(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ネジ締付装置、ネジ締付システム、ネジ締付装置本体、およびソケット
(51)【国際特許分類】
B25B 21/00 20060101AFI20240522BHJP
B23P 19/06 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
B25B21/00 Q
B23P19/06 E
(21)【出願番号】P 2020127400
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2022-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500285923
【氏名又は名称】株式会社エスティック
(74)【代理人】
【識別番号】100125117
【氏名又は名称】坂田 泰弘
(74)【代理人】
【識別番号】100086933
【氏名又は名称】久保 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】浅野 大輔
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-238400(JP,A)
【文献】特開平02-088182(JP,A)
【文献】特開2014-065085(JP,A)
【文献】特開平05-111832(JP,A)
【文献】実開昭57-096735(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 21/00 - 23/18
B23P 19/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ締付装置本体とソケットとを有するネジ締付装置であって、
前記ソケットは、
前記ネジ締付装置本体を軸方向に連結するための第1の連結手段と、
前記軸方向と直交する平面の断面の形状が多角形である柱体である第1の嵌合部と、
を有し、
前記ネジ締付装置本体は、
前記ソケットを前記軸方向に連結するための第2の連結手段と、
ネジ締付駆動手段と、
前記ネジ締付駆動手段により回転駆動され、かつ、前記ソケット側の端部が前記平面の断面の形状およびサイズが前記第1の嵌合部のそれぞれと同一である多角柱体であるドライブシャフトと、
前記端部を囲うように前記端部の少なくとも一部分と常時、嵌合しており、前記ドライブシャフトと一体的に周方向に回転し、かつ、前記ソケットが前記軸方向に連結され前記第1の嵌合部の第1の位相と前記ドライブシャフトの第2の位相とが合ったタイミングで前記軸方向にスライドすることによって前記第1の嵌合部と嵌合する、第2の嵌合部と、
を有する、
ことを特徴とするネジ締付装置。
【請求項2】
前記第2の連結手段は、周に沿った溝を有しかつ前記端部に設けられた円柱体であり、
前記第1の連結手段は、前記第2の連結手段を挿入するための、前記第1の嵌合部の上面が開口した穴と、前記第2の連結手段が前記穴に挿入された後に前記溝に嵌める複数の球体と、前記複数の球体を前記溝へ押し当てる押当部と、前記押当部を移動させる移動手段と、を有する、
請求項1に記載のネジ締付装置。
【請求項3】
前記移動手段は、スプリングであって、伸びることによって、前記複数の球体を前記溝へ押し当てる押当位置へ前記押当部を移動させ、縮むことによって前記押当位置から前記押当部を退避させる、
請求項2に記載のネジ締付装置。
【請求項4】
前記ネジ締付装置本体は、前記第2の嵌合部と前記軸方向に連結されており、前記第2の嵌合部と前記第1の嵌合部とが前記第1の位相と前記第2の位相とが合わない状態で接触しながら前記第2の連結手段が前記穴に挿入される際に縮み、かつ、前記第1の位相と前記第2の位相とが合った際に伸びることによって前記第1の嵌合部と嵌合するように前記第2の嵌合部をスライドさせる第2のスプリングを有する、
請求項
2に記載のネジ締付装置。
【請求項5】
前記ネジ締付装置本体は、前記第2の嵌合部と前記軸方向に連結されており、前記第2の嵌合部と前記第1の嵌合部とが前記第1の位相と前記第2の位相とが合わない状態で接触しながら前記第2の連結手段が前記穴に挿入される際に縮み、かつ、前記第1の位相と前記第2の位相とが合った際に伸びることによって前記第1の嵌合部と嵌合するように前記第2の嵌合部をスライドさせる第2のスプリングを有する、
請求項
3に記載のネジ締付装置。
【請求項6】
請求項
5に記載されるネジ締付装置と、前記ソケットを着脱するためのソケットチェンジユニットと、前記ネジ締付装置本体を移動させるロボットと、を有するネジ締付システムであって、
前記押当部は、第1の方向に移動することによって前記スプリングを伸ばし第2の方向に移動することによって前記スプリングを縮ませる突条部を有し、
前記ソケットチェンジユニットは、
前記ソケットを支持する支持部と、
前記ソケットが前記支持部に支持されながら移動するのに伴って前記突条部が前記第1の方向または前記第2の方向に移動するように案内するガイド部と、
を有し、
