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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】物品収受システム
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/122 20060101AFI20240522BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
A47G29/122 C
B65G61/00 550
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020112995
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011689
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2022-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】501377139
【氏名又は名称】日本宅配システム株式會社
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【弁理士】
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】淺井 泰夫
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-024891(JP,A)
【文献】特開2019-192036(JP,A)
【文献】特開2017-211821(JP,A)
【文献】特開2005-013327(JP,A)
【文献】特開2014-148850(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/122
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な扉を備え、物品を収納する少なくとも1つ以上の収納ボックスと、
前記収納ボックスにおける物品の収納状況に関する第1情報を取得する第1情報取得手段と、
前記第1情報取得手段で取得した前記第1情報を蓄積する第1蓄積手段と、
前記第1蓄積手段によって蓄積された前記第1情報に基づいて所定の情報を所定の通知先に通知するか否かの判断をする通知判断手段と、
前記通知判断手段の判断結果に基づいて、前記所定の情報を前記所定の通知先に通知する通知手段と、を備え、
前記第1情報が、前記収納ボックスに収納されている物品の量に関する情報を含み、
前記第1情報取得手段が光検出ユニットであり、
前記収納ボックスに収納されている物品の量に関する情報が、前記収納ボックスに収納されている物品の積載量又は前記収納ボックスに収納されている物品の数を含む、物品収受システム。
【請求項2】
前記収納ボックスは、メールボックス及び/又は宅配ボックスに備えられる、請求項1に記載の物品収受システム。
【請求項3】
前記扉が前記収納ボックスに収納された物品を取り出すために開閉する扉であり、前記扉の開閉状況に関する第2情報を取得する第2情報取得手段を備える、請求項1または2に記載の物品収受システム。
【請求項4】
前記第2情報を蓄積する第2蓄積手段を備える、請求項3に記載の物品収受システム。
【請求項5】
前記通知判断手段が、前記第1蓄積手段によって蓄積された前記第1情報と、前記第2蓄積手段によって蓄積された前記第2情報と、に基づいて前記所定の通知先へ前記所定の情報を通知するか否かの判断をする、請求項4に記載の物品収受システム。
【請求項6】
前記第2情報取得手段が、前記扉に備えられた電子錠の開閉を検出する開閉検出器及び/又は光検出ユニットである、請求項3~のいずれか1項に記載の物品収受システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザへ物品の収納状況に関する通知を行う物品収受システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メールボックスや宅配ボックス(宅配ロッカーとも呼ばれる)のような装置を集合住宅やオフィスビル等の玄関ホール等に設置し、種々の物品(宅配物、郵便物、あるいは食品等の種々の物品)を収受し、これらの受け渡しを管理する物品収受システムが知られている。
【0003】
近年は、人々の働き方の変化やライフスタイルの変化に伴い、郵便物や宅配物の物流量が増えている。それに伴い、人々が上述のような物品収受システムを使用する頻度が増加しており、同時に物品収受システムの利便性に対する要求も高まっている。このような要求に対し、例えば、荷物が投函された際に、届け先の者の携帯端末等に荷物が投函された旨を通知する機能を備えた物品収受システムが開発されている(特許文献1)。このような物品収受システムによれば、ユーザは、いつ、どこにいても郵便物が投函されたことを知ることができるようになり、利便性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-29404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような通知機能を備えた物品収受システムでは物品が届くたびにユーザに対し通知がされるため、特に物流量が増加した昨今では、通知回数が膨大になってしまうという新たな問題が生じる。高頻度の通知は、ユーザにとって煩わしく不便である。
【0006】
そこで本発明では、ユーザの利便性に考慮して物品の収納状況に関する通知を行うことができる物品収受システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開閉可能な扉を備え、物品を収納する少なくとも1つ以上の収納ボックスと、前記収納ボックスにおける物品の収納状況に関する第1情報を取得する第1情報取得手段と、前記第1情報取得手段で取得した前記第1情報を蓄積する第1蓄積手段と、前記第1蓄積手段によって蓄積された前記第1情報に基づいて所定の情報を所定の通知先に通知するか否かの判断をする通知判断手段と、前記通知判断手段の判断結果に基づいて、前記所定の情報を前記所定の通知先に通知する通知手段と、を備える物品収受システムを提供する(発明1)。
【0008】
