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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
G07G1/00 301C
G07G1/00 301G
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022136961
(22)【出願日】2022-08-30
(62)【分割の表示】P 2018088731の分割
【原出願日】2018-05-02
(65)【公開番号】P2022164782
(43)【公開日】2022-10-27
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】石村 栄二
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-185676(JP,A)
【文献】特開2011-008812(JP,A)
【文献】特開2001-134838(JP,A)
【文献】特開2018-049531(JP,A)
【文献】特開2012-185580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売データ処理装置の本体部と、
前記本体部に設けられた、商品に関する登録情報を表示する、店員用表示部と、
前記本体部に設けられ、前記店員用表示部の一方の側面側の位置に設けられたプリンタと、を有し、
前記本体部は、当該本体部の横幅の半分以上を占めるとともに略均一の奥行を有する仮置き収納部を有し、
前記仮置き収納部は、前記本体部における前記プリンタが配置された一方端部と対向する他端部側に寄って配置された店員用表示部の中心よりも前記他端部側まで延在し、
店員による操作入力を受け付ける受付部を備え、
前記受付部は、前記店員用表示部に設けられ、前記店員用表示部よりも前方側に設けられておらず、
前記仮置き収納部は、前記店員用表示部を支持する支持部の前方側に隣接する
ことを特徴とする販売データ処理装置。
【請求項2】
販売データ処理装置の本体部と、
前記本体部に設けられた、商品に関する登録情報を表示する、店員用表示部と、
前記本体部に設けられ、前記店員用表示部の一方の側面側の位置に設けられたプリンタと、を有し、
前記本体部は、当該本体部の横幅の半分以上を占めるとともに略均一の奥行を有する仮置き収納部を有し、
前記仮置き収納部は、前記本体部における前記プリンタが配置された一方端部と対向する他端部側に寄って配置された店員用表示部の中心よりも前記他端部側まで延在し、
前記店員用表示部の下端は、前記プリンタの天面よりも下方に位置し、
前記仮置き収納部は、前記店員用表示部の下端の下方に位置する
ことを特徴とする販売データ処理装置
【請求項3】
前記店員用表示部は、当該店員用表示部の横幅の半分以上が前記本体部と重なり、
かつ、前記プリンタと重ならない位置にあるとともに、前記店員用表示部の横幅の半分以上が前記仮置き収納部の横幅の半分以上と重なる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の販売データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ホームセンターなどで、従業員は様々な業務の合間に、POS端末(販売データ処理装置)を使った業務(顧客が購入する商品の登録や精算など)を行う。他作業からPOS端末を使った精算業務等へ移る際に、他作業で使用していた道具(業務道具等)をどこかへ仮置きすることを要する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】意匠登録第1342386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的なPOS端末では、商品登録や精算に関連する構成要素を有するため、他作業で利用していた道具(業務道具等)を、POS端末の本体上に仮置きする場所がない、又は仮置きする場所の面積が比較的小さく、使い勝手や作業性が良好でない場合がある(例えば、特許文献1に記載の金銭登録機等参照)。
【0005】
ところで、一般的なPOS端末(金銭登録機)では、そのPOS端末の筐体(本体部)と、制御基板などを収容する制御基板ケースとが、コネクタや接続ケーブルを介して接続又は分離可能に構成されている。
