(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】神経活動を調節するためのデバイスネットワーク
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20240522BHJP
A61N 1/05 20060101ALI20240522BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/05
(21)【出願番号】P 2021529481
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 US2019064523
(87)【国際公開番号】W WO2020117967
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520404344
【氏名又は名称】イオタ バイオサイエンシズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】IOTA BIOSCIENCES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルメナ, ジョセ エム.
(72)【発明者】
【氏名】マハービズ, マイケル エム.
(72)【発明者】
【氏名】ニーリイ, ライアン
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-508969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0046698(US,A1)
【文献】特表2009-512505(JP,A)
【文献】特表2011-505963(JP,A)
【文献】特表2009-522034(JP,A)
【文献】国際公開第2018/009912(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/009908(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00-1/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプランタブルデバイスネットワークであって、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する情報を無線で送信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記検出信号に関連する前記情報を無線で受信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する前記受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定
し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で送信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する前記情報を無線で受信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する前記情報に少なくとも基づいて、1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するかどうかを決定する、
よう構成されるインプランタブルデバイスネットワーク。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセットの前記1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記1つ以上の電気パルスを放出するよう構成されるデバイスネットワーク。
【請求項3】
請求項2に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセットにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセットにおける前記1つ以上のインプランタブルデバイスから放出される前記1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を決定するよう構成されるデバイスネットワーク。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された前記1つ以上の電気パルスを放出するよう構成されるデバイスネットワーク。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記1つ以上の追加の神経の神経活動を調節するように構成された前記1つ以上の電気パルスを放出するかどうかを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含むデバイスネットワーク。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する前記情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出される検出信号に関連する情報を含むデバイスネットワーク。
【請求項7】
請求項1から6の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する前記情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態に関連する情報を含むデバイスネットワーク。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する前記情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される前記1つ以上の電気パルスに関連する情報を含むデバイスネットワーク。
【請求項9】
請求項1から8の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、フィードフォワードニューラルネットワークプロセスを実施することを含むデバイスネットワーク。
【請求項10】
請求項1から8の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含むデバイスネットワーク。
【請求項11】
請求項1から10の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号にさらに基づくデバイスネットワーク。
【請求項12】
インプランタブルデバイスネットワークであって、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する情報を無線で送信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記検出信号に関連する前記情報を無線で受信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する前記受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定する、
よう構成され、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内のインプランタブルデバイスによって行われるデバイスネットワーク。
【請求項13】
請求項1から11の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内のインプランタブルデバイスによって行われるデバイスネットワーク。
【請求項14】
請求項1から13の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された前記検出信号に関連する前記情報を、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに直接送信するよう構成されるデバイスネットワーク。
【請求項15】
請求項1から13の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された前記検出信号に関連する前記情報を、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上の中間デバイスを介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに送信するよう構成されるデバイスネットワーク。
【請求項16】
請求項15に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、前記1つ以上の中間デバイスによって行われるデバイスネットワーク。
【請求項17】
請求項1から16の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセットは2つ以上のインプランタブルデバイスを含むデバイスネットワーク。
【請求項18】
請求項1から17の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセットは2つ以上のインプランタブルデバイスを含むデバイスネットワーク。
【請求項19】
請求項1から18の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記検出信号に関連する受信された前記情報に少なくとも基づいて刺激信号を生成することを含み、前記刺激信号は、前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出された前記1つ以上の電気パルスを駆動するよう構成されるデバイスネットワーク。
【請求項20】
請求項1から19の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記検出信号が、前記1つ以上の生理学的状態を含むデバイスネットワーク。
【請求項21】
請求項20に記載のデバイスネットワークであって、前記1つ以上の生理学的状態が温度、呼吸速度、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体の濃度を含むデバイスネットワーク。
【請求項22】
請求項1から21の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記検出信号は、前記1つ以上の電気生理学的信号を含むデバイスネットワーク。
【請求項23】
請求項1から22の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記検出信号に関連する前記情報は、
前記電気生理学的信号または前記生理学的状態のタイムスタンプ、または
前記電気生理学的信号内の複合活動電位またはその一部の方向、速度、周波数、振幅、または波形、
を含むデバイスネットワーク。
【請求項24】
請求項1から23の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つが第1の神経位置から前記電気生理学的信号を検出し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つが第2の神経位置の神経活動を調節するよう構成された前記電気パルスを放出し、前記第1の神経位置および前記第2の神経位置が、同じ神経位置または異なる神経位置の異なる場所であるデバイスネットワーク。
【請求項25】
請求項24に記載のデバイスネットワークであって、前記第1の神経位置と前記第2の神経位置とが、神経網を介して連結された異なる神経であるデバイスネットワーク。
【請求項26】
請求項24に記載のデバイスネットワークであって、前記第1の神経位置と前記第2の神経位置とは、同一の神経であるデバイスネットワーク。
【請求項27】
請求項24から26の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つによって検出される前記電気生理学的信号は、前記第1の神経位置内の神経線維のサブセットによって送信されるデバイスネットワーク。
【請求項28】
請求項27に記載のデバイスネットワークであって、神経線維の前記サブセットが、前記第1の神経位置内の1つ以上の線維束を含むデバイスネットワーク。
【請求項29】
請求項27または28に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維のサブセットが、1つ以上の求心性神経線維を含むデバイスネットワーク。
【請求項30】
請求項27または28に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維のサブセットが、1つ以上の遠心性神経線維を含むデバイスネットワーク。
【請求項31】
請求項27から30の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維のサブセットが、前記神経内の異なる線維束の2つ以上の神経線維を含むデバイスネットワーク。
【請求項32】
請求項1から31の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記検出信号に関連する前記情報を無線で送信することは、前記検出信号に関連する前記情報を符号化する超音波を、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセットにおける前記1つ以上のインプランタブルデバイスから能動的に送信することを含むデバイスネットワーク。
【請求項33】
インプランタブルデバイスネットワークであって、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する情報を無線で送信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記検出信号に関連する前記情報を無線で受信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する前記受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定する、
よう構成され、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記検出信号に関連する前記情報を無線で送信することは、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスで超音波を受信することと、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスからの超音波を後方散乱させることであって、前記後方散乱された超音波は前記検出信号に関連する前記情報を符号化する、後方散乱させることと、
を含むデバイスネットワーク。
【請求項34】
請求項1から32の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて受信された前記検出信号に関連する前記情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって受信された超音波に符号化されるデバイスネットワーク。
【請求項35】
インプランタブルデバイスネットワークであって、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する情報を無線で送信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記検出信号に関連する前記情報を無線で受信し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、前記検出信号に関連する前記受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定する、
よう構成され、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセットにおいて前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された前記検出信号に関連する前記情報を無線電送信することは、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって能動的に送信または後方散乱された前記検出信号に関連する前記情報を符号化する前記超音波を、中間デバイスにおいて受信することと、
前記検出信号に関連する前記情報を符号化する追加の超音波を前記中間デバイスから能動的に送信することと、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、前記中間デバイスから能動的に送信された前記追加の超音波を受信することと、
を含むデバイスネットワーク。
【請求項36】
請求項35に記載のデバイスネットワークであって、前記中間デバイスは外部デバイスであるデバイスネットワーク。
【請求項37】
請求項1から36の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイス、または1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスは、電力供給超音波を使用して電力供給されるデバイスネットワーク。
【請求項38】
請求項37に記載のデバイスネットワークであって、前記電力供給超音波は、中間デバイスによって送信されるデバイスネットワーク。
【請求項39】
請求項1から38の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される前記電気パルスは、前記標的神経内の神経線維の標的サブセットへ放出されるデバイスネットワーク。
【請求項40】
請求項39に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維の標的サブセットは、前記第1の神経内に1つ以上の線維束を含むデバイスネットワーク。
【請求項41】
請求項39または40に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維の標的サブセットは、1つ以上の求心性神経線維を含むデバイスネットワーク。
【請求項42】
請求項39または40に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維の標的サブセットは、1つ以上の遠心性神経線維を含むデバイスネットワーク。
【請求項43】
請求項39から42の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記神経線維の標的サブセットは、前記標的神経内の異なる線維束内の2つ以上の神経線維を含むデバイスネットワーク。
【請求項44】
請求項1から43の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスが、前記標的神経を含む線維組織に前記電気パルスを放出するデバイスネットワーク。
【請求項45】
請求項1から44の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記標的神経は、迷走神経、脊髄、脾神経、腸間膜神経、坐骨神経、脛骨神経、腹腔神経節、仙骨神経、腎神経、後頭神経、または副腎神経であるデバイスネットワーク。
【請求項46】
請求項1から45の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記標的神経は末梢神経であるデバイスネットワーク。
【請求項47】
請求項1から46の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記記録された神経は、迷走神経、脊髄、脾神経、腸間膜神経、坐骨神経、脛骨神経、腹腔神経節、仙骨神経、腎神経、後頭神経、または副腎神経であるデバイスネットワーク。
【請求項48】
請求項1から47の何れか1項に記載のインプランタブルデバイスネットワークであって、前記記録された神経は末梢神経であるインプランタブルデバイスネットワーク。
【請求項49】
標的神経の神経活動を調節するためのデバイスネットワークであって、
(a)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスであって、
神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を含む検出信号を検出するためのセンサと、
超音波を能動的に送信または後方散乱するように構成された超音波トランスデューサであって、前記超音波は前記検出信号に関連する情報を符号化する、超音波トランスデューサと、
前記センサおよび前記超音波トランスデューサに電気的に結合された制御回路と、
を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、
(b)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスであって、
標的神経に電気パルスを放出するように構成された複数の電極と、
前記検出信号に関連する情報を符号化する超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサと、
前記超音波から前記検出信号に関連する前記情報を抽出し、前記検出信号に関連する前記情報に基づいて前記複数の電極を動作させて前記電気パルスを放出させるように構成された制御回路と、
を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、
(c)超音波トランスデューサを備える1つ以上の中間デバイスであって、
超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから前記情報を無線で受信し、
超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに前記情報を無線で送信する、
ように構成される1つ以上の中間デバイスと、
を備え、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット中の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成され
、
前記1つ以上の中間デバイスは、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに超音波を能動的に送信し、
前記センサによって検出された前記検出信号に関連する前記情報を符号化する後方散乱超音波を受信し、
前記検出信号に関連する前記情報を符号化する超音波を、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに能動的に送信する、
ように構成される
ことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項50】
請求項49に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項51】
請求項49または50に記載のデバイスネットワークであって、前記デバイスネットワークは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内に2つ以上のインプランタブルデバイスを備えることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項52】
請求項49から51の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記デバイスネットワークは、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内に2つ以上のインプランタブルデバイスを含むことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項53】
請求項49から52の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセットまたは1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記制御回路は、前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で受信された情報に少なくとも基づいて、前記1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定するように構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項54】
請求項53に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセットまたは1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセットにおける前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記制御回路は、前記1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を選択するように構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項55】
請求項53または54に記載のデバイスネットワークであって、電気パルスを放出するか否かを決定することは、前記1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含むことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項56】
請求項49から55の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスは、神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を検出するためのセンサをさらに備えることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項57】
請求項49から56の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記1つ以上の中間デバイスは、
超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスからの前記情報を無線で受信し、
超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスに前記情報を無線で送信する、
ようさらに構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項58】
請求項49から57の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記中間デバイスは、
前記中間デバイスによって受信された前記超音波から前記検出信号に関連する前記情報を抽出し、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定する、
ように構成される制御回路を含み、
前記中間デバイスから1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスへ送信される前記超音波に符号化された前記検出信号に関連する前記情報は、前記1つ以上の電気パルスを放出するための命令を含み、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセットにおける前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記制御回路は、前記命令に基づいて前記電気パルスを放出するように前記複数の電極を動作させるように構成される、
ことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項59】
請求項58に記載のデバイスネットワークであって、前記1つ以上の電気パルスを放出する前記命令は、前記1つ以上の電気パルスのうちの1つ以上のパルス特性に対する命令を含むことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項60】
請求項49から57の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記制御回路は、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記センサによって検出された前記検出信号に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定するように構成され、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記超音波トランスデューサによって能動的に送信されたまたは後方散乱された前記超音波に符号化された前記検出信号に関連する前記情報は、前記1つ以上の電気パルスを放出するための命令を含み、
1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記制御回路は、前記命令に基づいて前記電気パルスを放出するように前記複数の電極を動作させるように構成される、
ことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項61】
請求項60に記載のデバイスネットワークであって、前記1つ以上の電気パルスを放出するための前記命令は、前記1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性に対する命令を含むことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項62】
請求項49から57の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記制御回路は、前記検出信号に関連する前記情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定し、前記決定に基づいて前記電気パルスを放出するように前記複数の電極を動作させるように構成される、
ことを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項63】
