(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H01H 23/24 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
H01H23/24 C
(21)【出願番号】P 2020123212
(22)【出願日】2020-07-17
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】504014200
【氏名又は名称】有限会社R&K JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲学
(72)【発明者】
【氏名】桐生 幸一
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】実開平01-140728(JP,U)
【文献】実開平06-077135(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な複数の接点と、
前記接点を開状態又は閉状態に維持可能な主スイッチと、
前記主スイッチに接触した状態及び接触しない状態を有していて前記主スイッチを閉位置又は開位置に移動させる移動部材と、
前記移動部材を介して前記主スイッチを前記閉位置又は前記開位置へ付勢する副スイッチと、を備え、
前記副スイッチがオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは、前記移動部材と前記主スイッチの間に隙間が形成され、前記主スイッチは前記接点を閉状態に維持し、
前記副スイッチが前記オフ位置に接近すると、前記移動部材が前記主スイッチとの接触を開始し、前記主スイッチが前記接点を開
き、
前記副スイッチが付勢部材を備え、前記副スイッチが前記オン位置又は前記オフ位置にあるときに前記副スイッチの前記付勢部材が座屈する、スイッチ装置。
【請求項2】
開閉可能な複数の接点と、
前記接点を開状態又は閉状態に維持可能な主スイッチと、
前記主スイッチに接触した状態及び接触しない状態を有していて前記主スイッチを閉位置又は開位置に移動させる移動部材と、
前記移動部材を介して前記主スイッチを前記閉位置又は前記開位置へ付勢する副スイッチと、を備え、
前記副スイッチがオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは、前記移動部材と前記主スイッチの間に隙間が形成され、前記主スイッチは前記接点を閉状態に維持し、
前記副スイッチが前記オフ位置に接近すると、前記移動部材が前記主スイッチとの接触を開始し、前記主スイッチが前記接点を開
き、
前記主スイッチが付勢部材を備え、前記主スイッチが前記閉位置又は前記開位置にあるときに前記主スイッチの前記付勢部材が座屈する、スイッチ装置。
【請求項3】
前記主スイッチは前記移動部材によって操作される被操作部を有し、前記移動部材は前記主スイッチを操作する操作部を有する、請求項1
又は2に記載のスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置に関し、特に直流の高電圧に対応したスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車や太陽光パネル等を使用して蓄電する蓄電池の需要が高まっている。蓄電池は直流で蓄電するが、一般家庭や建物等のコンセントに送電される電気は交流であるため、直流を交流に変換してコンセントに供給したり、さらにコンセントの交流を直流に変換して最終的な機器に供給したりしている。直流-交流変換及び交流-直流変換の変換効率の影響でエネルギーの一部が熱として逃げてしまう状況にある。このような状況では持続可能な社会とは言えないため、直流電源は直流のまま使用しようというのが世の中の趨勢である。
【0003】
ゼロエネルギービルディングでは、太陽光パネルを設置して昼間に蓄電し、夜間等に蓄電した電気を直流で使用する傾向にあるが、建物で使用する配線径を小さくするために380V等の高電圧で配線する流れになりつつあり、斯かる高電圧で直流化された建物の照明等を安全にオンオフ可能なスイッチ装置が求められている。交流はゼロクロスポイントが存在するためスイッチをオフした際にアークが切断されるが、直流ではスイッチをオフした際に発生したアークが消えず、スイッチ装置の端子間温度が上昇して火災の原因になる恐れがある。
【0004】
アークを切断する手法として、接点間距離を広くする手法や、接点間近傍に磁石を配置してアークの発生方向に対して概ね直交する方向にアークを引き伸ばしてアークを消弧する手法等がある。しかし、このような対策をしても、ゆっくりスイッチ操作を行った場合にはアークが切断され難い。
