(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2020064882
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100178847
【氏名又は名称】服部 映美
(72)【発明者】
【氏名】野口 白行
(72)【発明者】
【氏名】木村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】中道 幹芳
【審査官】佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-122947(JP,A)
【文献】特開2002-063235(JP,A)
【文献】特開2003-150232(JP,A)
【文献】特開2002-279023(JP,A)
【文献】特開平06-099462(JP,A)
【文献】特開2020-027312(JP,A)
【文献】特開2002-018881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部形状を有し、内部に収納物を収める容器であって発泡成形された発泡容器について、当該発泡容器の生産に用いる金型を示す金型情報と、前記金型を貸し出す貸出先を示す貸出先情報と、前記金型を貸し出す貸出期間情報と、を取得する履歴取得部と、
前記履歴取得部が取得した前記金型情報、前記貸出先情報及び前記貸出期間情報を対応付けて、管理情報として1又は複数の記憶部に記憶させる履歴管理部と、
前記金型情報、前記貸出先情報及び前記貸出期間情報のうちの少なくとも1つの入力情報の入力に対して、前記管理情報に基づいて、前記管理情報で前記入力情報に対応付けられた出力情報を出力する履歴処理部と、
前記発泡容器の外部形状を示す外部形状情報及び前記発泡容器の前記内部形状を示す内部形状情報を含む受注情報を取得する受注情報取得部と、
前記受注情報の外部形状情報及び、前記外部形状の仕様に応じた前記発泡容器の生産能力を示す生産能力情報に基づいて、前記貸出先を出力する検索処理部と、
を備え、
前記1又は複数の記憶部は、前記貸出先ごとに前記生産能力情報を記憶し、
前記履歴取得部は、前記検索処理部が出力した貸出先を示す貸出先情報と、前記受注情報の内部形状情報が示す内部形状を形成するための内部金型を示す内部金型情報と、当該内部金型の貸し出し期間を示す貸出期間情報と、を取得する、
管理システム。
【請求項2】
前記発泡容器は、凹構造及び凸構造の少なくとも1つを含む内部形状を有する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記発泡容器は、少なくとも前記発泡容器の壁面と前記収納物を収める収納室が発泡体によって一体成形され、
前記履歴取得部は、前記壁面のうち前記発泡容器の外側に外部形状を形成するための外部金型を示す外部金型情報
及び前記壁面のうち前記発泡容器の内側に前記内部形状を形成するための内部金型を示す内部金型情報を、前記金型情報として取得し、
前記履歴処理部は、前記入力情報に対して、前記外部金型情報又は前記内部金型情報を出力する、
請求項1又は請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記発泡容器は、ポリオレフィン製発泡体またはポリスチレン製発泡体である、
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記履歴取得部は、前記受注情報の外部形状情報が示す外部形状を形成するための外部金型を示す外部金型情報を取得し、
前記外部金型情報は、前記外部金型の使用履歴に関する外部金型履歴情報を含み、
前記内部金型情報は、前記内部金型の使用履歴に関する内部金型履歴情報を含み、
前記履歴処理部は、前記外部金型履歴情報又は前記内部金型履歴情報に基づいて前記発泡容器の生産を管理する、
請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記履歴処理部は、前記内部金型の製作期間に基づいて、前記外部金型の製作タイミングを決定する、
請求項5に記載の管理システム。
【請求項7】
前記内部金型は、第1の複数の部品によって構成され、
前記履歴処理部は、前記内部形状情報に基づいて、前記第1の複数の部品のうちの全部又は一部を選択し、前記内部金型を構成することによって前記発泡容器の生産を管理する、
請求項5又は請求項6に記載の管理システム。
【請求項8】
前記外部金型は、第2の複数の部品によって構成され、
前記履歴処理部は、前記外部形状情報に基づいて、前記第2の複数の部品のうちの全部又は一部を選択し、前記外部金型を構成することによって前記発泡容器の生産を管理する、
請求項5~請求項7のいずれか一項に記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物品を輸送する際、内部に物を収容するプラスチックコンテナのようなソリッド容器が用いられている。その際、製品を衝撃から保護するために、容器の中に発泡素材からなる緩衝材が併せて用いられている。また、特許文献1には、発泡粒子を素材とする容器について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発泡粒子を素材とする容器及び緩衝材を生産する際、各々をセットで用いる必要があったため、各々に特化した専用の金型をセットで用意する必要があった。したがって、容器及び緩衝材の生産に期間を要することがある。
