(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】真空掃除機のための掃除機ヘッド
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
A47L9/04 A
(21)【出願番号】P 2021571806
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 GB2020050966
(87)【国際公開番号】W WO2020245559
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-02
(32)【優先日】2019-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】アシュリー ゴンサウヴェス
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03289239(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0229075(US,A1)
【文献】特表2016-510615(JP,A)
【文献】特開昭62-231610(JP,A)
【文献】実開昭61-194470(JP,U)
【文献】英国特許出願公告第00513909(GB,A)
【文献】特開平02-149239(JP,A)
【文献】実開平03-128046(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機のための掃除機ヘッドであって、
屑が前記掃除機ヘッドに入る開口部を含む吸引キャビティおよび出口と、
それに対して回転するために片持ち支持状態で前記吸引キャビティに取り付けられている撹拌機であって、円錐形状であり、かつ、自由端部である第1の端部と、前記第1の端部よりも大きい直径を有する第2の端部と、を有するコアを含み、剛毛をさらに備える、撹拌機と、
前記撹拌機の周りに絡み付いたあらゆる屑を前記撹拌機の前記剛毛に押し付けるように選択された幅を有する、撹拌機係合部材と、
を含
み、
前記コアは、前記撹拌機の長手方向軸に対してコーン角で傾斜している外面を有し、前記撹拌機係合部材は、前記撹拌機の長手方向軸に対してコーン角で傾斜している方向に延在しており、
前記撹拌機係合部材が実質的に前記撹拌機の全長にわたって延在しており、
前記撹拌機係合部材が前記撹拌機に向けて付勢された弾性部材を含み、
前記弾性部材が弾性材料のストリップの形態であり、
前記弾性部材のストリップは、実質的に均一な幅を有し、
前記撹拌機係合部材は前記撹拌機の周りに前記屑を押し付け、それにより、前記屑が前記撹拌機の前記第1の端部から落下するまで、前記屑が前記撹拌機の前記第2の端部から前記第1の端部に向けて前記撹拌機の長さに沿って移動する、掃除機ヘッド。
【請求項2】
前記掃除機ヘッドは、前記開口部が形成されたソールプレートを含み、使用時には、前記コアの外面の最下部が前記ソールプレートに平行である、請求項
1に記載の掃除機ヘッド。
【請求項3】
前記撹拌機係合部材が前記撹拌機に向けて付勢されている、請求項1
又は2に記載の掃除機ヘッド。
【請求項4】
前記吸引キャビティは、前記掃除機ヘッドの実質的に円錐形のハウジングによって画定されており、前記撹拌機係合部材が前記ハウジングに取り付けられている、請求項1~
3のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項5】
前記撹拌機係合部材は、屑が前記掃除機ヘッドに入る開口部の反対側に配置されている、請求項
4に記載の掃除機ヘッド。
【請求項6】
前記撹拌機係合部材は、屑が前記掃除機ヘッドに入る開口部に隣接して配置されている、請求項
4に記載の掃除機ヘッド。
【請求項7】
前記撹拌機のコアが直立している螺旋状の隆起を含み、前記撹拌機が前記螺旋状の隆起の間に配置された前記剛毛の列を含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項8】
前記撹拌機係合部材が、絡み付いた屑を少なくとも前記撹拌機の前記剛毛に押し付けるように配置されている、請求項
7に記載の掃除機ヘッド。
【請求項9】
前記撹拌機の回転を駆動するためのドライブを含み、前記撹拌機が前記撹拌機の第2の端部で前記ドライブに接続されている、請求項1~
8のいずれか一項に記載の掃除機ヘッド。
【請求項10】
前記ドライブが、前記撹拌機の外部に配置されたモータと、前記撹拌機を前記モータに接続するベルトとを備える、請求項
9に記載の掃除機ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機は、典型的には、ゴミおよび埃の分離装置を含む本体と、本体に接続され、開口部を有する掃除機ヘッドと、開口部および掃除機ヘッドを通して本体内にゴミを含んだ空気を吸引するためのモータ駆動ファンユニットとを含む。開口部は、掃除される床面に面するように下方に向けられている。ゴミを含んだ空気は、分離装置に運ばれ、空気が大気中に排出される前に、空気からゴミと埃を分離することができる。分離装置は、フィルタ、フィルタバッグ、およびサイクロン装置のうち1つ以上を含むことができる。
