(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/45 20140101AFI20240522BHJP
A63F 13/792 20140101ALI20240522BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240522BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/792
A63F13/69
(21)【出願番号】P 2020065987
(22)【出願日】2020-04-01
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】595030295
【氏名又は名称】株式会社タカラトミーアーツ
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芳村 武郎
(72)【発明者】
【氏名】大庭 晋一郎
(72)【発明者】
【氏名】亀上 楓
(72)【発明者】
【氏名】中村 光博
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大典
(72)【発明者】
【氏名】北山 詠梨
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 明香
(72)【発明者】
【氏名】吉原 大祐
(72)【発明者】
【氏名】村上 敏久
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-009151(JP,A)
【文献】特開2011-160985(JP,A)
【文献】特開2007-260018(JP,A)
【文献】特開2013-075104(JP,A)
【文献】特開2000-176154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
狙い所とゲーム要素とを表示部の上で相対移動させ、前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動をユーザからの停止要求によって
停止させて前記狙い所に合致している当該ゲーム要素を捕捉したとするゲームシステムであって、
前記ゲーム要素を複数有し、複数の前記ゲーム要素が一個ずつ順番に前記狙い所と合致するように前記相対移動させ、硬貨投入部への硬貨の投入を前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動の停止要求として扱い、前記硬貨が前記硬貨投入部に投入されたタイミングで前記相対移動を停止させ、前記相対移動を停止させた状態で
前記狙い所に合致している前記ゲーム要素を捕捉したとして以降のゲームを進行させる制御装置を備えた、ことを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
狙い所とゲーム要素とを表示部の上で相対移動させ、前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動をユーザからの停止要求によって停止させて前記狙い所に合致している当該ゲーム要素を捕捉したとするゲームシステムであって、
前記ゲーム要素を複数有し、複数の前記ゲーム要素が一個ずつ順番に前記狙い所と合致するように前記相対移動させ、硬貨投入部への硬貨の投入を前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動の停止要求として扱い、前記硬貨が前記硬貨投入部に投入されたタイミングで前記相対移動を停止させ、前記相対移動を停止させた状態で前記狙い所に合致している前記ゲーム要素を捕捉したとするとともに、前記相対移動を停止させた状態で前記狙い所が前記ゲーム要素と合致しない場合に、前記狙い所に一番近い前記ゲーム要素を捕捉したとみなして以降のゲームを進行させる制御装置を備えたことを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
前記ゲーム要素を捕捉後の所定の機会にユーザからの硬貨の投入がある毎に、前記制御装置は、直前に捕捉されなかった前記ゲーム要素に新たな前記ゲーム要素を
