(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】成績管理装置、成績管理方法、及び成績管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240522BHJP
【FI】
G06Q10/0639
(21)【出願番号】P 2020131140
(22)【出願日】2020-07-31
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 晶浩
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-109869(JP,A)
【文献】特開2015-222546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備えた成績管理装置であって、
対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力処理手段と、
各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力処理手段と、
前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高
評価と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高
評価とを含む月次推移表を出力する月次推移表出力手段と、
を備え
、
前記実行予算入力処理手段は、前記実行予算情報の担当者の予定時間を修正可能に構成されており、
前記月次推移表出力手段は、
担当者別に、
(1)契約額×前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月の担当者毎の予定時間/総予定時間で担当者別の進捗出来高を算出し、
(2)前記担当者別進捗出来高×前記月毎の担当者毎の作業時間/前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月の担当者毎の予定時間で投入出来高を算出し、
プロジェクト別に、
(3)契約額×計画時の各月のプロジェクト毎の予定時間/総予定時間で予定出来高を算出し、
(4)契約額×前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月のプロジェクト毎の予定時間/総予定時間でプロジェクト別の進捗出来高を算出し、
前記各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高評価は、前記担当者別進捗出来高-前記投入出来高で算出する投入改善高、及び、前記投入改善高/前記担当者別進捗出来高×100で算出する投入改善率の少なくとも1つを含み、
前記プロジェクトマネージャーの各月の出来高評価は、(前記プロジェクト別進捗出来高-前記予定出来高)/前記予定出来高×100で算出する進捗改善率を含むことを特徴とする成績管理装置。
【請求項2】
前記予定時間は、標準工数時間から算出した時間であることを特徴とする請求項1に記載の成績管理装置。
【請求項3】
制御部を備えた情報処理装置
が実行する成績管理方法であって、
前記制御部において実行される、
対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力処理工程と、
各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力処理工程と、
前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高
評価と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高
評価とを含む月次推移表を出力する月次推移表出力工程と、
を含
み、
前記実行予算入力処理工程では、前記実行予算情報の担当者の予定時間を修正可能に構成されており、
前記月次推移表出力工程では、
担当者別に、
(1)契約額×前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月の担当者毎の予定時間/総予定時間で担当者別の進捗出来高を算出し、
(2)前記担当者別進捗出来高×前記月毎の担当者毎の作業時間/前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月の担当者毎の予定時間で投入出来高を算出し、
プロジェクト別に、
(3)契約額×計画時の各月のプロジェクト毎の予定時間/総予定時間で予定出来高を算出し、
(4)契約額×前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月のプロジェクト毎の予定時間/総予定時間でプロジェクト別の進捗出来高を算出し、
前記各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高評価は、前記担当者別進捗出来高-前記投入出来高で算出する投入改善高、及び、前記投入改善高/前記担当者別の進捗出来高×100で算出する投入改善率の少なくとも1つを含み、
前記プロジェクトマネージャーの各月の出来高評価は、(前記プロジェクト別進捗出来高-前記予定出来高)/前記予定出来高×100で算出する進捗改善率を含むことを特徴とする成績管理方法。
【請求項4】
制御部を備えた情報処理装置に実行させるための成績管理プログラムであって、
前記制御部
に、
対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力処理工程と、
各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力処理工程と、
