(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】眼内レンズインジェクタ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/16 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
A61F2/16
(21)【出願番号】P 2020570092
(86)(22)【出願日】2019-07-10
(86)【国際出願番号】 IB2019055886
(87)【国際公開番号】W WO2020012384
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2022-02-21
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】インホイ ウー
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス ブレント ウェンスリッチ
(72)【発明者】
【氏名】レン タクズワ マガラ
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-017459(JP,A)
【文献】特開2006-181269(JP,A)
【文献】特開2015-177845(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107595434(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第2491902(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0256316(US,A1)
【文献】国際公開第2015/112146(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第1967161(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第101073519(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0338676(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心長手方向軸を定める主要本体部分と、
前記主要本体部分の遠位端に配置された格納部分であって、床を含む区画を備え、前記区画は送達前に眼内レンズを格納するように適合され、前記区画は、前記中心長手方向軸及び前記区画の前記床に対して垂直に延びる垂直軸を通って延びる平面の周りで対称に成形され、それにより、前記区画が、前記平面に関して平衡化された荷重を前記眼内レンズに適用するようにする格納部分と、
前記格納部分の遠位端に配置されたノズルであって、
通路を画定する内壁であって、前記内壁及び
前記通路は前記平面の周りで対称である内壁、
遠位に延びる遠位先端、及び
遠位に延びる前記遠位先端の遠位端に形成された開口部であって、前記通路と流体連通している開口部、
を含むノズルと、
前記主要本体部分に受け入れられ、その中でスライド可能なプランジャであって、前記平面の周りで対称であるプランジャ先端を備えるプランジャと
を備え、
前記区画を覆うドアをさらに備え、前記ドアは、内面に形成され且つ前記平面に関して対称に配置されたレールを備え、
前記レールのそれぞれが、前記平面に関して対称に配置された内向きに収束する部分を備え、
前記プランジャがプランジャロッドを備え、前記プランジャ先端が前記プランジャロッドの遠位端に配置され、前記レールが、前記プランジャロッドの移動経路を維持するように適合された
、狭められたスロットを画定するために収束する、眼内レンズインジェクタ。
【請求項2】
前記区画が、前記平面の周りで対称に配置された壁を備え、前記区画の壁及び
前記ノズルの
前記内壁が連続的な輪郭を画定する、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項3】
前記区画が遠位開口部を備え、前記ノズルが近位開口部を備え、前記遠位開口部及び前記近位開口部が互いに対応する、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項4】
前記区画の壁が、前記遠位開口部が前記区画の近位部分よりも狭くなるように収束する、請求項3に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項5】
前記区画が、前記平面の周りで対称に配置された壁を備え、前記区画が、前記壁に沿って形成された隆起を備え、前記隆起が、前記平面の周りで対称である位置で前記区画内に配置されたIOLと接触するように適合されている、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項6】
前記ドアに取り外し可能に取り付け可能なレンズストップをさらに備え、前記レンズストップは、
前記ドアの前記内面の反対側で、前記ドアの外面に当接するように適合された第1の表面から延びる突起を含み、
前記ドアはそれを通って延びる第1のアパーチャをさらに備え、前記第1のアパーチャは前記平面に関して対称に配置され、前記突起は前記ドアに形成された前記第1のアパーチャを通って延び、前記突起は、前記区画内に配置された前記眼内レンズに対称に接触し、その中の前記眼内レンズの動きを制限するように動作可能である、
請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項7】