図19は従来の交流用スイッチの一例の模式図である。交流用スイッチは、開閉可能な複数の接点42と、接点42を閉状態又は開状態に維持可能なスイッチ43と、を備えている。交流用スイッチ装置を直流で使用する場合、十分な接点間距離を確保できればアークの影響を抑えることもできるが、接点間の距離が短いと接点間にアークが発生し続ける恐れがある。例えば、ゆっくりスイッチ操作を行ったり、スイッチ43が中立状態で止まったりすると、十分な接点間距離Dを得られず、アークが発生し続ける可能性が高い。アーク切断に関する技術としては、例えば後述の文献が公知である。
【0005】
特許文献1には、可動接点と固定接点との間に発生するアークを飛ばすために、可動接点と固定接点との接触位置の近傍に、アークの発生方向に対して略垂直方向の磁界を発生させる永久磁石を設けることが記載されている。
【0006】
特許文献2には、復帰ばねの復元力で極めて短い時間でオン状態からオフ状態に遷移し、可動接点と固定接点の間にアークが発生しない又は発生しても極めて短時間となるスイッチ装置が開示されている。
【0007】
特許文献3には、固定接点から可動接点が離れるときに固定接点と可動接点の間に自身の弾性力で入り込む消弧板を備えた直流電圧スイッチが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2012-104448号公報
【文献】特開2014-75290号公報
【文献】特開2013-145697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の問題に鑑み、直流の高電圧に対応したスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、開閉可能な複数の接点と、接点を開状態又は閉状態に維持可能な主スイッチと、主スイッチに接触した状態及び接触しない状態を有していて主スイッチを閉位置又は開位置に移動させる移動部材と、移動部材を介して主スイッチを閉位置又は開位置へ付勢する副スイッチと、を備え、副スイッチがオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは、移動部材と主スイッチの間に隙間が形成され、主スイッチは接点を閉状態に維持し、副スイッチがオフ位置に接近すると、移動部材が主スイッチとの接触を開始し、主スイッチが接点を開く、スイッチ装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一態様によれば、副スイッチが中立状態で止められたとしても、移動部材と主スイッチとの間に隙間が形成されるため、接点への影響がなく、一方で、副スイッチがオフ位置に接近したら、移動部材が主スイッチに接触を開始して接点が瞬時に開かれる。つまり、スイッチ装置は、ゆっくりスイッチ操作してもアークを切断可能な接点間距離に素早く到達できるため、直流の高電圧に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明をロッカースイッチに適用したスイッチ装置の概略図である。
【
図2】第一実施形態のスイッチ装置の分解図である。
【
図3】第一実施形態のスイッチ装置の斜視図である。
【
図4】スイッチ装置の各種断面位置を示す平面図である。
【
図5】オン位置のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図6】中立状態のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図7】接触開始状態のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図8】オフ位置のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図9】第二実施形態のスイッチ装置の分解図である。
【
図10】第二実施形態のスイッチ装置の斜視図である。
【
図11】スイッチモジュールの一例を示す分解図である。
【
図12A】スイッチモジュールの閉位置の断面図である。
【
図12B】スイッチモジュールの開位置の断面図である。
【
図13】スイッチ装置の各種断面位置を示す平面図である。
【
図14】オン位置のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図15】中立状態のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図16】接触開始状態のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図17】オフ位置のスイッチ装置の各種断面図である。