前記ソケットが前記支持部に支持されているときに前記ネジ締付装置本体に前記ソケットを装着する場合に、
前記ロボットは、前記軸方向に前記ソケットと連結されるように前記ネジ締付装置本体を移動させ、前記突条部が前記ガイド部に案内されて前記第1の方向に移動するように前記ネジ締付装置本体を移動させ、前記ソケットに備わる工具が締付対象物に押し当てられるように前記ネジ締付装置本体を移動させ、
前記ネジ締付駆動手段は、前記工具が前記締付対象物に押し当てられているときに前記ドライブシャフトを回転駆動させる、
ことを特徴とするネジ締付システム。
【請求項7】
前記ソケットを前記ネジ締付装置本体から外す場合に、前記ロボットは、前記突条部が前記ガイド部に案内されて前記第2の方向に移動するように前記ネジ締付装置本体を移動させ、前記軸方向に前記ソケットから離れるように前記ネジ締付装置本体を移動させる、
請求項
6に記載のネジ締付システム。
【請求項8】
軸方向と直交する平面の断面の形状が多角形である柱体である第1の嵌合部を有するソケットの着脱が可能なネジ締付装置本体であって、
前記ソケットを前記軸方向に連結するためのソケット連結手段と、
ネジ締付駆動手段と、
前記ネジ締付駆動手段により回転駆動され、かつ、前記ソケット側の端部が前記平面の断面の形状およびサイズが前記第1の嵌合部のそれぞれと同一である多角柱体であるドライブシャフトと、
前記端部を囲うように前記端部の少なくとも一部分と常時、嵌合しており、前記ドライブシャフトと一体的に周方向に回転し、かつ、前記ソケットが前記軸方向に連結され前記第1の嵌合部の第1の位相と前記ドライブシャフトの第2の位相とが合ったタイミングで前記軸方向にスライドすることによって前記第1の嵌合部と嵌合する、第2の嵌合部と、
を有することを特徴とするネジ締付装置本体。
【請求項9】
前記ソケット連結手段は、周に沿った溝を有しかつ前記端部に設けられた円柱体である、
請求項
8に記載のネジ締付装置本体。
【請求項10】
請求項
9に記載されるネジ締付装置本体への着脱が可能なソケットであって、
前記ネジ締付装置本体を軸方向に連結するための本体連結手段と、
前記軸方向と直交する平面の断面の形状が多角形である柱体である嵌合部と、
を有し、
前記本体連結手段は、前記ネジ締付装置本体の前記ソケット連結手段を挿入するための、前記嵌合部の上面が開口した穴と、前記ソケット連結手段が前記穴に挿入された後に前記ソケット連結手段の前記溝に嵌める複数の球体と、前記複数の球体を前記溝へ押し当てる押当部と、前記押当部を移動させるスプリングと、を有し、
前記押当部は、第1の方向に移動することによって前記スプリングを伸ばし第2の方向に移動することによって前記スプリングを縮ませる突条部を有する、
ことを特徴とするソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネジ締付装置におけるソケットの着脱の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場の生産ラインにおけるワークのネジ締めのためにネジ締付装置が用いられている。ネジ締付装置は、一般に「ナットランナ」などと呼ばれることがある。
【0003】
生産ラインの省力化のために、直交ロボットまたはスカラロボットなどの産業用ロボットがしばしば用いられる。産業用ロボットによってネジ締付装置をワークの位置まで移動させ、ネジ締付装置にネジ締めを実行させる。
【0004】
締付の対象のネジが単一であれば、ネジ締付装置のソケットを交換する必要がない。しかし、近年、同一の生産ラインにおいて、様々な製品を取り扱う機会が増加しており、ソケットを適宜、交換しながらネジ締めが行われる機会が増加している。
【0005】
ネジ締付装置のソケットを交換する技術として、シリンダ等のアクチュエータを有するソケット着脱機構またはソケット自動交換装置によってソケットを交換する方法が提案されている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平2-110437号公報
【文献】特開平2-88182号公報
【文献】特開平9-29558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、従来、ソケットを保持するための保持部がネジ締付装置本体に備わっており、ナットランナ軸に係合する多角形軸が保持部に設けられ、この多角形軸を嵌め込むための多角形穴がソケットに設けられていることが多い。
【0008】
このような場合に、前述のような従来の技術では、ソケットをネジ締付装置本体に装着する際に、多角形軸および多角形穴の位相を合わせるためにナットランナ軸を回転させる必要があるので、一定の時間を要する。
【0009】
