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  • 特許-球状藻体の製造方法 図1A
  • 特許-球状藻体の製造方法 図1B
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  • 特許-球状藻体の製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】球状藻体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/00 20060101AFI20240521BHJP
【FI】
C12N1/00 C
C12N1/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023207005
(22)【出願日】2023-12-07
(62)【分割の表示】P 2023539132の分割
【原出願日】2023-02-06
【審査請求日】2023-12-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【弁理士】
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】リン ブーン ケン
(72)【発明者】
【氏名】中村 華子
(72)【発明者】
【氏名】柴田 晴佳
【審査官】磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-072140(JP,A)
【文献】特開2010-220537(JP,A)
【文献】特開2006-272327(JP,A)
【文献】特開2013-099363(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0155890(US,A1)
【文献】特表2022-520058(JP,A)
【文献】特開2016-202054(JP,A)
【文献】特開2020-184884(JP,A)
【文献】特開2018-029492(JP,A)
【文献】特開昭63-178890(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0034817(US,A1)
【文献】村岡大祐,紅藻ツルシラモ(Gracilaria chorda)の再生および傷害組織形成過程,東北水研ニュース56,1998年,http://tnfri.fra.affrc.go.jp/tnf/news56/mura.htm参照
【文献】「大量打ち上げ」から考えるマリモの秘密,文化庁広報誌ぶんかる,001,日本,文化庁,2021年06月23日,https://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/news/news_001.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 33/00
C12N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紅藻類から切片藻体を得る、藻体準備工程と、
前記切片藻体を培養する、培養工程と、を含み、
前記培養工程が、前記切片藻体が回転するように曝気しながら行われる、
球状藻体の製造方法。
【請求項2】
前記紅藻類が、カギケノリである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記切片藻体が、紅藻類の側枝の先端部である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記培養工程において、前記曝気が、240時間以上行われる、請求項1に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球状藻体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化による気候変動が大きな、環境に大きな悪影響を及ぼしている。
地球温暖化の原因としては、温室効果ガスが知られる。
【0003】
メタン(CH)は、ウシのげっぷ等によって排出される気体であり、温室効果ガスのなかでも、顕著に高い温室効果を有することが知られる。
【0004】
他方で、ウシの飼料へ、紅藻類であるカギケノリ(学名:Asparagopsis taxiformis)を配合すると、ウシからのメタン排出を抑制できることが見出された(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】PLoS One. 2014 Jan 22;9(1):e85289. doi: 10.1371/journal.pone.0085289. eCollection 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のようなメタン排出抑制効果が期待できることから、効率的な紅藻類の培養技術に対するニーズが高まっている。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、紅藻類の新規な培養技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、紅藻類の培養において、その藻体を回転するように培養することで、球状藻体が得られるという新規な知見を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0009】