【0005】
本発明は、容器及び緩衝材の生産において、より効率よく、より生産期間の短い管理システムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る管理システムは、以下の構成を採用した。
(1)この発明の一態様に係る管理システムは、内部形状を有し、内部に収納物を納める容器であって発泡形成された発泡容器について、当該発泡容器の生産に用いる金型を示す金型情報と、前記金型を貸し出す貸出先を示す貸出先情報と、前記金型を貸し出す貸出期間情報と、を取得する履歴取得部と、前記履歴取得部が取得した前記金型情報、前記貸出先情報及び前記貸出期間情報を対応付けて、管理情報として1又は複数の記憶部に記憶させる履歴管理部と、前記金型情報、前記貸出先情報及び前記貸出期間情報のうちの少なくとも1つの入力情報の入力に対して、前記管理情報に基づいて、前記管理情報で前記入力情報に対応付けられた出力情報を出力する履歴処理部と、を備える。
【0007】
(2)上記(1)の態様において、前記発泡容器は、凹構造及び凸構造の少なくとも1つを含む内部形状を有する。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の態様において、前記発泡容器は、少なくとも前記発泡容器の壁面と前記内部形状が発泡体によって一体成形され、前記履歴取得部は、前記壁面のうち前記発泡容器の外側に外部形状を形成するための外部金型を示す外部金型情報及び前記壁面のうち前記発泡容器の内側に前記内部形状を形成するための内部金型を示す内部金型情報を、前記金型情報として取得し、前記履歴処理部は、前記入力情報に対して、前記外部金型情報又は前記内部金型情報を出力する。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの態様において、前記発泡容器は、ポリオレフィン製発泡体又はポリスチレン製発泡体である。
【0010】
(5)上記(1)から(4)いずれかの態様において、前記発泡容器の外部形状を示す外部形状情報及び発泡容器の前記内部形状を示す内部形状情報を含む受注情報を取得する受注情報取得部と、前記受注情報の外部形状情報及び前記外部形状の仕様に応じた前記発泡容器の生産能力を示す生産能力情報に基づいて、前記貸出先を出力する検索処理部と、を備え、前記1又は複数の記憶部は、前記貸出先ごとに前記生産能力情報を記憶し、前記履歴取得部は、前記検索処理部が出力した貸出先を示す貸出先情報と、前記受注情報の内部形状情報が示す内部形状を形成するための内部金型を示す内部金型情報と、当該内部金型の貸し出し期間を示す貸出期間情報と、を取得する。
【0011】
(6)上記(5)の態様において、前記履歴取得部は、前記受注情報の外部形状情報が示す外部形状を形成するための外部金型を示す外部金型情報を取得し、前記外部金型情報は、前記外部金型の使用履歴に関する外部金型履歴情報を含み、前記内部金型情報は、前記内部金型の使用履歴に関する内部金型履歴情報を含み、前記履歴処理部は、前記外部金型履歴情報又は前記内部金型履歴情報に基づいて前記発泡容器の生産を管理する。
【0012】
(7)上記(6)の態様において、前記履歴処理部は、前記内部金型の製作期間に基づいて、前記外部金型の製作タイミングを決定する。
【0013】
(8)上記(6)又は(7)の態様において、前記内部金型は、第1の複数の部品によって構成され、前記履歴処理部は、前記内部形状情報に基づいて、前記第1の複数の部品のうちの全部又は一部を選択し、前記内部金型を構成することによって前記発泡容器の生産を管理する。
【0014】
(9)上記(6)から(8)のいずれかの態様において、前記外部金型は、第2の複数の部品によって構成され、前記履歴処理部は、前記外部形状情報に基づいて、前記第2の複数の部品のうちの全部又は一部を選択し、前記外部金型を構成することによって前記発泡容器の生産を管理する。
【発明の効果】
【0015】
(1)から(9)によれば、発泡容器の生産に用いる金型を共通化し、発泡容器の生産期間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の第1実施形態における発泡容器の適用例を示す概念図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における発泡容器の別の一例を示す概念図である。
【
図3】本発明の第1実施形態における管理システムの適用例を示す概念図である。
【
図4】本発明の第1実施形態における内部金型20及び外部金型30を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施形態における内部金型20及び外部金型30のA-A断面図である。
【
図6】本発明の第1実施形態における管理装置Sの構成図である。
【
図7】本発明の第1実施形態における入力情報の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態における出力情報の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1実施形態における入力情報と出力情報との対応関係を示す表である。
【
図10】本発明の第1実施形態における入力情報と出力情報との対応関係を示す表である。
【
