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特許7492228コンテンツサーバシステム、コンピュータシステム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】コンテンツサーバシステム、コンピュータシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20240522BHJP
【FI】
G16H20/10
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020094027
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189720
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】591040753
【氏名又は名称】東和薬品株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】519180002
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコ研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】518381916
【氏名又は名称】Tスクエアソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】中村 豪之
(72)【発明者】
【氏名】小野田 洋
(72)【発明者】
【氏名】樺島 広子
(72)【発明者】
【氏名】堤 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】福島 哲
(72)【発明者】
【氏名】樺島 脩
(72)【発明者】
【氏名】山本 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】名田 茂
(72)【発明者】
【氏名】福岡 敬真
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-187914(JP,A)
【文献】特開2014-056491(JP,A)
【文献】特開2020-077062(JP,A)
【文献】特開2019-128665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンテンツサーバシステムであって、
前記ユーザに係る医薬品の使用期間情報を少なくとも含む当該医薬品の使用情報を取得する取得手段と、
前記使用期間情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段と、
前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段と、
を備えるコンテンツサーバシステム。
【請求項2】
前記コンテンツ設定には、複数種類のコンテンツの中から進行制御の対象とする対象コンテンツの選択設定と、コンテンツの進行制御に係る設定と、のうちの少なくとも一方が含まれる、
請求項1に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項3】
前記コンテンツ設定決定手段は、前記ユーザのユーザ情報を記憶する記憶部から取得した前記ユーザ情報に基づいて前記コンテンツ設定を可変に決定する、
請求項1又は2に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項4】
医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンテンツサーバシステムであって、
前記ユーザに係る医薬品の使用タイミングの情報と当該使用タイミング毎の使用有無を示す使用有無情報とを少なくとも含む当該医薬品の使用情報を取得する取得手段と、
直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージを前記ユーザ端末に報知させる第1のメッセージ制御を行う第1のメッセージ制御手段と、
直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得した場合に、前記第1のメッセージ制御の前に取得したのか、後に取得したのかに応じてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段と、
前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段と、
を備えるコンテンツサーバシステム。
【請求項5】
前記第1のメッセージ制御手段は、前記待機期限に達した医薬品の種類に基づいて前記メッセージの内容を決定する、
請求項に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項6】
直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージを、前記ユーザに予め関連づけて設定された報知先端末に報知させる第2のメッセージ制御を行う第2のメッセージ制御手段、
を更に備える請求項4又は5に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項7】
前記ユーザが使用する医薬品に関する各使用タイミングの使用有無を前記使用有無情報に基づいて前記ユーザ端末に表示させる使用有無表示を、前記コンテンツ設定に基づいて可変に制御する使用有無表示制御手段、
を更に備える請求項の何れか一項に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項8】
医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンテンツサーバシステムであって、
前記ユーザに係る医薬品の使用情報を取得する取得手段と、
前記使用情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段と、
前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段と、
を備え
前記コンテンツ設定決定手段は、コンテンツの進行制御に係る設定を、ジェネリック医薬品か否かが少なくとも含まれる医薬品の種類に基づいて可変に決定する、
コンテンツサーバシステム。
【請求項9】
前記取得手段は、前記使用情報を、1)前記ユーザ端末、2)前記ユーザが使用する医薬品及びその使用を管理する管理者の管理者端末、3)当該使用情報を当該ユーザのユーザIDと紐付けて記憶・管理する管理制御システム、のうちの何れかから取得する、
請求項1~の何れか一項に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項10】
前記取得手段は、前記ユーザの体調情報を取得し、
前記コンテンツ設定決定手段は、前記体調情報に基づいて前記コンテンツ設定を可変に決定する、
請求項1~の何れか一項に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項11】
前記取得手段は、前記体調情報を、a)前記ユーザ端末、b)前記ユーザが使用する医薬品及びその使用を管理する管理者の管理者端末、c)当該体調情報を当該ユーザのユーザIDと紐付けて記憶・管理する管理制御システム、のうちの何れかから取得する、
請求項10に記載のコンテンツサーバシステム。
【請求項12】
前記使用情報を前記ユーザのユーザIDと紐付けて記憶・管理する管理制御システムと、
前記取得手段が前記ユーザIDに基づいて前記使用情報を取得する請求項1~11の何れか一項に記載のコンテンツサーバシステムと、
を具備するコンピュータシステム。
【請求項13】
医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンピュータシステムを、
前記ユーザに係る医薬品の使用期間情報を少なくとも含む当該医薬品の使用情報を取得する取得手段、
前記使用期間情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段、
前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンピュータシステムを、
前記ユーザに係る医薬品の使用タイミングの情報と当該使用タイミング毎の使用有無を示す使用有無情報とを少なくとも含む当該医薬品の使用情報を取得する取得手段、
直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージを前記ユーザ端末に報知させる第1のメッセージ制御を行う第1のメッセージ制御手段、
直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得した場合に、前記第1のメッセージ制御の前に取得したのか、後に取得したのかに応じてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段、
前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンピュータシステムを、
前記ユーザに係る医薬品の使用情報を取得する取得手段、
前記使用情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段、
前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段、
として機能させ
前記コンテンツ設定決定手段は、コンテンツの進行制御に係る設定を、ジェネリック医薬品か否かが少なくとも含まれる医薬品の種類に基づいて可変に決定する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツを提供するコンテンツサーバシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬品(処方薬)は、定められたタイミングで定められた分量を定められた使用期間に亘って正しく使用するのが望ましいとされる。例えば、朝夕食後に服用する服用薬・定時毎の吸入を要する吸入薬、1日3回使用する塗り薬など、が良い例である。点眼薬・点鼻薬・点耳薬・坐薬・解熱剤・インスリンなどの注射・貼り薬などでは頓用(自己判断で自己使用)する処方薬であっても、定められたタイミングが無くとも使用期間や使用回数に上限が設定されている場合もある。しかし、単純な使用忘れや患者独自の判断での使用中止などにより、必ずしも正しく使用されない場合がある。そして、特に処方薬の場合には、正しく使われないと、症状が再発して再受診・再処方を繰り返すこととなり時間と費用の無駄が生じる。また、過度な使用では好ましくない副作用も懸念される。
【0003】
医薬品の使用忘れ等の残薬問題を解消するために、医薬品の使用スケジュールを管理して、正しい使用タイミングが間近になると患者に使用を催促するシステムも考案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-16185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医薬品の使用タイミングに合わせて使用を促すシステムは、医薬品の使用忘れを防止するのに効果的であるが、電子メールの送信やスマートフォン等の通知機能を利用した催促では、他の電子メールや通知に埋没し易く見落とされる場合があった。ユーザが子供である場合、催促の通知それ自体を理解できない場合もある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザによる医薬品の自発的な正しい使用を促すことを可能とさせる新たな技術を提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための第1の発明は、医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンテンツサーバシステムであって、前記ユーザに係る医薬品の使用情報を取得する取得手段(例えば、図11の制御基板1350、CPU1351、通信モジュール1353、取得制御部231)と、前記使用情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段(例えば、図11の制御基板1350、CPU1351、コンテンツ設定決定部235、図15のプレイデータ800、コンテンツ設定データ810)と、前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段(例えば、図11の制御基板1350、CPU1351、コンテンツ提供制御部237)と、を備えるコンテンツサーバシステムである。
【0008】
「コンテンツサーバシステム」は、単数のコンピュータがサーバとして機能することで実現される形態は勿論、通信回線を介して接続された複数のコンピュータが連携して一体的なサーバシステムとして機能する形態であってもよい。
