(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/67 20060101AFI20240522BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
H01L21/68 E
H01L21/52 F
(21)【出願番号】P 2024003906
(22)【出願日】2024-01-15
【審査請求日】2024-01-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591048070
【氏名又は名称】上野精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】増田 高之
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-187598(JP,A)
【文献】特開2002-190483(JP,A)
【文献】国際公開第2014/087491(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0053671(US,A1)
【文献】特開2017-108054(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を吸着面で吸着保持する第1の保持部を有し、前記第1の保持部を円軌道に沿って移動させる第1の回転搬送部と、
前記電子部品を吸着面で吸着保持する第2の保持部を有し、前記第2の保持部を円軌道に沿って移動させる第2の回転搬送部と、
前記電子部品の搬送経路上において前記第1の回転搬送部と前記第2の回転搬送部との間に設けられ、前記第1の保持部から受け取った前記電子部品の位置を補正して前記第2の保持部へ受け渡す位置補正部と、
を備え、
前記位置補正部は、
前記電子部品を吸着保持する吸着面を有し、第1の受け渡し位置において前記第1の保持部と前記電子部品の受け渡しを行い、第2の受け渡し位置において前記第2の保持部と前記電子部品の受け渡しを行う吸着保持部と、
前記吸着保持部が設けられ、回転軸を中心とする円軌道に沿って前記吸着保持部を移動させる回転搬送テーブルと、
前記回転搬送テーブルを平行移動させ、前記吸着保持部が吸着保持する電子部品の平面位置を補正する平行駆動部と、
を有し、
前記第2の受け渡し位置において、対向する前記吸着保持部の吸着面と前記第2の保持部の吸着面とは平行である、搬送装置。
【請求項2】
前記回転搬送テーブルは、前記第1の受け渡し位置と前記第2の受け渡し位置とで停止しながら、所定の回転ピッチで間欠移動し、
前記平行駆動部は、前記回転搬送テーブルの回転中に前記回転搬送テーブルを平行移動して、前記吸着保持部が吸着保持する電子部品の平面位置を補正する、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1の受け渡し位置において前記第1の保持部から前記吸着保持部へ電子部品を受け渡すタイミングと、前記第2の受け渡し位置において前記吸着保持部から前記第2の保持部へ電子部品を受け渡すタイミングとは、一致する、請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1の受け渡し位置において前記第1の保持部から前記吸着保持部へ電子部品を受け渡すタイミングと、前記第2の受け渡し位置において前記吸着保持部から前記第2の保持部へ電子部品を受け渡すタイミングとは、異なる、請求項2に記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子等の電子部品は、製造後に、外観検査、電気特性検査、マーキング処理等の工程を経て出荷される。これらの工程において電子部品は適正な姿勢とされている必要があり、各工程の処理を実施する前に電子部品の姿勢が補正される。
【0003】
例えば特許文献1には、電子部品を保持する第1保持部を有し、第1保持部を第1円軌道に沿って移動させる第1回転搬送部と、電子部品を保持する第2保持部を有し、第1保持部との間で電子部品の受け渡しが可能な受渡領域を通る第2円軌道に沿って第2保持部を移動させる第2回転搬送部と、受渡領域における第2保持部の位置を調節する位置調節部と、を備える電子部品の処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の技術では、第2回転搬送部は、第1回転搬送部から受け取った電子部品を外観検査等の処理を施す中間処理部の位置まで移動させ、中間処理部により処理を施された電子部品を第1回転搬送部への受け渡し位置まで移動させる。このため、位置調節部は、中間処理部により処理を施している間は第2保持部の位置を調整することができず、電子部品の受け渡し時のアライメント処理を実施するための時間を別途確保する必要がある。
【0006】
また、電子部品は、例えば吸着コレット等の、吸着面にて電子部品を吸着し保持する保持部によって搬送される。電子部品を落下させたりすることなく安定して搬送するためには、保持部の吸着面に対して電子部品が傾くことなく保持されることが重要である。例えば、サイズが比較的大きい(例えば、長辺の長さが5~10mm程度の)電子部品であれば、そもそも吸着面に対する傾きは生じにくい。しかし、サイズが比較的小さい(例えば、長辺の長さが0.5~1mm程度の)電子部品の場合には、保持部が搬送する電子部品をウェハシートからピックアップした際に、電子部品のバンプ(電極)が吸着面の吸引孔に入り込んでしまい、電子部品が傾いて吸着面に保持されることもあり得る。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、電子部品の搬送を効率的に、かつ確実に実施することが可能な、電子部品の搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電子部品を吸着面で吸着保持する第1の保持部を有し、第1の保持部を円軌道に沿って移動させる第1の回転搬送部と、電子部品を吸着面で吸着保持する第2の保持部を有し、第2の保持部を円軌道に沿って移動させる第2の回転搬送部と、電子部品の搬送経路上において第1の回転搬送部と第2の回転搬送部との間に設けられ、第1の保持部から受け取った電子部品の位置を補正して第2の保持部へ受け渡す位置補正部と、を備え、位置補正部は、電子部品を吸着保持する吸着面を有し、第1の受け渡し位置において第1の保持部と電子部品の受け渡しを行い、第2の受け渡し位置において第2の保持部と電子部品の受け渡しを行う吸着保持部と、吸着保持部が設けられ、回転軸を中心とする円軌道に沿って吸着保持部を移動させる回転搬送テーブルと、回転搬送テーブルを平行移動させ、吸着保持部が吸着保持する電子部品の平面位置を補正する平行駆動部と、を有し、第2の受け渡し位置において、対向する吸着保持部の吸着面と第2の保持部の吸着面とは平行である、搬送装置が提供される。
【0009】
回転搬送テーブルは、第1の受け渡し位置と第2の受け渡し位置とで停止しながら、所定の回転ピッチで間欠移動し、平行駆動部は、回転搬送テーブルの回転中に回転搬送テーブルを平行移動して、吸着保持部が吸着保持する電子部品の平面位置を補正してもよい。
【0010】
搬送装置の動作において、第1の受け渡し位置において第1の保持部から吸着保持部へ電子部品を受け渡すタイミングと、第2の受け渡し位置において吸着保持部から第2の保持部へ電子部品を受け渡すタイミングとを、一致するようにしてもよい。
【0011】
