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特許7492349撮像装置およびその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20240522BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20240522BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20240522BHJP
【FI】
H04N23/60
G06F3/041 530
G03B17/02
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020041216
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021145191
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 真也
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-148389(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
G06F 3/041
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファインダーへの接眼を検知する接眼検知手段と、
前記ファインダーの外に設けられたタッチ操作面に対するタッチ操作を検出するタッチ検出手段と、
前記ファインダーに接眼されていない場合は、前記タッチ操作面に対する第1の閾値未満の面積のタッチ操作を有効とし、前記タッチ操作面に対する前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とし、
前記ファインダーに接眼されている場合は、前記タッチ操作面に対する前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作であっても有効とするように制御する制御手段と
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記ファインダーに接眼されている場合は、前記タッチ操作面に対する、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値未満の面積のタッチ操作を有効とし、前記タッチ操作面に対する第2の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とするように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記ファインダーに接眼されている場合は、前記タッチ操作面に対するタッチ操作の面積に基づくタッチ操作の無効化は行わないように制御とするように制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記タッチ操作面は、撮像された画像を表示可能な表示手段の表示面であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、接眼状態であっても非接眼状態であっても、有効なタッチ操作に応じて所定の処理を実行することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記所定の処理は、焦点調節位置または追尾対象の位置の決定であることを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記接眼検知手段は、前記ファインダーまでの接眼距離を検出可能であり、
前記制御手段は、前記接眼距離が、第1の距離より長い場合は、前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とし、
前記接眼距離が前記第1の距離より短い第2の距離以下の場合は、前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とし、
前記接眼距離が前記第1の距離と前記第2の距離の間の場合は、前記第1の閾値より大きく前記第2の閾値より小さい第3の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とすることを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項8】
タッチ操作の検出感度を高めたモードでは、当該モードでない場合よりも、前記第1の閾値、前記第2の閾値および前記第3の閾値の値が大きくなるように変更されることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
ファインダーへの接眼を検知する接眼検知手段と、前記ファインダーの外に設けられたタッチ操作面に対するタッチ操作を検出するタッチ検出手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
前記ファインダーに接眼されていない場合は、前記タッチ操作面に対する第1の閾値未満の面積のタッチ操作を有効とし、前記タッチ操作面に対する前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とし、前記ファインダーに接眼されている場合は、前記タッチ操作面に対する前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作であっても有効とするように制御するステップを有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から8のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ操作の検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルへのタッチ操作によってユーザからの入力を受け付ける装置では、タッチパネルへの不用意なタッチ操作が検出されたことに応じてユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行されてしまうことがある。このような誤動作を抑制するため、タッチ面積が閾値より大きい場合にはそのタッチ操作による処理を実行しないように制御する方法が提案されている(特許文献1)。また、タッチ操作を行う際に、ユーザの見ている表示部(ファインダー)とは異なる位置に設けられたタッチパッドを操作する方法が提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-212805号公報
【文献】特開2012-089973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、機器を持ち運ぶ際の意図しない操作入力を抑制できるが、カメラによる撮影時などの機器の使用時には操作性が低下する場合がある。例えば、特許文献2のような接眼中のタッチパッド操作時に無効とするタッチ入力の面積を小さくしすぎると、タッチ入力の面積が大きいタッチ操作が行われると、それがユーザが意図的に行ったタッチ操作であっても無効になってしまう。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行される可能性を低減し、機器の操作性を改善できる技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、ファインダーへの接眼を検知する接眼検知手段と、前記ファインダーの外に設けられたタッチ操作面に対するタッチ操作を検出するタッチ検出手段と、前記ファインダーに接眼されていない場合は、前記タッチ操作面に対する第1の閾値未満の面積のタッチ操作を有効とし、前記タッチ操作面に対する前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作を無効とし、前記ファインダーに接眼されている場合は、前記タッチ操作面に対する前記第1の閾値以上の面積のタッチ操作であっても有効とするように制御する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行される可能性を低減し、機器の操作性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態のデジタルカメラの外観図。
