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特許7492146光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20240522BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240522BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20240522BHJP
   G03B 17/17 20210101ALI20240522BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240522BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20240522BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20240522BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G02B7/02 Z
G02B7/04 E
G03B17/17
G03B30/00
H04N23/55
H04N23/68
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022036608
(22)【出願日】2022-03-09
(65)【公開番号】P2023131709
(43)【公開日】2023-09-22
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝本 征宏
(72)【発明者】
【氏名】菊地 篤
(72)【発明者】
【氏名】林 一郎
(72)【発明者】
【氏名】木村 良浩
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-231928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02 - 7/16
G03B 5/00 - 5/08
G03B 17/04 - 17/17
G03B 30/00
H04N 5/222 - 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子を駆動部により移動させる光学アクチュエータであって、
前記光学素子を保持する可動側部材と、
前記可動側部材を移動可能に支持する固定側部材と、
前記可動側部材に設けられた緩衝部材と、を有し、
前記緩衝部材は、互いに異なる距離で前記固定側部材と対向した第一緩衝面及び第二緩衝面を有し、
前記緩衝部材は、前記第一緩衝面が前記固定側部材に当接した後、前記第一緩衝面がつぶれて前記第一緩衝面と共に前記第二緩衝面が前記固定側部材に当接し、更にその後に第二緩衝面がつぶれるように構成される、
光学アクチュエータ。
【請求項2】
前記緩衝部材は、エラストマー製の一体成形品である、請求項1に記載の光学アクチュエータ。
【請求項3】
前記緩衝部材は、先端に前記第一緩衝面が形成された凸部と、底部に前記第二緩衝面が形成された凹部と、を有する、請求項に記載の光学アクチュエータ。
【請求項4】
前記凹部は、前記凸部を囲むように設けられている、請求項に記載の光学アクチュエータ。
【請求項5】
前記凸部は、前記凹部を囲むように設けられている、請求項に記載の光学アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1に記載の光学アクチュエータと、
前記光学アクチュエータに隣接して配置された撮像素子と、
を備えるカメラモジュール。
【請求項7】
請求項に記載のカメラモジュールと、
前記カメラモジュールを制御する制御部と、
を有するカメラ搭載装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スマートフォンやデジタルカメラ等、カメラモジュールを搭載した薄型のカメラ搭載装置が知られている。カメラモジュールは、1以上のレンズ(光学素子)を有するレンズ部と、レンズ部により結像された被写体像を撮像する撮像素子とを備える。
【0003】
又、レンズ部に隣接して設けられたプリズム(光学素子)により、第一光軸に沿う被写体からの光を第二光軸の方向に屈曲してレンズ部に導光する屈曲光学系を備えるカメラモジュールも提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
特許文献1に開示されたカメラモジュールは、カメラに生じる手振れを補正する振れ補正装置、及び、オートフォーカスを行うオートフォーカス装置を備えている。このようなカメラモジュールは、光学アクチュエータとして振れ補正用アクチュエータ及びオートフォーカス用アクチュエータを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-126231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような光学アクチュエータは、カメラモジュールの通常動作の際又は外部から衝撃が加わった際、光学素子を保持する可動側部材と、可動側部材を移動可能に支持する固定側部材との衝突による衝撃を吸収する機能を備えていなかった。このような衝撃は、可動側部材及び固定側部材の損傷の原因、又は、異音発生の原因となるため望ましくない。
【0007】
本発明の目的は、可動側部材と固定側部材とが衝突した際の衝撃を吸収できる構成を有する光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る光学アクチュエータの一態様は、
光学素子を駆動部により移動させる光学アクチュエータであって、
光学素子を保持する可動側部材と、
可動側部材を移動可能に支持する固定側部材と、
可動側部材に設けられた緩衝部材と、を有し、
緩衝部材は、互いに異なる距離で固定側部材と対向した第一緩衝面及び第二緩衝面を有する。
上述の光学アクチュエータを実施する場合に、好ましくは、緩衝部材は、第一緩衝面が固定側部材に当接した後、第一緩衝面がつぶれて第一緩衝面と共に第二緩衝面が固定側部材に当接し、更にその後に第二緩衝面がつぶれるように構成されてよい。
【0009】
本発明に係るカメラモジュールの一態様は、
上述の光学アクチュエータと、
光学アクチュエータに隣接して配置された撮像素子と、を備える。
【0010】
本発明に係るカメラ搭載装置の一態様は、
上述のカメラモジュールと、
カメラモジュールを制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、可動側部材と固定側部材とが衝突した際の衝撃を吸収できる構成を有する光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の実施形態に係るカメラモジュールを模式的に示す斜視図である。
図2図2は、光路屈曲モジュールの模式図である。
図3図3は、ホルダの斜視図である。
図4図4は、ホルダの斜視図である。
図5A図5Aは、ホルダの左側保持部を説明するための図である。
図5B図5Bは、ホルダの右側保持部を説明するための図である。
図6図6は、ホルダの平面図である。
図7図7は、ホルダの底面図である。
図8図8は、ホルダの背面図である。
図9図9は、ホルダの左側面図である。
図10図10は、ホルダの右側面図である。
図11図11は、緩衝部材の斜視図である。
図12図12は、緩衝部材の斜視図である。
図13図13は、図4に示されたホルダのX-X断面図である。
図14A図14Aは、緩衝部材の前側受け部を説明するための模式図である。
図14B図14Bは、緩衝部材の前側受け部を説明するための模式図である。
図15図15は、緩衝部材の前側受け部の変形例を示す模式図である。
図16A図16Aは、カメラモジュールを搭載したカメラ搭載装置の一例を示す図である。
図16B図16Bは、カメラモジュールを搭載したカメラ搭載装置の一例を示す図である。
図17A図17Aは、車載用カメラモジュールを搭載するカメラ搭載装置としての自動車を示す図である。
図17B図17Bは、車載用カメラモジュールを搭載するカメラ搭載装置としての自動車を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、後述する実施形態に係る光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置は、本発明に係る光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置の一例であり、本発明は実施形態により限定されない。
【0014】
[実施形態]
