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特許7492238超音波治療装置、流体動作装置、及び流体回路セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】超音波治療装置、流体動作装置、及び流体回路セット
(51)【国際特許分類】
   A61N 7/00 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
A61N7/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023556497
(86)(22)【出願日】2023-04-12
(86)【国際出願番号】 JP2023014865
(87)【国際公開番号】W WO2023199947
(87)【国際公開日】2023-10-19
【審査請求日】2023-09-13
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2022/017845
(32)【優先日】2022-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】720007925
【氏名又は名称】ソニア・セラピューティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】村上 正剛
(72)【発明者】
【氏名】森田 健二
(72)【発明者】
【氏名】竹津 泰我
(72)【発明者】
【氏名】岡本 淳
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-505786(JP,A)
【文献】登録実用新案第3001188(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2010/0094192(US,A1)
【文献】特開平06-014955(JP,A)
【文献】特開2020-036709(JP,A)
【文献】特開平02-104345(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 7/00- 7/02
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の関節に連結された複数のアーム部材を有し、保持対象物を任意の位置に移動させると共に、任意の姿勢状態で保持可能なロボットアームと、
前記ロボットアームに保持され、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源と、下面側が前記治療対象体に接触する接触部とを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部とを備える超音波ヘッドユニットと、
前記液体貯留部に充填され前記超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材を有する流体回路部と、を備え、
前記流体回路部は、前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる回路制御機器部と、前記回路制御機器部が所定位置に取り付けられた機器取付部とを備え、
前記機器取付部は、一面側に前記回路制御機器部が取り付けられ、前記複数の流路部材を前記回路制御機器部に対して着脱可能に設けられ
一面側が外部に面するように前記機器取付部が設けられる筐体と、
前記筐体に設けられ前記機器取付部を回転可能に支持する回転支持部と、を備える、
音波治療装置。
【請求項2】
前記流体回路部は、
前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる第1回路部と、
外部から前記第1回路部に気体を流入させる第2回路部と、を備え、
前記第1回路部は、
前記液体貯留部に前記媒介液を流入させる流入回路部と、
前記液体貯留部から前記媒介液を流出させる流出回路部と、
前記媒介液を外部に排出する排出回路部と、を備える、
求項1に記載の超音波治療装置。
【請求項3】
前記筐体に設けられ、前記媒介液を収容する液体容器に係合すると共に支持する支持部を更に備え、
前記支持部には、前記流体回路部に供給される前記媒介液を含む媒介液ユニットが係合し、
前記媒介液ユニットは、
前記媒介液を収容する前記液体容器と 、
前記液体容器と前記流体回路部とを接続する接続部と、を含み、
前記液体容器には、前記支持部に係合する係合部が設けられ、
前記接続部は、前記流入回路部に接続される第1接続部と、前記流出回路部に接続される第2接続部と、を備え、
前記媒介液は、溶存気体が除去された脱気水である、
請求項2に記載の超音波治療装置。
【請求項4】
複数の関節に連結された複数のアーム部材を有し、保持対象物を任意の位置に移動させると共に、任意の姿勢状態で保持可能なロボットアームと、
前記ロボットアームに保持され、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源と、下面側が前記治療対象体に接触する接触部とを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部とを備える超音波ヘッドユニットと、
前記液体貯留部に充填され前記超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材を有する流体回路部と、を備え、
前記流体回路部は、前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる回路制御機器部と、前記回路制御機器部が所定位置に取り付けられた機器取付部とを備え、
前記機器取付部は、一面側に前記回路制御機器部が取り付けられ、前記複数の流路部材を前記回路制御機器部に対して着脱可能に設けられ、
前記機器取付部は、
前記回路制御機器部が取り付けられる第1取付部と、
前記第1取付部に対して着脱可能に設けられる第2取付部と、を備え、
前記第1取付部は、前記第2取付部を所定位置に係合して位置決めさせる着脱係合部を備え、
前記第2取付部は、前記複数の流路部材が取り付けられる着脱取付部材を備え、
前記着脱取付部材には、前記着脱係合部に係合する装着係合部が形成されている
音波治療装置。
【請求項5】
前記流体回路部は、
前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる第1回路部と、
外部から前記第1回路部に気体を流入させる第2回路部と、を備え、
前記第1回路部は、
前記液体貯留部に前記媒介液を流入させる流入回路部と、
前記液体貯留部から前記媒介液を流出させる流出回路部と、
前記媒介液を外部に排出する排出回路部と、を備える、
請求項4に記載の超音波治療装置。
【請求項6】
前記着脱取付部材には、前記複数の流路部材が複数の所定位置に露出した状態で位置決めして取り付けられ、
前記複数の所定位置には、前記回路制御機器部に含まれる制御機器の位置に対応する位置に切欠き部が必要に応じて形成されている、
請求項4または5に記載の超音波治療装置。
【請求項7】
記着脱取付部材には、前記複数の流路部材を複数の所定位置に位置決めする複数の流路支持部が設けられ、
前記複数の所定位置には、前記回路制御機器部に含まれる制御機器の位置に対応する位置に切欠き部が必要に応じて形成され、
前記切欠き部からは、前記流路部材が露出して配置されている、
請求項4または5に記載の超音波治療装置。
【請求項8】
複数の関節に連結された複数のアーム部材を有し、保持対象物を任意の位置に移動させると共に、任意の姿勢状態で保持可能なロボットアームと、
前記ロボットアームに保持され、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源と、下面側が前記治療対象体に接触する接触部とを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部とを備える超音波ヘッドユニットと、
前記液体貯留部に充填され前記超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材を有する流体回路部と、を備え、
前記流体回路部は、前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる回路制御機器部と、前記回路制御機器部が所定位置に取り付けられた機器取付部とを備え、
前記機器取付部は、一面側に前記回路制御機器部が取り付けられ、前記複数の流路部材を前記回路制御機器部に対して着脱可能に設けられ、
前記流体回路部は、
前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる第1回路部と、
外部から前記第1回路部に気体を流入させる第2回路部と、を備え、
前記第1回路部は、
前記液体貯留部に前記媒介液を流入させる流入回路部と、
前記液体貯留部から前記媒介液を流出させる流出回路部と、
前記媒介液を外部に排出する排出回路部と、を備え、
前記液体貯留部に取り付けられ、前記媒介液を収容する前記液体貯留部に含まれる接触部材と、
前記流体回路部に接続されるとともに、前記流体回路部に供給される前記媒介液を収容する液体容器と、を備え、
前記接触部材は、
下部に設けられた前記接触部と、
前記接触部の周囲の上方を囲むように延在して形成され前記超音波ヘッドユニットの装着対象部分に装着される装着部と、を備え、
前記装着部は、
第1位置において前記流入回路部に接続される流入接続部と、
平面視して前記第1位置と異なる第2位置に設けられ前記流出回路部に接続される流出接続部と、を備え、
前記流体回路部を制御して、前記液体貯留部に貯留される前記媒介液の貯留量を調整すると共に、前記流体回路部から前記媒介液を排出し、前記流体回路部へ新たな前記媒介液を供給する制御部を備え、
前記制御部は、
前記ロボットアームを制御して、
治療準備時の給液工程において、前記超音波ヘッドユニットを、前記接触部が下側を向き、且つ、前記流入接続部に比して前記流出接続部が上側となる第1姿勢に保持させ、前記流体回路部を制御して前記液体貯留部に前記媒介液を供給させ、
前記治療準備時の排液工程において、前記超音波ヘッドユニットを、前記接触部が上側を向き、且つ、前記流入接続部に比して前記流出接続部が下側となる第2姿勢に保持させ、前記流体回路部を制御して前記液体貯留部から前記媒介液を排出させる、
音波治療装置。
【請求項9】
前記流入接続部及び前記流出接続部は、一端側が前記装着部に接続される管状部と、前記管状部の他端側に設けられ前記流体回路部と接続する接続部材とを備え、
前記流入接続部及び前記流出接続部は、前記装着部に沿って隣接して設けられる、
請求項に記載の超音波治療装置。
【請求項10】
治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源と、下面側が前記治療対象体に接触する接触部とを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部とを備える超音波ヘッドユニットに用いられる流体動作装置であって、
前記液体貯留部に充填され前記超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材を有する流体回路部を備え、
前記流体回路部は、前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる回路制御機器部と、前記回路制御機器部が所定位置に取り付けられた機器取付部とを備え、
前記機器取付部は、一面側に前記回路制御機器部が取り付けられ、前記複数の流路部材を前記回路制御機器部に対して着脱可能に設けられ
前記機器取付部は、
前記回路制御機器部が取り付けられる第1取付部と、
前記第1取付部に対して着脱可能に設けられる第2取付部と、を備え、
前記第1取付部は、前記第2取付部を所定位置に係合して位置決めさせる着脱係合部を備え、
前記第2取付部は、前記複数の流路部材が取り付けられる着脱取付部材を備え、
前記着脱取付部材には、前記着脱係合部に係合する装着係合部が形成され、前記複数の流路部材を複数の所定位置に位置決めする複数の流路支持部が設けられ、
前記複数の所定位置には、前記回路制御機器部の制御機器の位置に対応する位置に切欠き部が必要に応じて形成され、
前記切欠き部からは、前記流路部材が露出して配置されている、
体動作装置。
【請求項11】
前記流体回路部は、
前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる第1回路部と、
外部から前記第1回路部に気体を流入させる第2回路部と、を備え、
前記第1回路部は、
前記液体貯留部に前記媒介液を流入させる流入回路部と、
前記液体貯留部から前記媒介液を流出させる流出回路部と、
前記媒介液を外部に排出する排出回路部と、を備える、
請求項10に記載の流体動作装置
【請求項12】
前記回路制御機器部を制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記回路制御機器部を制御して、前記液体貯留部に貯留される前記媒介液の貯留量を調整すると共に、前記流体回路部から前記媒介液を排出し、前記流体回路部へ新たな前記媒介液を供給する、
