(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】プログラム及びゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20240521BHJP
A63F 13/20 20140101ALI20240521BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20240521BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240521BHJP
【FI】
A63F13/69
A63F13/20 A
A63F13/95 A
A63F13/58
(21)【出願番号】P 2023054422
(22)【出願日】2023-03-29
【審査請求日】2023-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1) 掲載日 令和4年3月29日 アドレス https://www.ganbarizing.com/gg/play/raise-boost-system.php (2)掲載日 令和4年3月29日~ アドレス https://twitter.com/DCD_GANBARIDE (3)掲載日 令和4年9月5日 アドレス https://twitter.com/DCD_GANBARIDE/status/1566622145060278273 (4)掲載日 令和4年9月22日 アドレス https://twitter.com/DCD_GANBARIDE/status/1573832153304948736 (5)公開日 令和4年3月29日 設置場所 ホームページ(https://www.ganbarizing.com/shop/)に公開された店舗
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 発売日 令和4年10月28日 テレビマガジン、第53巻、第1号、第26~27頁 株式会社講談社
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】武田 理志
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一希
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-013056(JP,A)
【文献】特開2019-000166(JP,A)
【文献】特開2012-232187(JP,A)
【文献】特開2010-125294(JP,A)
【文献】特開2018-108296(JP,A)
【文献】特開2020-110603(JP,A)
【文献】特開2021-164741(JP,A)
【文献】特開2015-009081(JP,A)
【文献】特開2007-075611(JP,A)
【文献】「VC ロックマンX2」,Nintendo [online],2012年10月27日,[2023年10月18日検索],<http://web.archive.org/web/20121027052547/http://www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_rmx2/vc_rmx2_05.html>,主にチャージショットに関する記載を参照
【文献】「PS3ゲームレビュー「ニーア レプリカント」」,GAME Watch [online],2010年04月27日,[2023年10月18日検索],<https://game.watch.impress.co.jp/docs/review/364246.html>,主にチャージ攻撃に関する記載を参照
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクターを使用したゲームを実行可能なプログラムであって、
コンピュータを、
ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段、
前記キャラクターを提示する提示手段、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段、
として機能させ、
前記ゲームは、二以上のフェイズを含み、
前記発動タイミング選択手段は、全フェイズを通じて、前記発動タイミングをプレーヤが所望のフェイズで1回のみ選択可能にし、フェイズ毎に、前記発動タイミングを現在のフェイズとする選択肢と、前記発動タイミングを次回以降のフェイズとする選択肢と、を選択可能に提示し、
前記効果発動手段は、前記発動タイミングを選択したフェイズが後のフェイズほど、前記効果の上昇する度合いが大きくなるように制御する、
プログラム。
【請求項2】
前記キャラクターに対応する効果は、ゲームの進行を有利にする効果である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記キャラクターに対応する効果は、対戦相手のキャラクターに与えるダメージを大きくするものである、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記キャラクターに対応する効果は、対戦相手のキャラクターからのダメージを小さくするものである、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム要素は、第1種別のゲーム要素と第2種別のゲーム要素とを含み、