図2】本実施形態のデジタルカメラの構成を示すブロック図。
図3】本実施形態のタッチパネルの構成を示すブロック図。
図4】本実施形態のタッチ面積の演算処理を説明する図。
図5】実施形態1のタッチ検出処理を示すフローチャート。
図6】実施形態1の接眼距離とタッチ面積の関係を示す図。
図7】実施形態1の接眼距離とタッチ面積とタッチ判定閾値の関係を示す図。
図8】実施形態2のタッチ検出処理を示すフローチャート。
図9】実施形態2の接眼距離とタッチ面積の関係を示す図。
図10】実施形態2の接眼距離とタッチ面積とタッチ判定閾値の関係を示す図。
図11】実施形態2の接眼距離とタッチ面積とタッチ判定閾値の関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
[実施形態1]
以下に、本発明の撮像装置を、静止画や動画を撮影可能なデジタル一眼レフカメラに適用した実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
<装置構成>図1及び図2を参照して、本実施形態のデジタルカメラ100の構成および機能について説明する。
【0012】
図1(a)は、レンズユニット200を取り外した状態のデジタルカメラ100の前面斜視図、図1(b)はデジタルカメラ100の背面斜視図である。
【0013】
図1において、背面表示部101は、画像や各種情報を表示するファインダー外表示部であり、カメラ本体の背面に設けられたLCDなどの表示デバイスである。また、背面表示部101は、静止画撮影後の静止画再生や記録中の動画表示、及びライブビュー表示機能を併せ持っている。背面表示部101には、タッチパネル270aが設けられている。タッチパネル270aは、背面表示部101の表示面(タッチパネル270aのタッチ操作面)対する接触(タッチ操作)を検出可能なタッチ操作部材である。
【0014】
ファインダー外表示部243は、カメラ上面に設けられた表示部であり、シャッター速度や絞りをはじめとするカメラの様々な設定値が表示される。シャッターボタン102は撮影指示を行うための操作部である。モード切替スイッチ103は各種モードを切り替えるための回転ダイヤル式の操作部である。端子カバー104は外部機器とデジタルカメラ100をUSBなどのケーブルを介して接続するためのコネクタ(不図示)を保護するカバー部材である。メイン電子ダイヤル105は図2で後述する操作部270に含まれる回転操作部材であり、このメイン電子ダイヤル105を回すことで、シャッター速度や絞りなどの設定値が変更できる。
【0015】
電源スイッチ106はデジタルカメラ100の電源のオン/オフを切り替える操作部材である。サブ電子ダイヤル107も図2で後述する操作部270に含まれる回転操作部材であり、選択枠の移動や画像送りなどが行える。十字キー108も図2で後述する操作部270に含まれる移動指示部材であり、上、下、左、右の4方向に押し込み可能な押しボタンを有する4方向操作ボタンである。十字キー108の押下した方向に押した部分に応じた操作が可能である。SETボタン109も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、主に選択項目の決定などに用いられる。
【0016】
ロックボタン110も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、ボタンが押されたことに応じて、メイン電子ダイヤル105、サブ電子ダイヤル107、タッチパネル270a、マルチコントローラ115、不図示のコントロールリングなどへの操作を有効/無効にする、ロック状態の設定/解除の切り替えが可能である。
【0017】
コントロールリングは、図2で後述するレンズユニット200のレンズ鏡筒まわりの光軸を中心とした回転操作が可能な操作部材である。コントロールリングを操作すると、回転量(操作量)に応じた電気的なパルス信号が発生し、このパルス信号に基づいてシステム制御部201はデジタルカメラ100の各部を制御する。また、コントロールリングの機能切替ボタンが押されると、コントロールリングに割り当てる機能を変更可能なメニュー画面が背面表示部101に表示される。コントロールリングは設定項目の選択や値の変更に用いられる。
【0018】
拡大/縮小ボタン111も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、撮影モード時のライブビュー表示中において、拡大モードのオン/オフ、拡大モード中の拡大率の変更や、拡大された画像の拡大率を減少させ、画像を縮小させることが可能である。また、拡大/縮小ボタン111は、再生モード時において、再生画像を拡大/縮小し、拡大率を増加/減少させることが可能である。削除ボタン112も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、後述する撮影処理において記録媒体250に記録した画像ファイルを消去することが可能である。再生ボタン113も図2で後述する操作部270に含まれる操作部材であり、デジタルカメラ100の動作モードを撮影モードまたは再生モードに切り替えることが可能である。メニューボタン114も図2で後述する操作部270に含まれる押しボタンであり、メニュー画面を背面表示部101に表示することが可能である。マルチコントローラ115も図2で後述する操作部270に含まれ、横方向にスライド操作可能な操作部材(操作バー)であり、スライド操作と両端のタッチ操作に、様々な機能を割り当てることができる。
【0019】
グリップ部116は、ユーザがデジタルカメラ100を構えた際に右手で握りやすい形状を有する。グリップ部116を右手の小指、薬指、中指で握ってデジタルカメラ100を保持した状態で、右手の人差指で操作可能な位置にシャッターボタン102、メイン電子ダイヤル105が配置されている。また、同じ状態で、右手の親指で操作可能な位置に、サブ電子ダイヤル107が配置されている。蓋117はデジタルカメラ100に対して記録媒体250を着脱するためにスロットを開閉する部材である。
【0020】
通信端子210はデジタルカメラ100がレンズユニット200と通信を行うための電気的接点である。接眼部216は、覗き込み型の接眼ファインダーである。ユーザは、接眼部216を介してファインダー内表示部229である電子ビューファインダー(EVF)に表示された画像を視認可能であり、図2で後述するレンズユニット200を通じて取り込んだ被写体像の焦点や構図の確認を行うことができる。
【0021】
接眼検知部217は、接眼部216の近傍に配置され、接眼部216への何らかの物体の接近を検知することができる。接眼検知部217は、例えば赤外線近接センサが用いられる。
【0022】
次に、図2を参照して、本実施形態のデジタルカメラ100およびレンズユニット200の内部構成について説明する。図2において、図1と共通する構成には同じ符号を付して示している。
【0023】
図2において、レンズユニット200は撮影レンズ207を搭載し、デジタルカメラ100に対して着脱可能である。撮影レンズ207は通常、複数枚のレンズから構成されるが、ここでは簡略して1枚のレンズのみで示している。通信端子206はレンズユニット200がデジタルカメラ100と通信を行うための電気的接点である。通信端子210はデジタルカメラ100がレンズユニット200と通信を行うための電気的接点である。レンズユニット200は、通信端子206を介してシステム制御部201と通信し、内蔵されたレンズ制御部204が絞り駆動回路202を制御して絞り205を駆動し、AF駆動回路203を制御して撮影レンズ207の位置を変位させることで焦点を合わせる。
【0024】