請求項10または11に記載の流体動作装置。
【請求項13】
前記複数の流路支持部の少なくとも一部が、前記媒介液が前記複数の流路部材を流通する流通方向において、前記制御機器の前記位置の上流側及び下流側の位置に配置される、
請求項に記載の超音波治療装置。
【請求項14】
複数の関節に連結された複数のアーム部材を有し、保持対象物を任意の位置に移動させると共に、任意の姿勢状態で保持可能なロボットアームと、
前記ロボットアームに保持され、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源と、下面側が前記治療対象体に接触する接触部とを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部とを備える超音波ヘッドユニットと、
前記液体貯留部に充填され前記超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材を有する流体回路部と、を備え、
前記流体回路部は、前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる回路制御機器部と、前記回路制御機器部が所定位置に取り付けられた機器取付部とを備え、
前記機器取付部は、一面側に前記回路制御機器部が取り付けられ、前記複数の流路部材を前記回路制御機器部に対して着脱可能に設けられ、
前記流体回路部は、
前記複数の流路部材に前記媒介液を流通させる第1回路部と、
外部から前記第1回路部に気体を流入させる第2回路部と、を備え、
前記第1回路部は、
前記液体貯留部に前記媒介液を流入させる流入回路部と、
前記液体貯留部から前記媒介液を流出させる流出回路部と、
前記媒介液を外部に排出する排出回路部と、を備え、
前記流入回路部は、前記複数の流路部材のうちの、前記液体貯留部に前記媒介液を流入させる第一の流路部材を有し、
前記流出回路部は、
前記複数の流路部材のうちの、前記液体貯留部から前記媒介液を流出させる第二の流路部材と、
前記複数の流路部材のうちの、前記第二の流路部材の途中をバイパスする第三の流路部材とを有し、
前記第一の流路部材の途中には、前記流入回路部において前記媒介液を前記液体貯留部に供給する給液ポンプが設けられ、
前記第三の流路部材の途中には、前記流出回路部において前記媒介液を前記液体貯留部から排出させる排液ポンプが設けられる
音波治療装置。
【請求項15】
前記第1取付部及び前記第2取付部の少なくとも一方は、
前記流入回路部を案内する流入識別部と、
前記流出回路部を案内する流出識別部と、
前記排出回路部を案内する排出識別部と、
を備える、
請求項に記載の超音波治療装置。
【請求項16】
前記流入識別部と、前記流出識別部と、前記排出識別部とは異なる色で示されており、
前記複数の流路部材のうちの、前記流入回路部を形成する前記流路部材と、前記流出回路部を形成する前記流路部材と、前記排出回路部を形成する前記流路部材とは、異なる色で示されており、
前記流入識別部と、前記流入回路部を形成する前記流路部材とは、同じ色で示されており、
前記流出識別部と、前記流出回路部を形成する前記流路部材とは、同じ色で示されており、
前記排出識別部と、前記排出回路部を形成する前記流路部材とは、同じ色で示されている、
請求項15に記載の超音波治療装置。
【請求項17】
前記流入識別部と、前記流出識別部と、前記排出識別部とは、それぞれに配置される前記流路部材を流通する前記媒介液の流通方向を示す矢印部をそれぞれ有する、
請求項15に記載の超音波治療装置。
【請求項18】
前記流入識別部と、前記流出識別部と、前記排出識別部とは、それぞれに配置される前記流路部材が接続される対象、または前記流路部材を流通する物質を示す文字部を有する、
請求項15に記載の超音波治療装置。
【請求項19】
前記第1取付部及び前記第2取付部の前記少なくとも一方は、前記第2回路部を案内する第2回路部識別部を更に備え、
前記第2回路部識別部は、前記流入識別部、前記流出識別部及び前記排出識別部とは異なる形状の線で示されている、
請求項15に記載の超音波治療装置。
【請求項20】
前記筐体は、その上面に複数の流路支持部を更に備え、
前記筐体の前記上面に配置された前記複数の流路支持部は、前記超音波ヘッドユニットの所定位置と上下方向視において一致する前記筐体の前記上面の投影領域を囲む、
請求項2または3に記載の超音波治療装置。
【請求項21】
前記回路制御機器部は、
前記流路部材における前記媒介液の流通を停止させる、または停止を解除させる複数のピンチバルブを備え、
前記制御部は、前記機器取付部が交換可能に、全ての前記ピンチバルブの停止を解除可能に構成される、
請求項12に記載の流体動作装置。
【請求項22】
前記回路制御機器部は、
前記流路部材の前記媒介液を流通させる複数のポンプ部と、
前記流路部材を流通する前記媒介液の検出を行う複数の液検出部と、を更に備え、
前記液検出部は、少なくとも前記複数のポンプ部および前記複数のピンチバルブにそれぞれ設けられ、
前記制御部は、
複数の前記液検出部、複数の前記ポンプ部及び複数の前記ピンチバルブを含む前記回路制御機器部を制御して、前記流体回路部の前記流路部材を流通する前記媒介液の流動を制御する、
請求項21に記載の流体動作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療対象体を超音波に基づいて治療するための超音波治療装置、流体動作装置、及び流体回路セットに関する。
本願は、2022年4月14日に出願された国際特許出願PCT/JP2022/017845に対して優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
患者等の治療対象体の患部に対して超音波を放射し治療を行う超音波治療装置が知られている(例えば特許文献1及び特許文献2参照)。特許文献1に記載された超音波治療装置は、複数の関節により連結されたリンクにより形成されたロボットアームと、ロボットアームの先端に支持され、超音波を患部に照射する照射部を有する超音波ヘッドユニットと、前記ロボットアーム及び前記超音波ヘッドユニットを制御する制御装置とを備えている。
【0003】
超音波ヘッドユニットの先端には、例えば、治療用ベッドに支持される患者の身体内部の患部に超音波を放射する超音波発生源が設けられている。特許文献2に記載された超音波ヘッドユニットは、例えば、超音波発生源を含むヘッド筐体を有する超音波ヘッドユニットと、ヘッド筐体に設けられ波源が露出する開口を覆うように碗状に形成された可撓性を有する接触部材とを備えている。接触部材は、患者の身体内部の患部に対応する延長線上の身体表面の位置に接触される。超音波ヘッドユニットのヘッド筐体は、接触部材が装着される装着部が設けられ、超音波を伝導する媒介液が超音波ヘッドの先端部で充満するように、装着部に接触部材が装着されることで液体貯留部が形成されている。また、ヘッド筐体には、液体貯留部に対する媒介液の給液または、媒介液の排液の際に用いられる流路部材が接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2020-036709号公報
【文献】日本国特開2019-162414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
患者の身体に接触する接触部材は、衛生管理上、患者ごとに交換して使用されることが望ましい。接触部材に覆われる液体貯留部に媒介液を供給するために接続されている流路部材、及び流路部材に接続される媒介液を収容する液体容器は、媒介液に気泡が混入すると超音波の伝達性能が低下するため、患者ごとに交換されることが望ましい。また、媒介液は、経時的な使用によって、流路部材に残存する空気と接触し、溶存酸素量が徐々に増加する。媒介液の溶存酸素量が増加すると超音波の伝達性能が低下するため、媒介液も患者ごとに交換されることが望ましい。また、接触部材や流路部材は、治療の状況に応じてそれぞれの部材にかかる負荷が異なり、複数回の治療に亘って使い続けると治療中に破損する可能性もあることから、治療毎に交換されることが望ましい。
【0006】
従来技術によれば、超音波治療を行う際に、患者ごとに接触部材、液体容器及び流路部材の交換作業、液体貯留部からの排液及び給液作業を手作業で行う必要があり、作業負担が大きくなる可能性がある。また、交換後の治療準備として、液体貯留部に通水し、脱気処理を行う作業についても時間を要する可能性がある。
【0007】
本発明は、液体が流通する接触部材、流体回路部の流路部材、及び液体容器を治療毎に交換する際の交換作業や媒介液の給排液作業の作業効率を向上させることができる超音波治療装置、流体動作装置、及び流体回路セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、複数の関節に連結された複数のアーム部材を有し、保持対象物を任意の位置に移動させると共に、任意の姿勢状態で保持可能なロボットアームと、前記ロボットアームに保持され、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源と、下面側が前記治療対象体に接触する接触部とを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部とにより構成された超音波ヘッドユニットと、前記液体貯留部に充填され前記超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材を有する流体回路部と、を備え、前記流体回路部は、複数の前記流路部材に前記媒介液を流通させる回路制御機器部と、前記回路制御機器部が所定位置に取り付けられた機器取付部とを備え、前記機器取付部は、一面側に前記回路制御機器部が取り付けられ、複数の前記流路部材を前記回路制御機器部に対して着脱可能に設けられ、一面側が外部に面するように前記機器取付部が設けられる筐体と、前記筐体に設けられ前記機器取付部を回転可能に支持する回転支持部と、を備える、超音波治療装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、液体が流通する接触部材、流体回路部の流路部材、及び液体容器を治療毎に交換する際の交換作業や媒介液の給排液作業の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】超音波治療システムの概略的な構成を示す図である。
図2】超音波治療システムの構成を示すブロック図である。
図3】流体回路部の構成を概略的に示す図である。
図4】電磁バルブの構成を示す断面図である。
図5】給液ポンプ及び排液ポンプの構成を示す図である。
図6】筐体に設けられた機器取付部の構成を示す斜視図である。
図7】流体回路部の構成を示す図である。
図8】接触部材の構成を示す斜視図である。
図9】接触部材に媒介液を供給する際の第1姿勢を示す図である。
図10】接触部材から媒介液を排出する際の第2姿勢を示す図である。
図11】治療準備時の給液工程において実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図12】治療準備時の排液工程において実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図13】液体貯留部内の液量を増加する際において実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図14】液体貯留部内の液量を減少させる際において実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図15】交換対象が収容体に収容されてパッケージされた流体回路セットを概略的に示す図である。
図16】流体回路部の他の構成を示す図である。
図17】本発明の変形例1に係る筐体を示す斜視図である。
図18】本発明の変形例1に係る筐体を示す斜視図である。
図19】本発明の変形例2に係る機器取付部を示す図である。
図20】本発明の変形例3に係る筐体を示す図である。
図21】本発明の変形例4に係る機器取付部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示されるように、超音波治療システムSは、超音波の照射を制御する超音波治療装置1と、超音波治療装置1を操作すると共に使用状態を管理する管理制御装置40Aと、を備えている。また、超音波治療システムSは、治療対象体となる患者Kを支持する治療用ベッドBを備える。超音波治療装置1は、対象物を支持すると共に移動させるロボットアーム2と、対象物としてロボットアーム2の先端部に設けられた超音波ヘッドユニット10と、超音波ヘッドユニット10に媒介液を流通させる後述の流体回路部25が設けられた筐体20と、を備えている。
【0012】
ロボットアーム2は、例えば、複数の関節を中心に回転可能に連結された複数のアーム部材3-n(n:自然数)を有している。図1に示される実施例では、ロボットアーム2は、複数のアーム部材3-nとして、アーム部材3-1,3-2及び3-3を有している。ロボットアーム2は、鉛直軸回りに回転可能であって、アーム台座4を介して床面上に設置されている。ロボットアーム2は、保持対象物を任意の位置に移動させると共に、任意の姿勢状態で保持可能に構成されている。ロボットアーム2は、例えば、超音波ヘッドユニット10を超音波放射方向が超音波ヘッドユニット10より下方の治療用ベッドBに支持される患者Kに対して向くように起立した姿勢を維持しつつ、保持する。