かかる発明(発明1)によれば、収納ボックスにおける物品の収納状況に関する第1情報を蓄積し、蓄積した第1情報に基づいてユーザに対し通知するか否かを判断することができることから、ユーザに対する通知回数を減らすことができ、それによってユーザが感じる煩わしさや不便さを解消することができる。これにより、ユーザの利便性に考慮して物品の収納状況に関する通知を行うことができる物品収受システムが提供される。
【0009】
上記発明(発明1)においては、前記収納ボックスは、メールボックス及び/又は宅配ボックスに備えられていてもよい(発明2)。
【0010】
上記発明(発明1~2)においては、前記扉の開閉状況に関する第2情報を取得する第2情報取得手段を備えていてもよい(発明3)。
【0011】
上記発明(発明3)においては、前記第2情報を蓄積する第2蓄積手段を備えていてもよい(発明4)。
【0012】
上記発明(発明4)においては、前記通知判断手段が、前記第1蓄積手段によって蓄積された前記第1情報と、前記第2蓄積手段によって蓄積された前記第2情報と、に基づいて前記所定の通知先へ前記所定の情報を通知するか否かの判断をしてもよい(発明5)。
【0013】
上記発明(発明1~5)においては、前記第1情報取得手段が、重量検出器及び/又は光検出ユニットであってもよい(発明6)。
【0014】
上記発明(発明3~6)においては、前記第2情報取得手段が、前記扉に備えられた電子錠の開閉を検出する開閉検出器及び/又は光検出ユニットであってもよい(発明7)。
【発明の効果】
【0015】
本発明の物品収受システムによれば、物品の収納状況に関し、ユーザの利便性を考慮した通知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る物品収受システムの基本構成を概略的に示す図である。
図2】一実施形態に係る収納ボックスを備えたメールボックスの外観を概略的に示す図である。
図3】一実施形態に係る収納ボックスを備えた宅配ボックス及び複数の収納ボックスを備えたメールボックスと宅配ボックスの複合型の外観を概略的に示す図である。
図4】一実施形態に係る重量検出器による収納ボックス内の物品の検出方法に関する概略図である。
図5】一実施形態に係る光検出ユニットによる収納ボックス内の物品の検出方法(メールボックスの場合)に関する概略図である。
図6】一実施形態に係る光検出ユニットによる収納ボックス内の物品の検出方法(宅配ボックスの場合)に関する概略図である。
図7】一実施形態に係る光検出ユニットによる物品の投函の検出方法に関する概略図である。
図8】一実施形態に係る光検出ユニットによる扉の開閉の検出方法に関する概略図である。
図9】メールボックスの内部構成を示すブロック図である。
図10】管理サーバの内部構成を示すブロック図である。
図11】管理データの構成を示す図である。
図12】物品収受システムの一実施形態における主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。
図13】物品収受システムの一実施形態に係る主要な機能(パターン1)を説明するためのシーケンス図である。
図14】物品収受システムの一実施形態に係る主要な機能(パターン2)を説明するためのシーケンス図である。
図15】物品収受システムの一実施形態に係る主要な機能(パターン3)を説明するためのシーケンス図である。
図16】物品収受システムの一実施形態に係る主要な機能(パターン4)を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、この実施形態は例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
(1)物品収受システムの基本構成
図1は、本発明の一実施形態に係る物品収受システムの基本構成を概略的に示す図である。本発明に係る収納ボックス1はメールボックス1A及び/又は宅配ボックス1Bに備えられることができる。以下は主として収納ボックス1がメールボックス1Aに備えられる実施形態を例に説明するが、収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられる場合も同様の構成を持つことができる。
【0019】
図1に示すように、この物品収受システムは、例えば、1台以上の収納ボックス1を備え、インターネット等の通信網NWに接続可能なメールボックス1Aと、通信網NWに接続されている管理サーバ20とによって構成されている。また、物品収受システムには、通信網NWを介してメールボックス1A及び/又は管理サーバ20と通信可能な端末装置30が設けられてもよい。
【0020】
管理サーバ20は、通信網NWを介してメールボックス1Aと接続されており、例えば、物品の収納状況に関する第1情報を管理する。第1情報は、収納ボックス1における物品の収納状況に関する情報であり、物品が収納されているか否かに関する情報、物品の収納されている期間に関する情報、収納されている物品の量に関する情報など後述する種々の情報が含まれる。
【0021】
端末装置30は、例えば、携帯端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータ、双方向の通信機能を備えたテレビジョン受像機(いわゆる多機能型のスマートテレビも含む)等のように、物品収受システムのユーザ(例えば集配業者、投函者、荷受人等)によって操作される端末装置であってもよい。
【0022】
図2は本発明の一実施形態に係る収納ボックス1を備えたメールボックス1Aの外観の概略を示した斜視図である。図2(a)は収納ボックス1を1つ備えたメールボックス1Aを、図2(b)は収納ボックス1を複数備えたメールボックス1Aを示す。本実施形態に係るメールボックス1Aは、宅配便(例えば、宅配業者によって配達される物品や、新聞、広告ビラ、回覧板等を含む)や郵便物等の物品を収受するための装置である。
【0023】
また、図3(a)は、収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられた場合の斜視図である。宅配ボックス1Bもメールボックス1Aと同様に宅配便(例えば、宅配業者によって配達される物品や、新聞、広告ビラ、回覧板等を含む)や郵便物等の物品を収受するための装置である。また、図3(b)は、収納ボックス1を複数備えたメールボックス1Aと、収納ボックス1を複数備えた宅配ボックス1Bと、が1つの筐体に収められた複合型の装置を示している。
【0024】
