(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】画像出力を備えた車載用電子ミラー
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240522BHJP
B60R 1/00 20220101ALI20240522BHJP
【FI】
H04N7/18 J
B60R1/00
(21)【出願番号】P 2021526135
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(86)【国際出願番号】 JP2020023026
(87)【国際公開番号】W WO2020250977
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2023-03-14
(31)【優先権主張番号】P 2019111512
(32)【優先日】2019-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000148689
【氏名又は名称】株式会社村上開明堂
(74)【代理人】
【識別番号】100090228
【氏名又は名称】加藤 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】杉山 亜矢子
【審査官】秦野 孝一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-149628(JP,A)
【文献】特開2016-158160(JP,A)
【文献】特開2014-201146(JP,A)
【文献】特開2014-154995(JP,A)
【文献】特開2010-128980(JP,A)
【文献】特開2010-250701(JP,A)
【文献】特開2010-130577(JP,A)
【文献】国際公開第2014/109016(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
B60R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラで撮像された車外の画像をディスプレイに表示する車載用電子ミラーにおいて、
前記電子ミラーは、入力インターフェース、CPU、表示用メモリ、表示制御回路、ディスプレイ、出力インターフェースを搭載し、
前記入力インターフェースはカメラで撮影された画像を入力する回路であり、
前記CPUは、前記入力インターフェースから入力された前記画像を、前記表示用メモリに一旦記憶し、該表示用メモリから読み出して、前記表示制御回路を介して前記ディスプレイに表示する処理を行う回路であり、
前記出力インターフェースは、前記入力インターフェースから入力する画像を前記CPUおよび前記表示用メモリを介さずに該電子ミラーの外部に出力する回路である、
車載用電子ミラー。
【請求項2】
前記出力インターフェースは、前記入力インターフェースから入力された画像の全領域を出力する回路である請求項1に記載の車載用電子ミラー。
【請求項3】
前記CPUは、前記入力インターフェースから入力された画像の全領域を前記表示用メモリに記憶し、該表示用メモリから、設定された領域の画像を切り出して、該切り出された画像を前記表示制御回路を介して前記ディスプレイに表示する第1の表示制御を行う回路である請求項1または2に記載の車載用電子ミラー。
【請求項4】
前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて第2の表示制御を行う回路であり、
前記第2の表示制御は、前記表示用メモリに記憶された画像を、該画像の全領域を前記ディスプレイに表示できるサイズに変更して、該サイズを変更した画像の全領域を前記ディスプレイに表示する制御である請求項3に記載の車載用電子ミラー。
【請求項5】
前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて第3の表示制御を行う回路であり、
前記第3の表示制御は、前記表示用メモリに記憶された全領域の画像および前記切り出された画像をそれぞれ適宜のサイズに変更して、該サイズを変更した両画像の全体を前記ディスプレイに並べて表示し、または前記表示用メモリに記憶された全領域の画像を適宜のサイズに変更して、該サイズを変更した画像の全体を前記ディスプレイに表示すると共に、該画像中に前記切り出された画像の領域を示す表示をする制御である請求項3に記載の車載用電子ミラー。
【請求項6】
前記CPUは、前記第1の表示制御および前記第2の表示制御に切り替えて第3の表示制御を行う回路であり、
前記第3の表示制御は、前記表示用メモリに記憶された全領域の画像および前記切り出された画像をそれぞれ適宜のサイズに変更して、該サイズを変更した両画像の全体を前記ディスプレイに並べて表示し、または前記表示用メモリに記憶された全領域の画像を適宜のサイズに変更して、該サイズを変更した画像の全体を前記ディスプレイに表示すると共に、該画像中に前記切り出された画像の領域を示す表示をする制御である請求項4に記載の車載用電子ミラー。
【請求項7】
前記CPUは、操作者の操作に基づき、前記表示用メモリから画像を切り出す切り出し領域の設定を変更する制御を行う請求項3から6のいずれか1つに記載の車載用電子ミラー。
【請求項8】
前記設定された切り出し領域の情報、すなわち切り出し領域設定情報を記憶する切り出し領域設定メモリを有し、