【0013】
超音波ヘッドユニット10は、円筒状の外形をしており、例えば、ロボットアーム2により、円筒状の中心軸TCLが上下方向に沿った姿勢に保持される。超音波ヘッドユニット10は、ロボットアーム2に保持される保持部を備える本体部11と、患者Kに接触する接触部材14と、接触部材14が装着され、媒介液の量に応じて貯留容積を調整可能に構成された液体貯留部12と、を備える。
【0014】
超音波ヘッドユニット10は、患者Kの患部に超音波を照射し、治療を行うように構成されている。超音波に基づく治療対象体は、人間だけでなく動物に適用してもよい(治療対象体は、人間以外の動物であってもよい)。超音波ヘッドユニット10は、治療対象体の内部の患部に対して、治療用の超音波である集束超音波(以下、High Intensity Focused Ultrasound:HIFUともいう)と、HIFUとは異なる超音波である診断用超音波とを照射する機器をそれぞれ備える。超音波ヘッドユニット10は、例えば、本体部11の内側の下側部に治療対象体の内部に超音波を照射する波源11A(図2参照)を備えている。
【0015】
波源11Aは、例えば、本体部11から液体貯留部12の内部空間に突出し、診断用の超音波を発生する診断プローブを備えた第1波源11B(図2参照)と、治療用のHIFUを発生する第2波源11C(図2参照)とが設けられている。第1波源11Bは、例えば、先端部(超音波ヘッドユニット10の先端部)において診断用超音波を下方に照射し、患者Kの身体等の対象物で反射した診断用超音波を受信する。第1波源11Bは、上下方向に沿った中心軸TCLに対して所定角度範囲に向けて診断用超音波を照射し、その反射波を受信する。第1波源11Bは、中心軸TCLに沿って回転可能に設けられている。第1波源11Bは、中心軸TCLに沿った方向に移動自在に設けられている。第1波源11Bは、接触部材14により覆われた液体貯留部12の内部空間に配置されている。
【0016】
第2波源11Cは、例えば、中心軸TCLと一致する中心軸を中心に円周上に沿って等間隔に複数の焦点Xを生成するHIFUトランスデューサにより構成されている。第2波源11Cは、下面側にドーム状に形成された放射面を備える。第2波源11Cは、例えば、放射面に複数の超音波振動子(不図示)を有する。複数の超音波振動子は、発振される複数の超音波の包絡線が複数の焦点で集束する様に配置されている。第2波源11Cは、第1波源11Bに比して上方に配置されている。第2波源11Cは、例えば、中心軸Lを中心に回転可能に配置されている。
【0017】
液体貯留部12は、例えば、2つの筒状体により構成され伸縮自在な筒状部13と筒状部13の下部に設けられた接触部材14とにより液体貯留部12内部の貯留容積を調整可能に構成されている。液体貯留部12の内部空間には、超音波の伝達性を向上させる媒介液が充填される。接触部材14は、後述の様に交換可能に構成されている。
【0018】
接触部材14は、下方に膨出する碗状に形成されている。接触部材14の一面側(外部側)は、治療対象体となる患者Kに接触する接触部である。接触部は、接触部材14の下端部を含む領域である。接触部の他面側(内部側)は、媒介液を収容する収容空間を囲むように形成されている。上記構成により、ロボットアーム2は、超音波ヘッドユニット10の姿勢を維持しつつ、治療用ベッドB上の患者Kの患部の延長線上の位置となる皮膚に接触部材14の接触部を接触させるように位置決めすることができる。ロボットアーム2に隣接して筐体20が配置されている。
【0019】
筐体20には、後述のように超音波ヘッドユニット10に媒介液を流通させる複数の流路を有する流体回路部25が設けられている。流体回路部25は、超音波ヘッドユニット10に媒介液を供給し、液体貯留部12に媒介液を充填させると共に、液体貯留部12から媒介液を流出させ、媒介液を循環させる。流体回路部25は、例えば、流路に媒介液を流通させるポンプ部26(図2参照)と、流路における媒介液の流通を停止、または停止を解除させるバルブ部27(図2参照)と、液体の流路を形成する流路部材Rm(後述の図3参照)と、流路を流通する液体の検出を行う液検出部28と、を備えている。また、流体回路部25は、液体貯留部12における液体の圧力を検出する圧力検出部28BBを備える。また筐体20は、内部に制御装置40が設けられている。
【0020】
図2に示されるように、制御装置40は、ロボットアーム2の制御、超音波ヘッドユニット10の制御、及び流体回路部25の制御を含む超音波治療装置1を制御する装置である。制御装置40は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理端末装置により構成されている。制御装置40は、超音波治療装置1と通信可能に接続されている。制御装置40は、直接的に超音波治療装置1と接続されているものの他、ネットワークに接続され、超音波治療装置1と通信可能に接続されたサーバーであってもよい。
【0021】
制御装置40は、超音波治療装置1を制御する制御部42を備えている。制御装置40は、制御に必要なデータが記憶された記憶部46と、超音波治療装置1と通信する通信部47と、制御に必要な情報を表示する表示部48と、制御に必要な操作を受け付ける入力部49とを備えている。
【0022】
記憶部46は、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記憶媒体により構成されるデータのストレージ装置である。記憶部46は、制御装置40に内蔵されていてもよいし、外部記憶装置として外部に接続されていてもよい(制御装置40の外部に設けられてもよい)。通信部47は、超音波治療装置1と管理制御装置40Aとの制御信号の送受信を行う通信インターフェースである。通信部47は、制御を要求する指令信号やロボットアーム2、超音波ヘッドユニット10、および流体回路部25から検出された検出信号等を受信すると共に、ロボットアーム2、超音波ヘッドユニット10、および流体回路部25を制御するための制御信号を送信する。また通信部47は、管理制御装置40Aからの制御を要求する指令信号を受信すると共に、超音波治療装置1で検出された検出信号や超音波ヘッドユニット10による作業状態の情報を管理制御装置40Aへ送信する。
【0023】
表示部48は、液晶ディスプレイや有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置により構成されている。入力部49は、キーボードやタッチパッド等の情報入力装置である。入力部49は、表示部48がタッチ操作可能に構成されている場合、表示部48と一体に構成されていてもよい。表示部48は、超音波治療装置1の制御に関する情報を含む表示画像を表示する。表示部48は、第1波源11Bにより検出された検出値に基づいて生成された患者Kの身体の診断画像を表示する。表示部48は、超音波ヘッドユニット10に設けられ、治療を行う医師等のオペレータにより操作される。
【0024】
制御部42は、超音波治療装置1を個別に制御するために以下の複数の制御部を備えている。制御部42は、例えば、入力部49から入力された情報に基づいて超音波治療装置1の制御を統合的に制御する主制御部42Aを備えている。制御部42は、例えば、入力部49から入力された指令に基づいてロボットアーム2を制御するロボットアーム制御部42Bを備えている。制御部42は、例えば、入力部49から入力された指令に基づいて超音波ヘッドユニット10を制御する超音波制御部42Cを備えている。制御部42は、例えば、入力部49から入力された指令に基づいて流体回路部25を制御する送液制御部42Dを備えている。
【0025】
主制御部42Aは、例えば、入力部49から入力された情報に基づいて超音波治療装置1を制御するための指令信号を生成する。主制御部42Aは、超音波治療装置1に構成されるロボットアーム2、超音波ヘッドユニット10、および流体回路部25が協働して動作するように下記の各制御部と協働して統合的な制御を行う。主制御部42Aは、例えば、制御装置40に設けられている中央演算装置により構成されている。
【0026】
ロボットアーム制御部42Bは、ロボットアーム2に設けられた駆動部3Aを制御する。ロボットアーム制御部42Bは、例えば、ロボットアーム2側に設けられていてもよいし、制御装置40の制御部42に統合されていてもよい。ロボットアーム制御部42Bは、例えば、ロボットアーム2が有する複数の関節に設けられた複数の駆動モータを個別に制御する。ロボットアーム制御部42Bは、ロボットアーム2に所定の動作を要求する指令信号を取得し、指令信号の内容に基づいて複数の駆動モータの個別の制御量を演算し、制御信号を生成する。ロボットアーム制御部42Bは、駆動部3Aに設けられ、各駆動モータの回転角、トルク等を検出する検出部3Bからデータを取得する。ロボットアーム制御部42Bは、検出部3Bから取得したデータに基づいて複数のアーム部材3-nの姿勢及び加える作用力の大きさと方向とに応じた制御信号を生成し、ロボットアーム2を制御する。
【0027】
ロボットアーム制御部42Bは、通信部47を介して制御信号をロボットアーム2に送信し、ロボットアーム2が所定の動作を行うように制御する。ロボットアーム制御部42Bは、通信部47を介してロボットアーム2の各関節の駆動量のデータを取得し、ロボットアーム2の動作を制御する。
【0028】
ロボットアーム制御部42Bは、例えば、治療時においてロボットアーム2を制御して、ロボットアーム2に設けられた超音波ヘッドユニット10の先端部が患者Kの患部の位置に配置されるように位置決めし、所定の姿勢に保持する。ロボットアーム制御部42Bは、例えば、治療開始前の治療準備時において、後述の様にロボットアーム2を制御して、超音波ヘッドユニット10の液体貯留部12に媒介液を供給し易いように超音波ヘッドユニット10を所定の第1姿勢に保持する。ロボットアーム制御部42Bは、例えば、治療が終了した後の治療準備時において後述の様にロボットアーム2を制御して、超音波ヘッドユニット10の液体貯留部12から媒介液を排出し易いように超音波ヘッドユニット10を所定の第2姿勢に保持する。
【0029】
超音波制御部42Cは、治療時において超音波ヘッドユニット10が所定位置に位置決めされた後、取得した指令信号に基づいて超音波ヘッドユニット10を制御して必要な動作をさせる。超音波制御部42Cは、制御装置40の制御部42に統合されていてもよい。主制御部42Aは、入力操作に基づいて超音波ヘッドユニット10に所定の動作を要求する指令信号を取得し、指令信号の内容に基づいて複数の波源の個別の制御量を演算し、制御信号を生成し、超音波制御部42Cに出力する。超音波制御部42Cは、通信部47を介して制御信号を超音波ヘッドユニット10に送信し、複数の波源を個別に制御する。超音波制御部42Cは、例えば、複数の波源を制御して患者Kの患部の位置と複数の焦点Xが一致するように超音波を放射させる。
【0030】
送液制御部42Dは、後述の様に流体回路部25に設けられる制御機器として、複数の液検出部28、複数のポンプ部26及び複数のバルブ部27を含む回路制御機器部21Sを制御して流体回路部25の流路部材Rmに媒介液を流通させる。送液制御部42Dは、制御装置40の制御部42に統合されていてもよい。送液制御部42Dは、回路制御機器部21Sに所定の動作を要求する指令信号を取得し、指令信号の内容に基づいて回路制御機器部21Sの制御機器の個別の制御量を演算し、制御信号を生成する。送液制御部42Dは、通信部47を介して制御信号を回路制御機器部21Sに送信し、回路制御機器部21Sが必要な動作を行うように制御する。
【0031】
送液制御部42Dは、治療時において、流体回路部25を制御して、液体貯留部12に貯留される媒介液の貯留量を調整する。液体貯留部12に貯留される媒介液の貯留量を調整することで、治療用のHIFUを発生する第2波源11Cからの超音波の伝達に適切な貯留量に調整する。送液制御部42Dは、治療開始前の治療準備時において、超音波ヘッドユニット10が所定の第1姿勢に保持された場合、流体回路部25を制御して新たな媒介液を流体回路部25および、液体貯留部12に媒介液を供給させる。送液制御部42Dは、治療が終了した後の治療準備時において、超音波ヘッドユニット10が所定の第2姿勢に保持された場合、流体回路部25を制御して液体貯留部12および、流体回路部25から媒介液を排出させる。上記構成により、制御装置40は、入力された操作内容に基づいて超音波治療装置1を統合的に動作させることができる。
【0032】
図3には、流体回路部25の構成が模式的に示されている。流体回路部25は、例えば、媒介液が流通する複数の流路部材Rm(m:自然数)と、複数の流路部材Rmに媒介液を流通させる回路制御機器部21Sと、媒介液を収容する液体容器29と、を備えている。また流体回路部25は、回路制御機器部21Sが所定位置に取り付けられた機器取付部21を備える。機器取付部21については、後述する。流路部材Rmは、患者Kの診断毎に交換可能に構成されている。流路部材Rmは、例えば、可撓性を有する樹脂材料により管状に形成されている。流路部材Rmは、例えば、ポリエチレンチューブにより形成されている。
