(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】宿泊施設チェックインシステム、宿泊施設チェックインシステムが実行する方法、及び、宿泊施設チェックイン用プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240522BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2020015784
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】名和 圭
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 勇哉
(72)【発明者】
【氏名】宮田 武志
(72)【発明者】
【氏名】廣沢 槙弘
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 芳紀
【審査官】平井 嗣人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146654(JP,A)
【文献】特開2019-032749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と各種情報を伝達可能な受付装置を備え、宿泊施設の予約を行う予約処理を実行可能な宿泊施設チェックインシステムであって、
携帯端末は、
予約した宿泊施設のチェックイン時に宿泊台帳の登録に必要となる宿泊時要求情報から、予約処理で既に取得されている予約時情報を除いた追加情報を入力させる追加情報入力処理と、
入力された追加情報を
含むとともに、コード化されたチェックイン情報を受付装置に読み取らせることで、チェックイン情報を携帯端末から受付装置に伝達させる伝達処理と、を実行可能とし、
受付装置は、
携帯端
末から伝達された追加情報を含んだチェックイン情報に基づき、管理装置の宿泊台帳の登録を行う登録処理を実行可能とする
宿泊施設チェックインシステム。
【請求項2】
チェックイン情報のコード化は、携帯端末と通信可能なサーバ装置で実行される
請求項
1に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項3】
チェックイン情報のコード化は、携帯端末で実行される
請求項
1に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項4】
チェックイン情報は、追加情報に加え、予約処理で既に取得されている情報を含む
請求項1から請求項
3の何れか1項に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項5】
携帯端末と通信可能なサーバ装置を備え、
サーバ装置は、携帯端末で実行される追加情報入力処理において必要となる追加情報の追加情報の項目を規定した追加項目を判定し、携帯端末に追加項目を送信する
請求項1から請求項
4の何れか1項に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項6】
サーバ装置は、宿泊施設に対応して規定されている宿泊時要求項目に基づき、追加項目の判定を行う
請求項
5に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項7】
携帯端末は、近距離無線送信手段を備え、
受付装置は、近距離無線受信手段を備え、
伝達処理は、近距離無線送信手段、近距離無線受信手段を使用して、チェックイン情報を
受付装置に伝達させる
請求項1から請求項
4の何れか1項に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項8】
追加情報は、パスポートを撮像した撮像情報、もしくは、宿泊者によるサイン画像を含む
請求項1から請求項
7の何れか1項に記載の宿泊施設チェックインシステム。
【請求項9】
携帯端末と各種情報を伝達可能な受付装置を備え、宿泊施設の予約を行う予約処理を実行可能な宿泊施設チェックインシステム
が実行する方法であって、
携帯端末は、
予約した宿泊施設のチェックイン時に宿泊台帳の登録に必要となる宿泊時要求情報から、予約処理で既に取得されている予約時情報を除いた追加情報を入力させる追加情報入力処理と、
入力された追加情報を
含むとともに、コード化されたチェックイン情報を受付装置に読み取らせることで、チェックイン情報を、携帯端末から受付装置に伝達させる伝達処理と、を実
行し、
受付装置は、
携帯端
末から伝達された追加情報を含んだチェックイン情報に基づき、管理装置の宿泊台帳の登録を行う登録処理を実
行する
宿泊施設チェックイン
システムが実行する方法。
【請求項10】
宿泊施設の予約を行う予約処理を実行可能な宿泊施設チェックインシステムで、受付装置と各種情報を伝達可能な携帯端末で実行可能な宿泊施設チェックイン用プログラムであって、
予約した宿泊施設のチェックイン時に宿泊台帳の登録に必要となる宿泊時要求情報から、予約処理で既に取得されている予約時情報を除いた追加情報を入力させる追加情報入力処理と、
入力された追加情報を
含むとともに、コード化されたチェックイン情報を受付装置に読み取らせることで、チェックイン情報を、携帯端末から受付装置に伝達させる伝達処理と、を実行可能とする