【0003】
通常ブラシバーの形態をした駆動式撹拌機を掃除機ヘッドの吸引キャビティ内に回転可能に取り付けることができる。ブラシバーは、典型的に、コアから半径方向外向きに延在する剛毛を有する細長い円筒形コアを含む。開口部はアパチャの形態をしており、通常は細長い長方形のアパチャであり、掃除機ヘッドの基部に配置されたソールプレートによって画定される。ブラシバーは、剛毛が開口部から僅かに突出するように、吸引キャビティ内に取り付けることができる。
【0004】
ブラシバーは、主に真空掃除機を使用してカーペットの表面を掃除する際に作動される。ブラシバーの回転は、真空掃除機本体から得られる電力供給によって動力を供給される電気モータによって、または掃除機のヘッドを通過するかあるいは掃除機のヘッドに入る空気流によって駆動するタービンによって駆動させることができる。ブラシバーは、駆動ベルトを介してモータによって駆動させて、あるいはモータによって直接駆動させて、吸引キャビティ内で回転させることができる。ブラシバーの回転により、剛毛がカーペットの表面に沿って掃除し、カーペットの繊維と、カーペットの表面および/またはカーペットの繊維の間にあるあらゆる埃または他の破片との両方を撹拌し、その結果、かなりの量のエネルギーが埃に付与される。剛毛が開口部の前端から後端に向けて移動する方向にブラシバーが回転すると、回転している剛毛が、開口部を通って吸引キャビティ内に後方に埃を掃き出す。空気の吸引により、空気がソールプレートの下およびブラシバーの周囲に流れて、カーペットの表面からゴミおよび埃を持ち上げ、次いで、それを開口部から掃除機ヘッドを通って分離装置に向けて運ぶのを助ける。
【0005】
撹拌された埃が汚染空気入口を通過する間に、例えば毛髪や糸等の細長い屑がブラシバーまたはその取り付け部に絡み付き得る。これは、ブラシバーへのトルクの増加に繋がる可能性があり、ブラシバーに屑のストランドが十分に蓄積すると、ブラシバーの故障やピックアップ性能の低下に繋がり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、
屑が掃除機ヘッドに入る開口部を含む吸引キャビティおよび第1の空気吹出口と、
それに対して回転するために片持ち支持状態で吸引キャビティに取り付けられている撹拌機であって、円錐形状であり、かつ第1の自由端部と、第1の端部よりも大きい直径を有する第2の端部とを有する撹拌機と、
を含み、吸引キャビティは、撹拌機の自由端部に隣接して配置される第2の空気吹出口を含み、掃除機ヘッドは、第1の空気吹出口から掃除機ヘッドの出口に向けて吸引キャビティの下流に延在する第1の空気流路と、第2の空気吹出口から第1の空気流路に向けて吸引キャビティの下流に延在する第2の空気流路とを画定する。
【0007】
掃除機ヘッドの使用中、撹拌機の周りに絡み付いたあらゆる屑が、撹拌機の円錐形状によって撹拌機に沿って自由端部に向けて移動し、そこで撹拌機から解放される。この解放された屑が、吸引キャビティを通過する空気流内で撹拌機から運び去られる前に、撹拌機の周りに再度絡み付くリスクを最小限にするために、吸引キャビティは、撹拌機の自由端部に隣接して配置された第2の空気吹出口を備える。吸引キャビティを通過する空気流の第1の部分は、第1の空気吹出口を通って吸引キャビティから排出され、この空気流の第2の部分は、第2の空気吹出口を通って吸引キャビティから排出される。一般に、撹拌機によって床面から撹拌された埃および他の破片を含む気流の第1の部分は、第1の空気吹出口から掃除機ヘッドの出口まで延在する第1の空気流路に沿って通過する。撹拌機から解放された屑が一般に混入されている空気流の第2の部分は、第1の空気吹出口と掃除機ヘッドの出口との間の空気流の第1の部分と混合するように、かつ空気流のいずれかの部分が掃除機ヘッドから排出される前に、第2の空気吹出口から第1の空気流路に向けて延在する第2の空気流路に沿って通過する。
【0008】
本明細書で使用する場合、「円錐形」という用語は、円錐形および円錐台形の両方を含む。円錐形のコーン角は、円錐形の長手方向軸と円錐形の外部円錐面との間の角度である。好ましい実施形態では、コーン角は7°である。
【0009】
本明細書で使用する場合、「屑」という用語は、掃除機ヘッドの操作中に撹拌機の周りに絡み付く可能性があるストランドを指す。例えば、屑は、撹拌機の最大円周よりも大きい長さを有するストランドを含むと見なすことができる。屑の例には、毛髪、糸、および他の比較的長い繊維やストランドが含まれる。
【0010】
