(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-21
(45)【発行日】2024-05-29
(54)【発明の名称】可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 3/20 20060101AFI20240522BHJP
【FI】
G01N3/20
(21)【出願番号】P 2021576646
(86)(22)【出願日】2020-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020035459
(87)【国際公開番号】W WO2020263502
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-03-09
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ レベスク
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー カーボーン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジョイス
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1489667(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1843874(KR,B1)
【文献】特表平08-511089(JP,A)
【文献】米国特許第05574227(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0154555(US,A1)
【文献】特開2014-130048(JP,A)
【文献】特開平08-043282(JP,A)
【文献】特開2011-033376(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性基板試験システムであって、
試験対象の可撓性基板の第1の部分を静止状態に保持するように構成された第1の基板支持構造と、
前記可撓性基板の第2の部分を保持するように構成された第2の基板支持構造と、
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の基板支持構造を動かすように構成されたアクチュエータと、
前記可撓性基板に対する負荷を測定するように構成されたロードセルと、
前記第1の基板支持構造を保持し、前記ロードセルが前記負荷を測定するように構成された方向における前記第1の基板支持構造の運動を制限するように構成された並進リンク機構と、
を備える、可撓性基板試験システム。
【請求項2】
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成された第1のガイドを更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項3】
前記第1のガイドは、前記可撓性基板の第1の所定の曲げ半径に従って前記第2の基板支持構造の前記運動を誘導するように構成される、請求項2に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項4】
前記第1のガイドは、前記可撓性基板の第2の所定の曲げ半径に従って前記第2の基板支持構造の前記運動を誘導するように構成された第2のガイドと交換可能である、請求項3に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項5】
前記第1のガイドは、前記第2の基板支持構造に取り付けられたカム従動子を誘導するように構成された溝を有する第1のガイドプレートを備える、請求項2に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項6】
前記第1のガイドプレートは、前記第2の基板支持構造に結合され、アクチュエータ溝内に位置決めされたアクチュエータピンを誘導するように構成された前記アクチュエータ溝を備え、前記アクチュエータは、前記アクチュエータピンを動かすことによって前記第2の基板支持構造を動かすように構成される、請求項5に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項7】
前記第1のガイドは、前記第2の基板支持構造の前記運動又は重量に起因して、前記可撓性基板に対し追加の応力を引き起こすことなく、前記第2の基板支持構造の前記運動を誘導するように構成される、請求項2に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項8】
前記第2の基板支持構造に、該第2の基板支持構造の、前記第1のガイドと反対側に結合された第2のガイドを更に備え、前記第2のガイド
は、前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成される、請求項2に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項9】
前記ロードセルに向かう前記第1の基板支持構造の変位を制限するように構成された負荷制限器を更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項10】
前記ロードセルからの負荷情報に基づいて前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成された制御回路部を更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項11】
前記制御回路部は、前記可撓性基板の折り曲げ又は展開中に前記ロードセルによって測定される動的負荷に基づいて、前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成される、請求項10に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項12】
前記制御回路部は、前記可撓性基板の折り曲げ又は展開の完了時に前記ロードセルによって測定された静的負荷に基づいて前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成される、請求項10に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項13】
前記第2の基板支持構造を第1の方向に動かして前記可撓性基板を折り曲げるか、又は第2の方向に動かして前記可撓性基板を展開するように前記アクチュエータを制御するように構成された制御回路部を更に備える、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項14】
前記ロードセルは、前記可撓性基板の前記第1の部分に対する前記負荷を測定するように構成される、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項15】
前記ロードセルは、前記可撓性基板の前記第2の部分に対する前記負荷の少なくとも一部分を測定するように構成される、請求項1に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項16】