宿泊施設チェックイン用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホテル、旅館等の各種宿泊施設にチェックインするための宿泊施設チェックインシステム、宿泊施設チェックイン方法、及び、宿泊施設チェックイン用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ホテルや旅館等の各種宿泊施設では、来店した宿泊客は、所定の手続きからなるチェックインを行うことで、滞在する部屋の鍵が渡され、その使用が許可される。宿泊施設におけるチェックインでは、従来、宿泊者による紙を使用した宿泊台帳の記帳(記入)が行われていた。特許文献1には、チェックインに必要な宿泊情報を顧客モニタに入力用ペンで入力するチェックイン制御装置が開示されている。また、このチェックイン制御装置では、入力用ペンを使用して電子的に署名を手書き入力することも可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で開示されるチェックイン制御装置によれば、宿泊情報や署名を電子的データとして取得するため、電子計算機を使用した取り扱いが容易になることが考えられる。しかしながら、宿泊者はチェックイン時に、入力用ペンを使用して記帳(記入)する必要があるため、チェックイン時間の短縮には大きく貢献するものではない。
【0005】
ホテルや旅館等の宿泊施設では、宿泊者のチェックインにかかる時間を短縮することが、ロビーなどでの混雑を図るため重要である。また、ビジネスや旅行で疲れた宿泊者を、いち早く部屋に案内することは、宿泊施設のサービス面の大きな要素である。本発明は、宿泊施設で行われるチェックインの時間短縮を1つの課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムは、
携帯端末と各種情報を伝達可能な受付装置を備え、宿泊施設の予約を行う予約処理を実行可能な宿泊施設チェックインシステムであって、
携帯端末は、
予約した宿泊施設のチェックイン時に宿泊台帳の登録に必要となる宿泊時要求情報から、予約処理で既に取得されている予約時情報を除いた追加情報を入力させる追加情報入力処理と、
入力された追加情報を含むとともに、コード化されたチェックイン情報を受付装置に読み取らせることで、チェックイン情報を携帯端末から受付装置に伝達させる伝達処理と、を実行可能とし、
受付装置は、
携帯端末から伝達された追加情報を含んだチェックイン情報に基づき、管理装置の宿泊台帳の登録を行う登録処理を実行可能とする。
【0008】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムにおいて、
チェックイン情報のコード化は、携帯端末と通信可能なサーバ装置で実行される。
【0009】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムにおいて、
チェックイン情報のコード化は、携帯端末で実行される。
【0010】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムにおいて、
チェックイン情報は、追加情報に加え、予約処理で既に取得されている情報を含む。
【0011】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムは、
携帯端末と通信可能なサーバ装置を備え、
サーバ装置は、携帯端末で実行される追加情報入力処理において必要となる追加情報の追加情報の項目を規定した追加項目を判定し、携帯端末に追加項目を送信する。
【0012】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムにおいて、
サーバ装置は、宿泊施設に対応して規定されている宿泊時要求項目に基づき、追加項目の判定を行う。
【0013】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムにおいて、
携帯端末は、近距離無線送信手段を備え、
受付装置は、近距離無線受信手段を備え、
伝達処理は、近距離無線送信手段、近距離無線受信手段を使用して、チェックイン情報を受付装置に伝達させる。
【0014】
さらに、本発明に係る宿泊施設チェックインシステムにおいて、
追加情報は、パスポートを撮像した撮像情報、もしくは、宿泊者によるサイン画像を含む。
【0015】
また、本発明に係る宿泊施設チェックイン方法は、
携帯端末と各種情報を伝達可能な受付装置を備え、宿泊施設の予約を行う予約処理を実行可能な宿泊施設チェックインシステムが実行する方法であって、
携帯端末は、
予約した宿泊施設のチェックイン時に宿泊台帳の登録に必要となる宿泊時要求情報から、予約処理で既に取得されている予約時情報を除いた追加情報を入力させる追加情報入力処理と、
入力された追加情報を含むとともに、コード化されたチェックイン情報を受付装置に読み取らせることで、チェックイン情報を、携帯端末から受付装置に伝達させる伝達処理と、を実行し、
受付装置は、
携帯端末から伝達された追加情報を含んだチェックイン情報に基づき、管理装置の宿泊台帳の登録を行う登録処理を実行する。
【0016】
また、本発明に係る宿泊施設チェックイン用プログラムは、
宿泊施設の予約を行う予約処理を実行可能な宿泊施設チェックインシステムで、受付装置と各種情報を伝達可能な携帯端末で実行可能な宿泊施設チェックイン用プログラムであって、
予約した宿泊施設のチェックイン時に宿泊台帳の登録に必要となる宿泊時要求情報から、予約処理で既に取得されている予約時情報を除いた追加情報を入力させる追加情報入力処理と、
入力された追加情報を含むとともに、コード化されたチェックイン情報を受付装置に読み取らせることで、チェックイン情報を、携帯端末から受付装置に伝達させる伝達処理と、を実行可能とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る宿泊施設チェックインシステム、宿泊施設チェックイン方法、宿泊施設チェックイン用プログラムによれば、チェックイン時とされる追加情報を、宿泊者が所持する携帯端末で入力し、携帯端末から宿泊施設に設置された受付装置に伝達することで、受付装置に対する宿泊者の入力操作を削減し、チェックインに必要な時間を短縮することが可能となる。また、チェックインに必要な情報は、宿泊者が所持する携帯端末で主に管理されるため、個人情報の保護向上も図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムの構成を示す図