前記レンズストップが追加のアパーチャをさらに備え、前記追加のアパーチャは前記平面に沿って中央に配置され、前記レンズストップは
第2の通路を画定する注ぎ口をさらに備え、前記注ぎ口は、前記レンズストップが前記ドアに取り付けられたときに、前記追加のアパーチャに受け入れられる、請求項6に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項8】
突起が前記床から延び、前記
突起は前記平面に関して対称に配置され、前記突起は前記区画内に配置された前記眼内レンズに対称に接触し、その中の前記眼内レンズの動きを制限するように動作可能である、請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項9】
前記
突起が引き込み可能である、請求項8に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項10】
前記ノズルが近位部分を備え、前記近位部分が、
長手方向に延びる側壁、及び
カバーを備え、前記カバー及び前記長手方向に延びる側壁がキャビティを画定し、
前記格納部分が前記キャビティに受け入れ可能であり、前記カバー及び前記長手方向に延びる側壁が前記区画を取り囲む、
請求項1に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項11】
前記カバーが前記ノズルに固定式に取り付けられる、請求項10に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項12】
前記格納部分が、長手方向に延びる壁と、前記長手方向に延びる
側壁から延びるレールとを備え、前記近位部分の前記長手方向に延びる
側壁が、その中に形成されたスロットを備え、前記ノズルが前記格納部分に結合されるとき、前記レールは前記スロットに受け入れられる、請求項11に記載の眼内レンズインジェクタ。
【請求項13】
前記カバーが内壁を備え、
前記区画が前記ノズルに結合されているとき、前記格納部分の前記長手方向に延びる
側壁のそれぞれが、前記近位部分の前記長手方向に延びる
側壁の1つと前記カバーの前記内壁の1つとの間に配置される、請求項11に記載の眼内レンズインジェクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月10日に出願された米国仮特許出願第62/696,065号の利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、眼内レンズインジェクタのためのシステム、装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
人間の目は、その最も簡単な表現では、角膜と呼ばれる透明な外側部分を通して光を透過及び屈折させ、さらに水晶体を介して眼の後部の網膜で画像の焦点を合わせることによって視覚を提供するように機能する。焦点の合った画像の質は、目のサイズ、形状及び長さ、並びに角膜と水晶体の形状及び透明度を含む多くの要因に依存する。外傷、年齢又は病気によって水晶体の透明度が低下すると、網膜に透過できる光が減少するため、視覚が低下する。目の水晶体のこの欠陥は、医学的に白内障として知られている。この状態の治療は、水晶体の外科的除去と人工眼内レンズ(「IOL:intraocular lens」)の植込みである。
【0004】
多くの白内障水晶体は、水晶体超音波乳化吸引術と呼ばれる外科的技術によって除去される。この処置の間に、前嚢に開口部が形成され、薄い水晶体超音波乳化吸引術のカッティングチップが患部の水晶体に挿入され、超音波で振動される。振動するカッティングチップは水晶体を液化又は乳化し、水晶体を目から吸引できるようにする。患部の水晶体は、除去されると、人工レンズで置き換えられる。
【0005】
IOLは、患部の水晶体を除去するために使用されたのと同じ小さな切開を通して眼に注入される。IOLインジェクタが、IOLを眼の中に送達するために使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様によれば、本開示は、中心長手方向軸を定める主要本体部分と、主要本体部分の遠位端に配置された格納部分と、格納部分の遠位端に配置されたノズルと、主要本体部分に受け入れられ、その中でスライド可能なプランジャとを含み得る眼内レンズインジェクタを記載する。格納部分は、床を含む区画を含み得る。区画は、送達前に眼内レンズを格納するように適合させることができ、区画は、中心長手方向軸及び区画の床に対して垂直に延びる垂直軸を通って延びる平面の周りで対称に成形することができ、その結果、区画が平面に関して平衡化された荷重を眼内レンズに適用するようにする。ノズルは、通路を画定する内壁であって、内壁及び通路は平面の周りで対称である内壁と;遠位に延びる遠位先端と;遠位先端の遠位端に形成された開口部であって、通路と流体連通している開口部とを含み得る。プランジャは、平面の周りで対称であるプランジャ先端を含み得る。
【0007】
区画は、平面の周りで対称に配置された壁を含む。区画の壁及びノズルの壁は、連続的な輪郭を画定し得る。区画は、遠位開口部を含み得る。ノズルは近位開口部を含み得、遠位開口部及び近位開口部は互いに対応し得る。区画の壁は、遠位開口部が区画の近位部分よりも狭くなるように収束し得る。区画は、平面の周りで対称に配置された壁を含み得る。区画は、壁に沿って形成された隆起を含み得、隆起は、平面の周りで対称である位置で区画内に配置されたIOLに接触するように適合され得る。区画を覆う可能性のあるドア。ドアは、内面に形成され且つ平面に関して対称に配置されたレールを含み得る。レールのそれぞれは、平面に関して対称に配置された内向きに収束する部分を含み得る。プランジャはプランジャロッドを含み得る。プランジャ先端は、プランジャロッドの遠位端に配置することができる。レールは、プランジャロッドの移動経路を維持するように適合されたスロットを画定するために収束し得る。