前記第2の基板支持構造の重量、及び折り曲げ又は展開中の前記基板支持構造の慣性負荷について、前記ロードセルからの負荷測定値を補償し、前記ロードセルからの負荷情報及び前記補償に基づいて、前記可撓性基板に対する前記負荷の少なくとも一部分を求めるように構成された制御回路部を更に備える、請求項
15に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項17】
前記可撓性基板の前記第1の部分に対する前記負荷の一部分を測定するように構成された第2のロードセルを更に備える、請求項
15に記載の可撓性基板試験システム。
【請求項18】
可撓性基板に対する負荷を測定する方法であって、
基板支持構造を介して、試験対象の可撓性基板の第1の部分を静止状態に保持することと、
ロードセルが前記負荷を測定するように構成された方向における前記基板支持構造の運動を制限するように、前記基板支持構造を保持することと、
アクチュエータを介して、前記可撓性基板を折り曲げ、又は該可撓性基板を展開するように前記可撓性基板の第2の部分を動かすことと、
前記動かした結果として生じる前記可撓性基板に対する負荷を測定することと、
を含む、方法。
【請求項19】
可撓性基板試験システムであって、
試験対象の可撓性基板の第1の側部を静止状態に保持するように構成された第1の表面を備える第1のプレートと、
前記第1のプレートを保持し、前記プレートの前記第1の表面に平行な方向における前記プレートの運動を制限するように構成された並進リンク機構と、
前記可撓性基板の第2の側部を保持するように構成された第2の表面を備える第2のプレートと、
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の表面の運動を誘導するように構成された第1のガイドプレートと、
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第1のガイドプレートに従って前記第2のプレートを動かすように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータが前記第2のプレートを動かす間、前記第1のプレートに対する負荷を測定するように構成されたロードセルと、
を備え
、
前記並進リンク機構は、前記ロードセルが前記負荷を測定するように構成された方向における前記第1のプレートの運動を制限するように更に構成される、可撓性基板試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「METHODS AND APPARATUS TO PERFORM LOAD MEASUREMENTS ON FLEXIBLE SUBSTRATES」と題する2019年6月24日に出願された米国仮特許出願第62/865,634号及び2020年5月29日に出願された米国特許出願第16/887,960号の利益を主張する。米国仮特許出願第62/865,634号及び米国特許出願第16/887,960号の全体は、引用することにより明確に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、材料試験に関し、より詳細には、可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
組立体の信頼性試験、又は組立体の構成要素を動かすことは、構成要素の意図した及び/又は意図していない動きを繰り返し行って、定義された最小数の動きサイクルについて構成要素及び/又は組立体が確実に動作することを検証することを伴う場合がある。例えば、可撓性基板の信頼性試験は、デバイスの連続動作について試験し、及び/又は様々な故障モードをモニタリングしながら、1つ以上の方式で基板を繰り返し屈曲させることを伴う場合がある。
【発明の概要】
【0004】
可撓性基板に対する負荷測定を行う方法及び装置が、特許請求の範囲においてより完全に記載されるように、実質的に、図面のうちの少なくとも1つによって示され、これに関連して説明されるように開示される。
【0005】
本開示のこれらの特徴、態様、及び利点並びに他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明が添付図面を参照して読まれるとより良好に理解され、図面を通して同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本開示の態様による、可撓性基板上で機械的特性試験を実行するための例示的な可撓性基板試験システムのブロック図である。
【
図1B】本開示の態様による、可撓性基板上で機械的特性試験を実行するための別の例示的な可撓性基板試験システムのブロック図である。
【0007】
【
図2】
図1Aの可撓性基板試験システムの例示的な実施態様のブロック図である。
【0008】
【
図3】
図1Aの可撓性基板試験システムの例示的な実施態様の斜視図である。
【0009】
【
図4】ガイドプレートを備える、
図1Aの例示的な基板試験システムの立面図である。
【0010】
【
図5】
図3の並進リンク機構(translation linkage)の部分分解図である。
【0011】
【
図6】試験対象の基板を折り曲げるような位置に第2のプレートが動かされた
図3の例示的な可撓性基板試験システムの斜視図である。
【0012】
【
図7】
図1Aの可撓性基板試験システムの別の例示的な実施態様の斜視図である。
【0013】
【
図8】
図7の例示的な可撓性基板試験システムの立面図である。
【0014】
【
図9】
図7の例示的な可撓性基板試験システムの平面図である。
【0015】
【
図10】
図7の例示的な可撓性基板試験システムの立面図である。
【0016】
【
図11】
図7の例示的な第1のプレート、屈曲部及びロードセルのより詳細な図である。
【0017】
【
図12】
図1A~
図11の例示的な可撓性基板試験システムによって行うことができる、可撓性基板に対する負荷を測定する例示的な方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0019】
従来の可撓性基板試験システムは、折り曲げ又は展開中の可撓性基板に対する負荷又は応力を測定しない。代わりに、従来の可撓性基板試験システムは、欠陥解析並びに他の静的試験及び解析等の試験を伴うことができる。
【0020】
開示される例示的な可撓性基板試験システム及び方法は、折り曲げ及び/又は展開等の変形中の可撓性基板に対する動的負荷及び/又は静的負荷の測定を含む、可撓性基板の応力試験を提供する。いくつかの開示される例示的なシステム及び方法は、可撓性基板試験システム自体によって可撓性基板に引き起こされる追加の応力を低減又は最小化する。例えば、いくつかの開示される可撓性基板試験システムは、可撓性表示スクリーン等の可撓性基板の反復的折り曲げ及び展開を提供する固定具を備える。開示される例は、基板の端部が合わせて折り曲げられるか又は展開される際に固定具が可撓性基板に対する更なる圧縮又は張力を引き起こさないように固定具を構成し、例えば可動部を誘導する。
【0021】
開示される例示的な可撓性基板試験システムは、試験対象の可撓性基板の第1の部分を静止状態に保持するように構成された第1の基板支持構造と、可撓性基板の第2の部分を保持するように構成された第2の基板支持構造と、可撓性基板を折り曲げ、可撓性基板を展開するように第2の基板支持構造を動かすように構成されたアクチュエータと、可撓性基板に対する負荷を測定するように構成されたロードセルとを備える。
