(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240522BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
G06Q50/10
G01C21/26 A
(21)【出願番号】P 2020124387
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奈良 憲和
(72)【発明者】
【氏名】坂田 直人
(72)【発明者】
【氏名】村上 哲郎
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-269109(JP,A)
【文献】特開2017-162473(JP,A)
【文献】特開2020-030485(JP,A)
【文献】特開2011-201443(JP,A)
【文献】特開2017-163823(JP,A)
【文献】特開2005-181241(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置、及び車両の各々と通信可能に接続された情報処理装置であって、
前記車両が始動した位置を示す始動位置情報と、前記車両が始動した日時を示す始動日時情報と、前記車両が駐車した位置を示す駐車位置情報と、前記車両が駐車した日時を示す駐車日時情報と、を前記車両から取得する取得部と、
前記始動位置情報、前記始動日時情報、前記駐車位置情報、及び前記駐車日時情報に基づき、前記車両が始動する日時を推定する推定部と、
前記推定部の推定結果に応じて、前記アプリケーションサーバ装置に対して、
前記車両を始動するときに実行する必要がある処理を実行するアプリケーションプログラムの起動を指示する指示部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記駐車位置情報、及び前記駐車日時情報を、前記取得部が取得したときに、前記推定部は、前記車両が始動する日時を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記車両が始動した曜日を示す始動曜日情報と、前記車両が駐車した曜日を示す駐車曜日情報と、を更に取得し、
前記推定部は、前記始動位置情報、前記始動日時情報、前記始動曜日情報、前記駐車位置情報、前記駐車日時情報、及び前記駐車曜日情報に基づき、前記車両が始動する日時を推定する、
請求項1、又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記駐車位置情報、前記駐車日時情報、及び前記駐車曜日情報に基づき、前記車両が始動する日時を推定する学習済モデルを更に備え、
前記推定部は、前記学習済モデルによって、前記車両が始動する日時を推定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記学習済モデルを生成するモデル生成部を更に備え、
前記モデル生成部は、
前記始動曜日情報が示す曜日毎に、前記始動位置情報をクラスター分析し、
前記学習済モデルは、クラスター分析された前記始動位置情報を含む、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記モデル生成部は、
前記始動曜日情報が示す曜日毎に、前記始動日時情報に含まれる始動時刻をクラスター分析し、
前記学習済モデルは、クラスター分析された前記始動時刻を含む、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記車両との間の距離が閾値以上であるか否かを判定する携帯端末装置と更に通信可能に接続され、
前記指示部は、前記携帯端末装置の判定結果に応じて、前記アプリケーションサーバ装置に対して、前記アプリケーションプログラムの起動を指示する、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部による前記車両が始動する日時の推定精度を評価する評価部を更に備え、
前記推定精度が所定精度以下であると前記評価部が評価した場合に、前記指示部は、前記携帯端末装置の判定結果に応じて、前記アプリケーションサーバ装置に対して、前記アプリケーションプログラムの起動を指示する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置と、
車両と、
前記アプリケーションサーバ装置、及び前記車両の各々と通信可能に接続され、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
を備える、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に搭載された電子機器によるサーバ装置との通信を伴う機能を、運転者が車両に乗車した直後に起動する技術が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に記載のナビゲーションシステムは、ユーザーの生活情報を収集する入力処理部と、収集された前記生活情報をパターン化して登録する生活情報処理部と、パターン化された生活情報に基づいて出発予測時刻及び目的地を求め、前記出発予測時刻を含む時間的範囲及び前記目的地を含む地理的範囲に対応した交通予測情報を作成する予測処理部とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、例えば、生活情報のパターン化が困難な場合や、生活情報をパターン化する方法が適確でない場合には、出発予測時刻を適正に推定できない可能性がある。
本発明は、車両の始動日時を適正に推定することの可能な情報処理装置、及び情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本実施形態の情報処理装置は、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置、及び車両の各々と通信可能に接続された情報処理装置であって、前記車両が始動した位置を示す始動位置情報と、前記車両が始動した日時を示す始動日時情報と、前記車両が駐車した位置を示す駐車位置情報と、前記車両が駐車した日時を示す駐車日時情報と、を前記車両から取得する取得部と、前記始動位置情報、前記始動日時情報、前記駐車位置情報、及び前記駐車日時情報に基づき、前記車両が始動する日時を推定する推定部と、前記推定部の推定結果に応じて、前記アプリケーションサーバ装置に対して、前記車両を始動するときに実行する必要がある処理を実行するアプリケーションプログラムの起動を指示する指示部と、を備える。
【0006】
また、上記目的を達成するために本実施形態の情報処理システムは、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置と、車両と、前記アプリケーションサーバ装置、及び前記車両の各々と通信可能に接続された、上記情報処理装置と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本実施形態の情報処理装置、及び情報処理システムによれば、推定部が、始動位置情報、始動日時情報、駐車位置情報、及び駐車日時情報に基づき、車両が始動する日時を推定するため、車両が始動する日時を適正に推定できる可能性がある。また、指示部が、推定部の推定結果に応じて、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置に対して、アプリケーションプログラムの起動を指示するため、適正な日時にアプリケーションプログラムの起動を起動できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る車両の構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るスマートフォンの構成の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る第1サーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る第2サーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図7】月曜日における位置クラスターの具体例を示すグラフである。
【
図8】月曜日における時刻クラスターの具体例を示すグラフである。
【
図9】情報処理システムの処理の概要の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第1サーバ装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】第1サーバ装置の始動日時推定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
