(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】車両用照明装置、および車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 43/20 20180101AFI20240522BHJP
F21S 43/145 20180101ALI20240522BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240522BHJP
F21W 103/55 20180101ALN20240522BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240522BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20240522BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20240522BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20240522BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20240522BHJP
F21W 103/40 20180101ALN20240522BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240522BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240522BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240522BHJP
【FI】
F21S43/20
F21S43/145
F21S43/14
F21W103:55
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:00
F21W103:45
F21W103:40
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019214993
(22)【出願日】2019-11-28
【審査請求日】2022-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】上野 岬
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-106259(JP,A)
【文献】特表2009-534799(JP,A)
【文献】特開2019-004134(JP,A)
【文献】特開2019-149282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/20
F21S 43/145
F21S 43/14
F21W 103/55
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/00
F21W 103/45
F21W 103/40
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;
前記基板の上に設けられた枠部と;
前記基板の上の、前記枠部の内側の領域に設けられた少なくとも1つの発光素子と;
前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;
前記封止部の上に設けられた光学要素と;
を具備し、
前記光学要素の、前記封止部側の第1の面の算術平均粗さの値は、前記光学要素の、前記第1の面とは反対側の第2の面の算術平均粗さの値よりも大きく、
前記第1の面の算術平均粗さは、0.3μm以上、2.0μm以下であ
り、
前記第2の面の算術平均粗さは、0.2μm以下である車両用照明装置。
【請求項2】
ソケットと;
前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;
前記基板の上に設けられた枠部と;
前記基板の上の、前記枠部の内側の領域に設けられた少なくとも1つの発光素子と;
前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;
前記封止部の上に設けられた光学要素と;
を具備し、
前記光学要素の、前記封止部側の第1の面の算術平均粗さの値は、前記光学要素の、前記第1の面とは反対側の第2の面の算術平均粗さの値よりも大きく、
前記光学要素は、
板状を呈するフランジと;
前記フランジの、前記封止部側に突出した第1の光学部と;
前記フランジの、前記封止部側とは反対側に突出した第2の光学部と;
を有し、
前記第1の光学部の外面は、前記第1の面であり、
前記第2の光学部の外面は、前記第2の面であり、
前記フランジの、前記第1の光学部側の面の算術平均粗さ、および、前記フランジの、前記第2の光学部側の面の算術平均粗さ、の少なくともいずれかは、0.3μm以上、2.0μm以下であ
り、
前記第2の面の算術平均粗さは、0.2μm以下である車両用照明装置。
【請求項3】
前記第1の面の算術平均粗さは、0.3μm以上、2.0μm以下である請求項2記載の車両用照明装置。
【請求項4】
前記第1の面に設けられた複数の凹部の内部には、前記封止部の一部が設けられている請求項1~3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車両用照明装置、および車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