【0022】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、可撓性基板を折り曲げ、可撓性基板を展開するように第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成された第1のガイドを更に備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1のガイドは、可撓性基板の第1の所定の曲げ半径に従って第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1のガイドは、可撓性基板の第2の所定の曲げ半径に従って第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成された第2のガイドと交換可能である。
【0023】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1のガイドは、第2の基板支持構造に取り付けられたカム従動子を誘導するように構成された溝を有する第1のガイドプレートを備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1のガイドプレートは、第2の基板支持構造に結合され、アクチュエータ溝内に位置決めされたアクチュエータピンを誘導するように構成されたアクチュエータ溝を備え、アクチュエータは、アクチュエータピンを動かすことによって第2の基板支持構造を動かすように構成される。
【0024】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、第1のガイドは、第2の基板支持構造の運動又は重量に起因して、可撓性基板に対し追加の応力を引き起こすことなく、第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、第2の基板支持構造に、第2の基板支持構造の、第1のガイドと反対側に結合された第2のガイドを更に備え、第2のガイドプレートは、可撓性基板を折り曲げ、可撓性基板を展開するように第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成される。
【0025】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、ロードセルに向かう第1の基板支持構造の変位を制限するように構成された負荷制限器を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、ロードセルからの負荷情報に基づいて可撓性基板に対する負荷を求めるように構成された制御回路部を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、制御回路部は、可撓性基板の折り曲げ又は展開中にロードセルによって測定される動的負荷に基づいて、可撓性基板に対する負荷を求めるように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、制御回路部は、可撓性基板の折り曲げ又は展開の完了時にロードセルによって測定された静的負荷に基づいて可撓性基板に対する負荷を求めるように構成される。
【0026】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、第2の基板支持構造を第1の方向に動かして可撓性基板を折り曲げるか、又は第2の方向に動かして可撓性基板を展開するようにアクチュエータを制御するように構成された制御回路部を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、第1の基板支持構造を保持し、ロードセルが負荷を測定するように構成される方向における第1の基板支持構造の運動を制限するように構成された並進リンク機構を備える。
【0027】
いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、ロードセルは、可撓性基板の第1の部分に対する負荷を測定するように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムにおいて、ロードセルは、可撓性基板の第2の部分に対する負荷の少なくとも一部分を測定するように構成される。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、第2の基板支持構造の重量、及び折り曲げ又は展開中の基板支持構造の運動量について、ロードセルからの負荷測定値を補償し、ロードセルからの負荷情報及び補償に基づいて、可撓性基板に対する負荷の少なくとも一部分を求めるように構成された制御回路部を備える。いくつかの例示的な可撓性基板試験システムは、可撓性基板の第1の部分に対する負荷の一部分を測定するように構成された第2のロードセルを備える。
【0028】
可撓性基板に対する負荷を測定する、開示される例示的な方法は、基板支持構造を介して、試験対象の可撓性基板の第1の部分を静止状態に保持することと、アクチュエータを介して、可撓性基板を折り曲げ、又は可撓性基板を展開するように可撓性基板の第2の部分を動かすことと、動かした結果として生じる可撓性基板に対する負荷を測定することとを含む。
【0029】
いくつかの他の例示的な可撓性基板試験システムは、試験対象の可撓性基板の第1の側部を静止状態に保持するように構成された第1の表面を備える第1のプレートと、第1のプレートを保持し、プレートの第1の表面に平行な方向におけるプレートの運動を制限するように構成された並進リンク機構と、可撓性基板の第2の側部を保持するように構成された第2の表面を備える第2のプレートと、可撓性基板を折り曲げ、可撓性基板を展開するように第2の表面の運動を誘導するように構成された第1のガイドプレートと、可撓性基板を折り曲げ、可撓性基板を展開するように第1のガイドプレートに従って第2のプレートを動かすように構成されたアクチュエータと、アクチュエータが第2のプレートを動かす間、第1のプレートに対する負荷を測定するように構成されたロードセルとを備える。
【0030】
図1Aは、可撓性基板102上で機械的特性試験を実行するための例示的な可撓性基板試験システム100のブロック図である。例示的な可撓性基板102は、可撓性表示スクリーン、又は他のデバイス、構造、材料、及び/又は任意の他の基板としてもよい。
図1Aのシステム100は、可撓性基板102の折り曲げ及び展開を繰り返し行い、基板102に対する応力を測定するように構成される。
【0031】
例示的なシステム100は、第1のプレート104、第2のプレート106、ガイドプレート108、アクチュエータ110、ロードセル112及び並進リンク機構114を備える。システム100は、構造支持部若しくはフレーミング、処理回路部、通信及び/又は入力/出力(I/O)回路部、及び/又は任意の他の構成要素等の追加の特徴を備えることができる。
【0032】
可撓性基板102は、折り曲げられると、基板102における屈曲部120又は折り曲げ部の対向する端部に第1の側部116及び第2の側部118を有するとみなされる。第1の側部116及び第2の側部118。