図3に示される実施例では、流体回路部25は、複数の流路部材Rmとして、流路部材R1,R2,R3,R4及びR5を備えている。
【0033】
流体回路部25は、例えば、複数の流路部材Rmに媒介液を流通させる第1回路部25Aと、外気と連通するとともに外部から第1回路部25Aに気体(空気)を流入させる第2回路部25Bと、を備えている。第1回路部25Aは、例えば、液体貯留部12に媒介液を流入させる流入回路部25A1と、液体貯留部12から媒介液を流出させる流出回路部25A2と、媒介液を外部に排出する排出回路部25A3と、を備えている。
【0034】
第1回路部25Aは、例えば、液体容器29と液体貯留部12(図3においては、接触部材14)とを接続する流路部材R1を有する。液体貯留部12(図3においては、接触部材14)には、媒介液が流入する流入接続部14RAと、媒介液が流出する流出接続部14RBが設けられている。流入接続部14RAには、流路部材R1の終端R1Bが着脱自在に嵌め込まれる。流入接続部14RAは、例えば、弾性変形する樹脂材料により流路部材R1の径に比して大きい径の管状部材により形成されている。流入接続部14RAの内径は、流路部材R1の外径に比して若干小さい径に形成されている。
【0035】
流入接続部14RAは、流路部材R1が嵌め込まれた際に弾性変形して流路部材R1の終端R1Bの周囲に密着し気密性が保持される。流出接続部14RBには、流路部材R2の始端R2Aが嵌め込まれている。流出接続部14RBは、例えば、弾性変形する樹脂材料により流路部材R2の径に比して大きい径の管状部材により形成されている。流出接続部14RBの内径は、流路部材R2の外径に比して若干小さい径に形成されている。流出接続部14RBは、流路部材R2が嵌め込まれた際に弾性変形して流路部材R2の始端R2Aの周囲に密着し気密性が保持される。上記構成により、流入接続部14RA及び流出接続部14RBにおける流路部材R1,R2の接続作業は、工具を必要とせずに手作業にて行うことができる。流入接続部14RA及び流出接続部14RBにおける流路部材R1,R2の接続には、例えば、ルアーロックコネクタを用いることができる。そして、流入接続部14RA及び流出接続部14RBを介して、接触部材14と流路部材R1,R2とを接続することで一体にすることができる。
【0036】
流出回路部25A2は、例えば、液体貯留部12と、液体容器29とを接続する流路部材R2と、流路部材R2の途中をバイパスする流路部材R3とを有する。排出回路部25A3は、例えば、流出回路部25A2の途中に接続され、下流側が外部に開放した流路部材R4を備えている。流路部材R4の下流側には、例えば、媒介液を収容するタンクTが設けられている。第2回路部25Bは、流路部材R2の下流側から分岐した流路部材R5を備えている。
【0037】
回路制御機器部21S(後述の図6及び7を参照)は、例えば、制御機器として、ポンプ部26と、バルブ部27と、液検出部28とを含んで構成されている。ポンプ部26は、例えば、流路部材R1の途中に設けられた給液ポンプ26Aと、流路部材R2の途中に設けられた排液ポンプ26Bとを備えている。給液ポンプ26Aは、流入回路部25A1において媒介液を液体貯留部12に供給する。排液ポンプ26Bは、流出回路部25A2において媒介液を液体貯留部12から排出させる。
【0038】
バルブ部27は、複数の電磁バルブ(ピンチバルブ)27A~27Fを備えている。液検出部28は、流路部材R1に設けられ媒介液内の溶存酸素濃度を検出する濃度計28Aと、流路部材R2に設けられ流路部材Rm内の圧力を検出する圧力検出部28BBに含まれる圧力センサ28Bと、流路部材Rmにおいて電磁バルブ27A~27Fの近傍にそれぞれ設けられ、流路部材Rmに流通する媒介液の有無を検出する複数の液体検知センサ28Cとを備えている。
制御部42は、機器取付部21が交換可能に、全ての電磁バルブ27A~27Fの停止を解除可能に構成される。
【0039】
濃度計28Aは、給液ポンプ26Aと液体貯留部12との間に設けられ、液体貯留部12に給液される媒介液内の溶存酸素濃度を検出し、治療用のHIFUを発生する第2波源11Cからの超音波の伝達に必要な媒介液の監視を行う。
【0040】
圧力検出部28BBは、排液ポンプ26Bと液体貯留部12との間に設けられ、流路部材R2を流動する媒介液の液圧の監視を行う。圧力センサ28Bは、圧力検出部28BBの内部に形成される気体溜まりの気圧を検出することで流動する媒介液の圧力を監視し、液体貯留部12内の液圧の監視を行う。制御部42(送液制御部42D)は、例えば、圧力センサ28Bが検出した気体溜まりの気圧を基に、流体回路部25の制御を行うことで液体貯留部12内への給液の供給量の調整(停止を含む)を行う。液体貯留部12内への給液の供給量の調整が行われることで、接触部材14の膨張による破裂の防止を行う。
【0041】
また、圧力センサ28Bが流路部材R2内部の圧力を検出することで液体貯留部12内の液体の有無および液体量の監視を行っても良い。制御部42(超音波制御部42C)は、例えば、圧力センサ28Bが検出した流路部材R2内部の圧力を基に、治療用のHIFUを発生する第2波源11Cの制御を行い、HIFUの照射の可否を判断し、HIFUの照射の開始または停止に関する動作の制御を行うことができる。なお、液体貯留部12内の液体の有無の検出については、圧力センサに限定されず、例えば、液体貯留部12内が液体で満たされていること、及びHIFUの照射に必要な水量を検出可能なセンサを用いても良く、また、水量を検出可能なセンサを用いた水量検出ユニットを構成しても良い。
【0042】
図4に示されるように、電磁バルブ27A~27Fは、例えば、流路部材Rmを挟持するクランプ部27Kと、クランプ部27Kに設けられたソレノイドアクチュエータ27Sとにより構成されている。流路部材Rmは、流路保持部RHとしてのクランプ部27Kに装着される。クランプ部27Kにおいて、流路部材Rmは、クランプ部27Kの挟持位置に対して着脱自在に挟持される。クランプ部27Kは、筐体20の側面において外方へ開口しており、流路部材Rmが、クランプ部27Kの開口を通過してクランプ部27Kの挟持位置に着脱可能に構成されている。ソレノイドアクチュエータ27Sは、電磁コイル27S1と電磁コイル27S1に対して摺動するプランジャ27S2とを備えている(図4(A)参照)。電磁コイル27S1に通電された場合、プランジャ27S2は、クランプ部27Kの内部側に突出する方向に移動する(図4(B)参照)。このとき、プランジャ27S2は、クランプ部27Kと協働して流路部材Rmを押しつぶし、流路部材Rm内を流通する媒介液の流れを停止させる。
【0043】
図3に戻り、電磁バルブ27Aは、例えば、流路部材R1において給液ポンプ26Aのうちの下流側部分に設けられている。電磁バルブ27Aは、流路部材R1における媒介液の流動又は停止を行う(流動を停止させる、または停止を解除させる)。電磁バルブ27Bは、例えば、流路部材R2において液体貯留部12の下流側に設けられている。電磁バルブ27Bは、流路部材R2における媒介液の流動又は停止を行う。電磁バルブ27Cは、例えば、流路部材R2において流路部材R3と並行する部分に設けられている。電磁バルブ27Cは、流路部材R2における媒介液の充填時または排出時の流動又は停止を行う。
【0044】
電磁バルブ27Dは、例えば、流路部材R2のうちの下流側部分において液体容器29の上流側に設けられている。電磁バルブ27Dは、流路部材R2における媒介液の循環時および充填時の電磁バルブ27Eは、例えば、流路部材R4に設けられている。電磁バルブ27Eは、流路部材R4において媒介液の排出時の流動又は停止を行う。電磁バルブ27Fは、例えば、流路部材R5に設けられている。電磁バルブ27Fは、流路部材R5から第1回路部25A内部への空気の流入時の流動又は停止を行う。
【0045】
図5に示されるように、給液ポンプ26Aは、例えば、流路部材R1の流路部材の断面形状を流動方向の一方から他方へ連続して変形させることにより内部の媒介液を圧送するチューブポンプにより構成されている。給液ポンプ26Aは、回転ローラ26A1と、回転ローラ26A1を回転自在に支持するハウジング26A2とを備えている。給液ポンプ26Aは、流路部材Rmが装着される流路保持部RJとして、回転ローラ26A1と、ハウジング26A2とを含み、回転ローラ26A1と、ハウジング26A2との間に流路部材Rmが装着される。回転ローラ26A1は、回転ローラ26A1の端部が回転ローラ26A1の回転中心から放射方向に移動可能に構成される。また回転ローラ26A1の端部は、回転中心から離間する方向に所定の付勢力を付与する不図示の付勢部材を備える。回転ローラ26A1の端部を付勢部材の付勢力に抗して回転中心方向に移動させることでハウジング26A2との間には隙間が設けられる。隙間には流路部材R1が嵌め込まれる。流路部材R1は、ハウジング26A2の内壁と回転ローラ26A1の端部とに挟持されて押しつぶされて変形して、流路保持部RJに装着される。
【0046】
給液ポンプ26Aにおいて、回転ローラ26A1を回転させると、回転ローラ26A1の端部は、流路部材R1を回転方向に押しつぶしながら移動し、流路部材R1の内部の媒介液は、回転方向側の下流側に圧送される。押しつぶされた流路部材R1は、回転ローラ26A1が移動した後、流路部材自体の復元力により元の形状に戻り、その際に流路部材R1の上流側から媒介液が流入する。排液ポンプ26Bも給液ポンプ26Aと同様にチューブポンプにより構成されている。
【0047】
給液ポンプ26Aには、例えば、流路部材R1の一部が湾曲された状態で着脱自在に嵌め込まれている。排液ポンプ26Bには、例えば、流路部材R3の一部が湾曲された状態で着脱自在に嵌め込まれている。上記構成により、給液ポンプ26A及び排液ポンプ26Bにおける流路部材R1,R3の着脱作業は、工具を必要とせずに手作業にて行うことができる。
【0048】
図3に戻り、液体容器29は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂材料により袋体に形成されている。液体容器29は、2枚のシート状の樹脂材料の周囲が溶着されて形成されている。液体容器29の上部は、2枚のシート状の樹脂材料が所定幅において貼り合わされた貼合部29Aが設けられている。貼合部29Aの上部には、貫通孔により形成された係合部29Bが設けられている。係合部29Bには、後述の様に筐体20に設けられた支持部23が有するフック状の支持部材24が係合し液体容器29が吊り下げられた状態で保持される。
【0049】
液体容器29内には、気泡の無い状態で媒介液が封入されている。媒介液は、超音波の電導性を向上させるために溶存気体が除去された脱気水である。本実施例の媒介液として用いられる脱気水においては、液体に含有する溶存気体の値(溶存酸素濃度値)が所定の値(3ppm)以下の脱気水が用いられる。液体容器29は、収容内部に媒介液が収容された状態で準備され、流体回路部25に接続されることで媒介液を流体回路部25に供給可能となる。
液体容器29には、流体回路部25に接続するための接続部29Cが設けられている。接続部29Cは、媒介液を供給するために流入回路部25A1に接続される第1接続部29Dと、媒介液を液体貯留部12(図3においては、接触部材14)から液体容器29に還流するための流出回路部25A2に接続される第2接続部29Eと、を備えている。第1接続部29Dは、例えば、液体容器29の下部において垂下して設けられている。
【0050】
第1接続部29Dには、流路部材R1の始端R1Aが着脱自在に嵌め込まれている。第1接続部29Dは、例えば、弾性変形する樹脂材料により流路部材R1の径に比して大きい径の管状部材により形成されている。第1接続部29Dの内径は、流路部材R1の外径に比して若干小さい径に形成されている。第1接続部29Dは、流路部材R1が嵌め込まれた際に弾性変形して流路部材R1の始端R1Aの周囲に密着し気密性が保持される。第1接続部29Dとしては、一般的な医療部材としてルアーロックコネクタを用いてもよい。
【0051】
第2接続部29Eは、例えば、液体容器29の上部において水平方向に突出して設けられている。第2接続部29Eには、流路部材R2の終端R2Bが着脱自在に嵌め込まれている。第2接続部29Eは、例えば、弾性変形する樹脂材料により流路部材R2の径に比して大きい径の管状部材により形成されている。第2接続部29Eの内径は、流路部材R2の外径に比して若干小さい径に形成されている。第2接続部29Eは、流路部材R2が嵌め込まれた際に弾性変形して流路部材R2の終端R2Bの周囲に密着し気密性が保持される。第2接続部29Eとしては、一般的な医療部材としてルアーロックコネクタを用いてもよい。
液体容器29、接続部29C、係合部29Bを備えることで媒介液ユニット29UTが構成される。上記構成により、液体容器29における流路部材R1,R2との接続作業は、工具を必要とせず手作業にて行うことができる。そして、接続部29Cを介して、液体容器29と流路部材R1,R2とを接続することで一体にすることができる。
【0052】
