば、後述する管理画像を構成する画像である。
【0032】
画像生成部17cは、表示部13aに表示させる画像を生成するものである。表示部13aに表示させる画像は、例えば、試料の管理状態を示す管理画像である。管理画像は、記憶部17bに記憶されている外観画像P、試料に関する情報および画像データを用いて生成される。管理画像には、第1の管理画像G1および第2の管理画像G2がある。
【0033】
第1の管理画像G1は、保管室11における試料の保管位置を示す画像である。第1の管理画像G1は、
図7に示すように、第1タブTa1、第2タブTa2およびボックスシートSを有している。
【0034】
第1タブTa1は、4つの収納空間K(「A」~「D」)を示すものである。4つの収納空間Kに対応する4つの第1タブTa1が左右方向に並べられて配置されている。4つの第1タブTa1のそれぞれには、収納空間Kの符号(「A」~「D」)が表示されている。第1の管理画像G1が表示部13aに表示された状態において、1つの第1タブTa1が使用者のタッチによって選択されると、その第1タブTa1に対応する第2タブTa2が表示部13aに表示される。
【0035】
第2タブTa2は、選択された第1タブTa1に対応する収納空間Kに配置された収納ボックスBxを示すものである。第2タブTa2の数は、収納空間Kに配置された収納ボックスBxの数に対応している。選択された第1タブTa1に対応する第2タブTa2が、第1タブTa1の直下に左右方向に並べて配置されている。第2タブTa2のそれぞれには、対応する収納ボックスBxの符号が表示されている。
【0036】
図7では、符号「A」の第1タブTa1が選択されたことにより、符号「A」の収納空間Kに配置された6つ収納ボックスBxに対応する第2タブTa2(「A1」~「A6」)が表示されている。第1の管理画像G1が表示部13aに表示された状態において、1つの第2タブTa2が使用者のタッチによって選択されると、その第2タブTa2に対応するボックスシートSが表示される。
【0037】
ボックスシートSは、使用者によって選択された第2タブTa2に対応する収納ボックスBxにおける試料の保管位置を示すものである。
図7においては、符号「A1」の第2タブTa2が選択されたことにより、ボックスシートSには、符号「A1」の収納ボックスBxにおける試料の保管位置が示されている。
【0038】
ボックスシートSには、収納ボックスBxの上述した仕切に合わせて、複数個の列と複数個の行とからなるテーブルTbが表示されている。テーブルTbの上方には、10個の列記号N1(「A」~「M」)が配置されている。テーブルTbの左方には、10個の行番号N2(「1」~「10」)が配置されている。上述したように、収納ボックスBxは行が30個あるが、本実施形態では、表示部13aには10行ずつ表示される。他の行は、テーブルTbをスクロールさせることにより表示される。
【0039】
また、収納ボックスBxにおける容器Cnが収納されている保管位置に対応するテーブルTbのセルCeには、ハッチングが付けられている。
【0040】
第2の管理画像G2は、試料に関する情報を示すものである。第2の管理画像G2は、第1の管理画像G1が表示部13aに表示された状態において、ハッチングを付けられているセルCeが使用者のタッチによって選択されることにより表示される。第2の管理画像G2は、選択されたセルCeに位置に対応する収納ボックスBxの位置に保管された試料に関する情報が示される。第2の管理画像G2は、
図8に示すように、保管位置欄H1、試料の名称欄H2、保管日欄H3、確認日欄H4、および、外観画像Pを有している。
【0041】
保管位置欄H1は、第2の管理画像G2の上側に配置されている。保管位置欄H1は、収納空間Kの符号、「ボックス」の文字と収納ボックスBxの符号との組合せ、および、テーブルTbのセルCeの位置を示す列記号N1と行番号N2との組合せによって構成されている。
【0042】
試料の名称欄H2は、第2の管理画像G2の中央部に配置されている。保管日欄H3は、試料の名称欄H2の直下に配置されている。確認日欄H4は、保管日欄H3の直下に配置されている。外観画像Pは、保管日欄H3および確認日欄H4の右側に配置されている。
【0043】
図6に示す出力部17dは、画像生成部17cによって生成された画像を表示部13aに出力するものである。
【0044】