あるいは、搬送装置の動作において、第1の受け渡し位置において第1の保持部から吸着保持部へ電子部品を受け渡すタイミングと、第2の受け渡し位置において吸着保持部から第2の保持部へ電子部品を受け渡すタイミングとが、異なるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように本発明によれば、電子部品の搬送を効率的に、かつ確実に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置の構成を示す模式図であって、上側は平面視した状態を示し、下側が側面視した状態を示す。
【
図2】第1の保持部と吸着保持部とによる電子部品の受け渡し時の状態を示す部分側面図である。
【
図4】動作パターン1における搬送装置の動作を示すタイミングチャートである。
【
図5】動作パターン2における搬送装置の動作を示すタイミングチャートである。
【
図6】搬送装置の構成の一変形例(変形例1)を示す模式図である。
【
図7】搬送装置の構成の一変形例(変形例2)を示す模式図である。
【
図8】搬送装置の構成の一変形例(変形例3)を示す模式図であって、第2の保持部の吸着面と吸着保持部の吸着面とが垂直方向に平行である場合を示す。
【
図9】搬送装置の構成の一変形例(変形例3)を示す模式図であって、第2の保持部の吸着面と吸着保持部の吸着面とが水平方向に平行である場合を示す。
【
図10】搬送装置の構成の他の変形例を示す模式図であって、第2の回転搬送部に電子部品の平面位置を補正する位置補正機構を設けた場合を示す。
【
図11】
図10に示す搬送装置の第2の回転搬送部及び位置補正機構を示す模式図であって、
図10上側に示す状態をX方向から見た状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
[1.搬送装置]
まず、
図1~
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る搬送装置1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る搬送装置1の構成を示す模式図であって、上側は平面視した状態を示し、下側が側面視した状態を示す。
図2は、第1の保持部110と吸着保持部210とによる電子部品Wの受け渡し時の状態を示す部分側面図である。
図3は、位置補正部20の構成を示す側面図である。
図1~
図3において、X方向及びY方向は水平方向であり、XY平面を水平面ともいう。Z方向は、X方向及びY方向に直交する垂直方向である。ZX平面を垂直面ともいう。
【0016】
本実施形態に係る搬送装置1は、電子部品Wを1つずつ吸着保持して搬送経路上を搬送する装置である。電子部品Wは、電気製品に使用される部品である。例えば、電子部品Wは、半導体素子、抵抗、コンデンサ等である。半導体素子は、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路であってもよく、トランジスタ、ダイオード、LED(Light Emitting Diode)、コンデンサ及びサイリスタ等のディスクリート半導体であってもよい。
【0017】
搬送装置1は、
図1に示すように、第1の回転搬送部11と、第2の回転搬送部12と、位置補正部20とを有する。第1の回転搬送部11及び第2の回転搬送部12は、
図1上側に示すようにX方向に沿って並列されており、
図1下側に示すようにY方向に平行な回転軸A1、A2を中心として回転する。位置補正部20は、
図1下側に示すように、電子部品Wの搬送経路上において第1の回転搬送部11と第2の回転搬送部12との間に設けられ、Z方向に平行な回転軸A0を中心として回転する。
【0018】
(第1の回転搬送部)
第1の回転搬送部11は、電子部品Wを吸着面で吸着保持する第1の保持部110を有し、第1の保持部110を円軌道C1に沿って移動させる。第1の回転搬送部11は、
図1下側に示すように、Y方向に平行な回転軸A1を中心として、回転軸A1とともに回転する回転体101と、Y方向に直交するZX平面において回転体101から放射状に設けられた複数の第1の保持部110を備える。
【0019】
回転体101は、モータ等の駆動部(図示せず。)により回転される。複数の第1の保持部110は、回転軸A1を中心とする仮想円の周方向に沿って所定の間隔で回転体101に設けられている。例えば
図1に示す第1の回転搬送部11は、8個の第1の保持部110が等間隔(すなわち45°の設置間隔)で回転体101に設けられている。駆動部は、回転体101を第1の保持部110の設置間隔ずつ回転させ、間欠移動させる。回転体101が間欠移動する回転角度を、第1の回転搬送部11の回転ピッチとする。
【0020】
第1の保持部110は、
図2に示すように、それぞれ、吸着コレット111と進退駆動機構112とを有する。
【0021】
吸着コレット111は、先端の吸着面111aにて電子部品Wを吸着し保持する。吸着コレット111は、例えばゴム、樹脂、金属等から形成される略円錐体の部材である。吸着面111aは平坦面であり、面内には第1の保持部110の内部通路に連通する吸引孔(図示せず。)が形成されている。第1の保持部110の内部通路は、真空ポンプ、エジェクタ等の負圧発生装置の空気圧回路と連通している。負圧発生装置が空気圧回路に負圧を発生させることにより、吸着コレット111は吸着面111aで電子部品Wを保持することができる。また、負圧発生装置が真空破壊または大気解放により負圧による吸引力を解放することで、吸着コレット111は吸着面111aで保持していた電子部品Wを解放する。
【0022】
進退駆動機構112は、吸着コレット111を、回転軸A1を中心とする円の径方向(以下、「進退方向」ともいう。)に移動させる駆動機構である。進退駆動機構112は、シャフト113と、接続部材114と、コイルばね115とを有する。
【0023】
シャフト113は、進退方向に延びる棒状の部材である。シャフト113は、回転軸A1側(以下、「内方側」ともいう。)で接続部材114を介して回転体101と接続されている。また、シャフト113は、回転軸A1と反対側(以下、「外方側」ともいう。)の先端に、吸着コレット111を備えている。シャフト113の内部には、吸着コレット111の吸引孔に連通する内部通路が形成されている。接続部材114は、進退駆動機構112を回転体101に固定するための部材である。接続部材114の内部には、シャフト113を進退方向に移動させるためのモータ(図示せず。)が設けられている。コイルばね115は、内部にシャフト113が挿通された状態で、内方側の端部が接続部材114に固定され、外方側の端部がシャフト113の外面に固定されている。
【0024】
進退駆動機構112のモータ(図示せず。)が駆動しておらず、吸着コレット111が最も内方に位置する状態を基準としたとき、進退駆動機構112は、モータ(図示せず。)を駆動してシャフト113を回転体101から外方に向かって移動させることにより、吸着コレット111を外方に移動させる。また、進退駆動機構112は、モータ(図示せず。)の駆動を停止することで、外方に移動していたシャフト113をコイルばね115の圧縮力によって内方に移動させ、吸着コレット111を基準の位置まで移動させる。
【0025】
(第2の回転搬送部)
第2の回転搬送部12は、電子部品Wを吸着面で吸着保持する第2の保持部120を有し、第2の保持部120を円軌道C2に沿って移動させる。第2の回転搬送部12は、第1の回転搬送部11と同一の構成としてもよい。
【0026】
第2の回転搬送部12は、