しかしながら、POS端末の筐体(本体部)と、制御基板ケースとを分離させる時、コネクタや接続ケーブル等が分離の邪魔になり、メンテナンス性が良好でない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る販売データ処理装置は、少なくとも以下の構成を具備する。
販売データ処理装置の本体部と、
前記本体部に設けられた、商品に関する登録情報を表示する、店員用表示部と、
前記本体部に設けられ、前記店員用表示部の一方の側面側の位置に設けられたプリンタと、を有し、
前記本体部は、当該本体部の横幅の半分以上を占めるとともに略均一の奥行を有する仮置き収納部を有し、
前記仮置き収納部は、前記本体部における前記プリンタが配置された一方端部と対向する他端部側に寄って配置された店員用表示部の中心よりも前記他端部側まで延在し、
店員による操作入力を受け付ける受付部を備え、
前記受付部は、前記店員用表示部に設けられ、前記店員用表示部よりも前方側に設けられておらず、
前記仮置き収納部は、前記店員用表示部を支持する支持部の前方側に隣接する。
また、本発明に係る販売データ処理装置は、少なくとも以下の構成を具備する。
販売データ処理装置の本体部と、
前記本体部に設けられた、商品に関する登録情報を表示する、店員用表示部と、
前記本体部に設けられ、前記店員用表示部の一方の側面側の位置に設けられたプリンタと、を有し、
前記本体部は、当該本体部の横幅の半分以上を占めるとともに略均一の奥行を有する仮置き収納部を有し、
前記仮置き収納部は、前記本体部における前記プリンタが配置された一方端部と対向する他端部側に寄って配置された店員用表示部の中心よりも前記他端部側まで延在し、
前記店員用表示部の下端は、前記プリンタの天面よりも下方に位置し、
前記仮置き収納部は、前記店員用表示部の下端の下方に位置する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構造で、販売データ処理装置の本体部上に、比較的大きな仮置きスペースを有する販売データ処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の一例を示す斜視図である。
図2図1に示す販売データ処理装置の一使用例を示す図である。
図3図1に示した販売データ処理装置の一例を示す正面図である。
図4】販売データ処理装置の一例を示す背面図である。
図5】本発明の実施形態に係る販売データ処理理装置の一例を示す側面図である。
図6】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の断面の一例を示す概念図である。
図7】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の一例を示す上面図である。
図8】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の背面側からの斜視図である。
図9】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の一例を示す図、(a)は背面図、(b)は下斜め後方からの斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置のケーブル保持部の一例を示す図であり、(a)は上側からの斜視図、(b)は底側からの斜視図、(c)は側面の概念図である。
図11】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の動作の一例を示す図であり、(a)は販売データ処理装置の筐体部に制御基板ケースが収容され、接続用ケーブルのコネクタが制御基板ケースのコネクタに接続されている状態の一例を示す図、(b)は販売データ処理装置の制御基板ケースのコネクタから、接続用ケーブルが取り外され、コード保持部に接続用コードを収容した状態の一例を示す図、(c)は販売データ処理装置の本体部から制御基板ケースを取り外した状態の一例を示す図である。
図12】本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る販売データ処理装置の一例を示す概念図であり、(a)は斜視図、(b)は上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る販売データ処理装置(商品販売データ処理装置ともいう)は、販売データ処理装置の本体部と、本体部に設けられた、商品に関する登録情報を表示する、店員用表示部と、本体部に設けられ、店員用表示部よりも前方側に配置されたキー操作部と、本体部に設けられ、店員用表示部の一方の側面側の位置に設けられたプリンタと、を有する。販売データ処理装置の本体部は、プリンタの排紙口よりも前方側の領域を含み、当該領域から前記キー操作部の前記プリンタ側の端部まで延設され、前記キー操作部よりも横幅の大きい仮置き収納部を有する。