収納ボックス1は、例えば、金属(例えばアルミニウム、ステンレス等の合金を含む)や硬質のプラスチック等から構成されており、例えば一枚または複数枚のプレートを折り曲げて溶接することにより、前面側が開口した矩形の箱状に形成されている。
【0025】
収納ボックス1は、収納ボックス1に収納された物品を取り出すために開閉する扉11を備える。扉11は、収納ボックス1の前面又は後面において水平方向に回動可能に設けられており、例えば蝶番(図示省略)によって収納ボックス1の幅方向(図中X方向)一端側に取り付けられている。また、扉11は、収納ボックス1の前面において垂直方向に回動可能に設けられていてもよく、その場合は、例えば蝶番(図示省略)によって収納ボックス1の縦方向(図中Z方向)一端側に取り付けられる。扉11は、例えば、収納ボックス1と同様の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。また、必ずしも1つの収納ボックス1に対して1つの扉11が設けられていなくてもよく、1つの扉11を複数の収納ボックス1が共有していてもよい。
【0026】
また、本実施形態に係る収納ボックス1は、扉11の施錠および解錠を行う錠を備えていてもよい(図示省略)。錠は、手動式の錠であってもよいが、ユーザの利便性や、施錠および解錠の管理を行う観点から電気錠であることが好ましい。
【0027】
図2(a)に示すように収納ボックス1を備えたメールボックス1Aには、物品を投入するための投函口12が設けられている。投函口12は扉11に設けられていてもよいし、収納ボックス1の扉11とは反対側の面に設けられていてもよい。投函口12には背面側において投函口12を開閉する開閉蓋13が設けられていてもよい。開閉蓋13は、収納ボックス1又は扉11と同様の材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。開閉蓋13は、例えば、自重あるいはスプリング(図示省略)の付勢力により投函口12を塞ぐように、又は、該付勢力に抗して投函口12を開放するように、扉11の内側面に設けられた回動軸を中心に回動するように取り付けられている。
【0028】
また、図2(b)に示すようにメールボックス1Aは、操作部15を有していてもよい。操作部15は、図3に示すようにメールボックス1Aと同じ筐体に収められた一体型でもよいし、メールボックス1Aが収められた筐体とは別に(例えば周辺の壁面等に)操作部15が設けられている分離型でもよい。また、操作部15はスマートフォン等の携帯端末でもよい。
【0029】
物品収受システムの操作部15は、収納ボックス1への物品の預け入れ及び取り出しのために必要な操作に用いることができる。操作部15には、図2(b)に示した通り、情報を表示するための表示部16と、情報を入力するための入力部17と、が設けられている。本実施形態では、入力部17は、ファンクションキーやテンキー等から構成されたキーボード17aと、バーコードあるいは二次元コード(例えばQR(Quick Response)コード(登録商標))等を読み取るリーダー17bと、を含み得る。操作部15はカメラを備えていてもよく、ユーザ等の撮影及び/又は録画を行うことができる。
【0030】
本実施形態に係るメールボックス1Aには、物品が収納ボックス1に収納されているかいないかを検出するための機能が備わっている。検出方法は、収納ボックス1に物品が収納されていることが検出できればよく、特に制限されないが、例えば、図4(a)に示すような、収納ボックス1の底面に備えられた重量検出器(重量センサ)112を用いた検出方法が挙げられる。図4(b)に示すように当該重量検出器112は、収納ボックス1が備えられた宅配ボックス1Bに備えられてもよい。
【0031】
本実施形態に係るメールボックス1Aは、図5に示すような、収納ボックス1内に設けられた光検出ユニット(光源113aと受光素子113b)を用いて、収納ボックス1に収納された物品を検出してもよい。本明細書において、光検出ユニットとは、光源と受光素子とを組み合わせたユニットを意味する。また、光検出ユニットの光源としては、例えば、赤外光源を用いることができ、受光素子(光学センサ)としては、例えば、赤外線センサを用いることができる。図6に示すように、収納ボックス1が備えられた宅配ボックス1Bも光検出ユニットを備えることができる。
【0032】
また、本実施形態に係るメールボックス1Aは、図7に示すように、物品が投函口12から収納ボックス1へ投函されたことを検出するための検出器が設けられていてもよい。検出の方法は、物品が投函口12から投函されたことが検出できればよく、特に制限されないが、例えば、図7に示すように、光検出ユニット(光源114aと受光素子114b)を用いた検出方法が挙げられる。
【0033】
本実施形態に係るメールボックス1Aには、収納ボックス1に備えられた扉11の開閉を検出するための検出器が設けられていてもよい。検出の方法は、特に制限されないが、例えば、図8(a)に示すように、扉11の開閉による動きを検出する光検出ユニット(光源115aと受光素子115b)を用いた検出方法が挙げられる。また、扉11に備えられた電子錠の開閉を検出する開閉検出器によって扉11の開閉を検出してもよい(図示省略)。図8(b)に示すように、収納ボックス1を備えた宅配ボックス1Bも扉11の開閉による動きを検出する光検出ユニットを備えていてもよい。
【0034】
収納ボックス1が備えられたメールボックス1Aが設置される場所は特に制限されないが、例えば、集合住宅やオフィスなど共有スペースでもよいし、各戸の玄関周辺でもよいし、戸建て住宅の玄関先でもよい。また、駅頭やコンビニエンスストアの店頭など、公共の場所または半公共の場所に設置されてもよい。収納ボックス1が備えられた宅配ボックス1Bも同様の場所に設置することができる。
【0035】
(2)物品収受システムの構成
図9を参照して収納ボックス1を備えたメールボックス1Aの内部構成について説明する。図9はメールボックス1Aの内部構成を示すブロック図である。収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられる場合も同様の内部構成を有する。
【0036】
図9に示すように、メールボックス1Aは、CPU(Central Processing Unit)61と、ROM(Read Only Memory)62と、RAM(Random Access Memory)63と、記憶装置64と、表示処理部65と、表示部16と、入力部17と、通信インタフェース部68と、を備えており、各部間の制御信号またはデータ信号を伝送するためのバス69が設けられている。