【0010】
[1.情報処理システムの構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100の構成の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム100は、第1サーバ装置1と、第2サーバ装置2と、車両3と、スマートフォン4と、を備える。
【0011】
第1サーバ装置1は、ネットワークNWを介して、第2サーバ装置2、車両3、及びスマートフォン4と通信可能に接続される。本実施形態では、第1サーバ装置1は、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置として構成される。ネットワークNWは、例えば、インターネットである。
第1サーバ装置1は、車両3から受信した種々の情報に基づいて、第2サーバ装置2に対して、アプリケーションプログラムの起動を指示する。本実施形態では、アプリケーションプログラムは、車両3の運転者の個人認証処理を実行する個人認証プログラムである。
すなわち、個人認証プログラムは、「アプリケーションプログラム」の一例に対応する。
第1サーバ装置1は、「情報処理装置」の一例に対応する。
【0012】
本実施形態では、「情報処理装置」が第1サーバ装置1として構成される場合について説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。「情報処理装置」がパーソナルコンピュータとして構成されてもよいし、「情報処理装置」がタブレット端末として構成されてもよい。
【0013】
第2サーバ装置2は、ネットワークNWを介して、第1サーバ装置1、及び車両3と通信可能に接続される。第2サーバ装置2は、第1サーバ装置1からの指示に基づいて、個人認証プログラムを起動する。アプリケーションプログラムは、運転者が車両3に搭乗したときに、車両3から運転者の顔画像を取得して、運転者の個人認証処理を実行する。
第2サーバ装置2は、「サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置」の一例に対応する。換言すれば、第2サーバ装置2は、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置として構成される。
なお、サーバレス機能とは、アプリケーションに必要なマシン及びリソースの割り当てを動的に管理し、事前に購入されたことに基づく請求ではなく、各アプリケーション要求を満たすために使用される個々のリソース量に基づいた請求を行うようなクラウドコンピューティングの実行モデルである。
【0014】
サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置では、いわゆる、「Cold Start」の問題がある。「Cold Start」とは、アプリケーションプログラムの初期の起動に時間を要することを示す。サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置では、アプリケーションプログラムの初期の起動に要する時間は、例えば、10秒である。
一方、運転者の個人認証処理は、運転者が車両3に搭乗し、車両3を始動するときに実行する必要がある。そこで、個人認証プログラムを、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置で実行する場合には、「Cold Start」の問題が顕在化する可能性がある。
本実施形態に係る第1サーバ装置1、及び、情報処理システム100は、以下で説明するように、このCold Startの問題を解消する効果がある。
【0015】
車両3は、車両3が始動したときに、車両3が始動した位置である始動位置LSを示す始動位置情報と、車両3が始動した日時である始動日時TSを示す始動日時情報と、車両3が始動した曜日である始動曜日DSを示す始動曜日情報と、を第1サーバ装置1へ送信する。
ここで、「始動」とは、車両3を走行可能状態にすることを意味し、本実施形態では、エンジンがオフ状態において、
図2に示すエンジン始動ボタン321が押下されることを示す。エンジン始動ボタン321が押下されることによって、エンジンがオン状態になる。
【0016】
本実施形態では、「始動」が,エンジンがオフ状態で、エンジン始動ボタン321が押下されることを示すが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、「始動」が,ACC(Accessory)電源がオンされることを示してもよい。
【0017】
車両3は、車両3が駐車したときに、車両3が駐車した位置である駐車位置LEを示す駐車位置情報と、車両3が駐車した日時である駐車日時TEを示す駐車日時情報と、車両3が駐車した曜日である駐車曜日DEを示す駐車曜日情報と、を第1サーバ装置1へ送信する。
ここで、「駐車」とは、車両3を走行不可状態にすることを意味し、本実施形態では、エンジンがオン状態において、
図2に示すエンジン始動ボタン321が押下されることを示す。エンジン始動ボタン321が押下されることによって、エンジンがオフ状態になる。
【0018】
本実施形態では、「駐車」が,エンジンがオン状態で、エンジン始動ボタン321が押下されることを示すが、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、「駐車」が,ACC(Accessory)電源がオフされることを示してもよい。
【0019】
スマートフォン4は、車両3の運転者によって携帯される。また、スマートフォン4は、車両3との距離が所定距離未満である接近状態APを示す接近情報と、車両3との距離が所定距離以上である離間状態SPを示す離間情報と、を第1サーバ装置1へ送信する。換言すれば、スマートフォン4は、ジオフェンシング(Geo-fencing)機能を有する。
スマートフォン4は、「携帯端末装置」の一例に対応する。
【0020】
本実施形態では、「携帯端末装置」がスマートフォン4である場合について説明するが、本発明の実施形態は、これに限定されない。「携帯端末装置」が、車両3の運転者によって携帯される端末装置であればよい。「携帯端末装置」が、例えば、携帯電話でもよいし、タブレット端末でもよい。
【0021】
[2.情報処理システムを構成する各装置]
次に、
図2~
図5を参照して、情報処理システム100を構成する第1サーバ装置1、第2サーバ装置2、車両3、及びスマートフォン4の各々の構成について説明する。
【0022】
[2-1.車両の構成]
図2は、本実施形態に係る車両3の構成の一例を示す図である。
車両3は、第1サーバ装置1、第2サーバ装置2、及びスマートフォン4の各々と通信可能に接続される。
車両3は、第3制御部31と、エンジン始動ボタン321と、GPS部322と、撮像部323と、タッチパネル324とを備える。
【0023】
エンジン始動ボタン321は、車両3の運転席の前方に配置され、エンジンをオンオフする場合に、運転者によって押下される。
エンジンがオフ状態において、エンジン始動ボタン321が押下された場合には、エンジンはオン状態になる。エンジンがオン状態において、エンジン始動ボタン321が押下された場合には、エンジンはオフ状態になる。
【0024】
GPS部322は、GPS(Global Positioning System)を介して、車両3の位置情報を取得する。位置情報は、緯度情報と、経度情報とを含む。
【0025】
撮像部323は、車両3の運転席の前方に配置され、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)等の撮像素子を備え、第3制御部31からの指示に従って、運転者の顔画像PFを生成する。
【0026】
タッチパネル324は、例えば、車両3の運転席の左側前方に配置され、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、LCDに種々の画像を表示する。また、タッチパネル324は、LCDの表示面と一体に形成されたタッチセンサを備え、運転者の指先等のタッチ操作を受け付ける。
【0027】
第3制御部31は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)として構成される。第3制御部31は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)等の第3プロセッサ31Aと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の第3メモリ31Bと、を備える。