次に、使用者が試料の保管を開始して第2の管理画像G2を表示させる場合における超低温フリーザ1の動作を説明する。容器Cnの外側には、試料の名称が記載されたラベルLが貼られているものとする。使用者が、符号「A」の収納空間Kに収納された符号「A1」の収納ボックスBxに、列記号N1が「C」および行番号N2が「3」の位置に試料を保管する場合について説明する。
【0045】
はじめに、使用者は、保管位置を入力部13bに入力する。使用者は、具体的には、収納空間Kの符号、収納ボックスBxの符号およびセルCeの位置(列記号N1および行番号N2)を入力する。続けて、使用者は、試料の名称を入力する。この場合、試料の名称がラベルLに記載されているため、使用者はカメラ14を用いて、ラベルLを撮影する。
【0046】
さらに、使用者は、保管日を入力部13bに入力する。続けて、使用者は、容器Cnの外観を入力する。使用者は、具体的には、カメラ14を用いて容器Cnの外観を撮影する。使用者によって入力された保管位置および保管日は、制御装置17(取得部17a)が取得する。
【0047】
制御装置17(取得部17a)は、カメラ14によって撮影されたラベルLの画像から、試料の名称を認識して、試料の名称を文字データとして取得する。さらに、制御装置17(取得部17a)は、カメラ14によって撮影された容器Cnの外観の画像から、容器Cnの外観を認識して、容器Cnの外観を外観画像Pとして取得する。
【0048】
制御装置17(記憶部17b)は、使用者によって入力された保管位置および保管日、並びに、取得した試料の名称および外観画像Pを関連付けて記憶する。
【0049】
続けて、制御装置17(画像生成部17c)は、保管位置、保管日、試料の名称および外観画像P、並びに、予め記憶されている画像データを用いて、第1および第2の管理画像G1,G2を生成する。制御装置17(出力部17d)は、第1の管理画像G1を出力する。これにより、表示部13aに第1の管理画像G1が表示される(
図7参照)。第1の管理画像G1には、符号「A」の収納空間Kに収納された符号「A1」の収納ボックスBxを示すテーブルTbが表示され、列記号N1が「C」および行番号N2が「3」のセルCeにハッチングが付けられている。
【0050】
さらに、使用者が「C」の列記号N1および「3」の行番号N2のセルCeにタッチして選択操作することにより、列記号N1が「C」および行番号N2が「3」のセルCeに対応する第2の管理画像G2が出力されて、表示部13aに表示される(
図8)。なお、現時点においては、確認日が入力されていないため、確認日は表示されない。確認日は、使用者が試料の状態を確認した日を入力部13bに入力することによって、第2の管理画像G2に表示される。
【0051】
本第1実施形態によれば、超低温フリーザ1は、試料を保管する保管室11を有する本体部10と、本体部10に取り付けられたカメラ14と、を備えている。
【0052】
これによれば、使用者のユーザビリティを向上させることができる。
【0053】
また、保管室11における試料の保管位置を、カメラ14によって撮影された画像から取得される情報と関連付けて記憶する記憶部17bをさらに備えている。
【0054】
これによれば、使用者の試料管理の負担を抑制できる。
【0055】
また、カメラ14によって撮影された画像から取得される情報は、試料を保管する容器Cnの外観である。
【0056】
これによれば、使用者の試料管理の負担をより抑制できる。
【0057】
また、カメラ14によって撮影された画像から取得される情報は、試料に関する情報である。
【0058】
これによれば、使用者の試料管理の負担をさらに抑制できる。
【0059】
<第2実施形態>
次に、本開示の超低温フリーザ1の第2実施形態について、主として上述した第1実施形態と異なる部分について説明する。上述した第1実施形態に対して本第2実施形態においては、超低温フリーザ1は、
図9に示すように、ロック部115a、第1開閉検出部115bおよび第2開閉検出部115cをさらに備えている。
【0060】
ロック部115aは、外扉12を施錠および解錠するものである。ロック部115aは、外扉12が閉位置P1に位置する場合に外扉12を施錠および解錠する。ロック部115aは、電子錠である。ロック部115aは、ハンドル部15内に配置されている。例えばロック部115aの動作は、制御装置17によって制御される。
【0061】
第1開閉検出部115bは、外扉12が閉位置P1に位置するか否かを検出するものである。第1開閉検出部115bは、プッシュスイッチである。第1開閉検出部115bは、保管室11の前端部に配置されている。外扉12が閉位置P1に位置する場合、外扉12が第1開閉検出部115bを押圧することにより、第1開閉検出部115bから検出信号が制御装置17に出力される。