フォーカルプレーンシャッター221は、システム制御部201の指示に応じて撮像部222での露光時間を自由に制御できる。撮像部222は被写体像を電気信号に変換するCCDやCMOS等の撮像素子で構成されたイメージセンサである。A/D変換器223は、撮像部222から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。
【0025】
画像処理部224は、A/D変換器223からのデータ、又は、メモリ制御部215からのデータに対して所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部224では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、システム制御部201は演算結果に基づいて露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部224では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0026】
メモリ制御部215は、A/D変換器223、画像処理部224、メモリ232の間のデータの授受を制御する。A/D変換器223から出力されるデジタルデータは、画像処理部224およびメモリ制御部215を介して、あるいは、メモリ制御部215を介してメモリ232に直接書き込まれる。メモリ232は、撮像部222およびA/D変換器223から得られる画像データや、背面表示部101またはファインダー内表示部229に表示するための画像表示用のデータを格納する。メモリ232は、所定枚数の静止画や所定時間の動画および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。また、メモリ232は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0027】
D/A変換器219は、メモリ232に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して背面表示部101またはファインダー内表示部229に供給する。メモリ232に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器219を介して背面表示部101やファインダー内表示部229により表示される。背面表示部101やファインダー内表示部229は、表示デバイスにD/A変換器219からのアナログ信号に応じた表示を行う。このように、メモリ232に格納されたデジタル信号をアナログ信号に変換し、背面表示部101またはファインダー内表示部229に逐次転送して表示することで、ライブビュー(LV)表示(スルー画像表示)を行うEVFとして機能する。
【0028】
ファインダー外表示部243には、ファインダー外表示部駆動回路244を介して、撮影時のシャッター速度や絞りなどのカメラの様々な情報が表示される。
【0029】
不揮発性メモリ256は、電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばフラッシュROMなどが用いられる。不揮発性メモリ256には、システム制御部201の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、後述するフローチャートを実行するためのプログラムのことである。
【0030】
システム制御部201は、少なくとも1つのプロセッサまたは回路からなる演算処理装置であり、デジタルカメラ100全体を統括して制御する。システム制御部201は、不揮発性メモリ256に格納されたプログラムを実行することで、後述するフローチャートの各処理を実現する。システムメモリ252には、例えばRAMが用いられ、システム制御部201の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ256から読み出したプログラムなどが展開を展開するワークメモリとしても使用される。また、システム制御部201は、メモリ232、D/A変換器219、背面表示部101、ファインダー内表示部229などを制御することにより表示制御も行う。システムタイマー253は各種制御に用いる時間や、内蔵時計の時間を計測する計時部である。
【0031】
モード切替スイッチ103、第1シャッタースイッチ211、第2シャッタースイッチ212、操作部270はシステム制御部201に各種の指示を入力するための操作手段である。モード切替スイッチ103は、システム制御部201の動作モードを、静止画撮影モード、動画記録モード、再生モードのいずれかに切り替える。静止画撮影モードには、例えば、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、絞り優先モード(Avモード)、シャッター速度優先モード(Tvモード)、プログラムAEモード(Pモード)が含まれる。また、静止画撮影モードには、例えば、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、カスタムモードなどが含まれる。
【0032】
ユーザは、モード切替スイッチ103を操作することにより、これらの撮影モードのいずれかに直接切り替えるか、モード切替スイッチ103で動作モードの一覧画面に一旦切り替えた後に、一覧表示された複数の撮影モードのいずれかを選択し、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画記録モードや再生モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
【0033】
第1シャッタースイッチ211は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン102の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でオンとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の撮影準備動作を開始する。
【0034】
第2シャッタースイッチ212は、シャッターボタン102の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でオンとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部201は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部222からの信号読み出しから撮像された画像を画像ファイルとして記録媒体250に書き込むまでの一連の撮影処理の動作を開始する。
【0035】
操作部270は、ユーザからの各種操作を受け付けて、システム制御部201へ通知する各種スイッチ、ボタンなどの操作部材からなり、少なくとも以下の操作部材が含まれる。シャッターボタン102、モード切替スイッチ103、メイン電子ダイヤル105、電源スイッチ106、サブ電子ダイヤル107、十字キー108、SETボタン109、ロックボタン110、拡大/縮小ボタン111、削除ボタン112、再生ボタン113、メニューボタン114、マルチコントローラ115、コントロールリング271。
【0036】
電源制御部280は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部280は、その検出結果およびシステム制御部201の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体250を含む各部へ供給する。
【0037】
電源部230は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Liイオン電池等の二次電池、ACアダプタ等からなる。記録媒体I/F218は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体250とのインターフェースである。記録媒体250は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0038】