第3制御部31は、これらの装置の他に、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路、車載ネットワークを介して他の車載装置と通信する車載ネットワーク通信回路等を備える。
【0028】
第3制御部31は、始動検出部311と、駐車検出部312と、計時部313と、認証部314と、第3送受信部315と、を備える。具体的には、第3制御部31の第3プロセッサ31Aが、第3メモリ31Bに記憶された第3制御プログラムを実行することによって、始動検出部311、駐車検出部312、計時部313、認証部314、及び第3送受信部315、として機能する。
【0029】
第3送受信部315は、第1サーバ装置1、第2サーバ装置2、及びスマートフォン4の各々との間で、ネットワークNWを介して、種々の情報を送受信する。
第3送受信部315は、第1サーバ装置1に対して、例えば、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、始動曜日DSを示す始動曜日情報、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び、駐車曜日DEを示す駐車曜日情報、を送信する。また、第3送受信部315は、第2サーバ装置2に対して、例えば、運転者の顔画像PFを示す顔画像情報を送信し、第2サーバ装置2から、認証結果ARを示す認証結果情報を受信する。また、第3送受信部315は、スマートフォン4に対して、例えば、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、駐車位置LEを示す駐車位置情報、及び駐車日時TEを示す駐車日時情報、を送信する。
【0030】
始動検出部311は、エンジンがオフ状態において、エンジン始動ボタン321が押下された場合に、車両3が始動したことを検出する。そして、始動検出部311は、GPS部322から車両3の位置を示す位置情報を取得して、始動位置LSを示す始動位置情報を生成する。また、始動検出部311は、計時部313から日時を示す日時情報、及び曜日を示す曜日情報を取得して、始動日時TSを示す始動日時情報、及び始動曜日DSを示す始動曜日情報を生成する。
また、始動検出部311は、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、及び始動曜日DSを示す始動曜日情報を、第3送受信部315を介して、第1サーバ装置1へ送信する。
また、始動検出部311は、始動位置LSを示す始動位置情報、及び始動日時TSを示す始動日時情報を、第3送受信部315を介して、スマートフォン4へ送信する。
【0031】
駐車検出部312は、エンジンがオン状態において、エンジン始動ボタン321が押下された場合に、車両3が駐車したことを検出する。そして、駐車検出部312は、GPS部322から車両3の位置を示す位置情報を取得して、駐車位置LEを示す駐車位置情報を生成する。また、駐車検出部312は、計時部313から日時を示す日時情報、及び曜日を示す曜日情報を取得して、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を生成する。
また、駐車検出部312は、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を、第3送受信部315を介して、第1サーバ装置1へ送信する。
以下の説明において、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を、便宜上、「駐車情報」と記載する場合がある。
また、駐車検出部312は、駐車位置LEを示す駐車位置情報、及び駐車日時TEを示す駐車日時情報を、第3送受信部315を介して、スマートフォン4へ送信する。
【0032】
計時部313は、日時を計測する。計時部313は、GPS部322を介して、GPSから日時情報を取得して、日時を更新する。また、計時部313は、例えば、通信可能に接続されたサーバ装置から日時情報を取得して、日時を更新してもよい。
【0033】
認証部314は、車両3の運転者の個人認証処理を実行する。具体的には、車両3が始動したときに、認証部314は、撮像部323に運転者の顔画像PFを生成させ、撮像部323から、生成された顔画像PFを取得する。そして、認証部314は、取得した顔画像PFを第2サーバ装置2に送信する。第2サーバ装置2は、顔画像PFに基づいて、運転者の個人認証処理を実行し、認証結果ARを車両3の認証部314に送信する。認証部314は、認証結果ARを、タッチパネル324のLCDに表示する。
また、認証結果ARが認証成功を示す場合には、第3制御部31は、車両3の走行を許可する。認証結果ARが認証失敗を示す場合には、第3制御部31は、車両3の走行を禁止する。
【0034】
[2-2.スマートフォンの構成]
図3は、本実施形態に係るスマートフォン4の構成の一例を示す図である。
スマートフォン4は、第4制御部41と、GPS部42と、を備える。スマートフォン4は、車両3の運転者によって携帯される。なお、車両3の運転者は、一人でもよいし、複数人でもよい。本実施形態では、車両3の運転者が一人である場合について説明する。
【0035】
GPS部42は、GPSを介して、スマートフォン4の位置情報を取得する。位置情報は、緯度情報と、経度情報とを含む。
【0036】
第4制御部41は、CPUやMPU等の第4プロセッサ41Aと、ROMやRAM等の第4メモリ41Bと、を備える。第4制御部41は、これらの装置の他に、センサ類や周辺機器等を接続するためのインターフェース回路等を備える。
【0037】
第4制御部41は、位置取得部411と、判定部412と、第4送受信部413と、を備える。具体的には、第4制御部41の第4プロセッサ41Aが、第4メモリ41Bに記憶された第4制御プログラムを実行することによって、位置取得部411、判定部412、及び第4送受信部413、として機能する。
【0038】
第4送受信部413は、第1サーバ装置1及び車両3の各々との間で、ネットワークNWを介して、種々の情報を送受信する。
第4送受信部413は、例えば、車両3から、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、駐車位置LEを示す駐車位置情報、及び駐車日時TEを示す駐車日時情報を受信する。
第4送受信部413は、例えば、第1サーバ装置1に対して、接近状態APを示す接近情報、及び離間状態SPを示す離間情報を送信する。接近状態APは、車両3との距離が所定距離未満であることを示す。離間状態SPは、車両3との距離が所定距離以上であることを示す。
【0039】
位置取得部411は、所定周期で、GPS部42からスマートフォン4の位置情報を取得する。所定周期は、例えば、10秒周期である。
また、位置取得部411は、第4送受信部413を介して、車両3から駐車位置LEを示す駐車位置情報、及び始動位置LSを示す始動位置情報を取得する。
【0040】
判定部412は、第4送受信部413を介して、車両3から駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び始動日時TSを示す始動日時情報を受信する。
また、判定部412は、駐車日時TEから始動日時TSまでの期間において、スマートフォン4の位置情報、及び、駐車位置LEを示す駐車位置情報に基づいて、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離以上であるか否かを判定する。
所定距離は、例えば、10mである。所定距離は、例えば、第2サーバ装置2におけるアプリケーションプログラムの初期の起動に要する時間に基づいて設定される。
【0041】
判定部412は、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離以上ではないと判定した場合に、第4送受信部413を介して、接近状態APを示す接近情報を第1サーバ装置1に対して送信する。判定部412は、例えば、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離以上である状態から、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離未満である状態に変化したときに、第4送受信部413を介して、接近状態APを示す接近情報を第1サーバ装置1に対して送信する。
また、判定部412は、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離以上であると判定した場合に、第4送受信部413を介して、離間状態SPを示す離間情報を第1サーバ装置1に対して送信する。判定部412は、例えば、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離未満である状態から、スマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離以上である状態に変化したときに、第4送受信部413を介して、離間状態SPを示す離間情報を第1サーバ装置1に対して送信する。
