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特許7492323ディスプレイパネル、3D表示装置及び3D HUD装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル、3D表示装置及び3D HUD装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/302 20060101AFI20240522BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20240522BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20240522BHJP
   G02B 27/01 20060101ALI20240522BHJP
   G02B 27/28 20060101ALI20240522BHJP
   G03B 35/00 20210101ALI20240522BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240522BHJP
   H04N 13/305 20180101ALI20240522BHJP
   H04N 13/317 20180101ALI20240522BHJP
   H04N 13/324 20180101ALI20240522BHJP
   H04N 13/346 20180101ALI20240522BHJP
   H04N 13/363 20180101ALI20240522BHJP
【FI】
G09F9/302 C
B60K35/00
B60K35/23
G02B27/01
G02B27/28
G03B35/00 A
G09F9/00 313
G09F9/00 361
H04N13/305
H04N13/317
H04N13/324
H04N13/346
H04N13/363
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019183895
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2020076969
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】62/741,887
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】10-2019-0011177
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】姜 柄敏
(72)【発明者】
【氏名】崔 倫善
(72)【発明者】
【氏名】南 東▲きょん▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 柱容
(72)【発明者】
【氏名】李 振鎬
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-186294(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0185963(US,A1)
【文献】特開2018-120191(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0009560(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0293394(US,A1)
【文献】特表2008-502004(JP,A)
【文献】特開2012-063556(JP,A)
【文献】特開2016-100902(JP,A)
【文献】特表2017-520968(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0110876(KR,A)
【文献】特開2012-194257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K35/00-37/06
G02B27/00-30/60
G03B35/00-37/06
G09F9/00-9/46
H04N13/00-17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルにおいて、
周期的に配置された複数のピクセルと、
前記複数のピクセル間に提供された複数の配置空間と、
前記複数のピクセル上に重ねて周期的に配置されたレンズと
を含み、前記複数のピクセルは、前記配置空間が確保されるように前記ディスプレイパネル内に均一に提供され、前記複数のピクセルの形状は、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定されており、前記パターンは前記配置空間にスペーサを配置することができるように決定されており、前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有し、
前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、角度あたり60未満のパターン反復に対応する周波数である認知周波数帯域の外部にあり、
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに対応するように、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのサブピクセルの大きさと異なる大きさを有する、ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記パターンは少なくとも1つのピクセルを含み、