図1下側に示すように、Y方向に平行な回転軸A2を中心として、回転軸A2とともに回転する回転体102と、Y方向に直交するZX平面において回転体102から放射状に設けられた複数の第2の保持部120を備える。複数の第2の保持部120は、回転軸A2を中心とする仮想円の周方向に沿って所定の間隔で回転体102に設けられている。例えば
図1に示す第2の回転搬送部12は、8個の第2の保持部120が等間隔(すなわち45°の設置間隔)で回転体102に設けられている。回転体102を回転させるモータ等の駆動部は、回転体102を第2の保持部120の設置間隔ずつ間欠移動させる。回転体102が間欠移動する回転角度を、第2の回転搬送部12の回転ピッチとする。
【0027】
第2の保持部120は、
図2に示した第1の保持部110と同様に構成されており、それぞれ、吸着コレットと、進退駆動機構とを有する。第2の保持部120は第1の保持部110と同一の構成であるため、ここでは詳細な説明は省略する。第2の保持部120は、進退移動機構によって先端に設けられた吸着コレットを進退方向に移動させる。
【0028】
(位置補正部)
位置補正部20は、電子部品Wの搬送経路上において、第1の回転搬送部11と第2の回転搬送部12との間に設けられ、第1の保持部110から受け取った電子部品Wの位置を補正して第2の保持部120へ受け渡す。位置補正部20は、
図1及び
図3に示すように、第1の保持部110及び第2の保持部120と電子部品Wの受け渡しを行う吸着保持部210と、回転搬送テーブル220と、回転搬送テーブル220を平行移動する平行駆動部230と、を有する。
【0029】
吸着保持部210は、電子部品Wを吸着保持する吸着面211aを有し、第1の受け渡し位置Q1において第1の保持部110と電子部品Wの受け渡しを行い、第2の受け渡し位置Q2において第2の保持部120と電子部品Wの受け渡しを行う。吸着保持部210は、
図1上側に示すように、後述する回転搬送テーブル220のテーブル221の上面221aに、Z方向に平行な回転軸A0を中心とする仮想円の周方向に沿って所定の間隔で設けられている。例えば
図1に示す位置補正部20は、18個の吸着保持部210が等間隔(すなわち20°の設置間隔)でテーブル221に設けられている。吸着保持部210は、回転搬送テーブル220の回転に伴い、回転軸A0を中心とする円軌道C0に沿って移動する。
【0030】
吸着保持部210は、例えば
図2に示すように、吸着コレット211と、固定部材213とからなる。
【0031】
吸着コレット211は、先端の吸着面211aにて電子部品Wを吸着し保持する。吸着コレット211は、第1の保持部110の吸着コレット111及び第2の保持部120の吸着コレットと同一であってもよい。すなわち、吸着コレット211は、例えばゴム、樹脂、金属等から形成される略円錐体の部材である。吸着面211aは平坦面である。吸着コレット211は、吸着面211aが回転軸A0と直交するように設けられる。
【0032】
吸着面211aの面内には吸着保持部210の内部通路に連通する吸引孔(図示せず。)が形成されている。吸着保持部210の内部通路は負圧発生装置の空気圧回路と連通している。負圧発生装置が空気圧回路に負圧を発生させることにより、吸着コレット211は吸着面211aで電子部品Wを保持することができる。また、負圧発生装置が真空破壊または大気解放により負圧による吸引力を解放することで、吸着コレット211は吸着面211aで保持していた電子部品Wを解放する。
【0033】
固定部材213は、吸着コレット211を回転搬送テーブル220のテーブル221の上面221aに固定するための部材である。固定部材213の、テーブル221の上面221aと接している面と反対側の面には、吸着コレット211が設けられている。固定部材213の内部には、吸着コレット211の吸引孔に連通する内部通路が形成されている。
【0034】
回転搬送テーブル220は、回転軸A0を中心とする円軌道C0に沿って吸着保持部210を移動させる。回転搬送テーブル220は、
図3に示すように、吸着保持部210が設けられるテーブル221と、回転軸A0を中心としてテーブル221を回転させる回転駆動部223とを有する。テーブル221の上面221aは平坦面であり、回転軸A0に直交する。回転駆動部223は、例えばモータ等であり、回転軸A0とともにテーブル221を回転軸A0周りに回転させる。回転駆動部223は、テーブル221を吸着保持部210の設置間隔で間欠移動させる。テーブル221が間欠移動する回転角度を、回転搬送テーブル220の回転ピッチとする。
【0035】
平行駆動部230は、XY平面内で回転搬送テーブル220を平行移動させる。平行駆動部230は、
図3に示すように、回転搬送テーブル220を載置する基台231と、基台231をX方向に移動させる第1駆動機構233と、基台231をY方向に移動させる第2駆動機構235と、を有する。
【0036】
基台231には回転搬送テーブル220の回転駆動部223が固定される。第1駆動機構233は、位置補正部20が設置される設置台B上に固定されたX方向に平行な一対のガイド233aと、ガイド233aに沿ってX方向に移動するスライド部233bと、スライド部233b上に固定され、スライド部233bとともにX方向に移動する天板233cとを有する。第2駆動機構235は、第1駆動機構233の天板233c上に固定されたY方向に平行な一対のガイド235aと、ガイド235aに沿ってY方向に移動するスライド部235bとを有する。第2駆動機構235のスライド部235bには基台231が固定されている。第1駆動機構233及び第2駆動機構235は、それぞれ、モータ(図示せず。)によりスライド部233b、235bを移動させる電動アクチュエータとして構成してもよい。
【0037】
平行駆動部230は、第1駆動機構233及び第2駆動機構235により、基台231に載置されている回転搬送テーブル220をXY平面内で平行移動させる。これにより、回転搬送テーブル220の吸着保持部210によって吸着保持される電子部品Wの平面位置を調整する。
【0038】
また、位置補正部20は、搬送する電子部品Wの位置を確認するための画像を撮像する撮像部250を有してもよい。撮像部250は、例えば、
図1上側及び
図3に示すように、第1の受け渡し位置Q1と第2の受け渡し位置Q2との間の電子部品Wの搬送経路の上方に設置される。撮像部250は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を備えるカメラであってもよい。撮像部250により撮像された画像は、搬送装置1を制御する制御部70へ出力される。制御部70は、例えば、撮像部250により撮像された画像に基づき平行駆動部230を制御して、電子部品Wの平面位置を調整する。
【0039】
図1に示す搬送装置1は、まず、第1の回転搬送部11により、例えばウェハシートSに貼り付けられている電子部品Wを1つずつ吸着保持し、位置補正部20へ搬送する。第1の回転搬送部11は、回転体101を一方向(例えば、
図1下側に示すように側面視した状態では反時計回り)に回転させ、ピックアップ位置Q0で第1の保持部110によりウェハシートSから電子部品Wを1つ吸着保持する。
【0040】
例えば、ピックアップ位置Q0には、ウェハシートSに対して第1の回転搬送部11と反対側に、ウェハシートSに張り付けられている電子部品Wを第1の回転搬送部11側へ突き出す突き出し装置30が設置されている。突き出し装置30は、ウェハシートSの裏面から電子部品Wを突き出すピン35と、ピン35を突き出し方向に移動させるモータ(図示せず。)とを備える。突き出し方向は、ピックアップ位置Q0での第1の保持部110の吸着面111aに対して直交する方向である。なお、ウェハシートSも、突き出し方向に対して直交するように設置する。