【0042】
本実施形態では、判定部412が、接近状態APを示す接近情報、及び離間状態SPを示す離間情報を第1サーバ装置1に対して送信する場合について説明するが、判定部412は、接近状態APを示す接近情報、及び離間状態SPを示す離間情報を第2サーバ装置2に対して送信してもよい。この場合には、第1サーバ装置1の処理が簡素化され、且つ、第2サーバ装置2が個人認証プログラムを確実に起動できる。
【0043】
[2-3.第1サーバ装置の構成]
図4は、本実施形態に係る第1サーバ装置1の構成の一例を示す図である。
第1サーバ装置1は、第2サーバ装置2、車両3、及びスマートフォン4の各々と通信可能に接続される。第1サーバ装置1は、第1制御部11を備える。
【0044】
第1制御部11は、CPUやMPU等の第1プロセッサ11Aと、ROMやRAM、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)等の第1メモリ11Bと、を備える。第1制御部11は、これらの装置の他に、周辺機器等を接続するためのインターフェース回路等を備える。
【0045】
第1制御部11は、取得部111と、モデル生成部112と、推定部113と、評価部114と、指示部115と、第1送受信部116と、履歴記憶部117と、モデル記憶部118と、を備える。具体的には、第1制御部11の第1プロセッサ11Aが、第1メモリ11Bに記憶された第1制御プログラムを実行することによって、取得部111、モデル生成部112、推定部113、評価部114、指示部115、及び第1送受信部116、として機能する。また、第1制御部11の第1プロセッサ11Aが、第1メモリ11Bに記憶された第1制御プログラムを実行することによって、第1メモリ11Bを、履歴記憶部117、及びモデル記憶部118、として機能させる。
【0046】
第1送受信部116は、車両3から、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、及び始動曜日DSを示す始動曜日情報を受信する。また、第1送受信部116は、車両3から、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を受信する。
また、第1送受信部116は、スマートフォン4から、接近状態APを示す接近情報、及び離間状態SPを示す離間情報を受信する。
また、第1送受信部116は、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を送信する。
【0047】
履歴記憶部117は、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、及び始動曜日DSを示す始動曜日情報を対応付けて記憶する。また、履歴記憶部117は、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を対応付けて記憶する。
【0048】
モデル記憶部118は、学習済モデルMDを記憶する。学習済モデルMDは、車両3が始動する日時を推定する。
学習済モデルMDの構成については、後述にて
図6~
図8を参照して説明する。
【0049】
取得部111は、第1送受信部116を介して、車両3から、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、及び始動曜日DSを示す始動曜日情報を取得し、取得した情報を対応付けて履歴記憶部117に記録する。
また、取得部111は、第1送受信部116を介して、車両3から、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を取得し、取得した情報を対応付けて履歴記憶部117に記録する。
また、取得部111は、第1送受信部116を介して、スマートフォン4から、接近状態APを示す接近情報、及び離間状態SPを示す離間情報を取得する。
【0050】
モデル生成部112は、履歴記憶部117に記憶された情報に基づき、学習済モデルMDを生成し、生成した学習済モデルMDをモデル記憶部118に記録する。履歴記憶部117に記憶された情報とは、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、始動曜日DSを示す始動曜日情報、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報である。
モデル生成部112は、始動曜日情報が示す曜日毎に、始動位置情報をクラスター分析することによって、学習済モデルMDを生成する。始動位置情報をクラスター分析することによって生成されたクラスターを、以下の説明では、位置クラスターSN(ただし、Nは整数)と記載する場合がある。
位置クラスターSNについては、後述にて
図6及び
図7を参照して説明する。
また、モデル生成部112は、始動曜日情報が示す曜日毎に、始動日時情報をクラスター分析することによって、学習済モデルMDを生成する。始動日時情報をクラスター分析することによって生成されたクラスターを、以下の説明では、時刻クラスターSNM(ただし、Mは整数)と記載する場合がある。
時刻クラスターSNMについては、後述にて
図6及び
図8を参照して説明する。
【0051】
本実施形態では、モデル生成部112は、クラスター分析によって学習済モデルMDを生成するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。モデル生成部112が、機械学習によって、学習済モデルMDを生成すればよい。モデル生成部112が、例えば、ディープラーニングによって学習済モデルMDを生成してもよい。
【0052】
また、本実施形態では、学習済モデルMDを更に学習する構成については記載していないが、学習済モデルMDに対して、いわゆる、強化学習を実行してもよい。また、所定期間毎に、学習済モデルMDを更新してもよい。所定期間は、例えば、3箇月間である。
【0053】
推定部113は、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び、駐車曜日DEを示す駐車曜日情報を、取得部111が取得したときに、車両3が始動する日時を推定する。
なお、駐車位置LEを示す駐車位置情報、及び、駐車日時TEを示す駐車日時情報を、取得部111が取得したときには、車両3は、駐車日時TEにおいて駐車位置LEに駐車されている。推定部113は、駐車位置LEに駐車された車両3が、駐車日時TEよりも後に、初めて始動する日時を推定する。
推定部113は、履歴記憶部117に記憶された情報に基づき、車両3が始動する日時を推定する。なお、履歴記憶部117に記憶された情報とは、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、始動曜日DSを示す始動曜日情報、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報である。
具体的には、推定部113は、学習済モデルMDによって、車両3が始動する日時を推定する。学習済モデルMDは、取得部111が取得した駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び、駐車曜日DEを示す駐車曜日情報に基づいて、車両3が始動する日時を推定する。
【0054】
評価部114は、推定部113による車両3が始動する日時の推定精度を評価する。
具体的には、評価部114は、推定部113による始動日時TSの推定精度が所定精度以下であるか否かを判定する。
評価部114は、例えば、車両3が始動する日時に対応する時刻クラスターSNMの標準偏差σNMが閾値σS以上である場合に、始動日時TSの推定精度が所定精度以下であると判定する。また、評価部114は、例えば、車両3が始動する日時に対応する時刻クラスターSNMの標準偏差σNMが閾値σS未満である場合に、始動日時TSの推定精度が所定精度以下ではないと判定する。
閾値σSは、例えば、第2サーバ装置2の個人認証プログラムが起動されてからの待ち時間TWに応じて決定される。待ち時間TWは、第2サーバ装置2の個人認証プログラムが起動後に認証処理が実行されない場合に、起動状態から休止状態に移行するまでの時間を示す。待ち時間TWは、例えば、30分であり、閾値σSは、例えば、15分である。
標準偏差σNMについては、後述にて、
図8を参照して説明する。
【0055】