【0037】
CPU61は、電源が投入されると、ROM62は記憶装置64に記憶された各種のプログラムをRAM63にロードして実行する。本実施形態では、CPU61は、ROM62は記憶装置64に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述する第1情報取得手段81、第1蓄積手段82、第2情報取得手段83、第2蓄積手段84、通知判断手段85、通知手段86などの各機能を実現する。
【0038】
CPU61は、管理サーバ20から送信された情報を、通信インタフェース部68を介して受信し、受信した情報をRAM63又は記憶装置64に記憶する。また、CPU61は、ROM62、RAM63又は記憶装置64に記憶されているデータを、通信インタフェース部68を介して管理サーバ20に送信する。
【0039】
記憶装置64は、例えば、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、磁気記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)、フロッピーディスク(登録商標)、磁気テープ等)、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、CPU61が実行するプログラムやCPU61が参照するデータを格納する。
【0040】
なお、ここでは、記憶装置64がそれぞれメールボックス1Aの内部に設けられている場合を一例として説明しているが、記憶装置64は、メールボックス1Aの内部ではなく、例えば、メールボックス1Aと通信網NWを介して通信可能な所定の装置(例えばファイルサーバ等)に設けられてもよい。この場合、CPU61は、記憶装置64に格納されたプログラムやデータの読み出し又は書き込みを行うために、通信網NWを介して当該所定の装置にアクセスしてもよい。
【0041】
表示処理部65は、CPU61から与えられる表示用データを、表示部16に表示する。表示部16は、例えば、マトリクス状に画素単位で配置された薄膜トランジスタを含むLCD(Liquid Crystal Display)モニタであり、表示用データに基づいて薄膜トランジスタを駆動することで、表示されるデータを表示画面に表示する。
【0042】
入力部17は、上述したようにキーボード17a及びリーダー17bを含む。なお、入力部17は、例えばタッチパネルやタッチパッド等で構成されてもよく、この場合には、例えば表示画面を指先またはペンで触れること等によるタッチ方式の入力を受け付ける。タッチ入力方式は、例えば静電容量方式等の周知の方式であってもよい。また、入力部17は、音声入力用のマイクや画像入力用のカメラであってもよい。
【0043】
通信インタフェース部68は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0044】
(3)管理サーバ20の構成
図10を参照して管理サーバ20の構成について説明する。収納ボックス1がメールボックス1Aに備えられた場合も、収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられた場合も、管理サーバ20の構成は同様である。
【0045】
図10は、管理サーバ20の内部構成を示すブロック図である。図10に示すように、管理サーバ20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、記憶装置24と、表示処理部25と、表示部26と、入力部27と、通信インタフェース部28と、を備えており、各部間の制御信号またはデータ信号を伝送するためのバス29が設けられている。管理サーバ20は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0046】
CPU21は、電源が管理サーバ20に投入されると、ROM22又は記憶装置24に記憶された各種のプログラムをRAM23にロードして実行する。
【0047】
記憶装置24は、例えば、フラッシュメモリ、SSD、磁気記憶装置、光ディスク等の不揮発性の記憶装置であってもよいし、RAM等の揮発性の記憶装置であってもよく、オペレーティングシステム(OS)やOS上で実行されるプログラムを記憶する。また、記憶装置24には、後述する管理データ(図11に示す)が記憶されている。
【0048】
表示処理部25は、CPU21から与えられる表示用データを、表示部26に表示する。表示部26は、例えばLCDモニタであってもよい。入力部27は、例えばマウスや、キーボードや、音声入力用のマイク等の情報入力デバイスであってもよい。
【0049】
通信インタフェース部28は、通信網NWを介して通信を行うためのインタフェース回路を含む。
【0050】
(4)管理データの構成
図11を参照して管理データの構成について説明する。以下、収納ボックス1がメールボックス1Aに備えられた場合を例に説明するが、収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられた場合も、管理データの構成は同様である。
【0051】
図11は、管理データの構成例を示す図である。管理データには、メールボックス1Aに備えられた各収納ボックス1の番号(収納ボックス番号)と、収納ボックス1毎に、例えば、扉開閉状態、収納有無、収納数、収納量、収納時間、扉開閉日時などの各項目が設けられている。メールボックス1Aからの情報に基づき、各項目の情報が管理される。
【0052】
扉開閉状態の項目には、扉11が開いた状態か、閉じた状態か、が記載される。収納ボックス1から送信された情報に基づき、扉11が開いた状態と判断されると例えば「開」という情報が記録され、扉11が閉じた状態と判断されると例えば「閉」という情報が記録される。
【0053】
収納有無の項目には、メールボックス1Aから送信された情報に基づき、収納ボックス1に物品が収納されたと判断されると、「有」という情報が記録され、収納ボックス1が空き状態になり収納されている物品がなくなったと判断されると、「無」という情報が記録される。また、「無」という情報が記録された収納状態に対応する収納時間には、例えば空データ(NULLデータ)が記録される。
【0054】