【
図4】本実施形態に係る管理コンピュータの構成を示す図
【
図7】本実施形態に係る宿泊施設用システムで使用する各種データ構成を示す図
【
図8】本実施形態に係る第1事前処理を示すフロー図
【
図9】本実施形態に係る第2事前処理を示すフロー図
【
図10】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
【
図11】本実施形態に係るチェックイン処理を示すフロー図
【
図13】本実施形態に係るチェックイン方法選択画面を示す図
【
図14】本実施形態に係る宿泊内容確認画面を示す図
【
図15】本実施形態に係るパスパート確認画面を示す図
【
図17】本実施形態に係る宿泊台帳画面(編集中)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムの構成を示す図である。本実施形態の宿泊施設チェックインシステムは、宿泊客のチェックインに関する処理以外に、宿泊代の支払い、チェックアウト等、宿泊に関する各種処理を実行可能なシステムである。宿泊施設チェックインシステムは、ロビー内に配置され宿泊客が操作する精算機1a、1b(本発明に係る「受付装置」に相当)、フロント内等に配置され従業員によって操作される管理コンピュータ3(本発明にかかる「管理装置」に相当)を有して構成されている。なお、複数の宿泊客に同時にサービスを提供できるように精算機1a、1bは複数台(本実施形態は2台)配置されている。
【0020】
精算機1a、1bと管理コンピュータ3は、LAN51を介して互いに通信可能に接続されている。管理コンピュータ3には、各種情報を表示するためのモニタ42、キーボード、マウス等、従業員による入力を受け付けるための入力装置41が接続されている。また、レシートを印字するためのレシートプリンタ44、カードキーに各種情報を書き込む、そして、読み出すためのカードキーリーダ・ライタ43も接続されている。ここでカードキーとは、客室を解錠する鍵となるカードであって、客室のドアに配置されたセンサーにカードキーを近づける(非接触タイプ)、あるいは、センサーのスロットにカードキーを差し込む(接触タイプ)ことで解錠を行うことが可能である。
【0021】
また、宿泊施設内のLAN51は、ルータ52を介してインターネットに通信接続されており、宿泊施設内の管理コンピュータ3、精算機1a、1b等は、インターネットを経由して各種サーバと通信を行うことが可能である。本実施形態の宿泊施設チェックインシステムでは、インターネットに通信接続された管理サーバ53を使用している。
【0022】
管理サーバ53は、管理コンピュータ3と同様、予約情報や会員情報等を記憶管理するとともに、宿泊施設が運営する予約サイトによってユーザからの予約を受け付けることが可能である。なお、管理サーバ53は、用途毎に異なるサーバに分けることとしてもよい。例えば、予約を受け付ける予約管理サーバ、会員情報を管理する会員管理サーバ、ユーザのポイントを管理するポイント管理サーバなどに分けて管理することも可能である。
【0023】
図2は、本実施形態に係る精算機1(1a、1b)の外観を示す図であり、
図3は、本実施形態に係る精算機1(1a、1b)の構成を示すブロック図である。精算機は宿泊施設のロビー内に配置されており、宿泊客のチェックイン、チェックアウトの補助を行うことが可能である。本実施形態の宿泊施設用システムでは、3種類のチェックインを行うことが可能である。精算機1における各種情報の入力を最小限に抑えたクイックチェックイン、予約時に通知された予約ID(予約番号)を使用する形態、予約した名前を使用する形態である。この他、精算機1を使用するチェックインの形態としては、ルームカードを使用してチェックインを行う形態が考えられる。ルームカードを使用してチェックインを行う形態では、宿泊客は、まずフロント81にいる従業員に対して、氏名、滞在期間等を告げ、少なくとも部屋番号の記録されたカードキーを受け取る。なお、このカードキーにはまだ客室の解錠機能は有していない。このカードキーを精算機1で読み取らせ、客室料金の支払いを終えることで、カードキーに解錠機能が与えられることになる。
【0024】
精算機1は、タッチパネルモニタ11、カードキー入出口12、スキャナ口13、紙幣入出口18、レシートプリンタ14、クレジットカード入出口15、テンキー16、金銭払出口17、2次元バーコードリーダ29を備えて構成されている。タッチパネルモニタ11は、操作する宿泊客に対して各種情報を表示する表示部11bと、宿泊客からの操作を受け付けるタッチパネル11aを備えて構成されている。カードキー入出口12は、客室の解錠を行うカードキーを読み取らせる、あるいは、精算機1内にストックしてあるカードキーを発行する、あるいは、チェックアウト時にカードキーを回収するための開口である。
【0025】
精算機1は、通常のコンピュータと同様、制御部としてのCPU21a、ROM21b、RAM21cを備えて構成されている。また、精算機1は、ハードディスク22等、各種情報を記憶する記憶部を有している。インターフェイス24には、スキャナ20、カードキーユニット25、クレジットカードユニット26、紙幣入出金部27、硬貨出金部28、2次元バーコードリーダ29、テンキー16、レシートプリンタ14が接続されている。これらインターフェイス24に接続された各種機器は、制御部、記憶部と接続され、記憶部に記憶されたプログラムに従って制御される。