図1に示す搬送装置1においては、突き出し方向は水平方向(X方向)である。
【0041】
突き出し装置30は、第1の回転搬送部11の第1の保持部110がピックアップ位置Q0に位置するタイミングで、ウェハシートSの裏面側から第1の保持部110に向かって搬送対象の電子部品Wを突き出すように、ピン35を動作させる。第1の保持部110は、突き出された電子部品Wを吸着面111aにて吸着保持する。ピックアップ位置Q0での第1の保持部110の吸着面111aとウェハシートSとを平行とし、これらと直交する方向から電子部品Wをピン35で突き出すことにより、電子部品Wを第1の保持部110の吸着面111aに吸着させることができる。
【0042】
電子部品Wを保持した第1の保持部110は、回転体101の回転により円軌道C1に沿って垂直面内を移動する。電子部品Wを保持した第1の保持部110は、第1の受け渡し位置Q1で、位置補正部20の吸着保持部210と電子部品Wの受け渡しを行う。第1の受け渡し位置Q1では、第1の保持部110の吸着面111aと位置補正部20の吸着面211aとは平行となる。これにより、位置補正部20の吸着面211aは、第1の保持部110から受け取った電子部品Wを傾くことなく正しい姿勢で保持することができる。
【0043】
ウェハシートSに貼り付けられている電子部品Wは、バンプ(電極)と反対側の平坦な面がウェハシートSに接している。このため、第1の保持部110はバンプ側の面を吸着面111aに吸着保持し、バンプと反対側の面が外部に向いている。したがって、第1の受け渡し位置Q1において第1の保持部110と位置補正部20の吸着保持部210とが電子部品Wの受け渡しを行う際、吸着保持部210は、電子部品Wのバンプと反対側の平坦な面を吸着保持する。このため、電子部品のサイズが小さい場合にも当該電子部品のバンプが吸着面211aの吸引孔に入り込むことはなく、吸着保持部210の吸着面211aに保持されるときに電子部品Wの姿勢は矯正される。第1の保持部110の吸着面111aがピックアップ位置Q0で電子部品Wを吸着保持した際に、バンプが吸引孔に入り込んで電子部品Wに傾きが生じていたとしても、第1の受け渡し位置Q1では、吸引保持部210は電子部品Wのバンプと反対側の平坦な面を吸着面211aにて保持するため、生じていた傾きは矯正される。
【0044】
このように、吸着保持部210の吸着面211aに吸着保持された電子部品Wは、傾きのない適正な姿勢となる。第1の受け渡し位置Q1で電子部品Wの姿勢が矯正されているため、第2の受け渡し位置Q2において、吸着保持部210の吸着面211aと第2の保持部120の吸着面とが平行であれば、電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態でこれらの間で電子部品Wを受け渡すことができる。
【0045】
電子部品Wを吸着保持した吸着保持部210は、テーブル221の回転により円軌道C0に沿って、水平面内を第1の受け渡し位置Q1から第2の受け渡し位置Q2まで移動する。電子部品Wを保持した吸着保持部210は、第2の受け渡し位置Q2で、第2の回転搬送部12の第2の保持部120と電子部品Wの受け渡しを行う。第2の受け渡し位置Q2では、第2の保持部120の吸着面と位置補正部20の吸着面211aとは平行となっている。これにより、第2の保持部120の吸着面は、位置補正部20の吸着面211aから電子部品Wを傾くことなく正しい姿勢で吸着保持することができる。
【0046】
電子部品Wを保持した第2の保持部120は、回転体102の回転により円軌道C2に沿って垂直面内を移動する。電子部品Wを保持した第2の保持部120は、次の工程を行う処理装置まで電子部品Wを搬送し、当該処理装置へ電子部品Wを渡す。例えば、
図1に示すように、第2の回転搬送部12はさらに第3の回転搬送部13へ電子部品Wに渡した後、第3の回転搬送部13によってキャリアテープ(図示せず。)を収容するテーピングユニット50へ電子部品Wを搬送してもよい。
【0047】
第3の回転搬送部13は、
図1上側に示すように、第1の回転搬送部11及び第2の回転搬送部12とともにX方向に沿って並列されており、
図1下側に示すようにY方向に平行な回転軸A3を中心として回転する。第3の回転搬送部13は、第1の回転搬送部11及び第2の回転搬送部12と同様に構成し得る。
【0048】
すなわち、第3の回転搬送部13は、
図1下側に示すように、Y方向に平行な回転軸A3を中心として、回転軸A3とともに回転する回転体103と、Y方向に直交するZX平面において回転体103から放射状に設けられた複数の第3の保持部130を備える。複数の第3の保持部130は、回転軸A3を中心とする仮想円の周方向に沿って所定の間隔で回転体103に設けられている。第3の保持部130は、
図2に示した第1の保持部110と同様に構成されており、それぞれ、吸着コレットと、進退駆動機構とを有する。第3の保持部130は、進退移動機構によって先端に設けられた吸着コレットを進退方向に移動させる。
【0049】
第3の回転搬送部13は、
図1下側に示すように、第2の保持部120と第3の保持部130とがX方向に対応する第3の受け渡し位置Q3で、第2の回転搬送部12との電子部品Wの受け渡しを行う。第3の受け渡し位置Q3において、第2の保持部120の吸着面と第3の保持部130の吸着面とは平行とする。電子部品Wを吸着保持している第2の保持部120は、第3の受け渡し位置Q3に位置すると第2の保持部120を外方へ移動させて第3の保持部130の吸着面に電子部品Wを近づける。第3の保持部130は、近づけられた電子部品Wを吸着面で吸着保持し、第2の保持部120から電子部品Wを受け取る。
【0050】
電子部品Wを保持した第3の保持部130は、回転体103の回転により円軌道C3に沿って、垂直面内を第3の受け渡し位置Q3からテーピングユニット50へ電子部品Wを供給する供給位置Q4まで移動する。テーピングユニット50は、例えば第3の回転搬送部13の下方に設置されており、供給位置Q4において、第3の保持部130の吸着面とテーピングユニット50とは垂直方向(Z方向)に対向する。電子部品Wを保持した第3の保持部130は、供給位置Q4に位置すると、吸着保持していた電子部品Wを解放する。解放された電子部品Wはテーピングユニット50内のキャリアテープのポケット(図示せず。)に収容される。
【0051】
以上、搬送装置1の構成について説明した。
【0052】
[2.動作]
搬送装置1は、第1の回転搬送部11の動作、第2の回転搬送部12の動作、及び、位置補正部20の動作のタイミングを合わせ、搬送対象の電子部品Wを搬送する。本実施形態に係る搬送装置1では、電子部品Wの搬送経路上において第1の回転搬送部11と第2の回転搬送部12との間に、電子部品Wの平面位置を補正する位置補正部20を設けることで、電子部品Wの搬送工程の間に電子部品Wのアライメント処理を行う。これにより、電子部品Wのアライメント処理に要する時間を短縮する。以下、搬送装置1の動作について説明する。
【0053】
[2-1.動作パターン1]
まず、
図4に基づいて、搬送装置1の動作パターンの一例として、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しと第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しとを同一タイミングで行う場合(動作パターン1)について説明する。
図4は、動作パターン1における搬送装置1の動作を示すタイミングチャートである。