前記切り出し領域設定メモリは、前記車載用電子ミラーへの電源供給が遮断されても前記切り出し領域設定情報を保持する不揮発性の記憶装置で構成され、
前記CPUは前記切り出し領域設定メモリに記憶された前記切り出し領域設定情報に基づき、前記表示用メモリから、該当する領域の画像を切り出す制御を行う
請求項3から7のいずれか1つに記載の車載用電子ミラー。
【請求項9】
前記電子ミラーは外部機器の再生画像を入力する入力インターフェースを搭載し、
前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて第4の表示制御を行う回路であり、
前記第4の表示制御は、前記入力インターフェースから入力された画像の全領域を前記表示用メモリに記憶し、前記表示用メモリに記憶された画像を、該画像の全領域を前記ディスプレイに表示できるサイズに変更して、該サイズを変更した画像の全領域を前記ディスプレイに表示する制御である請求項3に記載の車載用電子ミラー。
【請求項10】
バックアップ電源を搭載しない請求項1から9のいずれか1つに記載の車載用電子ミラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像を外部に出力する機能を備えた車載用電子ミラー(以下「電子ミラー」という)に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ミラーとして、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。この電子ミラーは、ドライブレコーダを搭載し、カメラで撮像しハードディスクまたはメモリカードに保存した現場証拠の画像を無線方式によってモニターセンターに伝送する機能を有する(0038段落)。ここで、ドライブレコーダは、事故の証拠等とするために、カメラで撮像した車外の映像を記録する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子ミラーに入力されたカメラ画像を本来の用途である車両周囲視認用途のほかに、該電子ミラーの外部に出力してドライブレコーダの記録画像として兼用することが考えられる。このようにすれば、ドライブレコーダ専用のカメラの台数を削減することができるので都合がよい。しかし、ドライブレコーダは衝突事故の瞬間の画像を記録できることが要求されるのに対し、電子ミラーに入力される画像は、該入力後に表示制御のために多少の遅延が生じる。このため、衝突の衝撃で車両バッテリから電子ミラーへの電源供給が該衝突の瞬間に遮断されると、該遅延を生じた衝突の瞬間の画像が電子ミラーから出力される前に電子ミラー電源が遮断される。その結果、該衝突の瞬間の画像が、電子ミラーから外部に出力されず、ドライブレコーダに記録されないという事態が生じる。ドライブレコーダについては、衝突の衝撃で該ドライブレコーダの電源が遮断されないように、バックアップ電源を搭載したものがある。これに対し、電子ミラーは重量、容量、コスト等の理由からバックアップ電源を搭載したくないという要求がある。この発明は電子ミラーに画像出力を備える場合に、遅延を少なくして画像を出力できるようにした電子ミラーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、カメラで撮像された車外の画像をディスプレイに表示する電子ミラーにおいて、前記電子ミラーは、入力インターフェース、CPU、表示用メモリ、表示制御回路、ディスプレイ、出力インターフェースを搭載し、前記入力インターフェースはカメラで撮影された画像を入力する回路であり、前記CPUは、前記入力インターフェースから入力された前記画像を、前記表示用メモリに一旦記憶し、該表示用メモリから読み出して、前記表示制御回路を介して前記ディスプレイに表示する処理を行う回路であり、前記出力インターフェースは、前記入力インターフェースから入力する画像を前記CPUおよび前記表示用メモリを介さずに該電子ミラーの外部に出力する回路である。これによれば、出力インターフェースは入力インターフェースから入力する画像をCPUおよび表示用メモリを介さずに出力するので、電子ミラーから遅延の少ない画像を出力することができる。また、入力インターフェースから入力する画像をCPUおよび表示用メモリを介さずに出力インターフェースに出力するので、入力インターフェースから入力する画像をCPUおよび表示用メモリを介して出力インターフェース出力する場合に比べて、CPUのデータ処理の負担を軽くすることができる。
【0006】
この発明において、前記出力インターフェースは、前記入力インターフェースから入力された画像の全領域を出力する回路とすることができる。これによれば、出力インターフェースの出力を入力する外部機器は、電子ミラーの入力インターフェースから入力された画像の全領域の画像を利用することができる。ここで、外部機器は、電子ミラーとは別個の機器として電子ミラーの外部に設けられた、ドライブレコーダー等の機器である。
【0007】
この発明において、前記CPUは、前記入力インターフェースから入力された画像の全領域を前記表示用メモリに記憶し、該表示用メモリから、設定された領域の画像を切り出して、該切り出された画像を前記表示制御回路を介して前記ディスプレイに表示する第1の表示制御を行う回路とすることができる。これによれば、入力インターフェースから入力された画像から適宜の領域の画像を切り出してディスプレイに表示することができる。