追加して捕捉ゲームを行う、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記ゲーム要素に紐付けられた複数の他のゲーム要素を使用し、前記ゲーム要素が捕捉されたときに前記複数の他のゲーム要素の中から一部の前記他のゲーム要素を抽出し、この抽出された中の一部の前記他のゲーム要素をユーザに付与することを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの抽選要求により属性が抽選され、その後、ユーザが取得要求をすると抽選によりその属性を持つゲーム要素が付与されるゲームシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のゲームシステムによれば、ユーザは属性を見てから取得要求をすることができるので、所望のゲーム要素が幾分かは取得し易くなる。
しかしながら、ユーザの抽選要求により属性が抽選され、その後、ユーザが取得要求をすると抽選によりその属性を持つゲーム要素が付与され、ユーザがゲームに関与するのは抽選要求と取得要求という意思表示の部分だけであり、ユーザが技量等を発揮する場面がなくゲーム性に乏しかった。
一方、狙い所とゲーム要素とを表示部の上で相対移動させ、その相対移動をユーザからの停止要求によって停止させ、相対移動を停止させた状態で狙い所とゲーム要素とが合致しているときに当該ゲーム要素或いは当該ゲーム要素関連グッズを付与するようなゲーム装置では、一般に対価の支払いが必要となるが、対価の支払いと停止要求とを別個に行うとすれば、その分、手間が必要となり煩わしいという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、ゲームを楽しむことができ手間も少なくて済むゲームシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
狙い所とゲーム要素とを表示部の上で相対移動させ、前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動をユーザからの停止要求によって停止させて前記狙い所に合致している当該ゲーム要素を捕捉したとするゲームシステムであって、
前記ゲーム要素を複数有し、複数の前記ゲーム要素が一個ずつ順番に前記狙い所と合致するように前記相対移動させ、硬貨投入部への硬貨の投入を前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動の停止要求として扱い、前記硬貨が前記硬貨投入部に投入されたタイミングで前記相対移動を停止させ、前記相対移動を停止させた状態で前記狙い所に合致している前記ゲーム要素を捕捉したとして以降のゲームを進行させる制御装置を備えた、ことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、
狙い所とゲーム要素とを表示部の上で相対移動させ、前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動をユーザからの停止要求によって停止させて前記狙い所に合致している当該ゲーム要素を捕捉したとするゲームシステムであって、
前記ゲーム要素を複数有し、複数の前記ゲーム要素が一個ずつ順番に前記狙い所と合致するように前記相対移動させ、硬貨投入部への硬貨の投入を前記狙い所と前記ゲーム要素との相対移動の停止要求として扱い、前記硬貨が前記硬貨投入部に投入されたタイミングで前記相対移動を停止させ、前記相対移動を停止させた状態で前記狙い所に合致している前記ゲーム要素を捕捉したとするとともに、前記相対移動を停止させた状態で前記狙い所が前記ゲーム要素と合致しない場合に、前記狙い所に一番近い前記ゲーム要素を捕捉したとみなして以降のゲームを進行させる制御装置を備えたことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1又は第2の手段であって、前記ゲーム要素を捕捉後の所定の機会にユーザからの硬貨の投入がある毎に、前記制御装置は、直前に捕捉されなかった前記ゲーム要素に新たな前記ゲーム要素を追加しては捕捉ゲームを行う、ことを特徴とする。
【0009】
第4の手段は、第1の手段~第3の手段のいずれかであって、前記ゲーム要素に紐付けられた複数の他のゲーム要素を使用し、前記ゲーム要素が捕捉されたときに前記複数の他のゲーム要素の中から一部の前記他のゲーム要素を抽出し、この抽出された中の一部の前記他のゲーム要素をユーザに付与することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の手段によれば、硬貨の投入タイミングがゲーム要素の捕捉の有無及びその後のゲーム展開に影響を与えるため、ゲームを楽しむことができるとともに、硬貨の投入が停止要求を兼ねるため、手間も少なくて済む。
【0011】
第2の手段によれば、相対移動を停止させた状態で狙い所がゲーム要素と合致しない場合にも1つのゲーム要素に合致したものとみなしてその後の処理をすることができる。
【0012】
第3の手段によれば、捕捉ゲームを繰り返す度に、ゲームを楽しむことができるとともに、手間を少なくすることができる。