収納数の項目には、メールボックス1Aから送信された情報に基づき、個々の収納ボックス1に収納されている物品の数が記載される。例えば、収納ボックス1に1つ目の物品が収納されたと判断されると「1」という情報が記録され、収納ボックス1に2つ目の物品が収納されたと判断されると「2」という情報が記録される。収納ボックス1に物品が収納されていない状態であると判断されると「0」という情報が記録される。
【0055】
収納量の項目には、メールボックス1Aから送信された情報に基づき、個々の収納ボックス1に収納されている物品の量が記載される。例えば、収納ボックス1に収納された物品の量が多いと判断されると「Max」という情報が記録され、収納ボックス1に収納された物品の量が中程度であると判断されると「Mid」という情報が記録され、収納ボックス1に収納された物品の量が少ない、又は収納されていないと判断されると「Min」という情報が記録される。
【0056】
収納時間の項目には、メールボックス1Aから送信された情報に基づき、物品が収納ボックス1に収納された時点から計測される時間が記録される。例えば、収納有無の項目が「無」状態から「有」状態へ変化したと判断された時点から収納時間の計測が開始されることとしてもよい。
【0057】
扉開閉日時の項目には、もっとも最近に扉11が開閉された日時が記載される。メールボックス1Aから送信された信号に基づき、扉11が開かれ、その後に閉じられたと判断されると、その閉じられた日時が記録される。扉11が開かれたままの状態では、例えば空データ(NULLデータ)が記録される。
【0058】
(5)物品収受システムにおける各機能の概要
本実施形態の物品収受システムで実現される機能について、図12を参照して説明する。以下、収納ボックス1がメールボックス1Aに備えられた場合を例に説明するが、収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられた場合も、物品収受システムは同様の機能を有する。
【0059】
図12は、本実施形態の物品収受システムで主要な役割を果たす機能を説明するための機能ブロック図である。図12の機能ブロック図では、第1情報取得手段81、第1蓄積手段82、通知判断手段85、通知手段86が本発明の主要な構成に対応している。他の手段(第2情報取得手段83、第2蓄積手段84)は必ずしも必須の構成ではないが、本発明をさらに好ましくするための構成要素である。
【0060】
本実施形態に係る第1情報取得手段81は、収納ボックス1における物品の収納状況に関する第1情報を取得する手段である。収納ボックス1における物品の収納状況に関する第1情報には、後述する具体的な例も含むが、例えば、物品が収納されているか否かに関する情報、物品の収納されている期間に関する情報、収納されている物品の量に関する情報などの情報が含まれる。
【0061】
物品が収納されているか否かに関する情報とは、例えば、収納ボックス1内に物品が存在するか、存在しないかに関する情報である。また、物品の収納されている期間に関する情報には、例えば、物品が収納ボックス1に収められている時間、物品が収納ボックス1に収められてから取り出されるまでの時間などの、物品の収納時間に関する種々の情報が含まれる。また、収納されている物品の量に関する情報には、例えば、収納された物品の量や数、一定期間における物品の収納量や収納数の増減など、収納ボックス1に収納された物品の収納量に関する種々の情報が含まれる。
【0062】
本実施形態に係る第1情報取得手段81は、収納ボックス1に収納された物品の重量を検出する重量検出器112を含んでもよい。
【0063】
重量検出器112の場合、第1情報取得手段81の機能は、例えば以下のように実現される。図4(a)に示すように、メールボックス1Aに備えられた収納ボックス1に物品が収納された場合、収納ボックス1の底面に備えられた重量検出器112が収納ボックス1内に物品が存在することを検出する。メールボックス1AのCPU61は、物品の重さが検出された場合に、物品が投函、収納されたという情報やその日時を、第1情報として取得する。物品が追加で収納された場合も重量検出器112が物品の重さの変化に反応し、メールボックス1AのCPU61は、追加で投函、収納されたという情報やその日時を、第1情報として取得する。同様に、物品の重さが検出されなくなった場合には、物品が取り出された旨やその日時を、第1情報として取得する。当該重量検出器112を含むことで、物品が投函された際に、物品の収納を容易に検出することができる。図4(b)に示した通り、収納ボックス1を備えた宅配ボックス1Bに重量検出器112が備えられていても、同様の機能を発揮することができる。
【0064】
また、本実施形態に係る第1情報取得手段81は、収納ボックス1に収納された物品の状態を検出する光検出ユニット、及び投函口12から投函された物品の動きを検出する光検出ユニットのうち少なくとも1つ以上の光検出ユニットを含んでもよい。
【0065】
収納ボックス1に収納された物品の状態を検出する光検出ユニットの場合を、図5に示したメールボックス1Aを用いて説明する。図5(a)及び図5(b)は、同じ状態にあるメールボックス1Aを、斜め上から見た斜視図(図5(a))と、メールボックス1Aの内部を扉11側から見た図(図5(b))である。これらに示したように、収納ボックス1に収納された物品が積み重なると、収納ボックス1の側面に設置された光源113aから反対側の側面に設置された受光素子113bに入射する光が当該物品によって遮断される。遮断された場合、メールボックス1AのCPU61は、収納ボックス1内に多量の物品が収納されているという情報やその日時を、第1情報として取得する。収納ボックス1に収納された物品の状態を検出する光検出ユニットを有することで、例えば、収納ボックス1の中に収納されている物品の量についての情報を取得でき、その情報によりユーザ等に通知すべきか否かを判断することができる。図6には、収納ボックス1を備えた宅配ボックス1Bに、物品の状態を検出する光検出ユニットが備えられている場合を示した。この場合、収納ボックス内に物品があると、収納ボックス1の側面に設置された光源113aから反対側の側面に設置された受光素子113bに入射する光が物品によって遮断されるため、収納ボックス内の物品の有無を検出することができる。
【0066】
収納ボックス1に収納された物品の状態を検出する光検出ユニットの場合、光検出ユニットが設置される場所は、収納された物品を検出できれば特に制限されないが、例えば、図5に示した通り収納ボックス1の側面に受光素子113b、もう一方の収納ボックス1の側面に光源113aが備えていてもよい。