【0008】
この発明において、前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて第2の表示制御を行う回路であり、前記第2の表示制御は、前記表示用メモリに記憶された画像を、その全領域を前記ディスプレイに表示できるサイズに変更(例えば縮小)して、該サイズを変更した画像の全領域を前記ディスプレイに表示する制御とすることができる。これによれば、入力インターフェースから入力されて出力インターフェースから出力される画像の全領域を確認することができる。
【0009】
この発明において、前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて第3の表示制御を行う回路であり、前記第3の表示制御は、前記表示用メモリに記憶された全領域の画像および前記切り出された画像をそれぞれ適宜のサイズに変更(例えば縮小)して、該サイズを変更した両画像の全体を前記ディスプレイに並べて表示し、または前記表示用メモリに記憶された全領域の画像を適宜のサイズに変更(例えば縮小)して、該サイズを変更した画像の全体を前記ディスプレイに表示すると共に、該画像中に前記切り出された画像の領域を示す表示をする制御とすることができる。これによれば、入力インターフェースから入力されて出力インターフェースから出力される画像の全領域と、第1の表示制御でディスプレイに表示する画像の領域を対比して確認することができる。
【0010】
この発明において、前記CPUは、前記第1の表示制御および前記第2の表示制御に切り替えて第3の表示制御を行う回路であり、前記第3の表示制御は、前記表示用メモリに記憶された全領域の画像および前記切り出された画像をそれぞれ適宜のサイズに変更(例えば縮小)して、該サイズを変更した両画像の全体を前記ディスプレイに並べて表示し、または前記表示用メモリに記憶された全領域の画像を適宜のサイズに変更(例えば縮小)して、該サイズを変更した画像の全体を前記ディスプレイに表示すると共に、該画像中に前記切り出された画像の領域を示す表示をする制御とすることができる。これによれば、入力インターフェースから入力されて出力インターフェースから出力される画像の全領域と、第1の表示制御でディスプレイに表示する画像の領域を対比して確認することができる。
【0011】
この発明において、前記CPUは、操作者の操作に基づき、前記表示用メモリから画像を切り出す切り出し領域の設定を変更する制御を行うものとすることができる。これによれば、操作者が切り出し領域の設定を変更することができる。
【0012】
この発明は、前記設定された切り出し領域の情報、すなわち切り出し領域設定情報を記憶する切り出し領域設定メモリを有し、前記切り出し領域設定メモリは、前記車載用電子ミラーへの電源供給が遮断されても前記切り出し領域設定情報を保持する不揮発性の記憶装置で構成され、前記CPUは前記切り出し領域設定メモリに記憶された前記切り出し領域設定情報に基づき、前記表示用メモリから、該当する領域の画像を切り出す制御を行うものとすることができる。これによれば、何らかの原因で車載用電子ミラーへの電源供給が遮断されても切り出し領域設定情報を保持することができる。したがって、電源供給が復旧した場合に、該保持された切り出し領域設定情報に基づき、前記表示用メモリから、該当する領域の画像を切り出す制御を再開することができる。
【0013】
この発明において、前記電子ミラーは外部機器(ドライブレコーダー等)の再生画像を入力する入力インターフェースを搭載し、前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて第4の表示制御を行う回路であり、前記第4の表示制御は、前記入力インターフェースから入力された画像の全領域を前記表示用メモリに記憶し、前記表示用メモリに記憶された画像を、該画像の全領域を前記ディスプレイに表示できるサイズに変更して、該サイズを変更した画像の全領域を前記ディスプレイに表示する制御とすることができる。これによれば、外部機器の再生画像をディスプレイに表示する機能を電子ミラーに持たせることができる。この場合、外部機器の再生画像を入力する入力インターフェースは、前記出力インターフェースと別体で構成するほか、入出力インターフェース(入力インターフェースを兼ねた前記出力インターフェース)として構成することもできる。なお、前記CPUは、前記第1の表示制御に切り替えて前記第4の表示制御を行うほか、前記第1の表示制御および第2の表示制御に切り替えて前記第4の表示制御を行い、または前記第1の表示制御および第3の表示制御に切り替えて前記第4の表示制御を行い、または前記第1の表示制御および第2の制御および第3の表示制御に切り替えて前記第4の表示制御を行う回路とすることもできる。
【0014】
この発明において、電子ミラーはバックアップ電源を搭載しないものとすることができる。これによれば、電子ミラーは遅延の少ない画像を出力することを可能にしながら、電子ミラーの重量を軽くするすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明による電子ミラーの実施の形態を示すシステム構成ブロック図であり、電子ミラーに後方カメラとドライブレコーダを外付けで接続した状態を示す。
【
図2A】
図1の電子ミラーにおけるCPUによる第1の表示制御時のディスプレイ表示の一例を模式的に示す正面図である。