【0062】
第2開閉検出部115cは、ハンドル部15が使用者によって把持されているか否かを検出するものである。第2開閉検出部115cは、ハンドル部15に配置されている。第2開閉検出部115cは、静電容量式のタッチセンサである。ハンドル部15が把持された場合、第2開閉検出部115cから検出信号が制御装置17に出力される。
【0063】
また、取得部17aは、カメラ14によって撮影された使用者の画像を取得する。第2実施形態において使用者は、外扉12を開ける者である。具体的には、第1開閉検出部115bが外扉12の閉位置P1を検出している場合において、第2開閉検出部115cがハンドル部15を把持されたことが検出されたとき、カメラ14が使用者としてハンドル部15を把持した者を撮影する。取得部17aは、カメラ14によって撮影されたハンドル部15を把持した者の画像を、カメラ14によって撮影された外扉12を開ける者の画像として取得する。
【0064】
また、記憶部17bは、試料を保管する者を特定する保管者画像をさらに記憶する。保管者画像は、試料を保管する使用者自身をカメラ14で予め撮影した画像である。
【0065】
また、制御装置17は、第1判定部117eをさらに備えている。第1判定部117eは、保管者画像と、カメラ14によって撮影された外扉12を開ける者の画像とを比較して、試料を保管する者と外扉12を開ける者とが同一者であるか否かを判定する。第1判定部117eは、具体的には、保管者画像から認識される者の顔と、カメラ14によって撮影された外扉12を開ける者の画像から認識される顔とを、所定のアルゴリズムを用いて比較して、同一者か否かを判定する。第1判定部117eは、「判定部」の一例である。
【0066】
次に、外扉12が開けられる場合における本第2実施形態の超低温フリーザ1の動作について、
図10のフローチャートを用いて説明する。第1開閉検出部115bによって外扉12の閉位置P1が検出され、外扉12が施錠され、かつ、保管室11の内外が遮断されている状態から説明する。また、記憶部17bには、保管者画像が記憶されている。
【0067】
制御装置17は、S10において、ハンドル部15が把持されたか否かを判定する。ハンドル部15が把持されていない場合、第2開閉検出部115cから検出信号が出力されていない。この場合、制御装置17は、S10にてNOと判定し、S10を繰り返し実行する。
【0068】
一方、ハンドル部15が把持されたことにより、第2開閉検出部115cから検出信号が出力された場合、制御装置17は、S10にてYESと判定し、S11にてハンドル部15を把持した者をカメラ14に撮影させる。さらに、制御装置17(取得部17a)は、S12にて、カメラ14によって撮影されたハンドル部15を把持した者の画像を、カメラ14によって撮影された外扉12を開ける者の画像として取得する。
【0069】
続けて、制御装置17(第1判定部117e)は、S13にて、試料を保管する者と外扉12を開ける者とが同一者であるか否かを判定する。試料を保管する者と外扉12を開ける者とが異なることにより、同一者でないと判定された場合、制御装置17は、S13にてNOと判定し、S14にて、試料を保管していない旨を表示部13aに表示させる。
【0070】
一方、試料を保管する者と外扉12を開ける者とが同一者であることにより、同一者であると判定された場合、制御装置17は、S13にてYESと判定し、プログラムをS15に進める。
【0071】
制御装置17は、S15にて、ロック部115aを制御して外扉12を解錠する。これにより、使用者が外扉12を開けられる状態となる。
【0072】
本第2実施形態によれば、本体部10は、保管室11を開閉する外扉12をさらに有している。また、制御装置17は、試料を保管する者を特定する保管者画像を記憶する記憶部17bと、保管者画像と、カメラ14によって撮影された外扉12を開ける者の画像とを比較して、試料を保管する者と外扉12を開ける者とが同一者であるか否かを判定する第1判定部117eと、をさらに備えている。
【0073】
これによれば、試料を保管する者と外扉12を開ける者とが同一者であるか否かを制御装置17が判定するため、試料を保管する者だけに外扉12の操作を許容することができる。
【0074】