【0014】
第4の手段によれば、ゲーム要素に紐付けられた複数の他のゲーム要素を使用することで、楽しみの多いゲームシステムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態のゲームシステムの制御構成を示すブロック図である。
【
図2】ゲーム関連処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】第1抽出部によって抽出された第1ゲーム要素を示した模式図である。
【
図4】第1ゲーム要素である玉子を示した図である。
【
図5】第1捕捉ゲームの第1番目のミニゲームの内容を説明するための図である。
【
図6】第1捕捉ゲームの第1番目のミニゲームの内容を説明するための図である。
【
図7】第1捕捉ゲームの第2番目のミニゲームの内容を説明するための図である。
【
図8】第1捕捉ゲームの第2番目のミニゲームの内容を説明するための図である。
【
図9】第2捕捉ゲームの内容を説明するための図である。
【
図10】第2ゲーム要素を提示した様子を示す図ある。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図2は、本実施形態の制御構成を示すブロック図である。
実施形態のゲームシステム100は、操作部11、硬貨投入部12、表示部13及び制御装置30を備えている。操作部11は各種ボタン、レバー及び/又はタッチパネル等によって構成されている。
【0017】
制御装置30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成される制御部31と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部32とを備えるコンピュータである。なお、記憶部32は別構成とし、制御装置30の外部に設けるようにしてもよい。
【0018】
記憶部32には、プログラム記憶領域321、第1ゲーム要素記憶領域322及び第2ゲーム要素記憶領域323等が設けられている。
プログラム記憶領域321には、例えば受付処理、表示処理、第1抽出処理、第1捕捉ゲーム進行処理、第2捕捉ゲーム進行処理、第2抽出処理、付与処理及び追加捕捉ゲーム進行処理等を行うための各種プログラム等が格納されている。制御部31がこれらのプログラムを例えばRAMの作業領域に展開して、各種プログラムが制御部31において実行されることによって、制御構成の各部が統括制御されるようになっている。
【0019】
第1ゲーム要素記憶領域322には、互いに異なる属性を示す複数種の第1ゲーム要素が、第2ゲーム要素記憶領域323には、各第1ゲーム要素に含まれ当該第1ゲーム要素が示す属性を共通して持ち付与対象となる複数個の第2ゲーム要素が記憶されている。ここで「属性」とは、性質又は特徴を意味し、この「属性」の例として、レアリティ、タイプ又は種族等、様々なものが挙げられる。ここで「ゲーム要素」とは、ゲームの構成要素であり、ゲーム内に登場するものを指す。
【0020】
制御部31は、機能的に見た場合、受付部311、表示部御部312、第1抽出部313、第1捕捉ゲーム進行部314、第2捕捉ゲーム進行部315、第2抽出部316、付与部317及び追加捕捉ゲーム進行部318等を備えている。これら受付部311、表示部御部312、第1抽出部313、第1捕捉ゲーム進行部314、第2捕捉ゲーム進行部315、第2抽出部316、付与部317及び追加捕捉ゲーム進行部318等の機能は、制御部31と記憶部32に記憶されたプログラムやデータとの協働によって実現される。なお、「捕捉」は「獲得」の意であり、自らつかまえにいく場合の他、懸賞等として他から付与される場合も含む。
【0021】
受付部311は、付与される第2ゲーム要素の対価としての意義を持つ硬貨の硬貨投入部12への投入の有無を検出し、硬貨の投入を検出したときに第2ゲーム要素を取得する意思表示つまり取得要求があったものとして扱う。初回の取得要求は第1抽出処理の前になされる。
【0022】
表示部御部312は、表示部13に表示される内容を制御する。表示される内容としては、例えば、捕捉ゲームの進行状況や結果等が含まれる。
【0023】
第1抽出部313は、抽選により、複数種の第1ゲーム要素の中から第1捕捉ゲームで捕捉対象となる所定数の第1ゲーム要素を抽出する。この場合、抽出される第1ゲーム要素は互いに属性が異なるものであってもよいし、一部に属性が同じものが含まれていてもよい。なお、第1ゲーム要素の抽出は、所定規則に従って、所定数の第1ゲーム要素を抽出するものであってもよい。
【0024】