前記効果発動手段は、前記第1種別のゲーム要素に対応するキャラクターのみが前記効果を発動可能に制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記取得手段は、前記第1種別のゲーム要素を複数取得した場合、前記効果を付与するキャラクターを選択可能に制御する、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記効果発動手段は、複数種別の効果から発動する効果を選択可能に制御する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記ゲーム要素は、実物品であり、
前記取得手段は、実物品からキャラクターを取得する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記提示手段は、前記効果の内容と、前記発動タイミングにおける効果の大きさと、を提示する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
キャラクターを使用したゲームを実行可能なゲーム装置であって、
ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段と、
前記キャラクターを提示する提示手段と、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段と、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段と、
を備え、
前記ゲームは、二以上のフェイズを含み、
前記発動タイミング選択手段は、全フェイズを通じて、前記発動タイミングをプレーヤが所望のフェイズで1回のみ選択可能にし、フェイズ毎に、前記発動タイミングを現在のフェイズとする選択肢と、前記発動タイミングを次回以降のフェイズとする選択肢と、を選択可能に提示し、
前記効果発動手段は、前記発動タイミングを選択したフェイズが後のフェイズほど、前記効果の上昇する度合いが大きくなるように制御する、
ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム及びゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実物品のカードをゲーム装置に読み込んで、ゲームを実行するゲームシステムがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなゲームシステムにおいて、ユーザにとって興趣性の高いゲームを提供することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザにとって興趣性の高いゲームを提供可能なプログラム及びゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、キャラクターを使用したゲームを実行可能なプログラムであって、コンピュータを、ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段、キャラクターを提示する提示手段、キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段、キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段、として機能させ、効果発動手段は、発動タイミングの選択の時期に応じて、異なる効果を発動するように制御する、プログラムである。
【0007】
本発明の一態様は、キャラクターを使用したゲームを実行可能なゲーム装置であって、ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段と、キャラクターを提示する提示手段と、キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段と、キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段と、を備え、効果発動手段は、発動タイミングの選択の時期に応じて、異なる効果を発動するように制御する、ゲーム装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザにとって興趣性の高いゲームを提供可能なプログラム及びゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は本発明におけるゲーム装置の外観を例示した図である。
【
図2】
図2は本実施形態に係るゲーム装置のブロック図である。
【
図6】
図6はブースト効果情報900の一例を示す図である。
【
図7】
図7はゲーム装置1の動作のフローチャートである。
【
図8】
図8はブースト効果の選択に関し、効果発動制御部113が表示部101に表示する画面の一例である。
【
図9】
図9はブースト効果発動処理(Step 109)のフローチャートである。
【
図10】