また、近年、生産設備の小型化または効率的な運用のため、限られた台数のネジ締付装置で多種のナットまたはボルトなどのネジの締付を実現することが、要求されている。生産のスピードをできるだけ落とさずにこの要求に応えるには、締付の作業の時間の短縮が必要である。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑み、ネジ締付装置におけるソケットの着脱に掛かる時間を従来よりも短縮することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一形態に係るネジ締付装置は、ネジ締付装置本体とソケットとを有するネジ締付装置であって、前記ソケットは、前記ネジ締付装置本体を軸方向に連結するための第1の連結手段と、前記軸方向と直交する平面の断面の形状が多角形である柱体である第1の嵌合部と、を有し、前記ネジ締付装置本体は、前記ソケットを前記軸方向に連結するための第2の連結手段と、ネジ締付駆動手段と、前記ネジ締付駆動手段により回転駆動され、かつ、前記ソケット側の端部が前記平面の断面の形状およびサイズが前記第1の嵌合部のそれぞれと同一である多角柱体であるドライブシャフトと、前記端部を囲うように前記端部の少なくとも一部分と常時、嵌合しており、前記ドライブシャフトと一体的に周方向に回転し、かつ、前記ソケットが前記軸方向に連結され前記第1の嵌合部の第1の位相と前記ドライブシャフトの第2の位相とが合ったタイミングで前記軸方向にスライドすることによって前記第1の嵌合部と嵌合する、第2の嵌合部と、を有する。
【0013】
または、前記第2の連結手段は、周に沿った溝を有しかつ前記端部に設けられた円柱体であり、前記第1の連結手段は、前記第2の連結手段を挿入するための、前記第1の嵌合部の上面が開口した穴と、前記第2の連結手段が前記穴に挿入された後に前記溝に嵌める複数の球体と、前記複数の球体を前記溝へ押し当てる押当部と、前記押当部を移動させる移動手段と、を有する。
【0014】
または、前記移動手段は、スプリングであって、伸びることによって、前記複数の球体を前記溝へ押し当てる押当位置へ前記押当部を移動させ、縮むことによって前記押当位置から前記押当部を退避させる。
【0015】
または、前記ネジ締付装置本体は、前記第2の嵌合部と前記軸方向に連結されており、前記第2の嵌合部と前記第1の嵌合部とが前記第1の位相と前記第2の位相とが合わない状態で接触しながら前記第2の連結手段が前記穴に挿入される際に縮み、かつ、前記第1の位相と前記第2の位相とが合った際に伸びることによって前記第1の嵌合部と嵌合するように前記第2の嵌合部をスライドさせる第2のスプリングを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、ネジ締付装置におけるソケットの着脱に掛かる時間を従来よりも短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ネジ締付システムの全体的な構成の例を示す図である。
【
図2】ネジ締付装置の組合せのバリエーションの例を示す図である。
【
図3】軸P1を含む平面でネジ締付装置本体の一部を切った断面の例を示す図である。
【
図5】軸P1を含む平面でソケットを切った断面の例を示す図である。
【
図8】ソケット2のアンロック状態における断面図である。
【
図9】ソケットの装着の際のネジ締付装置本体およびソケットそれぞれの遷移の例を説明するための図である
【
図10】ソケットの装着の際のネジ締付装置本体およびソケットそれぞれの遷移の例を説明するための図である
【
図12】ソケットチェンジユニットの例を示す図である。
【
図13】ソケットチェンジユニットへのソケットのセッティングの例を示す図ある。
【
図14】直交ロボットによるソケットの装着の際のネジ締付装置本体およびソケットそれぞれの遷移の例を説明するための図である。
【
図15】直交ロボットによるソケットの装着の際のネジ締付装置本体およびソケットそれぞれの遷移の例を説明するための図である。
【
図16】ネジ締付システムの全体的な構成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、ネジ締付システム6の全体的な構成の例を示す図である。
図2は、ネジ締付装置1の組合せのバリエーションの例を示す図である。
【0019】
図1に示すように、ネジ締付システム6は、ネジ締付装置1、ソケットチェンジユニット3、直交ロボット4、および制御装置5などを有する。
【0020】
ネジ締付装置1は、ネジ締付装置本体10およびソケット2によって構成され、ナットまたはボルトなどのネジを締め付ける。主に自動でネジを締付けるために用いられるものは、一般に「ナットランナ」または「自動締結機」と呼ばれることがある。以下、種々の規格のナット7をワークに締め付けるためにネジ締付システム6が用いられる場合を例に説明する。
【0021】
ネジ締付装置1は、ネジ締付装置本体10にソケット2が装着されて使用される。ソケット2がナット7に嵌合した状態でネジ締付装置本体10が回転駆動することによって、ナット7がワークに締め付けられる。
【0022】
ソケット2は、ナットまたはボルトなどのネジの頭部または外形などに嵌合し、ネジ締付装置本体10の回転駆動による動力(トルク)をネジに伝達する。一般に、「クイックチャック」または「クイックチェンジチャック」などと呼ばれることがある。
【0023】