図11】本発明の第1実施形態における管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図12】本発明の第1実施形態における管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【
図13】本発明の第2実施形態における管理装置Sの構成図である。
【
図14】本発明の第3実施形態における管理システムの動作を示すフローチャートである。
【
図15】発明の第4実施形態における内部金型20の構成図である。
【
図16】発明の第4実施形態における内部金型20の構成図である。
【
図17】発明の第4実施形態における外部金型30の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の管理システムSの実施形態について説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における発泡容器1の適用例を示す概念図である。
図1(A)に示すように、発泡容器1は、物品P1の輸送時に物品P1を収納する。発泡容器1は、壁11及び底12により囲まれた収納室が形成されている。収納室において、壁11による壁面(「内部壁面」ともいう)と底12による底面(「内部底面」ともいう)の一部又は全部を、内部形状という。一方、発泡容器1の外側の形状を外部形状という。外部形状の寸法を外寸と呼ぶ。外寸は、仕様によって、縦、横、高さの各長さが定められることがある。
【0019】
底12の内部底面は、凹凸上に形成されている。つまり、発泡容器1は、内部形状に、凹凸が含まれている。この凹凸は、例えば、収納室に収納する物品P1の形状に応じた凹凸であり、収納された物品P1を固定するために設けられている。物品P1は、例えばカムシャフトである。
【0020】
なお、本実施形態において、収納室は、四方が壁11に囲まれているが、少なくとも1つの壁11はなくてもよいし、また、壁11や底12の一部に穴等の空間があってもよい。また、内部底面は平ら(フラット)でもよく、壁の外部に凹凸が形成されていてもよい。また、物品P1は、車の部品、家電、食品等、物品の種類を問わない被搬送物や被収納物であり、また、液体や気体でもあってもよい。
【0021】
図1(A)の発泡容器1は、
図1(B)のように一体形成され、又は、
図1(C)のように複数の部材から形成される。
図1(B)は、壁11及び底12が一体形成された発泡容器1の例である。図(B)において、壁11及び底12の素材は発泡性粒子である。発泡容器1は、発泡性粒子で形成されるので、発泡容器1の外部から衝撃を吸収でき、また、収納された物体Pが振動や傾きにより内部壁面に振れた時の衝撃を吸収できる。
【0022】
図1(C)は、壁11及び底122からなる箱の内部に、内部底部材121が配置されることで、発泡容器1となる例である。つまり、内部底部材121と底122により、
図1(A)の底12が形成されている。壁11、内部底部材121及び底122は、発泡性粒子で形成される。壁11、内部底部材121及び底122は、ビーズ法型内発泡成形加工にて、別々に加工及び成形されてもよい。この場合、壁11に内部底部材121である緩衝材が格納され、その後物品P1が発泡容器1に格納されることとなる。
【0023】
図2は、本発明の第1実施形態における発泡容器1の別の一例を示す概念図である。
図2は、内部底面は平ら(フラット)の場合の一例である。
図2の例では、物品P2は、例えば車両のエンジンである。発泡容器1は、
図2(A)のように一体形成され、又は、
図2(B)や
図2(C)のように複数の部材から形成される。例えば、
図2(B)のように、内部底部材121が別の部材として形成される場合、高さの異なる内部底部材121を交換することにより、底12の厚みを変更することができる。厚みを変更することにより、収納室の底面により吸収すべき衝撃(力)の程度を調整することができる。
【0024】
また、
図2(C)に示すように、発泡容器は発泡容器1a及び発泡容器1bを備えていてもよい。発泡容器1bは、発泡容器1aを小型にしたものである。物品P2は、まず発泡容器1bに収納されてから、その後発泡容器1aに発泡容器1bごと収納されてもよい。
図2(A)~(C)に示すように、底12又は内部底部材121(すなわち内部形状)は、平らであってもよい。
【0025】
図1(A)~(C)及び
図2(A)~(C)に例示されるような本発明の適用例において、従来品に対して、壁11及び底12は、物品Pの輸送時等に、外部からの衝撃、及び内部での壁や物品Pの衝突による衝撃(「内部での衝撃」ともいう)の両方から物品Pを保護する。特に、壁11が発泡性粒子で形成される場合には、壁11が硬い材料で形成されている場合と比較して、外部からの衝撃及び内部での衝撃の両方を、吸収することができる。さらには、発泡容器1の適用にて、取扱い時、作業員にぶつける等して怪我するリスクを低減する。壁11及び底12は、物品Pの種類によって様々な形状を取ることがある。物品P1及び物品P2は、コンピュータ、家電製品といった精密機器でもよい。
【0026】
図3は、本発明の第1実施形態における管理システムの適用例を示す概念図である。管理装置Sは販売社4の社内に構築される。販売社4は、金型(外部金型30又は内部金型20の一方或いは両方。以下、同じ)を、各モルダー3に貸し出す。外部金型30とは、発泡容器1の外側(外部形状)を形成するための金型であり、内部金型20は収納室(内部形状)を形成するための金型である(
図4及び5参照)。
【0027】