図10は発動タイミングを選択する選択ボタンに関する情報の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態を説明する。
〈ゲーム装置1の構成〉
ゲーム装置1は、代価の支払いに基づいて対戦ゲームの実行を開始する装置である。
図1は本発明におけるゲーム装置の外観を例示した図である。
【0011】
図1に示されるように、ゲーム装置1は、表示部11と、カードリーダ12と、三つの操作ボタン13,14,15と、硬貨が投入される硬貨投入口16と、カードを排出するカード排出口17と、を備えている。
【0012】
〈ゲーム装置1の機能構成〉
以下、本実施形態のゲーム装置1の機能構成を説明する。
図2は本実施形態に係るゲーム装置のブロック図である。
【0013】
表示部101は、ユーザに対して、ゲーム画像、メニュー画像等の各種情報を表示する。表示部101は、
図1の表示部11に対応し、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。
【0014】
記憶部102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、データを保持可能な記録装置である。記憶部102は、ゲーム装置1が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置1が実行するゲームに使用されるグラフィックスデータを含む各種データを記憶する。記憶部102は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用されるメモリも記憶部102に含まれるものとする。また、メモリは、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられるメモリも含むものとする。
【0015】
取得部103は、ユーザが保持する物品からの情報の取得に係るインタフェースである。具体的には取得部103は、物品に付された情報の取得が可能に構成されており、
図1のカードリーダ12を含み、物品に付された情報を取得する。本実施形態のゲーム装置1では、ゲーム装置1が提供するゲームに登場するキャラクターが対応付けられた物品から情報の取得が可能なようにカードリーダ12を備える。以下の説明では、取得部103は、ゲーム装置1に設けられたカードリーダ12を用いて物品であるカード300を読み取る例を説明するが、該物品から情報が取得可能であればプレート、駒、フィギュア等のように他の種類の物品であってもよい。
【0016】
カード300は、
図3に例示されるように、矩形状に形成された主面を含んで構成されたカードを用いて説明するが、カードの形状は問わない。
図3(a)はカード300のオモテ面を示し、
図3(b)はカード300のウラ面(オモテ面の反対面)を示している。本実施の形態で説明する「矩形状」とは、カード300の主面に直交する方向に示す外形が概して矩形を構成するものを指し、端部や縁部に対して施される面取りによって厳密には矩形とならないものを含むものとして説明する。
【0017】
カード300は、図示されるように矩形状の主面の外形を長方形とする態様(垂直方向の1辺が水平方向の1辺より長い態様)が正位置に定義されており、該正位置にある場合に正しく視認されるよう、対応付けられたキャラクターの外観を示す画像がカード300のオモテ面に形成される。
図3(a)に示されるように、カード300のオモテ面には、対応付けられたキャラクターの画像と該キャラクターの名称とが付されている。一方、カード300のウラ面には、
図3(b)に示されるように、正位置における下部にカード情報800を変換した2次元コードが付されている。
図3の例では、二次元コードとしてQRコード(Quick Responseコード:登録商標)を用いた例である。
【0018】
上記の通り、カードにはゲームに登場するキャラクターのいずれか1体が対応付けられており、カード情報800を変換した2次元コードが付されている。
【0019】
カード情報800は、カードを一意に識別するカードID801と、そのカードに対応付けられたキャラクターを一意に特定するキャラクターID802と、を含む。各カード300のカード情報800は、カード情報データベースとして記憶部102に記憶されている。カード情報データベースは、例えば
図4に示されるように、カードを識別するカードID801に関連付けて、該カードに対応付けられたキャラクターを一意に特定するキャラクターID802を1レコードとして構成される。
【0020】
1体のキャラクターについて管理されるキャラクター情報810は、
図5に例示されるように、キャラクターを一意に特定するキャラクター識別情報802に関連付けて、該キャラクターや関連アイテム等をゲームに登場させる際の画像生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画情報812、及びキャラクターの名称、属性等に加え、該キャラクターを使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報813を含む。キャラクター情報810は、記憶部102に記憶されているものとする。
【0021】