前記少なくとも1つのピクセルに含まれたサブピクセルの構造は、前記ディスプレイパネル内で複数の配置空間のそれぞれを考慮して決定される、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記複数のピクセルのそれぞれは同じ形状を有する、請求項1又は2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有する、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記複数の配置空間のうちの一部の配置空間には実際にスペーサが配置され、残りの配置空間にはスペーサは配置されていない、請求項1-4のうち何れか1項に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、前記サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の組合せにより決定され、前記勾配は前記ピクセルが右側又は左側に傾いていることを示す、請求項1-のうち何れか1項に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記パターンの反復間隔は、
水平方向に前記パターンが繰り返される第1周期と、
垂直方向に前記パターンが繰り返される第2周期と、
前記水平方向及び前記垂直方向の組合せによる方向に前記パターンが繰り返される第3周期と、
のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記複数のピクセルは液晶を含む、請求項1-のうち何れか1項に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
3D表示装置において、
周期的に配置された複数のピクセル、及び前記複数のピクセル間に提供された複数の配置空間を含むディスプレイパネルと、
前記ディスプレイパネルから入射される光の方向を制御する光学レイヤと、
を含み、
前記複数のピクセルは、前記複数の配置空間が確保されるように前記ディスプレイパネルに均一に提供され、前記複数のピクセルの形状は、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定されており、前記パターンは前記配置空間にスペーサを配置することができるように決定されており、前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有し、
前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、角度あたり60未満のパターン反復に対応する周波数である認知周波数帯域の外部にあり、
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに対応するように、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのサブピクセルの大きさと異なる大きさを有する、3D表示装置。
【請求項10】
前記パターンは少なくとも1つのピクセルを含み、
前記少なくとも1つのピクセルに含まれたサブピクセルの構造は、前記ディスプレイパネル内で複数の配置空間のそれぞれを考慮して決定される、請求項に記載の3D表示装置。
【請求項11】
前記複数のピクセルのそれぞれは同じ形状を有する、請求項又は10に記載の3D表示装置。
【請求項12】
前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有する、請求項11に記載の3D表示装置。
【請求項13】
前記複数の配置空間のうちの一部の配置空間には実際にスペーサが配置され、残りの配置空間にはスペーサは配置されていない、請求項9-12のうち何れか1項に記載の3D表示装置。
【請求項14】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、前記サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の組合せにより決定され、前記勾配は前記ピクセルが右側又は左側に傾いていることを示す、請求項9-13のうち何れか1項に記載の3D表示装置。
【請求項15】
前記パターンの反復間隔は、
水平方向に前記パターンが繰り返される第1周期と、
垂直方向に前記パターンが繰り返される第2周期と、
前記水平方向及び前記垂直方向の組合せによる方向に前記パターンが繰り返される第3周期と、
のうち少なくとも1つを含む、請求項に記載の3D表示装置。
【請求項16】
3D HUD装置において、
複数のピクセル及び前記複数のピクセル間に提供される複数の配置空間を含むディスプレイパネルと、
車両のウィンドウシールドに含まれ、前記ディスプレイパネルから入射される光の方向を制御する光学レイヤと、
前記光学レイヤを介してユーザに3D映像を提供するため、前記ユーザの両眼の位置を考慮して前記ディスプレイパネルに表示されるパネル映像を生成する少なくとも1つのプロセッサと、
を含み、
前記複数のピクセルは、前記配置空間が確保されるように前記ディスプレイパネル内で周期的に配置され、前記複数のピクセルの形状は、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定されており、前記パターンは前記配置空間にスペーサを配置することができるように決定されており、前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有し、
前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、角度あたり60未満のパターン反復に対応する周波数である認知周波数帯域の外部にあり、
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに対応するように、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのサブピクセルの大きさと異なる大きさを有する、3D HUD装置。
【請求項17】
前記パターンは少なくとも1つのピクセルを含み、
前記少なくとも1つのピクセルに含まれたサブピクセルの構造は、前記ディスプレイパネル内で前記配置空間のそれぞれに基づいて決定される、請求項16に記載の3D HUD装置。
【請求項18】