省エネルギー化や長寿命化などの観点から、フィラメントを備えた車両用照明装置に代えて発光ダイオードを備えた車両用照明装置の普及が進んでいる。
また、車両用照明装置の小型化を図るために、チップ状の複数の発光ダイオードを用いる場合がある。複数の発光ダイオードは、基板の上に実装される。また、基板の上には、複数の発光ダイオードを囲む枠部と、枠部の内側に設けられ、複数の発光ダイオードを覆う封止部と、が設けられる。
【0003】
またさらに、光の取り出し効率を高めたり、所望の配光特性を得やすくしたりするために、封止部の上にレンズを設ける技術が提案されている。レンズを封止部の上に設ける際には、バキュームチャックなどによりレンズを保持し、封止部の上にレンズを載置するようにしている。
【0004】
ここで、レンズは透光性を有する材料から形成されるが、製造コストを考慮すると、透光性樹脂から形成するのが好ましい。ところが、透光性樹脂はタック性(粘着性)を有する場合がある。レンズのタック性が強くなると、バキュームチャックなどからの離脱が阻害され、レンズの載置位置がズレるおそれがある。レンズの載置位置がズレると、所望の配光特性などが得られなくなるおそれがある。また、複数のレンズを集積したり、搬送したりする際に、レンズ同士がくっついたり、レンズがトレイなどの収納部材にくっついたりする場合もある。
そこで、レンズなどの光学要素のタック性を抑制することができる技術の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、光学要素のタック性を抑制することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る車両用照明装置は、ソケットと;前記ソケットの一方の端部側に設けられた基板と;前記基板の上に設けられた枠部と;前記基板の上の、前記枠部の内側の領域に設けられた少なくとも1つの発光素子と;前記枠部の内側に設けられ、前記発光素子を覆う封止部と;前記封止部の上に設けられた光学要素と;を具備している。前記光学要素の、前記封止部側の第1の面の算術平均粗さの値は、前記光学要素の、前記第1の面とは反対側の第2の面の算術平均粗さの値よりも大きく、前記第1の面の算術平均粗さは、0.3μm以上、2.0μm以下である。前記第2の面の算術平均粗さは、0.2μm以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、光学要素のタック性を抑制することができる車両用照明装置、および車両用灯具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る車両用照明装置を例示するための模式斜視図である。
【
図2】
図1における車両用照明装置のA-A線断面図である。
【
図3】(a)は、光学要素を例示するための模式側面図である。(b)は、(a)における光学要素のB部の模式拡大図である。
【
図4】(a)~(c)は、光学要素のタック性を例示するための模式部分断面図である。
【
図5】(a)、(b)は、他の実施形態に係る光学要素を例示するための模式図である。
【
図6】車両用灯具を例示するための模式部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0011】
(車両用照明装置)
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイタイムランニングランプ(DRL:Daytime Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る車両用照明装置1を例示するための模式斜視図である。
図2は、
図1における車両用照明装置1のA-A線断面図である。
図1および
図2に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、給電部30、および伝熱部40を設けることができる。
【0013】
ソケット10は、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有することができる。
装着部11は、フランジ13の、放熱フィン14が設けられる側とは反対側の面に設けることができる。装着部11の外形形状は、柱状とすることができる。装着部11の外形形状は、例えば、円柱状である。装着部11は、フランジ13側とは反対側の端部に開口する凹部11aを有することができる。
【0014】
装着部11には、少なくとも1つのスリット11bを設けることができる。スリット11bの内部には、基板21の角部を設けることができる。装着部11の周方向におけるスリット11bの寸法(幅)は、基板21の角部の寸法よりも僅かに大きくすることができる。この様にすれば、スリット11bの内部に基板21の角部を挿入することで、基板21の位置決めを行うことができる。
【0015】
また、スリット11bを設けるようにすれば、基板21の平面形状を大きくすることができる。そのため、基板21の上に実装する素子の数を増加させることができる。あるいは、装着部11の外形寸法を小さくすることができるので、装着部11の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。
また、凹部11aの底面11a1に開口する凹部11cを設けることができる。凹部11cの内部には、伝熱部40を設けることができる。
【0016】