【0026】
クレジットカードユニット26は、クレジットカード入出口15の背面に配置されており、宿泊客の所持するクレジットカードの読み取りを行う。紙幣入出金部27は紙幣入出口18の背面に配置されており、宿泊客の支払う紙幣の回収、あるいは、お釣りとしての紙幣の排出を行う。硬貨出金部28は金銭払出口17の裏面に配置されており、宿泊客に対してお釣りとしての硬貨の排出を行う。レシートプリンタ14は、収納するレシート用紙に領収書等、各種印字、並びに、印字したレシート用紙のカットを行うことが可能である。テンキー16は、クレジットカードの暗唱番号等、各種情報を入力することが可能である。
【0027】
タッチパネルモニタ11に表示する画像は、制御部、記憶部の制御の基、画像処理部21dによって表示部11bに表示される。また、精算機1にはLAN51に接続するための通信部23が設けられ、ネットワークに接続された管理コンピュータ3、あるいは、ルータ52を介してインターネットと通信を行うことが可能となっている。また、精算機1は、タッチパネルモニタ11による視覚情報以外に、音声処理部21e、スピーカによる聴覚情報も提供することが可能である。
【0028】
図4は、本実施形態に係る管理コンピュータ3、及び、その周辺機構の構成を示す図である。管理コンピュータ3は、従業員によって操作される情報処理装置であって、制御部としてのCPU31a、ROM31b、RAM31c、記憶部としてのハードディスク32を備えて構成されている。また、キーボード、マウスと行った各種入力装置41を接続するためのインターフェイス37aを備えている。また、レシートプリンタ44、カードキーリーダ・ライタ43を接続するためのインターフェイス37bを備えている。また、モニタ42に対して映像を形成出力するための画像処理部31dを備えている。また、LAN51に接続するための通信部33が設けられ、ネットワークに接続された精算機1a,1b、あるいは、ルータ52を介してインターネットと通信を行うことが可能となっている。また、管理コンピュータ3は、モニタ42による視覚情報以外に、音声処理部31e、スピーカによる聴覚情報も提供することが可能である。
【0029】
以上のような構成のもと、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムは、宿泊客のチェックインに関する各種処理を実行することが可能である。
【0030】
本実施形態の宿泊施設チェックインシステムは、ユーザが所持する携帯端末7と連携して機能する。
図5は、本実施形態に係る携帯端末7の構成の一例を示す図である。携帯端末7は、ユーザが所持する端末であって、制御部として、CPU71a、各種プログラム等を記憶したROM61b、情報を一時記憶するためのRAM71c、画像処理部71d、音響処理部71eを備えている。画像処理部71dには、撮影を可能とするカメラ74の他、タッチパネルモニタ75の表示部752が接続されている。音響処理部71eには、スピーカ78a、マイクロホン78bが接続されている。CPU71aには、インターフェイス73を介して、各種通信部(携帯回線通信部76a、無線LAN通信部76b、Bluetooth通信部76c(登録商標)、NFC通信部76d)の他、各種入力を受け付ける入力スイッチ77、タッチパネルモニタ75を構成するタッチパネル751が接続されている。
【0031】
ユーザは、携帯端末7を使用して、インターネット上の管理サーバ53と通信し、予約処理を行うことが可能である。
図6は、宿泊施設の予約を行う予約処理について、携帯端末7側の処理を示すフロー図である。ユーザは、インターネットブラウザ、あるいは、専用のアプリを使用して予約処理を実行する。予約処理では、ユーザが希望する宿泊移設の検索(S101)、宿泊施設の指定(S102)、指定された宿泊施設について各種条件(宿泊日、宿泊プラン、部屋タイプ、宿泊人数など)の指定(S103)が行われる。
【0032】
宿泊施設の指定、及び、指定された宿泊施設について各種条件の指定が完了し、予約が確定された場合(S104:Yes)、会員登録の有無が問われる(S105)。会員登録がある場合(S105:Yes)、会員ID、パスワードの入力等によるログイン処理(S106)が実行され、会員情報に基づき予約登録が行われる。また、会員登録が無い場合(S105:No)であっても会員登録を希望する場合(S108:Yes)、会員登録処理(S109)が実行され、新たに登録された会員情報に基づき予約登録(S107)が実行される。
【0033】
図7には、宿泊施設チェックインシステムで使用する各種データ構成が示されている。
図7(A)は、宿泊施設会員に関する情報であって、
図7(A1)は、会員情報、
図7(A2)は会員予約情報である。
図7(A1)に示される会員情報は、会員を識別するための会員ID、氏名(漢字)、氏名(カナ)、性別、職業、年齢、国籍、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレスを含んでいる。
図7(A2)に示される会員予約情報は、会員が宿泊施設を予約した場合に形成される情報であって、会員ID、予約ID、宿泊関連情報を含んで構成されている。宿泊関連情報には、宿泊施設を識別するための宿泊施設ID、チェックイン日、宿泊数、宿泊人数、宿泊料金、予約プランを含んで構成されている。
【0034】
予約処理において、会員登録を行わずに宿泊施設を予約する場合(S108:No)、ユーザは、予約に必要な宿泊者情報を入力(S110)して、宿泊施設の予約を行う。管理サーバ53は、宿泊者情報に基づき予約登録を行う(S111)。
図7(B)は、宿泊施設非会員に関する情報であって、