【0054】
図4には、第1の回転搬送部11の動作として、円軌道C1に沿って移動する回転移動動作及び進退動作を示し、第2の回転搬送部12の動作として、円軌道C2に沿って移動する回転移動動作及び進退動作を示す。また、位置補正部20の動作として、円軌道C0に沿って吸着保持部210を移動させる回転移動動作及び平行駆動部230の平行移動動作を
図4に示す。
図4において、横軸は時間tを示し、縦軸は動作速度Vを示している。動作速度Vについては0であるとき動作は停止しており、0を超える場合には動作中であることを表している。なお、位置補正部20の平行移動動作については、X方向の位置補正動作及びY方向の位置補正動作をまとめて表している。
【0055】
動作パターン1において、搬送装置1は、第1の回転搬送部11の回転ピッチと、第2の回転搬送部12の回転ピッチと、位置補正部20の回転搬送テーブル220の回転ピッチとを同期させて動作する。
【0056】
図4に示すように、第1の回転搬送部11が回転体101を回転移動させて、第1の保持部110を1ピッチ分移動させるとき、同一のタイミングで、位置補正部20の回転搬送テーブル220が1ピッチ分移動され、第2の回転搬送部12の第2の保持部120も1ピッチ分移動される。このとき、位置補正部20の回転移動動作が開始してから停止するまでの間に、位置補正部20の平行移動動作を行う。
【0057】
この平行移動動作では、第2の受け渡し位置Q2にて位置補正部20の吸着保持部210から第2の保持部120へ受け渡す電子部品Wの平面位置を補正する。電子部品Wの原点位置からのX方向及びY方向の補正量は、例えば、撮像部250により撮像された画像中における電子部品Wの位置と原点位置からずれがない場合に電子部品Wが写る位置とを比較することにより求めることができる。制御部70は、電子部品Wの原点位置からのX方向及びY方向の補正量を算出して、位置補正部20による回転搬送テーブル220の回転移動動作が開始してから停止するまでの間に、回転搬送テーブル220を平行移動させて、第2の受け渡し位置Q2における電子部品Wの平面位置を補正する。
【0058】
第1の回転搬送部11の回転移動動作、第2の回転搬送部12の回転移動動作、及び、位置補正部20の回転移動動作と、位置補正部20の平行移動動作が終わると、第1の受け渡し位置Q1及び第2の受け渡し位置Q2で電子部品Wの受け渡しが行われる。
【0059】
第1の受け渡し位置Q1での進退動作では、まず、電子部品Wを吸着保持した第1の保持部110の吸着コレット111を位置補正部20の吸着保持部210へ近づけて、吸着保持部210の吸着コレット211に電子部品Wを吸着保持させる。その後、吸着コレット111は電子部品Wの吸着保持を解放して元の位置まで退避する。同様に、第2の受け渡し位置Q2での進退動作では、まず、第2の保持部120の吸着コレットを位置補正部20の吸着保持部210へ近づけて、位置補正部20の平行移動動作により平面位置が補正された、吸着保持部210が吸着保持する電子部品Wを吸着保持する。その後、吸着保持部210による電子部品Wの吸着保持が解放され、吸着コレットにより電子部品Wを吸着保持した第2の保持部120を元の位置まで退避する。
【0060】
第1の保持部110の進退動作及び第2の保持部120の進退動作を終えると、位置補正部20は平行移動動作を行う。この平行移動動作では、第2の受け渡し位置Q2で第2の保持部120に渡された電子部品Wの平面位置を補正するために移動された回転搬送テーブル220を、原点位置へ移動させる。これにより、回転搬送テーブル220を、次に第2の受け渡し位置Q2で吸着保持部210と第2の保持部120との間で受け渡す電子部品Wの平面位置を補正するための初期位置に位置させる。かかる平行移動動作を終えると、1ピッチでの動作が完了する。
【0061】
このように、電子部品Wの平面位置の補正を、位置補正部20の回転搬送テーブル220の回転ピッチの間に行うことで、効率よく電子部品Wのアライメント処理を実施することができる。
【0062】
[2-2.動作パターン2]
次に、
図5に基づいて、搬送装置1の動作パターンの一例として、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しと第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しとを異なるタイミングで行う場合(動作パターン2)について説明する。
図5は、動作パターン2における搬送装置1の動作を示すタイミングチャートである。
【0063】
図5も、
図4と同様に、第1の回転搬送部11の動作として、円軌道C1に沿って移動する回転移動動作及び進退動作を示し、第2の回転搬送部12の動作として、円軌道C2に沿って移動する回転移動動作及び進退動作を示す。また、位置補正部20の動作として、円軌道C0に沿って吸着保持部210を移動させる回転移動動作及び平行駆動部230による平行移動動作を
図5に示す。
【0064】
動作パターン2においては、搬送装置1は、第1の回転搬送部11の回転ピッチと、第2の回転搬送部12の回転ピッチと、1/2ピッチずらして、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しのタイミングと、第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しのタイミングとをずらしている。位置補正部20の回転搬送テーブル220は、第1の回転搬送部11の回転移動動作及び第2の回転搬送部12の回転移動動作、それぞれに同期して動作する。
【0065】
図5に示すように、第1の回転搬送部11が回転体101を回転移動させて、第1の保持部110を1ピッチ分移動させるとき、同一のタイミングで、位置補正部20の回転搬送テーブル220が1ピッチ分移動される。このとき、位置補正部20の回転移動動作が開始してから停止するまでの間に、位置補正部20の平行移動動作を行う。この平行移動動作では、1つ前のタイミングで第2の受け渡し位置Q2で第2の保持部120に渡された電子部品Wの平面位置を補正するために移動された回転搬送テーブル220を、原点位置へ移動させる。これにより、回転搬送テーブル220を、次に第2の受け渡し位置Q2で吸着保持部210と第2の保持部120との間で受け渡す電子部品Wの平面位置を補正するための初期位置に位置させる。位置補正部20は、回転搬送テーブル220の回転移動動作が開始してから停止するまでの間に、回転搬送テーブル220を平行移動させて原点位置に位置させる。
【0066】
第1の回転搬送部11の回転移動動作、及び、位置補正部20の回転移動動作と、位置補正部20の平行移動動作が終わると、第1の受け渡し位置Q1で電子部品Wの受け渡しが行われる。第1の受け渡し位置Q1での進退動作は、動作パターン1と同様、まず、電子部品Wを吸着保持した第1の保持部110の吸着コレット111を位置補正部20の吸着保持部210へ近づけて、吸着保持部210の吸着コレット211に電子部品Wを吸着保持させる。その後、吸着コレット111は電子部品Wの吸着保持を解放して元の位置まで退避する。
【0067】