【
図2B】同第2の表示制御時のディスプレイ表示の一例を模式的に示す正面図である。
【
図2C】同第3の表示制御時のディスプレイ表示の一例(第1例)を模式的に示す正面図である。
【
図2D】同第3の表示制御時のディスプレイ表示の他の例(第2例)を模式的に示す正面図である。
【
図3A】
図3~
図7は第3の表示制御(第1例)時に実施される切り出し領域の設定変更動作と、該設定変更された切り出し領域による第1の表示制御時のディスプレイ表示を説明する図である。このうち、
図3Aは、表示用メモリに記憶された画像の全領域(後方カメラで撮影された画像の全領域)における、標準倍率および切り出し領域の標準位置での切り出し領域と、該画像中の被写体像を示す。
【
図3B】切り出し領域が
図3Aのように設定されている場合に、第1の表示制御時にディスプレイに表示される画像を示す。
【
図4A】
図3Aの状態から切り出し領域が平行移動された状態を示す。
【
図4B】切り出し領域の設定が
図4Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイに表示される画像を示す。
【
図5A】
図3Aの状態から切り出し領域が拡大された状態を示す。
【
図5B】切り出し領域の設定が
図5Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイに表示される画像を示す。
【
図6A】
図3Aの状態から切り出し領域が縮小された状態を示す。
【
図6B】切り出し領域の設定が
図6Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイに表示される画像を示す。
【
図7A】
図3Aの状態から切り出し領域が回転された状態を示す。
【
図7B】切り出し領域の設定が
図7Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイに表示される画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この発明による電子ミラーの実施の形態を以下説明する。
図1において、電子ミラー10は電子インナーミラーとして構成されたもので、全体が一体に組み付けられた1つの物品として構成されている。電子ミラー10は車室内前方上部の左右中央部の天井に吊り下げ設置されている。電子ミラー10はドライブレコーダを搭載していない。後方カメラ12はデジタルカメラ、アナログカメラ等の電子カメラ(動画用カメラ)である。後方カメラ12は、光軸を車両後方に向けて車外後部中央に設置されている。後方カメラ12と電子ミラー10とは信号ケーブル14で相互に接続されている。後方カメラ12で撮像された車両後方の画像(動画像)の信号(シリアル信号)は、信号ケーブル14を介して電子ミラー10に入力される。
【0017】
電子ミラー10は、筐体(図示せず)内に、入力インターフェース16、CPU18、表示用メモリ20、表示制御回路22、液晶等のディスプレイ24、出力インターフェース26、切り出し領域設定メモリ27を搭載している。電子ミラー10は、二次電池、スーパーキャパシタ等のバックアップ電源を搭載していない。ディスプレイ24の表示面は運転者等が表示画像を視認できるように、前記筐体の開口部から車両後方に向けて露出している。入力インターフェース16は後方カメラ12で撮影された画像を入力する回路である。入力インターフェース16はデシリアライザを備え、入力されるシリアル画像信号をパラレル信号に変換する。CPU18は、パラレル信号に変換された画像の全領域(ここでは後方カメラ12で撮影された画像の全領域と等しい)を表示用メモリ20(フレームメモリ等のバッファメモリ)に一旦記憶する処理を行う。CPU18はさらに、表示用メモリ20から、表示を行う領域の画像を読み出して、表示制御回路22を介してディスプレイ24に表示する処理を行う。画像は、CPU18および表示用メモリ20を経由することで例えば2~3フレーム程度の遅延を生じる。
【0018】
切り出し領域設定メモリ27は、表示用メモリ20に記憶された画像の全領域のうち、表示する画像を切り出す「切り出し領域」の設定情報(切り出し領域設定情報)を記憶するメモリである。ここでは説明の便宜上、標準倍率での切り出し領域は、そのままの倍率で(つまり、画素の間引き、補間なしで)ディスプレイ24の全領域に表示する大きさの領域として設定する。ただし、標準倍率の倍率についてはこの設定に限らない。すなわち、画素の間引き、補間なしの倍率を標準倍率として設定するのに代えて、画素を適宜の比率で間引きまたは補間した倍率を標準倍率として設定することもできる。また、切り出し領域の領域の大きさについてもこの設定に限らない。すなわち、標準倍率でディスプレイ24の全領域に表示する大きさとなる領域を切出し領域として設定するのに代えて、画像サイズを縮小して(つまり、標準倍率時に比べて画素を間引きして)または拡大して(つまり、標準倍率時に比べて画素を補間して)ディスプレイ24の全領域に表示する大きさとなる領域を切出し領域として設定することもできる。画像サイズを縮小してディスプレイ24の全領域に表示すれば、該表示は標準倍率時に比べて広角の表示となる。また、画像サイズを拡大してディスプレイ24の全領域に表示すれば、該表示は標準倍率時に比べて狭角の表示となる。これにより画角を変更することができる。