図7(B1)に示される非会員予約情報は、非会員が宿泊施設を予約した場合に形成される情報であって、予約ID、宿泊者情報、宿泊関連情報(
図7(A2)に示される宿泊関連情報と同じ)を含んで構成されている。宿泊者情報には、S110で入力された氏名(漢字)、氏名(カナ)、住所、電話番号が含まれている。
【0035】
予約処理に戻り、会員あるいは非会員として宿泊施設の予約登録が完了(S107、S111)すると、事前決済を行うか否かが問われる(S112)、事前決済を行う場合(S112:Yes)には、クレジットカード等を使用した事前決済処理が実行(S113)された後、予約処理が完了する。一方、事前決済を行わない場合(S112:No)には、そのまま予約処理は完了する。
【0036】
ところで、宿泊施設のチェックインを行う場合、旅館業法に基づき、身元確認等を目的とした宿泊台帳の記帳が義務付けられている。紙を使用した記帳では、宿泊者は、宿泊台帳に氏名、年齢、住所、同伴者の氏名、住所等を記載する必要がある。したがって、宿泊台帳の記帳のためにチェックイン時間が長くなることが予想される。本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムでは、宿泊施設における宿泊台帳の記入(入力)を、予めユーザの所持する携帯端末7を使用して行っておくことで、チェックイン時における宿泊台帳の記入(入力)を最小限に留めることを一つの目的としている。
【0037】
そのため、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムでは、予約処理の完了後であって、宿泊施設で行われるチェックイン処理の前に、第1事前処理、第2事前処理を行うこととしている。
【0038】
図8は、本実施形態に係る第1事前処理を示すフロー図である。第1事前処理は、
図6で説明した予約処理の実行後、当該予約に関して実行される処理である。本実施形態の第1事前処理は、管理サーバ53で行われる処理である。予約処理が完了したことが判定された場合(S201:Yes)、当該予約について予約時情報の読み出しが行われる(S202)。ここで、予約時情報とは、予約時点までに宿泊者から既に取得した情報であって、宿泊者が会員と録している場合は、
図7(A1)の会員情報、及び、
図7(A2)の会員予約情報の少なくとも一部が相当する。また、非会員の場合は、
図7(B1)の非会員予約情報の少なくとも一部が相当する。
【0039】
次に、予約した宿泊施設について、宿泊時要求項目が読み出される(S203)。宿泊時要求項目とは、予約した宿泊施設の宿泊台帳で必要とされる記入項目(入力項目)である。ここで、宿泊台帳で必要とされる記入項目は、宿泊施設、あるいは、宿泊施設の地域で異なることが考えられる。宿泊施設の地域によって異なる理由は、宿泊者施設は、地域毎の保健所によって宿泊台帳の基準が異なっているためである。そのため、本実施形態では、予め宿泊者施設毎に宿泊時要求項目を記憶しておき、予約した宿泊施設の宿泊時記入項目を読み出すことで、当該宿泊施設に応じた宿泊台帳に対応可能としている。
【0040】
図7(C)は、宿泊時要求項目の例を示す図であって、
図7(C1)は、ある宿泊施設Aについて、宿泊時要求項目を示す例である。宿泊施設Aでは、氏名(漢字)、氏名(カナ)、性別、職業、年齢、国籍、郵便番号、住所、電話番号、前泊地、行先地、車両の利用、車両番号、同伴者情報(氏名、住所、性別、年齢)が求められる。ここで車両の利用は、車両を使用して宿泊施設を訪れたか否かであり、車両を使用している場合、車両番号が求められる。また、
図7(C2)は、宿泊施設Aとは異なる宿泊施設Bについて、宿泊時要求項目を示した例である。宿泊施設Bでは、車両の利用、車両番号を有していない点において、宿泊施設Aと異なっている。これは、例えば、宿泊施設Bには駐車場が無いことを理由としている。また、宿泊施設Bでは、行先地を有していない点においても宿泊施設Aと異なっている。これは、宿泊施設Bを管轄する保健所が、例えば、行先地までは要求していないことを理由としている。
【0041】
宿泊時要求項目が読み出される(S203)と、予約時情報は、宿泊項目を全て充足しているか否かが判定される(S204)。予約時情報、すなわち、予約時点までに宿泊者から取得済みの情報を全て充足していない場合(S204:Yes)、宿泊者が登録しているメールアドレスに第1完了メールを送信する(S205)。
図10(A)は、宿泊者の携帯端末7に表示される第1完了メールの表示例である。第1完了メールには、予約に関する各種情報が掲載された予約時情報表示欄551a、及び、リンク551bが表示されている。リンク551bは、インターネットのURLを示しており、ユーザである宿泊者がタッチすることで、リンク先のウェブサイトが表示される。宿泊者は、クイックチェックインを希望する場合、このリンク551bを使用して、追加情報を入力することが可能である。
【0042】
宿泊者により、リンク551bがアクセスされた場合、
図9に示される第2事前処理が開始される。本実施形態の第2事前処理は、リンク先となっている管理サーバ53で実行される処理である。リンク551bがアクセスされると、管理サーバ53は、アクセスしてきた携帯端末7に追加項目入力画面を表示させる(S222)。
図10(B)は、携帯端末7に表示されている追加項目入力画面である。この追加項目入力画面は、
図7(C1)に示される宿泊施設Aの場合であって、追加情報入力欄552a~552hが表示されている。追加項目は、
図8の第1事前処理で説明した宿泊時要求項目中、予約時情報に該当する項目を除いた項目である。追加項目に対応する追加情報を取得することで、宿泊時要求項目に対応する全ての情報が揃うことになる。
【0043】