また、本体部10は、外扉12を施錠するロック部115aをさらに有している。第1判定部117eによって試料を保管する者と外扉12を開閉する者とが同一者であると判定された場合、ロック部115aは外扉12を解錠する。
【0075】
これによれば、保管室11に試料を保管する者だけに、外扉12を開けさせることができる。
【0076】
なお、カメラ14が使用者を撮影するタイミングは、上記のように第1開閉検出部115bが外扉12の閉位置P1を検出している場合において、第2開閉検出部115cがハンドル部15を把持されたことが検出されたときに限られない。カメラ14が使用者を把持した者を撮影するタイミングは、例えば、使用者が入力部13bの特定の箇所を長押ししたときでもよい。カメラ14が入力部13bと同様にコントロールパネル部13に配置されているため、使用者が入力部13bを操作するときに使用者の顔がカメラ14に向くことを促すことができる。よって、カメラ14が使用者の顔を精度よく撮影することができるため、第1判定部117eにおける判定の精度を向上させることができる。
【0077】
<第3実施形態>
次に、本開示の超低温フリーザ1の第3実施形態について、主として上述した第1実施形態と異なる部分について説明する。上述した第1実施形態に対して本第3実施形態においては、超低温フリーザ1は、
図11に示すように、上述した第1開閉検出部115bをさらに備えている。
【0078】
また、制御装置17は、変位検出部217fをさらに備えている。変位検出部217fは、第1開閉検出部115bにから出力される検出信号に基づいて、外扉12が閉位置P1から開位置P2に変位する第1変位、および、外扉12が開位置P2から閉位置P1に変位する第2変位を検出するものである。
【0079】
外扉12が閉位置P1に位置することにより出力される第1開閉検出部115bの検出信号は、外扉12が開位置P2に変位することにより出力が停止される。外扉12を開閉する者が外扉12を開けたことにより、第1開閉検出部115bの検出信号の出力が停止された時に、変位検出部217fが第1変位を検出する。
【0080】
一方、外扉12が開位置P2に位置することにより出力が停止されている第1開閉検出部115bの検出信号は、外扉12が閉位置P1に変位することにより出力が開始される。外扉12を開閉する者が外扉12を閉じたことにより、第1開閉検出部115bの検出信号の出力が開始された時に、変位検出部217fが第2変位を検出する。
【0081】
また、制御装置17は、第1変位および第2変位が検出されたことに応じて、外扉12を開閉する者をカメラ14に撮影させる。さらに、制御装置17(記憶部17b)は、カメラ14によって撮影された外扉12を開閉する者の画像を記憶する。制御装置17には、外扉12を開閉する者の画像が撮影された順番に記憶される。制御装置17に記憶された外扉12を開閉する者の画像は、使用者によるコントロールパネル部13の操作によって表示部13aに表示される。
【0082】
本第3実施形態によれば、本体部10は、保管室11を開閉する外扉12をさらに有している。カメラ14は、外扉12が閉位置P1から開位置P2に変位する第1変位、および、外扉12が開位置P2から閉位置P1に変位する第2変位に応じて、外扉12を開閉する者を撮影する。超低温フリーザ1は、第1変位および第2変位に応じて撮影された外扉12を開閉する者の画像を記憶する記憶部17bをさらに備えている。
【0083】
これによれば、外扉12を開閉した者を後から確認することができる。
【0084】
<第4実施形態>
次に、本開示の超低温フリーザ1の第4実施形態について、主として上述した第1実施形態と異なる部分について、
図12を用いて説明する。
【0085】
上述した第1実施形態に対して本第4実施形態においては、記憶部17bは、第2実施形態に記載した保管者画像を記憶する。また、カメラ14は、超低温フリーザ1の前方周辺の映像を制御装置17(取得部17a)に出力する。
【0086】
さらに、本体部10は、発光体313cを備えている。発光体313cは、コントロールパネル部13に配置されている(
図1)。発光体313cは、例えばLEDである。発光体313cからの光は、本体部10の外側を照らす。発光体313cの光は、具体的には、外扉12の前面におけるコントロールパネル部13より上方の部位を照らす。発光体313cの発光は、制御装置17によって制御される。また、制御装置17は、第1周辺者検出部317g、第2判定部317hおよび第1報知部317iをさらに有している。
【0087】