(1) 紅藻類から切片藻体を得る、藻体準備工程と、
前記切片藻体を培養する、培養工程と、を含み、
前記培養工程が、前記切片藻体が回転するように曝気しながら行われる、
球状藻体の製造方法。
【0010】
(2) 前記紅藻類が、カギケノリである、(1)に記載の製造方法。
【0011】
(3) 前記切片藻体が、紅藻類の側枝の先端部である、(1)に記載の製造方法。
【0012】
(4) 前記培養工程において、前記切片藻体が、水平方向に1~50rpm、及び/又は、鉛直方向に6~20rpmの回転速度で回転する、(1)に記載の製造方法。
【0013】
(5) 前記培養工程において、前記曝気が、240時間以上行われる、(1)に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、紅藻類の新規な培養技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】実施例で使用したカギケノリの直立藻体を示す図である。
図1B】実施例で使用したカギケノリの直立藻体の先端部のうち、切片藻体として切り取った箇所(破線枠内)を示す図である。
図2】実施例で得られた球状藻類を示す図である。
図3】実施例で得られた球状藻類について、さらなる培養にともなう経時的な大きさの変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0017】
<球状藻体の製造方法>
本発明の球状藻体の製造方法(単に、「本発明の製造方法」ともいう。)は、紅藻類から切片藻体を得る、藻体準備工程と、切片藻体を培養する、培養工程と、を含み、培養工程が、前記切片藻体が回転するように曝気しながら行われる、球状藻体の製造方法である。
【0018】
紅藻類の配偶体(雌性配偶体、又は雄性配偶体)は、通常、直立藻体である(図1A)。
直立藻体の培養としては、藻体の先端部を切り取り、得られた切片藻体を培地中で培養する方法等が知られる。
しかし、従来の方法では、必ずしも培養効率等が良好ではなかった。
【0019】
本発明者らが検討した結果、切片藻体の培養を、切片藻体が回転するように曝気しながら行うと、球状藻類(図2)が得られるという極めて意外な知見が得られた。
【0020】
また、本発明者らは、量産技術に用いられる水槽内で、大量の切片藻体の培養を行っても、各切片藻体から球状藻類が良好に形成されることも分かった。
このことから、本発明の製造方法は、大量培養システムにおいて好適であることも見出した。
【0021】
以下、本発明の製造方法について詳述する。
【0022】
(1)藻体準備工程
藻体準備工程は、紅藻類から切片藻体を得る工程である。
【0023】
本発明において、「紅藻類」(red algae)は、「紅藻植物門」(Rhodophyta)に属する任意の藻類を包含する。
【0024】
紅藻類としては、特に限定されないが、カギケノリ(学名:Asparagopsis taxiformis)、カギケノリ属の藻類(学名:Asparagopsis svedelli、学名:Asparagopsis armata等)等が挙げられる。
【0025】
球状藻類が得られやすく、さらには、メタンガスの排出抑制効果が高いという観点から、紅藻類は、カギケノリ(学名:Asparagopsis taxiformis)が好ましい。
【0026】
本発明の製造方法において用いられる紅藻類は、任意の形態であり得るが、効率的な培養を実現しやすいという観点から、好ましくは、直立藻体である。
【0027】
本発明において、「直立藻体」は、雌性配偶体、及び雄性配偶体のいずれも包含する。紅藻類が直立藻体であるかどうかは、形態を目視観察することによって特定できる。
本発明の製造方法において、雌性配偶体、及び雄性配偶体は、両方又は片方を使用できる。
【0028】
本発明において、「切片藻体」とは、紅藻類の任意の一部分を包含する。
【0029】
切片藻体は、球状藻類が得られやすいという観点から、紅藻類の直立藻体の側枝(主枝からの分岐部)の先端部が好ましい。
本発明において、「紅藻類の側枝の先端部」とは、側枝の先端から2~200mm以内の部分であり得る。
紅藻類の側枝の先端部は、例えば、図1Bの破線枠内に示す部位である。
【0030】
切片藻体は、得られた球状藻類から脱離等した一部分を用いてもよい。本発明者らは、球状藻体から脱離した小球体藻類も、独立して生長し、球状藻体を形成することを確認した。
かかる態様において、例えば、球状藻類から脱離した、長さ2~20mm程度の部分を切片藻体として用いることができる。
【0031】
切片藻体を得る手段は特に限定されないが、例えば、カッター等で、紅藻類の直立藻体や、球状藻類から切り出す方法が挙げられる。
【0032】