バヨネット12は、装着部11の外側面に設けることができる。例えば、バヨネット12は、車両用照明装置1の外側に向けて突出している。バヨネット12は、フランジ13と対峙させることができる。バヨネット12は、複数設けることができる。バヨネット12は、車両用照明装置1を車両用灯具100の筐体101に装着する際に用いることができる。バヨネット12は、ツイストロックに用いることができる。
【0017】
フランジ13は、板状を呈したものとすることができる。例えば、フランジ13は、円板状を呈したものとすることができる。フランジ13の外側面は、バヨネット12の外側面よりも車両用照明装置1の外方に位置することができる。
【0018】
放熱フィン14は、フランジ13の、装着部11側とは反対側に設けることができる。放熱フィン14は、少なくとも1つ設けることができる。例えば、
図1および
図2に例示をしたソケット10には複数の放熱フィンが設けられている。複数の放熱フィン14は、所定の方向に並べて設けることができる。放熱フィン14は、板状を呈したものとすることができる。
【0019】
また、ソケット10には、コネクタ105を挿入する孔10bを設けることができる。孔10bには、シール部材105aを有するコネクタ105を挿入することができる。そのため、孔10bの断面形状と断面寸法は、シール部材105aを有するコネクタ105の断面形状と断面寸法に適合したものとすることができる。
【0020】
ソケット10は、発光モジュール20と給電部30を保持する機能と、発光モジュール20において発生した熱を外部に伝える機能を有することができる。そのため、ソケット10は、金属などの熱伝導率の高い材料から形成するのが好ましい。
また、近年においては、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれている。そのため、ソケット10は、高熱伝導性樹脂から形成することがさらに好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と無機材料を用いたフィラーを含む。高熱伝導性樹脂は、例えば、PET(Polyethylene terephthalate)やナイロン等の樹脂に、炭素や酸化アルミニウムなどを用いたフィラーを混合させたものとすることができる。
【0021】
高熱伝導性樹脂を含み、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14が一体に成形されたソケット10とすれば、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができる。また、ソケット10の重量を軽くすることができる。この場合、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14は、射出成形法などを用いて、一体成形することができる。また、インサート成形法などを用いて、ソケット10と給電部30を一体成形することもできる。
【0022】
発光モジュール20は、伝熱部40の、凹部11cの底面側とは反対側の面に設けることができる。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、抵抗23、制御素子24、枠部25、封止部26、および光学要素27を有することができる。
【0023】
基板21は、例えば、伝熱部40の上に接着することができる。すなわち、基板21は、ソケット10の一方の端部側に設けることができる。なお、基板21を伝熱部40に接着する接着剤は、後述する、伝熱部40を凹部11cの内部に接着する接着剤と同じとすることができる。基板21は、板状を呈したものとすることができる。基板21の平面形状は、例えば、四角形とすることができる。基板21は、例えば、セラミックス(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなど)などの無機材料、紙フェノールやガラスエポキシなどの有機材料などから形成することができる。また、基板21は、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものであってもよい。なお、金属板の表面を絶縁性材料で被覆する場合には、絶縁性材料は、有機材料を含むものであってもよいし、無機材料を含むものであってもよい。発光素子22の発熱量が多い場合には、放熱の観点から熱伝導率の高い材料を用いて基板21を形成することが好ましい。熱伝導率の高い材料としては、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、高熱伝導性樹脂、金属板の表面を絶縁性材料で被覆したものなどを例示することができる。また、基板21は、単層構造を有するものであってもよいし、多層構造を有するものであってもよい。
【0024】
また、基板21の表面には、配線パターン21aを設けることができる。配線パターン21aは、例えば、銀を主成分とする材料から形成することもできるし、銅を主成分とする材料などから形成することもできる。
【0025】
発光素子22は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。発光素子22は、少なくとも1つ設けることができる。すなわち、発光素子22は、基板21の上の、枠部25の内側の領域に少なくとも1つ設けることができる。
図1および
図2に例示をした車両用照明装置1の場合には、複数の発光素子22が設けられている。なお、複数の発光素子22が設けられる場合には、複数の発光素子22を直列接続することができる。また、発光素子22は、抵抗23と直列接続することができる。
【0026】