パラメータ情報813に含まれる効果の中には、特定のキャラクター(以下、特定キャラクターと記載する)のみが発動可能な効果がある。その効果は、発動されると、キャラクターの攻撃力又は防御力を上昇させたり、特定の技の発動を高めたりする効果(以下、ブースト効果と記載する)である。そして、そのブースト効果は、その効果を発動する発動タイミングの時期によって、その効果の大きさが異なるものである。
【0022】
パラメータ情報813は、サポートキャラクターを登場させるゲームにおいて参照されるサポート情報を含んでも良く、該情報を使用することで提供されるゲームの進行制御が行われる。
【0023】
カード300に付された2次元コードは、取得部103が読み取る。取得部103は、
図1のゲーム装置1に配置されているカードリーダ12を介して読み取る。取得部103は、2次元コードを読み取ることで該カード300に付されたカードID801を取得し、キャラクター取得部111に出力する。取得部103は、カード300からの情報取得可能な状態に制御されている期間において、カードリーダ12上にカード300が載置されたことの検出及び該カード300からのカード情報800の取得を、撮像により得られた画像に対して所定の画像処理を適用することで行う。また、カードリーダ12は、少なくとも2次元コードが重ならない状態でカード300が複数枚載置された場合であっても、各カード300からカード情報800の取得を順次行う。
【0024】
尚、カード300は、代価の支払いの検出を条件として、ゲーム装置100内に設けられたカードディスペンサから取出口17に放出することで、ユーザに提供される。また、カード300は、販売店での店頭販売やインターネットを介してのネット販売によってユーザに提供されるものであってもよい。
【0025】
操作入力部104は、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。本実施形態のゲーム装置1では、操作ボタン13,14,15を介して、ユーザの操作を入力する。
【0026】
音声出力部105は、例えばスピーカーであり、各種音声を出力する。
【0027】
通信部106は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部106は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部106は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部106は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、記憶部102に格納する。また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを、通信部106を介して外部装置から受信可能に構成される。
【0028】
制御部110は、例えばCPUである。制御部110は、キャラクター取得部111と、表示制御部112と、効果発動制御部113と、発動タイミング制御部114と、ゲーム制御部115と、の機能を備え、ゲーム装置100が有する各構成部の動作を制御する。例えば、制御部101は、記憶部102に記録されている各構成部の動作プログラムを読み出し、メモリに展開して実行することにより動作を制御する。
【0029】
更に、制御部110は、通信部106により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って記憶部102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記憶部102に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
【0030】
キャラクター取得部111は、取得部103から出力されたカードのカード情報800からキャラクターID802を取得し、記憶部102からキャラクターID802に対応するキャラクター情報810を読み出す。これにより、ゲームカード300に対応付けられたキャラクターを取得できる。そして、キャラクター取得部111は、取得したキャラクター情報810を、表示制御部112、効果発動制御部113、発動タイミング選択部114、及びゲーム制御部115に出力する。
【0031】
表示制御部112は、例えばGPU等の描画装置を含み、効果発動制御部113、発動タイミング選択部114、及びゲーム制御部115から出力されるゲーム結果を表示部101にゲーム画像(ゲーム動画のクリップも含む)として表示したり、各種設定画面、メニュー画面等を表示したりする。具体的には、記憶部102に記憶されているキャラクター情報810を用いて、必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して描画処理を実行し、ゲーム画像を表示部101に表示する。
【0032】
効果発動制御部113は、キャラクターのブースト効果の発動を制御する。ブースト効果は発動されると、キャラクターの能力を上昇させる効果(ゲームの進行を有利させる効果)があり、その上昇させる能力の相違によって複数のブースト効果の種別がある。本実施の形態では、敵キャラクターに対するキャラクターの攻撃能力を上昇させる第1ブースト効果と、敵キャラクターからの攻撃に対するキャラクターの防御能力を上昇させる第2ブースト効果と、キャラクターの持つ必殺技を発動する確率を上昇させる第3ブースト効果と、がある。これらのブースト効果は、ゲームの最初にユーザが一つ選択可能である。各ブースト効果は、発動する発動タイミグの時期によって、上昇する度合いが異なる。具体的には、発動タイミングの時期が遅いほど、上昇する度合いが大きくなるように制御する。具体的に説明すると、本実施の形態のゲームの対戦は複数のフェイズから構成されており、ブースト効果を発動させる発動タイミングのフェイズが後ほど上昇する度合いが大きくなるように制御する。