指示部115は、推定部113の推定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を送信する。指示部115は、例えば、推定部113が推定した車両3が始動する日時の所定時間前に、個人認証プログラムの起動するように、第2サーバ装置2に対して指示する。所定時間は、例えば5分間である。換言すれば、指示部115は、起動日時TUに個人認証プログラムの起動するように、第2サーバ装置2に対して指示する。起動日時TUは、推定部113が推定した車両3が始動する日時の所定時間前の日時を示す。
【0056】
また、指示部115は、推定精度が所定精度以下であると評価部114が評価した場合に、スマートフォン4の判定部412の判定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を送信する。具体的には、第1送受信部116は、スマートフォン4の判定部412がスマートフォン4と車両3との間の距離が所定距離以上ではないと判定した場合に、接近状態APを示す接近情報を受信する。指示部115は、第1送受信部116が接近状態APを示す接近情報を受信したときに、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を送信する。この場合には、起動日時TUは、例えば、起動指示CMを示す指示情報を送信する日時である。換言すれば、起動指示CMは、起動指示CMを受信した直後に個人認証プログラムを起動することを第2サーバ装置2に対して要求する指示である。
【0057】
[2-4.第2サーバ装置の構成]
図5は、本実施形態に係る第2サーバ装置2の構成の一例を示す図である。
第2サーバ装置2は、第1サーバ装置1、及び車両3の各々と通信可能に接続される。第2サーバ装置2は、第2制御部21を備える。
【0058】
第2制御部21は、CPUやMPU等の第2プロセッサ21Aと、ROMやRAM、HDD(Hard Disk Drive)、SDD(Solid State Drive)等の第2メモリ21Bと、を備える。第2制御部21は、これらの装置の他に、周辺機器等を接続するためのインターフェース回路等を備える。
【0059】
第2制御部21は、指示受付部211と、起動指示部212と、個人認証部213と、第2送受信部214と、画像記憶部215と、を備える。具体的には、第2制御部21の第2プロセッサ21Aが、第2メモリ21Bに記憶された第2制御プログラムを実行することによって、指示受付部211、起動指示部212、個人認証部213、及び第2送受信部214、として機能する。また、第2制御部21の第2プロセッサ21Aが、第2メモリ21Bに記憶された第2制御プログラムを実行することによって、第2メモリ21Bを、画像記憶部215として機能させる。
【0060】
第2送受信部214は、第1サーバ装置1から個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を受信する。
また、第2送受信部214は、車両3から運転者の顔画像PFを示す顔画像情報を受信する。また、第2送受信部214は、車両3に対して、認証結果ARを示す認証結果情報を送信する。
【0061】
画像記憶部215は、車両3の登録された運転者の顔画像PFAを記憶する。顔画像PFAは、例えば、車両3を購入した際に、販売者等によって、画像記憶部215に記録される。
【0062】
指示受付部211は、第2送受信部214を介して、第1サーバ装置1から起動指示CMを示す指示情報を受け付ける。起動指示CMは、起動日時TUに個人認証プログラムの起動する旨の指示である。
【0063】
起動指示部212は、起動日時TUに到達したか否かを判定する。そして、起動日時TUに到達したと判定した場合に、起動指示部212は、個人認証部213に対して、個人認証プログラムを起動するよう指示する。
【0064】
個人認証部213は、起動指示部212からの指示に従って、個人認証プログラムを起動する。そして、第2送受信部214を介して、車両3から運転者の顔画像PFを示す顔画像情報を受け付ける。顔画像PFを示す顔画像情報を受け付けた場合には、個人認証部213は、顔画像PFによる個人認証処理を実行する。すなわち、個人認証部213は、顔画像PFの人物が、画像記憶部215に記憶された顔画像PFAの人物と一致するか否かを、画像処理等を用いて認証する。そして、個人認証部213は、第2送受信部214を介して、車両3に対して、認証結果ARを示す認証結果情報を送信する。
【0065】
[3.学習済モデルの構成]
次に、
図6~
図8を参照して、学習済モデルMDについて説明する。
図6は、学習済モデルMDの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、学習済モデルMDは、月曜日モデルMD1、火曜日モデルMD2、水曜日モデルMD3、木曜日モデルMD4、金曜日モデルMD5、土曜日モデルMD6、及び日曜日モデルMD7を含む。
月曜日モデルMD1、火曜日モデルMD2、水曜日モデルMD3、木曜日モデルMD4、金曜日モデルMD5、土曜日モデルMD6、及び日曜日モデルMD7の各々は、始動曜日DSが示す曜日に対応する。
月曜日モデルMD1~日曜日モデルMD7の各々は、位置クラスター記憶部PCLと、時刻クラスター記憶部TCLと、を備える。
【0066】
以下、月曜日モデルMD1について説明する。
位置クラスター記憶部PCLは、位置クラスターS1、位置クラスターS2、及び位置クラスターS3を含む。
位置クラスターS1~位置クラスターS3の各々は、始動曜日DSが月曜日である始動位置LSをクラスター分析することによって生成されたクラスターである。具体的には、
図7を参照して説明するように、横軸を始動位置LSの経度とし、縦軸を始動位置LSの緯度として、始動位置LSをクラスター分析することによって生成されたクラスターである。
位置クラスターS1~位置クラスターS3の各々については、後述にて
図7を参照して説明する。
【0067】
時刻クラスター記憶部TCLは、時刻クラスターS11、時刻クラスターS21、及び時刻クラスターS22を含む。
時刻クラスターS11は、位置クラスターS1に対応し、時刻クラスターS21、及び時刻クラスターS22は、位置クラスターS2に対応する。
時刻クラスターS11、時刻クラスターS21、及び時刻クラスターS22の各々については、後述にて
図8を参照して説明する。
【0068】
推定部113は、取得部111が取得した駐車位置LE、駐車日時TE、及び駐車曜日DEに基づいて、始動日時TSを以下のように推定する。
まず、推定部113は、取得部111が取得した駐車曜日DEに基づいて、月曜日モデルMD1、火曜日モデルMD2、水曜日モデルMD3、木曜日モデルMD4、金曜日モデルMD5、土曜日モデルMD6、及び日曜日モデルMD7の中から1つのモデルを選択する。例えば、駐車曜日DEが月曜日である場合には、月曜日モデルMD1を選択する。
次に、推定部113は、取得部111が取得した駐車位置LEに基づいて、月曜日モデルMD1に含まれる位置クラスターSNの中から、1つの位置クラスターSNを抽出する。取得部111が取得した駐車位置LEは、次に車両3が始動する際の位置である始動位置LSと一致するため、推定部113は、例えば、駐車位置LEが含まれる位置クラスターSNを抽出する。
次に、推定部113は、取得部111が取得した駐車日時TEに基づいて、抽出された位置クラスターSNに対応する時刻クラスターSNMの中から、1つの時刻クラスターSNMを抽出する。次に車両3が始動する際の日時である始動日時TSは、取得部111が取得した駐車日時TEよりも後であるため、推定部113は、例えば、駐車日時TEに含まれる時刻よりも後の時刻クラスターSNMを抽出する。
そして、推定部113は、抽出した時刻クラスターSNMの平均時刻AVNMを、始動日時TSとして推定する。
時刻クラスターSNM、及び平均時刻AVNMの各々については、後述にて
図8を参照して説明する。
【0069】
このように、曜日毎に、クラスター分析によって生成された位置クラスターSと、時刻クラスターSNMと、を参照して、始動日時TSを推定するため、簡素な構成で、適正な始動日時TSを推定できる。
【0070】
図7は、月曜日における位置クラスターSNの具体例を示すグラフである。
図7の横軸は、始動位置LSの経度を示し、縦軸は、始動位置LSの緯度を示す。
図7に示す位置クラスターS1~位置クラスターS5は、始動曜日DSが月曜日である始動位置LSの経度及び緯度をクラスター分析することによって生成されたクラスターである。
【0071】
位置クラスターS1は、例えば、車両3の運転者の自宅の位置を示す。
平均位置AV1は、位置クラスターS1に含まれる始動位置LSの平均位置を示す。具体的には、平均位置AV1は、位置クラスターS1に含まれる始動位置LSの平均緯度と、位置クラスターS1に含まれる始動位置LSの平均経度とを示す。
図7では、便宜上、平均位置AV1の位置を、横軸の正方向にシフトした位置に記載している。