前記複数の配置空間のうちの一部の配置空間には実際にスペーサが配置され、残りの配置空間にはスペーサは配置されていない、請求項16又は17に記載の3D HUD装置。
【請求項19】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、前記サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の組合せにより決定され、前記勾配は前記ピクセルが右側又は左側に傾いていることを示す、請求項1618のうち何れか1項に記載の3D HUD装置。
【請求項20】
前記パターンの反復間隔は、
水平方向に前記パターンが繰り返される第1周期と、
垂直方向に前記パターンが繰り返される第2周期と、
前記水平方向及び前記垂直方向の組合せによる方向に前記パターンが繰り返される第3周期と、
のうち少なくとも1つを含む、請求項16に記載の3D HUD装置。
【請求項21】
ディスプレイパネルにおいて、
周期的に配置された複数のピクセルと、
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルと、
前記複数のピクセル間に提供された複数の配置空間と、
前記複数のピクセル上に重ねて周期的に配置されたレンズと
を含み、前記複数のピクセルは、前記配置空間に対応する前記サブピクセルのパターンに基づいて前記ディスプレイパネルに均一に提供され、前記複数のピクセルの形状は、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定されており、前記パターンは前記配置空間にスペーサを配置することができるように決定されており、前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有し、
前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、角度あたり60未満のパターン反復に対応する周波数である認知周波数帯域の外部にあり、
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに対応するように、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのサブピクセルの大きさと異なる大きさを有する、ディスプレイパネル。
【請求項22】
前記サブピクセルは、
少なくとも1つのR(Red)サブピクセル、G(Green)サブピクセル、及びB(Blue)サブピクセルを含み、
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記Rサブピクセル、前記Gサブピクセル、及び前記Bサブピクセルのうち、同じ色のサブピクセルの形状、大きさ、及び勾配は同一であり、前記勾配は前記ピクセルが右側又は左側に傾いていることを示す、請求項21に記載のディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態は、ディスプレイパネル、3D表示装置、及び3Dヘッドアップディスプレイ(head-up display;HUD)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つの周期的なパターンが互いに重なると、パターン間の干渉により新しい周期を有するパターンが生成される。このように新しい周期を有するパターンを「モアレ(moire)」という。3Dディスプレイは、一般的に、ディスプレイパネル上にレンズを重ねて製造される。ディスプレイパネルで周期的に配置されたピクセルと周期的に配置されたレンズによりモアレが発生する可能性がある。モアレは、3次元映像の画質を低下させる要因となる。特に、ディスプレイパネルを3D HUDに適用する場合に発生するモアレによる格子パターンは、運転手の視界に影響を及ぼし得る要素として作用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-139112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一実施形態によれば、3Dディスプレイでピクセル構造を全て同一に、言い換えれば、同じ色を有するピクセルは全て同じ形状に製造することで、モアレを除去することにある。
【0005】
一実施形態によれば、デュアルドメインのピクセル構造をシングルドメインのピクセル構造に変更し、モアレの周期を変更する一方、ディスプレイパネル内でスペーサが実際に配置されるか否かに関わらず、保持されるスペーサの配置空間を考慮してパターンに含まれたピクセルの構造が同じ形状を有するようにすることで、モアレの発生確率を低くすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によれば、ディスプレイパネルは、複数のピクセルと、前記複数のピクセル間に提供された複数の配置空間とを含み、前記複数のピクセルは、前記配置空間に対応するパターンに応じて前記ディスプレイパネル内に均一に提供され、前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、ユーザに見える認知周波数帯域の外部にある。
【0007】
前記パターンは少なくとも1つのピクセルを含み、前記少なくとも1つのピクセルに含まれたサブピクセルの構造は、前記ディスプレイパネル内で複数の配置空間のそれぞれを考慮して決定され得る。
【0008】
前記複数のピクセルのそれぞれは同じ形状を有し得る。
【0009】
前記複数のピクセルの形状は、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定され、前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有し得る。
【0010】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、スペーサを含む前記配置空間のそれぞれに基づいて決定され得る。