図2に示すように、ナット7の規格ごとに応じたソケット2が用意されている。以下、規格_A、規格_B、規格_C、…それぞれのナット7を「ナット7A」、「ナット7B」、「ナット7C」、…と記載する。また、規格_A、規格_B、規格_C、…それぞれに応じたソケット2を「ソケット2A」、「ソケット2B」、「ソケット2C」、…と記載する。これらのソケット2の中から、ワークに締め付けるナット7の規格に応じたものが選出され、ネジ締付装置本体10に装着される。さらに必要に応じて、あるソケット2から他のソケット2へ付け替えられる。
【0024】
図1に戻って、ソケットチェンジユニット3は、ソケット2の着脱(脱着)のために用いられる機具であって、複数、所定の位置に配置されている。以下、各ソケットチェンジユニット3を「ソケットチェンジユニット3A」、「ソケットチェンジユニット3B」、…と区別して記載することがある。各ソケットチェンジユニット3には、ナット7に応じて、これらのソケット2のうちのいずれか1つがセットされる。
【0025】
例えば、第1の製品および第2の製品が1つまたは複数個ごとに交互にネジ締付システム6のところへ流れてきて、第1の製品にナット7Aを締め付け、第2の製品にナット7Bを締め付ける必要がある場合は、ソケットチェンジユニット3Aおよび3Bそれぞれにソケット2Aおよび2Bをセットしておく。
【0026】
直交ロボット4は、X、Y、およびZの各軸に平行に移動するロボットである。直交ロボット4は、ネジ締付装置本体10を所定の空間内の任意の位置に移動させることによって、ナット7に応じたソケット2をネジ締付装置本体10に装着させたり、ネジ締付装置本体10をワーク上の所定の位置に配置したりする。
【0027】
制御装置5は、ネジ締付装置本体10および直交ロボット4を制御するためのコンピュータを含む装置である。
【0028】
このように、ネジ締付システム6は、直交ロボット4にネジ締付装置本体10などを組み合わせて構成される産業用ロボットである。また、生産ラインを止めることなくかつ従来よりも速くソケット2を交換しながらナット7の締付けを行うことができる。以下、この仕組みについて説明する。
【0029】
〔ネジ締付装置本体10およびソケット2の構成〕
図3は、軸P1を含む平面でネジ締付装置本体10の一部を切った断面の例を示す図である。
図4は、
図3のA-A矢視断面図である。
【0030】
ネジ締付装置本体10は、
図3に示すように、ソケットアッセンブリ部11および駆動部17を有する。
【0031】
ソケットアッセンブリ部11は、連結駆動部材12、スリーブ13、およびスプリング14を有する。
【0032】
連結駆動部材12は、回転方向連結部材121および軸方向連結部材122によって構成される。
【0033】
回転方向連結部材121は、いわゆるナットランナ軸である軸P1を中心にソケット2を回転させるためのドライブシャフトであって、上部121a、フランジ121b、および下部121cが一体に形成されたものである。
【0034】
上部121aは、円柱状であり、駆動部17の出力軸に連結されている。下部121cは、軸方向連結部材122に連結されている。
図3および
図4から分かるように、下部121cの形状は、正六角柱である。つまり、下部121cの外周面121cSは、断面が正六角形である。なお、断面が正方形または正八角形など他の正多角形まであってもよいし、その他の非円形であってもよい。以下、正六角形である場合を例に説明する。フランジ121bは、円環状であって、上部121aと下部121cとの間に設けられている。
【0035】
軸方向連結部材122は、ネジ締付装置本体10から抜け落ちないようにソケット2を支持するための円柱状の部材である。軸方向連結部材122の上端は、回転方向連結部材121の下端に同軸上に固定されている。軸方向連結部材122の外周面には、外周に沿って溝122aが設けられている。
【0036】
スリーブ13は、スリーブ本体131およびフランジ132からなる。スリーブ本体131は、円柱状であって、上面から下面へ正六角柱状の孔131aが設けられ、これにより、断面が正六角形の内周面131Sが形成されている。フランジ132は、円環状であって、スリーブ本体131の外周面に設けられている。
【0037】
スリーブ13は、連結駆動部材12の回転方向連結部材121の下部121cに相対回転不能になるように嵌められている。そして、下部121cの外周面121cSに沿って上下にスライドすることができる。
【0038】
スプリング14は、コイルバネであって、回転方向連結部材121のフランジ121bとスリーブ13のフランジ132との間に、スリーブ本体131の上部の外周面を取り巻くように設けられている。スプリング14は、その両端部がフランジ121bおよびフランジ132の端面にそれぞれ固定されており、これによって、スリーブ13の抜け止めおよび落下防止がなされている。
【0039】
スプリング14は、スリーブ13のスライド移動に応じて伸縮する。ソケット2がネジ締付装置1に装着されていないときは、スプリング14は、