標準偏差σ1は、位置クラスターS1に含まれる始動位置LSの標準偏差σを示す。標準偏差σ1は、例えば、30mである。
【0072】
位置クラスターS2は、例えば、車両3の運転者の勤務先の位置を示す。
平均位置AV2は、位置クラスターS2に含まれる始動位置LSの平均位置を示す。具体的には、平均位置AV2は、位置クラスターS2に含まれる始動位置LSの平均緯度と、位置クラスターS2に含まれる始動位置LSの平均経度とを示す。
図7では、便宜上、平均位置AV2の位置を、横軸の正方向にシフトした位置に記載している。
標準偏差σ2は、位置クラスターS2に含まれる始動位置LSの標準偏差σを示す。標準偏差σ2は、例えば、70mである。
位置クラスターS3は、例えば、車両3の運転者が昼食を食べるレストランである。
本実施形態では、位置クラスターS1~位置クラスターS5を、位置クラスターSNと記載する場合がある。
【0073】
図8は、月曜日における時刻クラスターSNMの具体例を示すグラフである。
図8の横軸は、始動日時TSの月日を示し、縦軸は、始動日時TSに含まれる時刻、すなわち始動時刻USを示す。
図8に示す時刻クラスターS11、時刻クラスターS21、及び時刻クラスターS22は、
図7に示す位置クラスターS1及び位置クラスターS2に含まれる始動位置LSに対応する始動日時TSに含まれる始動時刻USをクラスター分析することによって生成されたクラスターである。
また、学習期間PL1は、
図8に示す時刻クラスターSNMを生成するための情報が取得された期間を示す。また、学習期間PL1は、
図7に示す位置クラスターSNを生成するための情報が取得された期間を示す。
時刻クラスターSNMを生成するための情報、及び位置クラスターSNを生成するための情報は、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、始動曜日DSを示す始動曜日情報、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報である。学習期間PL1は、例えば、2020年の6月8日~7月27日の期間である。
【0074】
時刻クラスターS11は、
図7に示す位置クラスターS1に対応する始動日時TSに含まれる時刻、すなわち、始動時刻USをクラスター分析することによって生成されたクラスターである。
平均時刻AV11は、時刻クラスターS11に含まれる始動時刻USの平均値であり、例えば、9時03分である。
標準偏差σ11は、時刻クラスターS11に含まれる始動時刻USの標準偏差σを示し、例えば、10分間である。
【0075】
時刻クラスターS21は、
図7に示す位置クラスターS2に対応する始動時刻USをクラスター分析することによって生成されたクラスターである。
平均時刻AV21は、時刻クラスターS21に含まれる始動時刻USの平均値であり、例えば、12時33分である。
標準偏差σ21は、時刻クラスターS21に含まれる始動時刻USの標準偏差σを示し、例えば、10分間である。
【0076】
時刻クラスターS22は、
図7に示す位置クラスターS2に対応する始動時刻USをクラスター分析することによって生成されたクラスターである。
平均時刻AV22は、時刻クラスターS22に含まれる始動時刻USの平均値であり、例えば、18時30分である。
標準偏差σ22は、時刻クラスターS22に含まれる始動時刻USの標準偏差σを示し、例えば、60分間である。
時刻クラスターS11、時刻クラスターS21、及び時刻クラスターS22を、本実施形態では、時刻クラスターSNMと記載する場合がある。時刻クラスターSNMは、位置クラスターSNに対応する。
【0077】
このように、曜日毎にクラスター分析によって位置クラスターSNを生成し、生成された位置クラスターSNに対応する始動時刻USをクラスター分析することによって、時刻クラスターSNMを生成する。よって、始動曜日DS、始動位置LS、及び始動日時TSに対応する時刻クラスターSNMを生成できる。したがって、時刻クラスターSNMに基づいて、始動時刻USを適正に推定できる。
【0078】
[4.情報処理システムの処理]
次に、
図9を参照して情報処理システム100の処理の概要を説明する。
図9は、情報処理システム100の処理の概要の一例を示すフローチャートである。
図9において、ステップS101~ステップS111の処理は、車両3の第3制御部31による処理を示す。また、ステップS201~ステップS207の処理は、第1サーバ装置1の第1制御部11による処理を示す。また、ステップS301~ステップS307の処理は、第2サーバ装置2の第2制御部21による処理を示す。
なお、
図9では、学習済モデルMDが予め生成されている場合について説明する。
【0079】
まず、ステップS101において、車両3の第3制御部31の駐車検出部312が、車両3が駐車したことを検出したか否かを判定する。
車両3が駐車したことを検出していないと駐車検出部312が判定した場合(ステップS101;NO)には、処理が待機状態になる。車両3が駐車したことを検出したと駐車検出部312が判定した場合(ステップS101;YES)には、処理がステップS103に進む。
そして、ステップS103において、車両3の第3制御部31の駐車検出部312が、駐車情報を生成し、生成した駐車情報を第1サーバ装置1へ送信する。なお、駐車情報とは、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報である。
【0080】
次に、ステップS201において、第1サーバ装置1の第1制御部11の取得部111が、車両3の第3制御部31から駐車情報を取得する。
次に、ステップS203において、第1サーバ装置1の第1制御部11の推定部113が、駐車情報に基づき、車両3が始動する日時を推定する。
次に、ステップS205において、第1サーバ装置1の第1制御部11の指示部115は、推定部113が推定した車両3が始動する日時の所定時間前に、個人認証プログラムの起動するように、第2サーバ装置2に対して指示する。
【0081】
次に、ステップS301において、第2サーバ装置2の第2制御部21の指示受付部211は、第1サーバ装置1の第1制御部11から、起動指示CMを示す指示情報を受け付ける。起動指示CMは、起動日時TUを含む。起動日時TUは、個人認証プログラムを起動する日時を示す。
次に、ステップS303において、第2サーバ装置2の第2制御部21の起動指示部212は、起動日時TUに到達したか否かを判定する。
起動日時TUに到達していないと起動指示部212が判定した場合(ステップS303;NO)には、処理が待機状態になる。起動日時TUに到達したと起動指示部212が判定した場合(ステップS303;YES)には、処理がステップS305に進む。
そして、ステップS305において、起動指示部212は、個人認証部213に対して、個人認証プログラムの起動するよう指示し、個人認証部213は、起動指示部212からの指示に従って、個人認証プログラムを起動する。
【0082】
一方、ステップS105において、車両3の第3制御部31の始動検出部311は、車両3が始動したことを検出したか否かを判定する。
車両3が始動したことを検出していないと始動検出部311が判定した場合(ステップS105;NO)には、処理が待機状態になる。車両3が始動したことを検出したと始動検出部311が判定した場合(ステップS105;YES)には、処理がステップS107に進む。
そして、ステップS107において、始動検出部311は、始動情報を第1サーバ装置1へ送信する。なお、始動情報とは、始動位置LSを示す始動位置情報、始動日時TSを示す始動日時情報、及び始動曜日DSを示す始動曜日情報である。
次に、ステップS207において、第1サーバ装置1の第1制御部11の取得部111が、車両3の第3制御部31から始動情報を取得する。
【0083】
また、ステップS109において、車両3の第3制御部31の認証部314は、撮像部323から顔画像PFを取得し、取得した顔画像PFを第2サーバ装置2に送信する。
次に、ステップS307において、第2サーバ装置2の第2制御部21の個人認証部213は、顔画像PFを受信し、顔画像PFによる個人認証処理を実行する。そして、個人認証部213は、認証結果ARを車両3へ送信する。
次に、ステップS111において、車両3の第3制御部31の認証部314は、認証結果ARを第2サーバ装置2から受信し、認証結果ARをタッチパネル324のLCDに表示する。その後、処理がステップS101へリターンする。
【0084】
このように、第1サーバ装置1の第1制御部11の推定部113が、駐車情報に基づき、車両3が始動する日時を推定し、指示部115が、推定した日時に基づき、個人認証プログラムの起動するように、第2サーバ装置2に対して指示する。したがって、第2サーバ装置2は、個人認証プログラムを適正な日時に起動できる。その結果、運転者の利便性を向上できる。