【0011】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに対応するように前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのピクセルの大きさと異なる大きさを有し得る。
【0012】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、前記サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の組合せにより決定され得る。
【0013】
前記パターンの反復間隔は、水平方向に前記パターンが繰り返される第1周期と、垂直方向に前記パターンが繰り返される第2周期と、前記水平方向及び前記垂直方向の組合せによる方向に前記パターンが繰り返される第3周期のうち少なくとも1つを含み得る。
【0014】
前記複数のピクセルは液晶を含み得る。
【0015】
一実施形態によると、3D表示装置は、複数のピクセル及び前記複数のピクセル間に提供された複数の配置空間を含むディスプレイパネルと、前記ディスプレイパネルから入射される光の方向を制御する光学レイヤとを含み、前記複数のピクセルは、前記複数の配置空間に対応するパターンに基づいて前記ディスプレイパネルに均一に提供され、前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、ユーザに見える認知周波数帯域の外部にある。
【0016】
前記パターンは少なくとも1つのピクセルを含み、前記少なくとも1つのピクセルに含まれたサブピクセルの構造は、前記ディスプレイパネル内で複数の配置空間のそれぞれを考慮して決定され得る。
【0017】
前記複数のピクセルのそれぞれは同じ形状を有し得る。
【0018】
前記複数のピクセルの形状は、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定され、前記複数のピクセルのそれぞれは、前記ディスプレイパネル内で同じパターンを有し得る。
【0019】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、スペーサを含む前記配置空間のそれぞれに基づいて決定され得る。
【0020】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに対応するように前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのピクセルの大きさと異なる大きさを有し得る。
【0021】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、前記サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の組合せにより決定され得る。
【0022】
前記パターンの反復間隔は、水平方向に前記パターンが繰り返される第1周期と、垂直方向に前記パターンが繰り返される第2周期と、前記水平方向及び前記垂直方向の組合せによる方向に前記パターンが繰り返される第3周期のうち少なくとも1つを含み得る。
【0023】
一実施形態によると、3D HUD装置は、複数のピクセル及び前記複数のピクセル間に提供される複数の配置空間を含むディスプレイパネルと、車両のウィンドウシールドに含まれ、前記ディスプレイパネルから入射される光の方向を制御する光学レイヤと、前記光学レイヤを介してユーザに3D映像を提供するため、前記ユーザの両眼の位置を考慮して前記ディスプレイパネルに表示されるパネル映像を生成する少なくとも1つのプロセッサとを含み、前記複数のピクセルは、前記配置空間に対応するパターンに基づいて前記ディスプレイパネル内で周期的に配置され、前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、ユーザに見える認知周波数帯域の外部にある。
【0024】
前記パターンは少なくとも1つのピクセルを含み、前記少なくとも1つのピクセルに含まれたサブピクセルの構造は、前記ディスプレイパネル内で前記配置空間のそれぞれに基づいて決定され得る。
【0025】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、スペーサを含む前記配置空間のそれぞれに基づいて決定され得る。
【0026】
前記パターンに含まれた前記サブピクセルのうち少なくとも一部は、前記配置空間のそれぞれに対応するように前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのピクセルの大きさと異なる大きさを有し得る。
【0027】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれたサブピクセルの構造は、前記サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の組合せにより決定され得る。
【0028】
前記パターンの反復間隔は、水平方向に前記パターンが繰り返される第1周期と、垂直方向に前記パターンが繰り返される第2周期と、前記水平方向及び前記垂直方向の組合せによる方向に前記パターンが繰り返される第3周期のうち少なくとも1つを含み得る。
【0029】
一実施形態によると、ディスプレイパネルは、複数のピクセルと、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた複数のサブピクセルと、前記複数のピクセル間に提供された複数の配置空間とを含み、前記複数のピクセルは、前記配置空間に対応する前記サブピクセルのパターンに基づいて前記ディスプレイパネルに均一に提供され、前記パターンの反復間隔に対応する周波数は、ユーザに見える認知周波数帯域の外部にある。
【0030】
前記サブピクセルは、少なくとも1つのR(Red)サブピクセル、G(Green)サブピクセル、及びB(Blue)サブピクセルを含み、前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記Rサブピクセル、前記Gサブピクセル、及びBサブピクセルの形状、大きさ、及び勾配は同一であり得る。
【0031】