撹拌機は、好ましくは、コアの外部円錐面から直立する螺旋状の隆起を有する円錐状コアと、螺旋状の隆起の間に配置された一列の剛毛とを含む。剛毛は、コアの直立した隆起の間に挿入される可撓性の剛毛基部に取り付けることができる。剛毛は、例えば、屑が撹拌機の周りに絡み付いたときに、螺旋状の隆起の上面に対して自由に湾曲するように配置することができる。これにより、撹拌機の自由端部に向けて屑が移動するのを更に促進することができる。例えば、剛毛は、ナイロンまたは炭素繊維の比較的細いストランドから形成することができる。コアの長手方向軸に垂直な方向に測定した場合、直立した隆起の高さは、剛毛の高さの少なくとも50%であることが好ましい。これにより、屑が剛毛の間で、剛毛が取り付けられている剛毛基部に向けて沈み、剛毛の列内に閉じ込められるのを防ぐことができる。
【0011】
掃除機ヘッドは、好ましくは、開口部が形成されている底面またはソールプレートを含む。撹拌機の長手方向軸は、好ましくは、掃除機ヘッドの開口部を含む平面に対して鋭角で傾斜している。好ましい実施形態では、コーン角は7°である。使用時には、コアの外面の最下部は、好ましくは、開口部を含む平面に平行であり、コアの外面の最下部がこの平面からその長さに沿って等間隔に配置されるようにする。開口部は、好ましくは台形の形状である。開口部は、比較的長い前縁、比較的長い後縁、およびそれぞれが前縁と後縁との間に延在する2つの側縁によって画定することができる。前縁は、側縁に垂直であるか、または好ましい実施形態のように、一方の側縁と鋭角をなし、かつ他方の側縁と鈍角をなすように、側縁に対して傾斜されていてもよい。
【0012】
吸引キャビティは、好ましくは、掃除機ヘッドの円錐形ハウジングによって画定される。ハウジングは、好ましくは、撹拌機と実質的に同じ形状を有する。
【0013】
第1の空気吹出口および第2の空気吹出口はそれぞれ、好ましくは、撹拌機の後方に配置される。第2の空気吹出口は、好ましくは、撹拌機の自由端部の真後ろに配置される一方、第1の空気吹出口は、好ましくは、撹拌機の自由端部と第2の端部との間の中間に配置される。撹拌機が螺旋状の剛毛の列を含む場合、第1および第2の空気吹出口のこれらの位置、従って空気が吸引キャビティを通過する方向により、一般に剛毛の螺旋状の列に沿って、またはその傍に延在する方向とは反対に、一般に撹拌機の長手方向軸に直行する方向に、屑が撹拌機の周りに絡み付きやすくなることを見出した。これは、撹拌機に沿った屑の移動とその後の撹拌機からの解放を促進する可能性がある。
【0014】
第1の空気吹出口および第2の空気吹出口は、好ましくは、撹拌機の長手方向軸に平行に延在する方向に間隔を置いて配置される。
【0015】
第1の空気流路は、好ましくは、少なくとも部分的に、第1の空気吹出口から掃除機ヘッドの出口に空気を運ぶためのネックによって画定される。ネックは、好ましくは、掃除機ヘッドを真空掃除機に接続するためのコネクタを備える。空気流の第1の部分および空気流の第2の部分は、好ましくはネック内で合流する。
【0016】
第2の空気流路は、好ましくは、少なくとも部分的に、第2の空気吹出口からネックに形成された空気入口ポートに空気を運ぶためのダクトによって画定され、そこから空気流の第2の部分が空気流の第1の部分に入る。空気入口ポートは、第1の空気吹出口と掃除機ヘッドの出口との間に配置される。従って、第2の空気流路は、空気入口ポートの上流に位置する第1の空気流路の部分に平行に、吸引キャビティから離れて延在している。
【0017】
ダクト、従って第2の空気流路は、好ましくは、第2の空気吹出口からネックまでハウジングの外部に延在する。乱流を最小限に抑えるために、ダクトは好ましくは湾曲しており、好ましくは第2の空気吹出口と空気入口ポートとの間で90°にわたって湾曲している。ダクトは、その長さに沿って一定または変化する曲率半径を有することができる。製造を容易にするために、ダクトは、好ましくは、ネックの少なくとも一部および/またはハウジングの少なくとも一部と一体である。
【0018】
掃除機ヘッドは、好ましくは、吸引キャビティの側壁に隣接して配置されるがそこから離間している自由端部と、自由端部よりも大きい直径を有しており、自由端部の反対側に配置された第2の端部とを有する単一の円錐形撹拌機を含む。撹拌機は、好ましくは、撹拌機の第2の端部にて、または第2の端部に向けて、吸引キャビティに対する撹拌機の回転を駆動するためのドライブに取り付けられる。ドライブは、好ましくは、撹拌機の外部に配置されたモータと、撹拌機をモータに接続するベルトとを含む。あるいは、モータは撹拌機内に配置されてもよい。解放された屑が撹拌機の自由端部とハウジングの側壁との間に閉じ込められるのを防ぐことによって清掃性能を最大化するために、撹拌機の自由端部と側壁との間の間隔は、好ましくは2~10mmの範囲であり、より好ましくは3~5mmの範囲である。
【0019】
掃除機ヘッドがカーペット敷きの床面上で操作されるとき、真空掃除機によって吸引キャビティ内に生成される比較的低い空気圧を考慮して、カーペットの一部が持ち上げられ、開口部を通して吸引キャビティに引き込まれ得る。これにより、カーペットの隆起した部分が撹拌機に、特にコアの外面から直立した剛毛および螺旋状の隆起に接触する可能性がある。屑が撹拌機の周りに絡み付いた場合、カーペットが撹拌機を押す動作により、この屑が撹拌機の周りによりタイトに絡み付くのを促進する可能性がある。屑が撹拌機の周りにタイトに絡み付くことにより、撹拌機の自由端部に向けた移動が促進され得ることを見出した。