【
図18】本発明をスライドスイッチに適用したスイッチ装置の概略図である。
【
図19】従来の交流用スイッチ装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。各図面において、同一又は類似の構成要素には同一又は類似の符号が付与されている。また、以下に記載する実施形態は、特許請求の範囲に記載される発明の技術的範囲及び用語の意義を限定するものではないことに留意されたい。
【0014】
本開示のスイッチ装置のアーク切断原理について概説する。
図1はスイッチ装置の概略図である。スイッチ装置は例えばロッカースイッチであり、開閉可能な複数の接点2と、接点2を閉状態又は開状態に維持可能な主スイッチ3と、主スイッチ3に接触した状態及び接触しない状態を有し、その接触状態によって主スイッチ3を閉位置又は開位置に移動可能な移動部材4と、移動部材4を介して主スイッチ3を閉位置又は開位置へ付勢可能な副スイッチ5と、を備えている。
【0015】
複数の接点2は、例えば可動接点及び固定接点を備えている。主スイッチ3、移動部材4、及び副スイッチ5は、いずれも所定の軸線回りに回動可能に構成される。
【0016】
スイッチ装置の動作は下記の通りである。副スイッチ5がオン位置にあるときは(
図1の最左図参照)、副スイッチ5が移動部材4をオン位置に付勢し、移動部材4が主スイッチ3に接触した状態にあり、主スイッチ3は接点2を閉じた状態に維持する。
【0017】
ユーザが副スイッチ5をオン位置からオフ位置へ操作したとき、副スイッチ5が回動してオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは(
図1の左中図参照)、移動部材4と主スイッチ3との間に隙間Cが形成され、移動部材4は主スイッチ3に接触しない状態にある。従って、主スイッチ3は接点2を閉じた状態に維持する。なお、本書において「中立状態」とは、副スイッチ5がオン位置とオフ位置の間にあり、且つ、移動部材4が主スイッチ3に接触していない状態を意味する。
【0018】
副スイッチ5がさらに回動してオフ位置に接近すると(
図1の右中図参照)、副スイッチ5が移動部材4をオフ位置の方向に付勢し、移動部材4が主スイッチ3との接触を開始する接触開始状態になる。移動部材4と主スイッチ3が接触すると、移動部材4の回動に応じて主スイッチ3が回動し始め、主スイッチ3は接点2を開位置に付勢し始める。なお、本書において「接近」とは、副スイッチ5がオフ位置又はオン位置の近傍にあることを意味し、例えば、副スイッチ5の可動範囲の50%未満の距離まで、又は可動範囲の40%未満の距離まで、又は可動範囲の30%未満の距離まで、又は可動範囲の20%未満の距離まで、又は好適には可動範囲の10%未満の距離まで、副スイッチ5がオフ位置又はオン位置の近傍にあることを意味する。
【0019】
そして、主スイッチ3は接点2を瞬時に開く(
図1の最右図参照)。副スイッチ5がオフ位置にあるときは、副スイッチ5が移動部材4をオフ位置に付勢し、移動部材4は主スイッチ3に接触した状態にあり、主スイッチ3は接点2を開いた状態に維持する。
【0020】
上記構成及び動作により、副スイッチ5が中立状態で止められたとしても、移動部材4と主スイッチ3との間に隙間Cが形成されるため、主スイッチ3は動作せず、接点2の開閉への影響がなく、一方で、副スイッチが中立状態からオフ位置に接近すると、移動部材4が主スイッチ3に接触を開始して瞬時に接点2が開かれることになる。つまり、スイッチ装置は、ゆっくりスイッチを操作してもアークを切断可能な接点間距離Dに素早く到達できるため、直流の高電圧に対応可能である。
【0021】
ユーザが副スイッチ5をオフ位置からオン位置へ操作したときは、上記動作と概ね逆の動作を行う。つまり、副スイッチ5をオン位置とオフ位置の間で止めたとしても、移動部材4と主スイッチ3の間に隙間Cが形成され、移動部材4が主スイッチ3を移動しないため、主スイッチ3は接点2を開いた状態に維持する。一方で、副スイッチ5がオン位置に接近すると、移動部材4が主スイッチ3との接触を開始するため、主スイッチ3が接点2を瞬時に閉じる。
【0022】
スイッチ装置の上記構成及び動作は一例であり、他の形態や構成要素を変更又は追加できることに留意されたい。例えば上記で説明したスイッチ装置を、ロッカースイッチではなく、スライドスイッチ、押ボタンスイッチ等の他の形態のスイッチ装置に適用することも可能である。また、例えば本発明を、単投式ではなく、双投式、三投式等のスイッチ装置に適用してもよいし、又は単極式ではなく、双極式、三極式等のスイッチ装置に適用してもよい。
【0023】
(第一実施形態)
