(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-20
(45)【発行日】2024-05-28
(54)【発明の名称】クラウドプラットフォームを更新するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 8/60 20180101AFI20240521BHJP
【FI】
G06F8/60
(21)【出願番号】P 2023509474
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2021092932
(87)【国際公開番号】W WO2022048179
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202010903191.8
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519274389
【氏名又は名称】北京京▲東▼尚科信息技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG SHANGKE INFORMATION TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】8TH FLOOR OF BUILDING, NO. 76, ZHICHUN ROAD, HAIDIAN DISTRICT, BEIJING 100086, PEOPLE’S REPUBLIC OF CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】517241916
【氏名又は名称】北京京東世紀貿易有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING JINGDONG CENTURY TRADING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 201, 2/F, Block C, No.18, Kechuang 11th Street, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【氏名又は名称】鈴木 学
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】バイ シ
【審査官】久々宇 篤志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0249928(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02801935(EP,A1)
【文献】国際公開第2020/083891(WO,A1)
【文献】特開2020-010311(JP,A)
【文献】阿佐 志保 ほか,しくみがわかるKubernetes ,第1版,株式会社翔泳社,2019年,頁2、48~49、250
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実行されるクラウドプラットフォームを更新するための方法であって、
更新リクエストを受信することに応じて、前記更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得することであって、前記クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であることと、
前記クラスタ遺伝子情報に基づいて、前記クラスタ遺伝子情報に対応する前記更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定することと、
各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新することと、
更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと前記更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することと、
決定された前記ハードウエアリソースと前記ソフトウェアリソースに基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ライン情報を決定することと、
前記ラインオフ対象の製品ライン情報に基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームにおける前記ラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報に対してラベリングを行うことであって、前記ラベリングは、クラスタ遺伝子情報における遺伝子データの間の依存関係に基づいて付されることと、
前記ラベリングの情報に基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームにおける前記ラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報を削除することとを含む、方法。
【請求項2】
上述した、前記更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得することは、
標準クラウドプラットフォームのリソースプールから前記更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出することであって、前記標準クラウドプラットフォームは、専有クラウドプラットフォームを配置する統括クラウドプラットフォームであることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記目標コンポーネントが属する階層は、前記更新対象クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに基づいて決定され、
上述した、目標コンポーネントが属する階層と該目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新することは、
目標コンポーネントが属する階層に基づいて、属する階層及び属する階層以上の該目標コンポーネントに対応する全てのサービスプログラムを停止することと、
前記停止が完了したことに応じて、前記目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、前記目標コンポーネントを更新することと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
上述した、前記更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得した後に、
前記クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプ及び/又は前記クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、前記クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得ること、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ハードウエアリソースと前記ソフトウェアリソースに基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームをチェックし、チェック後の前記更新対象クラウドプラットフォームのリソース情報を得ることであって、前記チェックは、更新対象クラウドプラットフォームクラスタ遺伝子情報における遺伝子データの完全性、一致性及び依存関係の正確性に基づいて検証すること、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記更新対象クラウドプラットフォームと前記標準クラウドプラットフォームは、kubernetesに基づくコンテナクラスタプラットフォームである、請求項