前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた前記Rサブピクセル、前記Gサブピクセル、及びBサブピクセルのうち少なくとも1つは、前記配置空間のそれぞれに基づいて前記複数のピクセルのそれぞれに含まれた残りのサブピクセルと異なる大きさを有し得る。
【0032】
前記複数の配置空間のそれぞれはスペーサを含み得る。
【発明の効果】
【0033】
一側面によれば、3Dディスプレイでピクセル構造を全て同一に、言い換えれば、同じ色を有するピクセルは全て同じ形状に製造することで、モアレを除去することができる。
【0034】
一側面によれば、デュアルドメインのピクセル構造をシングルドメインのピクセル構造に変更してモアレの周期を変更する一方、ディスプレイパネル内でスペーサが実際に配置されるか否かに関わらず、保持されるスペーサの配置空間を考慮してパターンに含まれたピクセルの構造が同じ形状を有するようにすることで、モアレの発生確率を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1A】一般的なデュアルドメインディスプレイのピクセル構造によるディスプレイパネルで発生するモアレを説明するための図である。
図1B】一般的なデュアルドメインディスプレイのピクセル構造によるディスプレイパネルで発生するモアレを説明するための図である。
図1C】一般的なデュアルドメインディスプレイのピクセル構造によるディスプレイパネルで発生するモアレを説明するための図である。
図2A】一実施形態に係るシングルドメインディスプレイパネルのピクセル構造及び当該ピクセル構造に対応する周波数映像を示す図である。
図2B】一実施形態に係るシングルドメインディスプレイパネルのピクセル構造及び当該ピクセル構造に対応する周波数映像を示す図である。
図3A】互いに異なるパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。
図3B】互いに異なるパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。
図3C】互いに異なるパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。
図4A】一実施形態により互いに同じパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。
図4B】一実施形態により互いに同じパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。
図4C】一実施形態により互いに同じパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。
図5】一実施形態に係る3D表示装置の製造方法を示したフローチャートである。
図6】一実施形態に係る3D HUD(head-up display)装置の構造及び動作を説明するための図である。
図7A】一実施形態に解決しようとするモアレの発生原因を説明するための図である。
図7B】一実施形態に解決しようとするモアレの発生原因を説明するための図である。
図7C】一実施形態に解決しようとするモアレの発生原因を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものとして、様々な形態に変更される。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物ないし代替物を含む。
【0037】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0038】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0039】
本明細書で用いられる用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであり、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0040】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0041】
下記で説明される実施形態は、ユーザを認識したり、スマート車両などの拡張現実ナビゲーション(Augmented Reality Navigation)システムで車線を表示したり、自律走行車両のステアリングを補助するための視覚情報を生成するために活用される。また、実施形態は、車両内走行補助又は完全自律走行のために設けられたHUD(Head Up Display)などの知能システムを含む機器で視覚情報を追跡し、安全かつ快適な走行を提供するために使用される。実施形態は、例えば、スマートフォン、モバイル機器、ナビゲーション、自律走行自動車、及び知能型自動車などに適用される。以下、実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。
【0042】
図1は、一般的なデュアルドメインディスプレイのピクセル構造によるディスプレイパネルで発生するモアレを説明するための図である。図1Aを参照すると、デュアルドメインディスプレイのピクセル構造が図示され、図1Bを参照すれば、図1Aに示すピクセル構造による周波数映像が示されている。また、図1Cを参照すると、図1Aに示すピクセル構造で3Dディスプレイ製造時に発生するモアレが示されている。
【0043】
図1Aに示すように、3次元ディスプレイ装置は、ピクセルを含むディスプレイパネル上にレンズを重ねて製造される。ここで、ディスプレイパネルで周期的なピクセルと周期的に配置されたレンズによって干渉が発生する恐れがある。干渉により生成されたモアレの周波数が低周波領域にあれば、ユーザはモアレを格子として認知する。一般的に人の目は、60cycle/degree以上の周波数を有するパターンは認知できないが、60cycle/degree未満の周波数を有するパターンは認知することができる。60cycle/degree未満の周波数は、「認知周波数帯域」あるいは「可視性サークル」に当該する。図1Bにおいて、円で表示されている部分は60cycle/degree周波数の境界を示し、「認知周波数境界」と呼ぶ。ここで、認知周波数境界の内部に該当する周波数、言い換えれば、60cycle/degree以下の周波数は「認知周波数」と呼ぶ。モアレによって発生する周期的な干渉パターンの周波数(以下、「モアレ周波数」と称する)が認知周波数に該当する場合、人の目に図1Cに示すように、モアレとして認知される。モアレは、3次元映像の画質を低下させる要因として除去されなければならない。