図3に示すように下部121cの下面よりも低い位置まで伸張した状態である。以下、この状態がスプリング14の自然長であるものとして説明する。スプリング14が自然長であるとき、下部121cの下面とスプリング14の下端との距離は、後述するソケットホルダ20の上部201の外周面201S(
図5参照)の高さと同じであり、または、1ミリメートル程度長いか短い。スプリング14は、ソケット2が装着される際に圧縮される。これについては、後述する。
【0040】
駆動部17は、モータ、減速ギア、および出力軸などを有し、連結駆動部材12を次のように回転させる。
【0041】
モータは、制御装置5による制御に基づいて減速ギアを介して出力軸を回転駆動する。出力軸は、連結駆動部材12の回転方向連結部材121と連結されている。よって、出力軸がモータの動力によって回転すると、連結駆動部材12も一体に回転する。
【0042】
なお、回転方向連結部材121と軸方向連結部材122とが一体に構成されていてもよい。また、回転方向連結部材121と駆動部17の出力軸とが一体に構成されていてもよい。回転方向連結部材121および軸方向連結部材122がインナーチューブのようにチューブ状に形成されていてもよい。
【0043】
図5は、軸P1を含む平面でロック状態でソケット2を切った断面の例を示す図である。
図6は、
図5のB-B矢視断面図である。
図7は、
図5のC-C矢視断面図である。
図8は、ソケット2のアンロック状態における断面図である。
【0044】
ソケット2は、
図5、
図6、または
図7に示すように、ソケットホルダ20、ソケット工具21、スリーブ22、複数の鋼球23、およびスプリング24を有する。
【0045】
ソケットホルダ20は、上から順に上部201、フランジ202、中央部203、および下部204が一体に形成されたものである。上部201の上面が開口し、上部201~下部204には、中心部に円柱状の穴201aが設けられている。これにより、断面円形の内周面201aSが形成される。穴201aには、ソケットアッセンブリ部11の連結駆動部材12の軸方向連結部材122が挿入され得る。
【0046】
上部201の外周面201Sの断面形状は、正六角形である。上述の通り、回転方向連結部材121の下部121cの断面形状も正六角形であり、孔131aの内周面131Sの断面形状と同じ正六角形である。これらの断面形状が正六角形でありかつ同じ大きさであることによってトルクが伝達され、しかも、軸方向への互いのスライド移動が可能である。なお、これら内周面131Sと外周面121cS、201Sとの間は、スライド移動を容易にし、かじりつきを防止するために、適当なクリアランスが設けられる。また、挿入を容易にするために、それぞれの端面に適当な面取りが施される。
【0047】
中央部203の外周面203Sおよび下部204の外周面それぞれの断面形状は、いずれも円形である。フランジ202の形状は、円環状である。
【0048】
中央部203の上端付近には、外周面から軸P1へ向かって孔203bが複数、設けられている。それぞれの孔203bには鋼球23が1つずつ入っている。孔203bの軸P1側の開口部の直径は、鋼球23の直径よりも短くなっている。したがって、鋼球23の一部分だけ穴201aに出現することができるが、鋼球23が開口部を通過して穴201aへ落ちることがない。鋼球23の個数は2ないし4であり、またはそれ以上であるが、スリーブ22の強度が維持される範囲で多い方が好ましい。
【0049】
ソケット工具21は、全体として円柱状であり、スライド部211、つば部212、ボス部213、および下部214を有する。
【0050】
スライド部211は、円筒状であり、その内周面211aSにはソケットホルダ20の下部204が嵌入して固定され一体化される。外周面211Sは、フランジ202の外周面と同一の直径を有する同心の円形断面を有する。
【0051】
つば部212およびボス部213は、それぞれ断面円形の外周面を有する。下部214には、その下端面に、当該ソケット2の規格に応じた寸法形状の凹部214aが設けられている。凹部214aは、内周面214Sが例えば正六角形であり、内周面214Sの各面がナット7の外周の各面と位置が(位相)が一致した状態でナット7が挿入される。そして、トルクがソケット工具21からナット7へ伝達される。
【0052】
スリーブ22は、スリーブ本体221、フランジ222、および突条部223が一体に形成されたものである。
【0053】
スリーブ本体221は、上面から下面へ孔221aを有する円筒であって、孔221aによって断面円形の内周面221Sが形成されている。
【0054】
フランジ222は、スリーブ本体221の下方の外周面に設けられており、外側に向かって下に傾くテーパ面222Sを有する。突条部223は、円環状であって、スリーブ本体221の内周面221Sの上方に設けられている。
【0055】
スリーブ本体221の内周面221Sは、フランジ202の外周面および中央部203の外周面203Sに沿って軸方向にスライド移動が可能であり、スライド移動の範囲の上端において突条部223がフランジ202の端面に当接してストッパの役目を果たす。このとき、突条部223は孔203bの位置にあって、鋼球23を軸P1に向かって押し付ける。
【0056】