図1図17Bを参照して、本発明の実施形態に係るカメラモジュール1について説明する。以下、カメラモジュール1の概要について説明した後、カメラモジュール1が備える光路屈曲モジュール2、レンズモジュール4、及び撮像素子モジュール9の構造について説明する。尚、本発明に係る光学アクチュエータ、カメラモジュール、及びカメラ搭載装置は、後述する全ての構成を備えてもよいし、一部の構成を備えなくてもよい。
【0015】
カメラモジュール1は、例えば、スマートフォンM(図16A及び図16B参照)、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、及び薄型のカメラ搭載装置(車載カメラ等)に搭載される。スマートフォンMは、2つの背面カメラOC1、OC2からなるデュアルカメラを有する。本実施形態では、背面カメラOC2に、カメラモジュール1が適用されている。
【0016】
以下、本実施形態のカメラモジュール1を構成する各部については、カメラモジュール1に組み込まれた状態を基準として説明する。又、本実施形態のカメラモジュール1の構造を説明するにあたり、各図に示す直交座標系(X,Y,Z)を使用する。
【0017】
カメラモジュール1は、カメラ搭載装置で実際に撮影が行われる場合に、例えばX方向がカメラ搭載装置における左右方向、Y方向がカメラ搭載装置における上下方向、Z方向がカメラ搭載装置における前後方向となるように搭載される。被写体からの光(入射光)は、図1に一点鎖線α(第一光軸とも称する。)で示されるように、カメラモジュール1のZ方向+側(プラス側)から光路屈曲モジュール2のプリズム22に入射する。プリズム22は、光路屈曲部材の一例に該当する。
【0018】
プリズム22に入射した光(出射光)は、図1に一点鎖線β(第二光軸とも称する。)で示されるように、プリズム22(図2参照)の光路屈曲面で屈曲して、プリズム22よりも前段(X方向+側)に配置されたレンズモジュール4のレンズ部41へと導光される。
【0019】
そして、レンズ部41により結像された被写体像が、レンズモジュール4よりも前段に配置された撮像素子モジュール9(図1参照)により撮像される。
【0020】
本実施形態のカメラモジュール1は、光路屈曲モジュール2に組み込まれた振れ補正装置3により、振れ補正(OIS:Optical Image Stabilization)を行う。つまり、光路屈曲モジュール2は、手振れ補正機能を有する。
【0021】
又、本実施形態のカメラモジュール1は、レンズモジュール4に組み込まれたAF(Auto Focus)装置(不図示)によりレンズ部をX方向に変位させて、オートフォーカスを行う。つまり、レンズモジュール4は、オートフォーカス機能を有する。
【0022】
光路屈曲モジュール2は、カバー93、第一ベース21、プリズム22、及び振れ補正装置3を備える。
【0023】
第一ベース21は、第一ベース本体210、及び、支持壁部214を有する。第一ベース21は、カバー93と組み合わされることによりプリズム22及び振れ補正装置3を配置可能な収容空間を形成している。
【0024】
第一ベース本体210は、前端、後端、及び上端が開口したU字状の部材である。具体的には、第一ベース本体210は、底壁部211、左壁部212、及び右壁部213を有する。第一ベース本体210は、前端部においてレンズモジュール4の第二ベース(不図示)に接続されている。つまり、第一ベース本体210と第二ベースとは一体である。
【0025】
底壁部211は、XY平面に平行な板状である。底壁部211は、第二駆動部の第二コイル(不図示)を配置するための第二コイル配置部(不図示)を有する。第二駆動部は、ボイスコイルモータであって、第二軸A2(図2参照)を中心に、ホルダ31を揺動させる。第二軸A2は、後述の揺動支持部33(図2参照)のボール331の中心を通り且つY方向に平行な軸である。
【0026】
左壁部212は、下端部が底壁部211の左端部に接続されたXZ平面に平行な板状である。左壁部212は、第一駆動部の左側第一コイル(不図示)を配置するための左側第一コイル配置部(不図示)を有する。第一駆動部は、ボイスコイルモータであって、第一軸A1を中心に、ホルダ31を揺動させる。第一軸A1は、Z方向に平行な軸である。具体的には、第一軸A1は、揺動支持部33(図2参照)のボール331の中心を通り且つZ方向に平行な軸である。
【0027】
左壁部212は、内周面に、ベース側受け部212a(図6参照)を有する。ベース側受け部212aは、YZ平面に平行な板状である。ベース側受け部212aは、後述のホルダ31における左壁部311の前端面と前後方向に対向している。
【0028】
右壁部213は、下端部が底壁部211の右端部に接続されたXZ平面に平行な板状である。右壁部213は、第一駆動部の右側第一コイル(不図示)を配置するための右側第一コイル配置部(不図示)を有する。
【0029】
右壁部213は、内周面に、ベース側受け部213a(図6参照)を有する。ベース側受け部213aは、YZ平面に平行な板状である。ベース側受け部213aは、後述のホルダ31における右壁部312の前端面と前後方向に対向している。
【0030】
支持壁部214は、第一ベース本体210とは別体の部材であって、後壁部214a及び支持部214bを有する。後壁部214aは、YZ平面に平行な板状である。後壁部214aは、第一ベース本体210の後端を塞いでいる。後壁部214aは、付勢ばね(不図示)を介して、第一ベース本体210に支持されている。
【0031】
支持部214bは、図2に示すように、ホルダ31を揺動可能に支持するためのものであり、後壁部214aの前側面に設けられている。支持部214bは、後壁部214aから前方(X方向+側)に延在した凸部により構成されている。
【0032】
支持部214bは、後述するホルダ31の凹部316に挿入された状態で、ボール331を介してホルダ31を揺動可能に支持している。
【0033】
尚、本実施形態の場合、支持部214bは、第一ベース21の後壁部214aに設けられている。但し、支持部の構成は、本実施形態の場合に限定されない。例えば、支持部は、第一ベースの底壁部に設けられていてもよい。この場合、支持部は、第一ベースの底壁部から、上方に延在してもよい。この場合、ホルダの凹部は、ホルダの下側面に設けられてもよい。
【0034】
次に、振れ補正装置3について説明する。振れ補正装置3は、Z方向に平行な第一軸A1及びY方向に平行な第二軸A2を中心にプリズム22を揺動させることにより、第一軸A1を中心とした回転方向の振れ補正、及び、第二軸A2を中心とした回転方向の振れ補正を行う。このような振れ補正装置3は、カバー93と第一ベース21の底壁部211、左壁部212、右壁部213、及び後壁部214aとで囲まれた収容空間に配置されている。
【0035】
振れ補正装置3は、ホルダ31、緩衝部材37、揺動支持部33、第一駆動部、及び第二駆動部を備える。
【0036】
振れ補正装置3において、ホルダ31は、揺動支持部33を介して、第一ベース21に支持されている。ホルダ31は、第一ベース21に対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。この状態でホルダ31は、第一駆動部が発生する駆動力に基づいて第一軸A1を中心に揺動し、第二駆動部が発生する駆動力に基づいて第二軸A2を中心に揺動する。
【0037】
尚、第一駆動部及び第二駆動部はそれぞれ、ボイスコイルモータであって、コイルとマグネットとを有する。但し、第一駆動部及び第二駆動部は、ボイスコイルモータに限定されない。第一駆動部及び第二駆動部は、ホルダ31を、第一ベース21に対して、第一軸A1を中心に揺動させることができ、且つ、第二軸A2を中心に揺動させることができる種々の駆動部であってよい。
【0038】
制御部92(図1参照)の制御下で第一駆動部が駆動すると、ホルダ31及びプリズム22が、第一軸A1を中心に揺動する。これにより、第一軸A1を中心とした回転方向の振れが補正される。
【0039】
又、制御部92(図1参照)の制御下で第二駆動部が駆動すると、ホルダ31及びプリズム22が、第二軸A2を中心に揺動する。これにより、第二軸A2を中心とした回転方向の振れが補正される。以下、振れ補正装置3が備える各部材の具体的構造について説明する。
【0040】
ホルダ31は、可動側部材を構成する基部の一例に該当し、第一ベース21の底壁部211、左壁部212、右壁部213、及び後壁部214aにより囲まれた空間に配置されている。ホルダ31は、プリズム22(図1参照)を第一ベース21に対して揺動可能に支持している。尚、ホルダ31及びホルダ31と共に揺動する部材(例えば、後述の緩衝部材37)が、可動側部材の一例に該当する。
【0041】
ホルダ31は、第一ベース21に対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。よって、プリズム22も、第一ベース21に対して、第一軸A1を中心とした揺動可能、且つ、第二軸A2を中心とした揺動可能である。