【0044】
一般的にモアレの発生原因は、空間ドメインよりは周波数ドメインで容易に分析可能であるため、以下では周波数ドメインに変更された映像を介してモアレ発生の有無を確認することにする。また、一般的に、モアレは、ユーザの目に見えるか否かに関わらず、新しく生成された周期的なパターンとして定義され得るが、以下では、説明の便宜及び混同を防止するためにユーザの目に見える周期的なパターンのみをモアレであると定義することにする。
【0045】
図1Aに示されたデュアルドメインディスプレイにおいて、奇数行のピクセルは右側に傾いており、偶数行のピクセルは左側に傾いていることが確認される。このように奇数列と偶数列のピクセルのパターンが異なるピクセル構造を「デュアルドメイン(Dual-domain)」構造と呼ぶ。デュアルドメイン構造で上下ピクセルの形状の差によってシングルドメイン構造に比べてピクセルのパターンが繰り返される周期が長くなり、周波数がパターン反復間隔に反比例することで、周波数が減少して低周波領域で周波数が生成する。このような低周波がレンチキュラレンズと重なりながらモアレが発生する確率が高くなる。
【0046】
一実施形態では、ピクセルのパターンが繰り返される周期を減少させる形態にピクセル構造を変更してモアレの周期を変更することで、認知周波数帯域からモアレを除去することができる。例えば、デュアルドメイン構造を使用する理由は、ディスプレイ視野角を増大させるためである。しかし、例えば、HUD装置などのように相対的に視野角が一般ディスプレイに比べて小さい装置の場合、視野角の増大のためにデュアルドメイン構造を使用する必要性は大きくない。したがって、一実施形態では、デュアルドメインのピクセル構造をシングルドメインのピクセル構造に変更してモアレの周期を変更することで、認知周波数帯域からモアレを除去することができる。
【0047】
図2は、一実施形態に係るディスプレイパネルのピクセル構造に基づいた3D表示装置及び当該ピクセル構造に対応する周波数映像を示す図である。図2Aを参照すると、ディスプレイパネル210上に光学レイヤ230を配置させ、それぞれのピクセル211の光が特定方向に出力されるようにした3D表示装置250を示す。図2Bを参照すると、ディスプレイパネル210に光学レイヤ230を取付けた場合の周波数ドメイン映像が示されている。
【0048】
ディスプレイパネル210は、偶数列と奇数列のピクセルが同じパターンを有するシングルドメイン(Single-domain)ディスプレイパネルであってもよい。それぞれのピクセル211は、複数のサブピクセル(例えば、R(Red)サブピクセル211-1、G(Green)サブピクセル211-2、及びB(Blue)サブピクセル211-3)を含む。シングルドメインディスプレイパネルは、全てのピクセル211が同じ形状、同じ大きさ、及び同じ勾配を有する。シングルドメインピクセル構造を用いて3次元ディスプレイ装置を製造する場合、図2Bに示すように、認知周波数帯域内のモアレが発生しないことが確認される。
【0049】
光学レイヤ230は、周期的な特性を有するバリア(barrier)あるいはレンチキュラレンズであってもよい。光学レイヤ230は、例えば、半円筒状のレンズで縦に長い形態を有するレンチキュラレンズであってもよい。光学レイヤ230は、ディスプレイパネル210から入射される光の方向を制御する。
【0050】
一般的に、パネルの厚さを保持させるためにディスプレイパネル210でピクセル211の中間にスペーサ(spacer)(図3Aに示す310を参照)を位置づける。スペーサは、ディスプレイパネルの内外部間の圧力差による荷重を支持するためにピクセルの中間に設ける。スペーサによって一部のピクセル(あるいは、当該ピクセル内の一部のサブピクセル)の形状が変わり、互いに異なるピクセルの形状に応じてピクセルのパターンが繰り返される周期が増加し、認知周波数帯域内のモアレが発生する可能性がある。以下、スペーサによって発生するモアレについては、図3A図3B、及び図3Cを参照して説明し、図3に示すようなピクセル構造によって発生したモアレを除去する方法については、図4A図4B、及び図4Cを参照して説明する。図3Aに説明されるように、スペーサは、ディスプレイパネル210の内部に存在する。
【0051】
図3Aは、互いに異なるパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。図3Aを参照すると、スペーサ311及びピクセル313を含むディスプレイパネル310が示されている。ディスプレイパネル310に含まれたピクセルの形状は、スペーサ311によって変更される。ピクセル313は、スペーサ311によってピクセル313内に含まれたR、G、Bサブピクセルの形状が奇数列と偶数列で各々異なってもよい。例えば、奇数列のピクセルに含まれたRサブピクセルの大きさは、Gサブピクセル及びBサブピクセルの大きさよりも小さくてもよい。また、偶数列のピクセルに含まれたBサブピクセルの大きさは、Bサブピクセル及びGサブピクセルの大きさよりも小さくてもよい。図1を参照して上述したように、ピクセル(あるいは、サブピクセル)の形状及び/又はの大きさ変更は、周波数ドメインで低周波を生成させ、生成された低周波は、認知周波数帯域内のモアレの発生原因となる恐れがある。
【0052】
図3Bを参照すると、3D表示装置330は、ディスプレイパネル310及び光学レイヤ320を含む。ディスプレイパネル310は、複数のピクセル313及び複数のピクセルのための空間を保持する複数のスペーサ311を含む。
【0053】