2に記載の方法。
【請求項7】
クラウドプラットフォームを更新するための装置であって、前記装置は、
更新リクエストを受信することに応じて、前記更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得するように構成される取得ユニットであって、前記クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報である取得ユニットと、
前記クラスタ遺伝子情報に基づいて、前記クラスタ遺伝子情報に対応する前記更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定するように構成される第1の決定ユニットと、
各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新するように構成される更新ユニットと、
更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと前記更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定するように構成される第2の決定ユニットと、
決定された前記ハードウエアリソースと前記ソフトウェアリソースに基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ライン情報を決定するように構成される第3の決定ユニットと、
前記ラインオフ対象の製品ライン情報に基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームにおける前記ラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報に対してラベリングを行うように構成されるラベリングユニットであって、ここで、前記ラベリングは、クラスタ遺伝子情報における遺伝子データの間の依存関係に基づいて付されるラベリングユニットと、
前記ラベリングの情報に基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームにおける前記ラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報を削除するように構成される削除ユニットとを備える、装置。
【請求項8】
前記取得ユニットは、さらに、標準クラウドプラットフォームのリソースプールから前記更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出するように構成され、ここで、前記標準クラウドプラットフォームは、専有クラウドプラットフォームを配置する統括クラウドプラットフォームである、
請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記更新ユニットにおける前記目標コンポーネントが属する階層は、前記更新対象クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに基づいて決定され、
前記更新ユニットは、
目標コンポーネントが属する階層に基づいて、属する階層及び属する階層以上の該目標コンポーネントに対応する全てのサービスプログラムを停止するように構成される停止モジュールと、
前記停止が完了したことに応じて、前記目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、前記目標コンポーネントを更新するように構成される更新モジュールとを備える、
請求項
7に記載の装置。
【請求項10】
前記装置は、分類ユニットをさらに備え、
前記分類ユニットは、前記クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプ及び/又は前記クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、前記クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得るように構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記装置は、チェックユニットをさらに備え、
前記チェックユニットは、前記ハードウエアリソースと前記ソフトウェアリソースに基づいて、前記更新対象クラウドプラットフォームをチェックし、チェック後の前記更新対象クラウドプラットフォームのリソース情報を得るように構成され、ここで、前記チェックは、更新対象クラウドプラットフォームクラスタ遺伝子情報における遺伝子データの完全性、一致性及び依存関係の正確性に基づいて検証することである、請求項
7に記載の装置。
【請求項12】
前記更新対象クラウドプラットフォームと前記標準クラウドプラットフォームは、kubernetes基づくコンテナクラスタプラットフォームである、請求項
8に記載の装置。
【請求項13】
電子機器であって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリとを備え、
前記メモリには前記少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶され、前記指令は、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~6のいずれか1項に記載の方法を実行させることができるように、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されることを特徴とする、電子機器。
【請求項14】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させるために用いられるコンピュータ指令が記憶されることを特徴とする、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本特許出願は、2020年9月1日に提出された、出願番号が202010903191.8、出願人が北京京東尚科情報技術有限公司及び北京京東世紀貿易有限公司、発明名称が「クラウドプラットフォームを更新するための方法及び装置」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、該出願の全文は、参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、コンピュータ技術分野に関し、具体的には、クラウドコンピューティング技術分野に関し、特にクラウドプラットフォームを更新するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
専有クラウドと共有クラウドは近いアーキテクチャを有し、大型で、複雑で、動的に変化する顧客業務システムをサポートするために用いられる。専有クラウドは階層管理アーキテクチャを採用し、下層が物理サーバクラスタをサポートし、インフラ即ちサービスIaaS、プラットフォーム即ちサービスPaaS、ソフトウェア即ちサービスSaaSなどの様々な製品、リソース及びサービスを提供することにより、ユーザの様々な業務システムをサポートする。専有クラウドは、コンテナクラスタ技術を採用して、各製品ラインによって提供されるアプリケーションサービスプログラムの組織化と管理を行う。