以下、本開示のアーク切断原理を採用した第一実施形態のスイッチ装置1について詳述する。
図2、
図3は夫々スイッチ装置1の分解図及び斜視図である。スイッチ装置1は、例えば双極単投式のロッカースイッチであり、開閉可能な複数の接点2と、接点2を操作して接点2の開閉動作を切替える主スイッチ3と、主スイッチ3に接触した状態及び接触しない状態を有していて主スイッチ3を閉位置又は開位置に移動させる移動部材4と、操作者によって操作されて移動部材4を介して主スイッチをオン位置又はオフ位置へ付勢する副スイッチ5と、を備えている。これら構成要素はベース15及びカバー16によって支持される。
【0024】
複数の接点2は、金属で形成された可動接点6及び固定接点7を備えている。可動接点6は、主スイッチ3の動作に応じて軸線J1回りに揺動し、固定接点7に接触する。これにより、接点2は主スイッチ3の動作に応じて開状態又は閉状態になる。スイッチ装置1は双極単投式であるため、可動接点6及び固定接点7が複数組設けられているが、スイッチ装置が単極式の場合には、可動接点及び固定接点が1組のみ設けられることもある。また、スイッチ装置が双投式、三投式等の場合には、一つの可動接点に対して複数の固定接点が設けられることもある。或いは、固定接点を設けず、複数の可動接点でスイッチ装置を構成することも可能である。
【0025】
主スイッチ3は、本体8及び付勢部材9を有し、移動部材4の動作に応じて軸線J2回りに回動する。本体8は、例えば樹脂で形成され、移動部材4によって操作される被操作部3bを有している。被操作部3bが移動部材4によって押圧されることで、主スイッチ3は軸線J2回りに回動する。被操作部3bは、例えば主スイッチ3から移動部材4に向かって突出したレバーである。被操作部3bは、一つの本体8に対して複数個設けられているが、一つの本体8に一個のみ設ける構成を採用してもよい。付勢部材9は、例えば圧縮可能なコイルばねであり、可動接点6に接触して可動接点6を付勢する。これにより、主スイッチ3は接点2を閉状態又は開状態に維持する。付勢部材9は可動接点6の数に応じて一つの本体8に複数個設けられているが、スイッチ装置1が単極式の場合には、付勢部材9を一個のみ設けてもよい。また、付勢部材9は、コイルばねではなく、座屈可能な板ばね等で構成されてもよい。
【0026】
移動部材4は、例えば樹脂で形成され、副スイッチ5の動作に応じて軸線J3回りに回動する。移動部材4は、主スイッチ3を操作する操作部4aと、副スイッチ5によって操作される被操作部4bと、を有している。操作部4aは、例えば主スイッチ3の移動方向に延在した長穴であり、主スイッチ3の被操作部3bを受入れる(
図5のX3-X3断面参照)。移動部材4が回動すると、その位置に応じて移動部材4の操作部4aが主スイッチ3の被操作部3bに接触し、主スイッチ3を回動させる。移動部材4の操作部4aは、主スイッチ3の被操作部3bの数に応じて複数個設けられているが、複数の被操作部を1つの操作部で受入れてもよく、また、被操作部が一つのみの場合には操作部を一個のみ設けてもよい。
【0027】
また、移動部材4の操作部4aのサイズLは主スイッチ3の被操作部3bのサイズSより大きく形成されているため、移動部材4の位置によって移動部材4の操作部4aが主スイッチ3の被操作部3bに接触しない状態ができる。また、移動部材4の操作部4aの可動範囲Wは主スイッチ3の被操作部3bの可動範囲Nより広いため(
図5のX3-X3断面参照)、移動部材4は主スイッチ3と接触した状態を有することになる。なお、移動部材4の被操作部4bは、副スイッチ5の付勢部材13が滑動可能な滑動面である。
【0028】
副スイッチ5は、本体12及び付勢部材13を有し、ユーザの操作に応じて軸線J4回りに回動する。本体12は、例えば樹脂で形成される。付勢部材13は、例えば圧縮可能なコイルばねであり、副スイッチ5の操作に応じて被操作部4bを押圧すると共に、移動部材4の被操作部4bを付勢する。付勢部材13は、コイルばねではなく、座屈可能な板ばねで構成してもよい。
【0029】
ベース15は、例えば樹脂で形成される。
図2のベース15は内側ベース17と外側ベース18を備えている。内側ベース17及び外側ベース18は、互いに結合して、複数の接点2、主スイッチ3、及び移動部材4を支持する。カバー16は、例えば樹脂で形成される。
図2のカバー16は内側カバー19及び外側カバー20を備えている。内側カバー19及び外側カバー20は互いに結合して副スイッチ5を支持する。
【0030】