請求項62に記載のデバイスネットワークであって、前記制御回路は、前記1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を選択するようにさらに構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項64】
請求項49から63の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記センサは前記電気生理学的信号を検出するように構成された複数の電極を備えることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項65】
請求項49から64の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、前記センサは、前記生理学的状態を検出するように構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項66】
請求項65に記載のデバイスネットワークであって、前記生理学的状態は温度、呼吸数、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体濃度であることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項67】
請求項49から66の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスが、前記生理学的状態を検出するように構成される第1のセンサと、前記電気生理学的信号を検出するように構成される複数の電極を備える第2のセンサとを備えることを特徴とするデバイスネットワーク。
【請求項68】
請求項49から67の何れか1項に記載のデバイスネットワークであって、1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第1のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記超音波トランスデューサ、または1つ以上のインプランタブルデバイスの前記第2のセット内の前記1つ以上のインプランタブルデバイスの前記超音波トランスデューサは、前記1つ以上のインプランタブルデバイスに電力を供給する超音波を受信するように構成されることを特徴とするデバイスネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は2018年12月6日に出願された米国仮出願第62/776,351号の優先権の利益を主張するものであり、これは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、インプランタブル神経調節デバイスネットワーク、およびそのようなネットワークを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
個体の末梢神経系は、生命維持に必要な器官の活動や生理的恒常性を厳密に制御して動作している。神経を介して伝達される電気パルスは例えば、心拍数、炎症、および膀胱または腸の制御を変化させることができる。ある種の医学的状態は、これらの神経信号が過剰刺激または過少刺激のいずれかの標的器官によって身体を適切に制御できない場合に発生し得る。
【0004】
末梢神経系の電気信号を制御することにより、異常な生理活性を治療するための侵襲的方法が開発されている。そのような方法は、電極の先端が標的神経に接触する状態で、患者の体内に電極を埋め込むことを含むことができる。これらの電極は一般に、外部デバイスまたは嵩張るインプランタブル(埋め込み可能な)デバイスに取り付けられる長いリード線を有し、これは、被写体に、感染または電極の変位の実質的な危険性をもたらす。さらに、多くの方法は非常に侵襲的であるため、ある種の治療は臨床現場に限定され、在宅治療として使用することはできない。完全に埋め込み可能なデバイスはより侵襲性の低い治療のために開発されてきたが、このようなデバイスは体の多くの位置に配置するには大きすぎる。したがって、埋め込まれたデバイスは、変位または破壊され得る長いリードの使用を必要とする。
【0005】
治療目的のための標的神経の厳密に制御された神経調節は、被験体の生理学的状態または生理学的信号の系統的評価に依存する。体内の他の場所での特定の電気生理学的送信または生理学的状態(例えば、温度または分析物濃度)は、所望の治療効果を得るために標的神経を刺激するかどうか、またはどのように刺激するかを知らせることができる。患者内の他の生理学的活動を説明する治療効果を得るために、神経系を効果的に刺激することができるシステムが必要であり続けている。
【0006】
本明細書で参照されるすべての刊行物、特許、および特許出願の開示は、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる任意の参照が本開示と矛盾する限り、本開示が支配するものとする。
【発明の概要】
【0007】
本明細書では、インプランタブルデバイスネットワーク、およびそのようなインプランタブルデバイスネットワークを使用して神経活動を調節する方法を説明する。
【0008】
いくつかの実施形態では、インプランタブルネットワークを使用して神経活動を調節する方法は、(a)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出することと、(b)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、検出信号に関連する情報を無線で送信することと、(c)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、検出信号に関連する情報を無線で受信することと、(d)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、検出信号に関連する受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定することと、を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上の電気パルスを放出することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスから放出される1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を決定することを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で送信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で受信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報に少なくとも基づいて、1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することと、含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の追加の神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出される検出信号に関連する情報を含む。本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態に関連する情報を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される1つ以上の電気パルスに関連する情報を含む。
【0012】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、フィードフォワードニューラルネットワークプロセスを実施することを含む。本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含む。
【0013】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号にさらに基づく。本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内のインプランタブルデバイスによって行われる。本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内のインプランタブルデバイスによって行われる。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに直接送信することを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上の中間デバイスを介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに送信することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上の中間デバイスによって行われる。
【0016】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットは2つ以上のインプランタブルデバイスを含む。本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットは2つ以上のインプランタブルデバイスを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、方法は、検出信号に関連する受信された情報に少なくとも基づいて刺激信号を生成することを含み、刺激信号は、1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出された1つ以上の電気パルスを駆動する。
【0018】
本方法のいくつかの実施形態では、検出信号が、1つ以上の生理学的状態を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の生理学的状態が温度、呼吸速度、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体の濃度を含む。本方法のいくつかの実施形態では、検出信号は、1つ以上の電気生理学的信号を含む。
【0019】
本方法のいくつかの実施形態では、検出信号に関連する情報は、電気生理学的信号または生理学的状態のタイムスタンプ、または電気生理学的信号内の複合活動電位またはその一部の方向、速度、周波数、振幅、または波形、を含む。
【0020】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つが第1の神経位置から電気生理学的信号を検出し、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つが第2の神経位置の神経活動を調節するよう構成された電気パルスを放出し、第1の神経位置および第2の神経位置が、同じ神経位置または異なる神経位置の異なる場所である。いくつかの実施形態において、第1の神経位置と第2の位置とが、神経網を介して連結された異なる神経である。いくつかの実施形態において、第1の神経位置と第2の位置とは、同一の神経である。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つによって検出される電気生理学的信号は、第1の神経位置内の神経線維のサブセットによって送信される。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが、第1の神経位置内の1つ以上の線維束を含む。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが、1つ以上の求心性神経線維を含む。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが、1つ以上の遠心性神経線維を含む。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが、神経内の異なる線維束の2つ以上の神経線維を含む。
【0021】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから検出信号に関連する情報を無線で送信することは、検出信号に関連する情報を符号化する超音波を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスから能動的に送信することを含む。
【0022】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから検出信号に関連する情報を無線で送信することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスで超音波を受信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスからの超音波を後方散乱させることであって、後方散乱された超音波は検出信号に関連する情報を符号化する、後方散乱させることと、を含む。
【0023】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて受信された検出信号に関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって受信された超音波に符号化される。本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットにおいて1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報を無線電送信することは、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって能動的に送信または後方散乱された検出信号に関連する情報を符号化する超音波を、中間デバイスにおいて受信することと、 検出信号に関連する情報を符号化する追加の超音波を中間デバイスから能動的に送信することと、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、中間デバイスから能動的に送信された追加の超音波を受信することと、を含む。いくつかの実施形態では、中間デバイスは外部デバイスである。
【0024】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイス、または1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスは、電力供給超音波を使用して電力供給される。いくつかの実施形態では、電力供給超音波は、中間デバイスによって送信される。
【0025】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスは、標的神経内の神経線維の標的サブセットへ放出される。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットが、第1の神経内に1つ以上の線維束を含む。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットは、1つ以上の求心性神経線維を含む。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットは、1つ以上の遠心性神経線維を含む。いくつかの実施形態では、神経線維の標的サブセットは、標的神経内の異なる線維束内の2つ以上の神経線維を含む。
【0026】
本方法のいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスが、標的神経を含む線維組織に電気パルスを放出する。
【0027】
方法のいくつかの実施形態において、標的神経は、迷走神経、脊髄、脾神経、腸間膜神経、坐骨神経、脛骨神経、腹腔神経節、仙骨神経、腎神経、後頭神経、または副腎神経である。本方法のいくつかの実施形態では、標的神経は末梢神経である。
【0028】
方法のいくつかの実施形態において、記録された神経は、迷走神経、脊髄、脾神経、腸間膜神経、坐骨神経、脛骨神経、腹腔神経節、仙骨神経、腎神経、後頭神経、または副腎神経である。いくつかの実施形態では、記録された神経は末梢神経である。
【0029】
また、本明細書の開示は標的神経の神経活動を調節するためのデバイスネットワークであって、 (a)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスであって、 神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を含む検出信号を検出するためのセンサと、 超音波を能動的に送信または後方散乱するように構成された超音波トランスデューサであって、超音波は検出信号に関連する情報を符号化する、超音波トランスデューサと、 センサおよび超音波トランスデューサに電気的に結合された制御回路と、 を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、(b)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスであって、 標的神経に電気パルスを放出するように構成された複数の電極と、 検出信号に関連する情報を符号化する超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサと、 超音波から検出信号に関連する情報を抽出し、検出信号に関連する情報に基づいて複数の電極を動作させて電気パルスを放出させるように構成された制御回路と、 を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、を備え、ここで、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット中の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成される。
【0030】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態では、デバイスネットワークは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内に2つ以上のインプランタブルデバイスを備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、デバイスネットワークは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内に2つ以上のインプランタブルデバイスを含む。
【0033】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットまたは1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットまたは1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を選択するように構成される。いくつかの実施形態では、電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含む。
【0034】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスは、神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を検出するためのセンサをさらに備える。
【0035】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサを備える1つ以上の中間デバイスをさらに含み、1つ以上の中間デバイスは、 超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから情報を無線で受信し、 超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに情報を無線で送信する、ようさらに構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の中間デバイスがさらに、超音波を通して、第2のセットの中の1つ以上のインプランタブルデバイスから、インプランタブルデバイスの1つ以上のインプランタブルデバイスから、情報を無線で受信し、超音波を通して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットの中の1つ以上のインプランタブルデバイスに、情報を無線で送信するように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の中間デバイスは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに超音波を能動的に送信し、センサによって検出された検出信号に関連する情報を符号化する後方散乱超音波を受信し、 検出信号に関連する情報を符号化する超音波を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに能動的に送信する、ように構成される。
【0036】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、中間デバイスは、 中間デバイスによって受信された超音波から検出信号に関連する情報を抽出し、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定する、ように構成される制御回路を含み、中間デバイスから1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ送信される超音波に符号化された検出信号に関連する情報は、1つ以上の電気パルスを放出するための命令を含み、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、命令に基づいて電気パルスを放出するように複数の電極を動作させるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の電気パルスを放出する命令は、1つ以上の電気パルスのうちの1つ以上のパルス特性に対する命令を含む。
【0037】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのセンサによって検出された検出信号に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定するように構成され、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの超音波トランスデューサによって能動的に送信されたまたは後方散乱された超音波に符号化された検出信号に関連する情報は、1つ以上の電気パルスを放出するための命令を含み、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、命令に基づいて電気パルスを放出するように複数の電極を動作させるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の電気パルスを放出するための命令は、1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性に対する命令を含む。
【0038】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、検出信号に関連する情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定し、決定に基づいて電気パルスを放出するように複数の電極を動作させるように構成される。いくつかの実施形態では、制御回路は、1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を選択するようにさらに構成される。
【0039】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、センサは電気生理学的信号を検出するように構成された複数の電極を備える。いくつかの実施形態では、センサは、生理学的状態を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、生理学的状態は温度、呼吸数、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体濃度である。
【0040】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスが、生理学的状態を検出するように構成される第1のセンサと、電気生理学的信号を検出するように構成される複数の電極を備える第2のセンサとを備える。
【0041】
デバイスネットワークのいくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの超音波トランスデューサ、または1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの超音波トランスデューサは、1つ以上のインプランタブルデバイスに電力を供給する超音波を受信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1A】
図1Aは、第2のインプランタブルデバイスと直接通信する第1のインプランタブルデバイスを有する例示的なネットワークを示す。情報の流れは、一方向または双方向であり得る。
【0043】
【
図1B】
図1Bは、第2のインプランタブルデバイスと無線通信する第1のインプランタブルデバイスを有するネットワークの例を示し、反復ニューラルネットワークを介した双方向通信を有する。
【0044】
【
図2A】
図2Aは、第1のインプランタブルデバイスと、中間デバイス(埋め込まれていてもよいし、外部にあってもよい)と、第2のインプランタブルデバイスと、を含むインプランタブルデバイスネットワークの実施形態を示す。第1のデバイスは中間デバイスに情報を無線通信し、中間デバイスは第2のデバイスに情報を無線通信する。
【0045】
【
図2B】
図2Bは、第1のインプランタブルデバイスと、中間デバイス(外部にあってもよいし、埋め込まれていてもよい)と、第2のインプランタブルデバイスとを含むインプランタブルデバイスネットワークの実施形態を示す。第1のデバイスは中間デバイスに情報を無線通信し、中間デバイスは第2のデバイスに情報を無線通信する。次いで、第2のデバイスは追加の情報で中間デバイスに無線で応答することができ、追加の情報は、任意選択で第1のデバイスに無線で送信される。
【0046】
【
図2C】
図2Cは、第1のインプランタブルデバイスと、中間デバイス(外部にあってもよいし、埋め込み可能であってもよい)と、第2のインプランタブルデバイスとを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。第1のデバイスは中間デバイスに情報を無線で通信し、中間デバイスは第2ののデバイスに情報を無線で通信する。次に、第2のデバイスは、第1のデバイスに無線で送信される追加情報で、中間デバイスに無線で応答することができる。
【0047】
【
図3A】
図3Aは、それぞれが情報を別のインプランタブルデバイスに無線通信し、任意選択で元のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上に情報を送り返すことができる、2つ以上のインプランタブルデバイスを有するネットワークを示す。
【0048】
【
図3B】
図3Bは、双方向通信を介して無線通信するように構成された第1のセットのインプランタブルデバイスと第2のセットのインプランタブルデバイスとを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。
【0049】
【
図4A】
図4Aは、2つ以上のインプランタブルデバイスのセット、中間デバイス、および別のインプランタブルデバイスを有するデバイスネットワークを図示する。インプランタブルデバイスのセットは情報を中間デバイスに無線で通信し、中間デバイスは、情報を他のインプランタブルデバイスに無線で通信する。
【0050】
【
図4B】
図4Bは、双方向通信を介して無線で通信するように構成された、第1のセットのインプランタブルデバイスと、中間デバイスと、第2のセットのインプランタブルデバイス(図示されるような単一のインプランタブルデバイスを含むが、追加のインプランタブルデバイスを含むことができる)とを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。
【0051】
【
図5A】
図5Aは、2つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットと、2つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットとを有するデバイスネットワークを示す。第1のセット内のインプランタブルデバイスは、第2のセット内のインプランタブルデバイスに情報を無線で通信する。任意選択で、第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスは、第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに追加情報を無線で通信する。
【0052】
【
図5B】
図5Bは、双方向通信を介して無線通信するように構成された第1のセットのインプランタブルデバイスと第2のセットのインプランタブルデバイスとを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。
【0053】
【
図6A】
図6Aは、2つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットと、中間デバイスと、2つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットとを有するデバイスネットワークを示す。第1のセットのインプランタブルデバイスは中間デバイスに情報を無線で通信し、中間デバイスは、第2のセットのインプランタブルデバイスに情報を無線で通信する。
【0054】
【
図6B】
図6Bは、双方向通信を使用して中間デバイスを介して無線通信するように構成された、第1のセットのインプランタブルデバイスと第2のセットのインプランタブルデバイスとを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。
【0055】
【
図7】