【0010】
以下、本発明の実施形態の一例を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
本発明の一実施形態に係る販売データ処理装置100は、例えば、商品の商取引に関するデータ処理装置であり、詳細には、商品に関する商品情報、金額、商品コード、顧客により購入された商品の登録情報等に関する処理を行う。
図1図8に示すように、本発明の一実施形態に係る販売データ処理装置の本体部100aは、キー操作部15、店員用表示部としての店員用操作表示部16、客用表示部17、プリンタ18、仮置き収納部30、本体部100aの平坦面部100fに設けられた金属板100p、スポンジ受けに配置されたスポンジSP(水分含有)等を有する。
図1図2において、右斜め下側を「前(手前側)」、左斜め上を「後(背面側)」、右斜め上を「右(右側)」、左斜め下を「左(左側)」として示している。
【0012】
販売データ処理装置100の本体部100aの略中央部には、店員用操作表示部16(店員用表示部)が設けられており、店員用操作表示部16は本体部100a上に柱状の支持部16bで支持されている。本実施形態では、店員用操作表示部16は、タッチパネル表示装置であるが、表示機能のみ有する表示装置であってもよい。店員用操作表示部16は、例えば、商品情報(商品名、商品コード、商品の金額等)、商品の登録情報(顧客による商品の購入履歴情報等)などを表示する。店員用操作表示部16は、規定の仰角範囲内で画面部分が傾斜可能に構成されている。また、店員用操作表示部16は、正面(前方)を基準方向として左右に規定の角度範囲内で回転可能に構成されている。本実施形態では、店員用操作表示部16は、画面の仰角が15°程度で、正面(前方)に向けて設定されている。
【0013】
また、本体部100aは、店員用操作表示部16よりも後ろ側の位置に、客用表示部17が設けられている。客用表示部17は、柱状の支持部17bで支持されている。客用表示部17は、顧客(客)に対して、購入した商品の合計金額などの情報を表示する。
客用表示部17は、規定の仰角範囲内で画面部分が傾斜可能に、また、正面(前方)を基準方向として左右に規定の角度範囲内で回転可能に構成されている。本実施形態では、客用表示部17は、画面の仰角が0°で、背面(後方)に向けて設定されている。
【0014】
また、本実施形態では、販売データ処理装置100の本体部100aにおいて、店員用操作表示部16の一方の側面側(左側)の位置にプリンタ18が設けられている。
プリンタ18は、例えば、顧客により購入された商品等の商品情報や合計金額等を印字したレシート、領収書、クーポン券などの用紙を発行する。
本実施形態では、プリンタ18の排紙口18hは、店員用操作表示部16の下端部と略同じ高さ位置に配置されており、用紙の排紙方向は正面方向(前方)である。プリンタ18の排紙口18hの僅かに下方には、用紙の排出方向に所定距離(数cm程度)だけ突出した突出保持部18sが設けられている。突出保持部18sは、プリンタ18から排紙された用紙を一時的に保持し、操作者の指により用紙を把持しやすいように構成されている。
【0015】
キー操作部15は、本体部100a上に設けられ、店員用操作表示部16よりも前方側に配置されている。
本実施形態では、キー操作部15は、メカキー(ハードウェアキー又はハードキーともいう)により構成されている。また、一般的なPOS端末装置では、80~90個程度のメカキーを有するが、本実施形態では、キー操作部15は、20~40個程度のメカキー、好ましくは35個程度のメカキーを有する。直感的な操作を可能とするように、操作に必要な有効メカキーのみを備えており、操作者が操作に困った場合であっても滞りがでないような構成となっている。詳細には、キー操作部15は、数字キー(1キー、2キー、…、9キー、0キー、00キー)、小計キー、現計キー、クリアキー、個キー、商品登録キー、などを有する。
また、本実施形態では、販売データ処理装置100の店員用操作表示部16は、商品の登録処理時、必要に応じてキー操作部15以外の機能を有するキーを操作可能に表示するように構成されているので、キー操作部15の操作キー数を一般的なPOS端末よりも低減した構造となっている。
【0016】