図3の例では、モルダー3は、モルダー3-1、モルダー3-2及びモルダー3-3の3業者が存在する。各モルダー3は、それぞれ発泡容器1を成形加工する成形機を保有している。各モルダー3の成形機には、販売社4から借り受けた外部金型30又は内部金型20が取り付けられ、その成形機を用いて、各モルダー3で同一又は異なる発泡容器1が生産される。モルダー3-1、モルダー3-2及びモルダー3-3は、外部金型30又は内部金型20の一部を自社で保有していてもよい。
【0028】
販売社4の管理装置Sは、各モルダー3の生産能力に応じて、金型の貸出先や貸出期間を決定する。生産能力を示す生産能力情報は、例えば、各モルダー3の所有する成形機の種類である。つまり、所定の仕様(外寸)の発泡容器1を生成できるか否かを表す情報である。また、生産能力情報とは、発泡容器1を、特定の時間内や時期に、何個生産できるかを表す情報である。
【0029】
また、生産能力情報とは、どのような内部形状を形成できるかを表す情報であってもよい。また、生産能力情報は、発泡容器1についての各モルダーによる生産実績又は出荷実績であってもよい。発泡容器1の生産実績は、その生産数が多ければ多いほど発泡容器1の品質について顧客から一定の信用が得られていると推測することができる。
【0030】
外部金型30又は内部金型20を借り受けた各モルダー3は、発泡容器1を生産すると、生産した発泡容器1を販売社4に納品する。また、各モルダー3は、発注された発泡容器1の生産が終了した場合、又は、外部金型30又は内部金型20の貸し出し期間が終了した場合、外部金型30及び内部金型20を販売社4に返却する。販売社4は、顧客に対して発泡容器1を納品する。販売社4は、各モルダー3から発泡容器1を、直接、販売社4の顧客に対して納品させてもよい。各モルダー3は、外部金型30又は内部金型20の貸し出し期間に応じた所定の貸し出し料を販売社4に対して支払う。
【0031】
管理装置Sは、これらの外部金型30又は内部金型20の貸し出し状況(貸し出し先、貸し出し期間、貸し出し条件等)、外部金型30又は内部金型20を用いた発泡容器1の生産状況(発注数、生産数、納品数等)、及び、貸し出し料金及びその支払い状況を入力され、これらの情報を記憶して管理する。販売社4は、各モルダー3に金型を貸し出す際、販売社4から金型を直接送付してもよいし、複数のモルダー3の間で金型の受け渡しをさせてもよい。
【0032】
図4は、本発明の第1実施形態における内部金型20及び外部金型30を示す斜視図である。
図5は、本発明の第1実施形態における内部金型20及び外部金型30のA-A断面図である。
図5において、左上から右下にかけて斜線を施した個所は内部金型20であり、右上から左下にかけて斜線を施した箇所は外部金型30である。内部金型20及び外部金型30によって閉じられた中空の箇所において、壁11及び底12は一体成形され、発泡容器1を構成する。なお、壁11及び底12はそれぞれ、個別の金型で成形されてもよい。
【0033】
図6は、本発明の第1実施形態における管理装置Sの構成図である。管理装置Sは、入力部101、履歴取得部102、履歴管理部103、履歴処理部104、記憶部105、表示部106及び出力部107を備える。入力部101は、管理装置Sから必要な各種情報の入力を受け付ける。履歴取得部102は、入力部101を介して、金型情報と、金型の貸出先を示す貸出先情報と、金型の貸し出し期間を示す貸出期間情報と、を取得する。記憶部は、モルダーごとに存在していてもよい。金型情報は、内部金型情報及び外部金型情報を含む。内部金型情報は、後述するように、内部金型20に関する情報である。外部金型情報は、後述するように、外部金型30に関する情報である。なお、
図6における矢印の向きは便宜的なものである。本発明の技術的範囲は矢印の向きに限定されるものではなく、これは
図11~
図13においても同様である。
【0034】
履歴管理部103は、履歴取得部102が取得した金型情報、貸出先情報及び貸出期間情報を対応付けて、管理情報として記憶部105に記憶させる。履歴処理部104は、金型情報、貸出先情報及び貸出期間情報といった入力情報の入力に対して、記憶部105に記憶された管理情報に基づいて、管理情報によって対応づけられた情報を出力情報として出力部107に出力する。
【0035】
入力部101は、例えばキーボードやマウスなどであってもよいし、表示部106が備えるタッチパネルでもよい。履歴取得部102、履歴管理部103及び履歴処理部104は、CPU(Central processing unit)等のプロセッサーやメモリーを用いて構成される。履歴取得部102、履歴管理部103及び履歴処理部104は、プロセッサーが、メモリーに記憶したプログラムを実行することによって実現される。表示部106は表示装置であり、各種情報を表示する。表示部106は、例えば、液晶ディスプレイでもよい。
【0036】
出力部107は、表示部106に出力情報を出力し、表示させる。出力部107は、外部と通信を行う通信装置でもよい。この場合、通信装置は、有線通信又は無線通信によって出力情報を出力する。有線通信は、Ethernet(登録商標)等の標準規格に準拠した光ファイバ又は電気通信回線といった有線通信でもよい。無線通信は、Long term evolution(LTE)(登録商標)、第5世代無線通信システム又は無線LANシステムといった無線通信でもよい。
【0037】