スプリング24は、コイルバネであって、突条部223とスライド部211との間に、中央部203の外周面203Sを取り巻くように設けられている。
【0057】
スプリング24は、スリーブ22の軸方向にスライド移動に応じて伸縮する。スプリング24は、常時は、その付勢力によってスリーブ22を上方に押し上げ、突条部223がフランジ202に当たって位置決めされている。このとき、突条部223が孔203bの外周側の開口部を塞いで鋼球23を軸P1側へ押す。これにより、鋼球23の一部分が穴201aに出現する。
【0058】
スリーブ22が下方へスライド移動すると、
図8のように、孔203bの外周側の開口部が開放されるので、鋼球23が孔203bから外周側へ完全に退避可能になる。
【0059】
ソケット2がソケットチェンジユニット3にセットされていないときは、スプリング24は、
図5に示すように突条部223がフランジ202に接触する位置まで伸張した状態である。スプリング24は、ソケット2がソケットチェンジユニット3にセットされる際に圧縮される。これについては、後述する。
【0060】
〔ソケット2の着脱〕
図9および
図10は、ソケット2の装着の際のネジ締付装置本体10およびソケット2それぞれの遷移の例を説明するための図である。
図11は、
図9(A)のD-D矢視断面図である。
【0061】
ソケット2の着脱は、作業者が手動で行うこともできるし、直交ロボット4およびソケットチェンジユニット3によって自動で行うこともできる。まず、前者の場合について、
図9~
図10などを参照しながら説明する。
【0062】
作業者は、
図9(A)のようにソケット2のスリーブ22を下げた状態で、ソケット2の穴201aへネジ締付装置本体10の軸方向連結部材122を挿入し始める。なお、穴201aの開口部および軸方向連結部材122の下面はともに円形なので、挿入の際に作業者は、多角形の場合のように位相合わせつまり回転角度の位置合わせを行う必要がない。
【0063】
スリーブ13の孔131aの開口部およびソケットホルダ20の上部201の上面がともに六角形なので、
図11に示すように、両者の位相が合わないことが多い。すると、軸方向連結部材122の挿入の途中で、上部201の上面の一部が孔131aの開口縁の一部分に当たり、上部201が孔131aへ挿入されないことがある。したがって、当たった後、軸方向連結部材122の挿入を続けると、上部201の上面によりスリーブ13が上方へ押され、これによりスリーブ13がスライド移動し、スプリング14が縮まってスリーブ13とフランジ121bとが接近する。
【0064】
軸方向連結部材122が穴201aの中に完全に挿入されると、すべての鋼球23が上部201の軸方向連結部材122の溝122aを囲むように配置される。
【0065】
そして、作業者がスリーブ22を離すと、スプリング24が伸びてスリーブ22が上がり、突条部223が鋼球23を軸P1側へ押す。
【0066】
これにより、
図9(B)のように、鋼球23が溝122aに嵌り、ネジ締付装置本体10とソケット2とが軸P1方向に連結される。つまり、ソケット2が軸P1方向にロックされる。
【0067】
作業者は、さらに、ネジ締付装置本体10またはソケット2を、軸P1を中心に回転させる。すると、
図10(A)のように孔131aの開口部の位相および上部201の上面の位相が合い、スプリング14が解放されスプリング14の伸びる力によって
図10(B)のように上部201が孔131aに挿入される。これにより、ネジ締付装置本体10とソケット2とが回転方向(周方向)に連結され、ネジ締付装置本体10の駆動部17の動力(トルク)がソケット2へ伝達されるようになる。
【0068】
また、作業者は、ネジ締付装置本体10からソケット2を外すときは、さらに、スリーブ22を押し下げることによって鋼球23を解放してソケット2をアンロックし、スリーブ22またはソケット2全体を押し下げることによって、軸方向連結部材122を穴201aから抜くとともに上部201を孔131aから抜く。
【0069】
図12は、ソケットチェンジユニット3の例を示す図である。
図13は、ソケットチェンジユニット3へのソケット2のセッティングの例を示す図ある。
図14および
図15は、直交ロボット4によるソケット2の装着の際のネジ締付装置本体10およびソケット2それぞれの遷移の例を説明するための図である。
【0070】
次に、直交ロボット4、ソケットチェンジユニット3、および制御装置5によるソケット2の着脱について説明する。
【0071】
ソケットチェンジユニット3は、
図12に示すように、脚部31、チェンジャベース32、背部33、および2本のガイドバー34を有する。
【0072】
脚部31上にチェンジャベース32が設けられている。チェンジャベース32は、真上から見るとU字の形状をしており、正面側から背面側へ2本の支持部321を有する。チェンジャベース32上の背面側に背部33が設けられている。背部33の正面に、2本のガイドバー34が設けられている。2本のガイドバー34は、背部33の付近は水平であるが、背部33から離れるに連れて徐々に支持部321との距離が長くなっていく。
【0073】