第1の保持部110の進退動作を終えると、第2の回転搬送部12が回転体102を回転移動させて、第2の保持部120を1ピッチ分移動させる。第2の回転搬送部12の回転移動動作と同一のタイミングで、位置補正部20の回転搬送テーブル220が1ピッチ分移動される。このとき、位置補正部20の回転移動動作が開始してから停止するまでの間に、位置補正部20の平行移動動作を行う。この平行移動動作では、第2の受け渡し位置Q2にて位置補正部20の吸着保持部210から第2の保持部120へ受け渡す電子部品Wの平面位置を補正する。かかる平行移動動作は、動作パターン1と同様に、制御部70は、撮像部250により撮像された画像を用いて電子部品Wの原点位置からのX方向及びY方向の補正量を算出し、位置補正部20による回転搬送テーブル220の回転移動動作が開始してから停止するまでの間に、回転搬送テーブル220を平行移動させて、第2の受け渡し位置Q2における電子部品Wの平面位置を補正する。
【0068】
第2の回転搬送部12の回転移動動作、及び、位置補正部20の回転移動動作と、位置補正部20の平行移動動作が終わると、第2の受け渡し位置Q2で電子部品Wの受け渡しが行われる。第2の受け渡し位置Q2での進退動作は、動作パターン1と同様、まず、第2の保持部120の吸着コレットを位置補正部20の吸着保持部210へ近づけて、位置補正部20の平行移動動作により平面位置が補正された、吸着保持部210が吸着保持する電子部品Wを吸着保持する。その後、吸着保持部210による電子部品Wの吸着保持が解放され、吸着コレットにより電子部品Wを吸着保持した第2の保持部120を元の位置まで退避する。
【0069】
第2の保持部120の進退動作を終えると、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しと、第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しが、それぞれ1回ずつ完了する。動作パターン2では以上の動作を繰り返し行う。
【0070】
このように、動作パターン2においても、電子部品Wの平面位置の補正を、位置補正部20の回転搬送テーブル220の回転ピッチの間に行うことで、効率よく電子部品Wのアライメント処理を実施することができる。動作パターン2では、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しのタイミングと、第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しのタイミングとをずらすことで、第1の回転搬送部11の回転移動時に回転搬送テーブル220を平行移動させて原点位置に位置させる平行移動動作を行う。これにより、位置補正部20の平行移動動作を効率よく行うことができ、搬送装置1による電子部品Wの搬送を高速化することが可能となる。
【0071】
[3.変形例]
[3-1.構成要素の配置の変更]
本発明に係る搬送装置1において、第1の回転搬送部11、第2の回転搬送部12、及び、位置補正部20を含む搬送装置1の各構成要素の配置は、
図1に示した構成に限定されない。例えば、搬送装置1は、
図6~
図9に示すように構成してもよい。
【0072】
(変形例1)
図6に示す搬送装置1は、
図1に示す搬送装置1の構成と比較して、第3の回転搬送部13の配置が異なり、第3の回転搬送部13は回転軸A3がZ方向に沿うように設けられている。第3の回転搬送部13は、第3の保持部130により、第3の受け渡し位置Q3で電子部品Wを保持した第2の保持部120から電子部品Wを受け取り、円軌道C3に沿って電子部品Wを搬送する。そして、第3の保持部130は、搬送した電子部品Wを、例えば収納側のウェハシートSと対向する供給位置Q4でウェハシートSに収納する。このように、搬送装置1は、第3の回転搬送部13の配置の向きを変えて構成してもよい。
【0073】
(変形例2)
図7に示す搬送装置1は、
図1に示す搬送装置1の構成と比較して、第1の回転搬送部11の配置が異なり、第1の回転搬送部11は位置補正部20の回転軸A0に対して90°回転された状態で配置されている。第1の回転搬送部11の回転軸A1はX方向に平行である。
図7に示す搬送装置1を平面視して電子部品Wの搬送経路をみると、電子部品Wは、第1の回転搬送部11によりY方向に沿って移動された後、位置補正部20により水平面(XY平面)を270°移動され、その後、第2の回転搬送部12によりX方向に沿って移動される。このように、位置補正部20の回転軸A0に対する第1の回転搬送部11と第2の回転搬送部12との位置を変化させることで、電子部品Wの搬送方向を変化させることができる。
【0074】
図7に示す搬送装置1では、平面視して第1の回転搬送部11と第2の回転搬送部12とが90°の角度で配置されている。このため、回転搬送テーブル220に吸着保持部210が20°の設置間隔で設けられている場合には、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しのタイミングと、第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しのタイミングとを一致させることができない。このような場合には、搬送装置1は
図5に示した動作パターン2のように、第1の受け渡し位置Q1での電子部品Wの受け渡しのタイミングと、第2の受け渡し位置Q2での電子部品Wの受け渡しのタイミングとをずらして動作させればよい。
【0075】
(変形例3)
図1に示す搬送装置1では、位置補正部20の吸着保持部210は、吸着面211aが常に水平面(XY平面)に平行となるように配置されているが、吸着面211aは、第2の受け渡し位置Q2において、対向する第2の保持部120の吸着面と平行であればよい。
【0076】
上述したように、第1の受け渡し位置Q1において第1の保持部110と位置補正部20の吸着保持部210とが電子部品Wの受け渡しを行う際、吸着保持部210は、電子部品Wのバンプと反対側の面を吸着保持する。このときバンプが吸着面211aの吸引孔に入り込むことがないため、吸着保持部210の吸着面211aに保持されるときに電子部品Wの姿勢は矯正される。すなわち、吸着保持部の吸着面211aに吸着保持された電子部品Wは傾きのない適正な姿勢となっている。したがって、第2の受け渡し位置Q2において、吸着保持部210の吸着面211aと第2の保持部120の吸着面とが平行であれば、電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態でこれらの間で電子部品Wを受け渡すことができる。
【0077】
例えば、
図8に示すように、位置補正部20を、水平面(XY平面)に対して45°傾けて設置し、第1の受け渡し位置Q1では第1の保持部110の吸着面111aと吸着保持部210の吸着面211aとが水平方向に平行となり、第2の受け渡し位置Q2では第2の保持部120の吸着面と吸着保持部210の吸着面211aとが垂直方向に平行となるようにしてもよい。この場合、第1の受け渡し位置Q1において電子部品Wが吸着保持部210の吸着面211aに保持されるときに電子部品Wの姿勢が矯正される。そして、回転搬送テーブル220の回転により移動された電子部品Wは、第2の受け渡し位置Q2で、第2の保持部120の吸着面に吸着保持される。第2の受け渡し位置Q2では第2の保持部120の吸着面と吸着保持部210の吸着面211aとが平行であることから、電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態で電子部品Wの受け渡しを行うことができる。
【0078】
また、例えば