前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高
評価と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高
評価とを含む月次推移表を出力する月次推移表出力工程と、
を実行させるための成績管理プログラムであり、
前記実行予算入力処理工程では、前記実行予算情報の担当者の予定時間を修正可能に構成されており、
前記月次推移表出力工程では、
担当者別に、
(1)契約額×前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月の担当者毎の予定時間/総予定時間で担当者別の進捗出来高を算出し、
(2)前記担当者別進捗出来高×前記月毎の担当者毎の作業時間/前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月の担当者毎の予定時間で投入出来高を算出し、
プロジェクト別に、
(3)契約額×計画時の各月のプロジェクト毎の予定時間/総予定時間で予定出来高を算出し、
(4)契約額×前記実行予算情報の担当者の予定時間の修正の実施後の前記各月のプロジェクト毎の予定時間/総予定時間でプロジェクト別の進捗出来高を算出し、
前記各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高評価は、前記担当者別進捗出来高-前記投入出来高で算出する投入改善高、及び、前記投入改善高/前記担当者別の進捗出来高×100で算出する投入改善率の少なくとも1つを含み、
前記プロジェクトマネージャーの各月の出来高評価は、(前記プロジェクト別進捗出来高-前記予定出来高)/前記予定出来高×100で算出する進捗改善率を含むことを特徴とする成績管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成績管理装置、成績管理方法、及び成績管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクトの進捗を管理するためには、担当者の作業の進捗を評価する必要がある。従来、担当者の作業の進捗を評価するシステムとして、例えば、特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、プロジェクトの収益がアサインやプロダクトマネージャー(以下、「PM」と省略する場合がある)に起因するものなのか、作業担当者の作業進捗や効率に起因するものかをそれぞれ区別した指標にて明確に捉えられるようにすることに関して何等記載されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされものであり、プロジェクトの収益がプロダクトマネージャーに起因するものなのか、作業担当者の作業進捗や効率に起因するものなのかをそれぞれ区別した指標にて明確に捉えることが可能な成績管理装置、成績管理方法、及び成績管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた成績管理装置であって、対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力処理手段と、各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力処理手段と、前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高とを含む月次推移表を出力する月次推移表出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、前記予定時間は、標準工数時間から算出した時間であることにしてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記実行予算入力処理手段は、前記実行予算情報の担当者の予定時間を修正可能に構成されていることにしてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、担当者の出来高は、契約額×各月の作業時間/実施後の各月の予定時間で算出する投入出来高、進捗出来高-投入出来高で算出する投入改善高、投入改善高/進捗出来高×100で算出する投入改善率、及び管理帳票などで、確定月までは進捗出来高、翌月以降は予定出来高で、最終的な着地予想を捉える指標である着地出来高の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0010】
プロジェクトマネージャーの出来高は、契約額×計画時の各月の予定時間/総予定時間で算出する予定出来高、契約額×実施後の各月の予定時間/総予定時間で算出する進捗出来高、(進捗出来高-予定出来高)/予定出来高×100で算出する進捗改善率、及び管理帳票などで、確定月までは進捗出来高、翌月以降は予定出来高で、最終的な着地予想を捉える指標である着地出来高の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための成績管理方法であって、前記制御部において実行される、対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力工程と、各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力工程と、前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高と、を含む月次推移表を出力する月次推移表出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御部を備えた情報処理装置に実行させるための