図7は、超音波トランスデューサ、バッテリおよび/または電力回路、調節回路、制御回路、検出および/または刺激回路、および不揮発性メモリを含むことができる、本明細書で説明されるインプランタブルデバイスのための例示的な本体の概略図を示す。
【0056】
【
図8】
図8は、超音波を介して第1のセットからの1つ以上のインプランタブルデバイスおよび/または第2のセットからの1つ以上のインプランタブルデバイスと無線で通信することができる例示的な中間デバイスの概略図を示す。中間デバイスは能動的に超音波を送信し、インプランタブルデバイスは超音波を後方散乱(バックスキャッタ)し、超音波後方散乱波の情報をエンコードすることができる。
【0057】
【
図9A】
図9Aは、超音波を介して第2のインプランタブルデバイスと無線通信する第1のインプランタブルデバイスを示す図である。
【0058】
【
図9B】
図9Bは、超音波を介して中間デバイスと無線通信するインプランタブルデバイスを示す図である。
【0059】
【
図10】
図10は、単一コンポーネント又はマルチコンポーネント検出信号に基づいて電気パルスを放射するための例示的なプロセスを示す図である。検出信号(D)は、1つ以上のインプランタブルデバイスによって得られるトリガ信号(T)を生成するために解析される。トリガ信号を使用して、インプランタブルデバイスは刺激信号(S)を取得することができ、刺激信号は、電気パルス(P)を標的神経に放出するように刺激信号を操作するために使用され、それによって、標的神経の神経活動を調節する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本明細書では、神経活動を調節するためのインプランタブルデバイスおよびインプランタブルデバイスのネットワークについて説明する。さらに、このようなインプランタブルデバイスを使用する方法、および神経活動を調節するためのインプランタブルデバイスのネットワークが記載される。インプランタブルデバイスのネットワークは検出信号(例えば、1つ以上の電気生理学的信号および/または1つ以上の生理学的状態)を検出する1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットと、検出信号に関連する情報に基づいて神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することができる1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットとを含む。ネットワークのいくつかの実施形態において、第2のセットにおけるインプランタブルデバイスのうちの1つ以上は検出信号を検出するように構成することができ、検出信号に関連する情報は別個のインプランタブルデバイスに送信され、第2の検出信号に関連する情報を受信し、第2の検出信号に関連する情報に基づいて電気パルスを放出する。第2のセットのインプランタブルデバイスによって放出される検出信号および/または電気パルスに関連する情報は任意選択で、中間デバイスに、または第1のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスに無線で送り返すことができる。第1のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスによって情報が受信されると、第1のセットのインプランタブルデバイスは、この追加情報に基づいて別の電気パルスを発してもよい。ネットワークは、サブジェクト(対象)の1つ以上の神経による神経活動を調節するように動作し続けることができる。
【0061】
インプランタブルデバイスは、対象全体の異なる位置に埋め込むことができる。検出信号に関連する情報を異なるインプランタブルデバイスに送信し、その情報に基づいて電気パルスを放出することによって、電気パルスを使用して、1つ以上の異なる位置で検出された情報(たとえば、検出信号)に少なくとも基づいて位置で神経活動を調節することができる。このネットワークは、特定の神経による神経活動の調節が全身性または遠位性の効果を有し得、全身性または遠位性の状態が所望の効果を得るために神経がどのように調節されるべきかに影響を及ぼし得るため、特に有用である。
【0062】
本明細書で説明するネットワークはフィードフォワードニューラルネットワーク構成、または反復ニューラルネットワーク構成(例えば、ホップフィールドネットワーク)で動作することができる。フィードフォワードニューラルネットワークでは、インプランタブルデバイスの第1のセットに基づく情報(例えば、検出信号)が少なくとも検出信号に関連する情報に基づいて神経活動を調節するように構成された電気パルスを放出するインプランタブルデバイスの第2のセットに(例えば、1つ以上の中間デバイスを介して、直接的または間接的に)送信される。第2のセットのインプランタブルデバイスは例えば、(第2のセットのインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって検出され得る)追加の検出信号に関連する情報、または(第2のセットのインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって放出され得る)1つ以上の以前に放出された電気パルスに関連する情報を用いて、電気パルスを放出するために使用される情報をさらに補うことができる。例えば、フィードフォワード構成では、インプランタブルデバイス(例えば、「出力」インプランタブルデバイス)は別個のインプランタブルデバイス(例えば、「入力」インプランタブルデバイス)によって検出された情報、および任意選択で同じインプランタブルデバイス(「出力」インプランタブルデバイス)によって検出された情報に基づいて、電気パルスを放出することができる。
【0063】
反復ニューラルネットワーク(例えば、ホップフィールドネットワーク)に構成されたネットワークは、2組のインプランタブルデバイス間の双方向情報転送を含む。インプランタブルデバイスの第1のセットによって検出された検出信号に関連する情報は、インプランタブルデバイスの第2のセットに(直接的または間接的に)無線で送信される。第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスは第1のセットのインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報に基づいて電気パルスを放出することができる(ただし、必ずしも放出する必要はない)。第2のセット内のインプランタブルデバイスのうちの少なくとも1つは、第2のセット内の少なくとも1つのインプランタブルデバイスから第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに追加情報を(直接または間接に)無線で送信することができ、1つ以上のインプランタブルデバイスは受信された追加情報に基づいて電気パルスを放出することができる(しかし、必ずしも放出する必要はない)。このような追加情報は、インプランタブル装置の第2のセットによって検出される検出信号、またはトリガ信号または放出される電気パルスに関連する情報を含むことができる。インプランタブルデバイスは、受信された情報に基づいて更新される動的状態を含むことができる。したがって、第1のセット内のインプランタブルデバイスの状態はインプランタブルデバイスの第2のセットから受信された情報に基づいて更新することができ、また、インプランタブルデバイスによって検出された、または第1のセット内の1つ以上の他のインプランタブルデバイスから受信された情報に基づいて更新することもできる。更新された動的状態に基づいて、インプランタブルデバイスは、神経の神経活動を調節する電気パルスを放出することができる。ネットワーク内の他のインプランタブルデバイス(すなわち、第1のセットおよび/または第2のセット内のインプランタブルデバイス)を更新することができ、更新された状態に基づいて電気パルスを放出することができる。
【0064】
ネットワーク内の2つ以上のインプランタブルデバイスは、検出信号に関連する情報を無線で送信または受信することができる。情報は第1のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスから第2のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスに直接通信されてもよく、または情報は埋め込まれても外部にあってもよい1つ以上の中間デバイスを介して通信されてもよい。1つ以上の中間デバイスは情報を伝搬するためのリレーとして働くことができ(「リレー」デバイスと呼ばれる)、または、受信された情報を解析し、解析された情報を送信することができる。
【0065】
1つ以上のインプランタブルデバイスは(第1のセットおよび/または1つ以上の中間デバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスによって任意選択で事前解析される)検出信号に関連する情報を無線で受信し、デバイスは、検出信号に関連する情報に基づいて神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスが検出信号に関連する受信情報を解析する。検出信号に関連する情報を解析することは、検出信号に基づいてトリガ信号を生成することを含むことができる。トリガ信号は、電気パルスを駆動する刺激信号が生成されるべきであること(または生成されるべき刺激信号の1つ以上の特性)を示すことができる。またはトリガ信号がヌル信号である可能性があり、これは電気パルスが発せられてはならないことを示す。いくつかの実施形態では、トリガ信号がインプランタブルデバイスの動的状態であり、インプランタブルデバイスによって受信または検出された情報に基づいて更新することができる。検出信号に関連する情報は患者の身体内の1つ以上の位置からの、電気生理学的信号または生理学的状態などの1つ以上の入力特徴を含むことができる(位置の数はネットワーク内のインプランタブルデバイスの数に依存する)。機械学習アルゴリズムを使用して、検出信号に関連する情報を解析し、トリガ信号を生成することができる。トリガ信号はインプランタブルデバイスが標的神経の神経活動を調節するために、1つ以上の電気パルスを放出するかどうか、放出するとき、または放出する方法についての命令を提供する。
【0066】
ネットワークは第1のセットのデバイス内にN個のインプランタブルデバイスと、第2のセットのインプランタブルデバイス内にM個のインプランタブルデバイスとを含むことができ、ここで、NおよびMは1つ以上であり、同じであっても異なっていてもよい(ただし、少なくとも1つのインプランタブルデバイスは、両方のセットのインプランタブルデバイス内にはない)。M個のインプランタブルデバイスは、N個(又はそれ以下)のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に基づいて、1つ以上の電気パルスを放射することができる。例えば、いくつかの実施形態では第1のセット内の1、2、3、4、5、またはそれ以上のインプランタブルデバイスはそれぞれ、検出信号の構成要素を検出することができ、第1のセット内のインプランタブルデバイスからの検出信号に関連する情報は第2のセット内の1、2、3、4、5、またはそれ以上のインプランタブルデバイスに無線で送信され、第2のセット内の1つまたはそれ以上のインプランタブルデバイスは1つまたはそれ以上の電気パルスを放出することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、神経活動を調節するためのネットワークは、(a) 神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を含む検出信号を検出するためのセンサと、 超音波を能動的に送信または後方散乱するように構成された超音波トランスデューサであって、超音波は検出信号に関連する情報を符号化する、超音波トランスデューサと、 センサおよび超音波トランスデューサに電気的に結合された制御回路と、を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、(b) 標的神経に電気パルスを放出するように構成された複数の電極と、検出信号に関連する情報を符号化する超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサと、 超音波から検出信号に関連する情報を抽出し、検出信号に関連する情報に基づいて複数の電極を動作させて電気パルスを放出させるように構成された制御回路と、を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、を備え、ここで、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット中の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成される。
【0068】
情報は、超音波通信などの任意の適切な技術を介して無線で送信または受信することができる。超音波通信のための例示的な方法は、米国特許出願公開第2018/0085605号、国際公開第2018/009908号、国際公開第2018/009910号、国際公開第2018/009911号、および国際公開第2018/009912号に記載されている。例えば、インプランタブルデバイスは他のデバイスによって受信された情報を符号化する超音波を能動的に送信する(すなわち、生成する)ことによって、またはデバイスによって受信された超音波を後方散乱させることによって、情報を送信することができ、ここで、超音波の後方散乱波は、情報を符号化する。
【0069】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスネットワークを使用して神経活動を調節する方法は、(a)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出することと、(b)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、検出信号に関連する情報を無線で送信することと、(c)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、検出信号に関連する情報を無線で受信することと、(d)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、検出信号に関連する受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定することと、を含む。この方法は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上の電気パルスを放出することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、方法はさらに、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で送信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で受信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報に少なくとも基づいて、1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することと、を含む。
【0070】
<定義>
本明細書で使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は文脈が明らかに沿わないことを指示しない限り、複数の参照を含む。
【0071】
ここで、「約」または「ほぼ」という値またはパラメータへの言及はその値またはパラメータ自体に向けられたバリエーションを含み(かつ記述し)、例えば、「約X」を指す記述は、「X」の記述を含む。
【0072】
デバイスから送信または発信される「能動的に送信される」超音波は、そのデバイスによって生成され、そのデバイスから発信される超音波を指す。デバイスは、デバイスから放射される能動的に伝達される超音波内の情報を符号化することができる。
【0073】
「後方散乱(バックスキャッタ)」超音波とは、デバイスで受信し、デバイスで反射した超音波をいう。反射した超音波を「超音波の後方散乱波」と呼ぶことができ、デバイスは、超音波がデバイスで反射されたときの超音波後方散乱波に情報を符号化することができる。従って、超音波後方散乱波によって情報を伝送することができる。
【0074】
本明細書に記載される本発明の態様および変形は、「からなる」および/または「本質的にからなる」態様および変形を含むことが理解される。
【0075】
「インプランタブル」および「埋め込まれた」という用語は対象のどの部分も対象の表面を破らないように、対象に完全に埋め込まれているか、または完全に埋め込まれている対象を指す。埋め込み可能であるとして本明細書に記載される任意のデバイスは、対象に埋め込まれ得る。
【0076】
「入力インプランタブルデバイス」は検出信号を検出するように構成されたインプランタブルデバイスを指し、「出力インプランタブルデバイス」は、少なくとも検出信号に関連する情報に基づいて電気パルスを放出するように構成されたインプランタブルデバイスを指す。出力インプランタブルデバイスは任意選択で、追加の検出信号を検出することができ、放出された電気パルスは、1つ以上の入力デバイスからの検出信号に関連する情報と、追加の検出信号に関連する情報とに基づくことができる。
【0077】
本明細書で使用される「生理学的状態」という用語は生理学的環境内で推定または測定される生理学的状態、またはパラメータもしくは値を指し、したがって、「生理学的状態」は体温、pH、pOOOA、心拍数、検体の存在、検体の量、歪み、または生理学的環境内で測定される任意の他の値を含むことができる。
【0078】
「インプランタブルデバイスのセット」は1つ以上のインプランタブルデバイスを指し、「インプランタブルデバイスの第1のセット」および「インプランタブルデバイスの第2のセット」は少なくともインプランタブルデバイスの第1のセットおよびインプランタブルデバイスの第2のセットが同一でない限り、重複し得る。
【0079】
「実質的に」という用語は、70%以上を指す。例えば、神経の断面を実質的に取り囲む湾曲部材は、神経の断面の70%以上を取り囲む湾曲部材を指す。
【0080】
用語「対象」および「患者」は、本明細書において、脊椎動物を指すために互換的に使用される。
【0081】
用語「処置する」、「処置すること」、および「処置」は、本明細書中で同義的に使用され、少なくとも1つの症状の軽減、阻害、抑制、または排除による状態の改善、疾患または状態の進行の遅延、疾患または状態の再発の遅延、または疾患または状態の阻害を含む、疾患状態または状態に罹患した対象に利益を提供する任意のアクションをいう。
【0082】
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載または介在値は、本開示の範囲内に包含されることが理解されるべきである。記載された範囲が上限または下限を含む場合、それらのいずれかを除外する範囲もまた、本開示に含まれる。
【0083】
本明細書で説明される様々な実施形態の特性のうちの1つ、いくつか、またはすべてを組み合わせて、本発明の他の実施形態を形成することができることを理解されたい。本明細書で使用される項目見出しは、構成的な目的のためでしかなく、説明される主題を限定すると解釈すべきではない。
【0084】
「実施形態」に関連して上述した特徴および選好は別個の選好であり、その特定の実施形態のみに限定されるものではなく、技術的に実現可能な他の実施形態からの特徴と自由に組み合わせることができ、特徴の好ましい組み合わせを形成することができる。この説明は当業者が本発明を実施し、使用することを可能にするために提示され、特許出願およびその要件の文脈で提供される。記載された実施形態に対する種々の変形は当業者に容易に明らかであり、本明細書の一般的な原理は、他の実施形態に適用されてもよい。したがって、本発明は、示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0085】
<デバイスネットワーク>
インプランタブルデバイスネットワークは、1つ以上の電気生理学的信号または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出するように構成された第1のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスと、検出信号に関連する情報に少なくとも基づいて神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するように構成された第2のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスとを含む。第1のセットのインプランタブルデバイスによって送信される情報はまた、第1のセットの中の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態に関連する情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイスネットワークが1つ以上の中間デバイスを含むことができ、中間デバイスは1つ以上のインプランタブルデバイス間の情報のリレーとして機能することができ、または検出信号が第2のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスに送信される前に、検出信号に関連する情報を解析および/または処理することができる。いくつかの実施形態では第2のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスが電気生理学的信号および/または生理学的状態を含む追加の検出信号を検出し、1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される1つ以上の電気パルスは追加の検出信号にさらに基づくことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが被写体に埋め込まれる。対象は例えば、哺乳動物であり得る。いくつかの実施形態では、対象はヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、サル、またはげっ歯類(ラットまたはマウスなど)である。好ましくは、対象はヒトである。
【0087】
図1Aは矢印106によって示されるように、第2のインプランタブルデバイス104と直接通信する第1のインプランタブルデバイス102を有する例示的なネットワークを示す。第1のインプランタブルデバイス104は検出信号を検出し、検出信号に関連する情報を第2のインプランタブルデバイス104に無線で送信する。任意選択で、第1のインプランタブルデバイスは、第1のインプランタブルデバイス102の動的状態、第1のインプランタブルデバイス102の位置、または第1のインプランタブルデバイス102によって放出される電気パルスに関連する情報などの他の情報を第2のインプランタブルデバイスに送信する。第2のインプランタブルデバイス104が情報を受信すると、第2のインプランタブルデバイス104は、少なくとも検出信号に関連する情報、および任意選択で、第1のインプランタブルデバイス102によって送信される追加情報の一部またはすべてに基づいて、標的神経基底の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では第1のインプランタブルデバイス102が検出信号を解析して、第1のインプランタブルデバイス102のためのトリガ信号(例えば、第1のインプランタブルデバイス102の動的状態)または第2のインプランタブルデバイス104のためのトリガ信号を生成し、トリガ信号は第2のインプランタブルデバイス104に送信される。次いで、第2のインプランタブルデバイスはトリガ信号に基づいて神経の神経活動を調節するために、1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、第2のインプランタブルデバイス104が検出信号(および任意選択で、第1のインプランタブルデバイス102によって送信された追加の情報)に関連する情報を解析してトリガ信号を生成し、トリガ信号に基づいて神経の神経活動を調節するために1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では第2のインプランタブルデバイス104が(矢印108によって示されるように)追加の検出信号を検出し、第2のインプランタブルデバイス102は第1のインプランタブルデバイス102によって検出された検出信号および第2のインプランタブルデバイス104によって検出された検出信号に関連する情報を解析して、トリガ信号を生成する。
【0088】
図1Bは、第2のインプランタブルデバイス112と無線通信する第1のインプランタブルデバイス110と、反復ニューラルネットワークを介した双方向通信とを有するネットワークの一例を示す。第1のインプランタブルデバイス110は検出信号を検出し、矢印114によって示されるように、検出信号に関連する情報を第2のインプランタブルデバイス112に無線で送信する。任意選択で、第1のインプランタブルデバイスは、第1のインプランタブルデバイス110の動的状態、第1のインプランタブルデバイス110の位置、または第1のインプランタブルデバイス110によって放出される電気パルスに関連する情報などの他の情報を第2のインプランタブルデバイスに送信する。第2のインプランタブルデバイス112が情報を受信すると、第2のインプランタブルデバイス112は、少なくとも検出信号に関連する情報、および任意選択で、第1のインプランタブルデバイス110によって送信される追加情報の一部またはすべてに基づいて、標的の神経基材の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では第1のインプランタブルデバイス110が検出信号を解析して、第2のインプランタブルデバイス112のためのトリガ信号を生成し、トリガ信号は第2のインプランタブルデバイス112に送信される。次いで、第2のインプランタブルデバイス112はトリガ信号に基づいて神経の神経活動を調節するために、1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、第2のインプランタブルデバイス112が検出信号に関連する情報(および任意選択で、第1のインプランタブルデバイス110によって送信された追加の情報)を解析してトリガ信号を生成し、トリガ信号に基づいて神経の神経活動を調節するために1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、第2のインプランタブルデバイス112が(矢印116によって示されるように)追加の検出信号を検出し、第2のインプランタブルデバイス112は第1のインプランタブルデバイス112によって検出された検出信号および第2のインプランタブルデバイス114によって検出された検出信号に関連する情報を解析して、第2のインプランタブルデバイス112のためのトリガ信号(例えば、動的状態)を生成する。次いで、第2のインプランタブルデバイスは、トリガ信号に基づいて、またはトリガ信号に基づかないで、電気パルスを放出することができる。
【0089】
第2のインプランタブルデバイス112は矢印118によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス110に情報を無線で送り返すことができる。第2のインプランタブルデバイス112によって第1のインプランタブルデバイス110に送信される情報は第2のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号、第2のインプランタブルデバイス112によって放出された電気パルスに関連する情報、または第2のインプランタブルデバイスの動的状態に関連する情報(例えば、第2のインプランタブルデバイス112によって生成されたトリガ信号)を含むことができる。第2のインプランタブルデバイス112の動的状態は、第1のインプランタブルデバイス112から受信された情報および/または第2のインプランタブルデバイス112によって検出された検出信号に基づいて更新されるので、第1のインプランタブルデバイス110の動的状態もまた、第2のインプランタブルデバイスから受信された情報に基づいて更新され得る。第1のインプランタブルデバイス110の動的状態は矢印120によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス110によって検出された検出信号(前述のように第2のインプランタブルデバイスに送信されたのと同じ検出信号情報であってもよく、または第1のインプランタブルデバイス110によって検出された新しい検出信号であってもよい)に基づいて、さらにまたは代替的に更新されてもよい。第1のインプランタブルデバイス110の動的状態が更新されると(すなわち、第1のインプランタブルデバイスに対してトリガ信号が生成されると)、第1のインプランタブルデバイス110は、第1のインプランタブルデバイスがそのように構成される場合、トリガ信号に基づいて神経活動を調節する(または調節しない)ために電気パルスを放出することができる。
【0090】
第1のインプランタブルデバイスおよび第2のインプランタブルデバイスは
図1A~1Bに示されるように、直接通信することができ、または
図2A~2Bに示されるように、1つ以上の中間デバイスを介して通信することができる。中間デバイスは中間デバイスが本明細書に記載されるように機能的に構成される限り、第1または第2のインプランタブルデバイスと同じ種類の装置であってもよく、または異なる種類の装置であってもよい。
図2Aは、第1のインプランタブルデバイス202、中間デバイス204、および第2のインプランタブルデバイス206を含む、インプランタブルデバイスネットワークの実施形態を図示する。第1のインプランタブルデバイス202は矢印206によって示されるように、検出信号を検出し、検出信号に関連する情報を中間デバイス204に無線で送信する。第1のインプランタブルデバイス202によって送信される情報は、第1のインプランタブルデバイス202の動的状態、第1のインプランタブルデバイス202の位置、または第1のインプランタブルデバイス202によって放出される電気パルスに関する情報など、追加の情報を含むことができる。中間デバイス204は矢印210によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス202から検出信号に関連する情報(および、任意選択で、第1のインプランタブルデバイスによって送信される他の情報)を受信し、検出信号に関連する情報を第2のインプランタブルデバイス208に送信する。第2のインプランタブルデバイス208が検出信号に関連する情報を受信すると、第2のインプランタブルデバイス208は、情報に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。