上記スイッチ装置1の構成は一例であり、他の形態を採用したり、他の構成要素を追加したりできることに留意されたい。例えば主スイッチ3の被操作部3bを、レバーではなく主スイッチ3の移動方向に延在する長穴とし、移動部材4の操作部4aを、長穴ではなく移動部材4から主スイッチ3に向かって突出するレバーとしてもよい。この場合、主スイッチの被操作部3bのサイズは移動部材4の操作部4aのサイズより大きく設計される。つまり、主スイッチ3の長穴のサイズが移動部材4のレバーのサイズより大きく設計される。この設計により、移動部材4は主スイッチ3に接触しない状態を有することになる。また、移動部材4のレバーの可動範囲は主スイッチ3の長穴の可動範囲より広く設計される。この設計により、移動部材4は主スイッチ3と接触した状態を有することになる。
【0031】
以下、第一実施形態のスイッチ装置1の動作について詳述する。
図4はスイッチ装置1の各種断面位置を示す平面図であり、
図5~
図8は夫々、スイッチ装置1のオン位置、中立状態、接触開始状態、及びオフ位置を示す各種断面図である。
【0032】
図5に示すように副スイッチ5がオン位置にあるときは、副スイッチ5の付勢部材13が移動部材4の被操作部4bを付勢することで移動部材4及び副スイッチ5をオン位置に維持する(X1-X1断面参照)。移動部材4の操作部4aは主スイッチ3の被操作部3bに接触した状態にあり(X3-X3断面参照)、主スイッチ3の付勢部材9が可動接点6を押圧することで可動接点6を閉位置に付勢し、主スイッチ3は接点2を閉じた状態に維持する(X2-X2断面参照)。
【0033】
図6に示すようにユーザが副スイッチ5をオン位置からオフ位置へ操作し、副スイッチ5が回動してオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは、移動部材4の操作部4aと主スイッチ3の被操作部3bとの間に隙間Cが形成され(X3-X3断面参照)、移動部材4が主スイッチ3に接触しない状態にある。従って、移動部材4が回動しても主スイッチ3は回動せず、主スイッチ3の付勢部材9が可動接点6を閉状態に維持し、主スイッチ3は接点2を閉じた状態に維持する(X2-X2断面参照)。
【0034】
図7に示すように副スイッチ5がさらに回動してオフ位置に接近すると、移動部材4の操作部4aが主スイッチ3の被操作部3bとの接触を開始する(X3-X3断面の丸破線参照)。このとき、副スイッチ5の付勢部材13は移動部材4をオフ位置の方向に付勢し、移動部材4の回動に応じて主スイッチ3が回動し始める。主スイッチ3の付勢部材9は接点2を開位置に付勢し始める(X2-X2断面参照)。
【0035】
図8に示すように主スイッチ3は接点2を瞬時に開いて開位置に達する(X2-X2断面参照)。副スイッチ5がオフ位置にあるときは、副スイッチ5の付勢部材13が移動部材4の被操作部4bを押圧することで移動部材4及び副スイッチ5をオフ位置に付勢する(X1-X1断面参照)。移動部材4の操作部4aは主スイッチ3の被操作部3bに接触した状態にあり(X3-X3断面参照)、主スイッチ3の付勢部材9が可動接点6を押圧することで可動接点6を開位置に付勢し、主スイッチ3は接点2を開いた状態に維持する(X2-X2断面参照)。
【0036】
上記構成及び動作により、副スイッチ5が中立状態で止められたとしても、移動部材4と主スイッチ3との間に隙間Cが形成され、この状態では主スイッチ3が回動して接点2が開くことがないため、接点2の開閉への影響がなく、アークが発生する恐れを低減できる。一方で、副スイッチ5が中立状態からオフ位置に接近したら、移動部材4が主スイッチ3に接触を開始して瞬時に接点2が開かれることになる。つまり、スイッチ装置1は、ゆっくり副スイッチ5を操作してもアークを切断可能な接点間距離Dに素早く到達できるため、直流の高電圧に対応可能である。
【0037】
なお、スイッチ装置1をオフ状態からオン状態に切替える場合も、副スイッチ5が中立状態では接点2が開いた状態に維持され、副スイッチ5がさらに操作されたときに付勢手段の作用によって接点2を速やかに閉じることができる。そのため、スイッチ装置1をオンとする場合も、接点間距離がアーク切断距離に達していない状態が無くなるので、高電圧の直流の場合はアークの発生の影響を低減し得る。
【0038】
(第二実施形態)
以下、第二実施形態のスイッチ装置10について詳述する。第一実施形態のスイッチ装置1と同一又は類似の構成要素については説明を省略する。
図9、
図10は夫々スイッチ装置10の分解図及び斜視図である。スイッチ装置10は、例えば双極単投式のロッカースイッチであり、スイッチモジュール21を備えている点で、第一実施形態のスイッチ装置1と異なる。スイッチモジュール21は、接点間の近傍に配置されていてアークを消弧する磁石を有するモジュールである。
図11はスイッチモジュール21の分解図である。スイッチモジュール21は、開閉可能な複数の接点2と、接点2を閉状態又は閉状態に遷移させるカード30と、カード30を操作するボタン31と、接点間で発生するアークを消弧する磁石32と、を備えている。これら構成要素はベースブロック35及びケース36によって支持される。