【0008】
ドアに取り外し可能に取り付け可能なレンズストップ。レンズストップは、ドアの内面の反対側で、ドアの外面に当接するように適合された第1の表面から延びる突起を含み得る。ドアはまた、それを通って延びる第1のアパーチャを含み得る。第1のアパーチャは、平面に関して対称に配置され得る。突起は、ドアに形成された第1のアパーチャを通って延び得る。突起は、区画内に配置された眼内レンズに対称に接触し、その中の眼内レンズの動きを制限するように動作可能であり得る。レンズストップはまた、追加のアパーチャを含み得る。追加のアパーチャは、平面に沿って中央に配置することができる。レンズストップはまた、通路を画定する注ぎ口を含み得、注ぎ口は、レンズストップがドアに取り付けられたときに、追加のアパーチャに受け入れられ得る。第1の突起は床から延び得る。第1の突起は、平面に関して対称に配置することができる。突起は、区画内に配置された眼内レンズに対称に接触し、その中の眼内レンズの動きを制限するように動作可能であり得る。第1の突起は引き込み可能であり得る。ノズルは近位部分を含み得る。近位部分は、長手方向に延びる側壁、及びカバーを含み得る。カバー及び長手方向に延びる側壁は、キャビティを画定し得る。カバー及び長手方向に延びる側壁は、区画を取り囲み得る。カバーはノズルに固定して取り付けることができる。格納部分は、長手方向に延びる壁と、長手方向に延びる壁から延びるレールとを含み得る。近位部分の長手方向に延びる壁は、その中に形成されたスロットを含み得、ノズルが格納部分に結合されるとき、レールはスロットに受け入れられ得る。カバーは内壁を含み得る。格納区画がノズルに結合されている場合、格納部分の長手方向に延びる壁のそれぞれは、近位部分の長手方向に延びる壁の1つとカバーの内壁の1つとの間に配置され得る。
【0009】
前述の一般的な記載及び以下の詳細な記載の両方は、本質的に例示的且つ説明的であり、本開示の範囲を制限することなく本開示の理解を提供することを意図していることを理解されたい。その点に関して、本開示の追加の態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な記載から当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、例示的な眼内レンズインジェクタの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の眼内レンズ(「IOL」)インジェクタの長手方向断面図を示す。
【
図3】
図3は、例示的なIOLインジェクタの遠位部分の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3に示されるIOLインジェクタの遠位部分の断面図である。
【
図5】
図5は、例示的なIOLインジェクタの例示的なドアの内面を示している。
【
図7】
図7は、IOLを収容するための例示的なIOLインジェクタ内に形成された例示的な区画を示す。
【
図8】
図8は、
図7の区画を示し、例示的なIOLがその中に配置されている。
【
図14】
図14は、IOLを格納するように適合された例示的な区画を示す、IOLインジェクタの例示的な遠位に延びる部分の斜視図である。
【
図15】
図15は、
図14に示される遠位に延びる部分を受け入れるように適合された別の例示的なノズルを示す。
【
図16】
図16は、
図14に示される遠位に延びる部分を受け入れるように適合された別の例示的なノズルを示す。
【
図17】
図17は、対称形状の端部を有する例示的なプランジャ先端を示している。
【
図18】
図18は、対称形状の端部を有する例示的なプランジャ先端を示している。
【
図19】
図19は、対称形状の端部を有する例示的なプランジャ先端を示している。
【
図20】
図20は、対称形状の端部を有する例示的なプランジャ先端を示している。
【
図21】
図21は、対称形状の端部を有する例示的なプランジャ先端を示している。
【
図22】
図22は、対称形状の端部を有する例示的なプランジャ先端を示している。
【
図23】
図23は、線DDに沿った主要本体部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の原理の理解を促す目的で、ここで、図面に示されている実践形態を参照し、特定の言語を使用してそれを記載する。それにもかかわらず、本開示の範囲の制限は意図されていないことが理解されよう。記載されたデバイス、器具、方法に対する任意の変更及びさらなる修正、並びに本開示の原理の任意のさらなる適用は、本開示が関係する当技術分野の熟達者が通常思い付くように完全に想定される。特に、1つの実践形態に関して記載された特徴、構成要素、及び/又はステップは、本開示の他の実践形態に関して記載された特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わせることができることが完全に想定される。
【0012】
本開示は、IOLを眼に送達するためのシステム、装置、及び方法に関する。特に、本開示は、IOL又はその一部を眼に送達するための対称的に配置されたノズル、レンズウェル、及びプランジャ先端を有する眼内(IOL)インジェクタ及び関連する方法を記載する。