【0033】
効果発動制御部113は、上述したブースト効果の制御を、ブースト効果情報900を用いて実行する。
図6はブースト効果情報900の一例を示す図である。
図6のブースト効果情報900は、ある特定キャラクターのブースト効果情報900であり、第1ブースト効果から第3ブースト効果の各々について、各フェイズで効果を発動した場合の上昇度合いが記憶されている。例えば、第1ブースト効果は、第1フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+5上昇させ、第2フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+10上昇させ、第3フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+20上昇させ、第4フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+30上昇させる。効果発動制御部113は、ブースト効果情報900を参照し、ユーザがブースト効果の発動タイミングを選択したフェイズの上昇度合いにより、攻撃能力、防御能力、又は発動確率を上昇させる。尚、ブースト効果情報900は、特定キャラクター毎に異なっていても良い。その場合、キャラクター毎に、ブースト効果情報900を持つようにする。また、上述したブースト効果の内容は一例であって、その内容はユーザのゲームの進行を有利にする効果であれば良い。また、ゲームの結果によって取得する経験値をより多く取得する効果なども、ユーザの次回以降のゲームの進行を有利にする効果であり、そのゲーム内に限られない。
【0034】
また、ブースト効果は強力な効果なため、効果発動制御部113は、ブースト効果を持つ特定キャラクターが複数登録された場合、一体のキャラクターのみ使用可能に制御する。具体的には、効果発動制御部113は、キャラクター取得部111が取得したキャラクター情報810の中にブースト効果を持つ特定キャラクターが複数ある場合、それらの特定キャラクターの中から一体のキャラクターを、ユーザに選択させるようにする。
【0035】
発動タイミング選択部114は、ブースト効果の発動の発動タイミングを、ユーザに選択させる情報を提示するものである。具体的には、対戦のフェイズ毎に、ユーザに発動タイミングの選択を促す情報を表示部101に表示するとともに、操作ボタン13,14を介してユーザの発動タイミングの選択を入力する。
【0036】
また、上述したようにブースト効果は強力な効果なため、発動タイミング選択部114は、ブースト効果の発動を、複数のフェイズから成る対戦を通して1回に制限する。発動タイミング選択部114は、いずれかのフェイズで、ユーザがブースト効果の発動を選択した場合、それ以降のフェイズについては、発動タイミングの選択を促す情報の提示は行わない。
【0037】
ゲーム制御部115は、代価の支払いが検出されると、キャラクター取得部111から出力されたキャラクター情報810を用いてゲームを実行し、ゲーム結果を出力する。
〈ゲーム装置1の動作〉
ゲーム装置1の動作について
図7を用いて説明する。
図7はゲーム装置1の動作のフローチャートである。
【0038】
取得部103は、カードのウラ面の2次元コードからカード情報800(カードID801及びキャラクター識別情報802)を取得する(Step 100)。
【0039】
キャラクター取得部111は、取得部103から出力されたカードのカード情報800からキャラクターID802(キャラクター)を取得し、キャラクター情報810を読み出す。そして、キャラクター取得部111は、取得したキャラクター情報810を、表示制御部112、効果発動制御部113、発動タイミング選択部114、及びゲーム制御部115に出力する(Step 101)。
【0040】
効果発動制御部113は、取得したキャラクター情報810のキャラクターのうち、ブースト効果を持つ特定キャラクターの判定を行う(Step 102)。取得したキャラクター情報810のキャラクターのうち、ブースト効果を持つ特定キャラクターが存在しない場合は(Step 103)、Step 108に進む。
【0041】
一方、取得したキャラクター情報810のキャラクターのうち、ブースト効果を持つ特定キャラクターが存在する場合は(Step 103)、効果発動制御部113は、その特定キャラクターの数を判定する(Step 104)。特定キャラクターが複数存在しない場合(Step 105)、Step 107に進む。
【0042】
一方、効果発動制御部113は、特定キャラクターが複数存在する場合(Step 105)、ユーザにその中から一体のキャラクターを選択するように、表示部101にキャラクター選択画面を表示する。そして、ユーザに、ブースト効果を発動させる特定キャラクターを1体選択させる(Step 106)。