【0042】
具体的には、ホルダ31は、合成樹脂製であって、プリズム22を搭載する搭載面310、左壁部311、右壁部312、後壁部313、及び底壁部314を有する。
【0043】
搭載面310は、前方(X方向+側)に向かうほど下方(Z方向-側)に位置するように傾斜した傾斜面である。
【0044】
左壁部311は、搭載面310の左側に設けられている。左壁部311は、第一ベース21における左壁部212の内側に配置され、左右方向(Y方向)において第一ベース21における左壁部212と対向している。
【0045】
右壁部312は、搭載面310の右側に設けられている。右壁部312は、第一ベース21における右壁部213の内側に配置され、左右方向(Y方向)において第一ベース21における右壁部213と対向している。
【0046】
後壁部313は、搭載面310の後側に設けられている。後壁部313は、第一ベース21における後壁部214aの前側に配置され、前後方向(X方向)において第一ベース21における後壁部214aと対向している。
【0047】
底壁部314は、搭載面310の下側に設けられている。底壁部314は、第一ベース21における底壁部211の上側に配置され、上下方向(Z方向)において第一ベース21における底壁部211と対向している。
【0048】
又、ホルダ31は、搭載面310の裏側で、後壁部313から搭載面の中央に向けて延在する凹部316を有する。凹部316の後端部は、後壁部313の後側面に開口している。
【0049】
又、ホルダ31は、左壁部311の左側面に、第一駆動部の左側第一マグネットを配置するための左側第一マグネット配置部311aを有する。左側第一マグネット配置部311aは、凹部により構成されている。左側第一マグネット配置部311aは、第一ベース本体210の左側第一コイル配置部(不図示)と左右方向に対向している。
【0050】
又、ホルダ31は、右壁部312の右側面に、第一駆動部の右側第一マグネットを配置するための右側第一マグネット配置部312aを有する。右側第一マグネット配置部312aは、凹部により構成されている。右側第一マグネット配置部312aは、第一ベース本体210の右側第一コイル配置部(不図示)と左右方向に対向している。
【0051】
又、ホルダ31は、左壁部311の左側面に、左側受け部を有する。左側受け部は、カメラモジュール1に落下等に基づく衝撃(以下、単に「衝撃」と称する。)が加わり、ホルダ31が左側に移動した際に、第一ベース21と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0052】
以下、左側受け部の構成について説明する。ホルダ31は、左壁部311の左側面に左側受け部311b、311cを有する。左側受け部311b、311cはそれぞれ、左壁部311の左側面から左側に突出した凸部により構成されている。
【0053】
左側受け部311bは、左壁部311の左側面における上端部に設けられている。又、左側受け部311cは、左壁部311の左側面における前端部に設けられている。
【0054】
左側受け部311bの左側面(先端面)と左側受け部311cの左側面(先端面)とは、左壁部311の左側面において左側受け部311b及び左側受け部311c以外の部分よりも、左側に位置している。左側受け部311bの左側面(先端面)と左側受け部311cの左側面(先端面)とは、XZ平面に平行な同一面上に位置している。
【0055】
尚、左側受け部311cの左側面(先端面)は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第一軸A1を中心として一方(図6における時計回りの方向)に所定量以上揺動した場合に、第一ベース21(具体的には、左壁部212の内側面)に当接して衝撃を吸収する部分でもある。
【0056】
又、ホルダ31は、右壁部312の右側面に、右側受け部を有する。右側受け部は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が右側に移動した際に、第一ベース21と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0057】
以下、右側受け部の構成について説明する。ホルダ31は、右壁部312の右側面に右側受け部312b、312cを有する。右側受け部312b、312cはそれぞれ、右壁部312の右側面から右側に突出した凸部により構成されている。
【0058】
右側受け部312bは、右壁部312の右側面における上端部に設けられている。又、右側受け部312cは、右壁部312の右側面における前端部に設けられている。
【0059】
右側受け部312bの右側面(先端面)と右側受け部312cの右側面(先端面)とは、右壁部312の右側面において右側受け部312b及び右側受け部312c以外の部分よりも、右側に位置している。右側受け部312bの右側面(先端面)と右側受け部312cの右側面(先端面)とは、XZ平面に平行な同一面上に位置している。
【0060】
尚、右側受け部312cの右側面(先端面)は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が第一軸A1を中心として他方(図6における時計回りの方向と反対方向)に所定量以上揺動した場合に、第一ベース21(具体的には、右壁部213の内側面)に当接して衝撃を受ける部分でもある。
【0061】
又、ホルダ31は、上側受け部を有する。上側受け部は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が上側に移動した際に、カバー93と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0062】
以下、上側受け部の構成について説明する。ホルダ31は、左壁部311の上側面に上側受け部311dを有する。上側受け部311dは、左壁部311の上側面から上側に突出した凸部により構成されている。上側受け部311dの上側面(先端面)は、左壁部311の上側面において上側受け部311d以外の部分よりも、上側に位置している。
【0063】
又、ホルダ31は、右壁部312の上側面に上側受け部312dを有する。上側受け部312dは、右壁部312の上側面から上側に突出した凸部により構成されている。上側受け部312dの上側面(先端面)は、右壁部312の上側面において上側受け部312d以外の部分よりも、上側に位置している。
【0064】
上側受け部311dの上側面(先端面)と上側受け部312dの上側面(先端面)とは、XY平面に平行な同一面上に位置している。
【0065】
又、ホルダ31は、底壁部314の下側面に、下側受け部を有する。下側受け部は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が下側に移動した際に、第一ベース21と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0066】
以下、下側受け部の構成について説明する。ホルダ31は、底壁部314の下側面に複数の下側受け部を有している。複数の下側受け部は、底壁部314の下側面において分散して配置されている。
【0067】
具体的には、ホルダ31は、底壁部314の下側面に、下側受け部314b、314cを有する。下側受け部314bは、底壁部314の下側面における前端部且つ左端部に設けられている。下側受け部314cは、底壁部314の下側面における前端部且つ右端部に設けられている。
【0068】
下側受け部314b、314cはそれぞれ、底壁部314の下側面から下側に突出した凸部により構成されている。
【0069】
又、ホルダ31は、底壁部314の下側面に下側受け部314d、314eを有する。下側受け部314dは、底壁部314の下側面における後端部から前後方向における中間部にかかる部分、且つ、左端部寄り部分に設けられている。
【0070】
又、下側受け部314eは、底壁部314の下側面における後端部から前後方向における中間部にかかる部分、且つ、右端部寄り部分に設けられている。換言すれば、下側受け部314d、314eは、底壁部314の下側面において、第二マグネット配置部314aを左右方向から挟む位置に設けられている。
【0071】
下側受け部314d、314eはそれぞれ、底壁部314の下側面から下側に突出した凸部により構成されている。
【0072】
下側受け部314b、314c、314d、314eの下側面(先端面)は、底壁部314の下側面において下側受け部314b、314c、314d、314e以外の部分よりも、下側に位置している。下側受け部314b、314c、314d、314eの下側面(先端面)はそれぞれ、XY平面に平行な同一面上に位置している。