また「エンターテインメントコンテンツ(コンテンツ)」は、ゲーム、擬似会話、絵本、動画、物語音声、などの形態を含む。
また、「使用情報」は、ユーザが使用するべき医薬品の種類・用法・用量についての情報と、ユーザが使用した結果についての情報と、の一方又は両方を含む。
【0009】
第1の発明によれば、医薬品を使用するユーザ(例えば患者)は、ユーザ端末を使って、例えば、当該ユーザに対して処方された医薬品の使用情報に基づいて内容が変化するエンターテインメントコンテンツを楽しむことができる。ユーザの立場からすると、自分が処方通りに正しく医薬品を使用しているかによってコンテンツの内容が変化するので、自然とコンテンツへの興味がわく。そして、コンテンツの内容が気になるユーザは、自然と医薬品を正しく使用することを意識するようになる。
【0010】
第2の発明は、前記コンテンツ設定には、複数種類のコンテンツの中から進行制御の対象とする対象コンテンツの選択設定と、コンテンツの進行制御に係る設定と、のうちの少なくとも一方が含まれる、第1の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0011】
第2の発明によれば、進行制御の対象とする対象コンテンツが複数種類の中から選択されるので、同じコンテンツしか提供できない場合に比べてユーザに飽きられることがなく、医薬品の正しい使用を促す作用効果が発揮される。或いは、使用情報に基づいてコンテンツの進行制御に係る設定が変更されるので、ユーザを当該コンテンツに惹き付け、医薬品の正しい使用を促す作用効果が発揮される。
【0012】
第3の発明は、前記コンテンツ設定決定手段は、前記ユーザのユーザ情報を記憶する記憶部から取得した前記ユーザ情報に基づいて前記コンテンツ設定を可変に決定する、第1又は第2の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0013】
「ユーザ情報」は、ユーザに係る個人的な情報(例えば、年齢、性別、既往歴、など)を含む。
第3の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ユーザ情報を取得してコンテンツ設定を可変に決定することができる。ユーザ情報を記憶する記憶部を外部装置とすれば、コンテンツサーバシステムとしてはユーザ情報を常時記憶して管理する必要がなく、コンテンツの提供専用にすることができる。よって、コンテンツサーバシステムの運用効率を高め、ユーザの情報を適切に管理することが可能となる。
【0014】
第4の発明は、前記使用情報には、医薬品の使用期間情報が含まれ、前記コンテンツ設定決定手段は、前記使用期間情報に基づいて前記コンテンツ設定を可変に決定する、第1~第3の何れかの発明のコンテンツサーバシステムである。
【0015】
「医薬品の使用期間情報」とは、当該医薬品の使用を継続するべき期間についての情報である。例えば風邪を引いて5日分の医薬品が処方された場合の「5日間」がこれに該当する。
【0016】
第4の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、医薬品の使用期間に基づいてコンテンツ設定を可変に決定することができる。例えば、コンテンツの所要時間を、医薬品の使用期間長に合わせることで、使用期間終了前に唐突にコンテンツが終了したり、使用期間が終了したのにコンテンツが何時までも終わらないといった好ましくない事態を避けることができる。
【0017】
第5の発明は、前記使用情報には、医薬品の使用タイミングを少なくとも含む用法情報が含まれ、前記取得手段は、前記使用タイミング毎の使用有無を示す使用有無情報を取得し、前記コンテンツ設定決定手段は、前記使用有無情報に基づいて前記コンテンツ設定を可変に決定する、第1~第4の何れかの発明のコンテンツサーバシステムである。
【0018】
「使用タイミング」とは、医薬品を使用するべき時又は時間帯を言う。例えば「朝夕1日2回服用」の定時薬が処方された場合、「用法情報」は「朝」「夕」を示す情報が該当する。「発熱時に随時服用」の頓用薬が処方された場合、「用法情報」は「随時」又は「所与の周期」が該当する。
【0019】
「使用有無情報」は、医薬品をユーザが使用した内容の情報であって、使用した/使用していない、医薬品別の使用日時及び使用量といった、使用結果についての情報が含まれる。
【0020】
第5の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ユーザが医薬品をどのように使用したかの結果に基づいてコンテンツ設定を変更できる。例えば、正しい使用タイミングで使用された場合のコンテンツ設定が、誤った使用タイミングで使用された場合(使用されなかった場合を含む)のそれよりも、ユーザにとって利益となるようにコンテンツ設定を決定すれば、医薬品の自発的な正しい使用をユーザに促すことができる。
【0021】
第6の発明は、直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージを前記ユーザ端末に報知させる第1のメッセージ制御を行う第1のメッセージ制御手段(例えば、図11の制御基板1350、CPU1351、第1メッセージ制御部232)、を更に備える第5の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0022】
第6の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、使用タイミングからある程度の待機期限を待ってなお、当該使用タイミングにおける使用有無の情報を取得できない場合、医薬品の使用を促すメッセージをユーザ端末に報知させて医薬品の使用忘れを防ぐことができる。
【0023】
第7の発明は、前記コンテンツ設定決定手段が、直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得した場合に、前記第1のメッセージ制御の前に取得したのか、後に取得したのかに応じて前記コンテンツ設定を可変に決定する、第6の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0024】
第7の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ユーザが、自発的に正しく医薬品を使用できたのか、或いは、使用を促すメッセージを受けて使用したのか、によってコンテンツ設定を変更できる。コンテンツの内容が、医薬品を自発的にきちんと使用できているかによって変化することになるので、決められた時に遅れることなく使用するようにユーザを誘導することができる。
【0025】
第8の発明は、前記第1のメッセージ制御手段が、前記待機期限に達した医薬品の種類に基づいて前記メッセージの内容を決定する、第6又は第7の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0026】
第8の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、使用が確認されない医薬品の種類によって使用を促すメッセージの内容を決定できる。例えば、絶対に忘れてはいけない種類については警告を含めた内容とすると、今回の使用忘れを速やかにリカバーできるとともに、次回以降の使用忘れを強く防止できる。また例えば、ユーザが子供であり、子供には服用の難易度が高い粉薬を服用する必要がある場合には、応援要素を含むメッセージの内容とすることで、ユーザに服用を奮起させることができる。
【0027】
第9の発明は、直近の前記使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す前記使用有無情報を前記取得手段が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージを、前記ユーザに予め関連づけて設定された報知先端末に報知させる第2のメッセージ制御を行う第2のメッセージ制御手段(例えば、図11の制御基板1350、CPU1351、第2メッセージ制御部233)、を更に備える第5~第8の何れかの発明のコンテンツサーバシステムである。
【0028】
第9の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ユーザに対するメッセージだけではユーザ自身による医薬品の使用履行が望めないケース(例えば、医薬品を使用すべきユーザが子供の場合や、補助や介助を必要とするユーザの場合)において、ユーザ端末とは別の報知先端末に医薬品の使用履行のためのメッセージを報知させることができる。よって、使用忘れのリカバーをより確実なものとすることできる。
【0029】
第10の発明は、前記ユーザが使用する医薬品に関する各使用タイミングの使用有無を前記使用有無情報に基づいて前記ユーザ端末に表示させる使用有無表示を、前記コンテンツ設定に基づいて可変に制御する使用有無表示制御手段(例えば、図10の使用有無表示W7、図11の制御基板1350、CPU1351、使用有無表示制御部239)、を更に備える第5~第9の何れか発明のコンテンツサーバシステムである。
【0030】
第10の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ユーザ端末での医薬品の使用有無の表示を、コンテンツ設定に基づいて可変に制御することができる。これにより、医薬品の継続的な正しい使用をユーザに促すことが可能となる。
【0031】
第11の発明は、前記コンテンツ設定決定手段が、コンテンツの進行制御に係る設定を、医薬品の種類に基づいて可変に決定する、第1~第10の何れかの発明のコンテンツサーバシステムである。
【0032】
第11の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、使用する医薬品の種類に基づいてコンテンツの進行制御に係る設定を変化させることが可能となる。
【0033】
第12の発明は、前記医薬品の種類には、ジェネリック医薬品か否かが少なくとも含まれる、第11の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0034】
医療費の低減の一策としてジェネリック医薬品は有効である。
第12の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ジェネリック医薬品を使用するか否かによってコンテンツ設定を変更することが可能となる。
【0035】
第13の発明は、前記取得手段が、前記使用情報を、1)前記ユーザ端末、2)前記ユーザが使用する医薬品及びその使用を管理する管理者の管理者端末、3)当該使用情報を当該ユーザのユーザIDと紐付けて記憶・管理する管理制御システム、のうちの何れかから取得する、第1~第12の何れかの発明のコンテンツサーバシステムである。
【0036】
第13の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、使用情報を、ユーザ端末、管理者端末、管理制御システムの何れかから取得できるので、使用情報を何処に記憶・保存するかシステム設計上の自由度を高くすることができる。
【0037】
第14の発明は、前記取得手段が、前記ユーザの体調情報を取得し、前記コンテンツ設定決定手段は、前記体調情報に基づいて前記コンテンツ設定を可変に決定する、第1~第13の何れかの発明のコンテンツサーバシステム。
【0038】
第14の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、ユーザの体調に応じてコンテンツ設定を変更することが可能となる。例えば、コンテンツがゲームである場合、体調が改善したタイミングでプレーヤキャラクタのレベルアップや、ゲームイベントを発生させるようにコンテンツ設定を変更すれば、ユーザは、プレーヤキャラクタに抱く共感が高まり、医薬品を正しく使用する間接的なモチベーションとなる。よって、自発的な医薬品の正しい使用を促すことが可能となる。
【0039】
第15の発明は、前記取得手段が、前記体調情報を、a)前記ユーザ端末、b)前記ユーザが使用する医薬品及びその使用を管理する管理者の管理者端末、c)当該体調情報を当該ユーザのユーザIDと紐付けて記憶・管理する管理制御システム、のうちの何れかから取得する、第14の発明のコンテンツサーバシステムである。
【0040】
第15の発明によれば、コンテンツサーバシステムは、体調情報を、ユーザ端末、管理者端末、管理制御システムの何れかから取得できるので、体調情報を何処に記憶・保存するかシステム設計上の自由度を高くすることができる。
【0041】
第16の発明は、前記使用情報を前記ユーザのユーザIDと紐付けて記憶・管理する管理制御システムと、前記取得手段が前記ユーザIDに基づいて前記使用情報を取得する第1~第15の何れかの発明のコンテンツサーバシステムと、を具備するコンピュータシステムである。
【0042】
第16の発明によれば、第1~第15の何れかの発明のコンテンツサーバシステムと、使用情報を記憶・管理する管理制御システムとを具備し、互いのシステムがユーザIDに基づいて情報をやり取りできるコンピュータシステムを実現することができる。
【0043】