記憶部105は、記憶用モジュールであり、RAM(Random access memory)、ROM(Read only memory)、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等のいずれか或いは組み合わせにより実現される。
【0038】
図7は、本発明の第1実施形態における入力情報の一例を示す図である。入力情報は、顧客情報及びモルダー情報を含む。顧客情報は、金型情報及び受注情報を含む。金型情報は、内部金型情報及び外部金型情報を含む。受注情報は、外部形状情報を含む。金型情報及び受注情報については後述する。顧客情報は、物品Pの発注者に関する情報並びに物品Pの仕様及び数量に関する情報を含む。顧客情報は製品条件(1-1)から(1-6)に対応づけられている。物品Pの仕様は、物品Pの外寸及び重量の少なくともいずれかを含んでもよい。顧客情報は、顧客の名称、所在地及び過去の取引履歴に関する情報の少なくともいずれかを含んでもよい。また、顧客情報は、発泡容器1の発注額を含んでいてもよい。
【0039】
モルダー情報は、各モルダーの社名、モルダーが保有する成形機の番号、生産能力情報、外部金型情報、発泡容器1の生産実績、発泡容器1の出荷実績及び発泡容器1の在庫量を含む。外部金型情報は、各モルダーが保有する外部金型30の種類、外部金型30の仕様、数量、貸し出し料、貸し出し期間及び販売金額の少なくともいずれかを含む。外部金型30の仕様は、外部金型30の形状、外寸、材質及び重量の少なくともいずれかを含む。モルダー3に外部金型30又は内部金型20を貸し出すことから、本実施形態において、モルダー情報を貸出先情報と読み替えても良い。
【0040】
また、モルダー情報は、内部金型情報を含む。内部金型情報は、各モルダーが保有する内部金型20の種類、内部金型20の仕様、数量、貸し出し料、貸し出し期間及び販売金額、及び内部金型20の仕様のいずれかを含む。内部金型20の仕様は、内部金型20の形状、内寸、外寸、材質及び重量の少なくともいずれかを含む。モルダー情報は、各モルダーの所在地に関する情報を含んでもよい。また、モルダー情報は、発泡容器1のモルダー3に対する発注額を示す情報及び発泡容器1の納期に関する情報を含んでいてもよい。また、モルダー情報は、外部金型30の製作期間又は内部金型20の製作期間を含んでいてもよい。
【0041】
モルダー情報は、成形機条件(2-1)から(2-6)に対応づけられている。発泡容器1の生産実績は、所定の時期における発泡容器1の生産量である。発泡容器1の出荷実績は、発泡容器1の累計出荷数量を示す。発泡容器1の在庫量は、所定の時期において、発泡容器1をモルダーが在庫として保有している量である。
【0042】
図8は、本発明の第1実施形態における出力情報の一例を示す図である。出力情報は、壁11の外寸、発泡容器1の内部形状、モルダーの候補(すなわち、発泡容器1の生産時における発注先モルダーの名称)、成形機の番号、発泡容器1の生産開始予定日及び発泡容器1の納入情報を含む。発泡容器1の納入情報は、発泡容器1の出荷日、納品日及び輸送業者に関する情報を含む。出力情報は、発泡容器条件(1-1)~(1-6)に対応づけられてもよい。
【0043】
出力情報は、外部金型30の仕様、外部金型30の貸し出し先モルダー、外部金型30の貸し出し料及び貸し出し期間を含む。出力情報は、内部金型20の仕様、内部金型20の仕様、内部金型20の貸し出し先モルダー、内部金型20の貸し出し料及び貸し出し期間を含む。外部金型30及び内部金型20のいずれかをモルダーに販売する場合、出力情報は、外部金型30及び内部金型20のいずれかの販売金額を含んでもよい。
【0044】
図9及び
図10は、本発明の第1実施形態における入力情報と出力情報との対応関係を示す表である。
図9及び
図10を用いて、履歴処理部104が入力情報に対応する出力情報を選択する動作を説明する。記憶部105は、
図9及び
図10に示す情報を記憶している。例えば、履歴取得部102が、物品Pの仕様AAAを入力情報として取得すると、それに対応する発泡容器1の外寸、形状及び内部金型の形状が、X、Y1及びZ1とそれぞれ特定される。
【0045】
図10は、収納される物品Pの仕様及び発泡容器の外寸Xに紐づけられた成形機A1、モルダーEEE及び発泡容器1の生産稼働計画H~Iを示している。
このように、
図9及び
図10に示す表に基づいて、履歴処理部104は、入力情報に対応するモルダー情報を選択し、表示部106に表示し、モルダー情報は出力部107に出力される。
【0046】
<発泡容器1の生産管理フロー>
図11及び
図12は、本発明の第1実施形態における管理装置Sの動作を示すシーケンス図である。
図11を用いて、ステップS100からステップS107の処理を説明する。ステップS100において、入力部101は、モルダー情報の入力を受け付ける。履歴取得部102は、各モルダー3から入力情報としてモルダー情報を取得する。履歴管理部103は、モルダー情報に含まれる貸し出し先モルダーの社名と、外部金型30の貸し出し期間又は内部金型20の貸し出し期間とを対応付けて管理情報として記憶部105に保存する。
【0047】
ステップS101において、入力部101は、顧客情報の入力を受け付ける。履歴取得部102は、入力部101を介し、入力情報として顧客情報を取得し、記憶部105に保存する。
【0048】