図9に示すように、位置補正部20を、水平面(XY平面)に対して45°傾けて設置し、第1の受け渡し位置Q1では第1の保持部110の吸着面111aと吸着保持部210の吸着面211aとが垂直方向に平行となり、第2の受け渡し位置Q2では第2の保持部120の吸着面と吸着保持部210の吸着面211aとが水平方向に平行となるようにしてもよい。この場合にも、第1の受け渡し位置Q1において電子部品Wが吸着保持部210の吸着面211aに保持されるときに電子部品Wの姿勢が矯正される。そして、回転搬送テーブル220の回転により移動された電子部品Wは、第2の受け渡し位置Q2で、第2の保持部120の吸着面に吸着保持される。第2の受け渡し位置Q2では第2の保持部120の吸着面と吸着保持部210の吸着面211aとが平行であることから、電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態で電子部品Wの受け渡しを行うことができる。
【0079】
[3-2.回転搬送部における電子部品の位置補正]
また、本発明に係る搬送装置1において、位置補正部20を設ける代わりに、第1の回転搬送部11と第3の回転搬送部13との間にある第2の回転搬送部12に、電子部品Wの位置を補正する機能を設けてもよい。すなわち、第2の回転搬送部12を、上述の実施形態における位置補正部20として機能させる。
【0080】
図10及び
図11に、本発明に係る搬送装置1の変形例として、第2の回転搬送部12に電子部品Wの位置を補正する位置補正機構300を設けた場合の搬送装置1の一構成例を示す。
図10では、上側に搬送装置1を平面視した状態を示し、下側に搬送装置1を側面視した状態を示している。
図11は、第2の回転搬送部12及び位置補正機構300を示す模式図であって、
図10上側に示す状態をX方向から見た状態を示している。
【0081】
図10に示す搬送装置1は、第1の回転搬送部11と、第2の回転搬送部12と、第3の回転搬送部13とを有する。第1の回転搬送部11、第2の回転搬送部12、及び、第3の回転搬送部13は、
図10上側に示すようにX方向に沿って並列されており、
図10下側に示すようにY方向に平行な駆動部61、62、63の回転軸A1、A2、A3を中心として回転する。第1の回転搬送部11、第2の回転搬送部12、及び、第3の回転搬送部13の構成は、
図1の搬送装置1と同様である。
【0082】
本変形例における第2の回転搬送部12は、第1の回転搬送部11の第1の保持部110から受け取った電子部品Wの位置を補正して第3の回転搬送部13の第3の保持部130へ受け渡すため、位置補正機構300を備えている。位置補正機構300は、第2の回転搬送部12を平行移動させる機構である。位置補正機構300による第2の回転搬送部12の平行移動は、第1の保持部110から第2の保持部120へ電子部品Wを受け渡す第1の受け渡し位置Q1、または、第2の保持部120から第3の保持部130へ電子部品Wを受け渡す第2の受け渡し位置Q2で、第2の保持部120の吸着面と平行な面内で行われる。
【0083】
例えば、
図10に示す搬送装置1では、第1の受け渡し位置Q1及び第2の受け渡し位置Q2において、第2の保持部120の吸着面は、YZ平面と平行となる。このため、
図11に示す位置補正機構300は、第2の回転搬送部12を回転軸に平行な方向であるY方向に移動させる第1駆動部310と、第2の回転搬送部12を回転軸に直交する方向であるZ方向に移動させる第2駆動部320とを有している。
【0084】
なお、第2の回転搬送部12は、当該第2の回転搬送部12が設置される支持基台305に対して、モータ支持板62a、ブラケット72、及び、位置補正機構300を介して取り付けられている。モータ支持板62aは、回転体102を回転させるモータ等の駆動部62に固定されており、第2の回転搬送部12とともにYZ平面を平行移動する。ブラケット72は、XY平面に平行な第1面72aとZX平面に平行な第2面72bとからなるL字型の部材である。ブラケット72は、第2の回転搬送部12とともにY方向へ移動する。
【0085】
第1駆動部310は、支持基台305に固定されている。第1駆動部310は、モータ311と、ボールねじ313と、一対のガイド315と、スライド部317a、317bとを有する。モータ311は、支持基台305にモータブラケット312を用いて固定されている。ボールねじ313は、モータ311の回転運動を直線運動に変換する。一対のガイド315は、支持基台305上にY方向に平行な状態で固定されている。スライド部317a、317bは、ボールねじ313の直線運動により、一対のガイド315に沿ってY方向に移動する。
【0086】
スライド部317a、317bには、ブラケット72の第1面72aが固定されている。したがって、ブラケット72は、スライド部317a、317bとともにY方向に移動する。ブラケット72のY方向への移動に伴い、モータ支持板62aと後述する第2駆動部320を介してブラケット72に支持されている第2の回転搬送部12もY方向へ移動する。
【0087】
第2駆動部320は、ブラケット72に固定されている。第2駆動部320は、モータ321と、ボールねじ323と、一対のガイド325と、スライド部327a、327bとを有する。モータ321は、ブラケット72の第1面72aにモータブラケット322を用いて固定されている。ボールねじ323は、モータ321の回転運動を直線運動に変換する。一対のガイド325は、ブラケット72の第2面72bにZ方向に平行な状態で固定されている。スライド部327a、327bは、ボールねじ323の直線運動により、一対のガイド325に沿ってZ方向に移動する。
【0088】
スライド部327a、327bには、モータ支持板62aが固定されており、スライド部327a、327bとともにZ方向に移動する。ここで、ブラケット72の第2面72bには、駆動部62が挿通可能な大きさの貫通孔が設けられており、駆動部62は、ブラケット72には直接固定されていない。したがって、モータ支持板62aは、スライド部327a、327bとともにブラケット72に対して相対的にZ方向に移動することができる。モータ支持板62aのZ方向への移動に伴い、モータ支持板62aに固定されている第2の回転搬送部12もZ方向へ移動する。
【0089】
位置補正機構300は、第1駆動部310及び第2駆動部320により、第2の回転搬送部12をYZ平面内で平行移動させる。これにより、第2駆動部320の第2の保持部120によって吸着保持される電子部品Wの平面位置を調整する。なお、第2の回転搬送部12には、第1の受け渡し位置Q1と第2の受け渡し位置Q2との間の電子部品Wの搬送経路において、搬送する電子部品Wの位置を確認するための画像を撮像する撮像部(図示せず。)を設けてもよい。これにより、例えば、搬送装置1を制御する制御部(図示せず。)は、撮像部により撮像された画像に基づき位置補正機構300を制御して、電子部品Wの平面位置を調整することができる。
【0090】
図10に示す搬送装置1は、まず、第1の回転搬送部11により、例えばウェハシートSに貼り付けられている電子部品Wを1つずつ吸着保持し、第2の回転搬送部12へ搬送する。第1の回転搬送部11は、回転体101を一方向(例えば、
図10下側に示すように側面視した状態では反時計回り)に回転させ、ピックアップ位置Q0で第1の保持部110によりウェハシートSから電子部品Wを1つ吸着保持する。電子部品Wのピックアップは、
図1に示した搬送装置1と同様に、例えば、ウェハシートSに張り付けられている電子部品Wを突き出し装置30により第1の回転搬送部11側へ突き出し、第1の保持部110の吸着面111aに吸着させてもよい。
図10に示す搬送装置1において、突き出し方向は水平方向(X方向)である。
【0091】