第17の発明は、医薬品を使用するユーザのユーザ端末と通信を行い、所与のエンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)を、所与のコンテンツ設定に基づいて前記ユーザ端末に提供するコンピュータシステムを、前記ユーザに係る医薬品の使用情報を取得する取得手段、前記使用情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定するコンテンツ設定決定手段、前記コンテンツ設定決定手段により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行うコンテンツ提供制御手段、として機能させるためのプログラムである。
【0044】
第17の発明によれば、第1の発明と同様の作用効果を発揮するコンピュータシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】処方薬使用支援システムの構成例を示す図。
図2】ユーザ端末が有する機能と、ユーザ端末が記憶・管理するプログラムやデータとについて説明するための図。
図3】管理制御システムが有する機能と、管理制御システムが記憶・管理するプログラムやデータとについて説明するための図。
図4】診断データのデータ構成例を示す図。
図5】使用有無及び体調についての報告に係るユーザ端末と管理制御システムとの処理の流れを説明するためのフローチャート。
図6】報告入力画面の表示例を示す図。
図7】コンテンツの提供の仕方について説明するための図(その1)。
図8】コンテンツの提供の仕方について説明するための図(その2)。
図9】コンテンツの提供の仕方について説明するための図(その3)。
図10】使用有無表示の例を示す図。
図11】コンテンツサーバシステムが有する機能と、コンテンツサーバシステムが記憶するデータやプログラムの例を示す図。
図12】コンテンツ定義データのデータ構成例を示す図。
図13】シナリオ定義データのデータ構成例を示す図。
図14】ルート内容定義データのデータ構成例を示す図。
図15】プレイデータのデータ構成例を示す図。
図16】コンテンツ提供に係る処理の流れを説明するためのフローチャート。
図17図16より続くフローチャート。
図18図17より続くフローチャート。
図19】処方薬使用支援システムの他の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施形態の例を説明するが、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限られないことは勿論である。本実施形態では、ユーザを患者とし、医薬品を当該ユーザ(患者)に対して処方された処方薬として説明する。
【0047】
〔第1実施形態〕
図1は、処方薬使用支援システムの構成例を示す図である。
処方薬使用支援システム1000は、処方薬(処方された医薬品)及びその使用を管理する管理者2(本実施形態では医者2aとして説明するが、処方薬の使用を指導する薬剤師2bでもよい)が、患者であるユーザ3に処方した処方薬を、ユーザ3が用法・用量を正しく守って使用できるように支援するためのコンピュータシステムである。
【0048】
具体的には、処方薬使用支援システム1000は、ネットワーク9を介して相互にデータ通信が可能に接続された管理制御システム1100と、コンテンツサーバシステム1300とを含み、処方された医薬品を使用するユーザ3が使用するユーザ端末1500と接続される。ユーザ端末1500を含めて処方薬使用支援システム1000としてもよい。
【0049】
ネットワーク9は、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワーク9とは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0050】
管理制御システム1100は、患者であるユーザ3への医薬品の処方に関する情報や、処方後の医薬品の使用や体調についての情報を管理するコンピュータシステムである。
【0051】
コンテンツサーバシステム1300は、所与のエンターテインメントコンテンツを、所与のコンテンツ設定に基づいてユーザ端末1500に提供するコンピュータシステムである。
【0052】
「エンターテインメントコンテンツ(以下「コンテンツ」という)」は、パラメータ等によってコンテンツ設定が定められており、そのコンテンツ設定によってシナリオやストーリー、登場キャラクタ、場面設定等が変化するように定められており、ビデオゲームや、擬似会話、デジタル絵本、動画、などが該当する。デジタル絵本は、グラフィックスを除いた読み聞かせ形式でもよい。
【0053】
コンテンツサーバシステム1300は、ユーザ端末1500をクライアントとするクライアント・サーバ形式で、ユーザ端末1500でのコンテンツのプレイ(コンテンツを使用する、視聴する、遊ぶ、の意)を実現する。
【0054】
ユーザ端末1500は、アプリケーションプログラムを実行可能なコンピュータシステムである。ユーザ端末1500は、例えば、スマートフォンや、ノート型パソコン、タブレット型コンピュータ、腕時計型などのウェアラブルコンピュータ、などの形態を取り得る。そして、ユーザ端末1500は、管理制御システム1100にログインすることで、処方された医薬品の使用状況や体調を報告するための報告用端末装置として機能し、コンテンツサーバシステム1300にログインすることで、コンテンツプレイを実現するプレイ用端末装置として機能する。
【0055】
なお、管理制御システム1100とコンテンツサーバシステム1300を、それぞれ単数のコンピュータシステムであるかのように描いているが、複数のコンピュータシステムで実現する構成であってもよい。例えば、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であっても良い。また、これらを構成するハードウェアの設置場所は問わない。離れた場所に設置された独立した複数のコンピュータを、ネットワーク9を介してデータ通信させることで、全体として一体的に機能させる構成であっても良い。
【0056】
また、ユーザ端末1500に格納されるアプリケーションプログラムは、報告用とプレイ用とでそれぞれ用意され、ユーザ端末1500のオペレーティングシステムにより切り換えて使用する構成であってもよい。
【0057】
本実施形態では、ユーザ3がユーザ端末1500を使って、コンテンツサーバシステム1300が提供するコンテンツをプレイする際、提供されるコンテンツの内容が、ユーザ3が管理制御システム1100へ報告した処方薬の使用有無の結果等に応じて変化することになる。このことが、ユーザ3に処方薬の正しい使用(使用を忘れないことであったり、用量・用法を間違えないことであったりの意)を促す支援機能を果たす。
【0058】
〔1〕処方薬の使用情報の管理
先ず、ユーザ端末1500と管理制御システム1100とによる処方薬の使用情報の管理ついて説明する。
【0059】
図2は、ユーザ端末1500が有する機能と、ユーザ端末1500が記憶・管理するプログラムやデータと、について説明するための図である。ユーザ端末1500は、制御基板1550に搭載されたICメモリ1552に、アプリケーションプログラム501と、ユーザID502と、処方薬情報506と、現在日時900と、を記憶する。
【0060】
ユーザID502は、ユーザ3をユニークに識別するための識別情報である。
処方薬情報506は、診察時の処方に関する情報であって、処方毎に管理制御システム1100が記憶するオリジナルから複製され取得・記憶される。
【0061】
ユーザ端末1500は、CPU(Central Processing Unit)1551がアプリケーションプログラム501を実行することで、(1)通信モジュール1553を介してネットワーク9に接続して管理制御システム1100にアクセスし、処方薬の使用有無及び体調の報告情報を送信する報告端末制御部202と、(2)コンテンツサーバシステム1300に接続してコンテンツプレイを可能にする制御を行うプレイ端末制御部204と、して機能する。なお、アプリケーションプログラム501は、管理制御システム1100又はコンテンツサーバシステム1300などから適宜ダウンロードしてインストールされる。
【0062】
図3は、管理制御システム1100が有する機能と、管理制御システム1100が記憶・管理するプログラムやデータと、について説明するための図である。管理制御システム1100は、制御基板1150に搭載されたICメモリ1152又はデータベース1140が、管理制御プログラム510と、ユーザ3別のカルテデータ600と、現在日時900と、を記憶する。
【0063】
管理制御プログラム510は、CPU(Central Processing Unit)1151が実行することで、管理制御システム1100を管理制御部210として機能させる。
【0064】
管理制御部210は、ユーザ3に固有のユーザIDを付与し、当該ユーザIDで紐付けて処方に係るデータ等を記憶・管理制御する。
また、管理制御部210は、通信モジュール1153を介してネットワーク9に接続してユーザ端末1500からユーザ3の処方薬の使用有無や体調についての報告を取得し、それらをカルテデータ600に追加する制御と、コンテンツサーバシステム1300からのリクエストに応じてカルテデータ600に含まれる情報を提供する制御と、を実行する。
【0065】
カルテデータ600は、例えば、ユーザ3に固有のユーザID602と、ユーザ情報604と、報知先端末アドレス606と、既往歴情報608と、診断毎に作成される診断データ610と、を含む。
【0066】
ユーザ情報604は、氏名、住所、年齢、性別、メールアドレス(ユーザ端末1500の通知機能を利用して報知を実行するためのデータ送信先アドレス情報でも可)、を含む。
【0067】
報知先端末アドレス606は、ユーザ3が処方薬を使用する手助けが可能な人物への報知装置にて報知を実行させるためのデータ送信先アドレス情報(例えば、スマートフォンの電話番号、メールアドレス)である。
【0068】
診断データ610は、例えば図4に示すように、診断日時611と、症状情報612と、検査結果情報613と、診断結果情報614と、診断結果に基づいてユーザ3に対して処方される医薬品についての使用情報620と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0069】
使用情報620は、処方薬情報630と、処方薬の使用有無情報640と、体調情報642と、を含む。
【0070】
処方薬情報630は、当該処方にて出された処方薬の種類毎に用意され、医薬品種類631と、用法情報632と、用量情報637と、を含む。
【0071】
用法情報632は、今回の処方薬を使用する期間を示す使用期間情報633(例えば、3日、5日など)と、使用タイミング情報634(例えば、食前・食後・食間・朝・夕・寝る前・頓用(自己判断での自己使用)など)と、使用方法情報635(例えば、内服・点眼・塗布・貼り付け・吸引・点鼻・点耳・坐薬の挿入・インスリンの注射など)と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0072】
用量情報637は、1回の使用当たりの使用量(例えば、2錠、1袋、1枚など)を示す。
【0073】
使用有無情報640は、使用タイミング情報634が示す使用タイミング毎に、当該使用タイミングで使用されるべき処方薬の使用実績についての情報(例えば、使用の有無、使用した医薬品の種類と数量、など)である。
【0074】
体調情報642は、処方薬の使用時点におけるユーザ3の体調についての情報である。具体的には、1つの体調情報642は、報告日時と、血圧と、体温と、脈拍数と、痛みの評価値と、痛みの種類と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0075】
図5は、使用有無及び体調についての報告に係るユーザ端末1500と管理制御システム1100との処理の流れを説明するためのフローチャートである。ユーザ3が病院で管理者2(この場合医者)の診察を受けて処方薬を得る状況に相当する。或いは、ユーザ3が薬局に行って管理者2(この場合薬剤師)のアドバイスを受けて医薬品を得る状況に相当する。
【0076】
管理制御システム1100は、管理者端末1102での管理者2による操作に応じて、カルテデータ600の読み出しを行う(ステップS2)。読み出しにはユーザIDの入力を必要とするが、新患については新患を意味する所定IDを使用する。管理制御システム1100は、ユーザIDが新患を示す場合には新たな正規のユーザIDを発行してカルテデータ600を新規作成し、該当するユーザIDが既存であれば、該当するカルテデータ600を検索する(ステップS4)。
【0077】
管理制御システム1100は、読み出したカルテデータ600の内容を、管理者端末1102(1102a)にて表示させ、カルテの入力を可能にする(ステップS6)。管理制御システム1100は、ここで管理者2が新たに入力した内容を、新たな診断データ610として記録する(ステップS6;図4参照)。但し、使用有無情報640や体調情報642は、ユーザ端末1500からの報告がなされるまでは記録されない。