図1Aは、展開された又は平坦な位置(実線)及び折り曲げられた位置(点線)にある基板を示す。
【0033】
第1のプレート104は第1の基板支持構造であり、基板102の第1の側部116が取り付けられたか又は付着された第1の表面122を有する。基板102の第1の側部116は、第1の表面122に対し静止状態で保持される。第2のプレート106は第2の基板支持構造であり、基板102の第2の側部118が取り付けられたか又は付着された第2の表面124を有する。基板102の第2の側部は、第2の表面124に対し静止状態で保持される。プレート104、106は、基板102が折り曲げられているときに曲線120を形成する基板102の部分によって架橋された間隙によって分離されている。
【0034】
図1Aにおける第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は、第1のプレート及び第2のプレートであるが、他の例において、第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は異なっていてもよい。例えば、他の第1の基板支持構造及び第2の基板支持構造は、基板102をプレートに取り付けることなく折り曲げを可能にするように基板102の一部分を保持するためのクリップ又はクランプを備えてもよい。
【0035】
ガイドプレート108は、可撓性基板102を折り曲げ、展開するように、第2のプレート106、このため第2の表面124の運動を誘導する。以下でより詳細に説明するように、ガイドプレート108は複数の溝を含むことができ、これらは、対応するカム従動子によって第2のプレート106に取り付けられ、第2のプレート106の並進及び回転を誘導する。単一の溝及びカム従動子の代わりに複数の溝及びカム従動子を備えることによって、例示的なシステム100は、基板102に対する更なる応力を生成することを回避することができる。例えば、一定の間隔を有する複数の溝は、基板102に対し更なる応力を引き起こし、試験結果に影響を及ぼす場合がある、第2のプレート106の重量に起因したモーメントの発生を阻止する。
【0036】
図1Aにおける例は、折り曲げ経路を画定するためのガイドとしてガイドプレート108を備えるが、他の例において、ガイドは異なっていてもよく、及び/又は、可撓性基板が折り曲げ及び/又は展開経路(複数の場合もある)を画定することを可能にするために省かれてもよい。例えば、他のガイドは、複数のギアを有してもよく、ここで、第1のギアは自由に回転し、基板102の第1の側部の縁部と位置合わせされ、第2のギアは、第1のギアと噛み合わされ、基板102の第2の半分に対し固定される。他の例示的なガイドは、互いに直交して配置され、互いに装着された、2つの線形アクチュエータの組み合わせを含んでもよく、第2のプレート106はアクチュエータに取り付けられ、x-y平面において自由に移動し、折り曲げ経路を描くことができる。複数の線形アクチュエータが、ガイドが異なる半径の折り曲げ部及び/又は非円形の折り曲げ部を含む様々なタイプの経路を実施することを可能にすることができる。いくつかの他の例示的なガイドが、折り曲げ経路を画定する一連のリンク機構を含んでもよい。
【0037】
アクチュエータ110は、第2のプレート106を動かすように第2のプレート106に結合される。
図1において説明するように、アクチュエータ110は、基板102が展開された第1の位置(例えば、実線で示される)と、基板102が折り曲げられた第2の位置(例えば、破線)との間で第2のプレート106を動かす。いくつかの例において、アクチュエータ110は、第2のプレート106に結合されたリンク機構及びアクチュエータピンを介して第2のプレート106に取り付けられたモーターとすることができる。アクチュエータピンは、アクチュエータ110が第2のプレート106上に力を行使する方向を制御するようにガイドプレート108を介して誘導することもできる。
【0038】
ロードセル112は、アクチュエータ110が第2のプレート106を動かしている間、第1のプレート104に対する負荷を測定する。特に、ロードセル112は、基板102が第1のプレート104に対し基板102の第1の側部116によって加えられる負荷を測定することによって、基板102が折り曲げられる際の基板102に対する応力(例えば、折り曲げ力)を測定する。ロードセル112は、折り曲げ及び/又は展開中の負荷測定値(例えば、動的負荷の測定値)、及び/又は、折り曲げ及び/又は展開プロセスの終了時の負荷測定値(例えば、静的負荷の測定値)を出力することができる。
【0039】
並進リンク機構114は、ロードセル112が第1のプレート104によって負荷をかけられる方向以外の方向における第1のプレート104の動きを制限する。例えば、ロードセル112が、第1の表面122の平面に対し垂直な方向における負荷を測定するように構成される場合、並進リンク機構114は、負荷が第1のプレート104からロードセル112に伝達されることを可能にしながら、第1の表面122の平面に対し平行な方向における第1のプレート104の動きを制限する。例示的な並進リンク機構114は、ロードセル112に対し固定されたフレームに結合された1つ以上の4バーリンク機構を含むことができる。いくつかの例において、並進リンク機構114は、ロードセル112の過負荷を阻止するように、ロードセル112に向かう方向において更に制限される。例えば、停止点は、この停止点を越えてロードセル112に向かう4バーリンク機構(複数の場合もある)及びプレート104の動きを阻止するように、フレームに取り付けることができる。
【0040】
動作時に、例示的なロードセル112は、試験測定値から予荷重を減算するために、基板102を第1のプレート104及び第2のプレート106に固定した後にバイアス又はオフセットすることができる。例えば、ロードセル112における予荷重は、プレート104の重量、並進リンク機構114の重量、及び第1のプレート104における基板102の第1の側部116の重量に起因して生じる場合がある。ロードセル112における予荷重を求めることによって、ロードセル112は、折り曲げ及び展開中に基板102にかかる応力を測定するように較正又はオフセットすることができる。
【0041】
図1Bは、可撓性基板102上で機械的特性試験を実行する別の例示的な可撓性基板試験システム150のブロック図である。
図1Bの可撓性基板試験システム150は、
図1Aの可撓性基板試験システム100に類似しているが、ロードセル112は、第1のプレート104(例えば、静止プレート)ではなく、第2のプレート106(例えば、移動プレート)に結合され、第2のプレート106に結合された可撓性基板102の一部分に対する負荷を測定する。更に他の例において、ロードセル(複数の場合もある)は、可撓性基板102の双方の部分に対する力を測定するためにプレート104、106の双方に結合してもよい。
【0042】
図1Bの例において、ロードセル112によって出力される測定値は、第2のプレート106の重量及び第2のプレート106の慣性負荷について補償され、可撓性基板102に対する力の測定値が提供される。例えば、結果としてロードセル112によって測定可能な力が生じる、第2のプレート106の重量の一部分及び第2のプレート106の慣性負荷の一部分は、折り曲げ運動中に連続的に変化する場合がある。処理システム(例えば、以下で開示されるプロセッサ203)は、第2のプレート106及び/又はアクチュエータ110の特性、折り曲げ方向、折り曲げ速度及び/又は折り曲げ経路、及び/又は、折り曲げ及び/又は展開プロセス中に生じる任意の他の動的力に基づいて、ロードセル112から受信した測定値を補償するように構成することができる。