切り出し領域は操作者による切り出し領域設定操作により設定され、該設定された切り出し領域の情報、すなわち切り出し領域設定情報が切り出し領域設定メモリ27に記憶される。CPU18は、表示用メモリ20に記憶された画像から、切り出し領域設定メモリ27に記憶された切り出し領域設定情報で特定される領域の画像を切り出す(読み出す)。そして、CPU18は、該切り出された画像を、必要に応じて、ディスプレイ24の全領域に表示する大きさに縮小または拡大する。さらに、CPU18は、該縮小または拡大した画像を表示用メモリ20の別の領域に一旦記憶し、該別の領域に記憶した画像全体を読み出して、表示制御回路22を介してディスプレイ24の全領域に表示する(第1の表示制御)。切り出し領域設定メモリ27は、フラッシュメモリ、HDD装置等の不揮発性の記憶装置で構成され、電子ミラー10への電源供給が遮断されても、該記憶された切り出し領域設定情報は保持される。
【0019】
入力インターフェース16は分配回路を備え、パラレル信号に変換した画像をCPU18のほかに、出力インターフェース26に分配して供給する。出力インターフェース26はシリアライザを備え、入力されるパラレル画像信号をシリアル信号に変換して、電子ミラー10の外部に出力する。出力インターフェース26は、入力インターフェース16から入力される画像の全領域(ここでは後方カメラ12で撮影された画像の全領域と等しい)を出力する。出力インターフェース26に供給される画像はCPU18および表示用メモリ20を経由しないので、出力インターフェース26からはCPU18および表示用メモリ20での遅延がない画像を外部に出力することができる。また、出力インターフェース26に供給される画像はCPU18および表示用メモリ20を経由しないので、該画像がCPU18および表示用メモリ20を経由して出力インターフェース26に供給される場合に比べて、CPU18のデータ処理の負担を軽くすることができる。
【0020】
出力インターフェース26には、電子ミラー10とは別体で用意されたドライブレコーダ28(外部記録装置、外部機器)が信号ケーブル30を介して外付けで接続されている。ドライブレコーダ28は二次電池、スーパーキャパシタ等のバックアップ電源を搭載したものであれば、事故の衝撃で車両バッテリからの電源が遮断されても、事故の前後所定時間の画像を証拠用に保存することができる。ドライブレコーダ28はいわゆる2入力式であり、2個の画像入力ポート32,34を備えている。画像入力ポート32には、前方カメラ36が信号ケーブル38を介して接続されている。前方カメラ36は、後方カメラ12と同様にデジタルカメラ、アナログカメラ等の電子カメラ(動画用カメラ)である。前方カメラ36は、例えば車室内でウインドシールド越しに車両前方に向けて設置されている。画像入力ポート34には電子ミラー10の出力インターフェース26から出力される画像が入力される。ドライブレコーダ28は画像入力ポート32,34から順次入力される前方の画像の全領域(前方カメラ36で撮影された画像の全領域)及び後方の画像の全領域(後方カメラ12で撮影された画像の全領域)を、古い記録に順次上書きする形でそれぞれ記録する。事故による所定値以上の衝撃をドライブレコーダ28が検知すると、ドライブレコーダ28は事故の前後所定時間の画像を証拠用に保存する。
【0021】
CPU18によるディスプレイ24の表示制御について説明する。ディスプレイ24の表示制御には複数の表示制御モードがあり、これら複数の表示制御モードは、車両の動作モードと運転者等による表示制御モード切り替え操作により択一的に切り替えられる。
【0022】
《第1の表示制御》
第1の表示制御は、車両の通常運転時の表示を行う制御である。このとき、CPU18は、入力インターフェース16から入力された後方カメラ12の画像の全領域を表示用メモリ20に順次上書き記録しながら、表示用メモリ20から、ディスプレイ24の全領域に表示する大きさの、該記録された全領域の画像の一部の領域の画像を切り出す。そして、CPU18は、該切り出された画像を表示制御回路22を介してディスプレイ24に表示する。このときのディスプレイ24における表示状態を
図2Aに示す。ディスプレイ24の全領域に、後方カメラ12の全領域の画像から切り出された横長の領域の画像40aが表示される。運転者はこの表示で後方を確認しながら車両を運転操作することができる。
【0023】
《第2の表示制御》
第2の表示制御は、後方カメラ12の画像の全領域(すなわち、ドライブレコーダ28で撮像する証拠画像の撮影範囲)を確認し、必要に応じて撮影範囲を調整するための表示を行う制御である。この表示制御は、車両の運転操作が停止されているときに、運転者等による第2の表示制御への表示切り替え操作により実行される。このとき、CPU18は、入力インターフェース16から入力された後方カメラ12の画像の全領域を表示用メモリ20に順次上書き記録しながら、表示用メモリ20からその全領域の画像を読み出し、該全領域の画像をディスプレイ24に表示できるサイズに縮小する。さらに、CPU18は、該縮小した画像を表示用メモリ20の別の領域に一旦記憶し、該別の領域に記憶した画像全体を読み出して、該縮小した画像の全領域をディスプレイ24に表示する。このときのディスプレイ24における表示状態を
図2Bに示す。ディスプレイ24の中央の領域に、後方カメラ12の全領域の画像40bが表示される。後方カメラ12の設置角度が調整可能な場合は、運転者等はこの表示を見ながら後方カメラ12の設置角度の調整を行うことができる。これにより、ドライブレコーダ28の撮影範囲を確認するためのドライブレコーダ専用のディスプレイを不要にすることができる。