準備する切片藻体の量は特に限定されず、培養容器の大きさや、得ようとする球状藻類の量等に応じて調整できる。
【0033】
得られた切片藻体は、そのまま培養工程に供してもよく、藻体の生育を阻害しない条件で保存等をしてから培養工程に供してもよい。
【0034】
(2)培養工程
培養工程は、藻体準備工程で得られた切片藻体を培養し、球状藻体を得る工程である。
培養工程は、培養容器内に、切片藻体及び培地を入れ、曝気しながら行われる。
【0035】
本発明における培養工程は、切片藻体が回転するように曝気しながら行われる点に主要な技術的特徴がある。
本発明者らは、このような回転を行うことで、意外なことに、切片藻体の形状が大きく変化し、球状藻体となることを見出した。
【0036】
本発明において、「球状藻体」とは、切片藻体の主軸から、分岐部が放射状に著しく増加し、全体として略球状である藻体を包含する。球状藻体は、例えば、図2に示す形状を有する。
【0037】
球状藻体の大きさは、用いた切片藻体の大きさや、曝気時間の長さ等に応じて異なり得るが、例えば、最大直径が2~20mmであり得る。
【0038】
(2-1)培養容器
培養容器は、培地内の切片藻体が、曝気によって回転できるほどに充分な大きさや形状であれば、特に限定されない。
【0039】
培養容器の材料は、ガラス、樹脂等であり得る。
【0040】
培養容器内には、切片藻体とともに、切片藻体の全体が浸かる量の培地が入れられる。
【0041】
小規模の培養であれば、培養容器は、フラスコ(丸底フラスコ、三角フラスコ等)、ビーカー、ボトル、ポリチューブ、ポリ袋等であり得る。
小規模の培養としては、水槽の容量が0.001~0.01mである培養を包含する。
【0042】
大規模の培養であれば、培養容器は、繊維強化プラスチック(FRP)製水槽、樹脂(例えばポリエチレン)製タンク、ステンレス製タンク、ターポリン製水槽(組み立て式のものを含む)、コンクリート製水槽等であり得る。
大規模の培養としては、水槽の容量が0.1~200mである培養を包含する。
【0043】
(2-2)曝気条件
培養容器内の切片藻体は、曝気によって回転しながら培養される。
【0044】
本発明において、「切片藻体の回転」とは、培地の流れにあわせた回転、及び、切片藻体自身の自転による回転のいずれも包含する。
本発明の好ましい態様において、培養時の切片藻体においては、培地の流れにあわせた回転、及び、切片藻体自身の自転による回転の両方が同時に生じている。
【0045】
切片藻体の回転速度は、球状藻体が効率的に得られやすいという観点から、水平方向、及び/又は鉛直方向の回転方向を調整することが好ましい。
【0046】
本発明において、「水平方向」とは、地球の重力と直交する方向を意味する。
本発明において、「鉛直方向」とは、地球の重力の方向を意味する。
【0047】
切片藻体の水平方向の回転速度の下限は、好ましくは1rpm以上、より好ましくは2rpm以上、さらに好ましくは5rpm以上である。
切片藻体の水平方向の回転速度の上限は、好ましくは50rpm以下、より好ましくは25rpm以下、さらに好ましくは10rpm以下である。
切片藻体の水平方向の回転速度は、好ましくは1~50rpm、より好ましくは5~10rpmである。
【0048】
切片藻体の鉛直方向の回転速度の下限は、好ましくは6rpm以上、より好ましくは8rpm以上、さらに好ましくは10rpm以上である。
切片藻体の鉛直方向の回転速度の上限は、好ましくは20rpm以下、より好ましくは15rpm以下、さらに好ましくは12rpm以下である。
切片藻体の鉛直方向の回転速度は、好ましくは6~20rpm、より好ましくは10~12rpmである。
【0049】
切片藻体の回転速度は、ビデオカメラ等による撮影画像に基づき特定できる。
【0050】
曝気時間は、得ようとする球状藻体の大きさ等によって適宜調整できる。曝気時間が長いほど、球状藻体が大きくなり得る。
【0051】
曝気時間は、好ましくは240時間以上、より好ましくは100時間以上である。
曝気時間の上限は特に限定されないが、エネルギー効率等の観点から360時間以下が好ましい。
曝気は、連続して行ってもよく、断続して行ってもよい。ただし、曝気時間の合計が上記範囲内にあることが好ましい。
【0052】
曝気手段は、切片藻体が回転できるほどの曝気が実現できる手段であれば特に限定されないが、エアーポンプ、撹拌機等が挙げられる。
【0053】
曝気によって実現される、培養容器内の培地の流速は特に限定されないが、球状藻体が効率的に得られやすいという観点から、水平方向及び垂直方向のそれぞれで、好ましくは1~3cm/sec、より好ましくは1.5~2.0cm/secとなるように行うことが好ましい。
【0054】
培養容器内の培地の流速は、任意の流速計(例えば、2次元電磁流速計(「ACM-200A」、JFEアドバンテック株式会社製))を用いて計測できる。
【0055】
曝気によって切片藻体に供給される気体は、切片藻体の生育や、培養プロセスを阻害しなければ特に限定されないが、例えば、空気、低濃度の炭酸ガス(例えば、800~1600ppm)等である。
【0056】
曝気によって切片藻体に供給される気体の量は、曝気時間等に応じて異なるが、例えば30~60L/分/mであり得る。