宿泊者であるユーザは、自分の携帯端末7を使用して、これら追加情報入力欄552a~552hに追加情報を入力する。入力後、確定ボタン552iを操作することで追加情報の入力が完了する(S223:Yes)。入力された追加情報は、管理サーバ53に送信される。管理サーバ53は、既に取得済みの予約時情報と、受信した追加情報とによって、チェックイン情報を形成する(S223)。チェックイン情報には、宿泊時要求項目に対応する情報の他、予約を識別するための予約IDも含まれている。そして、このチェックイン情報に基づき、クイックチェックインに使用されるコード情報を生成する(S224)。本実施形態では、コード情報の形態として2次元バーコードを使用している。また、コード情報では、チェックイン情報は暗号化されており、チェックイン時に使用される精算機1で復号化される。
【0044】
生成されたコード情報は、宿泊者の携帯端末7にメール形態で送信される(S225)。
図10(c)は、コード情報を受信した宿泊者の携帯端末7の表示例である。携帯端末7には、
図10(A)の場合と同様の予約時表示欄553aと、コード情報553bが表示されている。このコード情報553bには、チェックイン情報が含まれている。したがって、このコード情報553bを精算機1に読み取らせることで、チェックイン時に必要とされる情報を宿泊施設側に容易に伝達することが可能となる。なお、第2事前処理の完了後、管理サーバ53は、追加情報、チェックイン情報、コード情報を削除することとしてもよい。管理サーバ53に宿泊者の個人情報を残すことを抑制することが可能となる。
【0045】
図8の第1事前処理に戻り、予約時情報が宿泊要求項目を全て充足する場合(S204:Yes)について説明する。この場合宿泊時要求項目に対応する情報は、予約時情報で全て揃っているため、予約時情報に基づきチェックイン情報が形成される(S206)。そして、第2事前処理のS224の場合と同様、チェックイン情報に基づき、2次元バーコード形態のコード情報が生成される(S207)。そして、生成したコード情報に基づき、第2完了メールを送信する(S208)。この第2完了メールは、
図10(C)の場合と同様であり、クイックチェックインに必要となるコード情報553bが含まれている。なお、文面などは、
図10(C)と異ならせてもよい。
【0046】
図11は、実施形態に係る精算機1で実行されるチェックイン処理を示すフロー図である。まだ受付を行っていない初期状態の精算機1には、
図12に示される初期画面が表示されている。初期画面には、言語選択ボタン111、チェックイン選択ボタン112、チェックアウト選択ボタン113が表示されている。宿泊客は、チェックインする場合にはチェックイン選択ボタン112を操作し、チェックアウトする場合にはチェックアウト選択ボタン113を操作する。また、宿泊客が外国人の場合には、自国の言語に対応する言語選択ボタン111を操作することで、タッチパネルモニタ11の言語表示を変更することが可能である。
【0047】
チェックイン処理は、チェックイン選択ボタン112を操作することで開始される。チェックイン処理が開始されると、タッチパネルモニタ11には、チェックイン方法を問うチェックイン方法選択画面が表示される(S301)。
図13は、チェックイン方法選択画面を示す図である。チェックイン方法選択画面には、3つのチェックイン選択ボタン114a~114cが表示されており、宿泊客は3種類のチェックイン方法の内、何れかを選択することが可能となっている。
【0048】
3種類のチェックイン方法としては、(1)クイックチェックイン(チェックイン選択ボタン114aを選択)、(2)予約番号を使用する形態(チェックイン選択ボタン114bを選択)、(3)名前を使用する形態(チェックイン選択ボタン114cを選択)がある。このようなチェックイン方法以外に、フロント81で受け取ったルームカードを、精算機1に読み取らせる形態を採用してもよい。
【0049】
チェックイン方法選択画面の表示に基づき、ユーザによりチェックイン方法が選択された場合(S302:Yes)、選択されたチェックイン方法に応じた処理が開始される。ここでは、クイックチェックインについて詳しく説明するため、クイックチェックインが選択された場合(S302:Yes)と、それ以外の場合(S302:No)について説明する。クイックチェックインが選択された場合(S302:Yes)、精算機1のタッチパネルモニタ11には、コード情報読み取り画面(図示せず)が表示される(S303)。コード情報読み取り画面には、宿泊者に対して、2次元バーコードで形成されたコード情報553bを、精算機1の2次元バーコードリーダ29に読み取らせるように案内する表示がされる。
【0050】
宿泊者は、コード情報読み取り画面の案内に従い、コード情報を2次元バーコードリーダ29に読み取らせる。精算機1は、コード情報553bに成功すると、コード情報を復号化してチェックイン情報を取得し、チェックイン情報に含まれる予約IDに基づいて、管理コンピュータ3あるいは管理サーバ53に予約の確認を行う(S305)。予約が適正である場合(S306:Yes)は、宿泊内容確認画面が表示される(S307)。一方、予約が適正で無い場合(S306:No)、タッチパネルモニタ11にはエラー表示される(S317)。
【0051】
一方、クイックチェクイン以外のチェックイン方法が選択された場合(S302:No)、宿泊者は、選択したチェックイン方法の形態に基づき、予約番号(予約IDに相当)、あるいは、宿泊者名の入力を行う(S318)。管理コンピュータ3、あるいは、管理サーバ53は、入力された予約番号、あるいは、宿泊者名に基づき予約の照会を行い、予約が適正である場合(S319:Yes)、宿泊内容確認画面が表示される。一方、予約が適正で無い場合(S319:No)には、タッチパネルモニタ11にはエラー表示される(S317)。