【0020】
撹拌機に対して屑を促すためにカーペットの吸引キャビティへの移動に依存せずに、撹拌機に沿って絡み付いた屑の移動を促進するために、掃除機ヘッドは、好ましくは、撹拌機の周りに絡み付いたあらゆる屑を撹拌機に押し付けるための撹拌機係合部材を含む。
【0021】
第2の態様では、本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、
屑が掃除機ヘッドに入る開口部を含む吸引キャビティおよび出口と、
それに対して回転するために片持ち支持状態で吸引キャビティに取り付けられている撹拌機であって、円錐形状であり、かつ第1の自由端部と、第1の端部よりも大きい直径を有する第2の端部とを有するコアを含む撹拌機と、
撹拌機の周りに絡み付いたあらゆる屑を撹拌機に押し付けるための撹拌機係合部材と、
を含む。
【0022】
係合部材は、好ましくは、実質的に撹拌機の全長にわたって延在している。吸引キャビティ内で撹拌機を回転させると、これにより、係合部材は、実質的に剛毛の列の全長およびコアの隆起を押すことができる。係合部材は、好ましくは、撹拌機の長手方向軸に対してコーン角で傾斜する方向に延在している。これにより、係合部材を撹拌機に対して整列させて、撹拌機のコアの外面の一部に、好ましくは上部に実質的に平行に配置することができる。これにより、係合部材は、その長さに沿って撹拌機に実質的に均一な力を印加することができる。
【0023】
係合部材は、好ましくは、撹拌機に向けて付勢されている。係合部材は、1つ以上のばねまたは他の弾性部材によって撹拌機に向けて付勢するプレートまたはバーを含むことができる。あるいは、係合部材は、撹拌機に向けて内的に付勢される弾性部材の形態であってもよい。弾性部材は、好ましくは実質的に均一な幅を有する弾性材料のストリップを含むことができる。係合部材の幅は、係合部材が絡み付いた屑を少なくとも撹拌機の剛毛に対して、好ましくはコアの螺旋状の隆起に対しても押し付けるように選択される。好ましい実施形態では、弾性材料のストリップの幅は、2~5mmの範囲である。
【0024】
係合部材は、撹拌機と係合するように、掃除機ヘッドの任意の表面に取り付けることができる。係合部材は、好ましくは、撹拌機を押し付けている任意の持ち上げられたカーペットの反対側に配置されるように、屑が掃除機ヘッドに入る開口部の反対側に配置される。これにより、カーペットおよび係合部材によって撹拌機に印加される力のバランスをとることができる。好ましい実施形態では、係合部材は、吸引キャビティを画定するハウジングに取り付けられている。
【0025】
上述したように、剛毛は、屑が撹拌機の周りに絡み付いたときに自由に湾曲するように配置されることにより、撹拌機の自由端部に向けた屑の移動を更に促進することができる。これらの剛毛は、剛毛基部に実質的に垂直に延在するように、剛毛基部に取り付けることができる。屑が撹拌機の周りに絡み付くと、剛毛は、コアの直立した隆起の上端に向けて、および/または隣接する剛毛を少なくとも部分的に覆うように屈曲する。
【0026】
代替的に、剛毛は、剛毛基部に対して、従ってコアの外面に対して、コアの自由端部に向けて延在する方向に傾斜させることができる。これにより、何らかの絡み付いた屑が隣接する剛毛の間に詰まり、剛毛基部に向けて移動しないリスクを低減することができ、更に絡み付いた糸が撹拌機の自由端部に向けて移動するのを促進することができる。
【0027】
第3の態様では、本発明は、真空掃除機のための掃除機ヘッドを提供し、掃除機ヘッドは、
屑が掃除機ヘッドに入る開口部を含む吸引キャビティおよび出口と、
それに対して回転するために片持ち支持状態で吸引キャビティに取り付けられている撹拌機であって、
第1の自由端部と、自由端部から離れた第2の端部と、自由端部と第2の端部との間に延在する直立した螺旋状の隆起とを有するコアと、
螺旋状の隆起の間に位置し、コアの自由端部に向けて延在する方向にコアに対して傾斜している剛毛の列と、
を含む撹拌機と、
を含む。
【0028】
剛毛の列は行方向に延在しており、剛毛は好ましくは行方向に対して、かつ行方向に向けて、鋭角で傾斜している。剛毛の列は、剛毛を可撓性の剛毛基部に固定し、熱間圧延技術を使用して剛毛を剛毛基部に向けて角度を付けることによって形成することができる。次に、剛毛の列が螺旋方向にコアの自由端部に向けて延在する螺旋形状を採用し、かつ剛毛が螺旋方向に対して鋭角でコアの自由端部に向けて傾斜するように、剛毛の列がコアの隆起の間に挿入される。鋭角は、好ましくは20~60°の範囲であり、より好ましくは30~50°の範囲である。剛毛の列は、連続した剛毛の列を含んでもよく、または複数の別個の剛毛房を含んでもよい。
【0029】
本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2から第3の態様に等しく適用可能であり、逆もまた同様である。