【0043】
図2は、
図1Aの可撓性基板試験システム100の例示的な実施態様のブロック図である。
図2に示すように、可撓性基板試験システム100は、試験用取付具201及びコンピューティングデバイス202を備える。
【0044】
例示的なコンピューティングデバイス202は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、オールインワンコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとしてもよい。
図2のコンピューティングデバイス202は、プロセッサ203を備え、プロセッサ203は、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。いくつかの例において、プロセッサ203は、FPGA、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ203は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示的なマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとしてもよい。バス212は、プロセッサ203、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0045】
例示的なネットワークインターフェース214は、コンピューティングデバイス201を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0046】
図2の例示的なI/Oインターフェース216は、プロセッサ203に入力を提供する及び/又はプロセッサ203から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ203に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含んでもよい。例示的な伸び計システム100は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示的なI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含んでもよい。
【0047】
コンピューティングデバイス202は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。
図2の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0048】
試験用取付具201は、コンピューティングデバイス202に結合される。
図2の例において、試験用取付具201は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。いくつかの例において、試験用取付具201は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース214及び/又はI/Oインターフェース216に結合される。
【0049】
試験用取付具201は、フレーム228と、ロードセル230と、材料固定具236と、制御プロセッサ238とを備える。フレーム228は、試験を行う試験用取付具201の他の構成要素に剛体の構造支持体を提供する。ロードセル230は、
図1Aのロードセル112を実装することができ、把持部248(例えば、プレート104、106)を介してアクチュエータ246によって試験対象の材料(例えば、基板102)に加えられた力を測定する。
【0050】
アクチュエータ246は、把持部248が試験対象の材料を把持するか又は他の形でアクチュエータ246に結合している間、試験対象の材料に力を加え、及び/又は試験対象の材料の変位を強制する。
【0051】
試験用取付具201の構成要素に力及び/又は運動を与えるのに用いることができる例示的なアクチュエータは、電気モーター、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、中継器及び/又はスイッチを含む。例示的な試験用取付具201は、サーボモーター又は直接駆動リニアモーター等のモーターを用いるが、他のシステムは、異なるタイプのアクチュエータを用いてもよい。例えば、システムの要件に基づいて、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び/又は任意の他のタイプのアクチュエータを用いてもよい。
【0052】
例示的な把持部248は、試験されている機械的特性及び/又は試験対象の材料に依拠して、プラテン、クランプ及び/又は他のタイプの固定具を含む。把持部248は、手動入力により手動で構成、制御し、及び/又は制御プロセッサ238によって自動的に制御することができる。
【0053】
試験システム100は、1つ以上の入力デバイス252を含む1つ以上の制御パネル250を更に備えることができる。入力デバイス252は、オペレーター制御パネル上に位置するボタン、スイッチ及び/又は他の入力デバイスを含むことができる。例えば、入力デバイス252は、把持部248を所望の位置まで押す(jog)(例えば、位置決めする)ようにアクチュエータ246を制御するボタン、把持部248を(例えば、別のアクチュエータを介して)開閉するように制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は、試験用取付具201の動作を制御する任意の他の入力デバイスを備えてもよい。
【0054】
例示的な制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス202と通信して、例えばコンピューティングデバイス202から試験パラメータを受信し、及び/又は、測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス202に報告する。例えば、制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス202との通信を可能にする1つ以上の通信及び/又はI/Oインターフェースを備えることができる。制御プロセッサ238は、所与の方向に動き、及び/又はアクチュエータ246の速度を制御するようにアクチュエータ246を制御し、試験対象の材料を把持又は解放するように固定具(複数の場合もある)236を制御し、及び/又は、変位トランスデューサ232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。
【0055】