【0004】
従来のコンテナ技術は、コンテナ自体の柔軟な移動能力によって、1つの業務システムに対する段階的な移動を実現することができるが、超大規模の専有クラウドプラットフォームの複雑且つ巨大なコンテナクラスタ環境に対して、システム的な自動アップグレード技術が乏しい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、クラウドプラットフォームを更新するための方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。
【0006】
本願の第1の態様によれば、クラウドプラットフォームを更新するための方法を提供する。該方法は、更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得することであって、クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であることと、クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定することと、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新することと、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することとを含む。
【0007】
幾つかの実施例では、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得することは、標準クラウドプラットフォームのリソースプールから更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出することであって、標準クラウドプラットフォームは、専有クラウドプラットフォームを配置する統括クラウドプラットフォームであることを含む。
【0008】
幾つかの実施例では、目標コンポーネントが属する階層は、更新対象クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに基づいて決定され、目標コンポーネントが属する階層と該目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新することは、目標コンポーネントが属する階層に基づいて、属する階層及び属する階層以上の該目標コンポーネントに対応する全てのサービスプログラムを停止することと、停止が完了したことに応じて、目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新することとを含む。
【0009】
幾つかの実施例では、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得した後に、クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプ及び/又はクラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得ることをさらに含む。
【0010】
幾つかの実施例では、方法は、ハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームをチェックし、チェック後の更新対象クラウドプラットフォームのリソース情報を得ることであって、チェックは、更新対象クラウドプラットフォームクラスタ遺伝子情報における遺伝子データの完全性、一致性及び依存関係の正確性に基づいて検証することをさらに含む。
【0011】
幾つかの実施例では、更新対象クラウドプラットフォームと標準クラウドプラットフォームは、kubernetesに基づくコンテナクラスタプラットフォームである。
【0012】
幾つかの実施例では、方法は、決定されたハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ライン情報を決定することと、ラインオフ対象の製品ライン情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象に対応する製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報に対してラベリングを行うことであって、ラベリングは、クラスタ遺伝子情報における遺伝子データの間の依存関係に基づいて付されることと、ラベリング情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報を削除することとをさらに含む。
【0013】
本願の第2の態様によれば、クラウドプラットフォームを更新するための装置を提供する。装置は、更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得するように配置される取得ユニットであって、ここで、クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報である取得ユニットと、クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定するように構成される第1の決定ユニットと、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新するように構成される更新ユニットと、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定するように構成される第2の決定ユニットとを備える。
【0014】
幾つかの実施例では、取得ユニットは、さらに、標準クラウドプラットフォームのリソースプールから更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出するように構成され、標準クラウドプラットフォームは、専有クラウドプラットフォームを配置する統括クラウドプラットフォームである。
【0015】
幾つかの実施例では、更新ユニットにおける目標コンポーネントが属する階層は、更新対象クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに基づいて決定され、更新ユニットは、目標コンポーネントが属する階層に基づいて、属する階層及び属する階層以上の該目標コンポーネントに対応する全てのサービスプログラムを停止するように構成される停止モジュールと、停止が完了したことに応じて、目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新するように構成される更新モジュールとを備える。
【0016】
幾つかの実施例では、装置は、分類ユニットをさらに備え、該分類ユニットは、クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプ及び/又はクラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得るように構成される。
【0017】
幾つかの実施例では、装置は、チェックユニットをさらに備え、該チェックユニットは、ハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームをチェックし、チェック後の更新対象クラウドプラットフォームのリソース情報を得るように構成され、チェックは、更新対象クラウドプラットフォームクラスタ遺伝子情報の遺伝子データの完全性、一致性及び依存関係の正確性に基づいて検証することである。
【0018】