【0013】
図1及び
図2は、IOLインジェクタ10の例を示す。IOLインジェクタ10は、主要本体部分12、IOL格納部分14、ノズル16、及びプランジャ18を含む。主要本体部分12は、主要本体部分12の近位端22から延びる中央通路20を画定する。中央通路20は、中央長手方向軸21を定める。いくつかの実践形態では、長手方向軸21は、
図23の線DDに沿って取られた横断面図に示されるように、中央通路20の断面の中心を通って延び得る。格納部分14は、IOL 26が受け入れられる区画24を画定する。ノズル16は、ノズル16の近位端30から遠位先端32まで断面サイズが狭くなる通路28を画定する。狭くなる通路28は、以下でより詳細に記載されるように、IOL 26がそれを通って前進するときに、IOL 26を折り畳むように動作する。通路28は、遠位先端32に形成された開口部34を画定し、それを通して、IOL 26は、IOLインジェクタ10から、特許の眼の中などへ放出される。中央通路20、区画24、及び通路28は、互いに流体連通している。
【0014】
プランジャ18は、主要本体部分12の近位端22に形成された開口部36を介して中央通路20に受け入れられる。プランジャ18は、プランジャ基部38と、プランジャ基部38から遠位に延びるプランジャロッド40と、プランジャロッド40の遠位端44に形成されたプランジャ先端42とを含む。プランジャ18はまた、遠位端48にフランジ46を含み、主要本体部分12は、近位端22から延びる突起50を含む。示されている例に示されているように、突起50は長手方向軸21から垂直に延びる。オペレーション中、医師又は他の医療専門家などのユーザは、2本の指が突起50の遠位面と接触し親指がフランジ46の近位側に接触した状態でIOLインジェクタ10をつかみ得る。プランジャ18を主要本体部分12、格納区画14及びノズル16を通して前進させるために、反対方向の力が突起50及びフランジ46に加えられ、プランジャ18を中央通路20、区画24(ここでIOL 26はプランジャ先端42によって係合される)を通して、及び通路28を通して前進させ、通路28でIOL 26は折り畳まれ、最終的に開口部34を通ってIOLインジェクタ10から放出される。例えば、ユーザは、親指がフランジ46の近位側面に接触している一方で、人差し指及び中指が突起50の遠位側面に接触している状態で、IOLインジェクタ10を適用し、つかみ得る。人差し指及び中指及び親指に加えられた反対方向の力により、プランジャ18は遠位方向に移動する。
【0015】
同じく
図1及び
図2に示されるように、IOLインジェクタ10はドア52を含む。ドア52は、ドア52が開位置に回動することを可能にするヒンジ54を含み、それにより、格納部分14の区画24に開口部が形成される。開口部は、IOL 26のインストール又は取り出しのためなど、格納部分14の区画24へのアクセスを提供する。
【0016】
同じく示されているのはドア52に取り外し可能に結合されたレンズストップ56である。示されている例では、レンズストップは、アパーチャ84(例えば、
図5及び
図6に示されている)に受け入れられる第1及び第2の突起58と、ドア52に形成された別のアパーチャ62に受け入れられる注ぎ口60とを含む。突起58は、区画24内の所望の位置にIOL 26を保持するように動作可能である。例えば、突起58は、IOL 26が出荷、格納、又は取り扱い中に遠位に移動することを防止するように動作可能であり得る。注ぎ口60は、粘弾性材料を区画24に導入するために使用され得る。
【0017】
他の実践形態では、突起58は、レンズストップ56から省略されてもよく、むしろ、
図7に示されるように、床102を通って延びてもよい。いくつかの実践形態では、突起58は、IOLの送達を可能にするために、床の内外に引き込み可能であり得る。突起58を床102から延在させることにより、組み立て中の区画24へのIOLのより容易なインストールが提供され得る。すなわち、突起58が床から延びる場合、IOLを所望の向き及び/又は位置に配置することは、突起58をレンズストップ56上に形成することと比較して、より速く、より簡単であり得る。突起がレンズストップ56上に配置されることで、IOLの区画24への組み付けは、IOLが区画24にインストールされると、ドア52が閉じられ、レンズストップ56がドア52に挿入されるため、追加の時間及び労力を必要とし得る。IOLインジェクタ10の向きは、レンズストップ56を挿入する前に、IOLが区画24内で移動しないように、注意深く監視する必要があり得る。IOLインジェクタのこの追加の監視は、組み立て中の追加の時間及び取り扱いを必要とし得る。
【0018】
図1及び
図2は、本開示の範囲内の一例のIOLインジェクタ(すなわち、ユーザがIOLをIOLインジェクタに出し入れするために必要な作業を提供する手動で動力供給されるIOLインジェクタ)を示すが、本開示の範囲はそのように制限されない。むしろ、本開示の範囲は、他のタイプの手動作動式インジェクタ、動力源がプランジャを前進させるために使用される自動インジェクタ、プリロード式IOLインジェクタ、手動ロード式IOLインジェクタ、半自動インジェクタ、例えばIOLの前進がユーザによる手動と電源の両方によって同時に又は順番に動力供給されるIOLインジェクタを含む他のタイプのインジェクタを包含する。したがって、本開示は、手動で動力供給されるIOLインジェクタの文脈でなされるが、他のタイプのIOLインジェクタが本開示の範囲内にある。
【0019】
図3及び