ステップS102において、履歴処理部104は、顧客情報に含まれる物品Pの仕様に基づいて外部金型30の仕様及び内部金型20の仕様を作成し、金型情報として記憶部105に保存する。履歴処理部104は、外部金型30の仕様に対応する金型及び内部金型20の仕様に対応する金型が販売社4又はモルダー3のいずれかに存在する場合、ステップS104に処理を進める。
【0049】
ステップS102において、履歴処理部104は外部金型30の仕様及び内部金型20の仕様を、外部金型情報及び内部金型情報それぞれに含めて金型製作装置50に出力する。金型製作装置50は外部金型30の仕様及び内部金型20の仕様に基づいて外部金型30及び内部金型20を製作する。ステップS103において、金型製作装置50は、外部金型30及び内部金型20の製作が完了したことを示す情報を、管理装置Sの履歴取得部102に対して出力する。
【0050】
ステップS104において、履歴処理部104は、記憶部105に保存された入力情報に基づいて、発泡容器1の発注先として各モルダー3の中からモルダー3-1を選定し、必要な情報を選択して出力情報として表示部106に表示させる。履歴処理部104は、入力情報に含まれる成形機の生産能力、生産能力情報、発泡容器1の生産実績、発泡容器1の出荷実績及び発泡容器1の在庫量のいずれかに基づいてモルダー3-1を選定する。
出力情報は、発泡容器1の外寸、形状、成形機の候補すなわち発注先であるモルダー3-1の名称、成形機番号、発泡容器1の生産開始予定日、発泡容器1の送付予定日及び発泡容器1の納入情報(出荷日、納品日、輸送業者等)を含む。
【0051】
出力情報は、外部金型30の貸し出し料及び貸し出し期間又は内部金型20の貸し出し料及び貸し出し期間を含んでもよい。外部金型30及び内部金型20の貸し出しにあたり、出力情報は、あるモルダーから他のモルダーに外部金型30を受け渡すことを示す情報と、外部金型30の仕様と、受け渡し元のモルダー及び受け渡し先のモルダー名とを含んでもよい。また、出力情報は、あるモルダーから他のモルダーに内部金型20を受け渡すことを示す情報と、内部金型20の仕様と、受け渡し元のモルダー及び受け渡し先のモルダー名を含んでもよい。
【0052】
外部金型30及び内部金型20のいずれかをモルダーに販売する場合、出力情報は、販売先のモルダー3の名称、外部金型30及び内部金型20のいずれかの販売金額を含んでもよい。履歴処理部104は、販売又は貸し出しに係る外部金型30又は内部金型20をモルダー3に送付することを示す情報を生成し、出力情報に含めてもよい。
出力部107は、出力情報をモルダー3に対して出力する。
【0053】
ステップS105において、モルダー3から外部金型30、内部金型20及び成形機番号が成形機40に出力され、成形機40によって発泡容器1が生産される。ステップS106において、成形機40より発泡容器1の生産が完了したことを示す情報をモルダー3は受信する。
ステップS107において、管理装置Sの履歴取得部102は、発泡容器1の生産が完了したことを含む情報をモルダー3から取得する。
【0054】
次に、
図12を用いてステップS108以降の処理を説明する。
ステップS108において、出力部107は、発泡容器1の検収完了を示す情報と、発泡容器1の配送を指示する情報とをモルダー3に対して出力する。発泡容器1の配送を指示する情報は、顧客Cの所在地すなわち配送先を含む。
【0055】
ステップS109において、発泡容器1の配送についてモルダー3からの指示がなされる。ステップS110において、発泡容器1が成形機40(成形機40に紐づけされた倉庫を含む)から顧客Cに配送される。
【0056】
ステップS111において、履歴取得部102は、発泡容器1の検収が完了したことを示す情報を、入力部101を介して取得し、記憶部105に記憶させる。ステップS112において、履歴処理部104は、発泡容器1の生産について請求額を示す情報を出力部107経由で出力する。ステップS113において、顧客Cから販売社4に対する支払処理がなされる。
【0057】
ステップS114において、発泡容器1の生産について、発泡容器1のモルダー3に対する発注金額に基づいて、所定の料金の支払いを求める情報を、履歴取得部102は入力部101を介して取得する。ステップS115において、販売社4からモルダー3に対する支払処理がなされる。
【0058】
ステップS116において、履歴処理部104は、外部金型30又は内部金型20の貸し出しについて、外部金型30の貸し出し料又は内部金型20の貸し出し料に基づいて、所定の料金の支払いを求める情報を、出力部107を介して出力する。ステップS117において、外部金型30の貸し出し又は内部金型20の貸し出しについて、モルダー3から販売社4に対して支払処理がなされる。
【0059】
以上に説明したように、本実施形態に係る管理システムSは、壁11及び底12により形成される空間(すなわち収納室)を備え、当該空間に物品P(すなわち収納物)を収める容器であって発泡成形された発泡容器1について、発泡容器1の生産に用いる金型を示す金型情報と、金型を貸し出すモルダー(すなわち貸出先)を示す貸出先情報と、金型を貸し出す貸出期間情報と、を取得する履歴取得部と、履歴取得部が取得した金型情報、モルダー情報(すなわち貸出先情報)及び貸出期間情報を対応付けて、管理情報として1又は複数の記憶部に記憶させる履歴管理部と、金型情報、モルダー情報及び貸出期間情報のうちの少なくとも1つの入力情報の入力に対して、管理情報に基づいて、管理情報で前記入力情報に対応付けられた出力情報を出力する履歴処理部と、を備える。
【0060】