発光素子22は、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどとすることができる。
発光素子22は、チップ状の発光素子とすることができる。チップ状の発光素子22とすれば、発光素子22が設けられる領域を小さくすることができるので、基板21の小型化、ひいては車両用照明装置1の小型化を図ることができる。チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装することができる。発光素子22は、上下電極型の発光素子、上部電極型の発光素子、あるいはフリップチップ型の発光素子とすることができる。
図1および
図2に例示をした発光素子22は、上下電極型の発光素子である。上下電極型の発光素子、あるいは上部電極型の発光素子の場合には、発光素子22は、ワイヤー配線21bを介して配線パターン21aと電気的に接続することができる。発光素子22は、例えば、ワイヤーボンディング法を用いて配線パターン21aと電気的に接続することができる。フリップチップ型の発光素子の場合には、発光素子22は、配線パターン21aに直接実装することができる。
【0027】
発光素子22の光の出射面は、車両用照明装置1の正面側に向けられている。発光素子22は、主に、車両用照明装置1の正面側に向けて光を出射する。発光素子22の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、車両用照明装置1の大きさや用途などに応じて適宜変更することができる。
【0028】
抵抗23は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。抵抗23は、配線パターン21aと電気的に接続することができる。抵抗23は、例えば、表面実装型の抵抗器、リード線を有する抵抗器(酸化金属皮膜抵抗器)、スクリーン印刷法などを用いて形成された膜状の抵抗器などとすることができる。なお、
図1に例示をした抵抗23は、膜状の抵抗器である。
【0029】
膜状の抵抗器の材料は、例えば、酸化ルテニウム(RuO2)とすることができる。膜状の抵抗器は、例えば、スクリーン印刷法および焼成法を用いて形成することができる。抵抗23が膜状の抵抗器であれば、抵抗23と基板21との接触面積を大きくすることができるので、放熱性を向上させることができる。また、複数の抵抗23を一度に形成することができる。そのため、生産性を向上させることができる。また、複数の抵抗23における抵抗値のばらつきを抑制することができる。
【0030】
ここで、発光素子22の順方向電圧特性には、ばらつきがあるので、アノード端子とグランド端子との間の印加電圧を一定にすると、発光素子22から照射される光の明るさ(光束、輝度、光度、照度)にばらつきが生じる。そのため、発光素子22から照射される光の明るさが所定の範囲内に収まるように、抵抗23により、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。この場合、抵抗23の抵抗値を変化させることで、発光素子22に流れる電流の値が所定の範囲内となるようにすることができる。
【0031】
抵抗23が表面実装型の抵抗器やリード線を有する抵抗器などの場合には、発光素子22の順方向電圧特性に応じて適切な抵抗値を有する抵抗23を選択することができる。抵抗23が膜状の抵抗器の場合には、抵抗23の一部を除去すれば、抵抗値を増加させることができる。抵抗23の数、大きさ、配置などは、例示をしたものに限定されるわけではなく、発光素子22の数や仕様などに応じて適宜変更することができる。
【0032】
制御素子24は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。制御素子24は、配線パターン21aと電気的に接続することができる。制御素子24は、逆方向電圧が発光素子22に印加されないようにするため、および、逆方向からのパルスノイズが発光素子22に印加されないようにするために設けることができる。制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。
図1に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
【0033】
その他、発光素子22に関する導通の検出や、誤点灯防止などのために、プルダウン抵抗を設けることもできる。また、配線パターン21aや膜状の抵抗器などを覆う被覆部を設けることもできる。被覆部は、例えば、ガラス材料を含むことができる。
【0034】
枠部25は、基板21の、伝熱部40側とは反対側に設けることができる。枠部25は、基板21の上に接着することができる。枠部25は、枠状を呈するものとすることができる。枠部25に囲まれた領域には、少なくとも1つの発光素子22を設けることができる。例えば、枠部25は、複数の発光素子22を囲むことができる。
【0035】
なお、射出成形法などを用いて枠部25を成形し、成形した枠部25を基板21に接着する場合を例示したがこれに限定されるわけではない。枠部25は、例えば、溶解した樹脂を、ディスペンサなどを用いて基板21の上に枠状に塗布し、これを硬化させることで形成することもできる。
また、枠部25は、発光素子22から出射した光を反射するリフレクタの機能を有することもできる。
【0036】