第1周辺者検出部317gは、超低温フリーザ1の前方周辺にいる者を検出するものである。第1周辺者検出部317gは、具体的には、カメラ14から出力された映像に基づいて、超低温フリーザ1の前方周辺にいる者の顔を検出する。第1周辺者検出部317gは、超低温フリーザ1の前方周辺にいる者の顔を検出した場合、カメラ14に超低温フリーザ1の前方周辺にいる者の顔を撮影させる。カメラ14によって撮影された超低温フリーザ1の前方周辺にいる者の画像は、取得部17aによって取得される。
【0088】
第2判定部317hは、保管者画像と、カメラ14によって撮影された超低温フリーザ1の周辺にいる者の画像とを比較して、試料を保管する者と超低温フリーザ1の周辺にいる者とが同一者であるか否かを判定する。第2判定部317hは、具体的には、保管者画像から認識される者の顔と、カメラ14によって撮影された超低温フリーザ1の周辺にいる者の画像から認識される顔とを、所定のアルゴリズムを用いて比較して、同一者か否かを判定する。
【0089】
第1報知部317iは、第2判定部317hによって試料を保管する者と超低温フリーザ1の周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、超低温フリーザ1の周辺にいる者に、保管室11にて試料を保管している旨を報知するものである。第1報知部317iによる報知は、発光体313cを発光させることである。すなわち、第1報知部317iは、発光体313cが発する光によって本体部10の外側を照らすことにより報知する。
【0090】
次に、超低温フリーザ1の周辺にいる者に、保管室11にて試料を保管している旨が報知される場合における本第4実施形態の超低温フリーザ1の動作について、
図13のフローチャートを用いて説明する。
【0091】
制御装置17(第1周辺者検出部317g)は、S20において、超低温フリーザ1の周辺にいる者を検出したか否かを判定する。本実施形態において、超低温フリーザ1の周辺は、カメラ14が撮影可能な前方周辺である。超低温フリーザ1の前方周辺に誰もいない場合、制御装置17は、S20にてNOと判定し、S20を繰り返し実行する。
【0092】
一方、超低温フリーザ1の前方周辺に使用者が現れた場合、制御装置17(第1周辺者検出部317g)によって使用者が超低温フリーザ1の前方周辺にいる者として検出される。この場合、制御装置17は、S20にてYESと判定し、S21にて超低温フリーザ1の前方周辺にいる者をカメラ14に撮影させる。さらに、制御装置17(取得部17a)は、S22にて、カメラ14によって撮影された超低温フリーザ1の前方周辺にいる者の画像を取得する。
【0093】
続けて、制御装置17(第2判定部317h)は、S23にて、試料を保管する者と超低温フリーザ1の周辺にいる者とが同一者であるか否かを判定する。試料を保管する者と超低温フリーザ1の周辺にいる者とが異なることにより、同一者でないと判定された場合、制御装置17は、S23にてNOと判定し、プログラムを終了する。
【0094】
一方、試料を保管する者と超低温フリーザ1の周辺にいる者とが同じことにより、同一者であると判定された場合、制御装置17は、S23にてYESと判定する。続けて、制御装置17(第1報知部317i)は、S24にて保管室11にて試料を保管している旨を報知する。
【0095】
本第4実施形態によれば、超低温フリーザ1は、試料を保管する者を特定する保管者画像を記憶する記憶部17bと、保管者画像と、カメラ14によって撮影された超低温フリーザ1の周辺にいる者の画像とを比較して、試料を保管する者と超低温フリーザ1の周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、超低温フリーザ1の周辺にいる者に、保管室11にて試料を保管している旨を報知する第1報知部317iと、をさらに備えている。
【0096】
これによれば、試料を保管する者が、超低温フリーザ1に試料を保管していることを簡便に知ることができる。
【0097】
また、第1報知部317iは、発光体313cが発する光によって本体部10の外側を照らすことにより報知する。
【0098】
これによれば、試料を保管する者が、超低温フリーザ1に試料を保管していることを、目視によって簡便に知ることができる。
【0099】
<第5実施形態>
次に、本開示の超低温フリーザ1の第5実施形態について、主として上述した第1実施形態と異なる部分について説明する。
【0100】