通信部254は、無線アンテナや有線ケーブルによって外部機器と通信可能に接続し、画像や音声の送受信を行う。通信部254は無線LAN(Local Area Network)やインターネットにも接続可能である。通信部254は撮像部222で撮像された画像データ(ライブビュー画像を含む)や、記録媒体250に記録されている画像ファイルを外部機器に送信でき、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信できる。なお、通信部254は、無線LANに限らず、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標) Low Energy、WirelessUSBなどの無線通信モジュール、あるいは、USBケーブルやHDMI(登録商標)、IEEE1394などの有線接続手段を用いてもよい。
【0039】
姿勢検知部255は重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部255で検知された姿勢に基づいて、撮像部222で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部201は、姿勢検知部255で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部222で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録したりすることが可能である。姿勢検知部255としては、加速度センサやジャイロセンサなどを用いることができる。姿勢検知部255は、加速度センサやジャイロセンサを用いることで、デジタルカメラ100の動き(パン、チルト、持ち上げ、静止など)を検知することも可能である。
【0040】
なお、操作部270の1つとして、背面表示部101に対するタッチ操作を検出可能なタッチパネル270aを有する。タッチパネル270aと背面表示部101とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル270aを光の透過率が背面表示部101の表示を妨げないように構成し、背面表示部101の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル270aにおける入力座標と、背面表示部101上の表示座標とを対応付ける。これにより、あたかもユーザが背面表示部101上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。システム制御部201はタッチパネル270aへの以下の操作、あるいは状態を検出できる。
【0041】
・タッチパネル270aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル270aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウン(Touch-Down)と称する)。
【0042】
・タッチパネル270aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオン(Touch-On)と称する)。
【0043】
・タッチパネル270aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブ(Touch-Move)と称する)。
【0044】
・タッチパネル270aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップ(Touch-Up)と称する)。
【0045】
・タッチパネル270aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフ(Touch-Off)と称する)。
【0046】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
【0047】
これらの操作・状態や、タッチパネル270a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バスを通じてシステム制御部201に通知され、システム制御部201は通知された情報に基づいてタッチパネル270a上にどのような操作(タッチ操作)が行われたかを判定する。
【0048】
タッチムーブについてはタッチパネル270a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル270a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。所定距離以上をタッチムーブしたことが検出された場合はスライド操作(ドラッグ)が行われたと判定するものとする。タッチパネル上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作をフリックと呼ぶ。フリックは、言い換えればタッチパネル270a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出され、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行われたと判定できる(ドラッグに続いてフリックがあったものと判定できる)。更に、複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるタッチ操作をピンチイン、互いのタッチ位置を遠ざけるタッチ操作をピンチアウトと称する。ピンチアウトとピンチインを総称してピンチ操作(あるいは単にピンチ)と称する。
【0049】
タッチパネル270aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等、様々な方式のタッチパネルのうちいずれの方式のものを用いても良い。方式によって、タッチパネルに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネルに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、いずれの方式でもよい。
【0050】
本実施形態のデジタルカメラ100は、ユーザがファインダーを覗いたままAF枠(AF、すなわち焦点調節を行う焦点調節位置を示すインジケータ)の移動やパラメータの変更などを行えるタッチ&ドラッグ機能を有する。例えば、タッチ&ドラッグAFでは、タッチパネル270aに対してタップやタッチムーブを行うことにより、ファインダー内表示部229に表示されたAF枠を所望の位置(追尾対象や合焦対象の被写体の位置)に移動させることが可能である。接眼状態でタッチムーブ操作が行われると、ユーザはタッチムーブ操作に応じた位置指標の位置の指定方法を、絶対位置指定と相対位置指定のいずれかに設定することができる。例えば、位置指標がAF枠であれば、絶対位置指定の場合、タッチパネル270aに対するタッチダウンがあると、タッチダウンされる前に設定されていたAF位置(現在のAF位置)にかかわらず、タッチダウンされた位置(座標入力された位置)に対応付けられたAF位置が設定される。つまり、タッチ操作が行われた位置座標と、背面表示部101の位置座標とが対応づけられる。一方、相対位置指定の場合は、タッチ操作が行われた位置座標と背面表示部101の位置座標とは対応付けられない。相対位置指定では、タッチダウンされた時点ではAF位置は移動しない。タッチダウン後にタッチムーブがあると、タッチパネル270aに対するタッチダウン位置にかかわらず、タッチされる前に設定されていたAF位置(現在のAF位置)からタッチムーブの移動方向にタッチムーブの移動量に応じた距離だけ、AF位置を移動させる。
【0051】
接眼検知部217は接眼部216に対する目(物体)の接近(接眼)および離反(離眼)を検知する(接近検知)。システム制御部201は、接眼検知部217で検知された状態に応じて、背面表示部101とファインダー内表示部229の表示(表示状態)/非表示(非表示状態)を切り替える。システム制御部201は、少なくとも撮影モード、かつ、表示先の切替が自動である場合において、非接眼中は表示先を背面表示部101とし、ファインダー内表示部229は非表示とする。また、接眼中は表示先をファインダー内表示部229とし、背面表示部101は非表示とする。