幾つかの実施例では、更新対象クラウドプラットフォームと標準クラウドプラットフォームは、kubernetesに基づくコンテナクラスタプラットフォームである。
【0019】
幾つかの実施例では、装置は、決定されたハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ライン情報を決定するように構成される第3の決定ユニットと、ラインオフ対象の製品ライン情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報に対してラベリングを行うように構成されるラベリングユニットであって、ラベリングは、クラスタ遺伝子情報における遺伝子データの間の依存関係に基づいて付されるラベリングユニットと、ラベリング情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報を削除するように構成される削除ユニットとをさらに備える。
【0020】
本願の第3の態様によれば、電子機器を提供する。この電子機器は、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信接続されたメモリとを含み、ここで、メモリには少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な指令が記憶され、指令は、少なくとも1つのプロセッサに第1の態様の任意の実現形態に記載の方法を実行させることができるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行される。
【0021】
本願の第4の態様によれば、本願は、第1の態様の任意の実現形態に記載の方法をコンピュータに実行させるために用いられるコンピュータ指令が記憶されることを特徴とする非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0022】
本願による技術は、更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得し、ここで、クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であり、クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定し、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新し、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することを採用し、専有クラウドプラットフォームの配置、アップグレードのプロセスにおいて膨大なワークロードに直面する課題を解決するとともに、従来技術においてコンポーネントの間の関係を考慮せず、エラーが発生しやすい問題を解決し、クラスタ遺伝子の複製と遺伝の方法、及び階層に従ってデータ更新を行う方式を利用して、顧客専有クラウドプラットフォームのアップグレードを速やかに、精度よく、安定に実現する。
【0023】
理解すべきこととして、このセクションで説明される内容は、本願の実施例の主要又は重要な特徴を示すことを意図するものではなく、本願の範囲を限定するためのものでもない。本願の他の特徴は、以下の明細書から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図面は、本技術案をよりよく理解するために使用されており、本願を限定するものではない。
【0025】
【
図1】本願のクラウドプラットフォームを更新するための方法に係る第1の実施例の概略図である。
【0026】
【
図2】本願の実施例のクラウドプラットフォームを更新するための方法を実現することができるシーン図である。
【0027】
【
図3】本願のクラウドプラットフォームを更新するための方法に係る第2の実施例の概略図である。
【0028】
【
図4】本願のクラウドプラットフォームを更新するための装置に係る一実施例の構造概略図である。
【0029】
【
図5】本願の実施例のクラウドプラットフォームを更新するための方法を実現するための電子機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を結び付けながら、本願の例示的な実施例を説明し、理解を容易にするように、ここで本願の実施例の様々な詳細を含み、それらは単に例示的なものとみなされるべきである。従って、本願の範囲及び精神から逸脱することなく、ここで説明する実施例に対して様々な変更及び修正を行うことができることは、当業者にとって理解されるであろう。同様に、明瞭性と簡潔性の観点から、以下の説明において、公知の機能と構造に関する説明を省略する。
【0031】
なお、矛盾しない限り、本願における実施例及び実施例における特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0032】
以下、図面を参照し、実施例を結び付けて本願を詳細に説明する。
【0033】
図1は、本願のクラウドプラットフォームを更新するための方法に係る第1の実施例の概略
図100を示す。クラウドプラットフォームを更新するための該方法は、以下のステップを含む。
【0034】
ステップ101:更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得する。
【0035】
本実施例では、実行主体がクラウドプラットフォームの更新リクエストを受信した後に、有線接続方式又は無線接続方式によって他の電子機器又はローカルから更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得することができる。クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であり、クラスタ遺伝子情報によって同じ又は類似するクラスタの自動化作成及びコンポーネントの配置を実現することができる。クラウドプラットフォームは、コンテナクラスタ遺伝子に基づいて構築される。各コンポーネントは、プラットフォームシステムコンポーネントと製品ラインコンポーネントとを含んでもよく、プラットフォームコンポーネントとは、クラウドプラットフォームにおける管理、スケジューリングなどを行う根幹コンポーネントを指し、製品ラインコンポーネントとは、ある製品ラインに関連するコンポーネント、例えば、クラウドホスト、クラウドハードウエアなどを指す。情報は、各コンポーネントの数、構成、組成、データ、関連関係及び依存関係を含む。なお、上記無線接続方式は、3G接続、4G接続、5G接続、WiFi接続、ブルートゥース(登録商標)接続、WiMAX接続、Zigbee接続、UWB(ultra wideband)接続、及び現在知られているか又は将来開発される他の無線接続方式を含むことができるが、それらに限定されない。
【0036】
ステップ102:クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定する。
【0037】
本実施例では、実行主体は、クラスタ遺伝子情報と更新対象クラウドプラットフォームの各コンポーネントとの対応関係とコンポーネントの階層分割規則に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定することができる。目標コンポーネントは、更新対象クラウドプラットフォームにおける更新する必要のあるコンポーネントである。
【0038】
ステップ103:各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新する。
【0039】