封止部26は、枠部25の内側に設けることができる。封止部26は、枠部25により囲まれた領域を覆うように設けることができる。封止部26は、発光素子22およびワイヤー配線21bを覆うように設けることができる。封止部26は、透光性を有する材料から形成することができる。封止部26は、例えば、枠部25により囲まれた領域に樹脂を充填することで形成することができる。樹脂の充填は、例えば、ディスペンサなどを用いて行うことができる。充填する樹脂は、例えば、シリコーン樹脂などとすることができる。また、封止部26には、蛍光体を含めることができる。蛍光体は、例えば、YAG系蛍光体(イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体)とすることができる。ただし、蛍光体の種類は、車両用照明装置1の用途などに応じて所定の発光色が得られるように適宜変更することができる。
【0037】
光学要素27は、封止部26の上に設けることができる。光学要素27は、例えば、発光素子22から出射した光の拡散、集光などを行うものとすることができる。一例として、
図1および
図2に例示をした光学要素27は、凸レンズである。凸レンズである光学要素27は、光を集光して、所定の配光特性が得られるようにする。なお、光学要素27は、凸レンズに限定されるわけではなく、例えば、凹レンズや導光体などであってもよい。
なお、光学要素27に関する詳細は後述する。
【0038】
給電部30は、給電端子31および保持部32を有することができる。
給電端子31は、棒状体とすることができる。給電端子31は、凹部11aの底面11a1から突出することができる。給電端子31は、複数設けることができる。複数の給電端子31は、所定の方向に並べて設けることができる。複数の給電端子31は、保持部32の内部を延びている。複数の給電端子31の、発光モジュール20側の端部は、基板21に設けられた配線パターン21aと半田付けすることができる。複数の給電端子31の放熱フィン14側の端部は、孔10bの内部に露出することができる。孔10bの内部に露出する複数の給電端子31には、コネクタ105を嵌め合わせることができる。給電端子31は、例えば、銅合金などの金属から形成することができる。なお、給電端子31の数、形状、配置、材料などは例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0039】
前述したように、ソケット10は熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。ところが、熱伝導率の高い材料は導電性を有している場合がある。例えば、炭素を含むフィラーを用いた高熱伝導性樹脂などは、導電性を有している。そのため、保持部32は、給電端子31と、導電性を有するソケット10との間を絶縁するために設けることができる。また、保持部32は、複数の給電端子31を保持する機能をも有することができる。なお、ソケット10が絶縁性を有する高熱伝導性樹脂(例えば、酸化アルミニウムを含むフィラーを含む高熱伝導性樹脂など)から形成される場合には、保持部32を省くことができる。この場合、ソケット10が複数の給電端子31を保持することができる。
【0040】
保持部32は、絶縁性を有する樹脂から形成することができる。保持部32は、例えば、ソケット10に設けられた孔10aに圧入したり、孔10aの内壁に接着したりすることができる。
【0041】
伝熱部40は、ソケット10の一方の端部に設けられた凹部11cの内部に設けることができる。例えば、伝熱部40は、凹部11cの内部に接着することができる。伝熱部40を接着する接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。この場合、接着剤が硬化することで形成された層が、伝熱層41となる。
【0042】
また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)を含む層を介して、凹部11cの内部に設けることもできる。熱伝導グリスは、例えば、変性シリコーンに、無機材料を用いたフィラーが混合されたものとすることができる。熱伝導グリスの熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上、5W/(m・K)以下とすることができる。この場合、伝熱部40と凹部11cの内壁との間に設けられた熱伝導グリスを含む層が、伝熱層41となる。
【0043】
伝熱部40は、例えば、発光モジュール20において発生した熱が、ソケット10に伝わりやすくするために設けられる。そのため、伝熱部40は、熱伝導率の高い材料から形成することが好ましい。伝熱部40は、板状を呈し、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金などの金属から形成することができる。伝熱部40の平面形状は、例えば、基板11の平面形状と略同じとすることができる。ただし、伝熱部40には、複数の給電端子31との短絡を防ぐための切り欠きや孔を設けることができる。伝熱部40の平面寸法は、例えば、基板11の平面寸法と略同じとすることができる。
【0044】
伝熱部40が、凹部11cの内部に接着、あるいは、熱伝導グリスを含む層を介して設けられていれば、接着剤から形成された層や熱伝導グリスを含む層が、熱応力や振動に対する緩衝材となるので、伝熱部40とソケット10との間に隙間が生じたり、伝熱部40が脱落したりするのを抑制することができる。
【0045】
なお、発光モジュール20において発生する熱が少ない場合には、伝熱部40を省くこともできる。伝熱部40が省かれる場合には、例えば、発光モジュール20を凹部11aの底面11a1などに接着することができる。
【0046】
次に、光学要素27についてさらに説明する。