【0030】
次に、本発明の好ましい特徴を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】真空掃除機のための掃除機ヘッドの第1の実施形態の正面図である。
【
図7A】
図1の掃除機ヘッドの撹拌機のコアの正面図である。
【
図7D】剛毛の列がコア上に配置された、
図7Aの線J-Jに沿った断面図である。
【
図8B】掃除機ヘッドの撹拌機係合部材を除く全ての構成要素が除去された、
図8Aの類似図である。
【
図9】真空掃除機のための掃除機ヘッドの第2の実施形態の正面図である。
【
図15】
図9の線B-Bに沿った断面図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1~
図5は、真空掃除機のための掃除機ヘッド10の第1の実施形態の外観図である。掃除機ヘッド10は、円錐形のフロントハウジング12と、フロントハウジング12に接続されたリアハウジング14と、フロントハウジング12に接続されたソールプレート16とを備える。リアハウジング14およびソールプレート16のうちの1つ以上は、フロントハウジング12と一体であってもよく、好ましくはプラスチック材料から形成される。使用時には、ソールプレート16は、清掃される床面上に配置される。
【0033】
特に
図4を参照すると、ソールプレート16は、空気流が掃除機ヘッド10に引き込まれる吸引開口部22の対向側面に配置された前縁部18および後縁部20を備える。吸引開口部22は、一般に、台形形状であり、前部作業エッジ24と、前部作業エッジ24に対して傾斜した後部作業エッジ26と、比較的長い第1の側縁28と、第1の側縁28に平行な比較的短い第2の側縁30とによって画定される。前部作業エッジ24は、ソールプレート16の前縁部18とフロントハウジング12との交差によって画定され、また後部作業エッジ26は、ソールプレート16の後縁部20とフロントハウジング12との交差によって画定される。掃除機ヘッドがそのような表面上で操作されるとき、作業エッジ24、26は、カーペット敷きの床表面の繊維を撹拌する。第2の側縁30は、フロントハウジング12の側壁32の下端によって画定される。
【0034】
図6Aおよび
図6Bも参照すると、フロントハウジング12は、吸引開口部22を通して掃除機ヘッド10に引き込まれる空気流を受け入れる円錐形の吸引キャビティ34を画定する。吸引キャビティ34は、カーペット敷きの床面の繊維を撹拌するための撹拌機36を収容する。撹拌機36は、撹拌機36の長手方向軸と同一直線上にある軸を中心に、フロントハウジング12および吸引キャビティ34に対して回転可能なブラシバーの形態である。
図7A~
図7Dに示すように、撹拌機36は、この実施形態では円錐形状である中空コア38を備える。コア38は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)等の比較的剛性のプラスチック材料から形成されている。コア38は、比較的小さい第1の端部42と比較的大きい第2の端部44との間に延在する円錐形外面40を備える。コア38のコーン角、即ち、コアの長手方向軸とコア38の外面40との間の角度は、好ましくは5~15°の範囲にあり、この実施形態では約7°である。
【0035】
一対の螺旋状隆起46、48は、コア38の外面40から直立しており、コア38の外面40に沿って、その第2の端部44から第1の端部42まで螺旋状に延在している。隆起46、48は、実質的にコア38の全長にわたって延在し、外面40の周りに約450°延在している。隆起46、48は、隆起46、48が床面との接触時に過度に変形しないように、コア38と一体であることが好ましい。隆起46、48は、剛毛ストリップ52(
図4には図示せず)を受け入れる螺旋状チャネル50をそれらの間に画定する。剛毛ストリップ52は、可撓性の剛毛基部54と、剛毛ストリップ54に織り込まれた剛毛56の列とを備える。剛毛56は、ナイロンから形成され、使用時に清掃される表面にある埃および屑を撹拌するのに十分な強度を有する一方、剛毛基部54に対して弾性的に変形するのに十分な可撓性も有する。
図7Cに示すように、剛毛56は、剛毛56が剛毛基部54に対して鋭角に傾斜するように、剛毛基部54上に配置される。剛毛56の傾斜は、剛毛56を剛毛基部54に取り付けた後に、剛毛基部54に向けて傾斜するように、剛毛56を熱間圧延プロセスにかけて剛毛56を変形させることによって達成することができる。鋭角は、好ましくは20~60°の範囲であり、より好ましくは30~50°の範囲である。次に、
図7Cに示すように、剛毛56のテーパ方向がコア42の第1の端部42に向けて延在するように、剛毛ストリップ52がチャネル50に挿入され、かつチャネル50に固定される。従って、剛毛56は、コア38の第1の端部42に向けて傾斜しているが、テーパ方向は、コア38の第2の端部44から第1の端部42に向けてコア38の周りに螺旋状に延在する。
【0036】