例示的な制御プロセッサ238は、試験標本(例えば、基板102)が試験用取付具201における試験を受ける反復運動試験プロセスを実施するように構成される。例えば、一連の折り曲げ及び展開運動中又はその後の基板102に対する応力を測定するために、制御プロセッサ238は、ロードセル230をモニタリングして基板102に対する応力を測定しながら、アクチュエータ246を、把持部248(例えば、第1のプレート104及び第2のプレート106)を動かすように制御する。いくつかの例において、制御プロセッサ238は、アクチュエータ246のモーターエンコーダーをモニタリングして、折り曲げ角を求め、及び/又はパルスあたりの折り曲げの度合いの比を確立する。
【0056】
例示的なプロセッサ203は、可撓性基板102の折り曲げ又は展開の終了時にロードセル230によって測定される負荷に基づいて、可撓性基板102における静的負荷を求めることができる。静的負荷測定は、基板102が折り曲げ又は展開プロセスに続いて弛緩することを可能にするように、弛緩時間を満了させた後に行うことができる。さらに又は代替的に、例示的なプロセッサ203は、可撓性基板102の折り曲げ又は展開中にロードセル230によって測定される負荷に基づいて、可撓性基板102における動的負荷を求めてもよい。例示的なプロセッサ203は、負荷測定値からの第1のプレート104の重量及び/又は第2のプレート106の重量及び慣性負荷の影響の除去等の、ロードセル(複数の場合もある)230からの測定値の補償を行うことができる。
【0057】
図3は、
図1Aの可撓性基板試験システム100の例示的な実施態様の斜視図である。
図3の例示的な図は、第2のプレート106を動かすように構成された回転アーム301と、ロードセル112と、並進リンク機構114の例示的な実施とを示す。第1のプレート104は
図3には示されていない。第2のプレート106は回転アーム301に取り付けることができる。
【0058】
例示的な並進リンク機構114は、第1の4バーリンク機構302と、第2の4バーリンク機構304と、フレーム306とを備える。フレーム306及びロードセル112は、取付フレーム(例えば、
図2のフレーム228)への取り付けによって互いに対し静止している。第1の4バーリンク機構302及び第2の4バーリンク機構304は、それぞれ、最も内側のリンクを介して第1のプレート104に取り付けられるように構成される。第1の4バーリンク機構302及び第2の4バーリンク機構304は、第1のプレート104からの負荷が、第1のプレート104の表面に対し垂直な方向(
図3において方向Zとして示される)において(例えば、ロードセル112に結合された拡張ポスト308により)ロードセル112に伝達されることを可能にしながら、基板102が装着される第1のプレート104の表面に対し平行な方向(
図3において方向X及びYとして示される)における第1のプレート104の動きを制限する。
【0059】
ロードセル112の過負荷を回避するために、フレーム306は、第1の4バーリンク機構302及び第2の4バーリンク機構304及び/又は第1のプレート104が停止点を越えてロードセル112に向かって進むことを阻止するように構成された停止点を備える。停止点は、例えば、第1の4バーリンク機構302及び/又は第2の4バーリンク機構304の下側に接触するように構成されたピン又は他の剛体の締結具と、フレーム306の上面と、フレーム306の上面に結合されたバンパー又は剛体のオフセットとを用いて実装され、第1のプレート104との接触及び/又は任意の他の技法により停止点を提供してもよい。
【0060】
回転アーム301は、基板102の折り曲げ及び展開を行うために、第1のプレート104に対し第2のプレート106を回転及び並進させるように構成される。回転アーム301は、以下で
図4を参照して論考するように、ガイドプレート108内のカム溝を通って進むように構成されたカム従動子を備える回転組立体310を介してガイドプレート108に結合される。
【0061】
図4は、ガイドプレート402(例えば、
図1Aのガイドプレート108)を備える、
図1Aの例示的な可撓性基板試験システム100の立面図である。例示的なガイドプレート402は、2つのカム溝404、406を備え、これらのカム溝内で、2つのカム従動子408、410が動かされることで、第2のプレート106を回転させ、動かす。溝404、406は、溝404、406のアーク長にわたって同じ距離だけ分離され、カム従動子408、410が、回転アーム301及び回転組立体310を介して第2のプレート106の重量を支持し、実質的に、第2のプレート106の重量に起因して基板102上に応力が発生しないようにする。
【0062】
ガイドプレート402は、第2のプレート106に結合された作動ピン414を受けるように構成されたアクチュエータ溝412を備える。アクチュエータ溝412は、溝404、412のアーク長にわたってカム溝404から同じ距離だけ分離され、溝406、412のアーク長にわたってカム溝406から同じ距離だけ分離される。
【0063】
例示的な溝404、406、412は、第2のプレート106が第1のプレート104に向けて回転されているとき、基板102における指定された曲げ半径を生じさせるように構成することができる。このため、ガイドプレート402は、他のガイドプレートと交換可能とすることができ、これにより、基板102において異なる曲げ半径が生じる。溝404、406、412の構成及び形状は、基板102の長さが変化せず、したがって圧縮及び張力が基板102に発生しないように、基板102の進行経路にわたってカム従動子408、410及び作動ピン414が基板102の有効曲げ軸に対し位置する角度及び位置のセットを計算することによって求めることができる。
【0064】
図4の例において、ガイドプレート402は、曲げ視認窓416を備え、これを通じて、カメラ又は他のモニタリングデバイスが基板102の曲げ半径を観察することができる。
【0065】
図5は、
図3の並進リンク機構114の部分展開図である。特に、例示的な並進リンク機構114は、それぞれ中間リンク機構506、508、510、512と別個の4バーリンク機構302、304の内側リンク機構502、504と共に示される。中間リンク機構506~512は、内側リンク機構502、504をフレーム306に結合する。フレーム306は、4バーリンク機構302、304の一部分としての役割を果たす。
【0066】
図6は、試験対象の基板102を折り曲げるような位置に第2のプレート106が動かされた
図3の例示的な可撓性基板試験システム100の斜視図である。
【0067】
図7は、
図1Aの可撓性基板試験システム100を実施するのに用いることができる別の例示的な可撓性基板試験システム700の斜視図である。
図8は、
図7の例示的な可撓性基板試験システム700の立面図である。
図9は、
図7の例示的な可撓性基板試験システムの平面図である。
図10は、
図7の例示的な可撓性基板試験システムの立面図である。
【0068】
例示的な可撓性基板試験システム700は、駆動軸712を介して駆動される、第1のプレート704と、第2のプレート706と、ガイドプレート708a、708bと、駆動アーム710a、710bとを備える。第1のプレート704は、駆動アーム710a、710bがガイドプレート708a、708bによって画定される経路に従って第2のプレート706を動かし、第1のプレート704及び第2のプレート706に取り付けられた基板を折り曲げる間、静止したままである。
【0069】
図7~