本実施例では、実行主体は、各目標コンポーネントが属する階層に基づいて、各階層の目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報と元のクラウドプラットフォーム(即ち更新対象のクラウドプラットフォーム)の対応する階層の目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報を比較し、比較結果に基づいて、新たに増加されたクラスタ遺伝子情報(即ち、元のクラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報に存在しないクラスタ遺伝子情報)を更新対象クラウドプラットフォームの目標コンポーネントの遺伝子プールの遺伝子シーケンスに追加し、新たに増加されたものではないクラスタ遺伝子情報(元のクラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報に既に存在するクラスタ遺伝子情報)によって、更新対象クラウドプラットフォームの目標コンポーネントの遺伝子プールにおけるクラスタ遺伝子情報を置換し、各目標コンポーネントに対する更新を実現することができる。
【0040】
ステップ104:更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定する。
【0041】
本実施例では、実行主体は、プラットフォーム決定方法を利用して、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することができる。更新対象クラウドプラットフォームは、顧客専有クラウドプラットフォームであってもよく、顧客専有クラウドプラットフォームとは、顧客専有リソース領域に搭載される専有クラウドプラットフォームを指す。
【0042】
なお、上記更新方法は、現在広く研究され適用されている公知技術であるため、ここでは説明を省略する。
【0043】
引き続き
図2を参照し、本実施例のクラウドプラットフォームを更新するための方法200は、電子機器201に運行される。電子機器201は、クラウドプラットフォームに用いられる更新リクエストを受信した後に、先ず、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得し(202)、そして、電子機器201はクラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定し(203)、続いて、電子機器201は各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新し(204)、最後に、電子機器201は更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定する(205)。
【0044】
本願の上記実施例によるクラウドプラットフォームを更新するための方法は、更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得し、ここで、クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であり、クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定し、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新し、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することを採用し、専有クラウドプラットフォームの配置、アップグレードのプロセスにおいて膨大なワークロードに直面する課題を解決するとともに、従来技術においてコンポーネントの間の関係を考慮せず、エラーが発生しやすい問題を解決し、クラスタ遺伝子の複製と遺伝の方法、及び階層に従ってデータを更新する方式を利用して、顧客専有クラウドプラットフォームに対するアップグレードを速やかに、精度よく、安定に実現する。
【0045】
さらに、
図3を参考し、
図3は、クラウドプラットフォームを更新するための方法の第2の実施例の概略
図300を示す。該方法のフローは、以下のステップを含む。
【0046】
ステップ301:更新リクエストを受信することに応じて、標準クラウドプラットフォームのリソースプールから更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出する。
【0047】
本実施例では、実行主体は、クラウドプラットフォームの更新リクエストを受信した後に、有線接続方式又は無線接続方式によって他の電子機器又はローカルから標準クラウドプラットフォームのリソースプールにおける更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出することができる。標準クラウドプラットフォームのバージョン識別を利用して抽出を完了することができ、標準クラウドプラットフォームは、顧客専有クラウドプラットフォームを配置する統括クラウドプラットフォームであってもよい。標準クラウドプラットフォームは、長期間にわたる研究開発と品質認証を経て、機能、性能、安定性、拡張性、安全性などの各技術指標が技術標準を満たすことができることが確保される専有クラウドプラットフォーム環境であり、顧客側に配置される専有クラウドプラットフォームの技術能力は、標準専有クラウドプラットフォームに基づいて配置される必要がある。
【0048】
本実施例では、更新対象クラウドプラットフォームと標準クラウドプラットフォームは、kubernetesに基づくコンテナクラスタプラットフォームである。kubernetes(k8s)自体の利点に基づいて、プラットフォームの配置を速やかに、精度よく、安全に実現する。
【0049】
ステップ302:クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプとクラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得る。
【0050】
本実施例では、実行主体は、クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプ(例えば、プラットフォームシステムコンポーネントと製品ラインコンポーネント)とクラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得ることができ、以降のステップは、分類後のクラスタ遺伝子情報に対して実行される。製品ラインコンポーネントの状態は、ステートレスサービスとステートフルサービスに分けられることができる。ステートレスサービスとは、特別な状態を有しないサービスを指し、各リクエストは、サーバに対して統括されて区別なく処理され、リクエスト自体は、全てのサーバが必要とする全てのパラメータ(サーバ自体は、リクエストに関連する任意のデータを記憶せず、データベース記憶情報を含まない)を携帯する。ステートフルサービスとは、ステートレスサービスとは反対に、sessionなどの現在のリクエストを処理するように、サーバには前のリクエスト情報を保持することを指す。
【0051】
ステップ303:分類後のクラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定する。
【0052】
ステップ304:各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新する。