剛毛56の長さは、剛毛56が隆起46、48の先端を越えて外方に突出するように選択される。コア38の長手方向軸に垂直な方向に測定すると、直立した隆起46、48の高さは、好ましくは、剛毛56の高さの少なくとも50%である。
【0037】
撹拌機36は、コア38の第1の端部42がフロントハウジング12の側壁32から離間するように、片持ち支持状態で吸引キャビティ34内に取り付けられる。従って、第1の端部42は、撹拌機36の自由端部と呼ばれる場合もある。コア38の第1の端部42と側壁32との間の間隔は、好ましくは、2~10mmの範囲であり、より好ましくは3~5mmの範囲である。撹拌機36は、撹拌機の長手方向軸が吸引開口部22を含む平面に対して鋭角に傾斜するように取り付けられる。この鋭角は、好ましくは、5~15°の範囲であり、この実施形態では約7°である。
図6Bに示すように、撹拌機36は、コア38の外面40の最下部が吸引開口部22を含む平面に平行になるように取り付けられる。剛毛56の長さは、外力を受けない場合、剛毛ストリップ52の最下部の先端が吸引開口部22を含む平面に配置されるように選択される。
【0038】
撹拌機36の回転は、リアハウジング14の内部に収容されたモータ(図示せず)によって駆動される。モータは、剛毛56がゴミおよび屑を後方に掃引する方向に、即ち、後部作業エッジ26にわたって吸引キャビティ34内に撹拌機36を回転させるように配置する。モータは、カバー64によって閉鎖された駆動ハウジング62内で、フロントハウジング12とリアハウジング14との間に延在するベルト60を駆動する。ベルト60は、駆動ハウジング62によって画定される片持ち式支持に取り付けられたベルト駆動66が駆動回転するように配置される。片持ち式支持は、ベルト駆動66から突出し、ベアリング68および撹拌機固定具70を介して撹拌機36が回転可能に取り付けられているマウントを提供する。駆動ドッグ72は、片持ち式支持を通して突出するようにベルト駆動66に接続されている。撹拌機36は、コア38の内部環状カラー74を介して駆動ドッグ72に接続されている。
【0039】
図7Aおよび
図7Bを参照すると、吸引キャビティ34は、第1の空気吹出口80と、第1の空気吹出口80から離間した第2の空気吹出口82とを備える。各空気吹出口80、82は、撹拌機36の後方に配置されており、吸引開口部22を含む平面の上に配置されている。第1の空気吹出口80は、第2の空気吹出口82よりも大きい。第1の空気吹出口80は、一般に、撹拌機36のコア38の第1の端部42と第2の端部44との間の中間に位置する。第1の空気吹出口80は、空気を掃除機ヘッド10のネック84に運び、その中で、空気は掃除機ヘッド10の出口86に運ばれる。ネック84は、掃除機ヘッド10を真空掃除機に接続するためのコネクタ88と、モータを真空掃除機の電力供給に接続するための電気コネクタ90とを含む。
【0040】
第2の空気吹出口82は、コア38の第1の端部42に隣接して配置され、かつ第1のハウジング12の側壁32によって部分的に画定されることが好ましい。第2の空気吹出口82は、第1のハウジング12とネック84との間に外的に延在するダクト92に空気を運ぶ。ダクト92は、好ましくは剛性であり、好ましくは、フロントハウジング12の少なくとも一部および/またはネック84の少なくとも一部と一体である。ダクト92は、第1の空気吹出口80と掃除機ヘッド10の出口86との間で、第2の空気吹出口82からネック84内に配置された空気入口ポートに空気を運ぶ。
【0041】
図6Bおよび
図8A~
図8Cを参照すると、掃除機ヘッド10はまた、撹拌機36と係合するための撹拌機係合部材96を含む。係合部材96は、吸引キャビティ34内に突出して撹拌機36に係合するように、第1のハウジング12に取り付けられている。係合部材96は、その長さに沿って支持体100によって把持され、かつ少なくとも撹拌機36の剛毛56を押す弾性材料の可撓性ストリップ98を備える。係合部材96は、撹拌機36の回転により、係合部材96が実質的に剛毛56の列全体を押すように、撹拌機36の実質的に全長にわたって延在している。
図8Aおよび
図8Bに示すように、係合部材96は、撹拌機36のコア38の外面40の上部に実質的に平行になるように、撹拌機36の長手方向軸に対してコーン角で傾斜する方向に延在している。可撓性ストリップ98は、実質的に均一な幅を有する。この実施形態では、弾性材料のストリップの幅は約5mmであり、
図6Bに示すように、少なくとも撹拌機36の剛毛56と、好ましくはコア38の隆起46、48の先端とも係合するように、吸引キャビティ22内に十分に突出するように選択される。係合部材96は吸引開口部22の反対側に配置され、好ましくは、フロントハウジング12に形成されたスロットを通って吸引キャビティ22内に突出している。
【0042】