キー操作部15の右側には、磁気カードなどのカード情報を読み取るカードリーダCRが設けられている。
【0017】
本発明の実施形態では、図3に示したように、店員用操作表示部16は、所定の横幅16Lx、所定の縦長さ16Lzに形成されている。本実施形態では、縦長さ16Lzよりも横幅16Lxが長い。
キー操作部15は、店員用操作表示部16の横幅16Lxよりも短い横幅15Lxに規定されている。また、キー操作部15の左右端部のうちプリンタ側の端部15aが、店員用操作表示部16の左右両端部の間に位置するように配置されている(図3参照)。
【0018】
販売データ処理装置100の本体部100aは、プリンタ18の排紙口18hよりも前方側に、排紙口18hよりも低い高さの略平坦な領域又は傾斜した領域38(図1図7に示す点線で囲まれる領域)を有する。本体部100aは、その領域38からキー操作部15のプリンタ側の端部15aまで延設された、比較的大きな領域の仮置き収納部30(図1図7に示す2点鎖線で囲まれる領域)を有する。
仮置き収納部30には、例えば、コードリーダ90a(90)、ステープラ90b(90)、ペン90c(90)、他作業で利用していた道具(業務道具等)、小物、備品、金銭、貨幣などの物品90を比較的多く、容易に仮置きすることができる構造となっている(図2参照)。
また、本実施形態では、図6に示すように、仮置き収納部30は、キー操作部15の操作面15sよりも低い位置に設けられ、正面から背面側に向かって傾斜した傾斜面部30tを有する。また、本実施形態では、本体部100aの略中央付近に本体部100aの仮置き収納部30の後端部が位置しており、その位置に壁部30kが設けられている。
【0019】
また、本実施形態では、販売データ処理装置100の本体部100aは、プリンタ18の排紙口18hの直下に、凹部30eが設けられており、印鑑90d(90)、スタンプなどの物品90を配置可能な構造を有する。
【0020】
図1図3に示したように、本実施形態では、プリンタ18の排紙口18hよりも前方側に設けられた領域38は横幅38Lx(左右方向の幅)は所定長さに規定されている。仮置き収納部30の横幅30Lxは、その横幅38Lxよりも大きい長さに規定されている。
また、本実施形態では、仮置き収納部30の横幅30Lxは、キー操作部15の横幅15Lxよりも長くなるように設定されている。
また、店員用操作表示部16の一方端部(プリンタ側端部)から、仮置き収納部30の端部(キー操作部側の端部)までの長さdLxは、店員用操作表示部16の横幅16Lxよりも小さく、横幅16Lxの10%~50%の範囲、好ましくは、20%~40%、より好ましくは32%~33%程度の範囲内の数値であってもよい。
【0021】
また、販売データ処理装置100の本体部100aは、仮置き収納部30及びキー操作部15よりも正面側の全部又は一部分に平坦面部100fを有し、平坦面部100fに金属板100pを備える。また、平坦面部100fと仮置き収納部30が連設されているので、平坦面部100fを仮置きの領域として用いてもよい。
【0022】
また、販売データ処理装置100の本体部100aの前面左端部付近には、貨幣、クーポン券等の用紙を一時的に挟持可能な挟持部9が設けられている。
【0023】
また、図1図2図3図4図8に示すように、販売データ処理装置100の背面部底部には、カバーCVが着脱自在に設けられており、カバーCVを取り外すと、図9に示すように、コネクタcが露出する。
詳細には、図9は販売データ処理装置100の一例を示す図であり、詳細には図9(a)は背面図、図9(b)は下斜め後方からの斜視図である。
【0024】
本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100は、本体部100aと、制御部が収容された制御基板ケースとが分離可能に構成されている。
【0025】
図10は販売データ処理装置100のケーブル保持部の一例を示す図である。詳細には、図10(a)は上側からの斜視図、図10(b)は底側からの斜視図、図10(c)は側面の概念図である。
図11は販売データ処理装置100の動作の一例を示す図である。図10(a)は販売データ処理装置の筐体部に制御基板ケースが収容され、接続用ケーブルのコネクタが制御基板ケースのコネクタに接続されている状態の一例を示す図、(b)は販売データ処理装置の制御基板ケースのコネクタから、接続用ケーブルが取り外され、コード保持部に接続用コードを収容した状態の一例を示す図、(c)は販売データ処理装置の本体部から制御基板ケースを取り外した状態の一例を示す図である。