図2Aは単一の中間デバイス204を示すが、1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の中間デバイスがネットワークによって使用され得ることが企図される。すなわち、第1の中間デバイスは検出信号に関する情報を受信することができ、第1の中間デバイスは、検出信号に関する情報を第2の中間デバイスに送信することができる。次いで、第2の中間デバイスは情報を第2のセットのインプランタブルデバイスに、または第3の中間デバイスに送信することができる。いくつかの実施形態では第1のインプランタブルデバイス202が検出信号を解析して、第2のインプランタブルデバイス208のためのトリガ信号を生成し、このトリガ信号は中間デバイス204に送信される。次いで、中間デバイス204は、第1のインプランタブルデバイス202から受信したトリガ信号を第2のインプランタブルデバイス208に送信するためのリレーとして機能することができる。第2のインプランタブルデバイス208がトリガ信号を受信すると、第2のインプランタブルデバイス208は、標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる(またはトリガ信号がヌル信号である場合、放出しない)。いくつかの実施形態では、第1のインプランタブルデバイス202が中間デバイス204によって受信される検出信号(および任意選択で、デバイスの動的状態などの第1のインプランタブルデバイス202に関する追加情報)に関連する情報を無線で送信する。次いで、中間デバイス204は、検出信号に関連する情報を解析してトリガ信号を生成する第2のインプランタブルデバイス208に情報を無線で中継することができる。次いで、第2のインプランタブルデバイス208は、トリガ信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。任意選択で、第2のインプランタブルデバイス208は(矢印212によって示されるように)追加の検出信号を検出し、第2のインプランタブルデバイス208は、第1のインプランタブルデバイス202によって検出された検出信号および第2のインプランタブルデバイス208によって検出された検出信号に関連する情報を解析して、トリガ信号を生成する。一部の実施形態では、第1のインプランタブルデバイス202が検出信号に関する情報を含む情報を中間デバイス204に無線で送信し、その情報を解析して第2のインプランタブルデバイス208のトリガ信号を生成する。
【0091】
任意選択で、第2のインプランタブルデバイス208は追加の検出信号を検出し、追加の検出信号に関連する情報は
図2Bの矢印214によって示されるように、中間デバイス204に無線で送信され、中間デバイス204は、第1のインプランタブルデバイス202によって検出された検出信号に関連する情報と、第2のインプランタブルデバイス208によって検出された追加の検出信号に関連する情報とを解析して、トリガ信号を生成する(
図2Bを参照)。次いで、中間デバイス204は第2のインプランタブルデバイス208のトリガー信号を第2のインプランタブルデバイス208に無線で送信し、第2のインプランタブルデバイスは、トリガー信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する。
【0092】
図2Cは、双方向通信を介して無線通信するように構成された第1のインプランタブルデバイス、第2のインプランタブルデバイス、および中間デバイスを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。第1のインプランタブルデバイス202は矢印204によって示されるように、検出信号を検出し、検出信号に関連する情報を中間デバイス204に無線で送信する。任意選択で、第1のインプランタブルデバイスは、第1のインプランタブルデバイス202の動的状態、第1のインプランタブルデバイス202の位置、または第1のインプランタブルデバイス202によって放出される電気パルスに関連する情報などの他の情報を中間デバイス204に送信する。中間デバイス204は第1のインプランタブルデバイス202から情報を受信すると、矢印210で示すように、第2のインプランタブルデバイス208に情報を無線で送信する。第2のインプランタブルデバイス208が情報を受信すると、第2のインプランタブルデバイス208は、少なくとも検出信号に関連する情報、および任意選択で、第1のインプランタブルデバイス202によって送信される追加情報の一部またはすべてに基づいて、標的神経基底の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。
【0093】
さらに
図2Cを参照すると、いくつかの実施形態では第1のインプランタブルデバイス202が検出信号を解析して、第2のインプランタブルデバイス208のためのトリガ信号を生成し、トリガ信号は中間デバイス204を介して第2のインプランタブルデバイス208に送信される。次いで、第2のインプランタブルデバイス208はトリガ信号に基づいて神経の神経活動を調節するために、1つ以上の電気パルスを放出することができる。別の実施形態では、中間デバイス204が第1のインプランタブルデバイス202から情報を受信し、第2のインプランタブルデバイス208のためのトリガ信号を生成する。次いで、中間デバイス204は、受信したトリガ信号に基づいて電気パルスを放射する第2のインプランタブルデバイス208にトリガ信号を無線送信することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、第2のインプランタブルデバイス208が検出信号に関連する情報(および任意選択で、第1のインプランタブルデバイス202によって送信された追加の情報)を解析してトリガ信号を生成し、第2のインプランタブルデバイスによって生成されたトリガ信号に基づいて神経の神経活動を調節するために1つ以上の電気パルスを放出することができる。トリガ信号は、受信された情報に基づいて更新される、第2のインプランタブルデバイスの動的状態とすることができる。いくつかの実施形態では、第2のインプランタブルデバイス208が(矢印212によって示されるように)追加の検出信号を検出し、第2のインプランタブルデバイス208は第1のインプランタブルデバイス202によって検出された検出信号および第2のインプランタブルデバイス208によって検出された検出信号に関連する情報を解析して、第2のインプランタブルデバイス208のためのトリガ信号(例えば、動的状態)を生成する。次いで、第2のインプランタブルデバイスは、トリガ信号に基づいて(またはトリガ信号に基づかずに)電気パルスを放出することができる。
【0095】
第2のインプランタブルデバイス208は矢印214および矢印218によって示されるように、中間デバイス204を介して第1のインプランタブルデバイス202に情報を無線で送り返すことができる。第2のインプランタブルデバイス208によって第1のインプランタブルデバイス202に送信される情報は第2のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号、第2のインプランタブルデバイス208によって放出された電気パルスに関連する情報、または第2のインプランタブルデバイス208の動的状態に関連する情報(例えば、第2のインプランタブルデバイス208によって生成されたトリガ信号)を含むことができる。第2のインプランタブルデバイス208の動的状態は、第1のインプランタブルデバイス202から受信された情報および/または第2のインプランタブルデバイス208によって検出された検出信号に基づいて更新されるので、第1のインプランタブルデバイス202の動的状態もまた、第2のインプランタブルデバイス208から受信された情報に基づいて更新され得る。第1のインプランタブルデバイス202の動的状態は矢印220によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス202によって検出された検出信号(前述のように第2のインプランタブルデバイスに送信されたのと同じ検出信号情報であってもよく、または第1のインプランタブルデバイス202によって検出された新しい検出信号であってもよい)に基づいて、さらにまたは代替的に更新されてもよい。第1のインプランタブルデバイス202の動的状態が更新されると(すなわち、第1のインプランタブルデバイスに対してトリガ信号が生成されると)、第1のインプランタブルデバイス202は、第1のインプランタブルデバイスがそのように構成される場合、トリガ信号に基づいて神経活動を調節する(または調節しない)ために電気パルスを放出することができる。
【0096】
図3Aは第1のセット306に2つ以上のインプランタブルデバイス(例えば、302および304)を有し、第2のセット310に別のインプランタブルデバイス308を有するネットワークを示す。インプランタブルデバイス304は任意の数のインプランタブルデバイスがネットワークに含まれ得ることを示すために「インプランタブルデバイスN」として示され、ここで、Nは2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上)である。簡略化のために、以下では第1のセットのインプランタブルデバイスにおける2つのインプランタブルデバイスと、第2のセットの単一のインプランタブルデバイスとを参照してネットワークを説明するが、セットのインプランタブルデバイスの数を拡張することができることを理解されたい。第1のインプランタブルデバイス302は第1の検出信号を検出することができ、第2のインプランタブルデバイス304は、第2の検出信号を検出することができる。第1および第2の検出信号(または集合的に、検出信号)に関連する情報は第2のセット内の他のインプランタブルデバイス308に無線で送信される。任意選択で、第1または第2のインプランタブルデバイスの動的状態、第1または第2のインプランタブルデバイスの位置、および/または第1のセット306内の第1または第2のインプランタブルデバイスによって放出された1つ以上の電気パルスに関連する情報などの追加情報が、第2のセット310内のインプランタブルデバイス308に無線で送信される。第2のセット310内のインプランタブルデバイス308は第1のセット306内の第1のインプランタブルデバイス302および第2のインプランタブルデバイス304から受信した検出信号を解析して、(例えば、インプランタブルデバイスの状態を更新するために)トリガ信号を生成し、インプランタブルデバイス308は、トリガ信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。任意選択で、第2のセット310内のインプランタブルデバイス308は矢印312によって示されるように、追加の検出信号を検出し、インプランタブルデバイス308は、第1のセット308からの2つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号と、第2のセットのインプランタブルデバイス308によって検出された検出信号とに関連する情報を解析して、トリガ信号を生成する。
【0097】
図3Bは双方向通信を介して無線通信するように構成された、第1のセットのインプランタブルデバイスと、第2のセットのインプランタブルデバイス(図示されるような単一のインプランタブルデバイスを含むが、追加のインプランタブルデバイスを含むことができる)とを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。第1のセット306内のインプランタブルデバイス302および304は、検出信号に関連する情報を第2のセット310内のインプランタブルデバイス308に無線で送信する。任意選択で、インプランタブルデバイス302および304は、インプランタブルデバイスのうちの1つ以上の動的状態、インプランタブルデバイスのうちの1つ以上の位置、またはインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって放出される電気パルスなど、第1のセット306内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上に関する追加情報を無線で送信する。第2のセット310内のインプランタブルデバイス308が情報を受信すると、インプランタブルデバイス308は、少なくとも検出信号に関連する情報、および任意選択で、第1のセット306内のインプランタブルデバイスによって送信される追加情報の一部またはすべてに基づいて、標的の神経基材の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。第2のセット308内のインプランタブルデバイス308は検出信号(および任意選択で、インプランタブルデバイスの第1のセット306によって送信された追加情報の一部またはすべて)に関連する情報を解析して、トリガ信号を生成し(たとえば、デバイスの動的状態を更新する)、トリガ信号に基づいて(トリガ信号がヌル信号である場合、トリガ信号に基づかないで)神経の神経活動を調節するために1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、第2のセット310のインプランタブルデバイス308が(矢印312によって示されるように)追加の検出信号を検出し、インプランタブルデバイス308はインプランタブルデバイスの第1のセット306によって検出された検出信号(および任意選択で、デバイスの第1のセット306によって送信された追加の情報)に関連する情報と、第2のセットのインプランタブルデバイス308によって検出された検出信号とを解析して、第2のセット310のインプランタブルデバイス308のためのトリガ信号を生成する(たとえば、デバイスの動的状態を更新する)。次いで、インプランタブルデバイス308は、トリガ信号に基づいて、またはトリガ信号に基づかないで、電気パルスを放出することができる。
【0098】
インプランタブルデバイス308は、第1のセット306内のインプランタブルデバイス302および/または304に情報を無線で送り返すことができる。第2のセット310のインプランタブルデバイス308によってインプランタブルデバイスの第2のセット306に送信される情報は第2のセット310のインプランタブルデバイス308によって検出される検出信号、第2のセット310のインプランタブルデバイス308によって放出される電気パルスに関連する情報、または第2のセット310のインプランタブルデバイス308の動的状態に関連する情報(例えば、インプランタブルデバイスによって生成されるトリガ信号)を含むことができる。第1のセット306内のインプランタブルデバイスが第2のセット内のインプランタブルデバイス308から情報を受信すると、第1のセット306内のインプランタブルデバイス302および304の動的状態は、受信された情報に基づいて更新され得る。第1のセット306内の第1のインプランタブルデバイス302および第1のセット306内の第2のインプランタブルデバイス304の動的状態は矢印314および矢印316によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス302または第2のインプランタブルデバイス304によって検出された検出信号(前述のように第2のインプランタブルデバイスに送信されたのと同じ検出信号情報、または第1のセット306の第1または第2のインプランタブルデバイスによって検出された新しい検出信号とすることができる)に基づいて、さらにまたは代替的に更新することができる。いくつかの実施形態では第1のセット306内のインプランタブルデバイスがデバイス間で無線で通信して(例えば、インプランタブルデバイス302およびインプランタブルデバイス304は互いに無線で通信することができる)、デバイスの検出信号コンポーネントまたは動的状態などの追加情報を送信することができる。第1のセット306内の第1のインプランタブルデバイス302および/または第2のインプランタブルデバイス304の動的状態が更新されると(すなわち、第1のインプランタブルデバイスまたは第2のインプランタブルデバイスに対してトリガ信号が生成されると)、第1のインプランタブルデバイス302および/または第2のインプランタブルデバイス304は、第1のインプランタブルデバイスまたは第2のインプランタブルデバイスがそのように構成されている場合、トリガ信号に基づいて神経活動を調節する(または調節しない)ために電気パルスを放出することができる。
【0099】
図4Aはインプランタブルデバイスの第1のセット406に2つ以上のインプランタブルデバイス(例えば、402および404)、インプランタブルデバイスの第2のセット412に中間デバイス408、およびインプランタブルデバイス410を有するデバイスネットワークを示す。インプランタブルデバイス404は任意の数のインプランタブルデバイスがネットワークの第1のセットに含まれ得ることを示すために「インプランタブルデバイスN」として示され、ここで、Nは2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上)である。簡略化のために、以下では第1のセット406内の2つのインプランタブルデバイスを参照してネットワークを説明するが、第1のセット内のインプランタブルデバイスの数を拡張することができることを理解されたい。さらに、
図4Aは単一の中間デバイス408を示すが、1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の中間デバイスが、ネットワークによって使用され得ることが企図される。すなわち、第1の中間デバイスは検出信号に関する情報を受信することができ、第1の中間デバイスは、検出信号に関する情報を第2の中間デバイスに送信することができる。次いで、第2の中間デバイスは第2のセットのインプランタブルデバイス410に、または第3の中間デバイスに情報を送信することができる。第1のインプランタブルデバイス402は第1の検出信号を検出することができ、第2のインプランタブルデバイス404は第2の検出信号を検出することができ、第1および第2の検出信号(または集合的に、検出信号)に関連する情報は中間デバイス408に無線で送信される。第1のセット406内のインプランタブルデバイスによって送信される情報は、第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイス402または404の動的状態、第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイスの位置、または第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスに関する情報など、追加の情報を含むことができる。その後、中間デバイス408は検出信号に関連する情報(及び、任意に、第1セット内のインプランタブルデバイスによって送信された他の情報)を、第2セット412のインプランタブルデバイス410に無線的に伝送し、これは、受信した情報に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する。
【0100】
いくつかの実施形態では、中間デバイス408がインプランタブルデバイスの第1のセット406から情報を受信し、その情報を解析することなく送信することによって、第1のセット406内の2つ以上のインプランタブルデバイス(402および404)から受信した情報を第2のセット412内のインプランタブルデバイス410に無線で中継する。次いで、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410は検出信号に関連する情報を含む情報を受信し、その情報を解析してトリガ信号を生成する(例えば、インプランタブルデバイス410の動的状態を更新する)。任意選択で、インプランタブルデバイス410は追加の検出信号を検出し、インプランタブルデバイス410は矢印414によって示されるように、第1のセット406内の2つ以上のインプランタブルデバイス(402および404)によって検出された検出信号(ならびに任意選択で、インプランタブルデバイスの第1のセット406によって送信された追加の情報の一部またはすべて)および第2のセット412内のインプランタブルデバイス410によって検出された検出信号に関連する情報を解析して、トリガ信号を生成する(たとえば、動的状態を更新する)。インプランタブルデバイス410は、トリガ信号を生成すると、トリガ信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する(またはそのようなパルスを放出しない)ことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、中間デバイス408が2つ以上のインプランタブルデバイス(402および404)によって検出された検出信号に関連する情報を含む、インプランタブルデバイスの第1のセット406からの情報を受信し、検出信号に関連する情報を解析して、第2のセットのインプランタブルデバイス410のためのトリガ信号を生成し、第2のセット412のインプランタブルデバイス410にトリガ信号を無線で送信する。インプランタブルデバイス410は、トリガ信号を受信すると、トリガ信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する(またはそのようなパルスを放出しない)ことができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410が(矢印416によって示されるように)中間デバイス408に無線で送信される追加の検出信号(矢印414によって示されるように)を検出する。第2のセット412内のインプランタブルデバイス410は、任意選択で、インプランタブルデバイス410の動的状態、またはインプランタブルデバイス410の位置に関連する情報など、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410に関する追加情報を送信することができる。中間デバイス408は、第1のセット406内の2つ以上のインプランタブルデバイス(402および404)によって検出された検出信号に関連する情報(および任意選択で、インプランタブルデバイスの第1のセット406によって送信された追加情報の一部またはすべて)と、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410によって検出された追加検出信号に関連する情報を含む、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410によって送信された情報とを解析して、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410のためのトリガ信号を生成する。第2のセット412内のインプランタブルデバイス410がトリガ信号を受信すると、インプランタブルデバイス410は、トリガ信号に基づいて(またはトリガ信号がヌル信号である場合、トリガ信号に基づかないで)標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。
【0103】
図4Bは双方向通信を介して無線で通信するように構成された、第1のセットのインプランタブルデバイスと、中間デバイスと、第2のセットのインプランタブルデバイス(図示されるような単一のインプランタブルデバイスを含むが、追加のインプランタブルデバイスを含むことができる)とを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。第1のセット406内のインプランタブルデバイス402および404は、少なくとも検出信号に関連する情報を含む情報を中間デバイス408に無線で送信する。第1のセット406内のインプランタブルデバイスによって送信される情報は、第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイス402または404の動的状態、第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイスの位置、または第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスに関する情報など、追加の情報を含むことができる。その後、中間デバイス408は検出信号に関連する情報(及び、任意に、第1セット内のインプランタブルデバイスによって送信された他の情報)を、第2セット412のインプランタブルデバイス410に無線的に伝送し、これは、受信した情報に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する。
【0104】
中間デバイス408はインプランタブルデバイスの第1のセット406から情報を受信し、情報を解析することの有無にかかわらず、情報を第2のセット412内のインプランタブルデバイス410に無線で送信することによって、第1のセット406内の2つ以上のインプランタブルデバイス(402および404)から受信した情報を、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410に無線で中継することができる。次に、第2のセット412内のインプランタブルデバイス410は検出信号に関連する情報(および任意選択で、第1のセット406内のインプランタブルデバイスによって送信された追加情報)を含む情報を受信し、情報が中間デバイス408によって事前に解析されていなかった場合、その情報を解析して、トリガ信号を生成する(たとえば、インプランタブルデバイス410の動的状態を更新する)。任意選択で、インプランタブルデバイス410は追加の検出信号を検出し、インプランタブルデバイス410は矢印414によって示されるように、第1のセット406内の2つ以上のインプランタブルデバイス(402および404)によって検出された検出信号(ならびに任意選択で、インプランタブルデバイスの第1のセット406によって送信された追加の情報の一部またはすべて)および第2のセット412内のインプランタブルデバイス410によって検出された検出信号に関連する情報を解析して、トリガ信号を生成する(たとえば、動的状態を更新する)。インプランタブルデバイス410は、トリガ信号を生成すると、トリガ信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する(またはそのようなパルスを放出しない)ことができる。
【0105】
第2のセット412のインプランタブルデバイス410は情報を無線で中間デバイス408に戻すことができ、これは、インプランタブルデバイス410からの情報を解析し、および/または情報を第1のセット406内のインプランタブルデバイス402および/または404に中継することができる。第2のセット412のインプランタブルデバイス408によって中間デバイスに送信される情報は第2のセット412のインプランタブルデバイス410によって検出される検出信号、第2のセット412のインプランタブルデバイス410によって放出される電気パルスに関連する情報、または第2のセット412のインプランタブルデバイス410の動的状態に関連する情報(例えば、インプランタブルデバイスによって生成されるトリガ信号)を含むことができる。中間デバイス408は受信した情報を解析して、第1のセット406内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上についてのトリガ信号(例えば、更新された動的状態)を生成することができる。または、中間デバイス408が第1のセット406内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上に情報を中継することができる。第1のセット406内のインプランタブルデバイスが中間デバイスから情報を受信すると、第1のセット406内のインプランタブルデバイス402および404の動的状態は、受信された情報に基づいて更新され得る。第1のセット406内の第1のインプランタブルデバイス402および第1のセット406内の第2のインプランタブルデバイス404の動的状態は矢印418および矢印420によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス402または第2のインプランタブルデバイス404によって検出された検出信号(これは、第2のセット412に送信された同じ検出信号情報であってもよいし、または第1のセット406の第1または第2のインプランタブルデバイスによって検出された新しい検出信号であってもよい)に基づいて、同様にまたは代替的に更新されてもよい。いくつかの実施形態では第1のセット406内のインプランタブルデバイスがデバイス間で無線で通信して(例えば、インプランタブルデバイス402およびインプランタブルデバイス404は互いに無線で通信することができる)、デバイスの検出信号コンポーネントまたは動的状態などの追加情報を送信することができる。第1のセット406内の第1のインプランタブルデバイス402および/または第2のインプランタブルデバイス404の動的状態が更新されると(すなわち、第1のインプランタブルデバイスに対してトリガ信号が生成されると)、第1のインプランタブルデバイス402および/または第2のインプランタブルデバイスは、第1のインプランタブルデバイスまたは第2のインプランタブルデバイスがそうするように構成されている場合、トリガ信号に基づいて神経活動を調節する(または調節しない)ために電気パルスを放出することができる。
【0106】