使用中、空気流は、掃除機ヘッド10が取り付けられている真空掃除機のモータおよびファンユニットによって掃除機ヘッド10を通って引き込まれる。空気流は、吸引開口部22を通って吸引キャビティ34に入る。空気流の第1の部分は、第1の空気吹出口80を通って吸引キャビティ34を出て、第1の空気吹出口80から掃除機ヘッド10の出口86までネック84内に延在する第1の空気流路に沿って通過する。空気流の第2の部分は、第2の空気吹出口82を通って吸引キャビティ34を出て、第2の空気吹出口82からネック84の空気入口ポートまで、従って第1の空気流路に向けてダクト92内に延在する第2の空気流路に沿って通過する。従って、空気流のこれらの部分は、掃除機ヘッド10から出口86を通って放出される前に、掃除機ヘッド10のネック84内で合流する。
【0043】
撹拌機36は、モータによって駆動されて、吸引キャビティ34内で回転する。ソールプレート22がカーペット敷きの床面に押し付けられると、撹拌機36の回転する剛毛56が床面上にある、または床面の繊維間の埃粒子および屑に接触し、従ってそれらにエネルギーを伝達する。撹拌機36が吸引キャビティ34内で回転して、剛毛56が前部作業エッジ24から後部作業エッジ26に通過するとき、エネルギーを付与された埃および屑の大部分は、吸引開口部22を通って後方に掃引される。埃および屑の大部分は、吸引キャビティ34を通過する空気流内に混入され、第1の空気吹出口80または第2の空気吹出口82を通過する一方、毛髪、糸、繊維等の一部の屑は、撹拌機36の周りに絡み付き得る。そのような屑は、撹拌機36の円錐形状によって、第2の端部44から第1の端部42に向けて撹拌機36の長さに沿って移動するように促される。係合部材96の作用下で、そのような屑は、撹拌機36の第1の端部42から落下するまで、撹拌機36の周りに押し付けられ、すると、解放された屑が空気流の第2の部分内に混入され、ダクト92を通過して掃除機ヘッド10のネック84に入る。コア38の外面40に対する剛毛56の傾斜により、絡み付いた屑が撹拌機に沿って移動し、剛毛56の間に閉じ込められないようにする。剛毛56とコア38の隆起46、48との相対的な高さは、剛毛56間で剛毛ストリップ54に向けて移動し始めるあらゆる絡み付いた屑が、隆起46、48の先端との係合によって移動するのを阻止され、従って、第1の端部42に向けて撹拌機36に沿って移動し続けることを意味する。
【0044】
図9~
図12は、真空掃除機のための掃除機ヘッド110の第2の実施形態の外観図である。掃除機ヘッド110は、下部ハウジング部分112と、下部ハウジング部分112に対して、およびその周りを移動可能な上部ハウジング部分114とから形成されるハウジングを備える。ソールプレート116は、下部ハウジング部分112に接続されており、好ましくは下部ハウジング部分112と一体である。第1の実施形態のソールプレート16と同様に、ソールプレート116は、空気流を掃除機ヘッド110に引き込む吸引開口部122の対向する側面に配置された前縁部118および後縁部120を備える。吸引開口部122は、一般に台形形状であり、前部作業エッジ124と、前部作業エッジ124に対して傾斜した後部作業エッジ126と、比較的長い第1の側縁128と、一般に第1の側縁128に平行な比較的短い第2の側縁130とによって区切られる。掃除機ヘッド110がカーペット敷の床面上で操作されるとき、作業エッジ124、126は、カーペット敷きの床面の繊維を撹拌する。
【0045】
図13および
図15も参照すると、下部ハウジング部分112および上部ハウジング部分114は、吸引開口部122を通して掃除機ヘッド110に引き込まれる空気流を受け入れる円錐形の吸引キャビティ134を画定する。吸引キャビティ134は、カーペット敷きの床面の繊維を撹拌するための撹拌機136を収容する。撹拌機136は、撹拌機136の長手方向軸と同一直線上にある軸を中心に、ハウジング部分112、114および吸引キャビティ134に対して回転可能なブラシバーの形態である。
図13に示すように、撹拌機136は、中空コア138を含み、この実施形態ではこれも円錐形状である。コア138は、ABS等の比較的剛性のプラスチック材料から形成されている。コア138は、比較的小さい第1の端部142と比較的大きい第2の端部144との間に延在する円錐形の外面140を備える。この実施形態では、コア138のコーン角は約5°である。
【0046】
この実施形態では、剛毛房156は、撹拌機136のコア138に取り付けられている。剛毛房156は、撹拌機136のコア138の周りに延在する螺旋状の列に配置される。剛毛房156は、例えばステープリング技術を使用して、コア138に個々に接続することができる。あるいは、剛毛房156は、コア138の周りに延在する螺旋状チャネルに挿入される剛毛基部に剛毛房156が取り付けられている剛毛ストリップの形態で提供されてもよい。剛毛156は、ナイロンから形成され、使用時には清掃される表面上にある埃や屑を撹拌するのに十分な強度を有する一方、剛毛基部または撹拌機136のコア138に対して弾性的に変形するのに十分な可撓性も有する。第1の実施形態と同様に、剛毛156は、剛毛156がコア138の第1の端部142に向けて傾斜するが、剛毛156のテーパ方向がコア138の第2の端部144から第1の端部142に向けてコア138の周りに螺旋状に延在するように、コア138上に配置されている。