図12は本発明の実施形態に係る販売データ処理装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【0026】
販売データ処理装置100の本体部100aは、背面壁部100awに開口部100hを有する(図11参照)。販売データ処理装置100は、この本体部100aの開口部100hを介して、本体部100a内に収容自在に、且つ水平方向に移動自在に設けられた、制御基板110を保持する制御基板ケース150を備える。
制御基板ケース150は、本体部100aの背面側に設けられた開口部100hを覆うケース背面壁部150wを有する。ケース背面壁部150wは、少なくとも、本体部100aに設けられたキー操作部15、店員用表示部(店員用操作表示部16)の一方又は両方に接続用ケーブル8を介して接続可能なコネクタcを有する(図9図11等参照)。本体部100aの背面壁部100awは、制御基板ケース150のケース背面壁部150wの移動経路と重ならない位置に、接続用ケーブル8を保持するケーブル保持部7を有する(図9図10図11等参照)。
詳細には、ケーブル保持部7は、販売データ処理装置100の本体部100aの背面壁部100awの開口部100hよりも上方位置に設けられている。
【0027】
ケーブル保持部7は、販売データ処理装置100の本体部100aの背面壁部100awに接続、固定される端部7aから延出し、断面略L字形状に形成され、先端部7cが上方に向けて延出した形状に形成されている(図10参照)。また、ケーブル保持部7は、接続用ケーブル8やその先端に設けられているコネクタ8cが、ケーブル保持部7から落ち難い構造となっている。
また、図10に示すように、ケーブル保持部7には、1つ又は複数の切欠部7uが設けられており、接続用ケーブル8をケーブル保持部7から取り出すときに、切欠部7uから指を入れて、接続用ケーブル8を取り出しやすい形状に形成されている。
【0028】
図12に示すように、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100は、制御部11(CPU)と、ROM、RAM、ストレージ等の記憶部12(記憶手段)と、上位管理装置(コンピュータ)と有線式又は無線式の通信路を介してデータ通信可能な通信部13と、インタフェース14(I/F)と、キー操作部15(ハードキー)、店員用操作表示部16、客用表示部17、プリンタ18などを有する。
本実施形態では、制御部11(CPU)と、記憶部12(記憶手段)と、通信部13と、インタフェース14(I/F)とは、バスなどの通信線20を介して接続されている。
また、本実施形態では、制御基板110に、制御部11(CPU)、記憶部(記憶手段)12、通信部13、インタフェース14(I/F)などが設けられている。制御基板110は、制御基板ケース150内に収容されている。
キー操作部15(ハードキー)、店員用操作表示部16、客用表示部17、プリンタ18などは、販売データ処理装置100の本体部100aに設けられており、各接続用ケーブル8やその先端に設けられているコネクタ8cを介して、それぞれに対応するコネクタc(制御基板ケース150の背面に設けられているコネクタ)に着脱自在に設けられている。
【0029】
販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)から、制御基板ケース150を取り外す動作の一例を説明する。
【0030】
図11(a)に示すように、販売データ処理装置100の本体部100aに設けられた、キー操作部15(ハードキー)、店員用操作表示部16、客用表示部17、プリンタ18などは、販売データ処理装置100の本体部100aの背面壁部100aw、又は背面壁部100aw付近に設けられたケーブル用の開口部100ha(図9(b)、図11参照)を通って、接続用ケーブル8及びコネクタ8cにより、制御基板ケース150に設けられたコネクタcに電気的に接続されている。
【0031】
図11(b)に示したように、例えば、メンテナンス時、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)の背面部の開口部100hから、制御基板ケース150を取り外す際に、まず、制御基板ケース150のコネクタcから、接続用ケーブル8及びコネクタ8cを分離させる。
しかしながら、本体部100aから制御基板ケース150を水平に引き出す際に、接続用ケーブル8の冗長な部分が邪魔になるので、接続用ケーブル8やコネクタ8cをケーブル保持部7上に移動させ、ケーブル保持部7により、接続用ケーブル8やコネクタ8cを保持させる。