【0052】
図14は、本実施形態に係る宿泊内容確認画面を示す図である。宿泊内容確認画面には、予約に関する各種情報を表示する宿泊関連表示欄115、取消ボタン116、戻るボタン117、次へボタン118が表示されている。宿泊関連表示欄115に表示される内容に間違いないことを確認したユーザ(宿泊客)は、次へボタン118を操作することで次の処理へ進む。一方、宿泊関連表示欄115に実際と異なる内容がある場合、ユーザは取消ボタン116、あるいは、戻るボタン117を操作して、従業者を呼ぶ、あるいは、操作をやり直す。
【0053】
宿泊関連表示欄115の表示内容が確認された後、次へボタン118が操作されると、パスポートの提示が必要であるか、否かが判断される(S308)。この判断は、例えば、宿泊者の国籍、あるいは、言語選択ボタン111の選択状態に基づいて行われる。国籍が日本以外の場合、あるいは、言語選択ボタン111が日本語以外を選択している場合、パスポートの提示が必要と判断される(S308:Yes)。なお、パスポートの提示については、ユーザインターフェイスを使用して宿泊者に国籍を選択させることで判断してもよい。
【0054】
パスポートの提示が必要な場合(S308:Yes)、パスポート読取処理(S309)が実行される。精算機1は、ユーザに対し、スキャナ口13内に設置されたスキャナ20上にパスポートを設置するようにタッチパネルモニタ11等に表示(図示せず)して促す。スキャナ20によるパスポートの読み取りが完了すると、
図15に表示されるパスポート確認画面が表示される。パスポート表示画面には、パスポート表示欄121、取消ボタン116、戻るボタン117、次へボタン118等が表示されている。パスポート表示欄121には、スキャナ20で読み取られたパスポート画像が表示される。宿泊者は、パスポート表示欄121に表示されたパスポート画像を確認し、読み取り完了を指示する次へボタン118を操作し、パスポートの読み取りを完了する。なお、読み取られたパスポート画像は、そのまま、宿泊台帳情報に登録してもよいし、あるいは、パスポート画像から文字認識を行うことでパスポート番号等、各種パスポート情報を抽出して、パスポート画像とともに、あるいは、抽出したパスポート情報のみを宿泊台帳情報に登録してもよい。
【0055】
パスポートの提示が必要ない(S308:No)、あるいは、パスポートの読取処理(S309)が完了すると、タッチパネルモニタ11には、宿泊台帳画面が表示される。宿泊台帳画面は、クイックチェックインである場合(S310:Yes)と、クイックチェックインで無い場合(S310:No)で、その表示内容が異なっている。クイックチェックインの場合、宿泊者は自分の携帯端末7を使用して追加情報を入力し、コード情報によって精算機1に対し、追加情報を含むチェックイン情報を伝達しているため、チェックイン時に必要な情報を入力する必要は無い。一方、クイックチェックインでない場合、チェックイン時に必要な情報が不足しているため、宿泊者は、宿泊台帳画面を使用して、チェックインに必要が情報を入力することになる。
【0056】
図16は、本実施形態に係る宿泊台帳画面(クイックチェックイン時)を示す図である。宿泊台帳画面には、宿泊関連情報表示欄122、編集ボタン123、宿泊者関連情報表示欄124、サイン欄125、取消ボタン116、確定ボタン126等が含まれている。宿泊関連情報表示欄122は、
図7(A2)の会員予約情報、あるいは、
図7(B1)の非会員予約情報に基づいて表示される。また、宿泊者関連情報表示欄124には、2次元バーコードを使用して読み取らせたチェックイン情報を使用して、各種情報が表示される。クイックチェックイン時には、宿泊者関連情報表示欄124には、未入力の項目は無い状態となっている。
【0057】
サイン欄125は、指あるいはタッチペンを使用して、タッチパネルモニタ11上をなぞり、署名を記入するための欄である。宿泊者はサイン欄125にサインをした上で、確定ボタン126を操作することになる。なお、宿泊施設の運用によっては、署名を求めない場合もある。その場合、サイン欄125を設けない形態としてもよい。
【0058】
宿泊者関連情報表示欄124中の確定ボタン126が操作された場合、
図16に示す宿泊台帳画面をキャプチャーした画像(宿泊台帳画像)を宿泊台帳情報として、管理コンピュータ3のハードディスク32等の記憶手段に登録する(S312)。なお、宿泊台帳画像には、少なくとも宿泊関連情報表示欄122、宿泊者関連情報表示欄124、サイン欄125の部分が含まれていればよい。宿泊台帳情報は、宿泊台帳画面をキャプチャーする以外に、宿泊台帳画面に表示される各種情報を、テキスト(サインに関しては画像)ベースで登録することとしてもよい。
【0059】
一方、クイックチェックインで無い場合(S310:No)、
図17に示す宿泊台帳入力画面が表示される。この宿泊台帳入力画面では、未入力項目(図中*印が付された項目)、宿泊者はソフトキーボード127、及び、変換文字選択欄128を使用して未入力項目の入力を行う。全ての未入力項目を入力すること(S322)で、
図16の宿泊台帳画面が表示される(S311)。
【0060】
このように、クイックチェックインで無い場合、宿泊台帳入力画面を使用して、未入力項目に各種チェックインに必要な情報を入力する必要がある。一方、クイックチェックインでは、チェックインに必要な情報は、コード情報で取得されるため、宿泊者による入力操作を抑制させることが可能となっている。その結果、チェックインに必要な時間を短縮することが可能となっている。
【0061】
宿泊台帳情報の登録(S312)が完了すると、予約処理での事前決済が済んでいるのか否かが判定される(S313)。事前決済が済んでいない場合(S313:No)、決済処理(S314)が実行される。本実施形態では、紙幣入出金部27、硬貨出金部28を使用した現金による決済、あるいは、クレジットカードユニット26を使用したクレジットカードによる決済が可能となっている。