図3Cを参照すると、図3Aに示されたピクセル構造のディスプレイパネルで図3Bに示された3次元ディスプレイ装置330を製造する場合、認知周波数帯域内で発生するモアレが示されている。スペーサによってピクセル形が変更されてモアレが発生することについて、以下の図4A及び図4Bに示されたピクセル構造を介して解消される。
【0054】
図4A及び図4Bは、一実施形態により互いに同じパターンを有するピクセルによって構成されるディスプレイパネルを説明するための図である。図4Aを参照すると、スペーサ411及びピクセル413を含むディスプレイパネル410が示されている。ディスプレイパネル410に含まれたピクセルの形状は、スペーサ411によって変更され得る。
【0055】
一実施形態によれば、ピクセル413は、スペーサ411に基づいた予め決定したパターンに応じて、ディスプレイパネル410内で周期的に配置される。ここで、予め決定されたパターンは、個別ピクセル内に含まれたR、G、Bサブピクセルの形状、大きさ、勾配などによって表現される。例えば、予め決定したパターンに応じて、ディスプレイパネル410の奇数列及び偶数列で各ピクセル413は同じ形状、大きさ、及び勾配を有する。図4に示す実施形態において、予め決定したパターンは、個別ピクセル内R、G、Bサブピクセルが並んで配置され、互いに同じ勾配を有し、Rサブピクセル及びBサブピクセルの大きさがGサブピクセルの大きさよりも小さい形態のパターンである。
【0056】
ピクセル413の形状は互いに同一であってもよい。例えば、R、G、Bサブピクセルがなしている1つのパターン、言い換えれば、ピクセル413の形状は互いに同一であってもよい。また、ピクセル413の形状は、個別ピクセルに含まれた複数のサブピクセルの組合せによるパターンに応じて決定され、ディスプレイパネル410内でピクセル413それぞれのパターンは互いに同一であってもよい。
【0057】
図4A及び図4Bに示すように、パターンの反復間隔が減少するとき、パターンの反復間隔に対応する周波数は増加し、ユーザの認知周波数帯域、例えば、認知周波数境界(60cycle/degree)の範囲内に含まれなくなる。パターンの反復間隔は、例えば、水平方向にパターンが繰り返される第1周期、垂直方向にパターンが繰り返される第2周期、及び水平方向及び垂直方向の組合せによる方向にパターンが繰り返される第3周期のうち少なくとも1つを含む。
【0058】
パターンは少なくとも1つのピクセル413を含み、少なくとも1つのピクセル313に含まれたサブピクセルの構造は、ディスプレイパネル410内でスペーサ411の配置空間を考慮して決定される。特に、パターンに含まれたサブピクセルの構造は、スペーサ411が実際に配置されるか否かに関わらず、保持される配置空間を考慮して決定される。例えば、パターンに含まれたサブピクセルの構造は、スペーサ411が実際に配置されるか否かに関わらず、スペーサ411が配置され得るRサブピクセルの上段及び/又は下段とBサブピクセルの上段及び/又は下段の配置空間を空けた形態を有する。
【0059】
言い換えれば、ピクセルに含まれたサブピクセルのうち少なくとも一部は、配置空間を確保するためにピクセルに含まれた残りのピクセルの大きさとは異なる大きさを有する。例えば、パターンは第1の大きさのRサブピクセル、第1の大きさよりも大きい第2の大きさのGサブピクセル、及び第1の大きさのBサブピクセルを含んでもよい。又は、実施形態により、ピクセルは、第1の大きさのRサブピクセル、第1の大きさよりも小さい第2の大きさのGサブピクセル、及び第1の大きさよりも小さく、第2の大きさよりも大きい第3大きさのBサブピクセルを含んでもよい。
【0060】
スペーサ411の配置空間は、例えば、RサブピクセルとBサブピクセルに隣接して備えられる。その他にも、パターンに含まれたサブピクセルの構造は、サブピクセルの形状、大きさ、及び勾配の様々な組合せにより決定される。
【0061】
一実施形態によれば、実際にスペーサが配置されない領域でもサブピクセルの大きさを調整することで、ピクセルが繰り返される周期を減少させ得る。前述したように、ピクセルが繰り返される周期が減少することにより周波数が増加するため、認知周波数帯域からモアレが除去する。
【0062】
図4Aに示すように、ディスプレイパネル410を構成しているピクセルの形状が同一である場合とは異なって、図3Aに示すように、ディスプレイパネル310を構成しているピクセルの形状が異なる場合、ピクセル周期以外に追加的な周波数成分が生成又は存在する。互いに異なる形状のピクセルによって新しいパターン(例えば、n×mピクセル単位で構成されるパターン;nとmは正の整数として、nとmのうち少なくとも1つは2以上である)が繰り返される周期が形成され得るためである。例えば、新しいパターンを有するピクセル構造の上にレンチキュラレンズが重なった場合、周波数成分にレンチキュラレンズによって新しい干渉周波数が生成される。レンチキュラレンズの重複は、周波数映像では畳み込み効果を示すことがあるため、ピクセルの反復パターンによる周波数が単純になるほど干渉周波数が少なく生成され、干渉周波数が認知周波数帯域に入る確率を低くする。
【0063】
図4Bを参照すると、3D表示装置430は、ディスプレイパネル410及び光学レイヤ420を含む。ディスプレイパネル410は、複数のピクセル及び複数のピクセルのための空間を保持する複数のスペーサ411を含む。
【0064】
図4Cを参照すると、図4Aに示すピクセル構造を有する3次元ディスプレイ装置の周波数映像が示されている。図4Cにおいて、認知周波数帯域内のモアレ周波数がないことが確認される。
【0065】
図5は、一実施形態に係る3D表示装置のシミュレーション方法を示したフローチャートである。図5を参照すると、一実施形態に係るシミュレーション装置において、レンズを直接取付けることなく、モアレの発生を減少させるようにシミュレーションを行う過程が示されている。シミュレーション装置は、光学特性が反映された3D映像を提供するためにパネル映像を生成する(S510)。「3D映像」は、視聴者(又は、ユーザ)の両眼に提供される映像であって、左映像及び右映像を含む。3D映像は、例えば、拡張現実(Augmented Reality)のコンテンツのような入力映像であってもよい。「パネル映像」は、3D表示装置のディスプレイパネルに表現される映像として、視聴者に3D映像を提供するために視聴者の目の位置、光線方向情報などを考慮して生成される。図5に示すシミュレーションの動作のために、シミュレーション装置は、全てのピクセルをつけたホワイト映像をパネル映像として生成することができる。