上述した第1実施形態に対して本第5実施形態においては、カメラ14は、上述したカメラ14から出力された映像を制御装置17(取得部17a)に出力する。また、制御装置17は、
図14に示すように、設定部417jおよび第2報知部417kをさらに備えている。
【0101】
設定部417jは、予め所定の時間帯を設定するものである。所定の時間帯は、使用者によって入力部13bから入力される。所定の時間帯は、例えば、使用者が試料の確認を行わない時間帯や、深夜の時間帯(例えば23時から翌朝6時までの間)に設定される。
【0102】
第2報知部417kは、設定部417jによって設定された所定の時間帯にカメラ14が超低温フリーザ1の周辺にて動作するものを撮影した場合、その旨を報知するものである。第2報知部417kは、具体的には、カメラ14から出力された映像に基づいて、超低温フリーザ1の周辺にて動作するものがあるか否かを、所定のアルゴリズムを用いて判定する。カメラ14から出力された映像から超低温フリーザ1の周辺にて動作するものが認識された場合、超低温フリーザ1の周辺にて動作するものがあると判定される。
【0103】
第2報知部417kによる報知は、所定の時間帯を設定した使用者への通知である。使用者への通知は、制御装置17と有線または無線にて通信可能に接続された使用者の端末装置(例えばスマートフォンやパソコン)に送信される。
【0104】
本第5実施形態によれば、超低温フリーザ1は、予め所定の時間帯を設定する設定部417jと、設定部417jによって設定された所定の時間帯にカメラ14が超低温フリーザ1の周辺にて動作するものを撮影した場合、その旨を報知する第2報知部417kと、をさらに備えている。
【0105】
これによれば、使用者が超低温フリーザ1から離れたところにいる場合においても、超低温フリーザ1を監視することができる。
【0106】
<第6実施形態>
次に、本開示の超低温フリーザシステム2について説明する。超低温フリーザシステム2は、
図15に示すように、上述した第4実施形態の超低温フリーザ1を複数(本実施形態においては3台)備えている。第4実施形態の超低温フリーザ1は、カメラ14および第1報知部317iを備えている。複数の超低温フリーザ1は、第1から第3の超低温フリーザ1a~1cうち何れかの超低温フリーザ1の周辺にいる者が、各超低温フリーザ1a~1cの発光体313cによって本体部10が照らされた部位を視認できるように配置されている。
【0107】
超低温フリーザシステム2は、複数の超低温フリーザ1を統括制御するシステム制御装置2aを備えている。システム制御装置2aは、有線または無線によって複数の超低温フリーザ1と通信可能に接続されている。システム制御装置2aは、「制御部」の一例である。
【0108】
システム制御装置2aは、取得部2a1、記憶部2a2、第2周辺者検出部2a3、第3判定部2a4、第3報知部2a5および出力部2a6を備えている。
【0109】
取得部2a1は、各超低温フリーザ1a~1cの上述したカメラ14から出力された映像を取得するものである。記憶部2a2には、各超低温フリーザ1a~1cに記憶されている保管者画像を、各超低温フリーザ1a~1cに対応付けて記憶されている。
【0110】
第2周辺者検出部2a3は、各超低温フリーザ1a~1cのカメラ14から出力された映像から、各超低温フリーザ1a~1cの前方周辺にいる者を、上述した第1周辺者検出部317gと同様の方法で検出する。各超低温フリーザ1a~1cの前方周辺にいる者の画像は、取得部2a1によって取得される。
【0111】
第3判定部2a4は、保管者画像と、各超低温フリーザ1a~1cの周辺にいる者の画像とを比較して、試料を保管する者と各超低温フリーザ1a~1cの周辺にいる者とが同一者であるか否かを、上述した第1周辺者検出部317gと同様の方法で判定する。
【0112】
第3報知部2a5は、第3判定部2a4によって試料を保管する者と各超低温フリーザ1a~1cの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、各超低温フリーザ1a~1cの周辺にいる者が試料を保管している超低温フリーザ1に報知信号をするものである。報知信号は、第1報知部317iに発光体313cを発光させる信号である。報知信号は、出力部2a6を介して出力される。報知信号を取得した超低温フリーザ1は、第1報知部317iによって発光体313cを発光させて本体部10を照らす。
【0113】