【0078】
管理者2が処方を決定すると、ユーザ3へ処方薬が提供される。ユーザ3は、アプリケーションプログラム501をユーザ端末1500へインストールして(ステップS10)、当該プログラムを起動してユーザIDを入力して使用を開始する(ステップS12)。
【0079】
ユーザ端末1500は、アプリケーションプログラム501が起動されユーザIDが入力されると、管理制御システム1100へユーザIDとともにユーザ3の最新の処方薬情報630(図4参照)のリクエストを送信してこれを取得・保存する(ステップS14)。
【0080】
管理制御システム1100は、リクエストに呼応して、リクエストされたユーザIDの処方薬情報630を提供する制御を行う(ステップS15)。
【0081】
そして、ユーザ端末1500は、取得した処方薬情報630の使用タイミング情報634を元にして、使用タイミングの到来を判定する。到来している場合には(ステップS16のYES)、処方薬の使用有無及び体調の報告入力画面を表示させて、処方薬の使用と報告操作入力をユーザ3に促し、操作入力を受け付ける(ステップS18)。具体的には、報告入力画面は、使用タイミング情報634を基準に決まる所定の受付期間内で表示され、当該期間を過ぎると自動的に表示解消され、当該使用タイミングに係る報告ができなくなるものとする。
【0082】
図6に示すように、報告入力画面W6は、最初に処方薬の使用報告用の表示が行われ、次に体調の報告用の表示が行われる。使用報告用の表示では、処方内容が使用タイミング別に閲覧可能になっており、ステップS16で肯定判定された使用タイミングで使用するべき内容についての報告が限定的に入力可能になっている(図の例では、網掛けされてない範囲が入力可能であることを示している)。
【0083】
報告入力画面W6では、処方された医薬品別に、チェックボタン52とともに、医薬品名(又は医薬品の画像)・使用数・使用方法が表示される。チェックボタン52のチェックマークは「使用有り」を示す。初期状態では、チェックボタン52へのチェックは入っていないので、ユーザ3は、使用した医薬品のチェックボタンを操作して「使用有り」に変更する。もし、使用してなければ(使用し忘れた、或いは自己判断で使用しなかった場合は)そのままにする。
【0084】
そして、ユーザ3が入力決定操作アイコン54を操作すると、ユーザ端末1500は入力された内容を使用有無報告として、管理制御システム1100へ送信し、体調の報告画用W6の表示へ切り換える。
【0085】
なお、使用報告用W6の表示では、使用量をユーザ3が自己申告するための使用量の入力欄を設けても良い。
【0086】
体調の報告用の表示では、体温・血圧・脈拍数など体調を示すバイタル値の入力欄56と、症状種類の入力欄57と、痛みの種類及び評価値の入力欄58とが用意されており、ユーザ3は自身で計測したバイタル値を入力し、症状や痛みについての入力を行う。
【0087】
そして、ユーザ3が報告実行操作アイコン59を操作すると、ユーザ端末1500は報告入力画面W6で入力された内容の情報(報告情報)をユーザIDとともに管理制御システム1100へ送信する(ステップS18;図5)。
【0088】
ユーザ端末1500は、アプリケーションが終了するまで(ステップS20のYES)、ステップS14からステップS18を繰り返す。
【0089】
一方、管理制御システム1100は、報告情報を取得すると(ステップS22)、取得したユーザIDに対応するカルテデータ600を検索し、その最新の診断データ610に、新たな使用有無情報640と体調情報642とを追加する(ステップS24;図4参照)。
【0090】
次いで、管理制御システム1100は、誤使用アラート制御を実行する(ステップS26)。具体的には、ステップS22で取得した報告情報に基づいて、今回の使用についての正使用/誤使用を判定し、誤使用と判定された場合に、報告情報の送信元であるユーザ端末1500へ所定の誤使用を告げるアラート表示を実行させるアラート指示を送信する。
アラート指示を受信したユーザ端末1500は、これに従って所定のアラート表示を表示し、ユーザ3へ誤使用を警告する。
【0091】
よって、管理制御システム1100には、ユーザ3の最新の使用情報620が常に保存されていることになる。なお、管理制御システム1100による報告情報の取得は、ユーザ3によるユーザ端末1500への操作入力を起因として、ユーザ端末1500が報告情報を送信する方法に限らない。例えば、任意のタイミングでユーザ端末1500に入力された報告情報を、ユーザ端末1500が自動的かつ周期的に管理制御システム1100に送信することで、管理制御システム1100が報告情報を取得することとしてもよいし、管理制御システム1100が自動的かつ周期的にユーザ端末1500に対して報告情報の送信をリクエストしてユーザ端末1500から報告情報を取得することとしてもよい。
【0092】
処方の使用についての指導は、薬剤師2b(図1参照)が、薬局等に設置された管理者端末1102(1102b)を用いて管理制御システム1100に記憶されている使用有無情報640(図4参照)を参照して行う。
【0093】
〔2〕コンテンツの提供
次に、コンテンツサーバシステム1300によるコンテンツの提供について詳細に述べる。図7図9は、コンテンツの提供の仕方について説明するための図であって、図7はコンテンツが擬似会話である場合、図8はコンテンツがゲーム(例えばRPG(ロールプレイングゲーム))である場合、図9はコンテンツがデジタル絵本や動画である場合、の例をそれぞれ示している。
【0094】
ユーザ端末1500でアプリケーションプログラム501をインストールしてユーザIDを設定入力すると、ユーザ端末1500はコンテンツサーバシステム1300にアクセスして、ユーザ端末1500でコンテンツの提供を受けられるようにする。つまり、ユーザ3は、コンテンツをプレイできるようになる。
【0095】
コンテンツの提供は、ユーザ3が自発的に処方薬を正しく使用するように促す支援機能を果たし、そのためにコンテンツサーバシステム1300は、ユーザ3の処方薬の使用有無の状況に応じてコンテンツ設定を変更しながらコンテンツの提供を続ける。
【0096】
コンテンツ設定は、どのコンテンツを提供対象として選択するかと、コンテンツの進行制御に係る設定つまりはコンテンツの内容に関する設定と、が含まれる。コンテンツ設定の変更は、ユーザ3が処方薬を正しく使用すればするほど、コンテンツをプレイするユーザ3にとってより有益となるように、より興趣性のあるものとなるように、変更される。
【0097】
言い換えると、コンテンツ設定は、ユーザ3が処方薬を正しく使用すればするほど、コンテンツの中の世界に良い影響が及ぶように感じられるように、或いはコンテンツのプレイにおいて自身にメリットがあると感じさせるように、変更される。
【0098】
結果、コンテンツプレイを通じて、コンテンツに興味を抱かせ、コンテンツをより楽しみたいと思うユーザ3に致して、処方薬を正しく使用させるように促す支援をすることとなる。
【0099】
具体的には、コンテンツが擬似会話である場合、ユーザ端末1500の表示画面内で、SNS(Social Networking Service)のチャット画面が擬似的に再現され、ユーザ3は仮想人物であるキャラクタ4との会話を楽しむ。
【0100】
図7に示すように、コンテンツサーバシステム1300は、管理制御システム1100から取得したユーザ3のユーザ情報604(図3参照)と使用情報620(図4参照)とに基づいて、ユーザ3がその性別や年齢から興味を惹き易い(或いは共感し易い)会話相手のキャラクタを選択・登場させ、興味を惹き易い(或いは共感し易い)内容が含まれる擬似会話のシナリオを有するコンテンツで、且つ、最新の処方薬の使用期間と同じかやや長い所要期間を有するコンテンツを、提供対象として選択する。そして、提供を開始する。
【0101】
前述のように、処方薬の使用タイミングが到来する都度、ユーザ3は処方薬の使用有無や体調を報告し、管理制御システム1100が当該ユーザの使用情報620を更新する。
コンテンツサーバシステム1300は、コンテンツの提供を開始後、新たに使用タイミングが到来する毎に、当該使用タイミングから所定時間経過後を更新タイミングとし、更新された使用情報620を管理制御システム1100から取得する。
【0102】
使用情報620が更新されていなければ、コンテンツサーバシステム1300は、所定の待機時間後にユーザ3宛てに、処方薬の使用及びその報告を催促する。催促は、例えば、キャラクタに催促発言をさせる、コンテンツ内にその旨のメッセージテロップをインサート表示する、ユーザ端末1500にその旨の電子メールを送る、ユーザ端末1500のシステム提供型の通知機能を利用してその旨の通知を表示させる、などで実現する。
【0103】
そして、コンテンツサーバシステム1300は、更新された使用情報620の内容から、直近の使用タイミングにおける処方薬の使用が正しかったか、間違っていたかを判定し、その結果(正使用/誤使用)によって、その後のシナリオのルート分岐先を決定する。使用すべきタイミングで使用しなかったことも誤使用とする。
なお、催促してから所定時間が経過した後もなお、使用情報620が更新されなかった場合には、コンテンツサーバシステム1300は「使用忘れ」すなわち誤使用と見なす。
【0104】
正使用された場合に分岐先となるルートでは、誤使用の場合に比べてユーザ3にとって有益な(例えば、ユーザ3が楽しい、面白いと思うような)内容の擬似会話が展開されるように設定されている。
【0105】
対して、誤使用された場合(使用忘れや、用法・用量が間違っている場合)に分岐先となるルートでは、正使用された場合に分岐先となるルートよりも、有益さで劣る内容に設定されている。そして、誤使用された場合のルートでは、次回の使用タイミングにおいて、正しい使用を促す発言や、次回正しい使用をすれば良いことがある予告或いはそれをほのめかすような発言が用意されている。
【0106】
従って、コンテンツのプレイを通じて、ユーザ3に対して、自発的に処方薬を正しく使用するように促すこととなる。
【0107】
コンテンツサーバシステム1300は、使用タイミング毎にルート分岐を行う。但し、直近の使用タイミングにおいて、過去の使用タイミングよりも処方薬の使用に改善が見られた場合には、ご褒美として特典を付与する。擬似会話コンテンツであれば、特別な会話内容のご褒美イベントを特典としてもよい。或いは、会話テキストに添付表示される画像に特別な画像を使用することをもって特典としてもよい。
【0108】
以下、コンテンツサーバシステム1300は、最新の処方における使用期間を通じて擬似会話のプレイをユーザ3に提供する。プレイ所要時間が最新の処方の使用期間と同じ又はやや長いコンテンツが提供対象として選択されているので、使用期間終了前に早々にコンテンツが終了して、コンテンツへの興味を失って最後の使用タイミングでの処方薬の使用がおろそかになることを防ぐことができる。
【0109】
コンテンツがゲームである場合には、例えば図8に示すように、ユーザ3の年齢や性別、処方に応じたシナリオのゲームを提供対象のコンテンツとして選択する。
例えば、年齢や性別に応じて、要求される操作入力の種類、シナリオのテーマ、ゲームルール、ゲーム難易度、などが異なるコンテンツを選択する。
また、処方された医薬品の種類や、用法・用量に基づいてコンテンツを選択する。例えば、ユーザ3にとって使用に苦痛を伴う医薬品が処方されている場合(例えば、子供にとって苦い粉薬、吸引薬、注射などが処方されている)のであれば、プレーヤキャラクタ(コンテンツの主人公)が困難に立ち向かうテーマのシナリオを選択する、などである。
【0110】
ユーザ3をコンテンツにより惹き付け、ユーザ3に現実世界での自身の処方薬の使用体験が、ゲーム世界での出来事に何らかの影響を及ぼしている感覚を与えるのにより適当なコンテンツを選択すると好適である。勿論、処方の使用期間に対してプレイ所要期間が適切なコンテンツを選択することは、擬似会話コンテンツである場合と同じである。
【0111】
ゲームコンテンツの場合は、更に、プレーヤキャラクタの種類や、初期装備もプレーヤの年齢や性別、処方の内容に応じて初期設定してもよい。例えば、子供受けのするデザインのキャラクタや、女性受けのするデザインのキャラクタを、プレーヤキャラクタとするなどである。
【0112】
コンテンツサーバシステム1300が、使用タイミング毎の更新タイミングで、管理制御システム1100から最新の使用情報620を取得して、今回の使用タイミングにおける処方薬の正使用/誤使用を判定し、ルート分岐する点は擬似会話コンテンツの例と同様である。
【0113】
正使用と判定された場合の分岐先ルートの内容が、誤使用と判定された場合の分岐先ルートの内容よりも、ユーザ3にとって有利にゲームが展開するように設定されていること、も同様である。例えば、プレーヤキャラクタに、より多くの装備や資源が与えられるとしてもよい。
【0114】
また、誤使用と判定された場合の分岐先ルートでは、次回の使用タイミングにおいて、正しい使用をするように促す内容や、次回正しい使用をすれば良いことがある予告或いはそれをほのめかすような内容、が用意されている。例えば、プレーヤキャラクタの独り言、NPC(ノンプレイヤブルキャラクタ)の台詞、当該内容を告げるインサート演出、などでそれを実現する。