【0085】
[5.第1サーバ装置の処理]
次に、
図10及び
図11を参照して、第1サーバ装置1の第1制御部11の処理について説明する。
図10は、第1サーバ装置1の第1制御部11の処理の一例を示すフローチャートである。
【0086】
まず、ステップS401において、取得部111が、駐車情報を取得したか否かを判定する。なお、駐車情報は、駐車位置LEを示す駐車位置情報、駐車日時TEを示す駐車日時情報、及び駐車曜日DEを示す駐車曜日情報、である。
駐車情報を取得していないと取得部111が判定した場合(ステップS401;NO)には、処理が待機状態になる。駐車情報を取得したと取得部111が判定した場合(ステップS401;YES)には、処理がステップS403に進む。
そして、ステップS403において、推定部113が、「始動日時推定処理」を実行する。「始動日時推定処理」は、車両3が始動する日時、ずなわち、始動日時TSを推定する処理を示す。「始動日時推定処理」については、後述にて
図11を参照して説明する。
【0087】
次に、ステップS405において、評価部114は、始動日時TSの推定精度が所定精度以下であるか否かを判定する。
始動日時TSの推定精度が所定精度以下であると評価部114が判定した場合(ステップS405;YES)には、処理がステップS411に進む。始動日時TSの推定精度が所定精度以下ではないと評価部114が判定した場合(ステップS405;NO)には、処理がステップS407に進む。
そして、ステップS407において、指示部115は、推定部113が推定した始動日時TSに基づき、第2サーバ装置2における個人認証プログラムの起動日時TUを決定する。
次に、ステップS409において、指示部115は、起動日時TUに個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを第2サーバ装置2に対して送信する。その後、処理がステップS401にリターンする。
【0088】
始動日時TSの推定精度が所定精度以下であると評価部114が判定した場合(ステップS405;YES)には、ステップS411において、指示部115は、スマートフォン4から接近状態APを示す情報を受信したか否かを判定する。
スマートフォン4から接近状態APを示す情報を受信していないと指示部115が判定した場合(ステップS407;NO)には、処理が待機状態になる。スマートフォン4から接近状態APを示す情報を受信したと指示部115が判定した場合(ステップS407;YES)には、処理がステップS409へ進む。
そして、ステップS409において、指示部115は、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を送信する。その後、処理がステップS401にリターンする。
【0089】
このようにして、始動日時TSの推定精度が所定精度以下である場合には、指示部115は、スマートフォン4からの接近状態APを示す情報に基づいて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムを起動する旨の起動指示CMを示す指示情報を送信する。したがって、始動日時TSの推定精度が所定精度以下である場合にも、適正なタイミングで、第2サーバ装置2に個人認証プログラムを起動させることができる。
【0090】
図11は、第1サーバ装置1の始動日時推定処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS501において、推定部113は、取得部111が取得した駐車曜日DEに基づいて、現曜日モデルを決定する。「現曜日モデル」は、駐車曜日DEに対応するモデルを示す。例えば、駐車曜日DEが月曜日である場合には、現曜日モデルは月曜日モデルMD1であり、駐車曜日DEが火曜日である場合には、現曜日モデルは火曜日モデルMD2である。
次に、ステップS503において、推定部113は、駐車位置LEに基づき、現位置クラスターSNを決定する。現位置クラスターSNは、現曜日モデルに含まれる位置クラスターSNのうち、駐車位置LEを含む位置クラスターSNである。
次に、ステップS505において、推定部113は、駐車日時TEに基づき、現時刻クラスターSNMを決定する。現時刻クラスターSNMは、現位置クラスターSNに対応する時刻クラスターSNMのうち、駐車日時TEの時刻より前の時刻クラスターSNMであって、駐車日時TEの時刻に最も近い時刻クラスターSNMである。
すなわち、駐車日時TEにおいて、車両3は駐車するが、この駐車の前に始動した始動日時TSを含む時刻クラスターSNMを、現時刻クラスターSNMと記載する。
次に、ステップS507において、推定部113は、現時刻クラスターSNMから次時刻クラスターSNMを決定する。次時刻クラスターSNMは、現時刻クラスターSNMが含まれる位置クラスターSNに対応する時刻クラスターSNMのうち、現時刻クラスターSNMの時刻よりの後の時刻の時刻クラスターSNMである。
【0091】
現時刻クラスターSNMが、現位置クラスターSNに対応する時刻クラスターSNMのうち、最後の時刻クラスターSNMである場合には、推定部113は、次時刻クラスターSNMは、を以下のようにして決定する。
すなわち、推定部113は、現曜日モデルに対応する曜日の次の曜日に対応する次曜日モデルを決定する。例えば、現曜日モデルが、月曜日モデルMD1である場合には、次曜日モデルは、火曜日モデルMD2である。
次に、推定部113は、次曜日モデルに含まれる現位置クラスターSNを決定する。現位置クラスターSNは、駐車位置LEを含む位置クラスターSNである。
次に、推定部113は、現位置クラスターSNに対応する時刻クラスターSNMの中から、次時刻クラスターSNMを決定する。次時刻クラスターSNMは、現位置クラスターSNに対応する時刻クラスターSNMのうち、現時刻クラスターSNMの時刻よりの後の時刻の時刻クラスターSNMである。
【0092】
次に、ステップS509において、推定部113は、次時刻クラスターSNMの平均時刻AVNMに基づき、次の始動日時TSを推定する。
次に、ステップS511において、推定部113は、次時刻クラスターSNMの標準偏差σNMに基づき、推定精度を決定する。その後、処理が
図10のステップS405にリターンする。
【0093】
このようにして、推定部113は、駐車位置LE、駐車日時TE、及び駐車曜日DEに基づいて、学習済モデルMDに含まれる位置クラスターSN、及び時刻クラスターSNMを用いて、次の始動日時TSを推定できる。
【0094】
[6.本実施形態の構成、及び効果]
以上説明したように、本実施形態の第1サーバ装置1は、サーバレス機能を有する第2サーバ装置2、及び車両3の各々と通信可能に接続された第1サーバ装置1であって、車両3が始動した位置である始動位置LSを示す始動位置情報と、車両3が始動した日時である始動日時TSを示す始動日時情報と、車両3が駐車した位置である駐車位置LEを示す駐車位置情報と、車両3が駐車した日時である駐車日時TEを示す駐車日時情報と、を車両3から取得する取得部111と、始動位置LS、始動日時TS、駐車位置LE、及び駐車日時TEに基づき、車両3が始動する日時を推定する推定部113と、推定部113の推定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムの起動を指示する指示部115と、を備える。
したがって、推定部113が始動位置LS、始動日時TS、駐車位置LE、及び駐車日時TEに基づき、車両3が始動する日時を推定するため、車両3が始動する日時を適正に推定できる可能性がある。また、指示部115が、推定部113の推定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムの起動を指示するため、適正な日時に個人認証プログラムの起動を起動できる可能性がある。
【0095】
また、前記駐車位置情報、及び前記駐車日時情報を、取得部111が取得したときに、推定部113は、車両3が始動する日時を推定する。
よって、車両3が始動する日時を推定する処理に要する時間の自由度がある。したがって、第1サーバ装置1を、サーバレス機能を有するサーバ装置で構成できる。その結果、第1サーバ装置1のコストを低減できる。
【0096】
また、取得部111は、車両3が始動した曜日である始動曜日DSを示す始動曜日情報と、車両3が駐車した曜日である駐車曜日DEを示す駐車曜日情報と、を更に取得し、推定部113は、始動位置LS、始動日時TS、始動曜日DS、駐車位置LE、駐車日時TE、及び駐車曜日DEに基づき、車両3が始動する日時を推定する。
したがって、推定部113が推定部113は、始動位置LS、始動日時TS、始動曜日DS、駐車位置LE、駐車日時TE、及び駐車曜日DEに基づき、車両3が始動する日時を推定するため、車両が始動する日時を適正に推定できる可能性を高めることができる。