【0073】
又、ホルダ31は、左壁部311の左側面に、左側保持部32Lを有する。左側保持部32Lは、後述の左側緩衝部材37Lを保持する部分である。左側保持部32Lは、左側緩衝部材37Lとの係合に基づいて、左側緩衝部材37Lを抜け止めした状態で保持している。
【0074】
以下、図5Aを参照して、左側保持部32Lの構成について説明する。左側保持部32Lは、溝部320と、貫通孔321と、を有する。左側保持部32Lは、少なくとも一つの溝部320と少なくとも一つの貫通孔321との組み合わせにより構成されている。
【0075】
溝部320は、左壁部311の左側面に設けられており、全体的に左壁部311の左側面に開口している。又、溝部320は、左壁部311の上側面に開口する上側開口部320aを有する。溝部320は、左壁部311の前側面に開口する前側開口部320b、320cを有する。前側開口部320bは、前側開口部320cよりも上側に設けられている。
【0076】
本実施形態の場合、溝部320は、前後方向に延在する前後溝部と上下方向に延在する上下溝部との組み合わせにより構成されている。以下、溝部320を構成する前後溝部及び上下溝部等の要素を溝部要素と称する。但し、溝部の形状は、本実施形態の溝部320の形状に限定されない。例えば、溝部は、斜めに延在する斜め溝部や円弧状の円弧溝部等の種々の形状の溝部を含んでも良い。この場合、斜め溝部や円弧状の円弧溝部も溝部要素に含まれる。
【0077】
貫通孔321は、ホルダ31の左壁部311において、隣り合う溝部要素の間、又は、溝部要素に隣接した位置に存在する隔壁部315a、315b、315cを貫通するように設けられている。貫通孔321は、少なくとも一端部が溝部要素に接続されている。
【0078】
本実施形態の場合、貫通孔321は、3個の貫通孔321a、321b、321cにより構成されている。但し、貫通孔の数は、特に限定されない。貫通孔は少なくとも一つ設けられていればよい。又、左側保持部の構造が、貫通孔を省略しても左側緩衝部材の抜け止めを図れる構造の場合には、貫通孔は省略されてもよい。
【0079】
貫通孔321aは、左壁部311の隔壁部315aを上下方向に貫通している。貫通孔321aは、上端部及び下端部のみが開口した貫通孔である。つまり、貫通孔321aは、左壁部311の左側面に開口していない。貫通孔321aは、隣り合う溝部要素同士を接続している。
【0080】
貫通孔321bは、左壁部311の隔壁部315bを上下方向に貫通している。貫通孔321bは、上端部及び下端部のみが開口した貫通孔である。つまり、貫通孔321bは、左壁部311の左側面に開口していない。貫通孔321bは、隣り合う溝部要素同士を接続している。
【0081】
貫通孔321cは、左壁部311の隔壁部315cを上下方向に貫通している。貫通孔321cは、上端部及び下端部のみが開口した貫通孔である。つまり、貫通孔321cは、左壁部311の左側面に開口していない。貫通孔321cの一端部(上端部)は溝部要素に接続されている。貫通孔321cの他端部(下端部)は溝部要素に接続されていない。
【0082】
本実施形態の場合、貫通孔321a、321b、321cはそれぞれ、左壁部311の隔壁部315a、315b、315cを上下方向に貫通している。つまり、貫通孔321は、同じ方向に延在する複数の貫通孔により構成されている。但し、貫通孔の形状は、本実施形態の貫通孔321の形状に限定されない。例えば、貫通孔は、左壁部の隔壁部を前後方向に貫通する構造であってもよい。又、貫通孔は、左壁部の隔壁部を斜めに貫通する構造であってもよい。貫通孔は、互いに異なる方向に延在する複数の貫通孔により構成されてもよい。
【0083】
以上のような構成を有する左側保持部32Lには、後述の左側緩衝部材37Lが保持されている。この状態で、左側緩衝部材37Lは、左側保持部32Lにより、前後方向、左右方向、及び上下方向への抜け止めを図られている。
【0084】
又、ホルダ31は、右壁部312の右側面に、右側保持部32Rを有する。右側保持部32Rは、後述の右側緩衝部材37Rを保持する部分である。右側保持部32Rは、右側緩衝部材37Rとの係合に基づいて、右側緩衝部材37Rを抜け止めした状態で保持している。
【0085】
以下、図5Bを参照して右側保持部32Rの構成について説明する。右側保持部32Rは、溝部320と、貫通孔321と、を有する。右側保持部32Rは、少なくとも一つの溝部320と少なくとも一つの貫通孔321との組み合わせにより構成されている。本実施形態の場合、右側保持部32Rの形状は、左右方向において、左側保持部32Lと対称になる形状である。
【0086】
溝部320は、右壁部312の右側面に設けられており、全体的に右壁部312の右側面に開口している。又、溝部320は、右壁部312の上側面に開口する上側開口部320aを有する。溝部320は、右壁部312の前側面に開口する前側開口部320b、320cを有する。前側開口部320bは、前側開口部320cよりも上側に設けられている。
【0087】
貫通孔321は、ホルダ31の右壁部312において、隣り合う溝部要素の間、又は、溝部要素に隣接した位置に存在する隔壁部315a、315b、315cを貫通するように設けられている。貫通孔321は、少なくとも一端部が溝部要素に接続されている。尚、溝部要素の定義に関しては、左側保持部32Lの溝部要素の定義と同様である。
【0088】
本実施形態の場合、貫通孔321は、3個の貫通孔321a、321b、321cにより構成されている。但し、貫通孔の数は、特に限定されない。貫通孔は少なくとも一つ設けられていればよい。又、右側保持部の構造が、貫通孔を省略しても右側緩衝部材の抜け止めを図れる構造の場合には、貫通孔は省略されてもよい。
【0089】
貫通孔321aは、右壁部312の隔壁部315aを上下方向に貫通している。貫通孔321aは、上端部及び下端部のみが開口した貫通孔である。つまり、貫通孔321aは、右壁部312の右側面に開口していない。貫通孔321aは、隣り合う溝部要素同士を接続している。
【0090】
貫通孔321bは、右壁部312の隔壁部315bを上下方向に貫通している。貫通孔321bは、上端部及び下端部のみが開口した貫通孔である。つまり、貫通孔321bは、右壁部312の右側面に開口していない。貫通孔321bは、隣り合う溝部要素同士を接続している。
【0091】
貫通孔321cは、右壁部312の隔壁部315cを上下方向に貫通している。貫通孔321cは、上端部及び下端部のみが開口した貫通孔である。つまり、貫通孔321cは、右壁部312の右側面に開口していない。貫通孔321cの一端部(上端部)は溝部要素に接続されている。貫通孔321cの他端部(下端部)は溝部要素に接続されていない。
【0092】
本実施形態の場合、貫通孔321は、右壁部の隔壁部を上下方向に貫通している。つまり、貫通孔321は、同じ方向に延在する複数の貫通孔により構成されている。但し、貫通孔の形状は、本実施形態の貫通孔321の形状に限定されない。例えば、貫通孔は、右壁部の隔壁部を前後方向に貫通する構造であってもよい。又、貫通孔は、右壁部の隔壁部を斜めに貫通する構造であってもよい。貫通孔は、互いに異なる方向に延在する複数の貫通孔により構成されてもよい。
【0093】
以上のような構成を有する右側保持部32Rには、後述の右側緩衝部材37Rが保持されている。この状態で、右側緩衝部材37Rは、右側保持部32Rにより、前後方向、左右方向、及び上下方向への抜け止めを図られている。
【0094】
又、ホルダ31は、図7に示すように、下側面に、第二駆動部の第二マグネットを配置するための第二マグネット配置部314aを有する。第二マグネット配置部314aは、凹部により構成されている。第二マグネット配置部314aは、第一ベース本体210の第二コイル配置部(不図示)と上下方向に対向している。第一ベース本体210の第二コイル配置部には、第二駆動部を構成する第二コイル(不図示)が配置されている。
【0095】
ホルダ31は、図2及び図8に示すように、後側面に、凹部316を有する。凹部316は、ホルダ31の後側面から前方に向かって延在している。換言すれば、凹部316は、ホルダ31の後側面から搭載面310の中央部に向かって延在している。凹部316には、第一ベース21の支持部214bが挿入されている。
【0096】
以上のような構成を有するホルダ31は、第一ベース21に収容されている。この状態で、ホルダ31は、第一ベース21に対する揺動可能な状態で、揺動支持部33により第一ベース21に支持されている。
【0097】