【0115】
正しい使用の促しや予告・ほのめかしは、ゲームルール上の仕掛けで実現してもよい。例えば、次回の使用タイミングで使用される処方薬を、扉の鍵に見立てる仕掛け(例えば、丸薬2つと、カプセル1つの使用が予定されていれば、同様の形態のアイテムを嵌め込む穴がある扉を開けないと宝物に到達できない仕掛け)を予告的に見せるとしてもよい。この場合、次回の使用タイミングでユーザ3が使用報告した医薬品の種類と数に応じて、その医薬品に対応するアイテムがゲーム内でプレーヤキャラクタに与えられるようにして、現実世界とゲーム世界との関連性を示しつつ、ユーザ3による処方薬の正しい使用が重要であることを理解させることができる。
【0116】
そして、処方期間終了(またばそのルートの終わり)に、今回の処方の使用有無の成績(例えば、全使用タイミングにおける正しい使用が行われた比率、正しい使用が行われた回数、など)には、当該成績に応じたやり応えや面白さの最終イベントが行われる。
【0117】
例えば、プレーヤキャラクタがボスキャラクタと戦闘するイベントであれば、成績が良好なほど、動きや演出がリッチで戦闘時間も長いボスキャラクタを選択・使用し、成績が悪ければ、動きや演出が乏しくあっさりと戦闘が終わってしまう手応えの少ないボスキャラクタを選択・登場させる。或いは、単純に成績に応じてグッドエンド/バッドエンドを選択・実行するとしてもよい。
【0118】
また、コンテンツがインタラクティブに進行するデジタル絵本や動画であれば、図9に示すように、コンテンツサーバシステム1300は、ユーザ3のユーザ情報604や処方に応じた内容のコンテンツを選択し、使用タイミング毎に更新タイミングを設定し、使用情報620を再取得する。そして、再取得した使用情報620に応じたルート分岐を行う。
【0119】
正使用と判定された場合の分岐先ルートでは、誤使用と判定された場合の分岐先ルートよりも、物語の主人公に良いことが起きる内容となるように、ルート内容を設定しておくと好適である。例えば、主人公が、魔法薬を作成したり魔獣を召喚するシーンを含めて、処方薬に形態や色が似た素材を登場させることとして、正使用の場合の分岐先ルートでは、正しく魔法薬が完成し、召喚獣を召喚できる内容が展開される。しかし、誤使用の場合の分岐先ルートでは魔法薬の作成や召喚が失敗する展開となる。後者では、主人公が「正しい素材の調合じゃなかったのか」と反省するシーンを追加しておくと、次回の使用タイミングにおいて処方薬の正しい使用を促すことができるので好適である。
【0120】
なお、デジタル絵本や動画の場合、インタラクティブに進行するといってもゲームほどの自由度がないので、処方薬1回分の使用に関するプレイルートの進行が終了すると一時停止状態にして、正使用/誤使用の判定が決まると、分岐先ルートでの進行を再開するとしてもよい。
【0121】
そして、使用期間の終了時には、それぞれのルートに応じたマルチエンディングが提供される。すなわち、今回の処方における使用有無の成績が良ければ、より幸福な終わり方、いわゆるグッドエンディングが提供され、成績が悪ければ、より良くない終わり方いわゆるバッドエンディングが提供される。
【0122】
なお、コンテンツが、ゲーム、擬似会話、デジタル絵本など、どのジャンルであっても、処方薬1回分の使用に関するコンテンツプレイが終了すると、或いは、コンテンツの提供が終了すると、コンテンツサーバシステム1300は、使用有無の成績を発表する。成績発表は、例えば図10のように使用有無表示W7で行う。使用有無表示W7のデザインはコンテンツのジャンルに応じて適宜設定可能であるが、使用タイミングの回数がわかる使用タイミング表示70と、当該使用タイミングにおける正使用/誤使用を示す正誤表示72と、ゲーム成績表示73と、総合評価74と、を表示する。こうして成績発表することで、ユーザ3に処方薬の使用の現状を分かり易く示し、反省を促し、次回の処方において自発的で正しい使用が続けられるように促す。
【0123】
次に、こうしたコンテンツの提供を実現するための機能や必要とされるデータ等について説明する。図11は、コンテンツサーバシステム1300が有する機能と、コンテンツサーバシステム1300が記憶するデータやプログラムの例を示す図である。
【0124】
コンテンツサーバシステム1300は、制御基板1350に搭載されたICメモリ1352、又はデータベース1340に、コンテンツサーバプログラム530と、配信用アプリケーションプログラム532と、コンテンツ定義データ660と、プレイデータ800と、ユーザ管理データ850と、催促メッセージ定義データ860と、現在日時900と、を記憶する。
【0125】
コンテンツサーバシステム1300は、CPU1351がコンテンツサーバプログラム530を実行することで、コンテンツの選択・設定・提供に係る各種処理を行うコンテンツサーバ制御部230としての機能を実現する。
【0126】
コンテンツサーバ制御部230は、取得制御部231と、第1メッセージ制御部232と、第2メッセージ制御部233と、コンテンツ設定決定部235と、コンテンツ提供制御部237と、使用有無表示制御部239と、を有する。
【0127】
取得制御部231は、ユーザ3に係る医薬品の使用情報620(図4参照)を取得する制御を行う。使用情報620には、使用タイミング毎の使用有無を示す使用有無情報640と、体調情報642とが含まれているので、取得制御部231は、使用有無情報640及び体調情報642を取得することにもなる。
【0128】
なお、取得制御部231は、取得に際して、制御基板1350の通信モジュール1353を介して、ネットワーク9に接続し、管理制御システム1100にアクセスする。よって、取得制御部231は通信モジュール1353とともに、使用情報620を取得する取得手段として機能する。
【0129】
第1メッセージ制御部232は、直近の使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す使用有無情報を取得制御部231が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージをユーザ端末1500に報知させる第1のメッセージ制御を行う。
【0130】
具体的には、第1メッセージ制御部232は、管理制御システム1100から、ユーザ3のユーザ情報604を取得し、そこに含まれるメールアドレス等に所定の催促メッセージを含めた電子メールを送信する。或いは、ユーザ端末1500のシステムで提供される通知機能を用いて催促メッセージの報知を行うとしてもよい。
【0131】
また、第1メッセージ制御部232は、待機期限に達した医薬品の種類に基づいてメッセージの内容を決定する。具体的には、メッセージの内容として、例えば、絶対に忘れてはいけない種類の医薬品が処方薬に含まれている場合、使用忘れが重大なデメリットをもたらす旨の警告を含めた内容とする。
【0132】
第2メッセージ制御部233は、直近の使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す使用有無情報を取得制御部231が取得しない状態が、当該使用タイミングに基づく待機期限に達した場合に、使用を促すメッセージを、ユーザ3に予め関連づけて設定された報知先端末に報知させる第2のメッセージ制御を行う。
【0133】
具体的には、第2メッセージ制御部233は、管理制御システム1100から、ユーザ3に係る報知先端末アドレス606(図3参照)を取得し、そこに含まれるメールアドレスに催促メッセージを含む報知メールを送信する。或いは、報知先端末のシステムで提供される通知機能を用いて催促メッセージの報知を行うとしてもよい。
【0134】
コンテンツ設定決定部235は、取得した使用情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定する。「コンテンツ設定」には、複数種類のコンテンツの中から進行制御の対象とする対象コンテンツの選択設定と、コンテンツの進行制御に係る設定と、が含まれる。
【0135】
具体的には、コンテンツ設定決定部235は、ユーザ3のユーザ情報604(図3参照)を記憶する記憶部(図3の管理制御システム1100のデータベース1140など)から取得したユーザ情報に基づいてコンテンツ設定を可変に決定する。
【0136】
また、コンテンツ設定決定部235は、取得した使用情報(図4の使用情報620がオリジナル)に含まれる使用期間情報(図4の使用期間情報633がオリジナル)に基づいてコンテンツ設定を可変に決定する。
【0137】
また、コンテンツ設定決定部235は、取得した使用有無情報(図4の使用有無情報640がオリジナル)に基づいてコンテンツ設定を可変に決定する。
【0138】
また、コンテンツ設定決定部235は、直近の使用タイミングにおける使用有無が有ることを示す使用有無情報を取得制御部231が取得した場合に、第1のメッセージ制御の前に取得したのか、後に取得したのかに応じてコンテンツ設定を可変に決定する。
【0139】
また、コンテンツ設定決定部235は、コンテンツの進行制御に係る設定を、医薬品の種類(ジェネリック医薬品か否かが少なくとも含まれる。)に基づいて可変に決定する。
【0140】
また、コンテンツ設定決定部235は、取得した体調情報(図4の体調情報642がオリジナル)に基づいてコンテンツ設定を可変に決定する。
【0141】
コンテンツ提供制御部237は、コンテンツ設定決定部235により決定されたコンテンツ設定に基づくコンテンツの提供制御を行う。
【0142】
使用有無表示制御部239は、ユーザ3が使用する医薬品に関する各使用タイミングの使用有無を取得した使用有無情報に基づいてユーザ端末1500に表示させる使用有無表示W7(図10参照)を、コンテンツ設定に基づいて可変に制御する。
【0143】
配信用アプリケーションプログラム532は、ユーザ端末1500にインストールされるアプリケーションプログラム501のオリジナルである。
【0144】
コンテンツ定義データ660は、提供可能なエンターテインメントコンテンツ毎に用意され、コンテンツの内容や提供の仕方を定義する各種データを格納する。コンテンツ定義データ660は、例えば、簡単な手順で使用でき且つ副作用も少ない医薬品が処方されている場合に選択されるコンテンツでは、プレイの楽しさを前面に押し立てた内容が設定され、「楽しい」を諸端としてコンテンツに興味を抱かせて自発的な使用を促す。逆に、使用時に侵襲性を伴う医薬品や副作用が強い医薬品が処方されている場合に選択されるコンテンツでは、ユーザ3とコンテンツの主人公とが共に頑張っているような共感が得られるような内容が設定されている。
【0145】
具体的には、図12に示すように、1つのコンテンツ定義データ660は、固有のコンテンツID661と、当該コンテンツを提供対象として選択するために満たすべき条件を記述した選択要件662と、シナリオ定義データ670と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0146】
選択要件662は、サブ条件のAND又はORを組み合わせて記述される。サブ条件としては、ユーザ情報条件663と、使用情報条件664と、過去プレイ履歴条件666と、を用いることができる。なお、これらのサブ条件は、何れも「設定なし」「実質的な無制限」とすることもできる。
【0147】
ユーザ情報条件663は、ユーザ3のユーザ情報604(図3参照)に含まれるデータについて満たされるべき条件を定義している。具体的には、年齢条件663aと、性別条件663bとのAND又はORの組合せで記述される。なお、これらの条件は、何れも「設定なし」「実質的な無制限」とすることもできる。例えば、子供向けと大人向けのコンテンツを分けて用意した場合、年齢条件663aを適切に設定することで、ユーザ3が子供か大人かによって適切なコンテンツの選択・提供が可能になる。
【0148】
使用情報条件664は、ユーザ3の最新の使用情報620(図4参照)に含まれるデータについて満たされるべき条件を定義している。具体的には、使用情報条件664は、医薬品種類条件664a、使用期間条件664b、使用タイミング条件664c、使用方法条件664d、用量条件664e、体調条件664f、処方回数条件664g、を用いてAND又はORの組合せで記述される。なお、これらの条件は、何れも「設定なし」「実質的な無制限」とすることもできる。
【0149】
例えば、使用時に少なからず苦痛を伴うような医薬品(例えば、子供にとっての粉薬、注射、吸引薬など)が処方されている場合に向けに、特別なコンテンツを用意する場合、医薬品種類条件664aを適切に設定することで、当該コンテンツを選択・提供可能にできる。なお、ここで言う特別なコンテンツの内容は、例えば、使用に侵襲性や困難性(年齢などに応じた困難性を含む)を伴う医薬品の使用を促すために、自分の境遇と似たコンテンツの主人公を用意し、ユーザ3の処方薬の正しい使用が主人公を取り巻く状況を改善し、主人公を通じてユーザ3を勇気付け、ときに慰める内容に設定すると好適である。
【0150】