【0052】
物体が接近した場合は、接眼検知部217の投光部(図示せず)から照射された赤外光が反射して赤外線近接センサの受光部(図示せず)に入射される。赤外線近接センサで受光される赤外光の入射光量によって、接眼部216への何らかの物体の接近の検出と、物体が接眼部216からどの程度の距離まで近づいているか(接眼距離)を判別することができる。接眼部216への物体の接近を検知するとシステム制御部201がファインダー内表示部229の表示を開始させることが可能となる。これにより、ユーザが接眼部216を覗いたときにファインダー内表示部229を極力遅延なく表示可能となる。
【0053】
また、接眼検知部217は、非接眼状態(非接近状態)から、接眼部216に対して所定距離以内に近づく物体を検出した場合に接眼を検出したと判定し、システム制御部201に接眼検知通知を送信する。また、接眼状態(接近状態)から、接近を検知していた物体が所定距離以上離れた場合に離眼が検出したと判定し、システム制御部201に離眼検知通知を送信する。接眼を検出する閾値と、離眼を検出する閾値は例えばヒステリシスを設けるなどして異なっていてもよい。また、接眼を検出した後は、離眼を検出するまでは接眼状態であるものとする。離眼を検出した後は、接眼を検出するまでは非接眼状態であるものとする。これにより、システム制御部201は、接眼検知部217が検出した接眼状態もしくは離眼状態に応じて背面表示部101とファインダー内表示部229の表示制御を行う。
【0054】
なお、接眼検知部217は赤外線近接センサに限らず、接眼とみなせる目や物体の接近を検知できるものであれば他のセンサを用いてもよい。また、本実施形態では接眼検知部217の投光部および受光部は後述する視線検出部260の赤外発光素子266および視線検出センサ264とは別体のデバイスであるものとするが、接眼検知部217の投光部を赤外発光素子266、受光部を視線検出センサ264で兼ねてもよい。
【0055】
視線検出部260は、次のダイクロイックミラー262、結像レンズ263、視線検出センサ264、視線検出回路265、赤外発光素子266を含み、ユーザの視線の有無だけでなく視線の位置や動きを検出する。
【0056】
本実施形態のデジタルカメラ100は、視線検出部260により角膜反射法と呼ばれる方式で視線を検出する。角膜反射法とは、赤外発光素子266から発した赤外光が眼球(目)261(特に角膜)において反射した反射光と、眼球(目)261の瞳孔との位置関係から、視線の位置や向きを検出する方式である。その他にも黒目と白目での光の反射率が異なることを利用する強膜反射法と呼ばれる方式など、様々な視線の位置や向きを検出する方式がある。なお、視線の位置や向きを検出できる方式であれば、上記以外の視線検出方式を用いてもよい。
【0057】
赤外発光素子266は、ファインダー画面内におけるユーザの視線位置を検出するための赤外光を発光するダイオードであり、ユーザの眼球(目)261に赤外光を接眼部216の中央付近に向けて照射する。赤外発光素子266から照射された赤外光は眼球(目)261で反射し、反射した赤外光はダイクロイックミラー262に到達する。ダイクロイックミラー262は赤外光だけを反射して可視光を透過させる機能を有し、光路を変更された反射赤外光は、結像レンズ263を介して視線検出センサ264の撮像面に結像する。
【0058】
結像レンズ263は視線検出光学系を構成する光学部材である。視線検出センサ264は、CCDやCMOSなどからなるイメージセンサを含む。視線検出センサ264は、入射された反射赤外光を電気信号に光電変換して視線検出回路265へ出力する。視線検出回路265は、視線検出センサ264の出力信号に基づき、ユーザの眼球(目)261の動きや瞳孔の位置からユーザの視線位置を検出し、検出した情報をシステム制御部201に出力する。視線検出センサ264は、人の目の瞳孔の検知が可能であるため、他の物体が接眼部216に接近または接触していても、人の視線が入力されていることを検知しない。これにより接眼部216は視線操作部としての機能を有するが、視線検出部は別の構成であってもよい。
【0059】
システム制御部201は接眼部216への以下の操作または状態を検出できる。
・接眼部216へ入力されていなかったこと/視線が新たに接眼部216に入力されたこと(視線入力の開始)
・接眼部216へ視線入力している状態であること
・接眼部216へ注視している状態であること
・接眼部216へ入力していた視線を外したこと(視線入力の終了)
・接眼部216へ何も視線入力していない状態
これらの操作・状態や、接眼部216に視線の入力位置はシステム制御部201に通知され、システム制御部201は通知された情報に基づいて接眼部216にどのような操作(視線操作)が行われたかを判定できる。
【0060】
なお、注視とは、ユーザの視線位置が所定時間内に所定の移動量を超えなかった場合のことを指す。つまり、システム制御部201は、視線検出回路265から受け取った検出情報に基づいて、ユーザの視線がある領域に固定されている期間が所定の閾値を越えた場合に、その領域を注視していると判定する。従って、当該領域は、注視が行われた位置である注視位置(注視領域)であるといえる。なお、「視線がある領域に固定されている」とは、例えば、所定の期間経過するまでの間、視線の動きの平均位置が当該領域内にあり、かつ、ばらつき(分散)が所定値よりも少ないことである。
【0061】
<タッチ検出方法>次に、図3から図7を参照して、実施形態1のタッチ検出方法について説明する。
【0062】
本実施形態においては、タッチパネル270aへのタッチ操作に対して、ユーザの意図しないタッチ操作を判定するためのタッチ面積の閾値が設定されている。また、タッチ面積の閾値は、ユーザがファインダーを覗いている接眼状態か否かに応じて異なる値が設定される。本実施形態では、閾値は閾値1と、閾値1よりも大きい値の閾値2のいずれかに設定されるものとするが、3つ以上の閾値を設けてもよい。設定された閾値は不揮発性メモリ256に記憶され、接眼検知部217による接眼検知時にシステム制御部201により読み出される。
【0063】
次に、図3を参照して、本実施形態のタッチパネル270aの詳細な構成について説明する。
【0064】
タッチパネルセンサ270bには、複数の列電極(X0~X8)が図中横(水平)方向、複数の行電極(Y0~Y4)が図中縦(垂直)方向に並んでおり、列電極と行電極同士が交わっている。交点Aは列電極X7と行電極Y2のセンサ交点を示している。行電極は不図示の定電流回路に接続され、列電極は所定の電位に固定される。不図示の定電流回路により微弱な電流が流されると、列電極及び行電極間に発生する相互容量に電荷が蓄積される。1つのセンサ交点当たり複数回の蓄積を実施するサブスキャンを行い、積分回路にて積分を行う。1センサ交点(1スキャン)の測定の結果は、デジタル信号に変換され、得られた信号値の変化量を静電容量の変化量として測定することでタッチ検出の有無を判定することが可能である。
【0065】
走査線駆動回路276は、走査線を順次選択し駆動する回路である。選択された走査線には、定電流回路により微弱な電流が流される。1走査線当たりのサブスキャン回数は、システム制御部201から制御回路281への指令により、任意に変更することが可能である。検出信号処理回路275は、読出線を順次選択して、検出信号を読み出す回路である。走査線駆動回路276および検出信号処理回路275は、制御回路281により供給されるクロック信号により駆動される。
【0066】
制御回路281は検出信号処理回路275により出力された各電極の検出信号値がタッチ判定閾値を超えているか否かを検出し、超えていればタッチ検出フラグをセットして、データをタッチパネルメモリ282に順次転送する。1フレームのスキャンが完了すると、タッチパネルメモリ282に格納された1フレームの検出データから、タッチ検出領域のグルーピング、およびタッチ位置の重心演算を行い、タッチ検出数と、タッチ検出座標およびタッチを算出する。