【0039】
複数の接点2は、金属で形成された可動接点6及び固定接点7を有している。可動接点6は、板部と、板部を取付けた可動ばねと、を備えている。可動接点6は、カード30の動作に応じて揺動し、固定接点7に接触する。これにより、接点2はカード30の動作に応じて開状態又は閉状態に遷移する。スイッチ装置10は双極単投式であるため、可動接点6及び固定接点7は複数組設けられているが、スイッチ装置10が単極式の場合には、可動接点6及び固定接点7が1組のみ設けられることもある。また、スイッチ装置1が、双投式、三投式等の場合には、一つの可動接点6に対して複数の固定接点7が設けられることもある。或いは、固定接点を設けず、複数の可動接点でスイッチ装置を構成することも可能である。
【0040】
カード30は、例えば樹脂で形成され、ボタン31の動作に応じて軸線J5回りに回動する。カード30は、可動接点6を操作する操作部30aと、ボタン31によって操作される被操作部30bと、を有している。
図12に示すように、カード30の操作部30aは、例えば可動接点6の板部を挟み、カード30の回動に応じて板部上を滑動しながら可動接点6を押下げ又は持上げる。被操作部30bは、例えばボタン31によって滑動可能に保持されるノブ付きのレバーであり、回動するボタン31によって押下げられ又は持上げられる。本実施形態のカード30は、可動接点6の数に応じて複数個設けられているが、複数の可動接点6を動作させる一個のみで構成してもよい。
【0041】
ボタン31は、本体33及び復帰ばね34を有し、主スイッチ3の動作に応じて概ね軸線J6回りに揺動する。本体33は、例えば樹脂で形成され、カード30を操作する操作部31aと、主スイッチ3によって操作される被操作部31bと、を有している。ボタン31の操作部31aは、例えばカード30の被操作部30bを滑動可能に保持するレールであり、ボタン31の回動動作に合わせてカード30上を滑動しながらカード30を押下げ又は持上げる(
図12A及び
図12B参照)。ボタン31の被操作部31bは、例えば主スイッチ3によって押下げられる押下面である。ボタン31の復帰ばね34は、例えば本体33に結合された板ばねであり、主スイッチ3によって押下げられた本体33を元の位置に復帰させる。
【0042】
図9を再び参照すると、主スイッチ3は、ボタン31の被操作部30bを操作する操作部3aを有している。主スイッチ3は軸線J2を中心に回動可能に内側カバー19に支持されている。主スイッチ3の操作部3aは、例えば主スイッチ3からボタン31に向かって突出したフィンガである。主スイッチ3の操作部3aは主スイッチ3の回動に応じてボタン31の被操作部31bを押下げる。また、主スイッチ3の操作部3aが主スイッチ3の回動に応じてボタン31の被操作部31bの押下状態を解除すると、復帰ばね34の付勢力によってボタン31が元の位置に復帰する。
【0043】
磁石32は、例えば永久磁石であり、接点間の近傍に配置される。磁石32はアークの発生方向に対して概ね直交する方向に磁界を発生する。アークは磁界から受けたローレンツ力で引き伸ばされて飛ばされる。磁石32は可動接点6の数に応じて複数個設けられているが、スイッチ装置1が単極式の場合には、磁石32が一個のみ設けられることもある。また、磁石32は電磁石で構成されてもよい。
【0044】
ベースブロック35及びケース36は、例えば樹脂で形成される。ベースブロック35及びケース36は、互いに結合して、接点2、カード30、ボタン31、及び磁石32を支持する。
【0045】
上記スイッチモジュール21の構成は一例であり、他の形態や構成要素を変更又は追加できることに留意されたい。例えば、カード30を無くし、ボタン31が接点2に直接作用して接点2を閉状態又は閉状態に遷移させてもよい。
【0046】
スイッチモジュール21の動作は下記の通りである。
図12A、
図12Bは夫々閉位置及び開位置のスイッチモジュール21の断面図である。
図12Aに示すように、主スイッチ3が閉位置にあるときは、主スイッチ3の操作部3aがボタン31の被操作部31bを押下げることでボタン31が軸線J6回りに揺動する。ボタン31の操作部31aはカード30の被操作部30bを押下げることでカード30が軸線J5回りに回動する。カード30の操作部30aは可動接点6を押下げることで可動接点6が固定接点7に接触し、接点2が閉じた状態になる。
【0047】