図9の例において、例示的な並進リンク機構114は、ガイドプレート708a、708bと同じベースプレート716に結合された屈曲部714a、714bを備える。屈曲部714a、714bは、第1のプレート704を支持し、可撓性基板からロードセル718への負荷の伝達を可能にする。屈曲部714a、714bは、ロードセル718が力を測定する方向以外の方向における第1のプレート704の動きを制限する。
【0070】
例示的なガイドプレート708a、708bは、
図3に示すガイドプレート108に類似している。
図7~
図9の例において、ガイドプレート708a、708bは、それぞれ、アクチュエータ溝720a、720bと、1つのカム溝722a、722bとを備える。駆動アーム710a、710bは、第2のプレート706を動かす(例えば、折り曲げる、展開する)ように、(例えば、予負荷された作動ピン724a、724bを介して)それぞれのアクチュエータ溝720a、720bに結合される。
【0071】
アクチュエータ溝720a、720b(例えば、予負荷されたカム従動子724a、724bを介する)及びカム溝722a、722b(例えば、カム従動子又はベアリング726a、726bを介する)の双方が第2のプレート706に結合され、第2のプレート708の移動及び折り曲げ経路を制御し、結果として、基板の折り曲げの経路を制御する。例示的なガイドプレート708a、708bは、更なるアクチュエータ溝720a、720b及び/又はカム溝722a、722bを備えてもよい。
【0072】
図8に示すように、駆動アーム710a、710bは、駆動アーム710a、710bの旋回軸804から径方向に延びるそれぞれのスロット802a、802bを備える。
図8の例において、アクチュエータ110は、旋回軸804を定義する駆動軸712を介して駆動アーム710a、710bを作動させる(例えば、回転させる)。スロット802a、802bは、駆動アーム710a、710bが回転される際にスロット802a、802bの長さに沿ってベアリング726a、726bが自由に動くことを可能にしながら、駆動アーム710a、710bが回転される際にそれぞれのベアリング726a、726bを誘導する。
【0073】
図11は、
図7の例示的な第1のプレート704、屈曲部714a、714b、及びロードセル120のより詳細な図である。例示的な屈曲部714a、714bは、ベースプレート310に結合されたブラケット1102a、1102bによって支持される。
【0074】
屈曲部714a、714bは、第1のプレート110の重量を支持するようにブラケット1102a、1102b及び第1のプレート110に取り付けられた金属ストリップを備える。第1のプレート110はまた、測定のためにロードセル120に負荷を伝達するようにロードセル120に結合される。
【0075】
ロードセル120の過負荷を回避するために、第1のプレート110は、第1のプレート110が停止点を越えてロードセル120に向かって進むことを阻止するように構成された停止点を備える。示される例において、停止点は、停止ブロック1104a、1104bを用いて実施される。支持ブラケット1106a、1106bは、屈曲部714a、714bを第1のプレート110に結合する。ブロック1104a、1104bは、支持ブラケット1106a、1106bの所定の量の進行後(例えば、第1のプレート110に所定の量の負荷がかかった後)、屈曲部714a、714bを第1のプレート110に結合する支持ブラケット1106a、1106bを停止するように構成される。
【0076】
図12は、
図1A~
図11の例示的な可撓性基板試験システムによって行うことができる、可撓性基板に対する負荷を測定する例示的な方法1200を表すフローチャートである。例示的な方法1200は、以下で
図1A及び
図2を参照して開示される。
【0077】
ブロック1202において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、ロードセル112、230を較正して、第1の基板支持構造及び/又は第2の基板支持構造(複数の場合もある)(例えば、第1のプレート104、第2のプレート106)、並進リンク機構114の重量(複数の場合もある)、及び/又はロードセル112、230による測定に影響を及ぼす任意の他の力を補償する。
【0078】
ブロック1204において、第1の基板支持構造(例えば、第1のプレート104)は、可撓性基板102の第1の部分を静止状態に保持する。ブロック1206において、第2の基板支持構造(例えば、第2のプレート106)は、可撓性基板102の第2の部分を保持する。
【0079】
ブロック1208において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を折り曲げるか否かを判断する。例えば、プロセッサ203は、折り曲げサイクル(例えば、折り曲げ及び展開)が行われるか否かを判断することができる。折り曲げが行われない場合(ブロック1208)、制御はブロック1208を反復し、折り曲げを待機する。
【0080】
折り曲げが行われる場合(ブロック1208)、ブロック1210において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を折り曲げる折り曲げ方向において第2の基板支持構造を動かすようにアクチュエータ110を制御する。いくつかの例において、ガイドプレート108等の1つ以上のガイドを用いて、折り曲げ中の可撓性基板102の曲げ半径及び/又は折り曲げ経路を制御することができる。ブロック1212において、ロードセル112、230は、折り曲げ中の可撓性基板102に対する動的負荷を測定し、及び/又は折り曲げ後の可撓性基板102に対する静的負荷を測定する。
【0081】
ブロック1214において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を展開するか否かを判断する。展開が行われない場合(ブロック1214)、制御はブロック1214を反復し、展開を待機する。
【0082】
展開が行われる場合(ブロック1214)、ブロック1216において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、可撓性基板102を展開する展開方向において第2の基板支持構造を動かすようにアクチュエータ110を制御する。いくつかの例において、ガイドプレート108等の1つ以上のガイドを用いて、展開中の可撓性基板102の曲げ半径及び/又は折り曲げ経路を制御することができる。ブロック1218において、ロードセル112、230は、展開中の可撓性基板102に対する動的負荷を測定し、及び/又は展開後の可撓性基板102に対する静的負荷を測定する。
【0083】
ブロック1220において、プロセッサ203及び/又は制御プロセッサ238は、折り曲げサイクルを繰り返すか否かを判断する。例えば、可撓性基板102は、複数の折り曲げサイクルを伴う試験プロセスを受ける場合がある。折り曲げサイクルが繰り返される場合(ブロック1220)、制御はブロック1208に戻る。折り曲げサイクルが繰り返されない場合(ブロック1220)、例示的な方法1200は終了する。