成績管理プログラムであって、前記制御部において、対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力工程と、各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力工程と、前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高と、を含む月次推移表を出力する月次推移表出力工程と、をコンピュータに実行させるための成績管理プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プロジェクトの収益がプロダクトマネージャーに起因するものなのか、作業担当者の作業進捗や効率に起因するものなのかをそれぞれ区別した指標にて明確に捉えることが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施の形態の管理モデルを示す図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態の管理モデルを示す図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態に係る成績管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、本実施の形態における成績管理装置の制御部の全体の処理の概略を説明するための図である。
【
図5】
図5は、会計年月「2019/04」の月初の処理を説明するための図である。
【
図6】
図6は、会計年月「2019/04」の月初の処理を説明するための図である。
【
図7】
図7は、会計年月「2019/04」の月末の処理を説明するための図である。
【
図8】
図8は、会計年月「2019/04」の月末の処理を説明するための図である。
【
図9】
図9は、会計年月「2019/04」の月末の処理を説明するための図である。
【
図10】
図10は、会計年月「2019/04」の月末の処理を説明するための図である。
【
図11】
図11は、会計年月「2019/05」の月末の処理を説明するための図である。
【
図12】
図12は、会計年月「2019/05」の月末の処理を説明するための図である。
【
図13】
図13は、会計年月「2019/05」の月末の処理を説明するための図である。
【
図14】
図14は、会計年月「2019/05」の月末の処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施の形態により限定されるものではない。
【0016】
[1.概要]
人手不足や働き方改革の対応や労働市場の流動性の高まりに伴い、生産性の効率化を図りつつも、アサインなど会社や案件のPMの評価・責任範囲と、作業効率など個人別の評価・責任範囲を明確化する必要が高まっている。
【0017】
これまでの案件別予算の管理では、原価目線での作業工数の低減と、売上目線での会社貢献が分かれて管理されがちであり、案件の収益がアサインやPMに起因するものなのか、作業担当者の作業進捗や効率に起因するものなのか、明確に判別することは困難であった。
【0018】
そこで、本実施の形態では、それらをルール化した標準工数時間を基づく実行予算の見積もりを、PMが行うことにより、案件の全体進捗や契約上の売上計上タイミング、サービス形態にかかわらず、個人別の予定作業時間ベースでの出来高進捗管理が算出できるようになり、管理会計上への反映、成績評価ができるようになった。
【0019】
すなわち、本実施の形態では、案件の収益がアサインやPMに起因するものなのか、作業担当者の作業進捗や効率に起因するものか、それぞれ区別した指標にて明確に捉えられるようにした。
【0020】
本実施の形態では、従来の案件別予算管理手法を踏襲しつつも、標準工程数時間の当初計画と、毎月の実績の結果反映と翌月以降の予定見直しをルール化し、管理会計に反映させることで、PM管理者の指標と、作業担当者の指標を分けて捉え、それぞれに対して具体的な対策を行えるようになった。
【0021】
また、本実施の形態では、進捗遅れや作業効率の指標を分けて捉え、それぞれに対して具体的な対策を行えるようになった。進捗遅れや作業効率の改善度合いなどが、具体的にどのくらい売上額として影響しているかを把握できるようになった。
【0022】
また、本実施の形態では、従来、技術担当からの原価視点での案件予算管理では、作業効率化が原価低減につながっても、売上回転率の向上に繋がりにくかったため、売上額から予算作業時間を加味して、出来高として指標に組み込むことで、作業効率化と売上見込みを別々に捉えて、売上規模と回転率の向上に繋げられるようにした。
【0023】
具体的には、本実施の形態のポイントは、以下の(1)~(4)である。
【0024】
(1)PMが月初(作業開始前を含む)に、案件別の実行予算計画を、標準的な作業効率で人別に予定工数時間を見立てる。実際には人によって、作業効率が異なるので、作業結果後では、それら差異が、PMの予算計画での甘さなのか、個人の効率の問題なのかが、分からない。予算計画で、それら個人の効率性を排除して標準工数時間を見立てる必要がある。
【0025】
標準的な作業効率での見立て精度があがることにより、案件収支や担当者の作業負荷管理の精度向上が見込まれる。差異の原因が、個人の作業効率の問題なのか、PMの見立ての甘さの問題なのか、傾向が掴めるようになる。
【0026】
ここで、「案件収支」は、必要な作業内容を正しく捉えられれば、どのアサイン担当者であっても、赤字にならずに案件完了となる(PMの責任範囲)。「作業負荷管理」は、予定作業内容を標準的な作業効率内で実施すれば、進捗遅れが発生せずに、残業も発生しない(アサイン管理の責任範囲)。