図12Bに示すように、主スイッチ3が閉位置から開位置へ移動すると、主スイッチ3の操作部3aがボタン31の被操作部31bの押下状態を解除し、ボタン31は復帰ばね34によって軸線J6回りに揺動して元の位置に復帰する。ボタン31の操作部31aはカード30の被操作部30bを持上げ、カード30が軸線J5を中心に回動するため、カード30の操作部30aは可動接点6を持上げ、接点2が開いた状態になる。
【0048】
接点2が開くとき、磁石32はアークの発生方向に対して概ね直交する方向に磁界を発生しているため、接点間で発生するアークが磁界から受けたローレンツ力で円弧状に引き伸ばされて切断される。
【0049】
図9を再び参照すると、第二実施形態のスイッチ装置10では、副スイッチ5の付勢部材13がオン位置又はオフ位置で座屈するように配設され、主スイッチ3の付勢部材9も閉位置又は開位置で座屈するように配設される点でも、第一実施形態のスイッチ装置1と異なる。ユーザが副スイッチ5をオン位置からオフ位置へ操作するとき、副スイッチ5の付勢部材13が座屈状態のまま圧縮し、さらに副スイッチ5を操作すると、副スイッチ5の僅かな移動量で副スイッチ5の付勢部材13が圧縮状態を解除して瞬時に反対側に座屈しようとするため、座屈しようとする付勢部材13の弾性力が移動部材4をオン位置からオフ位置へ瞬時に移動させる。同様に、主スイッチ3の移動量が僅かでも主スイッチ3の付勢部材9が座屈状態を解除して反対側に座屈しようとするため、座屈しようとする付勢部材9の弾性力が主スイッチ3を閉位置から開位置へ瞬時に移動させる。
【0050】
以下、第二実施形態のスイッチ装置10の動作について詳述する。
図13はスイッチ装置10の各種断面位置を示す平面図であり、
図14~
図17は夫々スイッチ装置10のオン位置、中立状態、接触開始状態、及びオフ状態を示す各種断面図である。
【0051】
図14に示すように副スイッチ5がオン位置にあるときは、副スイッチ5の付勢部材13が座屈して移動部材4の被操作部4bを押圧することで移動部材4をオン位置に付勢する(X4-X4断面参照)。移動部材4の操作部4aは主スイッチ3の被操作部3bに接触した状態にあり(X6-X6断面参照)、主スイッチ3の付勢部材9は座屈して主スイッチ3を閉位置に付勢しているため、主スイッチ3はX5-X5断面に示す状態に維持される。この状態では、主スイッチ3の操作部3aはスイッチモジュール21のボタン31を押下げており、接点2が閉じた状態に維持される(X6-X6断面参照)。
【0052】
図15に示すようにユーザが副スイッチ5をオン位置からオフ位置へ操作し、副スイッチ5が回動してオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは、移動部材4の操作部4aと主スイッチ3の被操作部3bとの間に隙間Cが形成され、移動部材4が主スイッチ3に接触しない状態にある(X6-X6断面参照)。従って、主スイッチ3は移動部材4に押圧されることなく
図14と同じ位置にあり、主スイッチ3の付勢部材9は座屈して主スイッチ3を閉位置に維持する(X5-X5断面参照)。これにより、主スイッチ3の操作部3aがスイッチモジュール21のボタン31を押下げたまま接点2を閉じた状態に維持する(X6-X6断面参照)。また、副スイッチ5の付勢部材13は座屈状態のまま圧縮し始める(X4-X4断面参照)。
【0053】
図16に示すように副スイッチ5がさらに回動してオフ位置に接近すると、移動部材4の操作部4aが主スイッチ3の被操作部3bとの接触を開始し(X6-X6断面の丸破線参照)、移動部材4がさらに回動すると、移動部材4に押圧されて主スイッチ3がオフ位置に回動する。副スイッチ5の付勢部材13は圧縮状態を解除して瞬時に反対側に座屈する(X4-X4断面参照)。
【0054】
図17に示すように主スイッチ3の付勢部材9も座屈状態から圧縮状態を経て反対側に座屈し、主スイッチ3の付勢部材9の弾性力が主スイッチ3を瞬時に開位置に移動させる(X5-X5断面参照)。主スイッチ3はスイッチモジュール21のボタン31の押下状態を瞬時に解除し、ボタン31の復帰によって接点2が開く(X6-X6断面参照)。接点2が開くときに接点間に発生するアークが磁石32により消弧される。副スイッチ5がオフ位置にあるときは、副スイッチ5の付勢部材13が座屈して移動部材4の被操作部4bを押圧することで移動部材4をオフ位置に付勢する(X4-X4断面参照)。移動部材4の操作部4aは主スイッチ3の被操作部3bに接触した状態にあり(X6-X6断面参照)、主スイッチ3の付勢部材9が座屈して主スイッチ3を開位置に付勢し、主スイッチ3の操作部3aがスイッチモジュール21のボタン31を押圧しないことで接点2を開いた状態に維持する(X6-X6断面参照)。
【0055】