これにより、管理システムSは、貸し出し先情報に基づいて発泡容器1の生産を管理することによって、発泡容器1の生産コスト削減又は生産期間の短縮を行うことができる。
【0061】
また、発泡容器1は、凹構造及び凸構造の少なくとも1つを含む内部形状を有する。これにより、管理システムSは、物品Pの形状及び仕様に応じて最適な発泡容器1を提供できるため、物品Pを破損することなく安全に収納及び運搬することができる。
【0062】
また、履歴処理部104は、壁面のうち発泡容器の外側に外部形状を形成するための外部金型30を示す外部金型情報及び壁面のうち発泡容器の内側に内部形状を形成するための内部金型20を示す内部金型情報を、金型情報として取得し、履歴処理部104は、入力情報に対して、外部金型情報又は内部金型情報を出力してもよい。
【0063】
これにより、管理システムSは、外部金型30及び内部金型20を独立して選定し、発泡容器1の生産コストの低減及び生産期間の短縮を行うことができる。
【0064】
また、履歴処理部104は、発泡容器1の在庫がモルダー3-1、モルダー3-2又はモルダー3-3のいずれかに存在する場合、発泡容器1の生産を新たに行わず、在庫品の発泡容器1を納品することを示す情報を出力情報に含めてもよい。
【0065】
これにより、販売社4は、発泡容器1の生産コストを低下させることができる。モルダー3は、発泡容器1の在庫を保有するコストを低下させることができる。
【0066】
また、履歴処理部104は、外部金型30又は内部金型20を各モルダー3が保有していない場合、各モルダー3のいずれかに対して外部金型30又は内部金型20を貸し出ししてもよい。
【0067】
これにより、モルダー3が外部金型30及び内部金型20のいずれかを自社で保有する必要がなくなるため、モルダー3にとっては外部金型30及び内部金型20の製作及び保有についてのコストを低下させることができる。
【0068】
また、履歴処理部104は、入力情報に含まれる各モルダー3の所在地と、顧客Cの所在地とに基づいて、各モルダー3のいずれかを決定し、出力情報に含めてもよい。
【0069】
これにより、モルダー3の所在地から、発泡容器1を顧客Cに対して直接納品する際の輸送距離、輸送時間及び輸送コストを低下させることができる。
【0070】
また、履歴処理部104は、外部金型30又は内部金型20がいずれかのモルダー3に存在する場合、そのモルダー3に発泡容器1の発注を行ってもよい。
【0071】
これにより、例えば、モルダー3-1が内部金型20を自社で保有していれば、内部金型20の貸し出しが不要になるので、緩衝材1の生産コストを低下させることができる。
【0072】
また、履歴処理部104は、管理情報に含まれる発泡容器1の生産実績に関する情報を参照して複数のモルダー3のいずれかを決定してもよい。例えば、発泡容器1について、モルダー3-2の生産実績が最も多い場合、履歴処理部104はモルダー3-2に対して発泡容器1の発注を行ってもよい。ここで、発泡容器1の生産実績は、その生産数が多ければ多いほど発泡容器1の品質について一定の信用が得られていると推測することができる。
【0073】
これにより、管理システムSは顧客Cに対して納入する発泡容器1について一定の品質を担保することが可能となる。
【0074】
また、発泡容器1は、原料は特に限定されず、例えば汎用ポリスチレン樹脂やハイインパクトポリスチレン樹脂などポリスチレン製発泡体やポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン製発泡体などがある。好適にはポリオレフィン製発泡体であってもよい。
【0075】
これにより、発泡容器1の緩衝性能を維持しつつ、発泡容器1の軽量化を達成できるため、発泡容器1を用いて重量の大きな製品の輸送を行うことができる。また、発泡容器1は従前の非発泡性樹脂製の容器よりも柔らかいため、発泡容器1を用いて物品Pを配送する際に配送作業者が負傷する可能性を下げることができる。
【0076】
(第2実施形態)
図13は、本発明の第2実施形態における管理システムの構成図である。第1実施形態と比べて、管理装置Sはさらに受注情報取得部60及び検索処理部70を備える。受注情報取得部60は、顧客情報に含まれる物品Pの仕様に基づいて、発泡容器1の外部形状を示す外部形状情報及び発泡容器1の内部形状を示す内部形状情報を含む受注情報を取得する。検索処理部70は、受注情報の外部形状情報及び生産能力情報に基づいて、貸出先を出力する。記憶部105は、貸出先ごとに外部形状の仕様に応じた発泡容器の生産能力を示す生産能力情報を記憶する。
【0077】
履歴取得部102は、検索処理部70が出力した貸出先を示す貸出先情報と、受注情報の内部形状情報が示す内部形状を形成するための内部金型を示す内部金型情報と、当該内部金型の貸し出し期間を示す貸出期間情報とを、入力部101を介して取得する。履歴処理部104は、生産能力情報と、貸出先情報と、内部金型情報と、に基づいて、出力情報を出力部107経由で出力し、前記発泡容器の生産を管理してもよい。
【0078】
これにより、管理システムSは、発泡容器1の生産能力情報に基づいて発注先モルダーを速やかに選定できる。また、管理システムSは顧客Cに対して納入する発泡容器1について一定の品質を担保することが可能となる。
【0079】