【0043】
効果発動制御部113は、特定キャラクターの選択が完了すると、そのキャラクターに対応するブースト効果の種別を選択させる(Step 107)。
図8はブースト効果の選択に関し、効果発動制御部113が表示部101に表示する画面の一例である。
図8に示す例では、選択した特定キャラクターのブースト効果は、敵キャラクターに対するキャラクターの攻撃能力を上昇させる第1ブースト効果と、敵キャラクターからの攻撃に対するキャラクターの防御能力を上昇させる第2ブースト効果と、キャラクターの持つ必殺技を発動する確率を上昇させる第3ブースト効果と、がある。そして、第1ブースト効果は操作ボタン13(第1ボタン)を押下することにより選択可能であり、第2ブースト効果は操作ボタン14(第2ボタン)を押下することにより選択可能であり、第3ブースト効果は操作ボタン15(第3ボタン)を押下することにより選択可能であることが提示されている。ユーザは、操作ボタン13,14,15のいずれかを押下することにより、所望するブースト効果の種別を選択することができる。
【0044】
更に、効果発動制御部113は、ユーザが所望のブースト効果を選択すると、そのブースト効果の内容を表示部101に表示する。
図8の例では、ユーザが第1ブースト効果を選択した場合の例であり、第1ブースト効果は、第1フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+5上昇させ、第2フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+10上昇させ、第3フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+20上昇させ、第4フェイズで効果を発動した場合には攻撃能力を+30上昇させることが告知されている。また、そのブースト効果の発動は、全フェイズを通して1回だけに限られる旨の告知もされている。
【0045】
ブースト効果の選択が完了すると、ゲーム制御部115は、ゲームを開始する(Step 108)。ゲームの対戦中にブースト効果発動処理が行われる(Step 109)。ブースト効果発動処理(Step 109)については後述する。そして、対戦の全てのフェイズが終了すると(Step 110)、ゲーム制御部115はゲームを終了する(Step 111)。
【0046】
次に、ブースト効果発動処理(Step 109)について説明する。
図9はブースト効果発動処理(Step 109)のフローチャートである。
【0047】
効果発動制御部113は、ブースト効果の種別を取得する(Step 200)。
【0048】
発動タイミング選択部114は、現在のフェイズの判定を行う(Step 201)。全フェイズが終了した場合(Step 202)はブースト効果発動処理を終了する。
【0049】
一方、全フェイズが終了していない場合(Step 202)、発動タイミング選択部114は、現在のフェイズが最終フェイズであるかを判定する(Step 203)。発動タイミング選択部114は、現在のフェイズが最終フェイズである場合、現在のフェイズにおいて、ブースト効果を発動させる発動タイミングの選択ボタンに関する情報を表示部101に表示する(Step 204)。一方、発動タイミング選択部114は、現在のフェイズが最終フェイズでない場合、現在のフェイズにおいて、ブースト効果を発動させる発動タイミングの選択ボタンに関する情報と、発動タイミングを次回以降のフェイズとする選択ボタンに関する情報と、を表示部101に表示する(Step 209)。
【0050】
図10は発動タイミングを選択する選択ボタンに関する情報の表示例である。
図10は現在のフェイズが最終フェイズではない場合の発動タイミングの選択ボタンに関する情報の表示例であり、現在のフェイズでブースト効果を発動する場合は第1ボタン(操作ボタン13)を選択する旨と、次フェイズ以降にブースト効果の発動タイミングをずらす場合は第2ボタン(操作ボタン14)を選択する旨と、が表示されており、加えて、次フェイズ以降にブースト効果の発動タイミングをずらす場合は攻撃値が更に上昇する旨の情報が表示されている。
【0051】
発動タイミング選択部114は、発動タイミングの判定を行う(Step 205)。ブースト効果の発動が選択された場合(Step 206)、例えば、第1ボタン(操作ボタン13)が選択された場合、発動タイミング選択部114は、ブースト効果の発動が選択された発動タイミングのフェイズを効果発動制御部113に通知する。
【0052】
発動タイミングのフェイズを通知された効果発動制御部113は、ブースト効果情報900を参照し、発動タイミングのフェイズに対応した能力値又は発動確率の上昇度合を取得する(Step 207)。効果発動制御部113は、取得した上昇度合により、キャラクターの能力値又は発動確率を上昇させ、その結果を表示する(Step 208)。
図10の例は、ユーザが発動タイミングを第3フェイズにおいて選択した場合のキャラクターの能力値の上昇結果を表示した例である。
【0053】
以上により、ブースト効果発動処理(Step 109)の説明を終わる。
【0054】