【0027】
実際のアサイン作業は、各個人の効率、適性などを考慮して、標準工数作業が就業時間を超えつつも、実際には就業時間内に完了できるバランスを取っていく。これにより、アサインによる労働資源の最適化を行うことができる。
【0028】
(2)PMが月末(毎月の作業進捗結果が判明した後)に、案件別の実行予算計画で、作業進捗結果に伴って当月の予定工数時間を変更する。人別の予定工数時間は、「月初」に人別の作業予定内容×標準工数時間とし、「月末」に人別の作業結果内容×標準工数時間とする。
【0029】
案件全体の進捗率を管理する仕組みや手法は、これまでもあったが、これでは個人別のアサインや作業予定、進捗に結び付かなかった。
【0030】
そこで、人別の予算時間を毎月月初と月末に見直していくことで、個人別の作業予定や進捗に反映されて、翌月以降の案件別の計画にも反映されやすい。これは、当月未消化の作業は、翌月以降に見込むか、別途アサイン追加を行わなければ、当初予算との辻褄が明確に合わなくなるためである。
【0031】
(3)各作業内容が、最終的に契約額(売上額)として、予定・実績共に、どのくらい会社数字に寄与していくのかを捉えられるようにする。
【0032】
作業効率だけでは、原価管理での効率化はできても、売上管理としての向上に結び付きにくい(作業部門のPMが原価だけを意識して、売上を意識しない傾向の業界などもある)。各案件での難易度、契約額、利益率などを個人でコントロールできない要素を少なくしつつ、統一的な成績評価を行い、会社としての売上向上につなげる必要がある。
【0033】
各案件での契約額を作業担当者の作業予定時間で均等に按分する。今回は労働集約型のビジネスモデルを想定。それ以外では、別の指標で按分することも可能である。
【0034】
(4)個人毎に、作業進捗の度合いと効率性を分けて明確に捉えられるようにする。与えられた仕事に対して、効率よく、より少ない時間で実施することと、効率性は標準だが、より多くの仕事をこなすことの評価視点は異なる(どちらが良いというものではない)。
これらを数値化して、同じ土俵で評価できるようにする必要があった。
【0035】
個人別の予実差異を把握することで、個人ごとの効率化の把握、向上につなげる(効率性)。契約額(出来高)に換算することで、進捗度合い・売上回転率の向上につなげる(案件進捗の寄与)。
【0036】
本実施の形態の用語及び管理指標を説明する。
【0037】
「実行予算」は、案件ごとに、PMが各月の作業時間などを見積もり、収支計画を立てることである。毎月見直しも実施する。管理帳票などで、確定月までは実績値、翌月以降は予算値で着地予想を捉えるのが一般的である。
「標準工数時間」は、作業内容に応じて、標準的な作業効率の人が完了までにかかる工数時間である。
「予定時間」は、作業内容に応じて、標準工数時間から算出した完了までにかかる予定時間である。
「日報」は、各個人が日々の作業結果として、どの案件にどれくらい従事したかを作業時間として入力する。
「作業時間」は、日報で入力する案件毎に従事した時間である。
「契約額」は、受注した契約額である。完了時に売上額と同額となる。
「予定出来高(PM指標)」は、契約額×計画時の各月の予定時間/総予定時間で算出する。各予定時間に応じて、どのくらい売上に寄与するかの指標である。
「進捗出来高(PM指標)」は、契約額×実施後の各月の予定時間/総予定時間で算出する。各予定時間に応じて、どのくらい売上に寄与したかの指標である。
「進捗改善率(PM指標)」は、(進捗出来高-予定出来高)/予定出来高×100で算出する。予定していた作業予定に対して、どれくらい進捗して、売上に寄与したかの指標である。
「着地出来高(PM指標&個人指標)」は、管理帳票などで、確定月までは進捗出来高、翌月以降は予定出来高で、最終的な着地予想を捉える指標である。期を跨いで売上が翌期の案件などは、制度会計上は売上0だが、出来高で今期の売上評価が可能になる。
「投入出来高(個人指標)」は、契約額×各月の作業時間/実施後の各月の予定時間で算出する。進捗した作業内容に対して、どのくらいの作業時間で完了させたかの指標である。少ない方が良い。
「投入改善高(個人指標)」は、進捗出来高-投入出来高で算出する。個人の作業効率によって、どのくらい売上高視点で改善したかの指標。大きい方が良い。
「投入改善率(個人指標)」は、投入改善高/進捗出来高×100で算出する。個人の作業効率によって、どのくらい売上高視点で改善したかの指標である。大きい方が良い。
【0038】
図1及び
図2は、本実施の形態の管理モデルを示す図である。
図1は、プロジェクト別の出来高照会画面イメージを示す図である。
図1において、抽出条件は、会計年月「2019/04」、プロジェクトNO「P001~P002」であり、表示結果は、プロジェクトNO(P001,P002)毎に、契約額、総予定時間、社員、社員別総予定時間、予定出来高のデータを示している。
【0039】
図2は、人別の出来高照会画面イメージを示す図である。
図2において、抽出条件は、会計年月「2019/04」、社員「田中、鈴木、佐藤」であり、表示結果は、社員(田中、鈴木、佐藤)毎に、プロジェクトNO、契約額、総予定時間、社員別総予定時間、予定出来高のデータを示している。
【0040】
[2.構成]
図3を参照して、本実施の形態に係る成績評価装置構成の一例について説明する。
図3は、本実施の形態に係る成績管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