図4は、IOLインジェクタ10などのIOLインジェクタの遠位端部分64の例示的な実践形態を示す。
図3及び
図4は、ノズル16、格納部分14、及び遠位部分66を示している。いくつかの例では、遠位部分66は、主要本体部分12の一体部分であり得る。他の実践形態では、遠位部分66は、主要本体部分12に結合された別個の構成要素であり得る。
図3に示されるように、ドア52は、ドア52が格納部分14の残りの部分と一体的に形成され得るという点で、格納部分14の一体部分を形成し得る。ヒンジ54はまた、格納部分14と一体的に形成され、リビングヒンジを規定し得る。
【0020】
図3及び
図4の例に示されるように、格納部分14は、ドア52及び主要本体部分12の遠位に延びる部分68によって画定され得る。ノズル16は、主要本体部分12の遠位に延びる部分68を受け入れるようなサイズ及び形状のスロット71を画定する近位部分70を含み得る。
図7に示されるように、遠位に延びる部分68は、
図10に示されるように、近位部分70に形成された溝74に受け入れられるレール72を含み得る。したがって、いくつかの実践形態では、主要本体部分12、遠位に延びる部分68、ドア52、及びヒンジ52は、一体的に形成され得る。ドア52は、区画24へのアクセスを提供し、ドア52が開かれると、IOL、例えば、IOL 26を区画24にインストールすることを可能にする。いくつかの例では、IOLは、製造プロセスの一部の間など、ユーザに送達される前にロードされ得る。したがって、いくつかの実践形態では、IOLインジェクタ10は、ユーザに送達される前に、IOLがプリロードされ得る。他の実践形態では、IOLは、ユーザによる患者への送達の直前に、ユーザによって区画24にロードされ得る。したがって、いくつかの実践形態では、IOLインジェクタ10は、手動でロードされたIOLインジェクタであり得、患者に送達される直前にIOLがロードされる。
【0021】
図3及び
図4はまた、ドア52に結合されたレンズストップ56を示している。示されているように、レンズストップ56は、ドア52に形成された凹部75に受け入れられ得る。注ぎ口60は、フレア状開放端76を有する通路74を画定する。フレア状開放端76は、粘弾性を区画24に分配するために使用される針又は他の分配装置を受け入れ得る。区画24内に延びる突起58も示されている。レンズストップ56はまた、外向きに延びる突起78を含む。ユーザは、突起78を把持し、レンズストップ56を長手方向軸21に垂直な方向に引っ張って、レンズストップ56をIOLインジェクタ10から取り外し得る。
【0022】
図4を参照すると、ノズル16の近位部分70は、遠位に延びる部分68に形成された突起82を受け入れるアパーチャ80を含む。アパーチャ及び突起82は、ノズル82を遠位に延びる部分68に固定するためのインターロッキングフィットを形成する。他の実践形態では、突起82及びアパーチャ80は省略され得、ノズル16及び遠位に延びる部分68は、例えば、接着剤、摩擦嵌合、締結具、他の何らかのインターロック機能などの別の方法で、又はノズル16を遠位に延びる部分68に接合するように動作可能な任意の他の方法で接合され得る。したがって、ノズル16と遠位に延びる部分68との間の接続は、ノズル16と遠位に延びる部分68とを結合する1つの例の方法を表す。
【0023】
図4に示されるように、ノズル16の遠位先端32は、長手方向軸21と斜めの角度を形成するように面取りされ得る。ノズル16はまた、深度ガード87を含む。深度ガード87は、IOLインジェクタ10からIOLを送達している間などに、遠位先端32が眼の中に受け入れられ得る量を制限するように働く。例えば、使用中、深度ガード87は、ノズル16の遠位先端32が眼に形成された切開部に挿入され得る量を制限するために、眼の外面に当接する。
【0024】
図5及び
図6は、ドア52のそれぞれ上面図及び底面図を示す。示される例では、ドア52は、レンズストップ56の突起58を受け入れる2つのアパーチャ84を含む。2つの突起58が示されているが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、追加の又はより少ない突起58を使用して、対応する追加の又はより少ないアパーチャ84をもたらすことができる。図示の例では、2つのアパーチャ84が提供され、IOLインジェクタ10の長手方向軸21の周りに対称に配置される。アパーチャ84及び突起58の対称的な配置は、対称的な形状及び、IOL 26が突起58に接触するときに、区画24に配置されたIOLに課される平衡化された荷重を提供する。アパーチャ62も示されている。上で説明したように、アパーチャ62は、粘弾性材料を区画24に送達するために使用される注ぎ口60を受け入れる。
図5は、ドア52の外面85を示し、アパーチャ62の外側開口部86及びアパーチャ84の外側開口部88が、レンズストップ56のドア52への取り付けを支援するためにフレア加工されていることを示している。
【0025】
図6は、ドア54の内面90を示している。レール92は、内面90上に形成され、区画24内に延びる。レール92は、送達中、IOL 26の前進中にIOL 26の垂直位置が一定に保たれることを保証するように機能する。すなわち、レール92は、IOL 26の前進中に、IOL 26がドア52に向かって又はドア52から離れて移動するのを防ぐ。レール92は、長手方向軸21に対して対称に配置される。その結果、レール92は、IOL 26の前進中、IOL 26に平衡化された荷重を提供する。その結果、レール92は、前進及び送達中にIOL 26を所望の向きに維持するように構成される。特に、レール92の対称構成は、前進中に、垂直軸25、横軸23、又は長手方向軸21の周りのIOL 26の望ましくない回転を回避するのに役立つ。