図3(a)は、光学要素27を例示するための模式側面図である。
図3(b)は、
図3(a)における光学要素27のB部の模式拡大図である。
図3(a)に示すように、光学要素27は、光学部27a(第2の光学部の一例に相当する)、光学部27b(第1の光学部の一例に相当する)、およびフランジ27cを有することができる。光学部27a、光学部27b、およびフランジ27cは、一体に形成することができる。
【0047】
光学部27aは、フランジ27cの、封止部26側とは反対側に突出している。光学部27aは、光学要素27の中心軸27dに沿った方向に突出した形状を有している。光学部27aの外面27a1は、凸状の曲面とすることができる。
【0048】
光学部27bは、フランジ27cの、封止部26側に突出している。光学部27bは、光学要素27の中心軸27dに沿った方向において、光学部27aとは反対側に突出した形状を有している。光学部27bの外面27b1は、凸状の曲面とすることができる。光学部27aの中心軸および光学部27bの中心軸は、光学要素27の中心軸27dと重なるようにすることができる。光学部27aおよび光学部27bは、凸レンズの機能を有することができる。
【0049】
なお、光学部27bは省くこともできる。光学部27bが省かれる場合であっても、光学部27aにより、凸レンズの機能を維持することができる。ただし、光学部27bが設けられていれば、硬化前の封止部26の材料に、光学要素27を押し付けた際に、封止部26の材料を枠部25の外側に押し出すのが容易となる。そのため、光学要素27と封止部26の材料との間に巻き込まれた空気を排出するのが容易となる。また、発光素子22やワイヤー配線21bに過大な圧力が作用するのを抑制することができる。
【0050】
フランジ27cは、板状を呈したものとすることができる。フランジ27cは、例えば、リング状を呈したものとすることができる。光学要素27の中心軸27dに沿った方向において、フランジ27cは、光学部27aと光学部27bとの間に位置している。光学要素27の中心軸27dに直交する方向において、フランジ27cは、光学部27aおよび光学部27bの外側に設けられている。例えば、フランジ27cは、光学部27aの周縁および光学部27bの周縁を囲むように設けることができる。
【0051】
光学要素27は、透光性材料から形成することができる。透光性材料は、ガラスとすることもできるが、製造コストの低減を考慮すると、透光性樹脂から形成することが好ましい。透光性樹脂を含む光学要素27は、例えば、射出成形法やモールド成形法などにより形成することができる。
【0052】
この場合、発光素子22が点灯した際に生じた熱により光学要素27の温度が上昇することを考慮すると、耐熱性を有する透光性樹脂とすることが好ましい。また、発光素子22から照射された光や日光には紫外線が含まれているので、紫外線に対する耐性を有する透光性樹脂とすることが好ましい。以上のことを考慮すると、光学要素27は、シリコーン樹脂を含むものとすることがさらに好ましい。
【0053】
ここで、シリコーン樹脂などの透光性樹脂はタック性(粘着性)を有する場合がある。光学要素27のタック性が強くなると、光学要素27が保持部材や収納部材にくっついたり、光学要素27同士がくっついたりする場合がある。
【0054】
図4(a)~(c)は、光学要素27のタック性を例示するための模式部分断面図である。
光学要素27を封止部26の上に設ける際には、例えば、
図4(a)に示すように、バキュームチャック200により光学要素27を吸着することができる。そのため、光学要素27のタック性が強いと、光学要素27が、バキュームチャック200の端部200aにくっつく場合がある。光学要素27を封止部26の上に載置した際に、バキュームチャック200は光学要素27の吸着を解除するが、光学要素27がバキュームチャック200の端部200aにくっついていると、光学要素27の離脱が阻害され、光学要素27の載置位置がズレるおそれがある。光学要素27の載置位置がズレると、所望の配光特性などが得られなくなるおそれがある。なお、以上のことは、開閉爪などを備えたチャックで光学要素27を保持する場合も同様である。
【0055】
また、複数の光学要素27を袋などに入れてまとめて搬送したり、複数の光学要素27をホッパなどに投入したりした際に、
図4(b)に示すように、光学要素27同士がくっついたりする場合がある。光学要素27同士がくっつくと、光学要素27を分離する工程が生じることになる。
【0056】
また、光学要素27をトレイなどの収納部材201に収納する場合には、
図4(c)に示すように、光学要素27と収納部材201とがくっつく場合がある。光学要素27と収納部材201とがくっつくと光学要素27の離脱が阻害されて、バキュームチャック200による吸着ができなかったり、保持された光学要素27の位置がズレたり、光学要素27の姿勢が不安定となったりするおそれがある。
【0057】
本発明者の得た知見によれば、光学要素27の外面の算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下とすれば、光学要素27のタック性が抑制されるとともに、光学要素27の光学特性に与える影響が小さくなる。この場合、光学要素27の外面の全領域を前述した粗さとすることもできるし、光学要素27の外面の一部の領域を前述した粗さとすることもできる。ただし、前述した粗さを有する領域が広くなれば、光学要素27のタック性を効果的に抑制することができる。
【0058】