図3において、成績管理装置100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータでもよい。成績管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。成績管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0042】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、成績管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、成績管理装置100とサーバ200や端末400・・・とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。端末400・・・は、PMや社員(担当者)が使用するデスクトップPC、ラップトップPC、タブレット等である。
【0043】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、および、マイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114として記載する場合がある。
【0044】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、および、ファイルなどが格納され
る。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等を用いることができる。また、記憶部106は、データファイル106aを備えている。
【0045】
データファイル106aは、契約情報、実行予算情報、及び日報情報等の各種データを格納するためのファイルである。契約情報は、プロジェクトNOと契約金額のデータを含んでいてもよい(
図5参照)。実行予算情報は、プロジェクトNO、社員名、年月、及び予定時間のデータを含んでいてもよい(
図5参照)。日報情報は、プロジェクトNO、社員名、年月、作業時間のデータを含んでいてもよい(
図7参照)。
【0046】
制御部102は、成績管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、契約入力処理部102aと、実行予算入力処理部102bと、日報入力処理部102cと、出来高照会処理部102dと、仕訳連携処理部102eと、月次推移表出力部102fとを備えている。
【0047】
契約入力処理部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上でのオペレータ等の操作に応じて、契約情報を入力してデータファイル106aに登録する。
【0048】
実行予算入力処理部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上での操作やPMの端末400の操作に応じて、対象のプロジェクトについて、PMが作成した、社員毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力して、データファイル106aに登録する。実行予算入力処理部102bは、実行予算情報の担当者の予定時間を修正可能に構成されていることにしてもよい。また、月初(1回目)は、予定作業内容×標準工数時間から予定時間を算出してもよい。月末に見直しを行い、月末(2回目)は、(当月)実際作業内容×標準工数時間から予定時間を算出してもよい。
【0049】
日報入力処理部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上での操作や担当者の端末400の操作に応じて、プロジェクトNO、社員名、年月、作業時間のデータを含む日報情報を入力してデータファイル106aに登録する。
【0050】
出来高照会処理部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示の照会画面上での操作に応じて、データファイル106aに登録された実行予算情報及び日報情報を参照して、対象のプロジェクトについて、全体(PM)についての、総予定時間、対象の年月の時間、出来高と、各社員の予定時間、予定出来高、進捗時間、投入出来高、作業時間を含む照会結果を作成して表示出力する。
【0051】
仕訳連携処理部102eは、例えば、モニタ114に表示される不図示の仕訳連携画面上での操作に応じて、データファイル106aに登録された実行予算情報及び日報情報を参照して、対象のプロジェクトについて社員毎の各月の仕訳を作成して表示出力する。
【0052】
月次推移表出力部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示の月次推移表出力画面上での操作に応じて、データファイル106aに登録された実行予算情報及び日報情報を参照して、対象のプロジェクトについて、各社員の月毎の作業予定に応じた出来高と、PMの各月の出来高を帳票形式の月次推移表として表示出力する。
【0053】
社員の出来高は、契約額×各月の作業時間/実施後の各月の予定時間で算出する投入出来高、進捗出来高-投入出来高で算出する投入改善高、投入改善高/進捗出来高×100で算出する投入改善率、及び管理帳票などで、確定月までは進捗出来高、翌月以降は予定出来高で、最終的な着地予想を捉える指標である着地出来高の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0054】
PMの出来高は、契約額×計画時の各月の予定時間/総予定時間で算出する予定出来高、契約額×実施後の各月の予定時間/総予定時間で算出する進捗出来高、(進捗出来高-予定出来高)/予定出来高×100で算出する進捗改善率、及び管理帳票などで、確定月までは進捗出来高、翌月以降は予定出来高で、最終的な着地予想を捉える指標である着地出来高の少なくとも1つを含むことにしてもよい。
【0055】
[3.具体例]
図3~