【0032】
次に、図11(c)に示したように、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)の背面側の開口部100hから、制御基板ケース150を取り外し、所定のメンテナンス等を行う。
【0033】
制御基板ケース150を、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)へ収納する場合には、上述した工程を逆順に行うことで、図11(b)、図11(a)に示したように、制御基板ケース150を、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)に収納され、制御基板ケース150のコネクタcに、接続用ケーブル8やコネクタ8cを接続させる。
【0034】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100(POS端末、又は金銭登録機ともいう)は、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)と、本体部100aに設けられた、商品に関する登録情報を表示する、店員用表示部(店員用操作表示部16)と、本体部100aに設けられ、店員用表示部(店員用操作表示部16)よりも前方側に配置されたキー操作部15と、本体部100aに設けられ、店員用表示部(店員用操作表示部16)の一方の側面側の位置に設けられたプリンタ18とを有する。販売データ処理装置100の本体部100aは、プリンタ18の排紙口18hよりも前方側の領域38を含み、当該領域38からキー操作部15のプリンタ側の端部15aまで延設され、キー操作部15よりも横幅の大きい仮置き収納部30を有する。
つまり、一般的なPOS端末と比較して、キー操作部15の横幅を短くし、店員用操作表示部16に重なる部分にまで、仮置き収納部30の収納スペースが延設されているので、仮置き収納部30に、物品を多数、容易に仮置きしておくことができる。
【0035】
詳細には、販売データ処理装置100の本体部100aの仮置き収納部30および領域38は、プリンタ18からレシート等の用紙が排紙される排紙口18hの位置よりも、低い位置に設けられている。操作者は、プリンタ18の排紙口18hよりも前方側の領域38が、排紙口よりも低い位置に設けられているので、プリンタ18の排紙口18hから排紙されるレシートなどの用紙を、容易に把持しやすい。また、本実施形態では、プリンタ18の排紙口18hよりも僅かに低い位置に、排紙口18hから排出される用紙の排出方向に突出した突出保持部18sが設けられているので、操作者は、プリンタ18の排紙口18hから排紙されるレシートなどの用紙を、容易に把持しやすい。
また、仮置き収納部30は、プリンタ18の排紙口18hよりも前方側の領域38を含み、当該領域38からキー操作部15のプリンタ側の端部15aまで延設された比較的大きな領域を有するので、コードリーダ90a、他作業で利用していた道具(業務道具等)、小物、ペン、ステープラ、備品、金銭などの物品を多数、容易に仮置きしておくことができる。
すなわち、簡単な構造で、販売データ処理装置100の本体部100a上に、比較的大きな仮置きスペースとしての仮置き収納部30を有する販売データ処理装置100を提供することができる。
【0036】
なお、仮置き収納部30は、業務用道具などの物品を仮置きすることができれば、上述した実施形態に限られるものではなく、例えば、引き出し構造であってもよいし、箱形状であってもよいし、本体部100aの任意の部分にあってもよい。
また、キー操作部15は、上述した実施形態では、メカキー(ハードキー)であったが、この実施形骸に限られるものではなく、タッチパネル表示装置(表示装置とキー操作部を兼ね備える)に表示されるソフトキーであってもよい。
【0037】
また、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100の本体部100aに設けられた仮置き収納部30は、キー操作部15の操作面15sよりも低い位置に設けられ、正面から背面側に向かって傾斜した傾斜面部30tを有する。
すなわち、簡単な構造で、仮置き収納部30の傾斜面部30t上に載置された業務用道具、小物、ペン、ステープラ、バーコードリーダ(2次元コードリーダ)等が、販売データ処理装置100の本体部100a外の手前側に転がり落ちることを防止することができ、仮置き収納部30は長時間それらを保持することができる。