第1捕捉ゲーム進行部314は、第1抽出部313で抽出された所定数の第1ゲーム要素を捕捉対象としてユーザ参加型の捕捉ゲームを進行させるものである。この第1捕捉ゲーム進行部314により進行される第1捕捉ゲームは、第1抽出部313で抽出された所定数の第1ゲーム要素を1つずつ順番に出現させて、その都度、ユーザが捕捉を試みるようなものであってもよいし、一時に第1抽出部313で抽出された所定数の第1ゲーム要素を全て出現させて所定時間内にユーザが捕捉を試みるようなものであってもよい。また、それらの組み合わせであってもよい。
【0025】
第2捕捉ゲーム進行部315は、所定数の第1ゲーム要素を捕捉対象としてユーザ参加型の捕捉ゲームを進行させるものである。第2捕捉ゲーム進行部315で使用される第1ゲーム要素には、先ず、第1捕捉ゲームで捕捉された第1ゲーム要素が含まれ、それが所定数に足りないときに第1ゲーム要素を補充する。この場合、第1ゲーム要素の補充は、第1捕捉ゲームで取り損ねた第1ゲーム要素を抽選又は所定の規則に従って補充するものであってもよいし、第1抽出部313により第1捕捉ゲームで捕捉対象となる所定数の第1ゲーム要素を抽出する際に別個補充用の第1ゲーム要素を抽出しておき、それを抽選又は所定の規則に従って補充するものであってもよい。
【0026】
第2捕捉ゲーム進行部315により進行される第2捕捉ゲームは、第1ゲーム要素をルーレット形式のゲームによって所定数(例えば3個)捕捉するものである。ここでの「ルーレット形式」とは、複数の第1ゲーム要素と狙い所(捕捉場所)とが相対的に動作し、狙い所が複数の第1ゲーム要素の1つに順番に合致するようにしておき、ユーザが捕捉要求をした時に狙い所に合致している第1ゲーム要素を捕捉する形式のものである。この「ルーレット形式」には、狙い所を固定しておき複数の第1ゲーム要素を動作させるもの、狙い所を動作させ複数の第1ゲーム要素を固定しておくものが含まれる。
【0027】
第2抽出部316は、第2捕捉ゲームで捕捉された第1ゲーム要素が示す属性を持つ複数種の第2ゲーム要素の中の1個を抽出して、捕捉した第1ゲーム要素を第2ゲーム要素に変換する。この場合の抽出は、抽選により又は所定規則に従って、複数種の第2ゲーム要素から抽出される。
【0028】
付与部318は、表示部御部312によって表示部13に表示された複数の付与候補(第2ゲーム要素)の中からユーザによって選択された第2ゲーム要素をユーザに付与する。この場合の「付与」とは、ユーザの所有とさせることを意味する。付与の態様としては、第2ゲーム要素を何らかの形でユーザが利用できるようにすること、例えば、他のゲームに第2ゲーム要素を使用可能としたり、第2ゲーム要素をカード等に印刷する権利を付与したりすること等が含まれる。
【0029】
追加捕捉ゲーム進行部318は、所定数の第1ゲーム要素を捕捉対象としてユーザ参加型の捕捉ゲームを進行させるものである。この追加捕捉ゲームで使用される第1ゲーム要素には、第2捕捉ゲームで捕捉されなかった第1ゲーム要素と、追加される所定数の第1ゲーム要素とが含まれる。この場合の第1ゲーム要素の追加は、第1捕捉ゲームで取り損ねた第1ゲーム要素を抽選又は所定の規則に従って補充するものであってもよいし、第1抽出部313により第1捕捉ゲームで捕捉対象となる所定数の第1ゲーム要素を抽出する際に別個追加用の第1ゲーム要素を抽出しておき、それを抽選により又は所定の規則に従って補充するものであってもよい。
【0030】
追加捕捉ゲーム進行部318により進行される追加捕捉ゲームは、第1ゲーム要素を所謂ルーレット形式のゲームによって所定数捕捉するものである。ここでの「ルーレット形式」とは、複数の第1ゲーム要素と狙い所(捕捉場所)とが相対的に動作し、狙い所が複数の第1ゲーム要素の1つと順番に合致するようにしておき、ユーザが硬貨を投入したタイミングで狙い所に合致している第1ゲーム要素を捕捉したとするものである。この「ルーレット形式」には、狙い所を固定しておき複数の第1ゲーム要素を動作させるもの、狙い所を動作させ複数の第1ゲーム要素を固定しておくもの、両方が動作するものが含まれる。また、「合致」には、完全に合致する場合と、狙い所が隣り合う2つの第1ゲーム要素の中間にあるときには、狙い所に近い方の第1ゲーム要素と合致するとみなす場合も含む。
【0031】
続いて、ゲーム装置で実現されるゲーム方法の一例について説明する。
このゲームシステム100で実現されるゲームは、硬貨が硬貨投入部12に投入されることにより開始される(ステップS1)。このゲームが開始されると、第1グループを構成する9個の第1ゲーム要素、第2グループを構成する9個の第1ゲーム要素、及び、第3グループを構成する8個の第1ゲーム要素が抽出される(ステップS2)。
【0032】