上記構成及び動作により、スイッチ装置10は、接点2を瞬時に開くことで、スイッチモジュール21の接点間で発生するアークの発生を抑制できる。一方で、副スイッチ5はオン位置又はオフ位置にあるときに付勢部材13が座屈するため、ユーザが副スイッチ5をオン位置からオフ位置へ操作するとき、僅かな副スイッチ5の移動距離で付勢部材13の座屈を解除し、座屈解除時の付勢部材13の弾性力が副スイッチ5を閉位置から開位置へ瞬時に移動させる。主スイッチ3も閉位置又は開位置にあるときに付勢部材9が座屈するため、座屈解除時の付勢部材9の弾性力が主スイッチ3を閉位置から開位置へ瞬時に移動させる。従って、スイッチ装置10は、アークを切断可能な接点間距離により早く到達でき、接点2を開くときに接点間で発生するアークを消弧できるため、直流用スイッチに好適である。
【0056】
以下、本発明をスライドスイッチに適用したスイッチ装置について概説する。ロッカースイッチに適用した
図1のスイッチ装置と同一又は類似の構成要素については説明を省略する。
図18はスイッチ装置の模式図であり、オン位置、中立状態、接触開始状態、オフ位置を示している。スイッチ装置は、開閉可能な複数の接点2と、接点2の開閉動作を切替える主スイッチ3と、主スイッチ3に接触した状態及び接触しない状態を有していて主スイッチ3を閉位置又は開位置に移動させる移動部材4と、移動部材4を介して主スイッチ3を閉位置又は開位置へ移動させる副スイッチ5と、を備えている。
【0057】
複数の接点2は、例えば可動接点及び固定接点を備えている。可動接点は、例えば復帰ばねであり、主スイッチ3が作用しないときは元の位置に復帰する。主スイッチ3、移動部材4、及び副スイッチ5は、いずれも所定の面上を滑動可能に構成される。また、副スイッチ5は移動部材4を付勢して移動部材4をオン位置又はオフ位置に移動する。副スイッチ5の付勢部材はオン位置及びオフ位置で座屈するように配設される。
【0058】
副スイッチ5がオン位置にあるときは(
図18の最左図参照)、副スイッチ5が移動部材4をオン位置に付勢する。移動部材4は主スイッチ3に接触した状態を維持し、主スイッチ3は接点2を閉じた状態に維持する。
【0059】
ユーザが副スイッチ5をオン位置からオフ位置へ操作し、副スイッチ5が滑動してオン位置とオフ位置の間の中立状態にあるときは(
図18の左中図参照)、移動部材4と主スイッチ3との間に隙間Cが形成され、移動部材4が主スイッチ3に接触しない状態にある。そのため、主スイッチ3の位置はオン位置にあり、主スイッチ3は接点2を閉じた状態に維持する。また、副スイッチ5の付勢部材13は座屈状態のまま圧縮し始める。
【0060】
副スイッチ5がさらに滑動してオフ位置に接近すると(
図18の右中図参照)、移動部材4が主スイッチ3との接触を開始する接触開始状態になる。移動部材4と主スイッチ3が接触すると、移動部材4の移動に応じて主スイッチ3が滑動し始める。また、副スイッチ5の付勢部材13は圧縮状態を解除して瞬時に反対側に座屈する。
【0061】
副スイッチ5が接触開始位置からさらに移動すると、副スイッチ5の付勢部材の付勢力で移動部材4が主スイッチ3を瞬時に矢印方向に移動させる。主スイッチ3が接点2の押圧を解除し、接点2が復帰して瞬時に開く(
図18の最右図参照)。副スイッチ5の付勢部材が移動部材4をオフ位置に付勢するため、移動部材4が主スイッチ3に接触した状態が維持され、主スイッチ3は接点2を開いた状態に維持する。
【0062】
なお、中立状態では、副スイッチ5の付勢部材が圧縮状態になる。圧縮されている付勢部材は元の状態に復帰しようとするので、スイッチ装置を中立状態に維持するのは難しく、副スイッチ5はオン位置又はオフ位置に維持される。そのため、中立状態が維持されることによるアークの影響を抑制できる。
【0063】
以上のように本発明はスライドスイッチにも適用可能である。同様に、本発明は押ボタンスイッチ等の他の形態のスイッチ装置にも適用可能であることに留意されたい。
【0064】
本明細書において種々の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において種々の変更を行えることを認識されたい。
【符号の説明】
【0065】
1、10 スイッチ装置; 2 接点; 3 主スイッチ; 3a 操作部; 3b 被操作部; 4 移動部材; 4a 操作部; 4b 被操作部; 5 副スイッチ; 6 可動接点; 7 固定接点; 8 本体; 9 付勢部材; 12 本体; 13 付勢部材; 15 ベース; 16 カバー; 17 内側ベース; 18 外側ベース; 19 内側カバー; 20 外側カバー; 21 スイッチモジュール; 30 カード; 30a 操作部; 30b 被操作部; 31 ボタン; 31a 操作部; 31b 被操作部; 32 磁石; 33 本体; 34 復帰ばね; 35 ベースブロック; 36 ケース; J1~J6 軸線