【0024】
《第3の表示制御(第1例)》
第3の表示制御は、第1の表示制御で表示する切り出し領域を確認し、必要に応じて切り出し領域の設定を変更するための表示を行う制御である。この表示制御は、車両の運転操作が停止されているときに、運転者等による第3の表示制御への表示切り替え操作により実行される。このとき、CPU18は、入力インターフェース16から入力された後方カメラ12の画像の全領域を表示用メモリ20に順次上書き記録しながら、表示用メモリ20からその全領域の画像を読み出して、該全領域の画像をディスプレイ24に表示できるサイズに縮小する。さらに、CPU18は、該縮小した画像を表示用メモリ20の別の領域に一旦記憶し、該別の領域に記憶した画像全体を読み出して、該縮小した画像の全領域をディスプレイ24に表示する。あわせて、CPU18は、ディスプレイ24に表示された該全領域の画像上に、第1の表示制御で切り出して表示する領域を枠線等で重ねて表示する。このときのディスプレイ24における表示状態を
図2Cに示す。ディスプレイ24の中央の領域に、後方カメラ12の全領域の画像40bが表示される。また、この画像40b内に、第1の表示制御で切り出して表示する画像40aの領域(切り出し領域)を示す枠線40c(以下では、「切り出し領域」を符号40cで表す場合がある)が表示される。すなわち、画像40aの領域を示す表示が、枠線40cによって行われる。運転者等は、枠線40cを平行移動させる適宜の操作により、切り出し領域の位置を変更することができる。位置が変更された切り出し領域に関する切り出し領域設定情報は、それまで記憶されていた切り出し領域設定情報を更新する形で切り出し領域設定メモリ27に記憶される。以後、該更新された切り出し領域設定情報が第1の表示制御に反映されて、車両の通常運転時に、該位置が変更された切り出し領域の画像40aがディスプレイ24の全領域に表示される。
【0025】
また、運転者等は、枠線40cの領域を拡大、縮小させる適宜の操作により切り出し領域のサイズを変更することができる。切り出し領域のサイズ変更は、縦横サイズ比を不変として行うことができる。すなわち、縦横サイズ比をディスプレイ24の全表示領域の縦横サイズ比に相当する値に保持したまま、切り出し領域のサイズを変更することができる。サイズが変更された切り出し領域は、第1の表示制御に反映されて、車両の通常運転時に、該サイズが変更された切り出し領域の画像40aがディスプレイ24の全領域に表示される。すなわち、切り出し領域のサイズを拡大させた場合は、相対的に広角表示となり、被写体像は小さく表示される。逆に、切り出し領域のサイズを縮小させた場合は、相対的に狭角表示となり、被写体像は大きく表示される。
【0026】
また、運転者等は、枠線40cを回転させる適宜の操作により切り出し領域の角度(傾斜)を変更することができる。切り出し領域の角度変更は、例えば切り出し領域の重心を回転中心として行うことができる。角度が変更された切り出し領域は、第1の表示制御に反映されて、車両の通常運転時に、該角度が変更された切り出し領域の画像40aがディスプレイ24の全領域に表示される。この切り出し領域の角度変更は、例えば後方カメラ12がその光軸回り方向に傾斜して設置されていた場合の画像の角度補正に利用することができる。
【0027】
第3の表示制御(第1例)時に実施される切り出し領域の設定変更動作を説明する。
図3Aは、表示用メモリ20に記憶された画像の全領域40bにおける、標準倍率および切り出し領域の標準位置(例えば、画像の全領域40bの中央位置)での切り出し領域40cと、該画像中の被写体像42を示す。切り出し領域40cが
図3Aのように設定されている場合に、第1の表示制御時にディスプレイ24に表示される画像を
図3Bに示す。
図3Bによれば、切り出し領域40cの画像が標準倍率で(すなわち、画素の間引き、補間なしで)ディスプレイ24に表示されている。
【0028】
図4Aは、
図3Aの状態から、切り出し領域40cの縦横サイズはそのままで、切り出し領域40cが平行移動された状態を示す。切り出し領域40cの設定が
図4Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイ24に表示される画像を
図4Bに示す。
図4Bによれば、切り出し領域40cが平行移動した分、被写体像42はディスプレイ24上で相対的に逆方向に移動している。
【0029】
図5Aは、
図3Aの状態から切り出し領域40cが拡大された状態(切り出し領域40cの縦横サイズ比は不変)を示す。切り出し領域40cの設定が
図5Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイ24に表示される画像を
図5Bに示す。
図5Bによれば、切り出し領域40cが拡大された分、画素が間引かれて相対的に広角表示となり、ディスプレイ24上で被写体像42は小さく表示されている。
【0030】
図6Aは、
図3Aの状態から、切り出し領域40cが縮小された状態(切り出し領域40cの縦横サイズ比は不変)を示す。切り出し領域40cの設定が
図6Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイ24に表示される画像を
図6Bに示す。