【0067】
本実施形態においては、タッチ面積を、閾値以上の静電容量の変化量が計測されたセンサ交点の合計数(タッチパネルに含まれるセンサのうち)により求める。タッチ面積を求める方法は、上述したタッチされたセンサ交点の数によって求める方法に限らず、タッチされた領域の大きさを検出してもよい。
【0068】
次に、図4を参照して、タッチ面積の演算方法について説明する。図4は、タッチパネル270aへのタッチ操作によるタッチ面積の演算方法を説明する図であり、(a1)、(a2)は通常の状態の指1本でタッチオンされた場合、(b1)、(b2)は指を寝かせた状態でタッチオンされた場合をそれぞれ示している。
【0069】
図4(a1)、(b1)は横から見たユーザの指Y(導電物質)によるタッチパネル270aへのタッチ操作の様子(タッチしたセンサ交点の位置)と各座標での静電容量の変化量を示している。静電容量の変化量は、図4(a2)、(b2)のY=αにおける各センサ交点で検出された静電容量の変化量を各センサ交点のX座標((a2)ではa1~a10、(b2)ではb1~b10)に合わせて表示している。静電容量の変化量は指Yとタッチパネル270aの間に発生した各センサ交点における静電容量の変化量(所定時間内に検出された静電容量の変化量の合計)である。タッチ面積は、タッチ面積閾値よりも大きな静電容量の変化量が検出されたセンサ交点の数により求められる。タッチ面積閾値よりも大きいタッチ判定閾値よりも大きな静電容量の変化量が検出されたセンサ交点は、そのセンサ交点へのタッチ操作があったものとされる。このようにタッチ操作が行われた座標やタッチ操作の種類が判定される。タッチ面積は、タッチダウンよりも小さな閾値で、より弱い力でのタッチ操作等も検出しやすくする。ユーザが意図的に強い力でタッチ操作を行うような場合よりも弱い力(カメラを持ち歩くユーザの腹部が当たってしまうような弱い力)のタッチ操作を有効な操作として受け付けないようにするためである。ユーザが意図しないタッチ操作と判定するための閾値と、ユーザが意図的に行ったタッチ操作と判定するための閾値をそれぞれ設定する。
【0070】
図4(a1)、(a2)においては、座標a1、a6~a10では検出された静電容量の変化量がタッチ面積に各センサ交点を含めるか否かを判定するためのタッチ面積閾値以下であったので、タッチ面積には含まれない。座標a2、a5は検出された静電容量の変化量がタッチ面積閾値よりも大きいため、タッチ面積には含まれるが、各センサ交点へのタッチ操作を検出するためのタッチ判定閾値以下であったので各センサ交点へのタッチ操作はなかったとする。座標a3~a4は、検出された静電容量の変化量がタッチ面積閾値、タッチ判定閾値よりも大きいため、タッチ位置を演算するためのセンサ交点に含まれ、各センサへのタッチ操作が行われたとして判定する。
【0071】
図4(a2)、(b2)はタッチパネル270aのセンサ交点を示したタッチパネルセンサ270bであり、各センサ交点は1つのマスに置き換えられている。図4(a1)、(b1)ではY=αのセンサ交点の静電容量の変化量のみを示したが、図4(a2)、(b2)では、Y=α-1~α+2で検出された静電容量の変化量について示している。黒色で塗られたマスのセンサ交点で検出された静電容量の変化量はタッチ判定閾値を超えたセンサ交点、斜線で塗られたマスのセンサ交点で検出された静電容量の変化量はタッチ面積閾値を超えたセンサ交点を示している。
【0072】
図4(a2)では黒色で塗られたマスが4つあり、タッチ操作が行われたと判定される面積(センサ交点の数)は4であり、4点の重心により求められる座標がタッチダウンされた点の座標となる。また、斜線で塗られたマスが8つあり、黒色で塗られたマス4つとあわせてタッチ面積閾値を超えたセンサ交点数は12であり、タッチ面積は12となる。
【0073】
図4(b2)では黒色で塗られたマスが8つあり、タッチ操作が行われたと判定される面積(センサ交点の数)は8である。また、斜線で塗られたマスが17つあり、黒色で塗られたマス8つと合わせてタッチ面積閾値を超えたセンサ交点数は25であり、タッチ面積は25となる。
【0074】
例えば、閾値1のタッチ面積(センサ交点の数)を16、閾値2のタッチ面積を30とすると、図4(a1)、(a2)の場合は、閾値1、閾値2が共に超えず、タッチ操作は有効として判定される。また、図4(b1)、(b2)の場合は、閾値1は超えるが閾値2は超えないので、閾値1に設定されている場合にはタッチ操作は無効として判定されるが、閾値2に設定されている場合にはタッチ操作は有効として判定される。
【0075】
なお、タッチ面積の演算はシステム制御部201ではなく、タッチパネル270aの制御回路281が行ってもよい。その場合には、システム制御部201は、タッチパネル270aの制御回路281により算出されたタッチ面積を読み込む。
【0076】
次に、図6および図7を参照して、本実施形態の接眼状態とタッチ面積の関係について説明する。
【0077】
図6(a1)は、接眼状態のカメラと顔の距離を示している。図6(a2)は、接眼状態でのタッチ面積を示している。接眼状態であるためカメラと顔との距離が近く、指を寝かせた状態でタッチ操作をするためタッチ面積が大きくなる。図6(b1)は、離眼状態のカメラと顔の距離を示している。図6(b2)は、離眼状態でのタッチ面積を示している。カメラと顔との距離が十分離れているため、指を立ててタッチ操作をするためタッチ面積が小さくなる。図7図6(a1)と(a2)、図6(b1)と(b2)の状態でのタッチ面積の例を示す。
【0078】
本実施形態におけるユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値は、閾値1を10、閾値2を30に設定する。図6(a1)、(a2)の場合は、タッチ面積は25となり、図6(b1)、(b2)の場合は、タッチ面積は8となる。つまり、図6(a1)、(a2)の場合は、閾値1は超えるが閾値2は超えないので、閾値1に設定されている場合にはタッチ操作は無効と判定されるが、閾値2に設定されている場合にはタッチ操作は有効として判定される。図6(b1)、(b2)の場合は、閾値1と閾値2は共に超えないので、タッチ操作は有効として判定される。接眼状態でのタッチ操作は非接眼時のタッチ操作よりも指を寝かせた状態となるため、タッチ面積が広くなりやすく、閾値を超えやすくなる。このため、接眼状態でのタッチ操作は、閾値が小さいと無効なタッチ操作として判定されやすくなり、閾値を大きくすることで有効なタッチ操作として判定されやすくなる。ただし、どのような場合にも閾値を大きくすると、閾値を超えないタッチ操作の全てが有効として判定され、ユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行される可能性がある。一方で、閾値を小さくすると接眼状態でのタッチ操作が有効であると判定されにくくなる。
【0079】
次に、図5を参照して、本実施形態の撮影モードにおけるタッチ検出処理について説明する。
【0080】
なお、図5の処理は、不揮発性メモリ256に記憶されているプログラムをシステムメモリ252に展開してシステム制御部201が実行し各部を制御することにより実現される。また、図5の処理は、デジタルカメラ100の電源がオンされ、撮影モードが選択されると開始される。後述する図8でも同様である。
【0081】
S501では、システム制御部201は、背面表示部101にライブビュー画像(LV画像、スルー画像)を表示する。
【0082】
S502では、システム制御部201は、タッチ操作に関する設定を行うタッチ設定がメニュー画面において選択されたか否かを判定する。メニュー画面はメニューボタン114の押下によって表示され、メニュー画面においてタッチ操作設定を選択するとタッチ設定が選択可能となる。タッチ設定は、接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更(タッチ&ドラッグAF)を有効とするかしないか、位置指定方法を絶対座標設定にするか相対座標設定にするか、タッチ有効領域をどこにするかを選択することができる。タッチ有効領域は、全体、右、左、右上、左上、右下、左下のいずれかから(有効領域設定)選択できる。