第1グループは、第1捕捉ゲームの捕捉対象となる第1ゲーム要素で構成される。例えば6種類の属性を有する第1ゲーム要素の中から抽選により又は所定規則に従って9個のゲーム要素が順番付けられて抽出される。この第1グループの第1ゲーム要素は、第1捕捉ゲームで捕捉された場合にさらに第2捕捉ゲームの捕捉対象とされる。
第2グループは、第1捕捉ゲームで所定数(9個)の第1ゲーム要素が捕捉されずに、第2捕捉ゲームで必要な第1ゲーム要素の数が不足するときに不足分だけ補充される第1ゲーム要素で構成されている。ここでは、例えば、6種類の属性を有するゲーム要素の中から抽選により又は所定規則に従って9個のゲーム要素が順番付けられて抽出される。この第2グループの第1ゲーム要素が示す属性は、第1グループの第1ゲーム要素が示す属性と異なっていてもよい。
第3グループは、第2捕捉ゲームで第1ゲーム要素が捕捉された結果、以降の第2捕捉ゲームで必要な第1ゲーム要素の数が欠けたときに追加される第1ゲーム要素で構成されている。ここでは8個の第1ゲーム要素が抽選により又は所定規則に従って順番付けられて抽選される。この第3グループの第1ゲーム要素が示す属性は、第1グループ又は第2グループの第1ゲーム要素が示す属性と異なっていてもよい。
【0033】
図3には、第1グループ、第2グループ及び第3グループとして抽出された第1ゲーム要素の例が模式的に示されている。「レア」とはレアリティであり、「レア」の文字の前に付された数字はレアリティの度合い(レア度)を示し、数字が大きいほどレア度が大きいことを意味している。
図4に示すように、第1ゲーム要素1は、玉子となっており、例えば、レア度が異なる第1ゲーム要素は例えば色によって識別できるようになっている。
【0034】
続いて、第1グループを構成する9個の第1ゲーム要素1を用いて第1捕捉ゲームが開始される(ステップS3)。この第1捕捉ゲームは3つのミニゲームから構成されている。
1番目のミニゲームは、ユーザがボタンを連打することにより第1ゲーム要素1を捕捉するゲームである。この1番目のミニゲームでは、第1グループの1番~3番の第1ゲーム要素1が登場する。
この1番目のミニゲームでは、3人のキャラクタが出現する。
ユーザが操作部11の所定のボタンを連打すると、
図5に示すように、画面中央に中空の玉子40が表示される。中空の玉子は中央から外に向けて3層から構成され、連打数に応じて内層から色が時計回りに徐々に付加され、
図6に示すように、玉子が徐々に色付けされていく。10回の連打で内層が全て色付けされ、20回の連打で中層が全て色付けされ、30回の連打で外層が全て色付けされる。連打は所定時間内に行わなければならず、各層が埋まる毎に第1グループの1番~3番の第1ゲーム要素1が1つずつ順に捕捉される。
【0035】
2番目のミニゲームでは、
図7に示すように、1人のキャラクタが出現し、第1グループの4番~6番の第1ゲーム要素が順番に降ってくる。そして、第1ゲーム要素1が画面上の捕捉枠41の所に来た時に操作部11の所定のボタンを押すと当該第1ゲーム要素1が捕捉される(
図8)。捕捉されなかった第1ゲーム要素は
図7に示すように割れて消える。
【0036】
3番目のミニゲームでは、図示はしないが、2番目のミニゲームと同様に1人のキャラクタが出現し、第1グループの7番~9番の第1ゲーム要素が順番に色々な方向から飛んでくる。そして、第1ゲーム要素が画面上の捕捉枠の所に来た時に所定のボタンを押すと当該第1ゲーム要素が捕捉される。捕捉されなかった第1ゲーム要素は割れて消える。
【0037】
以上のようにして、第1捕捉ゲームが行われるが、第1捕捉ゲームはこれに限定されない。要は、第1捕捉ゲームに登場した9個の第1ゲーム要素1の中から第2捕捉ゲームに進める第1ゲーム要素を決めることである。したがって、一度機に9個の第1ゲーム要素全てを同時に登場させ、所定時間内に捕捉した第1ゲーム要素を第2捕捉ゲームに進めるようにしてもよい。
【0038】
この第1捕捉ゲームに続いて第2捕捉ゲームが行われる(ステップS4)。この第2捕捉ゲームでは、第1捕捉ゲームで捕捉した第1ゲーム要素が先ず使用される。第1捕捉ゲームで捕捉した第1ゲーム要素が9個に満たない場合には合計が9個になるまで第1ゲーム要素を補充する(ステップS4)。この補充は、第2グループの第1ゲーム要素1からなされる。この場合、第2グループの第1ゲーム要素1には順番が付けられているため、当該順番通りに行われる。
【0039】
第2捕捉ゲームでは、9個の第1ゲーム要素を同時に登場させ所定の軌道43上を回転させる(ステップS5)。軌道43上の所定箇所には捕捉枠44があり、回転する第1ゲーム要素1の1つが捕捉枠44の箇所まで来たら操作部11の所定のボタンを押す。これにより、直ちに回転が停止する。この場合の回転は継続していてもよい。そして、ボタンを押したタイミングで捕捉枠に合致している第1ゲーム要素1が捕捉される。捕捉された第1ゲーム要素1は回転する第1ゲーム要素1から除かれ中央に大きく表示部13に表示された後、画面上部に並ぶ(