図5Aは第1のセット506内の2つ以上のインプランタブルデバイス(例えば、502および504)と、第2のセット内の2つ以上のインプランタブルデバイス(例えば、508および510)とを有するデバイスネットワークを示し、第1のセット506内のインプランタブルデバイスは、第2のセット512内のインプランタブルデバイスと直接通信する。インプランタブルデバイス504は任意の数のインプランタブルデバイスがネットワークの第1のセット506に含まれ得ることを示すために「インプランタブルデバイスN」として示され、ここで、Nは2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)であり、同様に、インプランタブルデバイス510は任意の数のインプランタブルデバイスがネットワークの第2のセット512に含まれ得ることを示すために「インプランタブルデバイスM」として示され、ここで、Mは2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)である。簡略化のために、以下では第1のセット506の2つのインプランタブルデバイス、および第2のセット512の2つのインプランタブルデバイスを参照してネットワークを説明するが、一方または両方のセットのインプランタブルデバイスの数を拡張することができることを理解されたい。第1のセット506内の第1のインプランタブルデバイス502は第1の検出信号を検出し、第1のセット506内の第2のインプランタブルデバイス504は、第2の検出信号を検出する。第1および第2の検出信号(集合的に、検出信号)に関連する情報は第1および第2のインプランタブルデバイス(502および504)から無線で送信され、その情報は第2のセット512の第1のインプランタブルデバイス508および第2のセット512の第2のインプランタブルデバイス510によって受信される。第1のセット506内のインプランタブルデバイスによって送信される情報は、任意選択で、第1のセット506内の1つ以上のインプランタブルデバイス502または504の動的状態、第1のセット506内の1つ以上のインプランタブルデバイスの位置、または第1のセット506内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスに関する情報など、追加の情報を含むことができる。第2のセット512内の第1のインプランタブルデバイス508は第1のセット506内のインプランタブルデバイスによって受信された情報を解析することができ、第2のセット内の第1のインプランタブルデバイス508のためのトリガ信号を生成する(例えば、動的状態を更新する)ことができる。次いで、第2のセット512内の第1のインプランタブルデバイス508は検出信号に関連する情報に基づいて(すなわち、生成されたトリガ信号に基づいて)、第1の神経位置の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出する(または放出しない)ことができる。同様に、第2のインプランタブルデバイス508は第1のセット506内のインプランタブルデバイスから受信された情報を解析することができ、第2のセット内の第2のインプランタブルデバイス510のためのトリガ信号を生成する(例えば、動的状態を更新する)ことができる。次いで、第2のセット512内の第2のインプランタブルデバイス510は検出信号に関連する情報に基づいて(すなわち、生成されたトリガ信号に基づいて)、第2の神経位置の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出する(または放出しない)ことができる。異なるインプランタブルデバイスが異なる神経位置を標的とするため、第2のセット内の異なるインプランタブルデバイスから放出される電気パルスは、検出信号に関連する情報を含む同じ情報を第1のセット506から受信し得るとしても、同じであっても異なっていてもよい。任意選択で、第2のセット512からの第1のインプランタブルデバイス508は(矢印514によって示されるように)追加の検出信号を検出し、第1のインプランタブルデバイス508は(例えば、第2のインプランタブルデバイス508の動的状態を更新するために)トリガ信号を生成するために、インプランタブルデバイスの第1のセット506からの情報と、第2のセット512の第1のインプランタブルデバイス508によって検出された検出信号に関連する情報(および任意選択で、第2のセット512の第1のインプランタブルデバイス508の動的状態などの追加の情報)とを解析する。任意選択的に、または追加的に、第2のインプランタブルデバイス510は(矢印516によって示されるように)追加の検出信号を検出し、第2のインプランタブルデバイス510は第1のセット506の2つ以上のインプランタブルデバイス(502および504)からの情報と、第2のセット512の第2のインプランタブルデバイス510によって検出された検出信号に関連する情報(および任意選択的に、第2のセット512の第2のインプランタブルデバイス510の動的状態などの追加情報)とを解析して、第2のセット512のインプランタブルデバイス510のためのトリガ信号を生成する。
【0107】
図5Bは、双方向通信を介して無線通信するように構成された第1のセットのインプランタブルデバイスと第2のセットのインプランタブルデバイスとを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。第1のセット506内のインプランタブルデバイス502および504は、検出信号に関連する情報を、第2のセット512内のインプランタブルデバイス508およびインプランタブルデバイス510に無線で送信する。任意選択で、インプランタブルデバイス502および/または504は、インプランタブルデバイスのうちの1つ以上の動的状態、インプランタブルデバイスのうちの1つ以上の位置、または第1のセット506内のインプランタブルデバイスのうちの1つまたは複数によって放出される電気パルスなど、第1のセット506内のインプランタブルデバイスのうちの1つまたは複数に関する追加情報を無線で送信する。第2のセット512内のインプランタブルデバイスが情報を受信すると、インプランタブルデバイス508および/または510は、少なくとも検出信号に関連する情報、および任意選択で、第1のセット506内のインプランタブルデバイスによって送信される追加情報の一部またはすべてに基づいて、標的神経基底の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する(または放出しない)ことができる。第2のセット512内のインプランタブルデバイスは検出信号(および任意選択で、インプランタブルデバイスの第1のセット506によって送信された追加情報の一部またはすべて)に関連する情報を解析して、トリガ信号を生成し(たとえば、デバイスの動的状態を更新する)、トリガ信号に基づいて(またはトリガ信号がヌル信号である場合、トリガ信号に基づかないで)神経の神経活動を調節するために1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、第2のセット512のインプランタブルデバイス508が(矢印514によって示されるように)追加の検出信号を検出し、インプランタブルデバイス508はインプランタブルデバイスの第1のセット506によって検出された検出信号(および任意選択で、デバイスの第1のセット506によって送信された追加の情報)に関連する情報と、第2のセット512のインプランタブルデバイス508によって検出された検出信号とを解析して、第2のセット510のインプランタブルデバイス508のためのトリガ信号を生成する(たとえば、デバイスの動的状態を更新する)。任意選択で、第2のセット512のインプランタブルデバイス508はインプランタブルデバイス508、または第2のセット512内の別のインプランタブルデバイス(例えば、510)の位置または動的状態などの追加情報に基づいて、トリガ信号を生成する(例えば、デバイスの動的状態を更新する)ことができる。例えば、第2のセット512内の第2のインプランタブルデバイス510は、第2のセット512内の第1のインプランタブルデバイス508と無線で通信して、情報を無線で送信することができる。次いで、インプランタブルデバイス508は、トリガ信号に基づいて、またはトリガ信号に基づかないで電気パルスを放出することができる。第2のセット512内の第2のインプランタブルデバイス510は第2のセット内の第1のインプランタブルデバイス508と同様に動作することができ、第1のセット506内の1つ以上のインプランタブルデバイス、第2のセット512内の1つ以上の他のデバイス、および/または第2のセット512内の第2のインプランタブルデバイス510によって検出された検出信号から受信された情報に基づいて生成されたトリガ信号(たとえば、更新された動的状態)に基づいて電気パルスを放出する(または電気パルスを放出しない)ことができる。
【0108】
第2のセット512内のインプランタブルデバイス508および/または510は、第1のセット506内のインプランタブルデバイス502および/または504に情報を無線で返信することができる。第2のセット512のインプランタブルデバイスによってインプランタブルデバイスの第1のセット506に送信される情報は第2のセット512のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって検出される検出信号、第2のセット512のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって放出される電気パルスに関連する情報、または第2のセット512の中のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上の動的状態に関連する情報(たとえば、インプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって生成されるトリガ信号)を含むことができる。第1のセット506内のインプランタブルデバイスが第2のセット512内のインプランタブルデバイスから情報を受信すると、第1のセット506内のインプランタブルデバイス502および504の動的状態は、受信された情報に基づいて更新され得る。第1のセット506内の第1のインプランタブルデバイス502および第1のセット506内の第2のインプランタブルデバイス504の動的状態は矢印518および矢印520によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス502または第2のインプランタブルデバイス504によって検出された検出信号(前述のように第2のインプランタブルデバイスに送信されたのと同じ検出信号情報、または第1のセット506の第1のインプランタブルデバイスまたは第2のインプランタブルデバイスによって検出された新しい検出信号とすることができる)に基づいて、さらにまたは代替的に更新することができる。いくつかの実施形態では第1のセット506内のインプランタブルデバイスがデバイス間で無線で通信して(例えば、インプランタブルデバイス502およびインプランタブルデバイス504は互いに無線で通信することができる)、デバイスの検出信号コンポーネントまたは動的状態などの追加情報を送信することができる。第1のセット506内の第1のインプランタブルデバイス502および/または第2のインプランタブルデバイス504の動的状態が更新されると(すなわち、第1または第2のインプランタブルデバイスに対してトリガ信号が生成されると)、第1のインプランタブルデバイス502および/または第2のインプランタブルデバイス504は、第1のインプランタブルデバイスまたは第2のインプランタブルデバイスがそのように構成されている場合、トリガ信号に基づいて神経活動を調節する(または調節しない)ために電気パルスを放出することができる。
【0109】
図6Aはインプランタブルデバイスの第1のセット606に2つ以上のインプランタブルデバイス(例えば、602および604)、中間デバイス608、およびインプランタブルデバイスの第2のセット614に2つ以上のインプランタブルデバイス(例えば、610および612)を有するデバイスネットワークを示す。インプランタブルデバイス604は任意の数のインプランタブルデバイスがネットワークの第1のセット606に含まれ得ることを示すために「インプランタブルデバイスN」として示され、ここで、Nは2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)であり、同様に、インプランタブルデバイス612は任意の数のインプランタブルデバイスがネットワークの第2のセット614に含まれ得ることを示すために「インプランタブルデバイスM」として示され、ここで、Mは2以上(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)である。簡略化のために、以下では第1のセット606内の2つのインプランタブルデバイスおよび第2のセット614内の2つのインプランタブルデバイスを参照してネットワークを説明するが、第1のセット606または第2のセット614内のインプランタブルデバイスの数を拡張できることを理解されたい。さらに、
図6Aは単一の中間デバイス608を示すが、1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の中間デバイスが、ネットワークによって使用され得ることが企図される。すなわち、第1の中間デバイスは検出信号に関する情報を受信することができ、第1の中間デバイスは、検出信号に関する情報を第2の中間デバイスに送信することができる。次いで、第2の中間デバイスは情報を2つ以上のインプランタブルデバイスに、または第3の中間デバイスに送信することができる。
【0110】
第1のセット606の第1のインプランタブルデバイス602は第1の検出信号を検出し、第1のセット606の第2のインプランタブルデバイス604は、第2の検出信号を検出する。第1の検出信号に関する情報および第2の検出信号に関する情報(総称して、検出信号)は、第1のセット606の2つ以上のインプランタブルデバイス(602および604)から無線送信され、その情報は中間デバイス608によって受信される。第1のセット606内のインプランタブルデバイスによって送信される情報は、第1のセット606内の1つ以上のインプランタブルデバイス602または604の動的状態、第1のセット606内の1つ以上のインプランタブルデバイスの位置、または第1のセット606内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスに関する情報など、追加の情報を含むことができる。次いで、中間デバイス608は中間デバイスから検出信号に関連する情報(および任意選択で、第1のセット606内のインプランタブルデバイスによって送信された他の情報の一部またはすべて)を送信し、情報は、第2のセット614内の第1のインプランタブルデバイス610および第2のインプランタブルデバイス612によって無線で受信される。第1のインプランタブルデバイス610は検出信号に関連する情報を含む、受信された情報に基づいて第1の神経位置の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することができ、第2のインプランタブルデバイス612は、検出信号に関連する情報を含む、受信された情報に基づいて第2の神経位置の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、第2のセット614内の第1のインプランタブルデバイス610および/または第2のインプランタブルデバイス610が電気パルスを生成するための基礎として使用される情報に含まれ得る追加の検出信号を検出することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、中間デバイス608がリレーとして機能し、第1のセット606内の2つ以上のインプランタブルデバイス(602および604)から情報を受信し、情報を解析することなく、インプランタブルデバイスの第2のセット614に情報を送信する。第2のセットにおける2つ以上のインプランタブルデバイス(610および612)は第1のセット606によって検出された検出信号に関連する情報を含む、関連する情報を受信し、インプランタブルデバイス610および612はその情報を解析して、それぞれのデバイスについてのトリガ信号を生成する(例えば、動的状態を更新する)。次いで、第2のセットの第1のインプランタブルデバイス610は第1のインプランタブルデバイス610に対するトリガ信号(例えば、動的状態)に基づいて、1つ以上の電気パルスを放出することができ(トリガ信号がヌル信号である場合は放出することができない)、第2のセット614の第2のインプランタブルデバイス612は第2のセット614の第2のインプランタブルデバイス612に対するトリガ信号に基づいて、1つ以上の電気パルスを放出することができる。任意選択で、第2のセット614の第1のインプランタブルデバイス610は追加の検出信号を検出し、第1のインプランタブルデバイス610は、インプランタブルデバイスの第1のセット606からの情報と、第2のセット614の第1のインプランタブルデバイス610によって検出された検出信号(および任意選択で、デバイスの動的状態または位置など、第2のセット614内のインプランタブルデバイス610からの追加の情報)とを解析して、第2のセット614の第1のインプランタブルデバイス610のトリガ信号を生成する。任意選択的にまたは追加的に、第2のセット614の第2のインプランタブルデバイス612は追加の検出信号を検出し、第2のインプランタブルデバイス612は第2のセット614の第2のインプランタブルデバイス612のためのトリガ信号を生成するために、インプランタブルデバイスの第1のセット606からの情報と、第2のセット614の第2のインプランタブルデバイス612によって検出された検出信号(および任意選択的に、デバイスの動的状態または位置などの、第2のセット614内のインプランタブルデバイス612からの追加の情報)とを解析する。
【0112】
いくつかの実施形態では、中間デバイス608がインプランタブルデバイスの第1のセット606から受信した情報を解析して、第2のセット614内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上のためのトリガ信号を生成する。任意選択で、2つ以上のインプランタブルデバイス(608および610)は、中間デバイス608に無線で送信される1つ以上の追加の検出信号を検出する。第2のセット614内のインプランタブルデバイスは、第2のセット614内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態、または第2のセット614内の1つ以上のインプランタブルデバイスの位置または一意の識別など、追加情報を中間デバイス608に無線で送信することができる。中間デバイスは、第1のセット606内の2つ以上のインプランタブルデバイス(602および604)からの情報(検出信号に関連する情報を含む)と、第2のセット614内のインプランタブルデバイスからの情報とを解析して、第2のセット614内の2つ以上のインプランタブルデバイスのトリガ信号を生成することができる。次いで、第2のセット614内の2つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上は、1つ以上のトリガ信号に基づいて神経位置の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出する(または放出しない)ことができる。
【0113】
図6Bは、双方向通信を使用して中間デバイスを介して無線通信するように構成された、第1のセットのインプランタブルデバイスと第2のセットのインプランタブルデバイスとを含む、反復ニューラルネットワークに従って構成されたデバイスネットワークを示す。第1のセット606内のインプランタブルデバイス602および604は、検出信号に関連する情報を無線で中間デバイス608に送信する。第1のセット606内のインプランタブルデバイスによって送信される情報は、第1のセット406内の1つ以上のインプランタブルデバイス602または604の動的状態、第1のセット606内の1つ以上のインプランタブルデバイスの位置、または第1のセット606内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスに関する情報など、追加の情報を含むことができる。次いで、中間デバイス608は検出信号に関連する情報(および任意選択で、第1のセット606内のインプランタブルデバイスによって送信される他の情報)を、第2のセット614内のインプランタブルデバイス610および612に無線で送信し、この情報は、受信された情報に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。
【0114】
中間デバイス608はインプランタブルデバイスの第1のセット606から情報を受信し、情報を解析することの有無にかかわらず、情報を第2のセット412内のインプランタブルデバイス610および612に無線で送信することによって、第1のセット606内の2つ以上のインプランタブルデバイス(602および604)から受信した情報を、第2のセット614内の1つ以上のインプランタブルデバイス610または612に無線で中継することができる。次いで、第2のセット614内のインプランタブルデバイス610および612は第1のセット606内のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号(およびオプションとして、第1のセット606内のインプランタブルデバイスによって送信された追加情報)に関連する情報を含む情報を受信し、その情報が中間デバイス608によって事前解析されなかった場合、受信した情報を解析して、それぞれのデバイスについてトリガ信号を生成する(例えば、第1のインプランタブルデバイス610の動的状態を更新し、第2のインプランタブルデバイス612の動的状態を更新する)。任意選択で、インプランタブルデバイス610は追加の検出信号を検出し、インプランタブルデバイス610は矢印616によって示されるように、第1のセット606内の2つ以上のインプランタブルデバイス(602および604)によって検出された検出信号(および任意選択で、インプランタブルデバイスの第1のセット606によって送信された追加の情報の一部またはすべて)と、第2のセット612内の第1のインプランタブルデバイス610によって検出された検出信号とに関連する情報を解析して、インプランタブルデバイス610のトリガ信号(たとえば、動的状態を更新する)を生成する。インプランタブルデバイス610は、トリガ信号を生成すると、トリガ信号に基づいて標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する(またはそのようなパルスを放出しない)ことができる。第2のセット614内の第2のインプランタブルデバイス612(および第2のセット内の任意の他のデバイス)は、任意選択で、第2のセット614内の第1のインプランタブルデバイス610と同様の方法で動作することができる。第2のセット614内の第1のインプランタブルデバイス610および第2のインプランタブルデバイス612はまた、直接的に、または中間デバイスを介してのいずれかで、互いに無線で情報を通信し得、この情報は、デバイスの動的状態を更新するための基礎として使用され得る。
【0115】
第2のセット614内のインプランタブルデバイス610および/または612は情報を中間デバイス608に無線で送り返すことができ、中間デバイスは、第2のセット614内の他のインプランタブルデバイス、または第1のセット606内の1つ以上のインプランタブルデバイスに(解析の有無にかかわらず)情報を無線送信することができる。第2のセット614のインプランタブルデバイスによって中間デバイス608に送信される情報は第2のセット614内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって検出される検出信号、第2のセット614内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって放出される電気パルスに関連する情報、または第2のセット614内のインプランタブルデバイスのうちの1つ以上の動的状態に関連する情報(たとえば、インプランタブルデバイスのうちの1つ以上によって生成されるトリガ信号)を含むことができる。第1のセット606内のインプランタブルデバイスが第2のセット614内のインプランタブルデバイスから情報を受信すると、第1のセット606内のインプランタブルデバイス602および604の動的状態は、受信された情報に基づいて更新され得る。第1のセット606内の第1のインプランタブルデバイス602および第1のセット606内の第2のインプランタブルデバイス604の動的状態は矢印620および矢印622によって示されるように、第1のインプランタブルデバイス602または第2のインプランタブルデバイス604によって検出された検出信号(前述のように第2のインプランタブルデバイスに送信されたのと同じ検出信号情報、または第1のセット606の第1または第2のインプランタブルデバイスによって検出された新しい検出信号とすることができる)に基づいて、さらにまたは代替的に更新することができる。いくつかの実施形態では、第1のセット606内のインプランタブルデバイスがデバイス間で無線で通信することができ(例えば、インプランタブルデバイス602およびインプランタブルデバイス606は互いに無線で通信することができる)、直接的に、または中間デバイス608を介して、デバイスの検出信号コンポーネントまたは動的状態などの追加情報を送信する。第1のセット606内の第1のインプランタブルデバイス602および/または第2のインプランタブルデバイス604の動的状態が更新されると(すなわち、第1または第2のインプランタブルデバイスに対してトリガ信号が生成されると)、第1のインプランタブルデバイス602および/または第2のインプランタブルデバイス604は、第1または第2のインプランタブルデバイスがそうするように構成されている場合、トリガ信号に基づいて神経活動を調節する(または調節しない)ために電気パルスを放出することができる。
【0116】
<インプランタブルデバイス>
本明細書に記載されるインプランタブルデバイスネットワークは、2つ以上のインプランタブルデバイスを含む。ネットワーク内のデバイスのいくつかまたはすべては、検出信号を検出することと、神経活動を調節するように構成された電気パルスを放出することとの両方を行うように構成することができる。ネットワークのいくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスの一部分が検出信号を検出し、電気パルスを発しないように構成されてもよいが、デバイスの別の部分は電気パルスを放出するが検出信号を検出しないように構成されてもよい。
【0117】
一般に、少なくとも1つのインプランタブルデバイスは検出信号を検出し、検出信号に関連する情報を無線で送信するように構成される。少なくとも1つの他のインプランタブルデバイスは(インプランタブルデバイスによる、または中間デバイスによるなど、インプランタブルデバイスによる受信の前に任意選択で解析される)検出信号に関連する情報を受信し、検出信号に関連する受信された情報に基づいて神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するように構成される。
【0118】
いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスが超音波を使用して別のデバイスと無線で通信する。デバイスによって受信された超音波は、デバイスによって復号され得る情報を符号化し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスが超音波を後方散乱し、超音波の後方散乱波内の情報をエンコードして情報を無線で送信する。いくつかの実施形態では、1つ以上のインプランタブルデバイスが情報を符号化する超音波を能動的に送信する。インプランタブルデバイスによって無線で送信される情報(デバイスによって生成され、能動的に送信される超音波によるか、またはデバイスによって後方散乱される超音波によるかにかかわらず)は、別のインプランタブルデバイス、または中間デバイスとすることができる別個のデバイスによって受信することができる。インプランタブルデバイスが超音波を使用して通信する場合、インプランタブルデバイスは超音波を受信し、能動的に送信し、または後方散乱する1つ以上の超音波トランスデューサを含む。加えて、または代替的に、インプランタブルデバイスは、デバイスに電力を供給する超音波を受信するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。インプランタブルデバイスに電力を供給する超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサと無線通信するように構成された超音波トランスデューサとは、同一または異なる超音波トランスデューサであってもよい。
【0119】
図7は、本明細書に記載されるインプランタブルデバイスのための例示的な本体の概略図を示す。インプランタブルデバイスはデバイスから延在する電極をさらに含むことができ、電極は神経の活動を調節するか、または神経によって伝達される電気生理学的信号を検出するために、電気パルスを放出するように、神経と電気的に通信して配置することができる。本体は、バッテリおよび/または電力回路に電気的に接続された超音波トランスデューサと、調節回路とを含む。バッテリおよび/または電力回路は、任意選択の非一時的メモリおよび調節回路に電気的に接続された制御回路に電気的に接続され、制御回路に電力を供給する。また、制御回路は、電気的に接続され、刺激回路および/または検出回路を動作させるように構成される。超音波は超音波トランスデューサによって受信され、超音波トランスデューサは超音波からのエネルギーを、バッテリまたは電力回路上の1つ以上のコンデンサを充電する電気エネルギーに変換する。デバイス上の電極は電気生理学的信号または生理学的状態を検出するように構成され得、電気生理学的信号または生理学的状態に基づく検出信号は制御回路によって受信される。制御回路によって受信された検出信号は計算回路によって受信される前に、検出回路によって処理(例えば、増幅、デジタル化、および/またはフィルタリング)されてもよい。任意選択で、制御回路は、検出信号に関連するデータを記憶するために非一時的メモリにアクセスする。インプランタブルデバイスが電気パルスを放出するように構成される場合、制御回路は刺激信号を生成し、刺激信号に基づいて神経に電気パルスを放出するように刺激回路から電極を動作させることができる。任意選択で、計算回路は、非一時的メモリにアクセスして、神経に放出される刺激信号または電気パルスに関連するデータを記憶する。非一時的メモリに記憶されたデータは、超音波の後方散乱波または超音波トランスデューサによって生成された超音波を介して無線で送信することができる。制御回路はメモリにアクセスし、調節回路を動作させて調節回路を流れる電流を調節し、超音波上のデータを符号化する。