【0026】
同じく
図6に示されるように、レール92のそれぞれは、近位部分94、遠位部分96、及び収束部分98を含む。したがって、遠位方向のレール92の長さに沿って、レール92は収束して、狭いスロット100を画定する。スロット100は、プランジャロッド40が区画24及び通路28を通ってIOL 26を前進させるときに、プランジャロッド40の移動経路を維持するのを支援する。
【0027】
図7は、遠位に延びる部分68及びその中に形成された区画24の上面図を示している。区画24内で、遠位に延びる部分68は、床102と、垂直軸25に沿って床102から垂直方向に変位する隆起棚104とを画定する。隆起棚104は、IOL 26が格納状態である場合、IOL 26を支持する。すなわち、IOL 26は、格納中、隆起棚104に載り、このときIOL 26はストレスのない状態である。隆起棚104は、溝106によって分割される。床102は、溝106に沿って延在し、プランジャロッド40が区画24を通って前進するときにプランジャロッド40のための経路を提供する。傾斜壁108が、床102と隆起棚104との間に延び、垂直壁108は、溝106に沿って隆起棚104と床102との間に延在する。いくつかの実践形態では、壁108は、製造中の抜き勾配の目的でそれに与えられる小さな角度のために実質的に垂直であると見なされ得る。したがって、床102に対するこれらの壁108の角度は、例えば、遠位に延びる部分68が射出成形部品である場合、金型設計を説明するための、ほんの数度のささいなものである。
【0028】
区画24を形成する遠位に延びる部分68の特徴は、送達中のIOL 26の前進中にIOL 26に両方の対称的な荷重を提供するように対称的に配置される。例えば、隆起110及び112が、対向する壁114に沿って形成される。図示の例では、隆起110及び112の形状は、対向する壁114間で異なる。しかしながら、隆起110及び112がIOL 26の周囲116に沿ってIOL 26に接触する位置は、例えば
図8に示されるように、長手方向軸21の周りで対称である。隆起110及び112は、出荷又は格納中のIOL 26の静止位置又は格納位置を定めるように働き、その間、IOL 26はストレスを受けないままである。隆起110及び112は、プランジャ18によって前進される前にIOL 26が存在する区画24内の凹部を画定するべく一緒に働く。したがって、格納中及び前進中の両方において、隆起110及び112からIOL 26が受ける荷重は対称的であり、IOL 26が、前進中、例えば、
図7及び
図8のページから出てくる垂直軸の周りで回転するのを防ぐ傾向がある。他の実践形態では、壁114の1つに沿って配置された隆起110及び112の形状は、対向する壁114上に形成された対応する隆起110及び112の形状と同じであり得る。
【0029】
図7及び
図8に示される例では、区画24の近位端117は、非対称特徴118及び120を含む。示される例では、特徴118及び120は、隆起棚104から延びる隆起段である。他の実践形態では、特徴118及び120は、遠位に延びる部分68と一体の他の地形的特徴の形態であり得るか、又は他の構成要素、凹部、ボイド、それらの組み合わせ、又は定義された向きでIOL 26のロードを可能にするように働く他の配置であり得る。特徴118及び120は、IOL 26上に形成された非対称タブ122に適合する。例えば、図示の例では、タブ122の第1の側は平坦であり、長手方向軸21と整列され得る一方、タブ122の第2の側は湾曲した状態であり得る。
【0030】
したがって、図示の例では、特徴118及び120が協働して、IOL 26が唯一の向きでのみ区画24に挿入されることを可能にする。すなわち、
図8に示されるIOL 26の光学面が反対方向を向くように
図8に示されるIOL 26が裏返しにされると、タブ122の形状は、特徴118及び120の形状により長く一致するであろう。その結果、IOL 26はもはや所望の向きで適切に静止しないだろう。
【0031】
図7及び
図8は、近位端117が非対称特徴を含む実践形態を示す一方、他の実践形態は特徴118及び120を省略してもよく、又はさらに他の実践形態では、対称であるか若しくは対称的にIOL 26に係合する特徴118及び120を含み得る。
【0032】
図7及び
図8に示されるIOL 26は、ツーピースIOLの光学部分であり得る。ツーピースIOLの第2のピースは、リング状の基部の形態を取り得る。図には示されていないが、リング又は基部は、本明細書に記載の例と同様のIOLインジェクタを使用して送達することができる。さらに他の実践形態では、単一ピースIOLもまた、本明細書に記載の例示的なIOLインジェクタを使用して送達することができる。
【0033】
図9は、
図4に示す線AAに沿った長手方向断面図である。線AAは、長手方向軸21に沿って配置されている。
図9に示されている例に示されているように、線124から遠位に延びる区画24の壁114は、長手方向軸21に対して対称に配置される。これらの壁114は収束し、区画24を遠位方向に狭める。