【0053】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、目標コンポーネントが属する階層は、更新対象クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに基づいて決定され、目標コンポーネントが属する階層と該目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新することは、目標コンポーネントが属する階層に基づいて、属する階層及び属する階層以上の該目標コンポーネントに対応する全てのサービスプログラムを停止することと、停止が完了したことに応じて、目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新することとを含む。クラウドプラットフォームのアップグレードプロセスにおいて、あるコンポーネントの変化によってシステム全体の通常運行に影響を与えやすい技術問題を解決し、プラットフォームアップグレードの信頼性と正確率を向上させる。
【0054】
さらに説明すると、クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに対して、各低階層のシステムとコンポーネントは、いずれも1つ上の階層のシステムとコンポーネントをサポートし、1つ下の階層のコンポーネントを変更すると、上の全ての階層に影響を与える。従って、各層以上の階層の全てのシステムに対してデータバックアップを行い、且つ最も上から下へ階層ごとにサービスプログラムを閉じ、全てのサービスプログラムが正確に閉じられたことが確保された後に、クラスタに対応するプラットフォームシステムコンポーネントの遺伝子情報に基づいてプラットフォームシステムコンポーネントをアップグレードし、新たなサービスプログラムによって元のサービスプログラムを置換し、新たなサービスの関連構成を行う。更新が完了された後、新たなプラットフォームシステムコンポーネントを再起動し、且つ該階層から階層ごとにサービスプログラムを起動し、専有クラウドプラットフォームの運行状態を回復する。
【0055】
ステップ305:更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定する。
【0056】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、方法は、ハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームをチェックし、チェック後の更新対象クラウドプラットフォームのリソース情報を得ることであって、ここで、チェックは、更新対象クラウドプラットフォームクラスタ遺伝子情報における遺伝子データの完全性、一致性及び依存関係の正確性に基づいて検証することをさらに含む。アップグレードされた後のプラットフォームの正確性と効率性が確保され、専有クラウドプラットフォームシステムの安定性と信頼性が確保される。
【0057】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、方法は、決定されたハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ライン情報を決定することと、ラインオフ対象の製品ライン情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報に対してラベリングを行うことであって、ここで、ラベリングは、クラスタ遺伝子情報における遺伝子データの間の依存関係に基づいて付されることと、ラベリング情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報を削除することとを含む。プラットフォームリソースの効果的な回収を実現し、クラウドプラットフォーム遺伝子プールの簡潔性、有効性が確保される。
【0058】
本実施例では、ステップ303と305の具体的な操作は、
図1に示す実施例におけるステップ102と104の操作とほぼ同じであり、ここで説明を省略する。
【0059】
図3から分かるように、
図1に対応する実施例に比べると、本実施例におけるクラウドプラットフォームを更新するための方法の概略
図300は、標準クラウドプラットフォームのリソースプールから更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出し、クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプとクラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得て、分類後のクラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定し、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新し、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することを採用し、従来技術において新たに配置されるクラウドプラットフォーム環境が標準化された配置のベースライン条件を満たすことが確保できない問題を解決し、K8S専有クラウドコンテナクラスタ環境では、自動化の方法によって、顧客専有クラウドプラットフォームを段階的に且つ有効にアップグレードすることが実現される。
【0060】
さらに、
図4を参照すると、上記各図に示された方法を実現するものとして、本願は、クラウドプラットフォームを更新するための装置の一実施例を提供する。該装置の実施例は、
図1に示す方法の実施例に対応する。該装置は、具体的には、様々な電子機器に適用できる。
【0061】
図4に示すように、本実施例のクラウドプラットフォームを更新するための装置400は、取得ユニット401と、第1の決定ユニット402と、更新ユニット403と第2の決定ユニット404とを含み、ここで、取得ユニットは、更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得するように構成され、ここで、クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であり、第1の決定ユニットは、クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定するように構成され、更新ユニットは、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新するように構成され、第2の決定ユニットは、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定するように構成される。
【0062】
本実施例では、クラウドプラットフォームを更新するための装置400の取得ユニット401、第1の決定ユニット402、更新ユニット403及び第2の決定ユニット404の具体的な処理及びそれによる技術的効果は、それぞれ
図1に対応する実施例におけるステップ101~ステップ104の関連説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0063】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、取得ユニットは、さらに、標準クラウドプラットフォームのリソースプールから更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を抽出するように構成され、ここで、標準クラウドプラットフォームは、専有クラウドプラットフォームを配置する統括クラウドプラットフォームである。