【0067】
また、図5に示した通り光源113aと受光素子113bとが縦長になるように配置された光検出ユニットを用いることにより、収納されている物品の大きさや量についての第1情報を得ることもできる。具体的には、例えば、図5において、収納ボックス1内の物品の積載量が少ない場合は下方の受光素子113bのみ光源113aからの光が遮られ、積載量が多い場合は上方の受光素子113bも光源113aからの光が遮られるため、収納ボックス1内の物品の量についての情報を第1情報として得ることができる。
【0068】
投函口12から投函された物品の動きを検出する光検出ユニットの場合を、図7に示すメールボックス1Aを用いて説明する。図7に示した通り、投函口12から物品が投函された場合は、光源114aから受光素子114bに入射する光が当該物品によって遮断される。メールボックス1AのCPU61は、入射が遮断された場合は物品が投函されたとして、物品が投函された旨やその日時を、第1情報として取得する。また、複数の物品が投函された場合は、投函された物品の数だけ光の入射の遮断されるため、投函された物品の数も検出し、第1情報として取得することができる。投函口12から投函された物品の動きを検出する光検出ユニットを有することで、物品が投函されたことや投函された物品の数を把握できるため、収納ボックス1内の物品の状況に関するより正確な情報を得ることができ、当該情報に従ってユーザ等に所定の情報を通知すべきか否かを判断することができる。
【0069】
投函口12から投函された物品の動きを検出する光検出ユニットの場合、光検出ユニットが設置される場所は、図7に示した通り、例えば、受光素子114bと光源114aのうち一方が扉11又は収納ボックス1の上方の面、もう一方が扉11又は収納ボックス1の下方の面に備えられていてもよい。
【0070】
なお、本実施形態に係る第1情報取得手段81は、上述の重量検出器112、光検出ユニットの2種類の全てを併用してもよいし、いずれか1種類を単独で用いてもよい。
【0071】
本実施形態に係る第1蓄積手段82は、第1情報取得手段81で取得した第1情報を蓄積する手段である。第1蓄積手段82で第1情報を蓄積することで、蓄積した情報を後述する通知判断手段85に用いることができ、後述する通知手段86による通知回数を減少させることができる。
【0072】
第1蓄積手段82の機能は、例えば以下のように実行される。メールボックス1AのCPU61は、第1情報取得手段81に基づき第1情報を取得した場合、これらの情報を通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信する。管理サーバ20のCPU21は、取得した第1情報をRAM23又は記憶装置24に蓄積する。第1情報取得手段81に基づき第1情報を複数回取得した場合も通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20のCPU21が第1情報をRAM23又は記憶装置24に蓄積する。例えば、投函口12から投函された物品の動きを検出する光検出ユニットで複数回物品が投函された場合はその投函された回数を第1情報として蓄積することもできる。また、メールボックス1AのCPU61は、取得した第1情報を、収納ボックス1のRAM23又は記憶装置24に蓄積することもできる。
【0073】
本実施形態に係る第2情報取得手段83は、収納ボックス1に備えられた扉11の開閉状況に関する第2情報を取得する手段である。扉11の開閉に関する第2情報とは、収納ボックス1に備えられた扉11が開いたり閉じたりすることに関する情報であり、例えば、扉11が開かれた日時、扉11が閉じられた日時、一定の期間に扉11が開閉された回数などの扉11の開閉に関する種々の情報が含まれる。第2情報取得手段83により、例えば、ユーザが扉11を開閉したか否かを把握したうえで、所定の通知先に通知すべきか否かを判断することができる。
【0074】
本実施形態に係る第2情報取得手段83は、扉11の動きを検出する光検出ユニットであってもよい。この第2情報取得手段83の機能は、例えば以下のように実現される。図8(a)に示した通り、扉11が閉じられている場合は、光源115aから出た光が受光素子115bに入射することで扉11が閉じられた状態であることを検出する。一方で、扉11が開かれた場合は、光源115aから出た光線が受光素子115bに入射しなくなるため、扉11が開かれた状態であることを検出できる。扉11の動きを検出する光検出ユニットを有することで、扉11の開閉をより正確に把握できる。扉11の動きを検出する光検出ユニットが設置される場所は、特に制限されないが、図8(a)に示した通り、例えば、光源115aと受光素子115bのうち一方が扉11、もう一方が収納ボックス1に備えられていてもよい。また、図8(b)に示した通り、扉11の動きを検出する光検出ユニットは、収納ボックス1を備えた宅配ボックス1Bに備えられていてもよく、扉11の開閉を検出することができる。
【0075】
本実施形態に係る第2情報取得手段83は、扉11に備えられた電子錠の開閉を検出する開閉検出器を含んでもよい。開閉検出器の場合、第2情報取得手段83の機能は、例えば以下のように実現される。メールボックス1AのCPU61は、扉11に備えられた電子錠の開閉状態を把握し、扉11の電子錠が開かれた場合はその旨やその日時を取得する。同様に扉11の電子錠が閉じられた場合はその旨やその日時を取得する。当該開閉検出器は、電子錠の開閉を検出することで扉11の開閉情報を得ることができるため、より少ない機構で、より正確に扉11の開閉情報を得ることができる。
【0076】
開閉検出器が設置される場所は特に制限されないが、開閉検出の容易性や、収納ボックス1内のスペースを確保する観点から、収納ボックス1や扉11に備えられた電子錠内に備えられていることが好ましい。
【0077】
本実施形態に係る第2蓄積手段84は、第2情報取得手段83で取得した第2情報を蓄積する手段である。第2蓄積手段84で第2情報を蓄積することで、蓄積した情報を後述する通知判断手段85に用いることができ、後述する通知手段86による通知回数を減少させることができる。
【0078】