次に、図11及び図12を主に参照して、緩衝部材37について説明する。緩衝部材37は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が所定量以上揺動した場合に、第一ベース21に当接して衝撃を吸収する。この結果、緩衝部材37は、ホルダ31及び第一ベース21の損傷を抑制する。又、緩衝部材37は、異音の抑制にも寄与する。又、緩衝部材37は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が移動した際に、第一ベース21又はカバー93と当接して、当接による衝撃を吸収することもある。
【0098】
緩衝部材37は、左側緩衝部材37Lと右側緩衝部材37Rにより構成されている。左側緩衝部材37Lと右側緩衝部材37Rとは、互いに左右対称な形状を有する。
【0099】
左側緩衝部材37Lは、エラストマー等の弾性材料により構成された一体成形品であり、ホルダ31の左側保持部32Lに、抜け止めされた状態で保持されている。左側緩衝部材37Lは、左側保持部32Lの溝部320に保持される部分と、左側保持部32Lの貫通孔321に保持される部分と、を有する。
【0100】
具体的には、右側緩衝部材37Rは、左側保持部32L(図5A参照)の溝部320に保持される第一被保持部371と、左側保持部32Lの貫通孔321a、321b、321cに保持される第二被保持部372a、372b、372cと、を有する。第一被保持部371と第二被保持部372a、372b、372cとは一体に形成されている。
【0101】
第一被保持部371は、左側保持部32Lの溝部320を構成する溝部要素に沿う形状を有する複数の第一被保持部要素の組み合わせにより構成されている。このような第一被保持部371は、左側保持部32Lの溝部320に沿う形状を有しており、左側保持部32Lの溝部320に隙間のない状態で保持されている(嵌め込まれている)。
【0102】
第二被保持部372a、372b、372cはそれぞれ、第一被保持部371を構成する第一被保持部要素同士を接続している。第二被保持部372a、372b、372cの厚さ寸法は、第一被保持部371の厚さ寸法よりも小さい。
【0103】
第二被保持部372aは、左壁部311の貫通孔321aの内側に配置されている。第二被保持部372aの外周面と左壁部311の貫通孔321aの内周面とは隙間なく接触している。この状態で、第二被保持部372aは、貫通孔321aにより前後方向及び左右方向に抜け止めされている。
【0104】
第二被保持部372bは、左壁部311の貫通孔321bの内側に配置されている。第二被保持部372bの外周面と左壁部311の貫通孔321bの内周面とは隙間なく接触している。この状態で、第二被保持部372bは、貫通孔321bにより前後方向及び左右方向に抜け止めされている。
【0105】
第二被保持部372cは、左壁部311の貫通孔321cの内側に配置されている。第二被保持部372cの外周面と左壁部311の貫通孔321cの内周面とは隙間なく接触している。この状態で、第二被保持部372cは、貫通孔321cにより前後方向及び左右方向に抜け止めされている。
【0106】
又、左側緩衝部材37Lは、上端部に、上側受け部373を有する。上側受け部373は、ホルダ31の左側保持部32Lにおける上側開口部320aから上方に突出した部分である。
【0107】
上側受け部373の上側面は、ホルダ31の上側受け部311dの上側面とXY平面に平行な同一面上に位置している、又は、ホルダ31の上側受け部311dよりも僅かに下方に位置している。このような上側受け部373は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が上側に移動した際に、カバー93と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0108】
又、左側緩衝部材37Lは、左側面に、左側受け部374を有する。左側受け部374の左側面は、ホルダ31における左壁部311の左側面よりも左側に突出している。左側受け部374は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が左側に移動した際に、第一ベース21と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0109】
又、左側緩衝部材37Lは、前端部に、前側受け部377、378を有する。前側受け部377は、ホルダ31の左側保持部32Lにおける前側開口部320bから前方に突出した部分である。
【0110】
前側受け部377の前側面は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2を中心として一方(図2における時計回りの方向)に所定量以上揺動した場合に、第一ベース21のベース側受け部212aに当接して衝撃を吸収する部分である。又、前側受け部377は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として一方に揺動した際に、第一ベース21のベース側受け部212aに当接して、当接による衝撃を吸収する部分でもある。
【0111】
前側受け部378は、ホルダ31の左側保持部32Lにおける前側開口部320cから前方に突出した部分である。
【0112】
前側受け部378の前側面は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2を中心として他方(図2における時計回りの方向と反対方向)に所定量以上揺動した場合に、第一ベース21のベース側受け部212aに当接して衝撃を吸収する部分である。又、前側受け部378は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として他方に揺動した際に、第一ベース21のベース側受け部212aに当接して、当接による衝撃を吸収する部分でもある。尚、前側受け部377、378の具体的な構造については、右側緩衝部材37Rの構成の説明の後に説明する。
【0113】
右側緩衝部材37Rは、エラストマー等の弾性材料により構成された一体成形品であり、ホルダ31の右側保持部32Rに、抜け止めされた状態で保持されている。右側緩衝部材37Rは、右側保持部32Rの溝部320に保持される部分と、右側保持部32Rの貫通孔321に保持される部分と、を有する。
【0114】
具体的には、右側緩衝部材37Rは、右側保持部32R(図5B参照)の溝部320に保持される第一被保持部371と、右側保持部32Rの貫通孔321a、321b、321cに保持される第二被保持部372a、372b、372cと、を有する。第一被保持部371と第二被保持部372a、372b、372cとは一体に形成されている。
【0115】
第一被保持部371は、右側保持部32Rの溝部320を構成する溝部要素に沿う形状を有する複数の第一被保持部要素の組み合わせにより構成されている。このような第一被保持部371は、右側保持部32Rの溝部320に沿う形状を有しており、右側保持部32Rの溝部320に隙間のない状態で保持されている(嵌め込まれている)。
【0116】
第二被保持部372a、372b、372cはそれぞれ、第一被保持部371を構成する第一被保持部要素同士を接続している。第二被保持部372a、372b、372cの厚さ寸法は、第一被保持部371の厚さ寸法よりも小さい。
【0117】
第二被保持部372aは、右壁部312の貫通孔321aの内側に配置されている。第二被保持部372aの外周面と右壁部312の貫通孔321aの内周面とは隙間なく接触している。この状態で、第二被保持部372aは、貫通孔321aにより前後方向及び左右方向に抜け止めされている。
【0118】
第二被保持部372bは、右壁部312の貫通孔321bの内側に配置されている。第二被保持部372bの外周面と右壁部312の貫通孔321bの内周面とは隙間なく接触している。この状態で、第二被保持部372bは、貫通孔321bにより前後方向及び左右方向に抜け止めされている。
【0119】
第二被保持部372cは、右壁部312の貫通孔321cの内側に配置されている。第二被保持部372cの外周面と右壁部312の貫通孔321cの内周面とは隙間なく接触している。この状態で、第二被保持部372cは、貫通孔321cにより前後方向及び左右方向に抜け止めされている。
【0120】
又、右側緩衝部材37Rは、上端部に、上側受け部373を有する。上側受け部373は、左側緩衝部材37Lのうち、右側保持部32Rの溝部320における上側開口部320aから上方に突出した部分である。
【0121】
上側受け部373の上側面は、ホルダ31の上側受け部312dの上側面とXY平面に平行な同一面上に位置している、又は、ホルダ31の上側受け部312dよりも僅かに下方に位置している。このような上側受け部373は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が上側に移動した際に、カバー93と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0122】