【0066】
シミュレーション装置は、3D表示装置のレンズの光学特性(例えば、レンズのピッチ及び/又は角度など)を変更する(S520)。シミュレーション装置は、ステップS520で変更したレンズの光学特性を反映して重複映像を再生成する(S530)。「重複映像」は、視聴者の2つの目に結像する映像であり得る。例えば、3D表示装置によって3D映像が提供されれば、シミュレーション装置は重複映像をキャプチャーする。
【0067】
シミュレーション装置は、重複映像を周波数ドメインの映像に変換し(S540)、周波数ドメインの映像に含まれたモアレ周波数が認知周波数帯域以内に存在するか否かを判別する(S550)。例えば、ステップS550で周波数ドメイン映像に含まれたモアレ周波数が認知周波数境界よりも小さい場合、シミュレーション装置は、ディスプレイパネルのレンズの光学特性を再び変更する(S520)。
【0068】
ステップS550において、周波数ドメインの映像に認知周波数帯域以内のモアレがないと判断された場合、シミュレーション装置は、該当する光学特性をレンズの光学特性として決定する(S560)。
【0069】
図6は、一実施形態に係る3D HUD(head-up display)装置の構造及び動作を説明するための図である。図6を参照すると、一実施形態に係る3D HUD装置600の構造が示されている。3D HUD装置600は、ディスプレイパネル610及びバックライトユニット(BLU)620を含むPGU(picture generation unit)630、及び光学レイヤ640を含む。
【0070】
ディスプレイパネル610は、複数のピクセル及び複数のピクセルのための空間を保持する複数のスペーサを含む。ピクセルは、スペーサに基づいた予め決定したパターンに応じてディスプレイパネル610内で周期的に配置され、パターンの反復間隔に対応する周波数はユーザの認知周波数帯域に含まれない。ディスプレイパネル610には、図4に示すディスプレイパネル410を介して前述した事項がそのまま適用される。
【0071】
バックライトユニット(BLU)620は、ディスプレイパネル610の後から均等に光を照らす役割を果たす。
【0072】
PGU630は、光学レイヤ640を介してユーザにヘッドモーション及びアイボックス650を提供するために、ユーザの両眼の位置を考慮してディスプレイパネル610に表示されるパネル映像660を生成する。PGU630は、少なくとも1つのプロセッサによって構成される。
【0073】
図7A、7B、7Cは、一実施形態に解決しようとするモアレの発生原因を説明するための図である。図7Aは、ディスプレイパネルに表示される映像を空間ドメインに示すものであり、図7Cは、図7Aに示す映像の空間ドメインを周波数ドメインに変換したものである。空間ドメインで2つの映像の重複は、周波数ドメインで2つの周波数変換映像の畳み込みであってもよい。
【0074】
図7Aに示された映像は、周波数ドメインで±f1ベクトルを有する。また、図7Bに示された映像は、周波数ドメインで±f2ベクトルを有する。ここで、±f1ベクトル及び±f2ベクトルは、各映像の周期的なパターンを示し、周期的なパターンは映像でモアレを示す。
【0075】
また、図7Cに示された映像は、周波数ドメインで前もって2つのベクトル(±f1、±f2)の畳み込みとして、±f1ベクトル及び±f2ベクトル以外にも追加的にf1+f2ベクトル及び-f1-f2ベクトルとf1-f2ベクトル及びf2-f1ベクトルを有し得る。f1+f2ベクトル及び-f1-f2ベクトルは本来の映像よりも高周波を有し、f1-f2ベクトル及びf2-f1ベクトルは本来の映像よりも低周波を有する。ここで、f1-f2ベクトル及びf2-f1ベクトルが認知周波数帯域にあれば、f1-f2ベクトル及びf2-f1ベクトル方向に格子を有するパターンが示される。周波数ベクトルは、方向と大きさを有する。ベクトル方向は格子パターンの方向を示し、モアレの周波数が低いほど人の目によく見える。また、周波数ベクトルは、映像の明るさ程度を示すインパルス(impulse)を有する。
【0076】
以上述した実施形態は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合せで具現される。例えば、本実施形態で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサー、又は命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されるものとして説明する場合もあるが、当技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが把握する。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0077】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順で実行されるし、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられてもよいし、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されて定められるものではなく、特許請求の範囲及び特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【符号の説明】
【0078】
210:ディスプレイパターン
211:ピクセル
211-1、211-2、211-3:サブピクセル
230:光学レイヤ
250:3D表示装置
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7A
図7B
図7C