【0097】
また、駐車位置LE、駐車日時TE、及び駐車曜日DEに基づき、車両3が始動する日時を推定する学習済モデルMDを更に備え、推定部113は、学習済モデルMDによって、車両3が始動する日時を推定する。
したがって、学習済モデルMDを適正に生成することによって、推定部113は、車両3が始動する日時を適正に推定できる。
【0098】
また、学習済モデルMDを生成するモデル生成部112を更に備え、モデル生成部112は、始動曜日DS毎に、始動位置LSをクラスター分析し、学習済モデルMDは、クラスター分析された始動位置LSを含む。
よって、学習済モデルMDは、始動曜日DS毎に、クラスター分析された始動位置LS、すなわち、位置クラスターSNを含むため、学習済モデルMDを、始動曜日DS毎の始動位置LSに応じて区分して生成できる。また、始動曜日DS毎の始動位置LSに応じて区分することによって、始動曜日DS毎の始動位置LSの推移をパターン化できる。したがって、学習済モデルMDを、適正に構成できる。
【0099】
また、モデル生成部112は、始動曜日DS毎に、始動日時TSに含まれる始動時刻USをクラスター分析し、学習済モデルMDは、クラスター分析された始動時刻USを含む。
よって、学習済モデルMDは、始動曜日DS毎に、クラスター分析された始動時刻US、すなわち、時刻クラスターSNMを含むため、学習済モデルMDを、始動曜日DS毎の始動時刻USに応じて区分して生成できる。また、始動曜日DS毎の始動時刻USに応じて区分することによって、始動曜日DS毎の始動時刻USの推移をパターン化できる。したがって、学習済モデルMDを、適正に構成できる。
【0100】
また、車両3との間の距離が閾値以上であるか否かを判定するスマートフォン4と更に通信可能に接続され、指示部115は、スマートフォン4の判定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムの起動を指示する。
したがって、スマートフォン4と車両3との間の距離が閾値以上であるか否かのスマートフォン4による判定結果に応じて、指示部115は、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムの起動を指示するため、個人認証プログラムを適正なタイミングで確実に起動できる。
【0101】
また、推定部113による車両3が始動する日時の推定精度を評価する評価部114を更に備え、推定精度が所定精度以下であると評価部114が評価した場合に、指示部115は、スマートフォン4の判定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムの起動を指示する。
したがって、推定部113による車両3が始動する日時の推定精度が所定精度以下である場合にも、個人認証プログラムを適正なタイミングで確実に起動できる。
【0102】
また、本実施形態の情報処理システム100は、サーバレス機能を有する第2サーバ装置2と、車両3と、第2サーバ装置2、及び車両3の各々と通信可能に接続され、上記第1サーバ装置1と、を備える。
したがって、上記第1サーバ装置1と同様の作用効果を奏する。すなわち、推定部113が始動位置LS、始動日時TS、駐車位置LE、及び駐車日時TEに基づき、車両3が始動する日時を推定するため、車両3が始動する日時を適正に推定できる可能性がある。また、指示部115が、推定部113の推定結果に応じて、第2サーバ装置2に対して、個人認証プログラムの起動を指示するため、適正な日時に個人認証プログラムの起動を起動できる可能性がある。
【0103】
[7.他の実施形態]
上述した本実施形態は、あくまでも本発明の一実施形態を例示したものであって、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形、及び応用が可能である。
例えば、
図2~
図5の各々は、本発明の理解を容易にするために、構成要素を主な処理内容に応じて分類して示した図であり、構成要素は、処理内容に応じて、更に多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素が更に多くの処理を実行するように分類することもできる。
また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0104】
また、本実施形態では、「情報処理装置」が第1サーバ装置1として構成される場合について説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されない。「情報処理装置」がパーソナルコンピュータとして構成されてもよいし、「情報処理装置」がタブレット端末として構成されてもよい。
【0105】
また、本実施形態では、第1サーバ装置1が、サーバレス機能を有するアプリケーションサーバ装置として構成されるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。第1サーバ装置1が、サーバレス機能を持たない、通常のサーバ装置として構成されてもよい。
【0106】
また、本実施形態では、第2サーバ装置2が実行するアプリケーションプログラムが、車両3の運転者の個人認証処理を実行する個人認証プログラムであるが、本発明の実施形態はこれに限定されない。第2サーバ装置2が実行するアプリケーションプログラムが、車両3の始動時に起動することが要求されるアプリケーションプログラムであればよい。アプリケーションプログラムが、例えば、音楽や映画等のコンテンツ配信プログラムでもよい。
【0107】
また、本実施形態では、第1制御プログラムを第1制御部11の第1メモリ11Bに記憶するが、第1制御プログラムを他の記録媒体、又はこの第1制御プログラムを伝送する伝送媒体の態様で構成することも可能である。
記録媒体には、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、上記記録媒体は、第1サーバ装置1が備えるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
【0108】
また、例えば、
図9に示すフローチャートの処理単位は、情報処理システム100の処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。情報処理システム100の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割してもよい。また、情報処理システム100の処理は、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割してもよい。
【0109】
また、例えば、
図10~
図11の各々に示すフローチャートの処理単位は、第1サーバ装置1の処理の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。第1サーバ装置1の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割してもよい。また、第1サーバ装置1の処理は、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割してもよい。
【符号の説明】
【0110】
100 情報処理システム
1 第1サーバ装置(情報処理装置)
11 第1制御部
111 取得部
112 モデル生成部
113 推定部
114 評価部
115 指示部
116 第1送受信部
117 履歴記憶部
118 モデル記憶部
2 第2サーバ装置(アプリケーションサーバ装置)
21 第2制御部
211 指示受付部
212 起動指示部
213 個人認証部
214 第2送受信部
215 画像記憶部
3 車両
31 第3制御部
311 始動検出部
312 駐車検出部
313 計時部
314 認証部
315 第3送受信部
321 エンジン始動ボタン
322 GPS部
323 撮像部
324 タッチパネル
4 スマートフォン(携帯端末装置)
41 第4制御部
411 位置取得部
412 判定部
413 第4送受信部
42 GPS部
AP 接近状態
AR 個人認証結果
AVN、AV1、AV2 平均位置
AVNM、AV11、AV21 平均時刻
CM 起動指示
DS 始動曜日
DE 駐車曜日
LS 始動位置
LE 駐車位置
MD 学習済モデル
MD1~MD7 月曜日モデル~日曜日モデル
PCL 位置クラスター記憶部
PF、PFA 顔画像
PL1 学習期間
SN、S1~S3 位置クラスター
SNM、S11、S21、S22 時刻クラスター
SP 離間状態
TCL 時刻クラスター記憶部
TS 始動日時
TE 駐車日時
TU 起動日時
TW 待ち時間
US 始動時刻
σ、σN、σ1、σ2、σNM、σ21、σ22 標準偏差
σS 閾値