【0062】
また、決済処理(S314)の終了後、あるいは、事前決済が済んでいる場合(S313:Yes)、カードキー入出口12から客室の解錠に使用するカードキーが発行される(S315)。カードキーは宿泊人数を上限枚数として発行することが可能である。その後、レシートプリンタ14でレシートを印刷するレシート発行処理(S316)が実行され、一連のチェックイン処理が完了する。
【0063】
以上、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムについて説明を行ったが、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムによれば、ユーザが所持する携帯端末7を使用して、チェックインに必要な追加情報を入力し、コード化されたチェックイン情報(追加情報を含む)を、2次元バーコードリーダ29を使用して精算機1に伝達することで、精算機1での各種入力を最小限に抑え、宿泊者の操作の煩わしさの抑制、並びに、チェックイン時間の短縮を図ることが可能となる。
【0064】
なお、本実施形態に係る宿泊施設チェックインシステムは、各種変形例を採用することが可能である。以下に変形例について説明する。
【0065】
(第1変形例)
本実施形態でチェックイン時に使用されるコード情報553bは、管理サーバ53で生成(
図9に示される第2事前処理のS224)される形態であった。このような実施形態に代え、コード情報553bは、携帯端末7側で生成することとしてもよい。コード情報553bを携帯端末7側で生成する場合、追加項目に入力する追加情報を、必ずしも管理サーバ53に送信する必要が無いため、個人情報の保護をより一層高めることが可能となる。
【0066】
(第2変形例)
本実施形態では、チェックイン情報を2次元バーコードの形態のコード情報553bに変換し、携帯端末7から精算機1に伝達する形態を採用している。携帯端末7から精算機1への伝達形態は、このようなコード情報553bを使用する形態に代え、近距離無線通信を使用することとしてもよい。近距離無線通信としては、NFC通信を行う形態、あるいは、Bluetooth(登録商標)を使用する形態等が考えられる。この場合、携帯端末7側には、チェックイン情報を送信するための近距離無線送信手段が、精算機1側には、チェックイン情報を受信するための近距離無線受信手段が設けられることになる。
【0067】
なお、近距離無線通信を使用する場合、2次元バーコードと比較して、伝達可能な情報量も増加させることが容易となる。本実施形態では、パスポートのスキャン、宿泊者によるサイン入力を精算機1で行う形態を採用しているが、パスポートのスキャン画像、宿泊者によるサイン画像も携帯端末7を使用して事前に登録を行い、チェックイン情報に含めることとしてもよい。チェックイン時、宿泊者は精算機1においてパスポートのスキャン、あるいはサイン入力も行う必要が無くなる。
【0068】
(第3変型例)
本実施形態のクイックチェクイン時には、チェックイン時に必要とされる全ての追加情報を携帯端末7で事前に入力することとしている。このような形態に代え、携帯端末7による追加情報の入力は、その一部としてもよい。例えば、同伴者の詳細な情報については、同伴者がいない状況では入力することができないことが考えられる。あるいは、前泊地、行先地については、まだ決まっていないことも考えられる。このような未知の一部追加情報については、チェックイン時に精算機1で入力することとしてもよい。他の追加情報については、携帯端末7で事前に入力されているため、チェックイン時の時間短縮を図ることが可能となる。
【0069】
以上、本発明に係る発明について、各種実施形態について説明を行ったが、本発明はこれら各種実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの各種実施形態の構成、例えば、精算機1(本発明に係る「受付装置」)、あるいは、精算機1、管理サーバ53(本発明に係るサーバ装置)、携帯端末7の何れかで実行されるプログラムも本発明の範疇となるものである。また、カテゴリーの異なる宿泊施設チェックイン方法も本発明の範疇となるものである。
【符号の説明】
【0070】
1:精算機 31c:RAM
1a:精算機 31d:画像処理部
1b:精算機 31e:音声処理部
3:管理コンピュータ 32:ハードディスク
7:携帯端末 33:通信部
11:タッチパネルモニタ 37a:インターフェイス
11a:タッチパネル 37b:インターフェイス
11b:表示部 41:入力装置
12:カードキー入出口 42:モニタ
13:スキャナ口 43:ライタ
14:レシートプリンタ 44:レシートプリンタ
15:クレジットカード入出口 52:ルータ
16:テンキー 53:管理サーバ
17:金銭払出口 61b:ROM
18:紙幣入出口 71a:CPU
20:スキャナ 71c:RAM
21a:CPU 71d:画像処理部
21b:ROM 71e:音響処理部
21c:RAM 73:インターフェイス
21d:画像処理部 74:カメラ
21e:音声処理部 75:タッチパネルモニタ
22:ハードディスク 751:タッチパネル
23:通信部 752:表示部76a:携帯回線通信部
24:インターフェイス 76b:無線LAN通信部
25:カードキーユニット 76c:通信部
26:クレジットカードユニット 76d:NFC通信部
27:紙幣入出金部 77:入力スイッチ
28:硬貨出金部 78a:スピーカ
29:2次元バーコードリーダ 78b:マイクロホン
31a:CPU 81:フロント
31b:ROM