又、右側緩衝部材37Rは、右側面に、右側受け部376を有する。右側受け部376の右側面は、ホルダ31における右壁部312の右側面よりも右側に突出している。このような右側受け部376は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が右側に移動した際に、第一ベース21と当接して、当接による衝撃を受ける部分である。
【0123】
又、右側緩衝部材37Rは、前端部に、前側受け部377、378を有する。前側受け部377は、ホルダ31の右側保持部32Rにおける前側開口部320bから前方に突出している。
【0124】
前側受け部377の前側面は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2を中心として一方(図2における時計回りの方向と反対方向)に所定量以上揺動した場合に、第一ベース21のベース側受け部213aに当接して衝撃を吸収する部分である。又、前側受け部377は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として一方に揺動した際に、第一ベース21のベース側受け部213aに当接して、当接による衝撃を吸収する部分でもある。
【0125】
前側受け部378は、ホルダ31の右側保持部32Rにおける前側開口部320cから前方に突出した部分である。
【0126】
前側受け部378の前側面は、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2を中心として他方(図2における時計回りの方向)に所定量以上揺動した場合に、第一ベース21のベース側受け部213aに当接して衝撃を吸収する部分である。又、前側受け部378は、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として他方に揺動した際に、第一ベース21のベース側受け部213aに当接して、当接による衝撃を吸収する部分でもある。
【0127】
ここで、図11図12図14A、及び図14Bを参照して、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前側受け部377、378の具体的な構成について説明する。
【0128】
図14Aは、図11及び図12に示された前側受け部377、378を模式的に示した模式図である。図14Aには、ホルダ31の一部(左壁部311の前端部及び右壁部312の前端部)も、模式的に示されている。又、図14Aには、第一ベース21の一部(ベース側受け部212a及びベース側受け部213a)も、模式的に示されている。
【0129】
具体的には、前側受け部377、378はそれぞれ、第一緩衝面379aと、第二緩衝面379bと、を有する。
【0130】
第一緩衝面379aは、YZ平面に平行な面であり、前側を向いている。第一緩衝面379aは、光路屈曲モジュール2が揺動していない中立状態で、前後方向において、ベース側受け部212a、213aと第一距離D1を介して対面している。第一緩衝面379aは、光路屈曲モジュール2の通常動作の際、ベース側受け部212a、213aに当接可能である。
【0131】
第一緩衝面379aは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部に設けられた凸部379cの先端面に設けられている。凸部379cは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部から前方に突出している。
【0132】
第二緩衝面379bは、YZ平面に平行な面であり、前側を向いている。第二緩衝面379bは、光路屈曲モジュール2が揺動していない中立状態で、前後方向において、ベース側受け部212a、213aと第二距離D2を介して対面している。第二距離D2は、第一距離D1よりも大きい(D2>D1)。第二緩衝面379bは、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として揺動した際に、ベース側受け部212a、213aに当接可能である。
【0133】
第二緩衝面379bは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部において凸部379cの周囲に存在する凹部379dの底部により構成されている。第二緩衝面379bと第一緩衝面379aとは、凸部379cの外周面により構成された段部379eにより接続されている。
【0134】
尚、凹部379dは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部において凸部379cを囲むように設けられた部分であり、凸部379cよりも後側(つまり、ベース側受け部212a、213aから遠い側)に位置している部分を意味する。
【0135】
次に、上述の前側受け部377、378の作用について説明する。先ず、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2を中心として一方(図2における時計回りの方向)に所定量以上揺動した場合に、前側受け部377の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接する。この際、前側受け部377の凸部379cは潰れるが、前側受け部377の第二緩衝面379bは、ベース側受け部212a、213aに当接しない。
【0136】
本実施形態の場合、光路屈曲モジュール2の通常動作において前側受け部377の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接したとしても、前側受け部377の第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接しないように、凸部379cの硬さや高さが設定されている。
【0137】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として一方に揺動した場合、先ず、前側受け部377の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接する。そして、図14Bに示すように、凸部379cが潰れて前側受け部377の第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接する。この状態で、前側受け部377の第一緩衝面379a及び第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接する。その後、第一緩衝面379a及び第二緩衝面379bが潰れて、第一緩衝面379a及び第二緩衝面379bにより衝撃が吸収される。
【0138】
本実施形態の場合、カメラモジュール1に衝撃が加わり、前側受け部377の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接した後に、前側受け部377の第二緩衝面379bがベース側受け部212a、213aに当接するように、凸部379cの硬さや高さが設定されている。
【0139】
尚、カメラモジュール1に加わる衝撃の大きさによっては、前側受け部377の第一緩衝面379aのみがベース側受け部212a、213aに当接し、前側受け部377の第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接しないこともある。
【0140】
又、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2を中心として他方(図2における時計回りの方向)に所定量以上揺動した場合に、前側受け部378の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接する。この際、前側受け部378の凸部379cは潰れるが、前側受け部378の第二緩衝面379bは、ベース側受け部212a、213aに当接しない。
【0141】
本実施形態の場合、光路屈曲モジュール2の通常動作において前側受け部378の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接したとしても、前側受け部378の第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接しないように、凸部379cの硬さや高さが設定されている。