例えば、第2の超低温フリーザ1bの保管室11に試料を保管する者が、第1の超低温フリーザ1aのカメラ14から出力された映像に基づいて第2周辺者検出部2a3によって検出された場合、第1の超低温フリーザ1aの前方周辺にいる者の画像が取得される。
【0114】
続けて、第1の超低温フリーザ1aの前方周辺にいる者が、第2の超低温フリーザ1bに試料を保管する者と同一者であると、システム制御装置2a(第3判定部2a4)によって判定される。これに応じて、システム制御装置2a(第3報知部2a5)は、第2の超低温フリーザ1bに報知信号を出力する。これにより、第2の超低温フリーザ1bの発光体313cが発光して、第2の超低温フリーザ1bの本体部10が照らされる。
【0115】
第1の超低温フリーザ1aの前方周辺にいる者は、第2の超低温フリーザ1bの本体部10が照らされていることを視認することにより、第2の超低温フリーザ1bの保管室11に試料を保管していることを知ることができる。
【0116】
本第6実施形態によれば、超低温フリーザシステム2は、第1の試料を保管する第1の保管室11を有する第1の本体部10と、第1の本体部10に取り付けられたカメラ14とを備える第1の超低温フリーザ1aと、第2の試料を保管する第2の保管室11を有する第2の本体部10と、第2の本体部10に取り付けられており、発光体313cが発する光によって、第2の本体部10の外側を照らす第2の第1報知部317iとを備える第2の超低温フリーザ1bと、第2の試料を保管する者を特定する第2の保管者画像を記憶する記憶部2a2と、第2の保管者画像と、カメラ14によって撮影された第1の超低温フリーザ1aの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、第2の第1報知部317iを作動させるシステム制御装置2aと、を備える。
【0117】
これによれば、超低温フリーザが複数配置されている場合において、使用者が試料を保管していない超低温フリーザ1のカメラ14によって撮影されたときにおいても、使用者が試料を保管している超低温フリーザ1の本体部10が照らされる。よって、使用者が試料を保管している超低温フリーザ1から離れたところにいても、使用者は試料を保管している超低温フリーザ1を視認することができる。
【0118】
また、第1の超低温フリーザ1aは、第1の本体部10に取り付けられており、発光体313cが発する光によって、第1の本体部10の外側を照らす第1の第1報知部317iをさらに備えている。記憶部2a2は、第1の試料を保管する者を特定する第1の保管者画像を記憶する。システム制御装置2aは、第1の保管者画像と、カメラ14によって撮影された第1の超低温フリーザ1aの周辺にいる者とが同一者であると判定された場合、第1の第1報知部317iを作動させる。第1報知部317iは、「報知部」の一例である。
【0119】
これによれば、超低温フリーザが複数配置されている場合において、使用者が試料を保管している超低温フリーザ1のカメラ14によって撮影されたとき、使用者が試料を保管している超低温フリーザ1の本体部10が照らされる。よって、超低温フリーザが複数配置されている場合においても、使用者は試料を保管している超低温フリーザ1を確実に視認することができる。
【0120】
また、第2の超低温フリーザ1bは、第1の超低温フリーザ1aの周辺にいる者が第2の第1報知部317iによって照らされる部位を視認できる位置に配置されている。
【0121】
これによれば、使用者が試料を保管している超低温フリーザ1から離れたところにいても、使用者は試料を保管している超低温フリーザ1を確実に視認することができる。
【0122】
<変形例>
以上、一つまたは複数の態様に係る超低温フリーザ1および超低温フリーザシステム2について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0123】
上述した各実施形態では、カメラ14は、超低温フリーザ1の前方周辺を撮影するが、前方周辺に加えて、超低温フリーザ1の左右方向周辺や後方周辺を撮影してもよい。この場合、本体部10にカメラ14を複数取り付けてもよい。また、ハンドル部15にカメラ14を取り付けてもよい。この場合、外扉12を開閉する者を確実に撮影することができる。
【0124】
上述した第1実施形態では、記憶部17bは保管者画像を記憶しているが、保管者画像を、保管者画像から特定される者が保管する試料の保管位置と関連付けて記憶してもよい。この場合、保管者画像が試料に関する情報として記憶される。また、この場合、第2の管理画像G2に試料の保管位置に対応する保管者画像を表示してもよい。