電子部品Wを保持した第1の保持部110は、回転体101の回転により円軌道C1に沿って垂直面内を移動する。電子部品Wを保持した第1の保持部110は、第1の受け渡し位置Q1で、第2の回転搬送部12の第2の保持部120と電子部品Wの受け渡しを行う。第1の受け渡し位置Q1では、第1の保持部110の吸着面111aと第2の保持部120の吸着面121aとは平行となる。これにより、第2の保持部120の吸着面121aは、第1の保持部110から受け取った電子部品Wを傾くことなく正しい姿勢で保持することができる。
【0092】
ウェハシートSに貼り付けられている電子部品Wは、バンプ(電極)と反対側の平坦な面がウェハシートSに接している。このため、第1の保持部110はバンプ側の面を吸着面111aに吸着保持し、バンプと反対側の面が外部に向いている。したがって、第1の受け渡し位置Q1において第1の保持部110と第2の保持部120とが電子部品Wの受け渡しを行う際、第2の保持部120は、電子部品Wのバンプと反対側の平坦な面を吸着保持する。このため、電子部品のサイズが小さい場合にも当該電子部品のバンプが吸着面121aの吸引孔に入り込むことはなく、第2の保持部120の吸着面121aに保持されるときに電子部品Wの姿勢は矯正される。第1の保持部110の吸着面111aがピックアップ位置Q0で電子部品Wを吸着保持した際に、バンプが吸引孔に入り込んで電子部品Wに傾きが生じていたとしても、第1の受け渡し位置Q1では、第2の保持部120は電子部品Wのバンプと反対側の平坦な面を吸着面121aにて保持するため、生じていた傾きは矯正される。
【0093】
このように、第2の保持部120の吸着面121aに吸着保持された電子部品Wは、傾きのない適正な姿勢となる。第1の受け渡し位置Q1で電子部品Wの姿勢が矯正されているため、第2の受け渡し位置Q2において、第2の保持部120の吸着面121aと第3の保持部130の吸着面131aとが平行であれば、電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態でこれらの間で電子部品Wを受け渡すことができる。
【0094】
電子部品Wを保持した第2の保持部120は、回転体102の回転により円軌道C2に沿って、垂直面内を第1の受け渡し位置Q1から第2の受け渡し位置Q2まで移動する。第2の保持部120の移動中に位置補正機構300により第2の回転搬送部12を平行移動して、第2の保持部120が吸着保持する電子部品Wの平面位置を補正する。そして、電子部品Wを保持した第2の保持部120は、第2の受け渡し位置Q2で、第3の回転搬送部13の第3の保持部130と電子部品Wの受け渡しを行う。
【0095】
第2の受け渡し位置Q2では、第2の保持部120の吸着面121aと第3の保持部130の吸着面131aとは平行となっている。これにより、第3の保持部130の吸着面131aは、第2の保持部120の吸着面121aから電子部品Wを傾くことなく正しい姿勢で吸着保持することができる。第3の回転搬送部13は、例えば、キャリアテープ(図示せず。)を収容するテーピングユニット50へ電子部品Wを搬送し、供給位置Q4で吸着保持していた電子部品Wを解放する。
【0096】
図10及び
図11に示した搬送装置1では、第2の回転搬送部12を上述の実施形態における位置補正部20として機能させ、第2の回転搬送部12において、吸着保持する電子部品Wの平面位置を位置補正機構300によって補正する。このような搬送装置1によっても、上述の実施形態の搬送装置1と同様、第1の受け渡し位置Q1において電子部品Wが第2の保持部120の吸着面121aに保持されるときに電子部品Wの姿勢が矯正される。そして、第2の回転搬送部12の回転体102の回転により移動された電子部品Wは、第2の受け渡し位置Q2で、第3の保持部130の吸着面131aに吸着保持される。第2の受け渡し位置Q2では第2の保持部120の吸着面121aと第3の保持部130の吸着面131aとが平行であることから、電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態で電子部品Wの受け渡しを行うことができる。
【0097】
[4.まとめ]
以上、本発明の一実施形態に係る搬送装置1の構成とその動作について説明した。本実施形態に係る搬送装置1は、電子部品Wの搬送経路上において第1の回転搬送部11と第2の回転搬送部12との間に、第1の保持部110から受け取った電子部品Wの位置を補正して第2の保持部120へ受け渡す位置補正部20と、を備える。位置補正部20は、回転搬送テーブル220の回転中に平行駆動部230により回転搬送テーブル220を平行移動して、吸着保持部210が吸着保持する電子部品Wの平面位置を補正する。これにより、電子部品Wのアライメント処理を効率よく実施することができる。また、第2の受け渡し位置Q2において、対向する吸着保持部210の吸着面211aと第2の保持部120の吸着面とが平行となるようにする。これにより、第1の受け渡し位置Q1で吸着保持部210が電子部品Wを吸着した際に矯正された電子部品Wの正しい姿勢を保持した状態で電子部品Wの受け渡しを行うことができる。
【0098】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0099】
例えば、上記実施形態では、搬送装置は搬送する電子部品の平面位置を補正したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、搬送装置は搬送する電子部品の平面位置の補正に加えて回転補正を行ってもよい。電子部品の回転補正は、電子部品を吸着保持する吸着コレットを吸着面に対して垂直な軸周りに回転させることにより行うことができる。電子部品の回転補正は、第1の回転搬送部、第2の回転搬送部、または、位置補正部のいずれかで行えばよい。
【符号の説明】
【0100】
1 搬送装置
11 第1の回転搬送部
12 第2の回転搬送部
13 第3の回転搬送部
20 位置補正部
30 突き出し装置
35 ピン
50 テーピングユニット
70 制御部
101、102、103 回転体
110 第1の保持部
111 吸着コレット
111a、121a、131a 吸着面
112 進退駆動機構
113 シャフト
114 接続部材
120 第2の保持部
130 第3の保持部
210 吸着保持部
211 吸着コレット
211a 吸着面
213 固定部材
220 回転搬送テーブル
221 テーブル
223 回転駆動部
230 平行駆動部
231 基台
233 第1駆動機構
233a、235a ガイド
233b、235b スライド部
233c 天板
235 第2駆動機構
250 撮像部
Q0 ピックアップ位置
Q1 第1の受け渡し位置
Q2 第2の受け渡し位置
Q3 第3の受け渡し位置
Q4 供給位置
S ウェハシート
W 電子部品
【要約】
【課題】電子部品の搬送を効率的にかつ確実に実施する搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置は、電子部品を吸着保持する第1の保持部を円軌道に沿って移動させる第1の回転搬送部と、電子部品を吸着保持する第2の保持部を円軌道に沿って移動させる第2の回転搬送部と、電子部品の搬送経路上において第1の回転搬送部と第2の回転搬送部との間に設けられ、第1の保持部から受け取った電子部品の位置を補正して第2の保持部へ受け渡す位置補正部とを備える。位置補正部は、電子部品を吸着保持する吸着面を有し、第1の保持部及び第2の保持部と電子部品の受け渡しを行う吸着保持部と、円軌道に沿って吸着保持部を移動させる回転搬送テーブルと、回転搬送テーブルを平行移動させ、吸着保持部が吸着保持する電子部品の平面位置を補正する平行駆動部とを有する。第2の受け渡し位置で対向する吸着保持部の吸着面と第2の保持部の吸着面とは平行である。
【選択図】
図1