図6に示されるように、筐体20は、一面側が外部に面するように流体回路部25が取り付けられる機器取付部21が設けられている。機器取付部21は、例えば、筐体20の一側面に後述する流路保持部RH,RJが並べて設けられている。機器取付部21は、筐体20の上下方向に沿った一辺に沿って設けられた回転支持部22により回転可能に支持されている。機器取付部21は、筐体本体20Aに対して開閉自在な扉状に設けられている。
【0053】
筐体20の上面には、液体容器29を支持する棒状に形成された支持部23が設けられる。支持部23の上部には、液体容器29に設けられた係合部29Bを係合させるフック状の支持部材24が設けられている。支持部23には、支持部材24に係合部29Bを係合させることで液体容器29が吊り下げられる。
【0054】
図7に示されるように、機器取付部21は、流体回路部25の一部が設けられる。機器取付部21は、第1取付部21Aを備える。第1取付部21Aには、回路制御機器部21Sが設けられる。回路制御機器部21Sは、複数の流路部材Rmが流通する媒介液の流動の制御に用いられる。また、機器取付部21は、複数の流路部材Rmが取り付けられる第2取付部21Bを備える。機器取付部21の外方に面した一面側には、複数の流路部材Rmに媒介液を流通させる回路制御機器部21Sの制御機器が取り付けられている。機器取付部21の一面側には、回路制御機器部21Sを構成する制御機器として、給液ポンプ26A、排液ポンプ26B、複数の電磁バルブ27A~27F、及び複数の液体検知センサ28Cが所定位置に取り付けられている。これにより、機器取付部21の一面側は、第1取付部21Aを構成している。
【0055】
機器取付部21の一面側において、第1取付部21Aに対応して第2取付部21Bが着脱可能に設けられる。第1取付部21Aの外方に面した一面側には、回路制御機器部21Sが配置されている。回路制御機器部21Sの制御機器が配置されることにより、各流路部材Rmを保持する流路保持部RH,RJが配置される(図4及び図5参照)。第2取付部21Bの外方に面した一面側には、複数の流路支持部21Mが、配置されている。複数の流路支持部21Mには、流路部材Rmがそれぞれ取り付けられている。
【0056】
第2取付部21Bは、例えば、板状に形成された着脱取付部材21Pと、着脱取付部材21Pに設けられた複数の流路部材Rmとを備えている。着脱取付部材21Pの外方に面した一面側には、複数の流路部材Rmが予め所定位置に配置されている。複数の流路部材Rmは、予め定められた配置関係に基づいて所定位置に取り付けられている。着脱取付部材21Pが第1取付部21Aに装着される前(流路部材R1の始端R1A及び流路部材R2の終端R2Bが液体容器29に接続される前)において、複数の流路部材Rmは、流路部材R1の始端R1A及び流路部材R2の終端R2Bが開放された状態で着脱取付部材21Pに取り付けられている。流路部材R1の始端R1A及び流路部材R2の終端R2Bは、液体容器29が支持部23に取り付けられた際に、液体容器29に接続される(図3参照)。
【0057】
着脱取付部材21Pが第1取付部21Aに装着される前(流路部材R1の終端R1B及び流路部材R2の始端R2Aが液体貯留部12に接続される前)において、複数の流路部材Rmは、流路部材R1の終端R1B及び流路部材R2の始端R2Aが開放された状態で着脱取付部材21Pに取り付けられている。流路部材R1の終端R1B及び流路部材R2の始端R2Aは、液体貯留部12に接続される。本実施例においては、接触部材14に接続される。着脱取付部材21Pには、複数の流路部材Rmが複数の所定位置に露出した状態で位置決めして取り付けられている。この複数の所定位置は、例えば、機器取付部21に設けられた回路制御機器部21Sに含まれる制御機器の位置に対応する位置である。
例えば、複数の流路支持部21Mの少なくとも一部が、媒介液が流路部材Rmを流通する流通方向において、回路制御機器部21Sに含まれる制御機器の位置の上流側及び下流側の位置に配置される。
【0058】
第2取付部21Bは、第1取付部21Aに対して着脱可能に設けられている。第2取付部21Bには、複数の流路部材Rmが配置されている。複数の流路部材Rmは、第1取付部21Aに配置された回路制御機器部21Sの位置に対応して配置されている。機器取付部21の一面側には、第1取付部21Aに対して着脱取付部材21Pを所定位置に位置決めして係合させる着脱係合部21Kが設けられている。
【0059】
着脱係合部21Kは、例えば、1つ以上のフック部材21Fにより形成されている。機器取付部21の一面側の上方には、一対のフック部材21Fが取り付けられている。着脱取付部材21Pには、一対のフック部材21Fの各フックがそれぞれ係合する一対の装着係合部21Qが形成されている。装着係合部21Qは、貫通孔に形成されている。一対の装着係合部21Qは、例えば、一対のフック部材21Fの各フックの位置に対応して形成されている。装着係合部21Qとして形成される貫通孔は、着脱取付部材21Pの上端部に形成されている。装着係合部21Qは、フック部材21Fのフックが貫通した後、上端にてフックに引っ掛けられるように縦長の矩形の開口に形成されている。
【0060】
これにより、第2取付部21Bを第1取付部21Aに正確に位置決めして取り付けられる。その結果、第1取付部21Aに配置される回路制御機器部21Sの制御機器と、第2取付部21Bに設けられる複数の流路部材Rmとを対応して位置合わせすることができる。この際、第2取付部21Bは、第1取付部21Aに工具を必要とせず手作業にて取り付けることができる。第2取付部21Bの取り付け時には、露出した複数の流路部材Rmが回路制御機器部21Sの制御機器に取り付けられる。着脱取付部材21Pには、板状の着脱取付部材21Pの一部を所定のサイズで切り欠いて形成される切欠き部21Ro(o:自然数)が設けられる。切欠き部21Roは、回路制御機器部21Sの制御機器の位置に対応する位置に必要に応じて形成されている。本実施例においては、複数の切欠き部21Ro(21R1~21R9)が形成されている。
【0061】
着脱取付部材21Pにおいて複数の切欠き部21Roには、複数の流路部材Rmが所定位置に所定の配管姿勢状態を保持しつつ、露出した状態で位置決めして取り付けられる。第1切欠き部21R1は、例えば、排液ポンプ26Bの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられる。第1切欠き部21R1は、着脱取付部材21Pが機器取付部21の着脱される際に、排液ポンプ26Bに接触しない大きさと形状に形成されている。流路部材R3は、第1切欠き部21R1から露出した状態で取り付けられている。
【0062】
流路部材R3は、着脱取付部材21Pが機器取付部21の一面側において着脱される際に、排液ポンプ26Bのハウジングの装着位置に合致し、着脱が容易となるように第1切欠き部21R1においてループ状に露出している。第2切欠き部21R2は、電磁バルブ27Cと複数の液体検知センサ28Cの一つの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R2及び流路部材R3の一部が露出している。第3切欠き部21R3は、電磁バルブ27Eの下流側に配置される液体検知センサ28Cの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R4の一部が露出すると共に、流路部材R4の終端R4Eが開放されている。
【0063】
第4切欠き部21R4は、電磁バルブ27Fと液体検知センサ28Cの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R5の一部が露出している。第5切欠き部21R5は、液体検知センサ28Cの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R1の一部が露出している。第6切欠き部21R6は、電磁バルブ27Aと液体検知センサ28Cの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R1の一部が露出している。第7切欠き部21R7は、給液ポンプ26Aと液体検知センサ28Cの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R1の一部がループ状に露出している。第8切欠き部21R8は、電磁バルブ27Bの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R2の一部が露出している。第9切欠き部21R9は、電磁バルブ27Dおよび液体検知センサ28Cと電磁バルブ27Eとの位置に対応する着脱取付部材21Pの位置に設けられ、流路部材R2の一部が露出している。
【0064】
上記構成により、第2取付部21Bが第1取付部21Aに取り付けられる際に、露出した複数の流路部材Rmは、必要に応じて形成される切欠き部21Roを介して、回路制御機器部21Sの対応する制御機器に保持されるように取り付けられる。回路制御機器部21Sは、第1取付部21Aに設けられ複数の流路部材Rmをそれぞれ保持する複数の流路保持部RH,RJを構成している。
【0065】
上記構成により、露出した複数の流路部材Rmは、回路制御機器部21Sを構成する制御機器としての、ポンプ部26、バルブ部27、及び液検出部28に設けられたそれぞれの流路保持部RH,RJに、複数の切欠き部21Roを介して手作業にて着脱作業を行うことができる。
【0066】
図8に示されるように、液体貯留部12に設けられた接触部材14は、下方(患者側)に膨出する碗状に形成されている。接触部材14は、生体適合性があり、音響インピーダンスが生体に近い材料で形成されている。接触部材14は、例えば、シリコンゴム等の可撓性を有する材料により形成されている。接触部材14の患者側と反対側となる液体貯留部12側には、媒介液が充填される。接触部材14は、治療毎に交換可能に形成されている。接触部材14の患者側となる下面側には、患者Kの身体に接触する接触部14Aが形成されている。接触部14Aは、円形の盆状に形成されている。接触部14Aの周囲には、下部が接触部14Aに連続し、接触部14Aの周囲の上方を囲むように延在して筒状の装着部14Bが形成されている。装着部14Bは、例えば、上方に向かうほど径が拡大する円錐台状に形成されている。装着部14Bは、超音波ヘッドユニット10の装着対象部分(不図示)に装着される。装着部14Bの上端には、装着対象部分に係合するフランジ部14Cが形成されている。フランジ部14Cは、水平方向において外方に突出した円環状に形成されている。
【0067】
液体貯留部12の内側には、例えば、接触部14Aと装着部14Bとにより、内部空間の一部が形成される。内部空間には、媒介液が充填される。装着部14Bの第1位置には、流入回路部25A1に接続される流入接続部14RAが設けられている。
【0068】
流入接続部14RAは、流路部材R1と接続され、接触部材14に媒介液を流入させる。流入接続部14RAは、一端側が装着部14Bに接続された管状部14Qと、管状部14Qの他端側に設けられた接続部材14Pとを構成する。接続部材14Pには、流路部材R1の終端R1Bが嵌め込まれる。平面視して装着部14Bの第1位置と異なる第2位置には、流入回路部25A1に接続される流出接続部14RBが設けられている。第2位置は、例えば、平面視して接触部14Aの中心14CLを中心に第1位置から位相が90度ずれた位置である。流出接続部14RBは、流路部材R2と接続され、接触部材14から媒介液を流出させる。
【0069】
流出接続部14RBは、一端側が装着部14Bに接続された管状部14Qと、管状部14Qの他端側に設けられた接続部材14Pとを備える。接続部材14Pには、流路部材R2の始端R2Aが嵌め込まれる。
【0070】
上記構成により、流入接続部14RA及び流出接続部14RBと流路部材R1,R2との接続作業は、工具を必要とせず手作業にて行うことができる。接続部材14Pとしては、例えば、医療機器部材として一般的に利用されるルアーロックコネクタが用いられる。また、流入接続部14RA及び流出接続部14RBが設けられる装着部14Bの位置は、フランジ部14Cに近い位置が好ましい。
【0071】
流体回路部25の複数の流路部材Rmの取り付け完了後には、制御部42は、給液ポンプ26A、電磁バルブ27A~27Fを制御して、流路部材Rmに媒介液を供給すると共に、液体貯留部12に媒介液を供給する。
【0072】
流体回路部25の複数の流路部材Rmの取り外し時(具体的には、取り外す前)には、制御部42は、給液ポンプ26A、排液ポンプ26B、電磁バルブ27A~27Fを制御して、流路部材Rmから媒介液を排出すると共に、液体貯留部12から媒介液を排出する。制御部42は、治療準備時において、液体貯留部12に媒介液を供給又は排液し易いように、ロボットアーム2を制御して、超音波ヘッドユニット10を供給用の姿勢または排液用の姿勢に維持させる。
【0073】