【0064】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、更新ユニットにおける目標コンポーネントが属する階層は、更新対象クラウドプラットフォームのシステムアーキテクチャに基づいて決定され、更新ユニットは、目標コンポーネントが属する階層に基づいて、属する階層及び属する階層以上の該目標コンポーネントに対応する全てのサービスプログラムを停止するように構成される停止モジュールと、停止が完了したことに応じて、目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、目標コンポーネントを更新するように構成される更新モジュールとを含む。
【0065】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、装置は、分類ユニットをさらに含み、該分類ユニットは、クラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントのタイプ及び/又はクラスタ遺伝子情報が属するコンポーネントの状態に基づいて、クラスタ遺伝子情報を分類し、分類後のクラスタ遺伝子情報を得るように構成される。
【0066】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、装置は、チェックユニットをさらに含み、該チェックユニットは、ハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームをチェックし、チェック後の更新対象クラウドプラットフォームのリソース情報を得るように構成され、ここで、チェックは、更新対象クラウドプラットフォームクラスタ遺伝子情報における遺伝子データの完全性、一致性及び依存関係の正確性に基づいて検証する。
【0067】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、更新対象クラウドプラットフォームと標準クラウドプラットフォームは、kubernetesに基づくコンテナクラスタプラットフォームである。
【0068】
本実施例の幾つかの選択的な実現の形態では、装置は、決定されたハードウエアリソースとソフトウェアリソースに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ライン情報を決定するように構成される第3の決定ユニットと、ラインオフ対象の製品ライン情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報に対してラベリングを行うラベリングユニットであって、ここで、ラベリングは、クラスタ遺伝子情報における遺伝子データの間の依存関係に基づいて付されるラベリングユニットと、ラベリング情報に基づいて、更新対象クラウドプラットフォームにおけるラインオフ対象の製品ラインに対応するクラスタ遺伝子情報を削除するように構成される削除ユニットとをさらに含む。
【0069】
本願の実施例によれば、本願は、電子機器と可読記憶媒体をさらに提供する。
【0070】
図5は、本願の実施例に係るクラウドプラットフォームを更新するための方法のブロック図である。電子機器は、様々な形態のデジタルコンピュータ、例えば、ラップトップコンピュータ、デスクコンピュータ、ワークステーション、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、ブレードサーバ、メインフレームコンピュータ、その他の適切なコンピュータを表すことを意図する。電子機器は、様々な形態のモバイル装置、例えば、パーソナルデジタルアシスタント、携帯電話、スマートフォン、ウェアラブルデバイスおよびその他の類似するコンピューティングデバイスを表すこともできる。本明細書に示される部品、それらの接続と関係、及びそれらの機能は、単なる例示であり、本明細書に説明及び/又は請求される本願の実現を限定することを意図するものではない。
【0071】
図5に示すように、該電子機器は、1つ又は複数のプロセッサ501と、メモリ502と、高速インタフェースと低速インタフェースを含む様々な部品を接続するためのインタフェースとを含む。各部品は、異なるバスを介して互いに接続されており、且つパブリックマザーボードに取り付けられ得るか、又は必要に応じて他の方式で取り付けられ得る。プロセッサは、電子機器内で実行される指令を処理することができ、この指令は、外部入力/出力装置(例えば、インタフェースに結合される表示機器)にGUIのグラフィック情報を表示するように、メモリ内又はメモリ上に記憶される指令を含む。他の実施の形態では、必要に応じて、複数のプロセッサ及び/又は複数本のバスを、複数のメモリと複数本のバスとともに使用してもよい。同様に、複数の電子機器を接続し、各機器は、一部の必要な操作(例えば、サーバアレイ、ブレードサーバ群、又はマルチプロセッサシステムとして)を提供してもよい。
図5には、1つのプロセッサ501を例として挙げられる。
【0072】
メモリ502は、即ち、本願による非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。ここで、メモリには、少なくとも1つのプロセッサに本願によるクラウドプラットフォームを更新するための方法を実行させるように、少なくとも1つのプロセッサによって実行されることができる指令が記憶されている。本願の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータに本願によるクラウドプラットフォームを更新するための方法を実行させるためのコンピュータ指令が記憶される。
【0073】
メモリ502は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラム、非一時的なコンピュータによって実行可能なプログラム及びモジュール、例えば、本願の実施例におけるクラウドプラットフォームを更新するための方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、
図4に示す取得ユニット401、第1の決定ユニット402、更新ユニット403及び第2の決定ユニット404)を記憶するために用いられることができる。プロセッサ501は、メモリ502に記憶される非一時的なソフトウェアプログラム、指令及びモジュールを実行することにより、サーバの様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を実行し、即ち、上記方法の実施例におけるクラウドプラットフォームを更新するための方法を実現する。
【0074】
メモリ502は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができるプログラム記憶領域と、クラウドプラットフォームを更新するための電子機器を使用することにより作成されたデータなどを記憶することができるデータ記憶領域とを含んでもよい。なお、メモリ502は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、非一時的なメモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリ、フラッシュメモリ、又は他の非一時的なソリッドメモリをさらに含んでもよい。幾つかの実施例において、メモリ502は、プロセッサ501に対して遠隔的に設置されるメモリを選択してもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してクラウドプラットフォームを更新するための電子機器に接続されてもよい。上記ネットワークの例は、インターネット、企業イントラネット、ローカルエリアネットワーク、モバイル通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むが、それらに限らない。
【0075】