【0120】
いくつかの実施形態では本体が筐体を含み、筐体は、土台、1つ以上の側壁、および頂部を含むことができる。筐体は、1つ以上の超音波トランスデューサおよび集積回路(計算回路、非一時的メモリ、バッテリ、調節回路、検出回路、および/または刺激回路を含む)を囲むことができる。筐体は組織駅が超音波トランスデューサ及び/又は集積回路と接触するのを防止するために、(例えば、はんだ付け又はレーザ溶接によって)密閉されてもよい。筐体は好ましくは生体不活性金属(例えば、鋼またはチタン)または生体不活性セラミック(例えば、チタニアまたはアルミナ)などの生体不活性材料から作製される。筐体(または筐体の頂部)は、超音波が筐体を貫通することを可能にするように薄くてもよい。いくつかの実施形態では、筐体の厚さは約75μm以下、約50μm以下、約25μm以下、または約10μm以下など、約100マイクロメートル(μm)以下の厚さである。いくつかの実施形態では、筐体の厚さは約5μm~約10μm、約10μm~約25μm、約25μm~約50μm、約50μm~約75μm、または約75μm~約100μmの厚さである。
【0121】
インプランタブルデバイスの本体は比較的小さく、これは、インプランタブルデバイスにしばしば関連する組織炎症を制限しながら、快適かつ長期間の埋め込みを可能にする。いくつかの実施形態では、デバイスの本体の最長寸法が約5mm~約9mm、または約6mm~約8mmなど、約10mm以下である。
【0122】
いくつかの実施形態では、本体が筐体内にポリマーなどの材料を含む。材料は筐体の外部と筐体内の組織との間の音響インピーダンス不整合を低減するために、筐体内の空きスペースを埋めることができる。したがって、デバイスの本体は、好ましくは空気または真空がない。
【0123】
インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサは、容量性微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)または圧電式微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)のような微細加工超音波トランスデューサであってもよく、またはバルク圧電型トランスデューサであってもよい。バルク圧電型トランスデューサは、結晶、セラミック、またはポリマーなどの任意の天然または合成材料とすることができる。例示的なバルク圧電型トランスデューサの材料は、チタン酸バリウム(BaTiO3)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、酸化亜鉛(ZO)、窒化アルミニウム(AlN)、水晶、ベルリナイト(AlPO4)、トパーズ、ランガサイト(La3Ga5SiO14)、オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、タンタル酸リチウム(LiTaO3)、ニオブ酸カリウム(KNbO3)、タングステン酸ナトリウム(Na2WO3)、ビスマスフェライト(BiFeO3)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、およびニオブ酸鉛マグネシウムーチタン酸鉛(PMN-PT)を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、バルク圧電型トランスデューサがほぼ立方体(すなわち、約1:1:1(長さ:幅:高さ)のアスペクト比)である。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサが約7:5:1以上、または約10:10:1以上など、長さまたは幅のアスペクトのいずれかにおいて約5:5:1以上のアスペクト比を有する板状である。いくつかの実施形態では、バルク圧電型トランスデューサが約3:1:1以上のアスペクト比で長く狭く、最長寸法は超音波の後方散乱波の方向(すなわち、分極軸)に整列される。いくつかの実施形態では、バルク圧電型トランスデューサの1寸法がトランスデューサの駆動周波数又は共振周波数に対応する波長(λ)の1/2に等しい。共振周波数において、トランスデューサのいずれかの面に衝突する超音波は、逆位相に達するために180°の位相シフトを受け、2つの面の間で最大の変位を引き起こす。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサの高さは約10μm~約1000μm(約40μm~約400μm、約100μm~約250μm、約250μm~約500μm、または約500μm~約1000μmなど)である。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサの高さは約5mm以下(約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、または約40μm以下など)である。いくつかの実施形態では、圧電型トランスデューサの高さは約20μm以上(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、または約4mm以上など)である。
【0125】
いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが最長寸法において、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約500μm以下、約400μm以下、250μm以下、約100μm以下、または約40μm以下など、約5mm以下の長さを有する。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが最長寸法において約20μm以上(約40μm以上、約100μm以上、約250μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、または約4mm以上など)の長さを有する。
【0126】
超音波トランスデューサは集積回路との電気通信を可能にするために、2つの電極に接続される。第1の電極はトランスデューサの第1の面に取り付けられ、第2の電極はトランスデューサの第2の面に取り付けられ、第1の面および第2の面は1つの寸法に沿って、トランスデューサの対向する側面である。いくつかの実施形態では、電極が銀、金、白金、白金黒、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT))、導電性ポリマー(導電性PDMSまたはポリイミドなど)、またはニッケルを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサの電極間の軸がトランスデューサの運動に直交する。
【0127】
インプランタブルデバイスの集積回路は制御回路(例えば、デジタル回路、混合信号集積回路、又は計算回路)及び調節回路を含むことができ、これらは制御回路によって動作させることができる。調節回路は1つ以上の超音波トランスデューサに電気的に接続され、データを符号化するために、超音波後方散乱波または能動的に生成された(すなわち、変換された)超音波とすることができる超音波を調節することができる。デバイスの集積回路は検出信号を検出するように構成されたセンサに結合された検出回路を含むことができ、検出回路は、制御回路によって動作させることができる。インプランタブルデバイスの集積回路は複数の電極に結合された刺激回路をさらに、または代替的に含むことができる。刺激回路は、神経の神経活動を調節するために標的神経に電気パルスを放出するように構成され、制御回路によって動作することができる。
【0128】
制御回路は、メモリと、インプランタブルデバイスを動作させるための1つ以上の回路ブロック、システム、またはプロセッサとを含むことができる。これらのシステムは例えば、搭載マイクロコントローラまたはプロセッサ、有限ステートマシン(FSM)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGQ)、またはインプランタブルデバイス上に記憶された1つ以上のプログラムを実行することができるデジタル回路を含むことができる。いくつかの実施形態では制御回路がアナログデジタル変換器(ADC)を含み、これは別個のデバイスから放射される超音波において符号化されたアナログ信号を変換して、その信号を制御回路によって処理することができるようにすることができる。いくつかの実施形態では、集積回路が計算回路によってアクセスすることができる不揮発性メモリを含む。本明細書でさらに説明するように、インプランタブルデバイスの計算回路を使用して、検出信号を解析してトリガ信号を生成することができる。
【0129】
インプランタブルデバイスの調節回路は、1つ以上の超音波トランスデューサを流れる電流を調節して、電流内のデータを符号化する。調節回路は、オン/オフスイッチまたは電界効果トランジスタ(FET)などの1つ以上のスイッチを含む。インプランタブルデバイスのいくつかの実施形態と共に使用することができる例示的なFETは、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である。調節回路は超音波トランスデューサを流れる電流のインピーダンスを変更することができ、トランスデューサを流れる電流の変動は、情報を符号化する。代替的に、情報が能動的に送信された超音波を介して送信される場合、集積回路は、超音波トランスデューサを動作させて、情報を符号化する超音波を能動的に送信することができる。いくつかの実施形態では、調節回路が情報をデジタル化またはアナログ信号に能動的に符号化することができる制御回路(例えば、計算回路、デジタル回路、または混合信号集積回路)によって動作される。
【0130】
集積回路は、エネルギー蓄積回路を含むことができる電力回路をさらに含むことができる。エネルギー蓄積回路は電気エネルギーを一時的に蓄積するために1つ以上のキャパシタを含むことができるが、超音波によって給電されるインプランタブルデバイスはバッテリレスであってもよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがデバイスに電力を供給するエネルギーを貯蔵するように構成されたバッテリを備える。超音波からのエネルギーは超音波トランスデューサによって電流に変換することができ、エネルギー蓄積回路に蓄積することができ、これは、1つ以上のキャパシタを含むことができる。エネルギーは、デジタル回路、調節回路、または1つ以上の増幅器に電力を供給するなど、インプランタブルデバイスを動作させるために使用され得るか、または組織を刺激するために使用される電気パルスを生成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、電力回路が例えば、整流器および/またはチャージポンプをさらに含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが1つ以上の超音波トランスデューサから電気エネルギーを受け取り、計算回路に電力を供給するように構成されたバッテリをさらに含む。バッテリを含めることにより、電気生理学的信号を検出すること、または神経に電気パルスを放出することを含む、外部電源なしで計算回路を機能させることが可能になる。バッテリは、インプランタブルデバイスの本体内に収容することができる。バッテリは例えば、再充電可能な電気化学バッテリであってもよい。バッテリによって蓄積されたエネルギーは例えば、1つ以上の超音波トランスデューサが超音波を受信していない場合に、デバイスに電力を供給することができる。バッテリは、1つ以上の超音波トランスデューサによって受信される別個のデバイスを使用してデバイスに超音波を送信することによって充電することができる。1つ以上の超音波トランスデューサは超音波を電気エネルギーに変換し、バッテリに電気的に接続される。このようにして、電気エネルギーは、デバイスのバッテリを充電する。
【0132】
また、インプランタブルデバイスは、デバイスによって検出された検出信号、またはデバイスによって放射された電気パルスに関連する情報に基づいてデータを格納するように構成された非一時的メモリを含むことができる。データは例えば、検出された活動電位または複合活動電位のタイムスタンプ、速度、方向、振幅、周波数、または波形;および/またはインプランタブルデバイスによって放出された電気パルスのタイムスタンプ、振幅、周波数、または波形を含むことができる。いくつかの実施形態では、非一時的メモリが検出された生理学的状態(温度、pH、圧力、心拍数、歪み、および/または検体の存在もしくは量など)に関連するデータを記憶することができる。非一時的メモリに記憶されたデータはある期間(例えば、約1分以上、約5分以上、約10分以上、約15分以上、約30分以上、約45分以上、約1時間以上、約2時間以上、約4時間以上、約6時間以上、約8時間以上、約12時間以上、または約24時間以上)にわたって取得されてもよい。
【0133】
非一時的メモリはまた、別個のインプランタブルデバイスまたは中間デバイスなどの別個のデバイスからデバイスに送信されたデータを格納するために使用され得る。別個のデバイスはデータ(検出信号またはトリガ信号など)を送信することができ、このデータは、インプランタブルデバイスによって受信され、非一時的メモリに記憶され得る。データは例えば、データをエンコードする超音波を介して送信することができる。別個のデバイスは超音波を送信することができ、この超音波は、装置の超音波トランスデューサによって受信され、計算回路によって解読される。
【0134】
任意選択で、非一時的メモリは、制御回路を使用して実行することができる、デバイスを動作させるための1つ以上の命令を格納する。例えば、非一時的メモリは、検出信号に基づいて受信するための命令、トリガ信号を生成するための命令、刺激信号を生成または取り出すための命令、および/またはインプランタブルデバイス上のセンサを動作させるための命令を含むことができる。いくつかの実施形態では、非一時的メモリが電気パルスの標的放出のために、複数の電極を用いて1つ以上の電極を選択的に活性化するための命令を含む。
【0135】
本明細書に記載されるネットワークのインプランタブルデバイスの少なくとも一部は検出信号を検出し、検出信号に関連する情報をインプランタブルデバイスから無線で送信するように構成される。そのようなインプランタブルデバイスは、検出信号に関連する情報を符号化する超音波、または検出信号に関連する情報を符号化する後方散乱超音波を能動的に送信するように構成された1つ以上の超音波トランスデューサを含む。インプランタブルデバイスは、検出信号を検出するように構成された1つ以上のセンサをさらに含む。1つ以上のセンサは、神経によって伝達される生理学的状態または電気生理学的信号、あるいはその両方を検出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、検出信号が2つ以上の構成要素を含み、インプランタブルデバイスは検出信号の異なる構成要素を検出するために、2つ以上の異なるセンサを含むことができる。例えば、インプランタブルデバイスは電気生理学的信号を検出するように構成された複数の電極を備える第1のセンサと、生理学的状態(pH、温度、検体の量(例えば、濃度)、検体の存在、圧力、生体インピーダンス、または歪みなど)を検出するように構成された第2のセンサとを含むことができる。例示的なインプランタブルデバイスは、米国特許出願公開第2018/0085605号、国際公開第2018/009905号、国際公開第2018/009910号、および国際公開第2018/009911号に記載されている。インプランタブルデバイスによって検出される検体(量または存在のいずれか)は例えば、グルコースまたは酸素であり得る。
【0136】
インプランタブルデバイスの1つ以上のセンサを検出回路に結合することができ、検出回路は制御回路によって動作する。制御回路は検出信号に関する情報をメモリに記憶し、および/または調節回路を動作させて、超音波トランスデューサによって生成された、または超音波トランスデューサから後方散乱された超音波に情報を符号化することができる。いくつかの実施形態では制御回路が検出信号を解析してトリガ信号を生成し、トリガ信号は装置によって生成される、または装置から後方散乱される超音波において符号化することができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが温度、pH、検体量(グルコースまたは酸素など)、検体の存在、歪み、または圧力などの生理学的状態を検出するように構成されたセンサを備える。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスが電気生理学的信号を検出するように構成されたセンサを含み、電気生理学的信号は神経と電気通信する複数の電極を含むことができる。インプランタブルデバイスは、同じ生理学的状態または異なる生理学的状態を検出することができる1つまたは複数(2、3、4、5またはそれ以上など)のセンサを備えることができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが10、9、8、7、6、または5個以下のセンサを備える。例えば、いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが温度を検出するように構成された第1のセンサと、酸素を検出するように構成された第2のセンサとを備える。両方の生理学的状態の変化は超音波の後方散乱波に符号化することができ、この超音波の後方散乱波は、外部コンピューティングシステムによって解読することができる。
【0138】
さらに、ネットワークの1つ以上のインプランタブルデバイスは、インプランタブルデバイスによって受信された検出信号に関連する情報に基づいて、標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では電気パルスを放出するように構成されたインプランタブルデバイスはまた、追加の検出信号(例えば、生理学的状態および/または電気生理学的信号)を検出することができ、インプランタブルデバイスは異なるインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報と、追加の検出信号に関連する情報とに基づいて、1つ以上の電気パルスを放出する。
【0139】
電気パルスを放出するように構成されたインプランタブルデバイスは、インプランタブルデバイスの刺激回路に電気的に結合された複数の電極を含む。電極は、標的神経と電気的に連絡して配置され、標的神経の神経活動を調節する電気パルスを放出することができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスによって放出された電気パルスが組織内の活動電位を刺激する。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスによって放出される電気パルスが組織内の活動電位を遮断する。インプランタブルデバイスの制御回路はトリガ信号に基づいて刺激信号を生成し、刺激信号を使用して刺激回路を動作させる。例えば、刺激信号はパルス振幅、周波数、および/または波形を含むことができ、制御回路は、刺激信号に従ってパルスを放出するように刺激回路を介して電極を制御する。
【0140】
電気パルスを放出するように構成されたインプランタブルデバイスの刺激回路は、バッテリ、電力回路、または1つ以上の超音波トランスデューサによって超音波から変換された電気エネルギーによって充電することができる刺激コンデンサを含むことができる。刺激コンデンサの状態、例えばコンデンサ電荷は、計算回路によって決定することができる。任意選択で、刺激キャパシタの状態は、非一時的メモリ上に記録されるか、または計算回路によって動作される調節回路を介して超音波後方散乱波に符号化される。いくつかの実施形態では、制御回路がコンデンサの充電などの刺激コンデンサの状態を決定するように構成される。キャパシタ状態は、非一時的メモリに記憶され、および/または超音波の後方散乱波で符号化されることができる。
【0141】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスの制御回路が検出信号に関連する情報を解析し、トリガ信号を生成する。次いで、トリガ信号は刺激信号を生成するために制御回路によって使用され、制御回路は1つ以上の電気パルスを放出するように刺激回路を動作させる。いくつかの実施形態では、制御回路がインプランタブルデバイスによって受信された超音波(例えば、異なるインプランタブルデバイスまたは中間デバイスによって後方散乱または生成された超音波)で符号化されたデータからトリガ信号を抽出する。次いで、制御回路はトリガ信号に基づいて刺激信号を生成し、刺激信号に基づいて1つ以上の電気パルスを放出するように刺激回路を動作させることができる。
【0142】
<中間デバイス>
本明細書に記載されるネットワークは、ネットワークに2つ以上のインプランタブルデバイスを接続するために使用することができる1つ以上の中間デバイスを任意に含むことができる。ネットワークはインプランタブルデバイス間の直接無線通信を含むことができるが、中間デバイスは通信(例えば、検出信号に基づくデータ)を1つ以上のインプランタブルデバイスに中継するために使用することができ、または検出信号に関連する情報などの情報を処理して、トリガ信号を生成することができ、トリガ信号は1つ以上のインプランタブルデバイスに無線で通信される。いくつかの実施形態では、中間デバイスが超音波を介してネットワーク内の1つ以上のインプランタブルデバイスに無線で電力を供給することもできる。
【0143】
中間デバイスは情報を符号化する超音波を受信し、情報を符号化する超音波を生成するように構成される。例えば、中間デバイスは超音波を発生することができ、これは第1のデバイスによって受信される。第1のデバイスは超音波を後方散乱し、超音波の後方散乱内の情報を符号化し、これを中間デバイスが受信する。次いで、中間デバイスは情報を抽出し、任意選択で情報を解析することができる。次いで、中間デバイスは情報または解析された情報(例えば、トリガ信号)を符号化する超音波を生成することができ、超音波は、第2のインプランタブルデバイスによって受信される。次いで、第2のインプランタブルデバイスは、超音波から情報を抽出することができる。中間デバイスは複数のデバイスから情報を受信し、複数のデバイスから情報を中継又は解析することができる。
【0144】
中間デバイスは、超音波送信機および/または超音波受信機(または超音波を代替的に送信または受信するように構成され得るトランシーバ)として動作し得る1つ以上の超音波トランスデューサを含む。1つ以上のトランスデューサはトランスデューサアレイとして配置することができ、中間デバイスは、任意選択で、1つ以上のトランスデューサアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波送信機能が別個のデバイス上の超音波受信機能から分離される。すなわち、任意選択で、中間デバイスは、1つ以上のインプランタブルデバイスに超音波を送信する第1の構成要素と、1つ以上のインプランタブルデバイスから超音波を受信する第2の構成要素とを備える。いくつかの実施形態では、アレイ内のトランスデューサが規則的な間隔、不規則な間隔を有することができ、または疎に配置されることができる。いくつかの実施形態では、アレイは可撓性である。いくつかの実施形態ではアレイは平面であり、いくつかの実施形態ではアレイは非平面である。
【0145】
例示的な中間デバイスの概略図を
図8に示す。図示された中間デバイスは、複数の超音波トランスデューサを有するトランスデューサアレイを示す。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイが1個以上、2個以上、3個以上、5個以上、7個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、50個以上、100個以上、250個以上、500個以上、1000個以上、2500個以上、5000個以上、または10,000個以上のトランスデューサを含む。いくつかの実施形態では、トランスデューサアレイが100,000個以下、50,000個以下、25,000個以下、10,000個以下、5000個以下、2500個以下、1000個以下、500個以下、200個以下、150個以下、100個以下、90個以下、80個以下、70個以下、60個以下、50個以下、40個以下、30個以下、25個以下、20個以下、15個以下、10個以下、7個以下、5個以下のトランスデューサを含む。トランスデューサアレイは例えば、50個以上の超音波トランスデューサ画素を含むチップとすることができる。
【0146】
図8に示す中間デバイスは単一のトランスデューサアレイを示すが、中間デバイスは1つ以上、2つ以上、または3つ以上の別個アレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、中間デバイスが10個以下のトランスデューサアレイ(例えば、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のトランスデューサアレイ)を含む。別個のアレイは例えば、対象の異なる点に配置することができ、同じまたは異なるインプランタブルデバイスと通信することができる。いくつかの実施形態では、アレイがインプランタブルデバイスの反対側に配置される。中間体は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むことができ、この集積回路は、トランスデューサ・アレイ内の各トランスデューサのためのチャネルを含む。いくつかの実施形態では、チャネルが(「T/Rx」によって
図8に示される)スイッチを含む。スイッチは代替的に、超音波を送信するかまたは超音波を受信するように、チャネルに接続されたトランスデューサを構成することができる。このスイッチは、超音波受信回路を、より高電圧の超音波送信回路から分離することができる。
【0147】
いくつかの実施形態ではチャネルに接続されたトランスデューサが超音波を受信するためだけに、または超音波を送信するためだけに構成され、スイッチは任意選択でチャネルから省略される。チャネルは、送信された超音波を制御するように動作する遅延制御部を含むことができる。遅延制御は例えば、位相シフト、時間遅延、パルス周波数及び/又は波形(振幅及び波長を含む)を制御することができる。遅延制御は、入力パルスを遅延制御からトランスデューサが超音波を送信するために使用するより高い電圧にシフトするレベルシフタに接続することができる。いくつかの実施形態では、各チャネルの波形および周波数を表すデータが「ウェーブテーブル」に格納することができる。これにより、各チャンネルの送信波形を異ならせることができる。その後、遅延制御およびレベルシフタを使用して、このデータをトランスデューサアレイへの実際の送信信号に「ストリーム・アウト」することができる。いくつかの実施形態では、各チャネルに対する送信波形がマイクロコントローラまたは他のデジタルシステムの高速シリアル出力によって直接生成され、レベルシフタまたは高電圧増幅器を介してトランスデューサ素子に送られることができる。いくつかの実施形態では、ASICがASICに供給される第1の電圧を、チャネルに印加されるより高い第2の電圧に変換するために、チャージポンプ(
図8に図示)を含む。チャネルは、遅延制御を動作させるデジタルコントローラなどのコントローラによって制御することができる。
【0148】
超音波受信回路では、受信した超音波はトランスデューサ(受信モードに設定)によって電流に変換され、データ取り込み回路に送信される。いくつかの実施形態では、増幅器、アナログデジタル変換器(ADC)、可変利得増幅器、または組織損失を補償する時間利得制御可変利得増幅器、および/または帯域通過フィルタが受信回路に含まれる。ASICは、バッテリ(中間デバイスの装着可能な実施形態に好ましい)などの電源から電力を引き出すことができる。
図8に示す実施形態ではASICに1.8Vの電源が提供され、これはチャージポンプによって32Vに増加されるが、任意の適切な電圧を使用することができる。ある実施形態では、中間デバイスがプロセッサと、一時的でないコンピュータ可読メモリとを含む。いくつかの実施形態では、上述のチャネルがT/Rxスイッチを含まず、代わりに、良好な飽和回復を有する低雑音増幅器の形態の高電圧Rx(受信器回路)を有する独立したTx(送信)およびRx(受信)を含む。一部の実施形態では、T/Rx回路はサーキュレーターを含む。いくつかの実施形態ではトランスデューサアレイがデバイス送信/受信回路内の処理チャネルよりも多くのトランスデューサ素子を含み、マルチプレクサはパルス毎に異なるセットの送信素子を選択する。例えば、3:1マルチプレクサを介して192個の物理トランスデューサ素子に接続された64個の送信受信チャネルであって、64個のトランスデューサ素子のみが所定のパルス上でアクティブである。
【0149】
いくつかの実施形態では、中間デバイスがトリガ信号を生成するために検出信号に関連する情報を解析するように構成された計算回路を含む。次いで、トリガ信号は、インプランタブルデバイスがトリガ信号に従って電気パルスを放出するように制御する1つ以上のインプランタブルデバイスに無線通信することができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、中間デバイスは埋め込み可能である。いくつかの実施形態では、中間デバイスは外部(すなわち、埋め込まれていない)である。例として、外部中間デバイスは、ストラップまたは接着剤によって身体に固定され得る着用可能であり得る。別の例では、外部中間デバイスがユーザ(医療専門家など)によって保持され得るワンドであり得る。いくつかの実施形態では、中間デバイスが縫合糸、単純な表面張力、布ラップ、スリーブ、弾性バンドなどの衣類ベースの固定デバイスを介して、または皮下固定によって身体に保持することができる。中間デバイスのトランスデューサまたはトランスデューサアレイは、トランスデューサの残りの部分とは別個に配置されてもよい。例えば、トランスデューサアレイは第1の位置(例えば、1つ以上の埋め込まれたデバイスの近位)で対象の皮膚に固定され得、中間デバイスの残りは第2の位置に配置され得、ワイヤはトランスデューサまたはトランスデューサアレイを中間デバイスの残りに繋ぐ。
【0151】