また、モルダー情報は、外部金型30の使用履歴又は内部金型20の使用履歴に関する情報を含んでいてもよい。使用履歴に関する情報は、外部金型30又は内部金型20が製作されてからの経過日数でもよいし、外部金型30又は内部金型20を用いて生産した発泡容器1の数量でもよい。履歴処理部104は、外部金型30の使用履歴に関する情報に基づいて、出力情報を出力してもよい。また、履歴処理部104は、内部金型20の使用履歴に関する情報に基づいて、出力情報を出力してもよい。履歴処理部104は、外部金型30の使用履歴に関する情報又は内部金型20の使用履歴に関する情報に基づいて前記発泡容器の生産を管理してもよい。
【0080】
これにより、外部金型30及び内部金型20の使用状況又は劣化状況に応じて、新たに金型の製作を行うか、又は在庫として保有している金型の使用をするかを決定することができるので、発泡容器1の生産コストを低下させることができる。
【0081】
(第3実施形態)
図14は、本発明の第3実施形態における内部金型20の製作時期決定に係るフローチャートである。第3実施形態において、履歴処理部104は、金型情報に含まれる内部金型20の製作期間に基づいて、外部金型30の製作について発注を行う。
【0082】
ステップS200において、履歴取得部102は、外部金型30の製作期間LT_1及び内部金型20の製作期間LT_2を、入力部101を介して取得し、記憶部105に保存する。履歴取得部102は、LT_1及びLT_2を、記憶部105から読み出す。
【0083】
ステップS201において、履歴処理部104は、LT_2-LT_1がLT_thより大きいか否かを判定する。ここで、LT_thは閾値期間であり、外部金型30の製作開始時期を内部金型20の製作開始時期に基づいて遅らせるか否かを判断するためのものである。LT_2-LT_1がLT_thより大きい場合、履歴処理部104は、処理をステップS202に進める。LT_2-LT_1がLT_th以下の場合、履歴処理部104は、処理をステップS203に進める。
【0084】
ステップS202において、履歴処理部104は、外部金型30の製作開始日を内部金型20の製作開始日のLT_2-LT_1後に設定する。その後、履歴処理部104は処理を終了する。
【0085】
ステップS203において、履歴処理部104は、内部金型20の製作開始日を外部金型30の製作開始日と同日に設定する。履歴処理部104は、その後処理を終える。
【0086】
これにより、内部金型20の製作期間が外部金型30の製作期間より所定期間を超えて長い場合に、販売社4は外部金型30を在庫に保管しておく必要が無くなることから、在庫保管スペースの削減及び在庫保管コストを削減することができる。
【0087】
(第4実施形態)
図15及び
図16は、本発明の第4実施形態における内部金型20の構成図である。内部金型20は、第1の複数の部品として、内部金型第1部品21、内部金型第2部品22及び内部金型第3部品23を含む。内部金型第2部品22及び内部金型第3部品23は、内部金型第1部品21から着脱及び固定できるように構成されている。内部金型情報は、内部金型第1部品21、内部金型第2部品22及び内部金型第3部品23それぞれの仕様を含む。内部金型情報は、内部金型第1部品21、内部金型第2部品22及び内部金型第3部品23それぞれの形状、外寸、内寸及び材質のいずれかを含む。内部金型情報は、発泡容器1の仕様に応じて、内部金型第3部品23を内部金型20から分離することを示す情報を含んでいてもよい。
【0088】
図17は、本発明の第4実施形態における外部金型30の構成図である。外部金型30は、第2の複数の部品として、外部金型第1部品31及び外部金型第2部品32を含む。外部金型第2部品32は、外部金型第1部品31から着脱及び固定できるように構成されている。外部金型情報は、外部金型第1部品31及び外部金型第2部品32それぞれの仕様を含む。外部金型情報は、外部金型第1部品31及び外部金型第2部品32それぞれの形状、外寸、内寸及び材質のいずれかを含む。外部金型情報は、発泡容器1の仕様に応じて、外部金型第2部品32を外部金型第1部品31から外すことを示す情報を含んでいてもよい。
【0089】
これにより、物品Pにおける仕様変更が頻繁に起こった場合であっても、外部金型及び内部金型のいずれかを新たに最初から製作する必要が無くなるため、既存の金型を最大限流用することができる。したがって、物品Pの仕様変更に対して金型の製作コストを増加させることなく発泡容器1の生産を行うことができる。
【0090】
以上、この発明の一態様として各実施形態や変形例に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は各実施形態や変形例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、本発明の一態様は、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記各実施形態や変形例に記載された要素であり、同様の効果を奏する要素同士を置換した構成も含まれる。
【0091】
例えば、上記各実施形態の一部又は全部を組み合わせることで本発明の一態様を実現してもよい。
【符号の説明】
【0092】
1…発泡容器、3…モルダー、101…入力部、102…履歴取得部、103…履歴管理部、104…履歴処理部、105…記憶部、106…表示部、107…出力部、11…壁、12…内部形状、20…内部金型、30…外部金型、21…内部金型第1部品、22…内部金型第2部品、23…内部金型第3部品、31…外部金型第1部品、32…外部金型第2部品、60…受注情報取得部、70…検索処理部