図9)。これを第1ゲーム要素が3個捕捉されるまで繰り返す。なお、所定時間内に3個の第1ゲーム要素が捕捉されない場合にはゲームシステム側で回転する第1ゲーム要素の中から自動的に選ぶ。
【0040】
このようにして、第1ゲーム要素が3個捕捉されると、3個の第1ゲーム要素の玉子人形が割れて、各玉子人形内の第2ゲーム要素が出現し(ステップS6)、それが表示部13に表示されユーザに提示される(ステップS7)。この場合の第2ゲーム要素2は、各第1ゲーム要素1が示す属性を持つ第2ゲーム要素2の中から抽選により又は所定規則に従って抽出されたものである。ここでは、2個のトップスと1個のアクセサリが提示されている(
図10)。なお、この抽出及び表示は、第2捕捉ゲームで1個の第1ゲーム要素が捕捉される毎に行ってもよい。
【0041】
そして、表示された3個の第2ゲーム要素2の中からユーザが操作部11の所定のボタンを押すことによって1つ選択する(ステップS8)。これにより選択した1つの第2ゲーム要素2がユーザに付与される(ステップS9)。
【0042】
その後、第2捕捉ゲームで捕捉されなかった6個の第1ゲーム要素1に追加の第1ゲーム要素1を1個加える(ステップS10)。この追加は、第3グループの第1ゲーム要素1からなされる。この場合、第3グループの第1ゲーム要素1には順番が付けられているため、当該順番通りに行われる。
【0043】
そして、7個の第1ゲーム要素1を同時に登場させ所定の軌道上を回転させる(ステップS11)。回転する第1ゲーム要素1の1つが捕捉枠の箇所まで来るタイミングで硬貨を投入する。これにより、直ちに回転が停止する。この場合の回転は継続していてもよい。そして、硬貨を投入したタイミングで捕捉枠に合致している第1ゲーム要素1が捕捉される(ステップS12)。捕捉された第1ゲーム要素1は回転する第1ゲーム要素から除かれ表示部13の中央に大きく表示された後、画面上部に並ぶ。なお、所定時間内に硬貨の投入がされないときはゲーム自体が終了する。
【0044】
このようにして1個の第1ゲーム要素1が捕捉されると、当該第1ゲーム要素1の玉子人形が割れて、その中から第2ゲーム要素2が出現する(ステップS13)。そして、前回選択しなかった2個の第2ゲーム要素と今回の1個の第2ゲーム要素とが表示されてユーザに提示され(ステップS14)、3個の第2ゲーム要素の中からユーザが操作部11の所定のボタン操作によって1つ選択する(ステップS15)。これにより選択した第2ゲーム要素がユーザに付与される(ステップS16)
【0045】
その後は、ステップS10からステップS16までの処理を7回繰り返す。つまり、追加の硬貨が総計8枚になるまでステップS10からステップS16までの処理が繰り返される。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態には限定されず、その発明の要旨を変更しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0047】
例えば、上記実施形態では、第1捕捉ゲームの後に所謂ルーレット形式の第2捕捉ゲームを行ったが、第1捕捉ゲームを行わずに第1グループの第1ゲーム要素を直ちに第2捕捉ゲームに登場させてもよい。
また、第2捕捉ゲームは、所謂ルーレット形式のゲームとしたが、第1捕捉ゲームと同じ内容のゲームとしてもよい。要は、第2捕捉ゲームの前に、第2捕捉ゲームに登場する第1ゲーム要素をユーザが表示部13で確認できることである。このようにすれば所望する第2ゲーム要素を取得する機会が増える。
【0048】
さらに、上記実施形態では、付与される第2ゲーム要素はコーデとしたが、第2ゲーム要素はユーザにとって有意義なものであればよく、具体的な物品であっても、他のゲームの進行上役に立つさまざまな仮想的な物品・武器・通貨等のアイテムであってもよい。
【0049】
また、上記実施形態のゲームシステム100を構成する各要素は物理的一体をなすものでなくともよく、互いがケーブル又はネットワーク若しくは通信で結ばれていてもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0050】
1 第1ゲーム要素
2 第2ゲーム要素
30 制御装置
31 制御部
100 ゲームシステム
311 表示制御部
323 第1抽出部
314 第1捕捉ゲーム進行部
315 第2捕捉ゲーム進行部
316 第2抽出部
317 付与部
318 追加捕捉ゲーム進行部