例えば、射出成形やモールド成形に用いる型の表面を算術平均粗さRaで、0.3μm以上、2.0μm以下とすれば、光学要素27の外面の粗さを前述したものとすることができる。例えば、型の表面にブラスト処理を施せば、型の表面の粗さを前述したものとすることができる。なお、ブラスト処理が施されていない型を用いた場合には、光学要素27の外面の粗さは算術平均粗さRaで、0.2μm以下となる。
【0059】
また、
図3(b)に例示をした様に、光学要素27の外面の、封止部26に接触する面には、微細な凹部27b1aが複数設けられることになる。複数の凹部271aの内部には、封止部26の一部が設けられるので、光学要素27と封止部26の接合強度を大きくすることができる。
【0060】
ここで、算術平均粗さRaをさらに大きくすれば、光学要素27のタック性をさらに弱くすることができる。また、光学要素27と封止部26の接合強度をさらに大きくすることができる。ところが、算術平均粗さRaをさらに大きくすれば、光学要素27の光学特性に与える影響が大きくなり過ぎるおそれがある。
【0061】
この場合、フランジ27cの、光学部27a側の面27c1、および、フランジ27cの、光学部27b側の面27c2は、光学要素27の光学特性に与える影響が小さい。そのため、面27c1、27c2の粗さをさらに大きくすることができる。本発明者の得た知見によれば、面27c1の算術平均粗さRa、および、面27c2の算術平均粗さRaの少なくともいずれかを、0.3μm以上、2.0μm以下とすれば、光学要素27のタック性を充分に弱くすることが可能となる。
【0062】
また、前述したように、光学部27bの外面27b1は、硬化前の封止部26の材料に接触する。そのため、外面27b1に設けられた微細な凹部27b1aの内部に、封止部26の材料を充填することができる。凹部27b1aの内部に、封止部26の一部が設けられていれば、光学部27bの外面27b1の算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下としても、光学部27bの光学特性に与える影響を抑制することができる。この場合、光学部27bの屈折率と、封止部26の屈折率との差が小さくなれば、外面27b1の粗さが、光学部27bの光学特性に与える影響をさらに小さくすることができる。そのため、光学要素27の材料と封止部26の材料を同じにすることが好ましい。例えば、光学要素27がシリコーン樹脂を含み、且つ、封止部26がシリコーン樹脂を含むことができる。
【0063】
なお、光学部27aの外面27a1の粗さは、光学部27aの光学特性、ひいては、光学要素27の光学特性に与える影響が大きい。この場合、光学部27aの外面27a1の算術平均粗さRaを、1.0μm以下とすれば、光学要素27の光学特性に与える影響を小さくすることができる。ただし、光学要素27の光学特性を考慮すると、光学部27aの外面27a1の算術平均粗さRaを、0.2μm以下とすることがより好ましい。例えば、型の、光学部27aの外面27a1に対応する部分にブラスト処理を施さなければよい。
【0064】
図5(a)、(b)は、他の実施形態に係る光学要素を例示するための模式図である。
図5(a)に示すように、光学要素127には、前述した光学部27aのみが設けられている。前述したものと同様に、光学要素127の外面の算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下とすれば、光学要素127のタック性が抑制されるとともに、光学要素127の光学特性に与える影響が小さくなる。
【0065】
また、前述した外面27b1と同様に、光学要素127の、封止部26側の面27a2は、硬化前の封止部26の材料に接触する。そのため、面27a2の算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下としても、光学要素127の光学特性に与える影響を抑制することができる。また、光学要素127のタック性を充分に弱くできたり、光学要素127と封止部26との間の接合強度を大きくしたりすることができる。
【0066】
光学要素127(光学部27a)の、外面27a1の粗さは、光学要素127の光学特性に与える影響が大きいので、算術平均粗さRaで、1.0μm以下とすることができる。この場合、前述した光学要素27の場合と同様に、外面27a1の算術平均粗さRaを、0.2μm以下とすることがより好ましい。
【0067】
なお、光学要素127の中心軸127aに沿った方向から見た場合に、外面27a1の枠部25と重なる領域127bは、光学要素127の光学特性に与える影響が比較的小さい。そのため、領域127bの算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下としてもよい。
【0068】
図5(b)に示すように、光学要素227には、前述した光学部27aと光学部27bのみが設けられている。前述したものと同様に、光学要素227の外面の算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下とすれば、光学要素227のタック性が抑制されるとともに、光学要素227の光学特性に与える影響が小さくなる。
【0069】
また、前述したように、光学要素227の、封止部26側の面27b1は、硬化前の封止部26の材料に接触する。そのため、面27b1の算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下としても、光学要素227の光学特性に与える影響を抑制することができる。また、光学要素227のタック性を充分に弱くできたり、光学要素227と封止部26との間の接合強度を大きくしたりすることができる。