【0142】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として一方に揺動した場合、先ず、前側受け部378の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接する。そして、図14Bに示すように、凸部379cが潰れて前側受け部378の第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接する。その後、第一緩衝面379a及び第二緩衝面379bが潰れて、第一緩衝面379a及び第二緩衝面379bにより衝撃が吸収される。
【0143】
本実施形態の場合、カメラモジュール1に衝撃が加わり、前側受け部378の第一緩衝面379aがベース側受け部212a、213aに当接した後に、前側受け部378の第二緩衝面379bがベース側受け部212a、213aに当接するように、凸部379cの硬さや高さが設定されている。
【0144】
尚、カメラモジュール1に加わる衝撃の大きさによっては、前側受け部378の第一緩衝面379aのみがベース側受け部212a、213aに当接し、前側受け部378の第二緩衝面379bが、ベース側受け部212a、213aに当接しないこともある。
【0145】
以上、前側受け部377、378の構成について説明したが、前側受け部の構成は、上述の構成に限定されない。例えば、図15は、前側受け部377A、378Aの変形例を示す模式図である。
【0146】
前側受け部377A、378Aはそれぞれ、第一緩衝面379fと、第二緩衝面379gと、を有する。
【0147】
第一緩衝面379fは、YZ平面に平行な面であり、前側を向いている。第一緩衝面379fは、光路屈曲モジュール2が揺動していない中立状態で、前後方向において、ベース側受け部212a、213aと第一距離D1を介して対面している。第一緩衝面379fは、光路屈曲モジュール2の通常動作の際、ベース側受け部212a、213aに当接可能である。
【0148】
第一緩衝面379fは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部に設けられた直方体状の凸部379hの先端面に設けられている。本実施形態の場合、第一緩衝面379fは矩形枠である。凸部379hは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部から前方に突出している。尚、第一緩衝面379fの形状は、矩形枠に限定されない。第一緩衝面379fの形状は、凸部379hの形状に応じた種々の形状であってよい。
【0149】
第二緩衝面379gは、YZ平面に平行な面であり、前側を向いている。第二緩衝面379gは、光路屈曲モジュール2が揺動していない中立状態で、前後方向において、ベース側受け部212a、213aと第二距離D2を介して対面している。第二距離D2は、第一距離D1よりも大きい(D2>D1)。第二緩衝面379gは、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として揺動した際に、ベース側受け部212a、213aに当接可能である。
【0150】
第二緩衝面379gは、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rの前端部において凸部379hに囲まれた凹部379iの底部により構成されている。第二緩衝面379gと第一緩衝面379fとは、凸部379hの内周面により構成された段部379jにより接続されている。
【0151】
上述のような前側受け部377A、378Aの作用については、上述した前側受け部377、378と同様である。
【0152】
次に、揺動支持部33について説明する。揺動支持部33は、図2に示すように、第一ベース21の支持部214b、ボール331、ホルダ31の凹部316、及び付勢ばね(不図示)により構成されている。
【0153】
図2に示すように、支持部214bは、凹部316に挿入されている。又、支持部214bの先端面と凹部316の奥端面との間に、ボール331が配置されている。
【0154】
付勢ばねは、ホルダ31の後側面と、第一ベース21の支持壁部214との間に設けられている。付勢ばねは、ホルダ31を後方に付勢するためのものである。換言すれば、付勢ばねは、凹部316を支持部214bに向かって付勢している。よって、ボール331は、凹部316と支持部214bとの間で挟持されている。
【0155】
レンズモジュール4は、カバー93と、第二ベース(不図示)と、レンズ部41と、AF装置(不図示)と、を備える。カバー93は、光路屈曲モジュール2のカバー93と共通のカバーである。本実施形態の場合、第二ベースは、光路屈曲モジュール2の第一ベース21と一体に形成されている。
【0156】
レンズ部41は、レンズガイド(不図示)に保持された状態で、カバー93と第二ベースとの間に存在する収容空間に配置されている。レンズ部41は、レンズバレル42及びレンズバレル42に保持された1以上のレンズ43を有する。レンズ部41は、レンズガイドを介して、X方向に変位可能に、第二ベースに支持されている。
【0157】
AF装置は、駆動部であって、オートフォーカスを目的として、レンズ部41をX方向に変位させる。尚、AF装置の構造は、特に限定されない。例えば、モータ(不図示)と、モータの回転運動を変換機構によりX方向の直線運動に変換して、レンズ部41をX方向に移動させるようなAF装置であってよい。
【0158】
撮像素子モジュール9は、レンズ部41よりもX方向+側に配置されている。撮像素子モジュール9は、例えばCCD(charge-coupled device)型イメージセンサー、CMOS(complementary metal oxide semiconductor)型イメージセンサー等の撮像素子を含んで構成される。撮像素子モジュール9の撮像素子は、レンズ部41により結像された被写体像を撮像し、被写体像に対応する電気信号を出力する。撮像素子モジュール9にはセンサ基板91が電気的に接続され、センサ基板91を介して撮像素子モジュール9への給電及び撮像素子モジュール9で撮像された被写体像の電気信号の出力が行われる。このような撮像素子モジュール9は、従来から知られている構造のものを採用できる。
【0159】
(本実施形態の作用・効果について)
以上のような構成を有する本実施形態に係るカメラモジュール1によれば、可動側部材と固定側部材とが衝突した際の衝撃を吸収することにより、可動側部材及び固定側部材の損傷の発生、及び、異音の発生を抑制できる。
【0160】
具体的には、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2(図2参照)を中心として一方(図2の時計周りの方向と反対方向)に所定量以上揺動した場合、左側緩衝部材37Lの前側受け部377と、右側緩衝部材37Rの前側受け部377とが、ホルダ31よりも先に第一ベース21に衝突して、衝突の際の衝撃を吸収する。この結果、衝突によって生じる異音の発生を抑制できる。
【0161】
又、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第二軸A2(図2参照)を中心として他方(図2の時計周りの方向)に所定量以上揺動した場合、左側緩衝部材37Lの前側受け部378と、右側緩衝部材37Rの前側受け部377とが、ホルダ31よりも先に第一ベース21に衝突して、衝突の際の衝撃を吸収する。この結果、衝突によって生じる異音の発生を抑制できる。
【0162】
又、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第一軸A1(図6参照)を中心として一方(図6の時計周りの方向)に所定量以上揺動した場合、ホルダ31の左側受け部311bが第一ベース21に衝突して、衝突の際の衝撃を受ける。このような衝突の際の衝撃は、光路屈曲モジュール2の通常動作において生じる衝撃よりも大きい。このため、本実施形態の場合、緩衝部材37と比べて硬い左側受け部311bにより、衝突の際の衝撃を受けるように構成している。
【0163】
又、光路屈曲モジュール2の通常動作においてホルダ31が、第一軸A1(図6参照)を中心として他方(図6の時計周りの方向と反対方向)に所定量以上揺動した場合、ホルダ31の右側受け部312cが第一ベース21に衝突して、衝突の際の衝撃を受ける。
【0164】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として一方(図2における時計回りの方向と反対方向)に揺動した場合、左側緩衝部材37Lの前側受け部377及び右側緩衝部材37Rの前側受け部377が、ホルダ31よりも先に第一ベース21のベース側受け部212a及びベース側受け部213aに当接して、当接による衝撃を吸収する。
【0165】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が第二軸A2を中心として他方(図2における時計回りの方向)に揺動した場合、左側緩衝部材37Lの前側受け部378及び右側緩衝部材37Rの前側受け部378が、ホルダ31よりも先に第一ベース21のベース側受け部212a及びベース側受け部213aに当接して、当接による衝撃を吸収する。