ソケット2は、
図13に示すように、ソケットチェンジユニット3に予めセットされる。具体的には、ボス部213が2本の支持部321の間に挟まれ、つば部212が2本の支持部321の上に架かり、かつ、フランジ222のテーパ面222Sが2本のガイドバー34の根本付近に接触するように、セットされる。
【0074】
ソケット2がソケットチェンジユニット3にセットされる前、スリーブ22は、
図5に示したように上方に位置する。しかし、セットされる際に、2本のガイドバー34の下面に沿ってフランジ222のテーパ面222Sがガイドバー34の根本へ案内されるので、徐々にスプリング24が縮みながら、スリーブ22は、
図8に示したように下方に移動する。
【0075】
直交ロボット4は、制御装置5からの指令に基づいて次のようにネジ締付装置本体10を動かす。直交ロボット4は、ソケット2の真上にネジ締付装置本体10を移動させ、ネジ締付装置本体10をソケット2に向かって降下させる。
【0076】
すると、ネジ締付装置本体10の軸方向連結部材122がソケット2の穴201aに挿入され、
図14(A)のようにネジ締付装置本体10とソケット2とが嵌合した状態になる。なお、挿入の途中で上部201の上面の一部が孔131aの開口縁の一部分に当たると(つまり、上面の位相と開口部の位相とが合わないと)、その後、スプリング14が縮まりながらスリーブ13とフランジ121bとが接近する。
【0077】
直交ロボット4は、ネジ締付装置本体10を2本の支持部321の先端方向へ水平に移動させる。移動中、スプリング24が伸びる力によってスリーブ22が徐々に上方へ移動し、
図14(B)のように可動範囲の最上部に位置決めされ、鋼球23が溝122aに嵌って軸方向に係合する(
図9(B)参照)。
【0078】
これにより、ネジ締付装置本体10の軸方向連結部材122とソケット2のソケットホルダ20とが軸P1方向に相対移動不能に連結される。このように、回転方向の動作を伴うことなく軸P1方向の結合(連結、ロック)が実現される。
【0079】
直交ロボット4は、
図15(A)のようにネジ締付装置本体10をソケット2とともにナット7の真上(締付位置)へ移動させる。そして、ネジ締付装置本体10の軸P1(ナットランナ軸)とナット7の中心とを一致させてネジ締付装置本体10をナット7に押し当て続ける。すると、スプリング14がさらに圧縮される。
【0080】
ここで、ネジ締付装置本体10は、制御装置5からの指令に基づいて駆動部17(
図3参照)のモータを駆動し始める。すると、モータの動力が、ネジ締付装置本体10の孔131aの開口縁とソケット2の上部201の上面との接触面に摩擦力を生じさせ、摩擦力によってソケット2が回転する。そして、下部214の凹部214aとナット7との位相(角の位置)が合い、凹部214aとナット7とが嵌合し、ナット7の締付が始まる。なお、嵌合前、駆動部17の出力軸(ナットランナ軸)の回転に伴って軸方向連結部材122が回転するが、ソケットホルダ20と軸方向連結部材122とは上述の通り鋼球23を介して繋がっており、回転方向にはそれらの間の摩擦力しか作用しないので、ナットランナ軸からソケットホルダ20へのトルクの伝達は、ごく僅かである。
【0081】
嵌合後も、ソケット2は回転し続けるが、嵌合前よりは回転動作が鈍くなる。また、ソケット2の回転方向と反対回りに反力が生じるので、上部201の上面と孔131aの開口縁との位相差が徐々に変化し、位相差がなくなる。すると、
図15(B)のように、スプリング14が解放され、スプリング14が伸びる力によってスリーブ13の内周面131Sに上部201の外周面201Sが嵌入する。これにより、ネジ締付装置本体10とソケット2とが回転方向に連結され、ネジ締付装置本体10の駆動部17の動力(トルク)がソケット2へ確実に伝達されるようになる。
【0082】
なお、上部201の上面と孔131aの開口縁との位相差がなくなりスリーブ13の内周面131Sが上部201の外周面201Sに嵌合した後に、凹部214aとナット7とが嵌合する場合がある。または、スリーブ13の下部と上部201との嵌合、および、凹部214aとナット7との嵌合が、ほぼ同時に実現される場合もある。
【0083】
そして、ネジ締付装置本体10は、ナット7の締付トルクが所定のトルク値になったら、駆動部17のモータを停止し、締付を終了する。
【0084】
引き続き、同じソケット2を使用して締付を行う場合は、直交ロボット4は、やや上へネジ締付装置本体10を移動させる。そして、新たなワークが流れてきたら、直交ロボット4およびネジ締付装置本体10は、そのワークのナット7の締付を行う。
【0085】
その後、ソケット2をネジ締付装置本体10から取り外す必要が生じたら、直交ロボット4は、ソケット2に対応するソケットチェンジユニット3のところへネジ締付装置本体10をソケット2とともに移動させる。具体的には、つば部212が2本の支持部321の上に架かるように、ネジ締付装置本体10とソケット2との結合体をそのソケットチェンジユニット3に載せる。そして、この結合体を背面側へ水平移動させる。
【0086】