図9は、線124から近位に延びる区画24の部分が対称ではないことを示すが、他の実践形態では、区画124全体が長手方向軸21の周りで対称であり得る。例えば、特徴118及び120は非対称であるように示される。しかしながら、他の実践形態では、特徴118及び120は、省略することができる、又は長手方向軸の周りで対称であるように形成することができる。同様に、隆起110及び112もわずかに非対称であるように示されている。再度、上で説明したように、隆起110及び112は、それぞれの形状が長手方向軸21の周りで対称であるとは示されていないが、IOL 26の周囲116に対称的に接触する。ただし、他の実践形態では、隆起110及び112は、長手方向軸21の周りで対称的に形成され得る。
【0034】
通路28を画定するノズル16の壁126もまた、長手方向軸21に対して対称に配置され、区画24の壁114と連続的な輪郭を形成する。壁126は、滑らかで連続的であり、その結果、通路28は連続的で滑らかである。結果として、区画24の遠位開口部115は、通路16の近位開口部127に対応する。さらに、
図10に示されるように、通路28は、垂直面128の周りで対称である。区画24及び通路28の対称性は、折り畳み中にIOL 26への対称で均一な荷重を維持しながら、IOL 26を折り畳むように働く。IOL 26に加えられるこの対称的で均一な荷重は、垂直、水平、又は長手方向軸それぞれ25、23、及び21のいずれかを中心としたIOLの回転を防止又は実質的に低減する。
【0035】
図9はまた、溝106を示している。プランジャ18が前進するときのプランジャロッド40の移動経路を規定する溝106は、遠位に延びる部分68を通って近位方向に延在し、通路109を画定する。図示の例では、通路109は、遠位方向に横方向に狭くなる先細状の遠位端107を有する。先細状の遠位端107はまた、
図4に示されるように、垂直方向に狭くなり得る。結果として、通路109及び溝106は、プランジャ先端40を閉じ込め、それによって移動経路を規定し得る。
【0036】
オペレーション中、プランジャ18が前に進められるにつれ、プランジャロッド40は、中央通路20を通過し、通路109を通過し、次に溝106を通過する。プランジャ18が前進し続けると、プランジャ先端42は、区画24内に含まれるIOLと係合する。例えば、プランジャ先端42は、IOL 26のタブ122と係合し、IOL 26を区画24を通して前進させ得る。区画24が、区画24の壁114の収束のためなど、遠位方向に狭くなるにつれて、IOL 26の周囲116は、壁114のそれぞれと係合し始め得る。IOL 26は、本質的に同時に壁114と係合し、長手方向軸21及び垂直軸25を通過する平面(交換可能に「垂直面」と呼ばれる)の周りで平衡化された荷重がIOL 26に加えられるようにする。
【0037】
IOL 26の周囲116が壁114と係合する実践形態では、垂直面に関して言及されるIOL 26の反対側は、IOL 26が折り畳まれ始めるにつれ、矢印79(
図10に示される)の方向に動き始める。ドア52上に形成されたレール92は、IOLが矢印79の方向に持ち上げられること、又は横軸23を中心に回動することを防ぎ、それにより、区画24内のIOL 26の位置を維持する。IOL 26の前進が遠位方向に続くにつれて、IOL 26の側面は、通路28を画定するノズル16の壁126と係合する。通路28が狭くなり続けると、壁126は、最終的にIOL 26が完全に円筒形に折り畳まれるまで、IOL 26の側面をさらに折り畳む。プランジャ18が遠位方向に移動し続けるとき、折り畳まれたIOL 26は、最終的に、ノズル16の遠位先端32に形成された開口部34から放出される。
【0038】
上で説明したように、いくつかの実践形態では、区画24の壁114は、IOL 26の折り畳みを開始するためにIOL 26と係合し得る。他の実践形態では、壁114はIOL 26の折り畳みを開始し得る。むしろ、いくつかの実践形態では、ノズル16の壁126はIOL 26の折り畳みを排他的に引き起こし得る。
【0039】
図11は、線BBに沿ったノズルの断面図を示している。ここでも、通路28は、通路28の周りで対称であるように示され、長手方向軸21及び垂直軸25(
図3に示されている)の両方を通過する垂直面の周りで対称である。したがって、ボア28は、壁126の一方の部分に形成された特徴であって、対称面、すなわち、長手方向軸21及び垂直軸25を通って延びる平面の周りで壁126の片割れ部分に反映されていない特徴など、通路28内に配置された非対称特徴の包含を省略している。
【0040】
同じく
図11に示されているのはアパーチャ80である。アパーチャ80は、長手方向軸21から横方向にオフセットされた状態で示されている。他の実践形態では、アパーチャ80は、長手方向軸21と整列され得る。さらに、アパーチャ80は、正方形として示されている。他の実践形態では、アパーチャ80は、長方形、円形、三角形、又は他の任意の所望の形状を有し得る。そのような実践形態では、対応する突起82は、アパーチャ80に対応する形状を有し得る。他の実践形態では、突起82の形状は、アパーチャ80に対応しない場合があるが、アパーチャ80及び突起82は、依然として、ノズル16を遠位に延びる部分68に結合するように動作可能である。
図12はノズル16の上面図を示し、遠位に延びる部分68が受け入れられるスロット71を画定する近位部分70及びアパーチャ80を示している。
図11はノズル16の側面図を示している。
【0041】
図14は、遠位に延びる部分68の別の例示的な実践形態を示す。上記のように、遠位に延びる部分68は、IOLインジェクタの主要本体部分、例えば、IOLインジェクタ10の主要本体部分12に一体であり得る。他の実践形態では、遠位に延びる部分68は、IOLインジェクタの主要本体部分又はその別の部分に結合される別個の構成要素であり得る。
図14に示される遠位に延びる部分68及び(以下でより詳細に論じられる)
図15及び