【0166】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が左側に移動した場合、ホルダ31の左側受け部311b、ホルダ31の左側受け部311c、及び左側緩衝部材37Lの左側受け部374のうちの少なくとも一つの受け部が第一ベース21に衝突する。尚、第一ベース21と当接する受け部の位置は、ホルダ31の移動状況により異なる。
【0167】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が右側に移動した場合、ホルダ31の右側受け部312b、ホルダ31の右側受け部312c、及び右側緩衝部材37Rの右側受け部376のうちの少なくとも一つの受け部が第一ベース21に衝突する。尚、第一ベース21と当接する受け部の位置は、ホルダ31の移動状況により異なる。
【0168】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が上側に移動した場合、ホルダ31の上側受け部311d、ホルダ31の上側受け部312d、左側緩衝部材37Lの上側受け部373、及び右側緩衝部材37Rの上側受け部373のうちの少なくとも一つの受け部がカバー93に衝突する。尚、第一ベース21と当接する受け部の位置は、ホルダ31の移動状況により異なる。
【0169】
又、カメラモジュール1に衝撃が加わり、ホルダ31が下側に移動した場合、ホルダ31の下側受け部314b、314c、314d、314eのうちの少なくとも一つの受け部が第一ベース21に衝突する。尚、第一ベース21と当接する受け部の位置は、ホルダ31の移動状況により異なる。
【0170】
又、本実施形態に係るカメラモジュール1の場合、緩衝部材37の左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rがホルダ31に抜け止めされた状態で保持されている。特に、左側緩衝部材37L及び右側緩衝部材37Rは、ホルダ31により、X方向、Y方向、及びZ方向の抜け止めを図られている。このため、緩衝部材37のホルダ31からの脱落を抑制できる。
【0171】
又、光路屈曲モジュール2の通常動作におけるホルダ31と第一ベース21との衝突の力(以下、「通常動作時の衝突力」と称する。)は、カメラモジュール1に衝撃が加わった際のホルダ31と第一ベース21との衝突の力(以下、「衝撃に基づく衝突力」と称する。)と比べて小さい。このため、前側受け部377、378は、衝撃に基づく衝突力を吸収できるだけの衝撃吸収力を具備する必要がある。しかしながら、衝撃に基づく衝突力を基準として前側受け部377、378を設計すると、前側受け部377、378の性能(形状及び重量等)は、通常動作時の衝突力に対してオーバースペックになってしまう。この結果、前側受け部377、378が大型化及び重量化してしまう可能性がある。
【0172】
これに対して、本実施形態の場合、前側受け部377、378は、通常動作時の衝突力を第一緩衝面379aのみで吸収し、衝撃に基づく衝突力を第一緩衝面379a及び第二緩衝面379bで吸収できるように設計されている。つまり、前側受け部377、378は、通常動作時の衝突力に応じた性能と、衝撃に基づく衝突力に応じた性能との両方を具備している。この結果、本実施形態によれば、前側受け部377、378の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0173】
(付記)
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0174】
上述の実施形態では、緩衝部材が光路屈曲モジュールに設けられた例について説明した。但し、緩衝部材は、レンズモジュールに設けられてもよい。この場合、光学アクチュエータの一態様は、下記のように構成される。
【0175】
光学素子(レンズ)を駆動部(AFアクチュエータ又は振れ補正用アクチュエータ)により移動させる光学アクチュエータであって、
光学素子(レンズ)を保持する可動側部材(レンズガイド)と、
可動側部材を移動可能に支持する固定側部材(第二ベース)と、
可動側部材(レンズガイド)に設けられた緩衝部材と、を有し、
緩衝部材は、互いに異なる距離で固定側部材(第二ベース)と対向した第一緩衝面及び第二緩衝面を有し、
光学アクチュエータの通常動作の際、第一緩衝面が固定側部材(第二ベース)に当接可能であり、
光学アクチュエータが衝撃を受けた際、第一緩衝面及び前記第二緩衝面が固定側部材(第二ベース)に当接可能である。
【0176】
又、緩衝部材の構造は、上述の実施形態の緩衝部材37に限定されない。緩衝部材の構造は、図14A及び図14Bを参照して説明した前側受け部377、378と同等の機能を有する種々の構造であってよい。又、上述の実施形態では、緩衝部材37の前側受け部377、378にのみ第一緩衝面及び第二緩衝面に関する構成を適用している。但し、第一緩衝面及び第二緩衝面に関する構成は、緩衝部材において、光学アクチュエータの通常動作において固定側部材に当接可能であり、且つ、光学アクチュエータが衝撃を受けた際に固定側部材に当接可能な、種々の部分に適用可能である。
【0177】
又、上述の各実施形態では、カメラモジュール1を備えるカメラ搭載装置の一例として、カメラ付き携帯端末であるスマートフォンM(図16A及び図16B参照)を挙げて説明したが、本発明は、カメラモジュールとカメラモジュールで得られた画像情報を処理する画像処理部を有するカメラ搭載装置に適用できる。カメラ搭載装置は、情報機器及び輸送機器を含む。情報機器は、例えば、カメラ付き携帯電話機、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、webカメラ、及びカメラ付き車載装置(例えば、バックモニター装置、ドライブレコーダー装置)を含む。又、輸送機器は、例えば自動車を含む。
【0178】
図17A及び図17Bは、車載用カメラモジュールVC(Vehicle Camera)を搭載するカメラ搭載装置としての自動車Vを示す図である。図17Aは自動車Vの正面図であり、図17Bは自動車Vの後方斜視図である。自動車Vは、車載用カメラモジュールVCとして、実施の形態で説明したカメラモジュール1を搭載する。図17A及び図17Bに示すように、車載用カメラモジュールVCは、例えば前方に向けてフロントガラスに取り付けられたり、後方に向けてリアゲートに取り付けられたりする。この車載用カメラモジュールVCは、バックモニター用、ドライブレコーダー用、衝突回避制御用、及び自動運転制御用等として使用される。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明に係る光学アクチュエータ及びカメラモジュールは、たとえば、スマートフォン、携帯電話機、デジタルカメラ、ノート型パソコン、タブレット端末、携帯型ゲーム機、車載カメラなどの薄型のカメラ搭載装置に搭載できる。
【符号の説明】
【0180】
1 カメラモジュール
2 光路屈曲モジュール
21 第一ベース
210 第一ベース本体
211 底壁部
212 左壁部
212a ベース側受け部
213 右壁部
213a ベース側受け部
214 支持壁部
214a 後壁部
214b 支持部
22 プリズム
3 振れ補正装置
31 ホルダ
310 搭載面
311 左壁部
311a 左側第一マグネット配置部
311b、311c 左側受け部
311d 上側受け部
312 右壁部
312a 右側第一マグネット配置部
312b、312c 右側受け部
312d 上側受け部
313 後壁部
314 底壁部
314a 第二マグネット配置部
314b、314c、314d、314e 下側受け部
315a、315b、315c 隔壁部
316 凹部
32L 左側保持部
32R 右側保持部
320 溝部
320a 上側開口部
320b、320c 前側開口部
321、321a、321b、321c 貫通孔
33 揺動支持部
331 ボール
37 緩衝部材
37L 左側緩衝部材
37R 右側緩衝部材
371 第一被保持部
372a、372b、372c 第二被保持部
373 上側受け部
374 左側受け部
377、377A 前側受け部
378、378A 前側受け部
379a、379f 第一緩衝面
379b、379g 第二緩衝面
379c、379h 凸部
379d、379i 凹部
379e、379j 段部
376 右側受け部
4 レンズモジュール
41 レンズ部
42 レンズバレル
43 レンズ
9 撮像素子モジュール
90 撮像素子
91 センサ基板
92 制御部
93 カバー
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B