更には、医薬品の種類の情報には、ジェネリック医薬品であることを示す情報を含め、ジェネリック医薬品が処方されている場合には、ジェネリック医薬品が処方されていない場合よりも、使用毎にコンテンツ内で主人公が(コンテンツ内での)得られるコンテンツ内通貨や経験値を多く設定したコンテンツが選ばれるように医薬品種類条件664aを設定すると、ジェネリック医薬品を選択したことによる医療費削減に貢献した「良いことをした気分」をユーザ3が感じられるようにすることができる。良いことをした気分は、処方薬の自発的で正しい使用を促す補助ともなる。
【0151】
また、処方薬の使用期間を残してコンテンツが先に終了したり、処方薬の使用期間を終えてなお、いつまでもコンテンツが終わらないのでは、コンテンツの提供を通じて処方薬の自発的で正しい使用を促す効果が低減したり、次の処方薬の使用期間に望ましくない影響を与えることが考えられる。よって、使用期間条件664bを設定することで、コンテンツのプレイ所要時間が、処方薬の使用期間と同じ又はやや長い程度となるように、コンテンツの適切な選択を可能にできる。
【0152】
また、ユーザ3の使用情報620に応じてコンテンツの内容を変更するには、内容変更のタイミングが使用有無や体調の報告後から時間的にあまり離れていない方が良い。例えば、コンテンツのシナリオルートを分岐させる場合、使用タイミングの時間間隔と、プレイ中のルートの所要時間とが大きく違っていると、コンテンツの内容変更に適切な機会を得られなくなる。そこで、使用タイミング条件664cを設定することで、コンテンツの内容が使用有無や体調の報告の結果として起きているように上手く見せる(感じさせる)ことが可能になる。
【0153】
また、処方薬に指定された使用方法は、ユーザ3の処方薬の使用体験そのものとなる。ユーザ3の使用情報620に応じてコンテンツの内容を変更するには、処方薬の使用体験がコンテンツ内で起きる事象と類似したり、因果関係が感じられるように設定すると効果が高まる。例えば、使用方法条件664dとして飲み薬の設定がなされている場合に、コンテンツ内のキャラクタがスタミナ回復ドリンクを飲んで元気になってコンテンツ内の世界に良い影響を与える演出が施されているコンテンツを選択・提供することが可能になる。
【0154】
また、処方薬の用量もまたユーザ3の処方薬の使用体験に直結する。例えば、飲み薬の1回の服用数と、コンテンツ内で起きるイベントの数や獲得できるアイテムの数と、を相関させたコンテンツを用意し、用量条件664eに適合したユーザ3の使用情報620に応じて、コンテンツの内容が好転していくようなコンテンツを選択・提供することが可能になる。
【0155】
また、体調が優れない場合には、心にも身体にもコンテンツを楽しむ余裕がない。コンテンツの内容にいらだつ事もあれば、コンテンツのプレイに要する時間が長ければ苦痛にもなりかねない。そこで、体調条件664fを設定することで、体調が優れないユーザ3には、気楽に短時間でプレイできるコンテンツが選ばれるように選択要件662を設定できる。
【0156】
また、人は何度も病院から処方を受けるものである。そして、何度も同じコンテンツが提供されるのでは、ユーザ3はコンテンツに対する興味を無くし、課題を解決することが遠のく。そこで、処方回数条件664gを適切に設定することで、何度も同じコンテンツが提供される事態を回避することが可能となる。また、医薬品種類条件664aと適切に組み合わせることで、同じ内容の処方が繰り返される場合に、シリーズ物のコンテンツが、ストーリーの順に選択・提供されるようにすることもできる。
【0157】
過去プレイ履歴条件666は、同じユーザの過去にプレイしたコンテンツについての履歴について満たすべき条件を記述する。例えば、過去プレイ履歴条件666に、コンテンツIDを含めて適切に記述することで、同じコンテンツが提供される回数を制限できる。また、当該条件に、ゲームコンテンツのプレイ成績について適切に記述することで、苦手なジャンルのゲームの提供を抑制する事も可能になる。何れの例も、ユーザ3がコンテンツプレイに抱く興味を損なわないようにする点において有益である。
【0158】
シナリオ定義データ670は、コンテンツを実行するための各種データであり、ユーザ3の使用情報620に応じて内容が変化するコンテンツを実現するためのデータである。
図13は、ルート分岐して進行するルート分岐タイプのシナリオ定義データ670のデータ構成例を示す図である。ルート分岐タイプのシナリオ定義データ670は、初期設定パターン定義データ671と、ルート分岐定義データ680と、ルート内容定義データ700と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0159】
初期設定パターン定義データ671は、コンテンツ設定の1つである当該コンテンツの開始時点における初期設定のパターン毎に用意されている。1つの初期設定パターン定義データ671は、初期設定内容672と、当該パターンが選択されるために満たされるべき条件を示す選択要件673と、を含む。
【0160】
初期設定内容672の初期設定の内容は、コンテンツのジャンル(例えば、ゲーム、擬似会話、デジタル絵本、…)によって異なる。例えば、ゲームコンテンツであれば、初期設定内容672を、主人公キャラクタ種類(プレーヤキャラクタ種類)、初期装備、スタート地点、敵などのNPCの種類・数・初期配置、難易度、などを様々に組み合わせて設定してもよい。擬似会話コンテンツであれば、初期設定内容672を、会話相手となるキャラクタの種類、会話する環境設定、などを様々に組み合せて設定してもよい。
選択要件673は、選択要件662と同様に実現される。
【0161】
ルート分岐定義データ680は、ルート分岐を定義するデータであって分岐毎に用意される。1つのルート分岐定義データ680は、分岐元ルートID681と、正使用時分岐設定データ682と、誤使用時分岐設定データ685と、を含む。分岐元ルートID681は、今現在プレイしているルートを示し、当該ルートからの分岐は、正使用時分岐設定データ682及び誤使用時分岐設定データ685の何れかとなる。
【0162】
正使用時分岐設定データ682は、直近の使用タイミングに係る処方薬の使用が「正しい」「適切」と判断される場合に適用される分岐を定義している。1つの正使用時分岐設定データ682は、分岐先ルートID683と、分岐要件684と、を含む。
【0163】
分岐要件684は、当該分岐データを選択し適用するために満たされるべき条件を定義している。具体的には、分岐要件684は、使用有無条件684aと、体調条件684bと、催促メッセージ履歴条件684cと、を含む。
【0164】
使用有無条件684aは、最新の使用有無情報640(図4参照)が満たすべき条件を示している。直近の使用タイミングに係る処方薬の使用が「正しい」「適切」と判断される処方薬の使用結果のパターン別に設定できる。例えば、頓用薬が処方されている場合、頓用薬の使用/未使用で分けて設定できる。また、使用有無の報告において、使用数を自己申告させる構成では、使用数に応じて条件を分けることができる。
【0165】
体調条件684bは、最新の体調情報642(図4参照)が満たすべき条件、又は過去の体調情報と最新の体調情報との比較により得られる体調の変化が満たすべき条件を示している。
【0166】
催促メッセージ履歴条件684cは、最新の使用有無情報640が、第1メッセージ制御部232による第1のメッセージや、第2メッセージ制御部233による第2のメッセージが行われる前に設定されたか後に設定されたかを示す。つまり、当該条件の設定によって、真に自発的な処方薬の使用ができたか、言われてから使用する準自発的な使用であったかによって、分岐先を違えることが可能になる。
【0167】
誤使用時分岐設定データ685は、誤使用とされる処方薬の使用結果パターン毎に用意される。1つの誤使用時分岐設定データ685は、分岐先ルートID686と、誤使用判定要件687と、を含む。誤使用判定要件687は、直近の使用タイミングで使用するべき処方薬を全て使用し忘れた場合は勿論のこと、一部をユーザ3が自己判断で使用しなかった場合も設定することができる。
【0168】
ルート内容定義データ700は、ルート毎に用意され、当該ルートでのプレイを実現するためのデータが格納されている。
例えば、1つのルート内容定義データ700は、図14に示すように、標準実行データ702と、特別イベント実行データ704と、使用有無改善時特典設定データ710と、体調改善時特典設定データ712と、エンディング定義データ714と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0169】
標準実行データ702は、当該ルートでのプレイで、特別なイベントや特別な特典の付与など無しに実行するために必要とされる実行データである。例えば、ゲームコンテンツであれば、プレーヤキャラクタや敵キャラクタのデータ、ゲーム空間を構築するためのゲーム空間定義データ、敵キャラクタの配置データ、標準イベントの実行データ、などがこれに該当する。
【0170】
標準実行データ702の内容は、当該ルートに到達するまでの処方薬の使用の成績(例えば、正しい使用の占める割合、正しい使用の合計数、正しい使用の最大連続回数、など)が良好であるほど、ユーザ3にとって有益であるように設定されている。
【0171】
例えば、ゲームコンテンツであれば、成績が高いほど、ゲーム空間が広くて空間構成も豊かであるが、成績が低い程、ゲーム空間が狭くて単純に設定されている。例えば、擬似会話コンテンツであれば、成績が高いほど、会話相手のキャラクタの好意的な発言の割合が高く、会話頻度も高く設定される。会話の内容も豊かになる。しかし、成績が低い程、好意的な発言は少なくなり、会話頻度も低く設定され、会話の内容も素っ気ないものになる。
【0172】
但し、当該ルートに到達するまでの処方薬の使用の成績が良好でない場合に選ばれるルートでは、標準実行データ702に、改善時予告実行データ703が含まれている。
改善時予告実行データ703は、今後の使用タイミングでの使用有無を改善させると、どのように良いことが起きるかをユーザ3に予告する(或いはユーザ3に想像させる)ための実行データである。例えば、ゲームコンテンツであれば、プレーヤキャラクタの独り言や、NPCの発言、などの実行データとすることができる。また、擬似会話コンテンツであれば、会話相手であるキャラクタの独り言や、噂話についての会話でそれとなくユーザ3に思わせる、としてもよい。デジタル絵本や動画などでは、インサート画像などで直接的に予告通知画像を挿入する実行データとすると好適である。
【0173】
特別イベント実行データ704は、コンテンツ設定に係るデータの1つであって、ルートプレイ内でイベントを追加できるインタラクティブなコンテンツ(例えば、ゲームコンテンツ、擬似会話コンテンツなど)において、特別なイベント毎に用意され、当該イベントを実行するための特別なデータを格納する。
【0174】
1つの特別イベント実行データ704は、例えば、発動要件705とイベント実行データ706とを含む。発動要件705は、使用有無条件705aと、体調条件705bと、のAND又はORの組み合わせで記述される。これらの条件は、何れも「設定なし」「実質的な無制限」とすることができる。イベント実行データ706は、イベントでユーザ3に利益を与える内容をイベント形式で実行するためのデータである。利益を与える内容としては、例えば、レアアイテムの獲得、プレーヤキャラクタに係る能力パラメータ値の向上やスキルの付与、特別な演出表示の実行、などを設定できる。どのような内容にせよ、今回の使用タイミングで処方薬をより正しく使用できたことや、体調を改善できたことで、何か良いことが起きていることをユーザ3に思わせる演出を付けると好適である。
【0175】
使用有無改善時特典設定データ710は、直近の使用タイミングに係る使用有無と、それより過去の使用タイミングの使用有無とを比較して、使用有無がより正しくなっている場合に、特典を付与するためのデータである。
【0176】
1つの使用有無改善時特典設定データ710は、改善判定条件と、当該条件が満たされた場合に付与される特典を定義する特典データと、を対応付けて格納する。特典の内容は適宜設定可能である。例えば、ゲームコンテンツであれば、アイテムの付与、プレーヤキャラクタの能力パラメータ値の向上、ゲームステージの開放、などとすることができる。擬似会話コンテンツであれば、改善を褒める会話テキストや音声、会話テキストとともに表示される特別な添付画像、などとすることができる。デジタル絵本コンテンツであれば、特別演出表示や、特別なBGMとすることができる。どのような内容にせよ、今回使用タイミングで処方薬をより正しく使用できたことで、良いことが起きていることをユーザ3に思わせる演出を付けると好適である。
【0177】
体調改善時特典設定データ712は、直近の使用タイミングに係る体調と、それより過去の使用タイミングの体調とを比較して、体調がより善改している場合に、特典を付与するためのデータである。
【0178】
1つの体調改善時特典設定データ712は、改善判定条件と、当該条件が満たされた場合に付与される特典を定義する特典データと、を対応付けて格納する。特典は、使用有無改善時特典設定データ710の特典と同様に設定することができる。
【0179】