流体回路部25の流路部材Rmを取り付ける交換作業において、液体貯留部12に媒介液を供給し易いように、制御部42は、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を流体回路部25に対する所定の位置となる交換作業位置へ移動させると共に、液体貯留部12の姿勢を調整する。流体回路部25の流路部材Rmを取り外す交換作業において、液体貯留部12に媒介液を排液し易いように、制御部42は、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を流体回路部25に対する所定の位置となる交換作業位置へ移動させると共に、液体貯留部12の姿勢を調整する。交換作業位置としては、例えば、流体回路部25の周囲の位置が設定される。具体的な交換作業位置としては、流体回路部25が設けられる筐体20の上面から離間した上方の位置に設定される。
【0074】
図9に示されるように、制御部42は、治療準備時の給液工程において、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を第1姿勢に保持する。第1姿勢は、例えば、液体貯留部12内の空気が抜けやすいように、流入接続部14RAに比して流出接続部14RBが上側となる姿勢である。本実施例においては、接触部材14(液体貯留部12)の接触部14Aが下側を向く姿勢である。第1姿勢は、好ましくは液体貯留部12において流出接続部14RBが最上部となる姿勢である。制御部42は、超音波ヘッドユニット10を第1姿勢に保持した状態で流体回路部25の回路制御機器部21Sを制御して接触部材14(液体貯留部12)に媒介液を供給させる。
【0075】
図10に示されるように、制御部42は、治療準備時の排液工程において、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を第2姿勢に保持する。第2姿勢は、例えば、液体貯留部12内の媒介液が抜けやすいように、流入接続部14RAに比して流出接続部14RBが下側となる姿勢である。本実施例において、接触部材14(液体貯留部12)の接触部14Aが上側を向く姿勢とすることで、排液後の接触部材14の交換を効率よく容易に行うことができる。第2姿勢は、好ましくは液体貯留部12において流出接続部14RBが最下部となる姿勢である。制御部42は、超音波ヘッドユニット10を第2姿勢に保持した状態で流体回路部25の回路制御機器部21Sを制御して接触部材14(液体貯留部12)から媒介液を排出させる。
【0076】
図11には、治療準備時の給液工程において実行される処理の流れがフローチャートにより示されている。作業者は、制御装置40の入力部49により流体回路部25の流路部材Rmの取り付けを開始する旨の操作を入力する。制御部42は、入力された交換開始の指令信号に基づいて、ロボットアーム2を制御して、超音波ヘッドユニット10を交換作業に適した位置に移動させる。制御部42は、全ての電磁バルブ27A~27Fを開状態にする(ステップS100)。作業者は、接触部材14を筒状部13にセットし、液体容器29を筐体20の支持部23にセットし、第1取付部21Aに複数の流路部材Rmが設けられる第2取付部21Bをセットし、複数の流路部材Rmを回路制御機器部21Sの制御機器に取り付ける。この時、作業者は、複数の流路部材Rmを液体容器29及び液体貯留部12(接触部材14)に接続する(ステップS102)。
【0077】
制御部42は、流路部材R2の下流側に設けられた電磁バルブ27Dと、流路部材R5に設けられた電磁バルブ27Fとを閉状態にする(ステップS104)。これにより、媒介液は、流路部材R1~流路部材R3に流通した後、流路部材R4から排出される。制御装置40の入力部49の入力により制御部42は、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を第1姿勢に保持し、給液ポンプ26Aを稼働させる(ステップS106)。制御部42は、流路部材R4に設けられた液体検知センサ28Cがオン状態となるか否かを監視し(ステップS108)、オフ状態である場合、ステップS106を継続する。制御部42は、流路部材R4に設けられた液体検知センサ28Cがオン状態となった場合、排液ポンプ26Bを稼働させる(ステップS110)。流路部材R4に媒介液が流通した場合、流入回路部25A1と流出回路部25A2の流路部材R1~R3に媒介液が流通した状態である。従って、制御部42は、流路部材R4に設けられた液体検知センサ28Cがオン状態となった場合、排液ポンプ26Bを稼働し、流路部材R2の下流側に媒介液を流通させる。
【0078】
制御部42は、流路部材Rmに設けられた電磁バルブ27Cを閉状態にする(ステップS112)。制御部42は、ステップS112の後、排液ポンプ26Bを例えば、3秒の所定時間稼働させる(ステップS114)。所定時間経過前は、ステップS110に戻り、所定時間が経過した場合、排液ポンプ26Bを停止する(ステップS116)。これにより、流路部材R2の下流側の空気抜きをすることができる。制御部42は、流路部材R3に並行する流路部材R2に設けられた電磁バルブ27Cと、流路部材R2の下流側に設けられた電磁バルブ27Dを開状態にし、流路部材R4に設けられた電磁バルブ27Eを閉状態にする(ステップS118)。
【0079】
制御部42は、給液ポンプ26Aの稼働を継続し、流路部材Rmと液体容器29に媒介液を循環させる(ステップS120)。このとき、作業者は、流路部材Rmや液体貯留部12内部の気泡の有無状態を確認し、気泡が内面に付着している場合は、流路部材Rmや接触部材14を叩くことで振動を与え、気泡の除去を行う。制御部42は、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を通常の姿勢(給液完了位置)に戻す(ステップS122)。制御部42は、給液ポンプ26Aを停止すると共に、該当する全ての回路制御機器部21Sを停止する(ステップS124)。上記各ステップは、制御部42により自動的に行われ、入力部49から入力された操作に基づいて、適宜停止、開始してもよい。
【0080】
図12には、治療準備時の排液工程において実行される処理の流れがフローチャートにより示されている。作業者は、制御装置40の入力部49から流体回路部25の流路部材Rmの取り外しを開始する旨の操作を入力する。制御部42は、入力された交換開始の指令信号に基づいて、ロボットアーム2を制御して、超音波ヘッドユニット10を交換作業に適した位置に移動させる。制御部42は、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を第2姿勢に保持する(ステップS200)。制御部42は、液体貯留部12の上流側に設けられた電磁バルブ27A、液体貯留部12の下流側に設けられた電磁バルブ27B、排液用の流路部材R4に設けられた電磁バルブ27E、大気開放用の流路部材R5に設けられた電磁バルブ27Fを開状態にする(ステップS202)。
【0081】
制御部42は、給液ポンプ26A及び排液ポンプ26Bを稼働させる(ステップS204)。制御部42は、排液用の流路部材R4に設けられた液体検知センサ28Cがオン状態であり、流路部材R4から排液していることを確認する(ステップS206)。制御部42は、排液用の流路部材R4に設けられた液体検知センサ28Cが例えば数秒間の所定時間の間、オフ状態であるか否を判定する(ステップS208)。ステップS208でオフ状態である場合、処理は、ステップS206に戻される。ステップS208でオン状態である場合、制御部42は、給液ポンプ26A及び排液ポンプ26Bを停止する(ステップS210)。制御部42は、全ての電磁バルブ27A~27Fを開状態にする(ステップS212)。
【0082】
制御部42は、ロボットアーム2を制御して超音波ヘッドユニット10を通常の姿勢に保持する(ステップS214)。制御部42は、表示部48に流体回路部25の流路部材Rm、接触部材14、および液体容器29の交換を促す画像を表示する。表示部48には、取り外し終了を知らせる画像が表示されている。作業者は、接触部材14、第2取付部21Bと共に流体回路部25の流路部材Rmおよび液体容器29を取り外す(ステップS216)。作業者は、新たな、接触部材14、第2取付部21Bと共に流体回路部25の流路部材Rm、および液体容器29を装着させ、交換を完了する(ステップS217)。作業者は、入力部49により取り外しまたは交換が終了したことを示す入力操作を行う。制御部42は、入力操作に基づいて全ての電磁バルブ27A~27Fを閉状態にする(ステップS218)。上記各ステップは、制御部42により自動的に行われるが、途中のステップにおいて入力部49から入力された操作に基づいて、適宜停止、開始してもよい。
【0083】
図13には、接触部材14、液体容器29、流体回路部25の流路部材Rmがセットされ、その内部が媒介液で満たされた後に液体貯留部12内の液量を増加する際において実行される処理動作がフローチャートにより示されている。作業者は、入力部49により液体貯留部12への媒介液の液量を増加させる操作を入力する。制御部42は、液体貯留部12の上流側に設けられた電磁バルブ27Aを開状態にする(ステップS300)。制御部42は、入力部49により入力された操作に基づいて給液ポンプ26Aを稼働させる(ステップS302)。
【0084】
作業者は、液体貯留部12の液量を目視し、液量が適量か否かを判定する(ステップS304)。作業者は、液量が適量と判断した場合、入力部49により液量が適量である情報を入力する操作を行う。制御部42は、入力部49に入力された操作に基づいて、給液ポンプ26Aを停止する(ステップS306)。制御部42は、液体貯留部12の上流側に設けられた電磁バルブ27Aを閉状態にする(ステップS308)。上記各ステップに基づいて、液体貯留部12の液量を増加させることができる。
【0085】
図14には、接触部材14、液体容器29、流体回路部25の流路部材Rmがセットされ、その内部が媒介液で満たされた後に液体貯留部12内の液量を減少させる際において実行される処理動作がフローチャートにより示されている。作業者は、入力部49により液体貯留部12への媒介液の液量を減少させる操作を入力する。制御部42は、液体貯留部12の下流側に設けられた電磁バルブ27Bおよび流路部材R2の下流側に設けられた電磁バルブ27Dを開状態にする(ステップS400)。制御部42は、入力部49により入力された操作に基づいて排液ポンプ26Bを稼働させる(ステップS402)。作業者は、液体貯留部12の液量を目視し、液量が適量か否かを判定する(ステップS404)。
【0086】
作業者は、液量が適量と判断した場合、入力部49により液量が適量である情報を入力する操作を行う。液量は、センサ等を用いて自動的に検出されてもよい。制御部42は、入力部49により入力された操作に基づいて、排液ポンプ26Bを停止する(ステップS406)。制御部42は、液体貯留部12の下流側に設けられた電磁バルブ27Bおよび流路部材R2の下流側に設けられた電磁バルブ27Dを閉状態にする(ステップS408)。上記各ステップに基づいて、液体貯留部12の液量を減少させることができる。
【0087】
上述した流体回路部25等の交換対象部品は、流通形態によりユニット化されて構成されていてもよい。例えば、機器取付部21、流体回路部25、及び送液制御部42Dは、流体動作装置として構成されていてもよい。機器取付部21は、筐体20以外の対象物に取り付けられていてもよい。即ち、流体動作装置の構成要素である流体回路部25は、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源11Aと、下面側が治療対象体に接触する接触部14Aとを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部12とを備える超音波ヘッドユニット10に接続され、液体貯留部12に充填され超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材Rmを有している。
【0088】
接触部材14および液体容器29は、流体回路部25の液体の流路を形成する流路部材Rmと接続部材を介して接続することで一体とすることができる。一体とした接触部材14、液体容器29および流路部材Rmは、治療を行う患者ごと、または治療毎に、その都度まとめて取り外し、新たな接触部材14、液体容器29および流路部材Rmに交換することができる。また、新たな接触部材14および液新たな体容器29についても流体回路部25の液体の流路を形成する新たな流路部材Rmと事前に接続させ、一体とした状態で準備することで交換を容易に行うことができる。なお、接触部材14および液体容器29は、流路部材Rmと接続部材14Pを介して接続することで一体となる構造としているが、接続部材14Pを介さずに接触部材14および液体容器29と流路部材Rmとが直接接続されて一体構造としても良い。
【0089】
流体回路部25は、複数の流路部材Rmに媒介液を流通させる第1回路部25Aと、第1回路部25Aに気体を流入させる第2回路部25Bと、を備えている。第1回路部25Aは、液体貯留部12に媒介液を流入させる流入回路部25A1と、液体貯留部12から媒介液を流出させる流出回路部25A2と、媒介液を外部に排出する排出回路部25A3と、を備えている。
【0090】