図14を参照して、本実施の形態における成績管理装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。
図4は、本実施の形態における成績管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明するための図である。
【0056】
(全体の処理)
図4を参照して、本実施の形態における成績管理装置100の制御部102の全体の処理の概略を説明する。
【0057】
図7において、契約入力処理部102aは、契約情報入力処理を実行する(ステップS1)。具体的には、契約情報入力処理では、契約入力処理部102aは、例えば、モニタ114に表示される不図示の契約入力画面上での操作等に応じて、契約情報を入力してデータファイル106aに登録する。
【0058】
実行予算入力処理部102bは、実行予算入力処理を実行する(ステップS2)。具体的には、実行予算入力処理では、実行予算入力処理部102bは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上での操作やPMの端末400の操作に応じて、対象のプロジェクトについて、PMが作成した、社員毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力して、データファイル106aに登録する。月初(1回目)は、予定作業内容×標準工数時間から予定時間を算出してもよい。月末に見直しを行い、月末(2回目)は、(当月)実際作業内容×標準工数時間から予定時間を算出してもよい。
【0059】
出来高照会処理部102dは、出来高照会処理を実行する(ステップS3)。具体的には、出来高照会処理では、出来高照会処理部102dは、例えば、モニタ114に表示される不図示の照会画面上での操作に応じて、データファイル106aに登録された実行予算情報及び日報情報を参照して、対象のプロジェクトについて、全体についての、総予定時間、対象の年月の時間、出来高と、各社員の予定時間、予定出来高、進捗時間、投入出来高、作業時間を含む照会結果を作成して表示出力する。
【0060】
仕訳連携処理部102eは、仕訳連携処理を実行する(ステップS4)。具体的には、仕訳連携処理では、仕訳連携処理部102eは、例えば、モニタ114に表示される不図示の仕訳連携画面上での操作に応じて、データファイル106aに登録された実行予算情報及び日報情報を参照して、対象のプロジェクトについて社員毎の各月の仕訳を作成して表示出力する。
【0061】
月次推移表出力部102fは、月次推移表出力処理を実行する(ステップS5)。具体的には、月次推移表出力処理では、月次推移表出力部102fは、例えば、モニタ114に表示される不図示の月次推移表出力画面上での操作に応じて、データファイル106aに登録された実行予算情報及び日報情報を参照して、対象のプロジェクトについて、各社員の月毎の作業予定に応じた出来高と、PMの各月の出来高を帳票形式の月次推移表として表示出力する。
【0062】
日報入力処理部102cは、日報入力処理を実行する(ステップS6)。具体的には、日報入力処理では、日報入力処理部102cは、例えば、モニタ114に表示される不図示の入力画面上での操作や担当者の端末400の操作に応じて、プロジェクトNO、社員名、年月、作業時間のデータを含む日報情報を入力してデータファイル106aに登録する。
【0063】
そして、S2~S6の処理を対象のプロジェクトが完了するまで月単位で繰り返し実行する。
【0064】
図5~
図14を参照して、本実施の形態における成績管理装置100の制御部102の処理の具体例について説明する。以下では、会計年月「2019/04」~「2019/06」の処理イメージを説明する。
【0065】
[会計年月:2019/04:月初]
図5及び
図6を参照して、会計年月「2019/04」の月初の処理を説明する。
【0066】
(1)契約情報の登録
契約情報入力処理では、契約情報を入力して、データファイル106aに登録する。
図5に示す契約情報の例では、プロジェクトNO「P001」、契約金額「1000万」となっている。
【0067】
(2)実行予算情報の登録(4月度月初め:4月案件スタート前)
実行予算入力処理では、実行予算情報(契約情報実行予算月別社員別内訳情報)を入力して、データファイル106aに登録する。
【0068】
図5に示す実行予算情報の例では、プロジェクトNO「P001」について、社員名「田中」は、年月「2019/04」が予定時間「6時間」、年月「2019/05」が予定時間「8時間」、年月「2019/06」が予定時間「6時間」であり、予定時間計「20時間」となっている。社員名「鈴木」は、年月「2019/04」が予定時間「10時間」、年月「2019/05」が予定時間「20時間」、年月「2019/06」が予定時間「0時間」であり、予定時間計「30時間」となっている。社員名「佐藤」は、年月「2019/04」が予定時間「30時間」、年月「2019/05」が予定時間「10時間」、年月「2019/06」が予定時間「10時間」であり、予定時間計「50時間」となっている。総予定時間は、100時間となっている。
【0069】
実務的には、月初と月末の2回の予算見直しをルール化するのが望ましい。例えば、1回目は、予定作業内容×標準工数時間から算出してもよい。2回目は、(当月)実際作業内容×標準工数時間から算出してもよい。翌月以降は、予定作業内容×標準工数時間から算出してもよい。繰り越した作業内容などを加味する。
【0070】
(3)出来高照会
出来高照会処理では、出来高を照会する。