【0125】
上述した第2実施形態において、ハンドル部15が把持されたことに応じて外扉12を開ける者が撮影されている。これに代えて、超低温フリーザ1の周辺にいる者がカメラ14から出力された映像から検出された場合に、外扉12を開ける者としてカメラ14が撮影してもよい。
【0126】
上述した第3実施形態において、変位検出部217fによって第1変位および第2変位が検出されたことに応じて、制御装置17が外扉12を開閉する者をカメラ14に撮影させる。しかしながら、これに代えて、第1変位および第2変位の一方が検出された場合に、カメラ14が外扉12を開閉する者を撮影してもよい。また、第1変位と第2変位との間に、カメラ14が外扉12を開閉する者の動作を動画像にて撮影して記憶してもよい。
【0127】
上述した第2実施形態および第3実施形態においても、保管者画像を、試料に関する情報として、保管者画像から特定される者が保管する試料の保管位置と関連付けて記憶してもよい。この場合、試料を保管する者と、外扉12を開ける者または外扉12を開閉する者とが同一者であるとの判定に応じて、外扉12を開ける者の画像および外扉12を開閉する者の画像を試料の保管位置と関連付けて記憶部17bが記憶してもよい。さらに、これらの画像が撮影された日を、確認日として試料の保管位置と関連付けて記憶部17bが記憶してもよい。
【0128】
上述した第4実施形態において、第1報知部317iは、発光体313cを発光させることにより報知しているが、これに代えて、ブザー等の音や表示部13aに表示される文字によって報知してもよい。
【0129】
上述した第6実施形態において、各超低温フリーザ1a~1cは、カメラ14および第1報知部317iの両方を備えているが、これに代えて、少なくとも1つの超低温フリーザ1がカメラ14を備え、他の超低温フリーザ1がカメラ14を備えなくてもよい。さらに、カメラ14を備える超低温フリーザ1が第1報知部317iを備えないようにしてもよい。また、各超低温フリーザ1a~1cの制御装置17が、記憶部17b、第1周辺者検出部317gおよび第2判定部317hを備えずに、取得部17aおよび第1報知部317iのみを備えるようにしてもよい。この場合、システム制御装置2aから出力される報知信号のみよって第1報知部317iが動作する。また、各超低温フリーザ1a~1cのうちの1つの制御装置17が、システム制御装置2aを構成してもよい。
【0130】
上述した各実施形態では、試料の保管位置は、容器Cnの保管位置であるが、これに代えて、試料の保管位置を、容器Cnを収納した収納ボックスBxの位置としてもよい。この場合、ボックスシートSには、例えば、その収納ボックスBxに保管された試料に関する情報の一部(例えば試料の名称)の一覧が表示される。その一覧のうちの一つの試料に関する情報が選択されることにより、その選択された試料に対応する第2の管理画像G2が表示される。
【0131】
上述した各実施形態では、複数の容器Cnが収納ボックスBxに収納され、複数の収納ボックスBxが収納空間Kに収納されている。これに代えて、収納ボックスBxが複数の収納ボックスBxを収納するラック(不図示)に収納されて、複数のラックが収納空間Kに収納されるようにしてもよい。
【0132】
また、上述した各実施形態の構成は、超低温フリーザ1について適用されているが、恒温器について適用してもよい。すなわち、恒温器は、試料を保管する保管室を有する本体部と、本体部に取り付けられたカメラと、を備えている。恒温器は、保管室内の温度を一定に保つ機器である。恒温器は、例えば、薬用保冷庫、血液保冷庫や培養機器(インキュベータ)である。
【0133】
2020年3月12日出願の特願2020-043092の日本出願に含まれる明細書、特許請求の範囲、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本開示は、超低温フリーザ、超低温フリーザシステムおよび恒温器に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 超低温フリーザ
2 超低温フリーザシステム
2a システム制御装置(制御部)
10 本体部
11 保管室
12 外扉(扉)
14 カメラ
17 制御装置
17b 記憶部
115a ロック部
117e 第1判定部(判定部)
313c 発光体
317i 第1報知部
417j 設定部
417k 第2報知部