ユーザ3の体調が改善したタイミングでプレーヤキャラクタの能力や体力が改善するキャラクタのレベルアップや、改善をもたらすイベントを発生させるようにコンテンツ設定を変更すれば、ユーザ3は、プレーヤキャラクタに抱く共感が高まり、処方薬の正しい使用の大切さをコンテンツ内でも追体験する。よって、自発的で正しい処方薬の使用を促すことができる。
【0180】
エンディング定義データ714は、当該ルートの終わりに提供されるイベントを定義する。当該ルートが、コンテンツのシナリオ上、中間に位置するならばシナリオ上は物語の中間で生じる盛り上がりに相当する。RPGであれば、ゲームステージ毎の中ボスキャラクタの攻略イベントがこれに相当する。当該ルートが、シナリオ上の終端であるならば、物語としてのエンディングに相当することになる。中間のルートであればエンディング定義データ714は省略してもよい。
【0181】
そして、エンディング定義データ714は、有り得るエンディングの内容毎に用意され、当該内容のエンディングを実現するための各種データを格納する。例えば、1つのエンディング定義データ714は、選択要件715と、エンディング実行データ716とを含む。
【0182】
選択要件715は、使用有無条件715aや体調条件715bのサブ条件のAND又はORで記述できる。サブ条件はこれ以外にも、初期設定に関する条件なども用いることができる。何れのサブ条件も「設定なし」「実質的な無制限」とすることもできる。
【0183】
エンディング実行データ716は、当該ルートにおける処方薬の使用成績、或いは処方薬の使用期間の全体を通じてみた使用実績が良好であるほど、ユーザに有益な内容が設定されている。
【0184】
例えば、ゲームコンテンツであって、処方薬の正しい使用を続けたことで到達したルートであれば、アクションや演出がリッチで対戦時間も十分に設定されているボスキャラクタとの最終戦闘がプレイ可能に設定されている。対して、誤った使用を続けたことで到達したルートであれば、アクションも演出も貧弱で、対戦時間も短いボスキャラクタとの最終戦闘がプレイ可能に設定されている。つまり、処方薬の使用有無の成績が良好であるほど、プレイのしがいのある興趣性の高い内容が設定されている。
【0185】
同様に、擬似会話コンテンツであれば、処方薬の使用有無の成績が良好であるほど、ユーザ3にとって喜ばしい内容の会話がエンディングとして用意される。
同様に、デジタル絵本コンテンツであれば、処方薬の使用有無の成績が良好であればグッドエンディング、そうでなければバッドエンディングを用意すると好適である。なお、エンディング定義データ714は、1つのルートで1つきりとしてもよい。
【0186】
図11に戻って、プレイデータ800は、コンテンツの提供毎に作成され、提供の進行を管理するための各種データを格納する。
1つのプレイデータ800は、例えば図15に示すように、コンテンツ提供先のユーザを示すユーザID801と、取得済ユーザ情報803と、取得済報知先端末アドレス804と、取得済使用情報805と、コンテンツ設定データ810と、催促メッセージ履歴データ820と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0187】
取得済ユーザ情報803と、取得済報知先端末アドレス804と、取得済使用情報805は、それぞれ管理制御システム1100から取得したユーザ3のユーザ情報604(図3参照)と、報知先端末アドレス606(図3参照)と、使用情報620(図5参照)のコピーである。
【0188】
取得済使用情報805は、管理制御システム1100から最新の使用情報620を取得する都度に記憶され、最新の使用情報620と前回使用タイミングに係り取得した過去の使用情報620とを比較できるようになっている。
【0189】
コンテンツ設定データ810は、提供するコンテンツに関する各種設定データである。例えば、コンテンツ設定データ810は、対象コンテンツ選択設定データ811と、進行制御データ813と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0190】
対象コンテンツ選択設定データ811は、コンテンツ定義データ660のうち、選択要件662を満たすコンテンツのなかから選択されたコンテンツ、すなわちユーザ3に提供されるコンテンツのコンテンツID661を格納する。なお、選択要件662を満たすコンテンツのなかから対象コンテンツを選択する方法は、ランダム選択としても良いし、一部又は全部を選択肢としてユーザ3にユーザ端末1500にて選択可能に表示させ、何れかを選択させるとしてもよい。
【0191】
進行制御データ813は、コンテンツの進行制御に係る各種設定データを含む。例えば、初期設定データ814と、現在ルートID815と、分岐結果リスト816と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。例えば、ゲームコンテンツであれば、進行制御データ813は、3次元仮想空間に設定されたゲーム空間オブジェクトの配置や制御のデータ、プレーヤキャラクタや、敵NPCの制御データ、プレーヤが獲得したアイテムの保有データ、イベントフラグ、なども含む。
【0192】
初期設定データ814には、対象コンテンツ選択設定データ811が示すコンテンツの初期設定パターン定義データ671(図13参照)の中から選択・適用された初期設定の内容が格納される。
【0193】
催促メッセージ履歴データ820は、初期状態は履歴無しとされるが、第1メッセージ制御部232,第2メッセージ制御部233が、第1のメッセージや第2のメッセージの制御を実行すると、実行日時情報が格納される。
【0194】
図11に戻って、ユーザ管理データ850は、ユーザ3毎に用意され、当該ユーザに係る各種データを格納する。1つのユーザ管理データ850は、例えばユーザID851と、コンテンツ使用履歴データ853と、を含む。勿論、これら以外のデータも適宜含めることができる。
【0195】
コンテンツ使用履歴データ853は、新たにコンテンツの提供が開始される毎に作成され、提供開始日時と、提供されたコンテンツのコンテンツIDと、セーブデータと、を格納する。セーブデータは、最新のコンテンツ提供の進行制御を保存・回復するためのデータである。
【0196】
催促メッセージ定義データ860は、処方された医薬品の種類毎に用意され、ユーザ3に当該医薬品の使用を催促するメッセージ内容を定義する各種データを格納する。1つの催促メッセージ定義データ860は、医薬品種類と、メッセージ内容とを対応付けて格納する。例えば、絶対に使用を忘れてはならない種類の医薬品についてのメッセージには、使用忘れが招く影響を踏まえた警告を含むようなメッセージ内容に設定されている。また、メッセージ内容は、ユーザ3の年齢別に用意するとしてもよい。例えば、子供には使用の難易度が高い医薬品(例えば、粉薬や、注射、吸入薬)の子供向けメッセージでは、応援要素を含む内容を含めると好適である。
【0197】
次に、コンテンツ提供に係る処理の流れについて説明する。
図16図18は、コンテンツ提供に係る処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0198】
ユーザ3は、管理者2(医者)から処方を受けると、ユーザ端末1500においてアプリケーションプログラム501を起動して、管理者2から渡されたユーザIDで設定登録する(図5参照)。ユーザ端末1500は、設定登録されたユーザIDでコンテンツサーバシステム1300にアクセスしログインする(ステップS50)。
【0199】
コンテンツサーバシステム1300は、当該ユーザ端末1500へコンテンツを提供するための準備として、受信したユーザIDが示すユーザ3のユーザ情報604と、最新の使用情報620の提供を管理制御システム1100にリクエストする(ステップS52)。
管理制御システム1100は、当該リクエストに応じてユーザ情報604と報知先端末アドレス606と最新の使用情報620とをコンテンツサーバシステム1300へ送信するので(ステップS54)、コンテンツサーバシステム1300は、プレイデータ800(図15参照)を作成して、受信したデータを取得済ユーザ情報803、取得済報知先端末アドレス804、取得済使用情報805として格納する(ステップS56)。
【0200】
次に、コンテンツサーバシステム1300は、コンテンツ設定の1つとして、提供対象とするコンテンツを選択する(ステップS60)。具体的には、選択要件662(図12参照)を満たすコンテンツ定義データ660を検索し、検索された定義データのコンテンツの何れかをランダムに選択する。選択結果は、対象コンテンツ選択設定データ811として記憶される。なお、検索された定義データのコンテンツのタイトル等をユーザ端末1500にて表示させ、ユーザ3に提供対象を選択させるとしてもよい。
【0201】
次に、コンテンツサーバシステム1300は、コンテンツ設定の1つとして、提供対象としたコンテンツのシナリオ定義データ670(図13参照)の初期設定パターン定義データ671のなかから、選択要件673を満たすものを検索し、その初期設定内容672を、進行制御データ813の初期設定データ814(図15参照)に設定する(ステップS62)。現在ルートID815は、当該コンテンツの最初のルートに設定される。これで、コンテンツを提供する準備が整ったことになる。
【0202】
準備が整ったならば、コンテンツサーバシステム1300は、コンテンツの進行制御を開始する(ステップS66)。進行制御には、現在ルートID815の示すルートのルート内容定義データ700(図14参照)を参照して、特別イベント実行データ704、使用有無改善時特典設定データ710、体調改善時特典設定データ712、エンディング定義データ714などに基づくイベントや特典付与を制御することも含まれる。なお、最初のルートでは、これらは設定されていない。
【0203】
進行制御を開始すると、クライアント・サーバ型のオンラインコンテンツの提供が始まる。すなわち、コンテンツサーバシステム1300は、コンテンツの映像を表示する表示データを生成して次々にユーザ端末1500へ送信する。ユーザ端末1500はコンテンツの映像を表示し、操作入力情報を逐一コンテンツサーバシステム1300へ送信する。コンテンツサーバシステム1300は、操作入力情報に基づいてコンテンツ設定(この場合、進行制御に係る各種パラメータ値や設定)を変更しながら、進行制御を続ける。
【0204】
図16に移って、進行制御開始後、コンテンツサーバシステム1300は、使用タイミングに基づく更新タイミングの到来を常時監視する(ステップS70)。更新タイミングは、処方された使用タイミングの種類に応じて予め設定されている時間帯(例えば、「朝」ならば6:00~9:00)の終わり時刻に所定の猶予時間(ユーザ3が用事を済ませて使用有無の報告をするのに必要と想定される猶予時間)を加算した時刻とする。使用タイミングが特定時間に設定されている場合、或いは初回の使用タイミングの時間から次回以降の使用タイミングが所定間隔で一意に特定時間が決まる場合には、当該特定時間に猶予時間を加えた時刻を更新タイミングとする。
【0205】
そして、コンテンツサーバシステム1300は、更新タイミングが到来すると(ステップS70のYES)、管理制御システム1100に最新の使用情報620の提供をリクエストする(ステップS72)。
【0206】
管理制御システム1100は当該リクエストに応じて最新の使用情報620を返信し(ステップS74)、コンテンツサーバシステム1300はこれを受信して取得済使用情報805と比較する。その結果、新たに取得した使用情報620が取得済使用情報805から更新されていなければ(ステップS76のNO)、催促メッセージ履歴データ820(図15参照)を参照する。
【0207】
もし、当該使用タイミングに係り催促メッセージの送信を行っていなければ(ステップS78のNO)、待機時間の経過を待って(ステップS80のYES)、ユーザ端末1500では処方薬の使用と使用報告を催促する第1の催促メッセージを、取得済報知先端末アドレス804の示す報知先端末ではユーザ3の補助を催促する第2の催促メッセージを、それぞれ報知させる制御、すなわち催促の制御を行う(ステップS82,ステップS84)。第1の催促メッセージは、催促メッセージ定義データ860(図11参照)の中から、当該使用タイミングで使用されるべき医薬品に対応する定義データが検索され、そのメッセージ内容が含められる。なお、催促メッセージは、電子メール、SNS(Social Networking Service)によるメッセージ、などその実現方法は問わない。
【0208】
新たに取得した使用情報620が取得済使用情報805から更新されている場合(ステップS76のYES)、又は催促してなお更新されていない場合は(ステップS78のYES)、コンテンツサーバシステム1300は、今回到来した使用タイミングに係る処方薬の正使用/誤使用を判定する(ステップS90)。
【0209】
そして、コンテンツサーバシステム1300は、正使用/誤使用の判定結果に基づいてルート分岐を行う(ステップS92)。具体的には、コンテンツサーバシステム1300は、分岐元ルートID681が現在ルートを示すルート分岐定義データ680(図13参照)を参照して分岐先ルートを決定し、現在ルートID815(図15参照)を変更し、分岐結果リスト816を更新する。
【0210】