また、本実施形態では、本体部100aの仮置き収納部30の後端部には、壁部30kが設けられており、この壁部30kは、本体部100aの略中央位置に設けられているので、仮置き収納部30の傾斜面部30t上に載置された業務用道具、小物、ペン、ステープラ、バーコードリーダ(2次元コードリーダ)等を、本体部100a外へ移動させることなく、長時間その載置位置に保持することができる。
【0038】
また、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100のキー操作部15は、店員用表示部(店員用操作表示部16)の横幅よりも短い横幅であり、キー操作部15の左右端部のうちプリンタ18側の端部15aが、店員用表示部(店員用操作表示部16)の左右両端部の間に位置するように構成されている。
すなわち、仮置き収納部30の収納スペースが大きく、仮置き収納部30に、物品を多数、容易に仮置きしておくことができる。
【0039】
また、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100の仮置き収納部30の横幅(左右方向の長さ)は、プリンタ18の排紙口18hから排出される用紙の横幅、具体的には、例えば、プリンタ18から発行されるレシートやクーポン券等の横幅よりも大きく、かつ、仮置き収納部30の奥行き(前後方向の長さ)は、キー操作部15の奥行き幅と略同一となるように構成されている。
すなわち、簡単な構造で、仮置き収納部30の収納スペースが大きく、仮置き収納部30に、物品を多数、容易に仮置きしておくことができる。
【0040】
また、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100の本体部100aは、仮置き収納部30及びキー操作部15よりも正面側の全部又は一部分に平坦面部100fを有し、平坦面部100fに金属板100pを備える。
すなわち、金属板100p上に貨幣、紙幣などの金銭を仮置きすることができ、本体部100aが傷つき難い。
また、本実施形態では、平坦面部100fと仮置き収納部30が連設されているので、平坦面部100fを仮置きの領域として用いてもよい。
また、平坦面部100fの金属板100p上で、領収書等に筆記してもよい。
【0041】
また、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100の仮置き収納部30は、平坦面部100fを含む。すなわち、平坦面部100fを含めた広い領域を、仮置き収納部30として使用することもできる。
【0042】
また、本発明の実施形態に係る販売データ処理装置100の本体部100aは、背面壁部100awに開口部100hを有する。販売データ処理装置100は、この本体部100aの開口部100hを介して、本体部100a内に収容自在に、且つ水平方向に移動自在に設けられた、制御基板110を保持する制御基板ケース150を備える。
制御基板ケース150は、本体部100aの背面側に設けられた開口部100hを覆うケース背面壁部150wを有する。ケース背面壁部150wは、少なくとも、本体部100aに設けられたキー操作部15、店員用表示部(店員用操作表示部16)の一方又は両方に接続用ケーブル8を介して接続可能なコネクタcを有する。本体部100aの背面壁部100awは、制御基板ケース150のケース背面壁部150wの移動経路と重ならない位置に、接続用ケーブル8を保持するケーブル保持部7を有する。
すなわち、簡単な構造で、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)と、制御基板ケース150とを分離させる時、接続用ケーブル8や接続用ケーブルの先端部のコネクタ8c等をケーブル保持部7で保持することで、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)と制御基板ケース150とを容易に分離させることができ、メンテナンス性が良好である。
また、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体)に、制御基板ケース150を挿入し組み込む場合、ケーブル保持部7が、接続用ケーブル8や接続用ケーブルの先端部のコネクタ8c等を保持しているので、容易に制御基板ケース150を本体部100a内に挿入することができる。
【0043】
また、販売データ処理装置100は、本体部100a(筐体)の開口部100hから本体部100a(筐体)内に、制御基板ケース150を水平方向にスライドしながら着脱自在な構造となっていてもよい。