トランスデューサアレイの具体的な設計は、アレイ内の個々のトランスデューサの所望の進入長、開口サイズ、およびサイズに依存する。トランスデューサアレイのレイリー距離Rは、次のように計算される。
ここで、Dは開口サイズであり、λは伝搬媒体(すなわち組織)内の超音波の波長である。当技術分野で理解されるように、レイリー距離は、アレイによって放射されるビームが完全に形成される距離である。すなわち、受信電力を最大にするために、レイリー距離での自然焦点に収束する圧力場である。したがって、いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスがトランスデューサアレイからレイリー距離とほぼ同じ距離にある。
【0152】
トランスデューサアレイ内の個々のトランスデューサは、ビームフォーミングまたはビームステアリングのプロセスを通して、レイリー距離およびトランスデューサアレイによって放射される超音波のビームの位置を制御するように調節することができる。線形制約最小分散(LCMV)ビームフォーミングなどの技術を用いて、複数のインプランタブルデバイスを外部超音波トランシーバと通信することができる。例えば、Bertrand et al., Beamforming Approaches for Untethered, Ultrasonic Neural Dust Motes for Cortical Recording: a Simulation Study, IEEE EMBC (Aug. 2014)を参照されたい。いくつかの実施形態では、ビームステアリングがアレイ内のトランスデューサによって放射される超音波の電力または位相を調整することによって実行される。
【0153】
いくつかの実施形態では、中間デバイスが1つ以上のトランスデューサを使用して超音波をビームステアリングするための命令、1つ以上のインプランタブルデバイスの相対位置を決定するための命令、1つ以上のインプランタブルデバイスの相対移動を監視するための命令、1つ以上のインプランタブルデバイスの相対移動を記録するための命令、および複数のインプランタブルデバイスからの後方散乱を逆畳み込みするための命令のうちの1つまたは複数を含む。
【0154】
任意選択で、中間デバイスはモバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはテーブル)などの別個のコンピュータシステムを使用して制御される。コンピュータシステムは例えば、ネットワーク接続、無線周波数(RF)接続、またはブルートゥースを介して、中間デバイスと無線で通信することができる。コンピュータシステムは例えば、中間デバイスをオンまたはオフにするか、または中間デバイスによって受信された超音波に符号化された情報を解析することができる。
【0155】
<無線通信>
情報は、ネットワーク内のインプランタブルデバイスから能動的に送信または後方散乱され得る超音波で情報を符号化することによって、インプランタブルデバイスから無線で送信され得る。無線通信のための超音波の使用は、超音波が高周波よりも低いエネルギーを用いて効率的に通信することができるので、高周波のような他の無線通信モダリティよりも好ましい。
【0156】
神経調節ネットワーク内のインプランタブルデバイスは、双方向無線通信のために構成することができる。すなわち、デバイスは1つ以上の別個のインプランタブルデバイスおよび/または1つ以上の中間デバイスから情報を無線で受信し、1つ以上の別個のインプランタブルデバイスおよび/または1つ以上の中間デバイスから情報を無線で送信するように構成され得る。例として、インプランタブルデバイスは中間デバイスから検出信号に関連する情報を無線で受信するように、および/または検出信号に関連する情報を中間デバイスまたは1つ以上のインプランタブルデバイスに無線で送信するように構成され得る。インプランタブルデバイスは、デバイスの状態に関連する情報や、デバイスが放出する電気パルスに関連する情報などの情報を、中間デバイスに無線で送信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが情報のみを送信するか、または情報のみを受信するように構成される。中間デバイスは双方向無線通信のために構成され、インプランタブルデバイスまたは他の中間デバイスから情報を受信することができ、インプランタブルデバイスまたは他の中間デバイスに情報を送信することができる。いくつかの実施形態では、中間デバイスがインプランタブルデバイスから情報を無線で受信または送信するようにさらに構成される。
【0157】
インプランタブルデバイスおよび/または中間デバイスは、双方向または一方向(受信または送信のいずれか)情報のために使用することができる1つ以上の超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイスが情報を送信するように構成された第1の超音波トランスデューサと、情報を受信するように構成された第2の超音波トランスデューサとを含む。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサが超音波トランスデューサを送信モードまたは受信モードに選択的に構成することができるスイッチによって制御される。
【0158】
1つ以上の超音波トランスデューサは超音波における情報(例えば、検出信号情報)を符号化するために、計算回路によって動作される。いくつかの実施形態では、計算回路が1つ以上の超音波トランスデューサを動作させて、情報を符号化する超音波を能動的に生成する。
【0159】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが超音波後方散乱波を通じて情報を無線で送信する。インプランタブルデバイスは、インプランタブルデバイス上の1つ以上の超音波トランスデューサを介して、中間デバイスまたは他のインプランタブルデバイスから超音波を受信する。インプランタブルデバイス上の超音波トランスデューサの振動はトランスデューサの電気端子間に電圧を発生させ、これにより、超音波トランスデューサおよび調節回路に電流が流れる。超音波後方散乱波は超音波トランスデューサから後方散乱され、これはインプランタブルデバイスから無線送信される情報を符号化することができる。情報は例えば、後方散乱超音波の振幅、周波数又は位相の変化によって符号化することができる。超音波後方散乱波中の信号を符号化するために、インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサを流れる電流は、符号化情報のファンクション(関数)として調節される。一部の実施形態では、電流の調節はアナログ信号とすることができる。いくつかの実施形態では電流の調節がデジタル化された信号を符号化し、これはインプランタブルデバイスの計算回路によって制御されてもよい。情報を符号化する超音波後方散乱波は受信デバイス(すなわち、インプランタブルデバイスまたは中間デバイス)によって受信される。
【0160】
図9Aは、超音波を介して第2のインプランタブルデバイス908と無線通信する第1のインプランタブルデバイス902を示す。第1のインプランタブルデバイス902は、超音波トランスデューサ904を使用して超音波(「搬送波」)を生成する。検出信号などの情報は、集積回路906を通して超音波搬送波内で符号化することができる。搬送波は、組織を通過して、第2のインプランタブルデバイス908の超音波トランスデューサ910に到達する。搬送波は超音波トランスデューサ910(例えば、バルク圧電型トランスデューサ、PUMT、またはCMUT)に機械的振動を引き起こし、超音波トランスデューサの両端間に電圧を生成する。電圧は、集積回路912を流れる電流を第2のインプランタブルデバイス908に与える。集積回路912は、搬送波に符号化された情報を復号することができる。加えて、超音波トランスデューサ910に流れる電流によって、インプランタブルデバイス上のトランスデューサは、超音波を後方散乱させる。いくつかの実施形態では、集積回路912が超音波トランスデューサ912を流れる電流を調節して付加的な情報を符号化し、得られる超音波後方散乱波はその情報を符号化する。後方散乱波は第1のインプランタブルデバイス902又は中間デバイスによって受信することができ、超音波後方散乱において符号化された情報を解釈するために解析することができる。
【0161】
図9Bは、超音波を介して中間デバイス916と無線通信するインプランタブルデバイス914を示す。中間デバイス916は、インプランタブルデバイスまたは外部デバイスであってもよく、超音波トランスデューサ920に結合された集積回路918を含む。中間デバイス916は中間デバイスの超音波トランスデューサ920を通して超音波キャリア波を生成することができ、この超音波キャリア波は、インプランタブルデバイスの超音波トランスデューサ922によって受信される。超音波搬送波は1つ以上の検出信号またはトリガ信号などの情報を符号化することができ、その情報は、インプランタブルデバイス914の集積回路924を通して復号化することができる。いくつかの実施形態では超音波搬送波が情報を符号化しないが、インプランタブルデバイス914によって受信されて、インプランタブルデバイス914に電力を供給したり、超音波後方散乱波を生成したりすることができる。超音波トランスデューサ922によって受け取られた超音波搬送波は、超音波トランスデューサ922を流れる電流を生成する。電流は情報を超音波後方散乱波に符号化するために、インプランタブルデバイス924の集積回路924によって調節することができる。後方散乱波は中間デバイス918によって、または異なるデバイス(すなわち、異なる中間デバイスまたは他のインプランタブルデバイス)によって受信され得、超音波後方散乱において符号化された情報を解釈するために解析され得る。
【0162】
デバイス間(すなわち、2つ以上のインプランタブルデバイス間、またはインプランタブルデバイスと中間デバイスとの間)の通信は、超音波を送受信するパルスエコー法を使用することができる。パルス-エコー法では、装置が所定の周波数で一連のパルスを送信し、次いで、別個のデバイスから後方散乱エコーを受信する。いくつかの実施形態では、パルスが正方形、長方形、三角形、鋸歯状、又は正弦波である。一部の実施形態では、出力されるパルスが2レベル(GNDおよびPOS)、3レベル(GND、NEG、POS)、5レベル、または任意の他の複数レベル(例えば、24ビットDACを使用する場合)とすることができる。いくつかの実施形態では、パルスが動作中に装置によって連続的に送信される。超音波を受信するように構成されたトランスデューサおよび超音波を送信するように構成されたトランスデューサは同一のトランスデューサ・アレイ上に、または装置の異なるトランスデューサ・アレイ上に存在し得る。いくつかの実施形態では、装置上のトランスデューサが代替的に、超音波を送信または受信するように構成することができる。例えば、トランスデューサは、1つ以上のパルスを送信することと、休止期間との間をサイクルすることができる。トランスデューサは、1つ以上のパルスを送信するときに超音波を送信するように構成され、次いで、休止期間中に受信モードに切り替えることができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、後方散乱超音波がインプランタブルデバイスまたは中間デバイスによってデジタル化される。例えば、インプランタブルデバイスはオシロスコープまたはアナログデジタル変換器(ADC)および/またはメモリを含むことができ、これらは、電流(またはインピーダンス)変動における情報をデジタル的に符号化することができる。情報を符号化することができるデジタル化された電流変動は、超音波トランスデューサによって受信され、次いで、デジタル化された音波を送信する。デジタル化されたデータは、例えば特異値分解(SVD)および最小二乗法に基づく圧縮を使用することによって、アナログデータを圧縮することができる。いくつかの実施形態では、圧縮が相関器またはパターン検出アルゴリズムによって実行される。後方散乱信号は単一の時点で再構成データポイントを生成するために、後方散乱領域の4次バターワースバンドパスフィルタ整流積分のような一連の非線形変換を経ることができる。このような変換はハードウェア(すなわち、ハードコーディングされた)またはソフトウェアのいずれかで行うことができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、デジタル化されたデータが一意の識別子を含むことができる。一意の識別子は例えば、複数のインプランタブルデバイスおよび/または複数の電極対を備えるインプランタブルデバイスを備えるシステムにおいて有用であり得る。例えば、一意の識別子は複数のインプランタブルデバイスからのものであるとき、例えば、インプランタブルデバイスから情報(検証信号など)を送信するときに、起源のインプランタブルデバイスを識別することができる。いくつかの実施形態ではインプランタブルデバイスが複数の電極対を含み、これらの電極対は単一のインプランタブルデバイスによって同時にまたは代替的に電気パルスを放出することができる。例えば、電極の異なる対は異なる組織(例えば、異なる神経または異なる筋肉)または同じ組織の異なる領域において電気パルスを放出するように構成され得る。デジタル化された回路はどの電極対が電気パルスを放射したかを識別および/または検証するために、一意の識別子を符号化することができる。
【0165】
いくつかの実施形態では、デジタル化された信号がアナログ信号のサイズを圧縮する。デジタル化された信号のサイズが小さくなることにより、超音波後方散乱において符号化された情報のより効率的な報告が可能となり得る。デジタル化によって送信される情報のサイズを圧縮することによって、潜在的に重なり信号を正確に送信することができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、中間デバイスが複数のインプランタブルデバイスと通信する。これは、例えば、多入力多出力(MIMO)システム理論を用いて行うことができる。例えば、時分割多重化、空間多重化、または周波数多重化を使用するデバイス間の通信である。中間デバイスは複数のインプランタブルデバイスから組み合わされた後方散乱を受信することができ、この後方散乱はデコンボリューションすることができ、それによって、各インプランタブルデバイスから情報を抽出する。いくつかの実施形態では、中間デバイスがトランスデューサアレイからビームステアリングを介して特定のインプランタブルデバイスに送信される超音波を収束させる。中間デバイスは送信された超音波を第1のインプランタブルデバイスに集束させ、第1のインプランタブルデバイスからの後方散乱を受信し、送信された超音波を第2のインプランタブルデバイスに集束させ、第2のインプランタブルデバイスからの後方散乱を受信する。いくつかの実施形態では、中間デバイスが超音波を複数のインプランタブルデバイスに送信し、次いで、複数のインプランタブルデバイスから超音波を受信する。
【0167】
いくつかの実施形態では、超音波後方散乱で符号化された情報がインプランタブルデバイスの一意の識別子を含む。これは、例えば、複数のインプランタブルデバイスが対象に埋め込まれたときに、中間デバイスが正しいインプランタブルデバイスと通信することを確実にするために有用であり得る。いくつかの実施形態では、超音波後方散乱において符号化された情報がインプランタブルデバイスによって放出された電気パルスを検証する検証信号を含む。いくつかの実施形態では、超音波後方散乱で符号化された情報がエネルギー蓄積回路(またはエネルギー蓄積回路内の1つ以上のコンデンサ)に格納されたエネルギー量または電圧を含む。
【0168】
<電力伝送>
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスによって受信された超音波がインプランタブルデバイスに電力を供給するために使用される。超音波は例えば、別のソース(例えば、バッテリ、高周波、ソケットなど)から受信電力することができる外部中間デバイスなどの外部デバイスによって送信することができる。超音波は、インプランタブルデバイスと無線通信するために使用される超音波とは異なるセットの超音波とすることができる。超音波は例えば、外部中間デバイスなどの外部デバイスによって発生され、送信され、ネットワーク内の1つ以上のインプランタブルデバイスの1つ以上の超音波トランスデューサによって受信され得る。インプランタブルデバイス上の超音波トランスデューサの振動は、トランスデューサの電気端子間に電圧を発生させ、集積回路を含むデバイスに電流が流れる。電流はデバイスの集積回路に電力を供給するために、またはデバイス内に存在する場合にはデバイス内のエネルギー蓄積回路(1つ以上のコンデンサおよび/またはバッテリを含むことができる)を充電するために使用することができる。この電力は例えば、コンピュータ回路、インプランタブルデバイス上の1つ以上の検出器に電力を供給するために、または電気パルスを放出するために、例えば、標的神経の電気生理学的活性を調節するために使用され得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスのエネルギー蓄積回路が1つ以上の超音波トランスデューサから電気エネルギーを受け取り、計算回路に電力を供給するように構成されたバッテリを含む。バッテリを含めることにより、電気生理学的信号を検出すること、または神経に電気パルスを放出することを含む、外部電源なしで計算回路を機能させることが可能になる。バッテリは、インプランタブルデバイスの本体内に収容することができる。バッテリは例えば、再充電可能な電気化学バッテリであってもよい。バッテリによって蓄積されたエネルギーは例えば、1つ以上の超音波トランスデューサが超音波を受信していない場合に、デバイスに電力を供給することができる。バッテリは、1つ以上の超音波トランスデューサによって受信される中間デバイスを使用して、デバイスに超音波を送信することによって充電することができる。1つ以上の超音波トランスデューサは超音波を電気エネルギーに変換し、バッテリに電気的に接続される。このようにして、電気エネルギーは、デバイスのバッテリを充電する。
【0170】
<検出信号>
1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出される検出信号はトリガ信号を決定するための、またはデバイスの動的状態を更新するための入力(ただし、必ずしも排他的入力ではない)であり、これは、1つ以上のインプランタブルデバイスによって使用されて、標的神経の神経活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する。検出信号は、1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出される、生理学的状態または電気生理学的信号などの1つ以上の構成要素を含むことができる。検出信号は、電気パルスを放出するように構成された同じインプランタブルデバイスによって、または別インプランタブルデバイスによって検出されてもよい。
【0171】
検出信号は、同時にまたは異なる時点で検出された1つ以上の検出信号(電気生理学的信号および/または生理学的状態)を含むことができる。検出信号成分のタイムスタンプを、解析のために検出信号に含めて、トリガ信号を生成することができる。
【0172】
検出信号は温度、呼吸数、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体濃度のうちの1つ以上など、1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出される1つ以上の生理学的状態を含むことができる。例示的な検体には、グルコースおよび酸素が含まれる。
【0173】
検出信号は神経または神経線維のサブセット(例えば、神経内の1つ以上の線維束)から検出された電気生理学的信号を追加的または代替的に含むことができる。検出された電気生理学的信号を送信する神経はいくつかの実施形態では検出信号の検出された電気生理学的信号成分が例えば、神経または神経内の神経線維のサブセットによって送信される複合活動電位または複合活動電位のサブセット(1つ以上の活動電位など)の速度、方向、周波数、振幅、波形を含む。検出された電気生理学的信号成分は電気生理学的信号が検出された神経線維のサブセット(すなわち、神経内の神経線維のサブセットの位置)に関連する情報を追加的または代替的に含むことができる。この情報は例えば、テンプレート検出信号を選択し、および/または刺激信号を生成するために、計算回路によって使用することができる。
【0174】
電気生理学的信号を検出するように構成されたインプランタブルデバイスは、神経と電気的に連通する複数の電極を含む。任意選択で、電極はインプランタブルデバイスの湾曲部材のうちの1つ以上の上に配置することができ、インプランタブルデバイスは神経の周りを少なくとも部分的に包み、神経内の神経線維の標的サブセットからの電気生理学的信号を検出するように構成することができる。いくつかの実施形態では、湾曲部材が神経の周りに約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上、または約98%以上など、神経の周りを実質的に包む。線維のサブセットは例えば、1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の線維束、または神経内の1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の線維束の一部であり得る。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の求心性神経線維、または神経内の求心性神経線維のサブセットを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の遠心性神経線維、または神経内の遠心性神経線維のサブセットを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の2つ以上の線維束内の遠心性神経線維、または神経内の2つ以上の線維束内の求心性神経線維を含むか、またはそれらからなる。
【0175】
計算モデリング(例えば、有限要素モデル)、逆音源推定、多重極(例えば、三重極)神経記録、速度選択記録、またはビームフォーミングなどの1つ以上の技法を使用して、神経線維のサブセットを選択的に標的化することができる。例えば、Taylor et al., Multiple-electrode nerve cuffs for low-velocity and velocity selective neural recording, Medical & Biological Engineering & Computing, vol. 42, pp. 634643 (2004)およびWodlinger et al., Localization and Recovery of Peripheral Neural Sources with Beamforming Algorithms, IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineering, vol. 17, no. 5, pp. 461-468 (2009)を参照されたい。インプランタブルデバイスの計算回路は、電気生理信号の標的検出のために複数の電極を動作させることができる。特定の神経は、神経線維の2つ以上の異なるサブセットによって同時に伝達される電気生理学的信号(または活動電位)の合計である複合電気生理学的信号(または複合活動電位)を伝達し得る。複数の電極によって検出された電気生理学的信号に基づいて、計算回路は、神経線維のどのサブセットがどの電気生理学的信号を伝達するかを決定することができる。いくつかの実施形態では、計算回路が速度選択記録を使用して、神経線維の標的サブセットから電気生理学的信号を選択的に検出するように構成され、速度選択記録は多極(例えば、三極)記録(1つ以上の湾曲部材上の複数の電極内の任意の数の三極を含むことができる)と組み合わせることができる。ビームフォーミングは神経線維の標的化されたサブセットからの電気生理学的信号を検出するために、追加的または代替的に使用され得る。1つ以上の湾曲部材の電極パッドの一部または全部は神経からの電気生理学的信号を検出することができ、計算回路は、1つ以上の湾曲部材の電極パッドの一部または全部によって検出された電気生理学的信号の差に基づいて、神経内の送信信号の断面位置を決定することができる。
【0176】
インプランタブルデバイスによって検出された検出信号または検出信号コンポーネントに関連する情報は、デバイスの非一時的メモリに記憶され、および/またはインプランタブルデバイスから無線で送信され得る。インプランタブルデバイスから送信された情報は、ネットワークの1つ以上の中間デバイスおよび/または1つ以上の他のインプランタブルデバイスによって受信され得る。
【0177】
<インプランタブルデバイスの検出信号解析、トリガ信号生成、および動的状態>
検出信号に関連する情報はインプランタブルデバイスのためのトリガ信号を生成するために解析することができ、インプランタブルデバイスは、刺激信号を生成するための基礎として使用され、標的神経の活動を調節する1つ以上の電気パルスを放出する。トリガ信号は、フィードフォワードプロセスの出力であってもよく、または反復ニューラルネットワークプロセスにおけるインプランタブルデバイスの動的状態であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、トリガ信号が情報入力(1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された1つ以上の検出信号、または検出信号に関連付けられたタイムスタンプおよび/または位置など)を解析することによって生成される。いくつかの実施形態では、インプランタブルデバイスが情報入力(1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された1つ以上の検出信号、検出信号に関連するタイムスタンプおよび/または位置、および/または別のインプランタブルデバイスの動的状態など)と、インプランタブルデバイスの以前の動的状態とに基づいて更新され得る動的状態を有する。
【0178】
例示的なプロセスを
図10に示す。D
1からD
Nは、1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された信号に基づく検出信号情報の1つ以上のコンポーネントを、解析のための入力として使用する。1つ以上の検出信号コンポーネントは、同じデバイスからのものであっても、異なるデバイスからのものであってもよい。検出信号に関連する情報は、T
1からT
Nの1つ以上のトリガ信号を生成するために解析される。検出信号に関連する情報は、検出信号のうちの1つまたは複数を検出するインプランタブルデバイス、中間デバイス、または電気パルスを放出するインプランタブルデバイスによって解析することができる。例えば、インプランタブルデバイスは1つ以上の検出信号コンポーネントを検出し、検出信号コンポーネントを解析して1つ以上のトリガ信号を生成し、トリガ信号を1つ以上の他のインプランタブルデバイスに無線で送信することができる。別の例では検出信号に関連する情報が中間デバイスに無線で送信することができ、中間デバイスは情報を解析して、1つ以上のインプランタブルデバイスに無線で送信される1つ以上のトリガ信号を生成する。ネットワークが複数のインプランタブルデバイスを含む場合、中間デバイスは複数のインプランタブルデバイスから検出信号(又は検出信号コンポーネント)に関する情報を受信し、その情報を解析することができる。検出信号コンポーネントに基づいて無線で送信された情報は情報のソース位置が解析中に認識されることができるように、固有の識別子を含むことができる。無線で送信されるトリガ信号はまた、インプランタブルデバイスがトリガ信号をインプランタブルデバイスに正しく関連付けることができるように、固有の識別子を含むことができる。いくつかの実施形態では検出信号に関連する情報がインプランタブルデバイスによって受信され、インプランタブルデバイスは検出信号を解析して、そのデバイスのためのトリガ信号を生成する。
【0179】
インプランタブルデバイスが(中間デバイスまたは別のインプランタブルデバイスなどの別個のデバイスからトリガ信号を無線で受信することによって、または検出信号を解析することによってトリガ信号を生成することによって)トリガ信号を取得すると、インプランタブルデバイスは刺激信号(たとえば、第1のインプランタブルデバイスのためのS1、および第NのインプランタブルデバイスのためのSN)を生成することができる。しかしながら、トリガ信号は、刺激信号が生成されるべきでないことを示すヌル信号であってもよい。刺激信号はインプランタブルデバイスの刺激回路に、標的神経の神経活動を調節する電気パルス(第1のインプランタブルデバイスではP1、第NのインプランタブルデバイスではPN)を生成させる。
【0180】
トリガ信号を生成するための検出信号に関連する情報の解析は例えば、刺激信号の生成のためのトリガとして作用することができる検出信号の調節(検出された電気生理学的信号、検出された生理学的状態、またはその両方の調節など)を識別することを含むことができる。電気生理学的信号の調節は例えば、神経によって伝達されている複合活動電位または複合活動電位の構成要素(例えば、1つ以上の活動電位)を示すことができる。トリガ信号は、検出信号と刺激信号との間の数学的関係を使用して生成することができる。数学的関係は例えば、機械学習を使用することによって決定することができ、又は予め選択された数学的関係とすることができる。いくつかの実施形態では、計算回路がデジタルロジック回路、アナログロジック回路、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)または神経形態学的計算を使用する。
【0181】
いくつかの実施形態ではトリガ信号を生成することは検出信号をテンプレート検出信号と比較することを含むことができ、刺激信号は検出信号とテンプレート検出信号との間の分散または類似性に基づいて生成される。1つ以上のテンプレート検出信号は例えば、デバイスの本体内の非一時的メモリに格納することができる。計算回路は例えば、デジタルロジック回路、アナログロジック回路、人工ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、または神経形態学的計算を使用して、検出された電気生理学的信号とテンプレート電気生理学的信号との間の分散または類似性を検出することができる。
【0182】
<神経調節>