第2蓄積手段84の機能は、例えば以下のように実行される。メールボックス1AのCPU61は、第2情報取得手段83に基づき第2情報を取得した場合、これらの情報を通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信する。管理サーバ20のCPU21はRAM23又は記憶装置24に蓄積する。例えば、扉11の動きを検出する光検出ユニットで扉11の開閉を検出した場合は、第2情報として蓄積する。第2情報取得手段83に基づき第2情報を複数回取得した場合も同様に通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20のCPU21が第2情報をRAM23又は記憶装置24に蓄積する。また、CPU61は、取得した第2情報を、メールボックス1AのRAM63又は記憶装置64に蓄積することもできる。
【0079】
本実施形態に係る通知判断手段85は、第1蓄積手段82によって蓄積された第1情報に基づいて所定の通知先へ所定の情報を通知するか否かの判断をする手段である。通知判断手段85により、物品の収納状況に応じてユーザに通知すべきか否かを判断することができるため、例えば、ユーザへの通知回数が膨大になることを回避することにより、ユーザの利便性を考慮した通知を行うことができる。
【0080】
通知判断手段85の機能は、例えば以下のように実行される。管理サーバ20のCPU21は、第1蓄積手段82によりRAM23や記憶装置24に蓄積された第1情報にアクセスし、収納ボックス1内の物品の保管状況を把握し、通知の必要性を判断する。例えば、蓄積した第1情報より、収納している物品の数や量が多い場合や、収納ボックス1内に長期間物品が滞留している場合は、CPU21はユーザに対して通知を行うと判断する。一方で、蓄積した第1情報より、収納している物品の数や量が少ないと判断した場合や、物品の収納時間が短いと判断した場合は、CPU21はユーザに対して通知を行わない。
【0081】
より具体的には、例えば、蓄積された第1情報が、1つの物品が収納されているという情報であった場合は通知しないと判断し、2つ目、3つ目の物品が収納されたという第1情報が蓄積された場合に通知を行うと判断する。他の具体例としては、蓄積された第1情報が、収納ボックス1内に積載された物品の量が少ない情報であった場合は通知しないと判断し、収納ボックス1内に多くの物品が積載されているという情報であった場合は通知を行うと判断する。
【0082】
通知判断手段85によるユーザへ通知するか否かの判断の基準は、ユーザによって設定されてもよい。例えば、1つの物品が収納ボックス1に収納された時点で通知をするように設定することもできるし、2つ目の物品が収納された時点や3つ目の物品が収納された時点で通知をするように設定することもできる。また、物品が収納ボックス1に収納された時点から、一定の期間の経過後に通知するように設定することもできる。例えば、収納ボックス1内の物品の積載量が収納ボックス1の高さの半分以上の高さに達したら通知をするような設定ができるとしてもよい。ユーザによって通知判断手段85の判断の基準を設定できることで、よりユーザの利便性を考慮した通知を行うことができる。
【0083】
本実施形態に係る通知判断手段85は、第1蓄積手段82によって蓄積された第1情報と、第2蓄積手段84によって蓄積された第2情報と、に基づいて所定の通知先へ所定の情報を通知するか否かの判断をする手段であってもよい。第1情報と第2情報に基づくことにより、物品の保管状況をより正確に把握して通知をするか否かの判断をすることができる。
【0084】
この場合、通知判断手段85の機能は、例えば以下のように実行される。管理サーバ20のCPU21は、第1蓄積手段82及び第2蓄積手段84によりRAM23や記憶装置24に蓄積された第1情報および第2情報から、収納ボックス1内の物品の保管状況を把握する。例えば、蓄積した第1情報より収納している物品の数や量が多いとされた場合であっても、第2情報により直近に扉11が開閉されたという情報があった場合は、ユーザが収納ボックス1の収納状況を把握している可能性が高いため、ユーザに対して通知を行わないと判断することができる。一方で、蓄積した第1情報より、収納している物品の数や量が少ない場合であっても、蓄積された第2情報により長い期間、扉11の開閉が行われていない場合は、ユーザに対して通知を行うと判断することができる。
【0085】
また、後述する通知手段86に従って通知し、所定の期間が過ぎた後に、物品の保管状況が変わらない場合は、再度ユーザに対して通知を行うようにする再通知手段を設けることもできる。また、再通知し、所定の期間が過ぎた後に、物品の保管状況が変わらないと判断した場合は再通知手段を繰り返すこともできる。これにより、ユーザが物品を取り出し忘れることを効率的に防ぐことができる。
【0086】
ここで所定の情報とは、例えば、収納ボックス1内に収納されている物品の数や量、物品の保管期間など、収納された物品に関する種々の情報が含まれる。また、ユーザが扉11を開閉していない期間など、扉11の開閉に関する情報を含んでもよい。また、所定の情報には、収納ボックス番号、物品を預け入れた受渡人の情報などの種々の情報を含むことができる。
【0087】
また、所定の通知先とは、物品の届け先である受取人、物品を収納ボックス1に預かり入れた受渡人、収納ボックス1の管理者など、物品の受け渡しに関わる者を含む。所定の通知先として、予め各収納ボックス1に紐づけて1つ以上の連絡先(例えば、メールアドレス)を登録し、これらに通知することもできる。
【0088】
本実施形態に係る通知手段86は、通知判断手段85の判断結果に基づいて、所定の情報を所定のタイミングで所定の通知先に通知する手段である。
【0089】
通知手段86は、例えば以下のように実行される。管理サーバ20のCPU21は、前述の通知判断手段85の結果に基づき、所定の情報を所定の通知先へ通知するように、通信インタフェース部28へ指示する。通信インタフェース部28は、所定の通知先へ電子メールや電話、簡易なアラートを配信するなどの方法を用いて通知を行う。また、その他の通知の方法としては、メールボックス1Aに設けられた表示部16に表示する方法、物品収受システムが備えられた建物の各部屋内に通知をするための表示板を設けて通知する方法が挙げられる。表示部16や表示板を用いて通知する場合は、一定期間引き取りがない場合は、表示内容を点滅させて表示することもできる。
【0090】