水平移動の際に、フランジ222のテーパ面222Sが2本のガイドバー34に案内されることによってスリーブ22が下がる。これにより、
図8に示したように、鋼球23が自由になりソケット2がアンロックされる。そして、直交ロボット4は、ネジ締付装置本体10を上方へ移動させることによってソケット2から離脱させる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によると、ネジ締付装置本体10にソケット2を装着する際は、直交ロボット4は、ネジ締付装置本体10とソケット2との従来のような周方向(回転方向)の位相合わせを行うことなく、両者を軸方向(垂直方向)に連結してナット7すなわち締付対象のところまで移動させる。そして、この状態で、ネジ締付装置1が従来の締付動作すなわち回転駆動を行うことにより、ナット7の締付と同時並行的にネジ締付装置本体10とソケット2との回転方向の連結が実現される。
【0088】
したがって、ネジ締付システム6によると、ネジ締付装置本体10をソケット2に装着し締付を完了する時間を従来よりも短くすることができる。
【0089】
さらに、ネジ締付装置本体10のスリーブ13をスプリング14の伸縮によって動作させる。しかも、ソケット2との軸方向の連結の際に直交ロボット4が下方向へネジ締付装置1を移動させる力によって、スプリング14が圧縮される。また、ソケット2のスリーブ22をスプリング24の伸縮によって動作させる。しかも、ソケット2をソケットチェンジユニット3へ戻す際に直交ロボット4がネジ締付装置1を移動させる過程でガイドバー34にフランジ222が下方向へ案内されることによって、スプリング24が圧縮される。
【0090】
つまり、ネジ締付システム6によると、ソケット2の着脱の際にスリーブ13またはスプリング24に対して必要な動力は、直交ロボット4の動力および機械的構造によって得られ、専用のアクチュエータを別途用意する必要がない。したがって、締付設備の小型化または省スペース化を実現することができる。
【0091】
図16は、ネジ締付システム6’の全体的な構成の例を示す図である。
【0092】
ネジ締付システム6は、
図1に示したように、ネジ締付装置本体10および直交ロボット4を1組だけ有したが、複数組、有してもよい。例えば、
図15に示すネジ締付システム6’のように、2組のネジ締付装置本体10および直交ロボット4と、4組のソケット2およびソケットチェンジユニット3と、1台の制御装置5とを有してもよい。この場合において、4台のソケット2を2つのグループに分けて2台のネジ締付装置本体10それぞれがいずれか一方のグループのソケット2を専有してもよいし、4台のソケット2を2台のネジ締付装置本体10で共用してもよい。
【0093】
本実施形態では、直交ロボット4によってネジ締付装置本体10を移動させたが、スカラロボットまたは垂直多関節ロボットなどの他の種類のロボットによって移動させてもよい。
【0094】
本実施形態では、ネジを締め付ける場合を例に説明したが、ネジを緩める場合においてもネジ締付システム6、6’を使用することができる。
【0095】
本実施形態では、締付の対象物がナット7である場合を例に説明したが、ボルトまたはビスなどのネジが対象物である場合においてもネジ締付システム6、6’を使用することができる。この場合は、ボルトの規格ごとにソケット2を用意し、ビスの規格ごとにソケット2を用意しておき、締付の対象物に応じてソケット2を使い分ければよい。
【0096】
本実施形態では、ナット7の規格ごとにソケット2を用意したが、ソケット2の先端部分すなわち下部214を、工具の交換が可能なように構成してもよい。
【0097】
本実施形態では、ネジ締付装置本体10およびソケット2は、穴201aに挿入された軸方向連結部材122の溝122aに鋼球23が押し当てられることによって、軸方向に連結されたが、他の方法によって連結されてもよい。例えば、穴201aおよび軸方向連結部材122のそれぞれにマグネットを設け、磁力によって連結してもよい。または、ネジ締付装置本体10にバキューム機構を設け、ソケット2を吸着することによって連結してもよい。
【0098】
その他、ネジ締付システム6、6’、ネジ締付装置1、ネジ締付装置本体10、ソケット2、ソケットチェンジユニット3、直交ロボット4、制御装置5の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 ネジ締付装置
10 ネジ締付装置本体
13 スリーブ(第2の嵌合部)
14 スプリング(第2のスプリング)
17 駆動部(ネジ締付駆動手段)
121 回転方向連結部材(ドライブシャフト)
122 軸方向連結部材(第2の連結手段)
122a 溝
2 ソケット
201 上部(第1の嵌合部)
201a 穴(第1の連結手段)
203b 孔(第1の連結手段)
21 ソケット工具(工具)
222 フランジ(突条部)
223 突条部(押当部)
23 鋼球(第1の連結手段、球体)
24 スプリング(移動手段)
3 ソケットチェンジユニット
4 直交ロボット(ロボット)
32 チェンジャベース(支持部)
34 ガイドバー(ガイド部)
6 ネジ締付システム
P1 軸