【0083】
S503では、システム制御部201は、タッチ設定において接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更が有効になったか否かを判定する。接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更(タッチ&ドラッグAF)が有効(オン)にされたと判定した場合はS504へ進み、そうでない場合はS505へ進む。
【0084】
S504では、システム制御部201は、接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更(タッチ&ドラッグAF)を有効(オン)に設定する。撮影者が接眼部216を覗き、背面表示部101が消灯し、ファインダー内表示部229にライビュー画像が表示された状態で、接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更が有効であると、背面表示部101(タッチパネル270a)へのタッチ操作でAF位置が設定可能となる。よって、接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更を有効にすると背面表示部101に表示がされていない状態であってもユーザは接眼部216を覗きながらAF位置の設定を操作性良く行うことができる。
【0085】
S505では、システム制御部201は、撮影モードを終了するか否かを判定する。撮影モードは、再生モードへの切り替え、デジタルカメラ100の電源オフなどにより終了する。撮影モードを終了すると判定した場合は処理を終了し、そうでない場合はS506へ進む。
【0086】
S506では、システム制御部201は、接眼部216の接眼検知部217が物体の接近(ユーザの接眼)を検知したか否かを判定する。接眼検知部217が物体の接近を検知したと判定した場合はS507へ進み、そうでない場合はS515へ進む。なお、S506でNOと判定された場合に、ファインダー内表示部229にライビュー画像が表示されている(1周期以上前のS508で表示されていた)場合は、背面表示部101に表示先を切り替える。接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更は、接眼検知部217によりユーザが接眼ファインダーを覗こうとしていることを検知し、背面表示部101からファインダー内表示部229に表示先が切り替わると可能になる。
【0087】
S507では、システム制御部201は、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を閾値2(>閾値1)に設定する。
【0088】
S508では、システム制御部201は、ファインダー内表示部229にライブビュー画像を表示する。この場合、ファインダー内表示部229へのライブビュー画像の表示と共に、背面表示部101のライブビュー画像を非表示にするが、少なくとも接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更が有効な場合は、タッチ操作は受付可能とする。
【0089】
S509では、システム制御部201は、S503で設定された接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更が有効になっているか否かを判定する。接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更が有効になっていると判定された場合はS510へ進み、そうでない場合はS502へ戻る。
【0090】
S510では、システム制御部201は、タッチパネル270aへのタッチ操作があったか否かを判定する。タッチ操作があったと判定された場合はS511へ進み、そうでない場合はS502へ戻る。
【0091】
S511では、システム制御部201は、タッチ面積Mを演算する。タッチ面積Mは、タッチ面積閾値以上の静電容量の変化量が検出されたセンサ交点の数によって算出される。
【0092】
S512では、システム制御部201は、S511で算出されたタッチ面積Mが、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するための閾値以上であるか否かを判定する。タッチ面積Mが閾値以上であると判定した場合はS513へ進み、タッチ面積Mが閾値未満であると判定した場合はS514へ進む。この場合の閾値は閾値2となる。つまり、S512では、タッチ面積閾値を超えたセンサ交点の数が閾値2の値である30より多いか否かを判定し、タッチ面積が30より多い場合はS513へ進み、30以下の場合はS514へ進む。
【0093】
S513では、システム制御部201は、S510で検出されたタッチを無効とする処理を実行し、S502へ戻る。つまり、S513では、タッチ操作が検出されてもタッチ面積が閾値を超えているので、ユーザの意図しないタッチ操作であったと判定してタッチ操作による処理を実行しないように、システム制御部201は、機能を実行するコマンドを通知しない、または、ユーザの意図しないタッチ操作であったことを通知し、機能を実行しないようにする。また、このタッチがタッチオンである限り、タッチ操作に応じたコマンドを通知しない。つまり、このタッチを離したことによるタッチアップや、このタッチをタッチムーブしたことによるドラッグかフリックを検出しても、これらのタッチ操作に対応する機能は実行しない。
【0094】
S514では、システム制御部201は、S510で検出されたタッチによるタッチパッド操作処理を実行し、S502へ戻る。
【0095】
S515では、システム制御部201は、背面表示部101に表示を切り替え、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を閾値1(<閾値2)に設定する。
【0096】
S516では、システム制御部201は、タッチパネル270aへのタッチ操作があったか否かを判定する。タッチ操作があったと判定された場合はS517へ進み、そうでない場合はS501へ戻る。
【0097】
S517では、システム制御部201は、タッチ面積Mを演算する。
【0098】
S518では、システム制御部201は、S517で算出されたタッチ面積Mが、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するための閾値以上であるか否かを判定する。閾値以上であると判定した場合はS513へ進み、閾値未満であると判定した場合はS519へ進む。この場合の閾値は閾値1となる。つまり、S518では、タッチ面積閾値を超えたセンサ交点の数が閾値1の値である10より多いか否かを判定し、タッチ面積が10より多い場合はS513へ進み、10以下の場合はS519へ進む。
【0099】
S519では、システム制御部201は、S516で検出されたタッチによるタッチ操作処理を実行し、S501へ戻る。
【0100】
なお、接眼中は、タッチ面積の閾値は設定せず、タッチ操作の無効化は行わないように制御してもよい。また、設定閾値は上述した例に限らず、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0101】
本実施形態によれば、接眼状態か否かに応じてユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を変更することにより、カメラの操作性の低下を抑止しつつ、ユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行される可能性を低減することができる。
【0102】
[実施形態2]次に、実施形態2について説明する。
【0103】
実施形態2では、接眼検知部217により検知されたファインダーまでの距離(接眼距離)に応じて、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を変更する。