また、上記に加えて、受渡人がメールボックス1Aに物品を預け入れる際に、当該物品の届け先に関する届け先情報を取得する届け先情報取得手段を設けてもよい。物品の届け先に関する情報とは、例えば、受取人の氏名、部屋番号、会社名、部署名、電話番号などを含む。メールボックス1AのCPU61は、受渡人に届け先に関する情報を選択させ、入力させるための画面を表示処理部65に作成するように指示を出し、表示部16に表示する。ここで取得した届け先情報に基づき、通知手段86における所定の通知先を決定してもよい。
【0091】
(6)本実施形態の物品収受システムの主要な処理のフロー
図13~16のシーケンス図を参照して、本実施形態に係る物品収受システムの機能についての代表的な例(パターン1~4)を説明する。以下、収納ボックス1がメールボックス1Aに備えられた場合を例に説明するが、収納ボックス1が宅配ボックス1Bに備えられた場合も同様の処理のフローとなる。
【0092】
(a)パターン1
図13のシーケンス図を参照してパターン1を説明する。受渡人が物品をメールボックス1Aへ投函すると(S101)、メールボックス1AのCPU61は、第1情報取得手段81の機能に基づき、収納ボックス1内の物品を検出する(S102)。次に、メールボックス1AのCPU61は、物品が検出されたという第1情報を通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信し(S103)、管理サーバ20のCPU21は当該第1情報を第1蓄積手段82に基づき、RAM23若しくは記憶装置24に記憶することで蓄積する(S104)。続いて管理サーバ20のCPU21は通知判断手段85に基づき所定の情報を所定の通知先に通知すべきか判断し(S105)、通知手段86に基づき、通信インタフェース部28を介して所定の情報を所定のタイミングで受取人に対して通知する(S106)。
【0093】
(b)パターン2
図14のシーケンス図を参照してパターン2を説明する。S105まではパターン1と同様であるため割愛する。ここで、蓄積した第1情報から、通知判断手段85に基づき収納されている物品の量が少ないため通知の必要はないと判断した場合は、所定の情報を所定の通知先へ通知しない(S106)。
【0094】
受渡人が再度、物品をメールボックス1Aへ投函すると(S107)、メールボックス1AのCPU61は、第1情報取得手段81の機能に基づき、収納ボックス1内の物品を検出し(S108)、メールボックス1AのCPU61は、物品が検出されたという第1情報を通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信し(S109)、管理サーバ20のCPU21は当該第1情報を第1蓄積手段82に基づき、RAM23若しくは記憶装置24に蓄積する(S110)。続いて管理サーバ20のCPU21は通知判断手段85に基づき蓄積された第1情報から通知の必要性を判断する(S111)。例えば、収納されている物品の量が多い場合は通知が必要だと判断し、所定の情報を通知する(S112)。
【0095】
(c)パターン3
図15のシーケンス図を参照してパターン3を説明する。S106まではパターン2と同様であるため割愛する。ここで受取人がメールボックス1Aに備えられた収納ボックス1より物品を取り出す(S107)と、メールボックス1AのCPU61は、第1情報取得手段81の機能に基づき、収納ボックス1内の物品が取り出されたことを検知し(S108)、メールボックス1AのCPU61は、物品が取り出されたこと(物品が検出されないこと)を第1情報として通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ送信し(S109)、管理サーバ20のCPU21は当該第1情報を第1蓄積手段82に基づき、RAM23若しくは記憶装置24に蓄積する(S110)。続いて管理サーバ20のCPU21は通知判断手段85に基づき蓄積された第1情報から通知の必要性を判断する(S111)。例えば、収納されている物品がない場合は、情報を通知しないと判断する(S112)。
【0096】
(d)パターン4
図16のシーケンス図を参照してパターン4を説明する。S106までの説明はパターン2及び3と同様であるため割愛する。ここで受取人が扉11を開く(S107)と、メールボックス1AのCPU61は、第2情報取得手段83の機能に基づき、扉11が開かれたことを検知し、第2情報として通信インタフェース部68を介して管理サーバ20へ報告する(S108)。管理サーバ20のCPU21は当該第2情報を第2蓄積手段84に基づき、RAM23若しくは記憶装置24に蓄積する(S109)。続いて管理サーバ20のCPU21は通知判断手段85に基づき蓄積された第1情報および第2情報から通知の必要性を判断する(S110)。ここでは物品が収納されたという第1情報を蓄積したのちに、扉11が開かれたという第2情報を蓄積したことから、受取人が収納ボックス1内の状況を把握しており所定の情報を通知する必要は無いと判断することができる(S111)。
【0097】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0098】
また、上述した実施形態では、管理サーバ20を備える場合を一例として説明したが、この場合に限られない。例えば、収納ボックス1を備えたメールボックス1A又は宅配ボックス1Bが、図11に示す管理データを例えば記憶装置64に記憶している場合には、管理サーバ20が設けられなくてもよい。
【0099】
さらに、上述した実施形態では、収納ボックス1を備えたメールボックス1A又は宅配ボックス1Bによって第1情報取得手段81、第2情報取得手段83を、管理サーバ20によって第1蓄積手段82、第2蓄積手段84、通知判断手段85、通知手段86などの各機能を実現する構成としたが、この構成に限られない。例えば、第1情報取得手段81、第2情報取得手段83を管理サーバ20によって実現する構成としてもよいし、第1蓄積手段82、第2蓄積手段84、通知判断手段85、通知手段86を収納ボックス1を備えたメールボックス1A又は宅配ボックス1Bによって実現する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0100】
1…収納ボックス
1A…メールボックス
1B…宅配ボックス
11…扉
12…投函口
13…開閉蓋
15…操作部
16…表示部
17…入力部
112…重量検出器
113a、114a、115a…光源
113b、114b、115b…受光素子
20…管理サーバ
30…端末装置
40…物品
NW…通信網
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16