流体回路部25は、複数の流路部材Rmを流通する媒介液の流動のため制御される回路制御機器部21Sと、回路制御機器部21Sが所定位置に取り付けられた機器取付部21とを備えている。機器取付部21は、一面側に回路制御機器部21Sが取り付けられ、複数の流路部材Rmを回路制御機器部21Sの制御機器に対して着脱可能に設けられている。
【0091】
機器取付部21は、回路制御機器部21Sの制御機器が取り付けられる第1取付部21Aと、第1取付部21Aに対して着脱可能に設けられる第2取付部21Bとを備える。第1取付部21Aは、第2取付部21Bを所定位置に係合して位置決めさせる着脱係合部21Kを備える。第2取付部21Bは、複数の流路部材Rmが取り付けられる着脱取付部材21Pを備える。着脱取付部材21Pには、着脱係合部21Kに係合する装着係合部21Qが形成されている。着脱取付部材21Pには、複数の流路部材Rmが複数の流路支持部21Mにより複数の所定位置に位置決めして取り付けられている。複数の所定位置には、回路制御機器部21Sの制御機器の位置に対応する位置に切欠き部21Roが必要に応じて形成されている。切欠き部21Roからは、流路部材Rmが露出して配置されている。
【0092】
流体動作装置の構成要素である送液制御部42Dは、流体回路部25を制御して、液体貯留部12に貯留される媒介液の貯留量を調整すると共に、流体回路部25から媒介液を排出し、流体回路部25へ新たな媒介液を供給する。送液制御部42Dは、流体回路部25と制御装置40との間で流体回路部25を固体認証し、回路制御機器部21Sの動作を診断する通信を行ってもよい。送液制御部42Dは、制御装置40側に設けられていてもよい。
【0093】
また、上述した流体回路部25の構成のうち、交換対象がパッケージされた流体回路セットが構成されていてもよい。図15は、交換対象がパッケージされた流体回路セットCSを示す。流体回路セットCSは、第1取付部21Aに設けられる回路制御機器部21Sに対応する位置に、複数の流路部材Rmが着脱取付部材21Pに予め装着されて、流体回路部25の回路の一部を構成する状態で収容体CTに収容されている。流体回路セットCSは、治療対象体の内部の所定位置を焦点とするように超音波を照射する波源11Aと、下面側が治療対象体に接触する接触部14Aを含み容積を調整可能に形成された液体貯留部12とを含む超音波ヘッドユニット10に接続され、液体貯留部12に充填され超音波を伝達する媒介液が流通する複数の流路部材Rmを備えている。
【0094】
流体回路セットCSは、複数の流路部材Rmが取り付けられる着脱取付部材21Pを備える。着脱取付部材21Pには、複数の流路部材Rmが複数の流路支持部21Mにより複数の所定位置に位置決めして取り付けられている。複数の所定位置には、回路制御機器部21Sの制御機器の位置に対応する位置に切欠き部21Roが必要に応じて形成されている。本実施例においては、複数の制御機器に対応する切欠き部21Roが必要なため、複数の切欠き部21Roが形成されている。複数の切欠き部21Roからは、複数の流路部材Rmが露出して配置されている。
【0095】
また、流体回路セットCSは、複数の流路部材Rmが取り付けられた状態の着脱取付部材21Pが収容可能な収容体CTに収容される。収容体CTには、接触部材14も収容されてもよい。収容体CTは、例えば、箱体と、梱包部材とにより構成されている。箱体は、流通過程において用いられる再生可能な紙等の材料により形成された容器である。梱包部材は、箱体に収容された収容対象物と箱体の内壁との間に充填される緩衝材である。梱包部材は、収容対象物の形状を有する内部空間が形成された部材であってもよいし、多数の同形状に形成された緩衝材が収容対象物と箱体との間に充填されるものであってもよい。また、流体回路セットCSは、袋状の包装体に収容され、その上で収容体CTに収容されてもよい。
【0096】
また、流体回路セットCSは、超音波ヘッドユニット10に取り付けられる接触部材14を備えていてもよい。接触部材14は、下部に設けられた接触部14Aと、接触部14Aの周囲の上方を囲むように延在して形成され超音波ヘッドユニット10の装着対象部分に装着される装着部14Bとを含んで形成されている。装着部14Bは、第1位置において液体貯留部12に媒介液を流入させる流体回路部25の流入回路部25A1に接続される流入接続部14RAと、平面視して第1位置と異なる第2位置に設けられ液体貯留部12から媒介液を流出させる流体回路部25の流出回路部25A2に接続される流出接続部14RBと、を備えている。また、接触部材14は、袋状の包装体に収容され、その上で収容体CTに収容されてもよい。
【0097】
また、流体回路セットCSは、媒介液を含む媒介液ユニット29UTを備えていてもよい。媒介液ユニット29UTは、媒介液を収容する液体容器29と、液体容器29および流体回路部25を接続する接続部29Rと、を備えていてもよい。液体容器29は、媒介液を収容する収容空間を有する。接続部29Rは、媒介液が流通する複数の流路部材Rmを有する流体回路部25に接続される。液体容器29には、支持部23に係合する係合部29Bが設けられている。接続部29Rは液体容器29に接続される第1接続部29Dと、液体容器29に接続される第2接続部29Eと、を備える。また、接続部29Rは、流入回路部25A1が接続される流入接続部29RAと、流出回路部25A2に接続される流出接続部29RBと、を備える。液体容器29は、未使用の媒介液が収容された状態で準備されるため、液体容器29から媒介液の流出を防止する流出規制部材29Sを含む。流出規制部材29Sは、液体容器29と流入接続部29RAとの間、および液体容器29と流出接続部29RBとの間にそれぞれ設けられ、規制および流量の調節で一般的な医療部材として用いられるクレンメが採用される。流入接続部29RAおよび流出接続部29RBは、接続部材であり、一般的な医療部材としてルアーロックコネクタが用いられる。液体容器29に収容される媒介液は、溶存気体が除去された脱気水である。液体容器29は、収容体CTに収容されてもよい。また、液体容器29は、袋状の包装体に収容され、その上で収容体CTに収容されてもよい。
【0098】
また、上述する流体回路セットCSは、着脱取付部材21Pに装着された複数の流路部材Rmに接触部材14および液体容器29を予め接続させて一体とした状態で収容体CTに収容されてもよい。
【0099】
上述したように、超音波治療装置1は、患者Kの治療毎に流体回路部25の流路部材Rmと、接触部材14と、新たな媒介液(脱気水)を含む液体容器29とを交換することにより治療毎に媒介液の性能を維持することができる。超音波治療装置1によれば、流体回路部25の流路部材Rmと、接触部材14と、液体容器29との交換作業は、複数の流路部材Rmの接続や着脱等の簡易な作業となるように構成されているため、作業負担を軽減することができる。超音波治療装置1によれば、流体回路部25の複数の流路部材Rmが流体回路部25の一部の流路を予め形成させた状態でユニット化されているため、複数の流路部材Rmを機器取付部21に設けられた回路制御機器部21Sの位置に対応する位置に合わせて確実に取り付けることができる。超音波治療装置1によれば、媒介液が流通、滞留する複数の流路部材Rm、接触部材14、新たな媒介液(脱気水)を含む液体容器29を治療毎に交換するため、適切な衛生管理を行うことができる。
【0100】
上述した制御部42を構成する、主制御部42A、ロボットアーム制御部42B、超音波制御部42C、送液制御部42Dを含むこれらの構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。上記制御部42において実行される処理は、クラウドコンピューティングによりサーバー上のコンピュータで処理が行われてもよい。上記制御部42において実行される処理は、分散型の複数のコンピュータにおいて分散して機能が実行されてもよい。
【0101】
上述した流体回路部25は、第1回路部25Aに気体を流入させる第2回路部25Bが液体貯留部12(図3においては、接触部材14)から液体容器29へ液体が流通する流出回路部25A2に接続させて設けているが、液体容器29から液体貯留部12へ液体が流通する流入回路部25A1に第2回路部25Bを接続させて設けても良い。
【0102】
図16に示されるように、流体回路部25は、液体容器29から液体貯留部12(図16においては、接触部材14)へ液体が流通する流入回路部25A1の流路部材R1の途中に第2回路部25Bの流路部材R5を接続させて、第1回路部25Aに気体を流入させる第2回路部25Bを設けている。具体的には、液体容器29と給液ポンプ26Aとの間の流路部材R1の途中であって、流路部材R1の途中の液体容器29の第1接続部29D側に流路部材R5を接続させて、第2回路部25Bを設けている。第2回路部25Bを液体容器29と給液ポンプ26Aとの間の第1回路部25Aの流路部材R1の途中に接続させて液体容器29、液体貯留部12および流体回路部25の流路を形成する流路部材Rmの内部を大気に開放することで、液体の流出により内部が負圧になることが防止され、内部から液体の排出をスムースに行うことができる。なお、気体を流入させる第2回路部25Bは、図3に示すように液体容器29へ液体が流通する流出回路部25A2に接続させて設けると共に、図16に示すように液体容器29から液体貯留部12へ液体が流通する流入回路部25A1に第2回路部25Bを更に追加して第2回路部25Bを2つ設けても良い。
【0103】
(変形例1)
本発明に係る筐体20の変形例について、以下に説明する。
図17に示されるように、本変形例における筐体200は、筐体本体20Bの上面に複数の流路支持部21Mが配置されている。すなわち、本変形例における筐体200は、その上面に支持部23と共に複数の流路支持部21Mをさらに備える。
この筐体本体20Bの上面に配置された流路支持部21Mは、複数の流路部材Rmを取り付け可能に構成されている。これにより、複数の流路部材Rmが複数の流路支持部21Mにより、筐体本体20Bの上面の複数の所定位置に位置決めして取り付けられる。
【0104】
図18には、本変形例における筐体200と、超音波ヘッドユニット10とが示されている。
治療準備時の給液工程及び治療準備時の排液工程において、超音波ヘッドユニット10は、図18に示される所定位置(給水位置)に移動する。また、接触部材14(液体貯留部12)、液体容器29および流路部材Rmを交換する際に、超音波ヘッドユニット10は、図18に示される所定位置に移動する。
図18に示される超音波ヘッドユニット10の所定位置は、超音波ヘッドユニット10が少なくとも筐体200(筐体本体20B)の上面の上方に位置する位置である。
図18に示される超音波ヘッドユニット10の所定位置は、好ましくは、超音波ヘッドユニット10が、筐体本体20Bの上面に配置された複数の流路支持部21Mに囲まれる領域の上方に位置するとともに、上下方向視において当該領域と重なる位置である。
すなわち、超音波ヘッドユニット10の所定位置(給水位置)と上下方向視において一致する筐体200(筐体本体20B)の上面の投影領域は、筐体200(筐体本体20B)の上面に配置された複数の流路支持部21Mに囲まれる。
【0105】
このような構成により、本変形例では、治療準備時の給液工程及び治療準備時の排液工程において、また、接触部材14(液体貯留部12)、液体容器29および流路部材Rmを交換する際に、超音波ヘッドユニット10を筐体200の上方に移動させて、作業を行うことができる。
これにより、接触部材14(液体貯留部12)への給液及び排液を筐体本体20Bに設けられた他の部材と近接させて行うことができるため、作業者の動線が短く出来より効率的に給液及び排液を行うことができる。
また、接触部材14(液体貯留部12)、液体容器29および流路部材Rmを近接させたうえで、接触部材14(液体貯留部12)、液体容器29および流路部材Rmを交換することができるため、より効率的に交換することができる。
【0106】
(変形例2)
本発明に係る機器取付部21の変形例について、以下に説明する。
図19に示されるように、本変形例に係る機器取付部210は、第1取付部211及び第2取付部212(着脱取付部材213)上に、複数の識別部220~223を備える。複数の識別部220~223は、更に矢印部224,225及び226と、識別文字部227とを備える。
【0107】
識別部220~223は、流路部材Rmが配置される所定位置を示す案内部である。識別部220~223は、異なる色で示されている(異なる色で着色されている)。
識別部220(流出識別部)は、図19において実線で示されており、例えば青色で示されている。識別部220は、流路部材R2及びR3が配置される所定位置を示している。識別部220は、流出回路部25A2を案内する。識別部220は、第1取付部211上に設けられる識別部220Aと、第2取付部212上に設けられる識別部220Bとを備えている。
識別部221(第2回路部識別部)は、図19において中抜き線で示されており、例えば黄色で示されている。識別部221は、流路部材R5が配置される所定位置を示している。識別部221は、第2回路部を案内する。識別部221は、第1取付部211上に設けられる識別部221Aと、第2取付部212上に設けられる識別部221Bとを備えている。