【0104】
以下では、実施形態1との相違点を中心に説明する。また、装置構成は実施形態1と同じである。
【0105】
以下に、図9図10および図11を参照して、本実施形態の接眼距離に応じたタッチ面積の関係について説明する。
【0106】
図9(a1)は、完全に接眼した状態のカメラから顔までの接眼距離を示している。図9(a2)は完全に接眼した状態でのタッチ面積を示している。完全に接眼した状態であるため接眼距離が非常に近く、指を寝かせた状態でタッチ操作をするためタッチ面積が大きくなる。図9(c1)は、離眼状態でのカメラから顔までの接眼距離を示している。図9(c2)は、離眼状態でのタッチ面積を示し、接眼距離が十分長いため、指を立ててタッチ操作をするためタッチ面積が小さくなる。図9(b1)は、接眼部216から少し目を離した状態でのカメラから顔までの距離を示し、メガネをかけている場合もこの距離関係となる。図9(b2)は、接眼部216から少し目を離した状態でのタッチ面積を示している。図9(c1)、(c2)の完全に接眼した状態よりも、接眼距離が長く、少し指を立ててタッチするスペースがあるため、タッチ面積は、図9(a2)と図9(c2)の間の面積となる。
【0107】
図10は,図9の状態でのタッチ面積の例を示している。本実施形態でのユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を閾値1は10、閾値2は30、閾値3は20と設定する。図9(a1)、(a2)の場合は、タッチ面積は25となり、図9(b1)、(b2)の場合は、タッチ面積は16となり、図9(c1)、(c2)の場合は、タッチ面積は8となる。つまり、図9(a1)、(a2)の場合は、閾値1と閾値3は超えるが閾値2は超えないので、閾値1、閾値3に設定されている場合にはタッチ操作は無効として判定されるが、閾値2に設定されている場合にはタッチ操作は有効として判定される。図9(b1)、(b2)の場合は、閾値1は超えるが閾値2、閾値3は超えないので、閾値1に設定されている場合にはタッチ操作は無効として判定されるが、閾値2、閾値3に設定されている場合にはタッチ操作は有効として判定される。図9(c1)、(c2)の場合は、閾値1、閾値2、閾値3のいずれも超えず、タッチ操作は有効として判定される。接眼距離が短いほどタッチする指を寝かせた状態でのタッチとなるため、タッチ面積が広くなりやすく、閾値が設定されている場合に閾値を超えやすい。よって、接眼距離が短いほど、閾値が小さいと無効なタッチ操作として判定されやすくなり、反対に閾値を大きくすることで有効なタッチ操作として判定される。ただし、どのような場合にも閾値を大きくすると、閾値を超えないタッチ操作の全てが有効として判定され、ユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行される可能性がある。一方で、閾値を小さくすると接眼距離が短くなるほど有効なタッチ操作として判定されにくくなる。
【0108】
図11は、指で直接にタッチしないタッチ操作の検出感度を高めたモード、例えば、手袋を装着した状態でのタッチ操作を可能にするモードにおける、図9の接眼状態でのユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を示している。このようなモードでは、通常モード時よりも、閾値1、閾値2、閾値3の各値が大きくなるように変更される。例えば、閾値1が10から15、閾値2が20から25、閾値3が30から35にそれぞれ変更される。
【0109】
次に、図8を参照して、本実施形態の撮影モードにおけるタッチ検出処理について説明する。
【0110】
図8において、図5と同様の処理には同じ符号を付しており、S801~S804の処理が図5と相違している。
【0111】
S505で撮影モード処理の終了でない場合は、S801へ進む。
【0112】
S801では、システム制御部201は、接眼検知部217により検知された接眼距離を判定する。接眼距離が第2の距離以下の場合はS802へ進む。第2の距離は、例えば2cm未満であり、図9(a1)に相当する。接眼距離が第2の距離より長い第1の距離より長い場合はS804へ進む。第1の距離は、例えば10cm以上であり、図9(c1)に相当する。接眼距離が第1の距離と第2の距離の間の第3の距離の場合はS803へ進む。第3の距離は、例えば2cm以上10cm未満であり、図9(c)に相当する。S802とS803の場合に、ファインダー内表示部229にライビュー画像が表示されている(1周期以上前のS508で表示されていた)場合は、背面表示部101に表示先を切り替える。接眼状態でのタッチ操作によるAF設定変更は接眼検知部217が、ユーザがファインダーを覗こうとしていることを検知し、背面表示部101からファインダー内表示部229に表示先が切り替わると可能になる。
【0113】
S802では、システム制御部201は、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値に閾値2を設定する。
【0114】
S803では、システム制御部201は、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値に閾値3を設定する。
【0115】
S804では、システム制御部201は、背面表示部101に表示先を切り替え、ユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値に閾値1を設定する。
【0116】
なお、接眼中は、タッチ面積の閾値は設定せず、タッチ操作の無効化は行わないようにしてもよい。また、本実施形態では閾値を3段階に設定したが、何段階に閾値を設定してもよい。また、閾値および接眼距離は上述した例に限らず、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。
【0117】
本実施形態によれば、接眼距離に応じてユーザの意図しないタッチ操作として判定するためのタッチ面積の閾値を変更することにより、カメラの操作性の低下を抑止しつつ、ユーザの意図しないタッチ操作による処理が実行される可能性を低減できる。
【0118】
なお、システム制御部201が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0119】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0120】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタル一眼レフカメラに適用した場合を例にして説明したが、この例に限定されず、接眼状態でのタッチ&ドラッグ機能を有する装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、外付けファインダーを取り付けて撮影可能なパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末やその一種であるスマートフォン、タブレット端末、携帯型の画像ビューワ、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダその他の家電装置、車載装置、医療機器、電子双眼鏡などに適用可能である。
【0121】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0122】
[他の実施形態]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0123】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0124】
100…デジタルカメラ、101…背面表示部、216…接眼部、217…接眼検知部、270a…タッチパネル
図1
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図4
図5
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図11