図5に示す出来高の表示結果(4月度月初(案件スタート前))の例では、プロジェクトNO「P001」、契約額「1000万」、総予定時間「100時間」について、年月「2019/04」は、時間「46時間」、出来高「460万(=1000万×46時間/100時間)」、年月「2019/05」は、時間「38時間」、出来高「380万(=1000万×38時間/100時間)」、年月「2019/06」は、時間「16時間」、出来高「160万(=1000万×16時間/100時間)」となっている。
【0071】
また、社員「田中」は、予定時間「20時間」、予定出来高「200万(=1000万×20時間/100時間)」、進捗時間「0時間」、投入出来高「0」、作業時間「0時間」、社員「鈴木」は、予定時間「30時間」、予定出来高「300万(=1000万×30時間/100時間)、進捗時間「0時間」、投入出来高「0」、作業時間「0時間」、社員「佐藤」は、予定時間「50時間」、予定出来高「500万(=1000万×50時間/100時間)、進捗時間「0時間」、投入出来高「0」、作業時間「0時間」となっている。
【0072】
(4)仕訳連携
仕訳連携処理を実行して、社員毎の各月の仕訳を作成する。
図6に示す仕訳イメージの例では、例えば、田中は、計上日「4月頭」では、振替勘定「60万」/予定出来高「60万」(補助科目=社員:田中)となっている。計上日「5月頭」では、振替勘定「80万」/予定出来高「80万」(補助科目=社員:田中)、計上日「6月頭」では、振替勘定「60万」/予定出来高「60万」(補助科目=社員:田中)となっている。
【0073】
(5)月次推移表
月次推移表出力処理を実行して、月次推移表を出力する。すなわち、各社員の月毎に割り振った作業予定に応じた出来高を帳票形式で出力する。
図6に示す月次推移表の例では、田中の予定出来高は、4月度「60万」、5月度「80万」、6月度「60万」となっている。鈴木の予定出来高は4月度「100万」、5月度「200万」、6月度「0万」となっている。佐藤の予定出来高は、4月度「300万」、5月度「100万」、6月度「100万」となっている。
【0074】
[会計年月:2019/04:月末]
図7~
図10を参照して、会計年月「2019/04」の月末の処理を説明する。
【0075】
(6)日報情報の登録
日報入力処理を実行して、各社員は日報情報を入力する。
図7において、4月度は、全員予定していた作業を全て完了している。
図7に示す日報情報の例では、プロジェクトNO「P001」について、社員名「田中」、年月「2019/04」、作業時間「5時間」、社員名「鈴木」、年月「2019/04」、作業時間「12時間」、社員名「佐藤」、年月「2019/04」、作業時間「25時間」となっている。
【0076】
(7)実行予算情報の登録
4月度月末に、当月書き換え、翌月以降見直しを行うことにしてもよい。ここでは、4月度は、全員予定していた作業は全て完了したため、予算見直しは行わない。
【0077】
(8)出来高照会
図8に示す出来高の表示結果では、社員「田中」は、進捗時間「6時間」、進捗出来高「60万(=460万×6時間/46時間)」、作業時間「5時間」、社員「鈴木」は、進捗時間「10時間」、進捗出来高「100万(=460万×10時間/46時間)」、作業時間「12時間」、社員「佐藤」は、進捗時間「30時間」、進捗出来高「300万(=460万×30時間/46時間)」、作業時間「25時間」である。4月度は、全員予定していた作業は全て完了したが、掛かった時間は人それぞれである。
【0078】
(9)仕訳連携
図9に示す仕訳イメージの例では、田中は、計上日「4月末」について、振替勘定「60万」/進捗出来高「60万」(補助科目=社員:田中)と、投入出来高「50万」(補助科目=社員:田中)/振替勘定「50万」の仕訳が追加されている。ここで、50万は、60万×5時間/6時間で算出される。
【0079】
(10)月次推移表
図10に示す月次推移表の例では、担当者の進捗出来高、着地出来高、投入出来高、投入改善高、投入改善率が表示されている。着
地出来高は、担当者の売上回転視点での出来高評価である。投入出来高、投入改善高、投入改善率は、個人の作業効率視点での出来高評価である。4月は、予定通り作業が完了しているため、予定出来高=進捗出来高となる。
【0080】
また、PMの予定出来高、進捗出来高、進捗改善率、着地出来高が表示されている。PMの出来高は、社員の合計値に基づいた値である。PMの進捗出来高、進捗改善率、着地出来高は、アサインやPM予算管理の視点での出来高評価である。
【0081】
4月は、予定通り作業が完了しているため、予定出来高=進捗出来高となる。鈴木は、4月度の投入改善高「-20万」、投入改善率「-20%」となっている。
【0082】
[会計年月:2019/05:月末]
図11~
図14を参照して、会計年月「2019/05」の月末の処理を説明する。
【0083】
(11)日報情報の登録
図11に示す日報情報の例では、プロジェクトNO「P001」について、社員名「田中」、年月「2019/05」、作業時間「10時間」、社員名「鈴木」、年月「2019/05」、作業時間「10時間」、社員名「佐藤」、年月「2019/05」、作業時間「10時間」となっている。5月は、予定していた作業に対して、田中は完了、鈴木は60%完了、佐藤は完了となっている。
【0084】
(12)実行予算情報の登録
図11に示す実行予算情報において、2019/05については、
鈴木は、予定時間「20時間」に対して、作業時間「10時間」で60%完了しているので、2019/06の予定時間を0時間から8時間に変更する。
【0085】
(13)出来高照会
図12に示す5月度の出来高の表示結果では、年月「2019/05」の時間が「30時間」、出来高が「300万(=1000万×30時間/100時間)」、年月「2019/06」の時間が「24時間」、出来高が「240万(=1000万×24時間/100時間)」となっている。
【0086】