図6Bによれば、切り出し領域40cが縮小された分、画素が補間されて相対的に狭角表示となり、ディスプレイ24上で被写体像42は大きく表示されている。
【0031】
図7Aは、
図3Aの状態から、切り出し領域40cの縦横サイズはそのままで、切り出し領域40cが回転された状態を示す。切り出し領域40cの設定が
図7Aのように変更された場合に、第1の表示制御時にディスプレイ24に表示される画像を
図7Bに示す。
図7Bによれば、切り出し領域40cが回転された分、ディスプレイ24上で被写体像42は相対的に逆方向に回転している。
【0032】
《第3の表示制御(第2例)》
第3の表示制御による別の表示例を説明する。CPU18は、入力インターフェース16から入力された後方カメラ12の画像の全領域を表示用メモリ20に順次上書き記録しながら、表示用メモリ20からその全領域の画像を読み出して適宜のサイズに縮小する。あわせて、CPU18は、第1の表示制御で切り出して表示する領域の画像を適宜のサイズに縮小する。そして、CPU18は、該縮小された全領域の画像および該縮小された切り出し領域の画像を表示用メモリ20の別の領域に一旦記憶し、該別の領域に記憶した両画像全体を読み出して、該縮小された全領域の画像および該縮小された切り出し領域の画像をディスプレイ24に並べて表示する。このときのディスプレイ24における表示状態を
図2Dに示す。後方カメラ12の全領域の画像40bと第1の表示制御で切り出して表示する画像40aが、ディスプレイ24の左右の領域に並べて表示される。運転者等は、両画像40b、40aを見ながら、適宜の操作により切り出し領域の設定を変更する(前記第1例と同様に、位置、サイズ、角度等を変更する)ことができる。変更された切り出し領域は、第1の表示制御に反映されて、車両の通常運転時に、該変更された切り出し領域の画像40aがディスプレイ24に表示される。
【0033】
車両の運転時の、
図1のシステム全体の動作を説明する。
《通常走行時》
車両の通常走行時において、後方カメラ12で撮影された画像はディスプレイ24に表示する領域が切り出されて(CPU18による第1の表示制御)、該切り出された領域の画像がディスプレイ24に表示される。運転者はディスプレイ24で車両後方の状況を確認しながら車両の運転操作を行う。出力インターフェース26からは後方カメラ12で撮影された画像の全領域が電子ミラー10の外部に出力される。ドライブレコーダ28は前方カメラ36および後方カメラ12で撮影された画像の全領域を順次記録する。
【0034】
《衝突事故時》
車両が衝突事故を起こし所定値以上の衝撃をドライブレコーダ28が検知すると、ドライブレコーダ28は事故の前後所定時間の前方カメラ36および後方カメラ12の画像を保存する。衝突により車両バッテリから電子ミラー10への電源が遮断されると、電子ミラー10の動作は停止し、ディスプレイ24の表示は消える。ただし、出力インターフェース26から出力される後方の画像はCPU18および表示用メモリ20での遅延がない画像であるので、出力インターフェース26からは衝突の瞬間までの後方の画像を出力することができる。このとき、車両バッテリからドライブレコーダ28への電源も同時に遮断されると、ドライブレコーダ28がバックアップ電源を搭載していない場合にはドライブレコーダ28の動作も停止する。ただし、ドライブレコーダ28が画像入力ポート32,34から入力される前方および後方の画像を遅滞なく記録できるものであれば、衝突の瞬間までの前方の画像および後方の画像をドライブレコーダ28に保存することができる。あるいは、ドライブレコーダ28がバックアップ電源を搭載するものであれば、ドライブレコーダ28は衝突の前後所定時間の前方の画像と、衝突の瞬間までの後方の画像を保存することができる。
【0035】
前記実施の形態に加えて、電子ミラー10にドライブレコーダ28の保存画像を再生表示する機能を持たせることもできる。
図1の電子ミラー10にそのような機能を持たせる場合の改変例を説明する。
図1において、「出力インターフェース26」を「入出力インターフェース26」(入力インターフェースを兼ねた出力インターフェース)に変更する。あわせて、ドライブレコーダ28の「画像入力ポート34」を「画像入出力ポート34」に変更する。点線矢印d1,d2は、電子ミラー10にドライブレコーダ28の保存画像を再生表示する機能を持たせる場合の追加信号路を示す。画像入出力ポート34は、入出力インターフェース26から供給される後方カメラ12の画像を入力する前記機能のほか、ドライブレコーダ28に保存されている画像の再生画像(後方カメラ12または前方カメラ36で撮影されて保存されている画像)を外部(ここでは電子ミラー10)に向けて出力する機能を有する(点線矢印d1)。入出力インターフェース26は、入力インターフェース16から供給される後方カメラ12の画像をドライブレコーダ28に向けて出力する前記機能のほか、画像入出力ポート34から供給されるドライブレコーダ28の再生画像を入力する機能を有する(点線矢印d1)。入出力インターフェース26に入力された再生画像は、以下に説明する第4の表示制御により、CPU18、表示用メモリ20、表示制御回路22を経由してディスプレイ24に表示することができる。
【0036】
《第4の表示制御》