【0057】
(2-3)その他の条件
培養工程におけるその他の条件は特に限定されず、紅藻類に関する通常の培養条件を採用できる。
【0058】
切片藻体の使用量は特に限定されないが、培地あたり、好ましくは500~3000mg/L、より好ましくは1000~2000mg/Lである。
【0059】
培養温度は、例えば、10~30℃であり得る。
【0060】
光量は、例えば、5~100μmol/m/s(明期6~18時間、暗期18~6時間の明暗周期)であり得る。
【0061】
培地は、紅藻類の生育を阻害しない任意のものを採用でき、例えば、海水、窒素源、ミネラル等を含むものが挙げられる。
【0062】
(3)球状藻体の用途
球状藻体の用途は、特に限定されず、従来の紅藻類と同様に利用できる。
例えば、本発明における球状藻体は、効率的に大量生産できるため、ウシの飼料に配合することで、ウシからのメタン排出抑制に対して継続的に寄与することが期待できる。
【実施例
【0063】
以下に、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0064】
以下の方法に基づき、紅藻類の培養を行い、球状藻類を得た。
【0065】
(1)切片藻体の準備
培養用紅藻類として、カギケノリ(学名:Asparagopsis taxiformis)の直立藻体(雌性配偶体、又は雄性配偶体)を準備した(図1A参照)。
該直立藻体の側枝(主枝からの分岐部)の先端部を、先端から2~200mm切り取り(図1Bの破線枠内参照)、これを培養用の切片藻体として以下の培養工程に供した。
【0066】
(2)切片藻体の培養工程
切片藻体(約1g)を、培地(50mL)が予め入った一ツ口の丸底フラスコ(容量100mL)に、切片藻体の全体が培地に浸かるように収容した。
次いで、丸底フラスコ内の切片藻体の全体が回転するように、エアーポンプを用いてフラスコ内を曝気し、培養を開始した。培養工程における各条件は以下のとおりである。
【0067】
(2-1)曝気条件
直立させて固定した丸底フラスコの口から底に向けて曝気した。曝気は、培養期間中、途切れることなく連続して行った。したがって、本試験において、曝気時間は培養時間と同一である。
曝気は、培地の流速が、水平方向、及び垂直方向のそれぞれで、1~3cm/secとなるように調整した。流速は、2次元電磁流速計(「ACM-200A」、JFEアドバンテック株式会社製)を用いて随時確認した。
曝気により水流が生じ、切片藻体が、丸底フラスコ内で上下左右にくるくると回転した。
切片藻体の回転速度は、水平方向では1~50rpm、鉛直方向では6~20rpmだった。回転速度は、ビデオカメラ撮影画像に基づき随時確認した。
また、切片藻体の回転は、培地の流れにあわせた回転、及び、切片藻体自身の自転による回転がそれぞれ同時に認められた。
【0068】
(2-2)その他の培養条件
培養工程における、曝気条件以外の条件は以下のとおりである。
培養温度:10~30℃
光量:5~100μmol/m/s(明期6~18時間、暗期18~6時間の明暗周期)
培地:海水(1L)に対し、窒素源(10~50mg/L)、燐源(1~5mg/L)、及びミネラル源(2~0.2mg/L)を添加したものを用いた。
培養時間:2週間(336時間)
【0069】
(3)結果
培養完了後、切片藻体の主軸から、分岐部が放射状に著しく増加し、全体として略球状である球状藻類が得られた(図2)。
なお、切片藻体の形状変化は、培養開始から240時間後の時点頃から明確に認められた。
【0070】
培養完了後、さらに2~4週間にわたって、上記同様の条件で培養を継続したところ、図3に示されるとおり、球状藻体は、略球状の形状を保ったまま、全体が大きくなるように変化した。その際に、球状藻体を構成する糸状体(主軸からの分岐部)の密度も明確に増加していた。
また、ある程度大きくなった球状藻体から脱離した小球体藻類も、独立して生長し、大きな球状藻体が形成された。
したがって、本発明の製造方法によれば、培養時間の調整や、離脱した小球体藻類の培養等によって、図3の矢印の向きのように、様々な大きさの球状藻体を得ることができる。
【0071】
データは示していないが、より大きな培養規模(水槽の容量:1~100m)であっても、同様に球状藻類が得られた。
また、球状藻類は、電気照明による室内での大規模培養だけではなく、自然光による屋外での大規模培養によっても得られた。その際に、水槽の形状は任意のもの(球形、角形等)であっても、良好に培養が可能だった。
【0072】
データは示していないが、培養工程において、切片藻体が回転しないように曝気を行った点以外は上記同様に培養を行った場合、切片藻体は略球状とならず、培養前と比較して、形態がほとんど変化しなかった。
【要約】
【課題】本発明の課題は、紅藻類の新規な培養技術を提供することである。
【解決手段】
本発明は、紅藻類から切片藻体を得る、藻体準備工程と、前記切片藻体を培養する、培養工程と、を含み、前記培養工程が、前記切片藻体が回転するように曝気しながら行われる、球状藻体の製造方法を提供する。
【選択図】図2
図1A
図1B
図2
図3