社員「田中」は、予定時間「6時間」、予定出来高「90万(=240万×6時間/16時間)」、進捗時間「14時間」、進捗出来高「140万(=760万×14時間/76時間)」、日報時間「15時間」となっている。社員「鈴木」は、予定時間「8時間」、予定出来高「120万(=240万×8時間/16時間)、進捗時間「22時間」、進捗出来高「220万=760万×22時間/16時間)」、作業時間「22時間」となっている。社員「佐藤」は、予定時間「10時間」、予定出来高「150万(=240万×10時間/16時間)、進捗時間「40時間」、進捗出来高「400万=760万×402時間/76時間)」、作業時間「35時間」となっている。
【0087】
(14)仕訳連携
図12に示す仕訳イメージの例では、例えば、田中は、計上日「5月末」について、振替勘定「80万」/進捗出来高「80万」(補助科目=社員:田中)と、投入出来高「100万」(補助科目=社員:田中)/振替勘定「100万」の仕訳が追加されている。ここで、100万は、80万×10時間/8時間で算出される。
【0088】
(15)月次推移表
図14に示す月次推移表の例では、5月度は、田中・佐藤は予定通り作業完了しているので、予定出来高=進捗出来高となっている。5月度は、鈴木は60%のみ進捗しているので、予定出来高「200万」>進捗出来高「120万」となる。そのため、鈴木には、6月度に積み残しの予定作業に応じた予定出来高「80万」が計画されている。
【0089】
管理会計からの改善行動例(1)
田中さんは、作業効率が悪いので(合計の投入出来高「150万」、投入改善高「-10万」、投入改善率「-7%」)となっているので、効率の良い佐藤さん(合計の投入出来高「500万」、投入改善高「50万」、投入改善率「17%」)に聞いて段取りを見直して作業効率を上げていく。
【0090】
管理会計からの改善行動例(2)
鈴木さんは、効率性に問題ないが、他のアサイン予定がなく、年間の出来高目標が未達になる恐れがあるので(合計の着地出来高「300万」)、6月以降のアサインを計画する。
【0091】
管理会計からの改善行動例(3)
契約額、予定出来高は、もし進捗遅れが客先要因であれば、追加コストとして契約増額する目安となるので、PMが進捗遅れ(契約額「1000万」、合計の予定出来高「1080万」)の追加請求分を客先交渉して契約増額に繋げる。
【0092】
管理会計からの改善行動例(4)
PMや組織長、アサイン管理者が、6月度や年間の部門別目標予算に対して、出来高不足が見込まれることから(合計の進捗出来高「760万」、進捗改善高「-80万」、進捗改善率「-7%」、着地出来高「1000万」)、追加アサインを実施する。
【0093】
管理会計からの改善行動例(5)
進捗遅れが発生しているため(5月度の進捗改善率「-21%」)、翌月以降の追加アサイン、予定負荷を調整したり、工期延長を客先交渉したりする。
【0094】
以上説明したように、本実施の形態によれば、対象のプロジェクトについて、プロジェクトマネージャーが作成した、担当者毎の各月の予定時間を含む実行予算情報を入力する実行予算入力処理部102bと、各担当者の月毎の作業時間を含む日報情報を入力する日報入力処理部102cと、前記実行予算情報と前記日報情報に基づいて、各担当者の月毎の作業予定に応じた出来高と、プロジェクトマネージャーの各月の出来高とを含む月次推移表を出力する月次推移表出力部102fとを備えているので、プロジェクトの収益がプロダクトマネージャーに起因するものなのか、作業担当者の作業進捗や効率に起因するものなのかをそれぞれ区別した指標にて明確に捉えることが可能になる。
【0095】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0096】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0097】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0098】
また、成績管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0099】
例えば、成績管理装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて成績管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0100】
また、このコンピュータプログラムは、成績管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0101】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0102】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0103】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0104】
また、成績管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、成績管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0105】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【符号の説明】
【0106】
100 成績管理装置
102 制御部
102a 契約入力処理部
102b 実行予算入力処理部
102c 日報入力処理部
102d 出来高照会処理部
102e 仕訳連携処理部
102f 月次推移表出力部
106 記憶部
106a データファイル
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
400 端末