識別部222(流入識別部)は、図19において一点鎖線で示されており、例えば赤色で示されている。識別部222は、流路部材R1が配置される所定位置を示している。識別部222は、流入回路部25A1を案内する。識別部222は、第1取付部211上に設けられる識別部222Aと、第2取付部212上に設けられる識別部222Bとを備えている。
識別部223(排出識別部)は、図19において破線で示されており、例えば緑色で示されている。識別部223は、流路部材R4が配置される所定位置を示している。識別部223は、排出回路部25A3を案内する。識別部223は、第1取付部211上に設けられる識別部223Aと、第2取付部212上に設けられる識別部223Bとを備えている。
【0108】
また、識別部220,222及び223は、それぞれ矢印部224,225及び226を備えている。矢印部224~226は、識別部220,222及び223に配置される流路部材Rmを流通する媒介液の流通方向を示す部分である。矢印部224~226は、異なる色で示されている(異なる色で着色されている)。
識別部220は、矢印部224を備えている。矢印部224は、例えば青色で示されている。矢印部224は、第1取付部211上に設けられる矢印部224Aと、第2取付部212上に設けられる矢印部224Bとを備えている。
識別部222は、矢印部225を備えている。矢印部225は、例えば赤色で示されている。矢印部225は、第1取付部211上に設けられる矢印部225Aと、第2取付部212上に設けられる矢印部225Bとを備えている。
識別部223は、矢印部226を備えている。矢印部226は、例えば緑色で示されている。矢印部226は、第1取付部211上に設けられる矢印部226Aと、第2取付部212上に設けられる矢印部226Bとを備えている。
【0109】
識別文字部227は、第1取付部211上に設けられている。識別文字部227は、識別文字部227が設けられる位置の近傍に設けられている部材(ポンプ部26、バルブ部27、液検出部28)を示している。
図19の例では、識別文字部227は、識別文字部227が設けられる位置の近傍に給液ポンプ26Aが設けられていることを示している。
【0110】
このような構成により、本変形例では、作業者は、識別部220~223を目安にして流路部材Rmを機器取付部210に装着することができる。また、作業者は、矢印部224~226を参照することで、流路部材Rmにおける媒介液の流通方向を正確に把握しながら、流路部材Rmを機器取付部21に装着することができる。また、作業者は、機器に異常が発生した場合に、識別文字部227を参照することで、異常が発生した機器を容易に特定することができる。
そのため、作業者が流路部材Rmの装着作業をより効率的に行うことができるようになるとともに、装着場所の間違いが発生することを防止することができる。また、異常が発生した機器を容易に特定することができるようになることで、機器取付部210のメンテナンス性を向上させることができる。
【0111】
なお、上記の変形例の構成において、識別部220~223に配置される流路部材Rmは、配置される識別部と同じ色で示されてもよい(異なる色で着色されてもよい)。すなわち、各識別部に配置される流路部材は、異なる色で示されてもよい(異なる色で着色されてもよい)。
識別部220(流出識別部)に配置される流路部材R2及びR3は、例えば、青色に示されてもよい。
識別部221(第2回路部識別部)に配置される流路部材R5は、例えば、黄色に示されてもよい。
識別部222(流入識別部)に配置される流路部材R1は、例えば、赤色で示されてもよい。
識別部223(排出識別部)に配置される流路部材R4は、例えば、緑色で示されてもよい。
【0112】
なお、作業者は、必ずしも流路部材Rmの全体を識別部220~223上に正確に配置する必要は無く、その流路部材Rmの一部が識別部220~223の近傍に配置されてもよい。
識別部220~223は、その一部または全部が色分けされていなくてもよい。
識別部220~223は、異なる形状の線で示されているが、その一部又は全部が同じ形状の線(例えば実線)で示されていてもよく、その一部または全部が設けられていなくてもよい。
矢印部224~226は、その一部または全部が色分けされていなくてもよく、その一部又は全部が設けられなくてもよい。
識別文字部227は、図19に示された例に限られず、識別文字部227が設けられる位置の近傍に給液ポンプ26A以外の部材が設けられていることを示してもよい。識別文字部227は、第2取付部212上に設けられてもよい。識別文字部227を複数設けて、それぞれの識別文字部227が、その識別文字部227が設けられる位置の近傍に設けられている部材を示してもよい。識別文字部227は、設けられなくてもよい。
識別部221には空気が流通する流路部材R5が配置されるため、識別部221は矢印部を備えていないが、矢印部を備えていてもよい。この場合、識別部221の矢印部は、空気が流路部材R5を流通する方向を示す。
【0113】
(変形例3)
本発明に係る筐体20(筐体本体20A)の上面の変形例である上面230について、以下に説明する。
図20に示されるように、本変形例に係る筐体201(筐体本体20C)の上面230は、支持部23と、複数の流路支持部21Mと、識別部231~235と、矢印部236~239を備える。
【0114】
識別部231~235は、流路部材Rmが配置される所定位置を示す案内部である。識別部231及び233と、識別部232及び234と、識別部235とは、異なる色で示されている(異なる色で着色されている)。
また、識別部231~235はそれぞれ文字部を備えている。文字部は、当該識別部231~235に配置される流路部材Rmが何に接続されているか(接続先、接続される対象)、または流路部材Rmを何が流通するか(流通物、流通する物質)を示している。
【0115】
識別部231は、図20において一点鎖線で示されており、例えば赤色で示されている。識別部231は、流路部材R1が配置される所定位置を示している。識別部231が備える文字部は、識別部231に配置される流路部材R1が液体容器29に接続されることを示している。
識別部232は、図20において実線で示されており、例えば青色で示されている。識別部232は、流路部材R2が配置される所定位置を示している。識別部232が備える文字部は、識別部232に配置される流路部材R2が液体容器29に接続されることを示している。
識別部233は、図20において一点鎖線で示されており、例えば赤色で示されている。識別部233は、流路部材R1が配置される所定位置を示している。識別部233が備える文字部は、識別部233に配置される流路部材R1を脱気水が流通することを示している。
識別部234は、図20において実線で示されており、例えば青色で示されている。識別部234は、流路部材R2が配置される所定位置を示している。識別部234が備える文字部は、識別部234に配置される流路部材R2を脱気水が流通することを示している。
識別部235は、図20において中抜き線で示されており、例えば黄色で示されている。識別部235は、流路部材R5が配置される所定位置を示している。識別部235が備える文字部は、識別部235に配置される流路部材R5を空気(大気)が流通することを示している。
【0116】
また、識別部231~234は、それぞれ矢印部236~239を備えている。矢印部236~239は、識別部231~234に配置される流路部材Rmを流通する媒介液の流通方向を示す部分である。矢印部236~239は、異なる色で示されている(異なる色で着色されている)。
識別部231は、矢印部236を備えている。矢印部236は、例えば赤色で示されている。
識別部232は、矢印部237を備えている。矢印部237は、例えば青色で示されている。
識別部233は、矢印部238を備えている。矢印部238は、例えば赤色で示されている。
識別部234は、矢印部239を備えている。矢印部239は、例えば青色で示されている。
【0117】
このような構成により、本変形例では、作業者は、識別部231~234を目安にして流路部材Rmを筐体201(筐体本体20C)の上面230に装着することができる。また、作業者は、流路部材Rmにおける媒介液の流通方向を正確に把握しながら、流路部材Rmを上面230に装着することができる。また、作業者は、流路部材Rmが何に接続されているか、または流路部材Rmを何が流通するかを正確に把握しながら、流路部材Rmを上面230に装着することができる。
そのため、作業者が流路部材Rmの装着作業をより効率的に行うことができるようになるとともに、装着場所の間違いが発生することを防止することができる。
【0118】
なお、上記の変形例の構成において、識別部231~235に配置される流路部材Rmは、配置される識別部と同じ色で示されてもよい(異なる色で着色されてもよい)。すなわち、各識別部に配置される流路部材は、異なる色で示されてもよい(異なる色で着色されてもよい)。
識別部231に配置される流路部材R1は、例えば、赤色で示されてもよい。
識別部232に配置される流路部材R2は、例えば、青色で示されてもよい。
識別部233に配置される流路部材R1は、例えば、赤色で示されてもよい。
識別部234に配置される流路部材R2は、例えば、青色で示されてもよい。
識別部235に配置される流路部材R5は、例えば、黄色で示されてもよい。
【0119】
なお、作業者は、必ずしも流路部材Rmの全体を識別部231~234上に正確に配置する必要は無く、その流路部材Rmの一部が識別部231~234の近傍に配置されてもよい。
識別部231~235は、その一部または全部が色分けされていなくてもよい。
識別部231~235は、異なる形状の線で示されているが、その一部又は全部が同じ形状の線(例えば実線)で示されていてもよく、その一部または全部が設けられていなくてもよい。
識別部231~235は、その一部または全部が文字部を備えていなくてもよい。
矢印部236~239は、その一部または全部が色分けされていなくてもよく、その一部又は全部が設けられなくてもよい。
識別部235には空気が流通する流路部材R5が配置されるため、識別部235は矢印部を備えていないが、矢印部を備えていてもよい。この場合、識別部235の矢印部は、空気が流路部材R5を流通する方向を示す。
【0120】
(変形例4)
本発明に係る機器取付部21の変形例について、以下に説明する。
図21に示されるように、本変形例に係る液検出部28(濃度計28A、圧力センサ28B及び液体検知センサ28C)は、流路部材Rmを挟持するクランプ部27K1と、アンプRk1と、投受光部Rk2とを備える。
液検出部28は、他の制御機器の間に設けられている。
流路部材Rmは、流路保持部Rkとしてのクランプ部27K1に装着される。
クランプ部27K1は、筐体20の側面において外方へ開口しており、流路部材Rmが、クランプ部27K1の開口を通過してクランプ部27K1の挟持位置に着脱可能に構成されている。
アンプRk1及び投受光部Rk2は、流路部材Rmを流通する液体に投光する投光器及び流路部材Rmを流通する液体からの反射光を受光する受光器として、一体として機能する。
【0121】
このような構成により、本変形例では、他の制御機器の間に設けられる液検出部28が、投光器及び受光器として一体となって機能するアンプRk1及び投受光部Rk2を備える。そのため、液検出部28は、より正確に流路部材Rmを流通する液体を検出することができる。
【0122】
以上、本発明の一実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記の一実施形態及びその変形例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であり、その組み合わせを含む。
例えば、超音波装置1は、筐体20(筐体本体20A)に設けられる流体回路部25が上記の変形例2に係る機器取付部210を備えるとともに、筐体20(筐体本体20A)の上面が上記の変形例3に係る上面230である構成を有してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、液体が流通する接触部材、流体回路部の流路部材、及び液体容器を治療毎に交換する際の交換作業や媒介液の給排液作業の作業効率を向上させることができる超音波治療装置、流体動作装置、及び流体回路セットに利用することができる。
【符号の説明】
【0124】
1 超音波治療装置
2 ロボットアーム
3-n アーム部材
10 超音波ヘッドユニット
11A 波源
12 液体貯留部
14 接触部材
14A 接触部
14B 装着部
14P 接続部材
14Q 管状部
14R 接続部
14RA 流入接続部
14RB 流出接続部
20 筐体
21 機器取付部
21A 第1取付部
21B 第2取付部
21K 着脱係合部
21P 着脱取付部材
21R1~21R9 第1切欠き部~第9切欠き部
21Ro 複数の切欠き部
21S 回路制御機器部
22 回転支持部
23 支持部
25 流体回路部
25A 第1回路部
25A1 流入回路部
25A2 流出回路部
25A3 排出回路部
25B 第2回路部
29 液体容器
29B 係合部
29C 接続部
29D 第1接続部
29E 第2接続部
42 制御部
Rm 流路部材
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