コンテンツサーバシステム1300は、今回の処方の使用期間が終了するまでステップS70からステップS92を繰り返す(ステップS94のNO)。
【0211】
使用期間が終了したならば(ステップS94のYSE)、図18に移って、コンテンツサーバシステム1300は、今回の処方薬に係る使用成績に応じてエンディングを選択或いは設定し(ステップS100)、エンディングを提供する(ステップS102)。
【0212】
次いで、コンテンツサーバシステム1300は、コンテンツの進行制御を終了させ(ステップS104)、コンテンツ使用履歴データ853(図11参照)を作成・更新する(ステップS106)。そして、コンテンツサーバシステム1300は、使用有無表示W7(図10参照)の表示制御を行う(ステップS108)。ユーザ端末1500では、使用有無表示W7が表示される(ステップS110)。
【0213】
以上、本実施形態によれば、患者による処方薬の自発的な正しい使用を促して処方薬の使用忘れを防ぐ支援を実現することができる。
【0214】
すなわち、医薬品を使用するユーザ3は、ユーザ端末1500を使って、当該ユーザに対して処方された医薬品(処方薬)の使用情報に基づいて内容が変化するエンターテインメントコンテンツを楽しむことができる。ユーザ3の立場からすると、自分が処方通りに正しく医薬品を使用しているかによってコンテンツの内容が変化するので、自然とコンテンツへの興味がわく。そして、コンテンツの内容が気になるユーザ3は、自然と自身の医薬品の使用を正しく行う意識をするようになり、医薬品の自発的な正しい使用をするようになる。
【0215】
また、ユーザ3がプレイするコンテンツは複数種類の中から選択されるので、同じコンテンツしか提供できない場合に比べてユーザに飽きられることがない。
【0216】
また、医薬品の使用期間を通じて1つのコンテンツを継続してプレイする場合であっても、使用情報に基づいてコンテンツの進行制御に係る設定が変更されるので、ユーザを当該コンテンツに継続的に惹き付けることができる。
【0217】
また、コンテンツサーバシステム1300は、ユーザ3のユーザ情報604を外部の記憶部(管理制御システム1100の記憶部)から取得するので、コンテンツサーバシステム1300としてはユーザ情報604を常時記憶して管理する必要がなく、リソースをコンテンツの提供に集中することができる。また、コンテンツサーバシステム1300を、ユーザ情報604という個人情報の管理から切り離すことができる。
【0218】
また、コンテンツサーバシステム1300は、医薬品の使用期間に基づいてコンテンツ設定を決定できるので、コンテンツの所要プレイ時間を、医薬品の使用期間長に合わせることで、使用期間終了前に唐突にコンテンツが終了したり、使用期間が終了したのにコンテンツが何時までも終わらないといった好ましくない事態を避けることができる。
【0219】
また、コンテンツサーバシステム1300は、ユーザ3が処方された医薬品をどのように使用したかの結果に基づいてコンテンツ設定を変更できる。正しい使用タイミングで使用された場合のコンテンツ設定が、誤った使用タイミングで使用された場合(使用されなかった場合を含む。)のコンテンツ設定よりも、ユーザにとって利益となるようにコンテンツ設定が変更されるので、ユーザ3の処方薬の正しい使用を促すことができる。
【0220】
また、コンテンツサーバシステム1300は、使用タイミングからある程度の待機期限を待ってなお使用有無情報を取得できない場合、ユーザ端末1500にて医薬品の使用を促すメッセージを報知させて、使用忘れが起きないような措置を講ずることができる。
【0221】
また、コンテンツサーバシステム1300は、ユーザが、自発的に正しく医薬品を使用できたか、第1のメッセージを受けたことで、使用すべきことを思い出して使用したかによってもコンテンツ設定を変更できる。プレイ中のコンテンツの内容が、処方薬を自発的にきちんと使用できるかによって左右されることになるので、決められた正しいタイミングで医薬品を使用するようにユーザを誘導することができる。
【0222】
また、コンテンツサーバシステム1300は、使用が確認されない医薬品の種類によって使用を促す催促メッセージの内容を決定できる。例えば、絶対に忘れてはいけない種類については警告を含めた内容とすると、今回の使用忘れを速やかにリカバーできるとともに、次回以降の使用忘れを強く防止できる。また例えば、子供のユーザには服用難易度が高い粉薬が処方されている場合には、応援要素を含むメッセージの内容とすることで、ユーザに服用を奮起させることができる。
【0223】
また、コンテンツサーバシステム1300は、第1の催促メッセージだけではユーザ単独での医薬品の使用履行が望めない場合(例えば、医薬品を使用すべきユーザが子供の場合や、使用するには介助や補助を必要とする場合)において、報知先端末から第2のメッセージを報知させることで、当該報知先端末を使用する他ユーザに使用履行のための補助を求める報知とすることができる。
【0224】
また、コンテンツサーバシステム1300は、使用有無表示W7(図10参照)によって、ユーザ3による処方薬の使用についての成績発表をして、ユーザ3に自身の症状を改善するためのやる気度合を認識させ、ユーザ3が反省して真摯に使用するようになるキッカケを提供できる。
【0225】
また、コンテンツサーバシステム1300は、ジェネリック医薬品が処方されているかによってコンテンツ設定を変更することができる。例えば、ジェネリック医薬品を使用していることを褒める内容に設定を変更することで、ユーザを、医療費低減のために頑張っていることでユーザを褒めて、使用を促すといったことが期待できる。
【0226】
また、コンテンツサーバシステム1300は、ユーザ3の体調に応じてコンテンツ設定を変更することができる。例えば、コンテンツがゲームである場合、体調が改善したタイミングでプレーヤキャラクタの能力や体力が改善するキャラクタのレベルアップや、イベントが発生するようにコンテンツ設定を変更すれば、ユーザ3は、プレーヤキャラクタに抱く共感が高まり、医薬品の正しい使用の大切さをコンテンツ内でも追体験することができる。よって、自発的で正しい処方薬の使用を啓蒙できる。
【0227】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1実施形態と同様に実現されるが、管理制御システム1100の構成が異なる。なお、本実施形態では、主に第1実施形態との差異について述べることとし、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付与して重複する説明は省略する。
【0228】
図19は、第2実施形態におけるシステム構成図である。管理制御システム1100Bは、第1実施形態の管理制御システム1100に対応するシステムであり、情報管理サーバシステム1170と、管理者支援サーバシステム1171と、SNSサーバシステム1172と、連携サーバシステム1173と、ゲートウェイサーバシステム1174と、を含む。
【0229】
情報管理サーバシステム1170は、処方薬支援サービスの提供にあたって必要な各種情報(例えば、カルテデータ600(図3参照)、使用情報620(図4参照))を管理する。具体的には、情報管理サーバシステム1170は、第1実施形態のデータベース1140が担っていた情報記憶管理及び情報提供に関する制御を行う。
【0230】
管理者支援サーバシステム1171は、ユーザ3の使用情報620(処方薬情報630、使用有無情報640を含む。)を、病院や調剤薬局に設置された管理者端末1102(1102a、1102b)から閲覧できるようにする制御を行う。また、管理者支援サーバシステム1171は、管理者2(2a、2b)による所定のメッセージ作成操作及び送信操作に、ユーザ3のユーザ端末1500宛てに、作成したメッセージを送信する制御を行うとしてもよい。なお、メッセージの送信は、電子メール、SNSサーバシステム1172を介したSNSメッセージ、などその方法は問わない。
【0231】
連携サーバシステム1173は、処方薬使用支援システム1000の各サーバシステムで管理されている情報を相互に参照可能にする制御を行う。具体的には、ユーザ3のユーザIDに紐付けされている情報をサーバシステム間で参照する。
【0232】
ゲートウェイサーバシステム1174は、情報管理サーバシステム1170・管理者支援サーバシステム1171・SNSサーバシステム1172間のデータ通信や、それらとユーザ端末1500やコンテンツサーバシステム1300とのデータ通信を中継制御する。
【0233】
管理制御システム1100Bの機能構成は、第1実施形態と同様であるが、第1実施形態の管理制御部210(図3参照)が担っていた各種機能を、情報管理サーバシステム1170と、管理者支援サーバシステム1171と、SNSサーバシステム1172と、連携サーバシステム1173と、ゲートウェイサーバシステム1174と、で分担していることになる。勿論、これらのサーバシステムには、それぞれが担う機能を実現するためのプログラムやデータを記憶している。
【0234】
なお、管理制御システム1100Bにおける処理の流れは、第1実施形態の管理制御システム1100が実行している各ステップの内容を、その内容に応じて、情報管理サーバシステム1170・管理者支援サーバシステム1171・SNSサーバシステム1172・連携サーバシステム1173・ゲートウェイサーバシステム1174が分担作業するように適宜読み替えればよい。
【0235】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0236】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した実施形態について説明したが、本発明を適用可能な形態は上記形態に限定されるものではなく適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
【0237】
例えば、上記実施形態では、ユーザ情報604や使用情報620(使用有無情報640、体調情報642を含む)を、管理制御システム1100にて記憶・管理する構成としたが、ユーザ端末1500や、管理者端末1102の記憶部で記憶・管理する構成としてもよい。
【0238】
また例えば、上記実施形態では、コンテンツの進行制御に係る演算処理を、コンテンツサーバシステム1300で実行する構成としたが、ユーザ端末1500で実行する構成も可能である。その場合、進行制御を開始する前に、コンテンツサーバシステム1300が提供対象コンテンツのコンテンツ定義データ660(図12参照)をユーザ端末1500に提供し、進行制御の演算処理の一部又は全部をユーザ端末1500で行うとすればよい。
【0239】
また例えば、上記実施形態では、ユーザ3が体調についての報告を手入力で行う構成としたが、これを自動化することもできる。例えば、ユーザ端末1500が腕時計型などのウェアラブルコンピュータであり、血圧や脈拍数の計測センサを搭載している場合、体調報告に係るそれらのバイタル値の入力を自動で行うとしてもよい。
【0240】
また、上記実施形態では、コンテンツの提供に際し、使用タイミングを基準としてルート分岐に係るコンテンツ設定を変更するとしたが、ルート分岐をしないでコンテンツを提供するとしてもよい。その場合、実質的にルート内容定義データ700(図14参照)は1つのみ用意され、特別イベント実行データ704や、使用有無改善時特典設定データ710、体調改善時特典設定データ712の発動制御を、直近の使用タイミングに係る使用有無情報640や体調情報642に基づいて実行する構成とすればよい。
【符号の説明】
【0241】
2…管理者
3…ユーザ
230…コンテンツサーバ制御部
231…取得制御部
232…第1メッセージ制御部
233…第2メッセージ制御部
235…コンテンツ設定決定部
237…コンテンツ提供制御部
239…使用有無表示制御部
604…ユーザ情報
606…報知先端末アドレス
610…診断データ
620…使用情報
630…処方薬情報
631…医薬品種類
632…用法情報
633…使用期間情報
634…使用タイミング情報
640…使用有無情報
642…体調情報
660…コンテンツ定義データ
662…選択要件
663…ユーザ情報条件
664…使用情報条件
664a…医薬品種類条件
664b…使用期間条件
664c…使用タイミング条件
664f…体調条件
670…シナリオ定義データ
671…初期設定パターン定義データ
680…ルート分岐定義データ
684…分岐要件
800…プレイデータ
801…ユーザID
803…取得済ユーザ情報
804…取得済報知先端末アドレス
805…取得済使用情報
810…コンテンツ設定データ
811…対象コンテンツ選択設定データ
820…催促メッセージ履歴データ
1000…処方薬使用支援システム
1100…管理制御システム
1102…管理者端末
1300…コンテンツサーバシステム
1500…ユーザ端末
W6…報告入力画面
W7…使用有無表示
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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