電気パルスを放出するように構成されたインプランタブルデバイスによって得られた送信トリガ信号は刺激を生成し、電気パルスを放出するための命令を含むことができ、パルスのタイプ(例えば、直流パルスまたは交流パルス)、数パルス、パルス間の滞留時間、パルス周波数、パルス振幅、パルス形状、またはパルス電圧などの1つ以上のパルス特性のための命令を含むことができる。上述のように、トリガ信号は検出信号に関連する情報に基づいており、異なるデバイスからの1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された1つ以上のコンポーネントを含むことができるが、同じインプランタブルデバイスによって検出された1つ以上のコンポーネントを含むこともできる。
【0183】
計算回路は刺激回路を動作させるための刺激信号を生成し、デバイスによって放出される電気パルスに関する情報を含むことができる。刺激回路はトリガ信号から直接導出されてもよいし、トリガ信号に基づいてルックアップテーブルから得られてもよい。例えば、いくつかの実施形態では1つ以上のテンプレートパルスがデバイス内の非一時的メモリ上に格納され、計算回路は検出信号を使用して非一時的メモリからテンプレートパルスを取り出すことによって刺激信号を生成することができる。
【0184】
電気パルスを放出するインプランタブルデバイスは標的神経の活動を調節する電気パルスまたは電気パルス列(すなわち、同じであっても異なっていてもよい複数の電気パルス)を放出するように構成された2つ以上の電極を含む。電極は神経の長さに沿って、または神経の周囲の様々な位置に配置することができ、様々な位置で電気パルスを放出するように構成される。2つ以上の異なる電極によって放出される電気パルスは、同じであっても異なっていてもよく、神経内の湾曲部材の同じまたは異なるサブセットを標的とすることができる。例えば、第1の複数の電極は神経線維の神経サブセットの第1のサブセットによる電気生理学的信号の伝達を遮断するように構成された電気パルス列を放出することができ、第2の複数の電極は、神経線維の第2のサブセットを刺激する電気パルスまたは電気列を放出するように構成することができる。いくつかの実施形態において、神経線維の第1のサブセットは例えば、遠心性神経線維であり得、一方、神経線維の第2のサブセットは、求心性神経線維である。他の実施形態では、神経線維の第1のサブセットは求心性神経線維であり、神経線維の第2のサブセットは遠心性神経線維である。第1のサブセットの神経線維における電気生理学的信号の伝達を遮断し、第2のサブセットの神経線維を刺激することにより、刺激のオフターゲット効果は最小限に抑えられる。別の例では第1の湾曲部材上の第1の複数の電極パッド内の1つ以上の電極、および第2の湾曲部材上の第2の複数の電極パッド内の1つ以上の電極は神経の長さに沿った双極刺激のために動作させることができる。さらなる例では第1の湾曲部材上の複数の電極および第2の湾曲部材上の複数の電極がそれぞれ、特定の焦点刺激のために使用することができる、調節された電気パルスを放出することができる(すなわち、別個の複数の電極によって放出される電気パルスは互いに調整される)。
【0185】
インプランタブルデバイスによって放出される1つ以上の電気パルスは、湾曲部材上の複数の電極パッド内の1つ以上の電極パッドを選択的に活性化することによって、神経内の神経線維のサブセットへの標的電気パルスを含むことができる。デバイスの計算回路は電極を選択的に(すなわち、刺激信号を介して)アクティブ化するように刺激回路を動作させることができる。選択的活性化は例えば、電極の一部を活性化すること、および/または電極のすべてまたは一部を差動的に活性化することを含むことができる。したがって、複数の電極は、複数の電極パッドによって放出された電気パルスを神経線維の標的サブセットに導くように操作することができる。電場干渉および/または多極刺激(例えば、三極刺激)などの技術を使用して、電気パルスを神経内の神経線維のサブセットに標的化することができる。例えば、Grossman, et al., Noninvasive Deep Brain Stimulation via Temporally Interfering Electrical Fields, Cell, vol. 169, pp. 1029-1041 (2017)を参照のこと。1つ以上の湾曲部材を有する電極パッドは、計算回路によって選択的に作動されて、放出された電気パルスを神経線維のサブセットに向けることができる。デバイスによって放出される電気パルスによって標的化される神経線維のサブセットは例えば、1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の線維束、または神経内の1つ以上(例えば、2、3、4、またはそれ以上)の線維束の一部であり得る。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の求心性神経線維、または神経内の求心性神経線維のサブセットを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の遠心性神経線維、または神経内の遠心性神経線維のサブセットを含むか、またはそれからなる。いくつかの実施形態では、神経線維のサブセットが神経内の2つ以上の神経束内の遠心性神経線維、または神経内の2つ以上の神経束内の求心性神経線維を含むか、またはそれらからなる。
【0186】
<例示的な実施形態>
以下の実施形態は例示的なものであり、本発明を限定するものと考えるべきではない。
【0187】
実施形態1.インプランタブルネットワークを使用して神経活動を調節する方法は、(a)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、記録された神経によって送信される1つ以上の電気生理学的信号、または1つ以上の生理学的状態を含む検出信号を検出することと、(b)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、検出信号に関連する情報を無線で送信することと、(c)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、検出信号に関連する情報を無線で受信することと、(d)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、検出信号に関連する受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを、放出するかどうかを決定することと、を含む。
【0188】
実施形態2.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットの1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上の電気パルスを放出することをさらに含む、実施形態1の方法。
【0189】
実施形態3.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスから放出される1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を決定することを含む、実施形態2の方法。
【0190】
実施形態4.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で送信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報を無線で受信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報に少なくとも基づいて、1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することと、含む実施形態1から4の何れかの方法。
【0191】
実施形態5.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、1つ以上の追加の標的神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出することを含む実施形態4の方法。
【0192】
実施形態6.1つ以上の追加の神経の神経活動を調節するように構成された1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含む、実施形態4または5の方法。
【0193】
実施形態7.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出される検出信号に関連する情報を含む、実施形態4から6のいずれか1つの方法。
【0194】
実施形態8.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態に関連する情報を含む、実施形態4から7の何れか1つの方法。
【0195】
実施形態9.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で送信される1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される1つ以上の電気パルスに関連する情報を含む、実施形態4から8の何れか1つの方法。
【0196】
実施形態10.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、フィードフォワードニューラルネットワークプロセスを実施することを含む、実施形態1から9の何れか1つの方法。
【0197】
実施形態11.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含む、実施形態1から9の何れか1つの方法。
【0198】
実施形態12.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号にさらに基づく、実施形態1から11のいずれか1つの方法。
【0199】
実施形態13.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内のインプランタブルデバイスによって行われる、実施形態1から12の何れか1つの方法。
【0200】
実施形態14.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内のインプランタブルデバイスによって行われる、実施形態1から12の何れか1つの方法。
【0201】
実施形態15.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに直接送信することを含む、実施形態1から14の何れか1つの方法。
【0202】
実施形態16.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上の中間デバイスを介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに送信することを含む、実施形態1から14の何れか1つの方法。
【0203】
実施形態17.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上の中間デバイスによって行われる、実施形態16の方法。
【0204】
実施形態18.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットは2つ以上のインプランタブルデバイスを含む、実施形態1から17の何れか1つの方法。
【0205】
実施形態19.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットは2つ以上のインプランタブルデバイスを含む、実施形態1から18の何れか1つの方法。
【0206】
実施形態20.検出信号に関連する受信された情報に少なくとも基づいて刺激信号を生成することを含み、刺激信号は、1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出された1つ以上の電気パルスを駆動する、実施形態1から19の何れか1つの方法。
【0207】
実施形態21.検出信号が、1つ以上の生理学的状態を含む、実施形態1から20の何れか1つの方法。
【0208】
実施形態22.1つ以上の生理学的状態が温度、呼吸速度、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体の濃度を含む、実施形態21の方法。
【0209】
実施形態23.検出信号は、1つ以上の電気生理学的信号を含む、実施形態1から22の何れか1つの方法。
【0210】
実施形態24.検出信号に関連する情報は、電気生理学的信号または生理学的状態のタイムスタンプ、または電気生理学的信号内の複合活動電位またはその一部の方向、速度、周波数、振幅、または波形、を含む、実施形態1から23の何れか1つの方法。
【0211】
実施形態25.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つが第1の神経位置から電気生理学的信号を検出し、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つが第2の神経位置の神経活動を調節するよう構成された電気パルスを放出し、第1の神経位置および第2の神経位置が、同じ神経位置または異なる神経位置の異なる場所である、請求項1から24の何れか1つの方法。
【0212】
実施形態26.第1の神経位置と第2の位置とが、神経網を介して連結された異なる神経である、実施形態25の方法。
【0213】
実施形態27.第1の神経位置と第2の位置とは、同一の神経である、実施形態25の方法。
【0214】
実施形態28.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのうちの1つによって検出される電気生理学的信号は、第1の神経位置内の神経線維のサブセットによって送信される、実施形態25から27の何れか1つの方法。
【0215】
実施形態29.神経線維のサブセットが、第1の神経位置内の1つ以上の線維束を含む、実施形態28の方法。
【0216】
実施形態30.経線維のサブセットが、1つ以上の求心性神経線維を含む、実施形態28または29の方法。
【0217】
実施形態31.神経線維のサブセットが、1つ以上の遠心性神経線維を含む、実施形態28または29の方法。
【0218】
実施形態32.神経線維のサブセットが、神経内の異なる線維束の2つ以上の神経線維を含む、実施形態28から31の何れか1つの方法。
【0219】
実施形態33.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから検出信号に関連する情報を無線で送信することは、検出信号に関連する情報を符号化する超音波を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスから能動的に送信することを含む、実施形態1から32の何れか1つの方法。
【0220】
実施形態34.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから検出信号に関連する情報を無線で送信することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスで超音波を受信することと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスからの超音波を後方散乱させることであって、後方散乱された超音波は検出信号に関連する情報を符号化する、後方散乱させることと、を含む、実施形態1から32の何れか1つの方法。
【0221】
実施形態35.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて受信された検出信号に関連する情報は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって受信された超音波に符号化される、実施形態1から33の何れか1つの方法。
【0222】
実施形態36.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットにおいて1つ以上のインプランタブルデバイスによって検出された検出信号に関連する情報を無線電送信することは、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって能動的に送信または後方散乱された検出信号に関連する情報を符号化する超音波を、中間デバイスにおいて受信することと、 検出信号に関連する情報を符号化する追加の超音波を中間デバイスから能動的に送信することと、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスにおいて、中間デバイスから能動的に送信された追加の超音波を受信することと、を含む、実施形態33から35の何れか1つの方法。
【0223】
実施形態37.中間デバイスは外部デバイスである、実施形態36の方法。
【0224】
実施形態38.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイス、または1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスは、電力供給超音波を使用して電力供給される、実施形態1から37の何れか1つの方法。
【0225】
実施形態39.電力供給超音波は、中間デバイスによって送信される、実施形態38の方法。
【0226】
実施形態40.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって放出される電気パルスは、標的神経内の神経線維の標的サブセットへ放出される、実施形態1から39の何れか1つの方法。
【0227】
実施形態41.神経線維の標的サブセットが、第1の神経内に1つ以上の線維束を含む、実施形態40の方法。
【0228】
実施形態42.神経線維の標的サブセットは、1つ以上の求心性神経線維を含む、実施形態40または41の方法。
【0229】
実施形態43.神経線維の標的サブセットは、1つ以上の遠心性神経線維を含む、実施形態40または41の方法。
【0230】
実施形態44.神経線維の標的サブセットは、標的神経内の異なる線維束内の2つ以上の神経線維を含む、実施形態40から43の何れか1つの方法。
【0231】
実施形態45.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスが、標的神経を含む線維組織に電気パルスを放出する、実施形態1から44の何れか1つの方法。
【0232】
実施形態46.標的神経は、迷走神経、脊髄、脾神経、腸間膜神経、坐骨神経、脛骨神経、腹腔神経節、仙骨神経、腎神経、後頭神経、または副腎神経である、実施形態1から45の何れか1つの方法。
【0233】
実施形態47.標的神経は末梢神経である、実施形態1から46の何れか1つの方法。
【0234】
実施形態48.記録された神経は、迷走神経、脊髄、脾神経、腸間膜神経、坐骨神経、脛骨神経、腹腔神経節、仙骨神経、腎神経、後頭神経、または副腎神経である、実施形態1から47の何れか1つの方法。
【0235】
実施形態49.記録された神経は末梢神経である、実施形態1から48の何れか1つの方法。
【0236】
実施形態50.標的神経の神経活動を調節するためのデバイスネットワークは、(a)1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスであって、神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を含む検出信号を検出するためのセンサと、超音波を能動的に送信または後方散乱するように構成された超音波トランスデューサであって、超音波は検出信号に関連する情報を符号化する、超音波トランスデューサと、センサおよび超音波トランスデューサに電気的に結合された制御回路と、を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、(b)1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスであって、標的神経に電気パルスを放出するように構成された複数の電極と、検出信号に関連する情報を符号化する超音波を受信するように構成された超音波トランスデューサと、超音波から検出信号に関連する情報を抽出し、検出信号に関連する情報に基づいて複数の電極を動作させて電気パルスを放出させるように構成された制御回路と、を備える1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、を備え、ここで、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット中の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成される。
【0237】
実施形態51.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスと、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスとは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ、情報を無線で送信するように構成される、実施形態50のデバイスネットワーク。
【0238】
実施形態52.デバイスネットワークは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内に2つ以上のインプランタブルデバイスを備える、実施形態50または51のデバイスネットワーク。
【0239】
実施形態53.デバイスネットワークは、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内に2つ以上のインプランタブルデバイスを含む、実施形態50から52の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0240】
実施形態54.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットまたは1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスを放出するか否かを決定するように構成される、実施形態50から53の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0241】
実施形態55.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットまたは1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を選択するように構成される、実施形態54のデバイスネットワーク。
【0242】
実施形態56.電気パルスを放出するか否かを決定することは、1つ以上のインプランタブルデバイスの動的状態を更新することを含む、実施形態54または55のデバイスネットワーク。
【0243】
実施形態57.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスは、神経によって送信される電気生理学的信号または生理学的状態を検出するためのセンサをさらに備える、実施形態50から56の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0244】
実施形態58.超音波トランスデューサを備える1つ以上の中間デバイスをさらに含み、1つ以上の中間デバイスは、 超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから情報を無線で受信し、 超音波を介して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに情報を無線で送信する、ようさらに構成される実施形態50から57の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0245】
実施形態59.1つ以上の中間デバイスがさらに、超音波を通して、第2のセットの中の1つ以上のインプランタブルデバイスから、インプランタブルデバイスの1つ以上のインプランタブルデバイスから、情報を無線で受信し、超音波を通して、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセットの中の1つ以上のインプランタブルデバイスに、情報を無線で送信するように構成される、実施形態58のデバイスネットワーク。
【0246】
実施形態60.1つ以上の中間デバイスは、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに超音波を能動的に送信し、 センサによって検出された検出信号に関連する情報を符号化する後方散乱超音波を受信し、 検出信号に関連する情報を符号化する超音波を、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスに能動的に送信する、ように構成される、実施形態58または59に記載のデバイスネットワーク。
【0247】
実施形態61.中間デバイスは、 中間デバイスによって受信された超音波から検出信号に関連する情報を抽出し、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスによって無線で受信された情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定する、ように構成される制御回路を含み、中間デバイスから1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスへ送信される超音波に符号化された検出信号に関連する情報は、1つ以上の電気パルスを放出するための命令を含み、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセットにおける1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、命令に基づいて電気パルスを放出するように複数の電極を動作させるように構成される、実施形態58から60の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0248】
実施形態62.1つ以上の電気パルスを放出する命令は、1つ以上の電気パルスのうちの1つ以上のパルス特性に対する命令を含む、実施形態61のデバイスネットワーク。
【0249】
実施形態63.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスのセンサによって検出された検出信号に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定するように構成され、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの超音波トランスデューサによって能動的に送信されたまたは後方散乱された超音波に符号化された検出信号に関連する情報は、1つ以上の電気パルスを放出するための命令を含み、 1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、命令に基づいて電気パルスを放出するように複数の電極を動作させるように構成される、実施形態50から60の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0250】
実施形態64.1つ以上の電気パルスを放出するための命令は、1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性に対する命令を含む、実施形態63のデバイスネットワーク。
【0251】
実施形態65.1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの制御回路は、検出信号に関連する情報に少なくとも基づいて、1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスから1つ以上の電気パルスが放出されるべきか否かを決定し、決定に基づいて電気パルスを放出するように複数の電極を動作させるように構成される、実施形態50から60の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0252】
実施形態66.制御回路は、1つ以上の電気パルスの1つ以上のパルス特性を選択するようにさらに構成される、実施形態65のデバイスネットワーク。
【0253】
実施形態67.センサは電気生理学的信号を検出するように構成された複数の電極を備える、実施形態50から66の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0254】
実施形態68.センサは、生理学的状態を検出するように構成される、実施形態48から67の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0255】
実施形態69.生理学的状態は温度、呼吸数、歪み、圧力、pH、検体の存在、または検体濃度である、実施形態68のデバイスネットワーク。
【0256】
実施形態70.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスが、生理学的状態を検出するように構成される第1のセンサと、電気生理学的信号を検出するように構成される複数の電極を備える第2のセンサとを備える、実施形態50から69の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0257】
実施形態71.1つ以上のインプランタブルデバイスの第1のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの超音波トランスデューサ、または1つ以上のインプランタブルデバイスの第2のセット内の1つ以上のインプランタブルデバイスの超音波トランスデューサは、1つ以上のインプランタブルデバイスに電力を供給する超音波を受信するように構成される、実施形態50から70の何れか1つのデバイスネットワーク。
【0258】
本開示の例は添付の図面を参照して十分に説明されてきたが、様々な変更および修正が当業者には明らかになることに留意されたい。そのような変更および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の例の範囲内に含まれると理解されるべきである。