クラウドプラットフォームを更新するための方法の電子機器は、入力装置503と出力装置504とをさらに含んでもよい。プロセッサ501、メモリ502、入力装置503及び出力装置504は、バス又は他の手段によって接続されてもよく、
図5には、バスによる接続を例とする。
【0076】
入力装置503は、入力された数字又は文字情報を受信し、クラウドプラットフォームを更新するための電子機器のユーザ設定及び機能制御に関連するキー信号入力を生成することができ、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、マウス、トラックパッド、タッチパッド、ポインティングスティック、1つ又は複数のマウスボタン、トラックボール、ジョイスティックなどの入力装置である。出力装置504は、表示機器、補助照明装置(例えば、LED)及び触覚フィードバック装置(例えば、振動モータ)などを含んでもよい。該表示機器は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、及びプラズマディスプレイを含んでもよいが、それらに限らない。いくつかの実施の形態では、表示機器は、タッチスクリーンであってもよい。
【0077】
ここで説明されるシステムと技術の様々な実施の形態は、デジタル電子回路システム、集積回路システム、専用ASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。これらの様々な実施の形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラムに実施され、該1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上に実行及び/又は解釈されることができ、該プログラマブルプロセッサは、専用又は共用プログラマブルプロセッサであってもよく、記憶システム、少なくとも1つの入力装置、及び少なくとも1つの出力装置からデータと指令を受信し、且つデータと指令を該記憶システム、該少なくとも1つの入力装置、及び該少なくとも1つの出力装置に伝送してもよいことを含んでもよい。
【0078】
これらのコンピューティングプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアプリケーション、又はコードとも呼ばれる)は、プログラマブルプロセッサの機械指令を含み、且つ高水準プロセス及び/又はオブジェクト指向型のプログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語によって、これらのコンピューティングプログラムを実施することができる。本明細書に使用される「機械可読媒体」と「コンピュータ可読媒体」という用語とは、機械可読信号としての機械指令を受信する機械可読媒体を含む、機械指令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意のコンピュータプログラム製品、機器、及び/又は装置(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブルロジック装置(PLD))を指す。「機械可読信号」という用語とは、機械指令及び/又はデータをプログラマブルプロセッサに提供するための任意の信号を指す。
【0079】
ユーザとの対話を提供するために、ここで説明されるシステムと技術は、ユーザに情報を表示するための表示装置(例えば、CRT(陰極線管)又はLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、ユーザが入力をコンピュータに提供することを可能にするキーボードとポインティング(例えば、マウス又はトラックボール)とを有するコンピュータに実施されてもよい。他のタイプの装置は、ユーザとの対話を提供するためにも使用されることができ、例えば、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、又は触覚的フィードバック)をユーザに提供することができ、且つ任意の形態(音響入力、音声入力又は触覚入力)を利用してユーザからの入力を受信することができる。
【0080】
ここで説明されるシステムと技術は、バックエンド部品を含むコンピューティングシステム(例えば、データサーバ)、又はミドルウエア部品を含むコンピューティングシステム(例えば、アプリケーションサーバ)、又はフロンドエンド部品を含むコンピューティングシステム(例えば、ユーザがここで説明されるシステムと技術の実施の形態と対話することを可能にするグラフィカルユーザインタフェース又はウェブブラウザを有するユーザコンピュータ)、又はこれらのバックエンド部品、ミドルウエア部品、又はフロンドエンド部品の任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムで実施されてもよい。システムの部品は、任意の形態又は媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)を介して、互いに接続されてもよい。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、及びインターネットを含む。
【0081】
コンピュータシステムは、クライアントとサーバを含んでもよい。クライアントとサーバは通常、互いに遠く離れており、且つ通信ネットワークを介して対話する。対応するコンピュータ上で、互いにクライアントーサーバ関係を有するコンピュータプログラムを運行することにより、クライアントとサーバの関係を生成する。
【0082】
本願の実施例の技術案によれば、更新リクエストを受信することに応じて、更新リクエストに対応する更新対象クラウドプラットフォームのクラスタ遺伝子情報を取得し、ここで、クラスタ遺伝子情報は、クラウドプラットフォームコンテナクラスタにおける各コンポーネント情報を完全に示す構造化情報であって、クラスタ遺伝子情報に基づいて、クラスタ遺伝子情報に対応する更新対象クラウドプラットフォームの各目標コンポーネントと各目標コンポーネントが属する階層を決定し、各目標コンポーネントが属する階層と対応する目標コンポーネントのクラスタ遺伝子情報に基づいて、各目標コンポーネントを更新し、更新後の全ての目標コンポーネントに基づいて、更新対象クラウドプラットフォームのハードウエアリソースと更新対象クラウドプラットフォームのソフトウェアリソースを決定することを採用し、専有クラウドプラットフォームの配置、アップグレードのプロセスにおいて膨大なワークロードに直面する課題を解決するとともに、従来技術においてコンポーネントの間の関係を考慮せず、エラーが発生しやすい問題を解決し、クラスタ遺伝子の複製と遺伝の方法、及び階層に従ってデータ更新を行う方式を利用して、顧客専有クラウドプラットフォームに対するアップグレードを速やかに、精度よく、安定に実現する。
【0083】
理解すべきこととして、上記に示す様々な形態のフローを使用して、ステップを並べ替え、追加又は削除してもよい。例えば、本願に記載される各ステップは、本願に開示される技術案の所望の結果を達成することができる限り、並行に実行されてもよく、順次に実行されてもよく、又は異なる順序で実行されてもよく、本明細書はこれを限定しない。
【0084】
上記具体的な実施の形態は、本願の保護範囲に対する限定を構成するものではない。設計要件及び他の要因に応じて、様々な修正、組み合わせ、サブコンビネーション及び置換を行うことができることは、当業者にとって明らかであろう。本願の精神と原則の範囲内で行われた任意の修正、同等置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲に含まれるべきである。