【0047】
第1の実施形態と同様に、撹拌機136は、コア138の第1の端部142が下部ハウジング部分112の側壁158から離間するように、片持ち支持状態で吸引キャビティ134内に取り付けられる。この実施形態では、コア138の第1の端部142と側壁158との間の間隔は、好ましくは10~20mmの範囲である。撹拌機136は、撹拌機136の長手方向軸が吸引開口部122を含む平面に対して鋭角で傾斜するように取り付けられる。この鋭角は、好ましくは5~15°の範囲であり、この実施形態では約5°である。
図13に示すように、撹拌機136は、コア138の外部円錐面140の最下部が吸引開口部122を含む平面に平行になるように取り付けられる。剛毛156の長さは、外力を受けない場合、剛毛156の最下部の先端が吸引開口部122を含む平面の下に位置するように選択される。
【0048】
撹拌機136の回転は、
図14に示すように、上部ハウジング部分114内に収容されたモータ160によって駆動される。モータは、剛毛156がゴミおよび屑を後方に、即ち、後部作業エッジ126を越えて、吸引キャビティ134内に掃引する方向に撹拌機136を回転させるように配置される。モータ160の撹拌機136への接続は、モータの掃除機ヘッド10の撹拌機36への接続と同じである。
【0049】
この実施形態では、吸引キャビティ134は、単一の空気吹出口182を備える。空気吹出口182は、掃除機ヘッド10の空気吹出口82と同様の位置に配置されており、空気吹出口182は、撹拌機136の後方に配置され、かつ吸引開口部122を含む平面の上に配置されている。特に
図13を参照すると、この実施形態では、空気吹出口182は、撹拌機136の自由端部142から、撹拌機136の長手方向軸Xに沿って離間している。この方向に沿った撹拌機136の自由端部142から空気吹出口182の間隔は、好ましくは10mm未満であり、より好ましくは5mm未満である。空気吹出口182は、上部ハウジング部分114と掃除機ヘッド110のネック184との間で外的に延在するダクト192に空気を運ぶ。ダクト192は、好ましくは剛性であり、好ましくは上部ハウジング部分114および/または少なくともネック184の一部と一体である。ダクト192は、ハウジングと掃除機ヘッド110の出口186との間で、空気吹出口182からネック184内に位置する空気入口ポートに空気を運ぶ。第1の実施形態と同様に、ネック184は、掃除機ヘッド110を真空掃除機に接続するためのコネクタ188と、モータ160を真空掃除機の電力供給に接続するための電気コネクタ190とを含む。
【0050】
図15を参照すると、掃除機ヘッド110はまた、撹拌機136と係合するための撹拌機係合部材196も含む。係合部材196は、吸引キャビティ134内に突出して撹拌機136に係合するように、下部ハウジング部分112の内面に取り付けられる。係合部材196は、撹拌機136の回転により、係合部材196が実質的に剛毛156の列全体を押すように、撹拌機136の実質的に全長にわたって延在している。この実施形態では、係合部材196は、掃除機ヘッド110の吸引開口部122に隣接して配置されている。
【0051】
使用時に、空気流は、掃除機ヘッド110が取り付けられている真空掃除機のモータおよびファンユニットによって掃除機ヘッド110を通して引き込まれる。空気流は、吸引開口部122を通って吸引キャビティ134に入る。空気流は、空気吹出口182を通って吸引キャビティ134から排出され、ダクト192内で空気吹出口182からネック184の空気入口ポートまで、続いて空気入口ポートから空気吹出口186まで延在する空気流路に沿って通過する。撹拌機136は、モータ160によって駆動されて、吸引キャビティ134内で回転する。ソールプレート122がカーペット敷きの床面に押し付けられることで、撹拌機136の回転している剛毛156が、床面上にある、または床面の繊維間の埃粒子および屑に接触し、従ってそれらにエネルギーを伝達する。剛毛156が前部作業エッジ124から後部作業エッジ126まで通過するように、撹拌機136が吸引キャビティ134内で回転するとき、エネルギーを付与された埃および屑の大部分は、吸引開口部122を通って後方に掃引される。エネルギーを付与された埃および屑の大部分が、吸引キャビティ134を通過する気流内に混入され、空気吹出口182を通過する一方、毛髪、糸、繊維等の一部の屑は、撹拌機136の周りに絡み付き得る。そのような屑は、撹拌機136の円錐形状によって、第2の端部144から第1の端部142に向けて撹拌機136の長さに沿って移動するように促される。係合部材196の作用下で、そのような屑は、撹拌機136の第1の端部412から落下するまで撹拌機136の周りに押し付けられ、すると、解放された屑は気流内に混入され、ダクト192を通過して、掃除機ヘッド10のネック184に入る。第1の実施形態と同様に、コア138の外面140に対する剛毛156の傾斜により、絡み付いた屑が撹拌機136に沿って移動するのを促す。