第4の表示制御は、ドライブレコーダ28に保存されている画像の再生画像をディスプレイ24に表示する制御である。この表示制御は、車両の運転操作が停止されているときに、運転者等による第4の表示制御への表示切り替え操作により実行される。第4の表示制御を行うときは、ドライブレコーダ28は再生モードに切り替えられる。再生モードで再生する画像は、操作者の任意の選択操作により、後方カメラ12の再生画像または前方カメラ36の再生画像を選択することができる。これにより、ドライブレコーダ28に保存されている画像のうち、選択されたカメラの再生画像が画像入出力ポート34から出力されて、電子ミラー10の入出力インターフェース26に入力される。このとき電子ミラー10が第4の表示制御に切り替えられていると、入出力インターフェース26に入力されたドライブレコーダ28の再生画像はCPU18に入力される(点線矢印d2)。CPU18は、該再生画像の全領域を表示用メモリ20に順次上書き記録しながら、表示用メモリ20からその全領域の画像を読み出し、該全領域の画像をディスプレイ24に表示できるサイズに縮小する。さらに、CPU18は、該縮小した画像を表示用メモリ20の別の領域に一旦記憶し、該別の領域に記憶した画像全体を読み出して、該縮小した画像の全領域をディスプレイ24に表示する。このときのディスプレイ24における表示状態は前記
図2Bに示したのと同様の状態となる。すなわち、
図2Bにおいてディスプレイ24の中央の符号40bで示した領域に、再生画像の全領域が表示される。これにより、運転者等は衝突事故時等の画像を確認することができる。なお、後方カメラ12の再生画像および前方カメラ36の再生画像を撮影時刻を合わせて同期再生して、ディスプレイ24に並べて表示することにより、衝突事故時等の状況を車両の前後2方向から同時に確認できるように構成することもできる。
【0037】
なお、入出力インターフェース26は、入力インターフェースと出力インターフェースに分けて構成することもできる。また、この場合、該入力インターフェースを、入力インターフェース16を兼用して構成し、表示制御モードに応じて入力インターフェース16に入力する画像を切り替えるように構成することもできる。すなわち、第1~第3の表示制御時は後方カメラ12の画像を入力インターフェース16に入力し、第4の表示制御時はドライブレコーダ28の再生画像を入力インターフェース16に入力する。
【0038】
前記実施の形態では、入力インターフェース16で画像をシリアル/パラレル変換し、出力インターフェース26で該画像をパラレル/シリアル変換して外部に出力するようにしたが、これに限らない。すなわち、入力インターフェース16および出力インターフェース26は、入力したシリアル信号の画像を、シリアル/パラレル変換およびパラレル/シリアル変換せずに、シリアル信号のまま外部に出力するものであってもよい。この場合、入力インターフェース16および出力インターフェース26は、例えばインピーダンス整合のためのバッファアンプとして構成することができる。また、前記実施の形態では、入力インターフェース16は後方カメラ12で撮像される画像の全領域の画像を入力するように構成したがこれに限らない。すなわち、入力インターフェース16は後方カメラ12で撮像される画像の一部の領域の画像を入力するように構成することもできる。また、前記実施の形態では、出力インターフェース26は入力インターフェース16から入力される画像の全領域の画像を出力し、表示用メモリ20は入力インターフェース16から入力される画像の全領域の画像を記憶するように構成したが、これに限らない。すなわち、出力インターフェース26は入力インターフェース16から入力される画像の一部の領域の画像を出力し、表示用メモリ20は入力インターフェース16から入力される画像の該一部の領域の画像を記憶するように構成することもできる。
【0039】
前記実施の形態では、入力インターフェースは車両の後方を撮像するカメラで撮像された画像を入力したが、これに限らず、入力インターフェースは車両の左後側方、右後側方、左側方、右側方等を撮像するカメラで撮像された画像を入力することもできる。
【0040】
前記実施の形態では、この発明の電子ミラーを電子インナーミラーとして構成した場合について説明したが、この発明の電子ミラーは電子アウターミラー等として構成することもできる。
【0041】
前記実施の形態では、出力インターフェースは画像を車載ドライブレコーダに向けて出力したが、これに限らず、出力インターフェースは車載自動ブレーキシステム、車載自動運転システムに向けて画像を出力することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10…電子ミラー(車載用電子ミラー)、12…後方カメラ、14…信号ケーブル、16…入力インターフェース、18…CPU、20…表示用メモリ、22…表示制御回路、24…ディスプレイ、26…出力インターフェースまたは入出力インターフェース(入力インターフェースを兼ねた出力インターフェース)、27…切り出し領域設定メモリ、28…ドライブレコーダ(外部記録装置、外部機器)、30…信号ケーブル、32…画像入力ポート、34…画像入力ポートまたは画像入出力ポート、36…前方カメラ、38…信号ケーブル、40a…後方カメラの全領域の画像から切り出された領域の画像、40b…後方カメラの全領域の画像、40c…第1の表示制御で切り出して表示する画像の領域を示す表示(枠線)または切り出し領域、42…被写体像、d1,d2…電子ミラーにドライブレコーダの保存画像を再生表示する機能を持たせる場合の追加信号路を示す点線矢印