【0044】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0045】
なお、キー操作部は、上述した実施形態に限られるものではなく、例えば、キー操作部15は、数字キーとファンクションキーを有する。数字キーは、同時に2つのキーを押下する可能性を下げるため、キートップの面積が比較的小さく、その他のファンクションキーは、キートップに機能名などの文字情報が表示されるため、キートップの面積が比較的大きく、形成されていてもよい。
【0046】
また、キー操作部15は、販売データ処理装置の本体部に対して着脱可能なメカキーであってもよい。キー操作部15は、例えば、35個のキーを有するキー操作部、84個のキーを有するキー操作部など、任意のキーの個数のキー操作部を準備しておき、操作形態等に応じて、所望のキー操作部を販売データ処理装置100の本体部100aに着脱自在に設けてもよい。
【0047】
また、制御基板ケース150は、制御基板ケース150を本体部100aから容易に引き出すため、ケースの背面側に突起部150t(つまみ)が設けられていてもよい。
また、制御基板ケース150は、側面部に水平方向に突起した突起部を有していてもよいし、販売データ処理装置100の本体部100a(筐体部)の内側面部には、その突起部を水平方向にガイドするガイド部を有していてもよい。
【0048】
ところで、特許文献1に記載のPOS端末(金銭登録機)では、店員用ディスプレイの前面側に、キーボードが配置されており、店員用ディスプレイ横幅とキーボードの横幅が略同じである。店員用ディスプレイの横側には、レシートなどが配置されるプリンタが設けられている。プリンタの前面側には、金銭を一時的に配置する吟味台が設けられている。しかしながら、POS端末(金銭登録機)の本体の吟味台に、業務道具等を仮置きする場合、スペースが比較的小さく、使い勝手や作業性が良好でない場合がある。
また、特許文献1に記載のPOS端末(金銭登録機)では、店員用ディスプレイとキーボードとの間に、小物、備品置き部分があるが、小さいスペースであり、比較的大きな業務道具などを仮置きし難いという問題がある。
また、プリンタの前方側のスペースに、業務道具等を仮置きした場合、例えば、プリンタから排紙されるレシートが業務道具等に接触する、プリンタから排紙されるレシート等を受け取り難い、などの問題がある。
本発明によれば、簡単な構造で、メンテナンス性の良好な販売データ処理装置を提供することができる。
【0049】
また、本発明の一実施形態に係る販売データ処理装置100は、図13(a)、図13(b)に示すように、店員用表示部(店員用操作表示部16)の前側にキー操作部(ハードウェアキー)やスポンジ受け、スポンジ等を取り除き、仮置き収納部30をさらに広くした態様であってもよい。図13(a)、図13(b)に示す例では、操作者(オペレータ)による操作入力は、販売データ処理装置100の店員用表示部(店員用操作表示部16)のタッチパネルを使って行われる。キー操作部(ハードウェアキー)が不要となるため、仮置き収納部30の面積を広げることができる。
また、販売データ処理装置100は、仮置き収納部30の所定の位置に、キー操作部が着脱自在に設けられる構造となっていてもよい。
また、異なるサイズのキー操作部を複数用意し、適宜、販売データ処理装置100の仮置き収納部30の所定の位置に、1つ又は複数のキー操作部が着脱自在に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0050】
7…ケーブル保持部
8…接続用ケーブル
8c…コネクタ
11…制御部(CPU)
12…記憶部
13…通信部
14…インタフェース(I/F)
15…キー操作部
15a…(キー操作部のプリンタ側の端部)
15s…操作面
16…店員用操作表示部(表示部又は操作表示部)
17…客用表示部
18…プリンタ(印字部)
18h…排紙口
30…仮置き収納部
30k…壁部
30t…傾斜面部
38…領域(プリンタの排紙口よりも前方側に設けられた領域)
100…販売データ処理装置(商品販売データ処理装置)
100a…本体部
100aw…背面壁部
100f…平坦面部
100h…開口部
100ha…開口部
100p…金属板
150…制御基板ケース
150w…ケース背面壁部
c…コネクタ
図1
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