図16に示される対応するノズル16は、一般に、IOLインジェクタのプリロードされた種類、すなわち、IOLがユーザに送達される前に製造業者によってプリロードされるIOLインジェクタに適用可能である。しかしながら、遠位に延びる部分68及び対応するノズル16は、ユーザが患者に送達する前にIOLをロードする手動でロードされる種類のものであり得る。遠位に延びる部分68は
図7及び
図8に示されるものと同様であり得、
図14に示される遠位に延びる部分68の特徴の多くは特定され、これらの特徴の前述の記載がここで適用可能であり、繰り返されない。
【0042】
図14に示されるように、遠位に延びる部分68は、送達前にIOLが格納され得る区画24を画定する。上で説明したように、区画24は、長手方向軸21及び垂直軸25を通る垂直面の周りで対称である。遠位に延びる部分68はまた、レール132を備えた長手方向に延びる壁130を含む。レール132は、
図15に示されるように、ノズル16の近位部分70に形成されたスロット134内に受け入れられる。
【0043】
図15を参照すると、ノズル16は、長手方向に延びる壁136を含む近位部分70と、遠位に延びる部分68が受け入れられるキャビティ140を画定するカバー138とを含む。遠位に延びる部分68がキャビティ140に受け入れられると、レール72はスロット134に受け入れられ、長手方向に延びる壁130は、ノズル16の近位部分70の長手方向に延びる壁136の内側に隣接して位置する。さらに、カバー138は、区画24を囲む。カバー138はノズル16の残りの部分に対して固定されているので、遠位に延びる部分68がノズル16に受け入れられるとき、カバー138を介して区画24にアクセスすることは不可能である。カバーは、
図6の文脈で上で説明したレール92と同様であり得るレール92を含む。レール92は
図6に示されるもののように内側に収束する形状を有するように
図16では示されていないが、
図16に示されるレール92が同様の形状を有する、すなわち、上述のように近位部分、遠位部分及び収束部分を有することは本開示の範囲内にある。カバー138はまた、そこから延びる壁142を含む。壁は、長手方向に延びる壁136から内側にオフセットされている。
【0044】
図16は、ノズル16の後端図を示し、ノズル16のキャビティ140に受け入れられるときに、遠位に延びる部分68の遠位に延びる壁130の位置を識別する破線144を含む。したがって、遠位に延びる部分68の遠位に延びる壁130のそれぞれは、ノズル16の遠位に延びる壁136と壁142との間に配置されている。同じく
図16に示されるように、通路28は、
図16において平面Cとして識別される垂直軸25及び長手方向軸21を通過する平面の周りで対称である。上で
図9に示される例と同様に、区画24の壁114及び通路28を画定するノズル16の壁126は、IOLが区画24及び通路28を通って前進し、その中で折り畳まれるときに、IOLへの均等な荷重を提供する連続的な輪郭を形成する。結果として、IOLは、垂直軸、長手方向軸、又は横軸の周りで回転することを回避し、一方、レール92は、プランジャによる前進中に、IOLの水平位置を維持する。
【0045】
図14~
図16に示される例示的なノズル16及び遠位に延びる部分68は、関連するIOLインジェクタとその中のIOLの組み立て時間を短縮し得るだけでなく、プリロードされたIOLインジェクタの場合においてIOLの汚染又は損傷のリスクを低減し得る。組み立て中、IOLは、
図14に示される遠位に延びる部分68の区画24に配置され得る。ノズル16がそれに結合されると、カバー138がノズル16に固定されているため、区画24内のIOLへのアクセスは不可能である。したがって、使用中、ユーザ、例えば外科医又は看護師は、区画24が完全に囲まれ、カバー138の位置が固定されているため、IOLにアクセスすることができない。したがって、そのような実践形態は、IOLへの損傷又は汚染のリスクを低減するとともに、アセンブリを改善する可能性がある。
【0046】
図17~
図22は、プランジャ先端42の例を示す。プランジャ先端42の例は、異なる端部形状を有するが、プランジャ先端42は、垂直軸25の周りで対称である。
図17及び18は、平坦な端面146であるプランジャ先端42の例を示している。平坦な端面146は、垂直軸25及び横軸23を通過する平面と平行であり得る。
図19及び
図20に示されるプランジャ先端42は、第1の平面148及び第2の平面150がエッジ152で交差する「V」形状を有する。示される例では、エッジ152は、プランジャ先端42に沿って垂直方向に中心に置かれ得る。他の実践形態では、エッジ152は、プランジャ先端42の中心から垂直方向にオフセットされ得る。
図21及び
図22に示されるプランジャ先端42は、凹面154を有する。凹面154の曲率の程度は、プロファイルにおいて、
図22に示されるように、凹面154が、円弧、楕円弧、放物線弧、又は他の何らかの曲面を画定し得るように変えることができる。垂直軸25の周りの
図17~
図22に示される先端42の対称性は、前進及び折り畳み中にIOLに均一な荷重が加えられることを促進し、それによって、長手方向軸、垂直軸、及び横軸の周りの望ましくない回転を回避する。
【0047】
本開示は多数の例を提供するが、本開示の範囲はそのように限定されない。むしろ、前述の開示では、広範囲の修正、変更、及び置換が企図されている。そのような変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、前述のものに対してなされ得ることが理解される。