【0084】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0085】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路類」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路類は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路類はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0086】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。例えば、開示した例のブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
上述の実施形態は下記のようにも記載され得るが下記には限定されない。
[構成1]
可撓性基板試験システムであって、
試験対象の可撓性基板の第1の部分を静止状態に保持するように構成された第1の基板支持構造と、
前記可撓性基板の第2の部分を保持するように構成された第2の基板支持構造と、
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の基板支持構造を動かすように構成されたアクチュエータと、
前記可撓性基板に対する負荷を測定するように構成されたロードセルと、
を備える、可撓性基板試験システム。
[構成2]
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成された第1のガイドを更に備える、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成3]
前記第1のガイドは、前記可撓性基板の第1の所定の曲げ半径に従って前記第2の基板支持構造の前記運動を誘導するように構成される、構成2に記載の可撓性基板試験システム。
[構成4]
前記第1のガイドは、前記可撓性基板の第2の所定の曲げ半径に従って前記第2の基板支持構造の前記運動を誘導するように構成された第2のガイドと交換可能である、構成3に記載の可撓性基板試験システム。
[構成5]
前記第1のガイドは、前記第2の基板支持構造に取り付けられたカム従動子を誘導するように構成された溝を有する第1のガイドプレートを備える、構成2に記載の可撓性基板試験システム。
[構成6]
前記第1のガイドプレートは、前記第2の基板支持構造に結合され、アクチュエータ溝内に位置決めされたアクチュエータピンを誘導するように構成された前記アクチュエータ溝を備え、前記アクチュエータは、前記アクチュエータピンを動かすことによって前記第2の基板支持構造を動かすように構成される、構成5に記載の可撓性基板試験システム。
[構成7]
前記第1のガイドは、前記第2の基板支持構造の前記運動又は重量に起因して、前記可撓性基板に対し追加の応力を引き起こすことなく、前記第2の基板支持構造の前記運動を誘導するように構成される、構成2に記載の可撓性基板試験システム。
[構成8]
前記第2の基板支持構造に、該第2の基板支持構造の、前記第1のガイドと反対側に結合された第2のガイドを更に備え、前記第2のガイドプレートは、前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の基板支持構造の運動を誘導するように構成される、構成2に記載の可撓性基板試験システム。
[構成9]
前記ロードセルに向かう前記第1の基板支持構造の変位を制限するように構成された負荷制限器を更に備える、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成10]
前記ロードセルからの負荷情報に基づいて前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成された制御回路部を更に備える、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成11]
前記制御回路部は、前記可撓性基板の折り曲げ又は展開中に前記ロードセルによって測定される動的負荷に基づいて、前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成される、構成10に記載の可撓性基板試験システム。
[構成12]
前記制御回路部は、前記可撓性基板の折り曲げ又は展開の完了時に前記ロードセルによって測定された静的負荷に基づいて前記可撓性基板に対する前記負荷を求めるように構成される、構成10に記載の可撓性基板試験システム。
[構成13]
前記第2の基板支持構造を第1の方向に動かして前記可撓性基板を折り曲げるか、又は第2の方向に動かして前記可撓性基板を展開するように前記アクチュエータを制御するように構成された制御回路部を更に備える、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成14]
前記第1の基板支持構造を保持し、前記ロードセルが前記負荷を測定するように構成される方向における前記第1の基板支持構造の運動を制限するように構成された並進リンク機構を更に備える、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成15]
前記ロードセルは、前記可撓性基板の前記第1の部分に対する前記負荷を測定するように構成される、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成16]
前記ロードセルは、前記可撓性基板の前記第2の部分に対する前記負荷の少なくとも一部分を測定するように構成される、構成1に記載の可撓性基板試験システム。
[構成17]
前記第2の基板支持構造の重量、及び折り曲げ又は展開中の前記基板支持構造の慣性負荷について、前記ロードセルからの負荷測定値を補償し、前記ロードセルからの負荷情報及び前記補償に基づいて、前記可撓性基板に対する前記負荷の少なくとも一部分を求めるように構成された制御回路部を更に備える、構成16に記載の可撓性基板試験システム。
[構成18]
前記可撓性基板の前記第1の部分に対する前記負荷の一部分を測定するように構成された第2のロードセルを更に備える、構成16に記載の可撓性基板試験システム。
[構成19]
可撓性基板に対する負荷を測定する方法であって、
基板支持構造を介して、試験対象の可撓性基板の第1の部分を静止状態に保持することと、
アクチュエータを介して、前記可撓性基板を折り曲げ、又は該可撓性基板を展開するように前記可撓性基板の第2の部分を動かすことと、
前記動かした結果として生じる前記可撓性基板に対する負荷を測定することと、
を含む、方法。
[構成20]
可撓性基板試験システムであって、
試験対象の可撓性基板の第1の側部を静止状態に保持するように構成された第1の表面を備える第1のプレートと、
前記第1のプレートを保持し、前記プレートの前記第1の表面に平行な方向における前記プレートの運動を制限するように構成された並進リンク機構と、
前記可撓性基板の第2の側部を保持するように構成された第2の表面を備える第2のプレートと、
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第2の表面の運動を誘導するように構成された第1のガイドプレートと、
前記可撓性基板を折り曲げ、該可撓性基板を展開するように前記第1のガイドプレートに従って前記第2のプレートを動かすように構成されたアクチュエータと、
前記アクチュエータが前記第2のプレートを動かす間、前記第1のプレートに対する負荷を測定するように構成されたロードセルと、
を備える、可撓性基板試験システム。