本実施の形態は、ゲームの進行を有利にする効果を発動させる発動タイミングの時期を選択できるだけではなく、その発動タイミングの時期に応じて効果の大きさを変化させている。ユーザは、発動タイミングの時期とその発動タイミングの効果の大きさとの二つの要素を考慮して、発動タイミングを決定する必要があるので、従来とは異なり、戦略性の高いゲームを提供することができる。結果として、ユーザにとって興趣性の高いゲームを提供することができる。
【0055】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されるが、以下には限られない。
【0056】
[付記1]
キャラクターを使用したゲームを実行可能なプログラムであって、
コンピュータを、
ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段、
前記キャラクターを提示する提示手段、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段、
として機能させ、
前記効果発動手段は、前記発動タイミングの選択の時期に応じて、異なる効果を発動するように制御する、
プログラム。
【0057】
[付記2]
前記効果発動手段は、前記発動タイミングの選択の時期が遅いほど、発動する効果が大きくなるように制御する、
付記1に記載のプログラム。
【0058】
[付記3]
前記発動タイミング選択手段は、ゲームの実行期間を通して、前記発動タイミングを1回のみ選択可能に制御する、
付記1又は付記2に記載のプログラム。
【0059】
[付記4]
前記ゲームは、二以上のフェイズを含み、
前記発動タイミング選択手段は、フェイズ毎に発動タイミングを選択可能に制御する、
付記1から付記3のいずれかに記載のプログラム。
【0060】
[付記5]
前記発動タイミング選択手段は、フェイズ毎に、前記発動タイミングを現在のフェイズとするか、前記発動タイミングを次回以降のフェイズとするかを選択可能に制御する、
付記1から付記4のいずれかに記載のプログラム。
【0061】
[付記6]
前記キャラクターに対応する効果は、ゲームの進行を有利にする効果である、
付記1から付記5のいずれかに記載のプログラム。
【0062】
[付記7]
前記キャラクターに対応する効果は、対戦相手のキャラクターに与えるダメージを大きくするものである、
付記1から付記6のいずれかに記載のプログラム。
【0063】
[付記8]
前記キャラクターに対応する効果は、対戦相手のキャラクターからのダメージを小さくするものである、
付記1から付記7のいずれかに記載のプログラム。
【0064】
[付記9]
前記ゲーム要素は、第1種別のゲーム要素と第2種別のゲーム要素とを含み、
前記効果発動手段は、前記第1種別のゲーム要素に対応するキャラクターのみが前記効果を発動可能に制御する、
付記1から付記8のいずれかに記載のプログラム。
【0065】
[付記10]
前記取得手段は、前記第1種別のゲーム要素を複数取得した場合、前記効果を付与するキャラクターを選択可能に制御する、
付記1から付記9のいずれかに記載のプログラム。
【0066】
[付記11]
前記効果発動手段は、複数種別の効果から発動する効果を選択可能に制御する、
付記1から付記10のいずれかに記載のプログラム。
【0067】
[付記12]
前記ゲーム要素は、実物品であり、
前記取得手段は、実物品からキャラクターを取得する、
付記1から付記11のいずれかに記載のプログラム。
【0068】
[付記13]
前記提示手段は、前記効果の内容と、前記発動タイミングにおける効果の大きさと、を提示する、
付記1から付記12のいずれかに記載のプログラム。
【0069】
[付記14]
キャラクターを使用したゲームを実行可能なゲーム装置であって、
ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段と、
前記キャラクターを提示する提示手段と、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段と、
前記キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段と、
を備え、
前記効果発動手段は、前記発動タイミングの選択の時期に応じて、異なる効果を発動するように制御する、
ゲーム装置。
【0070】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。
【符号の説明】
【0071】
1 ゲーム装置
11 表示部
12 カードリーダ
13,14,15 操作ボタン
16 硬貨投入口
17 カード排出口
101 表示部
102 記憶部
103 取得部
104 操作入力部
105 音声出力部
106 通信部
110 制御部
111 キャラクター取得部
112 表示制御部
113 効果発動制御部
114 発動タイミング制御部
115 ゲーム制御部115
【要約】
【課題】ユーザにとって興趣性の高いゲームを提供する。
【解決手段】キャラクターを使用したゲームを実行可能なプログラムでる。プログラムは、コンピュータを、ゲーム要素からキャラクターを取得する取得手段、キャラクターを提示する提示手段、キャラクターに対応する効果を発動させる効果発動手段、キャラクターに対応する効果を発動させる発動タイミングを選択する発動タイミング選択手段、として機能させる。効果発動手段は、発動タイミングの選択の時期に応じて、異なる効果を発動するように制御する。
【選択図】
図2