【0070】
光学要素227(光学部27a)の、外面27a1の粗さは、光学要素227の光学特性に与える影響が大きいので、算術平均粗さRaで、1.0μm以下とすることができる。この場合、前述した光学要素27の場合と同様に、外面27a1の算術平均粗さRaを、0.2μm以下とすることがより好ましい。
【0071】
なお、光学要素227の中心軸227aに沿った方向から見た場合に、外面27a1の枠部25と重なる領域227bは、光学要素227の光学特性に与える影響が比較的小さいので、領域227bの算術平均粗さRaを、0.3μm以上、2.0μm以下としてもよい。
【0072】
なお、光学要素127、227には、前述したフランジ27cが設けられていない。この様に、フランジ27cは省くこともできる。ただし、フランジ27cが設けられていれば、
図4(a)に例示をした様に、バキュームチャック200などによる光学要素27の保持が容易となる。また、バキュームチャック200などに保持された光学要素27の姿勢を安定させることができる。
【0073】
(車両用灯具)
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
【0074】
図6は、車両用灯具100を例示するための模式部分断面図である。
図6に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素103、シール部材104、およびコネクタ105を設けることができる。
【0075】
筐体101には車両用照明装置1を取り付けることができる。筐体101は、装着部11を保持することができる。筐体101は、一方の端部側が開口した箱状を呈したものとすることができる。筐体101は、例えば、光を透過しない樹脂などから形成することができる。筐体101の底面には、装着部11の、バヨネット12が設けられた部分が挿入される取付孔101aを設けることができる。取付孔101aの周縁には、装着部11に設けられたバヨネット12が挿入される凹部を設けることができる。なお、筐体101に取付孔101aが直接設けられる場合を例示したが、取付孔101aを有する取付部材が筐体101に設けられていてもよい。
【0076】
車両用照明装置1を車両用灯具100に取り付ける際には、装着部11のバヨネット12が設けられた部分を取付孔101aに挿入し、車両用照明装置1を回転させる。すると、例えば、取付孔101aの周縁に設けられた嵌合部にバヨネット12が保持される。この様な取り付け方法は、ツイストロックと呼ばれている。
【0077】
カバー102は、筐体101の開口を塞ぐように設けることができる。カバー102は、透光性樹脂などから形成することができる。カバー102は、レンズなどの機能を有するものとすることもできる。
【0078】
光学要素103には、車両用照明装置1から出射した光が入射する。光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光の反射、拡散、導光、集光、所定の配光パターンの形成などを行うことができる。例えば、
図6に例示をした光学要素103はリフレクタである。この場合、光学要素103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンを形成することができる。
【0079】
シール部材104は、フランジ13と筐体101の間に設けることができる。シール部材104は、環状を呈するものとすることができる。シール部材104は、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0080】
車両用照明装置1が車両用灯具100に取り付けられた際には、シール部材104は、フランジ13と筐体101との間に挟まれる。そのため、シール部材104により、筐体101の内部空間を密閉することができる。また、シール部材104の弾性力により、バヨネット12が筐体101に押し付けられる。そのため、車両用照明装置1が、筐体101から脱離するのを抑制することができる。
【0081】
コネクタ105は、孔10bの内部に露出している複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることができる。コネクタ105には、図示しない電源などを電気的に接続することができる。そのため、コネクタ105を複数の給電端子31の端部に嵌め合わせることで、図示しない電源などと、発光素子22とを電気的に接続することができる。
【0082】
また、コネクタ105には、シール部材105aを設けることができる。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10bに挿入された際には、孔10bが水密となるように密閉される。シール部材105aは、環状を呈し、ゴムやシリコーン樹脂などの弾性を有する材料から形成することができる。
【0083】
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 車両用照明装置、10 ソケット、11 装着部、20 発光モジュール、21 基板、22 発光素子、25 枠部、26 封止部、27 光学要素、27a 光学部、27a1 外面、27a2 面、27b 光学部、27b1 外面、27b1a 凹部、27c フランジ、27c1 面、27c2 面、27d 中心軸、100 車両用灯具、101 筐体、127 光学要素、127a 中心軸、127b 領域、227 光学要素、227a 中心軸、227b 領域